JP2007090511A - 切削工具の加工方法及び加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 研削手段を用い、回転切削工具の回転軸と平行な回転軸を有する保持手段で保持された被研削体を研削して切刃を有する切削工具を形成する切削工具の加工方法において、記録手段に記録された研削後の被研削体の形状の測定データを基に設計値に対する補正量を算出する補正量算出工程と、前記設計値及び前記補正量を用いて前記被研削体を研削する研削工程と、前記研削された被研削体の形状を前記保持手段で保持した状態で測定する測定工程と、該測定工程による測定データを前記記録手段に記録する記録工程とを備える。
【選択図】 図4
Description
ここで、加工装置に例えばタッチプローブのように研削される被研削体の形状を測定する測定手段を備える加工装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような測定手段が設けられている場合には、測定手段で研削前の被研削体の先端位置や切刃形成位置を取得する。そして、取得した位置情報を基に被研削体を研削して外周や切刃を形成して切削工具の加工を行っている。一方、タッチプローブなどが設けられていない場合には、位置情報を取得しないで外周や切刃の形成を行う。
また、自動供給装置を備えることで、被研削体の搬入出を自動で行う加工装置が提案されている。
また、本発明の切削工具の加工装置は、回転切削工具の回転軸と平行な回転軸を有する保持手段と、被研削体を研削して切刃を有する切削工具を形成する研削手段と、被研削体の形状を測定する測定手段と、制御手段とを有し、該制御手段が、研削された前記被研削体の形状の測定データを記録する記録手段と、該記録手段に記録されている前記測定データに基づいて設計値に対する補正量を算出する補正量算出手段とを備えることを特徴とする。
すなわち、本発明の切削工具の加工方法は、被研削体を研削して切刃を有する切削工具を形成する切削工具の加工方法において、前回研削された被研削体の例えば外径、振れまたは芯上がりのうち少なくとも1つの測定データを読み出し、該測定データを基に設計値に対する補正量を算出し、前記設計値及び前記補正量を用いて前記被研削体の研削を行った後、該研削された被研削体の例えば外径、振れまたは芯上がりのうち少なくとも1つを測定データとして記録することとしてもよい。
また、本発明の切削工具の加工装置は、補正量算出手段が前回研削された被研削体の測定データを基に前記補正量を算出することとしてもよい。
すなわち、本発明の切削工具の加工装置は、被研削体を研削する研削手段と、被研削体の例えば外径、振れまたは芯上がりのうち少なくとも1つを測定する測定手段と、制御手段とを有し、該制御手段が、研削された前記被研削体の例えば外径、振れまたは芯上がりのうち少なくとも1つの測定データを記録する記録手段と、該記録手段に記録されている前記測定データに基づいて設計値に対する補正量を算出する補正量算出手段とを備えることとしてもよい。
この発明では、新たに被研削体を研削する際、直前に研削した被研削体の測定データを読み出して補正量を算出し、研削を行う。
また、本発明の切削工具の加工装置は、補正量算出手段が前回から複数(N1)回前までに研削された被研削体の測定データを基に前記補正量を算出することとしてもよい。
この発明では、新たに被研削体を研削する際、過去に研削した複数の被研削体の測定データから補正量を算出し、研削を行う。
また、本発明の切削工具の加工装置は、補正量算出手段が前回から複数(N1)回前までの測定データの平均値を基に前記補正量を算出することが好ましい。
この発明では、過去に研削した複数の被研削体における測定データの平均値を用いることで、各測定データのバラツキが補正量に与える影響を小さくすることができる。これにより、切削工具の連続加工においても、より製作誤差の小さい切削工具を得ることができる。
また、本発明の切削工具の加工方法は、補正量算出手段が前回から複数(N1)回前までの測定データに重み付けを行い、該重み付けされた測定データを基に前記補正量を算出することが好ましい。
この発明では、過去に研削した複数の被研削体における測定データに重み付けを行うことで、上述と同様に、各測定データのバラツキが補正量に与える影響を小さくすることができる。これにより、切削工具の連続加工においても、より製作誤差の小さい切削工具を得ることができる。
また、本発明の切削工具の加工装置は、研削手段が前記設計値及び前記補正量を用いて複数(M1)の被研削体の研削を連続して行うこととしてもよい。
この発明では、複数(M1)回ごとに補正量算出工程を行って設計値に対する補正量の算出を行う。このように補正量算出工程を行う回数を少なくすることで、切削工具の加工速度を増大させることができる。
また、本発明の切削工具の加工装置は、前記記録手段に、直前に研削された所定数(N2)の前記被研削体の測定データを記録し、補正量算出手段が前記所定数(N2)の測定データを基に最初の前記補正量を算出することとしてもよい。
この発明では、上述と同様に、各測定データのバラツキが補正量に与える影響を小さくすることや、切削工具の連続加工においてより製作誤差の小さい切削工具を得ることができる。
また、本発明の切削工具の加工装置は、補正量算出手段が前記所定数(N2)の測定データの平均値を基に前記最初の補正量を算出するこが好ましい。
この発明では、上述と同様に、各測定データのバラツキが補正量に与える影響を小さくすることができ、切削工具の連続加工においても、より製作誤差の小さい切削工具を得ることができる。
また、本発明の切削工具の加工装置は、補正量算出手段が前記所定数(N2)の測定データに重み付けを行い、該重み付けされた測定データを基に前記最初の補正量を算出することが好ましい。
この発明では、上述と同様に、各測定データのバラツキが補正量に与える影響を小さくすることができ、切削工具の連続加工においても、より製作誤差の小さい切削工具を得ることができる。
また、本発明の切削工具の加工装置は、制御手段が研削された前記被研削体の形状の前記測定データと前記設計値との差が所定値以内となるように前記研削手段を制御することとしてもよい。
この発明では、制御手段により設計値との差が所定値以内となるように被研削体の研削を繰り返して行うことで、より設計値どおりの形状を有する切削工具を得ることができる。
この発明では、加工装置の外部から補正量の算出方法を任意に設定することができる。
本実施形態による加工装置1は、図1及び図2に示すようなソリッドタイプのエンドミル2を形成するものである。
このエンドミル2は、軸線O回りに一方向に回転されるほぼ円柱形状を有しており、その後端部がシャンク部11とされている。また、エンドミル2の端部の外周には、先端から後端側に向かうにしたがって軸線Oを中心にエンドミル2の回転方向Tの後方側によじれる4条の切屑排出溝12が周方向等間隔で形成されている。
各切屑排出溝12の回転方向T側を向く壁面には、掬い面13が形成されている。そして、各切屑排出溝12の外周側辺稜部である掬い面13と掬い面13に連なる逃げ面14との交差稜線部に外周刃(切刃)15が軸線O回りで螺旋状によじれるように形成されている。
さらに、軸線Oからその径方向に沿ってエンドミル2の外周側に延びるように底刃(切刃)16が形成されている。
ここで、底刃16は芯上がりの位置にあり、その芯上がり量がxとなっている。
また、このエンドミル2は、超硬合金などのエンドミル素材を焼結することで形成された被研削体を研削することによって得られる。なお、この被研削体は、エンドミル2と同様に円柱形状を有している。
装置本体21は、被研削体Wを保持する保持手段25と、被研削体Wを研削する研削手段26と、被研削体Wを測定する測定手段27と、保持手段25、研削手段26及び測定手段27を制御する制御部(制御手段)28とを備えている。
研削手段26は、保持具31に保持された被研削体Wと対向するように配置された研削砥石33と、研削砥石33を被研削体Wの中心軸と平行な軸で回転させるスピンドル34とを備えている。また、研削手段26は、被研削体Wに対して垂直旋回方向で移動可能となっている。すなわち、研削手段26は、エンドミルやドリルなどのねじれ刃(螺旋状切刃)を有する回転工具の外周刃及び底刃を研削するように構成されている。
制御部28は、保持手段25及び研削手段26を制御して被研削体Wから所望形状のエンドミル2を形成する研削制御部36と、測定手段27からの測定データを記録するメモリ(記録手段)37と、被研削体Wの形状やメモリ37に記録された測定データから設計値に対する補正量を算出する補正量算出部(補正量算出手段)38とを備えている。
まず、搬入出機構22から装置本体21に被研削体Wを搬入する(図4に示すステップST11)。搬入された被研削体Wは、保持具31で保持される。
そして、測定手段27で被研削体Wの位置や形状を確認する位置・形状確認工程を行う(図4に示すステップST12)。これは、測定子35を被研削体Wに接触させて、測定手段27で被研削体Wの位置や形状を測定する。そして、測定手段27は、接触したときの被研削体Wの位置情報や、形状の情報を研削制御部36に出力する。
そして、このような研削砥石33を用いて被研削体Wの研削を行うと、磨耗や熱変形による研削位置の変化に相当する分だけ、研削された被研削体Wの測定データと設計値との間にズレが生じる。以上より、補正量算出部38は、前回研削した被研削体Wの測定データを基に、被研削体Wが研削された後の寸法が設計値と一致するように設計値に対する補正量を算出する。
なお、前回の測定データがメモリ37内に記録されていない場合には、補正量算出部38による補正量の算出を行わない。
続いて、保持具31で研削された被研削体Wを保持した状態で、測定手段27で研削された被研削体Wの形状を測定する測定工程を行う(図4に示すステップST15)。これは、測定子35を研削された被研削体Wに接触させて被研削体Wの外径や振れ、芯上がりを測定する。
そして、測定手段27による測定結果を測定データとしてメモリ37に入力する記録工程を行う(図4に示すステップST16)。
ステップST17において、設計値よりも測定データのほうが小さい場合には、被研削体Wを排出し(図4に示すステップST18)、ステップST20に進む。
また、ステップST17において、設計値と測定データとの差が所定値以内である場合には、被研削体Wを搬出し(図4に示すステップST19)、ステップST20に進む。
一方、ステップST17において、設計値と測定データとの差が所定値よりも大きい場合には、ステップST14に戻り、被研削体Wを再度研削する。なお、被研削体Wを再度研削する際、ステップST13において算出した補正量と設計値とに基づいて研削してもよく、ステップST16において記録した測定データに基づいて新たに補正量を算出し、この補正量と設計値とに基づいて研削してもよい。
このステップST20において、連続して被研削体Wを研削する場合には、ステップST11に戻って、新たな被研削体Wを装置本体21に搬入する。
また、ステップST20において、連続して被研削体Wを研削しない場合には、終了する。
以上のようにして、エンドミル2の連続研削を行う。
また、ステップST17において被研削体Wを再度研削する場合にも、ステップST16の記録工程において測定データが記録されるが、ステップST20において新たな被研削体Wを研削する際にステップST13の補正量算出工程で補正量を算出するときに、再度研削したときの測定データを基に補正量を算出してもよく、再度研削する以前、すなわち最初に研削した後の測定データを基に補正量を算出してもよい。
また、ステップST16において測定データをメモリ37に記録しているが、測定データを補正量算出部38に直接出力するように構成してもよい。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態では補正量算出工程において、前回研削した被研削体Wの測定データを基に補正量を算出しているが、前回から複数(N1)回前までの測定データを基に補正量を算出するように補正量算出部38が構成されている点である。
この後、上述した第1の実施形態と同様に、設計値及び算出した補正量や測定した被研削体Wの位置情報に基づいて被研削体Wの研削を行う。
また、上述した第1の実施形態と同様に、被研削体Wを再度研削する際、ステップST23において算出した補正量と設計値とに基づいて研削してもよく、ステップST16において記録した測定データに基づいて新たに補正量を算出し、この補正量と設計値とに基づいて研削してもよい。
また、ステップST16において測定データをメモリ37に記録しているが、測定データを補正量算出部38に直接出力するように構成してもよい。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態では被研削体Wごとに設計値を補正するが、第3の実施形態ではあらかじめ設定した設定数(M1≧2)の被研削体Wごとに設計値を補正するように制御部28が構成されている点である。
そして、ステップST20において連続して被研削体Wを研削する場合には、研削した被研削体Wの個数があらかじめ設定した設定数M1の倍数であるか否かを判断する(図6に示すステップST31)。
ステップST31において、研削した被研削体Wの個数が設定数M1の倍数でない場合には、ステップST11と同様に、新たな被研削体Wを装置本体21に搬入し(図6に示すステップST32)、ステップST12と同様に搬入した被研削体Wの位置や形状を測定する位置・形状確認工程を行う(図6に示すステップST33)。そして、あらかじめ補正されている設計値に基づいて被研削体Wを研削する研削工程を行う(図6に示すステップST14)
また、ステップST31において、研削した被研削体Wの個数が設定数M1の倍数となっている場合には、ステップST11に戻って、新たな被研削体Wを装置本体21に搬入する。そして、設計値を新たに補正した後、研削を行う。このようにして、複数(M1)回ごとに補正量の算出を行って設計値に対する補正量の算出を行う。
また、上述した第1の実施形態と同様に、被研削体Wを再度研削する際、ステップST13において算出した補正量と設計値とに基づいて研削してもよく、ステップST16において記録した測定データに基づいて新たに補正量を算出し、この補正量と設計値とに基づいて研削してもよい。
また、ステップST16において測定データをメモリ37に記録しているが、測定データを補正量算出部38に直接出力するように構成してもよい。
第4の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第4の実施形態では所定数(N2)の被研削体Wを研削した後の測定データがメモリ37内に記録されており、このメモリ37内に記録されている所定数(N2)の測定データに基づいて設計値に対する最初の補正量を算出するように補正量算出部38が構成されている点である。
まず、被研削体Wを装置本体21に搬入し(図7に示すステップST41)、被研削体Wの位置や形状を確認する位置・形状確認工程を行う(図7に示すステップST42)。次に、設計値やステップST41において測定した被研削体Wの位置情報に基づいて被研削体Wを研削する研削工程を行い(図7に示すステップST43)、研削された被研削体Wの形状を測定する測定工程を行う(図7に示すステップST44)。そして、測定データをメモリ37に記録する記録工程を行う(図7に示すステップST45)。
ステップST46において、設計値よりも測定データのほうが小さい場合には、被研削体Wを排出し(図7に示すステップST47)、ステップST49に進む。
また、ステップST46において、設計値と測定データとの差が所定値以内である場合には、被研削体Wを搬出し(図7に示すステップST48)、ステップST49に進む。
一方、ステップST46において、設計値と測定データとの差が所定値よりも大きい場合には、ステップST43に戻り、被研削体Wを再度研削する。
このステップST49において、研削した被研削体Wの個数が所定数(N2)に満たない場合には、ステップST41に戻り、新たに被研削体Wを装置本体21に搬入して研削を行う。
一方、ステップST49において、研削した被研削体Wの個数が所定数(N2)となった場合には、メモリ37に所定数(N2)の測定データが記録されているので、新たな被研削体Wを装置本体21に搬入する(図7に示すステップST11)。そして、搬入した被研削体Wの位置や形状を確認する(図7に示すステップST12)。
この後、上述した第1の実施形態と同様に、設計値及び算出した補正量や測定した被研削体Wの位置情報に基づいて被研削体Wの研削を行う。
ここで、ステップST20において連続して新たに被研削体Wを研削するときには、ステップST53において新たに研削する被研削体Wに対する補正量を算出する際、第1の実施形態と同様に、前回研削した被研削体Wの測定データに基づいて補正量を算出する。
なお、本実施形態において、所定数(N2)は1以上であればよく、複数である場合にはステップST53で所定数(N2)の測定データの平均値を基に最初の補正量を算出してもよく、所定数(N2)の測定データに対して重み付けを行って重み付けした測定データを基に最初の補正量を算出してもよく、他の演算方法を用いて最初の補正量を算出してもよい。
また、上述した第2の実施形態と同様に、ステップST20において連続して新たに被研削体Wを研削するとき、補正量算出工程でこの複数(N1)の測定データに基づいて補正量の算出を行ってもよい。このとき、複数(N1)の測定データの平均値に基づいて補正量の算出を行ってもよく、各測定データに対して重み付けを行って重み付けした測定データに基づいて補正量の算出を行ってもよい。さらに、他の演算方法を用いて補正量を算出してもよい。
さらに、上述した第3の実施形態と同様に、あらかじめ設定した設定数(M1≧2)の被研削体Wごとに設計値を補正するようにしてもよい。
また、ステップST16、ST45において測定データをメモリ37に記録しているが、測定データを補正量算出部38に直接出力するように構成してもよい。
第5の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第5の実施形態では制御部28が測定手段27で取得した被研削体Wの測定データを記録するメモリ37や補正量算出部38を備えていない点である。
また、ステップST17において、設計値と測定データとの差が所定値以内である場合には、被研削体Wを搬出し(図8に示すステップST19)、ステップST20に進む。
一方、ステップST17において、設計値と測定データとの差が所定値よりも大きい場合には、ステップST14に戻り、被研削体Wを再度研削する。
ステップST20では、連続して新たに被研削体Wを研削するか否かを判断する。
このステップST20において、連続して被研削体Wを研削する場合には、ステップST11に戻って、新たな被研削体Wを装置本体21に搬入する。
また、ステップST20において、連続して被研削体Wを研削しない場合には、終了する。
以上のようにして、エンドミル2の連続研削を行う。
なお、本実施形態において測定手段27で取得した測定データを記録するメモリ37を設け、測定データの推移を確認することが可能な構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では切削工具としてソリッドタイプのエンドミルを適用しているが、エンドミルに限らず、ソリッドタイプのドリルやインサートタイプのエンドミルまたはドリルなど、他の切削工具に適用してもよい。
また、エンドミルとしてスクエアエンドミルを適用しているが、ボールエンドミルやラジアスエンドミルであってもよい。
また、研削された被研削体であるエンドミルの外径、振れ及び芯上がりを測定しているが、いずれか1つを測定していればよく、これらの中から2つを測定してもよい。
このチップ40は、図9に示すように、軸線O´回りに回転されてほぼ円柱形状を有する工具本体41の先端部に形成されたチップ取付座41Aに取り付けるように構成されている。
チップ40は、図10、図11に示すように、超硬合金などの硬質材料によって蒲鉾形をなすほぼ平板状に形成されている。そして、チップ40の一対の側面43、43のそれぞれにおいて、工具本体41への取付状態で工具回転方向T´前方側に向けられる側の周縁部を除いた部分は、一対の側面43、43同士で互いに平行となる平坦面43Aとされている。さらに、一対の側面43、43のうちチップ40の取付状態で工具回転方向T´前方側に向けられる側の周縁部は、平坦面43Aから一段凹むようにして逃げ面44に開口し、軸線O´と逃げ面44との交点付近から後端面45にわたって設けられている。そして、一対の側面43、43にそれぞれ形成された凹溝46において、取付状態で工具回転方向T´前方側を向くことになる底面46Aの外周側稜線部、すなわち、凹溝46の底面46Aと逃げ面44との交差稜線部が底面46Aを掬い面とする切刃47とされている。
また、チップ40の一対の側面43、43の中央部には、これら両側面43、43の平坦面43A、43A間をチップ40の厚さ方向に貫通するような取付孔48が形成されている。そして、クランプボルト(図示略)をチップ取付座41Aに取り付けられたチップ40の取付孔48を貫通するように工具本体41に穿設されたクランプ孔41Bに対してねじ込むことで、チップ40が工具本体41に取り付けられる。
このチップ50は、上述したチップ40と同様に、図12に示すように、軸線O″回りに回転されてほぼ円柱形状を有する工具本体51の先端部に形成されたチップ取付座51Aに取り付けるように構成されている。
チップ50は、図13、図14に示すように、超硬合金などの硬質材料によって横長のほぼ平行四辺形の平板状に形成されている。そして、チップ50は、一方の平行四辺形面の外周側に掬い面53が形成されると共に、他方の平行四辺形面が工具本体51への着座面となっている。また、チップ50の4つの側面には逃げ面54が形成されており、掬い面53とこれら逃げ面54との交差稜線部に切刃が形成されている。
これら掬い面53の外周の角部のうち、一方の平行四辺形面の鋭角端部分に位置する角部には、約1/4のほぼ凸円弧状をなすコーナ刃55が上記切刃として形成されている。さらに、コーナ刃55の一端55Aに連なる掬い面53の辺稜部には、一方の平行四辺形面の長辺部分に沿うようにして主切刃56が上記切刃として形成されていると共に、コーナ刃55の他端55Bには、一方の平行四辺形面の端辺部分に沿うように副切刃57が上記切刃として形成されている。これらコーナ刃55、主切刃56及び副切刃57は、互いに滑らかに連なるように形成されている。
また、チップ50の双方の平行四辺形面の中央には、チップ50の厚さ方向に貫通する取付孔58が形成されている。そして、クランプボルト59をねじ込むことで、チップ40が工具本体41に取り付けられる。
また、測定子を研削された被研削体の全体に接触させて、外径や振れ、芯上がりを測定してもよく、外周刃あるいは底刃のいずれか一方または双方に接触させて測定するように構成してもよい。
また、前回研削した被研削体の測定データを基にエンドミル全体の設計値に対する補正量を算出しているが、エンドミルの外周刃及び底刃の設計値に対する補正量のみを算出するように構成してもよい。
また、研削される被研削体の位置や形状を測定する測定手段と、研削された被研削体の形状を測定する測定手段とが同一のものとしているが、それぞれ別個の測定手段を設けてもよい。
また、測定手段が、被研削体に測定子を接触させることによって外形の測定を行っているが、例えば、被研削体にレーザ光を照射するなど、非接触で被研削体の外形の測定を行ってもよい。
また、保持手段が研削手段に対して4軸方向で移動するように構成されているが、保持手段と研削手段とが相対的に4軸方向以上で移動するように構成されていればよく、研削手段が保持手段に対して移動する構成としてもよく、保持手段と研削手段とがそれぞれ4軸方向以上で移動するように構成してもよい。
また、研削砥石の交換時にメモリ内に記録されている測定データを消去しているが、消去しない構成としてもよい。
また、上述した第1から第4の実施形態における切削工具の加工方法を適宜組み合わせてもよい。
また、上述した第1から第4の実施形態において、補正量算出手段に補正量の算出方法を任意に設定可能な入力部を設け、この入力部から上述した測定データの重み付けなどの設定を行う構成としてもよい。さらに、補正量算出手段で算出する補正量の設計値に適用させる際、設計値に対する補正量の影響力を、例えば80%や50%など、任意に調整してもよい。
2 エンドミル(切削工具)
15 外周刃(切刃)
16 底刃(切刃)
25 保持手段
26 研削手段
27 測定手段
28 制御手段(制御部)
37 メモリ(記録手段)
38 補正量算出部(補正量算出手段)
40、50 チップ(切削工具)
47 切刃
55 コーナ刃(切刃)
56 主切刃(切刃)
57 副切刃(切刃)
W 被研削体
Claims (14)
- 研削手段を用い、回転切削工具の回転軸と平行な回転軸を有する保持手段で保持された被研削体を研削して切刃を有する切削工具を形成する切削工具の加工方法において、
前記被研削体を研削する研削工程と、
研削された前記被研削体の形状を前記保持手段で保持した状態で測定する測定工程を備えることを特徴とする切削工具の加工方法。 - 研削手段を用い、回転切削工具の回転軸と平行な回転軸を有する保持手段で保持された被研削体を研削して切刃を有する切削工具を形成する切削工具の加工方法において、
記録手段に記録された研削後の被研削体の形状の測定データを基に設計値に対する補正量を算出する補正量算出工程と、
前記設計値及び前記補正量を用いて前記被研削体を研削する研削工程と、
前記研削された被研削体の形状を前記保持手段で保持した状態で測定する測定工程と、
該測定工程による測定データを前記記録手段に記録する記録工程とを備えることを特徴とする切削工具の加工方法。 - 前記補正量算出工程で、前回研削された被研削体の測定データを基に前記補正量を算出することを特徴とする請求項2に記載の切削工具の加工方法。
- 前記補正量算出工程で、前回から複数(N1)回前までに研削された被研削体の測定データを基に前記補正量を算出することを特徴とする請求項2に記載の切削工具の加工方法。
- 前記補正量算出工程で、前回から複数(N1)回前までの測定データの平均値を基に前記補正量を算出することを特徴とする請求項4に記載の切削工具の加工方法。
- 前記補正量算出工程で、前回から複数(N1)回前までの測定データに重み付けを行い、該重み付けされた測定データを基に前記補正量を算出することを特徴とする請求項4に記載の切削工具の加工方法。
- 前記研削工程で、前記設計値及び前記補正量を用いて複数(M1)の被研削体の研削を連続して行うことを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の切削工具の加工方法。
- 前記記録手段に、直前に研削された所定数(N2)の前記被研削体の測定データを記録し、
前記補正量算出工程で、前記所定数(N2)の測定データを基に最初の前記補正量を算出することを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の切削工具の加工方法。 - 前記補正量算出工程で、前記所定数(N2)の測定データの平均値を基に前記最初の補正量を算出することを特徴とする請求項8に記載の切削工具の加工方法。
- 前記補正量算出工程で、前記所定数(N2)の測定データに重み付けを行い、該重み付けされた測定データを基に前記最初の補正量を算出することを特徴とする請求項8に記載の切削工具の加工方法。
- 研削された前記被研削体の形状の前記測定データと前記設計値との差が所定値以内となるまで前記研削工程を繰り返すことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の切削工具の加工方法。
- 回転切削工具の回転軸と平行な回転軸を有する保持手段と、被研削体を研削して切刃を有する切削工具を形成する研削手段と、被研削体の形状を測定する測定手段と、制御手段とを備えることを特徴とする切削工具の加工装置。
- 回転切削工具の回転軸と平行な回転軸を有する保持手段と、被研削体を研削して切刃を有する切削工具を形成する研削手段と、被研削体の形状を測定する測定手段と、制御手段とを有し、
該制御手段が、研削された前記被研削体の形状の測定データを記録する記録手段と、該記録手段に記録されている前記測定データに基づいて設計値に対する補正量を算出する補正量算出手段とを備えることを特徴とする切削工具の加工装置。 - 前記補正量算出手段が、前記補正量の算出方法を設定する入力部を有することを特徴とする請求項13に記載の切削工具の加工装置。
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