JP2002178061A - 積層成形型 - Google Patents

積層成形型

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JP2002178061A JP2000385639A JP2000385639A JP2002178061A JP 2002178061 A JP2002178061 A JP 2002178061A JP 2000385639 A JP2000385639 A JP 2000385639A JP 2000385639 A JP2000385639 A JP 2000385639A JP 2002178061 A JP2002178061 A JP 2002178061A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐久性を向上させ高精度な成形を可能にすると
ともに、製造容易で簡単な構造のプレス成形用積層成形
型を提供する。 【構成】上型部1、ブランクホルダー2及び下型部3で
プレス成形型を構成し、上型部1のダイ5及び下型部3
のパンチ32をそれぞれ多数の薄板鋼板7を積層するこ
とにより形成する。このとき、ダイ5及びパンチ32の
各対応位置に薄板鋼板7の層を貫通するインサート1
0、11及び34,35を設け、パンチ32にはさらに
インサート36を設け、それぞれの先端面が成形部をな
すことにより高精度の成形を行う。このときインサート
34,35,36は基準ピンの機能も兼用する。そのう
え、ダイ5の最上層にはダイフェースプレート16を設
け、しごきに対する耐久性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス加工などに
使用される成形型であって、複数の薄板鋼板を積層して
構成され、かつ耐久性と精度を向上したものに関する。
【0002】
【従来の技術】このような積層成形型は公知であり、第
3図はプレス成形型として構成された従来構造の一例を
示す。このプレス成形型は、上型をなすダイ100、ブ
ランクホルダー101及び下型をなすパンチ102から
なり、これら各部は、薄板鋼板103を複数枚重ね合わ
せて基準ピンで位置決めしボルトや溶接等により一体的
に結合した積層金型となっている。
【0003】また、特開平2−229630号には、上
記同様の薄板鋼板を積層したプレストリム型におけるダ
イ側の最上層(最もパンチ側に近い層、以下同)を薄板
鋼板とは別の刃部プレートとし、強度と精度を向上させ
ることが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記図3の構造によれ
ば、成形時に被加工物の成形部がダイの中へ入り込むと
き、ダイの最上層が被加工物を強くしごくため、この部
分をなす薄板鋼板は耐久性に劣ることになり、その結
果、このような積層型は試作又は少量加工の領域での適
用しかできなかった。この問題は上記特開平2−229
630号のように最上層の素材を変更すれば解決できる
が、それでもなお、被加工物の成形形状のうち厳しい寸
法管理部分や薄板鋼板の板厚よりも小さな形状変化部及
び小R部などの微細形状部分については精度寸法が出な
い等の問題があった。そこで本願発明は、製造が簡単で
容易に必要精度を確保でき、かつ耐久性に優れた簡易な
積層成形型を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本願発明に係る積層成形型は、複数の薄板鋼板を積層し
てダイ及びパンチを含む金型部分を形成したプレス成形
型において、前記ダイ及びパンチの一部に前記薄板鋼板
の各層を貫通して鋼材のインサートを設けダイ側最上層
には鋼材プレートからなるダイフェースを積層したこと
を特徴とする。このとき、上記インサート が成形部の
機能に加えて基準ピンの機能を兼ねるようにすることも
できる。
【0006】
【発明の効果】本願発明によれば、薄板鋼板の各層を貫
通して鋼材のインサートを設けたので、インサートのダ
イ又はパンチの表面へ出る部分を成形部とし、薄板鋼板
のみからなる成形部では実現できないような、厳しい寸
法管理部分や小Rなどの微細形状部分を容易かつ高精度
に成形できる。したがって、精度が要求されない部分に
ついては薄板鋼板の積層構造部として簡易に形成でき、
精度が要求される部分はインサートにより精密に成形で
きることになる。またインサートにより全体が補強され
るので、製造が簡単で容易に必要精度を確保でき、かつ
耐久性に優れた簡易な積層成形型を得ることができる。
【0007】このとき、インサートを薄板鋼板の積層時
における基準ピンとして使用すれば、インサートを成形
部に加えて位置決め部材として多機能化でき、従来用い
られていた基準ピンを廃止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて実施例を説
明する。第1図は本発明に係る積層成形型がセットされ
たプレス成形型全体を示す図、図2はこの積層成形型の
形成方法を示す図である。図1においてこのプレス成形
型は、上型部1、シワ押さえとしてのブランクホルダー
2、下型部3等から構成されている。
【0009】上型部1は、汎用ダイセット4の主面に積
層成形型からなるダイ5を取付けたものであり、符号6
は上型部1の昇降をガイドするガイド筒である。ダイ5
は多数の薄板鋼板7を積層したものであり、中央部に図
の下方すなわちパンチ側へ開放された成形凹部8が設け
られ、かつこの成形凹部8の底部近傍にインサート1
0、11が各薄板鋼板7を貫通して設けられている。
【0010】各インサート10,11は鋼材の円柱状部
材であり、それぞれの一端は成形凹部8の底部表面に臨
む成形部12,13をなし、小Rなどの微細形状が形成
されている。さらに成形凹部8の底部表面のうち成形部
12,13の間には比較的大きな形状変化部14が設け
られ、その中央部にはR形状を有する成形用の溝15が
設けられている。
【0011】インサート10、11が設けられた部分
は、薄板鋼板7のみからなる成形部では実現できないよ
うな、厳しい寸法管理部分や小Rなどの微細形状部分を
有する高精度の成形が要求される部分である。また、イ
ンサート10、11は多数の積層された各薄板鋼板7を
貫通してダイセット4へ固定されているので、これらの
インサート10、11により各薄板鋼板7の位置ズレを
防止して一体化している。
【0012】ダイ5の最上層はダイフェースプレート1
6になっている。このダイフェースプレート16は、薄
板鋼板7よりも板厚が厚く、高強度の部材であり、表面
は耐久性向上目的でクロームメッキが施されている。ま
た、成形凹部8を囲む開口縁部17はR状断面になって
いる。
【0013】ブランクホルダー2は、汎用部20の上面
に被加工物専用のシワ押さえプレート21を配したもの
であり、汎用部20にはガイドピン22が設けられ、ガ
イド筒6に嵌合して上型部1の昇降をガイドするととも
に、上型部1の下降に際して、クッションピン23が下
からの圧力を加えて被加工物24をダイフェースプレー
ト16とシワ押さえプレート21で挟み、この状態から
さらに上型部1が下降することにより被加工物24を成
形する。
【0014】下型部3はダイセット30の主面に汎用パ
ンチベース31を配し、さらにその上面に積層構造の下
型部32が設けてある。パンチ32の表面は、成形凹部
8に対応する成形凸部33をなし、一端がこの成形凸部
33の表面へ達するインサート34、35が各薄板鋼板
7を貫通して設けられ、さらにインサート34、35の
間に成形部39がR形状の薄板状のインサート36が設
けられている。
【0015】インサート34、35、36は鋼材製であ
り、ダイ5におけるインサート10、11の延長上に配
置され、これらと同様にして積層成形型へ内蔵されてい
る。成形凸部33の表面に臨むインサート34、35の
端面は成形部37、38をなし、上型部1におけるイン
サート10、11の成形部12,13と対応する形状に
される。また、インサート36は上型部1の溝15と対
応する位置に配置され、その先端による成形部39は成
形凸部33の表面に溝15の深さ程度突出している。
【0016】これらのインサート34、35、36は、
ダイ5が下降し、パンチ32と接触加圧することによ
り、ダイ5の成形凹部8とパンチ32の成形凸部33の
間に被加工物24を挟んで成形するとき、インサート1
0と34の成形部12と37の間、並びにインサート1
1と35の成形部13と38の間、さらに溝15とイン
サート36の成形部39の間にても被加工物24を高精
度に成形する。
【0017】図2に明らかなように、ダイ5とパンチ3
2の積層部を製作するには、まずダイ5の外形相当の大
きさを有する矩形の薄板鋼板7を用意し、レーザー切断
装置40を用いてレーザー光線によりインサート用穴4
1、基準ピン用穴42、パンチ形状穴43を切り抜き
残部としてのダイ側部分44からパンチ形状切り抜き部
45を分離させる。なお、ダイフェースプレート16は
板厚がレーザー加工に適しない程厚い場合は必要により
ワイヤカット等の製法で加工する。
【0018】ダイ5の積層部は、予めベースプレート4
6にインサート10、11及び基準ピン47を上方へ突
出させて設け、それぞれをダイ側部分44のインサート
用穴41及び基準ピン用穴42へ圧入して積み重ね、最
後にダイフェースプレート16を積層して全体を基準ピ
ン47にて位置決めして一体化することにより、ダイ5
を形成する。基準ピン47は積層時の位置決め部材とし
て機能する。なおインサート10,11も成形凹部8の
底部部分における位置決め部材として機能する。
【0019】同様に、パンチ32の積層部を製作するに
は、予めベースプレート50にインサート34,35,
36を上方へ突出させて設け、それぞれにパンチ形状切
り抜き部45のインサート用穴41へ圧入して積み重
ね、インサート34,35,36により位置決めして一
体化することによりパンチ32を形成する。なお、この
場合は基準ピンを省略してあり、インサート34,3
5,36の圧入によりこれらが基準ピンの機能を兼ね
る。
【0020】次に、本実施例の作用を説明する。図1に
おいて上型部1が下降することにより、ダイ5の成形凹
部8とパンチ32の成形凸部33の間に被加工物24を
挟んで所定形状に成形する。このとき、成形凹部8へ押
し込まれる被加工物24をダイフェースプレート16の
開口縁部17で強くしごくが、ダイフェースプレート1
6は十分な板厚と硬度を有し、表面にクロームメッキ処
理を施すことによりこの部分の耐久性を高めることがで
きる。
【0021】また、厳しい寸法管理部分や小Rなどの微
細形状部分を高精度に成形することが要求される部分に
は各種のインサートの端部が成形面へ臨んで設けられ、
これらのインサート10と34の成形部12と37の
間、並びにインサート11と35の成形部13と38の
間、さらに溝15とインサート36の成形部39の間に
て被加工物24を精密に成形する。
【0022】したがって、しごき部分の耐久性が低く、
かつ本来高精度の成形をしにくい積層成形型であって
も、強度や精度が必要な部分は十分に要求を満たすこと
ができ、これらの要求がない部分は簡便な積層構造のま
まで対応できる。しかもインサート10,11、34,
35,36により補強されるから、製造が簡単で容易に
必要精度を確保でき、かつ耐久性に優れた簡易な積層成
形型を得ることができる。
【0023】そのうえ、パンチ32はインサート34,
35,36により位置決めして一体化するので、これら
インサート34,35,36が基準ピンの機能を兼ねる
ことができ、部品(インサート)を多機能化して有効に
活用できることになり、かつ従来必要であった基準ピン
を廃止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るプレス成形型の構造を示す断面図
【図2】積層成形型の製作方法を示す図
【図3】従来のプレス成形型を示す断面図
【符号の説明】
1:上型部、2:ブランクホルダー、3:下型部、5:
ダイ、7:薄板鋼板、8:成形凹部、10:インサー
ト、11:インサート、24:被加工物、32:パン
チ、33:成形凸部、34::インサート、35::イ
ンサート、36:インサート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の薄板鋼板を積層してダイ及びパン
    チを含む金型部分を形成したプレス成形型において、前
    記ダイ及びパンチの一部に前記薄板鋼板の各層を貫通し
    て鋼材のインサートを設けダイ側最上層には鋼材プレー
    トからなるダイフェースを積層したことを特徴とする積
    層成形型。
  2. 【請求項2】 上記インサート が成形部としての機能
    に加えて基準ピンとしての機構を兼ねることを特徴とす
    る請求項1に記載した積層成形型。
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