JP2002175899A - X線発生装置 - Google Patents
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Abstract
填された1つの封入容器内に収容したX線発生装置にお
いて、封入容器内の熱を速やかに外部に放出することが
でき、もって封入容器内の温度上昇を抑制して長寿命・
高信頼性を実現することのできるX線発生装置を提供す
る。 【解決手段】 内部に絶縁油3並びにX線管球1および
高電圧発生回路2が収容され、かつ、外面に放熱フィン
5等の放熱手段が設けられた封入容器1の内面に、放熱
手段5と対応させて伝熱フィン8を設け、この伝熱フィ
ン8によって絶縁油3の熱を速やかに封入容器4の壁体
4bおよび放熱手段に伝達できるように構成することに
より、絶縁油3の温度上昇を有効に抑制する。
Description
し、更に詳しくは、医用や産業用のX線発生装置のう
ち、小型化の要求に基づいてX線管球およびそれに高電
圧を供給する高電圧発生回路を、絶縁油が充填された封
入容器内に収容したタイプのX線発生装置に関する。
内に封入されたアノード(陽極)とカソード(陰極)間
に高電圧を印加することによってカソードからの熱電子
をアノードに衝突させ、その制動放射によりX線を発生
させる。
用や、医用のうちの外科用、および産業用のX線発生装
置では、小型化の必要性から、図5に内部構造を示す正
面断面図を、図6にはそのA−A断面図をそれぞれ模式
的に示すように、X線管球51と高電圧発生回路基板5
2とが、絶縁油53を充填した一つの封入容器54内に
収容される。
に設けられた入力端子58を介して外部電源に接続さ
れ、多段のダイオードとコンデンサを主体とするコック
ロフト回路により、電源電圧を昇圧して3万〜20万V
の高電圧を発生し、X線管球51のアノード51aとカ
ソード51b間に印加する。この高電圧の印加により、
カソード51bからの熱電子がアノード51aに衝突
し、制動放射によってX線が発生する。
としてアノード51aで発熱)するが、その熱はX線管
球51から直接的に、あるいはX線管球51に設けられ
た冷却フィン51cを介して絶縁油53に伝わり、次い
で封入容器54の壁体を介して当該封入容器54の壁体
外周面に設けられた放熱フィン55に伝達され、封入容
器54の外方に設けられている外囲器56に配置された
ファン57の駆動によって外部に放熱されるようになっ
ている。
な従来のX線発生装置においては、封入容器54内に充
填された熱媒体である絶縁油53は、この封入容器54
内において自然対流によって流れるだけであり、従って
その流れは極めて緩いものである。そのため、放熱フィ
ン55およびファン57を設けているにも係わらず、期
待されるほどの放熱効果が得られず、X線管球51の発
熱により相当の温度上昇が生じる。その結果、場合によ
っては高電圧発生回路基板52に搭載されている電子部
品が破壊されたり、あるいは寿命が低下するなど、信頼
性の点で問題があった。
もので、X線管球で発生した熱を絶縁油を介して速やか
に封入容器に伝達することができ、これによって封入容
器に設けられた放熱手段を介してその熱を速やかに外部
に放熱することができ、もって封入容器内の温度上昇を
抑制して長寿命・高信頼性を実現することのできるX線
発生装置の提供を目的としている。
め、本発明のX線発生装置は、高電圧の印加によりX線
を発生するX線管球と、そのX線管球に印加すべき高電
圧を発生する高電圧発生回路とが、絶縁油が充填された
封入容器内に収容されているとともに、その封入容器の
壁体の外面の少なくとも一部に放熱手段を備えたX線発
生装置において、上記封入容器の壁体の内面に、上記放
熱手段に対応させて伝熱フィンが設けられていることに
よって特徴づけられる(請求項1)。
ンを、封入容器の壁体内面に対して、例えば隙間部分に
半田を流し込む等、金属接合により一体化した構成(請
求項2)を採用することが望ましい。
よび伝熱フィンを、封入容器の上部壁体に設けた構成
(請求項3)を採用することが好ましい。
媒体である絶縁油に伝達された熱を、外面に放熱フィン
等の放熱手段が設けられている封入容器の壁体に対して
効率的に伝達することで、所期の目的を達成しようとす
るものであって、封入容器の壁体の内面に伝熱フィンを
設けることにより、X線管球で発生して絶縁油に伝達さ
れた熱は、絶縁油内に突出する伝熱フィンを介して封入
容器の壁体に速やかに伝達され、この封入容器の壁体外
面に設けられた放熱フィン等の放熱手段によって効率的
に外部に放出される。その結果、絶縁油の熱の封入容器
壁体に対する伝導を、当該絶縁油と封入容器壁体との接
触、並びに絶縁油の対流に頼っていた従来のこの種のX
線発生装置に比して、その伝達効率を大幅に向上させる
ことができる。
容器の壁体に対して伝熱フィンを金属接合により実質的
に一体化すること、つまり伝熱フィンと封入容器の壁体
とを面状に隙間なく密着させることにより、絶縁油から
伝熱フィンに伝達された熱の封入容器壁体に対する伝導
が良好に行われる。
入容器に対する伝熱フィンおよび放熱手段の取り付け部
位を、封入容器の上部壁体とすることによって、対流に
より封入容器内の上部に流れてくる比較的高温の絶縁油
の熱が伝熱フィンに伝達され、封入容器の上部壁体を介
して放熱手段により外部に放熱されるため、その放熱効
率が高く、また、容器内上部において熱を奪われた絶縁
油が下方に流れるために、封入容器内の絶縁油の対流を
促進するという効果も生じる。
実施の形態について説明する。図1および図2は本発明
の実施の形態の説明図で、図1は内部構造を表すべく封
入容器4並びに外囲器6の手前側の壁体部分を切断して
示す正面図で、図2はそのA−A断面図である。
る高電圧発生回路基板2は、絶縁油3が充填された封入
容器4内に収容されている。このX線管球1および高電
圧発生回路基板2は、図5,図6に示した従来のものと
同等であって、高電圧発生回路基板2はコックロフト回
路を主体とし、封入容器4に設けられた入力端子4aを
介して外部電源に接続され、その電源電圧を昇圧して3
〜20万Vの高電圧を発生してX線管球1のアノード1
aとカソード1b間に印加する。この高電圧の印加によ
りカソード1bからの熱電子が発生してアノード1aに
衝突し、制動放射によりX線が発生する。このX線管球
1で発生したX線は、封入容器4の底面に設けられてい
るX線放射口4cを介して外部に放射される。なお、X
線管球1のアノード1a側の端面には、従来のものと同
様の冷却フィン1cが取り付けられている。
であり、その上部壁体4bの外面にはアルミニウム製の
複数の放熱フィン5が設けられているとともに、その各
放熱フィン5の外側はトンネル状の外囲器6に囲まれて
いる。そして、この外囲器6の一端側には冷却ファン7
が取り付けられているとともに、他端側は開放されてい
る。
は、放熱フィン5に対応して伝熱フィン8が複数列にわ
たって取り付けられている。この各列の伝熱フィン8
は、例えば黄銅製もしくは銅製であり、図3に図2の要
部拡大図を示すように、それぞれ2つの櫛状部材81,
82からなっている。これらの各櫛状部材81,82
は、互いに略同等の形状をしており、図4(A)に一部
を省略した正面図を、同図(B)にはその底面図を、同
図(C)に右側面図を示すように、それぞれ平面状の基
部81a,82aの一側面から当該基部81a,82a
の面に直交する向きに多数のフィン81b,82bが突
出し、かつ、その各フィン81b,82bの先端が自己
の中心軸の向きに折れ曲がっている。封入容器4の上部
壁体4bの内面に対しては、部材81,82の各基部8
1a,82aを重ね合わせた状態で、かつ、各フィン8
1bと82bの折れ曲がった先端どうしが突き合わされ
た状態でねじ止めされている。これにより、互いに対向
するフィン81aと82bが角ループを形成している。
また、上部壁体4bと櫛状部材81の基部81a、およ
び、櫛状部材81と82の基部81aと82aどうしが
相互に隙間なく密着するように、これらの間に半田が流
し込まれて金属接合されている。
駆動することによって発生する熱は、X線管球1から直
接に、あるいは冷却フィン1cを介して絶縁油3に伝わ
る。これによってX線管球1の近傍の絶縁油3が加熱さ
れ、対流によって封入容器4内で上方に向かうととも
に、絶縁油3の全体の温度が次第に上昇していく。この
とき、絶縁油3の熱は、封入容器4の上部壁体4bの内
面に設けられて、大きな接触面積のもとに絶縁油3内に
浸っている各伝熱フィン8に伝わり、上部壁体4bを介
してその外面に設けられている放熱フィン5に伝達され
る。そして、冷却ファン7を回転させることにより、そ
の放熱フィン5に伝わった熱が外部に放出される。
ィン5により熱を奪われて相対的に冷えた絶縁油3は、
対流により容器4の下方へと移動し、X線管球1の周囲
へと戻り、絶縁油3の自然対流が促進され、全体として
の放熱効果がより一層大きなものとなる。
壁体内面に装着されて絶縁油3内に浸漬される伝熱フィ
ン8の形状については特に限定されるものではなく、上
記のように矩形のループ状のものを多数並列に並べたも
ののほか、馬蹄形のループ状のものを多数並列に並べた
構造、更には、直径1mm程度の銅線を螺旋状に巻回し
て壁体に対して溶接等によって接合した構造のものなど
を用いることができ、要は絶縁油3に対する接触面積が
大きく、加えて封入容器4の壁体4に対する接触面積が
大きければ、任意の形状・構造のものを用いることがで
きる。
5および伝熱フィン8を封入容器4の上部壁体4bの内
外面に設けた例を示したが、上部壁体4aのほか、側壁
にも同様の放熱フィン5および伝熱フィン8を固着して
もよい。その場合、その側壁の放熱フィンにも冷却ファ
ンによる送風が当たるようにすることが望ましい。
球および高電圧発生回路基板を、絶縁油が充填され、か
つ、外面に放熱フィン等の放熱手段を備えた封入容器内
に収容したX線発生装置において、封入容器の内面に、
放熱手段に対応させて伝熱フィンを設け、この伝熱フィ
ンを介して絶縁油の熱を速やかに封入容器壁体並びに放
熱フィン等の放熱手段に伝達するので、X線管球の駆動
によって発生して絶縁油に伝達された熱が速やかに外部
に放熱され、封入容器内の温度の上昇を有効に抑制する
ことができる。その結果、従来のこの種のX線発生装置
に比して、高電圧発生回路の素子の破壊等を防止し、長
寿命で高い信頼性を備えたX線発生装置が得られる。
フィンを封入容器の内壁面に対して半田等によって金属
接合すると、伝熱フィンと封入容器壁体との伝熱がより
向上し、全体としての放熱効果が向上する。
フィン等の放熱手段および伝熱フィンを、封入容器の上
部壁体の外面および内面に設けると、封入容器内におけ
る対流により容器上方に移動した比較的高い温度の絶縁
油の熱を伝熱フィンを介して放熱手段に伝えることがで
き、効率的な熱放出が可能となると同時に、封入容器内
部の絶縁油の対流を促進してX線管球の熱を有効に奪う
ことができるという効果を奏することができる。
内部構造を表すべく当該封入容器4並びに外囲器6の手
前側の壁体部分を切断して示す正面断面図である。
成する櫛状部材81,82の説明図で、(A)は一部を
省略した正面図、(B)はその底面図、(C)は右側面
図である。
充填された封入容器内に収容した従来のX線発生装置の
内部構造を表す正面断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 高電圧の印加によりX線を発生するX線
管球と、そのX線管球に印可すべき高電圧を発生する高
電圧発生回路とが、絶縁油が充填された封入容器内に収
容されているとともに、その封入容器の壁体の外面の少
なくとも一部に放熱手段を備えたX線発生装置におい
て、 上記封入容器の壁体の内面に、上記放熱手段に対応させ
て伝熱フィンが設けられていることを特徴とするX線発
生装置。 - 【請求項2】 上記伝熱フィンが、封入容器の壁体内面
に対して金属接合により一体化されていることを特徴と
する請求項1に記載のX線発生装置。 - 【請求項3】 上記放熱手段および伝熱フィンが、封入
容器の上部壁体に設けられていることを特徴とする請求
項1または2に記載のX線発生装置。
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- 2000-12-07 JP JP2000372334A patent/JP3777539B2/ja not_active Expired - Lifetime
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