JP2002174131A - レシプロ式内燃機関のクランク機構 - Google Patents

レシプロ式内燃機関のクランク機構

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JP2002174131A JP2000370829A JP2000370829A JP2002174131A JP 2002174131 A JP2002174131 A JP 2002174131A JP 2000370829 A JP2000370829 A JP 2000370829A JP 2000370829 A JP2000370829 A JP 2000370829A JP 2002174131 A JP2002174131 A JP 2002174131A
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克也 茂木
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/04Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads
    • F02B75/048Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads by means of a variable crank stroke length

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストン3下死点位置におけるピストン3と
カウンタウエイト12との間の間隙をより大きく確保
し、圧縮比の可変範囲を拡大する。 【解決手段】 アッパリンク21とロアリンク22とコ
ントロールリンク23とを用いた複リンク式のリンク機
構によって可変圧縮比機構が構成されており、低圧縮比
とすると、ピストン3の下死点位置が下降する。クラン
クシャフト10のカウンタウエイト12の外縁13は、
略円弧形をなしているが、ピストン3の下死点位置にお
いてピストン3中央のピンボス部に最接近する中央部分
の半径距離rcは、両側部の半径距離rsよりも短くな
っている。これにより、カウンタウエイト12の慣性モ
ーメントを十分に確保しつつ、ピストン3との間の間隙
cを拡大でき、圧縮比の可変範囲が大きく得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ピストンの往復
動に伴ってクランクシャフトが回転するレシプロ式内燃
機関のクランク機構に関し、特に、可変圧縮比機構を備
えた内燃機関に好適なクランク機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】レシプロ式内燃機関の可変圧縮比機構と
して、図1に示すような複リンク式のクランク機構を利
用したものが近年提案されている(類似構造として特開
2000−73804号公報参照)。これは、シリンダ
ブロック1のシリンダ2内を摺動するピストン3にピス
トンピン25を介して一端が連結されたアッパリンク2
1と、このアッパリンク21の他端に連結ピン26を介
して連結されるとともに、クランクシャフト10のクラ
ンクピン11に連結されたロアリンク22と、このロア
リンク22と内燃機関本体とを連結して、ロアリンク2
2の自由度を制限するコントロールリンク23と、を備
えており、上記コントロールリンク23の揺動支持位置
が偏心カム24によって制御される構成となっている。
このものでは、上記偏心カム24の回動位置によってコ
ントロールリンク23下端の揺動支持位置が変化し、こ
れに伴ってピストン3の上死点位置、ひいては圧縮比が
変化する。
【0003】ここで、上記クランクシャフト10は、一
般的な単リンク式のクランク機構の場合と同じく、クラ
ンクピン11と反対側に延びたカウンタウエイト12を
備えている。このカウンタウエイト12は、クランクピ
ン11とクランクジャーナル14とを接続するクランク
アーム15に一体に形成されており、略扇形をなすとと
もに、その外縁13が、クランクジャーナル14の回転
中心を中心とした円弧に加工されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図2は、上記のように
構成されたクランク機構において、ピストン3が下死点
に達したときの状態を示しているが、このとき、クラン
クピン11は最下点付近にあり、逆に、カウンタウエイ
ト12は、上方つまりシリンダ2の下端に対向する位置
にある。従って、この位置において、カウンタウエイト
12の外縁13とピストン3との間の間隙が最小(c
2)となり、両者の干渉が問題となる。図3は、干渉が
問題となるピストン3の下端の点(通常は中央のピンボ
ス部の下端)と、外縁13の各々の運動軌跡を展開した
形で示したものであり、ピストン3のストローク方向に
沿った上下位置で見ると、外縁13の位置は、その円弧
の半径rによって定まる一定の位置となり、ピストン3
の下降に伴って、両者の間隙が狭まり、下死点位置で最
小(c2)となる。
【0005】そして、可変圧縮比機構により低圧縮比と
する際には、上死点位置が下降するのに伴って下死点位
置も下降するので、このサイクル中の最小間隙c2が、
さらに小さくなる。従って、種々の制約により内燃機関
の全高が所定値に規定されるとすると、ピストン3の下
死点位置におけるカウンタウエイト12の外縁13との
間の間隙によって、可変制御可能な圧縮比範囲が制限さ
れることになる。
【0006】なお、可変圧縮比機構を具備しない単リン
ク式のクランク機構にあっても、上述したピストンの下
死点位置におけるピストンとカウンタウエイトとの干渉
は、カウンタウエイトの大きさひいてはその慣性モーメ
ントを制約したり、内燃機関の全高の小型化を妨げる、
等の点において問題となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
シリンダ内を往復動するピストンと、このピストンに連
結されたクランクシャフトと、を備え、かつ、上記クラ
ンクシャフトが、クランクアームから延びたカウンタウ
エイトを備えてなるレシプロ式内燃機関のクランク機構
において、上記カウンタウエイトの外縁が、クランクジ
ャーナルの回転中心を中心とした円弧に近似した基本形
状を有するとともに、ピストンが下死点に達したときに
該ピストンと上記円弧との間隔が最も小さくなる周方向
位置の付近で、上記円弧よりも内周側に後退した形状を
なしていることを特徴としている。
【0008】すなわち、この発明では、カウンタウエイ
トの外縁は、従来のようなクランクジャーナルの回転中
心を中心とした仮想の円弧に近似しているものの、この
仮想の円弧に対し、ピストンとの干渉が問題となる領域
で、部分的に内周側に後退している。従って、ピストン
が下死点に達したときにカウンタウエイトの外縁との間
に生じる間隙を、比較的大きく確保することができる。
換言すれば、ピストンの下死点位置を、クランクジャー
ナルの回転中心に近づけることが可能となる。そして、
カウンタウエイト全体を小径化する場合に比較して、慣
性モーメントの確保は容易となる。
【0009】この発明は、請求項2のように、内燃機関
が、圧縮比の可変制御に伴ってピストンの下死点位置が
変化する可変圧縮比機構を備えている場合に、好適であ
る。つまり、圧縮比の可変制御に伴って下死点位置がク
ランクジャーナルに近付いても、カウンタウエイトと干
渉することを回避でき、圧縮比の可変範囲をより大きく
確保できる。
【0010】この請求項2の発明をより具体化した請求
項3の発明では、上記可変圧縮比機構は、ピストンのピ
ストンピンに一端が連結されたアッパリンクと、このア
ッパリンクとクランクシャフトのクランクピンとを連結
するロアリンクと、上記ロアリンクに一端が連結される
とともに他端が内燃機関の本体部に揺動可能に支持され
たコントロールリンクと、このコントロールリンクの揺
動支持位置を変化させる制御機構と、を備えて構成され
ている。
【0011】また、請求項1〜3に従属する請求項4の
発明では、上記クランクジャーナルの回転中心がシリン
ダの中心軸上に位置しているとともに、上記クランクジ
ャーナルの回転中心から上記カウンタウエイトの外縁各
部までの半径距離について、ピストンが下死点に達した
ときのクランクシャフトの姿勢でシリンダの中心軸に一
致する方向の半径距離(rc)が、該中心軸よりも進み
側となる部分および遅れ側となる部分の半径距離よりも
短い。
【0012】一般に、ピストンとカウンタウエイト外縁
との干渉は、ピストンの中央に位置するピンボス部で生
じる虞があるので、これに対応する部分を内周側に後退
させておくことにより、その干渉が確実に回避される。
そして、その両側の部分は、クランクジャーナルの回転
中心を中心として、相対的に大きな半径距離を有するの
で、慣性モーメントは大きく確保される。
【0013】この請求項4の発明をさらに減縮した請求
項5の発明は、ピストンが下死点に達したときにクラン
クピンが最下点よりも遅れ側に位置するように構成され
ているとともに、ピストンが下死点に達したときのクラ
ンクシャフトの姿勢でシリンダの中心軸よりも進み側と
なる部分の半径距離が、上記中心軸よりも遅れ側となる
部分の半径距離よりも短いことを特徴としている。
【0014】ピストンとクランクシャフトとの間のリン
ク機構の構成によっては、ピストンが下死点に達したと
きにクランクピンが最下点になく、最下点にまだ達しな
い位置つまり最下点よりも遅れ側に位置する場合があ
る。請求項5の発明は、このような構成を前提としたも
のであって、クランクピンが最下点に達した時点では、
ピストンは下死点を過ぎて上昇に転じている。そのた
め、これに対応するカウンタウエイト外縁部分は、相対
的に外周側に位置させることができる。
【0015】また、請求項6の発明は、ピストンが下死
点に達したときにクランクピンが最下点よりも進み側に
位置するように構成されているとともに、ピストンが下
死点に達したときのクランクシャフトの姿勢でシリンダ
の中心軸よりも遅れ側となる部分の半径距離が、上記中
心軸よりも進み側となる部分の半径距離よりも短いこと
を特徴としている。
【0016】これは、請求項5とは逆に、ピストンが下
死点に達したときにクランクピンが最下点を過ぎた位置
つまり最下点よりも進み側に位置する場合がある。請求
項5の発明は、このような構成を前提としたものであっ
て、クランクピンが最下点に達した時点では、ピストン
はまだ下死点に到達しない。そのため、これに対応する
カウンタウエイト外縁部分は、相対的に外周側に位置さ
せることができる。
【0017】次に請求項7の発明は、可変圧縮比機構を
備えた請求項3の発明をさらに減縮したものであって、
クランクジャーナルの回転中心がシリンダの中心軸に対
して一方にオフセットしている構成を前提としており、
ピストンの上記オフセット方向の外周端におけるスカー
ト部最下端位置が、反対側の外周端におけるスカート部
最下端位置よりも相対的に上方に位置していることを特
徴としている。
【0018】クランクジャーナルの回転中心が一方にオ
フセットしていると、このオフセットしている側のピス
トンスカート部最下端がカウンタウエイト外縁と干渉し
やすくなる。従って、スカート部最下端位置を非対称と
し、オフセットしている側で相対的に上方に配置するこ
とにより、この干渉を回避できる。
【0019】また、請求項8に係る発明では、上記外縁
が、上記クランクジャーナルの回転中心以外の点を中心
とする円弧形をなしている。例えば、クランクピンを中
心とした一定半径の円弧とすることができる。このよう
な円弧形とすれば、旋削加工等の加工が容易である。
【0020】さらに、請求項9に係る発明では、上記外
縁が、多角形をなしている。この場合、多角形の複数の
辺に相当する面を直線的に平面加工すればよく、加工が
容易である。しかも、その平面部を、他の加工の位置決
め基準面として利用することができる。
【0021】また、請求項10に係る発明では、上記外
縁が、ピストンが下死点に達したときに該ピストンに対
向する直線部分と、その両側の円弧部分と、から形成さ
れている。上記円弧部分は、例えば、従来のクランクシ
ャフトと同様に、クランクジャーナルの回転中心を中心
とした円弧とすることができる。従って、円弧の1カ所
を直線的に平面加工すればよく、加工が容易である。し
かも、その平面部を、他の加工の位置決め基準面として
利用することができる。
【0022】
【発明の効果】この発明によれば、カウンタウエイトを
小型化することなく、ピストンとカウンタウエイト外縁
との間の最小間隙を相対的に大きく確保することがで
き、カウンタウエイトに必要な慣性モーメントを十分に
大きく確保しつつ、余裕代の拡大あるいは内燃機関の全
高の小型化などを実現できる。
【0023】特に、請求項2あるいは請求項3のよう
に、可変圧縮比機構を備えた内燃機関に適用すれば、圧
縮比の可変制御に伴って下死点位置がクランクジャーナ
ルに近付いても、カウンタウエイトと干渉することを回
避でき、圧縮比の可変範囲をより大きく確保することが
できる。
【0024】また、請求項5あるいは請求項6の発明に
よれば、ピストンが下死点に達するタイミングとクラン
クピンが最下点となるタイミングとがずれている場合
に、このタイミングのずれを考慮した形で、ピストンと
カウンタウエイト外縁との間の間隙を大きく確保するこ
とができる。
【0025】さらに、請求項7の発明によれば、クラン
クジャーナルの回転中心がシリンダの中心軸に対して一
方にオフセットしている場合に、ピストンスカート部最
下端とカウンタウエイト外縁との干渉を確実に回避で
き、圧縮比の可変範囲を大きく確保することができる。
【0026】また、請求項8の発明によれば、カウンタ
ウエイト外縁を一定半径の円弧形とすることにより、旋
削加工等の加工が容易となる。
【0027】請求項9の発明によれば、カウンタウエイ
ト外縁を多角形とすることにより、直線的な平面加工と
なり、加工が容易であるとともに、平面部を、他の加工
の位置決め基準面として利用することが可能となる。
【0028】同様に請求項10の発明によれば、円弧の
1カ所を直線的に平面加工すればよく、加工が容易であ
るとともに、平面部を、他の加工の位置決め基準面とし
て利用することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】図4は、この発明を、可変圧縮比機構を備
えたレシプロ式内燃機関に適用した一実施例を示してい
る。このクランク機構は、シリンダブロック1のシリン
ダ2内を摺動するピストン3と、シリンダブロック1に
回転自在に支持されたクランクシャフト10と、上記ピ
ストン3にピストンピン25を介して一端が連結された
アッパリンク21と、このアッパリンク21の他端に連
結ピン26を介して連結されるとともに、クランクシャ
フト10のクランクピン11に連結されたロアリンク2
2と、このロアリンク22に連結ピン27を介して一端
が連結されるとともに、他端が内燃機関本体に揺動可能
に支持されたコントロールリンク23と、を備えてお
り、上記コントロールリンク23の揺動支持位置が偏心
カム24によって制御される構成となっている。なお、
上記偏心カム24は、クランクシャフト10のクランク
ジャーナル14を支持するベアリングキャップ20の下
側部に支持されている。また、この実施例では、クラン
クジャーナル14の回転中心が、シリンダ2の中心軸L
上に位置しているとともに、図示するように、ピストン
3が下死点に達したときに、ちょうどクランクピン11
が最下点に位置するように構成されている。
【0031】上記クランクシャフト10は、クランクア
ーム15と一体に、クランクピン11とは反対側に延び
たカウンタウエイト12を備えている。このカウンタウ
エイト12の外縁13は、連続した曲線からなり、クラ
ンクジャーナル14の回転中心を中心とした円弧に近似
した基本形状を有しているが、クランクジャーナル14
の回転中心から外縁13各部までの半径距離は完全に一
定ではなく、中央部分の半径距離rcが、両側部分の半
径距離rsよりも短くなっている。詳しくは、図示する
ように、ピストン3が下死点に達したときのクランクシ
ャフト10の姿勢において、シリンダ中心軸Lに一致す
る位置での半径距離が最も短く(rc)、これよりも進
み側となる部分ならびに遅れ側となる部分での半径距離
rsは、いずれも、相対的に大きい。なお、図の状態
で、カウンタウエイト12は、シリンダ中心軸Lを挟ん
で対称形状をなしている。
【0032】図5は、このような実施例の構成における
図3と同様の説明図であって、ピストン3のピンボス部
の下端が最も下方となるピストン3の下死点において、
外縁13の位置が半径距離rcとして示すように下方に
位置することになるので、下死点位置における両者の間
隙cが拡大する。そのため、余裕代が大きくなるととも
に、圧縮比の可変範囲が大きくなる。また、このように
ピストン3に最接近する部分を除いて、カウンタウエイ
ト12の半径距離rsを大きく確保できるので、その慣
性モーメントが十分に大きく得られる。特に、一般的な
単リンク式のクランク機構におけるピストン下死点付近
におけるストローク変化は、回転2次成分の影響によっ
て下死点付近での停滞時間が長いのに対し、この実施例
の複リンク式クランク機構では、ピストン3の動きを単
振動に近づけることが可能であるため、両側の半径距離
rsを単リンク式の場合よりも大きく設定することが可
能である。
【0033】次に、図6は、上記のような外縁13のよ
り具体的な形状を示したものであって、この第2実施例
では、図示するように、クランクピン11の中心から一
定半径Rの円弧形をなすように外縁13が形成されてお
り、これによって、クランクジャーナル14の回転中心
からの半径距離が、中央部では短く(rc)、両側部で
は長く(rs)なっている。このような構成によれば、
クランクピン11を中心とした旋削加工が可能となり、
その加工が容易となる。
【0034】図7は、外縁13の異なる形状を示してお
り、この第3実施例では、外縁13が、基本的にクラン
クジャーナル14を中心とした半径rsの円弧に沿った
形状をなすとともに、その中央部分が接線方向に平行な
平面部13aとして切り落とされた形状をなしている。
このような構成によれば、一定半径の円弧の一部を平面
に削除すればよいので、加工が容易であり、また平面部
13aを、他の加工の際の位置決め基準面として利用す
ることができる。
【0035】また、図8は、外縁13を、3つの平面部
13a,13b,13cによって多角形に形成した第4
実施例を示している。図示するように、平面部13aの
中央部が最も短い半径距離rcとなり、4つの頂点が最
も長い半径距離rsとなる。この構成によれば、平面加
工のみで外縁13を形成でき、その加工が容易であると
ともに、各平面部13a,13b,13cを、他の加工
の際の位置決め基準面として利用することができる。
【0036】次に、図9および図10は、ピストン3が
下死点に達したときに、クランクピン11がまだ最下点
に達しないようなリンク構成を有するクランク機構に適
用した第5実施例を示している。なお、クランクシャフ
ト10の回転方向は、矢印ωで示すように、図の時計回
り方向である。すなわち、図9は、ピストン3が下死点
位置にあるときの状態を示しているが、このときに、ク
ランクピン11は、最下点よりも僅かに遅れ側にある。
従って、ピストン3が下死点に達したときに、ピストン
3中央のピンボス部が最接近する位置は、カウンタウエ
イト12外縁13の中央ではなく、カウンタウエイト1
2中央よりも進み側に片寄った位置となる。図10にも
示すように、この位置において、外縁13の半径距離は
最も短い(rc)。つまり、ピストン3が下死点に達し
たときのクランクシャフト10の姿勢でもって、シリン
ダ中心軸Lに一致する位置の半径距離rcが最も短い。
そして、その両側部において、これよりも半径距離が長
くなっているが、特に、シリンダ中心軸Lよりも進み側
となる部分の半径距離rs1が、遅れ側となる部分の半
径距離rs2よりも短い。
【0037】従って、図10に明らかなように、サイク
ル中に、ピストン3下端の移動軌跡に対応した形で外縁
13の高さ位置が変化することになり、ピストン3下死
点の付近で一層適切に間隙cを確保することができる。
【0038】また、図示は省略するが、逆に、ピストン
3が下死点に達したときに、クランクピン11が最下点
を過ぎているようなリンク構成を有するクランク機構に
適用する場合には、逆に、シリンダ中心軸Lよりも進み
側となる部分の半径距離rs1が、遅れ側となる部分の
半径距離rs2よりも相対的に長く設定されることにな
る。
【0039】次に、図11は、クランクジャーナル14
の回転中心がシリンダ中心軸Lから図の右側へオフセッ
トしている場合の第6実施例を示している。この第6実
施例では、カウンタウエイト12の外縁13の形状は、
前述した第2実施例と同様であり、クランクピン11を
中心とした半径Rの円弧形をなしている。このようにク
ランクシャフト10がオフセットした構成では、ピスト
ン3における図右側のスカート部最下端5が、カウンタ
ウエイト12と干渉しやすくなる。図12は、比較例と
して示したものであり、図示するように、ピストン3が
下死点に達したときに、両者間の間隙がc6として示す
ように、非常に小さくなってしまう。そのため、図11
の第6実施例では、ピストン3の図右側のスカート部最
下端5の位置が、図左側のスカート部最下端4の位置よ
りも、相対的に上方に位置するようになっている。つま
り、スカート部の長さが、図左側の部分に比べて図右側
の部分で相対的に短くなっている。このような構成によ
れば、両者間の間隙がc7として示すように、大きく確
保され、この位置での干渉を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のクランク機構の一例を示す断面図。
【図2】ピストンが下死点に達したときの状態を示す断
面図。
【図3】ピストン下端とカウンタウエイト外縁の運動軌
跡を展開して示す説明図。
【図4】この発明の第1実施例を示す断面図。
【図5】この実施例におけるピストン下端とカウンタウ
エイト外縁の運動軌跡を示す図3と同様の説明図。
【図6】この発明の第2実施例を示す断面図。
【図7】第3実施例を示す断面図。
【図8】第4実施例を示す断面図。
【図9】第5実施例を示す断面図。
【図10】この第5実施例における図3と同様の説明
図。
【図11】第6実施例を示す断面図。
【図12】第6実施例に関連した比較例を示す断面図。
【符号の説明】
3…ピストン 10…クランクシャフト 11…クランクピン 12…カウンタウエイト 13…外縁 14…クランクジャーナル 21…アッパリンク 22…ロアリンク 23…コントロールリンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 3/20 F16C 3/20 (72)発明者 青山 俊一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 日吉 亮介 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G092 AA12 DD06 DG03 FA00 FA49 FA50 3J033 AA02 BA01 CB01 CC03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内を往復動するピストンと、こ
    のピストンに連結されたクランクシャフトと、を備え、
    かつ、上記クランクシャフトが、クランクアームから延
    びたカウンタウエイトを備えてなるレシプロ式内燃機関
    のクランク機構において、 上記カウンタウエイトの外縁が、クランクジャーナルの
    回転中心を中心とした円弧に近似した基本形状を有する
    とともに、ピストンが下死点に達したときに該ピストン
    と上記円弧との間隔が最も小さくなる周方向位置の付近
    で、上記円弧よりも内周側に後退した形状をなしている
    ことを特徴とするレシプロ式内燃機関のクランク機構。
  2. 【請求項2】 上記内燃機関が、圧縮比の可変制御に伴
    ってピストンの下死点位置が変化する可変圧縮比機構を
    備えていることを特徴とする請求項1記載のレシプロ式
    内燃機関のクランク機構。
  3. 【請求項3】 上記可変圧縮比機構は、ピストンのピス
    トンピンに一端が連結されたアッパリンクと、このアッ
    パリンクとクランクシャフトのクランクピンとを連結す
    るロアリンクと、上記ロアリンクに一端が連結されると
    ともに他端が内燃機関の本体部に揺動可能に支持された
    コントロールリンクと、このコントロールリンクの揺動
    支持位置を変化させる制御機構と、を備えて構成されて
    いることを特徴とする請求項2記載のレシプロ式内燃機
    関のクランク機構。
  4. 【請求項4】 上記クランクジャーナルの回転中心がシ
    リンダの中心軸上に位置しているとともに、上記クラン
    クジャーナルの回転中心から上記カウンタウエイトの外
    縁各部までの半径距離について、ピストンが下死点に達
    したときのクランクシャフトの姿勢でシリンダの中心軸
    に一致する方向の半径距離(rc)が、該中心軸よりも
    進み側となる部分および遅れ側となる部分の半径距離よ
    りも短いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のレシプロ式内燃機関のクランク機構。
  5. 【請求項5】 ピストンが下死点に達したときにクラン
    クピンが最下点よりも遅れ側に位置するように構成され
    ているとともに、ピストンが下死点に達したときのクラ
    ンクシャフトの姿勢でシリンダの中心軸よりも進み側と
    なる部分の半径距離が、上記中心軸よりも遅れ側となる
    部分の半径距離よりも短いことを特徴とする請求項4記
    載のレシプロ式内燃機関のクランク機構。
  6. 【請求項6】 ピストンが下死点に達したときにクラン
    クピンが最下点よりも進み側に位置するように構成され
    ているとともに、ピストンが下死点に達したときのクラ
    ンクシャフトの姿勢でシリンダの中心軸よりも遅れ側と
    なる部分の半径距離が、上記中心軸よりも進み側となる
    部分の半径距離よりも短いことを特徴とする請求項4記
    載のレシプロ式内燃機関のクランク機構。
  7. 【請求項7】 上記クランクジャーナルの回転中心がシ
    リンダの中心軸に対して一方にオフセットしているとと
    もに、ピストンの上記オフセット方向の外周端における
    スカート部最下端位置が、反対側の外周端におけるスカ
    ート部最下端位置よりも相対的に上方に位置しているこ
    とを特徴とする請求項3記載のレシプロ式内燃機関のク
    ランク機構。
  8. 【請求項8】 上記外縁が、上記クランクジャーナルの
    回転中心以外の点を中心とする円弧形をなしていること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のレシプロ
    式内燃機関のクランク機構。
  9. 【請求項9】 上記外縁が、多角形をなしていることを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のレシプロ式
    内燃機関のクランク機構。
  10. 【請求項10】 上記外縁が、ピストンが下死点に達し
    たときに該ピストンに対向する直線部分と、その両側の
    円弧部分と、から形成されていることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載のレシプロ式内燃機関のクラ
    ンク機構。
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