JP2002172404A - 外径制御方法及び外径制御装置 - Google Patents

外径制御方法及び外径制御装置

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JP2002172404A
JP2002172404A JP2001039247A JP2001039247A JP2002172404A JP 2002172404 A JP2002172404 A JP 2002172404A JP 2001039247 A JP2001039247 A JP 2001039247A JP 2001039247 A JP2001039247 A JP 2001039247A JP 2002172404 A JP2002172404 A JP 2002172404A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱処理を含む継目無管の製造工程で製造する
継目無管の外径を目的の外径と略一致させる外径制御方
法及び外径制御装置を提供する。 【解決手段】 外径制御装置4によって、熱処理の条件
に基づいて、熱処理による管外径の予測変動量を算出す
る。また予測変動量は、外径測定センサ2a,2b、温度セ
ンサ23a,23b の測定値に基づいて修正する。継目無管の
製造を行うときに、制御部にて、前記予測変動量を用い
て、ロール2,2,…の圧下位置の調整量を算出し、こ
の調整量に基づいた圧下位置制御信号を圧下位置制御装
置7へ出力する。圧下位置制御装置7は、圧下位置制御
信号に基づいて、モータM,M,…を駆動し、ロール
2,2,…の圧下位置を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、継目無管の外径を
目標値に一致せしめ得る継目無管の外径制御方法及びそ
の実施に使用する外径制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無管の製造工程は、一般的には予め
穿孔された素管をマンドレルミル等の延伸圧延機にて圧
延し、圧延後の仕上げ管をサイザー等の定径圧延機にて
一定の外径とすべく圧延し、矯正機にて曲がり矯正、真
円度矯正を行うように編成してある。このような継目無
管の製造工程にあっては、前記矯正機は真円度が高く真
直ぐな管を得るためのものであって、圧延により外径を
一定にさせるためのものでなく、外径変化を防止できる
機能を有していないため、矯正前には全長に亘って一定
の外径とされた管の端部付近の外径が、矯正によって中
間部の外径に比べて収縮される等の問題を有していた。
【0003】そこで、特開昭62-16809号公報には、矯正
前後における管軸長方向の同一位置での外径変動量を予
め求めておき、この外径変動量に基づいて定径圧延機の
ロールの圧下位置を調整することにより、管軸長方向全
長に亘って、継目無管の外径を目標値に一致させる継目
無管の外径制御方法が開示されている。
【0004】また、継目無管の製造工程には、定径圧延
機にて圧延した管に対して、熱処理装置によって焼き入
れ又は焼き戻し等の熱処理を施し、この後に矯正機にて
曲がり矯正、真円度矯正を行うように編成されたものも
ある。このような製造工程での従来の一般的な継目無管
の外径制御方法では、先行して製造したロットと、材
質、寸法、熱処理条件、及び矯正条件等が異なるロット
を製造する場合に、作業者が経験に基づいて定径圧延機
のロールの圧下量を設定していたが、このような継目無
管の外径制御方法では、ロットの初期の段階で製品の品
質が安定しないという問題があった。
【0005】そこで、特開平5-169121号公報には、以下
のような継目無管の外径制御方法が開示されている。
【0006】特開平5-169121号公報に開示されている継
目無管の外径制御方法では、先行して製造したロット
と、材質、寸法、熱処理条件、及び矯正条件等が異なる
ロットを製造する前に、試験的に定径圧延機のロールの
圧下位置を固定して、新たなロットの管を定径圧延し、
定径圧延直後の管外径(熱間実績外径)を測定する。ま
た、最終的に得べき管外径たる目標冷間外径、管の熱膨
張率、及び定径圧延直後の予測管温度に基づいて、定径
圧延直後の管外径の目標値たる目標熱間外径を求め、こ
の目標熱間外径の管に熱処理及び矯正を施して冷却させ
たときの管外径と、前記目標冷間外径との誤差を算出し
て、この誤差から補正パラメータを求め、補正パラメー
タ、目標冷間外径、熱膨張率、及び前記予測間温度に基
づいて、目標熱間外径を修正し、熱間実績外径に近づけ
る。このような目標熱間外径の修正を繰り返し、最終的
に得られた補正パラメータを用いて、ロット製造時の定
径圧延機のロールの圧下量を決定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の如き
特開昭62-16809号公報に開示された継目無管の外径制御
方法においては、管を定径圧延機にて定径圧延した後、
焼き入れ等の熱処理を施すように編成された継目無管の
製造工程では、熱処理による管の外径変動を防止するこ
とができない。
【0008】図34は、焼き入れによる管の外径変動を説
明する説明図である。管に対し焼き入れを施す場合、管
の一端側から管内面に冷却水を注入するようになってい
る。管の冷却は、冷却水を注入する一端側から他端側へ
と進行する。冷却初期においては、図34(a) に示すよう
に、一端側の端部付近だけが冷却され、この冷却された
部分の外径だけが収縮する。このとき、他の大部分は冷
却されておらず、外径が収縮していないままの状態とな
っている。このため外径が収縮する部分は外径が収縮し
ていない部分によって周方向に引張られ、このような引
張り力を受けていないときに比べて外径の収縮は小さい
ものとなる。
【0009】これに比べて冷却終期においては、図34
(b) に示すように、管の他端側の端部付近を残して冷却
は完了している。即ち大部分が冷却されて外径が収縮し
ており、外径が収縮していないままの状態の部分は前記
他端側の端部付近だけとなっている。このような状態で
は、この端部付近が収縮するときに、収縮する部分に引
張り力を与える部分が存在せず、既に収縮した部分によ
って収縮する部分が周方向に圧縮されることとなる。従
って、このような圧縮力を受けていないときに比べて外
径の収縮は大きいものとなる。
【0010】以上のような理由によって、定径圧延する
ことで管軸長方向全長に亘って一定の外径とされた管に
焼き入れを施す場合、前記他端側の端部近傍の外径だけ
が他の部分の外径に比べて小さくなる。このように、熱
処理によって発生する管の外径変動は、従来の制御方法
では抑制できないという問題があった。
【0011】また、特開平5-169121号公報に開示されて
いる継目無管の外径制御方法では、ロットの製造前に、
試験的に定径圧延機を運転する必要があり、多くの手間
を要するという問題があった。
【0012】また、特開平5-169121号公報に開示されて
いる継目無管の外径制御方法を適用した場合であって
も、依然として製品の管外径に誤差が生じていたため、
発明者らは、種々の管の材質、寸法、熱処理条件、及び
矯正条件について管外径を調べた。この結果、発明者ら
は、熱処理の有無及び熱処理条件によって、定径圧延終
了後の熱処理及び矯正による管外径の変動量が変化する
ことを知見した。これは管の材質、寸法、及び熱処理条
件によって、管のマルテンサイト変態の態様が異なるこ
とが原因となっている。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、熱処理(及び矯正)による管外径の予測変動量
を、熱処理条件(及び矯正条件)に基づいて算出し、又
は記憶しておき、この予測変動量に基づいて、定径圧延
機のロールの圧下位置の調整量を求めることにより、熱
処理(及び矯正)によって発生する管の外径変動を抑制
し、熱処理後(又は矯正後)の管の外径を目標値に一致
させることを可能とする外径制御方法を提供することを
目的とする。
【0014】本発明の他の目的は、管の熱処理前後(熱
処理前及び矯正後、又は熱処理前後及び矯正後)におい
て、管外径を(必要に応じて管温度を)測定しておき、
熱処理前後(熱処理前及び矯正後、又は熱処理前後及び
矯正後)の管外径の測定値の差分値を、管外径の予測変
動量とすることによって(又は該予測変動量を管温度で
補正することによって)、製造ロット毎の材料の成分の
相違等の要因による管外径の誤差の発生を抑制し、管外
径を目標値に一致せしめ得る外径制御方法を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る外径制御
方法は、ロールを有する定径圧延機にて管を圧延し、圧
延した管に対して熱処理を施す継目無管の製造工程で、
前記ロールの圧下位置を調整して継目無管の外径を制御
する外径制御方法であって、熱処理後の管外径を所定値
とすべく、前記熱処理による管外径の予測変動量を熱処
理条件に基づいて算出し、算出した予測変動量に基づい
て、前記ロールの圧下位置の調整量を決定することを特
徴とする。
【0016】第2発明に係る外径制御方法は、ロールを
有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対して
熱処理を施す継目無管の製造工程で、前記ロールの圧下
位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制御方法
であって、熱処理後の管外径を所定値とすべく、前記熱
処理による管外径の予測変動量を記憶しておき、該予測
変動量に基づいて、前記ロールの圧下位置の調整量を決
定することを特徴とする。
【0017】第3発明に係る外径制御方法は、第2発明
に係る外径制御方法において、熱処理前後の管外径を測
定し、管外径の予測変動量を、熱処理前後の管外径の測
定値の差分値に基づいて定めることを特徴とする。
【0018】第4発明に係る外径制御方法は、第3発明
に係る外径制御方法において、熱処理前後の管温度を測
定し、測定した管温度に基づいて、管外径の予測変動量
を補正することを特徴とする。
【0019】第5発明に係る外径制御方法は、ロールを
有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対して
熱処理を施す継目無管の製造工程で、前記ロールの圧下
位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制御方法
であって、熱処理後の管外径を所定値とすべく、前記熱
処理による管の軸長方向中央部での管外径の予測変動量
と、前記中央部以外の部分での管外径の予測変動量との
差分値を記憶しておき、前記中央部での管外径の予測変
動量を熱処理条件に基づいて算出し、前記中央部以外の
部分での管外径の予測変動量を、算出した前記中央部で
の管外径の予測変動量と、記憶された前記差分値との和
として求め、管外径の予測変動量に基づいて、前記ロー
ルの圧下位置の調整量を決定することを特徴とする。
【0020】第6発明に係る外径制御方法は、ロールを
有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対して
熱処理を施す継目無管の製造工程で、前記ロールの圧下
位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制御方法
であって、熱処理後の管外径を管の軸長方向全長に亘っ
て所定値とすべく、前記熱処理による前記軸長方向の複
数位置での管外径の予測変動量を記憶しておき、該予測
変動量に基づいて、前記ロールの圧下位置の調整量を決
定することを特徴とする。
【0021】第7発明に係る外径制御方法は、第6発明
に係る外径制御方法において、前記製造工程に先行し
て、前記定径圧延機にて先行管を圧延し、圧延した先行
管に対して熱処理を施す先行工程で、熱処理前後に前記
先行管の前記複数位置での管外径を測定し、前記複数位
置夫々での管外径の予測変動量を、前記複数位置夫々で
の熱処理前後の管外径の測定値の差分値に基づいて定め
ることを特徴とする。
【0022】第8発明に係る外径制御方法は、ロールを
有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対して
熱処理を施し、熱処理を施した管に対して曲がり又は真
円度の矯正を施す継目無管の製造工程で、前記ロールの
圧下位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制御
方法であって、矯正後の管外径を所定値とすべく、前記
熱処理及び前記矯正による管外径の予測変動量を記憶し
ておき、該予測変動量に基づいて、前記ロールの圧下位
置の調整量を決定することを特徴とする。
【0023】第9発明に係る外径制御方法は、第8発明
に係る外径制御方法において、熱処理前及び矯正後の管
外径を測定し、管外径の予測変動量を、熱処理前及び矯
正後の管外径の測定値の差分値に基づいて定めることを
特徴とする。
【0024】第10発明に係る外径制御方法は、第9発
明に係る外径制御方法において、熱処理前及び矯正後の
管温度を測定し、測定した管温度に基づいて、管外径の
予測変動量を補正することを特徴とする。
【0025】第11発明に係る外径制御方法は、ロール
を有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対し
て熱処理を施し、熱処理を施した管に対して曲がり又は
真円度の矯正を施す継目無管の製造工程で、前記ロール
の圧下位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制
御方法であって、矯正後の管外径を所定値とすべく、前
記熱処理及び前記矯正による管の軸長方向中央部での管
外径の予測変動量と、前記中央部以外の部分での管外径
の予測変動量との差分値を記憶しておき、前記中央部で
の管外径の予測変動量を熱処理条件及び矯正条件に基づ
いて算出し、前記中央部以外の部分での管外径の予測変
動量を、算出した前記中央部での管外径の予測変動量
と、記憶された前記差分値との和として求め、管外径の
予測変動量に基づいて、前記ロールの圧下位置の調整量
を決定することを特徴とする。
【0026】第12発明に係る外径制御方法は、ロール
を有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対し
て熱処理を施し、熱処理を施した管に対して曲がり又は
真円度の矯正を施す継目無管の製造工程で、前記ロール
の圧下位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制
御方法であって、矯正後の管外径を管の軸長方向全長に
亘って所定値とすべく、前記熱処理及び前記矯正による
前記軸長方向の複数位置での管外径の予測変動量を記憶
しておき、該予測変動量に基づいて、前記ロールの圧下
位置の調整量を決定することを特徴とする。
【0027】第13発明に係る外径制御方法は、第12
発明に係る外径制御方法において、前記製造工程に先行
して、前記定径圧延機にて先行管を圧延し、圧延した先
行管に対して熱処理を施し、熱処理を施した先行管に対
して曲がり又は真円度の矯正を施す先行工程で、熱処理
前及び矯正後に前記先行管の前記複数位置での管外径を
測定し、前記複数位置夫々での管外径の予測変動量を、
前記複数位置夫々での熱処理前及び矯正後の管外径の測
定値の差分値に基づいて定めることを特徴とする。
【0028】第14発明に係る外径制御方法は、ロール
を有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対し
て熱処理を施し、熱処理を施した管に対して曲がり又は
真円度の矯正を施す継目無管の製造工程で、前記ロール
の圧下位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制
御方法であって、矯正後の管外径を所定値とすべく、前
記熱処理による管外径の予測変動量を表す第1予測変動
量を熱処理条件に基づいて算出し、前記矯正による管外
径の予測変動量を表す第2予測変動量を矯正条件に基づ
いて算出し、算出した第1予測変動量及び第2予測変動
量に基づいて、前記ロールの圧下位置の調整量を決定す
ることを特徴とする。
【0029】第15発明に係る外径制御方法は、ロール
を有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対し
て熱処理を施し、熱処理を施した管に対して曲がり又は
真円度の矯正を施す継目無管の製造工程で、前記ロール
の圧下位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制
御方法であって、矯正後の管外径を所定値とすべく、前
記熱処理による管外径の予測変動量を表す第1予測変動
量と、前記矯正による管外径の予測変動量を表す第2予
測変動量とを夫々記憶しておき、前記第1予測変動量及
び前記第2予測変動量に基づいて、前記ロールの圧下位
置の調整量を決定することを特徴とする。
【0030】第16発明に係る外径制御方法は、第15
発明に係る外径制御方法において、熱処理前後及び矯正
後の管外径を測定し、前記第1予測変動量を熱処理前後
の管外径の測定値の差分値に基づいて定め、前記第2予
測変動量を熱処理後及び矯正後の管外径の測定値の差分
値に基づいて定めることを特徴とする。
【0031】第17発明に係る外径制御方法は、第16
発明に係る外径制御方法において、熱処理前後及び矯正
後の管温度を測定し、熱処理前後に測定した管温度に基
づいて、前記第1予測変動量を補正し、熱処理後及び矯
正後に測定した管温度に基づいて、前記第2予測変動量
を補正することを特徴とする。
【0032】第18発明に係る外径制御方法は、ロール
を有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対し
て熱処理を施し、熱処理を施した管に対して曲がり又は
真円度の矯正を施す継目無管の製造工程で、前記ロール
の圧下位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制
御方法であって、矯正後の管外径を所定値とすべく、前
記熱処理による管外径の予測変動量を表す第1予測変動
量の内の管の軸長方向中央部での値及び前記中央部以外
の部分での値の差分値を表す第1差分値と、前記矯正に
よる管外径の予測変動量を表す第2予測変動量の内の管
の軸長方向中央部での値及び前記中央部以外の部分での
値の差分値を表す第2差分値とを記憶しておき、前記中
央部での第1予測変動量を熱処理条件に基づいて算出
し、前記中央部以外の部分での第1予測変動量を、算出
した前記中央部での第1予測変動量と、記憶された第1
差分値との和として求め、前記中央部での第2予測変動
量を矯正条件に基づいて算出し、前記中央部以外の部分
での第2予測変動量を、算出した前記中央部での第2予
測変動量と、記憶された前記第2差分値との和として求
め、第1予測変動量及び第2予測変動量に基づいて、前
記ロールの圧下位置の調整量を決定することを特徴とす
る。
【0033】第19発明に係る外径制御方法は、ロール
を有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対し
て熱処理を施し、熱処理を施した管に対して曲がり又は
真円度の矯正を施す継目無管の製造工程で、前記ロール
の圧下位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制
御方法であって、矯正後の管外径を管の軸長方向全長に
亘って所定値とすべく、前記熱処理による前記軸長方向
の複数位置での管外径の予測変動量を夫々表す複数の第
1予測変動量と、前記矯正による前記複数位置での管外
径の予測変動量を夫々表す複数の第2予測変動量とを記
憶しておき、前記第1予測変動量及び前記第2予測変動
量に基づいて、前記ロールの圧下位置の調整量を決定す
ることを特徴とする。
【0034】第20発明に係る外径制御方法は、第19
発明に係る外径制御方法において、前記製造工程に先行
して、前記定径圧延機にて先行管を圧延し、圧延した先
行管に対して熱処理を施し、熱処理を施した先行管に対
して曲がり又は真円度の矯正を施す先行工程で、熱処理
前後及び矯正後に前記先行管の前記複数位置での管外径
を測定し、前記複数位置夫々での前記第1予測変動量
を、前記複数位置夫々での熱処理前後の管外径の測定値
の差分値に基づいて定め、前記複数位置夫々での前記第
2予測変動量を、前記複数位置夫々での熱処理後及び矯
正後の管外径の測定値の差分値に基づいて定めることを
特徴とする。
【0035】第21発明に係る外径制御装置は、ロール
を有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対し
て熱処理を施す継目無管の製造工程で、前記ロールの圧
下位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制御装
置であって、熱処理前の管外径及び管温度を夫々測定す
る第1外径測定器及び第1温度測定器と、熱処理後の管
外径及び管温度を夫々測定する第2外径測定器及び第2
温度測定器と、管外径の予測変動量を、前記第1外径測
定器及び前記第2外径測定器の測定値の差分値に基づい
て演算する予測変動量演算手段と、該予測変動量演算手
段によって演算した管外径の予測変動量を、前記第1温
度測定器及び前記第2温度測定器の測定値の差分値に基
づいて補正する補正手段と、該補正手段によって補正し
た管外径の予測変動量を記憶する記憶部と、該記憶部に
記憶した管外径の予測変動量に基づいて、前記ロールの
圧下位置の調整量を演算する調整量演算手段とを備える
ことを特徴とする。
【0036】第22発明に係る外径制御装置は、ロール
を有する定径圧延機にて管を圧延し、圧延した管に対し
て熱処理を施し、熱処理を施した管に対して曲がり又は
真円度の矯正を施す継目無管の製造工程で、前記ロール
の圧下位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制
御装置であって、熱処理前の管外径及び管温度を夫々測
定する第1外径測定器及び第1温度測定器と、熱処理後
の管外径及び管温度を夫々測定する第2外径測定器及び
第2温度測定器と、矯正後の管外径及び管温度を夫々測
定する第3外径測定器及び第3温度測定器と、前記熱処
理による管外径の予測変動量を表す第1予測変動量を、
前記第1外径測定器及び前記第2外径測定器の測定値の
差分値に基づいて演算する第1予測変動量演算手段と、
前記矯正による管外径の予測変動量を表す第2予測変動
量を、前記第2外径測定器及び前記第3外径測定器の測
定値の差分値に基づいて演算する第2予測変動量演算手
段と、前記第1予測変動量演算手段によって演算した第
1予測変動量を、前記第1温度測定器及び前記第2温度
測定器の測定値の差分値に基づいて補正する第1補正手
段と、前記第2予測変動量演算手段によって演算した第
2予測変動量を、前記第2温度測定器及び前記第3温度
測定器の測定値の差分値に基づいて補正する第2補正手
段と、前記第1補正手段及び前記第2補正手段によって
夫々補正した第1予測変動量及び第2予測変動量を夫々
記憶する記憶部と、該記憶部に記憶した第1予測変動量
及び第2予測変動量に基づいて、前記ロールの圧下位置
の調整量を演算する調整量演算手段とを備えることを特
徴とする。
【0037】第23発明に係る外径制御装置は、ロール
を有する定径機にて管を圧延し、圧延した管に対して熱
処理を施す継目無管の製造工程で、前記ロールの圧下位
置を調整して継目無管の外径を制御する外径制御装置で
あって、熱処理前の管の軸長方向の複数位置での管外径
を測定する第1測定器と、熱処理後の前記複数位置での
管外径を測定する第2測定器と、前記複数位置夫々での
管外径の予測変動量を、前記複数位置夫々での前記第1
測定器及び前記第2測定器の測定値の差分値に基づいて
演算する予測変動量演算手段と、該予測変動量演算手段
によって演算した予測変動量を記憶する記憶部と、該記
憶部に記憶した管外径の予測変動量に基づいて、前記ロ
ールの圧下位置の調整量を演算する調整量演算手段とを
備えることを特徴とする。
【0038】第24発明に係る外径制御装置は、ロール
を有する定径機にて管を圧延し、圧延した管に対して熱
処理を施し、熱処理を施した管に対して曲がり又は真円
度の矯正を施す継目無管の製造工程で、前記ロールの圧
下位置を調整して継目無管の外径を制御する外径制御装
置であって、熱処理前の管の軸長方向の複数位置での管
外径を測定する第1測定器と、熱処理後の前記複数位置
での管外径を測定する第2測定器と、矯正後の前記複数
位置での管外径を測定する第3測定器と、前記複数位置
夫々での管外径の予測変動量を表す複数の第1予測変動
量を、前記複数位置夫々での前記第1測定器及び前記第
2測定器の測定値の差分値に基づいて演算する第1予測
変動量演算手段と、前記複数位置夫々での管外径の予測
変動量を表す複数の第2予測変動量を、前記複数位置夫
々での前記第2測定器及び前記第3測定器の測定値の差
分値に基づいて演算する第2予測変動量演算手段と、前
記第1予測変動量演算手段及び前記第2予測変動量演算
手段によって夫々演算した第1予測変動量及び第2予測
変動量を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶した第1予
測変動量及び第2予測変動量に基づいて、前記ロールの
圧下位置の調整量を演算する調整量演算手段とを備える
ことを特徴とする。
【0039】第1発明による場合は、熱処理による管外
径の予測変動量を、熱処理による管外径の変動率を用い
て算出し、この予測変動量に基づいて、定径圧延機のロ
ールの圧下位置の調整量を求める。
【0040】管外径の変動率は、熱処理によって発生す
るマルテンサイト変態によって定まり、管の寸法、材
質、並びに熱処理の種類、及び冷却速度等の熱処理条件
毎に異なっている。従って、このような管外径の変動率
を、種々の管の寸法、材質、及び熱処理条件毎に予め定
めておき、これを用いて熱処理による管外径の予測変動
量を算出し、管の製造時に、この予測変動量を用いて定
径圧延機のロールの圧下位置を調整することにより、熱
処理によって発生する管の外径変動を抑制し、熱処理後
の管の外径を目標値に近づけることが可能となる。
【0041】また、管外径の変動率を、種々の管の寸
法、材質、及び熱処理条件毎に予め定めておくことによ
り、試験的に定径圧延機を運転しなくても、管外径の予
測変動量を算出することができ、これによって先行して
製造したロットと材質、寸法、及び熱処理条件等が異な
るロットを製造する場合の作業の手間を削減することが
可能となる。
【0042】第2発明による場合は、管の寸法、材質、
並びに熱処理の種類、及び冷却速度等の熱処理条件毎に
異なる熱処理による管外径の予測変動量を、管の寸法、
材質、及び熱処理条件毎に記憶しておき、管の製造時
に、製造する管の寸法、材質、及び熱処理条件に対応す
る予測変動量を用いて、定径圧延機のロールの圧下位置
を調整することにより、熱処理によって発生する管の外
径変動を抑制し、熱処理後の管の外径を目標値に近づけ
ることが可能となる。
【0043】また、管外径の予測変動量を、種々の管の
寸法、材質、及び熱処理条件毎に予め定めておくことに
より、試験的に定径圧延機を運転しなくても、管外径の
予測変動量を得ることができ、これによって先行して製
造したロットと材質、寸法、及び熱処理条件等が異なる
ロットを製造する場合の作業の手間を削減することが可
能となる。
【0044】また、管の寸法、材質、及び熱処理条件か
ら定めた管の外径の予測変動量は、製造ロット毎の材料
の成分の相違等の要因によって、実際の管の外径の変動
量と異なっている。よって、このような誤差を含んだ予
測変動量を用いて外径制御を行った場合、得られた管の
外径は目標と一致しないこととなる。
【0045】従って、第3発明による場合は、実際に測
定した管外径を用いて予測変動量を定め、この予測変動
量を用いて外径制御を行うことにより、管外径を更に正
確に目標値に近づけることが可能となる。
【0046】また、熱処理の前後において測定した管外
径の差分値は、熱処理が施されている間に発生する管外
径の変動量を表しており、これには、熱処理によるマル
テンサイト変態に伴う管外径の変動量と、熱処理の開始
直前から終了直後までの管温度の変動に伴う熱膨張(熱
収縮)による管外径の変動量とが含まれている。
【0047】従って、第4及び第21発明による場合
は、熱処理前後の管温度から、熱処理の間の熱膨張(熱
収縮)による管外径の変動量を求め、これを用いて管外
径の予測変動量を補正することにより、熱処理による管
外径の予測変動量を更に正確に求めることが可能とな
る。
【0048】前述したように、管に熱処理を施した場合
には、管の中央部での管外径の変動量と、管の端部付近
での管外径の変動量とは異なっている。従って、第5発
明による場合は、中央部での管外径の予測変動量と中央
部以外の部分での管外径の予測変動量との差分値を記憶
しておき、管の中央部での管外径の予測変動量を熱処理
条件に基づいて算出し、この予測変動量と前記差分値と
の和を求めることにより、管の中央部だけでなく、管の
中央部以外の部分での管外径の予測変動量を正確に求め
ることができ、更に正確に外径制御を行うことが可能と
なる。
【0049】また、管の軸長方向全長に亘る複数位置で
の管外径の予測変動量を夫々記憶する場合に比して、管
外径の予測変動量が管の中央部とは異なる前記中央部以
外の部分についてだけ、前記差分値を記憶すればよいた
め、記憶すべきデータ量の低減が可能となる。
【0050】また、前記差分値を、種々の管の寸法、材
質、及び熱処理条件毎に予め定めておくことにより、試
験的に定径圧延機を運転しなくても、中央部での管外径
の予測変動量を算出することにより、これと前記差分値
とから中央部以外の部分での管外径の予測変動量も得る
ことができ、これによって先行して製造したロットと材
質、寸法、及び熱処理条件等が異なるロットを製造する
場合の作業の手間を削減することが可能となる。
【0051】第6発明による場合は、熱処理による管軸
長方向の複数位置での管外径の予測変動量に基づいて、
定径圧延機のロールの圧下位置の調整量を求める。熱処
理を行った場合の管の外径変動の分布は、管の寸法、熱
処理の種類、管の材質等により、夫々個別のパターンを
示す。従って、製造する管の寸法、熱処理の種類、及び
管の材質等から、製造する管の外径の変動量を予測して
おき、この予測変動量を予め定め、この予測変動量を打
ち消すように定径圧延機のロールの圧下位置を調整する
ことにより、熱処理によって発生する管の外径変動を抑
制し、熱処理後の管の外径を管軸長方向全長に亘って目
標値に近づけることが可能となる。
【0052】第7及び第23発明による場合は、先行工
程での先行管の熱処理前後において、管外径を測定し、
熱処理前後の先行管の管外径の測定値の差分値に基づい
て、管外径の予測変動量を定める。管の寸法、熱処理の
種類、及び管の材質等からの管の外径の予測変動量は、
製造ロット毎の材料の成分の相違等の要因によって、実
際の管の外径の変動量と異なっている。従って、このよ
うな誤差を含んだ予測変動量を用いて外径制御を行った
場合、得られた管の外径は目標と一致しないこととな
る。そこで、実際に測定した先行管の管外径を用いて予
測変動量を定め、この予測変動量を用いて外径制御を行
うことにより、管外径を更に正確に目標値に近づけるこ
とが可能となる。
【0053】管に矯正を施す場合、管の中央部では、矯
正の間の冷却に伴う熱収縮以外の理由、即ち管の組織が
変化すること等による管外径の変動は殆ど発生しない
が、管の両端部では、管の中央部に比して縮径する。
【0054】第8発明による場合は、熱処理及び矯正に
よる管外径の予測変動量を、種々の管の寸法、材質、熱
処理条件及び矯正条件毎に記憶しておき、管の製造時
に、製造する管の寸法、材質、熱処理条件、及び矯正条
件に対応する予測変動量を用いて、定径圧延機のロール
の圧下位置を調整することにより、熱処理及び矯正によ
って発生する管の外径変動を抑制し、矯正後の管の外径
を目標値に近づけることが可能となる。
【0055】また、管外径の予測変動量を、種々の管の
寸法、材質、熱処理条件、及び矯正条件毎に予め定めて
おくことにより、試験的に定径圧延機を運転しなくて
も、管外径の予測変動量を得ることができ、これによっ
て先行して製造したロットと材質、寸法、熱処理条件、
及び矯正条件等が異なるロットを製造する場合の作業の
手間を削減することが可能となる。
【0056】前述したような、管の寸法、材質、熱処理
条件、及び矯正条件等から定めた管の外径の予測変動量
は、製造ロット毎の材料の成分の相違等の要因によっ
て、実際の管の外径の変動量と異なっている。よって、
このような誤差を含んだ予測変動量を用いて外径制御を
行った場合、得られた管の外径は目標と一致しないこと
となる。
【0057】従って、第9発明による場合は、実際に測
定した管外径を用いて予測変動量を定め、この予測変動
量を用いて外径制御を行うことにより、管外径を更に正
確に目標値に近づけることが可能となる。
【0058】また、熱処理の前及び矯正の後において測
定した管外径の差分値は、熱処理及び矯正が施されてい
る間に発生する管外径の変動量を表しており、これに
は、熱処理によるマルテンサイト変態に伴う管外径の変
動量と、熱処理の開始直前から矯正の終了直後までの管
温度の変動に伴う熱膨張(熱収縮)による管外径の変動
量とが含まれている。
【0059】従って、第10発明による場合は、熱処理
前及び矯正後の管温度から、熱処理及び矯正の間の熱膨
張(熱収縮)による管外径の変動量を求め、これを用い
て管外径の予測変動量を補正することにより、熱処理及
び矯正による管外径の予測変動量を更に正確に求めるこ
とが可能となる。
【0060】前述したように、管に熱処理及び矯正を施
した場合には、管の中央部での管外径の変動量と、管の
端部付近での管外径の変動量とは異なっている。従っ
て、第11発明による場合は、中央部での管外径の予測
変動量と中央部以外の部分での管外径の予測変動量との
差分値を記憶しておき、管の中央部での管外径の予測変
動量を熱処理条件及び矯正条件に基づいて算出し、この
予測変動量と前記差分値との和を求めることにより、管
の中央部だけでなく、管の中央部以外の部分での管外径
の予測変動量を正確に求めることができ、更に正確に外
径制御を行うことが可能となる。
【0061】また、管の軸長方向全長に亘る複数位置で
の管外径の予測変動量を夫々記憶する場合に比して、管
外径の予測変動量が管の中央部とは異なる前記中央部以
外の部分についてだけ、前記差分値を記憶すればよいた
め、記憶すべきデータ量の低減が可能となる。
【0062】また、前記差分値を、種々の管の寸法、材
質、熱処理条件、及び矯正条件毎に予め定めておくこと
により、試験的に定径圧延機を運転しなくても、中央部
での管外径の予測変動量を算出することにより、これと
前記差分値とから中央部以外の部分での管外径の予測変
動量も得ることができ、これによって先行して製造した
ロットと材質、寸法、熱処理条件、及び矯正条件等が異
なるロットを製造する場合の作業の手間を削減すること
が可能となる。
【0063】第12発明による場合は、熱処理及び矯正
による管軸長方向の複数位置での管外径の予測変動量に
基づいて、定径圧延機のロールの圧下位置の調整量を求
める。熱処理及び矯正を行った場合の管の外径変動の分
布もまた、管の寸法及び材質の条件、熱処理の条件、並
びに矯正の条件等により、夫々個別のパターンを示す。
従って、製造する管の寸法及び材質の条件、熱処理の条
件、矯正の条件等から、製造する管の外径の変動量を予
測しておき、この予測変動量を予め定め、この予測変動
量を打ち消すように定径圧延機のロールの圧下位置を調
整することにより、熱処理及び矯正によって発生する管
の外径変動を抑制し、熱処理及び矯正後の管の外径を管
軸長方向全長に亘って目標値に近づけることが可能とな
る。
【0064】第13発明による場合は、先行工程での先
行管の熱処理前及び矯正後において、管外径を測定し、
熱処理前及び矯正後の先行管の管外径の測定値の差分値
に基づいて、管外径の予測変動量を定める。管の寸法及
び材質の条件、熱処理の条件、及び矯正の条件等からの
管の外径の予測変動量は、製造ロット毎の材料の成分の
相違等の要因によって、実際の管の外径の変動量と異な
っている。従って、このような誤差を含んだ予測変動量
を用いて外径制御を行った場合、得られた管の外径は目
標と一致しないこととなる。そこで、実際に測定した先
行管の管外径を用いて予測変動量を定め、この予測変動
量を用いて外径制御を行うことにより、管外径を更に正
確に目標値に近づけることが可能となる。
【0065】第14発明による場合は、第1予測変動量
を、熱処理条件に基づいて算出し、第2予測変動量を、
矯正による管外径の変動率を用いて算出し、この第1予
測変動量及び第2予測変動量に基づいて、定径圧延機の
ロールの圧下位置の調整量を求める。
【0066】矯正による管外径の変動率は、矯正によっ
て発生する管の組織の変化によって定まり、管の寸法、
材質、及び矯正の種類等の矯正条件毎に異なっている。
従って、熱処理による管外径の変動率に加えて、矯正に
よる管外径の変動率を、種々の管の寸法、材質、熱処理
条件、及び矯正条件毎に予め定めておき、これを用いて
熱処理による管外径の予測変動量(第1予測変動量)及
び矯正による管外径の予測変動量(第2予測変動量)を
夫々算出し、管の製造時に、この第1予測変動量及び第
2予測変動量を用いて定径圧延機のロールの圧下位置を
調整することにより、熱処理及び矯正によって発生する
管の外径変動を抑制し、矯正後の管の外径を目標値に近
づけることが可能となる。
【0067】また、熱処理による管外径の変動率を、種
々の管の寸法、材質、及び熱処理条件毎に予め定めてお
き、矯正による管外径の変動率を、種々の管寸法、材
質、及び矯正条件毎に予め定めておくことにより、試験
的に定径圧延機を運転しなくても、第1予測変動量及び
第2予測変動量を算出することができ、これによって先
行して製造したロットと材質、寸法、熱処理条件、及び
矯正条件等が異なるロットを製造する場合の作業の手間
を削減することが可能となる。
【0068】第15発明による場合は、管の寸法、材
質、及び熱処理条件毎に異なる第1予測変動量を、種々
の管の寸法、材質、及び熱処理条件毎に記憶しておき、
また、管の寸法、材質、及び矯正条件毎に異なる第2予
測変動量を、種々の管の寸法、材質、及び矯正条件毎に
記憶しておき、管の製造時に、製造する管の寸法、材
質、熱処理条件、及び矯正条件に対応する第1予測変動
量及び第2予測変動量を用いて、定径圧延機のロールの
圧下位置を調整することにより、熱処理及び矯正によっ
て発生する管の外径変動を抑制し、矯正後の管の外径を
目標値に近づけることが可能となる。
【0069】また、第1予測変動量を、種々の管の寸
法、材質、及び熱処理条件毎に予め定めておき、第2予
測変動量を、種々の管の寸法、材質、及び矯正条件毎に
予め定めておくことにより、試験的に定径圧延機を運転
しなくても、第1予測変動量及び第2予測変動量を得る
ことができ、これによって先行して製造したロットと材
質、寸法、熱処理条件、及び矯正条件等が異なるロット
を製造する場合の作業の手間を削減することが可能とな
る。
【0070】第16発明による場合は、実際に測定した
管外径を用いて第1予測変動量及び第2予測変動量を定
め、この第1予測変動量及び第2予測変動量を用いて外
径制御を行うことにより、管外径を更に正確に目標値に
近づけることが可能となる。
【0071】第17及び第22発明による場合は、熱処
理前後の管温度から、熱処理の間の熱膨張(熱収縮)に
よる管外径の変動量を求め、これを用いて第1予測変動
量を補正し、熱処理後及び矯正後の管温度から、矯正の
間の熱膨張(熱収縮)による管外径の変動量を求め、こ
れを用いて第2予測変動量を補正することにより、第1
予測変動量及び第2予測変動量を更に正確に求めること
が可能となる。
【0072】第18発明による場合は、中央部での第1
予測変動量と中央部以外の部分での第1予測変動量との
差分値たる第1差分値を記憶しておき、同様に中央部で
の第2予測変動量と中央部以外の部分での第2予測変動
量との差分値たる第2差分値を記憶しておき、管の中央
部での第1予測変動量及び第2予測変動量を熱処理条件
及び矯正条件に基づいて夫々算出し、算出した第1予測
変動量と前記第1差分値との和、及び算出した第2予測
変動量と前記第2差分値との和を夫々求めることによ
り、管の中央部だけでなく、管の中央部以外の部分での
第1予測変動量及び第2予測変動量を正確に求めること
ができ、更に正確に外径制御を行うことが可能となる。
【0073】また、管の軸長方向全長に亘る複数位置で
の第1予測変動量及び第2予測変動量を夫々記憶する場
合に比して、第1予測変動量及び第2予測変動量が管の
中央部とは異なる前記中央部以外の部分についてだけ、
前記第1差分値及び第2差分値を記憶すればよいため、
記憶すべきデータ量の低減が可能となる。
【0074】また、前記第1差分値を、種々の管の寸
法、材質、及び熱処理条件毎に予め定めておき、前記第
2差分値を、種々の管の寸法、材質、及び矯正条件毎に
予め定めておくことにより、試験的に定径圧延機を運転
しなくても、中央部での第1予測変動量及び第2予測変
動量を算出することにより、これと前記第1差分値及び
前記第2差分値とから中央部以外の部分での第1予測変
動量及び第2予測変動量も得ることができ、これによっ
て先行して製造したロットと材質、寸法、熱処理条件、
及び矯正条件等が異なるロットを製造する場合の作業の
手間を削減することが可能となる。
【0075】第19及び第24発明による場合は、熱処
理による管軸長方向の複数位置での管外径の予測変動量
を表す第1予測変動量と、矯正による前記複数位置での
管外径の予測変動量を表す第2予測変動量とに基づい
て、定径圧延機のロールの圧下位置の調整量を求める。
熱処理による外径変動及びこれを修正するために必要な
ロールの圧下位置の調整量の関係と、矯正による外径変
動及びこれを修正するために必要なロールの圧下位置の
調整量の関係とは、相違する場合がある。このような場
合には、種々の条件から前記第1予測変動量及び前記第
2予測変動量を個別に求め、この第1予測変動量及び第
2予測変動量を打ち消すように定径圧延機のロールの圧
下位置を調整することにより、熱処理及び矯正によって
発生する管の外径変動を抑制し、熱処理及び矯正後の管
の外径を管軸長方向全長に亘って目標値に近づけること
が可能となる。
【0076】第20発明による場合は、先行工程での先
行管の熱処理前後及び矯正後において、管外径を測定
し、熱処理前後の先行管の管外径の測定値の差分値に基
づいて第1予測変動量を定め、熱処理後及び矯正後の先
行管の管外径の測定値の差分値に基づいて第2予測変動
量を定める。管の寸法及び材質の条件、熱処理の条件、
及び矯正の条件等からの管の外径の第1予測変動量及び
第2予測変動量は、製造ロット毎の材料の成分の相違等
の要因によって、実際の管の外径の変動量と異なってい
る。従って、このような誤差を含んだ第1予測変動量及
び第2予測変動量を用いて外径制御を行った場合、得ら
れた管の外径は目標と一致しないこととなる。そこで、
実際に測定した管外径を用いて第1予測変動量及び第2
予測変動量を定め、この第1予測変動量及び第2予測変
動量を用いて外径制御を行うことにより、管外径を更に
正確に目標値に近づけることが可能となる。
【0077】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。 (実施の形態1)図1は、本発明に係る外径制御装置を
継目無管の製造工程に適用した場合の実施の形態1の要
部の構成を示す模式図である。図中Pは図示しない延伸
圧延機にて所定の圧延が施された仕上げ管である。仕上
げ管Pは複数のロール2,2対を有する定径圧延機1に
て管軸長方向に定径圧延された後、熱処理装置3によっ
て熱処理が施され、製品たる継目無管SPとなる。また、
図中4は、継目無管の外径制御を行う外径制御装置を示
している。
【0078】外径制御装置4には、ハードディスク等の
記憶部4a並びにCPU及びRAM等からなる制御部4bが
設けられており、記憶部4aには、継目無管の寸法、継目
無管の材料、及び熱処理の種類等の夫々の条件毎に、後
述する熱処理による管外径の変動率γが予め記憶されて
いる。また、記憶部4aには、種々の材料の熱膨張率α、
並びに定径圧延機のミル剛性係数mが記憶されている。
外径制御装置4は、ロール2,2,…の圧下位置を制御
する圧下位置制御装置7,7,…に接続されている。そ
して、圧下位置制御装置7,7,…には、モータM,
M,…が接続されており、圧下位置制御装置7,7,…
が外径制御装置4から入力した圧下位置制御信号に応じ
てモータM,M,…を駆動し、ロール2,2,…の圧下
位置を制御するようになっている。
【0079】また、図1において、2a,2bは夫々熱処理
前、熱処理後の管の外径を測定する外径測定センサであ
り、23a ,23b は夫々熱処理前、熱処理後の管温度を測
定する温度センサである。外径測定センサ2a,2bは、夫
々継目無管SPの外径よりも広幅の光束を有する光線を発
生する光線発生源及びこの光線が遮断された暗部の長さ
を捉える受光部からなっており、測定した管の外径に応
じた信号を外径制御装置4へ送信すべく、外径制御装置
4に接続されている。同様に温度センサ23a ,23b も、
外径制御装置4に接続されていて、温度センサ23a ,23
b から出力される信号が外径制御装置4に入力されるよ
うになっている。
【0080】また、外径制御装置4から、ロール2,
2,…の回転数を指示する回転制御信号が、定径圧延機
1に与えられるようになっており、定径圧延機1は、与
えられた回転制御信号に応じて、ロール2,2,…の回
転数を制御すべくなしてある。
【0081】図2は、本発明に係る外径制御装置の実施
の形態1の外径制御の処理手順を示すフローチャートで
ある。ユーザが外径制御装置4に備えられた入力装置を
操作することによって、又は外径制御装置4に接続され
たコンピュータ(図示せず)からデータを送信すること
によって、製造する継目無管の寸法、材料、及び熱処理
の種類等の条件、並びに室温Tr及び定径圧延終了直後の
管の平均温度Tsを外径制御装置4へ入力する。外径制御
装置4は、これらの入力を受け付け(S1)、この条件に対
応する熱処理による管外径の変動率γ、熱膨張率α、及
び定径圧延機1のミル剛性係数mを記憶部4aから読み出
す(S2)。
【0082】次に、式(1) にしたがって、熱処理による
管外径の予測変動量ΔDht を算出する(S3)。熱処理によ
る管外径の予測変動量ΔDht は、式(1) のように表すこ
とができる。 ΔDht =γ・D …(1) 但し、D:製品の管外径
【0083】この熱処理による管外径の予測変動量ΔDh
t は、熱処理装置3によって施される熱処理に伴い、仕
上げ管Pに発生するマルテンサイト変態による管外径の
変動量の予測値を表している。
【0084】そして、式(2) にしたがって、管外径の熱
収縮量ΔDtを算出する(S4)。 ΔDt=(Ts−Tr)・α・D …(2)
【0085】この管外径の熱収縮量ΔDtは、継目無管SP
が、定径圧延機1による定径圧延が終了した直後の管温
度Tsから、室温Trまで冷却されることによる熱収縮の予
測値を表している。
【0086】次いで、定径圧延機1による定径圧延後の
管外径の目標値たる目標熱間外径Daimを、式(3) にした
がって算出する(S5)。 Daim=ΔDht +ΔDt+D …(3)
【0087】そして、目標熱間外径Daimに基づいて、定
径圧延機1のロール2,2,…の圧下位置Sを算出する
(S6)。この処理では、まず目標熱間外径Daimから、圧延
中のロール2,2,…の圧下位置S’及びロール2,
2,…の予測荷重pを、公知技術を用いて算出する。例
えば幾何学モデル又は塑性変形解析モデル等により、定
径圧延直後の管外径が目標熱間外径Daimと一致するよう
に圧延中のロール2,2,…の圧下位置S’を決定す
る。ロール2,2,…の圧下位置Sは、圧延荷重による
弾性変形を補償する必要があるため、式(4) により定め
られる。 S=S’−p/m …(4)
【0088】なお、ロール2,2,…の圧下位置の算出
は、式(4) によるものに限らず、例えば式(5) によるも
のであってもよい。 S=S’−w・p/m …(5)
【0089】ここで、wはロール2,2,…の圧下位置
の修正量を調整するための係数であり、0<w<1なる
wを設定したときには、ロール2,2,…の圧下位置の
修正量を減少させることができ、1<wなるwを設定し
たときには、ロール2,2,…の圧下位置の修正量を増
加させることができる。例えば、新種の材質の仕上げ管
Pを圧延するときに、管外径の予測変動量が未知の場合
があるが、このような場合にwを適宜変更することによ
り、ロール2,2,…の圧下位置を適切に設定すること
ができる。
【0090】このようにして定めたロール2,2,…の
圧下位置Sに応じた圧下位置制御信号を圧下位置制御装
置7,7,…へ出力する(S7)。また、公知技術によりロ
ール2,2,…夫々の回転数を計算し(S8)、計算した結
果の回転数にてロール2,2,…が夫々回転するよう
に、定径圧延機1にロール2,2,…の回転を指示する
回転制御信号を出力する(S9)。S8での処理は、各スタン
ドに適当な張力が加わるように(又は張力が加わらない
ように)、例えば各スタンドにおけるロール2,2,…
と仕上げ管Pとの接触面での力学的釣り合い条件によ
り、速度中立線を求め、基準となる圧延速度からロール
2,2,…の回転数を求めることによってなされる。そ
して、処理を終了する。
【0091】以上の如き構成により、外径制御装置4か
ら圧下位置制御信号を入力した圧下位置制御装置7,
7,…は、この圧下位置制御信号に応じてモータM,
M,…を駆動制御し、モータM,M,…の駆動量に応じ
て、ロール2,2,…の圧下位置が制御せしめられる。
そして、このような処理を外径制御装置4に行わせて、
定径圧延機1のロール2,2,…の圧下位置及び回転数
の設定を行った後、定径圧延機1による仕上げ管Pの圧
延を開始する。この結果、定径圧延機1によって仕上げ
管Pが、熱処理装置3の熱処理による管外径の変動を打
ち消すべく、目標熱間外径Daimに圧延され、この後に熱
処理装置3によって管に熱処理が施される。これによ
り、目標の外径に略一致した外径を有する継目無管SPが
得られることとなる。
【0092】なお、本実施の形態1においては、記憶部
4aに継目無管の寸法、継目無管の材料、及び熱処理の種
類等の夫々の条件毎の熱処理による管外径の変動率γが
記憶されており、この熱処理による管外径の変動率γを
用いて、熱処理による管外径の予測変動量ΔDht を算出
し、目標熱間外径Daimを算出する構成としたが、これに
限るものではなく、記憶部4aに継目無管の寸法、継目無
管の材料、及び熱処理の種類等の夫々の条件毎の熱処理
による管外径の変動量ΔDht を記憶しておき、これを用
いて目標熱間外径Daimを算出する構成としてもよいし、
記憶部4aに継目無管の寸法、継目無管の材料、及び熱処
理の種類等の夫々の条件毎の目標熱間外径Daimを記憶し
ておく構成としてもよい。
【0093】また、本実施の形態1においては、熱処理
による管外径の予測変動量ΔDht を求め、これを用いて
管の外径制御を行う構成としたが、これに限定されるも
のではなく、熱処理装置3による熱処理の後に、管に対
して真円度又は曲がり矯正を施すように編成された継目
無管の製造工程で、記憶部4aに、管の寸法、材質、熱処
理条件、及び矯正条件毎に、熱処理及び矯正による管外
径の予測変動量を記憶しておき、これらの中から制御対
象の管の寸法、材質、熱処理条件、及び矯正条件に該当
する前記予測変動量を求め、これを用いて管の外径制御
を行う構成としてもよいことはいうまでもない。
【0094】(実施の形態2)本実施の形態2に係る外
径制御装置4の記憶部4aには、継目無管の寸法、継目無
管の材料、及び熱処理の種類等の夫々の条件毎の熱処理
についての管外径の予測変動量を記録するデータベース
DBが設けられている。本実施の形態2に係る外径制御
装置4のその他の構成は、実施の形態1に係る外径制御
装置4の構成と同様であるので、同符号を付し、その説
明を省略する。
【0095】図3は、本発明に係る外径制御装置の実施
の形態2の制御部4bの処理手順を示すフローチャートで
ある。ユーザが外径制御装置4に備えられた入力装置を
操作することによって、製造している継目無管の寸法、
材料、及び熱処理の種類等の条件を外径制御装置4へ入
力する。外径制御装置4は、これらの入力を受け付け(S
21) 、ユーザが前記入力装置を操作することによる、ユ
ーザからの管の外径測定の指示を受け付ける(S22) 。
【0096】S22 において、ユーザからの管の外径測定
の指示を受け付けていない場合には、S22 を繰り返し、
前記指示を受け付けた場合には、外径測定センサ2aから
の信号を取り込んで、この信号が表す外径D1を受け付け
る(S23) 。そして、外径測定センサ2aによって外径が測
定された管の位置が、外径測定センサ2bを通過するか否
かを判別し(S24) 、前記位置が外径測定センサ2bを通過
すると判別するまで、S24 を繰り返し、前記位置が外径
測定センサ2bを通過すると判別された場合に、外径測定
センサ2bからの信号を取り込み、この信号が表す外径D2
を受け付ける(S25) 。例えば、これはローラ2,2,…
の回転速度から、管の一部分が熱処理装置4の通過に要
する時間を算出し、S23 の処理を行ってから、この時間
が経過したときの外径測定センサ2bの信号を取り込むこ
とによってなされる。
【0097】そして、熱処理による管外径の予測変動量
ΔDht を、ΔDht =D2−D1として算出し(S26) 、算出し
た予測変動量ΔDht を、S21 にて受け付けた製造してい
る継目無管の寸法、材料、及び熱処理の種類等の条件に
対応付けて、データベースDBに記憶させて(S27) 、処
理を終了する。
【0098】以上の如き構成により、管外径の予測変動
量ΔDht が不明な寸法、材料、及び熱処理の種類等の条
件に対しても、データベースDBに記憶させることがで
き、これを用いて正確に継目無管の外径制御を行うこと
ができる。
【0099】また、製造ロット毎に管外径の予測変動量
ΔDht を算出して更新し、最新の予測変動量ΔDht を次
のロットの製造時の外径制御に供し、これを繰り返すこ
とにより、当初設定した予測変動量ΔDht が十分な精度
を確保されていない場合であっても、次第に予測変動量
ΔDht が妥当な値に修正され、制御精度の向上が期待で
きる。
【0100】この場合には、製造ロットによっては採集
データの異常が発生することがあるので、式(6) にした
がって、現在の製造ロットの予測変動量ΔDht i 及び一
つ前の製造ロットの予測変動量ΔDht i-1 を指数平滑化
した値を求め、これを予測変動量ΔDht とすることが好
ましい。 ΔDht =(1−C)・ΔDht i-1 +C・ΔDht i …(6) 但し、C:指数平滑ゲイン(0<C≦1)
【0101】なお、本実施の形態2においては、ユーザ
からの入力によって管外径の測定を指示する構成とした
が、これに限るものではなく、熱処理装置3の前後に管
の先後端を検出する管端検出センサと、管先端からの距
離を測定する距離センサとを夫々設置しておき、管の中
央部が外径測定センサ2a,2bの位置を通過する時点を検
出して、この時点に外径測定センサ2a,2bの信号を取り
込む構成としてもよい。
【0102】また、本実施の形態2においては、管の軸
長方向の1位置での熱処理前後の管外径D1,D2を測定
し、両者の差分値を管外径の予測変動量ΔDht とした
が、これに限るものではなく、管の軸長方向の複数位置
で熱処理前後の管外径D1,D2を夫々測定し、夫々の位置
についてD1,D2の差分値を求め、これらの平均値を管外
径の予測変動量ΔDht としてもよい。
【0103】また、本実施の形態2においては、熱処理
装置3の入口側及び出口側に外径測定センサ2a,2bを設
け、熱処理前後の管外径D1,D2を測定し、これらの差分
値を熱処理による管外径の予測変動量ΔDht とする構成
について述べたが、これに限定されるものではなく、熱
処理装置3による熱処理の後に、管に対して真円度又は
曲がり矯正を施すように矯正機を設けて編成された継目
無管の製造工程で、熱処理装置3の入口側及び矯正機の
出口側に夫々外径測定センサを設け、熱処理前及び矯正
後の管外径を測定し、これらの差分値を熱処理及び矯正
による管外径の予測変動量とする構成としてもよいこと
はいうまでもない。
【0104】(実施の形態3)本実施の形態3に係る外
径制御装置4の記憶部4aには、種々の材料の熱膨張率α
が記憶されている。本実施の形態3に係る外径制御装置
4のその他の構成は、実施の形態2に係る外径制御装置
4の構成と同様であるので、同符号を付し、その説明を
省略する。
【0105】図4は、本発明に係る外径制御装置の実施
の形態3の制御部4bの処理手順を示すフローチャートで
ある。S301〜307 の処理は、S302で、S301にて入力を受
け付けた材料に対応する熱膨張率αを記憶部4aから読み
出し、S304(S306)で、外径D1(D2)と共に、温度センサ23
a(23b)から管温度T1(T2)を受け付ける他、実施の形態2
のS21 〜26の処理と同様であるので、その説明を省略す
る。
【0106】熱処理の間の熱収縮による管外径の変動量
ΔDthtを、式(7) にしたがって算出する(S308)。 ΔDtht=(T2−T1)・α・D …(7)
【0107】そして、次のようにして熱処理による管外
径の予測変動量ΔDht の補正を行う。即ち、S307で算出
した熱処理による管外径の予測変動量ΔDht とS308で算
出した熱処理の間の熱収縮による管外径の変動量ΔDtht
との差分値を求め、この差分値を熱処理による管外径の
予測変動量ΔDht とする(S309)。S310の処理は、実施の
形態2のS27 の処理と同様であるので、その説明を省略
する。
【0108】以上の如き構成により、熱処理による管外
径の予測変動量ΔDht から、熱処理の間の熱収縮による
管外径の変動量ΔDthtを取り除くことができ、更に正確
に熱処理による管外径の予測変動量ΔDht を求めること
ができる。
【0109】なお、本実施の形態3においては、温度セ
ンサ23a ,23b によって熱処理前後の管温度を測定する
構成としたが、これに限るものではなく、熱処理前後の
管温度を計算によって求める構成であってもよい。
【0110】また、本実施の形態3においては、熱処理
装置3の入口側及び出口側に温度センサ23a ,23b を設
け、熱処理前後の管温度T1,T2を測定し、これらを用い
て熱処理による管外径の予測変動量ΔDht を補正する構
成について述べたが、これに限定されるものではなく、
熱処理装置3による熱処理の後に、管に対して真円度又
は曲がり矯正を施すように矯正機を設けて編成された継
目無管の製造工程で、熱処理装置3の入口側及び矯正機
の出口側に夫々温度センサを設け、熱処理前及び矯正後
の管温度を測定し、これらを用いて、前述した処理と同
様の処理を行い、熱処理及び矯正による管外径の予測変
動量を補正する構成としてもよいことはいうまでもな
い。
【0111】(実施の形態4)図5は、本発明に係る外
径制御装置を継目無管の製造工程に適用した場合の実施
の形態4の要部の構成を示す模式図である。図5に示す
ように、定径圧延機1には、搬送されてきた仕上げ管P
の先後端を検出するための熱片検出器からなる管端検出
センサ11及び管先端からの距離を測定するためのタッ
チロール式の距離センサ12が設けられており、この管
端検出センサ11及び距離センサ12が外径制御装置4
に接続されていて、管端検出センサ11及び距離センサ
12から出力される信号が外径制御装置4に入力される
ようになっている。
【0112】また、熱処理装置3の入口側に、前記管端
検出センサ11及び距離センサ123と同様の構造の管
端検出センサ21a 及び距離センサ22a が設けられ、同じ
く熱処理装置3の出口側に、管端検出センサ21b 及び距
離センサ22b が設けられている。管端検出センサ21a ,
21b 及び距離センサ22a ,22b は、外径制御装置4に接
続されている。本実施の形態4に係る外径制御装置4の
その他の構成は、実施の形態1に係る外径制御装置4の
構成と同様であるので、同符号を付し、その説明を省略
する。
【0113】なお、管端検出センサ11,21a ,21b 及
び距離センサ12,22a ,22b に夫々熱片検出器及びタ
ッチロール式の距離測定器を用いる構成としたが、これ
に限定されず、例えば発光器と受光器とを備える遮光式
材料検出器、及び非接触式長さ計等を用いて管端検出セ
ンサ11,21a ,21b 及び距離センサ12,22a ,22b
を構成してもよいことはいうまでもない。
【0114】図6は、管の外径の熱処理についての予測
変動量の分布の一例を示すグラフである。図6におい
て、横軸は管端からの距離xを表し、縦軸は管の外径の
予測変動量ΔD(x)を表している。管の外径の予測変動量
ΔD(x)は、熱処理前の管の外径、即ち、仕上げ管Pを定
径圧延機1にて定径圧延した直後の管の管端からの距離
xの位置における外径D1(x) と、予測した熱処理後の管
の管端からの距離xの位置における外径D2(x) とによっ
て、ΔD(x)=D2(x) −D1(x) で表される値としている。
図6に示すように、管の外径の熱処理についての予測変
動量ΔD(x)の分布を表すデータは、管軸長方向の複数の
位置における管の外径の予測変動量ΔD(x)を表してい
る。このデータでは、管の後端を除く部分では、予測変
動量ΔD(x)が一定の負の値となっており、管の後端部分
では、後端に近づくほど予測変動量ΔD(x)が直線的に減
少している。つまり、このデータでは、熱処理によって
管の後端を除く部分では一定量縮径し、管の後端部分で
は、後端に近づくほどその縮径量が直線的に増加するよ
うに縮径している。
【0115】なお、このような管の外径の熱処理につい
ての予測変動量の分布を表すデータは、管の軸長方向の
複数の位置での予測変動量ΔD(x)を夫々表すデータ(離
散値表現)であってもよく、先端部分及び後端部分の予
測変動量ΔD(x)が、直線的に変化していることを利用し
て、先端部分及び後端部分を除く部分(以下、中央部と
いう)での予測変動量ΔD(x)と、該中央部の両端の軸長
方向の位置、即ちΔD(x)が減少し始める位置と、先端部
分及び後端部分のΔD(x)の変化率とを表すデータ(関数
表現)であってもよい。後者の方が、記憶部4aの記憶容
量を削減できるという利点がある。
【0116】図7は、本発明に係る外径制御装置の実施
の形態4の外径制御の処理手順を示すフローチャートで
ある。ユーザが外径制御装置4に備えられた入力装置を
操作することによって、製造する継目無管の寸法、材
料、及び熱処理の種類等の条件を外径制御装置4へ入力
する。外径制御装置4は、この条件を受け付け(S41) 、
この条件に対応付けられた予測変動量の分布を表すデー
タを記憶部4aから読み出す(S42) 。管端からの距離を表
す変数xの値を0とし(S43) 、管端検出センサ11が管
の先端を検出したか否かを判別する(S44) 。S44 におい
て、管の先端を検出した場合には、S45 へ移り、検出し
ていない場合には、S44 の処理を繰り返す。
【0117】次に、予測変動量ΔD(x)と同じだけロール
2,2,…の圧下位置を変更すべく、ΔS(x)=−ΔD(x)
で表されるロール2,2,…の圧下位置の調整量ΔS(x)
を算出し(S45) 、調整量ΔS(x)を表す圧下位置制御信号
を圧下位置制御装置7,7,…へ出力する(S46) 。そし
て、予測変動量ΔD(x)が最後の予測変動量のデータ、即
ち、管の後端の予測変動量のデータであるか否かを判別
する(S47) 。
【0118】S47 において、予測変動量ΔD(x)が最後の
予測変動量のデータでない場合、xを1インクリメント
し(S48) 、距離センサ12の検出結果より、仕上げ管P
が所定距離進行したか否かを判別する(S49) 。S49 にお
いて、仕上げ管Pが所定距離進行した場合には、S45 へ
戻り、進行していない場合には、S49 を繰り返す。そし
て、S47 において、予測変動量ΔD(x)が最後の予測変動
量のデータである場合には、処理を終了する。
【0119】なお、本実施の形態4においては、図6に
示すような、管の後端部分だけで直線的に予測変動量Δ
D(x)が減少しており、その他の部分では予測変動量ΔD
(x)が一定であるようなデータを記憶部2aに記憶する構
成としたが、管端部での温度履歴の差異等により、管の
先端部分においても予測変動量ΔD(x)が変化している場
合がある。また、熱処理後に矯正を行う場合にも、管の
先端部分で予測変動量ΔD(x)が変化する。図8は、管の
外径の熱処理についての予測変動量の分布の一例を示す
グラフである。図8において、横軸は管端からの距離x
を表し、縦軸は管の外径の予測変動量ΔD(x)を表してい
る。このデータでは、管の先端部分及び後端部分を除く
部分では、予測変動量ΔD(x)が一定の負の値となってお
り、管の先端部分では、先端に近付くほど、予測変動量
ΔD(x)が直線的に減少しており、管の後端部分では、後
端に近づくほど予測変動量ΔD(x)が前記先端部分よりも
大きく直線的に減少している。つまり、このデータで
は、熱処理によって管の先端部分及び後端部分を除く部
分では一定量縮径し、管の先端部分及び後端部分では、
管端に近づくほどその縮径量が直線的に増加するように
縮径している。従って、管の先端部分及び後端部分で夫
々直線的に予測変動量ΔD(x)が減少しており、その他の
部分では予測変動量ΔD(x)が一定であるようなデータを
記憶部2aに記憶する構成としてもよい。
【0120】以上の如き構成により、外径制御装置4か
ら圧下位置制御信号を入力した圧下位置制御装置7,
7,…は、この圧下位置制御信号に応じてモータM,
M,…を駆動制御し、モータM,M,…の駆動量に応じ
て、ロール2,2,…の圧下位置が制御せしめられる。
この結果、定径圧延機1によって仕上げ管Pが、熱処理
装置3の熱処理による管外径の変動を打ち消すべく、予
測変動量ΔD(x)に応じた外径に圧延され、この後に熱処
理装置3によって管に熱処理が施される。これにより、
管全長に亘って目標の外径に略一致した外径を有する継
目無管SPが得られることとなる。
【0121】なお、本実施の形態4においては、記憶部
4aに、管の寸法、材質、及び熱処理条件毎の管軸長方向
の管の外径の熱処理による予測変動量の分布を表すデー
タを記憶しておき、これらの中から制御対象の管の寸
法、材質、及び熱処理条件に該当するデータを取得し、
これを用いて管の外径制御を行う構成について述べた
が、これに限定されるものではなく、熱処理装置3によ
る熱処理の後に、管に対して真円度又は曲がり矯正を施
すように矯正機を設けて編成された継目無管の製造工程
で、記憶部4aに管の寸法、材質、熱処理条件、及び矯正
条件毎の管軸長方向の管の外径の熱処理及び矯正による
予測変動量の分布を表すデータを記憶しておき、これら
の中から制御対象の管の寸法、材質、熱処理条件、及び
矯正条件に該当するデータを取得し、これを用いて管の
外径制御を行う構成としてもよいことはいうまでもな
い。
【0122】(実施の形態5)外径制御装置4は、記憶
部4aに、前記外径測定センサ2aの測定結果の管外径と、
前記管端検出センサ21a 及び距離センサ22a の測定結果
の管の軸長方向の位置とを対応付けて記憶し、また、前
記外径測定センサ2bの測定結果の管外径と、前記管端検
出センサ21b 及び距離センサ22b の測定結果の管の軸長
方向の位置とを対応付けて記憶するようになっている。
本実施の形態5に係る外径制御装置4のその他の構成
は、実施の形態4に係る外径制御装置4の構成と同様で
あるので、同符号を付し、その説明を省略する。
【0123】図9は、本発明に係る外径制御装置の実施
の形態5の予測変動量算出の処理手順を示すフローチャ
ートである。まず、管端からの距離を表す変数xの値を
0とし(S501)、管端検出センサ21a が管先端を検出した
ときに、外径測定センサ2aの測定結果D1(x) を受け付け
(S502)、これを記憶部4aに記憶させる(S503)。
【0124】次に、前記測定結果D1(x) が、管後端に対
応付けられたデータであるか否かを判別し(S504)、S504
において測定結果D1(x) が管後端に対応付けられたデー
タでない場合には、xを1インクリメントし(S505)、S5
02に戻る。S504において測定結果D1(x) が管後端に対応
付けられたデータである場合には、S508へ移る。管後端
に対応付けられたデータであるか否かは、例えば、測定
結果D1(x) が0であるか否か、又は管端検出センサ21a
が管後端を検出することによって判別することが可能で
ある。
【0125】S508〜512 は熱処理後のデータの採取の処
理であり、その処理の内容は、S501〜505 の熱処理前の
データの採取の処理と同様であるので、説明を省略す
る。
【0126】次いで、以下の手順で熱処理前のデータ
と、熱処理後のデータとの差分を求める。まず、x=0
とする(S515)。記憶部4aに記憶されたD1(x) 及びD2(x)
を読み出し(S516)、式(8) にしたがって、管外径の予測
変動量ΔD(x)を算出する(S517)。 ΔD(x)=D2(x) −D1(x) …(8)
【0127】算出した管外径の予測変動量ΔD(x)を、記
憶部4aに記憶させ(S518)、xが管の軸長方向後端の位置
か否かを判別し(S519)、xが管の軸重方向後端の位置で
ない場合には、xを1だけインクリメントし(S520)、S5
16に戻る。S519において、xが管の軸長方向後端の位置
である場合には、処理を終了する。
【0128】なお、本実施の形態5では、外径測定セン
サ2aが管外径を測定する管の軸長方向の間隔と、外径測
定センサ2bが管外径を測定する管の軸長方向の間隔とを
同じとしたが、外径測定センサ2a,2b夫々によって管の
軸長方向の異なる間隔で管外径を測定し、夫々の管の軸
長方向の同一位置における測定結果についてだけ予測変
動量ΔD(x)を算出するようにしてもよい。
【0129】また、1つの管の軸長方向の複数の位置に
おいて熱処理前後で測定した外径を用いて予測変動量を
求める構成としたが、複数の管について夫々複数位置に
おいて熱処理前後で外径を測定し、夫々の管の軸長方向
の同一位置における熱処理前及び熱処理後夫々について
の測定値を平均し、この熱処理前の平均値と熱処理後の
平均値との差分を予測変動量とするようにしてもよい。
【0130】以上の如き構成により、予め予測変動量Δ
D(x)を用意していなくても、例えば継目無管の製造に先
行して、先行管に定径圧延及び熱処理を施し、この先行
管について熱処理前後の外径を測定し、この測定結果か
ら予測変動量ΔD(x)を定めることができ、このように定
めた予測変動量ΔD(x)を用いて外径制御を行うことによ
り、例えば製造ロット毎に異なる材質の変化に合わせて
外径制御を行う等、よりきめ細かな外径制御を行うこと
ができる。
【0131】また、製造ロット毎に管外径の予測変動量
ΔD(x)を算出して更新し、最新の予測変動量ΔD(x)を次
のロットの製造時の外径制御に供し、これを繰り返すこ
とにより、当初設定した予測変動量ΔD(x)が十分な精度
を確保されていない場合であっても、次第に予測変動量
ΔD(x)が妥当な値に修正され、制御精度の向上が期待で
きる。
【0132】この場合には、製造ロットによっては採取
データの異常が発生することがあるので、式(9) にした
がって、現在の製造ロットの予測変動量ΔDi (x) 及び
一つ前の製造ロットの予測変動量ΔDi-1 (x) を指数平
滑化した値を求め、これを予測変動量ΔD(x)とすること
が好ましい。 ΔD(x)=(1−C)・ΔDi (x) −1+C・ΔDi (x) …(9)
【0133】なお、本実施の形態5においては、熱処理
装置3の入口側及び出口側に外径測定センサ2a,2bを設
け、熱処理前後の管外径D1(x) ,D2(x) を測定し、これ
らの差分値を熱処理による管外径の予測変動量ΔD(x)と
する構成について述べたが、これに限定されるものでは
なく、熱処理装置3による熱処理の後に、管に対して真
円度又は曲がり矯正を施すように矯正機を設けて編成さ
れた継目無管の製造工程で、熱処理装置3の入口側及び
矯正機の出口側に夫々外径測定センサを設け、熱処理前
及び矯正後の管外径を測定し、これらの差分値を熱処理
及び矯正による管外径の予測変動量とする構成としても
よいことはいうまでもない。
【0134】(実施の形態6)本実施の形態6に係る外
径制御装置4の記憶部4aには、種々の材料の熱膨張率α
が記憶されている。本実施の形態6に係る外径制御装置
4のその他の構成は、実施の形態5に係る外径制御装置
4の構成と同様であるので、同符号を付し、その説明を
省略する。
【0135】図10及び図11は、本発明に係る外径制御装
置の実施の形態6の制御部4bの処理手順を示すフローチ
ャートである。S601〜612 の処理は、S602(S609)で、外
径D1(x)(D2(x))と共に、温度センサ23a(23b)から管温度
T1(x)(T2(x))を受け付け、S603(S610)で、外径D1(x)(D2
(x))と共に、管温度T1(x)(T2(x))を記憶部4aに記憶させ
る他、実施の形態5のS501〜512 の処理と同様であるの
で、その説明を省略する。
【0136】次に、圧延中の管の材料に対応付けられた
熱膨張率αを記憶部4aから読み出す(S615)。S616〜618
の処理は、実施の形態5のS515〜517 の処理と同様であ
るので、その説明を省略する。記憶部4aに記憶されたT1
(x) 及びT2(x) を読み出し(S619)、式(10)にしたがっ
て、熱処理の間の熱収縮による管外径の変動量ΔDtht
(x) を算出する(S620)。 ΔDtht(x) =(T2(x) −T1(x) )・α・D …(10)
【0137】そして、次のようにして管外径の予測変動
量ΔD(x)の補正を行う。即ち、S618で算出した管外径の
予測変動量ΔD(x)とS620で算出した熱処理の間の熱収縮
による管外径の変動量ΔDtht(x) との差分値を求め、こ
の差分値を管外径の予測変動量ΔD(x)とする(S621)。S6
22〜624 の処理は、実施の形態5のS518〜520 の処理と
同様であるので、その説明を省略する。
【0138】以上の如き構成により、管外径の予測変動
量ΔD(x)から、熱処理の間の熱収縮による管外径の変動
量ΔDtht(x) を取り除くことができ、更に正確に管外径
の予測変動量ΔD(x)を求めることができる。
【0139】なお、本実施の形態6においては、温度セ
ンサ23a ,23b によって熱処理前後の管温度を測定する
構成としたが、これに限るものではなく、熱処理前後の
管温度を計算によって求める構成であってもよい。
【0140】また、本実施の形態6においては、熱処理
装置3の入口側及び出口側に温度センサ23a ,23b を設
け、熱処理前後の管温度T1(x) ,T2(x) を測定し、これ
らを用いて熱処理による管外径の予測変動量ΔD(x)を補
正する構成について述べたが、これに限定されるもので
はなく、熱処理装置3による熱処理の後に、管に対して
真円度又は曲がり矯正を施すように矯正機を設けて編成
された継目無管の製造工程で、熱処理装置3の入口側及
び矯正機の出口側に夫々温度センサを設け、熱処理前及
び矯正後の管温度を測定し、これらを用いて、前述した
処理と同様の処理を行い、熱処理及び矯正による管外径
の予測変動量を補正する構成としてもよいことはいうま
でもない。
【0141】(実施の形態7)図12は、管の外径の熱処
理についての予測変動量偏差ΔD0(x) の分布の一例を示
すグラフである。管の外径の熱処理ついての予測変動量
偏差ΔD0(x) は、管の中央部における外径の熱処理につ
いての予測変動量と、管の先端部分及び後端部分におけ
る外径の熱処理についての予測変動量との偏差を表して
いる。図8に示す如く、管の先端部分及び後端部分を除
く部分では、予測変動量ΔD(x)が一定となっており、管
の先端部分では、先端に近付くほど、予測変動量ΔD(x)
が直線的に減少しており、管の後端部分では、後端に近
づくほど予測変動量ΔD(x)が前記先端部分よりも大きく
直線的に減少している。従って、管の中央部(図中管の
両端から夫々600mmまでの部分を除く部分)では、
予測変動量偏差ΔD0(x) が略0であり、管の先端部(図
中管の先端から600mmまでの部分)では、先端に近
付くほど予測変動量偏差ΔD0(x) が直線的に減少してい
る。また管後端の部分(図中管の後端から600mmま
での部分)では、後端に近付くほど予測変動量偏差ΔD0
(x) が前記先端部分よりも大きく直線的に減少してい
る。
【0142】記憶部4aには、管の先端部分及び管の後端
部分での予測変動量偏差ΔD0(x) の分布を表すデータが
記憶されている。このデータは、先端部分及び後端部分
での管の軸長方向の複数位置での予測変動量偏差ΔD0
(x) を夫々表すデータとされている。
【0143】なお、管の先端部分及び管の後端部分での
予測変動量偏差ΔD0(x) の分布を表すデータを、先端部
分及び後端部分での管の軸長方向の複数位置での予測変
動量偏差ΔD0(x) を夫々表すデータとしたが、これに限
るものではなく、管の中央部の両端の軸長方向の位置、
即ちΔD0(x) が0から減少し始める位置と、先端部分及
び後端部分のΔD0(x) の変化率とを表すデータとしても
よい。
【0144】また、記憶部4aには、継目無管の寸法、継
目無管の材料、及び熱処理の種類等の夫々の条件毎に、
熱処理による管外径の変動率γが予め記憶されており、
種々の材料の熱膨張率αが記憶されている。
【0145】本実施の形態7に係る外径制御装置4のそ
の他の構成は、実施の形態4に係る外径制御装置4の構
成と同様であるので、同符号を付し、その説明を省略す
る。
【0146】図13は、本発明に係る外径制御装置の実施
の形態7の外径制御の処理手順を示すフローチャートで
ある。ユーザが外径制御装置4に備えられた入力装置を
操作することによって、製造する継目無管の寸法、材
料、及び熱処理の種類等の条件、並びに室温Tr及び定径
圧延終了直後の管の平均温度Tsを外径制御装置4へ入力
する。外径制御装置4は、これらの入力を受け付け(S70
1)、この条件に対応する熱処理による管外径の変動率
γ、熱膨張率α、及び予測変動量偏差ΔD0(x) の分布を
表すデータを記憶部4aから読み出す(S702)。
【0147】次に、前述した式(1) にしたがって、熱処
理による管外径の予測変動量ΔDhtを算出し(S703)、前
述した式(2) にしたがって、管外径の熱収縮量ΔDtを算
出する(S704)。
【0148】そして、中央部分での管外径の予測変動量
ΔDaimを式(11)にしたがって算出する(S705)。 ΔDaim=ΔDht +ΔDt …(11)
【0149】S706及びS707の処理は、実施の形態4のS4
3 及びS44 の処理と同様であるので、その説明を省略す
る。
【0150】次に、管外径の予測変動量ΔD(x)を、式(1
2)にしたがって算出する(S708)。 ΔD(x)=ΔDaim+ΔD0(x) …(12)
【0151】S709〜713 の処理は、実施の形態4のS45
〜49の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0152】以上の如き構成により、予測変動量ΔD(x)
の分布を表すデータを記憶部4aに記憶する場合に比し
て、記憶容量を削減することが可能となる。
【0153】なお、本実施の形態7においては、管の先
端部分及び後端部分を、管の外径が一定となる管の中央
部よりも管外径が減少している部分としたが、これに限
るものではなく、例えば、管端から、管長に対して所定
の比率(10%等)の長さの部分としてもよく、管端か
ら所定の長さ(1000mm等)の部分としてもよい。
【0154】また、本実施の形態7においては、記憶部
4aに、管軸長方向の複数位置における管の外径の熱処理
についての予測変動量偏差ΔD0(x) を記憶しておき、管
の外径の熱処理についての予測変動量ΔDaimを算出し、
これらを用いて熱処理による管外径の予測変動量ΔD(x)
を求めて、管の外径制御を行う構成について述べたが、
これに限定されるものではなく、熱処理装置3による熱
処理の後に、管に対して真円度又は曲がり矯正を施すよ
うに矯正機を設けて編成された継目無管の製造工程で、
記憶部4aに、管軸長方向の複数位置における管の外径の
熱処理及び矯正についての予測変動量偏差を記憶してお
き、管の外径の熱処理及び矯正についての予測変動量を
算出し、これらを用いて、前述した処理と同様の処理を
行い、熱処理及び矯正による管外径の予測変動量を求め
て、管の外径制御を行う構成としてもよいことはいうま
でもない。
【0155】(実施の形態8)本実施の形態8に係る外
径制御装置4の構成は、実施の形態5に係る外径制御装
置4の構成と同様であるので、同符号を付し、その説明
を省略する。
【0156】図14は、本発明に係る外径制御装置の実施
の形態8の予測変動量偏差算出の処理手順を示すフロー
チャートである。S801〜812 の処理は、実施の形態5の
S501〜512 の処理と同様であるので、その説明を省略す
る。
【0157】管の中央部での管外径の変動量の平均値Δ
Daveを次のように算出する(S815)。管の両端から予め定
められた長さ(1000mm等)の部分を除く部分を管
の中央部として、該管の中央部でのD2(x) −D1(x) を平
均し、これを前記平均値ΔDaveとする。
【0158】S816及びS817の処理は、実施の形態5のS5
15及びS516の処理と同様であるので、その説明を省略す
る。
【0159】位置xが、管の中央部にあるか否かを判別
し(S818)、位置xが管の中央部にある場合には、S821へ
移る。位置xが管の中央部に無い場合には、式(13)にし
たがって、管外径の予測変動量偏差ΔD0(x) を算出する
(S819)。 ΔD0(x) =D2(x) −D1(x) −ΔDave …(13)
【0160】そして、算出した管外径の予測変動量偏差
ΔD0(x) を、記憶部4aに記憶させる(S820)。S821及びS8
22の処理は、実施の形態5のS519及びS520の処理と同様
であるので、その説明を省略する。
【0161】以上の如き構成により、実施の形態5と同
様の効果が得られると共に、記憶容量の削減、処理の高
速化が期待できる。
【0162】また、製造ロットによっては採取データの
異常が発生することがあるので、式(14)にしたがって、
現在の製造ロットの予測変動量ΔD0i (x) 及び一つ前の
製造ロットの予測変動量ΔD0i-1 (x) を指数平滑化した
値を求め、これを予測変動量ΔD0(x) とすることが好ま
しい。 ΔD0(x) =(1−C)・ΔD0i-1 (x) +C・ΔD0i (x) …(14)
【0163】なお、本実施の形態8においては、熱処理
装置3の入口側及び出口側に外径測定センサ2a,2bを設
け、熱処理前後の管外径D1(x) ,D2(x) を測定し、管の
中央部での管外径の変動量の平均値ΔDaveを算出し、こ
れらを用いて熱処理による管外径の予測変動量偏差ΔD0
(x) を算出する構成について述べたが、これに限定され
るものではなく、熱処理装置3による熱処理の後に、管
に対して真円度又は曲がり矯正を施すように矯正機を設
けて編成された継目無管の製造工程で、熱処理装置3の
入口側及び矯正機の出口側に夫々外径測定センサを設
け、熱処理前及び矯正後の管外径を測定し、前述した処
理と同様の処理を行い、熱処理及び矯正による管外径の
予測変動量偏差を算出する構成としてもよいことはいう
までもない。
【0164】(実施の形態9)本実施の形態9に係る外
径制御装置4の構成は、実施の形態6に係る外径制御装
置4の構成と同様であるので、同符号を付し、その説明
を省略する。
【0165】図15及び図16は、本発明に係る外径制御装
置の実施の形態9の予測変動量偏差算出の処理手順を示
すフローチャートである。S901〜915 の処理は、実施の
形態6のS601〜615 の処理と同様であるので、その説明
を省略する。
【0166】管の中央部での管外径の変動量の平均値Δ
Daveを次のように算出する(S916)。管の両端から予め定
められた長さ(1000mm等)の部分を除く部分を管
の中央部として、該管の中央部でのD2(x) −D1(x) を平
均し、これを前記平均値ΔDaveとする。
【0167】S917及びS918の処理は、実施の形態6のS6
16及びS617の処理と同様であるので、その説明を省略す
る。
【0168】位置xが、管の中央部にあるか否かを判別
し(S919)、位置xが管の中央部にある場合には、S925へ
移る。位置xが管の中央部に無い場合には、前述した式
(13)にしたがって、管外径の予測変動量偏差ΔD0(x) を
算出する(S920)。
【0169】S921及びS922の処理は、実施の形態6のS6
19及びS620の処理と同様であるので、その説明を省略す
る。
【0170】そして、S920で算出した管外径の予測変動
量偏差ΔD0(x) とS922で算出した熱処理の間の熱収縮に
よる管外径の変動量ΔDtht(x) との差を求め、この値を
管外径の予測変動量偏差ΔD0(x) とする(S923)。
【0171】そして、算出した管外径の予測変動量偏差
ΔD0(x) を、記憶部4aに記憶させる(S924)。S925及びS9
26の処理は、実施の形態6のS623及びS624の処理と同様
であるので、その説明を省略する。
【0172】以上の如き構成により、管外径の予測変動
量偏差ΔD0(x) から、熱処理の間の熱収縮による管外径
の変動量ΔDtht(x) を取り除くことができ、更に正確に
管外径の予測変動量偏差ΔD0(x) を求めることができ
る。
【0173】また、本実施の形態9においては、熱処理
装置3の入口側及び出口側に温度センサ23a ,23b を設
け、熱処理前後の管温度T1(x) ,T2(x) を測定し、これ
らを用いて熱処理による管外径の予測変動量偏差ΔD0
(x) を補正する構成について述べたが、これに限定され
るものではなく、熱処理装置3による熱処理の後に、管
に対して真円度又は曲がり矯正を施すように矯正機を設
けて編成された継目無管の製造工程で、熱処理装置3の
入口側及び矯正機の出口側に夫々温度センサを設け、熱
処理前及び矯正後の管温度を測定し、これらを用いて、
前述した処理と同様の処理を行い、熱処理及び矯正によ
る管外径の予測変動量偏差を補正する構成としてもよい
ことはいうまでもない。
【0174】(実施の形態10)図17は、本発明に係る外
径制御装置を継目無管の製造工程に適用した場合の実施
の形態10の要部の構成を示す模式図である。図中、9
は、熱処理装置3による熱処理を終えた管に対して、管
の軸長方向の曲がり矯正を行う矯正機である。仕上げ管
Pは、定径圧延機1にて定径圧延された後、熱処理装置
3によって熱処理が施され、この後矯正機9にて曲がり
矯正が施されて、製品たる継目無管SPとなる。また、図
17において、2cは矯正機9の出口側に設置された矯正後
の管の外径を測定する外径測定センサであり、23c は矯
正機9の出口側に設置された矯正後の管温度を測定する
温度センサである。これらの外径測定センサ2c及び温度
センサ23c は、夫々外径制御装置4に接続されていて、
外径測定センサ2c及び温度センサ23c から夫々出力され
る信号が外径制御装置4に入力されるようになってい
る。
【0175】外径制御装置4の記憶部4aには、継目無管
の寸法、継目無管の材料、及び熱処理条件毎に、熱処理
による管外径の変動率γが記憶されており、継目無管の
寸法、継目無管の材料、及び矯正条件毎に、後述する矯
正による管外径の変動率γstが記憶されている。また、
記憶部4aには、種々の材料の熱膨張率α、並びに定径圧
延機のミル剛性係数mが記憶されている。本実施の形態
10に係る外径制御装置4のその他の構成は、実施の形態
1に係る外径制御装置4の構成と同様であるので、同符
号を付し、その説明を省略する。
【0176】図18は、本発明に係る外径制御装置の実施
の形態10の外径制御の処理手順を示すフローチャートで
ある。ユーザが外径制御装置4に備えられた入力装置を
操作することによって、製造する継目無管の寸法、材
料、熱処理条件、矯正条件、並びに室温Tr、定径圧延終
了直後の管の平均温度Ts、熱処理終了直後の管の平均温
度Tht を外径制御装置4へ入力する。外径制御装置4
は、これらの入力を受け付け(S1001) 、この条件に対応
する熱処理による管外径の変動率γ、矯正による管外径
の変動率γst、熱膨張率α、及び定径圧延機1のミル剛
性係数mを記憶部4aから読み出す(S1002) 。
【0177】S1003 の処理は、実施の形態1のS3の処理
と同様であるので、その説明を省略する。式(15)にした
がって、熱処理の間の熱収縮による管外径の変動量ΔDt
htを算出する(S1004) 。 ΔDtht=(Ts−Tht )・α・D …(15)
【0178】そして、熱処理の間の管外径の予測変動量
ΔD1を、式(16)にしたがって算出する(S1005) 。 ΔD1=ΔDht +ΔDtht …(16)
【0179】次に、式(17)にしたがって、矯正による管
外径の予測変動量ΔDst を算出する(S1006) 。 ΔDst =γst・D …(17)
【0180】式(18)にしたがって、矯正の間の熱収縮に
よる管外径の変動量ΔDtstを算出する(S1007) 。 ΔDtst=(Tht −Tr)・α・D …(18)
【0181】そして、矯正の間の管外径の予測変動量Δ
D2を、式(19)にしたがって算出する(S1008) 。 ΔD2=ΔDst +ΔDtst …(19)
【0182】次いで、定径圧延機1による定径圧延後の
管外径の目標値たる目標熱間外径Daimを、式(20)にした
がって算出する(S1009) 。 Daim=ΔD1+ΔD2+D …(20)
【0183】S1010 〜1013の処理は、実施の形態1のS6
〜9 の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0184】なお、本実施の形態10においては、記憶部
4aに熱処理による管外径の変動率γ及び矯正による管外
径の変動率γstが記憶されており、この熱処理による管
外径の変動率γ及び矯正による管外径の変動率γstを用
いて、熱処理による管外径の予測変動量ΔDht 及び矯正
による管外径の予測変動量ΔDst を算出し、目標熱間外
径Daimを算出する構成としたが、これに限るものではな
く、記憶部4aに継目無管の寸法、継目無管の材料、及び
熱処理の種類等の夫々の条件毎の熱処理による管外径の
変動量ΔDht と、継目無管の寸法、継目無管の材料、及
び矯正の種類等の夫々の条件毎の矯正による管外径の変
動量ΔDst とを記憶しておき、これを用いて目標熱間外
径Daimを算出する構成としてもよいし、記憶部4aに継目
無管の寸法、継目無管の材料、熱処理の種類、矯正の種
類等の夫々の条件毎の目標熱間外径Daimを記憶しておく
構成としてもよい。
【0185】(実施の形態11)本実施の形態11に係る外
径制御装置4の記憶部4aには、継目無管の寸法、継目無
管の材料、及び熱処理の種類等の夫々の条件毎の熱処理
についての管外径の予測変動量を記録するデータベース
DBが設けられている。本実施の形態11に係る外径制御
装置4のその他の構成は、実施の形態10に係る外径制御
装置4の構成と同様であるので、同符号を付し、その説
明を省略する。
【0186】図19は、本発明に係る外径制御装置の実施
の形態11の制御部4bの処理手順を示すフローチャートで
ある。ユーザが外径制御装置4に備えられた入力装置を
操作することによって、製造している継目無管の寸法、
材料、熱処理の種類、及び矯正の種類等の条件を外径制
御装置4へ入力する。外径制御装置4は、これらの入力
を受け付ける(S1101) 。S1102 〜1105の処理は、実施の
形態2のS22 〜25の処理と同様であるので、説明を省略
する。
【0187】外径測定センサ2aによって外径が測定され
た管の位置が、外径測定センサ2cを通過するか否かを判
別し(S1106) 、前記位置が外径測定センサ2cを通過する
と判別するまで、S1106 を繰り返し、前記位置が外径測
定センサ2cを通過すると判別された場合に、外径測定セ
ンサ2cからの信号を取り込み、この信号が表す外径D3を
受け付ける(S1107) 。
【0188】S1108 の処理は、実施の形態2のS26 の処
理と同様であるので、説明を省略する。そして、矯正に
よる管外径の予測変動量ΔDst を、ΔDst =D3−D2とし
て算出し(S1109) 、算出した予測変動量ΔDht を、S110
1 にて受け付けた製造している継目無管の寸法、材料、
及び熱処理の種類等の条件に対応付けて、データベース
DBに記憶させ(S1110) 、算出した予測変動量ΔDst
を、前記継目無管の寸法、材料、及び矯正の種類等の条
件に対応付けて、データベースに記憶させて(S1111) 、
処理を終了する。
【0189】以上の如き構成により、管外径の予測変動
量ΔDht 及びΔDst が不明な寸法、材料、熱処理の種
類、矯正の種類等の条件に対しても、データベースDB
に記憶させることができ、これを用いて正確に継目無管
の外径制御を行うことができる。
【0190】また、製造ロット毎に管外径の予測変動量
ΔDht 及びΔDst を算出して更新し、最新の予測変動量
ΔDht 及びΔDst を次のロットの製造時の外径制御に供
し、これを繰り返すことにより、当初設定した予測変動
量ΔDht 及びΔDst が十分な精度を確保されていない場
合であっても、次第に予測変動量ΔDht 及びΔDst が妥
当な値に修正され、制御精度の向上が期待できる。
【0191】(実施の形態12)本実施の形態12に係る外
径制御装置4の構成は、実施の形態11に係る外径制御装
置4の構成と同様であるので、同符号を付し、その説明
を省略する。
【0192】図20は、本発明に係る外径制御装置の実施
の形態12の制御部4bの処理手順を示すフローチャートで
ある。S1201 〜1210の処理は、S1202 で、S1201 にて入
力を受け付けた材料に対する熱膨張率αを記憶部4aから
読み出し、S1204(S1206,S1208)で、外径D1(D2,D3) と共
に、温度センサ23a(23b,23c)から管温度T1(T2,T3) を受
け付ける他、実施の形態11のS1101 〜1109の処理と同様
であるので、その説明を省略する。
【0193】熱処理の間の熱収縮による管外径の変動量
ΔDthtを、前述した式(7) にしたがって算出し(S1211)
、矯正の間の熱収縮による管外径の変動量ΔDtstを、
式(21)にしたがって算出する(S1212) 。 ΔDtst=(T3−T2)・α・D …(21)
【0194】そして、次のようにして熱処理による管外
径の予測変動量ΔDht の補正を行う。即ち、算出した熱
処理による管外径の予測変動量ΔDht と熱処理の間の熱
収縮による管外径の変動量ΔDthtとの差分値を求め、こ
の差分値を熱処理による管外径の予測変動量ΔDht とす
る(S1213) 。
【0195】また、次のようにして矯正による管外径の
予測変動量ΔDst の補正を行う。即ち、算出した矯正に
よる管外径の予測変動量ΔDst と矯正の間の熱収縮によ
る管外径の変動量ΔDthtとの差分値を求め、この差分値
を矯正による管外径の予測変動量ΔDht とする(S1214)
。S1215 及びS1216 の処理は、実施の形態11のS1110及
びS1111 の処理と同様であるので、その説明を省略す
る。
【0196】以上の如き構成により、熱処理による管外
径の予測変動量ΔDht から、熱処理の間の熱収縮による
管外径の変動量ΔDthtを取り除くことができ、また、矯
正による管外径の予測変動量ΔDst から、矯正の間の熱
収縮による管外径の変動量ΔDtstを取り除くことがで
き、更に正確に管外径の予測変動量ΔDht 及びΔDst を
求めることができる。
【0197】(実施の形態13)図21は、本発明に係る外
径制御装置を継目無管の製造工程に適用した場合の実施
の形態13の要部の構成を示す模式図である。図中、9
は、熱処理装置3による熱処理を終えた管に対して、管
の軸長方向の曲がり矯正を行う矯正機である。また、図
21において、2c,21c ,22c ,及び23c は、夫々矯正機
9の出口側に設置された外径測定センサ、管端検出セン
サ、距離センサ、及び温度センサであり、これらの外径
測定センサ2c、管端検出センサ21c 、距離センサ22c 、
及び温度センサ23c は、夫々外径制御装置4に接続され
ていて、外径測定センサ2c、管端検出センサ21c 、距離
センサ22c 、及び温度センサ23c から夫々出力される信
号が外径制御装置4に入力されるようになっている。
【0198】外径制御装置4の記憶部4aに、継目無管の
寸法、継目無管の材料、及び熱処理の種類の夫々の条件
についての管軸長方向の管の外径の熱処理による予測変
動量ΔD1(x) の分布を表すデータと、継目無管の寸法、
継目無管の材料、及び矯正条件の夫々の条件についての
管軸長方向の管の外径の矯正による予測変動量ΔD2(x)
の分布を表すデータとが予め記憶されている。
【0199】図22は、管の外径の予測変動量の分布の一
例を示すグラフである。図22(a) は、管の外径の熱処理
による予測変動量ΔD1(x) の分布を示しており、図22
(b) は、管の外径の矯正による予測変動量ΔD2(x) の分
布を示している。図22(a) において、横軸は管端からの
距離xを表し、縦軸は管の外径の予測変動量ΔD1(x) を
表している。同様に、図22(b) において、横軸は管端か
らの距離xを表し、縦軸は管の外径の予測変動量ΔD2
(x) を表している。熱処理による予測変動量ΔD1(x)
は、前述したように、管の後端部分を除く部分では、一
定の負の値となっており、管の後端部分では、後端に近
づくほど直線的に減少している。
【0200】一方、矯正による予測変動量ΔD2(x) は、
管の中央部では略0であり、管の先端部分及び後端部分
では、管先端及び管後端に夫々近付くほど、直線的に減
少している。本実施の形態13に係る外径制御装置4のそ
の他の構成は、実施の形態13に係る外径制御装置4の構
成と同様であるので、同符号を付し、その説明を省略す
る。
【0201】図23は、本発明に係る外径制御装置の実施
の形態13の外径制御の処理手順を示すフローチャートで
ある。実施の形態4における外径制御の処理手順を示す
フローチャートと同様の部分については同一符号を付
し、その説明を省略する。S44において、管の先端を検
出した場合には、S131へ移り、検出していない場合には
S44 の処理を繰り返す。次に、位置xにおける熱処理に
よる予測変動量ΔD1(x)と、位置xにおける矯正による
予測変動量ΔD2(x) とを用いて、ΔS(x)=−ΔD1(x) −
ΔD2(x) で表されるロール2,2,…の圧下位置の調整
量ΔS(x)を算出する(S131)。
【0202】また、S49 において、仕上げ管Pが所定距
離進行した場合には、S131に戻り、進行していない場合
には、S49 を繰り返す。
【0203】以上の如き構成により、外径制御装置4か
ら圧下位置制御信号を入力した圧下位置制御装置7,
7,…は、この圧下位置制御信号に応じてモータM,
M,…を駆動制御し、モータM,M,…の駆動量に応じ
て、ロール2,2,…の圧下位置が制御せしめられる。
この結果、定径圧延機1によって仕上げ管Pが、熱処理
装置3の熱処理、及び矯正機9の矯正による管外径の変
動を打ち消すべく、予測変動量ΔD1(x) ,ΔD2(x) に応
じた外径に圧延され、この後に熱処理装置3によって管
に熱処理が施され、矯正機9によって曲がり矯正が施さ
れる。これにより、管全長に亘って目標の外径に略一致
した外径を有する継目無管SPが得られることとなる。
【0204】(実施の形態14)外径制御装置4は、記憶
部4aに、前記外径測定センサ2aの測定結果の管外径と、
前記管端検出センサ21a 及び距離センサ22a の測定結果
の管の軸長方向の位置とを対応付けて記憶し、また、前
記外径測定センサ2bの測定結果の管外径と、前記管端検
出センサ21b 及び距離センサ22b の測定結果の管の軸長
方向の位置とを対応付けて記憶し、同様に前記外径測定
センサ2cの測定結果の管外径と、前記管端検出センサ21
c 及び距離センサ22c の測定結果の管の軸長方向の位置
とを対応付けて記憶するようになっている。本実施の形
態14に係る外径制御装置4のその他の構成は、実施の形
態13に係る外径制御装置4の構成と同様であるので、同
符号を付し、その説明を省略する。
【0205】図24及び図25は、本発明に係る外径制御装
置の実施の形態14の予測変動量算出の処理手順を示すフ
ローチャートである。S1401 〜1412の処理は、実施の形
態5のS501〜512 の処理と同様であるので、その説明を
省略する。
【0206】また、S1415 〜1419は矯正後のデータの採
取の処理であり、その処理の内容は、実施の形態5のS5
01〜505 の熱処理前のデータの採取の処理と同様である
ので、説明を省略する。
【0207】次いで、x=0とする(S1422) 。記憶部4a
に記憶されたD1(x) ,D2(x) ,D3(x) を読み出し(S142
3) 、式(22)にしたがって、熱処理による管外径の予測
変動量ΔD1(x) を算出する(S1424) 。 ΔD1(x) =D2(x) −D1(x) …(22)
【0208】また、式(23)にしたがって、矯正による管
外径の予測変動量ΔD2(x) を算出する(S1425) 。 ΔD2(x) =D3(x) −D2(x) …(23)
【0209】算出した管外径の予測変動量ΔD1(x) ,Δ
D2(x) を、記憶部4aに記憶させ(S1426) 、xが管の軸長
方向後端の位置か否かを判別し(S1427) 、xが管の軸重
方向後端の位置でない場合には、xを1だけインクリメ
ントし(S1428) 、S1423 に戻る。S1427 において、xが
管の軸長方向後端の位置である場合には、処理を終了す
る。
【0210】なお、本実施の形態14では、外径測定セン
サ2aが管外径を測定する管の軸長方向の間隔と、外径測
定センサ2bが管外径を測定する管の軸長方向の間隔と、
外径測定センサ2cが管外径を測定する管の軸長方向の間
隔とを同じとしたが、外径測定センサ2a,2b,2c夫々に
よって管の軸長方向の異なる間隔で管外径を測定し、夫
々の管の軸長方向の同一位置における測定結果について
だけ予測変動量ΔD1(x) ,ΔD2(x) を算出するようにし
てもよい。
【0211】また、1つの管の軸長方向の複数の位置に
おいて熱処理前後及び矯正後で測定した外径を用いて予
測変動量ΔD1(x) ,ΔD2(x) を求める構成としたが、複
数の管について夫々複数位置において熱処理前後及び矯
正後で外径を測定し、夫々の管の軸長方向の同一位置に
おける熱処理前後及び矯正後夫々についての測定値を平
均し、この熱処理前の平均値と熱処理後の平均値との差
分を予測変動量ΔD1(x) とし、熱処理後の平均値と矯正
後の平均値との差分を予測変動量ΔD2(x) とするように
してもよい。
【0212】以上の如き構成により、予め予測変動量Δ
D1(x) ,ΔD2(x) を用意していなくても、例えば継目無
管の製造に先行して、先行管に定径圧延及び熱処理を施
し、この先行管について熱処理前後の外径を測定し、こ
の測定結果から予測変動量ΔD1(x) ,ΔD2(x) を定める
ことができ、このように定めた予測変動量ΔD1(x) ,Δ
D2(x) を用いて外径制御を行うことにより、例えば製造
ロット毎に異なる材質の変化に合わせて外径制御を行う
等、よりきめ細かな外径制御を行うことができる。
【0213】また、製造ロットによっては採取データの
異常が発生することがあるので、式(24),(25)にしたが
って、現在の製造ロットの予測変動量ΔD1i (x) ,ΔD2
i (x) 及び一つ前の製造ロットの予測変動量ΔD1
i-1 (x) ,ΔD2i-1 (x) を指数平滑化した値を求め、こ
れを予測変動量ΔD1(x) ,ΔD2(x) tとすることが好ま
しい。 ΔD1(x) =(1−C)・ΔD1i-1 (x) +C・ΔD1i (x) …(24) ΔD2(x) =(1−C)・ΔD2i-1 (x) +C・ΔD2i (x) …(25)
【0214】(実施の形態15)本実施の形態15に係る外
径制御装置4の記憶部4aには、種々の材料の熱膨張率α
が記憶されている。本実施の形態15に係る外径制御装置
4のその他の構成は、実施の形態14に係る外径制御装置
4の構成と同様であるので、同符号を付し、その説明を
省略する。
【0215】図26及び図27は、本発明に係る外径制御装
置の実施の形態15の制御部4bの処理手順を示すフローチ
ャートである。S1501 〜1519の処理は、S1502(S1509,S1
516)で、外径D1(x)(D2(x),D3(x))と共に、温度センサ23
a(23b,23c)から管温度T1(x)(T2(x),T3(x))を受け付け、
S1503(S1510,S1517)で、外径D1(x)(D2(x),D3(x))と共
に、管温度T1(x)(T2(x),T3(x))を記憶部4aに記憶させる
他、実施の形態14のS1401 〜1419の処理と同様であるの
で、その説明を省略する。
【0216】圧延中の管の材料に対応付けられた熱膨張
率αを記憶部4aから読み出す(S1522) 。S1523 〜1526の
処理は、実施の形態14のS1422 〜1425の処理と同様であ
るので、その説明を省略する。記憶部4aに記憶されたT1
(x) ,T2(x) ,T3(x) を読み出し(S1527) 、式(26)にし
たがって、熱処理の間の熱収縮による管外径の変動量Δ
Dtht(x) を算出する(S1528) 。 ΔDtht(x) =(T2(x) −T1(x) )・α・D …(26)
【0217】そして、算出した管外径の予測変動量ΔD1
(x) と算出した熱処理の間の熱収縮による管外径の変動
量ΔDtht(x) との差分値を求め、この差分値を管外径の
予測変動量ΔD1(x) とする(S1529) 。
【0218】また、式(27)にしたがって、矯正の間の熱
収縮による管外径の変動量ΔDtst(x) を算出する(S153
0) 。 ΔDtst(x) =(T3(x) −T2(x) )・α・D …(27)
【0219】そして、次のようにして管外径の予測変動
量ΔD2(x) の補正を行う。即ち、算出した管外径の予測
変動量ΔD2(x) と算出した矯正の間の熱収縮による管外
径の変動量ΔDtst(x) との差分値を求め、この差分値を
管外径の予測変動量ΔD2(x)とする(S1531) 。S1532 〜1
534の処理は、実施の形態14のS1426 〜1428の処理と同
様であるので、その説明を省略する。
【0220】以上の如き構成により、管外径の予測変動
量ΔD1(x) から、熱処理の間の熱収縮による管外径の変
動量ΔDtht(x) を取り除くことができ、更に正確に管外
径の予測変動量ΔD1(x) を求めることができる。
【0221】また、管外径の予測変動量ΔD2(x) から、
矯正の間の熱収縮による管外径の変動量ΔDtst(x) を取
り除くことができ、更に正確に管外径の予測変動量ΔD2
(x)を求めることができる。
【0222】(実施の形態16)記憶部4aには、管の先端
部分及び管の後端部分での管の外径の熱処理についての
予測変動量偏差ΔD01(x)を表すデータが記憶されてい
る。このデータは、先端部分及び後端部分での管の軸長
方向の複数位置での予測変動量偏差ΔD01(x)を夫々表す
データである。また、同じく管の先端部分及び管の後端
部分での管の外径の矯正についての予測変動量偏差ΔD0
2(x)を表すデータが、記憶部4aに記憶されている。この
データは、先端部分及び後端部分での管の軸長方向の複
数位置での予測変動量偏差ΔD02(x)を夫々表すデータで
ある。
【0223】また、記憶部4aには、継目無管の寸法、継
目無管の材料、及び熱処理の種類等の夫々の条件毎に、
熱処理による管外径の変動率γが予め記憶されており、
同様に、継目無管の寸法、継目無管の材料、及び矯正条
件等の夫々の条件毎に、矯正による管外径の変動率γst
が予め記憶されている。また、記憶部4aには、種々の材
料の熱膨張率αが記憶されている。
【0224】本実施の形態16に係る外径制御装置4のそ
の他の構成は、実施の形態13に係る外径制御装置4の構
成と同様であるので、同符号を付し、その説明を省略す
る。
【0225】図28及び図29は、本発明に係る外径制御装
置の実施の形態16の外径制御の処理手順を示すフローチ
ャートである。ユーザが外径制御装置4に備えられた入
力装置を操作することによって、製造する継目無管の寸
法、材料、熱処理条件、矯正条件、並びに室温Tr、定径
圧延終了直後の管の平均温度Ts、熱処理終了直後の管の
平均温度Tht を外径制御装置4へ入力する。外径制御装
置4は、これらの入力を受け付け(S1601) 、この条件に
対応する熱処理による管外径の変動率γ、矯正による管
外径の変動率γst、熱膨張率α、及び予測変動量偏差Δ
D01(x),ΔD02(x)の分布を夫々表すデータを記憶部4aか
ら読み出す(S1602) 。
【0226】次に、前述した式(1) にしたがって、熱処
理による管外径の予測変動量ΔDhtを算出し(S1603) 、
前述した式(15)にしたがって、熱処理の間の熱収縮によ
る管外径の変動量ΔDthtを算出する(S1604) 。
【0227】そして、中央部分での熱処理の間の管外径
の予測変動量ΔD1を前述した式(16)にしたがって算出す
る(S1605) 。
【0228】次に、前述した式(17)にしたがって、矯正
による管外径の予測変動量ΔDst を算出し(S1606) 、前
述した式(18)にしたがって、矯正の間の熱収縮による管
外径の変動量ΔDtstを算出する(S1607) 。
【0229】そして、中央部分での矯正の間の管外径の
予測変動量ΔD2を前述した式(19)にしたがって算出する
(S1608) 。
【0230】S1609 及びS1610 の処理は、実施の形態4
のS43 及びS44 の処理と同様であるので、その説明を省
略する。
【0231】位置xでの熱処理の間の管外径の予測変動
量ΔD1(x) を、式(28)にしたがって算出する(S1611) 。 ΔD1(x) =ΔD1+ΔD01(x) …(28)
【0232】同様に、位置xでの矯正の間の管外径の予
測変動量ΔD2(x) を、式(29)にしたがって算出する(S16
12) 。 ΔD2(x) =ΔD2+ΔD02(x) …(29)
【0233】管外径の予測変動量ΔD(x)を、式(30)にし
たがって算出する(S1613) 。 ΔD(x)=ΔD1(x) +ΔD2(x) …(30)
【0234】S1614 〜1618の処理は、実施の形態4のS4
5 〜49の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0235】以上の如き構成により、予測変動量ΔD1
(x) ,ΔD2(x) の分布を表すデータを記憶部4aに記憶す
る場合に比して、記憶容量を削減することが可能とな
る。
【0236】(実施の形態17)本実施の形態17に係る外
径制御装置4の構成は、実施の形態14に係る外径制御装
置4の構成と同様であるので、同符号を付し、その説明
を省略する。
【0237】図30及び図31は、本発明に係る外径制御装
置の実施の形態17の予測変動量偏差算出の処理手順を示
すフローチャートである。S1701 〜1719の処理は、実施
の形態14のS1401 〜1419の処理と同様であるので、その
説明を省略する。
【0238】管の中央部での熱処理の間の管外径の変動
量の平均値ΔD1ave を次のように算出する(S1722) 。管
の両端から予め定められた長さ(1000mm等)の部
分を除く部分を管の中央部として、該管の中央部でのD2
(x) −D1(x) を平均し、これを前記平均値ΔD1ave とす
る。
【0239】管の中央部での矯正の間の管外径の変動量
の平均値ΔD2ave を次のように算出する(S1723) 。管の
中央部でのD3(x) −D2(x) を平均し、これを前記平均値
ΔD2ave とする。
【0240】S1724 及びS1725 の処理は、実施の形態14
のS1422 及びS1423 の処理と同様であるので、その説明
を省略する。
【0241】位置xが、管の中央部にあるか否かを判別
し(S1726) 、位置xが管の中央部にある場合には、S173
0 へ移る。位置xが管の中央部に無い場合には、式(31)
にしたがって、管外径の予測変動量偏差ΔD01(x)を算出
する(S1727) 。 ΔD01(x)=D2(x) −D1(x) −ΔD1ave …(31)
【0242】また、式(32)にしたがって、管外径の予測
変動量偏差ΔD02(x)を算出する(S1728) 。 ΔD02(x)=D3(x) −D2(x) −ΔD2ave …(32)
【0243】そして、算出した管外径の予測変動量偏差
ΔD01(x),ΔD02(x)を、記憶部4aに記憶させる(S1729)
。S1730 及びS1731 の処理は、実施の形態14のS1427
及びS1428 の処理と同様であるので、その説明を省略す
る。
【0244】以上の如き構成により、予め予測変動量偏
差ΔD01(x),ΔD02(x)を用意していなくても、例えば継
目無管の製造に先行して、先行管に定径圧延、熱処理、
及び矯正を施し、この先行管について熱処理前後及び矯
正後の外径を測定し、この測定結果から予測変動量偏差
ΔD01(x),ΔD02(x)を定めることができ、このように定
めた予測変動量偏差ΔD01(x),ΔD02(x)を用いて外径制
御を行うことにより、例えば製造ロット毎に異なる材質
の変化に合わせて外径制御を行う等、よりきめ細かな外
径制御を行うことができる。
【0245】次に、比較実験を行った結果について説明
する。図32は、特開昭62-16809号公報開示の外径制御装
置を用いて継目無管の外径制御を行った場合の実験結果
を示すグラフであり、図33は、実施の形態13に係る外径
制御装置を用いて継目無管の外径制御を行った場合の実
験結果を示すグラフである。図32及び図33において、縦
軸は継目無管の外径を示し、横軸は管の軸長方向の位置
を示している。両実験結果とも、普通鋼、製品外径20
2mm、肉厚15mmの圧延対象材に定径圧延、熱処
理、及び曲がり矯正を行う製造工程に対して適用した結
果を示している。
【0246】実施の形態13に係る外径制御装置を用いた
場合では、管外径の予測変動量ΔD1(x) ,ΔD2(x) を製
造ロット毎に更新し、予測変動量ΔD1(x) ,ΔD2(x) の
適正化を行った。図33において、破線は最初の製造ロッ
トに対する結果を示し、実線は20番目の製造ロットに
対する結果を示している。
【0247】図32に示すように、特開昭62-16809号公報
開示の外径制御装置を用いた場合では、管後端部分にお
いて後端に近づくほど外径が小さくなるように外径が変
化している。また図33に示すように、実施の形態13に係
る外径制御装置を用いた場合では、最初の製造ロットの
ときには管の先端部分及び後端部分でわずかに外径が小
さくなっているが、20番目の製造ロットのときには管
軸長方向全長に亘って、目的の外径に略一致している。
【0248】更に、他の比較実験を行った結果を表1に
示す。この比較実験では、複数の対象材を順次圧延する
ときに、特開昭62-16809号公報開示の外径制御装置と、
実施の形態13の外径制御装置とを用いて外径制御を行っ
た。対象材は、外径が219〜339mm、肉厚が7〜
40mm、材質が普通鋼、低合金鋼である。
【0249】また、表1における製品外径偏差率ΔD
は、次式で示されるものとしている。 ΔD=100・(Dj−D)/D 但し、Dj:製品平均外径 D :製品目標外径
【0250】
【表1】
【0251】表1に示すように、本発明の外径制御方法
により、製品外径偏差率の平均及び標準偏差を大幅に改
善できた。
【0252】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明による場合
は、定径圧延後、熱処理を行う継目無管の製造工程、又
は熱処理後更に矯正を行う継目無管の製造工程におい
て、熱処理(及び矯正)による管外径の予測変動量を、
熱処理条件(及び矯正条件)に基づいて算出し、又は記
憶しておき、この予測変動量に基づいて、定径圧延機の
ロール圧下位置の調整量を求めることによって、熱処理
(及び矯正)によって発生する管の外径変動を抑制し、
熱処理後(又は矯正後)の管の外径を目標値に近づける
ことが可能となる。また、管の軸長方向全長に亘って外
径制御を行うことにより、軸長方向全長に亘って寸法精
度が高い継目無管を得ることができる。
【0253】また、試験的に定径圧延機を運転する必要
がなく、先行して製造したロットと材質、寸法、及び熱
処理条件等が異なるロットを製造する場合の作業の手間
を削減することが可能となる等、本発明は優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る外径制御装置を継目無管の製造
工程に適用した場合の実施の形態1の要部の構成を示す
模式図である。
【図2】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態1の
外径制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態2の
制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態3の
制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】 本発明に係る外径制御装置を継目無管の製造
工程に適用した場合の実施の形態4の要部の構成を示す
模式図である。
【図6】 管の外径の熱処理についての予測変動量の分
布の一例を示すグラフである。
【図7】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態4の
外径制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】 管の外径の熱処理についての予測変動量の分
布の一例を示すグラフである。
【図9】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態5の
予測変動量算出の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図10】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態6
の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態6
の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】 管の外径の熱処理についての予測変動量偏
差の分布の一例を示すグラフである。
【図13】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態7
の外径制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態8
の予測変動量偏差算出の処理手順を示すフローチャート
である。
【図15】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態9
の予測変動量偏差算出の処理手順を示すフローチャート
である。
【図16】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態9
の予測変動量偏差算出の処理手順を示すフローチャート
である。
【図17】 本発明に係る外径制御装置を継目無管の製
造工程に適用した場合の実施の形態10の要部の構成を示
す模式図である。
【図18】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態10
の外径制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態11
の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図20】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態12
の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】 本発明に係る外径制御装置を継目無管の製
造工程に適用した場合の実施の形態13の要部の構成を示
す模式図である。
【図22】 管の外径の予測変動量の分布の一例を示す
グラフである。
【図23】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態13
の外径制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図24】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態14
の予測変動量算出の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図25】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態14
の予測変動量算出の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図26】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態15
の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態15
の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図28】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態16
の外径制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図29】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態16
の外径制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図30】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態17
の予測変動量偏差算出の処理手順を示すフローチャート
である。
【図31】 本発明に係る外径制御装置の実施の形態17
の予測変動量偏差算出の処理手順を示すフローチャート
である。
【図32】 特開昭62-16809号公報開示の外径制御装置
を用いて継目無管の外径制御を行った場合の実験結果を
示すグラフである。
【図33】 実施の形態13に係る外径制御装置を用いて
継目無管の外径制御を行った場合の実験結果を示すグラ
フである。
【図34】 焼き入れによる管の外径変動を説明する説
明図である。
【符号の説明】
1 定径圧延機 2 ロール 2a,2b,2c 外径測定センサ 21a ,21b ,21c 管端検出センサ 22a ,22b ,22c 距離センサ 3 熱処理装置 4 外径制御装置 4a 記憶部 4b 制御部 9 矯正機 P 仕上げ管 SP 継目無管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B21C 51/00 B21B 37/00 142Z (72)発明者 岸 真友 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E024 AA15 BB07 CC01

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧延
    し、圧延した管に対して熱処理を施す継目無管の製造工
    程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管の外径
    を制御する外径制御方法であって、 熱処理後の管外径を所定値とすべく、前記熱処理による
    管外径の予測変動量を熱処理条件に基づいて算出し、算
    出した予測変動量に基づいて、前記ロールの圧下位置の
    調整量を決定することを特徴とする外径制御方法。
  2. 【請求項2】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧延
    し、圧延した管に対して熱処理を施す継目無管の製造工
    程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管の外径
    を制御する外径制御方法であって、 熱処理後の管外径を所定値とすべく、前記熱処理による
    管外径の予測変動量を記憶しておき、該予測変動量に基
    づいて、前記ロールの圧下位置の調整量を決定すること
    を特徴とする外径制御方法。
  3. 【請求項3】 熱処理前後の管外径を測定し、管外径の
    予測変動量を、熱処理前後の管外径の測定値の差分値に
    基づいて定めることを特徴とする請求項2に記載の外径
    制御方法。
  4. 【請求項4】 熱処理前後の管温度を測定し、測定した
    管温度に基づいて、管外径の予測変動量を補正すること
    を特徴とする請求項3に記載の外径制御方法。
  5. 【請求項5】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧延
    し、圧延した管に対して熱処理を施す継目無管の製造工
    程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管の外径
    を制御する外径制御方法であって、 熱処理後の管外径を所定値とすべく、前記熱処理による
    管の軸長方向中央部での管外径の予測変動量と、前記中
    央部以外の部分での管外径の予測変動量との差分値を記
    憶しておき、前記中央部での管外径の予測変動量を熱処
    理条件に基づいて算出し、前記中央部以外の部分での管
    外径の予測変動量を、算出した前記中央部での管外径の
    予測変動量と、記憶された前記差分値との和として求
    め、管外径の予測変動量に基づいて、前記ロールの圧下
    位置の調整量を決定することを特徴とする外径制御方
    法。
  6. 【請求項6】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧延
    し、圧延した管に対して熱処理を施す継目無管の製造工
    程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管の外径
    を制御する外径制御方法であって、 熱処理後の管外径を管の軸長方向全長に亘って所定値と
    すべく、前記熱処理による前記軸長方向の複数位置での
    管外径の予測変動量を記憶しておき、該予測変動量に基
    づいて、前記ロールの圧下位置の調整量を決定すること
    を特徴とする外径制御方法。
  7. 【請求項7】 前記製造工程に先行して、前記定径圧延
    機にて先行管を圧延し、圧延した先行管に対して熱処理
    を施す先行工程で、熱処理前後に前記先行管の前記複数
    位置での管外径を測定し、前記複数位置夫々での管外径
    の予測変動量を、前記複数位置夫々での熱処理前後の管
    外径の測定値の差分値に基づいて定めることを特徴とす
    る請求項6に記載の外径制御方法。
  8. 【請求項8】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧延
    し、圧延した管に対して熱処理を施し、熱処理を施した
    管に対して曲がり又は真円度の矯正を施す継目無管の製
    造工程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管の
    外径を制御する外径制御方法であって、 矯正後の管外径を所定値とすべく、前記熱処理及び前記
    矯正による管外径の予測変動量を記憶しておき、該予測
    変動量に基づいて、前記ロールの圧下位置の調整量を決
    定することを特徴とする外径制御方法。
  9. 【請求項9】 熱処理前及び矯正後の管外径を測定し、
    管外径の予測変動量を、熱処理前及び矯正後の管外径の
    測定値の差分値に基づいて定めることを特徴とする請求
    項8に記載の外径制御方法。
  10. 【請求項10】 熱処理前及び矯正後の管温度を測定
    し、測定した管温度に基づいて、管外径の予測変動量を
    補正することを特徴とする請求項9に記載の外径制御方
    法。
  11. 【請求項11】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧
    延し、圧延した管に対して熱処理を施し、熱処理を施し
    た管に対して曲がり又は真円度の矯正を施す継目無管の
    製造工程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管
    の外径を制御する外径制御方法であって、 矯正後の管外径を所定値とすべく、前記熱処理及び前記
    矯正による管の軸長方向中央部での管外径の予測変動量
    と、前記中央部以外の部分での管外径の予測変動量との
    差分値を記憶しておき、前記中央部での管外径の予測変
    動量を熱処理条件及び矯正条件に基づいて算出し、前記
    中央部以外の部分での管外径の予測変動量を、算出した
    前記中央部での管外径の予測変動量と、記憶された前記
    差分値との和として求め、管外径の予測変動量に基づい
    て、前記ロールの圧下位置の調整量を決定することを特
    徴とする外径制御方法。
  12. 【請求項12】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧
    延し、圧延した管に対して熱処理を施し、熱処理を施し
    た管に対して曲がり又は真円度の矯正を施す継目無管の
    製造工程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管
    の外径を制御する外径制御方法であって、 矯正後の管外径を管の軸長方向全長に亘って所定値とす
    べく、前記熱処理及び前記矯正による前記軸長方向の複
    数位置での管外径の予測変動量を記憶しておき、該予測
    変動量に基づいて、前記ロールの圧下位置の調整量を決
    定することを特徴とする外径制御方法。
  13. 【請求項13】 前記製造工程に先行して、前記定径圧
    延機にて先行管を圧延し、圧延した先行管に対して熱処
    理を施し、熱処理を施した先行管に対して曲がり又は真
    円度の矯正を施す先行工程で、熱処理前及び矯正後に前
    記先行管の前記複数位置での管外径を測定し、前記複数
    位置夫々での管外径の予測変動量を、前記複数位置夫々
    での熱処理前及び矯正後の管外径の測定値の差分値に基
    づいて定めることを特徴とする請求項12に記載の外径
    制御方法。
  14. 【請求項14】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧
    延し、圧延した管に対して熱処理を施し、熱処理を施し
    た管に対して曲がり又は真円度の矯正を施す継目無管の
    製造工程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管
    の外径を制御する外径制御方法であって、 矯正後の管外径を所定値とすべく、前記熱処理による管
    外径の予測変動量を表す第1予測変動量を熱処理条件に
    基づいて算出し、前記矯正による管外径の予測変動量を
    表す第2予測変動量を矯正条件に基づいて算出し、算出
    した第1予測変動量及び第2予測変動量に基づいて、前
    記ロールの圧下位置の調整量を決定することを特徴とす
    る外径制御方法。
  15. 【請求項15】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧
    延し、圧延した管に対して熱処理を施し、熱処理を施し
    た管に対して曲がり又は真円度の矯正を施す継目無管の
    製造工程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管
    の外径を制御する外径制御方法であって、 矯正後の管外径を所定値とすべく、前記熱処理による管
    外径の予測変動量を表す第1予測変動量と、前記矯正に
    よる管外径の予測変動量を表す第2予測変動量とを夫々
    記憶しておき、前記第1予測変動量及び前記第2予測変
    動量に基づいて、前記ロールの圧下位置の調整量を決定
    することを特徴とする外径制御方法。
  16. 【請求項16】 熱処理前後及び矯正後の管外径を測定
    し、前記第1予測変動量を熱処理前後の管外径の測定値
    の差分値に基づいて定め、前記第2予測変動量を熱処理
    後及び矯正後の管外径の測定値の差分値に基づいて定め
    ることを特徴とする請求項15に記載の外径制御方法。
  17. 【請求項17】 熱処理前後及び矯正後の管温度を測定
    し、熱処理前後に測定した管温度に基づいて、前記第1
    予測変動量を補正し、熱処理後及び矯正後に測定した管
    温度に基づいて、前記第2予測変動量を補正することを
    特徴とする請求項16に記載の外径制御方法。
  18. 【請求項18】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧
    延し、圧延した管に対して熱処理を施し、熱処理を施し
    た管に対して曲がり又は真円度の矯正を施す継目無管の
    製造工程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管
    の外径を制御する外径制御方法であって、 矯正後の管外径を所定値とすべく、前記熱処理による管
    外径の予測変動量を表す第1予測変動量の内の管の軸長
    方向中央部での値及び前記中央部以外の部分での値の差
    分値を表す第1差分値と、前記矯正による管外径の予測
    変動量を表す第2予測変動量の内の管の軸長方向中央部
    での値及び前記中央部以外の部分での値の差分値を表す
    第2差分値とを記憶しておき、前記中央部での第1予測
    変動量を熱処理条件に基づいて算出し、前記中央部以外
    の部分での第1予測変動量を、算出した前記中央部での
    第1予測変動量と、記憶された第1差分値との和として
    求め、前記中央部での第2予測変動量を矯正条件に基づ
    いて算出し、前記中央部以外の部分での第2予測変動量
    を、算出した前記中央部での第2予測変動量と、記憶さ
    れた前記第2差分値との和として求め、第1予測変動量
    及び第2予測変動量に基づいて、前記ロールの圧下位置
    の調整量を決定することを特徴とする外径制御方法。
  19. 【請求項19】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧
    延し、圧延した管に対して熱処理を施し、熱処理を施し
    た管に対して曲がり又は真円度の矯正を施す継目無管の
    製造工程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管
    の外径を制御する外径制御方法であって、 矯正後の管外径を管の軸長方向全長に亘って所定値とす
    べく、前記熱処理による前記軸長方向の複数位置での管
    外径の予測変動量を夫々表す複数の第1予測変動量と、
    前記矯正による前記複数位置での管外径の予測変動量を
    夫々表す複数の第2予測変動量とを記憶しておき、前記
    第1予測変動量及び前記第2予測変動量に基づいて、前
    記ロールの圧下位置の調整量を決定することを特徴とす
    る外径制御方法。
  20. 【請求項20】 前記製造工程に先行して、前記定径圧
    延機にて先行管を圧延し、圧延した先行管に対して熱処
    理を施し、熱処理を施した先行管に対して曲がり又は真
    円度の矯正を施す先行工程で、熱処理前後及び矯正後に
    前記先行管の前記複数位置での管外径を測定し、前記複
    数位置夫々での前記第1予測変動量を、前記複数位置夫
    々での熱処理前後の管外径の測定値の差分値に基づいて
    定め、前記複数位置夫々での前記第2予測変動量を、前
    記複数位置夫々での熱処理後及び矯正後の管外径の測定
    値の差分値に基づいて定めることを特徴とする請求項1
    9に記載の外径制御方法。
  21. 【請求項21】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧
    延し、圧延した管に対して熱処理を施す継目無管の製造
    工程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管の外
    径を制御する外径制御装置であって、 熱処理前の管外径及び管温度を夫々測定する第1外径測
    定器及び第1温度測定器と、熱処理後の管外径及び管温
    度を夫々測定する第2外径測定器及び第2温度測定器
    と、管外径の予測変動量を、前記第1外径測定器及び前
    記第2外径測定器の測定値の差分値に基づいて演算する
    予測変動量演算手段と、該予測変動量演算手段によって
    演算した管外径の予測変動量を、前記第1温度測定器及
    び前記第2温度測定器の測定値の差分値に基づいて補正
    する補正手段と、該補正手段によって補正した管外径の
    予測変動量を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶した管
    外径の予測変動量に基づいて、前記ロールの圧下位置の
    調整量を演算する調整量演算手段とを備えることを特徴
    とする外径制御装置。
  22. 【請求項22】 ロールを有する定径圧延機にて管を圧
    延し、圧延した管に対して熱処理を施し、熱処理を施し
    た管に対して曲がり又は真円度の矯正を施す継目無管の
    製造工程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管
    の外径を制御する外径制御装置であって、 熱処理前の管外径及び管温度を夫々測定する第1外径測
    定器及び第1温度測定器と、熱処理後の管外径及び管温
    度を夫々測定する第2外径測定器及び第2温度測定器
    と、矯正後の管外径及び管温度を夫々測定する第3外径
    測定器及び第3温度測定器と、前記熱処理による管外径
    の予測変動量を表す第1予測変動量を、前記第1外径測
    定器及び前記第2外径測定器の測定値の差分値に基づい
    て演算する第1予測変動量演算手段と、前記矯正による
    管外径の予測変動量を表す第2予測変動量を、前記第2
    外径測定器及び前記第3外径測定器の測定値の差分値に
    基づいて演算する第2予測変動量演算手段と、前記第1
    予測変動量演算手段によって演算した第1予測変動量
    を、前記第1温度測定器及び前記第2温度測定器の測定
    値の差分値に基づいて補正する第1補正手段と、前記第
    2予測変動量演算手段によって演算した第2予測変動量
    を、前記第2温度測定器及び前記第3温度測定器の測定
    値の差分値に基づいて補正する第2補正手段と、前記第
    1補正手段及び前記第2補正手段によって夫々補正した
    第1予測変動量及び第2予測変動量を夫々記憶する記憶
    部と、該記憶部に記憶した第1予測変動量及び第2予測
    変動量に基づいて、前記ロールの圧下位置の調整量を演
    算する調整量演算手段とを備えることを特徴とする外径
    制御装置。
  23. 【請求項23】 ロールを有する定径機にて管を圧延
    し、圧延した管に対して熱処理を施す継目無管の製造工
    程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管の外径
    を制御する外径制御装置であって、 熱処理前の管の軸長方向の複数位置での管外径を測定す
    る第1測定器と、熱処理後の前記複数位置での管外径を
    測定する第2測定器と、前記複数位置夫々での管外径の
    予測変動量を、前記複数位置夫々での前記第1測定器及
    び前記第2測定器の測定値の差分値に基づいて演算する
    予測変動量演算手段と、該予測変動量演算手段によって
    演算した予測変動量を記憶する記憶部と、該記憶部に記
    憶した管外径の予測変動量に基づいて、前記ロールの圧
    下位置の調整量を演算する調整量演算手段とを備えるこ
    とを特徴とする外径制御装置。
  24. 【請求項24】 ロールを有する定径機にて管を圧延
    し、圧延した管に対して熱処理を施し、熱処理を施した
    管に対して曲がり又は真円度の矯正を施す継目無管の製
    造工程で、前記ロールの圧下位置を調整して継目無管の
    外径を制御する外径制御装置であって、 熱処理前の管の軸長方向の複数位置での管外径を測定す
    る第1測定器と、熱処理後の前記複数位置での管外径を
    測定する第2測定器と、矯正後の前記複数位置での管外
    径を測定する第3測定器と、前記複数位置夫々での管外
    径の予測変動量を表す複数の第1予測変動量を、前記複
    数位置夫々での前記第1測定器及び前記第2測定器の測
    定値の差分値に基づいて演算する第1予測変動量演算手
    段と、前記複数位置夫々での管外径の予測変動量を表す
    複数の第2予測変動量を、前記複数位置夫々での前記第
    2測定器及び前記第3測定器の測定値の差分値に基づい
    て演算する第2予測変動量演算手段と、前記第1予測変
    動量演算手段及び前記第2予測変動量演算手段によって
    夫々演算した第1予測変動量及び第2予測変動量を記憶
    する記憶部と、該記憶部に記憶した第1予測変動量及び
    第2予測変動量に基づいて、前記ロールの圧下位置の調
    整量を演算する調整量演算手段とを備えることを特徴と
    する外径制御装置。
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