JP2024016404A - 圧延設定支援システム及び圧延設定支援方法 - Google Patents

圧延設定支援システム及び圧延設定支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧延材の長手方向に沿った材質の変動を低減できる圧延制御目標値の決定を支援する。【解決手段】被圧延材を圧延する際に圧延機に設定する制御目標値の決定を支援する圧延設定支援システムは、被圧延材と仕様が類似する参照実績材の材質が圧延方向に渡って目標仕様を満足するかを判定する判定部を有する。また、圧延設定支援システムは、判定部によって材質が目標仕様を満足しないと判定された場合に、制御目標値の決定の際に用いる材質の評価を算出する材質評価点を、参照実績材の圧延方向の点の中から複数選択する評価点選択部を有する。【選択図】図8

Description

本発明は、圧延制御システム及び圧延制御方法に関する。
熱間圧延制御分野では、圧延材の材質を予測する材質予測システムが知られている。材質予測システムは、圧延制御目標値の決定の支援に用いられている。
例えば特許文献1には、熱間圧延の制御目標値に基づき圧延材の機械的性質を予測する材質予測技術を用いて、制御目標値の機械的性質に対する影響係数を算出し、機械的性質の目標値を満足する制御目標値を算出する技術が開示されている。特許文献1に開示の技術によれば、良好な精度で目標とする品質を達成するための制御目標値を計算できる。
また特許文献2には、熱間圧延の制御目標値と材質予測結果を同一画面に表示する材質制御支援装置が開示されている。特許文献2に開示の材質制御支援装置を用いることで、オペレータの経験度合に左右されることなく所望の機械的性質を満足しうる圧延制御目標値の決定を支援することができる。
特開2014―133246号公報 特開2020-82112号公報
しかしながら、特許文献1及び2を含む従来技術では、圧延材の長手方向に沿った材質の変動を低減する制御目標値の決定に課題を残す。
これは、次の理由による。圧延材の先端から順次圧延される間に、圧延材の後端は圧延を待機することになり、圧延材が長いほど先端と後端の待機時間の差は大きくなる。圧延材を高温に加熱する熱間圧延では、待機時間の間に圧延材が冷却されるため、圧延材の長手方向に沿って温度ムラが生じる。
この温度ムラを低減するため、圧延材の先端から後端に向けて圧延速度を上げて、先端と後端の待機時間の差を減らす加速圧延を行う処理がある。加速圧延は先端と後端の待機時間差を減らすことにより、圧延材の長手方向に沿った温度ムラを低減できる。
しかし、加速圧延を用いて温度ムラをある程度は低減することはできても、完全に解消することはできない。加速圧延による圧延速度の変化と温度ムラによって、圧延条件は圧延材の長手方向に沿って複雑に変化し材質の変動を生ずることになる。
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、圧延材の長手方向に沿った材質のムラをより低減できる圧延制御目標値を、少ない計算量で容易に決定できる圧延制御システム及び圧延制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の一態様では、被圧延材を圧延する際に圧延機に設定する制御目標値の決定を支援する圧延設定支援システムであって、前記被圧延材と仕様が類似する参照実績材の材質が圧延方向に渡って目標仕様を満足するかを判定する判定部と、前記判定部によって前記材質が前記目標仕様を満足しないと判定された場合に、前記制御目標値の決定の際に用いる前記材質の評価を算出する材質評価点を、前記参照実績材の前記圧延方向の点の中から複数選択する評価点選択部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、圧延材の長手方向に沿った材質のムラをより低減できる圧延制御目標値を、少ない計算量で容易に決定できる。
実施形態の熱間圧延制御システムの一例を示すブロック図。 操業データの保存形式の一例を示す図。 操業データの保存形式の一例を示す図。 操業データの保存形式の一例を示す図。 操業データの保存形式の一例を示す図。 操業データの保存形式の一例を示す図。 圧延設定支援システムの構成の一例を示すブロック図。 圧延設定支援システムにより実行される圧延設定支援処理を示すフローチャート。 参照実績材選択工程において類似実績材の材質予測データから参照実績材を選択する参照実績材選択画面の一例を示す図。 材質評価点選択工程においてユーザに表示される材質評価点選択画面の一例を示す図。 圧延制御目標値編集工程においてユーザに表示される圧延制御目標値編集画面の一例を示す図。 参照実績材の操業データと仮想操業データを比較したグラフ。 複数の材質評価点で参照実績材の操業データと仮想操業データを比較したグラフ。
以下、図面を参照して本願開示の技術に係る実施形態を説明する。実施形態は、図面も含めて本願を説明するための例示である。実施形態では、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がされている。特に限定しない限り、実施形態の各構成要素は単数でも複数でもよい。
同一又は類似の構成要素には同一の符号を付与し、既出に対する後出の実施形態での説明は、省略されるか、差分を中心としてなされる場合がある。
同一又は類似の構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
実施形態において、プログラムを実行して行う処理について説明する場合がある。コンピュータは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit))により、記憶資源(例えばメモリ)等を用いながら、プログラムで定められた処理を行う。そのため、プログラムを実行して行う処理の主体を、プロセッサとしてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であればよく、特定の処理を行う専用回路を含んでいてもよい。ここで、専用回路とは、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等である。「XXX工程」を実行する演算部は、「XXX部」と呼ぶことができる。
プログラムは、プログラムソースから計算機にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読取り可能な非一時的な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源(ストレージ)を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、実施形態において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
以下の実施形態では、各種情報をテーブル形式で説明するが、各種情報はテーブル形式以外のデータ形式であってもよい。また、例えば、「XX情報」、「XXテーブル」、「XXリスト」、「XXキュー」等の各種呼称は、互換可能である。例えば「XXテーブル」は、「XXリスト」と呼んでもよい。また、識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現は互換可能である。
[実施形態]
(熱間圧延制御システム1の構成)
図1は、実施形態1の熱間圧延制御システム1の一例を示すブロック図である。熱間圧延制御システム1は、上位システム2から入力される圧延材の仕様データを基に圧延制御目標値を決定し、圧延制御目標値に基づいて熱間圧延ライン3の動作を制御することで、圧延材4(被圧延材)を圧延する。
熱間圧延制御システム1は、圧延設定装置11と、圧延制御装置12と、操業データ収集装置13と、データ保存装置14と、材質予測装置15と、圧延設定支援システム16と、を含んで構成される。
圧延設定装置11は、圧延制御目標値を決定して圧延制御装置12に出力する。圧延制御装置12は、圧延制御装置12から入力された圧延制御目標値に基づいて熱間圧延ライン3に属する設備を制御する。操業データ収集装置13は、圧延制御装置12及び熱間圧延ライン3から操業データを収集する。データ保存装置14は、熱間圧延制御システム1内の種々のデータを保存する。
材質予測装置15は、データ保存装置14に保存されたデータから圧延材の材質を予測する。圧延設定支援システム16は、データ保存装置14に保存されたデータと材質予測装置15を用いて、圧延設定装置11による圧延制御目標値圧延設定値の決定を支援する。
熱間圧延ライン3は、粗圧延機31と、仕上げ圧延機32と、ROT(Run-out Table)冷却設備33と、巻取機34と、を含んで構成される。
粗圧延機31は、数百mmの厚さを持つ圧延素材であるスラブ(slab)を数十mmの厚さの圧延材4まで粗圧延する。仕上げ圧延機32は、粗圧延機31によって数十mmの厚さに圧延された圧延材4を、数mmから数十mmの製品厚さまで仕上げ圧延する。ROT冷却設備33は、仕上げ圧延された圧延材4を搬送しながら冷却する。巻取機34は、冷却された圧延材4を巻き取る。巻取機34に巻き取られて常温まで冷却された圧延材4が製品となる。
なお、図1には省略したが、熱間圧延ライン3は上記設備の他にも、圧延材4の温度や厚さ、幅などを計測する計測装置、圧延材4の温度を制御するための冷却又は加熱装置、圧延材の幅を制御するための幅圧延装置などを圧延ライン上の各所に備える。
圧延分野では、1回の圧延を1パス(pass)と呼ぶ。典型的には、粗圧延では圧延材4を粗圧延機31の前後を往復させて複数パス圧延する往復圧延を行い、仕上げ圧延では圧延材4を直列に並んだ複数台の仕上げ圧延機32の中を一方向に通過させて複数パスの圧延を行うタンデム圧延を行う。粗圧延で往復圧延が行われるため、圧延パス数は圧延機の台数より多いことが一般的である。
以下、熱間圧延制御システム1の各装置の作用を説明する。
圧延設定装置11は、上位システム2から圧延材4の仕様データを受信する。圧延材4の仕様データは、例えば、次の情報を含む。
(データ1-1)圧延材4の固有番号
(データ1-2)スラブの化学組成
(データ1-3)スラブの温度
(データ1-4)スラブの厚さと幅及び長さ
(データ1-5)製品の厚さと幅及び長さの目標値
(データ1-6)製品の目標品種
製品の品種(目標品種)毎に引張強度、降伏強度、伸びなどの材質の目標仕様が定まる。
圧延設定装置11は、受信した圧延材4の仕様データを満足するように熱間圧延ライン3に属する各設備の制御項目毎の目標値を決定し、圧延制御目標値として圧延制御装置12に出力する。圧延設定装置11は、圧延材4の仕様データと共に圧延制御目標値をデータ保存装置14に保存する。圧延制御目標値は、例えば、次の情報を含む。
(データ2-1)各圧延機での圧延パス数
(データ2-2)圧延パス毎の各圧延機の出口での圧延材4の厚さ
(データ2-3)仕上げ圧延機32の入口での圧延材4の温度
(データ2-4)仕上げ圧延機32の出口での圧延材4の温度
(データ2-5)巻取機34の入口での圧延材4の温度
(データ2-6)圧延材4の長手方向の位置毎の圧延速度
圧延制御目標値は、製品の寸法と材質、製品の圧延に所用する時間、各圧延機の消費エネルギーなどに影響を与えるため、適正な決定が重要である。しかし、圧延材4の仕様情報だけで圧延制御目標値を決定することは困難である。例えば、製品の厚さの情報は、仕上げ圧延機32の最後の圧延パスの出口での圧延材4の厚さを決定するが、他の圧延パスの出口での厚さを決定するものではない。圧延パス数や圧延材4の温度、圧延速度などの他の圧延制御目標値は、更に圧延材4の仕様データからの決定が困難である。本実施形態の圧延設定支援システム16は、このような圧延制御目標値の決定を支援する装置である。圧延設定支援システム16の機能は後述する。
圧延制御装置12は、圧延設定装置11から受信した圧延制御目標値に基づいて熱間圧延ライン3に属する各設備の動作を制御する。設備の経時変化、環境のバラツキなどにより、制御項目の実績値が目標値と一致しないことがある。熱間圧延ライン3には、制御項目の実績値を計測する複数のセンサが設置される。圧延制御装置12は、これらセンサのデータに基づいて、制御項目の実績値がその目標値と一致するように各設備の動作を調整する。この制御には、熱間圧延制御分野で周知の手法を使うことができる。そのような技術には、例えば、“6.5 熱延・厚板における制御手法”(「鉄鋼便覧」第5版第5巻、 (p.240~250))に記載の手法がある。
操業データ収集装置13は、圧延制御装置12から一つの圧延材に対する熱間圧延ライン3の操業状態のデータを収集して、操業データとしてデータ保存装置14に保存する。操業データは、例えば、次の情報を含む。
(データ3-1)圧延材4が熱間圧延ライン3に投入された時刻と圧延材4の巻取りが終わった時刻
(データ3-2)各圧延パスの動作開始時刻と終了時刻
(データ3-3)各圧延パスでの圧延ロールの半径
(データ3-4)各圧延パスでの圧延ロールに加わる荷重
(データ3-5)各圧延パスでの圧延ロールの回転速度
(データ3-6)各圧延パスでの出口での圧延材4の厚さ
(データ3-7)粗圧延機31の入口と出口での圧延材の温度
(データ3-8)仕上げ圧延機32の入口と出口での圧延材の温度
(データ3-9)巻取機34の入口での圧延材の温度
(データ3-10)巻取機34の回転速度
上記(データ3-1)~(データ3-3)は、1つの圧延材に対する共通データとして保存することができる。図2に、操業データの(データ3-1)~(データ3-3)の保存形式の一例を示す。
図2の“Load Time”が「(データ3-1)の“圧延材4が熱間圧延ライン3に投入された時刻”」である。また、図2の“Finish Time”が「(データ3-1)の“圧延材4の巻取りが終わった時刻”」である。また、図2の“R1 Start Time”が「(データ3-2)の“各圧延パスの動作開始時刻”(第1粗圧延パスR1)」である。また、図2の“R1 End Time”が「(データ3-2)の“各圧延パスの動作終了時刻”(第1粗圧延パスR1)」である。また、図2の“R1 Radius”が「(データ3-3)の“各圧延パスでの圧延ロールの半径”(第1粗圧延パスR1)」である。第1粗圧延パスR1以降も同様である。
また、上記(データ3-4)~(データ3-6)は、圧延材4の長手方向の位置毎に異なるデータとして、粗圧延パス毎に保存することができる。図3に、第1粗圧延パスR1における圧延材4の長手方向の位置毎の(データ3-4)~(データ3-6)の保存形式の一例を示す。
図3の“Position”が「圧延材4の長手方向の位置」である。また、図3の“Load”が「(データ3-4)の“圧延ロールに加わる荷重”」である。また、図3の“Speed”が「(データ3-5)の“圧延ロールの回転速度”」である。また、図3の“Thickness”が「(データ3-6)の“出口での圧延材4の厚さ”」である。図3の“Position”~“Thickness”の列が、(データ2-1)の仕上げ圧延機32での仕上げ圧延数に該当する行数だけ繰り返される。
また、上記(データ3-7)~(データ3-10)は、設備と入口(Suction)及び出口(Delivery)毎に、圧延材4の長手方向の位置(Position)毎のデータとして保存することができる。図4は、(データ3-8)の仕上げ圧延機32の出口(Finishing-Delivery)での温度データ(Temperature)の保存形式の一例を示す。
また、図5は、(データ3-10)の巻取機34の温度データ(Temperature)及び速度データ(Speed)の保存形式の一例を示す。
データ保存装置14は、圧延材4毎に各種データを保存する。データ保存装置14には、例えば、次のデータが保存される。
(データ1)上位システム2からの圧延材4の仕様データ
(データ2)圧延制御装置12からの制御目標値データ
(データ3)操業データ収集装置13からの操業データ
(データ4)材質予測装置15からの材質予測データ
材質予測装置15は、データ保存装置14に保存された圧延材4の操業データとスラブの化学組成を用いて、圧延材の材質予測を行う。熱間圧延の材質予測には種々の周知の技術を用いて行うことができる。例えば、“材質の制御と予測”(日本鉄鋼協会、1988年)に記載の一連の数式モデルを用いれば、圧延材の操業データとスラブの化学組成から圧延材の引張強度、降伏強度、伸び、硬さの予測値を計算することができる。
材質予測装置15は、データ保存装置14に圧延材4の操業データが新たに保存されると、圧延材4の材質予測を自動的に行うことができる。材質予測装置15は、圧延材4の材質予測を行った後、予測結果である材質予測データをデータ保存装置14に保存する。材質予測データは、例えば、次の情報を含む。
(データ4-1)材質予測点の位置情報
(データ4-2)引張強度
(データ4-3)降伏強度
(データ4-4)伸び
(データ4-5)硬さ
(データ4-6)組織分率
(データ4-7)平均粒径
図6は、(データ4-1)~(データ4-7)の材質予測データの保存形式の一例を示す。
また、材質予測装置15は、圧延設定支援システム16からの命令によって、圧延設定支援システム16から入力された仮想操業データを用いて仮想圧延材の材質を予測することもできる。この場合、材質予測装置15は、仮想圧延材の材質予測を行った後、予測結果である材質予測データを圧延設定支援システム16に送信する。
材質予測装置15は、操業データの保存時に自動的に行われる材質予測と、圧延設定支援システム16からの命令で行われる材質予測の2通りの材質予測を同時に実行するため、並列処理の可能な構成を持つ。そのような構成は、例えば、2つ以上の演算装置に各々の材質予測処理を割り当てて実行する構成がある。
(圧延設定支援システム16の構成)
図7は、圧延設定支援システム16の構成の一例を示すブロック図である。圧延設定支援システム16は、メモリ161と、演算部162と、データ保存部163と、入力部164と、出力部165と、データ送受信部166、データバス167と、を含んで構成される。
メモリ161は、圧延設定支援ソフトウェアプログラム(以下、プログラム)が保存されている。演算部162は、プログラムを実行する。データ保存部163は、プログラムの入出力データを保存する。入力部164は、圧延設定支援システム16のユーザからの入力を受ける。出力部165は、圧延設定支援システム16のユーザへ演算結果を出力する。データ送受信部166は、圧延設定装置11とデータ保存装置14と材質予測装置15とのデータ送受信を担当する。データバス167は、圧延設定支援システム16内のデータ伝送経路である。圧延設定支援システム16は、メモリ161に保存されたプログラムに沿って演算部162を動作させ、ユーザとの間での入出力及び各装置との間でのデータ送受信を行う。
(圧延設定支援処理)
図8は、圧延設定支援システム16により実行される圧延設定支援処理を示すフローチャートである。
先ずステップS1では、圧延設定支援システム16は、圧延制御目標値を新たに決定する圧延材4と類似した類似実績材を選択する類似実績材選択工程を実行する。次にステップS2では、圧延設定支援システム16は、ステップS1で選択した1つ以上の類似実績材から圧延制御目標値の決定に用いる参照実績材を選択する参照実績材選択工程を実行する。次にステップS3では、圧延設定支援システム16は、ステップS2で選択した1つ以上の参照実績材の材質が圧延方向の全長に渡って圧延材4の目標仕様を満足するかを判定する目標達成判定工程を実行する。
圧延設定支援システム16は、参照実績材の材質が圧延方向の全長に渡って圧延材4の目標仕様を満足するため圧延制御目標値の修正が必要でない場合(ステップS3No)にステップS8に処理を移す。一方、圧延設定支援システム16は、目標仕様を満足しない箇所があるため圧延制御目標値の修正が必要である場合(ステップS3Yes)にステップS4に処理を移す。
ステップS4では、圧延設定支援システム16は、参照実績材の長手方向に沿った複数の材質予測点の中から圧延制御目標値の決定に際して材質を評価する材質評価点を選択する材質評価点選択工程を実行する。材質評価点は、周知の手法を用いて選択される。
次にステップS5では、圧延設定支援システム16は、圧延制御目標値を参照実績材の各値から編集する圧延制御目標値編集工程を実行する。次にステップS6では、圧延設定支援システム16は、ステップS5で編集された圧延制御目標値と参照実績材の圧延時の熱間圧延ライン3の操業条件を示す操業データから、仮想操業データを作成する仮想操業データ作成工程を実行する。仮想操業データは、圧延制御目標値に基づいて熱間圧延ライン3を操業する操業条件を示す。
次にステップS7では、圧延設定支援システム16は、仮想操業データを用いて材質評価点での材質を予測する仮想操業データでの材質予測工程を実行する。圧延設定支援システム16は、ステップS7が終了すると、ステップS3に処理を戻す。
ステップS8では、圧延設定支援システム16は、目標仕様を満足する参照圧延材の圧延制御目標を推奨値として圧延設定装置11に出力する圧延制御目標値出力工程を実行し、圧延設定支援処理を終了する。
以下、ステップS1~S8の各工程の詳細を順に説明する。
ステップS1の類似実績材選択工程では、圧延設定支援システム16は、圧延設定装置11から新しい圧延材4の仕様データを受信する。圧延設定支援システム16のユーザは、データ保存装置14に既に保存されている圧延材4の仕様データから、新しい圧延材4の仕様データと類似した圧延材4を選択する。以下、データ保存装置14にそのデータが既に保存されている圧延材を実績材と称す。
新しい圧延材4と類似した実績材を選択するため、圧延設定支援システム16のユーザは、実績材を検索する。この検索には、例えば、製品の目標品種や製品の目標厚さを検索キーとして用いる。また、圧延材4の仕様データに含まれる他のデータ、例えば、製品の目標幅、スラブの化学組成などを検索キーとして用いてもよいし、更には、これらの検索キーを適宜組み合わせて検索してもよい。また、圧延材の仕様データは、検索キーではなく、検索対象とする実績材の範囲を限定する条件として用いてもよい。
例えば、熱間圧延ライン3への投入時刻が当該検索時点から一定の時間、例えば1週間内にある実績材に検索対象を限定した上で、該当する実績材の中から目標品種や目標厚さなどが新しい圧延材4に最も類似した実績材を検索する。このようにすることで、検索結果からの類似実績材の選択が容易になる。圧延設定支援システム16のユーザは、検索結果から1つ以上の類似実績材を選択する。
ステップS2の参照実績材選択工程では、圧延設定支援システム16は、ステップS1で選択した類似実績材の材質予測データを表示する。表示される材質予測データは、圧延材4の長手方向に沿った複数の材質予測位置で予測されたデータである。材質予測位置の間隔は、圧延材の移動速度と熱間圧延ライン3上の設備の制御周期の乗算値以下であることが望ましい。例えば、圧延材の移動速度が20m/sで制御周期が0.5sであれば、材質予測位置の間隔は10m以下であることが望ましい。ただし、熱間圧延ライン3上には制御周期が異なる設備が存在する場合もあるため、圧延設定支援システム16で用いる材質予測位置は、ユーザによって適宜設定もできる。
圧延設定支援システム16は、材質予測装置15が実行する材質予測工程の材質予測位置が、圧延設定支援システム16で用いる材質予測位置の設定を満たす場合には、データ保存装置14から読み出した類似実績材の材質予測データを表示することができる。
一方、圧延設定支援システム16は、材質予測工程の材質予測位置が、圧延設定支援システム16で用いる材質予測位置の設定を満たさない場合には、データ保存装置14に保存された類似実績材の操業データを仮想操業データとして材質予測装置15に入力する。圧延設定支援システム16は、仮想操業データの条件下で所定位置での材質予測を実行することで、類似実績材の材質予測データを得ることができる。
(参照実績材選択画面165D1)
図9は、参照実績材選択工程において類似実績材の材質予測データから参照実績材を選択する参照実績材選択画面165D1の一例を示す図である。
図9では、参照実績材選択画面165D1は、参照実績材(reference strip)毎の圧延材4の固有番号(Strip ID)、新しい圧延材4との類似度(Similarity)、目標品種(Grade)、圧延開始時刻(Load Time)、及び各材質(TS、YS、EL)のマージンの一覧(TS Margin、YS Margin、EL Margin)の表示と、各参照実績材(reference strip)の選択ボックスと、を示している。
ここで材質マージンとは、実績材の材質が品種の材質仕様値に対して持つ余裕の程度である。例えば、圧延材4の全長に亘る材質値と品種の材質仕様値との差の最小値である。負の材質マージンは、材質値が材質仕様値に達したことを表す。
参照実績材の選択のための材質予測データの表示は、他にも種々可能であり、例えば、圧延材4の全長に亘る材質の平均値とその標準偏差、最大値と最小値などの統計値を表示してもよい。
圧延設定支援システム16のユーザは、表示された材質予測データに基づいて、圧延設定支援に用いる参照実績材を選択する。典型的には、複数の類似実績材の中から、圧延材4の全長に渡って材質目標を満たす材質予測データの類似実績材を選択する。材質予測データが材質目標を満たす類似実績材が複数ある場合には、例えば、最も新しい類似実績材を選択する。他には、材質予測データが材質目標を満たす複数の類似実績材から、圧延材4の全長に亘る材質の変動が最も小さい類似実績材を選択したり、制御目標値を決めようとしている新しい圧延材4との類似度が最も高い類似実績材を選択したりしてもよい。ユーザは、類似実績材を選択すると、“OK”ボタンを押下して、類似実績材の選択を確定させる。
圧延設定支援システム16は、選択された参照実績材の圧延制御目標値をデータ保存装置14から読み込む。
ステップS3の目標達成判定工程において、圧延設定支援システム16は、参照実績材の材質予測結果と仕様データの材質目標値とを比較し、参照実績材の圧延制御目標値を修正する必要があるか否かをユーザが判断した結果の入力を受け付ける。圧延設定支援システム16は、参照実績材の圧延制御目標値を修正する必要がある場合(ステップS3Yes)には、材質評価点選択工程(ステップS4)に進む。圧延設定支援システム16は、参照実績材の圧延制御目標値の修正の必要がない場合(ステップS3No)には、圧延制御目標値出力工程(ステップS8)へ遷移する。
ステップS4の材質評価点選択工程において、圧延設定支援システム16は、参照実績材選択工程(ステップS2)で選択された参照実績材について、材質予測データの圧延材の長手方向に沿った変化を表示する。圧延設定支援システム16のユーザは、その中から新規圧延材の圧延制御目標値の決定に用いる材質評価点を選択する。
(材質評価点選択画面165D2)
図10は、材質評価点選択工程においてユーザに表示される材質評価点選択画面165D2の一例を示す図である。データは、横軸を圧延材の長手方向の位置、縦軸を材質としたグラフに材質予測点毎に示される。圧延設定支援システム16のユーザは、表示された参照実績材の材質予測点から、好適な点を入力装置を用いて選択することで、新規圧延材の圧延制御目標値の決定に用いる1つ以上の材質評価点を選択できる。
図10は、材質として引張強度を表示した例であるが、他の材質の表示に切り替えることも可能である。また複数種類の材質を一緒に表示するなどの他の表示方法を用いてもよい。
先ず、材質評価点として、材質の最頻値を持つ代表点を選択する。多くの場合、圧延材の長手方向の中央付近にある材質評価点をこの代表点として選択することができる(図10中の“Point2”)。次に、制御目標値の修正で注目する点を選択する。選択される点は、典型的には、材質仕様値に対するマージンが小さい点である。しかし、他にも、長手方向に対する変動が大きい点(図10中の“Point1”及び“Point3”)、長手方向に対する変動傾向が顕著に変化する点(図10中の“Point1”及び“Point3”)などが選択されてもよい。
(圧延制御目標値編集画面1615D3)
図11は、ステップS5の圧延制御目標値編集工程においてユーザに表示される圧延制御目標値編集画面1615D3の一例を示す図である。圧延制御目標値編集画面165D3には、新たに制御目標値を決める圧延材(Target)に関して上位システム2から受信した仕様データが表示される。図11の例では、スラブ(Slab)と製品(Strip)の長さ(Length)、厚さ(Thickness)、及び化学組成(“C”、“Mn”“Si”、…“Nb”、“Ti”、“V”…の各質量組成比)が表示されている。表示に他の仕様データを加えてもよいし、詳細仕様を表示する画面を別途設けてもよい。
圧延制御目標値編集画面165D3には、圧延制御目標値の編集領域が提供される。編集領域には、参照実績材選択工程で選択された参照実績材の圧延制御目標値が既定値として入力されている。図11では、一例として、粗圧延(Roughing)と仕上げ圧延(Finishing)での各パス数(Num.)及び各パスでの出口での圧延材の厚さ(Thi.1,Thi.2,…)の設定を示している。さらに、図11では、圧延材の全長に渡る位置(P.1,P.2,…)毎の速度(V.1,V.2,…)、及び圧延材の温度制御目標値及びROT冷却設備の設定を表示している。温度制御目標としては、仕上げ圧延機32の入口での圧延材の温度(Finishing Entering Temperature:FET)、仕上げ圧延機32の出口での圧延材の温度(Finishing Delivery Temperature:FDT)、巻取機34の入口での圧延材の温度(Coiling Temperature:CT)が規定値として入力されている例を示した。また、ROT冷却設備33の規定値として、“FFFFMMSSSS”の名で予め決めておいた設定メニューを選択されている例を示す。
この例において、ROT冷却設備33に備えられた多数の冷却ノズルは、10個の領域に分割されて制御されている。“F”、“M”、“S”は各領域における圧延材の目標冷却状態として、各々、急冷(Fast)と中冷(Midium)と徐冷(Slow)を表す。目標冷却状態は、冷却ノズルの開閉によって達成され、例えば、“F”では領域内の冷却ノズルを全て開け、“M”では半分の冷却ノズルを開け、“S”では全ての冷却ノズルを閉める。ユーザは、編集領域の入力値を編集し、“OK”ボタンを押下して、編集値を反映させる。ユーザは、“Predict”ボタンを押下して、仮想操業データを作成し、この仮想操業データ下で圧延制御目標値編集画面165D3の入力値を用いて、ステップS7の材質予測工程を実行させる。
図11に示す例では、圧延材4の全長に渡る速度を、圧延材4の先端と尾端を除く速度変化点の数と、各速度変化点の位置(“P.1”など)及び各位置での速度(“V.1”など)等とで設定している。各速度変化点の間では、一定の加速度で速度が変化するようにすればよい。また、圧延材4の先端の速度と尾端の速度は、圧延材4の先端側の第1番目の速度変化点の速度と、尾端側の最終の速度変化点の速度と各々同じとすればよい。
ステップS6の仮想操業データ作成工程において、圧延設定支援システム16は、データ保存装置14に保存された参照実績材の操業データを用いて、仮想操業データを作成する。
仮想操業データは、例えば、熱間圧延ライン3に投入された時刻Time_0から巻取機34に到達する時点Time_Nまでに、各材質評価点が取る温度Tとひずみ速度SR(Strain Rate)の履歴を、次のように複数のステップに分けることで表現できる。
Figure 2024016404000002
上記(表1)において、時刻Time_0の第1行、時刻Time_1の第3行のように、奇数番目の行は、各時点Timeにおける材質評価点の温度Tとひずみ速度SRを表す。第2行の“S”、第4行の“D”のように、偶数番目の行は、その行が表す期間に材質評価点が圧延されるか否かを表す。“S”は圧延なし、“D”は圧延ありである。
上記例は、時刻Time_0と時刻Time_1の間には材質評価点は圧延されず、時刻Time_1と時刻Time_2の間では圧延されることを表す。各Timeの間では、温度Tとひずみ速度SRは線形的に変化するとする。例えば、時刻Time_1と時刻Time_2の間の時刻tにおける温度Tは、次の式(1)のように線形補完式で計算できる。
T(t)=[(T_1-T_0)/(Time_1-Time_0)]*(t-Time_0)+T_0 …(1)
また、仮想操業データのTime、T、SRは、例えば、次の式(2)で同様に決定することができる。
Ymod=Yref+ΔY/ΔS …(2)
ただし、Yは、Time、又はT、又はSRである。
ここで、Ymodが仮想操業データのTime、又はT、又はSRであり、Yrefは参照実績材の操業データのTime、又はT、又はSRである。Sは図11に示したような制御目標値である。制御目標値の増分ΔSに対するTime、又はT、又はSRの増分ΔYは、圧延分野で周知であり、例えば、“板圧延の理論と実際”、2010年、日本鉄鋼協会などに開示されている。
上記式(2)のように、圧延制御目標値が参照実績材の当該値のままであれば、仮想操業データは、参照実績材の操業データと同じであればよい。仮想操業データは、参照実績材の制御目標値から変更された場合には、その変更分を参照実績材の操業データに加算したものとすればよい。
(参照実績材の操業データと仮想操業データの比較)
図12は、参照実績材の操業データと仮想操業データを比較したグラフである。図12では、FET(仕上げ圧延機32の入口での圧延材の温度)とCT(巻取機34の入口での圧延材の温度)は参照実績材の目標値のままに据え置き、FDT(仕上げ圧延機32の出口での圧延材の温度)のみを参照実績材の目標値から20℃高くした例を示す。
図12において、実線は参照実績材の操業データから抽出した圧延材の温度データを示し、破線はFDTの目標値の変更分を実績操業データに加算した仮想操業データを示す。
FDT(仕上げ圧延機32の出口での圧延材の温度)を所定の制御目標値にするため、FET測定点の仕上げ圧延機32の入口からFDT測定点の仕上げ圧延機出口の間にある冷却装置の冷却量を減少させる。これにより、仮想操業データの温度履歴は実績操業データより高温になる(図12の破線参照)。参照実績材の制御目標値と実績操業データとの間の差(Discrepancy)は、仮想操業データにもそのまま引き継がれる。このように実績操業データを基に仮想操業データを作成することで、熱間圧延ライン3上の各設備の不完全性や経年変化の影響をより正確に予測に取り込むことができる。
(材質評価点毎の参照実績材の操業データと仮想操業データの比較)
図13は、複数の材質評価点で参照実績材の操業データと仮想操業データを比較したグラフである。仮想操業データは、材質評価点選択工程(ステップS4)で選択された材質評価点毎に作成される。図13に、例として図10の3つの材質評価点(Point1,Point2,Point3)毎に、実績操業データを実線で、仮想操業データを破線で示す。
ステップS7の仮想操業データでの材質予測工程において、圧延設定支援システム16は、ステップS6で作成した仮想操業データを材質予測装置15に出力して、材質評価点での材質予測を指示する。材質予測装置15は、材質予測の指示を受け付け、圧延設定支援システム16から受信した仮想操業データとスラブの化学組成を用いて、仮想操業データの条件下で仕上げ圧延機4を操業し圧延する場合の材質評価点における圧延材の材質予測を行う。熱間圧延の材質予測には種々の周知の技術を用いて行うことができる。例えば、「材質の制御と予測」(1988、日本鉄鋼協会)のpp.187-199に記載された一連の数式モデルを用いて、圧延材の引張強度、降伏強度、伸び、硬さの予測値を計算する。仮想操業データに対する材質予測が終了すると、材質予測装置15は材質予測データを圧延設定支援システム16に出力する。
ステップS7の仮想操業データでの材質予測工程は、圧延設定支援システム16が材質予測装置15から材質予測データを取得するとことで終了する。
圧延設定支援システム16は、ステップS3の目標達成判定工程に処理を戻し、仮想操業データに対する材質予測結果が材質に対する目標値を満たしたかを判定する。以後、材質予測結果が目標値を満たすまで、ステップS3~S7の工程を繰り返す。ただし、ステップS4の材質評価点選択工程は、初回のみ実行して、2回目以後は初回で選択した材質評価点を使用してもよい。
ステップS8の圧延制御目標値出力工程では、圧延設定支援システム16は、参照実績材の圧延制御目標値を新たな圧延材の制御目標値として決定して、圧延設定装置11に出力する。
上述の圧延設定支援処理では、一部の工程で圧延設定支援システム16のユーザが判断又は選択を行ったが、判断又は選択の基準を予め決定しておくことで圧延設定支援システム16が判断又は選択を自動的に行ってもよい。また、判断又は選択の基準は、データの統計分析又は機械学習を用いて決定し、学習の進行に応じて自動更新していくことも可能である。
例えば、参照実績材の仕様と、過去に選択された参照実績材の材質評価点との関係モデルを予め学習しておく。そして、評価点選択工程(ステップS4(図8))において、この関係モデルに対して、今回選択された参照実績材の仕様を入力として出力された複数の材質評価点を選択するようにしてもよい。
本願開示の技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上記した実施形態は本願開示の技術を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、矛盾しない限りにおいて、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成で置き換え、ある実施形態の一部または全部の構成に他の実施形態の一部または全部の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、構成の追加、削除、置換、統合、又は分散をすることが可能である。また、実施形態で示した構成および処理は、処理効率または実装効率に基づいて適宜分散、統合、または入れ替えることが可能である。
1:熱間圧延制御システム、2:上位システム、3:熱間圧延ライン、3:圧延ライン、4:圧延材、11:圧延設定装置、12:圧延制御装置、13:操業データ収集装置、14:データ保存装置、15:材質予測装置、16:圧延設定支援システム、31:粗圧延機、32:仕上げ圧延機、33:ROT冷却設備、34:巻取機、161:メモリ、162:演算部、163:データ保存部、164:入力部、165:出力部、165D1:参照実績材選択画面、165D2:材質評価点選択画面、165D3:圧延制御目標値編集画面、166:データ送受信部、167:データバス。

Claims (13)

  1. 被圧延材を圧延する際に圧延機に設定する制御目標値の決定を支援する圧延設定支援システムであって、
    前記被圧延材と仕様が類似する参照実績材の材質が圧延方向に渡って目標仕様を満足するかを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記材質が前記目標仕様を満足しないと判定された場合に、前記制御目標値の決定の際に用いる前記材質の評価を算出する材質評価点を、前記参照実績材の前記圧延方向の点の中から複数選択する評価点選択部と
    を有することを特徴とする圧延設定支援システム。
  2. 請求項1に記載の圧延設定支援システムであって、
    前記評価点選択部は、前記参照実績材の仕様と、過去に選択された前記参照実績材の前記材質評価点との関係モデルを学習し、該関係モデルに対して、今回選択された前記参照実績材の仕様を入力として出力された複数の前記材質評価点を選択する
    ことを特徴とする圧延設定支援システム。
  3. 請求項1に記載の圧延設定支援システムであって、
    前記圧延機によって過去に圧延された実績材の中から前記被圧延材と仕様が類似する類似実績材を選択する類似実績材選択部と、
    1つ以上の前記類似実績材の中から前記参照実績材を選択する参照実績材選択部と
    を有することを特徴とする圧延設定支援システム。
  4. 請求項3に記載の圧延設定支援システムであって、
    前記制御目標値を編集する編集画面を表示する制御目標値編集部
    を有することを特徴とする圧延設定支援システム。
  5. 請求項4に記載の圧延設定支援システムであって、
    前記制御目標値編集部によって編集された前記制御目標値と、前記参照実績材を圧延した際の前記圧延機の操業条件を示す操業データとから、該制御目標値に基づいて前記圧延機を操業して前記参照実績材を圧延する場合の前記圧延機の操業条件を示す仮想操業データを作成する仮想操業データ作成部と、
    前記仮想操業データに基づいて前記材質評価点における前記材質を予測する材質予測部と
    を有することを特徴とする圧延設定支援システム。
  6. 請求項5に記載の圧延設定支援システムであって、
    前記判定部は、
    前記材質予測部によって予測された前記材質が前記目標仕様を満足するか否かを判定し、
    前記判定部によって前記材質が前記目標仕様を満足すると判定された場合に、前記仮想操業データを作成した際の前記制御目標値を前記圧延機に設定する前記制御目標値と決定し出力する制御目標値出力部
    を有することを特徴とする圧延設定支援システム。
  7. 請求項6に記載の圧延設定支援システムであって、
    前記判定部によって前記材質が前記目標仕様を満足すると判定されるまで、
    前記評価点選択部が、複数の前記材質評価点を選択し、
    前記制御目標値編集部が、前記制御目標値の編集を受け付け、
    前記仮想操業データ作成部が、前記制御目標値編集部によって編集された前記制御目標値に基づいて前記仮想操業データを作成し、
    前記材質予測部が、前記仮想操業データ作成部によって作成された前記仮想操業データに基づいて、前記評価点選択部によって選択された複数の前記材質評価点における前記材質を予測する
    ことを特徴とする圧延設定支援システム。
  8. 被圧延材を圧延する際に圧延機に設定する制御目標値の決定を支援する圧延設定支援システムが実行する圧延設定支援方法であって、
    前記被圧延材と仕様が類似する参照実績材の材質が圧延方向に渡って目標仕様を満足するかを判定する判定工程と、
    前記判定工程によって前記材質が前記目標仕様を満足しないと判定された場合に、前記制御目標値の決定の際に用いる前記材質の評価を算出する材質評価点を、前記参照実績材の前記圧延方向の点の中から複数選択する評価点選択工程と
    を有することを特徴とする圧延設定支援方法。
  9. 請求項8に記載の圧延設定支援方法であって、
    前記圧延機によって過去に圧延された実績材の中から前記被圧延材と仕様が類似する類似実績材を選択する類似実績材選択工程と、
    1つ以上の前記類似実績材の中から前記参照実績材を選択する参照実績材選択工程と
    を有することを特徴とする圧延設定支援方法。
  10. 請求項9に記載の圧延設定支援方法であって、
    前記制御目標値を編集する編集画面を表示する制御目標値編集工程
    を有することを特徴とする圧延設定支援方法。
  11. 請求項10に記載の圧延設定支援方法であって、
    前記制御目標値編集工程によって編集された前記制御目標値と、前記参照実績材を圧延した際の前記圧延機の操業条件を示す操業データとから、該制御目標値に基づいて前記圧延機を操業して前記参照実績材を圧延する場合の前記圧延機の操業条件を示す仮想操業データを作成する仮想操業データ作成工程と、
    前記仮想操業データに基づいて前記材質評価点における前記材質を予測する材質予測工程と
    を有することを特徴とする圧延設定支援方法。
  12. 請求項11に記載の圧延設定支援方法であって、
    前記判定工程は、
    前記材質予測工程によって予測された前記材質が前記目標仕様を満足するか否かを判定し、
    前記判定工程によって前記材質が前記目標仕様を満足すると判定された場合に、前記仮想操業データを作成した際の前記制御目標値を前記圧延機に設定する前記制御目標値と決定し出力する制御目標値出力工程
    を有することを特徴とする圧延設定支援方法。
  13. 請求項12に記載の圧延設定支援方法であって、
    前記判定工程によって前記材質が前記目標仕様を満足すると判定されるまで、
    前記評価点選択工程によって、複数の前記材質評価点を選択し、
    前記制御目標値編集工程によって、前記制御目標値の編集を受け付け、
    前記仮想操業データ作成工程によって、前記制御目標値編集工程によって編集された前記制御目標値に基づいて前記仮想操業データを作成し、
    前記材質予測工程が、前記仮想操業データ作成工程によって作成された前記仮想操業データに基づいて、前記評価点選択工程によって選択された複数の前記材質評価点における前記材質を予測する
    ことを特徴とする圧延設定支援方法。
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