JP2002171042A - Ledユニット及びその製造方法 - Google Patents

Ledユニット及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、最小限の工程で効率よくスルーホ
ールを半田で塞ぐことにより、汎用性及び信頼性に優れ
たLEDユニットを提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のLEDユニットは、プリント配
線板上に複数のLEDを少なくとも備えたものであり、
プリント配線板はスルーホールを有すると共に、少なく
ともLEDを備えた表示面側が半田により塞がれてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板上
に複数のLEDを有したフルカラー、マルチカラー、又
は単色の表示が可能なLEDユニットに係わり、特に、
汎用性及び信頼性を向上させたLEDユニットに係わ
る。
【0002】
【従来の技術】今日、RGB(赤色、緑色、青色)の各
色を発光可能なLED(発光ダイオード)や、白色を高
輝度に発光可能なLEDが開発された結果、複数のLE
Dを配列して構成されるLED表示装置が様々な分野に
応用されつつある。このLED表示装置は、例えば、電
球と比較して極めて寿命が長く、高効率、かつ振動にも
強いため、これらの特性を活かして、広告、行き先案内
や道路情報等の表示用、信号機の光源、フルカラー表示
が可能な小型乃至大型ディスプレイ等として用いられて
きている。
【0003】ここで、単色発光が可能なLED表示装置
は、所望の色が発光可能な単色発光のLEDを近接させ
て配置した構造を有している。また、フルカラーやマル
チカラー表示が可能なLED表示装置においては、RG
B等がそれぞれ発光可能な複数のLEDを近接させて配
置し混色により1画素として利用するか、或いは1つの
筐体内にRGB等がそれぞれ発光可能な複数のLEDチ
ップを配置したLEDを1画素として利用している。ま
た、LED表示装置は、樹脂製等の筐体内に複数のLE
Dを配置させたLEDクラスタ或いはLEDを駆動させ
るための回路と共に筐体内に複数のLEDを配置させた
LEDユニットを複数組み合わせることにより構成され
る。
【0004】また、LEDやIC(集積回路)等を配置
及び各導体パターンに接続するためのプリント配線板に
は、片面、両面或いは多層に導体パターンが形成された
片面板、両面板或いは多層板等があり、通常、両面板乃
至多層板には、LED等の部品の取り付けるためのスル
ーホールである部品穴の他に、各層を接続するためのス
ルーホールであるバイアホールを有している。ここで、
一般に、バイアホールの直径は、部品穴の直径に比較し
て小さい。
【0005】一方、屋外にて使用されるLEDユニット
には、表示面側に、シリコーンゴム等からなる封止材を
充填したものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在で
は、LEDユニット自体の性能をより向上させると共
に、より汎用性及び信頼性の高いLEDユニットが強く
求められている。
【0007】すなわち、前述したように、プリント配線
板には部品穴の他に、バイアホールを備えるものがあ
る。例えばランプタイプLEDを部品穴に挿入し接続す
る用場合、通常、噴流乃至静止ディップ槽等を用いるフ
ロー半田方式により、LEDを備える表示面側と反対の
側となる半田面側でプリント配線板に接続及び固定され
るので、最終的にはランプタイプLEDが挿入された部
品穴を塞ぐことができる。しかしながら、このフロー半
田方式のみでは、使用しない部品穴や、比較的直径の小
さいバイアホールを完全に塞ぐことはできなかった。
【0008】また、屋外にて使用されるLEDユニット
には、雨水等の侵入を防止するために、表示面側に封止
材を充填したものがある。ここで、スルーホールを備え
たプリント配線板の表示面側に封止材を充填する場合、
通常封止材は充填し易くするために粘度が比較的低いた
めに、スルーホールから封止材が漏れる可能性があっ
た。これにより、LEDユニットの表示面側に封止材を
充填しようとしても、実際には所望の深さまで充填でき
ずに、作業効率が著しく低下するという問題があった。
【0009】また、プリント配線板を製造する際、例え
ば酸性等の洗浄液を用いることがある。通常、その洗浄
液は別の工程で洗い流されるが、部品穴乃至バイアホー
ルとなるスルーホールにおける導体パターンに洗い残し
が生じる場合があった。これにより、導体パターンが腐
食してしまうという可能性があった。一方、スルーホー
ルはプリント配線板に穴が開けられた後にその露出部を
銅メッキ等することにより形成されるが、銅メッキの膜
厚は25〜35μm程度であり非常に薄い。ここで、急
激な電流の変化を与えると銅メッキが切断されてしまう
という問題があった。
【0010】そこで、本発明は、最小限の工程で効率よ
く貫通穴であるスルーホールを半田で塞ぐことにより、
汎用性及び信頼性に優れたLEDユニットを提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のLEDユニット
は、プリント配線板上に複数のLEDを少なくとも備え
たものであり、プリント配線板は貫通穴となるスルーホ
ールを有すると共に、少なくともLEDを備えた表示面
側が半田により塞がれている。このように構成すること
により、スルーホールが劣化し、導電不良が生じること
を効率よく防止することができる。また、導電体の体積
が増すので急激な電流の変化に対する耐久性も向上す
る。
【0012】また、スルーホールの直径は、0.2mm
以上0.8mm以下とすることができる。このように構
成することにより、表示面側のスルーホールを半田によ
り効率よく塞ぐことができる。
【0013】また、プリント配線板は、少なくともLE
Dを備えた表示面側に、さらにLEDを駆動させるため
の電子部品を備えることができる。このように構成する
ことにより、1枚のプリント配線板を用いて、複数のL
EDを配置するだけでなく、それらを駆動させることが
できる。これにより、LEDユニット自体を薄くするこ
とができると共に、軽量化も可能となる。
【0014】また、本発明のLEDユニットは、少なく
ともLEDを備えた表示面側に封止材を充填することが
できる。このように構成することにより、本発明のLE
Dユニットにおけるスルーホールの少なくとも表示面側
は半田により塞がれているので、表示面側に封止材を充
填する際にプリント配線板に形成されたスルーホールか
ら封止材が漏るのを効率よく防止することができる。
【0015】また、本発明のLEDユニットの製造方法
は、プリント配線板にスルーホールを形成する第1の工
程と、リフロー半田方式によりLEDを備えた表示面側
のスルーホールを塞ぐ第2の工程と、を含む。このよう
にすることにより、プリント配線板における表示面側の
スルーホールを半田により容易に塞ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のLEDユニットにおける
プリント配線板は、スルーホールの少なくとも表示面側
が半田により塞がれている。また、本発明のLEDユニ
ットを屋外にて使用する場合、雨水等の侵入を防止する
ために、表示面側にシリコーンゴム等からなる封止材を
充填することができる。
【0017】本発明のLEDユニットに使用することが
できるLEDとしては、ランプタイプLEDやチップタ
イプLED等がある。なお、本発明においては、チップ
タイプLEDよりも封止材をより多く必要とするランプ
タイプLEDを用いる場合に特に有効である。また、本
発明において用いることができるプリント配線板は、貫
通穴となるスルーホールを備えていればよく、特に限定
されない。また、本発明においてプリント配線板に配置
されるLEDを駆動させるための電子部品は特に限定さ
れず、IC(集積回路)、抵抗器、コンデンサー等全て
のものを使用することができる。ここで、これら電子部
品は、部品穴に直接挿入し接続するものと、プリント配
線板上の導体パターンに配置する所謂表面実装型のもの
があり、本発明には双方の電子部品を用いることができ
る。
【0018】また、一般にリフロー半田方式とは、半田
粒とフラックスを混練したペースト半田、所謂クリーム
半田を印刷等により所望の位置に塗布し、IC等の表面
実装が可能な電子部品をプリント配線板の所望の位置に
配置してから全体又は部分的に加熱することにより、半
田を溶融し部品を導体パターンに接続することを言う。
ここで、本発明は、リフロー半田方式を用いて、部品を
導体パターンに接続するだけでなく、所望の位置が開口
した特殊なメタルマスクを用いて使用しない部品穴乃至
バイアホール及びその周縁部にもクリーム半田を配置
し、加熱することにより溶解させてスルーホールを塞ぐ
というものである。さらに、スルーホールを塞ぐ方法は
様々考えられるが、本発明におけるLEDユニットにお
いては、リフロー半田方式を用いることにより、簡単に
スルーホールを塞ぐことができる。特に、表示面側にL
EDと共に表面実装が可能な電子部品が配置されたLE
Dユニットの場合、プリント配線板に電子部品を接続す
る工程とスルーホールを塞ぐ工程とを同時に行うことが
できる。すなわち、最小限の工程数で効率よく本発明の
LEDユニットを製造することができる。さらに、ラン
プタイプLEDを用いる場合、最終的には、表示面と反
対の側でフロー半田方式によりプリント配線板に接続及
び固定されるため、表示面と反対の側における使用しな
い部品穴乃至バイアホールもある程度の確率で塞ぐこと
ができる。すなわち、スルーホールの表示面側とその反
対の側が、それぞれリフロー半田方式とフロー半田方式
により塞がれることにより、より完全にスルーホールを
塞ぐことができる。
【0019】また、部品穴乃至バイアホールの直径は様
々であるが、本発明者等の実験によるとその直径が0.
2mm以上0.8mm以下になると、プリント配線板と
半田との接触面積がより小さくなるので、フロー半田方
式だけではスルーホールを完全に塞ぐことができない傾
向にある。すなわち、本発明においては、フロー半田方
式だけではスルーホールを塞ぐことができない直径0.
2mm以上0.8mm以下、より好ましくは0.2mm
以上0.6mm以下の範囲において特に効果的である。
【0020】
【実施例】図1に、本発明におけるLEDユニット1の
実施例を示す。本実施例においては、RGBをそれぞれ
発光可能な3種類のランプタイプLED3を1画素とし
て用いた。また、LEDユニット1に用いたプリント配
線板2は、図2に示すようにランプタイプLEDを取り
付けるための部品穴5と各層を接続するためのバイアホ
ール6を備える。なお、本実施例においては、隣接する
4画素の略中央に各層を接続するためのバイアホール6
を備えるが、その位置、数は特に限定されない。また、
本実施例においては、リフロー半田方式によりバイアホ
ール6のみを塞いだが、本発明はこれに限定されず、例
えば使用しない部品穴等全てのスルーホールに適応させ
ることができる。
【0021】まず、プリント配線板2の表示面側に、I
C(集積回路)4における複数のリード部及びバイアホ
ール6及びその周縁部に対応する箇所が開口したメタル
マスクを用いて、それぞれの箇所にクリーム半田を塗布
する。ここで、クリーム半田の量はメタルマスクの開口
部の大きさ等を調整することにより、任意に決定するこ
とができる。次に、これをリフロー炉に移動し、加熱処
理することによりIC4を固定及び導体パターンに接続
すると共に、バイアホール6の表示面側を半田7により
塞ぐ。すなわち、リフロー半田方式により、1工程でI
C4の接続及びバイアホール6の閉塞を行うことができ
る。ここで、スルーホールめっき12が施されたバイア
ホール6は、図3に示すように表示面8側が半田7によ
り塞がれている。また、図3においてはスルーホール6
の表示面8側のみが半田7で塞がれているが、圧力をか
ける等によりスルーホール全体を半田で塞ぐこともでき
る。
【0022】次に、図4に示すようにLEDチップ(図
示せず)が封止されたレンズ部3aとリード部3bから
構成されたランプタイプLED3のリード部3bを表示
面側からそれぞれに対応する部品穴5に挿入し、表示面
と反対の側からフロー半田方式によりリード部3bと部
品穴5を接続及び固定する。これにより、部品穴5を表
示面と反対の側から塞ぐことができる。さらに、これを
樹脂からなる筐体(図示せず)内に配置することによ
り、LEDユニット1を形成した。ここで、LEDユニ
ット1におけるA−A部の拡大斜視図を図5に示す。
【0023】また、本発明のLEDユニットは、その表
示面側に雨水等の侵入を防止するための封止材を充填し
た場合に特に効果的である。すなわち、封止材は筐体内
に充填し易くするために、低粘度であることが好まし
い。しかしながら、この低粘度の封止材を塞がれていな
いスルーホールを有するプリント配線板上に充填する
と、スルーホールからこの封止材が漏れてしまう。そこ
で、筐体9内に配置しさらに図1に示すように部品穴5
及びバイアホール6が塞がれた本発明のLEDユニット
1を、図6に示すように、インナーフレーム10を装着
した後にさらに表示面側からシリコーンゴムからなる封
止材11を充填する。なお、図6は、LEDユニット1
にインナーフレーム10を装着した後に、さらに表示面
側から封止材11を充填した時における図1のA−A部
に相当するの拡大斜視図である。ここで、LEDユニッ
ト1におけるバイアホール6は少なくともその表示面側
が半田により塞がれているので、封止材11を注入する
際にバイアホール6から封止材11が漏るのを完全に防
ぐことができ、作業効率を大幅に向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1におけるLEDユニットの正面図で
ある。
【図2】 本発明に用いることができるプリント配線板
の一例である。
【図3】 図1における半田により塞がれたスルーホー
ルの拡大断面図である。
【図4】 実発明に用いることができるLEDの一例で
ある。
【図5】 図1におけるLEDユニットのA−A部の拡
大斜視図である。
【図6】 図1におけるLEDユニットに充填材を充填
した時のA−A部に相当する拡大斜視図である。
【符号の説明】
1・・・LEDユニット 2・・・プリント配線板 3・・・ランプタイプLED 3a・・・レンズ部 3b・・・リード部 4・・・IC 5・・・部品穴 6・・・バイアホール 7・・・半田 8・・・表示面 9・・・筐体 10・・・インナーフレーム 11・・・封止材 12・・・スルーホールめっき

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント配線板上に、複数のLEDを少
    なくとも備えたLEDユニットにおいて、 前記プリント配線板は貫通穴となるスルーホールを有
    し、 前記スルーホールは、少なくとも前記LEDを備えた表
    示面側が、半田により塞がれていることを特徴とするL
    EDユニット。
  2. 【請求項2】 前記スルーホールの直径は、0.2mm
    以上0.8mm以下であることを特徴とする請求項1に
    記載のLEDユニット。
  3. 【請求項3】 前記プリント配線板は、少なくともLE
    Dを備えた表示面側に、さらに前記LEDを駆動させる
    ための電子部品を備えることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のLEDユニット。
  4. 【請求項4】 前記LEDユニットは、少なくとも前記
    LEDを備えた表示面側に、封止材が充填されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至3に記載のLEDユニッ
    ト。
  5. 【請求項5】 プリント配線板上に、複数のLEDを少
    なくとも備えたLEDユニットの製造方法において、 前記プリント配線板にスルーホールを形成する第1の工
    程と、 リフロー半田方式により、前記スルーホールのLEDを
    備えた表示面側を塞ぐ第2の工程と、を含むことを特徴
    とするLEDユニットの製造方法。
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