JP2002170734A - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

金属化フィルムコンデンサ

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JP2002170734A
JP2002170734A JP2000365664A JP2000365664A JP2002170734A JP 2002170734 A JP2002170734 A JP 2002170734A JP 2000365664 A JP2000365664 A JP 2000365664A JP 2000365664 A JP2000365664 A JP 2000365664A JP 2002170734 A JP2002170734 A JP 2002170734A
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metallized
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Mitsuharu Maruyama
光晴 丸山
Seiichi Takahashi
誠一 高橋
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Okaya Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Okaya Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極膜を構成する金属が、水分と反応して金
属酸化物に変質することを防止して、電極面積の減少に
起因したコンデンサの静電容量の低下を生じることのな
い耐湿性に優れた金属化フィルムコンデンサの実現。 【解決手段】 一側辺に沿ってマージン部14が残される
ように、誘電体フィルム12の表面に金属材料より成る電
極膜16を蒸着して成る一対の金属化フィルム18を、それ
ぞれのマージン部14が反対側に配されるように積層巻回
してコンデンサ素子22を形成すると共に、該コンデンサ
素子22の両端面に電極材料を溶射して外部電極24を形成
して成る金属化フィルムコンデンサ10において、上記電
極膜16の表面に、金属アルコキシドを主成分とする水分
吸着層20を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は金属化フィルムコ
ンデンサに係り、特に、空気中の水分によって金属化フ
ィルムの電極膜が酸化することを防止できる耐湿性に優
れた金属化フィルムコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】図3及び図4に示すように、従来の金属
化フィルムコンデンサ80は、ポリプロピレンやポリエチ
レン等より成る誘電体フィルム82の表面に、それぞれア
ルミニウムや亜鉛等より成る電極膜84を10nm〜80nmの厚
さで蒸着させた一対の金属化フィルム86を積層した後
に、図示しない巻取機によって巻回して終端部を止着
し、これに加熱及び加圧処理を施してコンデンサ素子88
を形成し、該コンデンサ素子88の両端面に金属材料を溶
射して外部電極(メタリコン電極)90を形成して成る。
上記誘電体フィルム82の表面には、一方の側辺に沿って
所定の幅でマージン部92(電極膜84に覆われない部分)
が確保されている。また、他方の誘電体フィルム82の表
面にも、上記とは反対側の側辺に沿って同様のマージン
部92が確保されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の金属化フィ
ルムコンデンサ80にあっては、電極膜を構成するアルミ
ニウムや亜鉛等の金属が、空気中の水分と反応して、絶
縁体である金属酸化物に変質してしまい、その分、電極
として機能する電極面積が減少し、コンデンサの静電容
量が低下するといった事態が生じていた。
【0004】本発明は、従来例の抱える上記の問題を解
決するために案出されたものであり、その目的とすると
ころは、電極膜を構成する金属が水分と反応して金属酸
化物に変質することを防止して、電極面積の減少に起因
したコンデンサの静電容量の低下を生じることのない耐
湿性に優れた金属化フィルムコンデンサの実現にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る金属化フィルムコンデンサは、一側
辺に沿ってマージン部が残されるように、誘電体フィル
ムの表面に金属材料より成る電極膜を蒸着して成る複数
の金属化フィルムを、上記複数の金属化フィルム同士の
マージン部が反対側に配されるように積層し、又は積層
巻回してコンデンサ素子を形成すると共に、該コンデン
サ素子の両端面に電極材料を溶射して外部電極を形成し
て成る金属化フィルムコンデンサにおいて、少なくとも
上記電極膜の表面に、金属アルコキシドを主成分とする
水分吸着層を形成したことを特徴とする。
【0006】本発明においては、電極膜の表面に、水分
と反応して加水分解・縮合反応を生じる金属アルコキシ
ドを主成分とする水分吸着層を形成した結果、空気中の
水分は、電極膜を構成する金属より反応性が良好な上記
金属アルコキシドと反応することとなるので、電極膜を
構成する金属が、水分と反応して絶縁体である金属酸化
物に変質することを防止できる。この結果、電極膜にお
いて電極として機能する電極面積の減少を生じることが
なく、コンデンサの静電容量の低下を防止することがで
きる。
【0007】上記金属アルコキシドとしては有機オキシ
シランが該当し、この有機オキシシランとしては、テト
ラエトキシシランが好適である。上記水分吸着層をテト
ラエトキシシランを主成分として構成した場合には、こ
のテトラエトキシシランは、水分と反応して加水分解・
縮合を繰り返した後、ゾル状のガラス前駆体とエタノー
ルを生成する。このガラス前駆体は酸化物であるが、電
極膜の表面に非常に薄い層で存在するため、量子力学的
なトンネル効果によって電子伝導は十分に可能であり、
コンデンサの通電時における電流の妨げとなることはな
い。また、生成されるエタノールは、水分を取り込む性
質を備えているため、水分をエタノールによって保持す
ることができ、電極膜へ水分が拡散することを防ぐこと
ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る金属化フィル
ムコンデンサ10を図1及び図2に基づいて説明する。本
発明に係る金属化フィルムコンデンサ10は、ポリプロピ
レンやポリエチレン等より成る一対の誘電体フィルム12
の表面に、その一側辺に沿ってマージン部14が残される
ように、アルミニウムや亜鉛などの金属材料より成る電
極膜16を10nm〜80nmの厚さで蒸着して一対の金属化フィ
ルム18を形成すると共に、上記電極膜16の表面に、金属
アルコキシドを主成分とする水分吸着層20を形成し、さ
らに上記一対の金属化フィルム18のそれぞれのマージン
部14が反対側に配されるように積層した後(図1)、図
示しない巻取機によって巻回して終端部を止着し、これ
に加熱及び加圧処理を施してコンデンサ素子22を形成
し、該コンデンサ素子22の両端面に、丹銅や半田等の金
属材料を溶射して外部電極(メタリコン電極)24を形成
して成る。
【0009】上記水分吸着層20の主成分である金属アル
コキシドとしては、テトラエトキシシラン(Tetraethox
ysilane、TEOSとも称される)、テトラメトキシシ
ラン(Tetramethoxysilane、TMOSとも称される)、
エチルトリエトキシシラン(Ethyltriethoxysilane)等
の有機オキシシランが該当する。上記水分吸着層20は、
TEOS溶液等の金属アルコキシドを含浸させた布や紙
等で、電極膜16表面を拭った後、大気中で数分間乾燥さ
せることにより形成可能である。また、TEOS溶液等
の金属アルコキシド溶液中に、金属化フィルム18或いは
巻回後のコンデンサ素子22を含浸させた後、乾燥させる
ことによっても、上記水分吸着層20を形成可能である。
尚、この場合には、電極膜16表面以外の誘電体フィルム
表面12にも上記水分吸着層20が形成されることとなる
が、コンデンサの特性劣化を生じることはない。
【0010】以下において、電極膜16の表面に、テトラ
エトキシシラン(TEOS、Si(OC)を
主成分とする水分吸着層20を形成した場合を例に挙げ
て、電極膜16の酸化が防止される仕組みについて説明す
る。空気中の水分が、電極膜16表面の水分吸着層20に付
着すると、水分吸着層20を構成するテトラエトキシシラ
ンは、以下に示す加水分解反応を生じる。 Si(OC2H5)4+H2O→Si(OC2H5)3(OH)+C2H5OH Si(OC2H5)3(OH)+H2O→Si(OC2H5)2(OH)2+C2H5OH Si(OC2H5)2(OH)2+H2O→Si(OC2H5)(OH)+C2H5OH Si(OC2H5)(OH)+H2O→Si(OC2H5)+C2H5OH また、以下に示す縮合反応を生じる。
【化1】
【0011】上記の通り、電極膜16の表面に、テトラエ
トキシシランを主成分とする水分吸着層20が形成されて
いると、空気中の水分は、電極膜16を構成する金属より
反応性が良好なテトラエトキシシランと反応することと
なるので、水分吸着層20の下に形成されている電極膜16
を構成する金属が、水分と反応して絶縁体である金属酸
化物に変質することを防止できる。この結果、電極膜16
において電極として機能する電極面積の減少を生じるこ
とがなく、コンデンサ10の静電容量の低下を防止するこ
とができる。
【0012】上記テトラエトキシシランは、水分と反応
して上記の加水分解・縮合反応を繰り返し、ゾル状のガ
ラス前駆体(SiO)とエタノール(COH)
を生成することとなる。上記ガラス前駆体は、水分を多
く含むため流動性を有している。また、このガラス前駆
体は酸化物であるが、電極膜16の表面に非常に薄い層で
存在するため、量子力学的なトンネル効果によって電子
伝導は十分に可能であり、コンデンサの通電時における
電流の妨げとなることはない。また、上記エタノール
は、水分を取り込む性質を備えているため、水分をエタ
ノールによって保持することができ、電極膜へ水分が拡
散することを防ぐことができる。
【0013】本発明者は、長さ120mm、幅25mm
の一対の金属化フィルム18を用い、上記テトラエトキシ
シランを主成分とする水分吸着層20を形成したコンデン
サ10と、水分吸着層20を形成しないコンデンサの2つを
用意し、これらを気温85度、湿度75%の雰囲気中に
おいて、AC300Vの電圧を印加した状態で、電極膜
16の金属酸化の様子を観察する実験を行った。その結
果、水分吸着層20を形成しないコンデンサでは、3分間
で電極膜16の面積の90%以上に金属酸化が見られた
が、水分吸着層20を形成したコンデンサ10は、1時間経
過しても電極膜16の面積の5%未満の金属酸化しか見ら
れなかった。このように、テトラエトキシシランを主成
分とする水分吸着層20を形成したコンデンサ10は、高温
多湿の雰囲気中で使用されても、電極膜16を水分による
金属酸化から十分に保護することが可能であり、耐湿性
に優れたコンデンサ10を実現できる。
【0014】上記においては、テトラエトキシシラン
(TEOS)を主成分とする水分吸着層20を構成した場
合を例に挙げて、電極膜16の酸化が防止される仕組みに
ついて説明したが、他の有機オキシシラン(テトラメト
キシシランやエチルトリエトキシシラン等)やケイ素以
外の金属を金属種とする他の金属アルコキシドを主成分
として上記水分吸着層20を構成した場合にも、上記有機
オキシシランや金属アルコキシドが、空気中の水分と加
水分解・縮合反応を生じるので、電極膜16を構成する金
属が、水分と反応して絶縁体である金属酸化物に変質す
ることを防止できる。この結果、電極膜16において電極
として機能する電極面積の減少を生じることがなく、コ
ンデンサ10の静電容量の低下を防止可能である。
【0015】また、上記においては、一対の金属化フィ
ルム18を積層後、巻回してコンデンサ素子22を形成する
巻回型のコンデンサについて説明したが、複数枚の金属
化フィルムを、それぞれのマージン部が反対側に配され
るように交互に積層してコンデンサ素子を形成する積層
型のコンデンサについても、本発明は適用可能である。
【0016】
【発明の効果】本発明に係る金属化フィルムコンデンサ
にあっては、電極膜の表面に、水分と反応して加水分解
・縮合反応を生じる金属アルコキシドを主成分とする水
分吸着層を形成した結果、空気中の水分は、電極膜を構
成する金属より反応性が良好な上記金属アルコキシドと
反応することとなるので、電極膜を構成する金属が、水
分と反応して絶縁体である金属酸化物に変質することを
防止できる。この結果、電極膜において電極として機能
する電極面積の減少を生じることがなく、コンデンサの
静電容量の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属化フィルムコンデンサにおけ
る、一対の金属化フィルムの積層状態を示す断面図であ
る。
【図2】本発明に係る金属化フィルムコンデンサを示す
断面図である。
【図3】従来の金属化フィルムコンデンサにおける、一
対の金属化フィルムの積層状態を示す断面図である。
【図4】従来の金属化フィルムコンデンサを示す断面図
である。
【符号の説明】
10 金属化フィルムコンデンサ 12 誘電体フィルム 14 マージン部 16 電極膜 18 金属化フィルム 20 水分吸着層 22 コンデンサ素子 24 外部電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一側辺に沿ってマージン部が残されるよ
    うに、誘電体フィルムの表面に金属材料より成る電極膜
    を蒸着して成る複数の金属化フィルムを、上記複数の金
    属化フィルム同士のマージン部が反対側に配されるよう
    に積層し、又は積層巻回してコンデンサ素子を形成する
    と共に、該コンデンサ素子の両端面に電極材料を溶射し
    て外部電極を形成して成る金属化フィルムコンデンサに
    おいて、少なくとも上記電極膜の表面に、金属アルコキ
    シドを主成分とする水分吸着層を形成したことを特徴と
    する金属化フィルムコンデンサ。
  2. 【請求項2】 上記金属アルコキシドが、有機オキシシ
    ランであることを特徴とする請求項1に記載の金属化フ
    ィルムコンデンサ。
  3. 【請求項3】 上記有機オキシシランが、テトラエトキ
    シシランであることを特徴とする請求項2に記載の金属
    化フィルムコンデンサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106449098A (zh) * 2016-11-16 2017-02-22 深圳圣融达科技有限公司 一种多层串联的双面金属化薄膜电容器
CN111627696A (zh) * 2020-06-17 2020-09-04 桂林理工大学 一种无间隙层叠式薄膜电容器的制备工艺

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