JP2010062411A - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車用分野等に使用される金属化フィルムコンデンサに関し、耐湿性の向上と自己回復機能の安定化を両立することを目的とする。
【解決手段】誘電体フィルム1の幅方向の一端に絶縁マージン3を長手方向に連続して設け、この絶縁マージン3を除く部分に金属蒸着電極2を形成し、この金属蒸着電極2上に非晶質炭素膜からなる保護膜5を形成した金属化フィルムを用いた構成により、非晶質炭素膜はダイヤモンドを構成するsp3結合とグラファイトを構成するsp2結合を併せ持つアモルファス構造で、柔軟性のある緻密な膜が形成されるため、有機系オイルの保護膜よりも被覆性が良好で耐湿性、耐食性が向上し、また、無機系金属酸化物の保護膜より薄くても耐食性改善効果があるために自己回復機能を低下させることがなく、耐湿性、耐食性の向上と、自己回復機能、自己保安機構の動作性の安定化を両立できる。
【選択図】図1

Description

本発明は各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に使用され、特に、ハイブリッド自動車のモータ駆動用インバータ回路の平滑用、フィルタ用、スナバ用に最適な金属化フィルムコンデンサに関するものである。
近年、環境保護の観点から、あらゆる電気機器がインバータ回路で制御され、省エネルギー化、高効率化が進められている。中でも自動車業界においては、電気モータとエンジンで走行するハイブリッド車(以下、HEVと呼ぶ)が市場導入される等、地球環境に優しく、省エネルギー化、高効率化に関する技術の開発が活発化している。
このようなHEV用の電気モータは使用電圧領域が数百ボルトと高いため、このような電気モータに関連して使用されるコンデンサとして、高耐電圧で低損失の電気特性を有する金属化フィルムコンデンサが注目されており、更に市場におけるメンテナンスフリー化の要望からも極めて寿命が長い金属化フィルムコンデンサを採用する傾向が目立っている。
そして、このような金属化フィルムコンデンサは、一般に金属箔を電極に用いるものと、誘電体フィルム上に設けた蒸着金属を電極に用いるものとに大別される。中でも、蒸着金属を電極(以下、金属蒸着電極と呼ぶ)とする金属化フィルムコンデンサは、金属箔のものに比べて電極の占める体積が小さく小型軽量化が図れることと、金属蒸着電極特有の自己回復機能(絶縁欠陥部で短絡が生じた場合に、短絡のエネルギーで欠陥部周辺の金属蒸着電極が蒸発・飛散して絶縁化し、コンデンサの機能が回復する性能)により絶縁破壊に対する信頼性が高いことから、従来から広く用いられているものである。
図3はこの種の従来の金属化フィルムコンデンサの構成を示した断面図、図4は同金属化フィルムコンデンサに使用される第1蒸着電極の平面図、図5は同第2蒸着電極の平面図であり、図3〜図5において、11はポリプロピレンフィルム等の誘電体フィルム13の片面上にアルミニウムを蒸着した第1蒸着電極であり、この第1蒸着電極11は、容量形成部11aと、メタリコン部15とのコンタクト部11bから構成され、かつ、図4に示すように、分割スリット16により四角形の格子状に分割された分割電極19と、各分割電極19を並列接続するヒューズ17とを有するものである。
また、12はポリプロピレンフィルム等の誘電体フィルム18の片面全体にアルミニウムを蒸着した第2蒸着電極であり、この第2蒸着電極12は、容量形成部12aと、メタリコン部15とのコンタクト部12bから構成され、分割スリットは有しておらず、かつ、第2蒸着電極12の容量形成部12aの膜抵抗値は、図3に示すように膜厚を第1蒸着電極11aより薄くして第1蒸着電極11aの膜抵抗値よりも高く設定しているものである。なお、14は絶縁マージンである。
このように構成された従来の金属化フィルムコンデンサは、第2蒸着電極12の容量形成部12aの膜抵抗値を、第1蒸着電極11の容量形成部11aの膜抵抗値よりも高くすることにより、容量減少の小さい金属化フィルムコンデンサを実現することができるというものであった(特許文献1)。
また、図6は上記図3に示した金属化フィルムコンデンサの蒸着電極の酸化や腐食を防止する目的で、表面にオイル保護膜を形成する製造装置のオイル保護膜形成部近傍を拡大した断面図であり、図6において、23aはフィルム23が走行する方向、24は蒸着膜、25はオイルタンク、26はオイル、27は加熱ヒータ、28はオイル蒸気、29は温度センサ、30は圧力センサ、31はノズル、32はオイル被膜を示し、このようにオイル保護膜形成部は、円筒状のオイルタンク25の内部にオイル26、加熱ヒータ27、温度センサ29および圧力センサ30が収納されているものである。
このように構成されたオイル保護膜形成部は、加熱ヒータ27により加熱されたオイル26がオイル蒸気28となってノズル31から噴出し、矢印23aの方向へ走行するフィルム23に設けられた蒸着膜24の表面にオイル被膜32を形成するものである。なお、温度センサ29と圧力センサ30は、オイルタンク25内部の温度と圧力をモニタリングするものであり、特に圧力センサ30により、長尺のフィルムを金属化する場合であっても、蒸着中のオイル噴出量を一定に保ち、均一なオイル保護膜を形成することができるというものであった(特許文献2)。
特開2004−95604号公報 特許第3767505号公報
しかしながら上記従来の金属化フィルムコンデンサでは、金属化フィルムを構成する金属蒸着電極の酸化や腐食を防止して、耐湿性、耐食性を向上させる目的で、誘電体フィルム上に形成された金属蒸着電極の表面に有機系オイルからなる保護膜を形成する技術が一般に知られており、また、実際に利用されているものであるが、このようなオイル保護膜は、ある程度の耐湿性、耐食性の向上は図れるものの、過酷な使用環境から高い性能が要求される自動車用分野のコンデンサとしては十分ではなく、更なる性能向上が必要であるという課題があった。
従って、このような課題を解決する目的で、誘電体フィルム上に形成された金属蒸着電極の表面にAl23、SiO2等の無機系金属酸化物からなる保護膜を形成する技術が一般に知られており、また、実際に利用されているものであるが、このような無機系金属酸化物からなる保護膜は、高い耐湿性、耐食性を発揮することはできるものの、金属蒸着電極特有の自己回復機能や、金属蒸着電極に分割電極を設け、この分割電極をヒューズで接続することにより構成される自己保安機構の動作性が低下するという問題があるため、同様に自動車分野のコンデンサとしては採用できないという課題があった。
また、金属化フィルムコンデンサの分野ではないが、特開2002−225170号公報には、食品の長期保存や真空断熱パネルの真空保持などの用途に十分な高い気体遮蔽性を有するフィルムを提供することを目的として、樹脂フィルムの少なくとも一方の面に無機酸化物薄膜層または金属薄膜層が形成されてなり、さらにこの無機酸化物薄膜層または金属薄膜層の上に非晶質炭素膜層を形成した気体遮蔽性フィルムが開示されており、これにより、十分な気体遮蔽性能が得られ、かつ、この気体遮蔽性フィルムを用いることにより、長期の断熱性能を保持することができる真空断熱体を得ることができるということが記載されているものの、このような技術を金属化フィルムコンデンサに応用することが可能であるか否かについては、全く未知の状態であった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、耐湿性、耐食性の向上と、自己回復機能、自己保安機構の動作性の安定化を両立することが可能な、優れた性能の金属化フィルムコンデンサを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、誘電体フィルムの幅方向の一端側に非金属蒸着部からなる絶縁マージンを長手方向に連続して設け、この絶縁マージンを除く部分に金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した金属化フィルムを用いた構成にしたものである。
以上のように本発明による金属化フィルムコンデンサは、金属蒸着電極上に非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した構成により、非晶質炭素膜はダイヤモンドを構成するsp3結合とグラファイトを構成するsp2結合を併せ持つアモルファス構造で、柔軟性のある緻密な膜が形成されるものであるため、有機系オイルからなる保護膜よりも被覆性が良好なために耐湿性、耐食性が向上し、また、無機系金属酸化物からなる保護膜より薄くても耐食性改善効果があるために自己回復機能を低下させることがなくなり、これにより、耐湿性、耐食性の向上と、自己回復機能、自己保安機構の動作性の安定化を両立することができるようになるという効果が得られるものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1〜6に記載の発明について説明する。
図1は本発明の実施の形態1による金属化フィルムコンデンサの構成を示した断面図であり、図1において、1はポリプロピレンフィルム等からなる誘電体フィルム、2はこの誘電体フィルム1の片面上に一端の絶縁マージン3を除いてアルミニウムの金属を蒸着することにより形成された金属蒸着電極、4は上記絶縁マージン3と異なる側の端部に設けた低抵抗部であり、これにより金属化フィルムが形成されているものである。
なお、上記低抵抗部4は上記金属蒸着電極2を厚く形成することによって抵抗値を低くしたものであり、この低抵抗部4は金属蒸着電極2と同様にアルミニウムを用いて形成しても良いし、亜鉛を用いて形成しても良いものである。
また、上記金属蒸着電極2には、図示はしないが、上記背景技術の項で図4を用いて説明した金属化フィルムのように、分割電極と、この分割電極をヒューズで接続することにより構成される自己保安機構が設けられているものである。
5はこの金属化フィルムに形成された金属蒸着電極2ならびに低抵抗部4の表面に設けられた保護膜であり、この保護膜5は、一般にダイヤモンドライクカーボンと呼ばれるダイヤモンドを構成するsp3結合とグラファイトを構成するsp2結合を併せ持つアモルファス構造の非晶質炭素膜からなるものであり、金属化フィルムを一定方向に走行させながら真空中あるいは大気中で気相成膜させること等によって緻密な膜を形成することができるものである。また、非晶質炭素膜にホウ素、窒素、酸素、フッ素、ケイ素のいずれかの元素を含有させるには、非晶質炭素膜の気相成膜中にホウ素、窒素、酸素、フッ素、ケイ素のいずれかを含むガス状物質を導入することによって得ることができるものである。
また、このような保護膜5は、上記金属蒸着電極2を形成するアルミニウムの酸化や腐食を防止して耐湿性を向上させることを目的としており、特に、自動車用に使用されるコンデンサ等のような高抵抗(15〜50Ωが主体)のものは、金属蒸着電極2の厚みが薄い(5〜50nmが主体)ために有効なものであり、この保護膜5は絶縁マージン3を除く金属蒸着電極2の表面のみに形成されているものであり、マスク方式等の公知の方法を用いて、上記絶縁マージン3に保護膜5が付着しないようにしているものである。
そして、このように形成された金属化フィルムを一対とし、上記金属蒸着電極2が誘電体フィルム1を介して対向するように重ね合わせた状態で巻回し、両端面に亜鉛を溶射したメタリコン電極6を形成することによって本実施の形態による金属化フィルムコンデンサが構成されているものである。
このように構成された本実施の形態による金属化フィルムコンデンサの耐湿性、自己回復性を確認する目的で以下のサンプルを作製し、各サンプルの性能を評価した結果を(表1)に示す。
(実施例1)
厚みが4.0μmのポリプロピレンフィルム(以下、PPフィルムと呼ぶ)を誘電体フィルムとして用い、このPPフィルムに厚みが30nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが5.0nmの非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した。
(実施例2)
誘電体フィルムとして厚みが3.5μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが20nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが50.0nmの非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した。
(実施例3)
誘電体フィルムとして厚みが2.5μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが12nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが10.0nmの非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した。
(実施例4)
誘電体フィルムとして厚みが2.5μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが12nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが0.5nmの非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した。
(実施例5)
誘電体フィルムとして厚みが2.5μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが12nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが60.0nmの非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した。
(実施例6)
誘電体フィルムとして厚みが10.0μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが12nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが10.0nmの非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した。
(実施例7)
誘電体フィルムとして厚みが2.5μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが12nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが10.0nmのホウ素含有非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した。
(実施例8)
誘電体フィルムとして厚みが2.5μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが12nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが10.0nmの窒素含有非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した。
(実施例9)
誘電体フィルムとして厚みが2.5μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが12nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが10.0nmの酸素含有非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した。
(実施例10)
誘電体フィルムとして厚みが2.5μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが12nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが10.0nmのフッ素含有非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した。
(実施例11)
誘電体フィルムとして厚みが2.5μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが12nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが10.0nmのケイ素含有非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した。
(比較例1)
誘電体フィルムとして厚みが4.0μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが20nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが5.0nmの有機系オイルからなる保護膜を形成した。
(比較例2)
誘電体フィルムとして厚みが4.0μmのPPフィルムを用い、このPPフィルムに厚みが20nmの金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に厚みが10.0nmの無機系金属酸化物からなる保護膜を形成した。
なお、耐湿性試験は、85℃、85%RH環境下で500Vを連続印加し、コンデンサの容量変化率が−3%低下するまでの時間を測定した。また、自己回復性試験は、100℃の環境下で500V印加した場合の金属化フィルムの自己回復性の有無を確認した。
Figure 2010062411
(表1)から明らかなように、本実施の形態による金属化フィルムコンデンサは、金属蒸着電極2上に非晶質炭素膜からなる保護膜5を形成した構成により、非晶質炭素膜はダイヤモンドを構成するsp3結合とグラファイトを構成するsp2結合を併せ持つアモルファス構造で、柔軟性のある緻密な膜が形成され、比較例1の有機系オイルからなる保護膜よりも被覆性が良好なために耐食性が向上し、また、比較例2の無機系金属酸化物からなる保護膜より薄くても、ある程度の膜厚があれば耐食性改善効果があるために自己回復機能を低下させることがなくなり、これにより、耐湿性、耐食性の向上と、自己回復機能、自己保安機構の動作性の安定化を両立することができるようになるという格別の効果を奏することが分かるものである。また、比較例2の無機系金属酸化物からなる保護膜は結晶性が高いため、金属化フィルムコンデンサの自己回復機能を阻害しているものである。
なお、上記非晶質炭素膜からなる保護膜5の厚みは、好ましくは1nm〜1μmの範囲であるが、非晶質炭素膜からなる保護膜5を必要以上の厚みに形成した実施例5においては、自己回復性が低下するために好ましくないことが分かり、また、実施例4のように薄すぎると耐湿性が悪化することから、非晶質炭素膜からなる保護膜5の最適な厚みは5〜50nmの範囲であると言える。
また、本実施の形態による金属化フィルムコンデンサは、誘電体フィルム1の厚みや金属蒸着電極2の厚みに関係なく、耐湿性、耐食性の向上と、自己回復機能、自己保安機構の動作性の安定化を両立することができることから、誘電体フィルム1の厚みの好ましい範囲は1〜50μm、金属蒸着電極2の厚みの好ましい範囲は5〜100nmであるが、特に自動車用のコンデンサとして要求される小型軽量化と大容量化の観点からは、誘電体フィルム1の最適な厚みは1〜5μm、金属蒸着電極2の最適な厚みは5〜50nmの範囲であると言えるものである。
なお、本実施の形態においては、誘電体フィルム1としてPPフィルムを用いた構成を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイト(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の無機フィラーを含有した誘電体フィルムを用いることも可能なものであり、これらの誘電体フィルムを用いた場合でも同様の効果が得られるものである。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項7に記載の発明について説明する。
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1を用いて説明した金属化フィルムコンデンサに使用される金属化フィルムの構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて詳細に説明する。
図2は本発明の実施の形態2による金属化フィルムコンデンサの構成を示した断面図であり、図2において、7は上記実施の形態1と同様に形成された非晶質炭素膜からなる保護膜であり、この保護膜7は、金属蒸着電極2上ならびに絶縁マージン3上にも形成されたものである。
このように構成された本実施の形態による金属化フィルムコンデンサは、上記実施の形態1による金属化フィルムコンデンサにより得られる効果に加え、保護膜7を金属蒸着電極2上ならびに絶縁マージン3上にも形成した構成により、上記保護膜7を形成する際に、絶縁マージン3上に保護膜7が形成されないようにするためのマスキング等の作業が不用になり、これにより、作業工程の削減によるコストダウンを図ることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
なお、このような構成を実現するためには、上記非晶質炭素膜からなる保護膜7は非導電性のものを使用することが必要である。
本発明による金属化フィルムコンデンサは、耐湿性、耐食性の向上と、自己回復機能、自己保安機構の動作性の安定化を両立することができるという効果を有し、特に高い性能が要求される自動車分野等のコンデンサとして有用である。
本発明の実施の形態1による金属化フィルムコンデンサの構成を示した断面図 本発明の実施の形態2による金属化フィルムコンデンサの構成を示した断面図 従来の金属化フィルムコンデンサの構成を示した断面図 同金属化フィルムコンデンサに使用される第1蒸着電極の平面図 同金属化フィルムコンデンサに使用される第2蒸着電極の平面図 同金属化フィルムコンデンサに使用される金属化フィルムの表面にオイル保護膜を形成する製造装置のオイル保護膜形成部近傍を拡大した断面図
符号の説明
1 誘電体フィルム
2 金属蒸着電極
3 絶縁マージン
4 低抵抗部
5、7 保護膜
6 メタリコン電極

Claims (8)

  1. 誘電体フィルム上に金属蒸着電極を形成した金属化フィルムを一対とし、上記金属蒸着電極が誘電体フィルムを介して対向するように重ね合わせて巻回した素子と、この素子の両端面に金属溶射によって形成された一対のメタリコン電極からなる金属化フィルムコンデンサにおいて、上記金属化フィルムとして、誘電体フィルムの幅方向の一端側に非金属蒸着部からなる絶縁マージンを長手方向に連続して設け、この絶縁マージンを除く部分に金属蒸着電極を形成し、この金属蒸着電極上に非晶質炭素膜からなる保護膜を形成した金属化フィルムコンデンサ。
  2. 金属化フィルムを構成する金属蒸着電極に分割電極を設け、この分割電極をヒューズで接続することにより構成される自己保安機構を設けた請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  3. 金属化フィルムを構成する金属蒸着電極上に形成された非晶質炭素膜からなる保護膜が、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、ケイ素のいずれかの元素を含むものである請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  4. 金属化フィルムを構成する金属蒸着電極上に形成された非晶質炭素膜からなる保護膜の厚みが5〜50nmである請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  5. 金属化フィルムを構成する誘電体フィルムの厚みが1〜5μmである請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  6. 金属化フィルムを構成する金属蒸着電極の厚みが5〜50nmである請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  7. 金属化フィルムの一端側に設けた絶縁マージンと異なる側の端部に、金属蒸着電極を厚く形成して抵抗値を低くした低抵抗部を設けた請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  8. 金属化フィルムを構成する金属蒸着電極上に形成された非晶質炭素膜からなる保護膜が、絶縁マージンならびに金属蒸着電極上に形成された請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
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