JP2002168898A - 電源用半導体装置の温度特性検査方法 - Google Patents

電源用半導体装置の温度特性検査方法

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JP2002168898A JP2000369926A JP2000369926A JP2002168898A JP 2002168898 A JP2002168898 A JP 2002168898A JP 2000369926 A JP2000369926 A JP 2000369926A JP 2000369926 A JP2000369926 A JP 2000369926A JP 2002168898 A JP2002168898 A JP 2002168898A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単に製品検査を正しく行うことができる電
源用半導体装置の温度特性検査方法を提供する。 【解決手段】 電源IC1は、高精度電源回路2、記憶
素子3、その他の機能回路4から構成されている。電源
IC1の温度特性を検査するには、測定温度範囲(−4
0゜C〜110゜C)の最高温度(110゜C)におけ
る電源IC1からの出力電圧を記憶素子3に記憶する。
そして、基準室温(25゜C)における電源IC1から
の出力電圧を測定したときは、その出力電圧と記憶素子
3に記憶されている出力電圧との電圧差及び最高温度と
基準室温との温度差に基づいて測定温度範囲における出
力電圧の変動幅を予測し、その変動幅及び基準室温の出
力電圧が温度仕様を満足したときは電源IC1は良品で
あると判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源用半導体装置
からの出力電圧の温度特性を予測することを特徴とする
電源用半導体装置の温度特性検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】精度の高い直流電圧を出力する電源IC
の温度特性検査においては、所定の検査温度範囲におけ
る電源ICからの出力電圧の変動幅と、基準室温おける
電源ICの出力電圧との両方が所定の温度仕様を満足す
る必要がある。
【0003】ところが、各電源ICについてこのような
温度特性検査を実施して良否判定することは製作効率の
点から困難であることから、全ての電源ICの検査規格
を例えば5V±15mvと設定して絞り込み検査してい
た。つまり、図4に示すように仕様上限電圧と仕様下限
電圧との間に検査上限電圧と検査下限電圧とを設定し、
それらの出力電圧範囲に検査温度範囲全体にわたって電
源ICの出力電圧が収まった電源IC(サンプル1)を
合格として出荷するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示すサンプル2の電源ICに着目すると、温度特性を満
足しているにもかかわらず、高温測定における出力電圧
が検査上限電圧を上回っていることから、本来良品であ
るものが不良品と判断されてしまい、製品の歩留り低下
の要因となっている。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、簡単に製品検査を正しく行うことがで
きる電源用半導体装置の温度特性検査方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、電源用半導体装置の温度特性を検査するには、ま
ず、第1の測定を実行することにより所定の検査温度範
囲の最高温度若しくは最低温度において電源用半導体装
置から出力された出力電圧を測定して記憶手段に記憶す
る。続いて、第2の測定を実行することにより基準室温
において電源用半導体装置からの出力電圧を測定する。
【0007】そして、第2の測定による出力電圧と記憶
手段に記憶されている出力電圧との電圧差及び第1の測
定を実行したときの温度と基準室温との温度差を求め
る。この場合、第2の測定による出力電圧と記憶手段に
記憶されている出力電圧との電圧差は、検査温度範囲の
最高温度若しくは最低温度と基準室温とにおいて電源用
半導体からの出力電圧差を示している。また、第1の測
定を実行したときの温度と基準室温との温度差は、検査
温度範囲の最高温度若しくは最低温度と基準室温との温
度差を示している。従って、このようにして求めた電圧
差を温度差で除算して温度勾配を求めることにより、検
査温度範囲における電源用半導体からの出力電圧の変動
幅を求めることができるので、その変動幅及び基準室温
における出力電圧の何れもが所定の温度仕様を満足する
ときは電源用半導体装置は良品であると判断することが
できる。
【0008】請求項2の発明によれば、電源用半導体装
置の温度特性を検査するには、まず、第1の測定を実行
することにより基準室温において電源用半導体装置から
出力された出力電圧を測定して記憶手段に記憶する。続
いて、第2の測定を実行することにより所定の検査温度
範囲の最高温度若しくは最低温度において電源用半導体
装置から出力された出力電圧を測定する。
【0009】そして、第2の測定による出力電圧と記憶
手段に記憶されている出力電圧との電圧差及び第2の測
定を実行したときの温度と基準室温との温度差を求め
る。この場合、第2の測定による出力電圧と記憶手段に
記憶されている出力電圧との電圧差は、検査温度範囲の
最高温度若しくは最低温度と基準室温とにおいて電源用
半導体からの出力電圧差を示している。また、第2の測
定を実行したときの温度と基準室温との温度差は、検査
温度範囲の最高温度若しくは最低温度と基準室温との温
度差を示している。従って、このようにして求めた電圧
差を温度差で除算して温度勾配を求めることにより、検
査温度範囲における電源用半導体からの出力電圧の変動
幅を求めることができるので、その変動幅及び基準室温
における出力電圧の何れもが所定の温度仕様を満足する
ときは電源用半導体装置は良品であると判断することが
できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車両用電源ICに
適用した一実施の形態を図1乃至図3を参照して説明す
る。図1は車両のECU(Electronic Control Unit )
に搭載される電子回路用の電源ICの構成を概略的に示
している。この図1において、電源IC(電源用半導体
装置に相当)1は、高精度電源回路2、記憶素子(記憶
手段に相当)3、その他の機能回路4から構成されてお
り、高精度電源回路2は、車両用バッテリの電圧から高
精度な直流電圧を生成してECUを構成する各種電子回
路に出力する。記憶素子3は6ビットの消去可能なEP
ROMであり、外部から6ビットのデジタルデータを書
込んだり、読出し可能に構成されている。
【0011】ここで、電源IC1の製品仕様は、基準室
温(例えば25゜C)における出力電圧変動が5V±1
5mV、検査温度範囲(例えば−40〜110゜C)に
おける出力電圧変動が15mVに設定されており、斯様
な温度仕様を満足した電源IC1が良品として出荷され
る。
【0012】ところで、上記温度仕様を製品毎に検査す
ることは困難であることから、本実施の形態では、次の
ようにして製品の温度仕様を簡単に検査できるようにし
た。まず、第1の測定を実行する。つまり、所定の検査
温度範囲(−40゜C〜110゜C)の高温温度(11
0゜C)若しくは低温温度(−40゜C)の何れかの温
度における電源IC1の出力電圧を測定するもので、本
実施の形態では、高温測定結果の出力電圧を記憶素子3
に記憶する。
【0013】この場合、記憶素子3として必要な記憶容
量は次のようにして求めることができる。即ち、本実施
の形態における電源IC1の温度仕様は、基準室温25
゜Cにおける出力電圧の公差が±15mV、検査温度範
囲における温度勾配が0.1mV/゜C以内であるか
ら、電源IC1の基準室温における出力電圧が温度公差
の最高温度である5.015Vであると仮定した場合、
斯様な電源IC1が高温測定で良品となる最高電圧は、
0.1(mV/゜C)×(110−25)(゜C)=
0.0085(mV)に基づいて、5.015(V)+
0.0085(V)=5.0235(V)と求めること
ができる。また、電源IC1の基準室温における出力電
圧が温度公差の最低温度である4.985Vであると仮
定した場合、斯様な電源IC1が高温測定で良品となる
最低電圧は、温度勾配が0mV/゜Cであるとすると、
4.985Vとなる。従って、高温測定結果を記憶素子
3に記憶する場合は、記憶素子3としては4.985V
〜5.0235Vの電圧をデジタルで記録可能なものを
用いればよいことになる。この場合、高温測定時に斯様
な電圧範囲から外れた製品は不良品であると判断して次
の温度仕様の検査を行う必要はない。
【0014】尚、検査温度範囲の低温温度における電源
IC1の出力電圧を記憶素子3に記憶する場合は、電源
IC1の基準室温における出力電圧が温度公差の最低温
度である4.985Vであると仮定した場合、斯様な電
源ICが低温測定で良品となる最高電圧は、0.1(m
V/゜C)×(25−(−40)(゜C)=0.006
5(mV)に基づいて、4.985(V)−0.006
5(V)=4.9785Vと求めることができる。ま
た、電源IC1の基準室温における出力電圧が温度公差
の最高温度である5.015Vと仮定した場合、斯様な
電源IC1が低温測定で良品となる最低電圧は、温度勾
配が0mV/゜Cであるとすると、5.015Vとな
る。従って、低温測定結果を記憶素子3に記憶する場合
は、記憶素子3としては4.9785V〜5.015V
の電圧をデジタルで記録可能なものを用いればよいこと
になる。
【0015】さらに、検査温度範囲の高温温度若しくは
低温温度の何れでも記憶可能とするには、4.9785
V〜5.0235Vの電圧をデジタルで記憶可能なもの
を用いればよいことになる。
【0016】ここで、図2は、高温測定結果と、記憶素
子3に書込むデジタルデータと、読出したときの電圧値
との関係を示している。この図2に示すように高温測定
結果が例えば5.0082Vであった場合は、記憶素子
3に「001001」と書込む。
【0017】次に、上述した第1の測定による高温測定
結果が良品であると判断された製品に関して、第2の測
定を実行する。つまり、基準室温(25゜C)における
電源ICからの出力電圧を測定し、測定が終了したとき
は、記憶素子3に予め記憶してある高温測定結果を読取
る。この場合、高温測定結果を5.0082Vとして記
憶した記憶素子3から読出した高温測定結果は図2に示
すように5.009Vとなり、基準室温時における出力
電圧は5.0011Vであるから、温度勾配は、(5.
009(V)−5.0011(V))/(110(゜
C)−25(゜C))=0.093(mV/゜C)とな
る。従って、温度勾配が0.093mV/゜Cであるこ
とに基づいて検査温度範囲における出力電圧の変動幅は
0.093(mV/゜C)×150(゜C)=13.9
5(mV)と予測できるので、検査温度範囲での変動量
15mV以下を保証することができ、製品として合格と
なる。
【0018】同様にして、記憶素子3に低温測定結果を
記憶した場合は、その低温測定結果と基準室温における
電源IC1の出力電圧とに基づいて検査温度範囲におけ
る出力電圧の変動幅を予測することにより製品の良否を
判断することができる。
【0019】ところで、記憶素子3が6ビットの場合
は、上述したように記憶素子3に記憶した高温測定結果
(5.0082V)を読出したときは5.009Vとな
り、大きな誤差は生じないものの、記憶素子3が5ビッ
トの場合は、記憶素子3に記憶した高温測定結果(5.
0082V)を読出したときは、図2に示すように5.
010Vとなってしまう。このため、上記電源IC1の
温度変動幅は、(5.010(V)−5.0011
(V))/(110(゜C)−25(゜C))に基づい
て0.104mV/゜Cとなり、検査温度範囲における
出力電圧の変動幅を0.104(mV/゜C)×150
(゜C)=16.1(mV)と予測することができる。
このため、全温度範囲での変動量15mV以下を保証す
ることができなくなり、本来良品と判断されるべき製品
が不良品と判断されてしまう。
【0020】しかるに、記憶素子3から読出したデータ
の信頼性を担保するには、アナログデータとデジタルデ
ータとの変換時に誤差が大きく生じないように変換精度
を高くすることが重要であり、斯様な変換精度の向上に
は記憶素子3として大きなビット数のもとを用いること
が必要である。
【0021】このような本実施の形態によれば、電源I
C1の温度特性を検査する際に、電源IC1に設けられ
た記憶素子3に高温測定時における電源IC1の出力電
圧を記憶しておき、基準室温測定時における電源IC1
の出力電圧を測定した際に、その出力電圧と記憶素子3
に記憶した出力電圧とに基づいて温度測定範囲における
出力電圧の変動幅を予測することにより製品の合否を判
断するようにしたので、検査上限及び検査下限を設けて
絞り込み検査を行っている従来方法に比較して、製品の
検査精度が向上して歩留まりを高めることができる。
【0022】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のではなく、次のように変形または拡張できる。基準室
温における電源IC1の出力電圧を記憶素子3に記憶し
ておき、高温測定若しくは低温測定における電源IC1
からの出力電圧を測定した際に、その出力電圧と記憶素
子3に記憶されている出力電圧とに基づいて製品の合否
を判断するようにしてもよい。
【0023】高温測定若しくは低温測定時に電源IC1
から温度仕様を満足する適正な出力電圧を出力した製品
のみの出力電圧を記憶するのではなく、温度仕様を外れ
た出力電圧を出力する電源IC1からの出力電圧も記憶
しておき、基準室温測定時に高温測定若しくは低温測定
結果の合否を併せて判断するようにしてもよい。
【0024】記憶素子としては、E2 ROM、FLAS
Hメモリ、MRAMなどのメモリ素子の他に、特性調整
用に利用する抵抗のレーザトリミングを利用してもよ
く、また、ヒューズ、ツェナザッフなど一般的に特性調
整に用いられる手段を利用する用にしてもよい。この場
合、これらの記憶素子としては、製品出荷前の特性保持
に利用されるだけであるので、特に素子の信頼性は要求
されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における電源ICを示す
概略図
【図2】電源ICの記憶素子のビット数と読み出しデー
タとの関係を示す図
【図3】検査温度時における電源ICからの出力電圧を
示す図
【図4】従来例を示す図3相当図
【符号の説明】
1は電源IC、2は高精度電源回路、3は記憶素子であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の検査温度範囲の最高温度若しくは
    最低温度において電源用半導体装置から出力された出力
    電圧を記憶手段に記憶する第1の測定を実行し、 基準室温において前記電源用半導体装置から出力された
    出力電圧を測定する第2の測定を実行し、 この第2の測定による出力電圧と前記記憶手段に記憶さ
    れている出力電圧との電圧差及び第1の測定を実行した
    ときの温度と基準室温との温度差に基づいて所定の検査
    温度範囲における前記電源用半導体装置からの出力電圧
    の変動幅を予測し、その変動幅及び基準室温における出
    力電圧の何れもが所定の温度仕様を満足するときは前記
    電源用半導体装置は良品であると判断することを特徴と
    する電源用半導体装置の温度特性検査方法。
  2. 【請求項2】 基準室温において電源用半導体装置から
    出力された出力電圧を記憶手段に記憶する第1の測定を
    実行し、 所定の検査温度範囲の最高温度若しくは最低温度におい
    て前記電源用半導体装置から出力された出力電圧を測定
    する第2の測定を実行し、 この第2の測定による出力電圧と前記記憶手段に記憶さ
    れている出力電圧との電圧差及び第2の測定を実行した
    ときの温度と基準室温との温度差に基づいて所定の検査
    温度範囲における前記電源用半導体装置からの出力電圧
    の変動幅を予測し、その変動幅及び基準室温における出
    力電圧の何れもが所定の温度仕様を満足するときは前記
    電源用半導体装置は良品であると判断することを特徴と
    する電源用半導体装置の温度特性検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113157015A (zh) * 2020-01-22 2021-07-23 广州汽车集团股份有限公司 热管理系统测试方法、平台、计算机设备及可读存储介质

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