JP2002166753A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

車両用動力伝達装置

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JP2002166753A
JP2002166753A JP2001255041A JP2001255041A JP2002166753A JP 2002166753 A JP2002166753 A JP 2002166753A JP 2001255041 A JP2001255041 A JP 2001255041A JP 2001255041 A JP2001255041 A JP 2001255041A JP 2002166753 A JP2002166753 A JP 2002166753A
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shaft
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイパスクラッチを有する自動変速機にお
ける変速動作を迅速に行い得るようにする。 【解決手段】 この車両用動力伝達装置は入力軸3と出
力軸4とを有し、入力軸3に設けられた複数の駆動歯車
11〜15に噛み合う被駆動歯車21〜25が出力軸4
に設けられ、これらの歯車は変速ギヤ列を構成してい
る。入力軸3にはバイパスクラッチ18が設けられ、駆
動側のバイパス歯車17と被駆動側のバイパス歯車27
を介して変速時に必要に応じて動力を伝達することがで
きる。クランク軸7と入力軸3との間に設けられたトル
クコンバータ6にはロックアップクラッチ51が設けら
れ、タービン軸46と入力軸3との間には入力クラッチ
53が設けられている。トルクコンバータ6のポンプ側
アウターシェル42の外側には、エンジン制御と連動し
て変速時にエンジン回転数を低下させるためのブレーキ
機構61が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマニュアル変速機の
構成をベースとした自動変速機を有する車両用動力伝達
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】運転者の手動操作により変速操作を行う
マニュアル式変速機(MT)は、エンジンに連結され複
数の駆動歯車が装着される入力軸と、駆動歯車と対とな
った複数の被駆動歯車が装着され駆動輪に連結される出
力軸とを有しており、入力軸と出力軸との間には複数の
変速ギヤ列が設けられている。このMTにあっては、変
速時にクラッチを切断後、複数の変速ギヤ列の中から、
動力伝達を行う歯車対の切り換えをシンクロメッシュ機
構などの切り換え機構を手動により切り換え、クラッチ
を接続することで変速動作つまりシフトチェンジが行わ
れる。
【0003】このシフトチェンジとクラッチ操作を油圧
アクチュエータによって行うようにすると、マニュアル
式変速機の構成をベースとした自動変速機とすることが
できる。このタイプの自動変速機は、自動変速機構にプ
ラネタリ−ギヤなどを有する通常のトルクコンバータ式
自動変速機(AT)に比して部品点数を少なくして軽量
化を図り易く、しかも駆動系の伝達効率が高いという利
点を有している。
【0004】複数の変速ギヤ列を有するこのタイプの自
動変速機(Automated Manual Transmission。以下AMT
と略す)としては、クランク軸と入力軸との間にこれら
を接続状態と切断状態に切り換えるメインクラッチと、
変速動作時に入力軸から出力軸にトルクを伝達すること
によりトルク切れを防止するための油圧多板クラッチ式
のバイパスクラッチとを有するものが開示されている
(たとえば、特開2000−55184号公報)。
【0005】複数の変速ギヤ列を有するMTベースの自動
変速機つまりAMTにあっては、乾式クラッチタイプのメ
インクラッチの接続状態を必要に応じて係合状態を変
え、バイパスクラッチを油圧によって変速時に係合する
ことにより、変速時における出力トルクの急激な落ち込
みを抑制し、シフトショックを緩和することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】バイパスクラッチを有
するAMTは、変速時にバイパスクラッチを係合させる
ことから、出力トルクの急激な落ち込みを抑制すること
ができるという利点を有しているが、さらに、変速時に
バイパスクラッチを介して動力切換を行う時間を極力短
くすることが好ましい。特に、エンジンが高速回転中に
アップシフト動作が行われる時には、切り換え機構によ
って動力伝達を行うギヤ列の切り換えを円滑に行うた
め、駆動歯車と被駆動歯車とを同期させて、入力軸つま
りエンジン側の回転をできるだけ速く、しかも精度良く
低下させる必要がある。このような場合には、変速動作
を迅速に行うため、入力軸の回転を迅速に目標の同期回
転速度まで精度良く低下させる必要があり、バイパスク
ラッチと電子制御式スロットルによるエンジン制御で
は、エンジン回転を短時間で引き下げるには限界が生じ
る問題がある。
【0007】一方、特開平4-203669号公報に示されるよ
うにアップシフト変速時にエンジンの過回転を抑制して
同期操作をするために入力軸にブレーキを設け、ダウン
シフト時には同期クラッチを操作するようにした技術が
開示されている。
【0008】しかしながら、アップシフト時にはエンジ
ンの回転を入力軸に伝達するためのクラッチ締結を変速
時に解放した状態で、選択した変速段のエンジン回転に
なるようにブレーキを作動させ、また、ダウンシフト時
には同期クラッチを作動させて同期するようにしてい
る。したがって、エンジンが高回転で回転している時の
アップシフト変速時には、エンジン回転を短時間で低下
させながら変速時のトルクの落ち込みを抑制することが
できず、不都合が生じる。つまり、第1速から第2速、
第2速から第3速などの駆動力変化の大きな変速時に
は、エンジンとトランスミッション間のクラッチ締結を
解放するので、トルクの伝達が切れて変速ショックが生
じ、円滑な変速を行うことができないという不都合が生
じる。
【0009】本発明の目的は、バイパスクラッチを有す
る自動変速機における変速動作を迅速に行い得るように
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の車両動力伝達装
置は、複数の駆動歯車が設けられた入力軸から、前記駆
動歯車に噛み合う複数の被駆動歯車が設けられた出力軸
に対して変速時に動力を伝達するバイパスクラッチを
備、変速時に該バイパスクラッチの接断制御と電子制御
スロットルによるエンジン制御とを行うことで円滑な変
速を可能とする車両用動力伝達装置であって、エンジン
のクランク軸と前記入力軸との間に配置されるトルクコ
ンバータと、前記トルクコンバータ内に組み込まれ、前
記トルクコンバータのタービン軸と前記クランク軸とを
直結するロックアップクラッチと、前記トルクコンバー
タの出力要素と前記入力軸との間に設けられ、前記クラ
ンク軸から前記入力軸に対し、必要に応じて選択的に動
力の伝達と遮断とを行う入力クラッチと、前記クランク
軸系に連結され、電子制御スロットルによるエンジン制
御と連動して変速時に前記クランク軸の回転を運転状態
に応じて低下させるブレーキ機構とを有することを特徴
とする。
【0011】本発明の車両用動力伝達装置は、複数の駆
動歯車が設けられた入力軸から、前記駆動歯車に噛み合
う複数の被駆動歯車が設けられた出力軸に対して変速時
に動力を伝達するバイパスクラッチを備え、変速時に該
バイパスクラッチの接断制御と電子制御スロットルによ
るエンジン制御とを行うことで円滑な変速を可能とする
車両用動力伝達装置であって、エンジンのクランク軸と
前記入力軸との間に配置されるトルクコンバータと、前
記トルクコンバータ内に組み込まれ、前記クランク軸と
前記入力軸とを直結するロックアップクラッチと、前記
トルクコンバータの出力要素と前記ロックアップクラッ
チとの間に設けられ、前記出力要素から前記入力軸に対
し、必要に応じて選択的に動力の伝達と遮断とを行う入
力クラッチと、前記クランク軸系に連結され、電子制御
スロットルによるエンジン制御と連動して変速時に前記
クランク軸の回転を運転状態に応じて低下させるブレー
キ機構とを有することを特徴とする。
【0012】本発明の車両用動力伝達装置は、前記ブレ
ーキ機構を前記トルクコンバータの入力要素のインペラ
シェル構成部材に設けたことを特徴とする。
【0013】本発明の車両用動力伝達装置は、前記ブレ
ーキ機構を前記トルクコンバータのステータ内側のイン
ペラシェル構成部材とステータの反力トルクを支持する
固定部材との間に設けたことを特徴とする。
【0014】本発明の車両用動力伝達装置は、複数の駆
動歯車が設けられた入力軸から、前記駆動歯車に噛み合
う複数の被駆動歯車が設けられた出力軸に対して変速時
に動力を伝達するバイパスクラッチを備え、変速時に該
バイパスクラッチの接断制御と電子制御スロットルによ
るエンジン制御とを行うことで円滑な変速を可能とする
車両用動力伝達装置であって、エンジンのクランク軸と
前記入力軸との間に配置されるトルクコンバータと、前
記トルクコンバータ内に組み込まれ、前記タービン軸と
前記クランク軸とを直結するロックアップクラッチと、
前記トルクコンバータの出力要素と前記入力軸との間に
設けられ、前記クランク軸から前記入力軸に対し、必要
に応じて選択的に動力の伝達と遮断とを行う入力クラッ
チと、前記入力クラッチとトランスミッションケースと
の間に設けられ、電子制御スロットルによるエンジン制
御と連動してアップシフト変速時に前記クランク軸の回
転を運転状態に応じて低下させるブレーキ機構とを有す
ることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0016】図1は本発明の一実施の形態である車両用
動力伝達装置を示すスケルトン図であり、図2は図1の
要部を拡大して示す断面図である。
【0017】図1に示すエンジン1には、エンジントル
クやエンジン回転数を調整する電子制御スロットル2が
設けられており、通常は図示しないアクセルペダルの踏
込み量に応じた電子制御装置からの出力信号により電子
制御スロットル2を開閉してエンジン制御を行う。ま
た、電子制御スロットル2は、必要に応じてアクセルペ
ダルの踏込み量に関係なく、検出された運転状態により
予め設定されたマップなどに基づき開閉してエンジン制
御を行うことが可能である。
【0018】そして、エンジン1により発生した動力を
駆動輪に伝達する車両用動力伝達装置は、車両に縦置き
に配置される4輪駆動用の動力伝達装置であって、エン
ジン1に連結される入力軸3と、これに平行となり駆動
輪に連結される出力軸4とを有し、これらは車両の進行
方向を向いてトランスミッションケース5内に組み込ま
れている。入力軸3はトルクコンバータ6を介してエン
ジン1のクランク軸7に連結されている。
【0019】入力軸3には、第1速と第2速の駆動歯車
11、12が固定され、第3速から第5速までの駆動歯
車13〜15が回転自在に取り付けられている。出力軸
4には、第1速と第2速の被駆動歯車21、22が回転
自在に取り付けられ、第3速から第5速までの被駆動歯
車23〜25が固定されている。それぞれの駆動歯車1
1〜15は対応する被駆動歯車21〜25に噛み合って
変速ギヤ列となっており、動力を伝達することになる変
速ギヤ列を切り換えることによって変速動作が行われ
る。入力軸1にはさらに後退用の駆動歯車16が固定さ
れている。
【0020】出力軸4には第1速の被駆動歯車21と第
2速の被駆動歯車22との間に第1のシンクロメッシュ
機構31が設けられている。入力軸3には第3速の駆動
歯車13と第4速の駆動歯車14との間に第2のシンク
ロメッシュ機構32が設けられ、第5速の駆動歯車15
に隣接させて第3のシンクロメッシュ機構33が設けら
れている。
【0021】シンクロメッシュ機構31は出力軸4に固
定されたシンクロハブ31aとこれに常時噛み合うシン
クロスリーブ31bとを有し、このシンクロスリーブ3
1bを第1速の被駆動歯車21に一体形成されたスプラ
イン21aに噛み合わせると、変速比は第1速に設定さ
れ、逆に第2速の被駆動歯車22に一体形成されたスプ
ライン22aに噛み合わせると第2速に設定される。
【0022】他のシンクロメッシュ機構32、33は、
入力軸3に固定されたシンクロハブ32a、33aと、
これらにそれぞれ常時噛み合うシンクロスリーブ32
b、33bとを有し、これらをそれぞれ対応するスプラ
イン13a、14aおよび15aのいずれかに噛み合わ
せることにより、変速比は第3速から第5速に設定され
る。
【0023】第1のシンクロメッシュ機構31のシンク
ロスリーブ31bには後退用の被駆動歯車26が取り付
けられ、入力軸3と出力軸4に平行となったアイドラ軸
(図示省略)には、後退用の駆動歯車16と被駆動歯車
26とに噛み合う位置と噛み合いを離脱する位置とに移
動自在にアイドラ歯車(図示省略)が軸方向に摺動自在
に装着されている。したがって、シンクロスリーブ31
bが中立位置のもとで、アイドラ歯車を摺動させると、
アイドラ歯車は後退用の駆動歯車16と被駆動歯車26
とに噛み合い、入力軸3の回転は出力軸4に逆方向にな
って伝達される。
【0024】出力軸4は中空軸となっており、内部には
前輪出力軸34が組み込まれ、出力軸4と前輪出力軸3
4はセンタディファレンシャル装置35により連結さ
れ、前輪出力軸34はフロントディファレンシャル装置
36を介して前輪用のドライブシャフト(図示省略)に
連結されている。また、センタディファレンシャル装置
35は駆動歯車37と被駆動歯車38とを介して後輪出
力軸39に連結されており、後輪出力軸39は図示しな
いリヤディファレンシャル装置を介して後輪用のドライ
ブシャフト(図示省略)に連結されている。
【0025】入力軸3には駆動側のバイパス歯車17が
回転自在に取り付けられ、出力軸4には被駆動側のバイ
パス歯車27が固定され、これらの歯車17、27は所
定のギヤ比を保ちながら常時噛み合っている。入力軸3
にはバイパスクラッチ18が設けられており、バイパス
クラッチ18は入力軸3に固定されたクラッチハブ20
と、バイパス歯車17に固定されたクラッチドラム19
とを有している。クラッチドラム19とクラッチハブ2
0とにそれぞれ交互に設けられた複数の駆動及び非駆動
用のクラッチディスクを押圧させることにより、入力軸
3の動力はバイパスクラッチ18を介して出力軸4に伝
達される。バイパスクラッチ18は油圧によって駆動及
び非駆動用のクラッチディスクを押圧させて動力を伝達
させる状態とクラッチディスクを解放させて動力の伝達
を遮断させる状態とに作動することになる。
【0026】トルクコンバータ6は、図2に示すように
ポンプインペラ41が設けられたポンプ側アウターシェ
ル42とこれに固定されたフロントカバー43とを有
し、フロントカバー43はクランク軸7に一体になった
ドライブプレート44に固定されている。ポンプインペ
ラ41に対向して配置されたタービンランナ45はター
ビン軸46にスプライン結合により直結され、タービン
軸46は中空の支持軸47の内部に回転自在に組み込ま
れており、支持軸47にはワンウェイクラッチ48を介
してステータ49が装着されている。ポンプ側アウター
シェル42及びフロントカバー43はそれぞれトルクコ
ンバータ6の入力要素であり、タービンランナ45およ
びタービン軸46はそれぞれトルクコンバータ6の出力
要素である。
【0027】タービン軸46にはフロントカバー43に
押圧してエンジントルクを伝達するロックアップクラッ
チ51が動力伝達可能に嵌合されておりロックアップク
ラッチ51の一方側はロックアップクラッチ51をフロ
ントカバー43に押圧する制御油圧が供給される供給室
つまりアプライ室51aとなり、他方側は係合状態を解
放する解放室つまりリリース室51bとなっており、リ
リース室51bに供給した油圧をアプライ室51aを介
して循環させることにより、ロックアップクラッチ51
が解放されてトルクコンバータ6が作動状態となる。一
方、アプライ室51aに油圧を供給し、リリース室51
b内の油圧を下げることにより、ロックアップクラッチ
51のクラッチディスク52はフロントカバー43に押
圧されてロックアップ状態となる。ロックアップクラッ
チ51は予め、実験などにより予め設定された車速とア
クセル開度などのマップに基づき車速が所定値以上とな
ると係合される。このように、クランク軸7の動力はト
ルクコンバータ6またはロックアップクラッチ51を介
してタービン軸46に伝達される。
【0028】タービン軸46と入力軸3との間には、入
力クラッチ53が設けられており、この入力クラッチ5
3はタービン軸46に固定されるクラッチドラム54
と、入力軸3にスプラインを介して固定されるクラッチ
ハブ55とを有している。クラッチドラム54に装着さ
れたクラッチドライブディスク54aとクラッチハブ5
5に装着されたクラッチドリブンディスク55aとを係
合させることによりタービン軸46と入力軸3が締結状
態となり、係合を解除するとタービン軸46と入力軸3
は解放された状態となる。
【0029】図2に示すように、クラッチドラム54内
にはクラッチピストン56が装着され、油室56aに油
圧を供給するとクラッチドライブディスク54aとクラ
ッチドリブンディスク55aは係合状態となり油圧の供
給を停止すると、ばね部材57のばね力によって係合が
解放される。
【0030】トランスミッションケース5に一体になっ
た支持壁58には、オイルポンプ59が装着され、この
オイルポンプ59のロータはトルクコンバータ6のポン
プ側アウターシェル42の延長部材と動力伝達可能に連
結され、クランク軸7によりポンプ側アウターシェル4
2を介して回転駆動される。オイルポンプ59から吐出
する作動油は、トルクコンバータ6、バイパスクラッチ
18、入力クラッチ53および前述した油圧アクチュエ
ータなどの油圧作動機器に所定の油圧に変換されて供給
されるとともに各潤滑部に供給される。エンジンにより
トルクコンバータ6を介して駆動されるオイルポンプ5
9を設けるか、あるいはこれに代えて電動モータにより
駆動されるオイルポンプを設けるようにしても良い。
【0031】ポンプ側アウターシェル42の外側にはブ
レーキ機構61が設けられており、このブレーキ機構6
1はポンプ側アウターシェル42に固定されたロータつ
まりブレーキディスク62と、このブレーキディスク6
2を両側から挟んで制動するキャリパ63とを有し、キ
ャリパ63はトランスミッションケース5に取り付けら
れている。
【0032】図2に示すように、キャリパ63はトラン
スミッションケース5に取り付けられるキャリパ本体6
4を有し、このキャリパ本体64には相互に対向して2
つの油圧シリンダ65a、65bが設けられている。そ
れぞれの油圧シリンダ65a、65bには油圧ピストン
66a、66bが装着され、それぞれの油圧ピストン6
6a,66bにはブレーキパッド67a,67bがブレ
ーキディスク62を挟むようにして取り付けられてい
る。
【0033】したがって、それぞれの油圧シリンダ65
a、65b内に運転状態に応じて作動油を供給すると、
ブレーキディスク62はブレーキパッド67a,67b
に接触してクランク軸7の回転が低下することになり、
例えばアップシフト変速時にブレーキ機構61を作動さ
せると、バイパスクラッチ18を係合させることによる
変速中のトルク切れを防止することに加えて、電子制御
スロットル2によりエンジン回転数を所定の回転数まで
低下させるエンジン制御と連動させながらブレーキ機構
61を作動させると入力軸3つまりクランク軸7の回転
が所定の値まで短時間で低下することになり、変速動作
を円滑に且つ迅速に行うことができる。しかも、ブレー
キ機構61はトルクコンバータ6のポンプ側アウターシ
ェル42の外側でクランク軸7に制動力を加えるので、
クランク軸7の中心から半径方向に離れた位置で制動力
を加えることになり、ブレーキパッド67a,67bに
大きな押し付け力を加えることなく、大きな制動力を得
ることができる。
【0034】図3は上述した車両用動力伝達装置の変速
制御回路を示すブロック図である。変速コントローラ7
0には、クランク軸7の回転数を検出するエンジン回転
数センサ71、スロットルバルブの開度を検出するスロ
ットル開度センサ72、車両の走行速度を検出する車速
センサ73、運転者の操作により選択されたドライブレ
ンジやニュートラルレンジなどのレンジを検出するイン
ヒビタースイッチ74およびブレーキペダルの踏込みを
検出し、急ブレーキ操作などがなされたことを検出する
ブレーキセンサ75から検出信号が入力されるようにな
っている。
【0035】前述したバイパスクラッチ18、ロックア
ップクラッチ51、入力クラッチ53およびブレーキ機
構61を作動するための油圧は、バルブ制御ユニット7
6に設けられた電磁弁によって調圧されるようになって
いる。このバルブ制御ユニット76は変速コントローラ
70からの信号によって制御される。シンクロスリーブ
31b,32bおよび33bの軸方向の噛合い移動は、
複数の油圧アクチュエータ77によって行われ、油圧ア
クチュエータ77には、バルブ制御ユニット76に設け
られた電磁弁により調圧される油圧が供給されるように
なっている。
【0036】変速コントローラ70に設けられたメモリ
には、車速とスロットル開度などをパラメータとする変
速テーブルが格納されており、エンジン回転数、アクセ
ル開度、車速、入力軸の回転数および変速段位置などの
信号によって走行状態を検出して走行状況に応じて変速
操作が自動的に行われる。
【0037】エンジン駆動状態のもとで室内に設けられ
たセレクトレバーによりニュートラルレンジが選択され
たときには、ロックアップクラッチ51および入力クラ
ッチ53はいずれも解放された状態に設定される。
【0038】セレクトレバーにより前進走行レンジが選
択されると、セレクトレバーは、図示しないトランスミ
ッションに設けられた油圧制御機構のマニュアル弁に連
結され、入力クラッチ53へ油圧を供給するよう構成さ
れ、入力クラッチ53は油圧によって係合状態となる。
この時、入力クラッチ53の作動優先順序は、まず油圧
アクチュエータによってシンクロスリーブ31bがスプ
ライン21aに噛み合って第1速の変速ギヤ列が動力伝
達状態となることを達成させてから次に入力クラッチ5
3を係合するように油圧を作動させる。これにより、エ
ンジンの動力はトルクコンバータ6、入力クラッチ53
を介して入力軸3に伝達され、車両は走行することにな
る。そのときには、トルクコンバータ6のトルク増幅作
用により動力が増幅されて入力軸3に伝達される。
【0039】アクセル開度が増すにつれて、電子制御ス
ロットル2が開動作し、車速の上昇に伴い、アップシフ
ト変速動作が行われ、車速の低下やアクセルペダルを深
く踏み込んだキックダウン操作時に伴ってダウンシフト
変速動作が行われることになり、シフトチェンジは変速
制御部に予めプログラムされた変速パターンに従って自
動的に行われる。
【0040】アップシフトが行われるときには、入力ク
ラッチ53を運転状態に応じて締結状態を可変にトルク
伝達制御できる状態に維持したままでバイパスクラッチ
18の係合を開始して、このバイパスクラッチ18の伝
達トルク容量を徐々に増加するように制御する。したが
って、たとえば、第1速から第2速に変速する際には、
入力クラッチ53を締結したままでバイパスクラッチ1
8の伝達トルク容量を徐々に増加させながら、同時に電
子制御スロットル2によりエンジン回転数を第2速のギ
ヤ比に応じた所定の回転数まで低下させて同期させ、シ
ンクロスリーブ31bを第2速の被駆動歯車22のスプ
ライン22aに噛み合わせる。このときには、動力はバ
イパスクラッチ18の係合により所定の変速比を持つ駆
動側と被駆動側のバイパス歯車17、27を介して入力
軸3から出力軸4に動力が伝達され、エンジンからの動
力は遮断されることはないので変速時のトルクの落ち込
みをなくすことができる。
【0041】バイパスクラッチ18を介して動力の伝達
を行うと、入力軸3から出力軸4にトルクの落ち込みを
防止しながら同期ができることになるが、アップシフト
変速時に必要に応じてブレーキ機構61を電子制御スロ
ットル2によるエンジン制御と連動させながら作動させ
てクランク軸7を制動すると、入力軸3を短時間に精度
良く、所定の回転数まで迅速に低下させることができ、
低速段から高速段への変速のために双方の歯車機構を迅
速に同期させることができる。一方、ダウンシフトの場
合でも、電子制御スロットル2によるエンジン制御と連
動させるからエンジン回転を引き上げることができ、円
滑且つ迅速な回転同期ができる。
【0042】入力クラッチ53は、前述のように車両の
発進時に締結状態となるとともに車両の走行時には締結
状態となるが、変速操作がなされたダウンシフト時に入
力クラッチ53が締結された状態となっていると、引き
ずりトルクによりエンジン回転数が低下したままとな
る。そこで、ダウンシフト時には入力クラッチ53を半
クラッチのスリップ制御状態とすることにより、ダウン
シフト時にエンジン回転数を上昇させることが可能とな
る。
【0043】たとえば、第4速や第5速の高速段のもと
で低速ないし中速で車両が走行している時には、エンジ
ン回転数が低いため、エンジントルク変動の影響によっ
て乗り心地が悪化する。そこで、このような走行状態の
もとでは、入力クラッチ53をトルク伝達可能な最低限
のトルク容量状態で結合させると、入力クラッチをダン
パとして機能させることができ、エンジントルク変動が
駆動系に伝達されることが防止される。これにより、乗
り心地の悪化が防止されて乗り心地を向上させることが
できる。
【0044】ロックアップクラッチ51はトルクコンバ
ータ6内に配置されているため、バルブ制御ユニット7
6に設けられた電磁弁から長い油路を介してロックアッ
プクラッチ51に油圧を供給する必要がある。また、ロ
ックアップクラッチ51はアプライ室51aとリリース
室51bとの油圧の差圧により作動するようになってい
るので、油温が低い場合にはオイルの粘性の影響を強く
受けてロックアップクラッチ51の応答性が悪くなり、
接続から開放への切換信号が出力されてから実際に接続
状態から開放状態にロックアップクラッチ51が切り換
わるまでに時間がかかることになる。このため、急ブレ
ーキ時にはロックアップクラッチ51を接続状態から開
放状態に切り換えようとしても、応答性が悪いために実
際にロックアップクラッチ51が開放されるまでに時間
を要し、開放されるまでの間、エンジンと入力軸3とが
連結されたままでエンジン回転数が低下すると、エンジ
ンストールを生じるおそれがある。
【0045】これに対して、入力クラッチ53は油圧ク
ラッチにより構成されており、ピストン室つまり油室5
6aに油圧を供給すると入力クラッチ53は締結状態と
なり、油室56a内の油を排出すると開放状態となる。
しかも、入力クラッチ53はロックアップクラッチ51
に比較してバルブ制御ユニット76に設けられた電磁弁
から比較的近い位置に配設されているので、電磁弁から
入力クラッチ53までの油路がロックアップクラッチ5
1までの油路よりも短くなり、入力クラッチ53は応答
性に優れる。したがって、急ブレーキ時には、ロックア
ップクラッチ51を接続したままとし、入力クラッチ5
3を開放させることで、ロックアップクラッチ51と入
力クラッチ53とで役割分担を行い、エンジン回転数の
急低下を防止して、エンジンストールの発生を防止する
ことができる。
【0046】図4は第1速から第2速へのアップシフト
時におけるエンジン回転数Neと出力軸4のトルクT0
の変化を示すタイムチャートである。
【0047】図4において、シフト位置はシンクロスリ
ーブ31bの噛み合い位置を示し、シンクロスリーブ3
1bは第1速の被駆動歯車21にスプライン21aを介
して噛み合う第1速の位置から中立位置を経て第2速の
被駆動歯車22にスプライン22aを介して噛み合う第
2速の位置に移動する。
【0048】変速動作が行われる際には、駆動歯車11
と被駆動歯車21の第1速の変速ギヤ列を介して動力伝
達が行われている状態から、まず、バイパスクラッチ1
8の油圧室に制御油圧を供給すると第1速の変速ギヤ列
とバイパス歯車17、27のギヤ列との2系統を介して
動力の伝達を行う1相の状態に変化する。
【0049】ここで、第1速の被駆動歯車21とバイパ
ス歯車27は同一出力軸上に固定されているが、各々に
所定のギヤ比が設けられており、第1速の駆動歯車11
の回転に対してバイパス歯車17の回転は変速比の関係
から駆動歯車11よりも速く回転するので、バイパスク
ラッチ18を係合すると係合状態に応じたトルクがバイ
パス歯車17、27より伝達される。
【0050】次いで、シンクロスリーブ31bはシンク
ロハブ31aのみに噛み合った中立位置、つまり2相状
態となり、この状態のもとではバイパス歯車17、27
のギヤ列を介して入力軸3から出力軸4に対して動力伝
達されるとともに、電子制御スロットル2を閉動作する
よう制御してエンジン回転数つまり入力軸3の回転を低
下させて同期させる。そして、このときにはブレーキ機
構61が作動してエンジン回転数つまりクランク軸7が
制動され、同期時間を速くすることができる。
【0051】エンジンの回転数が第2速相当の回転数に
まで低下した時点で、シンクロスリーブ31bを、シン
クロハブ31aのみに噛み合った状態からシンクロハブ
31aとスプライン22aとに噛み合う状態に移動させ
ると、第2速の変速ギヤ列とバイパス歯車17、27の
ギヤ列との2系統を介して動力の伝達が行われる3相状
態となる。シンクロスリーブ31bがスプライン22a
と噛み合ったときには、ブレーキ機構61の制動トルク
が解除されて、3相状態ではブレーキ機構61による制
動力はクランク軸7には加えられない。
【0052】この3相状態のもとでバイパスクラッチ1
8に供給された油圧をドレンしてバイパスクラッチ18
を解放し、動力伝達状態を遮断すると、第2速へのアッ
プシフトが完了する。これにより、入力軸3から出力軸
4に対しては第2速の変速ギヤ列を介して動力伝達を行
われることになる。
【0053】このように、アップシフト時にはバイパス
クラッチ制御とエンジン制御とを同時に行いエンジン回
転数が第2速相当の回転数にまで低下した時点で、シン
クロスリーブ31bがスプライン22aと噛み合うこと
になるのでギヤ鳴きが発生することなく、円滑に変速操
作が行われる。しかも、シンクロスリーブ31bが中立
位置になるときには、バイパスクラッチ18を介して動
力伝達を行うようにしたので、特に駆動力変化の大きな
第1速から第2速、第2速から第3速などのアップシフ
ト時に問題となる駆動力の落ち込みつまりトルク切れの
発生を低減することができる。
【0054】図4において、二点鎖線はブレーキ機構6
1を作動させない場合におけるエンジン回転数の変化を
示し、実線はブレーキ機構61を作動させたときの変化
を示す。これらの比較から分かるように、ブレーキ機構
61を作動させると、バイパスクラッチ18のみによっ
て入力軸3から出力軸4に動力を伝達させる時間、つま
り2相状態の時間を確実にしかも精度良く短縮させるこ
とができるので、変速時間を短縮させることが可能とな
る。
【0055】図4は第1速から第2速へのアップシフト
時のエンジン回転数とトルクの変化を示すが、第2速か
ら第3速などの他の変速段へのアップシフト動作も同様
に行うことができ、ブレーキ機構61を作動させること
によって、アップシフト変速時の変速動作を迅速に行う
ことができる。ただし、バイパスクラッチ18のバイパ
ス歯車17、27のギヤ比を第4速相当に選択すると第
4速から第5速へのアップシフトなどの高速段における
アップシフト動作を行う際には、バイパスクラッチ18
を使わず、この時は、駆動力の落ち込みの影響が少ない
ので、バイパスクラッチ18を解放した状態で変速動作
を行うようにしても良い。
【0056】一方、ダウンシフト時には出力トルクの落
ち込みは走行性能上あまり問題とならないので、入力ク
ラッチ53により入力軸への動力伝達を遮断させるよう
にしても良い。また、ダウンシフト時にもアップシフト
時と同様にバイパスクラッチ18を係合状態とし、同時
にエンジン制御とブレーキ機構61の制動制御を行って
変速ギヤ列とバイパス歯車のギヤ列との2系統での動力
伝達とバイパスクラッチ18のみの動力伝達とに切り換
え制御しながらダウンシフト時の同期を円滑且つ迅速に
行うようにしても良い。
【0057】図5は本発明の他の実施の形態である車両
用動力伝達装置を示すスケルトン図であり、図5にあっ
ては、図1に示された部材と共通する部材には同一の符
号が付されている。
【0058】この動力伝達装置にあっては、ブレーキ機
構61は入力クラッチ53の構成部材であるクラッチド
ラム54の外側に設けられており、トランスミッション
ケース5に一体に形成された複数のスプライン穴81を
円周上に形成している。複数のスプライン穴81には複
数のドリブンディスク81aの外周スプラインが嵌合さ
れ、ドリブンディスク81aに接触するドライブディス
ク54bがクラッチドラム54の外側に形成されたスプ
ライン歯に動力伝達可能に装着されている。これによ
り、油圧によってそれぞれ交互に配置される複数のドリ
ブンディスク81aとドライブディスク54bの係合力
を調整することによりブレーキ機構61の制動トルクは
調整される。図5に示すように、入力クラッチ53のク
ラッチドラム54の外周部材をブレーキ機構61の構成
部品としても利用することにより、ブレーキ機構61を
入力クラッチ53と同一軸線上に一体に形成することが
でき、周辺装置の軸方向寸法の小型化と汎用性を高める
ことができる。この動力伝達装置のクランク軸7の回転
を円滑に制御するには、クランク軸7と直結回転される
ロックアップクラッチ51を係合しながらブレーキ機構
61を作動させる。即ち、ロックアップクラッチ51を
係合してクランク軸7から入力クラッチ53までを一体
化し、エンジン動力を入力軸3に直接、伝達することが
可能となり、特に中速から高速の運転領域においては、
動力伝達の損失が無く、燃費の向上や円滑な変速に有効
である。
【0059】図6は本発明の他の実施の形態である車両
用動力伝達装置を示すスケルトン図であり、図7は図6
の要部を拡大して示す断面図である。
【0060】図6および図7に示す動力伝達装置にあっ
ては、ブレーキ機構61がトルクコンバータ6のステー
タ49の内側のインペラシェル構成部材とステータ49
の反力トルクを支持する支持軸47との間に設けられて
いる。このブレーキ機構61は支持軸47にスプライン
により固定されるブレーキドラム82と、トルクコンバ
ータ6の入力要素であるポンプ側アウターシェル42に
固定されるブレーキハブ83とを有しており、ブレーキ
ドラム82に装着されたブレーキドリブンディスク82
aに接触するブレーキドライブディスク83aがブレー
キハブ83に動力伝達可能に装着されている。
【0061】ブレーキドラム82内にはブレーキピスト
ン84が軸方向に摺動可能に組み込まれており、油室8
4a内に作動油を供給してブレーキディスク82a、8
3aの係合力を調整することによりブレーキ機構61の
制動トルクは調整される。ブレーキピストン84にはば
ね部材85により係合を解除する方向のばね力が加えら
れている。この動力伝達装置にあっては、ブレーキ機構
61をトルクコンバータ6のステータ49の内側に設け
るようにしたので、装置の軸方向の小型化と汎用性を高
めることができる。
【0062】図8は本発明の他の実施の形態である車両
用動力伝達装置を示すスケルトン図である。
【0063】この動力伝達装置にあっては、ブレーキ機
構61は図1および図2に示す場合と同様にトルクコン
バータ6のポンプ側アウターシェル42の外側とトラン
スミッションケース5との間に形成されている。一方、
ロックアップクラッチ51は、入力軸3に動力伝達可能
に直接固定されており、ロックアップクラッチ51が係
合状態となると、クランク軸7は入力軸3に直結された
状態となる。トルクコンバータ6の出力要素であるター
ビンランナ45の外側とロックアップクラッチ51との
間には、入力クラッチ53が組み込まれている。
【0064】この入力クラッチ53はタービンランナ4
5に固定されたクラッチドラム54と、このクラッチド
ラム54に設けられたクラッチドライブディスク54a
に接触するクラッチドライブディスク55aがクラッチ
ハブ55と動力伝達可能に一体に形成されている。した
がって、この場合にはタービンライナ45の回転は入力
クラッチ53を介して入力軸3に伝達され、入力クラッ
チ53を切ってロックアップクラッチ51を係合させる
か、または入力クラッチ53を係合してロックアップク
ラッチ51を解放すると、クランク軸7の回転は直接入
力軸3に伝達される。
【0065】図9は本発明の他の実施の形態である車両
用動力伝達装置を示すスケルトン図である。
【0066】この動力伝達装置にあっては、入力クラッ
チ53は図8に示す場合と同様に、タービンランナ45
の出力要素とロックアップクラッチ51の入力要素との
間に設けられ、ブレーキ機構61は図6および図7に示
す場合と同様に、トルクコンバータ6のステータ49の
内周面に設けられている。
【0067】図8および図9に示す動力伝達装置にあっ
ては、トルクコンバータ6内に入力クラッチ53がロッ
クアップクラッチ51およびタービンランナ45と一体
回転可能に組み込まれているので、動力伝達装置の軸方
向寸法の小型化が達成され、縦置き式でも横置き式でも
いずれのタイプの変速機に容易に採用することができ、
汎用性を高めることができる。
【0068】図5〜図9に示す動力伝達装置にあって
は、図1および図2に示す動力伝達装置における部材と
共通する部材には同一の符号を付してそれぞれの説明は
省略されている。それぞれの動力伝達装置は、複数の変
速ギヤ列を有する自動変速機であり、変速時に必要に応
じてバイパスクラッチ18を介して入力軸3から出力軸
4にトルクを伝達するようになっており、図1および図
2に示した場合と同様に変速動作が行われる。
【0069】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることはいうまでもない。
【0070】たとえば、バイパスクラッチ18は入力軸
3に設けられているが、スペース的な都合や回転イナー
シャを考慮して出力軸4に設けるようにしても良く、ま
た、軸方向の寸法を短縮するために入力軸3と出力軸4
とは別にこれらに平行に設けられた他の中間軸を設ける
ようにしても良い。また、バイパス歯車17、27は第
3速相当のギヤ比に設定されているが、第4速あるいは
第5速相当のギヤ比としても良い。
【0071】変速ギヤ列の切り換え機構としては、シン
クロメッシュ機構31〜33が使用されているが、これ
に限られることなく、ドッグクラッチ切り換えなどを用
いるようにしても良い。
【0072】図示する実施の形態の場合には変速段数が
前進5段となっているが、変速段については任意の段数
とすることができ、副変速機を有する動力伝達装置にも
本発明を適用することができる。
【0073】図示する動力伝達装置は4輪駆動車用であ
るが、FF車やFR車にも本発明を適用することができ
る。また、図示する動力伝達装置は変速機が縦置き式と
なっているが、入力軸と出力軸が車幅方向を向いた横置
き式に対しても本発明を適用することができる。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、変速時には必要に応じ
てバイパスクラッチを介してエンジントルクを入力軸か
ら出力軸に直接、伝達を行うとともに、エンジン制御と
連動してブレーキ機構を作動してエンジン回転数を円滑
且つ精度良く低下させるので、より速くエンジン回転数
と出力軸回転数を同期させて変速動作を行うことがで
き、変速時間を短縮させることができる。バイパスクラ
ッチとブレーキ機構との併用により、エンジンの回転数
制御を小型の装置によって達成することができる。
【0075】トルクコンバータに組み込まれたロックア
ップクラッチを走行状態に応じて変速時に係合度合いを
制御して円滑な変速を行うことができるので、速い変速
応答性を達成することができる。
【0076】ブレーキ機構をトルクコンバータのポンプ
側アウターシェルの外側とトランスミッションケース間
に設けることにより、ブレーキ機構を軸方向に大型化す
ることなく、コンパクトな構成で所要の制動トルクを得
ることができる。
【0077】ブレーキ機構をトルクコンバータのステー
タの内側に設けることにより、装置の軸方向寸法の小型
化を達成することができ、汎用性を向上させることがで
きる。
【0078】ブレーキ機構を入力クラッチの外側に入力
クラッチの部材を利用して設けることにより、装置の軸
方向寸法の小型化を達成することができ、汎用性を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である車両用動力伝達装
置を示すスケルトン図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】車両用動力伝達装置の制御回路を示すブロック
図である。
【図4】第1速から第2速へのアップシフト時における
エンジン回転数と出力軸のトルク変化とを示すタイムチ
ャートである。
【図5】本発明の他の実施の形態である車両用動力伝達
装置を示すスケルトン図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態である車両用動
力伝達装置を示すスケルトン図である。
【図7】図5の要部を拡大して示す断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態である車両用動
力伝達装置を示すスケルトン図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態である車両用動
力伝達装置を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 電子制御スロットル 3 入力軸 4 出力軸 5 トランスミッションケース 6 トルクコンバータ 7 クランク軸 11〜15 駆動歯車 16 後退用の駆動歯車 17 駆動側のバイパス歯車 18 バイパスクラッチ 21〜25 被駆動歯車 26 後退用の被駆動歯車 27 被駆動側のバイパス歯車 31〜33 シンクロメッシュ機構 41 ポンプインペラ 42 ポンプ側アウターシェル 43 フロントカバー 45 タービンランナ 46 タービン軸 51 ロックアップクラッチ 53 入力クラッチ 54 クラッチドラム 55 クラッチハブ 61 ブレーキ機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/00 F02D 29/00 H 3J552 41/04 310 41/04 310G F16H 61/00 F16H 61/00 // F16H 59:70 59:70 63:20 63:20 Fターム(参考) 3D039 AA02 AC36 AC37 AD02 AD11 3D041 AA53 AA59 AB01 AC01 AC09 AC11 AC16 AC18 AD02 AD04 AD31 AD41 AD51 AE02 AE17 AE23 AF01 3G065 CA00 DA04 DA15 EA13 GA10 GA11 GA29 GA31 GA41 HA06 HA21 HA22 JA04 JA09 JA11 KA02 3G093 AA04 AA05 BA03 BA15 CB08 DA01 DA06 DB05 DB11 DB15 EA03 EA09 EB03 FA12 FB02 3G301 HA01 JA03 KB10 LA03 MA14 NB15 NE06 PA11Z PE01Z PF03Z PF08Z PF09Z 3J552 MA04 MA12 NA01 NB01 PA02 PA20 PA67 RA03 SA03 UA09 VA74W

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の駆動歯車が設けられた入力軸か
    ら、前記駆動歯車に噛み合う複数の被駆動歯車が設けら
    れた出力軸に対して変速時に動力を伝達するバイパスク
    ラッチを備え、変速時に該バイパスクラッチの接断制御
    と電子制御スロットルによるエンジン制御とを行うこと
    で円滑な変速を可能とする車両用動力伝達装置であっ
    て、 エンジンのクランク軸と前記入力軸との間に配置される
    トルクコンバータと、前記トルクコンバータ内に組み込
    まれ、前記トルクコンバータのタービン軸と前記クラン
    ク軸とを直結するロックアップクラッチと、 前記トルクコンバータの出力要素と前記入力軸との間に
    設けられ、前記クランク軸から前記入力軸に対し、必要
    に応じて選択的に動力の伝達と遮断とを行う入力クラッ
    チと、前記クランク軸系に連結され、電子制御スロット
    ルによるエンジン制御と連動して変速時に前記クランク
    軸の回転を運転状態に応じて低下させるブレーキ機構と
    を有することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 複数の駆動歯車が設けられた入力軸か
    ら、前記駆動歯車に噛み合う複数の被駆動歯車が設けら
    れた出力軸に対して変速時に動力を伝達するバイパスク
    ラッチを備え、変速時に該バイパスクラッチの接断制御
    と電子制御スロットルによるエンジン制御とを行うこと
    で円滑な変速を可能とする車両用動力伝達装置であっ
    て、 エンジンのクランク軸と前記入力軸との間に配置される
    トルクコンバータと、前記トルクコンバータ内に組み込
    まれ、前記クランク軸と前記入力軸とを直結するロック
    アップクラッチと、 前記トルクコンバータの出力要素と前記ロックアップク
    ラッチとの間に設けられ、前記出力要素から前記入力軸
    に対し、必要に応じて選択的に動力の伝達と遮断とを行
    う入力クラッチと、前記クランク軸系に連結され、電子
    制御スロットルによるエンジン制御と連動して変速時に
    前記クランク軸の回転を運転状態に応じて低下させるブ
    レーキ機構とを有することを特徴とする車両用動力伝達
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の車両用動力伝達
    装置において、前記ブレーキ機構を前記トルクコンバー
    タの入力要素のインペラシェル構成部材に設けたことを
    特徴とする車両用動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の車両用動力伝達
    装置において、前記ブレーキ機構を前記トルクコンバー
    タのステータ内側のインペラシェル構成部材とステータ
    の反力トルクを支持する固定部材との間に設けたことを
    特徴とする車両用動力伝達装置。
  5. 【請求項5】 複数の駆動歯車が設けられた入力軸か
    ら、前記駆動歯車に噛み合う複数の被駆動歯車が設けら
    れた出力軸に対して変速時に動力を伝達するバイパスク
    ラッチを備え、変速時に該バイパスクラッチの接断制御
    と電子制御スロットルによるエンジン制御とを行うこと
    で円滑な変速を可能とする車両用動力伝達装置であっ
    て、 エンジンのクランク軸と前記入力軸との間に配置される
    トルクコンバータと、 前記トルクコンバータ内に組み込まれ、前記タービン軸
    と前記クランク軸とを直結するロックアップクラッチ
    と、 前記トルクコンバータの出力要素と前記入力軸との間に
    設けられ、前記クランク軸から前記入力軸に対し、必要
    に応じて選択的に動力の伝達と遮断とを行う入力クラッ
    チと、前記入力クラッチとトランスミッションケースと
    の間に設けられ、前記電子制御スロットルによるエンジ
    ン制御と連動してアップシフト変速時に前記クランク軸
    の回転を運転状態に応じて低下させるブレーキ機構とを
    有することを特徴とする車両用動力伝達装置。
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