JP2002164781A - 位相同期ループを用いた発振回路 - Google Patents

位相同期ループを用いた発振回路

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Abstract

(57)【要約】 【課題】位相同期ループを用いた発振回路において、位
相周波数比較器あるいは分周器の動作によるスパイク状
のノイズが発生しても電圧制御発振器の動作を極力安定
に保ち、結果としてジッタの発生量を極めて少なくす
る。 【解決手段】電圧制御発振器3の出力と分周器5の入力
との間に遅延回路4を挿入し、分周器5から位相周波数
比較器1に帰還されるクロック信号S6の立ち上がりエ
ッジおよび立ち下がりエッジが、電圧制御発振器3の内
部に存在するすべてのクロック信号の立ち上がりエッ
ジ、立ち下がりエッジから最も乖離した位置となるよう
に遅延回路4の遅延量を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相同期ループを
用いた発振回路に関わり、特に出力クロック信号に発生
するジッタを低減する手法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】位相同期ループを用いた発振回路は広く
一般的に用いられている。その典型的な回路構成は図9
のようなものである。位相周波数比較器1の一方の入力
端子には、周波数がfrである入力クロック信号S1が
入力される。位相周波数比較器1の出力する誤差信号S
2は、ループフィルタ2に入力される。ループフィルタ
2の出力電圧信号S3は、電圧制御発振器3に入力され
る。電圧制御発振器3の出力クロック信号S4は、発振
回路の出力として外部に取り出されるとともに分周器5
に入力される。分周器5は信号S4をN分周して、周波
数fo/Nの帰還クロック信号S6を生成する。帰還ク
ロック信号S6は、位相周波数比較器1の他方の入力端
子に帰還される。
【0003】ここで、帰還クロック信号S6の周波数f
o/Nが入力クロック信号S1の周波数frよりも低い
と、位相周波数比較器1は、帰還クロック信号S6の位
相が遅れている期間だけ正の誤差信号S2を出力する。
ループフィルタ2は低域通過特性を持つよう構成されて
おり、誤差信号S2は積分され、電圧制御発振器3の入
力電圧信号S3は上昇する。S3が上昇すると、それに
応じて電圧制御発振器3は発振周波数を変化させ、出力
クロック信号S4の周波数foも上昇する。逆に、帰還
クロック信号S6の周波数fo/Nが入力クロック信号
S1の周波数frよりも高ければ、位相周波数比較器1
は、帰還クロック信号S6の位相が進んでいる期間だけ
負の誤差信号S2を出力する。ループフィルタ2はこの
誤差信号S2を積分するので、電圧制御発振器3の入力
電圧信号S3は低下し、出力クロック信号S4の周波数
foも低下する。このような負帰還作用によって、定常
状態においては、周波数fo/Nはfrと完全に等しく
なる。すなわち、入力クロック信号S1の周波数frを
N逓倍した周波数foが、出力クロック信号S4として
得られる。
【0004】電圧制御発振器3の具体的な構成として
は、大別して、電気的あるいは機械的な共振現象を利用
したものと、K個(通常Kは奇数)のインバータ回路を
環状に接続してなるリングオシレータ形式のものとがあ
る。
【0005】図10は、電気的な共振現象を利用した電
圧制御発振器3の一構成例である。I11は発振部であ
り、インダクタL1,L2のインダクタンスと、pn接
合ダイオードD1,D2の端子間容量の総和とで決まる
共振周波数に等しい発振信号が得られる。入力電圧信号
S3を変化させると、その電圧値に応じてpn接合ダイ
オードD1,D2の端子間容量が変化するため、それに
連れて共振周波数が変化し、発振信号の周波数を可変す
ることができる。I11の発振出力は差動信号A1,B
1として得られ、後段の差動−シングル変換回路I12
によってシングルエンド信号C1に変換された上、イン
バータ回路I13によって波形整形されて出力クロック
信号S4が生成される。次に、このような電気的な共振
現象を利用した電圧制御発振器を図9の発振回路に適用
したときの、定常状態におけるタイミングチャートを図
11に示す。発振部I11の差動信号A1,B1と、差
動−シングル変換回路I12の出力信号C1、および電
圧制御発振器3の出力クロック信号S4は、いずれも周
期Tの間隔で状態遷移を繰り返し、その状態遷移の発生
はほぼ同一時点である。分周器5は電圧制御発振器3の
出力信号S4をN分周(本例ではN=4)して、帰還ク
ロック信号S6を生成する。帰還クロック信号S6は、
位相同期ループによって、入力クロック信号S1にロッ
クされるので、両者は同位相となる。なお、ここでは理
解を容易にするために、すべての波形を理想的な方形波
として描画しており、必ずしも現実を忠実に表している
ものではないことを注意しておく。また、インダクタL
1,L2およびpn接合ダイオードD1,D2に代え
て、水晶振動子、セラミック発振子、SAW共振子など
の機械的な共振器を利用して同種の電圧制御発振器を構
成することも可能である。この場合、基本的な動作は電
気的な共振現象を利用したものと本質的には同じである
ので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0006】一方、図12は、K個のインバータ回路を
環状に接続してなるリングオシレータ形式の電圧制御発
振器3の一構成例である。ここでは、K=3の例を示し
ている。I22,I23,I24は、それぞれがインバ
ータ回路を構成している。I22の出力A2はI23に
入力され、I23の出力B2はI24に入力され、I2
4の出力C2はI22に入力されて環状接続をなし、リ
ングオシレータが形成される。I24の出力C2は、イ
ンバータ回路I25で波形整形されて出力クロック信号
S4となる。いま、インバータ回路I22,I23,I
24の各々の伝播遅延をτとすると、発振信号の周波数
foは1/2Kτとなる。ここで、伝播遅延τは、各イ
ンバータ回路の出力電流と入力容量とで決定される。入
力電圧信号S3を変化させると、電圧−電流変換回路I
21によって入力電圧信号S3に応じた電流が生成さ
れ、その電流値に連動して各インバータ回路の出力電流
値が変化するので、発振信号の周波数を可変することが
できる。次に、このようなK個のインバータ回路を環状
に接続してなるリングオシレータ形式の電圧制御発振器
を図9の発振回路に適用したときの、定常状態における
タイミングチャートを図13に示す。同図から明らかな
ように、信号A2が反転してτだけ遅延したものが信号
B2、信号B2が反転してτだけ遅延したものが信号C
2、信号C2が反転してτだけ遅延したものが信号A2
という関係にある。すなわち、環状接続を一巡すること
による伝播遅延の総和Kτを半周期とする発振動作が得
られるので、前述したように、発振周波数foは1/2
Kτとなる。本方式の電圧制御発振器においては、τ時
間毎にいずれか一つのインバータ回路が状態遷移を行う
のが特徴である。ここで、発振周期をTとすると、τ=
T/2Kである。以降の動作は、先に説明した図11と
同様であり、分周器5が電圧制御発振器3の出力信号S
4をN分周(本例ではN=4)して、帰還クロック信号
S6を生成する。帰還クロック信号S6は、位相同期ル
ープによって、入力クロック信号S1にロックされるの
で、両者は同位相となる。なお、ここでも理解を容易に
するために、すべての波形を理想的な方形波として描画
したが、先と同様に必ずしも現実を忠実に表しているも
のではないことを注意しておく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成においては、位相周波数比較器1や分周
器5を構成する論理回路の状態遷移によって、電源電圧
や電圧制御発振器3の入力電圧信号S3にスパイク状の
変動が発生する。この変動は電圧制御発振器3の動作を
不安定なものとし、その出力クロック信号S4には入力
クロック信号S1と同期した周期的なノイズが重畳す
る。この結果、出力クロック信号S4にジッタと呼ばれ
るエッジの揺らぎが発生する。例えば、図11の最下段
に示したノイズ波形は、発振回路の電源電圧に重畳する
ノイズを例示しているが、中でも帰還クロック信号S6
の状態遷移に一致して現れるスパイク状のノイズが顕著
である。これは、位相周波数比較器1や分周器5の動作
に起因するノイズである。このスパイク状のノイズの発
生点は、電圧制御発振器3の内部信号A1,B1,C1
の立ち上がり、もしくは立ち下がりエッジと一致してい
る。すなわち、これら信号のエッジはノイズによって揺
らぎを生じてしまい、周期的なジッタとなる。同様の現
象は、図13にも示されている。この場合、スパイク状
のノイズは電圧制御発振器3の内部信号C2の立ち下が
りエッジと一致している。これにより、信号C2の立ち
下がりエッジが揺らぎを生じる。さらには、一定の位相
関係を保って連鎖的に動作する信号A2,B2にも影響
が波及し、電圧制御発振器3全体が不安定となって、大
きなジッタが発生してしまう。なお、このようなスパイ
ク状のノイズは、電源電圧だけではなく、電圧制御発振
器3の入力電圧信号S3にも出現する。
【0008】本発明は、このような従来技術の欠点を解
消するためになされたものであり、前述したスパイク状
のノイズが発生しても電圧制御発振器3の動作を極力安
定に保ち、結果としてジッタの発生量が極めて少ない発
振回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の発振回路は、従
来の回路構成に加えて、電圧制御発振器3の出力と分周
器5の入力との間に遅延回路を挿入することによって、
上述の課題を解決した。遅延回路に設定される遅延量
は、電圧制御発振器の構成によって異なり、帰還クロッ
ク信号S6の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ
が、電圧制御発振器3の内部に存在するすべてのクロッ
ク信号の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジから最も
乖離した位置となるように設定される。すなわち、電圧
制御発振器3が電気的あるいは機械的な共振現象を利用
したものである場合は、帰還クロック信号S6の立ち上
がりエッジ、立ち下がりエッジのいずれかと、電圧制御
発振器3の出力クロック信号S4の立ち上がりエッジま
たは立ち下がりエッジとの時間差が、電圧制御発振器3
の出力クロック信号S4の発振周期に対して1/4また
はその奇数倍に概ね等しく設定される。一方、電圧制御
発振器3がK個のインバータ回路を環状に接続してなる
リングオシレータ形式のものである場合は、帰還クロッ
ク信号S6の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジのい
ずれかと、電圧制御発振器3の出力クロック信号S4の
立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジとの時間差
が、電圧制御発振器3の出力クロック信号S4の発振周
期に対し1/4Kまたはその奇数倍に概ね等しく設定さ
れる。このように構成することにより、位相周波数比較
器1や分周器5を構成する論理回路の状態遷移によっ
て、電源電圧や電圧制御発振器3の入力電圧信号S3に
スパイク状のノイズが発生したとしても、そのスパイク
の発生は、電圧制御発振器3の内部に存在するいずれの
発振波形の立ち上がり、または立ち下がりエッジからも
最も乖離した時点となるため、電圧制御発振器3の動作
は極力安定に保たれる。この結果、出力クロック信号S
4に発生するジッタは極めて少なくなる。
【0010】さらに、遅延手段の遅延量が、電圧制御発
振器3の入力電圧信号S3によって可変されるよう構成
すれば、例え入力クロック信号S1の周波数frが変化
したり、分周器5の分周数Nが切り替えられたりして、
電圧制御発振器3の出力クロック信号S4の周波数fo
が変化した場合であっても、当該遅延量が所望の値を維
持するように設定することが可能である。また、電圧制
御発振器3が、電気的あるいは機械的な共振現象を利用
したものであれば、遅延手段を90度移相器で置き換え
ることによっても、同様の機能を持たせることができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明による発振回路の実
施の形態を、請求項1ないし4にそれぞれ対応させて、
第一ないし第四の実施形態として詳細に説明する。
【0012】(第一の実施形態)図1は、本発明の第一
および第二の実施形態に共通な発振回路の構成例を示す
ブロック図である。位相周波数比較器1、ループフィル
タ2、電圧制御発振器3、および分周器5は、従来の発
振回路で用いられているものと同様である。電圧制御発
振器3の出力クロック信号S4は、従来の発振回路とは
異なり、遅延回路4を経由してから分周器5に入力され
る。出力クロック信号S4は、遅延回路4で一定量の遅
延を施されたて信号S5となる。信号S5は、分周器5
でN分周されて周波数fo/Nの帰還クロック信号S6
となる。
【0013】遅延回路4は、一例として図2のように偶
数個のインバータ回路(本例では6個)を従属接続する
ことによって実現できる。このとき、遅延量はインバー
タ回路の従属接続個数、もしくは各インバータ回路のト
ランジスタサイズを変えることによって、如何様にも調
節することが可能である。
【0014】さて、本実施形態においては、電圧制御発
振器3は電気的あるいは機械的な共振現象を利用したも
のである。このとき、定常状態における発振回路のタイ
ミングチャートは図3で示される。電圧制御発振器3の
出力クロック信号S4と、遅延回路4の出力信号S5と
の間には、遅延回路4の遅延量に応じた位相差が生じて
いる。その結果として、分周回路5から出力される帰還
クロック信号S6の立ち上がりエッジは、電圧制御発振
器3の出力クロック信号S4の立ち上がりエッジから、
一定量ずれた時点に現れる。このずれ量が、出力クロッ
ク信号S4の発振周期をTとして、T/4(または、そ
の奇数倍)に概ね等しくなるように、遅延回路4の遅延
量は調節されている。本実施形態においても、従来の発
振回路と同様に、図3最下段に示されるようなスパイク
状のノイズが電源電圧に重畳する。しかしながら、前述
したように遅延回路4の遅延量が調節されているため、
スパイク状のノイズの発生点は、電圧制御発振器3の内
部信号A1,B1,C1のいずれの立ち上がりエッジ、
立ち下がりエッジからも最も乖離した時点となってい
る。換言すると、スパイク状のノイズの発生箇所は、信
号A1,B1,C1の波形がほぼ水平な時点となってい
る。波形が水平な状態においては、たとえノイズによっ
て電圧制御発振器3が一時的に不安定になったとして
も、その影響はすみやかに減衰し、次の立ち上がりもし
くは立ち下がりエッジを揺らすには至らない。したがっ
て、電圧制御発振器3の出力信号S4の立ち上がりエッ
ジ、立ち下がりエッジには揺らぎが発生せず、ジッタの
少ない発振回路が実現される。
【0015】(第二の実施形態)本発明の第二の実施形
態は、前述した第一の実施形態において、電圧制御発振
器3の構成のみが異なるものである。したがって、発振
回路の構成例は、第一の実施形態と同様に図1で示され
る。
【0016】本実施形態において、電圧制御発振器3は
K個のインバータ回路を環状に接続してなるリングオシ
レータ形式のものである。このとき、定常状態における
発振回路のタイミングチャートは図4で示される。電圧
制御発振器3の出力クロック信号S4と、遅延回路4の
出力信号S5との間には、遅延回路4の遅延量に応じた
位相差が生じている。その結果として、分周回路5から
出力される帰還クロック信号S6の立ち上がりエッジ
は、電圧制御発振器3の出力クロック信号S4の立ち上
がりエッジから、一定量ずれた時点に現れる。このずれ
量が、出力クロック信号S4の発振周期をTとして、T
/4K(または、その奇数倍)に概ね等しくなるよう
に、遅延回路4の遅延量は調節されている。本実施形態
においても、従来の発振回路と同様に、図4最下段に示
されるようなスパイク状のノイズが電源電圧に重畳す
る。しかしながら、前述したように遅延回路4の遅延量
が調節されているため、スパイク状のノイズの発生箇所
は、電圧制御発振器3の内部信号A2,B2,C2のい
ずれの立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジからも最も
乖離した時点となっている。換言すると、スパイク状の
ノイズの発生箇所は、信号A2,B2,C2の波形がほ
ぼ水平な時点となっている。波形が水平な状態において
は、たとえノイズによって電圧制御発振器3が一時的に
不安定になったとしても、その影響はすみやかに減衰
し、次の立ち上がりもしくは立ち下がりエッジを揺らす
には至らない。したがって、電圧制御発振器3の出力信
号S4の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジには揺ら
ぎが発生せず、ジッタの少ない発振回路が実現される。
【0017】(第三の実施形態)図1に示される第一お
よび第二の実施形態においては、遅延回路4の遅延量は
固定であった。しかしながら、実際の発振回路構成にお
いては、入力クロック信号S1の周波数frや分周器5
の分周数Nが可変できるように構成されているものも多
い。このような場合においては、電圧制御発振器3の出
力クロック信号S4の周波数foは任意の値を取りうる
ので、遅延回路4の遅延量もそれに連動して変化しなけ
れば、本発明の意図する効果を得ることができない。こ
こで説明する第三の実施形態は、かかる状況にも対応で
きる構成を提供するものである。その構成例を表したブ
ロック図を図5に示す。
【0018】図5の構成が図1と異なるのは、遅延回路
4に代えて電圧制御遅延回路6が用いられている点であ
る。電圧制御遅延回路6は、外部電圧信号によって遅延
量が変化する遅延回路であって、ここでは電圧制御発振
器3の入力電圧信号S4に応じて遅延量が変化するよう
に接続されている。いま、電圧制御発振回路3の出力ク
ロック信号S4の周波数foは、入力電圧信号S3が高
くなるに連れて上昇するように構成されているとする。
このとき、電圧制御遅延回路6の遅延量が、入力電圧信
号S3が高くなるに連れて低下するように設定すれば、
常に出力クロック信号S4の周波数foに対して所望の
遅延量を確保することが可能となる。
【0019】電圧制御遅延回路6は、例えば図6のよう
な回路によって構成される。I2,I3,I4,I5
は、各々インバータ回路である。このうち、I2,I
3,I4の3つのインバータ回路は、出力電流が可変で
きるように構成されており、その値は入力電圧信号S3
に応じて電圧−電流変換回路I1が生成する電流値によ
って決まる。すなわち、入力電圧信号S3が上昇する
と、インバータ回路I2,I3,I4の出力電流が増加
し、各回路における伝播遅延量が低下する。結果とし
て、電圧制御遅延回路6の遅延量は、入力電圧信号S3
が上昇するに連れて低下する。
【0020】このようにして構成された第三の実施形態
によれば、例え入力クロック信号S1の周波数frが変
化したり、分周器5の分周数Nが切り替えられたりし
て、電圧制御発振器3の出力クロック信号S4の周波数
foが変化した場合であっても、所望の遅延量が維持さ
れるため、発振回路を広範囲に適用可能となる。
【0021】(第四の実施形態)第一の実施形態を実現
する上で、第三の実施形態と同様の効果を得るための別
法として、以下に説明する第四の実施形態がある。図7
に第四の実施形態の構成例を表すブロック図を示す。
【0022】図7の構成が図1と異なるのは、遅延回路
4に代えて90度移相器7が用いられている点である。
90度の移相量は時間に換算してT/4の遅延に相当す
るものであるから、本構成においても第一の実施形態と
ほぼ同様の動作が得られることは明らかである。
【0023】90度移相器の構成例は、図8に示され
る。I6は電流アンプであり、入力信号S4を位相差の
ない電流信号に変換して出力する。電流アンプI6の出
力電流は、コンデンサC1に流入する。コンデンサC1
の端子間電圧は、流入する電流値を積分した値に比例す
る。したがって、コンデンサC1の端子間電圧は、入力
信号S4より位相の90度遅れた電圧信号となる。その
信号は、電圧バッファI7を通して出力される。
【0024】本実施形態によれば、遅延量を出力クロッ
ク信号の周波数foに応じて調節することなくとも、常
に所望の遅延量が得られることから、第一の実施形態に
比較して回路の設計が容易になる。
【0025】
【発明の効果】以上説明した本発明の発振回路を用いれ
ば、位相周波数比較器1や分周器5を構成する論理回路
の状態遷移によって、電源電圧や電圧制御発振器3の入
力電圧信号S3にスパイク状のノイズが発生したとして
も、そのスパイクの発生は、電圧制御発振器3の内部に
存在するすべてのクロック信号の立ち上がりエッジ、立
ち下がりエッジから最も乖離した時点となるため、電圧
制御発振器3の動作は極力安定に保たれる。この結果、
出力クロック信号に発生するジッタは極めて少なくな
る。
【0026】さらに、前述した第三または第四の実施形
態を適用すれば、例え入力クロック信号S1の周波数f
rが変化したり、分周器5の分周数Nが切り替えられた
りして、電圧制御発振器3の出力クロック信号S4の周
波数foが変化した場合であっても、当該遅延量が所望
の値を維持するように構成することができるため、発振
回路を広範囲に適用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一,第二の実施形態に共通な構成例
を示すブロック図。
【図2】本発明の第一,第二の実施形態に関わる遅延回
路の構成例を示す図。
【図3】本発明の第一の実施形態に関わるタイミングチ
ャート。
【図4】本発明の第二の実施形態に関わるタイミングチ
ャート。
【図5】本発明の第三の実施形態の構成例を示すブロッ
ク図。
【図6】本発明の第三の実施形態に関わる電圧制御遅延
回路の構成例を示す図。
【図7】本発明の第四の実施形態の構成例を示すブロッ
ク図。
【図8】本発明の第四の実施形態に関わる90度移相器
の構成例を示す図。
【図9】従来の発振回路の構成例を示すブロック図。
【図10】従来の発振回路に関わる電圧制御発振器の構
成例を示す図。
【図11】図10の電圧制御発振器を用いた従来の発振
回路のタイミングチャート。
【図12】従来の発振回路に関わる電圧制御発振器の他
の構成例を示す図。
【図13】図12の電圧制御発振器を用いた従来の発振
回路のタイミングチャート。
【符号の説明】
1. 位相周波数比較器 2. ループフィルタ 3. 電圧制御発振器 4. 遅延回路 5. 分周器 6. 電圧制御遅延回路 7. 90度移相器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】位相同期ループを構成することにより、入
    力クロック信号の周波数を逓倍して出力する方式の発振
    回路であって、前記位相同期ループは、入力クロック信
    号と帰還クロック信号との位相差を検出してその検出量
    に応じた誤差信号を発生する位相比較手段と、誤差信号
    を積分するフィルタ手段と、フィルタ手段から出力され
    る電圧信号に応じて発振周波数が変化する電圧制御発振
    器と、電圧制御発振器の出力クロック信号を分周して前
    記帰還クロック信号を生成する分周手段とを含み、前記
    電圧制御発振器は、電気的あるいは機械的な共振現象を
    利用した電圧制御発振器である発振回路において、電圧
    制御発振器の出力と分周手段の入力との間に遅延手段を
    挿入するとともに、前記帰還クロック信号の立ち上がり
    エッジ、立ち下がりエッジのいずれかと、電圧制御発振
    器の出力クロック信号の立ち上がりエッジまたは立ち下
    がりエッジとの時間差が、定常状態において、電圧制御
    発振器の出力クロック信号の発振周期に対し、1/4ま
    たはその奇数倍に概ね等しくなるよう、前記遅延手段の
    遅延量が設定されてなることを特徴とする発振回路。
  2. 【請求項2】位相同期ループを構成することにより、入
    力クロック信号の周波数を逓倍して出力する方式の発振
    回路であって、前記位相同期ループは、入力クロック信
    号と帰還クロック信号との位相差を検出してその検出量
    に応じた誤差信号を発生する位相比較手段と、誤差信号
    を積分するフィルタ手段と、フィルタ手段から出力され
    る電圧信号に応じて発振周波数が変化する電圧制御発振
    器と、電圧制御発振器の出力クロック信号を分周して前
    記帰還クロック信号を生成する分周手段とを含み、前記
    電圧制御発振器は、K個のインバータ回路を環状に接続
    してなるリングオシレータ形式の電圧制御発振器である
    発振回路において、電圧制御発振器の出力と分周手段の
    入力との間に遅延手段を挿入するとともに、前記帰還ク
    ロック信号の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジのい
    ずれかと、電圧制御発振器の出力クロック信号の立ち上
    がりエッジまたは立ち下がりエッジとの時間差が、定常
    状態において、電圧制御発振器の出力クロック信号の発
    振周期に対し、1/4Kまたはその奇数倍に概ね等しく
    なるよう、前記遅延手段の遅延量が設定されてなること
    を特徴とする発振回路。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の発振回路におい
    て、前記遅延手段の遅延量は、前記電圧制御発振器の入
    力電圧信号によって可変されるよう構成されており、前
    記電圧制御発振器の出力クロック信号の周波数が変化し
    た場合も、前記遅延量は所望の値を維持するよう設定さ
    れてなることを特徴とする発振回路。
  4. 【請求項4】請求項1記載の発振回路において、前記遅
    延手段として、90度移相手段を用いたことを特徴とす
    る発振回路。
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