JP2010074562A - Pll回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズの抑圧を効果的に行うことができるPLL回路を提供する。
【解決手段】位相比較器10と、チャージポンプ回路20と、ループフィルタ30と、VCO40と、N分周器50とを備える。チャージポンプ回路20の一実施形態は、アップ信号UP1によりスイッチ22をオンした後、アップ信号UP1を遅延させたアップ信号UP2により再度スイッチ22をオンする。同様に、ダウン信号DN1によりスイッチ23をオンした後、ダウン信号DN1を遅延させたダウン信号DN2により再度スイッチ23をオンする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ノイズを低減して安定した動作を行うことができるPLL(Phase Locked Loop)回路に関するものである。
従来のPLL回路としては、図4に示すように、位相比較器101と、チャージポンプ回路102と、ループフィルタ103と、電圧制御発振回路(VCO)104と、N分周器105とを備えるものが一般的である。
位相比較器101は、外部からの入力データであるリファレンス信号(基準信号)fRFと、N分周器105から出力される帰還信号foutとの位相を比較し、VCO104から出力される発振信号の周波数を上げるためのアップ信号(位相進み信号)UP又は上記発振信号の周波数を下げるためのダウン信号(位相遅れ信号)DNを生成してチャージポンプ回路102に出力する。
チャージポンプ回路102は、入力されたアップ信号UP及びダウン信号DNに基づいて電流を入出力する機能を有し、電源電圧VDDからチャージ電流Icpを出力する第1電流源201と、アップ信号UPでオン(導通)しチャージ電流Icpを出力ノードに出力する第1スイッチ202と、ダウン信号DNでオン(導通)する第2スイッチ203と、第2スイッチ23がオンのとき出力ノードからGNDへチャージ電流Icpを流し込む第2電流源204と、バッファ205,206と、を備えている。
ループフィルタ103は、チャージポンプ回路102の出力信号を平滑化して制御電圧を生成出力する。このループフィルタ103は、固定抵抗301と容量が固定のキャパシタ302とを備え、ローパスフィルタ特性を有する。
VCO104は、ループフィルタ103からの制御電圧の電圧値VLPに基づく固有周波数をもつ出力信号を生成して出力する。N分周器105は、VCO104からの出力信号を所定の固定分周数で分周して分周信号foutを出力する。
このようにしてリファレンス信号fRFと分周信号foutとの間の位相差が検出され、これに応じてVCO104からの出力信号の発振周波数が繰り返し調整される。これにより、リファレンス信号fRFと分周信号foutとの位相が一致、つまり同期(ロック)され、VCO104から一定周波数の出力信号が出力される。
ところで、通常、上記ロック時においても不感帯防止のために比較周期の度にアップ信号UP及びダウン信号DNが出力される。このとき、アップ信号UP及びダウン信号DNは同時に発生するように設計されるが、素子の製造上のミスマッチ等により、図5に示すように、アップ信号UPとダウン信号DNとの発生タイミングにはずれが生じてしまう。そのため、ループフィルタ103からの制御電圧値VLPが比較周期の度に振動し、その結果、VCO104からの出力信号の発振周波数も比較周期の度に変動してしまう。
このようなチャージポンプ回路の出力動作点の変動は、VCO104の発振周波数から比較周期分離れた周波数の所にスプリアスとして現れる。これがリファレンススプリアスと呼ばれ、一般に不要なノイズである。
そこで、従来のPLL回路として、ループフィルタ後、VCO前に抵抗による電圧分割を行うことで、見かけ上VCOゲインを落とし、これによりリファレンススプリアスの問題を緩和するというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、リファレンススプリアスを除去するために、ループフィルタにノッチフィルタを接続したPLL周波数シンセサイザが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭63−38328号公報 特開平10−173524号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のPLL回路にあっては、VCOゲインを落とすように構成されているため、それに伴ってPLLループの帯域も小さくなってしまう。
また、上記特許文献2に記載のPLL周波数シンセサイザにあっては、ループ内にノッチフィルタを挿入しているため、ループの伝達関数が変化し、セトリング特性が下がったり安定性が悪化したりする。
そこで、本発明は、ノイズの抑圧を効果的に行うことができるPLL回路を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るPLL回路は、比較周期毎に基準信号と帰還信号との位相差を比較し、位相比較信号を出力する位相比較器と、前記位相比較器から出力される位相比較信号および該位相比較信号を遅延させた少なくとも1つの遅延信号に応じた電流信号を、出力端子から出力するチャージポンプ回路と、前記チャージポンプ回路から出力される電流信号を平滑化して電圧信号に変換するループフィルタと、前記ループフィルタから出力される電圧信号に応じた周波数の発振信号を生成する電圧制御発振回路と、前記電圧制御発振回路から出力される発振信号を所定の分周比により分周して前記帰還信号を生成する分周器と、を備えることを特徴としている。
これにより、チャージポンプ回路を位相比較信号で駆動した後、チャージポンプ回路を遅延信号で再度駆動する構成とすることができ、チャージポンプ回路を複数回に分割して駆動することができる。そのため、チャージポンプ回路の出力動作点の変動量を低減させることができ、その分リファレンススプリアスの大きさを低減させることができる。
また、例えば、(n−1)個の遅延信号を用意し、チャージポンプ回路から電流信号をn回に分けて出力する場合、比較周期の1/nのタイミング毎に電流信号を出力すれば、リファレンススプリアスの発生周波数をn倍とすることができる。このように、リファレンススプリアスの周波数成分をより高い他の周波数に分散することができるので、後段のループフィルタでリファレンススプリアスの抑圧量を増やすことができる。
さらに、本発明に係るPLL回路は、上記において、前記チャージポンプ回路は、電源と前記出力端子との間に直列に接続される第1電流源および第1スイッチを有し、前記位相比較信号および前記遅延信号により、前記第1スイッチを一比較周期内に複数回オンするように構成されていることを特徴としている。
このように、異なるタイミングで出力される複数の制御信号を用いて1つのスイッチを複数回オン制御する構成を適用することで、回路の増大を伴うことなく一比較周期内に前記電流信号を複数回に分割して出力することができる。
また、本発明に係るPLL回路は、上記において、前記チャージポンプ回路は、電源と前記出力端子との間に直列に接続される第1電流源および第1スイッチの組を並列に複数有し、前記位相比較信号および前記遅延信号により、前記複数の第1スイッチを一比較周期内に順次オンするように構成されていることを特徴としている。
このように、定電流源とスイッチとの組を複数設けるので、各定電流源から出力される電流値を異なる値に設定することができ、回路特性に応じてリファレンススプリアスを効果的に抑圧することができる。
また、位相比較信号のパルス幅が広く位相比較信号と遅延信号とが重複する場合には、複数のスイッチを共通にオンすることができるので、チャージポンプ回路の出力エネルギーを大きくして周波数の追随を速くすることができる。
さらにまた、本発明に係るPLL回路は、上記において、前記電源は正電源であり、前記位相比較信号は前記発振信号の周波数を上げるための位相進み信号であることを特徴としている。
これにより、電圧制御発振回路から出力される発振信号の周波数を上げるための位相進み信号が入力されて第1スイッチがオンする際に発生するチャージポンプ回路の出力動作点の変動を抑えることができる。
さらに、本発明に係るPLL回路は、上記において、前記電源は負電源であり、前記位相比較信号は前記発振信号の周波数を下げるための位相遅れ信号であることを特徴としている。
これにより、電圧制御発振回路から出力される発振信号の周波数を下げるための位相遅れ信号が入力されて第1スイッチがオンする際に発生するチャージポンプ回路の出力動作点の変動を抑えることができる。
さらにまた、本発明に係るPLL回路は、上記において、前記位相比較器は、前記位相比較信号として、前記発振信号の周波数を上げるための位相進み信号および前記発振信号の周波数を下げるための位相遅れ信号を出力し、前記チャージポンプ回路は、正電源と前記出力端子との間に直列に接続される第1電流源および第1スイッチと、負電源と前記出力端子との間に直列に接続される第2電流源および第2スイッチとを有し、前記位相進み信号および該位相進み信号を遅延させた少なくとも1つの位相進み遅延信号により、前記第1スイッチを一比較周期内に複数回オンすると共に、前記位相遅れ信号および該位相遅れ信号を遅延させた少なくとも1つの位相遅れ遅延信号により、前記第2スイッチを一比較周期内に複数回オンするように構成されていることを特徴としている。
これにより、位相進み信号が入力されて第1スイッチがオンする際に発生するチャージポンプ回路の出力動作点の変動と、位相遅れ信号が入力されて第2スイッチがオンする際に発生するチャージポンプ回路の出力動作点の変動とを抑えることができる。
また、本発明に係るPLL回路は、上記において、前記位相比較器は、前記位相比較信号として、前記発振信号の周波数を上げるための位相進み信号および前記発振信号の周波数を下げるための位相遅れ信号を出力し、前記チャージポンプ回路は、正電源と前記出力端子との間に直列に接続される第1電流源および第1スイッチの組と、負電源と前記出力端子との間に直列に接続される第2電流源および第2スイッチの組とをそれぞれ並列に複数有し、前記位相進み信号および該位相進み信号を遅延させた少なくとも1つの位相進み遅延信号により、前記複数の第1スイッチを一比較周期内に順次オンすると共に、前記位相遅れ信号および該位相遅れ信号を遅延させた少なくとも1つの位相遅れ遅延信号により、前記複数の第2スイッチを一比較周期内に順次オンするように構成されていることを特徴としている。
これにより、位相進み信号が入力されて第1スイッチがオンする際に発生するチャージポンプ回路の出力動作点の変動と、位相遅れ信号が入力されて第2スイッチがオンする際に発生するチャージポンプ回路の出力動作点の変動とを抑えることができる。
以上説明したように、本発明のPLL回路は、PLLループの帯域や伝達関数を変化させることなく、チャージポンプ回路の出力動作点の変動を抑えてリファレンススプリアスの大きさを低減させることができると共に、リファレンススプリアスの周波数成分をより高い他の周波数に分散して、後段のループフィルタによって当該リファレンススプリアスを抑圧することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の本実施形態に係るPLL回路のブロック図である。
本実施形態におけるPLL回路1は、位相比較器10と、チャージポンプ回路20と、ループフィルタ30と、電圧制御発振回路(VCO)40と、N分周器50とが縦続接続され、このN分周器50が位相比較器10にフィードバック接続(帰還接続)された構成となっている。
位相比較器10は、外部からの入力データであるリファレンス信号(基準信号)fRFと、N分周器50から出力される帰還信号foutとの位相を比較し、VCO40からの出力信号の周波数を上げるためのアップ信号(位相進み信号)UPおよび上記出力信号の周波数を下げるためのダウン信号(位相遅れ信号)DNを生成してチャージポンプ回路20に出力する。
チャージポンプ回路20は、入力されたアップ信号UPおよびダウン信号DNに基づいて、ループフィルタ30に対してチャージ電流を流し込んだり、引き抜いたりしてチャージを出し入れする機能を有する。このチャージポンプ回路20の具体的構成については後述する。
ループフィルタ30は、チャージポンプ回路20の出力信号を平滑化して制御電圧を生成出力する。このループフィルタ30は、固定抵抗31と容量が固定のキャパシタ32とを備え、低周波成分を通過させるローパスフィルタ特性を有する。
VCO40は、ループフィルタ30からの制御電圧の電圧値VLPに基づく固有周波数をもつ出力信号を生成して出力する。N分周器50は、VCO40からの出力信号を所定の固定分周数Nで分周して帰還信号foutを出力する。
以上のように構成されたPLL回路1の基本動作は次のようになる。
先ず、位相比較器10により、リファレンス信号fRFと帰還信号foutとの位相のずれを検出し、帰還信号foutが遅れていれば、位相比較器10からチャージポンプ回路20にVCO入力電圧を上げるためのアップ信号UPを出力し、帰還信号foutが進んでいれば、位相比較器10からチャージポンプ回路20にVCO入力電圧を下げるためのダウン信号DNを出力する。これにより、チャージポンプ回路20を介してVCO40の入力電圧VLPが制御される。
そして、制御された入力電圧VLPをVCO40に入力することで、VCO40から所定の周波数のパルスを発生させる。これを繰り返すことにより、リファレンス信号fRFと帰還信号foutとの位相のずれが補正され、両信号fRF,foutの位相が一致してロック状態となる。
次に、チャージポンプ回路20の具体的構成について説明する。
チャージポンプ回路20は、図1に示すように、正電源VDDと出力ノードN1との間に直列に接続された定電流源21及びスイッチ22と、負電源GNDと出力ノードN1との間に直列に接続されたスイッチ23及び定電流源24と、バッファ25〜28と、を備えている。
スイッチ22はMOSトランジスタからなり、アップ信号UP1,UP2が印加されることでオン(導通)し、電流を出力ノードN1に出力する。
スイッチ23はMOSトランジスタからなり、ダウン信号DN1,DN2が印加されることでオン(導通)し、出力ノードN1から電流を流し込む。
バッファ25は、位相比較器10からのアップ信号UPを受けてアップ信号UP1を出力し、バッファ26は、バッファ25から出力されるアップ信号UP1を受けて、アップ信号UP1に対して所定の遅延が与えられたアップ信号UP2を出力する。
また、バッファ27は、位相比較器10からのダウン信号DNを受けてダウン信号DN1を出力し、バッファ28は、バッファ27から出力されるダウン信号DN1を受けて、ダウン信号DN1に対して所定の遅延が与えられたダウン信号DN2を出力する。
ここで、アップ信号UP1の遅延信号UP2およびダウン信号DN1の遅延信号DN2の遅延量は、比較周期の半周期に設定されている。つまり、チャージポンプ回路20からは、比較周期の半周期毎にチャージ電流が入出力されることになる。
チャージポンプ回路20は、アップ信号UP1又はUP2が入力される期間は、VDDノードから出力端子へ正のチャージ電流Icp/2を出力し、ダウン信号DN1又はDN2が入力される期間は、出力端子からGNDへ負のチャージ電流Icp/2を出力するように動作する。このように、本実施形態では、正のチャージ電流と負のチャージ電流の大きさは等しく設定されている。
ところで、アップ信号UP1,UP2若しくはダウン信号DN1,DN2によってスイッチ22若しくはスイッチ23がオンする際、電圧VLPが瞬間的に大きく変動するという現象が生じる。
また、このようなPLL回路においては、PLLループがロック状態となり、位相比較器10に同相のリファレンス信号fRF及び帰還信号foutが入力される状態では、位相比較器10からパルス幅の小さいアップ信号とダウン信号とが同時に発生する期間がある。
このとき、理想的なチャージポンプ回路20であれば、位相比較器10のアップ信号とダウン信号との出力動作が同時に行われるため、チャージポンプ回路20の出力側では、正のチャージ電流と負のチャージ電流とが相殺され、その出力電流は0となる。これにより、次段に接続されるループフィルタ30から出力される電圧VLPに変化はなく、VCO40は一定の周波数の下に発振する。
ところが、実際のチャージポンプ回路20においては、回路を構成するMOSトランジスタのスイッチング特性や周波数特性の違いにより、アップ信号動作とダウン信号動作とのスイッチング特性に差が生じ、これが原因となって位相比較器10へのリファレンス信号fRFと帰還信号foutとの位相が同相であるにもかかわらず、チャージポンプ回路20の出力が0にならないという現象が生じる。また、MOSトランジスタのオフセットによって定電流源21と定電流源24との電流値に差が生じた場合にも、PLLループがロック状態では、その電流値差を打ち消すようにアップ信号とダウン信号とのパルス幅に差が生じ、チャージポンプ回路20の出力が0にならないという現象が生じる。
このような電圧VLPの変動はVCO40の発振周波数の揺れとなり、リファレンススプリアスや位相ノイズの原因となる。
図2は、ロック状態におけるループフィルタ30の出力電圧VLPを示すタイムチャートである。
先ず、時刻t1でアップ信号UP1が出力されると、スイッチ22がオンとなって電源VDDから出力ノードN1にチャージ電流Icp/2が流れ込み、ループフィルタ30の出力電圧VLPがIcp/2×R分上昇する。その後、時刻t1から僅かにずれた時刻t2で、ダウン信号DN1が出力されると、スイッチ23がオンとなって出力ノードN1からGNDへチャージ電流Icp/2が引き抜かれ、ループフィルタ30の出力電圧VLPがIcp/2×R分下降する。
そして、時刻t3でアップ信号UP2が出力されると、再びスイッチ22がオンとなって電源VDDから出力ノードN1にチャージ電流Icp/2が流れ込み、ループフィルタ30の出力電圧VLPがIcp/2×R分上昇する。その後、時刻t3から僅かにずれた時刻t4で、ダウン信号DN2が出力されると、スイッチ23がオンとなって出力ノードN1からGNDへチャージ電流Icp/2が引き抜かれ、ループフィルタ30の出力電圧VLPがIcp/2×R分下降する。
このように、時刻t1から時刻t5までの一比較周期内に、アップ信号及びダウン信号がそれぞれ2回出力され、各々のタイミングで出力電圧VLPが上下に変動することになる。
なお、この図2では、説明の都合上、時刻t1と時刻t2との間および時刻t3と時刻t4との間を、それぞれ比較的長く示しているが、実際のアップ信号とダウン信号とのずれは非常に小さいものである。
ところで、図4に示す一般的なPLL回路のロック時には、図5に示すように一比較周期内にアップ信号及びダウン信号がそれぞれ1回ずつ出力される。そのため、図4に示すPLL回路のロック時には、比較周期毎に出力電圧VLPが上下に変動する。このときの出力電圧VLPの変動分はIcp×Rとなる。
これに対して、本実施形態における出力電圧VLPの変動分はIcp/2×Rであり、従来方式の半分にすることができる。そのため、リファレンススプリアスの大きさを従来方式の半分にすることができる。また、本実施形態では、リファレンススプリアスの発生周波数を従来方式の2倍にすることができる。そのため、チャージポンプ回路20の後段のループフィルタ30におけるリファレンススプリアスの抑圧量を増すことができる。
なお、図1において、定電流源21が第1電流源に対応し、スイッチ22が第1スイッチに対応し、スイッチ23が第2スイッチに対応し、定電流源24が第2電流源に対応している。また、アップ信号UP1が位相進み信号に対応し、アップ信号UP2が位相進み遅延信号に対応し、ダウン信号DN1が位相遅れ信号に対応し、ダウン信号DN2が位相遅れ遅延信号に対応している。
このように、上記第1の実施形態では、チャージポンプ回路を位相比較信号で駆動した後、チャージポンプ回路を遅延信号で再度駆動する構成とすることができ、チャージポンプ回路を複数回に分割して駆動することができる。そのため、定電流源からの出力電流値を従来方式と比較して小さくすることができるので、チャージポンプ回路の出力動作点の変動量を抑えることができ、その分リファレンススプリアスの大きさを抑制することができると共に、チャージポンプ回路の動作点マージンを増やすことができる。
また、リファレンススプリアスの周波数成分をより高い他の周波数に分散することができるので、後段のループフィルタにおけるリファレンススプリアスの抑圧量を増大させることができる。
さらに、チャージポンプ回路を、電源と出力端子との間に直列に接続された定電流源及びスイッチを有する構成とし、該スイッチを位相比較信号およびその遅延信号によって一比較周期内に複数回オン制御するので、回路規模を増大することなく一比較周期内に複数回に分割して出力電流を出力することができる。
またさらに、従来方式のようにVCOゲインを小さくしたり、ループ内にノッチフィルタを挿入したりする必要がないため、PLLループの帯域が小さくなるのを抑制することができると共に、PLLループの伝達関数の変化を抑制して安定性を確保することができる。
次に、本発明における第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態において、複数の制御信号によって1つのスイッチを複数回オン/オフしているのに対し、複数のスイッチを設け、各スイッチにそれぞれ対応した複数の制御信号によって、各スイッチを順番にオン/オフするようにしたものである。
図3は、第2の実施形態におけるチャージポンプ回路20の構成を示す回路図である。
すなわち、第2の実施形態のチャージポンプ回路20は、正電源VDDと出力ノードN1との間に直列に接続された第1定電流源21a及び第1スイッチ22aと、第1定電流源21a及び第1スイッチ22aと並列に配置されるように、正電源VDDと出力ノードN2との間に直列に接続された第1定電流源21b及び第1スイッチ22bと、負電源GNDと出力ノードN1との間に直列に接続された第2スイッチ23a及び第2定電流源24aと、第2スイッチ23a及び第2定電流源24aと並列に配置されるように、負電源GNDと出力ノードN2との間に直列に接続された第2スイッチ23b及び第2定電流源24bと、バッファ25〜28とを備えている。
次に、ロック状態におけるループフィルタ30の出力電圧VLPを、図2を参照して説明する。
先ず、時刻t1でアップ信号UP1が出力されると、スイッチ22aがオンとなって電源VDDから出力ノードN1にチャージ電流Icp/2が流れ込み、ループフィルタ30の出力電圧VLPがIcp/2×R分上昇する。その後、時刻t1から僅かにずれた時刻t2で、ダウン信号DN1が出力されると、スイッチ23aがオンとなって出力ノードN1からGNDへチャージ電流Icp/2が引き抜かれ、ループフィルタ30の出力電圧VLPがIcp/2×R分下降する。
そして、時刻t3でアップ信号UP2が出力されると、スイッチ22bがオンとなって電源VDDから出力ノードN1にチャージ電流Icp/2が流れ込み、ループフィルタ30の出力電圧VLPがIcp/2×R分上昇する。その後、時刻t3から僅かにずれた時刻t4で、ダウン信号DN2が出力されると、スイッチ23bがオンとなって出力ノードN1からGNDへチャージ電流Icp/2が引き抜かれ、ループフィルタ30の出力電圧VLPがIcp/2×R分下降する。
したがって、前述した第1の実施形態と同様に、時刻t1から時刻t5までの一比較周期内に、アップ信号及びダウン信号がそれぞれ2回出力され、各々のタイミングで出力電圧VLPが上下に変動することになる。
このように、上記第2の実施形態では、チャージポンプ回路を、電源と出力端子との間に直列に接続された定電流源及びスイッチの組を並列に複数有する構成とし、複数のスイッチを一比較周期内に順次オン制御する(チャージポンプ回路を複数に分割し、それぞれを異なるタイミングで駆動する)ので、上述した第1の実施形態と同様に、一比較周期内に複数回に分割して出力電流を出力することができ、リファレンススプリアスを効果的に抑圧することができる。
また、リファレンス信号と帰還信号との間に位相差が発生しており周波数を追随している状態において、アップ信号又はダウン信号のパルス幅が大きく、位相進み信号(又は位相遅れ信号)とその遅延信号とが重複する場合、その重複期間のチャージポンプ回路からの出力電流は、上述した第1の実施形態ではIcp/2であるのに対し、第2の実施形態では、スイッチ22aと22b(又はスイッチ23aと23b)が同時にオンするためIcpとなる。このように、出力ゲインを大きくすることができるので、周波数の追随が速い。
なお、上記第2の実施形態においては、定電流源21aと21bとで流すチャージ電流の大きさを等しく設定する場合について説明したが、定電流源21aで1/k(kは任意の整数)の割合のチャージ電流を流し、定電流源21bで(1−1/k)の割合のチャージ電流を流すなど、トータルで電流Icpが流れるように各定電流源からの電流値を異なる値に設定することもできる。これは、定電流源23a及び23bについても同様である。
また、上記各実施形態においては、遅延信号UP2および遅延信号DN2の遅延量を比較周期の半周期に設定する場合について説明したが、一比較周期以内であればこれに限定されるものではない。仮に遅延量が半周期でなくても、元々のリファレンススプリアスの周波数成分がより高い他の周波数に分散されるので、後段のループフィルタによる抑圧効果を高めることができる。
また、上記各実施形態においては、バッファを用いて遅延信号を生成する場合について説明したが、他の遅延回路を適用することもできる。
さらに、上記各実施形態においては、遅延信号を1つとし、チャージポンプ回路20を一比較周期内に2回駆動する場合について説明したが、3回以上駆動することもできる。この場合、上記第1の実施形態では、スイッチ22及び23を一比較周期内にn回(n≧3)オン制御するようにすると共に、定電流源21及び24からの電流値をIcp/nに設定すればよい。また、上記第2の実施形態では、定電流源及びスイッチの組をn個用意し、これらn個のスイッチを一比較周期内に順次オン制御するようにすればよい。
また、上記各実施形態においては、正のチャージ電流と負のチャージ電流の大きさを等しく設定する場合について説明したが、正のチャージ電流と負のチャージ電流の大きさを異ならせてもよい。
さらに、上記各実施形態においては、正のチャージと負のチャージの両方において、出力電流の分割を行う場合について説明したが、何れか一方において分割駆動を行う構成とすることもできる。
このように、回路特性に応じてチャージ電流の大きさや分割駆動の分割数等を適切に設定することで、より効果的にリファレンススプリアスを抑圧することができる。
第1の実施形態に係るPLL回路のブロック図である。 本発明の実施形態における動作を示すタイムチャート図である。 第2の実施形態に係るチャージポンプ回路の回路図である。 従来のPLL回路の構成を示す回路図である。 従来のPLL回路の動作を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 PLL回路
10 位相比較器
20 チャージポンプ回路
21,24 定電流源
22,23 スイッチ
25〜28 バッファ
30 ループフィルタ
31 抵抗
32 キャパシタ
40 電圧制御発振回路(VCO)
50 N分周器

Claims (7)

  1. 比較周期毎に基準信号と帰還信号との位相差を比較し、位相比較信号を出力する位相比較器と、
    前記位相比較器から出力される位相比較信号および該位相比較信号を遅延させた少なくとも1つの遅延信号に応じた電流信号を、出力端子から出力するチャージポンプ回路と、
    前記チャージポンプ回路から出力される電流信号を平滑化して電圧信号に変換するループフィルタと、
    前記ループフィルタから出力される電圧信号に応じた周波数の発振信号を生成する電圧制御発振回路と、
    前記電圧制御発振回路から出力される発振信号を所定の分周比により分周して前記帰還信号を生成する分周器と、を備えるPLL回路。
  2. 前記チャージポンプ回路は、電源と前記出力端子との間に直列に接続される第1電流源および第1スイッチを有し、前記位相比較信号および前記遅延信号により、前記第1スイッチを一比較周期内に複数回オンするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のPLL回路。
  3. 前記チャージポンプ回路は、電源と前記出力端子との間に直列に接続される第1電流源および第1スイッチの組を並列に複数有し、前記位相比較信号および前記遅延信号により、前記複数の第1スイッチを一比較周期内に順次オンするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のPLL回路。
  4. 前記電源は正電源であり、前記位相比較信号は前記発振信号の周波数を上げるための位相進み信号であることを特徴とする請求項2又は3に記載のPLL回路。
  5. 前記電源は負電源であり、前記位相比較信号は前記発振信号の周波数を下げるための位相遅れ信号ことを特徴とする請求項2又は3に記載のPLL回路。
  6. 前記位相比較器は、前記位相比較信号として、前記発振信号の周波数を上げるための位相進み信号および前記発振信号の周波数を下げるための位相遅れ信号を出力し、
    前記チャージポンプ回路は、正電源と前記出力端子との間に直列に接続される第1電流源および第1スイッチと、負電源と前記出力端子との間に直列に接続される第2電流源および第2スイッチとを有し、前記位相進み信号および該位相進み信号を遅延させた少なくとも1つの位相進み遅延信号により、前記第1スイッチを一比較周期内に複数回オンすると共に、前記位相遅れ信号および該位相遅れ信号を遅延させた少なくとも1つの位相遅れ遅延信号により、前記第2スイッチを一比較周期内に複数回オンするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のPLL回路。
  7. 前記位相比較器は、前記位相比較信号として、前記発振信号の周波数を上げるための位相進み信号および前記発振信号の周波数を下げるための位相遅れ信号を出力し、
    前記チャージポンプ回路は、正電源と前記出力端子との間に直列に接続される第1電流源および第1スイッチの組と、負電源と前記出力端子との間に直列に接続される第2電流源および第2スイッチの組とをそれぞれ並列に複数有し、前記位相進み信号および該位相進み信号を遅延させた少なくとも1つの位相進み遅延信号により、前記複数の第1スイッチを一比較周期内に順次オンすると共に、前記位相遅れ信号および該位相遅れ信号を遅延させた少なくとも1つの位相遅れ遅延信号により、前記複数の第2スイッチを一比較周期内に順次オンするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のPLL回路。
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