JP2002164623A - 窒化物半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体レーザ及びその製造方法

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JP2002164623A
JP2002164623A JP2000358430A JP2000358430A JP2002164623A JP 2002164623 A JP2002164623 A JP 2002164623A JP 2000358430 A JP2000358430 A JP 2000358430A JP 2000358430 A JP2000358430 A JP 2000358430A JP 2002164623 A JP2002164623 A JP 2002164623A
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plane
nitride
layer
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Masanobu Hiroki
正伸 廣木
Toshio Nishida
敏夫 西田
Seigo Ando
精後 安藤
Naoki Kobayashi
小林  直樹
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低発振しきい電流密度で、かつより長波長側
で発振する窒化物半導体レーザ及びその製造方法を提供
すること。 【解決手段】 サファイア基板1上のGaN層2上に成
長したn型のGaN層5に第3の窒化物層であるInG
aN多重量子井戸の活性層6の上部、下部がそれぞれp
型のGaN層7、n型のGaN層8のガイド層で挟み、
さらにそれを上部、下部がそれぞれp型のAlGaN
9、n型のAlGaN10クラッド層で挟み、第3の窒
化物層のレーザの反対側を第2の窒化物層に到達するま
で削った面にn型の電極11を形成し、第3の窒化物の
p型のAlGaNクラッド層9上にp電極12を形成
し、レーザの光導波路の両端に光反射鏡13を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体レー
ザ及びその製造方法に関し、より詳細には、窒化物半導
体を用いた、中波長域、短波長域で発振する窒化物半導
体レーザ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の窒化物半導体を用いた短波長域で
の発振する半導体レーザは、図7に示すように、(00
01)面もしくは(0001)面から数度傾斜した面方
位を有するサファイアもしくはSiC基板21上に、発
光層26には、InGaNとGaNもしくはInGaN
同士の量子井戸構造を用い、これをGaNのガイド層2
7,28で挟み、さらに、AlGaNのクラッド層2
9,30で挟んだ構造であった(例えば、S.Nakamura
et al. Jpn. J.Appl. Phys.35(1996)L74参
照)。なお、符号22は、GaN層、31はn電極、3
2はp電極を示している。
【0003】この構造の場合、窒化物半導体は、<00
01>方向に対して極性を有するため、歪により電界を
生じる。このため活性層である量子井戸中で、電子と正
孔が空間的に分離してしまい、内部量子効率が低下する
という問題があった。
【0004】図4(b)は、従来の窒化物半導体レーザ
ー構造での、活性層の量子井戸でのバンド構造である。
歪により誘起された電界により電子と正孔が空間的に分
離される。そのため、内部量子効率が無歪である時より
も低下してしまう。
【0005】従来の窒化物半導体レーザは、青紫色の4
00nm付近の波長領域で実用化されている。しかし、
緑色などのより長波長の領域で発振する窒化物半導体レ
ーザの製作を試みた場合、内部量子効率が急激に低下し
てしまう。原因として、一つは結晶性の良い高In組成
のInGaNの結晶成長が困難であること、もう一つは
GaNとInGaNで量子井戸を作製した時に、より歪
が大きくなるため、前で述べた電界が更に大きくなるた
め、電子と正孔が空間分離する度合いがより大きくな
り、さらに内部量子効率が低下することである。そのた
め、緑色などのより長波長の領域で発振する窒化物半導
体レーザーは未だ製品化されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の
(0001)面上の窒化物半導体レーザーは、歪により
活性層の量子井戸に誘起された電界により、内部量子効
率が低下してしまうという問題があった。
【0007】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、歪による電界を解
消あるいは抑制することにより、内部量子効率を向上
し、低発振しきい電流密度で、かつより長波長側で発振
する窒化物半導体レーザ及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、請求項1に記載の窒化物半導体レ
ーザの発明は、(0001)面または(0001)面か
ら0.1°〜0.3°傾斜した面方位を有する基板上に
設けられた面状の第1の窒化物層と、該第1の窒化物層
上に、前記基板に対して<100>または<11
>方向に沿って作製された面を有する第2の窒化物層
と、該第2の窒化物層上に、該第2の窒化物層と同じ面
方位を有するダブルヘテロ構造を備えた第3の窒化物層
とを有することを特徴とするものである。なお、(00
01)面または(0001)面から0.05°〜0.3
5°傾斜した面方位を有する基板を用いることも可能で
ある。また、(111)の「」などの下線は標記の
都合上、上線の代用として用いたものである。また、
「(0001)」の( )は面を表し、「<11
>」の< >は方向を表している。
【0009】また、請求項2に記載の窒化物半導体レー
ザの発明は、(0001)面または(0001)面から
0.2°傾斜した面方位を有する基板上に設けられた面
状の第1の窒化物層と、該第1の窒化物層上に、前記基
板に対して<100>または<110>方向に沿っ
て作製された面を有する第2の窒化物層と、該第2の窒
化物層上に、該第2の窒化物層と同じ面方位を有するダ
ブルヘテロ構造を備えた第3の窒化物層とを有すること
を特徴とするものである。なお、(0001)面または
(0001)面から0.15°〜0.25°傾斜した面
方位を有する基板を用いることも可能である。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
又は2に記載の発明において、前記第2の窒化物層は、
前記第1の窒化物層の(0001)面の<100>方
向の辺と(111)面を有することを特徴とするもの
である。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
又は2に記載の発明において、前記第2の窒化物層は、
前記第1の窒化物層の(0001)面の<110>方
向の辺と(101)面を有することを特徴とするもの
である。
【0012】また、請求項5に記載の窒化物半導体レー
ザの発明は、(0001)面または(0001)面から
0.1°〜0.3°傾斜した面方位を有する基板上に設
けられた面状の第1の窒化物層と、該第1の窒化物層上
に、前記基板に対して<100>または<110>
方向と、<0001>方向の間の方向面を有する第2の
窒化物層と、該第2の窒化物層上に、該第2の窒化物層
と同じ面方位を有するダブルヘテロ構造を有する第3の
窒化物層とを有することを特徴とするものである。
【0013】また、請求項6に記載の窒化物半導体レー
ザの発明は、(0001)面または(0001)面から
0.2°傾斜した面方位を有する基板上に設けられた面
状の第1の窒化物層と、該第1の窒化物層上に、前記基
板に対して<100>又は<110>方向と、<0
001>方向の間の方向面を有する第2の窒化物層と、
該第2の窒化物層上に、該第2の窒化物層と同じ面方位
を有するダブルヘテロ構造を有する第3の窒化物層とを
有することを特徴とするものである。
【0014】また、請求項7に記載の発明は、請求項5
又は6に記載の発明において、前記第2の窒化物層は、
前記第1の窒化物層の(0001)面の<100>方
向の辺と(110)面を有することを特徴とするもの
である。
【0015】また、請求項8に記載の発明は、請求項5
又は6に記載の発明において、前記第2の窒化物層は、
前記第1の窒化物層の(0001)面の<110>方
向の辺と(100)面を有することを特徴とするもの
である。
【0016】また、請求項9に記載の発明は、請求項1
乃至8いずれか1項に記載の発明において、前記基板
は、サファイアSiC,GaNのいずれか1つであるこ
とを特徴とするものである。
【0017】また、請求項10に記載の発明は、請求項
1乃至9いずれか1項に記載の発明において、 前記第
1の窒化物層は、Gan,AlNのいずれかであること
を特徴とするものである。
【0018】また、請求項11に記載の発明は、請求項
1乃至10いずれか1項に記載の発明において、前記第
3の窒化物層の活性層は、窒化物半導体の量子井戸であ
ることを特徴とするものである。
【0019】また、請求項12に記載の発明は、請求項
1乃至10いずれか1項に記載の発明において、前記第
3の窒化物層の活性層の上部、下部にそれぞれp型、n
型のキャリア閉じ込め層を有し、更にその上部、下部に
それぞれp型、n型の光閉じ込め層を有すヘテロ構造で
あることを特徴とするものである。
【0020】また、請求項13に記載の窒化物半導体レ
ーザの製造方法の発明は、(0001)面または(00
01)面から0.1°〜0.3°傾斜した面方位を有す
る基板上に面状の第1の窒化物層を形成する工程と、該
第1の窒化物層上に、前記基板に対して<100>ま
たは<110>方向に沿って作製された面を有する第
2の窒化物層を形成する工程と、該第1の窒化物層の
(0001)面の<110>線または<100>線
に平行な帯状のマスクストライプを形成する工程と、該
第2の窒化物層上に、該第2の窒化物層と同じ面方位を
有するダブルヘテロ構造を備えた第3の窒化物層を形成
する工程とを有し、前記第2の窒化物層は、前記第1の
窒化物層の(0001)面の<100>方向の辺と
(111)面を有することを特徴とするものである。
【0021】また、請求項14に記載の窒化物半導体レ
ーザの製造方法の発明は、(0001)面または(00
01)面から0.2°傾斜した面方位を有する基板上に
面状の第1の窒化物層を形成する工程と、該第1の窒化
物層の(0001)面の<110>線または<1
0>線に平行な帯状のマスクストライプを形成する工程
と、該第1の窒化物層上に、前記基板に対して<1
0>または<110>方向に沿って作製された面を有
する第2の窒化物層を形成する工程と、該第2の窒化物
層上に、該第2の窒化物層と同じ面方位を有するダブル
ヘテロ構造を備えた第3の窒化物層を形成する工程とを
有し、前記第2の窒化物層は、前記第1の窒化物層の
(0001)面の<100>方向の辺と(111)
面を有することを特徴とするものである。
【0022】また、請求項15に記載の窒化物半導体レ
ーザの製造方法の発明は、(0001)面または(00
01)面から0.1°〜0.3°傾斜した面方位を有す
る基板上に面状の第1の窒化物層を形成する工程と、前
記第1の窒化物層上に、前記基板に対して<100>
または<110>方向に沿って作製された面を有する
第2の窒化物層を形成する工程と、該第1の窒化物層の
(0001)面の<110>線または<100>線
に平行な帯状のマスクストライプを形成する工程と、該
第2の窒化物層上に、該第2の窒化物層と同じ面方位を
有するダブルヘテロ構造を備えた第3の窒化物層を形成
する工程とを有し、前記第2の窒化物層は、前記第1の
窒化物層の(0001)面の<110>方向の辺と
(101)面を有することを特徴とするものである。
【0023】また、請求項16に記載の窒化物半導体レ
ーザの製造方法の発明は、(0001)面または(00
01)面から0.2°傾斜した面方位を有する基板上に
面状の第1の窒化物層を形成する工程と、該第1の窒化
物層の(0001)面の<110>線または<1
0>線に平行な帯状のマスクストライプを形成する工程
と、該第1の窒化物層上に、前記基板に対して<1
0>または<110>方向に沿って作製された面を有
する第2の窒化物層を形成する工程と、該第2の窒化物
層上に、該第2の窒化物層と同じ面方位を有するダブル
ヘテロ構造を備えた第3の窒化物層を形成する工程とを
有し、前記第2の窒化物層は、前記第1の窒化物層の
(0001)面の<110>方向の辺と(101)
面を有することを特徴とするものである。
【0024】また、請求項17に記載の発明は、請求項
13乃至16いずれか1項に記載の発明において、前記
第2の窒化物を形成する工程は、成長を中断し、マスク
ストライプを除去した後に、前記第2の窒化物層をさら
に成長させることを特徴とするものである。
【0025】本発明は、選択成長技術あるいはドライエ
ッチング技術を用いることで、窒化物半導体の斜め面で
ある(101)または(111)面、あるいは垂直
面である(100)、(110)を形成し、その面
上にレーザー構造を作製することを主な特徴とする。従
来の技術により作製された窒化物半導体レーザーとは成
長する面方位が異なる。
【0026】ウルツァイト構造の窒化物半導体は、<1
00>、<110>方向には無極性であり、窒化物
半導体が歪んでもその方向には電界を誘起しない。ま
た、<0001>方向に斜めな方向でも<0001>方
向より誘起される電界は小さいと考えられる。したがっ
て、それらの方向に沿って作製された(100)、
(110)面上の窒化物半導体の量子井戸では、歪に
より誘起される電界は存在せず、(0001)面に対し
て斜の方向を向く面上の量子井戸でも、歪により誘起さ
れる電界は(0001)面上量子井戸のそれに比べて、
小さい、あるいは存在しないので、電子と正孔が量子井
戸中で空間分離することが抑えられるか、またはなくな
り、内部量子効率は(0001)面上のものよりも高
い。
【0027】本発明は、それを実践した窒化物半導体レ
ーザーの構造であり、このような理由で基板に対し、従
来の技術よりも低しきい電流密度で発振し、より長波長
域で発振する窒化物半導体レーザーを作製することが可
能となる。なお、いくつかの斜め面の中では、(1
1)、(111)面が原子密度の低い面であるので、
ファッセットとして現れやすい。そのため他の斜め面よ
りも平坦な面が得られるため、本発明のレーザを作製す
るために適している。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例について説明する。 [実施例1]図1(a),(b)及び図2(c),
(d),(e)は、本発明の第1実施例における窒化物
半導体レーザ及びその製造方法を説明するための図で、
図1(a)は平面図、図1(b)は断面図、図2
(c),(d)は断面図、図2(e)は斜視図である。
【0029】図1(a)において、サファイア基板1や
SiC基板上に第1の窒化物層であるGaN層2を設
け、その上にSiO23マスク材で<111>方向に
帯状のマスクストライプ4が形成する。なお、前述した
ように、<111>の「」などの下線は標記の都合
上、上線の代用として用いている。また、< >は方向
を表している。以下、同様である。
【0030】(0001)面、もしくは(0001)か
ら数度傾斜した面方位を有するサファイア基板1もしく
はSiC基板を用い、H2キャリアガス中で1000度
に加熱された基板上にアンモニアとトリメチルガリウム
を供給するMOVPE法(有機金属気相成長法)によ
り、約500度の低温でAINバッファ層を成長後、膜
厚1〜2μmのGaN2を成長する。その成長したGa
N2の(0001)面上にSiO23マスク材で<11
1>方向に帯状のマスクストライプ4を形成する。
【0031】なお、(0001)面または(0001)
から数度傾斜した面方位を有する基板としては、具体的
には、0.05°〜0.35°傾斜した面方位、好まし
くは、0.1°〜0.3°傾斜した面方位を有する基板
を用いることが望ましい。また、他の具体例として、
(0001)面または(0001)面から0.15°〜
0.25°傾斜した面方位、好ましくは、0.2°傾斜
した面方位を有する基板を用いることが望ましい。
【0032】図1(b)において、サファイア基板1上
のGaN層2上に形成した(111)マスクストライ
プ4の開口部に、マスクストライプ4との境界に斜め面
(101)面を有する第2の窒化物層であるn型のG
aN層5が形成されている。
【0033】GaNをMOVPE法により、マスクスト
ライプ4上に成長すると、まず、開口部にのみ成長し、
マスクストライプ4との境界に(101)面を有する
n型のGaN層5が形成される。
【0034】図2(c)において、サファイア基板1上
のGaN層2上に成長したn型のGaN層5に第3の窒
化物層であるInGaN多重量子井戸の活性層6の上
部、下部がそれぞれp型のGaN層7、n型のGaN層
8のガイド層で挟み、さらにそれを上部、下部がそれぞ
れp型のAlGaN9、n型のAlGaN10クラッド
層で挟んだレーザを形成する。
【0035】フッ酸でSiO23マスクで除去し、n型
のAlGaN層10を成長し、その上にn型のGaN層
8を成長し、その上にInGaNの多重量子井戸を成長
させ、その上にp型のGaN層7、p型のAlGaN層
9を成長し第3の窒化物層を形成する。
【0036】図2(d)において、成長した第3の窒化
物層のレーザの反対側を第2の窒化物層に到達するまで
削った面にn型の電極11を形成し、第3の窒化物のp
型のAlGaNクラッド層9上に細いストライプ状のp
電極を形成する。
【0037】第3の窒化物層のレーザの反対側以外をマ
スクした後、レーザの反対側をドライエッチングにより
削りn電極11を形成し、レジストをアセトンにより除
去した後、第3の窒化物層上のストライプを残してマス
クをし、p電極12を形成した後にマスクを除去して形
成されたものである。
【0038】図2(e)において、レーザの光導波路の
両端に光反射鏡13を形成した。窒化物半導体レーザの
光導波路に対して垂直に2面をへき開して形成されたも
のである。
【0039】[実施例2]図3(a),(b)及び図4
(c),(d),(e)は、本発明の第2実施例におけ
る窒化物半導体レーザ及びその製造方法を説明するため
の図で、図3(a)は平面図、図3(b)は断面図、図
4(c),(d)は断面図、図4(e)は斜視図であ
る。
【0040】図3(a)において、サファイア基板1や
SiC基板上に第1の窒化物層であるGaN層2を設
け、その上にSiO23マスク材で<110>方向に
帯状のマスクストライプ4を形成した。
【0041】(0001)面、もしくは(0001)か
ら数度傾斜した面方位を有するサファイア基板1もしく
はSiC基板を用い、H2キャリアガス中で1000度
に加熱された基板上にアンモニアとトリメチルガリウム
を供給するMOVPE法(有機金属気相成長法)によ
り、約500度の低温でAINバッファ層を成長後、膜
厚1〜2μmのGaN2を成長する。その成長したGa
N2の(0001)面上にSiO23マスク材で<11
0>方向に帯状のマスクストライプ4を形成する。こ
の場合における数度傾斜した面方位としては、前述した
角度と同様である。
【0042】図3(b)において、サファイア基板1上
のGaN層2上に形成した(110)マスクストライ
プ4の開口部に、マスクストライプ4との境界に垂直面
(100)面を有する第2の窒化物層であるn型のG
aN層5を形成した。
【0043】GaNをMOVPE法により、マスクスト
ライプ4上に成長すると、まず、開口部にのみ成長し、
マスクストライプ4との境界に(100)面を有する
n型のGaN層5を形成する。
【0044】図4(c)において、サファイア基板1上
のGaN層2上に成長したn型のGaN層5に第3の窒
化物層であるInGaN多重量子井戸の活性層6の上
部、下部がそれぞれp型のGaN層7、n型のGaN層
8のガイド層で挟み、さらにそれを上部、下部がそれぞ
れp型のAlGaN9、n型のAlGaN10クラッド
層で挟んだレーザを形成した。
【0045】フッ酸でSiO23マスクで除去し、n型
のAlGaN層10を成長し、その上にn型のGaN層
8を成長し、その上にInGaNの多重量子井戸を成長
し、その上にp型のGaN層7、p型のAlGaN層9
を成長させ、第3の窒化物層を形成する。
【0046】図4(d)において、成長した第3の窒化
物層のレーザの反対側を第2の窒化物層に到達するまで
削った面にn型の電極11を形成し、第3の窒化物層の
(0001)面上にSiO2マスク3を形成し、そのマ
スクと第3の窒化物のp型ののAlGaNクラッド層9
を覆ったp電極12を形成した。
【0047】第3の窒化物層のレーザの反対側以外をマ
スクした後、レーザの反対側をドライエッチングにより
削りn電極11を形成し、レジストをアセトンにより除
去した後、第3の窒化物層の(0001)面上にSiO
2のマスクを形成して、n電極を覆うマスクを形成し、
そのマスクと第3の窒化物のp型のAlGaNクラッド
層9を覆ったp電極12を形成した後にn電極上のマス
クを除去して形成されたものである。
【0048】図4(e)において、レーザの光導波路の
両端に光反射鏡13を形成した。窒化物半導体レーザの
光導波路に対して垂直に2面をへき開して形成されたも
のである。
【0049】[実施例3]図5(a),(b)は、本発
明の第3実施例における窒化物半導体レーザを説明する
ための図で、図5(a)は、第2窒化物層の(1
1)面上に形成される活性層にGaN、AlGaNによ
る量子井戸を用いた紫外発光用窒化物レーザの断面図
で、図5(b)は、第2窒化物層の(100)面上に
形成される活性層にGaN、AlGaNによる量子井戸
を用いた紫外発光用窒化物レーザの断面図である。
【0050】第3窒化物層としてAlGaNガイド層
8、AlGaNクラッド層9,10、活性層14として
GaN、AlGaNに多重量子井戸を用いて形成され
る。
【0051】図6(a)は、実施例2で作製された窒化
物半導体の活性層であるInGaN量子井戸の量子井戸
方向に沿ったバンド構造を示す図で、図6(b)は、従
来技術における窒化物半導体の活性層であるInGaN
量子井戸の量子井戸方向に沿ったバンド構造を示す図で
ある。
【0052】従来技術における窒化物半導体の活性層で
あるInGaN量子井戸の量子井戸方向に沿ったバンド
構造が、歪により有機された電界により、ポテンシャル
に傾斜が生じ電子と正孔が空間的に分離してしまうのに
対して、実施例2の量子井戸レーザはそのような現象を
解消できる。また、実施例1の窒化物半導体レーザのI
nGaN量子井戸の量子井戸方向に沿ったバンド端のポ
テンシャル空間分布図も従来技術と定性的には同じであ
るが、その電界によるポテンシャルの傾斜は抑制されて
いる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
(0001)面または(0001)面から0.1°〜
0.3°傾斜した面方位あるいは0.2°傾斜した面方
位を有する基板上に設けられた面状の第1の窒化物層
と、第1の窒化物層上に、基板に対して<100>ま
たは<110>方向に沿って作製された面を有する第
2の窒化物層と、第2の窒化物層上に、第2の窒化物層
と同じ面方位を有するダブルヘテロ構造を備えた第3の
窒化物層とを有するので、つまり、本発明は、MOCV
D選択成長により、(0001)面に対し、斜め面ある
いは垂直面が形成され、その面上に作成されたレーザー
構造を有するので、それらの面上では歪誘起電界が(0
001)面上に比べ抑制、あるいは解消するため内部量
子効率が向上し、その結果、低しきい電流密度で発振
し、より長波長側で発振する窒化物半導体レーザーの作
成が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は、本発明の第1実施例におけ
る窒化物半導体レーザ及びその製造方法を説明するため
の図である。
【図2】(c),(d),(e)は、本発明の第1実施
例における窒化物半導体レーザ及びその製造方法を説明
するための図である。
【図3】(a),(b)は、本発明の第2実施例におけ
る窒化物半導体レーザ及びその製造方法を説明するため
の図である。
【図4】(c),(d),(e)は、本発明の第2実施
例における窒化物半導体レーザ及びその製造方法を説明
するための図である。
【図5】(a)、(b)は、本発明の第3実施例におけ
る発光用窒化物半導体レーザを示す図である。
【図6】(a)は、実施例2で作成された窒化物半導体
の活性層であるInGaN量子井戸の<1120>方向
のバンド構造を示す図で、(b)は、従来技術で作成さ
れた窒化物半導体の活性層であるInGaN量子井戸の
<0001>方向のバンド構造を示す図である。
【図7】従来の窒化物半導体レーザの構造を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 サファイア基板 2 GaN層 3 SiO2 4 マスクストライプ 5 n型のGaN層 6 InGaN多重量子井戸の活性層 7 p型のGaNガイド層 8 n型のGaNガイド層 9 p型のAlGaNクラッド層 10 n型のAlGaNクラッド層 11 n電極 12 p電極 13 光反射鏡 14 GaN、AlGaN多重量子井戸の活性層 21 サファイア基板 22 GaN層 26 InGaN多重量子井戸の活性層 27 p型のGaNガイド層 28 n型のGaNガイド層 29 p型のAlGaNクラッド層 30 n型のAlGaNクラッド層 31 n電極 32 p電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 精後 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 小林 直樹 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5F073 AA74 CA07 CB05 DA05 DA24 EA02 EA23

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (0001)面または(0001)面か
    ら0.1°〜0.3°傾斜した面方位を有する基板上に
    設けられた面状の第1の窒化物層と、該第1の窒化物層
    上に、前記基板に対して<100>または<11
    >方向に沿って作製された面を有する第2の窒化物層
    と、該第2の窒化物層上に、該第2の窒化物層と同じ面
    方位を有するダブルヘテロ構造を備えた第3の窒化物層
    とを有することを特徴とする窒化物半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 (0001)面または(0001)面か
    ら0.2°傾斜した面方位を有する基板上に設けられた
    面状の第1の窒化物層と、該第1の窒化物層上に、前記
    基板に対して<100>または<110>方向に沿
    って作製された面を有する第2の窒化物層と、該第2の
    窒化物層上に、該第2の窒化物層と同じ面方位を有する
    ダブルヘテロ構造を備えた第3の窒化物層とを有するこ
    とを特徴とする窒化物半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 前記第2の窒化物層は、前記第1の窒化
    物層の(0001)面の<100>方向の辺と(11
    1)面を有することを特徴とする請求項1又は2に記
    載の窒化物半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 前記第2の窒化物層は、前記第1の窒化
    物層の(0001)面の<110>方向の辺と(1
    01)面を有することを特徴とする請求項1又は2に記
    載の窒化物半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 (0001)面または(0001)面か
    ら0.1°〜0.3°傾斜した面方位を有する基板上に
    設けられた面状の第1の窒化物層と、該第1の窒化物層
    上に、前記基板に対して<100>または<11
    >方向と、<0001>方向の間の方向面を有する第2
    の窒化物層と、該第2の窒化物層上に、該第2の窒化物
    層と同じ面方位を有するダブルヘテロ構造を有する第3
    の窒化物層とを有することを特徴とする窒化物半導体レ
    ーザ。
  6. 【請求項6】 (0001)面または(0001)面か
    ら0.2°傾斜した面方位を有する基板上に設けられた
    面状の第1の窒化物層と、該第1の窒化物層上に、前記
    基板に対して<100>又は<110>方向と、<
    0001>方向の間の方向面を有する第2の窒化物層
    と、該第2の窒化物層上に、該第2の窒化物層と同じ面
    方位を有するダブルヘテロ構造を有する第3の窒化物層
    とを有することを特徴とする窒化物半導体レーザ。
  7. 【請求項7】 前記第2の窒化物層は、前記第1の窒化
    物層の(0001)面の<100>方向の辺と(11
    0)面を有することを特徴とする請求項5又は6に記
    載の窒化物半導体レーザ。
  8. 【請求項8】 前記第2の窒化物層は、前記第1の窒化
    物層の(0001)面の<110>方向の辺と(1
    00)面を有することを特徴とする請求項5又は6に記
    載の窒化物半導体レーザ。
  9. 【請求項9】 前記基板は、サファイアSiC,GaN
    のいずれか1つであることを特徴とする請求項1乃至8
    いずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ。
  10. 【請求項10】 前記第1の窒化物層は、Gan,Al
    Nのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至9い
    ずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ。
  11. 【請求項11】 前記第3の窒化物層の活性層は、窒化
    物半導体の量子井戸であることを特徴とする請求項1乃
    至10いずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ。
  12. 【請求項12】 前記第3の窒化物層の活性層の上部、
    下部にそれぞれp型、n型のキャリア閉じ込め層を有
    し、更にその上部、下部にそれぞれp型、n型の光閉じ
    込め層を有すヘテロ構造であることを特徴とする請求項
    1乃至10いずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ。
  13. 【請求項13】 (0001)面または(0001)面
    から0.1°〜0.3°傾斜した面方位を有する基板上
    に面状の第1の窒化物層を形成する工程と、該第1の窒
    化物層上に、前記基板に対して<100>または<1
    0>方向に沿って作製された面を有する第2の窒化
    物層を形成する工程と、該第1の窒化物層の(000
    1)面の(110)線または(100)線に平行な
    帯状のマスクストライプを形成する工程と、該第2の窒
    化物層上に、該第2の窒化物層と同じ面方位を有するダ
    ブルヘテロ構造を備えた第3の窒化物層を形成する工程
    とを有し、前記第2の窒化物層は、前記第1の窒化物層
    の(0001)面の<100>方向の辺と(11
    1)面を有することを特徴とする窒化物半導体レーザの
    製造方法。
  14. 【請求項14】 (0001)面または(0001)面
    から0.2°傾斜した面方位を有する基板上に面状の第
    1の窒化物層を形成する工程と、該第1の窒化物層の
    (0001)面の<110>線または<100>線
    に平行な帯状のマスクストライプを形成する工程と、該
    第1の窒化物層上に、前記基板に対して<100>ま
    たは<110>方向に沿って作製された面を有する第
    2の窒化物層を形成する工程と、該第2の窒化物層上
    に、該第2の窒化物層と同じ面方位を有するダブルヘテ
    ロ構造を備えた第3の窒化物層を形成する工程とを有
    し、前記第2の窒化物層は、前記第1の窒化物層の(0
    001)面の<100>方向の辺と(111)面を
    有することを特徴とする窒化物半導体レーザの製造方
    法。
  15. 【請求項15】 (0001)面または(0001)面
    から0.1°〜0.3°傾斜した面方位を有する基板上
    に面状の第1の窒化物層を形成する工程と、前記第1の
    窒化物層上に、前記基板に対して<100>または<
    110>方向に沿って作製された面を有する第2の窒
    化物層を形成する工程と、該第1の窒化物層の(000
    1)面の<110>線または<100>線に平行な
    帯状のマスクストライプを形成する工程と、該第2の窒
    化物層上に、該第2の窒化物層と同じ面方位を有するダ
    ブルヘテロ構造を備えた第3の窒化物層を形成する工程
    とを有し、前記第2の窒化物層は、前記第1の窒化物層
    の(0001)面の<110>方向の辺と(1
    1)面を有することを特徴とする窒化物半導体レーザの
    製造方法。
  16. 【請求項16】 (0001)面または(0001)面
    から0.2°傾斜した面方位を有する基板上に面状の第
    1の窒化物層を形成する工程と、該第1の窒化物層の
    (0001)面の<110>線または<100>線
    に平行な帯状のマスクストライプを形成する工程と、該
    第1の窒化物層上に、前記基板に対して<100>ま
    たは<110>方向に沿って作製された面を有する第
    2の窒化物層を形成する工程と、該第2の窒化物層上
    に、該第2の窒化物層と同じ面方位を有するダブルヘテ
    ロ構造を備えた第3の窒化物層を形成する工程とを有
    し、前記第2の窒化物層は、前記第1の窒化物層の(0
    001)面の<110>方向の辺と(101)面を
    有することを特徴とする窒化物半導体レーザの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 前記第2の窒化物を形成する工程は、
    成長を中断し、マスクストライプを除去した後に、前記
    第2の窒化物層をさらに成長させることを特徴とする請
    求項13乃至16いずれか1項に記載の窒化物半導体レ
    ーザの製造方法。
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