JP2002164429A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP2002164429A
JP2002164429A JP2001220230A JP2001220230A JP2002164429A JP 2002164429 A JP2002164429 A JP 2002164429A JP 2001220230 A JP2001220230 A JP 2001220230A JP 2001220230 A JP2001220230 A JP 2001220230A JP 2002164429 A JP2002164429 A JP 2002164429A
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insulating film
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Yoichi Yamamoto
陽一 山本
Taizo Oku
泰三 於久
Junichi Aoki
淳一 青木
Takashi Kinugawa
貴志 衣川
Kazuo Maeda
和夫 前田
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Canon Marketing Japan Inc
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Semiconductor Process Laboratory Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続導体を埋め込む配線層間絶縁膜と銅配線
を埋め込む配線埋込絶縁膜を形成したときに、シリコン
窒化膜と同様に銅に対する高いバリア性と小さいリーク
電流を維持しつつ、銅膜或いは銅膜を主とする配線を被
覆する絶縁膜の剥がれを防止し、かつ銅膜等からなる配
線間の絶縁膜の低誘電率化を図ることができる半導体装
置及びその製造方法を提供すること 【解決手段】 配線層間絶縁膜34を、Si−H結合を
有するアルコキシ化合物、又はSi−H結合を有するシ
ロキサンの何れか一と、O2、N2O、NO2、CO、C
2、又はH2Oの何れか一の酸素含有ガスとからなる成
膜ガスをプラズマ化し、反応させて形成することを特徴
とする半導体装置の製造方法による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置及びそ
の製造方法に関し、より詳しくは、銅膜からなる或いは
銅膜を主とする配線を埋め込む配線埋込絶縁膜と、銅に
対してバリア性を有する配線層間絶縁膜とを備えた半導
体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路装置の高集積度
化、高密度化に伴い、パターンの微細化、薄膜化が要望
されている。さらに、データ転送速度の高速化が要求さ
れている。そのため、層間絶縁膜としてRCディレイの
小さい低誘電率を有する絶縁膜(以下、低誘電率絶縁膜
と称する。)が用いられている。そのような絶縁膜とし
て、例えば、比誘電率3.5〜3.8のSiOF膜や比
誘電率3.0〜3.1の多孔質SiO2膜などがある。
【0003】一方、配線材料に関して、従来のアルミニ
ウム(Al)から電気抵抗の低い銅(Cu)膜からなる
或いは銅膜を主とする配線(以下、銅配線と称する。)
に変わりつつある。従って、従来の多層の銅配線を有す
る半導体装置を作成するため、銅配線上に層間絶縁膜と
して低誘電率絶縁膜を形成しているが、一般に低誘電率
絶縁膜には銅配線からの銅が拡散し易いため、上下配線
間のリーク電流が増加してしまう。従って、低誘電率絶
縁膜に対する銅元素の拡散を防止するため、銅配線と低
誘電率絶縁膜との間にSi及びNを含む又はSi及びC
を含むバリア絶縁膜を介在させることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Si及
びNを含む絶縁膜は比誘電率が高いため、Si及びNを
含む絶縁膜の膜厚を薄くしてバリア絶縁膜として用いた
場合でも、層間絶縁膜全体の誘電率が高くなってしま
う。また、Si及びCを含むバリア絶縁膜は、Si及び
Nを含むバリア絶縁膜と比較して比誘電率が5程度と比
較的低いが、リーク電流の増大を十分に抑制することが
できない。この場合、リーク電流を十分に抑制するため
には、さらにSi及びCを含むバリア絶縁膜に酸素を導
入する必要がある。
【0005】このようにするとリーク電流は十分なレベ
ルまで低減することができるが、銅配線の表面が酸化さ
れてバリア絶縁膜及び低誘電率絶縁膜が剥がれ易くなる
という新たな問題が生じる。本発明は、係る従来例の問
題点に鑑みて創作されたものであり、接続導体を埋め込
む配線層間絶縁膜と銅配線を埋め込む配線埋込絶縁膜を
形成したときに、シリコン窒化膜と同様に銅に対する高
いバリア性と小さいリーク電流を維持しつつ、銅膜或い
は銅膜を主とする配線を被覆する絶縁膜の剥がれを防止
し、かつ銅膜等からなる配線間の絶縁膜の低誘電率化を
図ることができる半導体装置及びその製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、図13
(a)に例示の第1の発明である、下側から下部配線埋
込絶縁膜(32)と、配線層間絶縁膜(34)と、上部
配線埋込絶縁膜(35)とが順に積層され、さらに前記
下部配線埋込絶縁膜(32)に銅膜からなる或いは銅膜
を主とする下部配線(33)が埋め込まれ、前記上部配
線埋込絶縁膜(35)に銅膜からなる或いは銅膜を主と
する上部配線が埋め込まれてなる半導体装置の製造方法
において、前記配線層間絶縁膜(34)を、Si−H結
合を有するアルコキシ化合物、又はSi−H結合を有す
るシロキサンの何れか一と、O2、N2O、NO2、C
O、CO2、又はH2Oの何れか一の酸素含有ガスとから
なる成膜ガスをプラズマ化し、反応させて形成すること
を特徴とする半導体装置の製造方法によって解決する。
【0007】又は、第2の発明である、前記配線層間絶
縁膜(34)にビアホール(34a)が形成され、該ビ
アホール(34a)に前記下部配線(33)と前記上部
配線(37)を接続するように銅膜からなる或いは銅膜
(36b)を主とする接続導体(36)が埋め込まれて
いることを特徴とする第1の発明に記載の半導体装置の
製造方法によって解決する。
【0008】又は、第3の発明である、前記下部配線埋
込絶縁膜(32)及び上部配線埋込絶縁膜(35)は、
比誘電率4.0以下の絶縁膜であることを特徴とする第
1の発明又は第2の発明に記載の半導体装置の製造方法
によって解決する。又は、第4の発明である、前記下部
配線埋込絶縁膜(32)又は上部配線埋込絶縁膜(3
5)は、シリコン(Si)、酸素(O)、及びフッ素
(F)を含有する絶縁膜であり、又はシリコン(S
i)、酸素(O)、及びフッ素(F)を含有する多孔質
絶縁膜であることを特徴とする第1の発明乃至第3の発
明のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法によって
解決する。
【0009】又は、第5の発明である、前記配線層間絶
縁膜(34)を形成する成膜ガスにN2又はH2のうち何
れか一を添加することを特徴とする第1の発明乃至第4
の発明のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法によ
って解決する。又は、第6の発明である、前記Si−H
結合を有するアルコキシ化合物は、トリメトキシシラン
(TMS:SiH(OCH3)3)であることを特徴とする第1の
発明乃至第5の発明のいずれか一に記載の半導体装置の
製造方法によって解決する。
【0010】又は、第7の発明である、前記Si−H結
合を有するシロキサンは、テトラメチルジシロキサン
(TMDSO:(CH3)2HSi-O-SiH(CH3)2)であることを
特徴とする第1の発明乃至第5の発明のいずれか一に記
載の半導体装置の製造方法によって解決する。又は、第
8の発明である、プラズマ生成手段として平行平板型の
第1及び第2の電極(2、3)を用い、かつ前記プラズ
マ化の際に、前記第1の電極(2)に周波数1MHz以
上の高周波電力を印加し、かつ前記基板(20)を保持
する第2の電極(3)に周波数100kHz乃至1MH
zの低周波電力を印加することを特徴とする第1の発明
乃至第7の発明のいずれか一に記載の半導体装置の製造
方法によって解決する。
【0011】又は、図15(a)〜(d)、及び図16
(a)〜(c)に例示の第9の発明である、(a)基板
(20)上に下から順に絶縁膜(66b、67a)と保
護層(66c、67b)とを積層し、下側から順に積層
された絶縁膜(66b)と保護層(66c)を一組とし
てその組を一組以上含む配線層間絶縁膜(66)と、下
側から順に積層された絶縁膜(67a)と保護層(67
b)を一組としてその組を一組以上含む配線埋込絶縁膜
(66)とを交互に2層以上積層する工程と、(b)前
記配線層間絶縁膜(66)と前記配線埋込絶縁膜(6
6)を貫通させて、下から順次開口面積が大きくなるよ
うに、かつ隣接する開口部間で相互に接続された開口部
(68、69)を形成し、配線層間絶縁膜(66)にビ
アホール(68)を、前記配線埋込絶縁膜(66)に配
線溝(69)をそれぞれ形成する工程と、(c)前記ビ
アホール(68)と前記配線溝(69)に銅膜からなる
或いは銅膜(70a)を主とする金属膜を埋め込んで、
ビアホール(68)に接続導体(70)を、配線溝(6
9)に接続導体(70)と接続された配線(71)を形
成する工程とを有し、前記保護層(66c、67b)
は、Si−H結合を有するアルコキシ化合物、又はSi
−H結合を有するシロキサンの何れか一と、O2、N
2O、NO2、CO、CO2、又はH2Oの何れか一の酸素
含有ガスとからなる成膜ガスをプラズマ化し、反応させ
て形成することを特徴とする半導体装置の製造方法によ
って解決する。
【0012】又は、第10の発明である、前記基板20
は、下部配線(65)と該下部配線(65)と接触する
ように下部配線(65)を被覆する保護層(66a)と
を有し、保護層(66a)はSi−H結合を有するアル
コキシ化合物、又はSi−H結合を有するシロキサンの
何れか一と、O2、N2O、NO2、CO、CO2、又はH
2Oの何れか一の酸素含有ガスとからなる成膜ガスをプ
ラズマ化し、反応させて形成し、前記(b)の工程でビ
アホール(68)と配線溝(69)を形成するとき、前
記保護層(66a)を貫通して下部配線(65)を露出
させることを特徴とする第9の発明に記載の半導体装置
の製造方法によって解決する。
【0013】又は、第11の発明である、前記絶縁膜
(66b、67a)はシリコン含有無機物を含む塗布
液、又はシリコン含有有機物を含む塗布液の何れか一を
塗布して形成された塗布絶縁膜であることを特徴とする
第9の発明又は第10の発明に記載の半導体装置の製造
方法によって解決する。又は、第12の発明である、配
線層間絶縁膜(66)と前記配線埋込絶縁膜(67)と
は、下層の絶縁膜(66b、67a)と、上層の保護層
(66c、67b)とを一組としてその組を2組以上積
層することによって形成されることを特徴とする第9の
発明乃至第11の発明のいずれか一に記載の半導体装置
の製造方法によって解決する。
【0014】又は、第13の発明である、前記金属膜
は、銅拡散阻止膜(70a)と銅膜(70b)とからな
り、かつビアホール(68)と配線溝(69)を埋める
工程は、ビアホール(68)と配線溝(69)内面に銅
拡散阻止膜(70a)を形成する工程と、銅拡散阻止膜
(70a)上に銅膜(70b)を形成する工程とからな
ることを特徴とする第9の発明乃至第12の発明のいず
れか一に記載の半導体装置の製造方法によって解決す
る。
【0015】又は、第14の発明である、前記保護層を
形成する成膜ガスにN2又はH2のうち何れか一を添加す
ることを特徴とする第9の発明乃至第13の発明のいず
れか一に記載の半導体装置の製造方法によって解決す
る。又は、第15の発明である、前記Si−H結合を有
するアルコキシ化合物は、トリメトキシシラン(TM
S:SiH(OCH3)3)であることを特徴とする第9の発明乃
至第14の発明のいずれか一に記載の半導体装置の製造
方法によって解決する。
【0016】又は、第16の発明である、前記Si−H
結合を有するシロキサンは、テトラメチルジシロキサン
(TMDSO:(CH3)2HSi-O-SiH(CH3)2)であることを
特徴とする第9の発明乃至第14の発明のいずれか一に
記載の半導体装置の製造方法によって解決する。又は、
第17の発明である、プラズマ生成手段として平行平板
型の第1及び第2の電極(2、3)を用い、かつ前記プ
ラズマ化の際に、前記第1の電極(2)に周波数1MH
z以上の高周波電力を印加し、かつ前記基板(20)を
保持する第2の電極(3)に周波数100kHz乃至1
MHzの低周波電力を印加することを特徴とする第9の
発明乃至第16の発明のいずれか一に記載の半導体装置
の製造方法によって解決する。
【0017】又は、図13(a)に例示の第18の発明
である、銅膜からなる或いは銅膜を主とする配線(3
3)を備えた基板(20)と、前記配線(33)と接触
するように前記配線(33)を被覆して基板(20)上
に形成されたシリコン含有絶縁膜(34)とを有し、前
記シリコン含有絶縁膜(34)は、赤外線の吸収強度の
ピークが波数2270乃至2350cm-1の範囲にあ
り、膜密度が2.25乃至2.40g/cm3の範囲に
有り、かつ比誘電率が3.3乃至4.3の範囲にあるこ
とを特徴とする半導体装置によって解決する。
【0018】又は、第19の発明である、前記半導体装
置はさらに、前記シリコン含有絶縁膜(34)上に形成
された銅膜からなる或いは銅膜を主とする上部配線(3
7)を有することを特徴とする第18の発明に記載の半
導体装置によって解決する。又は、第20の発明であ
る、前記半導体装置はさらに、(a)下部配線としての
前記配線(33)を埋め込んだ配線溝(32a)を備え
た配線埋込絶縁膜(32)と、(b)前記配線(33)
上の配線層間絶縁膜としてのシリコン含有絶縁膜(3
4)に形成されたビアホール(34a)に埋め込まれた
銅膜からなる或いは銅膜(33b)を主とする接続導体
(36)と、(c)前記シリコン含有絶縁膜(34)上
に形成され、前記ビアホール(34a)と繋がる配線溝
(35a)を備えた上部配線埋込絶縁膜(35)と、
(d)前記上部配線溝(35a)に前記接続導体(3
6)と接続するように埋め込まれた前記上部配線(3
7)とを有することを特徴とする第19の発明に記載の
半導体装置によって解決する。
【0019】又は、第21の発明である、前記半導体装
置はさらに、前記上部配線(37)を被覆して前記上部
配線埋込絶縁膜(35)上に形成された最上部保護層
(38)を有し、前記最上部保護層(38)は、赤外線
の吸収強度のピークが波数2270乃至2350cm-1
の範囲にあり、膜密度が2.25乃至2.40g/cm
3の範囲に有り、かつ比誘電率が3.3乃至4.3の範
囲にあるシリコン含有絶縁膜からなることを特徴とする
第20の発明に記載の半導体装置によって解決する。
【0020】又は、第22の発明である、前記配線(3
3)と、前記ビアホール(34a)内の接続導体(3
6)と、前記配線溝(35a)内の上部配線(37)と
は、銅拡散阻止膜(36a)と該銅拡散阻止膜(36
a)上の銅膜(36b)とからなることを特徴とする第
20の発明又は第21の発明に記載の半導体装置によっ
て解決する。
【0021】又は、図16(c)及び図17に例示の第
23の発明である、(a)基板(61、81)上に形成
された積層構造と、前記積層構造は(i)下部層として
の主たる絶縁膜(66b、82a、82c、84a、8
4c、86a、86c)と上部層としての保護層(66
c、82b、82d、84b、84d、86b、86
d)とを有する配線層間絶縁膜(66、82、84、8
6)と、(ii)前記配線層間絶縁膜(66、82、8
4、86)を貫通するビアホール(68、88a、88
c、88e)と、(iii)前記配線層間絶縁膜(6
6、82、84、86)の上に積層された、下部層とし
ての主たる絶縁膜(67a、83a、83c、85a、
85c、87a)と上部層としての保護層(67b、8
3b、83d、85b、85d、87b)とを有する配
線埋込絶縁膜(67、83、85、87)と、(iv)
前記配線埋込絶縁膜(67、83、85、87)を貫通
する配線溝(69、88b、88d、88f)とを備
え、(b)前記ビアホール(68、88a、88c、8
8e)に埋め込まれた銅膜(70b、89b)からなる
或いは銅膜(70b、89b)を主とする接続導体(7
0、89)と、(c)前記接続導体(70、89)と接
触するように配線埋込絶縁膜(67、83、85、8
7)に埋め込まれた銅膜(70b、89b)からなる或
いは銅膜(70b、89b)を主とする配線(71、8
9)とを含み、前記保護層(66c、82b、82d、
84b、84d、86b、86d、67b、83b、8
3d、85b、85d、87b)は、赤外線の吸収強度
のピークが波数2270乃至2350cm-1の範囲にあ
り、膜密度が2.25乃至2.40g/cm3の範囲に
有り、かつ比誘電率が3.3乃至4.3の範囲にあるこ
とを特徴とする半導体装置によって解決する。
【0022】又は、第24の発明である、前記基板(2
0、81)は、下部配線(65)と該下部配線(65)
と接触するように該下部配線(65)を被覆する保護層
(66a)とを有し、前記保護層(66a)は前記配線
(65)上に該配線(65)と前記接続導体(70、8
9)とを接触させるような前記ビアホール(68)を備
え、かつ前記保護層(66a)は赤外線の吸収強度のピ
ークが波数2270乃至2350cm-1の範囲にあり、
膜密度が2.25乃至2.40g/cm3の範囲に有
り、かつ比誘電率が3.3乃至4.3の範囲にあるシリ
コン含有絶縁膜からなることを特徴とする第23の発明
に記載の半導体装置によって解決する。
【0023】又は、第25の発明である、前記ビアホー
ル(68、88a、88c、88e)と配線溝(69、
88b、88d、88f)は、下側から順次開口面積が
大きくなるように交互に形成されていることを特徴とす
る第23の発明又は第24の発明に記載の半導体装置に
よって解決する。又は、第26の発明である、前記半導
体装置はさらに、前記配線(71、89)を被覆して前
記配線埋込絶縁膜(67、87)上に形成された最上部
保護層(72、90)を有し、前記最上部保護層(7
2、90)は赤外線の吸収強度のピークが波数2270
乃至2350cm-1の範囲にあり、膜密度が2.25乃
至2.40g/cm3の範囲に有り、かつ比誘電率が
3.3乃至4.3の範囲にあるシリコン含有絶縁膜から
なることを特徴とする第23の発明乃至第25の発明の
いずれか一に記載の半導体装置によって解決する。
【0024】又は、第27の発明である、前記配線層間
絶縁膜(82、84、86)は、前記主たる絶縁膜(8
2a、82c、84a、84c、86a、86c)と前
記保護層(82b、82d、84b、84d、86b、
86d)とを一組としてその組を少なくとも2組含み、
前記配線埋込絶縁膜(83、85、87)は、前記主た
る絶縁膜(83a、83c、85a、85c、87a)
と、前記保護層(67b、83b、83d、85b、8
5d、87b)とを一組としてその組を少なくとも2組
含むことを特徴とする第23の発明乃至第26の発明の
いずれか一に記載の半導体装置によって解決する。
【0025】又は、第28の発明である、前記積層構造
は、前記配線層間絶縁膜(82、84、86)と前記配
線埋込絶縁膜(83、85、87)とを一組としてその
組を少なくとも2組含むことを特徴とする第23の発明
乃至第27の発明のいずれか一に記載の半導体装置によ
って解決する。又は、第29の発明である、前記主たる
絶縁膜(66b、67a、82a、83a、82c、8
3c、84a、84c、85a、85c、86a、86
c、87a)は、シリコン含有有機物又はシリコン含有
無機物のうち少なくとも何れか一を含む塗布絶縁膜、S
iOF膜、又は多孔質絶縁膜のうち何れか一であること
を特徴とする第23の発明乃至第28の発明のいずれか
一に記載の半導体装置によって解決する。
【0026】又は、第30の発明である、前記ビアホー
ル(68、88a、88c、88e)内の前記接続導体
(70、89)と前記配線溝(69、88b、88d、
88f)内の配線(71、89)は、銅拡散阻止膜(7
0a、89a)と該銅拡散阻止膜(70a、89a)上
の銅膜(70b、89b)とからなることを特徴とする
第23の発明乃至第29の発明のいずれか一に記載の半
導体装置によって解決する。
【0027】又は、第31の発明である、銅膜からなる
或いは銅膜を主とする配線を備えた基板と、前記配線と
接触するように前記配線を被覆して前記基板上に形成さ
れた絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された保護層とを有
し、前記保護層は、赤外線の吸収強度のピークが波数2
270乃至2350cm-1の範囲にあり、膜密度が2.
25乃至2.40g/cm3の範囲に有り、かつ比誘電
率が3.3乃至4.3の範囲にあるシリコン含有絶縁膜
からなることを特徴とする半導体装置によって解決す
る。
【0028】以下に、上記本発明の構成により奏される
作用を説明する。この発明に係るシリコン含有絶縁膜
は、赤外線の吸収強度のピークが波数2270乃至23
50cm-1の範囲にあり、膜密度が2.25乃至2.4
0g/cm 3の範囲に有り、かつ比誘電率が3.3乃至
4.3の範囲にある。本願発明者の実験によれば、この
ような特性を有するシリコン含有絶縁膜は、シリコン窒
化膜と同じように、機械的強度が高く、緻密で、耐水性
に優れ、膜中の水分含有量が少なく、かつシリコン窒化
膜と比べて比誘電率が小さいことが分かった。
【0029】この発明の半導体装置では、銅膜からなる
或いは銅膜を主とする配線を被覆する保護層を有し、そ
の保護層が上記特性を有するシリコン含有絶縁膜からな
る。従って、その保護層はシリコン窒化膜と同様に緻密
であるので、周辺部への銅の拡散を防止することができ
る。また、下部配線と上部配線との間に、上記特性を有
する層間絶縁膜が介在しているので、低誘電率を保持し
つつ、周辺部への銅の拡散を防止することができる。
【0030】また、下部配線と上部配線との間に、主た
る絶縁膜と、その主たる絶縁膜の上下面を被覆する上記
特性を有する保護層を有する。即ち、下部配線と主たる
絶縁膜の間に、及び上部配線と主たる絶縁膜の間に、そ
れぞれ上記特性を有する保護層が介在しているので、主
たる絶縁膜への銅の拡散を防止することができる。さら
に、主たる絶縁膜として低い比誘電率を有する多孔質絶
縁膜や塗布絶縁膜等を用いることにより、低誘電率を保
持しつつ、主たる絶縁膜への銅の拡散を防止することも
可能である。
【0031】また、実験によれば、Si−H結合を有す
るアルコキシ化合物、又はSi−H結合を有するシロキ
サンの何れか一と、O2、N2O、NO2、CO、CO2
又はH2Oの何れか一の酸素含有ガスとからなる成膜ガ
スをプラズマ化し、反応させて形成したシリコン含有絶
縁膜は、緻密で、耐水性に優れ、膜中の水分含有量が少
ないというシリコン窒化膜と同等の特性を有し、かつシ
リコン窒化膜に比べて比誘電率が小さいことが分かっ
た。
【0032】この発明の半導体装置の製造方法では、銅
膜からなる或いは銅膜を主とする下部配線が埋め込まれ
た下部配線埋込絶縁膜と銅膜からなる或いは銅膜を主と
する上部配線が埋め込まれた上部配線埋込絶縁膜の間に
配線層間絶縁膜を挟んでなる半導体装置の製造方法にお
いて、配線層間絶縁膜を、上記成膜条件により形成して
いる。即ち、下部配線と上部配線の間にこの発明のシリ
コン含有絶縁膜からなる層間絶縁膜が介在することにな
るため、シリコン窒化膜等のような保護層なしで下部配
線及び上部配線からの銅の拡散を防止し、配線間の絶縁
膜全体として低誘電率化を図ることができる。
【0033】また、配線層間絶縁膜及び配線埋込絶縁膜
の主たる絶縁膜とこの発明に係るシリコン含有絶縁膜か
らなる保護層とを交互に積層し、下層から順次少なくと
も前記主たる絶縁膜と前記保護層とが積層されてなる、
配線層間絶縁膜及び配線埋込絶縁膜を交互に2層以上積
層し、順次開口面積が大きくなるように、かつ下の開口
部とその上の開口部とが繋がるように各々の配線層間絶
縁膜及び配線埋込絶縁膜を貫通させて、ビアホールと配
線溝とを交互に形成し、その後ビアホール及び配線溝に
銅膜或いは銅膜を主とする金属を埋め込み、接続導体
と、接続導体と繋がった配線を形成している。なお、配
線層間絶縁膜及び配線埋込絶縁膜を積層し、ビアホール
と配線溝とを形成し、ビアホール及び配線溝に銅膜等を
埋め込み、銅膜を主とする接続導体と配線を形成する方
法を所謂デュアルダマシン法という。
【0034】上記の構成により、銅膜等からなる配線と
主たる絶縁膜との間にはこの発明に係るシリコン含有絶
縁膜からなる保護層が介在するため、主たる絶縁膜への
銅膜等からなる配線からの銅の拡散を防止することがで
きる。また、主たる絶縁膜が例えばSiOF膜である場
合、この発明に係るシリコン含有絶縁膜からなる保護層
によってフッ素(F)元素の周辺部への拡散を防止する
ことができる。
【0035】さらに、保護層としてシリコン窒化膜を用
いずに、比誘電率が低い絶縁膜を用いているので、配線
間の絶縁膜全体として誘電率を低減することができる。
また、下部配線を被覆してこの発明に係るシリコン含有
絶縁膜からなる保護層を形成しているので、周辺部への
銅の拡散を防止することができる。さらに、この発明の
シリコン含有絶縁膜は、シリコン窒化膜と同じようにも
ともとリーク電流が小さいため、リーク電流を減らすた
めにSi及びCを含む膜のように酸素導入を行なわなく
てもよい。従って、その導入酸素により或いは酸素導入
処理により銅膜等からなる配線の表面が酸化されて銅等
からなる配線と接触する保護層や配線層間絶縁膜が剥が
れ易くなるという恐れもない。
【0036】また、主たる絶縁膜が塗布絶縁膜である場
合、この発明が適用されるシリコン含有絶縁膜からなる
保護層は塗布絶縁膜との密着性がよいため、膜剥がれを
防止し、また塗布絶縁膜から周辺部への水分の放出をよ
り完全に防止することができる。さらに、下から順に少
なくとも絶縁膜とこの発明に係るシリコン含有絶縁膜か
らなる保護層とが積層されてなる、配線層間絶縁膜及び
配線埋込絶縁膜を交互に2層以上積層し、下から順に開
口面積が大きくなるように配線層間絶縁膜及び配線埋込
絶縁膜を貫通させて、ビアホールとビアホールと繋がっ
た配線溝とを交互に形成している。即ち、保護層は絶縁
膜を選択的にエッチングする際にエッチングされる絶縁
膜上に露出しているか、或いはエッチングされる絶縁膜
の下地となる。この場合、この発明が適用される保護層
は緻密であるため、マスクとして有効に機能し、或いは
保護層下の絶縁膜の過剰エッチングに対するストッパと
して有効に機能する。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形
態に係る半導体装置の製造方法に用いられる平行平板型
のプラズマ成膜装置101の構成を示す側面図である。
【0038】このプラズマ成膜装置101は、プラズマ
ガスにより被成膜基板20上にこの発明に係るシリコン
含有絶縁膜等を形成する場所である成膜部101Aと、
成膜ガスを構成する複数のガスの供給源を有する成膜ガ
ス供給部101Bとから構成されている。成膜部101
Aは、図1に示すように、減圧可能なチャンバ1を備
え、チャンバ1は排気配管4を通して排気装置6と接続
されている。排気配管4の途中にはチャンバ1と排気装
置6の間の導通又は非導通を制御する開閉バルブ5が設
けられている。チャンバ1にはチャンバ1内の圧力を監
視する不図示の真空計などの圧力計測手段が設けられて
いる。
【0039】チャンバ1内には対向する一対の上部電極
(第1の電極)2と下部電極(第2の電極)3とが備え
られ、上部電極2に周波数13.56MHzの高周波電
力を供給する高周波電力供給電源(RF電源)7が接続
され、下部電極3に周波数380kHzの低周波電力を
供給する低周波電力供給電源8が接続されている。これ
らの電源7、8から上部電極2及び下部電極3に電力を
供給して、成膜ガスをプラズマ化する。上部電極2、下
部電極3及び電源7、8が成膜ガスをプラズマ化するプ
ラズマ生成手段を構成する。図中、13は、不図示の抵
抗素子や容量素子を備えた第1のマッチングボックス
で、高周波電力のインピーダンス整合を図るように機能
する。同様に、14は、第2のマッチングボックスであ
り、不図示の抵抗素子や容量素子を備えて、低周波電力
のインピーダンス整合を図るように機能する。
【0040】なお、プラズマ生成手段として、例えば平
行平板型の上部電極2と、下部電極3とによりプラズマ
を生成する手段、ECR(Electron Cyclotron Resonan
ce)法によりプラズマを生成する手段、アンテナからの
高周波電力の放射によりヘリコンプラズマを生成する手
段等がある。上部電極2は成膜ガスの分散具を兼ねてい
る。上部電極2には複数の貫通孔が形成され、下部電極
3との対向面における貫通孔の開口部が成膜ガスの放出
口(導入口)となる。この成膜ガス等の放出口は成膜ガ
ス供給部101Bと配管9aで接続されている。また、
場合により、上部電極2には図示しないヒータが備えら
れることもある。成膜中に上部電極2を温度凡そ100
℃程度に加熱しておくことにより、成膜ガス等の反応生
成物からなるパーティクルが上部電極2に付着するのを
防止するためである。
【0041】下部電極3は被成膜基板20の保持台を兼
ね、また、保持台上の被成膜基板20を加熱するヒータ
12を備えている。成膜ガス供給部101Bには、Si
−H結合を有するアルコキシ化合物の供給源、Si−H
結合を有するシロキサンの供給源、酸素(O2)、一酸
化窒素(N2O)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素
(CO)、二酸化炭素(CO2)、又は水(H2O)の何
れか一の酸素含有ガスの供給源、水素(H2)の供給
源、及び窒素(N2)の供給源が設けられている。
【0042】本発明が適用される成膜ガスであるSi−
H結合を有するアルコキシ化合物、及びSi−H結合を
有するシロキサンについては、代表例として以下に示す
ものを用いることができる。 (i)Si−H結合を有するアルコキシ化合物 トリメトキシシラン(TMS:SiH(OCH3)3) (ii)Si−H結合を有するシロキサン テトラメチルジシロキサン(TMDSO:(CH3)2HSi-O-
SiH(CH3)2) これらのガスは適宜分岐配管9b乃至9f及びこれらす
べての分岐配管9b乃至9fが接続された配管9aを通
して成膜部101Aのチャンバ1内に供給される。分岐
配管9b乃至9fの途中に流量調整手段11a乃至11
eや、分岐配管9b乃至9fの導通又は非導通を制御す
る開閉手段10b乃至10kが設置され、配管9aの途
中に配管9aの閉鎖又は導通を行う開閉手段10aが設
置されている。また、N2ガスを流通させて分岐配管9
b乃至9e内の残留ガスをパージするため、N2ガスの
供給源と接続された分岐配管9fとその他の分岐配管9
b乃至9eの間の導通又は非導通を制御する開閉手段1
0l乃至10n,10pが設置されている。なお、N2
ガスは分岐配管9b乃至9e内のほかに、配管9a内及
びチャンバ1内の残留ガスをパージする。
【0043】以上のような成膜装置101によれば、S
i−H結合を有するアルコキシ化合物、又はSi−H結
合を有するシロキサンの何れか一の供給源と、酸素含有
ガスの供給源とを備え、さらに成膜ガスをプラズマ化す
るプラズマ生成手段2、3、7、8を備えている。上記
プラズマCVD装置を用いて、プラズマCVD法により
Si,O,C,Hを含む絶縁膜を形成することができ
る。このため、下記の第2の実施の形態に示すように、
低い誘電率を有し、かつ水分含有量が少なく、緻密で、
耐水性に優れたシリコン含有絶縁膜を形成することがで
きる。また、このシリコン含有絶縁膜は、有機或いは無
機塗布絶縁膜との密着性が良く、銅(Cu)の拡散を阻
止する能力も高い。
【0044】特に、平行平板型の第1及び第2の電極
2、3にそれぞれ高低2つの周波数の電力を供給する電
源7、8が接続されているので、これら高低2つの周波
数の電力をそれぞれ各電極2、3に印加してプラズマを
生成することができ、このようにして作成したシリコン
含有絶縁膜は緻密である。 (第2の実施の形態)以下に、上記のプラズマCVD装
置を用いて成膜したシリコン含有絶縁膜に関し、本願発
明者の行なった調査実験について説明する。
【0045】まず、上記のプラズマCVD装置のうち良
く知られた平行平板型のプラズマCVD装置を用いた。
上部電極2、下部電極3のうち下部電極3が基板保持具
を兼ね、下部電極3は基板加熱を行なうためのヒータ1
2を内蔵している。 (試料の作成)図2(a)〜(d)、及び図3は、この
発明のシリコン酸化膜(シリコン含有絶縁膜)を有する
試料について示す断面図である。
【0046】試料S1は、図2(a)に示すように、ト
リメトキシシラン(TMS)を含む成膜ガスを用いたP
E−CVD法によりシリコン酸化膜(シリコン含有絶縁
膜のことであり、以下、PE-CVD TMS SiO2膜と称す
る。)42aをシリコン基板41上に形成することによ
り、作成した。なお、比較のため、シリコン基板41上
にテトラエトキシシラン(TEOS)を含む成膜ガスを
用いたPE−CVD法により形成したシリコン酸化膜
(以下、PE-CVD TEOS SiO2膜と称する。)51aを有す
る比較試料CS1と、シリコン基板41上にモノシラン
(SiH4)を含む成膜ガスを用いたPE−CVD法に
より形成したシリコン酸化膜(以下、PE-CVD SiH4 SiO2
膜と称する。)52aを有する比較試料CS2とを作成
した。
【0047】試料S1Aは、図3に示すように、シリコ
ン基板41上にPE-CVD TMS SiO2膜42aを形成した試
料S1において、さらにPE-CVD TMS SiO2膜42a上に
電極45を形成することにより、作成した。電極45と
して水銀プローブを用い、それとPE-CVD TMS SiO2膜4
2aとの接触面積は0.0230cm2である。試料S
2、S3は、図2(b)に示すように、シリコン基板
(Si基板)41上にリン含有量7mol%、膜厚約50
0nmのBPSG膜43とPE-CVD TMS SiO2膜42bと
を順に形成することにより、作成した。試料S2では、
PE-CVD TMS SiO2膜42bの膜厚を100nmとし、試
料S3では、PE-CVD TMS SiO2膜42bの膜厚を200
nmとした。なお、比較のため、PE-CVD TMS SiO2膜4
2bの代わりに、膜厚200nmのPE-CVD TEOS SiO2
51bを用いた比較試料CS3と、同じく膜厚200n
mのPE-CVD SiH4 SiO2膜52bを用いた比較試料CS4
と、同じくSiH4、NH3及びN2を含む成膜ガスを用
いたプラズマCVD法により形成した膜厚200nmの
シリコン窒化膜(以下、PE-CVD SiN膜と称する。)53
を用いた比較試料CS5とを作成した。
【0048】試料S4、S5は、図2(c)に示すよう
に、シリコン基板(Si基板)41上に低誘電率絶縁膜
44a,44bとPE-CVD TMS SiO2膜42cとを順に形
成することにより作成した。試料S4では、低誘電率絶
縁膜として無機塗布絶縁膜44aを用い、試料S5で
は、同じく、有機塗布絶縁膜44bを用いた。なお、比
較のため、PE-CVD TMS SiO2膜42cの代わりに、PE-CV
D TEOS SiO2膜51cを用いた比較試料CS6,CS7
を作成した。比較試料CS6では、低誘電率絶縁膜とし
て無機塗布絶縁膜44aを用い、比較試料CS7では、
同じく、有機塗布絶縁膜44bを用いた。
【0049】なお、無機塗布絶縁膜とは、HSQ(商品
名,ダウコーニング社製),MSQ(商品名),R7
(商品名,日立化成工業社製)など塗布液を塗布して形
成された絶縁膜である。塗布液中の成分化合物として炭
素が一つ以下の化合物を含むことを特徴とするものであ
る。有機塗布絶縁膜とは、FLARE(商品名,アライ
ドシグナル社製),SiLK(商品名,ダウケミカル社
製)などの塗布液を塗布して形成されたものである。塗
布液中の成分化合物として炭素が二つ以上の化合物を含
むことを特徴とするものである。
【0050】試料S6は、図2(d)に示すように、シ
リコン基板41上に、膜厚約150nmのPE-CVD TMS S
iO2膜(下部保護層)42dと膜厚約450nmの無機
塗布絶縁膜(中間層)44cと膜厚約200nmのPE-C
VD TMS SiO2膜(上部保護層)42eとを下層から順に
形成したものである。無機塗布絶縁膜44cは、HSQ
(Hydrogen silsesquioxane)を溶媒に溶かして生成さ
れた塗布液(FOx(商品名))をスピンコートして被
着し、その後、窒素中、温度150,200,350℃
で、それぞれ1分間ずつベークし、さらに窒素中、温度
400℃で、50分間キュアして形成した。なお、比較
のため、下部保護層としてPE-CVD TMS SiO2膜42dの
代わりにPE-CVD TEOS SiO2膜51dを形成した比較試料
CS8と、上下部保護層としてPE-CVD TMS SiO2膜42
d、42eの代わりにPE-CVD TEOSSiO2膜51d,51
eを形成した比較試料CS9とを作成した。
【0051】上記プラズマCVD装置を用いて以下の成
膜条件で、各試料S1乃至S6のPE-CVD TMS SiO2膜を
作成した。 成膜ガス:TMS+N2O TMSガス流量:100 sccm N2Oガス流量:3000 sccm ガス圧力:0.7 Torr プラズマ化条件 上部電極2への印加電力:0.3W/cm2(周波数1
3.56MHz) 下部電極3への印加電力:0.3W/cm2(周波数3
80kHz) この成膜装置の場合、上記電力密度はいずれも電極への
印加電力750Wに相当する。
【0052】基板温度:300乃至400℃ 成膜膜厚:tnm なお、同じプラズマ成膜装置101は、比較試料CS1
のPE-CVD TEOS SiO2膜51a、比較試料CS2のPE-CVD
SiH4 SiO2膜52a、比較試料CS3、CS4、CS6
乃至CS9のPE-CVD TEOS SiO2膜51b乃至51e、比
較試料CS5のPE-CVD SiN膜53の形成にも用いられ
た。
【0053】上記のようにして作成したPE-CVD TMS SiO
2膜42a乃至42eについて以下の特性を調査した。 (i)基本特性 上記成膜条件で、成膜レートは約160乃至170nm
/分であった。また、成膜後のPE-CVD TMS SiO2膜42
aの屈折率は1.477乃至1.48であり、膜応力は
−300MPa乃至−250MPaであった(マイナス
記号は圧縮応力を表す)。屈折率を測定する場合は、エ
リプソメータで6338オングストロームのHe−Ne
レーザを用いた。また、膜応力を測定する場合、オプテ
ィレバーレーザースキャン方式を用いた。
【0054】また、膜厚(t)500nmでPE-CVD TMS
SiO2膜42aの比誘電率は3.9であった。比誘電率
の調査用試料として試料S1Aを用いた。調査用試料S
1Aのシリコン基板41と電極45間に直流電圧(V)
を印加し、さらに直流電圧(V)に周波数1MHzの微
小信号を重畳して、直流電圧(V)変化に対する容量
(C)変化を測定し、その結果から比誘電率を算出し
た。
【0055】(ii) 膜中の炭素及び窒素の濃度 試料S1を用いて、AES法(オージェ電子分光法)に
より、PE-CVD TMS SiO 2膜42a中の炭素及び窒素の濃
度を測定した。それによれば、炭素の濃度は1.0atom
s%であり、窒素の濃度は2.1atoms%であった。
【0056】(iii)膜密度 試料S1を用いて、良く知られたX線干渉法、及び重量
測定法により、PE-CVDTMS SiO2膜42aの膜密度を調査
した。比較のため、PE-CVD TMS SiO2膜42aの代わり
に、熱酸化膜(thermal-SiO2膜)と、PE-CVD TEOS SiO2
膜51aを用いた比較試料CS1と、PE-CVD SiH4 SiO2
膜52aを用いた比較試料CS2とにより同様な調査を
行なった。
【0057】図4に示すように、PE-CVD TMS SiO2膜4
2aは2.33と他の絶縁膜と比べて膜密度が高く、緻
密であることが分かった。 (iv)膜中水分含有量 試料S1を用いて、TDS法(Thermal Desorption Mas
s Spectroscopy:昇温離脱質量分析法)により成膜直後
と大気中2週間経過後の膜中の水分含有量を測定した。
TDS法とは、試料を加熱してそこから出てくる分子を
測定する方法である。比較のため、PE-CVD TMS SiO2
42aの代わりに、PE-CVD TEOS SiO2膜51aを用いた
比較試料CS1により同様な調査を行なった。
【0058】調査方法は、TDS分析装置で、室温から
800℃まで加熱し、試料からの水分量を定量化するこ
とにより行なった。図5は、その結果を示すグラフであ
る。図5において、縦軸は線形目盛りで表した水分量
(wt%)を示し、横軸は線形目盛りで表した温度
(℃)を示す。成膜直後の測定では、室温から800℃
まで昇温したときの水分量はPE-CVD TMS SiO2膜42a
で0.11wt%であるのに対して、PE-CVD TEOS SiO2
膜51aでは0.49wt%であった。さらに、2週間
後の測定でも、PE-CVD TMS SiO 2膜42aでは、+0.
2乃至0.3の増加にとどまり、あまり変化がなかっ
た。
【0059】以上のように、PE-CVD TMS SiO2膜42a
はPE-CVD TEOS SiO2膜51aに比較して構造水(成膜直
後に成膜ガス及び膜構造に起因して膜中に含まれる水
分)、物理吸着水(物理的に吸着及び吸収した外来の水
分)ともに少ないことが分かった。 (v)FT−IRの吸収強度 次に、上記試料S1について、FT−IR分析法により
赤外線の吸収強度を調査した結果を図6に示す。上記比
較試料CS1、CS2について、同様に調査した結果を
図7に示す。
【0060】図6の縦軸は線形目盛りで表した吸収強度
(任意単位)を示し、横軸は線形目盛りで表した波数
(cm-1)を表す。図7も同様である。図6に示すよう
に、波数2270乃至2350cm-1の範囲に中心波数
を有する赤外線吸収強度のピークが確認された。一方、
比較試料CS1、CS2では、図7に示すように、その
ようなそのピークは観察されなかった。
【0061】(vi)耐水性 図2(b)に示す試料S2、S3を用いて、加圧加湿試
験(プレッシャークッカーテスト)により、PE-CVD TMS
SiO2膜42bの耐水性を調査した。比較のため、PE-CV
D TMS SiO2膜42bの代わりに、PE-CVD TEOS SiO2膜5
1bを用いた比較試料CS3と、同じくPE-CVD SiN膜5
3を用いた比較試料CS5とにより同様な調査を行なっ
た。
【0062】加圧加湿試験の条件は以下の通りである。
放置時間をパラメータにとっている。 温度:121℃ 圧力:2.0atm 湿度:100%R.T.(Room Temperature) 耐水性の評価は、加圧加湿試験後に調査用絶縁膜中に含
まれるP=O結合の量を評価することにより行なった。
BPSG膜43中に含まれるP=O結合の量を評価する
ため、FTIR分析法(Fourier Transform Infra Red
分析法)によりP=Oの吸収係数を測定した。BPSG
膜43中に水分が侵入することで膜中のP=Oの結合が
反応して壊れるが、BPSG膜43をカバーするPE-CVD
TMS SiO 2膜42bの耐水性が高ければ、水分を通さず
BPSG膜43中のP=Oの結合が壊れることがない。
従って、P=O吸収係数の経時変化が小さいほど耐水性
が高いといえる。
【0063】図8は、加圧加湿試験時間に対する試験後
の絶縁膜中のリン含有量の経時変化を示すグラフであ
る。縦軸は線型目盛りで表したP=O吸収係数(任意単
位)を示し、横軸は線型目盛りで表した放置時間(H)
を示す。図8に示す結果より、PE-CVD TMS SiO2膜42
bは膜厚の厚薄にかかわりなく、試料S2、S3とも
に、比較試料CS5のPE-CVD SiN膜53と同じように、
150時間程度放置しても初期のP=O吸収係数に比べ
てほとんど変化がない。即ち、PE-CVD TMS SiO2膜42
bはPE-CVD SiN膜53と同等な耐水性を有することが分
かった。
【0064】また、調査用試料S3及び比較試料CS
3、CS4を用いて、別の加圧加湿試験(プレッシャー
クッカーテスト)により、耐水性を調査した。加圧加湿
試験の条件は上記と同じである。結果を図9に示す。図
9の縦軸は線形目盛りで表した耐水性(%)を示し、横
軸は線形目盛りで表した放置時間(hr)を示す。
【0065】耐水性の評価は、上記と同じく、加圧加湿
試験後に調査用絶縁膜中に含まれるP=O結合の量を評
価することにより行なった。図9における耐水性とは、
放置前のP=O吸収係数を100とし、これを基準とし
て加圧加湿試験後におけるP=O吸収係数を算出したも
のである。図9に示すように、試料S3は比較試料CS
3、CS4を上回る97.4%(100hr)の耐水性
を有することが分かった。
【0066】(vii)膜のリーク電流 図3のような調査用試料S1Aを作成した。即ち、試料
S1において、この発明に係る膜厚(t)200nmの
PE-CVD TMS SiO2膜42aの上に電極45を形成するこ
とにより、試料S1Aを作成した。シリコン基板41と
電極45との間に電圧を印加し、シリコン基板41と電
極45との間に流れるリーク電流を測定した。シリコン
基板41を接地するとともに、電極45に負の電圧を印
加する。
【0067】その結果によれば、PE-CVD TMS SiO2膜4
2a単体のリーク電流は5MV/cmの電界強度で、1
-8A/cm2台であり、ブレークダウン電圧は電界に
換算して約10MV/cmであった。 (viii)膜の密着性 試料S4、S5を用いて、この発明に係るPE-CVD TMS S
iO2膜42cと、下地の低誘電率絶縁膜44a,44b
との密着性について調査した。また、成膜前の表面処理
を行なった試料と同処理を行なわなかった試料を作成し
て同様な調査を行なった。成膜前の表面処理とは、
2,NH3,H2などのプラズマを用いて処理膜の表面
を改質する処理である。
【0068】また、比較のため、PE-CVD TMS SiO2膜4
2cの代わりにPE-CVD TEOS SiO2膜51cを用い、かつ
低誘電率絶縁膜として無機塗布絶縁膜44a(比較試料
CS6)、及び有機塗布絶縁膜44b(比較試料CS
7)を用いて同様な調査を行なった。膜の密着性を調査
するための試験として、試料面の数cm×数cmにわた
って格子状に傷を入れ、テープによる剥離試験、及びC
MP(Chemical MechanicalPolishing)によるウエハ前
面での剥離試験を行なった。
【0069】この結果を図10に示す。図10に示すよ
うに、PE-CVD TMS SiO2膜42cでは、成膜前の表面処
理の有無にかかわらず、無機塗布絶縁膜44a、及び有
機塗布絶縁膜44bとの密着性は良好だった。一方、PE
-CVD TEOS SiO2膜51cでは、全体的に密着性の程度は
PE-CVD TMS SiO2膜42cよりも劣る。そして、成膜前
の表面処理の有無で差が出ており、表面処理を行なった
試料が同処理を行なわなかった試料に比べて密着性が高
かった。
【0070】(ix)ヒートサイクルによる不良発生率 試料S6及び比較試料CS8、CS9について、ヒート
サイクルによる不良発生率について調査した。各試料は
パッケージに封入した。ヒートサイクルの試験条件は以
下の通りである。サイクル数をパラメータにとってい
る。 高い温度(保持時間):150℃(20分間) 低い温度(保持時間):−55℃(20分間) サイクル数:100、200、300、500C(C:
Cycle) 膜剥がれや膜のクラックが生じたものを不良とした。結
果を図11に示す。図11の縦軸は線形目盛りで表した
不良発生率(%)を示し、横軸は試料の種類を示す。試
料の種類は、左側から上記説明した試料S6、比較試料
CS8、CS9の順となっている。棒グラフの区分領域
は特定のサイクル数での不良率を示し、横線でハッチン
グした区分領域は100Cでの不良率を示し、縦線でハ
ッチングした区分領域は200Cでの不良率を示し、斜
線でハッチングした区分領域は300Cでの不良率を示
し、白抜きの区分領域は500Cでの不良率を示す。
【0071】図11に示すように、下部保護層及び上部
保護層ともにこの発明のシリコン酸化膜を用いた試料S
6では、300C以上で不良が発生するが、300C及
び500Cでの不良発生率を合わせても2乃至3%程度
である。下部保護層及び上部保護層のうち下部保護層の
みがこの発明のシリコン酸化膜42dである比較試料C
S8の場合、100Cから500Cまでほぼ均等に不良
が発生しており、不良発生率は合わせて約25%程度で
あった。下部保護層及び上部保護層ともにこの発明のシ
リコン酸化膜42d、42eを用いない比較試料CS9
の場合、100Cから500Cまで不良が発生し、特に
300C及び500Cでの不良発生率が高くなってお
り、不良発生率は合わせて約53%であった。
【0072】(x)銅(Cu)に対するバリア性調査 (a)TDDB(Time Dependent Dielectric Break Do
wn)試験 TDDB試験は、試料に電圧を印加して絶縁破壊に至る
までの時間を計測する試験である。調査用試料は、Si
基板上に、この発明に係るPE-CVD TMS SiO2膜とCu膜
とを順に積層することにより作成した。比較のため、PE
-CVD TMS SiO2膜の代わりにPE-CVD TEOS SiO2膜を用い
た試料、及びCu膜とPE-CVD TEOS SiO2膜との間にTi
N膜を介在させた試料についても同様な調査を行なっ
た。
【0073】調査結果によれば、電界強度8MV/cm
において、10×105秒のブレークダウンライフタイ
ムが得られた。一方、PE-CVD TEOS SiO2膜を用いた試料
では、10×105秒台のブレークダウンライフタイム
が得られるのは、電界強度5MV/cmであった。この
ことは、PE-CVD TMS SiO2膜を用いた試料の方がPE-CVD
TEOS SiO2膜を用いた試料に比べてブレークダウンライ
フタイムは6桁程度長いことを表している。
【0074】Cu膜とPE-CVD TEOS SiO2膜との間にTi
N膜を介在させた試料では、10×105秒台のブレー
クダウンライフタイムが得られるのは、電界強度7.5
MV/cmであった。以上より、PE-CVD TMS SiO2膜を
用いた試料はPE-CVD TEOS SiO2膜を用いた試料に比べて
6桁程度長いブレークダウンライフタイムを有し、Ti
N膜と同等以上のCuに対するバリア性を有するといえ
る。
【0075】(b)耐熱性調査 調査用試料は、図12に示すように、不図示のSi基板
上に、この発明に係る膜厚125nmのPE-CVD TMS SiO
2膜とCu膜とを隣接して積層することにより作成し
た。調査は、成膜直後の状態(図12中、点線で示
す。)を基準にして温度470℃で所定時間(1時間
(二点鎖線)、7時間(実線)、15時間(一点鎖線)
の3種類)処理した後のPE-CVD TMS SiO2膜中のCuの
分布状態を測定することにより行なった。
【0076】図12は調査結果を示すグラフである。図
12において、左側の縦軸は対数目盛りで表したCu濃
度及びSi濃度(cm-3)を示す。横軸は線形目盛りで
表したPE-CVD TMS SiO2膜の片面からCu膜の側に向か
って測った深さ(nm)を示す。図12に示すように、
成膜直後の分布とほとんど変化がなかった。即ち、PE-C
VD TMS SiO2膜はCuに対して十分なバリア性を有する
ことが分かった。
【0077】なお、上記では、成膜ガス中のシリコン含
有ガスとして、Si−H結合を有するアルコキシ化合物
(TMS)を用いているが、Si−H結合を有するシロ
キサンを用いることができる。また、酸素含有ガスとし
てN2Oを用いているが、他に酸素(O2)、二酸化窒素
(NO2)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(C
2)、又は水(H2O)の何れか一を用いることができ
る。
【0078】また、上記の成膜ガスに水素(H2)、又
は窒素(N2)の少なくとも何れか一を添加することに
より、緻密性を更に高めることができる。 (第3の実施の形態)次に、図13(a)及び図13
(b)を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る半
導体装置及びその製造方法を説明する。
【0079】図13(a)は、本発明の第3の実施の形
態に係る半導体装置を示す断面図である。図13(b)
は図13(a)のI−I線に沿う断面図である。この半
導体装置は、図13(a)及び図13(b)に示すよう
に、下地基板31上に膜厚約1μmのSiOF膜からな
る下部配線埋込絶縁膜32が形成されている。下部配線
埋込絶縁膜32に下部配線溝32aが形成され、下部配
線33が埋め込まれている。
【0080】また、これらの上にこの発明に係る膜厚数
10nmのPE-CVD TMS SiO2膜(シリコン含有絶縁膜)
からなる配線層間絶縁膜(保護層)34と、膜厚約1μ
mのSiOF膜からなる上部配線埋込絶縁膜35とがこ
の順に積層されている。この発明に係るPE-CVD TMS SiO
2膜は、赤外線の吸収強度のピークが波数2270乃至
2350cm-1の範囲にあり、膜密度が2.25乃至
2.40g/cm3の範囲に有り、かつ比誘電率が3.
3乃至4.3の範囲にある。
【0081】配線層間絶縁膜34にはビアホール34a
が形成され、上部配線埋込絶縁膜35にはビアホール3
4aよりも大きい開口面積を有し、かつビアホール34
aと連通した上部配線溝35aが形成されている。そし
て、ビアホール34aと上部配線溝35a内には、よく
知られたデュアルダマシン法によりTaN膜(銅拡散阻
止膜)36a及び銅膜36bからなる接続導体36とT
aN膜36aと銅膜36bとからなる上部配線37が一
体的に埋め込まれている。そして、最上部全面はこの発
明に係るPE-CVD TMS SiO2 膜からなる最上部保護層38
によって被覆されている。
【0082】上記した本願発明者の実験によれば、上記
特性を有するPE-CVD TMS SiO2膜は、シリコン窒化膜と
同じように、機械的強度が高く、緻密で、耐水性に優
れ、膜中の水分含有量が少なく、かつシリコン窒化膜と
比べて比誘電率が小さい。この実施の形態では、上記特
性を有するPE-CVD TMS SiO2膜からなる配線層間絶縁膜
34は下部配線33、特に銅膜33bと接するように銅
膜33bを被覆して形成されている。また、上部配線3
7、特に銅膜36bと接するように銅膜36bを被覆し
て最上部保護層38が形成されている。
【0083】従って、低い比誘電率を保持しつつ、シリ
コン窒化膜のようなバリア絶縁膜なしで下部配線33及
び上部配線37から周辺部への銅の拡散を防止すること
ができる。さらに、下部配線埋込絶縁膜32は配線層間
絶縁膜34によって被覆され、上部配線埋込絶縁膜35
は配線層間絶縁膜34と最上部保護層38によって上下
面を保護されている。従って、配線埋込絶縁膜32、3
5への外来の水分の侵入を防止して、吸湿による配線埋
込絶縁膜32、35の比誘電率の変動を防止することが
できる。また、下部配線33は配線層間絶縁膜34によ
り被覆され、上部配線37は最上部保護層38によって
被覆されているので、配線の腐食等を防止することが可
能である。
【0084】次に、上記構造の製造方法について説明す
る。下部配線33が埋め込まれた下部配線埋込絶縁膜3
2と上部配線37が埋め込まれた上部配線埋込絶縁膜3
5との間に挟まれた配線層間絶縁膜34の成膜ガスとし
てTMS+N2Oを用いている。まず、図13(a)に
示すように、下地基板31上に、膜厚約1μmのSiO
F膜からなる配線埋込絶縁膜32を形成する。続いて、
配線埋込絶縁膜32をエッチングして配線溝32aを形
成した後、配線溝32aの内面に銅拡散阻止膜としてT
aN膜33aを形成する。次いで、TaN膜33a表面
に図示しない銅シード層をスパッタ法により形成した
後、メッキ法により銅膜を埋め込む。CMP法(Chemic
al Mechanical Polishing 法)により、配線溝32aか
ら突出した銅膜33b及びTaN膜33aを研磨して表
面を平坦化する。これにより、銅膜33b及びTaN膜
33aからなる下部配線33が形成される。以上の要素
が、被成膜基板20を構成する。
【0085】次に、TMS+N2Oを用いたプラズマC
VD法により膜厚数10nmのPE-CVD TMS SiO2膜から
なる配線層間絶縁膜34を形成する。以下にその詳細を
説明する。即ち、PE-CVD TMS SiO2膜を形成するには、
まず、被成膜基板20を成膜装置101のチャンバ1内
に導入し、下部電極3に保持する。続いて、被成膜基板
20を加熱し、温度350℃に保持する。TMSを流量
100sccmで、N2Oガスを流量3000sccmで、図1
に示すプラズマ成膜装置101のチャンバ1内に導入
し、圧力を0.7Torrに保持する。次いで、下部電極3
に周波数380kHzの電力0.3W/cm2を印加
し、上部電極2にも周波数13.56MHzの電力0.
3W/cm2を印加する。
【0086】これにより、TMSとN2Oがプラズマ化
する。この状態を所定時間保持して、膜厚数10nmの
PE-CVD TMS SiO2膜からなる配線層間絶縁膜34を形成
する。調査によれば、配線層間絶縁膜34を構成する、
成膜されたPE-CVD TMS SiO2膜は、周波数1MHzで測
定した比誘電率が凡そ3.9であり、電界強度5MV/
cmのときリーク電流が10-8A/cm2であった。
【0087】次いで、SiOF膜32を形成したときと
同じ方法により配線層間絶縁膜34上に膜厚約1μmの
SiOF膜からなる配線埋込絶縁膜35を形成する。次
に、よく知られたデュアルダマシン法により銅膜36b
を主とする接続導体36と上部配線37を形成する。デ
ュアルダマシン法は種々の方法が知られているが、ここ
では、以下に、その一例について詳細に説明する。
【0088】即ち、配線埋込絶縁膜35上に図示しない
レジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィー法によ
りビアホールを形成すべき領域にレジスト膜の開口部を
形成する。次いで、レジスト膜の開口部を通して配線埋
込絶縁膜35及び配線層間絶縁膜34をエッチングし、
貫通させる。これにより、配線層間絶縁膜34にビアホ
ール34aが形成される。
【0089】次に、図示しない別のレジスト膜を形成
し、配線溝を形成すべき領域に開口部を形成する。この
レジスト膜の開口部は配線層間絶縁膜34のビアホール
34aの開口面積よりも大きく、かつ配線層間絶縁膜3
4のビアホール34aを含むように形成される。次い
で、レジスト膜の開口部を通して配線埋込絶縁膜35を
エッチングし、貫通させる。このとき、下地の配線層間
絶縁膜34は配線埋込絶縁膜35のエッチングガスに対
してエッチング耐性を有するため、配線層間絶縁膜34
でエッチングが停止される。これにより、配線埋込絶縁
膜35にビアホール34aと繋がる配線溝35aが形成
される。
【0090】次に、上記と同じくTaN膜36aをビア
ホール34aと配線溝35aの内面に形成した後、スパ
ッタ法により銅シード層を形成し、更にその上に銅膜3
6bを埋め込んで、接続導体36と上部配線37を形成
する。以上が所謂デュアルダマシン法である。次に、こ
の発明が適用される成膜方法により、全面に保護層38
を形成する。これにより、半導体装置が完成する。
【0091】以上のように、この第3の実施の形態によ
れば、配線層間絶縁膜34となるPE-CVD TMS SiO2
を、Si−H結合を有するアルコキシ化合物であるTM
Sと、酸素含有ガスであるN2Oとからなる成膜ガスを
プラズマ化し、反応させて形成している。この発明に係
るPE-CVD TMS SiO2 膜の比誘電率は約3.9程度であ
り、かつシリコン窒化膜と同じ位の緻密性を有する。こ
れにより、保護層としての機能を低下させることなく、
即ち銅に対する高いバリア性と小さいリーク電流を維持
し、配線間の絶縁膜全体の実効的な誘電率を低減させる
ことができる。
【0092】これに対して、図14(a)及び図14
(b)は、比較例の多層配線構造を示す断面図である。
図13(a)及び図13(b)と異なるところは、この
発明が適用されるPE-CVD TMS SiO2 膜からなる配線層間
絶縁膜34の代わりに、膜厚約1μmのシリコン酸化膜
39bが膜厚数10nmのシリコン窒化膜39a、39
cによって挟まれた配線層間絶縁膜39を用い、PE-CVD
TMS SiO2 膜からなる保護層38の代わりに膜厚数10
nmのシリコン窒化膜40を用いていることである。こ
の場合、比誘電率約7.2と高いシリコン窒化膜39
a、39c、40を用いているので、配線間の絶縁膜全
体として誘電率が高くなる。なお、図14(a)及び図
14(b)中、図13(a)及び図13(b)中の符号
と同じ符号で示すものは図13(a)及び図13(b)
中のものと同じものを示すので、説明を省略する。
【0093】このように、第3の実施の形態によれば、
シリコン窒化膜のようなバリア絶縁膜なしで銅配線3
3、37からの銅の拡散を防止し、また配線間の絶縁膜
全体として低誘電率化を図ることができる。また、Si
OF膜からなる下部配線埋込絶縁膜32及び上部配線埋
込絶縁膜35の間にPE-CVD TMS SiO2 膜からなる配線層
間絶縁膜34が介在し、かつ上部配線埋込絶縁膜35を
被覆してPE-CVD TMS SiO2 膜からなる最上部保護層38
が形成されている。従って、配線層間絶縁膜34及び最
上部保護層38によってフッ素(F)元素の周辺部への
拡散を防止することができる。これにより、配線の信頼
性を向上させることができる。
【0094】さらに、銅膜33bを主とする下部配線3
3を被覆して配線層間絶縁膜34を形成し、かつ銅膜3
6bを主とする上部配線37を被覆して最上部保護層3
8を形成しているので、周辺部への銅の拡散を防止する
ことができる。さらに、もともとシリコン窒化膜と同じ
ようにこの発明の絶縁膜自体のリーク電流が小さいた
め、リーク電流を減らすためにSi及びCを含む膜のよ
うに酸素導入を行なわなくてもよい。従って、その導入
酸素により或いは酸素導入処理により上下部配線33、
37の銅膜33b、37bの表面が酸化されて銅膜33
b、37bと接触する配線層間絶縁膜34や保護層38
が剥がれ易くなるという恐れもない。
【0095】なお、配線埋込絶縁膜32、35としてシ
リコン含有無機化合物又はシリコン含有有機化合物を含
む塗布液により形成された塗布絶縁膜を用いてもよい。
この場合、配線層間絶縁膜34、保護層38であるPE-C
VD TMS SiO2 膜は塗布絶縁膜との密着性がよいため、膜
剥がれを防止し、また塗布絶縁膜から周辺部への水分の
放出をより完全に防止することができる。 (第4の実施の形態)次に、図15(a)〜(d)、及
び図16(a)〜(c)を参照して、本発明の第4の実
施の形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明す
る。
【0096】図16(c)は、本発明の第4の実施の形
態に係る半導体装置を示す断面図である。この半導体装
置は、同図に示すように、下地基板61上に下部配線埋
込絶縁膜62が形成されている。下部配線埋込絶縁膜6
2は、主たる絶縁膜62aと、膜厚約50nmのPE-CVD
TMS SiO2 膜からなる第1の上部保護層63aとが積層
されてなる。下部配線埋込絶縁膜62を貫通する下部配
線溝64に銅拡散阻止膜であるTaN膜65aと銅膜6
5bとからなる下部配線65が埋め込まれている。下地
基板61は半導体基板や他の導電層でもよいし、絶縁性
基板でもよい。
【0097】これらの上にビアホール68が形成された
配線層間絶縁膜66と上部配線溝69が形成された上部
配線埋込絶縁膜67が形成されている。配線層間絶縁膜
66はこの発明に係る膜厚約50nmのPE-CVD TMS SiO
2 膜からなる第2の下部保護層66aと、主たる絶縁膜
66bと、この発明に係る膜厚約50nmのPE-CVD TMS
SiO2 膜からなる第2の上部保護層66cとから構成さ
れている。上部配線埋込絶縁膜67は、主たる絶縁膜6
7aと、この発明の膜厚約50nmのPE-CVD TMS SiO2
膜からなる第3の上部保護層67bとから構成されてい
る。
【0098】上部配線溝69はビアホール68よりも大
きい開口面積を有し、ビアホール68と接続するように
形成されている。ビアホール68と上部配線溝69内に
は、よく知られたデュアルダマシン法により銅拡散阻止
膜であるTaN膜70aと銅膜70bとからなる接続導
体70と同じく銅拡散阻止膜であるTaN膜70aと銅
膜70bとからなる上部配線71が一体的に埋め込まれ
ている。そして、最上部全面はこの発明に係るPE-CVD T
MS SiO2 膜からなる最上部保護層72によって被覆され
ている。
【0099】上記の主たる絶縁膜62a、66b、67
aとして低誘電率を有するSiOF膜や多孔質絶縁膜等
を用いることができる。この発明に係るPE-CVD TMS SiO
2膜は、赤外線の吸収強度のピークが波数2270乃至
2350cm-1の範囲にあり、膜密度が2.25乃至
2.40g/cm 3の範囲に有り、かつ比誘電率が3.
3乃至4.3の範囲にある。
【0100】上記したように、上記特性を有するPE-CVD
TMS SiO2膜は、シリコン窒化膜と同じように、機械的
強度が高く、緻密で、耐水性に優れ、膜中の水分含有量
が少なく、かつシリコン窒化膜と比べて比誘電率が小さ
い。この実施の形態では、下部配線埋込絶縁膜62の主
体である絶縁膜62aは上記特性を有するPE-CVD TMS S
iO2膜からなる保護層63aによって被覆され、配線層
間絶縁膜66及び上部配線埋込絶縁膜67の主体である
絶縁膜66b、67aはそれぞれ同じく上記特性を有す
るPE-CVD TMS SiO2膜からなる保護層66aと66c、
及び66cと67bによって挟まれている。このため、
主体である絶縁膜62a、66b、67aへの外来の水
分の侵入を防止し、主体である絶縁膜62a、66b、
67aの比誘電率の変動を防止することができる。ま
た、保護層63a、66a、66c、67bによって内
部への水分の侵入が阻止されるので、配線65、71の
腐食を防止することができる。
【0101】また、保護層63a、66a、66c、6
7bとしてシリコン窒化膜を用いずに、比誘電率が低い
PE-CVD TMS SiO2膜を用いているので、配線65、71
間に介在する絶縁膜全体として誘電率を低減することが
できる。さらに、下部配線65、特に銅膜65bを被覆
して上記特性を有するPE-CVD TMS SiO2膜からなる保護
層66aを形成し、上部配線71、特に銅膜70bを被
覆して上記特性を有するPE-CVD TMS SiO2膜からなる最
上部保護層72を形成しているので、銅膜65b、70
bを主とする配線65、71から周辺部への銅の拡散を
防止することができる。
【0102】図15(a)〜(d)、及び図16(a)
〜(c)は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体装
置の製造方法を示す断面図である。保護層63a、66
a、66c、67bの成膜ガスとしてTMS+N2Oを
用いている。まず、図15(a)に示すように、下地基
板61上に、熱酸化膜或いはBPSG膜等からなる下地
絶縁膜62を形成した後、成膜ガスとしてTMS+N2
Oを用いたプラズマCVD法により、膜厚約50nmの
PE-CVD TMS SiO2膜63を形成する。成膜されたPE-CVD
TMS SiO2膜63は、周波数1MHzで測定した比誘電率
が凡そ3.9であり、電界強度5MV/cmのときリー
ク電流が10-8A/cm2であった。
【0103】次いで、図15(b)に示すように、PE-C
VD TMS SiO2膜63及び下地絶縁膜62をパターニング
して配線溝64を形成する。PE-CVD TMS SiO2膜63a
は保護層となる。次に、図15(c)に示すように、配
線溝64の内面に銅拡散阻止膜としてTaN膜65aを
形成する。続いて、図示しない銅シード層を形成した
後、銅膜65bを埋め込んで、TaN膜65a及び銅膜
65bからなる下部配線65を形成する。
【0104】次いで、図15(d)に示すように、下部
配線65を被覆するこの発明のPE-CVD TMS SiO2 膜から
なる保護層66aを形成する。ここまでの工程により、
被成膜基板20が完成する。その後、この被形成基板2
0上に、配線層間絶縁膜の主体である絶縁膜66b及び
この発明のPE-CVD TMS SiO2 膜からなる保護層66cを
形成し、接続導体を埋め込むための配線層間絶縁膜66
を形成する。続いて、同じようにして保護層66c上に
配線埋込絶縁膜の主体である絶縁膜67a及びこの発明
のPE-CVD TMS SiO2 膜からなる保護層67bを形成し、
上部配線を埋め込む配線埋込絶縁膜67を形成する。な
お、配線層間絶縁膜66の主体である絶縁膜66b及び
配線埋込絶縁膜67の主体である絶縁膜67aとして第
3の実施の形態と同様に低誘電率を有するSiOF膜を
用いる。
【0105】次に、図16(a)乃至図16(c)に示
すように、良く知られたデュアルダマシン法により、接
続導体70と上部配線71を形成する。以下に、デュア
ルダマシン法を詳細に説明する。即ち、図16(a)に
示すように、保護層67b上に図示しないレジスト膜を
形成した後、フォトリソグラフィー法によりビアホール
を形成すべき領域にレジスト膜の開口部を形成する。次
いで、レジスト膜の開口部を通して保護層67b及び絶
縁膜67a、保護層66c及び絶縁膜66bをエッチン
グし、貫通させる。これにより、配線層間絶縁膜66の
うち保護層66c及び主たる絶縁膜66bに開口部68
aが形成される。
【0106】次に、図16(b)に示すように、図示し
ない別のレジスト膜を形成し、配線溝を形成すべき領域
に開口部を形成する。このレジスト膜の開口部は最初の
開口部の開口面積よりも大きく、かつ最初の開口部を含
むように形成される。次いで、レジスト膜の開口部を通
して保護層67b及び絶縁膜67aをエッチングし、貫
通させる。このとき、下地の保護層66cは絶縁膜67
aのエッチングガスに対してエッチング耐性を有するた
め、保護層66cでエッチングが停止される。これによ
り、配線埋込絶縁膜67に配線溝69が形成される。そ
の後、保護層66aをエッチングして、配線層間絶縁膜
66を貫通するビアホール68を形成する。これによ
り、ビアホール68底部に下部配線65が露出し、ビア
ホール68を通して下部配線65と配線溝69とが繋が
る。
【0107】次に、図16(c)に示すように、TaN
膜70aをビアホール68と配線溝69の内面に形成し
た後、図示しない銅シード層を形成し、更にその上に銅
膜70bを埋め込んで、接続導体70と上部配線71を
形成する。以上が所謂デュアルダマシン法である。次
に、この発明が適用される成膜方法により、全面にPE-C
VD TMS SiO2 膜からなる保護層72を形成する。
【0108】以上のように、この第4の実施の形態の半
導体装置の製造方法によれば、下から順に絶縁膜と保護
層とが積層されてなる配線層間絶縁膜66及び配線埋込
絶縁膜67を形成し、配線層間絶縁膜66及び配線埋込
絶縁膜67を下から順に開口面積が大きくなるように貫
通させて、ビアホール68とビアホール68と繋がった
配線溝69とを交互に形成している。即ち、保護層66
cは絶縁膜67aを選択的にエッチングする際にエッチ
ングされる絶縁膜67aの下地となる。この発明が適用
される保護層66cは緻密であるため、マスクとして有
効に機能し、或いはさらに下層の絶縁膜66bの過剰エ
ッチングに対するストッパとして有効に機能する。
【0109】なお、主体である絶縁膜66b、67aと
して、SiOF膜の代わりに、低誘電率を有する塗布絶
縁膜を用いてもよい。 (第5の実施の形態)次に、図17を参照して、本発明
の第5の実施の形態に係る半導体装置及びその製造方法
を説明する。
【0110】図17は、本発明の第5の実施の形態に係
る半導体装置を示す断面図である。図17に示すよう
に、この実施の形態の半導体装置は、基板81上に、下
から順に配線層間絶縁膜82、配線埋込絶縁膜83、配
線層間絶縁膜84、配線埋込絶縁膜85、配線層間絶縁
膜86、配線埋込絶縁膜87となる積層構造が形成され
てなる。
【0111】この場合、配線層間絶縁膜82、84、8
6及び配線埋込絶縁膜83、85、87の主体である低
誘電率絶縁膜からなる絶縁膜82a/82c、83a/
83c、84a/84c、86a/86c、87aと、
この発明のPE-CVD TMS SiO2膜からなる保護層82d、
83d、84d、85d、86d、87bとを交互に積
層している。上記したこの発明に係るPE-CVD TMS SiO2
膜は、赤外線の吸収強度のピークが波数2270乃至2
350cm-1の範囲にあり、膜密度が2.25乃至2.
40g/cm3の範囲に有り、かつ比誘電率が3.3乃
至4.3の範囲にある。以下、同じである。
【0112】なお、低誘電率絶縁膜からなる絶縁膜82
a/82c、83a/83c、84a/84c、86a
/86c、87aとして上記したSiOF膜や塗布絶縁
膜を用いることができる。この実施の形態では、各配線
層間絶縁膜82、84、86の主たる絶縁膜82a/8
2c、84a/84c、86a/86cの間にこの発明
のPE-CVD TMS SiO 2膜からなる絶縁膜(保護層)82
b、84b、86bが介在し、配線埋込絶縁膜83、8
5の主たる絶縁膜83a/83c、85a/85cの間
にこの発明のPE-CVD TMS SiO2膜からなる絶縁膜(保護
層)83b、85bが介在している。主たる絶縁膜であ
る低誘電率絶縁膜は応力によりクラックが生じ易く、そ
れを防ぐために絶縁膜82b、84b、86bや絶縁膜
83b、85bを介在させているものである。
【0113】そして、配線層間絶縁膜82、84、86
にはビアホール88a、88c、88eが形成され、配
線埋込絶縁膜83、85、87には配線溝88b、88
d、88fが形成されている。即ち、ビアホール88
a、88c、88eと配線溝88b、88d、88fと
は交互に形成され、下から順次開口面積が大きくなるよ
うに、かつビアホール88a、88c、88eと、これ
と隣接する配線溝88b、88d、88fとが繋がるよ
うに形成されている。
【0114】ビアホール88a、88c、88eと配線
溝88b、88d、88fの内面にはTaN膜からなる
銅拡散阻止膜89aが形成され、銅拡散阻止膜89aを
介在させて銅膜89bが埋め込まれている。ビアホール
88a、88c、88eに埋めこまれた銅拡散阻止膜8
9a及び銅膜89bが上下の配線同士を接続する接続導
体となり、配線溝88b、88d、88fに埋め込まれ
た銅拡散阻止膜89a及び銅膜89bが配線を構成す
る。
【0115】最上部にはこの発明の絶縁膜であるPE-CVD
TMS SiO2膜からなる保護層90が最上層の配線を被覆
して形成されている。なお、基板81として、例えば、
配線埋込絶縁膜に銅膜からなる或いは銅膜を主とする配
線が埋め込まれているものを用いることができる。この
場合、この配線がビアホール88a中の接続導体89と
接続されることになる。
【0116】以上のように、第5の実施の形態に係る半
導体装置によれば、第4の実施の形態よりも多層配線の
層数が3層と多いが、第4の実施の形態と同様な効果を
有する。上記構成の半導体装置の製造方法については、
第4の実施の形態で説明した製造方法を準用することが
できる。それを以下に簡単に説明する。この場合も、第
3及び第4の実施の形態と同様に、この発明の保護層8
2d、83d、84d、85d、86d、87b及び主
たる絶縁膜の間に介在する絶縁膜82b、83b、84
b、85b、86bの成膜ガスとしてTMS+N2Oを
用いる。
【0117】即ち、図15(d)と同様にして、基板8
1上に、下から順次低誘電率絶縁膜82a、82c、8
3a、83c、84a、84c、85a、85c、86
a、86c、87a(以下、82a乃至87aと記
す。)とPE-CVD TMS SiO2膜からなる絶縁膜82b、8
2d、83b、83d、84b、84d、85b、85
d、86b、86d、87b(以下、82b乃至87b
と記す。)を交互に形成する。ここで、絶縁膜82a乃
至82dを配線層間絶縁膜82とし、絶縁膜83a乃至
83dを配線埋込絶縁膜83とし、絶縁膜84a乃至8
4dを配線層間絶縁膜84とし、絶縁膜85a乃至85
dを配線埋込絶縁膜85とし、絶縁膜86a乃至86d
を配線層間絶縁膜86とし、絶縁膜87a、87bを配
線埋込絶縁膜87とする。即ち、配線層間絶縁膜82等
及び配線埋込絶縁膜83等は、絶縁膜82a乃至87a
を下層とし、保護層82b乃至87bを上層とする組
が、少なくとも二組以上積層されている。
【0118】そして、図16(a)及び図16(b)と
同様にして、交互に積層された配線層間絶縁膜82等と
配線埋込絶縁膜83等とを、順次開口面積が大きくなる
ように、かつ相互が繋がるように貫通させて、開口部8
8a乃至88fを形成する。これらの開口部88a乃至
88fは、ビアホール88a、88c、88eと、その
ビアホールと繋がった配線溝88b、88d、88fと
になる。
【0119】その後、図16(c)と同様にして、上下
の配線溝88b、88d、88f内の配線がビアホール
88a、88c、88e内の接続導体により接続される
ように、接続導体及び配線89a、89bを形成する。
その後、この発明のPE-CVD TMS SiO2膜からなる保護層
90を形成すると、半導体装置が完成する。
【0120】以上のように、第5の実施の形態に係る半
導体装置の製造方法によれば、第4の実施の形態よりも
多層配線の層数が3層と多いが、第4の実施の形態と同
様な効果を有する。以上、実施の形態によりこの発明を
詳細に説明したが、この発明の範囲は上記実施の形態に
具体的に示した例に限られるものではなく、この発明の
要旨を逸脱しない範囲の上記実施の形態の変更はこの発
明の範囲に含まれる。
【0121】例えば、低周波電力供給源8の周波数は、
上記の380kHzに限られず、100kHz乃至1M
Hzの周波数でも上記と同様の効果が得られる。そし
て、高周波電力供給源7の周波数も、上記の13.56
MHzに限られず、1MHzの周波数でも上記と同様の
効果が得られる。
【0122】
【発明の効果】以上のように、この発明に係るシリコン
含有絶縁膜は、赤外線の吸収強度のピークが波数227
0乃至2350cm-1の範囲にあり、膜密度が2.25
乃至2.40g/cm3の範囲に有り、かつ比誘電率が
3.3乃至4.3の範囲にある。
【0123】この発明の半導体装置では、銅膜からなる
或いは銅膜を主とする配線を被覆する保護層を有し、そ
の保護層が上記特性を有するシリコン含有絶縁膜からな
る。その保護層はシリコン窒化膜と同様に緻密であるの
で、周辺部への銅の拡散を防止することができる。ま
た、下部配線と上部配線との間に、上記特性を有する層
間絶縁膜を有する。即ち、下部配線と上部配線との間
に、上記特性を有する層間絶縁膜が介在しているので、
低誘電率を保持しつつ、周辺部への銅の拡散を防止する
ことができる。
【0124】また、下部配線と上部配線との間に、主た
る絶縁膜と、その主たる絶縁膜の上下面を被覆する上記
特性を有する保護層を有する。即ち、下部配線と主たる
絶縁膜の間に、及び上部配線と主たる絶縁膜の間に、そ
れぞれ上記特性を有する保護層が介在しているので、主
たる絶縁膜への銅の拡散を防止することができる。さら
に、主たる絶縁膜として低い比誘電率を有する多孔質絶
縁膜や塗布絶縁膜等を用いることにより、低誘電率を保
持しつつ、主たる絶縁膜への銅の拡散を防止することも
可能である。
【0125】また、本発明の半導体装置の製造方法によ
れば、Si−H結合を有するアルコキシ化合物、又はS
i−H結合を有するシロキサンの何れか一と、O2、N2
O、NO2、CO、CO2、又はH2Oの何れか一の酸素
含有ガスとからなる成膜ガスをプラズマ化し、反応させ
て、シリコン含有絶縁膜を形成している。上記成膜条件
により形成されたシリコン含有絶縁膜は、緻密で、耐水
性に優れ、膜中の水分含有量が少なく、かつ比誘電率が
小さい。
【0126】従って、銅膜からなる或いは銅膜を主とす
る下部配線が埋め込まれた下部配線埋込絶縁膜と銅膜か
らなる或いは銅膜を主とする上部配線が埋め込まれた上
部配線埋込絶縁膜の間に配線層間絶縁膜を挟んでなる半
導体装置の製造方法において、配線層間絶縁膜として上
記成膜条件により形成されたシリコン含有絶縁膜を形成
することにより、下部配線と上部配線の間にこの発明の
層間絶縁膜が介在することになるため、シリコン窒化膜
等のような保護層なしで下部配線及び上部配線からの銅
の拡散を防止し、また配線間の絶縁膜全体として低誘電
率化を図ることができる。
【0127】また、配線層間絶縁膜及び配線埋込絶縁膜
の主たる絶縁膜とこの発明に係るシリコン含有絶縁膜か
らなる保護層とを交互に積層し、下層から順次少なくと
も主たる絶縁膜と保護層とが積層されてなる、配線層間
絶縁膜及び配線埋込絶縁膜を交互に2層以上積層してビ
アホールと配線溝を形成し、そこに接続導体と配線を埋
め込んでいる。これにより、配線と主たる絶縁膜との間
には保護層が介在するため、主たる絶縁膜への配線から
の銅の拡散を防止することができる。
【0128】さらに、下部配線をこの発明に係るシリコ
ン含有絶縁膜からなる保護層により被覆しているため、
周辺部への銅の拡散を防止することができる。また、こ
の発明の絶縁膜自体、シリコン窒化膜と同じようにもと
もとリーク電流が小さいため、リーク電流を減らすため
にSi及びCを含む膜のように酸素導入を行なわなくて
もよい。従って、その導入酸素により或いは酸素導入処
理により銅膜等からなる配線の表面が酸化されて銅膜等
からなる配線と接触する保護層等が剥がれ易くなるとい
う恐れもない。
【0129】さらに、保護層としてシリコン窒化膜を用
いずに、比誘電率が低い絶縁膜を用いているので、配線
間の絶縁膜全体として誘電率を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である成膜方法に用
いられるプラズマCVD成膜装置の構成を示す側面図で
ある。
【図2】本発明の第2の実施の形態である成膜方法によ
り作成されたシリコン含有絶縁膜の特性調査に用いた試
料及び比較試料の構成を示す断面図(その1)である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である成膜方法によ
り作成されたシリコン含有絶縁膜の特性調査に用いた試
料及び比較試料の構成を示す断面図(その2)である。
【図4】本発明の第2の実施の形態である成膜方法によ
り作成されたシリコン含有絶縁膜の膜密度について、図
2(a)に示す試料を用いて調査した結果を示す表であ
る。
【図5】本発明の第2の実施の形態である成膜方法によ
り作成されたシリコン含有絶縁膜中の水分含有量及び耐
水性について、図2(a)に示す試料を用いて調査した
結果を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施の形態である成膜方法によ
り作成されたシリコン含有絶縁膜の赤外線吸収強度を、
図2(a)に示す試料を用いて調査した結果を示すグラ
フである。
【図7】図2(a)に示す比較試料を用いてシリコン含
有絶縁膜の赤外線吸収強度を調査した結果を示すグラフ
である。
【図8】本発明の第2の実施の形態である成膜方法によ
り作成されたシリコン含有絶縁膜の耐水性について、図
2(b)に示す試料を用いて調査した結果を示すグラフ
である。
【図9】本発明の第2の実施の形態である成膜方法によ
り作成されたシリコン含有絶縁膜の耐水性について、図
2(b)に示す試料を用いて調査した結果を示すグラフ
である。
【図10】本発明の第2の実施の形態である成膜方法に
より作成されたシリコン含有絶縁膜の塗布絶縁膜に対す
る密着性について、図2(c)に示す試料を用いて調査
した結果を示す表である。
【図11】本発明の第2の実施の形態である成膜方法に
より作成されたヒートサイクルによる不良発生率を、図
2(d)の試料を用いて調査した結果を示すグラフであ
る。
【図12】本発明の第2の実施の形態である成膜方法に
より作成されたシリコン含有絶縁膜の銅に対するバリア
性について調査した結果を示すグラフである。
【図13】本発明の第3の実施の形態である半導体装置
及びその製造方法について示す断面図である。
【図14】第3の実施の形態の比較例である半導体装置
及びその製造方法について示す断面図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態である半導体装置
の製造方法について示す断面図(その1)である。
【図16】本発明の第4の実施の形態である半導体装置
の製造方法について示す断面図(その2)である。
【図17】本発明の第5の実施の形態である半導体装置
及びその製造方法について示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・チャンバ、 2・・・上部電極(第1の電極)、 3・・・下部電極(第2の電極)、 4・・・排気配管、 5・・・開閉バルブ、 6・・・排気装置、 7・・・高周波電力供給電源(RF電源)、 8・・・低周波電力供給電源、 9a・・・配管、 9b〜9f・・・分岐配管、 10a〜10k・・・開閉手段、 11a〜11e・・・流量調整手段、 12・・・ヒータ、 13・・・第1のマッチングボックス、 14・・・第2のマッチングボックス、 20・・・被成膜基板、 31、61・・・下地基板、 32・・・下部配線埋込絶縁膜、 33、65・・・下部配線、 33a、36a、65a、70a・・・TaN膜、 33b、36b、65b、70b、89b・・・銅膜、 34、39、66、82、84、86・・・配線層間絶
縁膜、 34a、68、88a、88c、88e・・・ビアホー
ル、 35、67・・・上部配線埋込絶縁膜、 35a、69・・・上部配線溝、 36、70、89・・・接続導体、 37、71・・・上部配線、 38、72・・・最上部保護層、 39a、39c・・・シリコン窒化膜、 39b・・・シリコン酸化膜、 41・・・シリコン基板、 42a、42b、42c、42d、42e・・・PE-CVD
TMS SiO2膜、 43・・・BPSG膜、 44a、44c・・・無機塗布絶縁膜、 44b・・・有機塗布絶縁膜、 45・・・電極、 51a、51b、51d、51c、51d、51e、6
1c・・・PE-CVD TEOSSiO2膜、 52a、52b・・・PE-CVD SiH4 SiO2膜、 53・・・PE-CVD SiN膜、 62・・・下部配線埋込絶縁膜、 62a、66b、67a・・・主たる絶縁膜、 63a、66a、66c、67b、82d、83b、8
3d、84d、85b、85d、86d、87b、90
・・・保護層、 64・・・下部配線溝、 68a・・・開口部、 81・・・基板、 83、85、87・・・配線埋込絶縁膜、 82a、82b、82c、83a、83c、84a、8
4b、84c、86a、86b、86c、87a・・・
絶縁膜、 88b、88d、88f・・・配線溝、 89a・・・銅拡散防止膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 於久 泰三 東京都港区三田3−11−28 キヤノン販売 株式会社内 (72)発明者 青木 淳一 東京都港区三田3−11−28 キヤノン販売 株式会社内 (72)発明者 衣川 貴志 東京都港区三田3−11−28 キヤノン販売 株式会社内 (72)発明者 前田 和夫 東京都港区港南2−13−29 株式会社半導 体プロセス研究所内 Fターム(参考) 5F033 HH11 HH32 HH33 JJ01 JJ11 JJ32 KK11 KK32 MM01 MM02 MM05 MM12 MM13 NN06 NN07 PP15 PP27 PP28 PP33 QQ09 QQ25 QQ37 QQ48 QQ73 QQ76 RR04 RR06 RR09 RR11 RR15 RR25 RR29 SS02 SS03 SS04 SS15 SS22 5F058 BA10 BD02 BD04 BD06 BD07 BD10 BF07 BF23 BF27 BF29 BF31 BF46 BH04 BJ02

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下側から下部配線埋込絶縁膜と、配線層
    間絶縁膜と、上部配線埋込絶縁膜とが順に積層され、さ
    らに前記下部配線埋込絶縁膜に銅膜からなる或いは銅膜
    を主とする下部配線が埋め込まれ、前記上部配線埋込絶
    縁膜に銅膜からなる或いは銅膜を主とする上部配線が埋
    め込まれてなる半導体装置の製造方法において、 前記配線層間絶縁膜を、Si−H結合を有するアルコキ
    シ化合物、又はSi−H結合を有するシロキサンの何れ
    か一と、O2、N2O、NO2、CO、CO2、又はH2
    の何れか一の酸素含有ガスとからなる成膜ガスをプラズ
    マ化し、反応させて形成することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記配線層間絶縁膜にビアホールが形成
    され、該ビアホールに前記下部配線と前記上部配線を接
    続するように銅膜からなる或いは銅膜を主とする接続導
    体が埋め込まれていることを特徴とする請求項1記載の
    半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記下部配線埋込絶縁膜及び上部配線埋
    込絶縁膜は、比誘電率4.0以下の絶縁膜であることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記下部配線埋込絶縁膜又は上部配線埋
    込絶縁膜は、シリコン(Si)、酸素(O)、及びフッ
    素(F)を含有する絶縁膜であり、又はシリコン(S
    i)、酸素(O)、及びフッ素(F)を含有する多孔質
    絶縁膜であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記配線層間絶縁膜を形成する成膜ガス
    にN2又はH2のうち何れか一を添加することを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体
    装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記Si−H結合を有するアルコキシ化
    合物は、トリメトキシシラン(TMS:SiH(OCH3)3)で
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか
    一項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記Si−H結合を有するシロキサン
    は、テトラメチルジシロキサン(TMDSO:(CH3)2HS
    i-O-SiH(CH3)2)であることを特徴とする請求項1乃至
    請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 プラズマ生成手段として平行平板型の第
    1及び第2の電極を用い、かつ前記プラズマ化の際に、
    前記第1の電極に周波数1MHz以上の高周波電力を印
    加し、かつ前記基板を保持する第2の電極に周波数10
    0kHz乃至1MHzの低周波電力を印加することを特
    徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の
    半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 (a)基板上に下から順に絶縁膜と保護
    層とを積層し、下側から順に積層された絶縁膜と保護層
    を一組としてその組を一組以上含む配線層間絶縁膜と、
    下側から順に積層された絶縁膜と保護層を一組としてそ
    の組を一組以上含む配線埋込絶縁膜とを交互に2層以上
    積層する工程と、 (b)前記配線層間絶縁膜と前記配線埋込絶縁膜を貫通
    させて、下から順次開口面積が大きくなるように、かつ
    隣接する開口部間で相互に接続された開口部を形成し、
    配線層間絶縁膜にビアホールを、前記配線埋込絶縁膜に
    配線溝をそれぞれ形成する工程と、 (c)前記ビアホールと前記配線溝に銅膜からなる或い
    は銅膜を主とする金属膜を埋め込んで、ビアホールに接
    続導体を、配線溝に接続導体と接続された配線を形成す
    る工程とを有し、前記保護層は、Si−H結合を有する
    アルコキシ化合物、又はSi−H結合を有するシロキサ
    ンの何れか一と、O2、N2O、NO2、CO、CO2、又
    はH2Oの何れか一の酸素含有ガスとからなる成膜ガス
    をプラズマ化し、反応させて形成することを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記基板は、下部配線と該下部配線と
    接触するように下部配線を被覆する保護層とを有し、保
    護層はSi−H結合を有するアルコキシ化合物、又はS
    i−H結合を有するシロキサンの何れか一と、O2、N2
    O、NO2、CO、CO2、又はH2Oの何れか一の酸素
    含有ガスとからなる成膜ガスをプラズマ化し、反応させ
    て形成し、前記(b)の工程でビアホールと配線溝を形
    成するとき、前記保護層を貫通して下部配線を露出させ
    ることを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記絶縁膜はシリコン含有無機物を含
    む塗布液、又はシリコン含有有機物を含む塗布液の何れ
    か一を塗布して形成された塗布絶縁膜であることを特徴
    とする請求項9又は請求項10に記載の半導体装置の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 前記配線層間絶縁膜と前記配線埋込絶
    縁膜とは、下層の絶縁膜と、上層の保護層とを一組とし
    てその組を2組以上積層することによって形成されるこ
    とを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか一項
    に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記金属膜は、銅拡散阻止膜と銅膜と
    からなり、かつビアホールと配線溝を埋める工程は、ビ
    アホールと配線溝内面に銅拡散阻止膜を形成する工程
    と、銅拡散阻止膜上に銅膜を形成する工程とからなるこ
    とを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか一項
    に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記保護層を形成する成膜ガスにN2
    又はH2のうち何れか一を添加することを特徴とする請
    求項9乃至請求項13のいずれか一項に記載の半導体装
    置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記Si−H結合を有するアルコキシ
    化合物は、トリメトキシシラン(TMS:SiH(OCH3)3
    であることを特徴とする請求項9乃至請求項14のいず
    れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記Si−H結合を有するシロキサン
    は、テトラメチルジシロキサン(TMDSO:(CH3)2HS
    i-O-SiH(CH3)2)であることを特徴とする請求項9乃至
    請求項14のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 プラズマ生成手段として平行平板型の
    第1及び第2の電極を用い、かつ前記プラズマ化の際
    に、前記第1の電極に周波数1MHz以上の高周波電力
    を印加し、かつ前記基板を保持する第2の電極に周波数
    100kHz乃至1MHzの低周波電力を印加すること
    を特徴とする請求項9乃至請求項16のいずれか一項に
    記載の半導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 銅膜からなる或いは銅膜を主とする配
    線を備えた基板と、 前記配線と接触するように前記配線を被覆して基板上に
    形成されたシリコン含有絶縁膜とを有し、前記シリコン
    含有絶縁膜は、赤外線の吸収強度のピークが波数227
    0乃至2350cm-1の範囲にあり、膜密度が2.25
    乃至2.40g/cm3の範囲に有り、かつ比誘電率が
    3.3乃至4.3の範囲にあることを特徴とする半導体
    装置。
  19. 【請求項19】 前記半導体装置はさらに、 前記シリコン含有絶縁膜上に形成された銅膜からなる或
    いは銅膜を主とする上部配線を有することを特徴とする
    請求項18に記載の半導体装置。
  20. 【請求項20】 前記半導体装置はさらに、 (a)下部配線としての前記配線を埋め込んだ配線溝を
    備えた配線埋込絶縁膜と、 (b)前記配線上の配線層間絶縁膜としてのシリコン含
    有絶縁膜に形成されたビアホールに埋め込まれた銅膜か
    らなる或いは銅膜を主とする接続導体と、 (c)前記シリコン含有絶縁膜上に形成され、前記ビア
    ホールと繋がる配線溝を備えた上部配線埋込絶縁膜と、 (d)前記上部配線溝に前記接続導体と接続するように
    埋め込まれた前記上部配線とを有することを特徴とする
    請求項19に記載の半導体装置。
  21. 【請求項21】 前記半導体装置はさらに、前記上部配
    線を被覆して前記上部配線埋込絶縁膜上に形成された最
    上部保護層を有し、前記最上部保護層は、赤外線の吸収
    強度のピークが波数2270乃至2350cm-1の範囲
    にあり、膜密度が2.25乃至2.40g/cm3の範
    囲に有り、かつ比誘電率が3.3乃至4.3の範囲にあ
    るシリコン含有絶縁膜からなることを特徴とする請求項
    20記載の半導体装置。
  22. 【請求項22】 前記配線と、前記ビアホール内の接続
    導体と、前記配線溝内の上部配線とは、銅拡散阻止膜と
    該銅拡散阻止膜上の銅膜とからなることを特徴とする請
    求項20又は請求項21に記載の半導体装置。
  23. 【請求項23】(a)基板上に形成された積層構造と、
    前記積層構造は(i)下部層としての主たる絶縁膜と上
    部層としての保護層とを有する配線層間絶縁膜と、 (ii)前記配線層間絶縁膜を貫通するビアホールと、 (iii)前記配線層間絶縁膜の上に積層された、下部
    層としての主たる絶縁膜と上部層としての保護層とを有
    する配線埋込絶縁膜と、 (iv)前記配線埋込絶縁膜を貫通する配線溝とを備
    え、 (b)前記ビアホールに埋め込まれた銅膜からなる或い
    は銅膜を主とする接続導体と、 (c)前記接続導体と接触するように配線埋込絶縁膜に
    埋め込まれた銅膜からなる或いは銅膜を主とする配線と
    を含み、 前記保護層は、赤外線の吸収強度のピークが波数227
    0乃至2350cm-1の範囲にあり、膜密度が2.25
    乃至2.40g/cm3の範囲に有り、かつ比誘電率が
    3.3乃至4.3の範囲にあることを特徴とする半導体
    装置。
  24. 【請求項24】 前記基板は、下部配線と該下部配線と
    接触するように該下部配線を被覆する保護層とを有し、
    前記保護層は前記配線上に該配線と前記接続導体とを接
    触させるような前記ビアホールを備え、かつ前記保護層
    は赤外線の吸収強度のピークが波数2270乃至235
    0cm-1の範囲にあり、膜密度が2.25乃至2.40
    g/cm3の範囲に有り、かつ比誘電率が3.3乃至
    4.3の範囲にあるシリコン含有絶縁膜からなることを
    特徴とする請求項23記載の半導体装置。
  25. 【請求項25】 前記ビアホールと配線溝は、下側から
    順次開口面積が大きくなるように交互に形成されている
    ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の半
    導体装置。
  26. 【請求項26】 前記半導体装置はさらに、前記配線を
    被覆して前記配線埋込絶縁膜上に形成された最上部保護
    層を有し、前記最上部保護層は赤外線の吸収強度のピー
    クが波数2270乃至2350cm -1の範囲にあり、膜
    密度が2.25乃至2.40g/cm3の範囲に有り、
    かつ比誘電率が3.3乃至4.3の範囲にあるシリコン
    含有絶縁膜からなることを特徴とする請求項23乃至請
    求項25のいずれか一項に記載の半導体装置。
  27. 【請求項27】 前記配線層間絶縁膜は、前記主たる絶
    縁膜と前記保護層とを一組としてその組を少なくとも2
    組含み、前記配線埋込絶縁膜は、前記主たる絶縁膜と、
    前記保護層とを一組としてその組を少なくとも2組含む
    ことを特徴とする請求項23乃至請求項26のいずれか
    一項に記載の半導体装置。
  28. 【請求項28】 前記積層構造は、前記配線層間絶縁膜
    と前記配線埋込絶縁膜とを一組としてその組を少なくと
    も2組含むことを特徴とする請求項23乃至請求項27
    のいずれか一項に記載の半導体装置。
  29. 【請求項29】 前記主たる絶縁膜は、シリコン含有有
    機物又はシリコン含有無機物のうち少なくとも何れか一
    を含む塗布絶縁膜、SiOF膜、又は多孔質絶縁膜のう
    ち何れか一であることを特徴とする請求項23乃至請求
    項28のいずれか一項に記載の半導体装置。
  30. 【請求項30】 前記ビアホール内の前記接続導体と前
    記配線溝内の配線は、銅拡散阻止膜と該銅拡散阻止膜上
    の銅膜とからなることを特徴とする請求項23乃至請求
    項29のいずれか一項に記載の半導体装置。
  31. 【請求項31】 銅膜からなる或いは銅膜を主とする配
    線を備えた基板と、 前記配線と接触するように前記配線を被覆して前記基板
    上に形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜上に形成された保護層とを有し、前記保護層
    は、赤外線の吸収強度のピークが波数2270乃至23
    50cm-1の範囲にあり、膜密度が2.25乃至2.4
    0g/cm3の範囲に有り、かつ比誘電率が3.3乃至
    4.3の範囲にあるシリコン含有絶縁膜からなることを
    特徴とする半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020043298A (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 キヤノン株式会社 半導体装置、その製造方法および電子機器

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