JP2002164239A - 希土類焼結磁石の製造方法およびリング磁石およびアークセグメント磁石 - Google Patents

希土類焼結磁石の製造方法およびリング磁石およびアークセグメント磁石

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JP2002164239A JP2001279656A JP2001279656A JP2002164239A JP 2002164239 A JP2002164239 A JP 2002164239A JP 2001279656 A JP2001279656 A JP 2001279656A JP 2001279656 A JP2001279656 A JP 2001279656A JP 2002164239 A JP2002164239 A JP 2002164239A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低酸素含有量であり、高い焼結体密度を有
し、従来に比べて配向度を高めた高性能の希土類焼結磁
石を得られる製造方法を提供する。 【解決手段】 R−T−B系(RはYを含む希土類元素
の少なくとも1種であり、Rに占めるPrが50原子%以
上、TはFe,Coを含む遷移金属)の希土類焼結磁石
用合金粗粉を非酸化性雰囲気中で平均粒径1〜10μmに
微粉砕し、得られた微粉を鉱油、合成油及び植物油から
選択される少なくとも1種の油と、脂肪酸の1価アルコ
ールエステル,多塩基酸の1価アルコールエステル,多
価アルコールの脂肪酸エステル及びそれらの誘導体のう
ちから選択される少なくとも1種からなる潤滑剤とから
なる非酸化性液中に回収してスラリーを作製し、次いで
前記スラリーにより成形し、得られた成形体を脱油し、
次いで焼結し、熱処理することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速回転を必要と
する流体機械や工作機械、余剰電力をフライホイールの
運動エネルギーに変換して貯蔵する電力貯蔵装置等に好
適に用いられる、低酸素含有量であり、高い焼結体密度
を有し、従来に比べて配向度を高めた高性能の希土類焼
結磁石を得られる製造方法に関する。又本発明は、低酸
素含有量であり、高い焼結体密度を有し、従来に比べて
配向度を高めた、薄肉形状又は薄肉、長尺形状の平行異
方性又はラジアル異方性を有する高性能のR−T−B系
焼結アークセグメント磁石に関する。又本発明は、低酸
素含有量であり、高い焼結体密度を有し、従来に比べて
ラジアル方向の配向度を高めた、ラジアル異方性を有す
る高性能のR−T−B系焼結リング磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】R−T−B系焼結磁石(RはYを含む希
土類元素の少なくとも1種、Tは遷移金属)は、所定組
成のR−T−B系合金を粗粉砕し、次いでN等の不活
性ガス中で微粉砕し、得られた平均粒径1〜10μmの微
粉末を磁場中成形し、次いで焼結し、熱処理することに
より製造される。また、特開平10−303008号に
記載されているように、Rの元素としてPrを50原子
%以上用いたR−T−B系合金は液体窒素冷却温度近傍
でスピン再配列を示すことなく高い磁気特性を保持可能
であることが知られており、高速回転を必要とする流体
機械や工作機械、余剰電力をフライホイールの運動エネ
ルギーに変換して貯蔵する電力貯蔵装置等に用ることが
検討されている。これらの用途において、残留磁束密度
Brおよび最大エネルギー積(BH)maxを高めるには含有酸
素量の低減が極めて重要である。このため、本出願人は
前記微粉の酸化の進行を阻止する作用の顕著な鉱油や合
成油を発見し、それら油中に前記微粉を回収してスラリ
ー化し、このスラリーを成形し、次いで得られた成形体
を脱油し、焼結し、熱処理することにより低酸素含有
量、高密度型の高性能R−T−B系焼結磁石を得られる
製造プロセスを提案した(特許第2731337号等参照)。
この製造プロセスは前記微粉末及び成形体を前記油で被
覆し大気と遮断することにより酸化の進行を実質的に抑
えられるという特徴を有し、脱油し、焼結して得られた
R−T−B系焼結体の含有酸素量が微粉砕前のR−T−
B系合金粗粉に相当する低水準に保持される。よってR
−T−B系焼結体中のR元素が酸化物化し、実質的に滅
失して生じる有効希土類量の減少が小さく抑えられ、粒
界相を形成する希土類リッチ相は健全に保持される。有
効希土類量の実質的な滅失が小さい分だけR含有量を低
く設定できるので従来に比べて余剰のRリッチ相及び希
土類酸化物が低減でき、同時に強磁性相のRFe14
B型結晶粒(主相)の体積比率を高められるのでBr,(B
H)maxが顕著に向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし低酸素含有量、
高密度型の高性能R−T−B系焼結磁石を得られる前記
製造プロセス(特許第2731337号等参照)を適用して
も、本発明者らが期待したほどBr及び(BH)maxは高くな
らなかった。この現象を本発明者らが詳細に調査した結
果、前記スラリーの磁場配向性が十分ではなく、改良の
余地を残していることがわかった。この問題に鑑み、本
発明者らは既に、鉱油等の非酸化性油と非イオン性又は
陰イオン性界面活性剤とを所定比率で配合してなる油中
に前記微粉を回収し、得られたスラリーが良好な磁場配
向性を有し、もってこのスラリーにより磁場中成形し、
次いで順次脱油、焼結及び熱処理を行うことにより従来
に比べてBr及び(BH)maxを高めた希土類焼結磁石が得ら
れることを知見し、その製造方法(特願2000−196345
号)を出願した。
【0004】本発明者らは、非イオン性又は陰イオン性
界面活性剤以外で、それらと類似の効果を得られるスラ
リー改質剤を求めて鋭意検討した結果、スラリー改質剤
として後述の潤滑剤が好適であることを発見した。この
ように、本発明が解決しようとする課題は、低酸素含有
量であり、高い焼結体密度を有し、従来に比べて配向度
を高めた高性能の希土類焼結磁石を得られる製造方法を
提供することである。又、本発明が解決しようとする別
の課題は、低酸素含有量であり、高い焼結体密度を有
し、従来に比べて配向度を高めた、薄肉形状又は薄肉、
長尺形状の平行異方性又はラジアル異方性を有する高性
能のR−T−B系焼結アークセグメント磁石に関する。
又、本発明が解決しようとする別の課題は、低酸素含有
量であり、高い焼結体密度を有し、従来に比べてラジア
ル方向の配向度を高めた、ラジアル異方性を有する高性
能のR−T−B系焼結リング磁石に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の希土類焼結磁石の製造方法は、R−T−B系(Rは
Yを含む希土類元素の少なくとも1種であり、Rに占め
るPrが50原子%以上、TはFe,Coを含む遷移金
属)の希土類焼結磁石用合金粗粉を非酸化性雰囲気中で
平均粒径1〜10μmに微粉砕し、得られた微粉を鉱油、
合成油及び植物油から選択される少なくとも1種の油
と、脂肪酸の1価アルコールエステル,多塩基酸の1価
アルコールエステル,多価アルコールの脂肪酸エステル
及びそれらの誘導体のうちから選択される少なくとも1
種からなる潤滑剤とからなる非酸化性液中に回収してス
ラリーを作製し、次いで前記スラリーにより成形し、得
られた成形体を脱油し、次いで焼結し、熱処理すること
を特徴とする。前記潤滑材の添加量は、(R−T−B系
合金微粉):(潤滑剤)=99.99〜99.5重量部:0.01〜
0.5重量部となる範囲であることが好ましい。RがPr
系のものとNd系の磁束量の温度依存性を図6に示す。
Nd系のR−T−B系希土類焼結磁石の方では約130
K以下になると磁束量が低下する。対してPr系では8
0K近傍まで環境温度を下げても磁束量が増加しつづけ
ており、高速回転を必要とする流体機械や工作機械、余
剰電力をフライホイールの運動エネルギーに変換して貯
蔵する電力貯蔵装置等に適用しても高特性のものを得る
事が可能である。
【0006】又、本発明のアークセグメント磁石は、重
量%で、R(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種
であり、Rに占めるPrが50原子%以上である):28〜
33%,B:0.8〜1.5%,Co:5%以下(0を含む),
Cu:0.3%以下(0を含む)及び残部:Feの主要成
分、ならびに不可避的不純物を含有するR−T−B系焼
結磁石からなるアークセグメント磁石であって、前記ア
ークセグメント磁石の全重量に対し不可避的に含有され
る酸素量が0.3%以下であり、厚みが1〜4mmの薄肉形
状に形成され、密度が7.50 Mg/m(g/cm)以上であ
り、室温において1.1MA/m(14kOe)以上の保磁力iHc及
び96%以上の異方性付与方向の配向度(Br/4πImax)
を有することを特徴とする。前記アークセグメント磁石
は、平行異方性を有するものとすることが可能であり、
また形状として長さが40〜100mmの長尺形状に形成され
たものを製造可能である。この配向性の良好なアークセ
グメント磁石においては、(105)面からのX線回折ピ
ーク強度:I(105)と(006)面からのX線回折ピーク
強度:I(006)との比率が、I(105)/I(006)=0.
5〜0.8であるという特徴を持つ。
【0007】又、本発明の他のアークセグメントリング
磁石は、重量%で、R(RはYを含む希土類元素の少な
くとも1種であり、Rに占めるPrが50原子%以上であ
る):28〜33%,B:0.8〜1.5%,Co:5%以下(0
を含む),Cu:0.3%以下(0を含む)及び残部:F
eの主要成分、ならびに不可避的不純物を含有するR−
T−B系焼結磁石からなるアークセグメント磁石であっ
て、前記アークセグメント磁石の全重量に対し不可避的
に含有される酸素量が0.3%以下でり、かつ前記アーク
セグメント磁石はラジアル異方性が付与されたアーク断
面形状に形成され、内径が100mm以下であり、密度が7.5
0 Mg/m(g/cm)以上であり、室温における保磁力iH
cが1.1MA/m(14kOe)以上であり、室温におけるラジア
ル方向の残留磁束密度(Br//)とラジアル方向に垂直な
長さ方向の残留磁束密度(Br⊥)とで定義する配向度:
[(Br//)/(Br//+ Br⊥)×100(%)]が85.5%以上である
ことを特徴とする。前記アークセグメント磁石は、厚み
が1〜4mmの薄肉形状、さらには長さが40〜100mmの長
尺形状に形成することが可能である。
【0008】又本発明のリング磁石は、重量%で、R
(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種であり、R
に占めるPrが50原子%以上である):28〜33%,B:
0.8〜1.5%,Co:5%以下(0を含む),Cu:0.3
%以下(0を含む)及び残部:Feの主要成分、ならび
に不可避的不純物を含有するR−T−B系焼結磁石から
なるリング磁石であって、前記リング磁石の全重量に対
し不可避的に含有される酸素量が0.3%以下であり、か
つ前記リング磁石は内径が100mm以下であり、ラジアル
異方性を有し、密度が7.50 Mg/m(g/cm)以上であ
り、室温の保磁力iHcが1.1MA/m(14kOe)以上であり、
室温におけるラジアル方向の残留磁束密度(Br//)とラ
ジアル方向に垂直な長さ方向の残留磁束密度(Br⊥)と
で定義する配向度:[(Br//)/(Br//+ Br⊥)×100(%)]
が85.5%以上であるものも製造可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは前記スラリーの改質
用潤滑剤として、炭化水素鎖(CnHm)からなる親油基
と、化学結合の電荷分布に偏りがあって電気的極性を有
する,−OH,−COOH,−COO−,>NHなど
の極性基とで構成されている有機化学物質を検討した。
鉱油、合成油あるいは植物油と前記潤滑剤とを所定重量
比率で配合してなる液中にR−T−B系合金微粉を回収
しスラリー化すると、前記潤滑剤の極性基が前記微粉粒
子に吸着し、又前記潤滑剤の親油基が保護膜の役割を果
たす。その吸着力の源は極性基の電気的引力であるが、
場合によってはR−T−B系合金微粉粒子の構成元素と
反応して化学吸着することもある。このため、極性基の
種類によって潤滑剤と前記微粉粒子との吸着の強さ、及
び前記微粉粒子表面への単位面積当りの吸着分子数が変
化し、脱油工程及びそれに続く焼結工程後の残留炭素量
が顕著に変化することがわかった。また同じ極性基を有
していても親油基の炭素数が多くなれば潤滑剤自体の分
子量が大きくなり、揮発性が低くなって残留炭素量が増
加する現象が見られた。こうして本発明者らは、第一に
極性基及び親油基の種類とR−T−B系焼結体炭素量と
の関係、第二に極性基及び親油基の種類と磁気特性との
関係に着目し、上記課題を解決するにふさわしい潤滑剤
を詳細に検討した。その結果、焼結体含有炭素量の増加
が非常に小さく抑えられ、高いiHcを得られ、かつ量産
に好適な高い成形体強度の得られる、[化1]の基本構
造式の潤滑剤を発見した。[化1]において、R,R
’は炭化水素基である。
【0010】
【化1】
【0011】本発明に好適な潤滑剤の極性基はCOO
(エステル結合)に限られ、親油基の炭素数は5個以上
20個以下の潤滑剤が好ましい。ここでCOO基は潤滑剤の1
分子中に1個ないし2個以上含んでいてもよい。また親油
基の炭化水素鎖(CnHm)も2個以上含んでいてもよい
(m,nは正の整数である)が、一つの親油基中の炭素
数は5個以上20個以下が好ましい。親油基中の炭素量が
5個未満では十分な潤滑性が得られず、磁気特性を改善
することが困難である。又親油基中の炭素量が20個超で
は潤滑剤の分子量が過大となり沸点が上昇し、揮発性が
低下して残留炭素量が0.1重量%超になり、iHcの低下を
招く。あるいは潤滑が過剰になり成形体強度を低下させ
てしまう。親油基の炭化水素は飽和、不飽和のいずれで
もよい。具体的には、本発明に用いる潤滑剤は脂肪酸の
1価アルコールエステル,多塩基酸の1価アルコールエス
テル,多価アルコールの脂肪酸エステル及びそれらの誘
導体のうちから選択される少なくとも1種である。潤滑
剤の添加量は、R−T−B系合金微粉との比率で表わさ
れる。配合比率は、(R−T−B系合金微粉):(潤滑
剤)=99.99〜99.5重量部:0.01〜0.5重量部とすること
が好ましく、99.99〜99.7重量部:0.01〜0.3重量部がよ
り好ましい。潤滑剤の添加量が前記範囲未満では添加効
果が得られず、前記範囲を超えると成形体強度及びiHc
が顕著に低下する。なお、R−T−B系合金微粉と潤滑
剤に対する前記油の配合重量比率は特に限定されず、R
−T−B系合金微粉表面をくまなく被覆できるとともに
スラリー中にR−T−B系合金微粉と潤滑剤とが良好に
分散し、スラリーの磁場配向性が向上するので好まし
い。潤滑剤の添加時期は微粉砕前のR−T−B系合金粗
粉に添加してもよいし、スラリー作製時点で添加しても
よい。
【0012】潤滑剤として適用可能なものを下記する。
例えば脂肪酸の一価アルコールエステルではカプリン酸
メチル、ミリスチン酸メチル、ラウリン酸メチル、ステ
アリン酸メチル、オイレン酸メチル、あるいはこれらエ
ステルのメチル基の代わりにブチル基、プロピル基、エ
チルヘキシル基がついているものがある。また、多塩基
酸の一価アルコールエステルでは、アジピン酸ジオレイ
ル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソブチ
ル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジデシル、フタル
酸ジアルキル等がある。また、多価アルコールの脂肪酸
およびその誘導体では、ソルビタントリオレエート等が
ある。多価アルコールの脂肪酸およびその誘導体のもの
よりは脂肪酸の一価アルコールエステル、または多塩基
酸の一価アルコールエステルの方が若干ではあるが磁石
の配向性を向上させやすい。
【0013】R元素としてPrを主とした希土類焼結磁
石では、RFe14B金属間化合物(RはYを含む希
土類元素の少なくとも1種であり、Rに占めるPrが50
原子%以上である)を主相とする場合、主要成分組成
を、重量%で、R:28〜33%.B:0.8〜1.5%、M
0〜0.6%(MはNb,Mo,W,V,Ta,Cr,
Ti,Zr及びHfから選択される少なくとも1種であ
る), M:0〜0.6%(MはAl,Ga及びCuか
ら選択される少なくとも1種)及び残部Fe(但し、R
+B+Fe+M+M=100重量%とした場合)とす
るのが好ましい。以下、単に%と記すのは重量%を意味
するものとする。R量は28〜33%が好ましい。良好な耐
食性を具備するために、R量は28〜32%がより好まし
く、28〜31%が特に好ましい。R量が28%未満では所定
のiHcを得られず、33%超ではBrが著しく低下する。
所定のBr及び配向度を得るために、RはPr、又はP
rとDy、又はNdとDyとPr及び不可避的R成分か
らなることが好ましい。即ちRに占めるPrを50原子%
以上とし、Dy含有量を0.3〜10%にするのが好まし
い。又Rに占めるPrを90原子%以上とし、Dy含有量
を0.5〜8%にするのがより好ましい。Rに占めるPr
が50原子%未満では液体窒素温度付近でスピン再配列が
顕著になり、磁気特性が大きく低下する。Dy含有量が
0.3%未満ではDyの含有効果が得られず、10%超ではB
rが低下し所定の配向度を得られない。B量は0.8〜1.5
%が好ましく、0.85〜1.2%がより好ましい。B量が0.8
%未満では1.1MA/m(14kOe)以上のiHcを得ることが困
難であり、B量が1.5%超ではBrが著しく低下する。
Nb,Mo,W,V,Ta,Cr,Ti,Zr及びHf
の少なくとも1種からなる高融点金属元素Mを0.01〜
0.6%含有することが磁気特性を高めるために好まし
い。Mを0.01〜0.6%含有することにより、焼結過程
での主相結晶粒の過度の粒成長が抑制され、1.1MA/m(1
4kOe)以上のiHcを安定して得ることができる。しか
し、Mを0.6%超含有すると逆に主相結晶粒の正常な
粒成長が阻害され、Brの低下を招く。又M含有量が0.
01%未満では磁気特性を改良する効果が得られない。M
元素(Al,Ga及びCuの少なくとも1種)の含有
量は0.01〜0.6%が好ましい。Alの含有によりiHcが向
上し、耐食性が改善されるが、Al含有量が0.6%超で
はBrが大きく低下し、0.01%未満ではiHc及び耐食性を
高める効果が得られない。より好ましいAl含有量は0.
05〜0.3%である。Gaの含有によりiHcが顕著に向上す
るが、Ga含有量が0.6%超ではBrが大きく低下し、0.0
1%未満ではiHcを高める効果が得られない。より好まし
いGa含有量は0.05〜0.2%である。Cuの微量添加は
耐食性の改善及びiHcの向上に寄与するが、Cu含有量
が0.3%超ではBrが大きく低下し、0.01%未満では耐食
性及びiHcを高める効果が得られない。より好ましいC
u含有量は0.05〜0.3%である。Coの含有により耐食
性が改善され、キュリー点が上昇し、希土類焼結磁石の
耐熱性が向上するが、Co含有量が5%超では磁気特性
に有害なFe−Co相が形成され、あるいはR(F
e,Co)14B相が形成されてBr及びiHcが大きく低
下する。従って、Co含有量は5%以下が好ましい。一
方、Co含有量が0.5%未満では耐食性及び耐熱性の向
上効果が得られない。よって、Co含有量は0.5〜5%
が好ましい。Coを0.5〜5%及びCuを0.01〜0.3%含
有するときに1.1MA/m(14kOe)以上の室温のiHcを得ら
れる第2次熱処理の許容温度が広がる効果を得られ、特
に好ましい。Alを0.01〜0.3%含有させると保磁力向
上に寄与するとともに、熱処理温度のばらつきによる保
磁力の変動を低減することが可能である。またNbを0.01
〜0.08%含有させると焼結過程での結晶粒成長を抑制
し、粗大粒の形成を抑制することができる。不可避に含
有される酸素量は0.3%以下が好ましく、0.2%以下がよ
り好ましく、0.18%以下が特に好ましい。酸素含有量を
0.3%以下に低減することにより焼結体密度を略理論密
度まで高めることができる。RFe14B金属間化合
物を主相とする場合の焼結体密度はPrFe14B金
属間化合物の理論密度(7.54Mg/cm)に近い7.50Mg/cm
以上が得られる。又不可避に含有される炭素量は0.10
%以下が好ましく、0.07%以下がより好ましい。炭素含
有量の低減により希土類炭化物の生成が抑えられ、有効
希土類量が増大し、iHc及び(BH)max等を高めることがで
きる。又不可避に含有される窒素量は0.15%が好まし
い。窒素量が0.15%を超えるとBrが大きく低下する。本
発明の磁石には公知の表面処理被膜(Niめっき等)が
被覆され、実用に供されるが、R量が28〜32%でかつ窒
素量が0.002〜0.15%のときに良好な耐食性が付与され
るのでより好ましい。又、原料合金としてCaを還元剤
とする還元拡散法により作製したものを用いて本発明の
磁石を作製した場合、所定のiHc及び配向度を得るため
に、前記磁石の全重量を100重量%としてCa含有量を
0.1重量%以下(0を含まず)に抑えることが好まし
く、0.03重量%以下(0を含まず)に抑えることがより
好ましい。
【0014】本発明の希土類焼結磁石の製造方法におけ
る原料合金の微粉砕は不活性ガスを粉砕媒体とするジェ
ットミル等による乾式粉砕装置または酸化を阻止できる
条件に設定された湿式ボールミル等の湿式粉砕装置を用
いて行うことができる。例えば、酸素濃度が0.1体積%
未満、より好ましくは0.01体積%以下の不活性ガス雰囲
気中でジェットミル微粉砕後、大気に触れないように前
記不活性ガス雰囲気中から直接微粉を所定配合比率の鉱
油、合成油及び植物油から選択される少なくとも1種の
油と潤滑剤とからなる非酸化性液中に回収し、スラリー
化する。前記微粉の平均粒径は1〜10μmが好ましく、
3〜6μmがより好ましい。平均粒径が1μm未満では
微粉の粉砕効率が大きく低下し、10μm超ではiHc及び
配向度が大きく低下する。回収したスラリーを成形原料
として、所定の成形装置により磁場中成形する。成形体
の酸化による磁気特性の劣化を阻止するために、成形直
後から脱油までの間前記液中で保存することが望まし
い。成形体を常温から焼結温度まで急激に昇温すると成
形体の内部温度が急激に上昇し、成形体に残留する油と
成形体を構成する希土類元素とが反応して希土類炭化物
を生成し磁気特性が劣化する。この対策として、温度10
0〜500℃、真空度13.3Pa(10−1Torr)以下で30分間以
上加熱する脱油処理を施すことが望ましい。脱油処理に
より成形体に残留する油が十分に除去される。なお、脱
油処理の加熱温度は100〜500℃であれば一点である必要
はなく二点以上であってもよい。また13.3Pa(10−1To
rr)以下で室温から500℃までの昇温速度を10℃/分以
下、より好ましくは5℃/分以下とする脱油処理を施す
ことによっても脱油が効率よく行われる。
【0015】鉱液油、合成油又は植物油として、脱油及
び成形性の点から、分留点が350℃以下のものがよい。
又室温の動粘度が10cSt以下のものがよく、5cSt以下の
ものがさらに好ましい。
【0016】以下、実施例により本発明を説明するが、
それら実施例により本発明が限定されるものではない。 (実施例1)重量%で、Pr:29.5%,Dy:1.0%,
B:0.9%,Co:2.0%,Ga:0.1%,Cu:0.1%及
び残部:Fe からなるR−T−B系合金粗粉を、酸素
濃度が体積比で10ppm以下に調整した窒素ガス雰囲気中
でジェットミル微粉砕し、得られた平均粒径4.0μmの
微粉をこの窒素ガス雰囲気中で大気に触れることなく鉱
油(出光興産(株)製、商品名:出光スーパーゾルPA-3
0)中に回収しスラリー化した。なお、平均粒径はSympa
tec社製レーザー回折型粒径分布測定装置(商品名:ヘ
ロス・ロードス)により測定した。次いで得られたスラ
リーに所定量のオレイン酸メチルを添加し、攪拌機によ
り混合した。スラリーの配合内訳を前記微粉:70重量
部、鉱油:29.9重量部、オレイン酸メチル:0.10重量部
とした。このスラリーを所定の金型キャビティに注入
し、配向磁場強度:1.0MA/m(13kOe),成形圧力: 98M
Pa(1.0ton/cm2)の条件で横磁場の圧縮成形を行い、15
mm×25mm×10mmの直方体状の成形体を得た。ま
た、配向方向は10mm辺方向とした。この成形体の室
温強度を3点曲げ試験により測定した。なお、成形体の1
5mm×25mmの面が上下面になるように曲げ試験機の
治具にセットし、10mmの辺に平行に加圧し3点曲げ強
度を測定した。結果を表1に示す。また同様にして成形
した別の成形体を真空度約66.5Pa(5×10−1Torr),2
00℃の条件で3時間加熱して脱油し、次いで同雰囲気中
で1050℃まで昇温し、次いで1050℃で2時間保持して焼
結し、その後室温まで冷却した。得られた焼結体をアル
ゴン雰囲気中で900℃で2時間加熱し、次いで室温まで急
冷する第1次熱処理を行い、続いてアルゴン雰囲気中で
480℃で1時間加熱し、次いで室温まで冷却する第2次熱
処理を行い、約10mm角のR−T−B系焼結磁石を得
た。得られた焼結磁石を7mm角に加工し、磁気特性測
定用試料とした。次に、室温(20℃)において11.9MA/m
(150kOe)のパルス磁場を前記試料の異方性付与方向に
沿って印加し、磁気特性を測定した。磁気特性は11.9MA
/mのパルス磁場を印加したときの磁化の強さの最大値
(4πImax )を求め、配向度を(Br/4πImax )で定義
し、評価した。結果を表1に示す。又得られた焼結磁石
の含有炭素量の分析値を表1に示す。 (実施例2〜4)オレイン酸メチルの代わりにステアリ
ン酸メチル、アジピン酸ジイソデシル、ステアリン酸2
−エチルヘキシルを各々添加した以外は、実施例1と同
様にして各3種のスラリーを作製した。以降このスラリ
ーを用いた以外は実施例1と同様にして各R−T−B系
焼結磁石を作製し評価した。結果を表1に示す。 (比較例1)オレイン酸メチルを添加せずに、実施例1
のR−T−B系微粉と鉱油とからなるスラリーを作製
し、以降このスラリーを用いた以外は実施例1と同様に
してR−T−B系焼結磁石を作製し評価した。結果を表
1に示す。 (比較例2)オレイン酸メチルに替えて、実施例1のス
ラリーにオレイルアルコールを0.1重量部添加した以外
は実施例1と同様の手順でR−T−B系焼結磁石を作製
し評価した。結果を表1に示す。 (比較例3)オレイン酸メチルに替えて、実施例1のス
ラリーにオレイルアミンを0.1重量部添加した以外は実
施例1と同様の手順でR−T−B系焼結磁石を作製し評
価した。結果を表1に示す。 (比較例4)オレイン酸メチルに替えて、実施例1のス
ラリーに酢酸メチルを0.1重量部添加した以外は実施例
1と同様の手順でR−T−B系焼結磁石を作製し評価し
た。結果を表1に示す。 (比較例5)オレイン酸メチルに替えて、実施例1のス
ラリーにベヘニン酸メチルを0.1重量部添加した以外は
実施例1と同様の手順でR−T−B系焼結磁石を作製し
評価した。結果を表1に示す。
【0017】実施例1の成形体強度は比較例1(潤滑剤
無添加)に比べてやや低いが工業生産上なんら問題を発
生しないレベルであることが実証された。実施例1のオ
レイン酸メチル、比較例2のオレイルアルコール、比較
例3のオレイルアミンは各々親油基が同一(炭素数17
個)であり、極性基だけが異なる(順に−COO−、−
OH、>NH)。実施例1及び比較例2,3から明ら
かなように成形体強度は潤滑剤の極性基の種類に依存す
ることがわかる。又磁気特性は、実施例1及び比較例
2,3ではいずれも配向度(Br/4πImax )は同程度で
あるが、実施例1に比べて比較例2,3のiHcが低下し
ている。比較例1を基準にすると、添加した潤滑剤の残
留により焼結体炭素量が増加し、iHcが低下する程度が
異なることから焼結体炭素量も極性基の種類に依存して
いると判断される。又、比較例4,5は潤滑剤の極性基
を−COO−とし、親油基中の炭化水素鎖の炭素数を変
えたものである。比較例4の結果から、炭化水素鎖が短
い場合には配向度(Br/4πImax )の改善が認められな
いので、前記微粉間の潤滑性向上には寄与していないと
判断される。一方、比較例5から、炭化水素鎖が長い場
合には配向度(Br/4πImax )がみられるものの、焼結
体炭素量が増加してしまいiHcの低下が大きいことがわ
かる。
【0018】
【表1】
【0019】以下に他の実施例として平行異方性を有す
る、R−T−B系焼結アークセグメント磁石を作製し、
評価した実施例を説明する。 (実施例5)重量%で、主要成分組成が Pr:30.2
%,Dy:0.3%,Co:1.6%,Cu:0.1%,Al:
0.12%,Ga:0.08%、Nb:0.18%,B:1.0%及び
残部FeからなるR−T−B系原料合金粗粉(320メッシュア
ンタ゛ー)を酸素濃度が1ppm以下(体積比)のアルゴン雰
囲気中でジェットミル粉砕し、得られた平均粒径3.5μ
mの微粉を用いた以外は実施例1と同様にしてスラリー
を作製した。このスラリーを図1のスラリー供給装置15
の原料タンク13に充填した。次に、スラリー供給管6を
シリンダー(図示省略)で下降させ、アークセグメント
形状のキャビティ3の底面近傍位置(下パンチ2の上面
近傍位置)で停止させた。次に、ポンプ10を作動させて
原料タンク13からスラリーを配管11を通してスラリー供
給管6からキャビティ3に吐出しながらスラリー供給管
6をシリンダー(図示省略)でキャビティ3の上端部位
置まで上昇し、キャビティ3に所定量のスラリーを充填
した。次いでスラリー供給管6をシリンダー(図示省
略)で上昇させてキャビティ3から引き抜いた後、供給
ヘッド9をシリンダー4により左方向に移動し、次いで
水平方向に1.0MA/m(13kOe)の配向磁場を印加しながら上
パンチ(図示省略)及び下パンチ2により98MPa(1ton
/cm)の圧力を加えて横磁場圧縮成形を行い、アーク
セグメント成形体を得た。以降は実施例1と同様にして
成形体を脱油後、焼結し、熱処理した。次いで得られた
焼結磁石素材表面の焼結肌が無くなるまで加工し、次い
で平均膜圧15μmのエポキシ樹脂膜をコーティングし
た図3に示す厚みT=2.8mm、長さL=80.0mm、中
心角θ=45°の薄肉、長尺形状のR−T−B系焼結ア
ークセグメント磁石30を得た。加工前の前記素材のL
方向の反りは1mm未満であり小さく、異方性付与方向の
配向度(Br/4πImax)が良好であった。アークセグメ
ント焼結磁石30の異方性は↑方向(紙面にほぼ垂直方
向)に付与されている。前記アークセグメント磁石30か
ら試料を切り出し、磁気異方性付与方向の磁気特性を室
温(20℃)で測定した結果、配向度(Br/4πIma
=96.8%、iHc=1.27MA/m(16.0kOe)及び(BH)max=378.1
kJ/m(47.5MGOe)という高い値が得られた。又、密度は
7.54 Mg/m(g/cm)であり、酸素量は0.14重量%、
炭素量は0.05重量%及び窒素量は0.02重量%であった。
又、試料を理学電気(株)製のX線回折装置(RU-200BH)に
セットし、2θ−θ走査法によりX線回折(CuKα1
線;λ=0.15405nmを使用)した結果、主な回折ピーク
は主相であるR14B型金属間化合物の、2θ=2
9.08°の(004)面,38.06°の(105)面、及び44.34°の(0
06)面であり、(006)面からのX線回折ピーク強度:I(00
6)を100%として、I(105)/I(006)=0.66であっ
た。 (実施例6)キャビティ3の厚み及びスラリーの充填量
を変えた以外は実施例5と同様にして、表2の長さ
,厚みT及びθの寸法を有する薄肉、長尺形状
の焼結アークセグメント磁石を作製した。これらの磁石
は、磁気異方性付与方向の配向度(Br/4πImax)=9
6.4〜96.7%、iHc=1.23〜1.25MA/m(15.4〜15.7kOe)、
(BH)max=376.5〜378.8kJ/m(47.3〜47.6MGOe)という
高い磁気特性を有し、密度は7.54 Mg/m(g/cm)で
あり、酸素量は0.13〜0.14重量%、炭素量は0.06重量%
及び窒素量は0.02〜0.03重量%であった。又、実施例5
の場合と同様にしてX線回折した結果、I(105)/I
(006)=0.67〜0.68であった。 (比較例6)比較例1のスラリーを成形原料とした以外
は実施例6と同様に横磁場成形法を適用し、T=1.0〜
4.0mmのR−T−B系焼結アークセグメント磁石用成形
体の成形を試みたが、成形体に亀裂が発生し、亀裂の無
い健全な成形体を得られなかった。
【0020】
【表2】
【0021】以下にラジアル異方性を有する、R−T−
B系焼結アークセグメント磁石を作製し、評価した実施
例を説明する。 (実施例7)ラジアル異方性を有するアークセグメント
焼結磁石用成形体の内径寸法及びラジアル配向磁場強度
(Hap)を変化させて、最終的に長さL=65mm、厚みT
=2.5mm、θ=40°及び表3の内径を有する図4の
焼結アークセグメント磁石40を作製し、内径とHap及び
ラジアル方向の配向度(%)との関係を調査した。調査
結果を表3に示す。なお、このアークセグメント焼結磁
石の製造は、成形条件及び成形体寸法を変えた以外は実
施例5と同様にして順次脱油、焼結、熱処理、加工及び
表面処理を行った。表3よりラジアル方向の高い配向度
を有することがわかる。又、表3のアークセグメント磁
石はいずれも角形比(Hk/iHc)が87.5%超であり、iHc
は1.1MA/m(14kOe)超であり、酸素量は0.13〜0.14重量%
であり、炭素量は0.05〜0.06重量%であり、窒素量は0.
003〜0.004重量%であった。 (比較例7)比較例1のスラリーを成形原料とした以外
は実施例7と同様の形状を有する焼結アークセグメント
磁石用成形体の成形を試みたが、成形体亀裂が発生し、
焼結アークセグメント磁石を作製することができなかっ
た。
【0022】
【表3】
【0023】次に、ラジアルリングの実施例について説
明する。 (実施例8)重量%で、主要成分組成がPr:27.4%,
Dy:3.1%,B:1.05%、Ga:0.08%、Nb:0.2
%,Al:0.05%,Cu:0.13%,Co:2.0%及び残
部FeからなるR−T−B系原料合金粗粉(320メッシュアンタ
゛ー)を酸素濃度が1ppm未満(体積比)のアルゴン雰囲
気中でジェットミル粉砕し、得られた平均粒径3.8μm
の微粉を用いた以外は実施例1と同様にしてスラリーを
作製した。得られたスラリーを、図2に示す成形機のキ
ャビティ59(ダイス51及び52の内径:60mm、コア53の外
径:45mm、ダイス強磁性部51の長さ:34mm、充填深さ:
34mm)に充填後、成形圧力:78.4MPa(0.8ton/cm)及び
ラジアル方向の配向磁場強度:約238.7kA/m(3kOe)の条
件でラジアル磁場中成形し、成形体を得た。成形体を真
空度が約66.5Pa(5×10−1Torr)、200℃の条件で1時間
加熱し脱油後、続いて約4.0×10−3Pa(3×10−5Tor
r)、1060℃の条件で2時間焼結後室温まで冷却し焼結体
を得た。次に、アルゴン雰囲気中で900℃で1時間加熱後
550℃まで冷却し、次いで550℃で2時間加熱後さらに室
温まで冷却する熱処理を行った。次に所定寸法に加工
後、電着により平均膜厚12μmのエポキシ樹脂膜をコー
ティングし、外径48mm、内径39mm及び高さ11mmのラジア
ル異方性を有するラジアルリングを得た。次に、図5に
示すように、作製した前記ラジアルリング70の任意の位
置から接線方向5mm×長さ方向6.5mm×ラジアル方向2.8
mmの直方体を切り出した。直方体の切り出し要領につい
て図5(b)により説明する。ラジアルリング70の中心
点Oから半径方向に直線OPQを引く。点Pは内周面との
接点であり、点Qは外周面との接点である。次に、接点
Pにおける接線RPSを引き、接線RPSの長さが接点Pを中
心にして5mmになるようにする。次に、接線RPSに垂直
に直線RT(長さ2.8mm)及び直線SU(長さ2.8mm)を引
く。次に、接線RPSに平行に直線TU(長さ5mm)を引
く。長方形RSUTにおけるRPS方向及びTU方向がラジアル
リング70の接線方向であり、RT方向およびSU方向をラジ
アルリング70のラジアル方向と定義する。又、長方形RS
UTの厚み方向がラジアルリング70の長さ方向であり6.5m
mの長さに切り出した。この切り出し要領により合計4
個の直方体を切り出した後、それらの各方向を一致させ
て貼りあわせた直方体を得た。この直方体により下記の
磁気特性を測定した。なお、測定対象のラジアルリング
から前記寸法の直方体が切り出せない場合は、寸法が異
なる以外は前記の切り出し要領に従い複数の直方体を切
り出した後、それらの各方向を一致させて貼りあわせて
寸法を調整すればよい。前記直方体の室温(20℃)にお
けるラジアル方向の残留磁束密度(Br//)、保磁力iH
c、最大エネルギー積(BH)max及び角形比(Hk/iHc)を測定
した。Hkは4πI(磁化の強さ)−H(磁界の強さ)曲
線の第2象限において、0.9Brに相当するHの値であ
り、HkをiHcで除した角形比(Hk/iHc)は4πI−H減磁
曲線の矩形性を示している。次に、前記直方体の室温
(20℃)における長さ方向の残留磁束密度(Br⊥)を測
定後、[(Br//)/(Br//+ Br⊥)×100(%)]により定義す
るラジアルリングの配向度を求めた。又ラジアルリング
の密度を測定した。それらの測定結果を表4に示す。又
前記ラジアルリングの酸素量は0.13重量%であり、炭素
量は0.05重量%であり、窒素量は0.003重量%であっ
た。 (比較例8)実施例8のスラリーに替えて、比較例1の
スラリーによりラジアル磁場中成形した以外は実施例8
と同様にして比較例のラジアルリングを作製し、評価し
た。結果を表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】表4の実施例8及び比較例8の結果より、
本発明によれば、密度が7.50g/cm以上、ラジアル方向
におけるBr//が1.20T(12.0kG)より高く、iHcが1.40MA/
m(14kOe)超、(BH)maxが270kJ/m(34.0MGOe)以上、(Hk/
iHc)が87.5%以上、及びラジアル方向の配向度が85.5%
以上という、従来にない高い磁気特性を有するラジアル
リングを提供できることがわかる。
【0026】(実施例9)図2の成形機のダイス51,52
及びコア53等の寸法を変化させてラジアル異方性を有す
る成形体リングの内径寸法を変化させ、ラジアル配向磁
場強度(Hap)を変えたときのHap、最終的に得られたラジ
アルリングの内径及びラジアル方向の配向度(%)の関
係を調査した。Hapは表5に示すようにラジアル異方性
を有する成形体リングすなわちラジアルリングの内径が
小さくなるほど低下する。ラジアルリングの内径が100m
mのときのHapは磁場発生用電源及びコイルの発熱等によ
り716.2kA/m(9kOe)が上限であった。前記成形体リング
の内径、外径(外径=内径+(8〜20mm))及びHapを変
えたラジアル磁場成形条件とした以外は実施例8と同様
にして順次脱油、焼結、熱処理、加工及び表面処理を行
い、表5に示す内径寸法を有するラジアルリングを作製
した。表5のいずれのラジアルリングもラジアル方向の
配向度が高いことがわかる。又、いずれのラジアルリン
グも角形比(Hk/iHc)は87.5%超であり、1.1MA/m(14kO
e)超のiHcを有し、酸素量は0.14〜0.16重量%であり、
炭素量は0.04〜0.05重量%であり、窒素量は0.003〜0.0
04重量%であった。 (比較例9)比較例1のスラリーを成形原料とした以外
は実施例9と同様にして表5のラジアルリングを作製
し、ラジアル方向の配向度を求めた。
【0027】
【表5】
【0028】表5より、本発明によれば、内径が100mm
以下の従来にない高性能ラジアルリングを提供できるこ
とがわかる。
【0029】(実施例10)重量%で、主要成分組成が
Pr:30.2%,Dy:0.3%,Co:1.6%,Cu:0.1
%,Al:0.12%,Ga:0.08%、Nb:0.18%,B:
1.0%及び残部FeからなるR−T−B系原料合金粗粉
(320メッシュアンタ゛ー)を酸素濃度が1ppm以下(体積比)の
アルゴン雰囲気中でジェットミル粉砕し、得られた平均
粒径3.5μmの微粉を用いた以外は実施例1と同様にし
てスラリーを作製した。得られたスラリーにより、以降
は実施例9と同様にしてラジアル異方性を有する焼結リ
ング磁石を作製した。 (比較例10)実施例10の微粉を用いた以外は比較例
1と同様にしてスラリーを作製した。このスラリーを用
いた以外は実施例10と同様にしてラジアル異方性を有
する焼結リング磁石を作製した 実施例10及び比較例10で作製したラジアルリングを
総磁束量が飽和する条件で各々対称8極着磁し、両者の
総磁束量を測定し、比較した。その結果、実施例10の
ラジアルリングの総磁束量が比較例10のラジアルリン
グの総磁束量よりも高かった。この総磁束量の差は両者
のラジアル異方性付与方向の配向度の差によることが実
証された。又、実施例10のラジアルリングは液体窒素
温度に保持した場合でもスピン再配列を示さず、良好な
低温磁気特性を保持していた。
【0030】以下に極異方性を有する、R−T−B系焼
結リング磁石を作製し、評価した実施例を説明する。 (実施例11)重量%で、主要成分組成がPr:29.5
%,Dy:1.0%,B:1.05%、Ga:0.08%、Nb:
0.2%,Al:0.05%,Cu:0.13%,Co:2.0%及び
残部FeからなるR−T−B系原料合金粗粉(320メッシュア
ンタ゛ー)を酸素濃度が1ppm未満(体積比)の窒素雰囲気
中でジェットミル粉砕し、得られた平均粒径3.8μmの
微粉を用いた以外は実施例1と同様にしてスラリーを作
製した。得られたスラリーを、図2に示す成形機のキャ
ビティ59に充填後、成形圧力:78.4MPa(0.8ton/cm )及
び100Vのパルス磁場で極異方となるよう磁場中成形
し、成形体を得た。成形体を真空度が約66.5Pa(5×10
−1Torr)、200℃の条件で1時間加熱し脱油後、続いて
約4.0×10−3Pa(3×10−5Torr)、1060℃の条件で2時
間焼結後室温まで冷却し焼結体を得た。次に、アルゴン
雰囲気中で900℃で1時間加熱後550℃まで冷却し、次い
で550℃で2時間加熱後さらに室温まで冷却する熱処理を
行った。次に所定寸法に加工後、電着により平均膜厚12
μmのエポキシ樹脂膜をコーティングし、外径48mm、内
径30mm及び高さ11mmの8極の極異方性を有する極異方リ
ングを得た。次に上記の極異方リングの外径面での磁極
間中央部が測定できるようX線回折用の試料を切り出
し、その試料を理学電気(株)製のX線回折装置(RU-200B
H)にセットし、2θ−θ走査法によりX線回折した。X
線源にはCuKα1線(λ=0.15405nm)を用い、ノイ
ズ(バックグラウンド)は装置に内蔵されたソフトによ
り除去した。主な回折ピークは主相であるR14
型金属間化合物の、2θ=29.08°の(004)面、38.06°
の(105)面、44.34°の(006)面であり、(006)面からのX
線回折ピーク強度:I(006)を100%として、I(004)/I(00
6)=0.33,I(105)/I(006)=0.63であった。結果を表6
に示す。表中のBoは磁極部での表面磁束密度を示す。 (比較例11)実施例11のスラリーに替えて、比較例
1のスラリーにより極異方方向へ磁場中成形した以外は
実施例11と同様にして比較例の極異方リングを作製し
た。以後は実施例11と同様に比較例11の極異方リン
グのX線回折を行なった。結果を表6に示す。主な回折
ピークは実施例11と同様であったが、I(004)/I(006)
=0.32,I(105)/I(006)=0.96であった。又前記極異方
リングの酸素量は0.13重量%であり、炭素量は0.05重量
%であり、窒素量は0.003重量%であった。
【0031】
【表6】
【0032】表4の実施例11及び比較例11の結果よ
り、本発明によれば、極異方性を有し、密度が7.50 Mg/
m(g/cm)以上であり、リング外径面での磁極間中
心部表面位置で観測した(105)面からのX線回折ピー
ク強度:I(105)と(006)面からのX線回折ピーク強
度:I(006)との比率が、I(105)/I(006)=0.5
〜0.8である極異方リングを提供できることがわかる。
【0033】以下に全体が軸垂直方向へ一方向に配向し
た(以後、平行異方性という)、R−T−B系焼結リン
グ磁石を作製し、評価した実施例を説明する。 (実施例12)実施例1と同様にしてスラリーを作製し
た。得られたスラリーを、図2に示す成形機のキャビテ
ィ59(ダイス51及び52の内径:60mm、コア53の外径:45m
m、ダイス強磁性部51の長さ:34mm、充填深さ:34mm)に
充填後、成形圧力:78.4MPa(0.8ton/cm)及び軸垂直方
向へ一方向に磁場強度:約238.7kA/m(3kOe)をかけた条
件で磁場中成形し、成形体を得た。以後は実施例11と
同様にして平行異方性を有する平行異方性リングを得
た。次に、図5に示すように、作製した前記平行異方性
リング70の配向方向に沿って切り出し、接線方向5mm×
長さ方向6.5mm×径方向2.8mmの直方体を得た。直方体の
切り出し要領については図5(b)により説明する。平
行異方性リング70の中心点Oから半径方向に配向方向に
垂直に直線OPQを引く。点Pは内周面との接点であり、
点Qは外周面との接点である。次に、接点Pにおける接
線RPSを引き、接線RPSの長さが接点Pを中心にして5mm
になるようにする。次に、接線RPSに垂直に直線RT(長
さ2.8mm)及び直線SU(長さ2.8mm)を引く。次に、接線
RPSに平行に直線TU(長さ5mm)を引く。長方形RSUTに
おけるRPS方向及びTU方向が平行異方性リング70の接線
方向であり、RT方向およびSU方向を平行異方性リング70
の配向方向と定義する。又、長方形RSUTの厚み方向が平
行異方性リング70の長さ方向であり6.5mmの長さに切り
出した。この切り出し要領により合計4個の直方体を切
り出した後、それらの各方向を一致させて貼りあわせた
直方体を得た。この直方体により下記の磁気特性を測定
した。なお、測定対象の平行異方性リングから前記寸法
の直方体が切り出せない場合は、寸法が異なる以外は前
記の切り出し要領に従い複数の直方体を切り出した後、
それらの各方向を一致させて貼りあわせて寸法を調整す
ればよい。前記直方体の室温(20℃)における配向方向
の残留磁束密度(Br//)、保磁力iHc、最大エネルギー
積(BH)max及び角形比(Hk/iHc)を測定した。Hkは4πI
(磁化の強さ)−H(磁界の強さ)曲線の第2象限にお
いて、0.9Brに相当するHの値であり、HkをiHcで除した
角形比(Hk/iHc)は4πI−H減磁曲線の矩形性を示して
いる。次に、前記直方体の室温(20℃)における長さ方
向の残留磁束密度(Br⊥)を測定後、[(Br//)/(Br//+
Br⊥)×100(%)]により定義する平行異方性リングの配
向度を求めた。又平行異方性リングの密度を測定した。
それらの測定結果を表7に示す。又前記平行異方性リン
グの酸素量は0.13重量%であり、炭素量は0.05重量%で
あり、窒素量は0.003重量%であった。 (比較例12)実施例12のスラリーに替えて、比較例
1のスラリーにより配向方向へ磁場中成形した以外は実
施例12と同様にして比較例の平行異方性リングを作製
し、評価した。結果を表7に示す。
【0034】
【表7】
【0035】表7の実施例12及び比較例12の結果よ
り、本発明によれば、密度が7.50g/cm以上、配向方向
におけるBr//が1.30T(13.0kG)以上、iHcが1.3MA/m(16.
4kOe)以上、(BH)maxが310kJ/m(39.0MGOe)以上、(Hk/i
Hc)が87.5%以上、及び配向方向の配向度が85.5%以上
という、従来にない高い磁気特性を有する平行異方性リ
ングを提供できることがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上記述の通り、本発明のよれば、低酸
素含有量であり、高い焼結体密度を有し、従来に比べて
配向度を高めた高性能の希土類焼結磁石を得られる製造
方法を提供することができた。又、低酸素含有量であ
り、高い焼結体密度を有し、従来に比べて配向度を高め
た、薄肉形状又は薄肉、長尺形状の平行異方性又はラジ
アル異方性を有する高性能のR−T−B系焼結アークセ
グメント磁石を提供することができた。又、低酸素含有
量であり、高い焼結体密度を有し、従来に比べてラジア
ル方向の配向度を高めた、ラジアル異方性を有する高性
能のR−T−B系焼結リング磁石を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる成形装置の一例を示す要部断面
図である。
【図2】本発明に用いる成形装置の他の例を示す要部断
面図である。
【図3】平行異方性を有する本発明のアークセグメント
磁石の一例を示す斜視図である。
【図4】ラジアル異方性を有する本発明のアークセグメ
ント磁石の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明のリング磁石の評価用試料の切り出し要
領を説明する斜視図(a)、要部断面図(b)である。
【図6】磁束量の温度依存性を示す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−T−B系(RはYを含む希土類元素
    の少なくとも1種であり、Rに占めるPrが50原子%以
    上、TはFe,Coを含む遷移金属)の希土類焼結磁石
    用合金粗粉を非酸化性雰囲気中で平均粒径1〜10μmに
    微粉砕し、得られた微粉を鉱油、合成油及び植物油から
    選択される少なくとも1種の油と、脂肪酸の1価アルコ
    ールエステル,多塩基酸の1価アルコールエステル,多
    価アルコールの脂肪酸エステル及びそれらの誘導体のう
    ちから選択される少なくとも1種からなる潤滑剤とから
    なる非酸化性液中に回収してスラリーを作製し、次いで
    前記スラリーにより成形し、得られた成形体を脱油し、
    次いで焼結し、熱処理することを特徴とする希土類焼結
    磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記潤滑剤の添加量は、(R−T−B系
    合金微粉):(潤滑剤)=99.99〜99.5重量部:0.01〜
    0.5重量部となる範囲である請求項1に記載の希土類焼
    結磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量%で、R(RはYを含む希土類元素
    の少なくとも1種であり、Rに占めるPrが50原子%以
    上である):28〜33%,B:0.8〜1.5%,Co:5%以
    下(0を含む),Cu:0.3%以下(0を含む)及び残
    部:Feの主要成分、ならびに不可避的不純物を含有す
    るR−T−B系焼結磁石からなるアークセグメント磁石
    であって、 前記アークセグメント磁石の全重量に対し不可避的に含
    有される酸素量が0.3%以下であり、厚みが1〜4mmの
    薄肉形状に形成され、密度が7.50 Mg/m(g/cm)以
    上であり、室温において1.1MA/m(14kOe)以上の保磁力
    iHc及び96%以上の異方性付与方向の配向度(Br/4πI
    max)を有することを特徴とするアークセグメント磁
    石。
  4. 【請求項4】 平行異方性を有する請求項3に記載のア
    ークセグメント磁石。
  5. 【請求項5】 長さが40〜100mmの長尺形状に形成され
    た請求項3又は4に記載のアークセグメント磁石。
  6. 【請求項6】 (105)面からのX線回折ピーク強度:
    I(105)と(006)面からのX線回折ピーク強度:I
    (006)との比率が、I(105)/I(006)=0.5〜0.8で
    ある請求項3乃至5のいずれかに記載のアークセグメン
    ト磁石。
  7. 【請求項7】 重量%で、R(RはYを含む希土類元素
    の少なくとも1種であり、Rに占めるPrが50原子%以
    上である):28〜33%,B:0.8〜1.5%,Co:5%以
    下(0を含む),Cu:0.3%以下(0を含む)及び残
    部:Feの主要成分、ならびに不可避的不純物を含有す
    るR−T−B系焼結磁石からなるアークセグメント磁石
    であって、 前記アークセグメント磁石の全重量に対し不可避的に含
    有される酸素量が0.3%以下でり、かつ前記アークセグ
    メント磁石はラジアル異方性が付与されたアーク断面形
    状に形成され、内径が100mm以下であり、密度が7.50 Mg
    /m(g/cm)以上であり、室温における保磁力iHcが
    1.1MA/m(14kOe)以上であり、室温におけるラジアル方
    向の残留磁束密度(Br//)とラジアル方向に垂直な長さ
    方向の残留磁束密度(Br⊥)とで定義する配向度:[(B
    r//)/(Br//+ Br⊥)×100(%)]が85.5%以上であること
    を特徴とするアークセグメント磁石。
  8. 【請求項8】 厚みが1〜4mmの薄肉形状に形成された
    請求項8に記載のアークセグメント磁石。
  9. 【請求項9】 長さが40〜100mmの長尺形状に形成され
    た請求項8又は9に記載のアークセグメント磁石。
  10. 【請求項10】 重量%で、R(RはYを含む希土類元
    素の少なくとも1種であり、Rに占めるPrが50原子%
    以上である):28〜33%,B:0.8〜1.5%,Co:5%
    以下(0を含む),Cu:0.3%以下(0を含む)及び
    残部:Feの主要成分、ならびに不可避的不純物を含有
    するR−T−B系焼結磁石からなるリング磁石であっ
    て、 前記リング磁石の全重量に対し不可避的に含有される酸
    素量が0.3%以下であり、かつ前記リング磁石は内径が1
    00mm以下であり、ラジアル異方性を有し、密度が7.50 M
    g/m(g/cm)以上であり、室温の保磁力iHcが1.1MA/
    m(14kOe)以上であり、室温におけるラジアル方向の残
    留磁束密度(Br//)とラジアル方向に垂直な長さ方向の
    残留磁束密度(Br⊥)とで定義する配向度:[(Br//)/
    (Br//+Br⊥)×100(%)] が85.5%以上であることを特
    徴とするリング磁石。
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