JP2002161973A - 自動変速機 - Google Patents
自動変速機Info
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- JP2002161973A JP2002161973A JP2000356793A JP2000356793A JP2002161973A JP 2002161973 A JP2002161973 A JP 2002161973A JP 2000356793 A JP2000356793 A JP 2000356793A JP 2000356793 A JP2000356793 A JP 2000356793A JP 2002161973 A JP2002161973 A JP 2002161973A
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- clutch
- automatic transmission
- oil
- planetary gear
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H57/00—General details of gearing
- F16H57/04—Features relating to lubrication or cooling or heating
- F16H57/042—Guidance of lubricant
- F16H57/043—Guidance of lubricant within rotary parts, e.g. axial channels or radial openings in shafts
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Details Of Gearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 クラッチドラムとミッションケース内周面が
僅かな隙間で対向配置され、オイルの撹拌による発熱及
び動力損があると共に、所定変速段では所定潤滑必要箇
所の潤滑が不充分となる。 【解決手段】 ミッションケース9の上端部分に後方に
向って下り勾配となるリブ状突部9hを形成する。クラ
ッチドラム29の回転により隙間Gに放出されたオイル
は、上記突部内周面の凹溝140に集められ、該凹溝に
沿って後方に流れる。該オイルは、ブレーキ板76のス
プライン歯延長部76aにて塞き止められ、ブレーキB
1、プラネタリギヤ3等の潤滑必要箇所にその外径側か
ら滴下して供給される。
僅かな隙間で対向配置され、オイルの撹拌による発熱及
び動力損があると共に、所定変速段では所定潤滑必要箇
所の潤滑が不充分となる。 【解決手段】 ミッションケース9の上端部分に後方に
向って下り勾配となるリブ状突部9hを形成する。クラ
ッチドラム29の回転により隙間Gに放出されたオイル
は、上記突部内周面の凹溝140に集められ、該凹溝に
沿って後方に流れる。該オイルは、ブレーキ板76のス
プライン歯延長部76aにて塞き止められ、ブレーキB
1、プラネタリギヤ3等の潤滑必要箇所にその外径側か
ら滴下して供給される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載され
る自動変速機に係り、特に多数のクラッチをまとめて配
置し、その入力軸に連結するクラッチドラムがミッショ
ンケースに僅かな隙間を在して配置された自動変速機に
用いて好適であり、詳しくはクラッチドラムで撹拌され
たオイルを多板ブレーキ等の潤滑必要箇所に導く装置に
関する。
る自動変速機に係り、特に多数のクラッチをまとめて配
置し、その入力軸に連結するクラッチドラムがミッショ
ンケースに僅かな隙間を在して配置された自動変速機に
用いて好適であり、詳しくはクラッチドラムで撹拌され
たオイルを多板ブレーキ等の潤滑必要箇所に導く装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平9−32918号公
報に示すように、3個のクラッチ、具体的にはロークラ
ッチ(L/C)、ハイクラッチ(H/C)、リバースク
ラッチ(R/C)を自動変速機構のフロント側(トルク
コンバータ)にまとめて配置した自動変速機が提案され
ている。上記3個のクラッチからなるクラッチ部は、入
力軸に連結されたクラッチドラムにスプライン係合して
ハイクラッチ及びリバースクラッチが軸方向に並列して
配置され、かつハイクラッチは、クラッチドラムの内径
側に配置されたピストンにより操作され、またリバース
クラッチは、上記クラッチドラムのフロント側外方に配
置されたピストンにより、該クラッチドラムの外径側を
通る押圧フランジを介して操作される。
報に示すように、3個のクラッチ、具体的にはロークラ
ッチ(L/C)、ハイクラッチ(H/C)、リバースク
ラッチ(R/C)を自動変速機構のフロント側(トルク
コンバータ)にまとめて配置した自動変速機が提案され
ている。上記3個のクラッチからなるクラッチ部は、入
力軸に連結されたクラッチドラムにスプライン係合して
ハイクラッチ及びリバースクラッチが軸方向に並列して
配置され、かつハイクラッチは、クラッチドラムの内径
側に配置されたピストンにより操作され、またリバース
クラッチは、上記クラッチドラムのフロント側外方に配
置されたピストンにより、該クラッチドラムの外径側を
通る押圧フランジを介して操作される。
【0003】更に、該自動変速機構の上記クラッチ部の
後方には、3個の多板ブレーキからなるブレーキが油圧
アクチュエータと共に配置され、更にはその後方には3
個のプラネタリギヤが配置され、そしてミッションケー
ス後端に2個のブレーキを操作する油圧アクチュエータ
が配置されている。
後方には、3個の多板ブレーキからなるブレーキが油圧
アクチュエータと共に配置され、更にはその後方には3
個のプラネタリギヤが配置され、そしてミッションケー
ス後端に2個のブレーキを操作する油圧アクチュエータ
が配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近時、自動変速機は、
走行性能の向上要求に起因する多段化等により部品点数
が多くなるにも拘らず、車輌の居住スペース拡大等の要
求によりその配置スペースが限られており、一層の高密
度による合理的な配置が望まれている。
走行性能の向上要求に起因する多段化等により部品点数
が多くなるにも拘らず、車輌の居住スペース拡大等の要
求によりその配置スペースが限られており、一層の高密
度による合理的な配置が望まれている。
【0005】上述した自動変速機にあっても、クラッチ
ドラム及びその外周側を被嵌する押圧フランジが入力軸
と共に一体に回転しており、かつ該押圧フランジ外周面
とミッションケース内周面とは、上記高密度配置に基づ
き、僅かな隙間が設けられているに過ぎない。このた
め、クラッチドラム(一体の押圧フランジ)の回転に伴
い、ATF(自動変速機用作動兼潤滑油)が撹拌して、
オイルの発熱及びエネルギロスとなることがあり、これ
を防止するために、ミッションケース下部にドレーン溝
を設けたものもある。
ドラム及びその外周側を被嵌する押圧フランジが入力軸
と共に一体に回転しており、かつ該押圧フランジ外周面
とミッションケース内周面とは、上記高密度配置に基づ
き、僅かな隙間が設けられているに過ぎない。このた
め、クラッチドラム(一体の押圧フランジ)の回転に伴
い、ATF(自動変速機用作動兼潤滑油)が撹拌して、
オイルの発熱及びエネルギロスとなることがあり、これ
を防止するために、ミッションケース下部にドレーン溝
を設けたものもある。
【0006】また、各ブレーキ装置及びプラネタリギヤ
等は、上記多数の部品の高密度配置に起因して、潤滑必
要箇所が多くなると共に、中心軸からの潤滑油供給が行
い難い構造になる場合もあり、多くの潤滑必要箇所にそ
れぞれ所定変速段に応じた必要量の潤滑量をバランスよ
く供給することが望ましいにも拘らず、全体のバランス
を考慮して万遍なく各部分の潤滑油量を設定する結果、
所定変速段に必要と思われる潤滑箇所への潤滑油量が充
分確保できない場合も考えられる。特に、所定プラネタ
リギヤ全体又はそのキャリヤが固定している変速段にあ
っては、外径側にある部品に対して、遠心力による潤滑
油の供給が充分に行えず、所定変速段では所定潤滑必要
箇所の潤滑が不充分となることがある。
等は、上記多数の部品の高密度配置に起因して、潤滑必
要箇所が多くなると共に、中心軸からの潤滑油供給が行
い難い構造になる場合もあり、多くの潤滑必要箇所にそ
れぞれ所定変速段に応じた必要量の潤滑量をバランスよ
く供給することが望ましいにも拘らず、全体のバランス
を考慮して万遍なく各部分の潤滑油量を設定する結果、
所定変速段に必要と思われる潤滑箇所への潤滑油量が充
分確保できない場合も考えられる。特に、所定プラネタ
リギヤ全体又はそのキャリヤが固定している変速段にあ
っては、外径側にある部品に対して、遠心力による潤滑
油の供給が充分に行えず、所定変速段では所定潤滑必要
箇所の潤滑が不充分となることがある。
【0007】そこで、本発明は、ミッションケースに軸
方向(前後方向)に延びるリブ状突部を形成し、該突部
の内周面に形成された凹溝を通して、クラッチドラム部
分から潤滑必要箇所にオイルを導き、もって上述した課
題を解消した自動変速機を提供することを目的とするも
のである。
方向(前後方向)に延びるリブ状突部を形成し、該突部
の内周面に形成された凹溝を通して、クラッチドラム部
分から潤滑必要箇所にオイルを導き、もって上述した課
題を解消した自動変速機を提供することを目的とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、クラッチ(C1,C2,C3)及び係止手段(B1
〜B4,F1〜F3)により、ギヤ部(60)の動力伝
達経路を変更して、入力部材(12)の回転を複数の変
速段(例えば前進5速、後進1速)に変速して出力部材
(105)に伝達し、かつミッションケース(9)に収
納されている多段変速機構(6)を備えてなる、自動変
速機(1)において、前記入力部材(12)に連結して
いるクラッチドラム(26,29)と前記ギヤ部の所定
要素(S1,CR2,R3)とを断接するクラッチ(C
3)(C2)を有すると共に、前記クラッチドラムを前
記ミッションケース(9)内壁と僅かな隙間(G)を在
して対向位置し、前記ミッションケースにおける前記入
力部材の中心線を含む水平面より上方部分に、外径方向
に突出しかつ軸方向に延びる1個又は複数個のリブ状突
部(9h)を形成し、前記クラッチドラム(26,2
9)の回転に基づき前記隙間(G)に放出されるオイル
を前記リブ状突部(9h)の内面に形成される凹溝(1
40)に受入れ、該供給されたオイルを該凹溝に沿って
導き、潤滑必要箇所(B1,3)に補給すること、を特
徴とする自動変速機にある。
は、クラッチ(C1,C2,C3)及び係止手段(B1
〜B4,F1〜F3)により、ギヤ部(60)の動力伝
達経路を変更して、入力部材(12)の回転を複数の変
速段(例えば前進5速、後進1速)に変速して出力部材
(105)に伝達し、かつミッションケース(9)に収
納されている多段変速機構(6)を備えてなる、自動変
速機(1)において、前記入力部材(12)に連結して
いるクラッチドラム(26,29)と前記ギヤ部の所定
要素(S1,CR2,R3)とを断接するクラッチ(C
3)(C2)を有すると共に、前記クラッチドラムを前
記ミッションケース(9)内壁と僅かな隙間(G)を在
して対向位置し、前記ミッションケースにおける前記入
力部材の中心線を含む水平面より上方部分に、外径方向
に突出しかつ軸方向に延びる1個又は複数個のリブ状突
部(9h)を形成し、前記クラッチドラム(26,2
9)の回転に基づき前記隙間(G)に放出されるオイル
を前記リブ状突部(9h)の内面に形成される凹溝(1
40)に受入れ、該供給されたオイルを該凹溝に沿って
導き、潤滑必要箇所(B1,3)に補給すること、を特
徴とする自動変速機にある。
【0009】請求項2に係る本発明は(例えば図8参
照)、前記ミッションケース(9)は、前記潤滑必要箇
所(B1,3)を収納する部分が前記クラッチドラム
(26)を収納する部分に比して小径となっており、前
記リブ状突部(9h)も、前記潤滑必要箇所部分が前記
クラッチドラム部分に比して小径となっている、請求項
1記載の自動変速機にある。
照)、前記ミッションケース(9)は、前記潤滑必要箇
所(B1,3)を収納する部分が前記クラッチドラム
(26)を収納する部分に比して小径となっており、前
記リブ状突部(9h)も、前記潤滑必要箇所部分が前記
クラッチドラム部分に比して小径となっている、請求項
1記載の自動変速機にある。
【0010】請求項3に係る本発明は(例えば図8、図
9参照)、前記潤滑必要箇所(B1,3)に対応する位
置に、前記凹溝(140)に嵌挿する塞き止め板(76
a)を設けた、請求項1又は2記載の自動変速機にあ
る。
9参照)、前記潤滑必要箇所(B1,3)に対応する位
置に、前記凹溝(140)に嵌挿する塞き止め板(76
a)を設けた、請求項1又は2記載の自動変速機にあ
る。
【0011】請求項4に係る本発明は(例えば図8、図
9参照)、前記塞き止め板は、ブレーキ(B1)の外プ
レート(76)のスプライン歯部分(76a)を延長し
て構成した、請求項3記載の自動変速機にある。
9参照)、前記塞き止め板は、ブレーキ(B1)の外プ
レート(76)のスプライン歯部分(76a)を延長し
て構成した、請求項3記載の自動変速機にある。
【0012】請求項5に係る本発明は(例えば図10、
図11、図12参照)、前記クラッチドラム(29)に
対向する部分の前記凹溝(140)は、その内径側が開
口しており、かつ該開口部分(140a)から供給され
たオイルを潤滑必要個所に導く部分の前記凹溝は、その
内径側が蓋部材(165,165’)により閉じられて
管状部(166)となっている、請求項1ないし4のい
ずれか記載の自動変速機にある。
図11、図12参照)、前記クラッチドラム(29)に
対向する部分の前記凹溝(140)は、その内径側が開
口しており、かつ該開口部分(140a)から供給され
たオイルを潤滑必要個所に導く部分の前記凹溝は、その
内径側が蓋部材(165,165’)により閉じられて
管状部(166)となっている、請求項1ないし4のい
ずれか記載の自動変速機にある。
【0013】請求項6に係る本発明は(例えば図10,
図12参照)、前記蓋部材(165,165’)は、前
記クラッチドラム(26)側から潤滑必要箇所に向って
小径方向に傾斜して配置される、請求項5記載の自動変
速機にある。
図12参照)、前記蓋部材(165,165’)は、前
記クラッチドラム(26)側から潤滑必要箇所に向って
小径方向に傾斜して配置される、請求項5記載の自動変
速機にある。
【0014】請求項7に係る本発明は(例えば図10、
図11、図12参照)、前記蓋部材(165,16
5’)は、潤滑必要箇所に対応して連通孔(165a)
が形成されている、請求項4又は5記載の自動変速機。
図11、図12参照)、前記蓋部材(165,16
5’)は、潤滑必要箇所に対応して連通孔(165a)
が形成されている、請求項4又は5記載の自動変速機。
【0015】請求項8に係る本発明は(例えば図10参
照)、前記連通孔(165a)は、複数の潤滑必要箇所
に対応して軸方向に複数個有する、請求項7記載の自動
変速機にある。
照)、前記連通孔(165a)は、複数の潤滑必要箇所
に対応して軸方向に複数個有する、請求項7記載の自動
変速機にある。
【0016】請求項9に係る本発明は、前記複数個の連
通孔(165a)は、それぞれ対応する潤滑必要箇所の
潤滑必要量に応じてその孔断面積が設定されてなる、請
求項8記載の自動変速機にある。
通孔(165a)は、それぞれ対応する潤滑必要箇所の
潤滑必要量に応じてその孔断面積が設定されてなる、請
求項8記載の自動変速機にある。
【0017】請求項10に係る本発明は(例えば図12
参照)、前記蓋部材(165’)は、断面U字状の樋形
状からなる、請求項5ないし9のいずれか記載の自動変
速機にある。
参照)、前記蓋部材(165’)は、断面U字状の樋形
状からなる、請求項5ないし9のいずれか記載の自動変
速機にある。
【0018】請求項11に係る本発明は(例えば図3、
図8参照)、前記クラッチドラム(29)の内径側に、
少なくとも3個のクラッチ(C3,C2,C1)がその
油圧アクチュエータ(30,47,53)と共にまとめ
て配置されてクラッチ部(23)を構成し、該クラッチ
部がトルクコンバータ(2)側である前記多段変速機構
(6)の軸方向前方側に配置されてなる、請求項1ない
し10のいずれか記載の自動変速機にある。
図8参照)、前記クラッチドラム(29)の内径側に、
少なくとも3個のクラッチ(C3,C2,C1)がその
油圧アクチュエータ(30,47,53)と共にまとめ
て配置されてクラッチ部(23)を構成し、該クラッチ
部がトルクコンバータ(2)側である前記多段変速機構
(6)の軸方向前方側に配置されてなる、請求項1ない
し10のいずれか記載の自動変速機にある。
【0019】請求項12に係る本発明は(例えば図3,
図8参照)、前記クラッチ用油圧アクチュエータ(4
6,49,55)のピストン部材(30,47,53)
背面側に、遠心油圧キャンセル用のキャンセル室(5
2,59)が配設されてなる、請求項1ないし11のい
ずれか記載の自動変速機にある。
図8参照)、前記クラッチ用油圧アクチュエータ(4
6,49,55)のピストン部材(30,47,53)
背面側に、遠心油圧キャンセル用のキャンセル室(5
2,59)が配設されてなる、請求項1ないし11のい
ずれか記載の自動変速機にある。
【0020】請求項13に係る本発明は(例えば図1、
図5参照)、前記ギヤ部(60)が、同軸上において軸
方向前方から後方に向けて順次配置される第1、第2及
び第3プラネタリギヤ(3,4,5)の少なくとも3個
のプラネタリギヤを有し、前記第1、第2及び第3プラ
ネタリギヤのそれぞれ外径側に、その外ブレーキプレー
ト(76,87,106)が前記ミッションケース
(9)の内周面(9b,9d)に係止された多板ブレー
キからなる第1、第2及び第3のブレーキ(B1,B
2,B4)を配設し、前記第1プラネタリギヤの前記ク
ラッチ部(23)側に、複数の係止手段(B3)(F
1)(F2)をまとめて配置した、請求項12記載の自
動変速機にある。
図5参照)、前記ギヤ部(60)が、同軸上において軸
方向前方から後方に向けて順次配置される第1、第2及
び第3プラネタリギヤ(3,4,5)の少なくとも3個
のプラネタリギヤを有し、前記第1、第2及び第3プラ
ネタリギヤのそれぞれ外径側に、その外ブレーキプレー
ト(76,87,106)が前記ミッションケース
(9)の内周面(9b,9d)に係止された多板ブレー
キからなる第1、第2及び第3のブレーキ(B1,B
2,B4)を配設し、前記第1プラネタリギヤの前記ク
ラッチ部(23)側に、複数の係止手段(B3)(F
1)(F2)をまとめて配置した、請求項12記載の自
動変速機にある。
【0021】請求項14に係る本発明は(例えば図4参
照)、前記第1、第2及び第3プラネタリギヤ(3,
4,5)に、それぞれ前記第1のブレーキ(B1)、第
2のブレーキ(B2)及び第3のブレーキ(B4)を軸
方向に略々オーバラップするように配置した、請求項1
3記載の自動変速機にある。
照)、前記第1、第2及び第3プラネタリギヤ(3,
4,5)に、それぞれ前記第1のブレーキ(B1)、第
2のブレーキ(B2)及び第3のブレーキ(B4)を軸
方向に略々オーバラップするように配置した、請求項1
3記載の自動変速機にある。
【0022】請求項15に係る本発明は(例えば図6、
図7参照)、前記第1プラネタリギヤ(3)は、所定変
速段(例えば前進2速)にて該プラネタリギヤ全体が停
止され、また他の変速段(例えば前進3速、後進)にて
そのキャリヤ(CR2)が停止され、前記潤滑必要箇所
が、該第1プラネタリギヤ部分である、請求項13又は
14記載の自動変速機にある。
図7参照)、前記第1プラネタリギヤ(3)は、所定変
速段(例えば前進2速)にて該プラネタリギヤ全体が停
止され、また他の変速段(例えば前進3速、後進)にて
そのキャリヤ(CR2)が停止され、前記潤滑必要箇所
が、該第1プラネタリギヤ部分である、請求項13又は
14記載の自動変速機にある。
【0023】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、これは、実施の形態との対応
の容易化及び迅速化のための便宜的なものであり、これ
により特許請求の範囲の構成に何等影響を与えるもので
はない。
するためのものであるが、これは、実施の形態との対応
の容易化及び迅速化のための便宜的なものであり、これ
により特許請求の範囲の構成に何等影響を与えるもので
はない。
【0024】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によると、クラッ
チドラムとミッションケースとを僅かな隙間にて対向配
置し、高密度配置によるコンパクト化を可能とし、その
結果上記僅かな隙間に起因するオイル(ATF)の撹拌
等により発熱及びエネルギロスの虞れがあるが、リブ状
突部による凹溝に、上記オイルを受け入れて軸方向に流
すことにより、上記発熱及びエネルギロスを抑えること
ができ、更に上記凹溝に供給されたオイルを、該凹溝に
沿って潤滑必要個所に導き、該個所の部品に、上記オイ
ルを滴下して補助的に補給することができる。また、上
記ミッションケースに形成した軸方向に延びるリブ状突
起は、リブとしても機能し、ミッションケースの強度及
び剛性を向上して、ミッションケースの薄肉化を可能と
し、自動変速機の軽量化を図ることができる。
チドラムとミッションケースとを僅かな隙間にて対向配
置し、高密度配置によるコンパクト化を可能とし、その
結果上記僅かな隙間に起因するオイル(ATF)の撹拌
等により発熱及びエネルギロスの虞れがあるが、リブ状
突部による凹溝に、上記オイルを受け入れて軸方向に流
すことにより、上記発熱及びエネルギロスを抑えること
ができ、更に上記凹溝に供給されたオイルを、該凹溝に
沿って潤滑必要個所に導き、該個所の部品に、上記オイ
ルを滴下して補助的に補給することができる。また、上
記ミッションケースに形成した軸方向に延びるリブ状突
起は、リブとしても機能し、ミッションケースの強度及
び剛性を向上して、ミッションケースの薄肉化を可能と
し、自動変速機の軽量化を図ることができる。
【0025】請求項2に係る本発明によると、リブ状突
起も、ミッションケースに合せて、潤滑必要箇所部分に
向けて小径となるように構成すると、クラッチドラム部
分から供給されたオイルは、凹溝の傾斜面に沿って潤滑
必要箇所部分に導かれて、該部分に補給される。
起も、ミッションケースに合せて、潤滑必要箇所部分に
向けて小径となるように構成すると、クラッチドラム部
分から供給されたオイルは、凹溝の傾斜面に沿って潤滑
必要箇所部分に導かれて、該部分に補給される。
【0026】請求項3に係る本発明によると、凹溝に沿
って導かれるオイルは、塞き止め板により塞き止められ
て潤滑必要箇所に供給される。
って導かれるオイルは、塞き止め板により塞き止められ
て潤滑必要箇所に供給される。
【0027】請求項4に係る本発明によると、凹溝に合
うように、ブレーキの外プレートのスプライン歯を延長
して塞き止め板を構成するので、特別な部品を必要とせ
ずに、簡単な構成でもって、凹溝のオイルを潤滑必要箇
所に供給することができる。
うように、ブレーキの外プレートのスプライン歯を延長
して塞き止め板を構成するので、特別な部品を必要とせ
ずに、簡単な構成でもって、凹溝のオイルを潤滑必要箇
所に供給することができる。
【0028】請求項5に係る本発明によると、凹溝を蓋
部材により管状部とするので、該管状部により、クラッ
チドラムにより供給されたオイルを途中で滴下すること
なく潤滑必要箇所に確実に供給することができる。
部材により管状部とするので、該管状部により、クラッ
チドラムにより供給されたオイルを途中で滴下すること
なく潤滑必要箇所に確実に供給することができる。
【0029】請求項6に係る本発明によると、蓋部材が
潤滑必要箇所に向って小径方向に傾斜しているので、ク
ラッチドラムにより供給されたオイルは、蓋部材に沿っ
て流れて、潤滑必要箇所が離れた位置にあっても、また
複数個あっても、確実にオイルを供給することができ
る。
潤滑必要箇所に向って小径方向に傾斜しているので、ク
ラッチドラムにより供給されたオイルは、蓋部材に沿っ
て流れて、潤滑必要箇所が離れた位置にあっても、また
複数個あっても、確実にオイルを供給することができ
る。
【0030】請求項7に係る本発明によると、蓋部材に
連通孔を形成すると、蓋部材で送っているオイルを、そ
の途中から連通孔で滴下して、潤滑必要箇所に供給する
ことができる。
連通孔を形成すると、蓋部材で送っているオイルを、そ
の途中から連通孔で滴下して、潤滑必要箇所に供給する
ことができる。
【0031】請求項8に係る本発明によると、連通孔を
軸方向に複数個設けるので、多数の潤滑必要箇所にオイ
ルを供給することができる。
軸方向に複数個設けるので、多数の潤滑必要箇所にオイ
ルを供給することができる。
【0032】請求項9に係る本発明によると、連通孔の
孔断面積を潤滑必要量に応じて設定して、各潤滑必要箇
所の必要潤滑量に合せてオイルを供給することができ
る。
孔断面積を潤滑必要量に応じて設定して、各潤滑必要箇
所の必要潤滑量に合せてオイルを供給することができ
る。
【0033】請求項10に係る本発明によると、蓋部材
を樋形状としたので、オイルを該樋形状の蓋部材に沿っ
て、潤滑必要箇所に確実に送ることができる。
を樋形状としたので、オイルを該樋形状の蓋部材に沿っ
て、潤滑必要箇所に確実に送ることができる。
【0034】請求項11に係る本発明によると、クラッ
チドラムの内径側に、複数のクラッチをまとめて配置し
てクラッチ部としたので、クラッチドラムから凹溝に供
給するオイル量を充分に確保することができると共に、
該クラッチ部を軸方向前方に配置したので、大径のクラ
ッチ部を、トルクコンバータに隣接するミッションケー
スの前方に配置して、車輌搭載上合理的な配置になると
共に、凹溝に沿って軸方向後方に向けてオイルを導き、
適宜潤滑必要箇所にオイルを補給することができる。
チドラムの内径側に、複数のクラッチをまとめて配置し
てクラッチ部としたので、クラッチドラムから凹溝に供
給するオイル量を充分に確保することができると共に、
該クラッチ部を軸方向前方に配置したので、大径のクラ
ッチ部を、トルクコンバータに隣接するミッションケー
スの前方に配置して、車輌搭載上合理的な配置になると
共に、凹溝に沿って軸方向後方に向けてオイルを導き、
適宜潤滑必要箇所にオイルを補給することができる。
【0035】請求項12に係る本発明によると、クラッ
チ用油圧アクチュエータのピストン部材背面側にキャン
セル室を設けたので、例えばエンジン始動時等から該キ
ャンセル室にオイルを供給するように、クラッチ部に、
通常時必要以上のオイルを供給することになり、その分
クラッチドラムから放出されるオイル量が過大となる
が、該オイルが、凹溝を通って潤滑必要箇所に導かれる
ので、オイルポンプの容量を増大することなく、所定変
速段に応じた各潤滑必要箇所の潤滑油量を確保すること
ができる。
チ用油圧アクチュエータのピストン部材背面側にキャン
セル室を設けたので、例えばエンジン始動時等から該キ
ャンセル室にオイルを供給するように、クラッチ部に、
通常時必要以上のオイルを供給することになり、その分
クラッチドラムから放出されるオイル量が過大となる
が、該オイルが、凹溝を通って潤滑必要箇所に導かれる
ので、オイルポンプの容量を増大することなく、所定変
速段に応じた各潤滑必要箇所の潤滑油量を確保すること
ができる。
【0036】請求項13に係る本発明によると、3個の
プラネタリギヤの外径側に、多板ブレーキからなる3個
のブレーキを配置したので、自動変速機、特にその多段
機構の構造を簡単にして、軸方向及び径方向寸法の増大
を防止してコンパクトに構成でき、かつ3個のブレーキ
共に多板ブレーキを採用して、ブレーキ特性を向上して
シフトフィーリングの向上を図ることができるものであ
りながら、潤滑を必要とする箇所にオイルをその外径側
から供給することができると共に、クラッチ部に隣接す
る多数の係止手段に確実にオイルを供給することができ
る。
プラネタリギヤの外径側に、多板ブレーキからなる3個
のブレーキを配置したので、自動変速機、特にその多段
機構の構造を簡単にして、軸方向及び径方向寸法の増大
を防止してコンパクトに構成でき、かつ3個のブレーキ
共に多板ブレーキを採用して、ブレーキ特性を向上して
シフトフィーリングの向上を図ることができるものであ
りながら、潤滑を必要とする箇所にオイルをその外径側
から供給することができると共に、クラッチ部に隣接す
る多数の係止手段に確実にオイルを供給することができ
る。
【0037】請求項14に係る本発明によると、3個の
各ブレーキが、3個のプラネタリギヤの外径側にて略々
オーバラップするように配置され、コンパクトに配置す
ることができる、即ち、軸方向に各ブレーキ用のスペー
スを必要とせず、その分各プラネタリギヤの軸方向寸法
に余裕ができ、ギヤのトルク容量を稼ぐことができると
共に、各ブレーキのプレート枚数を増やすことで、径方
向寸法を大きくすることなく、ブレーキのトルク容量を
確保でき、総合的にコンパクトな設計が可能となるもの
でありながら、必要に応じて、各ブレーキから各プラネ
タリギヤに、その外径側からオイルを適宜供給すること
ができる。
各ブレーキが、3個のプラネタリギヤの外径側にて略々
オーバラップするように配置され、コンパクトに配置す
ることができる、即ち、軸方向に各ブレーキ用のスペー
スを必要とせず、その分各プラネタリギヤの軸方向寸法
に余裕ができ、ギヤのトルク容量を稼ぐことができると
共に、各ブレーキのプレート枚数を増やすことで、径方
向寸法を大きくすることなく、ブレーキのトルク容量を
確保でき、総合的にコンパクトな設計が可能となるもの
でありながら、必要に応じて、各ブレーキから各プラネ
タリギヤに、その外径側からオイルを適宜供給すること
ができる。
【0038】請求項15に係る本発明によると、第1プ
ラネタリギヤ全体が停止したり、またそのキャリヤが停
止する変速段があり、第1プラネタリギヤの回転に伴う
遠心力による潤滑油の供給がしずらい状態を現出する自
動変速機構に対しても、上記凹溝を通じての外径側から
のオイルの補給により、該第1プラネタリギヤのギヤ面
及び支持ベアリング、スラスト板等の潤滑必要箇所が潤
滑されて、高い信頼性を確保することができる。
ラネタリギヤ全体が停止したり、またそのキャリヤが停
止する変速段があり、第1プラネタリギヤの回転に伴う
遠心力による潤滑油の供給がしずらい状態を現出する自
動変速機構に対しても、上記凹溝を通じての外径側から
のオイルの補給により、該第1プラネタリギヤのギヤ面
及び支持ベアリング、スラスト板等の潤滑必要箇所が潤
滑されて、高い信頼性を確保することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。図1は、本発明に係る自動
変速機の全体断面図、図2ないし図4は、その部分拡大
断面図である。自動変速機1は、図1に示すように、ト
ルクコンバータ2と、3個のプラネタリギヤ3、4、5
を有する多段変速機構6と、を有しており、これらトル
クコンバータ及び多段変速機構が1軸状に直列的に配置
されていると共に、コンバータハウジング7及びミッシ
ョンケース9からなる一体ケースに収納されている。
施の形態について説明する。図1は、本発明に係る自動
変速機の全体断面図、図2ないし図4は、その部分拡大
断面図である。自動変速機1は、図1に示すように、ト
ルクコンバータ2と、3個のプラネタリギヤ3、4、5
を有する多段変速機構6と、を有しており、これらトル
クコンバータ及び多段変速機構が1軸状に直列的に配置
されていると共に、コンバータハウジング7及びミッシ
ョンケース9からなる一体ケースに収納されている。
【0040】トルクコンバータ2は、図2に詳示するよ
うに、エンジン出力軸(図示せず)に連結されるカバー
10に設けられたポンプぺラ11と、多段変速機構6の
入力軸12に連結されるタービンランナ13と、ワンウ
ェイクラッチ15を介して支持されているステータ16
と、を有しており、更に上記カバー10と入力軸12を
スプリングダンパ17を介して機械的に連結するロック
アップクラッチ19を備えている。また、コンバータハ
ウジング7及びミッションケース9の間部分にはポンプ
ケース20が固定されており、該ケース20には、オイ
ルポンプ21が配設されていると共に、前記カバー10
が回転自在に支持されている。更に、該ケース20の後
側面にはポンプカバー22が固定されており、該カバー
22には前記ワンウェイクラッチ15のインナレースが
固定されていると共に、各油路が形成されている。
うに、エンジン出力軸(図示せず)に連結されるカバー
10に設けられたポンプぺラ11と、多段変速機構6の
入力軸12に連結されるタービンランナ13と、ワンウ
ェイクラッチ15を介して支持されているステータ16
と、を有しており、更に上記カバー10と入力軸12を
スプリングダンパ17を介して機械的に連結するロック
アップクラッチ19を備えている。また、コンバータハ
ウジング7及びミッションケース9の間部分にはポンプ
ケース20が固定されており、該ケース20には、オイ
ルポンプ21が配設されていると共に、前記カバー10
が回転自在に支持されている。更に、該ケース20の後
側面にはポンプカバー22が固定されており、該カバー
22には前記ワンウェイクラッチ15のインナレースが
固定されていると共に、各油路が形成されている。
【0041】前記多段変速機構6の前方部分(トルクコ
ンバータ側)は、3個のクラッチC1、C2、C3がま
とめて配置されるクラッチ部23となっている。該クラ
ッチ部は、図3に詳示するように、前記ポンプカバー2
2のボス部22aに回転自在に支持されると共に前記入
力軸12に連結されているスリーブ25を有している。
該スリーブ25は前方部分にてフランジ状になってお
り、かつ該フランジ部の外周部分に第3ドラム部材26
が固着されている。該第3ドラム部材の内周面にはスプ
ライン26aが形成されており、該スプラインに、第3
クラッチC3のドライブプレート(外摩擦板)27が係
合していると共に、第2ドラム部材29が係合してい
る。
ンバータ側)は、3個のクラッチC1、C2、C3がま
とめて配置されるクラッチ部23となっている。該クラ
ッチ部は、図3に詳示するように、前記ポンプカバー2
2のボス部22aに回転自在に支持されると共に前記入
力軸12に連結されているスリーブ25を有している。
該スリーブ25は前方部分にてフランジ状になってお
り、かつ該フランジ部の外周部分に第3ドラム部材26
が固着されている。該第3ドラム部材の内周面にはスプ
ライン26aが形成されており、該スプラインに、第3
クラッチC3のドライブプレート(外摩擦板)27が係
合していると共に、第2ドラム部材29が係合してい
る。
【0042】該第2ドラム部材29はその内径側に可動
部材30が一体に固着されて、前記スリーブ25に油蜜
状に軸方向移動自在に支持されており、かつそのドラム
部外周面にスプライン29aが形成されて前記第3ドラ
ムのスプライン26aに係合していると共に、その内周
面にスプライン29bが形成されて、該スプラインに第
2クラッチC2のドライブプレート(外摩擦板)31が
係合している。また、前記第2及び第3クラッチC2、
C3の内径側において、前記入力軸12に固定されて第
1ドラム部材32が配置されており、該ドラム部材の外
径側部内周面にスプライン32aが形成されており、該
スプラインに、第1クラッチC1のドライブプレート
(外摩擦板)33が係合している。
部材30が一体に固着されて、前記スリーブ25に油蜜
状に軸方向移動自在に支持されており、かつそのドラム
部外周面にスプライン29aが形成されて前記第3ドラ
ムのスプライン26aに係合していると共に、その内周
面にスプライン29bが形成されて、該スプラインに第
2クラッチC2のドライブプレート(外摩擦板)31が
係合している。また、前記第2及び第3クラッチC2、
C3の内径側において、前記入力軸12に固定されて第
1ドラム部材32が配置されており、該ドラム部材の外
径側部内周面にスプライン32aが形成されており、該
スプラインに、第1クラッチC1のドライブプレート
(外摩擦板)33が係合している。
【0043】一方、異なる半径上に、小径側から第1ハ
ブ35、第2ハブ36、第3ハブ37が順次配設されて
おり、各ハブの外周面にはそれぞれスプライン35a、
36a、37aが形成されている。そして、第1ハブの
スプライン35aには第1クラッチC1のドリブンディ
スク(内摩擦板)39が、第2ハブのスプライン36a
には第2クラッチC2のドリブンディスク(内摩擦板)
40が、第3ハブのスプライン37aには第3クラッチ
C3のドリブンプレート(内摩擦板)41がそれぞれ係
合しており、また第1ハブ35は中心軸からなる中間軸
42に、第2ハブ36は該中心軸に被嵌する第2スリー
ブ軸43に、第3ハブ37は該第2スリーブ軸に被嵌す
る第3スリーブ軸45にそれぞれ連結・固定されてい
る。即ち、中間軸42、第2スリーブ軸43及び第3ス
リーブ軸45は同軸状にそれぞれ回転自在に支持されて
いる。
ブ35、第2ハブ36、第3ハブ37が順次配設されて
おり、各ハブの外周面にはそれぞれスプライン35a、
36a、37aが形成されている。そして、第1ハブの
スプライン35aには第1クラッチC1のドリブンディ
スク(内摩擦板)39が、第2ハブのスプライン36a
には第2クラッチC2のドリブンディスク(内摩擦板)
40が、第3ハブのスプライン37aには第3クラッチ
C3のドリブンプレート(内摩擦板)41がそれぞれ係
合しており、また第1ハブ35は中心軸からなる中間軸
42に、第2ハブ36は該中心軸に被嵌する第2スリー
ブ軸43に、第3ハブ37は該第2スリーブ軸に被嵌す
る第3スリーブ軸45にそれぞれ連結・固定されてい
る。即ち、中間軸42、第2スリーブ軸43及び第3ス
リーブ軸45は同軸状にそれぞれ回転自在に支持されて
いる。
【0044】また、前記スリーブのフランジ部25aに
は前記可動部材30が油蜜状に嵌合して、第3クラッチ
用油圧アクチュエータ46を構成しており、上記可動部
材30に固定されている第2ドラム部材29における前
記第2クラッチC2の係合面を越えた先端部29dが前
記第3クラッチC3に対向している。前記可動部材30
には第2ピストン部材47が油密状に嵌合して、第2ク
ラッチ用油圧アクチュエータ49を構成しており、該ピ
ストン部材の外径側先端部47aが前記第2クラッチC
2に対向している。更に、第2ピストン部材47の背面
には、スリーブ25に嵌合されたスナップリングにより
軸方向移動が規制されてキャンセルプレート50が油密
状に嵌合しており、該キャンセルプレート50と第2ピ
ストン部材47の背面との間はリターンスプリング51
が縮設されていると共に、前記油圧アクチュエータ49
の遠心油圧をキャンセルするキャンセル室52となって
いる。
は前記可動部材30が油蜜状に嵌合して、第3クラッチ
用油圧アクチュエータ46を構成しており、上記可動部
材30に固定されている第2ドラム部材29における前
記第2クラッチC2の係合面を越えた先端部29dが前
記第3クラッチC3に対向している。前記可動部材30
には第2ピストン部材47が油密状に嵌合して、第2ク
ラッチ用油圧アクチュエータ49を構成しており、該ピ
ストン部材の外径側先端部47aが前記第2クラッチC
2に対向している。更に、第2ピストン部材47の背面
には、スリーブ25に嵌合されたスナップリングにより
軸方向移動が規制されてキャンセルプレート50が油密
状に嵌合しており、該キャンセルプレート50と第2ピ
ストン部材47の背面との間はリターンスプリング51
が縮設されていると共に、前記油圧アクチュエータ49
の遠心油圧をキャンセルするキャンセル室52となって
いる。
【0045】また、前記第1ドラム部材32には第1ピ
ストン部材53が油密状に嵌合して、第1クラッチ用油
圧アクチュエータ55を構成しており、該ピストン部材
の先端53aが第1クラッチC1に対向している。更
に、第1ピストン部材53の背面には、入力軸12に嵌
合されたスナップリングにより軸方向移動が規制されて
キャンセルプレート56が油密状に嵌合しており、該キ
ャンセルプレートと第1ピストン部材53の背面との間
はリターンスプリング57が縮設されていると共に、前
記油圧アクチュエータ55の遠心油圧をキャンセルする
キャンセル室59となっている。
ストン部材53が油密状に嵌合して、第1クラッチ用油
圧アクチュエータ55を構成しており、該ピストン部材
の先端53aが第1クラッチC1に対向している。更
に、第1ピストン部材53の背面には、入力軸12に嵌
合されたスナップリングにより軸方向移動が規制されて
キャンセルプレート56が油密状に嵌合しており、該キ
ャンセルプレートと第1ピストン部材53の背面との間
はリターンスプリング57が縮設されていると共に、前
記油圧アクチュエータ55の遠心油圧をキャンセルする
キャンセル室59となっている。
【0046】前記多段変速機構6の後方部分は3個のプ
ラネタリギヤ3、4、5がその係止手段(ブレーキ及び
ワンウェイクラッチ)とまとめて配置されるギヤ部60
となっている。該ギヤ部60は、図4に詳示するよう
に、前方(入力部材12側)から、前記第3スリーブ軸
45に形成されたサンギヤS1を有する第1プラネタリ
ギヤ3、前記第2スリーブ軸43に連結されるキャリヤ
CR2を有する第2プラネタリギヤ4、そして前記中間
軸42に形成されたサンギヤS3を有する第3プラネタ
リギヤ5が順次配設されている。更に、前記クラッチ部
23と第1プラネタリギヤ3との軸方向間部分に第3ブ
レーキB3、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワン
ウェイクラッチF2(係止手段)が配設されており、ま
た第2プラネタリギヤ4と第3プラネタリギヤ5との軸
方向間部分に第3ワンウェイクラッチF3が配設されて
いる。
ラネタリギヤ3、4、5がその係止手段(ブレーキ及び
ワンウェイクラッチ)とまとめて配置されるギヤ部60
となっている。該ギヤ部60は、図4に詳示するよう
に、前方(入力部材12側)から、前記第3スリーブ軸
45に形成されたサンギヤS1を有する第1プラネタリ
ギヤ3、前記第2スリーブ軸43に連結されるキャリヤ
CR2を有する第2プラネタリギヤ4、そして前記中間
軸42に形成されたサンギヤS3を有する第3プラネタ
リギヤ5が順次配設されている。更に、前記クラッチ部
23と第1プラネタリギヤ3との軸方向間部分に第3ブ
レーキB3、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワン
ウェイクラッチF2(係止手段)が配設されており、ま
た第2プラネタリギヤ4と第3プラネタリギヤ5との軸
方向間部分に第3ワンウェイクラッチF3が配設されて
いる。
【0047】第3ブレーキB3は多板ブレーキからな
り、複数枚の外ブレーキプレート61がケース9に形成
されたスプライン9aに係合しており、また第2ワンウ
ェイクラッチF2のアウタレース62に固定されている
ハブ63に、上記ブレーキの内ブレーキディスク65が
係合している。前記第2ワンウェイクラッチF2のイン
ナレースは前記第3のスリーブ軸45自体で形成されて
おり、前記第3ブレーキB3と第2ワンウェイクラッチ
F2とは、異なる径方向位置において、軸方向に略々オ
ーバラップする位置に配置されている。
り、複数枚の外ブレーキプレート61がケース9に形成
されたスプライン9aに係合しており、また第2ワンウ
ェイクラッチF2のアウタレース62に固定されている
ハブ63に、上記ブレーキの内ブレーキディスク65が
係合している。前記第2ワンウェイクラッチF2のイン
ナレースは前記第3のスリーブ軸45自体で形成されて
おり、前記第3ブレーキB3と第2ワンウェイクラッチ
F2とは、異なる径方向位置において、軸方向に略々オ
ーバラップする位置に配置されている。
【0048】前記第3ブレーキB3の軸方向後方側に
は、該ブレーキ用油圧アクチュエータ66が配設されて
おり、該アクチュエータは、ケース9に軸方向及び回転
方向移動に連結されたシリンダ部材67と、該シリンダ
部材に油密状に嵌合して、その前方端部69aが上記ブ
レーキB3に対向しているピストン部材69と、からな
る。更に、上記シリンダ部材の内周面にスプライン係合
されて、第1ワンウェイクラッチF1のアウタレース7
0が配置されており、該ワンウェイクラッチのインナレ
ース71は第1プラネタリギヤ3におけるキャリヤCR
1のボス部72にスプライン係合している。そして、上
記第3ブレーキ用油圧アクチュエータ66と第1ワンウ
ェイクラッチF1は、異なる径方向位置において、軸方
向に略々(少なくとも一部を)オーバラップ位置に配置
されている。なお、上記ピストン部材69の先端部分は
クシ歯状に形成され、該クシ歯の間部分にリターンスプ
リング73が配置されている。従って、第2ワンウェイ
クラッチF2及び第1ワンウェイクラッチF1は軸方向
に並んで配置されており、かつ第3ブレーキB4及びそ
の油圧アクチュエータ66が外径側にあって、上記ワン
ウェイクラッチF1、F2に軸方向に略々オーバラップ
するように配置されている。
は、該ブレーキ用油圧アクチュエータ66が配設されて
おり、該アクチュエータは、ケース9に軸方向及び回転
方向移動に連結されたシリンダ部材67と、該シリンダ
部材に油密状に嵌合して、その前方端部69aが上記ブ
レーキB3に対向しているピストン部材69と、からな
る。更に、上記シリンダ部材の内周面にスプライン係合
されて、第1ワンウェイクラッチF1のアウタレース7
0が配置されており、該ワンウェイクラッチのインナレ
ース71は第1プラネタリギヤ3におけるキャリヤCR
1のボス部72にスプライン係合している。そして、上
記第3ブレーキ用油圧アクチュエータ66と第1ワンウ
ェイクラッチF1は、異なる径方向位置において、軸方
向に略々(少なくとも一部を)オーバラップ位置に配置
されている。なお、上記ピストン部材69の先端部分は
クシ歯状に形成され、該クシ歯の間部分にリターンスプ
リング73が配置されている。従って、第2ワンウェイ
クラッチF2及び第1ワンウェイクラッチF1は軸方向
に並んで配置されており、かつ第3ブレーキB4及びそ
の油圧アクチュエータ66が外径側にあって、上記ワン
ウェイクラッチF1、F2に軸方向に略々オーバラップ
するように配置されている。
【0049】第1プラネタリギヤ3は、サンギヤS1に
噛合するピストンP1aとリングギヤR1に噛合するピ
ニオンP1bとを有するデュアルプラネタリギヤからな
り(図5参照)、上記互に噛合するピニオンP1a、P
1b支持するをキャリヤCR1がそのボス部72により
第3スリーブ軸45に回転自在に支持されており、また
サンギヤS1が第3スリーブ軸45に一体に形成されて
いる。更に、リングギヤR1が、その後方端でスプライ
ン結合されているプレート75により軸方向を規制され
て回転自在に支持されていると共に、第2プラネタリギ
ヤ4のリングギヤR2にスプライン結合されている。
噛合するピストンP1aとリングギヤR1に噛合するピ
ニオンP1bとを有するデュアルプラネタリギヤからな
り(図5参照)、上記互に噛合するピニオンP1a、P
1b支持するをキャリヤCR1がそのボス部72により
第3スリーブ軸45に回転自在に支持されており、また
サンギヤS1が第3スリーブ軸45に一体に形成されて
いる。更に、リングギヤR1が、その後方端でスプライ
ン結合されているプレート75により軸方向を規制され
て回転自在に支持されていると共に、第2プラネタリギ
ヤ4のリングギヤR2にスプライン結合されている。
【0050】そして、第1ブレーキ(第1のブレーキ)
B1は多板ブレーキからなり、その複数枚の外ブレーキ
プレート76が、ケース9に形成されたスプライン9b
(前記スプライン9aに連続して形成)に係合されると
共に前方方向移動を前記第3ブレーキ用シリンダ部材6
7と共に規制されて支持されている。前記第1ブレーキ
用の内ブレーキディスク79は、前記キャリヤCR1を
構成するカップ状部材80の外径側外周面に形成された
スプラインに係合している。該カップ状部材80は、そ
の外径側平坦面80aが前記第1プラネタリギヤ3の外
径側を覆うように延びており、該平坦面80a、即ち該
平坦面に形成されたスプライン係合している第1ブレー
キB1が、第1プラネタリギヤ3の外径側にて軸方向に
略々オーバラップするように(正確にはプラネタリギヤ
3の幅内に第1ブレーキB1が納まるように)配置され
ている。
B1は多板ブレーキからなり、その複数枚の外ブレーキ
プレート76が、ケース9に形成されたスプライン9b
(前記スプライン9aに連続して形成)に係合されると
共に前方方向移動を前記第3ブレーキ用シリンダ部材6
7と共に規制されて支持されている。前記第1ブレーキ
用の内ブレーキディスク79は、前記キャリヤCR1を
構成するカップ状部材80の外径側外周面に形成された
スプラインに係合している。該カップ状部材80は、そ
の外径側平坦面80aが前記第1プラネタリギヤ3の外
径側を覆うように延びており、該平坦面80a、即ち該
平坦面に形成されたスプライン係合している第1ブレー
キB1が、第1プラネタリギヤ3の外径側にて軸方向に
略々オーバラップするように(正確にはプラネタリギヤ
3の幅内に第1ブレーキB1が納まるように)配置され
ている。
【0051】上記第1ブレーキB1の後方側には該ブレ
ーキ用の油圧アクチュエータ81が配設されている。該
アクチュエータ81は、前記ミッションケース9の段付
小径部9cに固定・配置されているシリンダ部材82及
びそれに油密状に嵌合しているピストン部材83を有し
ており、該アクチュエータ81は、前記第1及び第2プ
ラネタリギヤ3、4の外径側にて、軸方向において股が
って、配置されている。即ち、第1プラネタリギヤ3の
外径側において、該第1プラネタリギヤの所定要素(C
R1)を係止する第1ブレーキB1及びその油圧アクチ
ュエータ81が、該第1プラネタリギヤと軸方向に少な
くとも一部がオーバラップするように配置されている。
なお、上記ピストン部材83はクシ歯状に第1ブレーキ
B1に向けて延びており、かつ該クシ歯の間にリターン
スプリング85が配置されている。
ーキ用の油圧アクチュエータ81が配設されている。該
アクチュエータ81は、前記ミッションケース9の段付
小径部9cに固定・配置されているシリンダ部材82及
びそれに油密状に嵌合しているピストン部材83を有し
ており、該アクチュエータ81は、前記第1及び第2プ
ラネタリギヤ3、4の外径側にて、軸方向において股が
って、配置されている。即ち、第1プラネタリギヤ3の
外径側において、該第1プラネタリギヤの所定要素(C
R1)を係止する第1ブレーキB1及びその油圧アクチ
ュエータ81が、該第1プラネタリギヤと軸方向に少な
くとも一部がオーバラップするように配置されている。
なお、上記ピストン部材83はクシ歯状に第1ブレーキ
B1に向けて延びており、かつ該クシ歯の間にリターン
スプリング85が配置されている。
【0052】第2プラネタリギヤ4は、シンプルプラネ
タリギヤからなり、ピニオンP2を支持するキャリヤC
R2が第2スリーブ軸43にスプライン係合している。
また、サンギヤS2が、前記中間軸42にスプラインに
より一体に結合されており、またリングギヤR2が前記
第1プラネタリギヤのリングギヤR1にスプラインによ
り一体に結合されている。該第2プラネタリギヤ4は、
デュアルプラネタリギヤからなる第1プラネタリギヤ3
より小径にて構成されており、従ってリングギヤR2の
前方端に外径方向に延びる鍔部86が形成されて、該鍔
部の外周部が前記リングギヤR1の内周面に前記プレー
ト75と共にスプラインにより一体に連結されている。
前記第1ブレーキB1用油圧アクチュエータ81は、そ
のピストン延出部を除いて、上記小径からなる第2プラ
ネタリギヤ4の外径側に第2ブレーキB2と共に配置さ
れている。従って、該油圧アクチュエータ81は、ケー
ス9が段差9cにより小径となっているにも拘らず、所
定の受圧面積が確保され、該第1ブレーキB1の必要ト
ルクに対応するトルク容量を有する。
タリギヤからなり、ピニオンP2を支持するキャリヤC
R2が第2スリーブ軸43にスプライン係合している。
また、サンギヤS2が、前記中間軸42にスプラインに
より一体に結合されており、またリングギヤR2が前記
第1プラネタリギヤのリングギヤR1にスプラインによ
り一体に結合されている。該第2プラネタリギヤ4は、
デュアルプラネタリギヤからなる第1プラネタリギヤ3
より小径にて構成されており、従ってリングギヤR2の
前方端に外径方向に延びる鍔部86が形成されて、該鍔
部の外周部が前記リングギヤR1の内周面に前記プレー
ト75と共にスプラインにより一体に連結されている。
前記第1ブレーキB1用油圧アクチュエータ81は、そ
のピストン延出部を除いて、上記小径からなる第2プラ
ネタリギヤ4の外径側に第2ブレーキB2と共に配置さ
れている。従って、該油圧アクチュエータ81は、ケー
ス9が段差9cにより小径となっているにも拘らず、所
定の受圧面積が確保され、該第1ブレーキB1の必要ト
ルクに対応するトルク容量を有する。
【0053】そして、前記第1ブレーキB1用油圧アク
チュエータ81の後方側に第2ブレーキ(第2のブレー
キ)B2が配置されている。該第2ブレーキB2は多板
ブレーキからなり、複数枚の外ブレーキプレート87が
前記小径部となるケース9の内スプライン9dに係合し
ており、内ブレーキディスク89が前記リングギヤR2
の外周面に形成されたスプラインに係合している。該第
2ブレーキB2は、第2プラネタリギヤ4の外径側にお
いて、該プラネタリギヤと軸方向にオーバラップするよ
うに(正確にはプラネタリギヤ4の幅内にブレーキB2
が納まるように)配置されている。
チュエータ81の後方側に第2ブレーキ(第2のブレー
キ)B2が配置されている。該第2ブレーキB2は多板
ブレーキからなり、複数枚の外ブレーキプレート87が
前記小径部となるケース9の内スプライン9dに係合し
ており、内ブレーキディスク89が前記リングギヤR2
の外周面に形成されたスプラインに係合している。該第
2ブレーキB2は、第2プラネタリギヤ4の外径側にお
いて、該プラネタリギヤと軸方向にオーバラップするよ
うに(正確にはプラネタリギヤ4の幅内にブレーキB2
が納まるように)配置されている。
【0054】該第2ブレーキB2の後方側には該ブレー
キ用の油圧アクチュエータ90が配設されている。該ア
クチュエータ90は、ケース9の内周面に固定・配置さ
れているシリンダ部材91及びそれに油蜜状に嵌合して
いるピストン部材92を有しており、該ピストン部材
は、他のもの69、83がブレーキに向けて延びかつク
シ歯の間にリターンスプリング73、85を配置する延
出部を有するのに対し、該延出部を有さない短い構造か
らなる。該油圧アクチュエータ90は、第2ブレーキB
2の外径側において、第2プラネタリギヤ4の後端部に
一部オーバラップするか、又はそのピストン部材92先
端部が略々整列するように配置されている。そして、前
記第2ブレーキB2の外及び内ブレーキプレート(ディ
スク)87、89は、その外径部分に所定間隔毎に切欠
かれており、該切欠き部93に、前記ピストン部材92
の先端部に設けられた支持プレート95とケース等の固
定部材との間に縮設されたリターンスプリング96が配
置されている。
キ用の油圧アクチュエータ90が配設されている。該ア
クチュエータ90は、ケース9の内周面に固定・配置さ
れているシリンダ部材91及びそれに油蜜状に嵌合して
いるピストン部材92を有しており、該ピストン部材
は、他のもの69、83がブレーキに向けて延びかつク
シ歯の間にリターンスプリング73、85を配置する延
出部を有するのに対し、該延出部を有さない短い構造か
らなる。該油圧アクチュエータ90は、第2ブレーキB
2の外径側において、第2プラネタリギヤ4の後端部に
一部オーバラップするか、又はそのピストン部材92先
端部が略々整列するように配置されている。そして、前
記第2ブレーキB2の外及び内ブレーキプレート(ディ
スク)87、89は、その外径部分に所定間隔毎に切欠
かれており、該切欠き部93に、前記ピストン部材92
の先端部に設けられた支持プレート95とケース等の固
定部材との間に縮設されたリターンスプリング96が配
置されている。
【0055】前記第2ブレーキB2用油圧アクチュエー
タ90の後方側、即ち第2プラネタリギヤ4と第3プラ
ネタリギヤ5との間部分には、第3ワンウェイクラッチ
F3が配設されている。第2プラネタリギヤ3の後キャ
リヤプレート97と、第3プラネタリギヤ5のリングギ
ヤR3とは連結部材99を介して連結されている。上記
ワンウェイクラッチF3は、固定側となるアウタレース
100と可動側となるインナレース101とを有してお
り、アウタレース100の外周面がケース9にスプライ
ン係合されていると共に、インナレース101の内周面
が上記連結部材99のボス部99aにスプライン係合し
ている。
タ90の後方側、即ち第2プラネタリギヤ4と第3プラ
ネタリギヤ5との間部分には、第3ワンウェイクラッチ
F3が配設されている。第2プラネタリギヤ3の後キャ
リヤプレート97と、第3プラネタリギヤ5のリングギ
ヤR3とは連結部材99を介して連結されている。上記
ワンウェイクラッチF3は、固定側となるアウタレース
100と可動側となるインナレース101とを有してお
り、アウタレース100の外周面がケース9にスプライ
ン係合されていると共に、インナレース101の内周面
が上記連結部材99のボス部99aにスプライン係合し
ている。
【0056】上記アウタレース100は、ローラ又はス
プラグ等の係合部材102部分が該係合部分の幅に合せ
て幅広になっていると共に、外径方向に向ってその前後
両方から漸減するように幅狭となっており、かつ外径端
にあっては後方側のみ鍔状に延出している。これによ
り、該アウタレース100は、比較的軸方向に長い係合
部材102に合せた接合面を有すると共に、ケース9と
の係合部分も上記鍔状の延出部により所定軸方向長さを
確保して、所定トルク容量を備えるものでありながら、
その前方側が凹んで凹部100aとなっており、該凹部
に、前記第2ブレーキ用油圧アクチュエータ90の後方
部分が収納されて、該油圧アクチュエータ90を含む第
2ブレーキ装置の第2プラネタリギヤ4の外径側配置
(少なくとも一部が軸方向にオーバラップする)を可能
として、自動変速機の軸方向の短縮化に寄与している。
即ち、上記油圧アクチュエータ90は、第2プラネタリ
ギヤ4及び第3ワンウェイクラッチF3の間部分に配置
されて、コンパクトな構成となっている。
プラグ等の係合部材102部分が該係合部分の幅に合せ
て幅広になっていると共に、外径方向に向ってその前後
両方から漸減するように幅狭となっており、かつ外径端
にあっては後方側のみ鍔状に延出している。これによ
り、該アウタレース100は、比較的軸方向に長い係合
部材102に合せた接合面を有すると共に、ケース9と
の係合部分も上記鍔状の延出部により所定軸方向長さを
確保して、所定トルク容量を備えるものでありながら、
その前方側が凹んで凹部100aとなっており、該凹部
に、前記第2ブレーキ用油圧アクチュエータ90の後方
部分が収納されて、該油圧アクチュエータ90を含む第
2ブレーキ装置の第2プラネタリギヤ4の外径側配置
(少なくとも一部が軸方向にオーバラップする)を可能
として、自動変速機の軸方向の短縮化に寄与している。
即ち、上記油圧アクチュエータ90は、第2プラネタリ
ギヤ4及び第3ワンウェイクラッチF3の間部分に配置
されて、コンパクトな構成となっている。
【0057】前記インナレース101は、係合部材10
2部分が該係合部材に合せて幅広になっており、かつそ
の内径側に向けて漸減するように幅狭になって、上述と
同様に、接合面積に起因するトルク容量を確保すると共
に、連結部材99と該キャリヤプレート97とのスプラ
イン連結スペースを確保している。
2部分が該係合部材に合せて幅広になっており、かつそ
の内径側に向けて漸減するように幅狭になって、上述と
同様に、接合面積に起因するトルク容量を確保すると共
に、連結部材99と該キャリヤプレート97とのスプラ
イン連結スペースを確保している。
【0058】前記第3ワンウェイクラッチF3の後方側
には第3プラネタリギヤ5が配設されている。該第3プ
ラネタリギヤはシンプルプラネタリギヤからなり、リン
グギヤR3が前記連結部材99のフランジ99b外周面
に係合して前記キャリヤCR2と連結している。一方、
サンギヤS3は、前記中間軸42の後方端部にあって該
軸に一体形成されており、またピニオンP3を支持する
キャリヤCR3は出力軸105に一体に形成されてい
る。中間軸42は前記サンギヤS3部分を最も大径とし
て、前方に向かって順次小径となる段付き構造からな
る。出力軸105は上記キャリヤCR3が鍔状に拡がっ
て形成されており、前記中間軸42の後端突出部42a
と出力軸105の前端中空部105aとが嵌合して回転
自在にかつ軸方向移動不能に支持されている。なお、中
間軸42は、その前端部を入力軸12に嵌合して回転自
在に支持されて、その両端部をそれぞれ入力軸12及び
出力軸105を介してケースに間接支持されている。ま
た、出力軸105は、その前端部がケース9の後側9e
の鍔部9fにベアリングを介して直接支持されると共
に、その後部分が図示しないエクステンションケース
(ミッションケース9の後端部に固定;図示せず)にベ
アリングを介して直接支持されている。
には第3プラネタリギヤ5が配設されている。該第3プ
ラネタリギヤはシンプルプラネタリギヤからなり、リン
グギヤR3が前記連結部材99のフランジ99b外周面
に係合して前記キャリヤCR2と連結している。一方、
サンギヤS3は、前記中間軸42の後方端部にあって該
軸に一体形成されており、またピニオンP3を支持する
キャリヤCR3は出力軸105に一体に形成されてい
る。中間軸42は前記サンギヤS3部分を最も大径とし
て、前方に向かって順次小径となる段付き構造からな
る。出力軸105は上記キャリヤCR3が鍔状に拡がっ
て形成されており、前記中間軸42の後端突出部42a
と出力軸105の前端中空部105aとが嵌合して回転
自在にかつ軸方向移動不能に支持されている。なお、中
間軸42は、その前端部を入力軸12に嵌合して回転自
在に支持されて、その両端部をそれぞれ入力軸12及び
出力軸105を介してケースに間接支持されている。ま
た、出力軸105は、その前端部がケース9の後側9e
の鍔部9fにベアリングを介して直接支持されると共
に、その後部分が図示しないエクステンションケース
(ミッションケース9の後端部に固定;図示せず)にベ
アリングを介して直接支持されている。
【0059】前記第3ワンウェイクラッチF3の後方側
に第4ブレーキ(第3のブレーキ)B4が配設されてい
る。該第4ブレーキは多板ブレーキからなり、多数板の
外ブレーキプレート106が前記アウタレース100と
共にケース内周面のスプライン9dに係合していると共
に、スナップリングにより軸方向移動が規制されて支持
されており、また内ブレーキディスク107がリングギ
ヤR3の外周面に形成されたスプラインに係合してい
る。該第4ブレーキB4は、第3プラネタリギヤ5の外
径側において、該プラネタリギヤ5に軸方向に略々オー
バラップして(少なくとも一部がオーバラップして)配
置されている。
に第4ブレーキ(第3のブレーキ)B4が配設されてい
る。該第4ブレーキは多板ブレーキからなり、多数板の
外ブレーキプレート106が前記アウタレース100と
共にケース内周面のスプライン9dに係合していると共
に、スナップリングにより軸方向移動が規制されて支持
されており、また内ブレーキディスク107がリングギ
ヤR3の外周面に形成されたスプラインに係合してい
る。該第4ブレーキB4は、第3プラネタリギヤ5の外
径側において、該プラネタリギヤ5に軸方向に略々オー
バラップして(少なくとも一部がオーバラップして)配
置されている。
【0060】上記第4ブレーキB4及び第3プラネタリ
ギヤ5の後方側に上記ブレーキB4用の油圧アクチュエ
ータ109が配設されている。該油圧アクチュエータは
ケース9の後端部内周面、後側面9e及び鍔部9fをシ
リンダとしたダブルピストンタイプからなり、第1ピス
トン部材110、中間支持部材111及び第2ピストン
部材112を有する。第1ピストン部材110は、上記
シリンダに油密状に嵌合していると共に、その外径側に
て前方に突出する延出部110a及びその内径側にて後
方に突出するハブ部110bを有しており、延出部11
0aがケーススプライン9dに係合しつつ上記第4ブレ
ーキB4に対向している。
ギヤ5の後方側に上記ブレーキB4用の油圧アクチュエ
ータ109が配設されている。該油圧アクチュエータは
ケース9の後端部内周面、後側面9e及び鍔部9fをシ
リンダとしたダブルピストンタイプからなり、第1ピス
トン部材110、中間支持部材111及び第2ピストン
部材112を有する。第1ピストン部材110は、上記
シリンダに油密状に嵌合していると共に、その外径側に
て前方に突出する延出部110a及びその内径側にて後
方に突出するハブ部110bを有しており、延出部11
0aがケーススプライン9dに係合しつつ上記第4ブレ
ーキB4に対向している。
【0061】中間支持部材111は、その内径側を上記
ハブ部110bに嵌合してシリンダに油密状に嵌合して
いると共に、その外径側延出部がケースの後側面9eに
当接している。第2ピストン112は、その外径側を該
支持部材延出部の内周面に接してシリンダに油密状に嵌
合しており、かつその内径部分にて前記第1ピストン1
10のハブ部110bに当接している。なお、第1ピス
トン110とケース鍔部9eに設けられた支持プレート
との間にリターンスプリング113が縮設されている。
ハブ部110bに嵌合してシリンダに油密状に嵌合して
いると共に、その外径側延出部がケースの後側面9eに
当接している。第2ピストン112は、その外径側を該
支持部材延出部の内周面に接してシリンダに油密状に嵌
合しており、かつその内径部分にて前記第1ピストン1
10のハブ部110bに当接している。なお、第1ピス
トン110とケース鍔部9eに設けられた支持プレート
との間にリターンスプリング113が縮設されている。
【0062】従って、上記第4ブレーキB4用油圧アク
チュエータ109は、ケース後端面を利用した大きい受
圧面積からなると共に、第1及び第2のピストン部材1
10、112からなるダブルピストンに基づき更に大き
な受圧面積が得られ、上記ブレーキB4の設定トルク容
量に対応する大きな押圧力が得られる。なお、上記キャ
リヤCR3の外径側にパーキングギヤ115が一体に設
けられており、該パーキングギヤを、ケース9に貫通し
て設けられたパーキングポール116により係止するこ
とにより出力軸105が固定される。また、上記油圧ア
クチュエータ109の第1ピストン110は、上記パー
キングギヤ115を被嵌すると共に、上記パーキングポ
ール116部のみを切欠いており、また第3プラネタリ
ギヤ5の外径側において、僅かに軸方向にオーバラップ
して後方側に配置されている。
チュエータ109は、ケース後端面を利用した大きい受
圧面積からなると共に、第1及び第2のピストン部材1
10、112からなるダブルピストンに基づき更に大き
な受圧面積が得られ、上記ブレーキB4の設定トルク容
量に対応する大きな押圧力が得られる。なお、上記キャ
リヤCR3の外径側にパーキングギヤ115が一体に設
けられており、該パーキングギヤを、ケース9に貫通し
て設けられたパーキングポール116により係止するこ
とにより出力軸105が固定される。また、上記油圧ア
クチュエータ109の第1ピストン110は、上記パー
キングギヤ115を被嵌すると共に、上記パーキングポ
ール116部のみを切欠いており、また第3プラネタリ
ギヤ5の外径側において、僅かに軸方向にオーバラップ
して後方側に配置されている。
【0063】ついで、図5の上記自動変速機構のスケル
トン図、図6の作動表及び図7の速度線図に沿って、上
述した自動変速機構6の作用について説明する。
トン図、図6の作動表及び図7の速度線図に沿って、上
述した自動変速機構6の作用について説明する。
【0064】該自動変速機構6は、第1プラネタリギヤ
3からなるフロントギヤユニット130と、第2プラネ
タリギヤ4及び第3プラネタリギヤ5からなるリヤギヤ
ユニット131とにその機能上分かれており、かつリヤ
ギヤユニット131は、中間軸42を介して連結されて
いる両サンギヤS2、S3からなる第3回転要素137
と、連結部材99を介して連結されているキャリヤCR
2及びリングギヤR3からなる第2回転要素136と、
互に連結されているリングギヤR1及びR2からなる第
1回転要素135と、出力軸105に連結されているキ
ャリヤCR3からなる(出力用)回転要素138の、合
計4個の回転要素から構成される。
3からなるフロントギヤユニット130と、第2プラネ
タリギヤ4及び第3プラネタリギヤ5からなるリヤギヤ
ユニット131とにその機能上分かれており、かつリヤ
ギヤユニット131は、中間軸42を介して連結されて
いる両サンギヤS2、S3からなる第3回転要素137
と、連結部材99を介して連結されているキャリヤCR
2及びリングギヤR3からなる第2回転要素136と、
互に連結されているリングギヤR1及びR2からなる第
1回転要素135と、出力軸105に連結されているキ
ャリヤCR3からなる(出力用)回転要素138の、合
計4個の回転要素から構成される。
【0065】1速では、図6に示すように、第1クラッ
チC1が係合し、第3ワンウェイクラッチF3が作動
し、入力軸12とサンギヤS2、S3(第3回転要素1
37)が連結されると共に、キャリヤCR2及びリング
ギヤR3(第2回転要素)の逆転がワンウェイクラッチ
F3により阻止されて、入力軸12の回転(RIN)
は、クラッチC1を介して直接第3プラネタリギヤ5の
サンギヤS3に入力される。すると、第3ワンウェイク
ラッチF3の作動に基づき停止状態にあるリングギヤR
3により、図6の速度線図において、線図L1に示す状
態となり、出力軸105が接続されたキャリヤCR3か
らは、正回転の1速1STが取り出される。なお、第2
プラネタリギヤは、サンギヤS2が回転するが、空転状
態となっている。
チC1が係合し、第3ワンウェイクラッチF3が作動
し、入力軸12とサンギヤS2、S3(第3回転要素1
37)が連結されると共に、キャリヤCR2及びリング
ギヤR3(第2回転要素)の逆転がワンウェイクラッチ
F3により阻止されて、入力軸12の回転(RIN)
は、クラッチC1を介して直接第3プラネタリギヤ5の
サンギヤS3に入力される。すると、第3ワンウェイク
ラッチF3の作動に基づき停止状態にあるリングギヤR
3により、図6の速度線図において、線図L1に示す状
態となり、出力軸105が接続されたキャリヤCR3か
らは、正回転の1速1STが取り出される。なお、第2
プラネタリギヤは、サンギヤS2が回転するが、空転状
態となっている。
【0066】この際、1速状態及び発進時に基づく大き
なトルクが作用し、該トルクを第3ワンウェイクラッチ
F3にて担持することになるが、該第3ワンウェイクラ
ッチF3は、第2及び第3プラネタリギヤ4、5の間部
分にて軸方向に比較的長い空間に配置され、特にその係
止部材(ローラ又はスプラグ)102及びそれに接する
アウタレース100及びインナレース101部分の面積
も広くなっており、上記大きなトルクを確実に担持し得
る。
なトルクが作用し、該トルクを第3ワンウェイクラッチ
F3にて担持することになるが、該第3ワンウェイクラ
ッチF3は、第2及び第3プラネタリギヤ4、5の間部
分にて軸方向に比較的長い空間に配置され、特にその係
止部材(ローラ又はスプラグ)102及びそれに接する
アウタレース100及びインナレース101部分の面積
も広くなっており、上記大きなトルクを確実に担持し得
る。
【0067】2速では、図6に示すように、1速時の第
1クラッチC1の係合に加えて、第3ブレーキB3が係
合すると共に、第3ワンウェイクラッチF3の作動が解
除され、第1及び第2ワンウェイクラッチF1、F2が
作動する。この状態では、第1プラネタリギヤ3は、ロ
ック状態の第1ワンウェイクラッチF1により停止状態
のキャリヤCR1、及び第3ブレーキB3の係止により
ロック状態の第2ワンウェイクラッチF2により停止状
態のサンギヤS1に基づき、停止状態にあり、従ってそ
のリングギヤR1に連結している第2プラネタリギヤ4
のリングギヤR2も停止状態にある。
1クラッチC1の係合に加えて、第3ブレーキB3が係
合すると共に、第3ワンウェイクラッチF3の作動が解
除され、第1及び第2ワンウェイクラッチF1、F2が
作動する。この状態では、第1プラネタリギヤ3は、ロ
ック状態の第1ワンウェイクラッチF1により停止状態
のキャリヤCR1、及び第3ブレーキB3の係止により
ロック状態の第2ワンウェイクラッチF2により停止状
態のサンギヤS1に基づき、停止状態にあり、従ってそ
のリングギヤR1に連結している第2プラネタリギヤ4
のリングギヤR2も停止状態にある。
【0068】そして、入力軸12の回転は、第1クラッ
チC1を介してサンギヤS2から第2プラネタリギヤ4
に入力されると共に、サンギヤS3を介して第3プラネ
タリギヤ5に入力される。第2プラネタリギヤ4は、前
述したようにリングギヤR2の回転が阻止され(速度=
0)、図7の速度線図において、線図L2に示す状態と
なり、出力軸105が接続されたキャリヤCR3から、
正回転の2速回転(2ND)が取り出される。
チC1を介してサンギヤS2から第2プラネタリギヤ4
に入力されると共に、サンギヤS3を介して第3プラネ
タリギヤ5に入力される。第2プラネタリギヤ4は、前
述したようにリングギヤR2の回転が阻止され(速度=
0)、図7の速度線図において、線図L2に示す状態と
なり、出力軸105が接続されたキャリヤCR3から、
正回転の2速回転(2ND)が取り出される。
【0069】この際の、リングギヤR2の回転トルク
は、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイク
ラッチF2を介して第3ブレーキB3により分担されて
担持され、第1ワンウェイクラッチF1のトルク担持能
力を利用する形でその分第2ワンウェイクラッチF2及
び第3ブレーキB3のトルク負担能力を小さなものとす
ることができ、第2ワンウェイクラッチF2及び第3ブ
レーキB3の小容量化及び小型化が図れる。これによ
り、第3ブレーキB3及びその油圧アクチュエータ6
6、並びに第1及び第2ワンウェイクラッチF1、F2
を、第1プラネタリギヤ3の前方部分にまとめてコンパ
クトに配置することが可能となる。
は、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイク
ラッチF2を介して第3ブレーキB3により分担されて
担持され、第1ワンウェイクラッチF1のトルク担持能
力を利用する形でその分第2ワンウェイクラッチF2及
び第3ブレーキB3のトルク負担能力を小さなものとす
ることができ、第2ワンウェイクラッチF2及び第3ブ
レーキB3の小容量化及び小型化が図れる。これによ
り、第3ブレーキB3及びその油圧アクチュエータ6
6、並びに第1及び第2ワンウェイクラッチF1、F2
を、第1プラネタリギヤ3の前方部分にまとめてコンパ
クトに配置することが可能となる。
【0070】3速では、図6に示すように、1、2速時
の第1クラッチC1の係合に加えて、第3クラッチC3
が係合されると共に、第2ワンウェイクラッチF2の作
動が解除され、第1ワンウェイクラッチF1の作動が維
持される。この状態では、入力軸12の回転は、それま
での第1クラッチC1を介したリヤギヤユニット131
への入力に加えて、第3クラッチC3を介してフロント
ギヤユニット130のサンギヤS1にも入力され、かつ
キャリヤCR1が第1ワンウェイクラッチF1により係
止される。
の第1クラッチC1の係合に加えて、第3クラッチC3
が係合されると共に、第2ワンウェイクラッチF2の作
動が解除され、第1ワンウェイクラッチF1の作動が維
持される。この状態では、入力軸12の回転は、それま
での第1クラッチC1を介したリヤギヤユニット131
への入力に加えて、第3クラッチC3を介してフロント
ギヤユニット130のサンギヤS1にも入力され、かつ
キャリヤCR1が第1ワンウェイクラッチF1により係
止される。
【0071】すると、第1プラネタリギヤ3は、サンギ
ヤS1に入力軸2の回転が入力され、キャリヤCR1が
係止されることから、図7の速度線図において、線図L
3に示す状態となり、フロントギヤユニット130の出
力要素としてのリングギヤR1から、正回転RV1がリ
ヤギヤユニット131の入力要素としての第2プラネタ
リギヤ4のリングギヤR2に出力される。一方、リヤギ
ヤユニット131には、サンギヤS2、S3に入力軸2
の回転RINが入力されているので、上記リングギヤR
2へ入力される回転RV1は、図7の線図L4に示すよ
うに、合成され、出力軸105に連結されるキャリヤC
R3からは、3速回転(3RD)が取り出される。な
お、第3ブレーキB3は、係合状態となっているが、第
2ワンウェイクラッチF2が空転状態なので、該ブレー
キB3は変速に何ら関与しない。
ヤS1に入力軸2の回転が入力され、キャリヤCR1が
係止されることから、図7の速度線図において、線図L
3に示す状態となり、フロントギヤユニット130の出
力要素としてのリングギヤR1から、正回転RV1がリ
ヤギヤユニット131の入力要素としての第2プラネタ
リギヤ4のリングギヤR2に出力される。一方、リヤギ
ヤユニット131には、サンギヤS2、S3に入力軸2
の回転RINが入力されているので、上記リングギヤR
2へ入力される回転RV1は、図7の線図L4に示すよ
うに、合成され、出力軸105に連結されるキャリヤC
R3からは、3速回転(3RD)が取り出される。な
お、第3ブレーキB3は、係合状態となっているが、第
2ワンウェイクラッチF2が空転状態なので、該ブレー
キB3は変速に何ら関与しない。
【0072】この際、第1ワンウェイクラッチF1が、
第1プラネタリギヤ1へ伝達されるトルクの反力を担持
するが、3速状態にあっては、該フロントギヤユニット
130である第1プラネタリギヤ3を経由するトルク
と、リヤギヤユニット131に第1クラッチC1を介し
て直接伝達されるトルクとが合成されるため、上記第1
ワンウェイクラッチF1が担持する反力トルクは、伝達
トルク全体の一部で足りる。従って、該第1ワンウェイ
クラッチF1は、トルク容量が小さい小型のもので足
り、第1プラネタリギヤ3前方の比較的狭いスペース
に、他の係止手段B3、F2と共にまとめて配置するこ
とが可能となる。
第1プラネタリギヤ1へ伝達されるトルクの反力を担持
するが、3速状態にあっては、該フロントギヤユニット
130である第1プラネタリギヤ3を経由するトルク
と、リヤギヤユニット131に第1クラッチC1を介し
て直接伝達されるトルクとが合成されるため、上記第1
ワンウェイクラッチF1が担持する反力トルクは、伝達
トルク全体の一部で足りる。従って、該第1ワンウェイ
クラッチF1は、トルク容量が小さい小型のもので足
り、第1プラネタリギヤ3前方の比較的狭いスペース
に、他の係止手段B3、F2と共にまとめて配置するこ
とが可能となる。
【0073】4速では、図6に示すように、1、2、3
速時の第1クラッチC1の係合に加えて、第2クラッチ
C2が係合されると共に、第1ワンウェイクラッチF1
の作動が解除される。この状態では、入力軸12の回転
は、それまでの第1クラッチC1を介したリヤギヤユニ
ット131のサンギヤS2、S3への入力に加えて、第
2クラッチC2を介してキャリヤCR2及びリングギヤ
R3にも入力され、該リヤギヤユニット131、即ち第
2及び第3プラネタリギヤ4、5全体が直結回転とな
り、図7の線図L5に示す状態となり、出力軸105に
連結されるキャリヤCR3から、4速回転(4TH)が
取り出される。
速時の第1クラッチC1の係合に加えて、第2クラッチ
C2が係合されると共に、第1ワンウェイクラッチF1
の作動が解除される。この状態では、入力軸12の回転
は、それまでの第1クラッチC1を介したリヤギヤユニ
ット131のサンギヤS2、S3への入力に加えて、第
2クラッチC2を介してキャリヤCR2及びリングギヤ
R3にも入力され、該リヤギヤユニット131、即ち第
2及び第3プラネタリギヤ4、5全体が直結回転とな
り、図7の線図L5に示す状態となり、出力軸105に
連結されるキャリヤCR3から、4速回転(4TH)が
取り出される。
【0074】この際、第3クラッチC3及び第3ブレー
キB3は、図6に示すように、係合状態となっている
が、第1プラネタリギヤ3は、サンギヤS1に第2クラ
ッチC2を介して入力軸12の回転が伝達される一方
で、第2プラネタリギヤ4が、入力軸12と直結状態で
正回転することから、そのリングギヤR2に連結された
リングギヤR1にも入力軸12の回転が入力され、図7
の線図L6の状態となり、フロントギヤユニット130
を構成する第1プラネタリギヤ3は全体が直結状態で空
転する。また、該4速状態は、フロントギヤユニット1
30及びリヤギヤユニット131は、共に直結状態であ
って、ブレーキ及びワンウェイクラッチの係止手段はな
にも作動せず、反力を担持することはない。
キB3は、図6に示すように、係合状態となっている
が、第1プラネタリギヤ3は、サンギヤS1に第2クラ
ッチC2を介して入力軸12の回転が伝達される一方
で、第2プラネタリギヤ4が、入力軸12と直結状態で
正回転することから、そのリングギヤR2に連結された
リングギヤR1にも入力軸12の回転が入力され、図7
の線図L6の状態となり、フロントギヤユニット130
を構成する第1プラネタリギヤ3は全体が直結状態で空
転する。また、該4速状態は、フロントギヤユニット1
30及びリヤギヤユニット131は、共に直結状態であ
って、ブレーキ及びワンウェイクラッチの係止手段はな
にも作動せず、反力を担持することはない。
【0075】5速では、図6に示すように、第1クラッ
チC1の係合が解除されると共に、第2及び第3クラッ
チC2、C3がそのまま係合状態を維持され、かつ第1
ブレーキB1が係合される。この状態では、入力軸12
の回転は、第2クラッチC2を介してリヤギヤユニット
131である第2プラネタリギヤ4のキャリヤCR2及
び第3プラネタリギヤ5のリングギヤR3に入力される
と共に、第3クラッチC3を介してフロントギヤユニッ
ト130である第1プラネタリギヤ3のサンギヤS1に
入力される。すると、キャリヤCR1が第1ブレーキB
1により係止されているので、フロントギヤユニット1
30は、図7線の図L3で示す状態となり、リングギヤ
R1からは、減速された正回転RV1がリヤギヤユニッ
ト131のリングギヤR2に出力される。一方、前述し
たように、該リヤギヤユニット131のキャリヤCR2
及びリングギヤR3には、入力軸12の回転が入力され
るので、速度線図は、図7の線図L7となり、キャリヤ
CR3から出力軸3へ、5速回転(5TH)が取り出さ
れる。この際、第3ブレーキB3は、図6に示すよう
に、係合状態となっているが、第2ワンウェイクラッチ
F2が空転状態となっているので、該ブレーキB3は何
ら変速に関与しない。
チC1の係合が解除されると共に、第2及び第3クラッ
チC2、C3がそのまま係合状態を維持され、かつ第1
ブレーキB1が係合される。この状態では、入力軸12
の回転は、第2クラッチC2を介してリヤギヤユニット
131である第2プラネタリギヤ4のキャリヤCR2及
び第3プラネタリギヤ5のリングギヤR3に入力される
と共に、第3クラッチC3を介してフロントギヤユニッ
ト130である第1プラネタリギヤ3のサンギヤS1に
入力される。すると、キャリヤCR1が第1ブレーキB
1により係止されているので、フロントギヤユニット1
30は、図7線の図L3で示す状態となり、リングギヤ
R1からは、減速された正回転RV1がリヤギヤユニッ
ト131のリングギヤR2に出力される。一方、前述し
たように、該リヤギヤユニット131のキャリヤCR2
及びリングギヤR3には、入力軸12の回転が入力され
るので、速度線図は、図7の線図L7となり、キャリヤ
CR3から出力軸3へ、5速回転(5TH)が取り出さ
れる。この際、第3ブレーキB3は、図6に示すよう
に、係合状態となっているが、第2ワンウェイクラッチ
F2が空転状態となっているので、該ブレーキB3は何
ら変速に関与しない。
【0076】また、該5速状態にあっては、第1ブレー
キB1が上記伝達トルクの反力を担持するが、高速状態
である5速にあっては、そのトルク容量は小さくて足
り、更に、第2クラッチC2を経由する経路と、第3ク
ラッチC3を経由する経路からのトルクが、リヤギヤユ
ニット131で合成されて出力軸105に伝達されるの
で、キャリヤCR1及びリングギヤR1を係止する上記
第1ブレーキB1のトルク容量は、伝達トルク全体の一
部で足り、更にそのトルク容量は小さなもので足りる。
従って、該第1ブレーキB1は、第1プラネタリギヤ3
の外径側にて軸方向に比較的短い長さに設置でき、かつ
その油圧アクチュエータ81も、隣接する第1及び第2
プラネタリギヤ3、4に股がる外径側における、軸方向
に比較的短い小さなスペースに設置することができ、上
記第3ブレーキB3及びその油圧アクチュエータ81
を、第1プラネタリギヤ3の外径側における比較的小さ
なスペースに設置することが可能となる。
キB1が上記伝達トルクの反力を担持するが、高速状態
である5速にあっては、そのトルク容量は小さくて足
り、更に、第2クラッチC2を経由する経路と、第3ク
ラッチC3を経由する経路からのトルクが、リヤギヤユ
ニット131で合成されて出力軸105に伝達されるの
で、キャリヤCR1及びリングギヤR1を係止する上記
第1ブレーキB1のトルク容量は、伝達トルク全体の一
部で足り、更にそのトルク容量は小さなもので足りる。
従って、該第1ブレーキB1は、第1プラネタリギヤ3
の外径側にて軸方向に比較的短い長さに設置でき、かつ
その油圧アクチュエータ81も、隣接する第1及び第2
プラネタリギヤ3、4に股がる外径側における、軸方向
に比較的短い小さなスペースに設置することができ、上
記第3ブレーキB3及びその油圧アクチュエータ81
を、第1プラネタリギヤ3の外径側における比較的小さ
なスペースに設置することが可能となる。
【0077】後進では、図6に示すように、第3クラッ
チC3が係合されると共に、第4ブレーキB4及び第1
ワンウェイクラッチF1が係止される。この状態では、
入力軸12の回転は、第3クラッチC3を介してフロン
トギヤユニット130のサンギヤS1に入力され、キャ
リヤCR1が第1ワンウェイクラッチF1により係止さ
れることから、速度線図は、図7の線図L3に示す状態
となり、リングギヤR1からは、正回転の出力回転RV
1がリヤギヤユニット131のリングギヤR2に出力さ
れる。該リヤギヤユニット131は、リングギヤR3及
びキャリヤCR2が第4ブレーキB4により係止される
ので、図7の線図L10で示す状態となり、キャリヤC
R3から出力軸3へ、後進回転(REV)が取り出され
る。
チC3が係合されると共に、第4ブレーキB4及び第1
ワンウェイクラッチF1が係止される。この状態では、
入力軸12の回転は、第3クラッチC3を介してフロン
トギヤユニット130のサンギヤS1に入力され、キャ
リヤCR1が第1ワンウェイクラッチF1により係止さ
れることから、速度線図は、図7の線図L3に示す状態
となり、リングギヤR1からは、正回転の出力回転RV
1がリヤギヤユニット131のリングギヤR2に出力さ
れる。該リヤギヤユニット131は、リングギヤR3及
びキャリヤCR2が第4ブレーキB4により係止される
ので、図7の線図L10で示す状態となり、キャリヤC
R3から出力軸3へ、後進回転(REV)が取り出され
る。
【0078】この際、該後進状態は、減速された大きな
トルクが上記リングギヤR3及びキャリヤCR2を係止
する第4ブレーキB4に作用するが、該第4ブレーキB
4は、第3プラネタリギヤ5の外径側にて該ギヤに略々
オーバラップする比較的軸方向に長いものからなり、か
つその油圧アクチュエータ109は、ケース9の後端面
9eに配置された比較的広い受圧面積からなると共にダ
ブルピストン構造からなり、大きな押圧力を作用するこ
とができ、上記大きな反力に対応する要求トルクを確実
に担持することが可能となる。
トルクが上記リングギヤR3及びキャリヤCR2を係止
する第4ブレーキB4に作用するが、該第4ブレーキB
4は、第3プラネタリギヤ5の外径側にて該ギヤに略々
オーバラップする比較的軸方向に長いものからなり、か
つその油圧アクチュエータ109は、ケース9の後端面
9eに配置された比較的広い受圧面積からなると共にダ
ブルピストン構造からなり、大きな押圧力を作用するこ
とができ、上記大きな反力に対応する要求トルクを確実
に担持することが可能となる。
【0079】また、エンジンブレーキ(コースト)時に
は、図6に示すように、通常の作動に加えて、3速及び
後進時には、第1ブレーキB1が係合され、第1ワンウ
ェイクラッチF1の空転に対してキャリヤCR1を確実
に係止し、2速時には第2ブレーキB2が係合され、リ
ングギヤR2を確実に係止し、更に1速時には、第1ブ
レーキB4が係合されて、リングギヤR3が確実に係止
される。
は、図6に示すように、通常の作動に加えて、3速及び
後進時には、第1ブレーキB1が係合され、第1ワンウ
ェイクラッチF1の空転に対してキャリヤCR1を確実
に係止し、2速時には第2ブレーキB2が係合され、リ
ングギヤR2を確実に係止し、更に1速時には、第1ブ
レーキB4が係合されて、リングギヤR3が確実に係止
される。
【0080】更に、2速のエンジンブレーキ時に、本来
のエンジンブレーキ用の第2ブレーキB2に加えて第1
ブレーキB1を作動させて、リングギヤR2の係止を、
直接作動する第2ブレーキB2及びキャリヤCR1を介
して作動する第1ブレーキB1により共に行わせ、第2
ブレーキB2のトルク容量を小さくしてその分該ブレー
キB2を小型化することも可能である。第2ブレーキB
2は、上記2速時のエンジンブレーキ用であって、その
トルク容量は小さくて足り、第2プラネタリギヤ4の外
径部分の比較的小さな設置スペースで足りるが、更に上
述したように、該2速エンジンブレーキ時に、第1ブレ
ーキB1を共働作動すると、更に第2ブレーキB2のト
ルク容量が小さくて足り、その油圧アクチュエータ90
も含めて小さな設置スペースに配置したものでありなが
ら、確実で信頼性の高いブレーキ作動を行うことができ
る。
のエンジンブレーキ用の第2ブレーキB2に加えて第1
ブレーキB1を作動させて、リングギヤR2の係止を、
直接作動する第2ブレーキB2及びキャリヤCR1を介
して作動する第1ブレーキB1により共に行わせ、第2
ブレーキB2のトルク容量を小さくしてその分該ブレー
キB2を小型化することも可能である。第2ブレーキB
2は、上記2速時のエンジンブレーキ用であって、その
トルク容量は小さくて足り、第2プラネタリギヤ4の外
径部分の比較的小さな設置スペースで足りるが、更に上
述したように、該2速エンジンブレーキ時に、第1ブレ
ーキB1を共働作動すると、更に第2ブレーキB2のト
ルク容量が小さくて足り、その油圧アクチュエータ90
も含めて小さな設置スペースに配置したものでありなが
ら、確実で信頼性の高いブレーキ作動を行うことができ
る。
【0081】更に、上述したように、第2プラネタリギ
ヤ4に入力軸からのトルクが入力する場合、2速時にサ
ンギヤS2、S3から、3速時にサンギヤS1、S2、
S3から、4速時にサンギヤS2、S3から、そして5
速時に、サンギヤS1、S2及びリングギヤR3から、
それぞれ入力トルクがフロントギヤ部130及びリヤギ
ヤ部131に入力される。従って、入力トルクが第2プ
ラネタリギヤ4のみに入力されることはなく、該第2プ
ラネタリギヤ4は、最適なギヤ比を得るために小型化さ
れると共に、上記分散入力に基づく強度上からも小型化
が可能となり、該小径のプラネタリギヤ4の外径側に、
油圧アクチュエータ81を配置して、第1ブレーキB1
の必要トルクを担持し得るトルク容量を有するものであ
りながら、軸方向及び径方向のコンパクト化を可能とす
る。
ヤ4に入力軸からのトルクが入力する場合、2速時にサ
ンギヤS2、S3から、3速時にサンギヤS1、S2、
S3から、4速時にサンギヤS2、S3から、そして5
速時に、サンギヤS1、S2及びリングギヤR3から、
それぞれ入力トルクがフロントギヤ部130及びリヤギ
ヤ部131に入力される。従って、入力トルクが第2プ
ラネタリギヤ4のみに入力されることはなく、該第2プ
ラネタリギヤ4は、最適なギヤ比を得るために小型化さ
れると共に、上記分散入力に基づく強度上からも小型化
が可能となり、該小径のプラネタリギヤ4の外径側に、
油圧アクチュエータ81を配置して、第1ブレーキB1
の必要トルクを担持し得るトルク容量を有するものであ
りながら、軸方向及び径方向のコンパクト化を可能とす
る。
【0082】なお、上記実施の形態は、上述自動変速機
構6に沿って説明したが、自動変速機構はこれに限ら
ず、3個のプラネタリギヤ(シンプルでもデュアルでも
可)を有し、かつ少なくとも3個のブレーキ及び1個の
ワンウェイクラッチを有するものならば、本発明の適用
が可能である。
構6に沿って説明したが、自動変速機構はこれに限ら
ず、3個のプラネタリギヤ(シンプルでもデュアルでも
可)を有し、かつ少なくとも3個のブレーキ及び1個の
ワンウェイクラッチを有するものならば、本発明の適用
が可能である。
【0083】ついで、図8ないし図12に沿って、本発
明の要部である潤滑補助装置について説明する。本発明
に係るミッションケース9は、中心軸(入力軸12及び
中間軸42)を含む水平平面より上方部分にリブ状突部
を有するが、図1ないし4において、該突部を示してい
ないのは、該突部を含む断面でない部分で断面したか、
又は該突部を作図上省略したためである。
明の要部である潤滑補助装置について説明する。本発明
に係るミッションケース9は、中心軸(入力軸12及び
中間軸42)を含む水平平面より上方部分にリブ状突部
を有するが、図1ないし4において、該突部を示してい
ないのは、該突部を含む断面でない部分で断面したか、
又は該突部を作図上省略したためである。
【0084】本ミッションケース9は、図8及び図9に
示すように、その上端部又は該上端部より所定角度ずれ
た上方部分、正確には中心軸(入力軸12及び中間軸4
2)を含む水平平面より上方部分の範囲において、前後
方向に延びる所定高さのリブ状の突部9hが1個又は複
数個形成されている。なお、図8において破線で示すケ
ース9は、該突部のない部分での配置を示し、軸方向前
方側(トルクコンバータ側)が大径で、後方に向って順
次小径となっている。該突部9hは、図9に示すよう
に、横断面略々矩形状であり、同じ肉厚のケースからな
ることに基づき、その内部に前後方向に延びる凹溝14
0が形成されている。該突部は、軸方向前方が大径で、
後方に向って小径となるように、即ち最上端に位置する
状態にあって後方に向って下り勾配となるように傾斜し
て形成されている。
示すように、その上端部又は該上端部より所定角度ずれ
た上方部分、正確には中心軸(入力軸12及び中間軸4
2)を含む水平平面より上方部分の範囲において、前後
方向に延びる所定高さのリブ状の突部9hが1個又は複
数個形成されている。なお、図8において破線で示すケ
ース9は、該突部のない部分での配置を示し、軸方向前
方側(トルクコンバータ側)が大径で、後方に向って順
次小径となっている。該突部9hは、図9に示すよう
に、横断面略々矩形状であり、同じ肉厚のケースからな
ることに基づき、その内部に前後方向に延びる凹溝14
0が形成されている。該突部は、軸方向前方が大径で、
後方に向って小径となるように、即ち最上端に位置する
状態にあって後方に向って下り勾配となるように傾斜し
て形成されている。
【0085】一方、中間軸42には軸方向中心部を貫通
する油路141が形成されており、ギヤ部60における
各潤滑箇所に上記中間軸の油路141を介して潤滑油が
供給されている。また、入力軸12にも複数の油路14
2…が形成されており、クラッチ部23及びトルクコン
バータ2には、上記複数の油路142を介して及びポン
プカバー22の各油路143を介して各クラッチの油圧
アクチュエータ55、49、46及びトルクコンバータ
2用の作動油が供給・排除されると共に、各キャンセル
室52,59及び各潤滑油箇所に油が供給されている。
する油路141が形成されており、ギヤ部60における
各潤滑箇所に上記中間軸の油路141を介して潤滑油が
供給されている。また、入力軸12にも複数の油路14
2…が形成されており、クラッチ部23及びトルクコン
バータ2には、上記複数の油路142を介して及びポン
プカバー22の各油路143を介して各クラッチの油圧
アクチュエータ55、49、46及びトルクコンバータ
2用の作動油が供給・排除されると共に、各キャンセル
室52,59及び各潤滑油箇所に油が供給されている。
【0086】クラッチ部の各油圧アクチュエータ55,
49,46には、その供給と同時にキャンセル室52,
59にもオイルが満たされる必要があり、各キャンセル
室52,59には、その通常状態(満たされた後の状
態)に必要とされる量より比較的多くの量のオイルが常
に供給される。該キャンセル室のオイルは、スナップリ
ング145,145との間の溝502a,56aからオ
ーバフローして、供給されている潤滑油と共に、走行時
は常に回転しているスリーブ軸25及び各ドラム37,
29,26等の遠心力に基づき外径方向に飛散される。
49,46には、その供給と同時にキャンセル室52,
59にもオイルが満たされる必要があり、各キャンセル
室52,59には、その通常状態(満たされた後の状
態)に必要とされる量より比較的多くの量のオイルが常
に供給される。該キャンセル室のオイルは、スナップリ
ング145,145との間の溝502a,56aからオ
ーバフローして、供給されている潤滑油と共に、走行時
は常に回転しているスリーブ軸25及び各ドラム37,
29,26等の遠心力に基づき外径方向に飛散される。
【0087】これらキャンセル室52,59からのオー
バフローオイル等は、各クラッチC1,C2,C3を潤
滑した後、遠心力に基づき、第2クラッチC2用ドラム
26及びそれに被嵌している第3クラッチC3用ドラム
29に形成された多数の孔26h,29hを通ってケー
ス9との間の狭いスペース(隙間)Gに放出される。オ
イルは、該スペースGにおいて、上記リブ状突部9hが
ない場合、比較的高い圧力となって撹拌され、動力損の
原因となるが、本発明にあっては、上記リブ状突部9h
による凹溝140内に上記オイルが逃されて、大きな動
力損となることが阻止される。
バフローオイル等は、各クラッチC1,C2,C3を潤
滑した後、遠心力に基づき、第2クラッチC2用ドラム
26及びそれに被嵌している第3クラッチC3用ドラム
29に形成された多数の孔26h,29hを通ってケー
ス9との間の狭いスペース(隙間)Gに放出される。オ
イルは、該スペースGにおいて、上記リブ状突部9hが
ない場合、比較的高い圧力となって撹拌され、動力損の
原因となるが、本発明にあっては、上記リブ状突部9h
による凹溝140内に上記オイルが逃されて、大きな動
力損となることが阻止される。
【0088】そして、該凹溝140に導かれたオイル
は、ドラム29との間では上述したように絶え間なくオ
イルが供給されている関係で、該凹溝に導いて後方に向
けて送り出され、かつリブ状突部9h従って凹溝140
の形状がミッションケース9の外郭形状に合せて軸方向
前方から後方に向けて下り勾配の傾斜面となっているの
で、オイルの粘性及び表面張力に基づき、凹溝壁面に付
着しつつその勾配に沿って流れ、上記所定圧力による送
り出しと相俟って、上記オイルは、ドラム29がない部
分にあっても、下方が開放している凹溝140から重力
により一部ずつ落下しつつ、凹溝壁面に沿って後方に流
れる。
は、ドラム29との間では上述したように絶え間なくオ
イルが供給されている関係で、該凹溝に導いて後方に向
けて送り出され、かつリブ状突部9h従って凹溝140
の形状がミッションケース9の外郭形状に合せて軸方向
前方から後方に向けて下り勾配の傾斜面となっているの
で、オイルの粘性及び表面張力に基づき、凹溝壁面に付
着しつつその勾配に沿って流れ、上記所定圧力による送
り出しと相俟って、上記オイルは、ドラム29がない部
分にあっても、下方が開放している凹溝140から重力
により一部ずつ落下しつつ、凹溝壁面に沿って後方に流
れる。
【0089】上記一部ずつ落下したオイルは、第3ブレ
ーキB3、第2ワンウェイクラッチF2、第1ワンウェ
イクラッチF1に供給され、潤滑の補助オイルとなる。
更に、第1ブレーキB1の外ブレーキプレート76の前
方端のもの76aは、そのスプライン歯が一部外径方向
に延長されて形成され、前記凹溝140を遮ぐように嵌
入されている。従って、上記凹溝140に沿って流れた
来たオイルは、該プレートのスプライン延長歯76aに
より流れが阻止されて下方に落下し、その下方に位置す
る第1プラネタリギヤ3のギヤ面、第1ブレーキB1、
スラスト板160,161、ピニオン支持ニードル16
3、スラストベアリング164及びその他の潤滑必要箇
所に供給される。
ーキB3、第2ワンウェイクラッチF2、第1ワンウェ
イクラッチF1に供給され、潤滑の補助オイルとなる。
更に、第1ブレーキB1の外ブレーキプレート76の前
方端のもの76aは、そのスプライン歯が一部外径方向
に延長されて形成され、前記凹溝140を遮ぐように嵌
入されている。従って、上記凹溝140に沿って流れた
来たオイルは、該プレートのスプライン延長歯76aに
より流れが阻止されて下方に落下し、その下方に位置す
る第1プラネタリギヤ3のギヤ面、第1ブレーキB1、
スラスト板160,161、ピニオン支持ニードル16
3、スラストベアリング164及びその他の潤滑必要箇
所に供給される。
【0090】一方、中間軸42の油路141から、横孔
141h及び各スリーブ軸43,45,99の横孔43
h,45h,99hを通って各潤滑必要箇所に供給され
るが、全体をバランスして各潤滑必要箇所に万遍なく潤
滑油が供給されるように各横孔の数及び径が設定されて
いる。このため、変速段によって作動するブレーキ、ワ
ンウェイクラッチ及びプラネタリギヤが異なるため、所
定変速段にあっては、必要供給量を確保できない潤滑箇
所が生じる場合もある。
141h及び各スリーブ軸43,45,99の横孔43
h,45h,99hを通って各潤滑必要箇所に供給され
るが、全体をバランスして各潤滑必要箇所に万遍なく潤
滑油が供給されるように各横孔の数及び径が設定されて
いる。このため、変速段によって作動するブレーキ、ワ
ンウェイクラッチ及びプラネタリギヤが異なるため、所
定変速段にあっては、必要供給量を確保できない潤滑箇
所が生じる場合もある。
【0091】例えば、前進3速及び後進段にあっては、
第1プラネタリギヤ3のキャリヤCR1が停止状態にあ
り、該キャリヤCRの回転に基づく遠心力を期待するこ
とができない。従って、中間軸油路141からの潤滑油
は、第1プラネタリギヤ3のリングギヤR1の歯面及び
ピニオン支持ニードル163等に供給され難い状態にあ
るが、上記凹溝140を流れて来るオイルを延長外ブレ
ーキプレート76aで塞き止めて、常時リングギヤR1
の歯面に供給し、どのような変速段にあっても、この部
分の必要潤滑油量は確保される。
第1プラネタリギヤ3のキャリヤCR1が停止状態にあ
り、該キャリヤCRの回転に基づく遠心力を期待するこ
とができない。従って、中間軸油路141からの潤滑油
は、第1プラネタリギヤ3のリングギヤR1の歯面及び
ピニオン支持ニードル163等に供給され難い状態にあ
るが、上記凹溝140を流れて来るオイルを延長外ブレ
ーキプレート76aで塞き止めて、常時リングギヤR1
の歯面に供給し、どのような変速段にあっても、この部
分の必要潤滑油量は確保される。
【0092】また、前進2速にあっては、フロントギヤ
ユニット130を構成する第1プラネタリギヤ3は停止
状態にあり、該プラネタリギヤの回転に伴う遠心力を期
待することができない。従って、中間軸油路141から
の潤滑油は、該第1プラネタリギヤのリングギヤR1歯
面、第1ブレーキB1及びスラスト板160,161に
充分に供給されていないが、該第3プラネタリギヤ3
は、3速になるとキャリヤ停止状態で回転し、4速にな
ると一体回転し、更に5速になる第1ブレーキB1が作
動状態となり、急速に潤滑油が必要となる。このため、
凹溝140を流れて来るオイルを延長外ブレーキプレー
ト76aで塞き止められて、常時、第1プラネタリギヤ
3部分及び第1ブレーキB1に滴下・供給しており、こ
の部分の潤滑を常時補助して、どのような変速段にあっ
ても必要潤滑油が確保される。
ユニット130を構成する第1プラネタリギヤ3は停止
状態にあり、該プラネタリギヤの回転に伴う遠心力を期
待することができない。従って、中間軸油路141から
の潤滑油は、該第1プラネタリギヤのリングギヤR1歯
面、第1ブレーキB1及びスラスト板160,161に
充分に供給されていないが、該第3プラネタリギヤ3
は、3速になるとキャリヤ停止状態で回転し、4速にな
ると一体回転し、更に5速になる第1ブレーキB1が作
動状態となり、急速に潤滑油が必要となる。このため、
凹溝140を流れて来るオイルを延長外ブレーキプレー
ト76aで塞き止められて、常時、第1プラネタリギヤ
3部分及び第1ブレーキB1に滴下・供給しており、こ
の部分の潤滑を常時補助して、どのような変速段にあっ
ても必要潤滑油が確保される。
【0093】同様に、第1ブレーキB3、第1ワンウェ
イクラッチF1、第2ワンウェイクラッチF2等は、ク
ラッチドラム26部分から常時供給されている凹溝14
0からのオイルが滴下・供給されて、1、2、3速等の
所定変速段に、その必要とする潤滑油量が補給されて確
保されている。
イクラッチF1、第2ワンウェイクラッチF2等は、ク
ラッチドラム26部分から常時供給されている凹溝14
0からのオイルが滴下・供給されて、1、2、3速等の
所定変速段に、その必要とする潤滑油量が補給されて確
保されている。
【0094】特に、クラッチC1,C2,C3が作動す
る際、そのピストン部材53,47,30を押圧してキ
ャンセル室59,52の容量を大幅に減少するので、そ
の分、クラッチドラム29の孔29hから放出されるオ
イルが増加するが、その際、例えば第1クラッチC1の
接合による走行開始時、第3クラッチC3の接合による
後進開始時並びに第1プラネタリギヤ3の回転開始時、
第2クラッチC2の接合による高速段時等、潤滑油が多
く必要とするときであって、上記クラッチ部23で多く
供給されるオイルが凹溝140を通って各潤滑必要箇所
にその必要タイミングに合せて供給され、必要時におけ
る必要量の潤滑油が確保される。
る際、そのピストン部材53,47,30を押圧してキ
ャンセル室59,52の容量を大幅に減少するので、そ
の分、クラッチドラム29の孔29hから放出されるオ
イルが増加するが、その際、例えば第1クラッチC1の
接合による走行開始時、第3クラッチC3の接合による
後進開始時並びに第1プラネタリギヤ3の回転開始時、
第2クラッチC2の接合による高速段時等、潤滑油が多
く必要とするときであって、上記クラッチ部23で多く
供給されるオイルが凹溝140を通って各潤滑必要箇所
にその必要タイミングに合せて供給され、必要時におけ
る必要量の潤滑油が確保される。
【0095】図10及び図11は、一部変更した実施例
を示すものであり、前記ケース突部9hによる凹溝14
0に平板状の蓋部材165を凹溝168に差込んで取付
けてあり、管状部166を構成している。該蓋部材16
5は、クラッチドラム29の先端29iに整列するかま
たそれより僅か後方にその先端165aを位置して、凹
溝166内を必要箇所まで適宜の長さ延びている。即
ち、凹溝140は、クラッチドラム29に対応する前方
部分はその内径側(下方)が開口した状態にあり、該開
口部の後方側は、その内径側(下方)が蓋部材165に
より閉じられて管状部となる。
を示すものであり、前記ケース突部9hによる凹溝14
0に平板状の蓋部材165を凹溝168に差込んで取付
けてあり、管状部166を構成している。該蓋部材16
5は、クラッチドラム29の先端29iに整列するかま
たそれより僅か後方にその先端165aを位置して、凹
溝166内を必要箇所まで適宜の長さ延びている。即
ち、凹溝140は、クラッチドラム29に対応する前方
部分はその内径側(下方)が開口した状態にあり、該開
口部の後方側は、その内径側(下方)が蓋部材165に
より閉じられて管状部となる。
【0096】そして、該蓋部材165には、潤滑を必要
とする箇所に対応した位置に、かつその必要量に応じた
径(孔断面積)による所定形状(円形、長円形、長方
形)の孔165a…が形成されている。
とする箇所に対応した位置に、かつその必要量に応じた
径(孔断面積)による所定形状(円形、長円形、長方
形)の孔165a…が形成されている。
【0097】これにより、前述したように、入力軸12
と一体に回転するクラッチドラム29,26により、そ
の孔29h,26hから放出されるオイルが、凹溝14
0に集められて、蓋部材165との間で構成される管状
部166に供給される。該管状部166のオイルは、上
記クラッチドラム29,26の遠心力により入力軸回転
中は常時供給され、ミッションケース9に沿う前方から
後方に向う下り勾配の傾斜に沿って、該管状部内を後方
に向けて流れる。そして、該管状部内のオイルは、蓋部
材165に設けられた孔165a…からその孔断面積に
基づく量で順次滴下し、潤滑必要箇所に必要量のオイル
が供給される。
と一体に回転するクラッチドラム29,26により、そ
の孔29h,26hから放出されるオイルが、凹溝14
0に集められて、蓋部材165との間で構成される管状
部166に供給される。該管状部166のオイルは、上
記クラッチドラム29,26の遠心力により入力軸回転
中は常時供給され、ミッションケース9に沿う前方から
後方に向う下り勾配の傾斜に沿って、該管状部内を後方
に向けて流れる。そして、該管状部内のオイルは、蓋部
材165に設けられた孔165a…からその孔断面積に
基づく量で順次滴下し、潤滑必要箇所に必要量のオイル
が供給される。
【0098】なお、該管状部166、即ち蓋部材165
は、第1ブレーキB1の位置までとは限らず、第4ブレ
ーキB4まで等必要に応じてケース端近傍まで延ばすこ
とが可能である。また、蓋部材165に孔165aを設
けずに、例えば図8に示すように、蓋部材を第1ブレー
キB1部分までとして、管状部166を通して必要潤滑
箇所に集中的に供給するようにしてもよい。
は、第1ブレーキB1の位置までとは限らず、第4ブレ
ーキB4まで等必要に応じてケース端近傍まで延ばすこ
とが可能である。また、蓋部材165に孔165aを設
けずに、例えば図8に示すように、蓋部材を第1ブレー
キB1部分までとして、管状部166を通して必要潤滑
箇所に集中的に供給するようにしてもよい。
【0099】図11は、更に変更した実施例を示すもの
であり、蓋部材165’を湾曲した樋形状とし、該断面
U字状の樋状蓋部材165’を凹溝140に固定して取
付して管状部166を構成したものである。該樋形状の
蓋部材165’内をオイルが流れて、潤滑必要箇所に確
実にオイルを供給できる。
であり、蓋部材165’を湾曲した樋形状とし、該断面
U字状の樋状蓋部材165’を凹溝140に固定して取
付して管状部166を構成したものである。該樋形状の
蓋部材165’内をオイルが流れて、潤滑必要箇所に確
実にオイルを供給できる。
【0100】また、上述したミッションケース9のリブ
状突部9hは、ミッションケースのリブとしても機能
し、ミッションケースの強度、剛性を向上すると共に、
ミッションケースの薄肉化を可能として、軽量化にも寄
与できる。
状突部9hは、ミッションケースのリブとしても機能
し、ミッションケースの強度、剛性を向上すると共に、
ミッションケースの薄肉化を可能として、軽量化にも寄
与できる。
【0101】なお、上記自動変速機構は、上述した実施
の形態に限らず、他のものにも同様に適用できることは
勿論である。
の形態に限らず、他のものにも同様に適用できることは
勿論である。
【図1】本発明に係る自動変速機の全体を示す断面図。
【図2】そのトルクコンバータ部分を示す拡大断面図。
【図3】その多段変速機構の前部であるクラッチ部を示
す拡大断面図。
す拡大断面図。
【図4】その多段変速機構の後部であるギヤ部を示す拡
大断面図。
大断面図。
【図5】多段変速機構のスケルトン図。
【図6】その作動を示す図。
【図7】その速度線図。
【図8】本発明の要部であるリブ状突部を示す拡大断面
図。
図。
【図9】図8のB−B線による部分横断面図。
【図10】一部変更した実施例を示す拡大断面図。
【図11】その部分横断面図。
【図12】更に変更した実施例を示す横断面図。
【符号の説明】 1 自動変速機 2 トルクコンバータ 3 第1プラネタリギヤ 4 第2プラネタリギヤ 5 第3プラネタリギヤ 6 多段変速機構 9 ミッションケース 9h リブ状突部 12 入力部材(入力軸) 23 クラッチ部 26 (第3)クラッチドラム 29 (第2)クラッチドラム 46 第3クラッチ用油圧アクチュエータ 49 第2クラッチ用油圧アクチュエータ 55 第1クラッチ用油圧アクチュエータ 50 キャンセルプレート 52 キャンセル室 56 キャンセルプレート 59 キャンセル室 76 外ブレーキプレート 76a 塞き止め板(延長スプライン歯部分) 105 出力部材(出力軸) 140 凹溝 140a 開口 165,165’ 蓋部材(樋形状蓋部材) 166 管状部 B1 第1の(第1)ブレーキ B2 第2の(第2)ブレーキ B3 第3ブレーキ B4 第3の(第4)ブレーキ C1 第1クラッチ C2 第2クラッチ C3 第3クラッチ F1 第1ワンウェイクラッチ F2 第2ワンウェイクラッチ F3 第3ワンウェイクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本郷谷 彰人 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 尾崎 和久 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 田邊 道徳 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 金田 俊樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 柏原 裕司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J063 AA02 AB12 AC04 BA11 CD41 XD03 XD23 XD32 XD47 XD54 XD62 XD72 XE15 XF12 XF13 XF14
Claims (15)
- 【請求項1】 クラッチ及び係止手段により、ギヤ部の
動力伝達経路を変更して、入力部材の回転を複数の変速
段に変速して出力部材に伝達し、かつミッションケース
に収納されている多段変速機構を備えてなる、自動変速
機において、 前記入力部材に連結しているクラッチドラムと前記ギヤ
部の所定要素とを断接するクラッチを有すると共に、前
記クラッチドラムを前記ミッションケース内壁と僅かな
隙間を在して対向位置し、 前記ミッションケースにおける前記入力部材の中心線を
含む水平面より上方部分に、外径方向に突出しかつ軸方
向に延びる1個又は複数個のリブ状突部を形成し、 前記クラッチドラムの回転に基づき前記隙間に放出され
るオイルを前記リブ状突部の内面に形成される凹溝に受
入れ、該供給されたオイルを該凹溝に沿って導き、潤滑
必要箇所に補給すること、 を特徴とする自動変速機。 - 【請求項2】 前記ミッションケースは、前記潤滑必要
箇所を収納する部分が前記クラッチドラムを収納する部
分に比して小径となっており、 前記リブ状突部も、前記潤滑必要箇所部分が前記クラッ
チドラム部分に比して小径となっている、 請求項1記載の自動変速機。 - 【請求項3】 前記潤滑必要箇所に対応する位置に、前
記凹溝に嵌挿する塞き止め板を設けた、 請求項1又は2記載の自動変速機。 - 【請求項4】 前記塞き止め板は、ブレーキの外プレー
トのスプライン歯部分を延長して構成した、 請求項3記載の自動変速機。 - 【請求項5】 前記クラッチドラムに対向する部分の前
記凹溝は、その内径側が開口しており、かつ該開口部分
から供給されたオイルを潤滑必要個所に導く部分の前記
凹溝は、その内径側が蓋部材により閉じられて管状部と
なっている、 請求項1ないし4のいずれか記載の自動変速機。 - 【請求項6】 前記蓋部材は、前記クラッチドラム側か
ら潤滑必要箇所に向って小径方向に傾斜して配置され
る、 請求項5記載の自動変速機。 - 【請求項7】 前記蓋部材は、潤滑必要箇所に対応して
連通孔が形成されている、 請求項4又は5記載の自動変速機。 - 【請求項8】 前記連通孔は、複数の潤滑必要箇所に対
応して軸方向に複数個有する、 請求項7記載の自動変速機。 - 【請求項9】 前記複数個の連通孔は、それぞれ対応す
る潤滑必要箇所の潤滑必要量に応じてその孔断面積が設
定されてなる、 請求項8記載の自動変速機。 - 【請求項10】 前記蓋部材は、断面U字状の樋形状か
らなる、 請求項5ないし9のいずれか記載の自動変速機。 - 【請求項11】 前記クラッチドラムの内径側に、少な
くとも3個のクラッチがその油圧アクチュエータと共に
まとめて配置されてクラッチ部を構成し、 該クラッチ部がトルクコンバータ側である前記多段変速
機構の軸方向前方側に配置されてなる、 請求項1ないし10のいずれか記載の自動変速機。 - 【請求項12】 前記クラッチ用油圧アクチュエータの
ピストン部材背面側に、遠心油圧キャンセル用のキャン
セル室が配設されてなる、 請求項1ないし11のいずれか記載の自動変速機。 - 【請求項13】 前記ギヤ部が、同軸上において軸方向
前方から後方に向けて順次配置される第1、第2及び第
3プラネタリギヤの少なくとも3個のプラネタリギヤを
有し、 前記第1、第2及び第3プラネタリギヤのそれぞれ外径
側に、その外ブレーキプレートが前記ミッションケース
の内周面に係止された多板ブレーキからなる第1、第2
及び第3のブレーキを配設し、 前記第1プラネタリギヤの前記クラッチ部側に、複数の
係止手段をまとめて配置した、 請求項12記載の自動変速機。 - 【請求項14】 前記第1、第2及び第3プラネタリギ
ヤに、それぞれ前記第1のブレーキ、第2のブレーキ及
び第3のブレーキを軸方向に略々オーバラップするよう
に配置した、 請求項13記載の自動変速機。 - 【請求項15】 前記第1プラネタリギヤは、所定変速
段にて該プラネタリギヤ全体が停止され、また他の変速
段にてそのキャリヤが停止され、 前記潤滑必要箇所が、該第1プラネタリギヤ部分であ
る、 請求項13又は14記載の自動変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000356793A JP2002161973A (ja) | 2000-11-22 | 2000-11-22 | 自動変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000356793A JP2002161973A (ja) | 2000-11-22 | 2000-11-22 | 自動変速機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002161973A true JP2002161973A (ja) | 2002-06-07 |
Family
ID=18828967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000356793A Pending JP2002161973A (ja) | 2000-11-22 | 2000-11-22 | 自動変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002161973A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004036669A (ja) * | 2002-06-28 | 2004-02-05 | Aisin Aw Co Ltd | 自動変速機、及び自動変速機の組立方法 |
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JP2005308094A (ja) * | 2004-04-21 | 2005-11-04 | Toyota Motor Corp | 回転部材の支持構造および動力機構 |
US6968934B2 (en) | 2003-02-14 | 2005-11-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Lubricating structure of friction engaging device |
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JP2018112286A (ja) * | 2017-01-13 | 2018-07-19 | いすゞ自動車株式会社 | 潤滑装置 |
-
2000
- 2000-11-22 JP JP2000356793A patent/JP2002161973A/ja active Pending
Cited By (12)
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DE112006002240B4 (de) * | 2005-11-17 | 2012-09-27 | Aisin Aw Co., Ltd. | Drucköl-Zuführvorrichtung in einem Automatikgetriebe |
DE112006002240B8 (de) * | 2005-11-17 | 2012-12-20 | Aisin Aw Co., Ltd. | Drucköl-Zuführvorrichtung in einem Automatikgetriebe |
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