JPH0533849A - 自動変速機の歯車潤滑機構 - Google Patents

自動変速機の歯車潤滑機構

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JPH0533849A
JPH0533849A JP3208856A JP20885691A JPH0533849A JP H0533849 A JPH0533849 A JP H0533849A JP 3208856 A JP3208856 A JP 3208856A JP 20885691 A JP20885691 A JP 20885691A JP H0533849 A JPH0533849 A JP H0533849A
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浩文 道岡
Yuji Hayashi
祐二 林
Yasuichi Hayazaki
康市 早▲崎▼
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    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動変速機の隣接する遊星歯車組の歯車同士
の連結部材の一端を延長することによりオイルキャッチ
を兼用させ、オイルキャッチとしての部品点数増および
その取付作業無しで、歯車内部を効果的に潤滑する潤滑
機構を構成する。 【構成】 遊星歯車組4,5のキャリア4C およびリン
グギヤ5R を連結する連結部材49は、その一端を径方
向内周側に延長されて、オイルキャッチ部49aとな
り、このオイルキャッチ部49a は遊星歯車組4,5間
に遊星歯車組4の潤滑用の油溜り70を形成する。この
歯車潤滑機構はオイルキャッチとしての別部材およびそ
の取付作業を必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の遊星歯車組
を構成する歯車を効果的に潤滑することのできる、歯車
潤滑機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の遊星歯車組を有する自動変速機に
おいて、各遊星歯車組を構成する歯車を潤滑する際には
油溜りを形成する部品(オイルキャッチ)を設ける手法
と、設けない手法とがある。ここでオイルキャッチ設け
ない手法を採用すると、遊星歯車組を配置する軸内の油
路を経て歯車内周側から潤滑油を供給する、いわゆる軸
心給油を行った場合、歯車内部に到達する潤滑油量を確
保し難いため潤滑効率が低下し、ベアリング部の耐久性
低下を招く。このため、図4に示すようにオイルキャッ
チを設けるのが一般的である。図4は実開昭61−6065号
公報の第1図に相当し、図中、軸80上には1組の遊星
歯車組81のみを表わしてあり、その左隣りの遊星歯車
組の記入を省略してある。この従来例では遊星歯車組8
1のリングギヤ81R に結合した部材82と、キャリア8
C との間に形成さる空間内にオイルキャッチ83がそ
の一端を固定されており、軸心給油された潤滑油は軸8
0の油路80a ,80b およびベアリング84を経てオイ
ルキャッチ83が包囲する空間85に導かれ、さらにピ
ニオン81P の中央部に設けた軸方向の穴86を経て歯
車内部に導かれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例において
は、遊星歯車組81およびそれに隣接する図示しない遊
星歯車組間に形成される空間内に別部品としてのオイル
キャッチ83を設け、このオイルキャッチ83によって
遊星歯車組81潤滑用の油溜り85を形成しているた
め、オイルキャッチ取付作業が必要になるとともに部品
点数が増加し、コストアップを招く。
【0004】本発明は既設部材である隣接する遊星歯車
組の歯車同士の連結部材を、径方向内周側に延長してオ
イルキャッチを兼用させることにより、上述した問題を
解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の自動変速機の歯車潤滑機構は、複数の遊星歯車組を有
する自動変速機において、隣接する2組の遊星歯車組の
歯車同士を連結する連結部材の一端を径方向内周側に延
長して、両遊星歯車組間に油溜りを形成するようにした
ことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明によれば、自動変速機が有する複数の遊
星歯車組の内の、隣接する2組の歯車同士を連結する連
結部材の一端を径方向内周側に延長することにより、そ
の延長した部分が両遊星歯車組間に油溜りを形成するか
ら、既設部材に若干の形状変更を加えるだけでオイルキ
ャッチを構成することができ、部品点数増およびオイル
キャッチ取付作業を無くしてコストダウンを図ることが
できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明の自動変速機の歯車潤滑機構の
第1実施例を示す部分断面図、図2は同例を用いた自動
変速機の歯車変速機構のスケルトン図、図3は同例を用
いた自動変速機の全体構成を示す図である。まず、図2
により本例の自動変速機全体について説明すると、入力
軸1、出力軸2およびそれらの間に位置する中間軸3を
同軸突合わせ関係に設け、これら入出力軸間に遊星歯車
変速機構を同心に配置する。遊星歯車変速機構は、第1
遊星歯車組4、第2遊星歯車組5および第3遊星歯車組
6を具えて成り、第1遊星歯車組4は、第1サンギヤ4
S と、第1リングギヤ4R と、これらサンギヤおよびリ
ングギヤに噛合するピニオン4P と、ピニオン4P を回
転自在に支持する第1キャリア4C とより成る単純遊星
歯車組であり、同様に第2および第3遊星歯車組5,6
は夫々、第2および第3サンギヤ5S ,6S と、第2お
よび第3リングギヤ5R ,6R と、これらサンギヤおよ
びリングギヤに噛合するピニオン5P ,6P と、これら
ピニオンを回転自在に支持する第2および第3キャリア
C ,6C とより成る単純遊星歯車組である。
【0008】サンギヤ4S を入力軸1に結合するととも
に、サンギヤ5S ,6S をクラッチC1 により入力軸1
に結合可能にし、さらにキャリア5C をクラッチC2
より入力軸1に結合可能にする。またリングギヤ4R
第1ブレーキ(バンドブレーキ)B1 により固定可能に
するとともに、キャリア4Cおよびリングギヤ5R を第
2ブレーキB2 により固定可能にし、さらにキャリア5
C およびリングギヤ6R を第3ブレーキB3 により固定
可能にする他、キャリア6C を出力軸2に結合する。
【0009】この歯車変速機構は、前記クラッチ、ブレ
ーキ等を次表に示す組合せによって選択的に作動させる
(作動状態を○印で示す)ことにより前進第1速〜第5
速および後退(R)の変速段を得ることができる(その
際、構成要素の2重掛変えを必要とせず、1つの構成要
素の掛変えのみによって各変速に対処することができ
る)。
【0010】
【0011】次に本例の自動変速機の全体構成について
図3によって説明する。図3中1,2,3は夫々入力
軸、出力軸および中間軸を示し、これら各軸は変速機中
央部を軸方向に貫通している。入力軸1の図示左方には
トルクコンバータ7(図3にはその一部のみを表してあ
る)が配置され、入力軸1の中間部にはオイルポンプ8
が配置されている。また入力軸1の右端部近傍には、図
2のクラッチC1 ,C2 に相当する、クラッチ10,1
1等より成るクラチパックや、第1ブレーキ(バンドブ
レーキ)B1 等が配置され、入力軸1の右端部は中間軸
3を回転自在に支持している。中間軸3の全体に亘っ
て、図示左方より第1遊星歯車組4、第2遊星歯車組
5、第3遊星歯車組6がその順序で配置され、それら遊
星歯車組の外周には第2および第3ブレーキB2 , B3
等が配置されている。また中間軸3の右方には出力軸2
が配置され、出力軸2の左端部は中間軸3を回転自在に
支持している。出力軸2には前記ブレーキB3 のピスト
ン部や支持壁等が配置される他、その最外周には変速機
ケース9が設けられている。なおこの自動変速機には、
図示の各油路に油を供給するコントロールバルブ12が第
1ブレーキB1の外周に配置されている。
【0012】次に図1により本例の歯車潤滑機構を含む
自動変速機の各構成要素についてさらに詳細に説明す
る。図1中、図2のクラッチC1 に相当するクラッチ1
0は、入力軸1にスプライン嵌合されるクラッチドラム
13と、クラッチドラム13に結合される複数のクラッ
チ板14と、これらクラッチ板間に対応して配置され回
転部材15に結合される複数のクラッチ板16と、油圧
作動時これらクラッチ板を図示右方向に押圧してクラッ
チを締結するピストン17と、ピストン17を解放方向
(図示左方向)に付勢するばね18と、ばね18を支持
するリテーナ19とより成るものである。また図2のク
ラッチC2 に相当するクラッチ11は、クラッチドラム
13の内周にスプライン嵌合されるクラッチドラム20
と、クラッチドラム20に結合される複数のクラッチ板
21と、これらクラッチ板間に対応して配置され回転部
材22に結合される複数のクラッチ板23と、油圧作動
時これらクラッチ板を図示左方向に押圧してクラッチを
締結するピストン24と、ピストン24を解放方向(図
示右方向)に付勢するばね25と、ばね25を支持する
とともに遠心油圧を発生する室を画成する、部材26と
より成るものである。さらに第1ブレーキ(バンドブレ
ーキ)B1 は、入力軸支持壁27に軸受28を介して一
端を支持されるブレーキドラム29と、そのブレーキド
ラム29の、ピストン24より外周寄に位置する最大径
部分に装着したブレーキバンド30とを具えて成り、ブ
レーキドラム29の他端はベアリング31,32によっ
て支持されている。なおこのようにクラッチ10,1
1、ブレーキB1 等を入力軸1上にまとめて配置したの
は、遊星歯車変速機構の摩擦要素の過半数(本例では5
個中の3個)をこの部分に集中させることにより、以下
に示すように中間軸3上に配置すべき摩擦要素の数を減
らして、3組の遊星歯車組4,5,6を中間軸3上にレ
イアウトし易くするためである。
【0013】中間軸3はその両端部を軸受40,41を
介して入力軸1、出力軸2に夫々回転自在に支持され、
その左端部近傍には回転部材15の右端がスプライン嵌
合されている。また中間軸3は、軸方向において左方を
回転部材15、軸受42を介して入力軸1上のクラッチ
ドラム13に、右方をサンギヤ6S 、軸受43を介して出
力軸2上のキャリア6C に夫々支持されている。この中
間軸上にはキャリア5C をスプライン嵌合した回転部材
22が軸受44,45を介して回転自在に支持され、ま
たサンギヤ5S ,6S を一体化した部材がサンギヤ6S
の個所で中間軸3にスプライン嵌合されている。中間軸
3上に上述したように配置される第1〜第3遊星歯車組
4〜6において、第1遊星歯車組4のサンギヤ4S はピ
ストン24の右端部に結合される部材46の穴46aを貫通
する回転部材47に結合され、リングギヤ4R はブレーキ
ドラム29の右端部と相互にくし歯嵌合され、キャリア
C はブレーキB2のブレーキハブ48に結合されると
ともに連結部材49によって第2遊星歯車組5のリング
ギヤ5R にも結合される。第2遊星歯車組5のキャリア
C は、前記回転部材22にスプライン嵌合される端部
と対抗する端部(右端)を第3遊星歯車組6のリングギ
ヤ6R に結合され、このリングギヤ6R は第3ブレーキ
3 のブレーキハブも兼ねている。なおキャリア6C
スプライン嵌合される出力軸2は、軸受50を介して変
速機ケース9に支持されている。
【0014】変速機ケース9の第1、第2遊星歯車組
4,5の外周には第2ブレーキB2 のブレーキドラム5
1が嵌合され、スナップリング52および、変速機ケー
ス9に数個所設けた歯9aによって固定されている。ブ
レーキドラム51には複数のブレーキ板53が結合さ
れ、ブレーキハブ48にはこれらブレーキ板間に対応し
て配置される複数のブレーキ板54が結合されている。
ブレーキドラム51にはさらに、ピストン55が、ブレ
ーキ作動時、図示しないばねのばね力に抗して左行する
よう摺動自在に支持されている。また変速機ケース9の
第3遊星歯車組6の外周にはブレーキドラム56が嵌合
され、スナップリング57および回り止め58によって
固定されている。ブレーキドラム56には複数のブレー
キ板59が結合され、ブレーキハブ兼用のリングギヤ6
R にはこれらブレーキ板間に対応して配置される複数の
ブレーキ板60が結合されている。なお、このブレーキ
3 のピストン部はブレーキドラム56とは分離して配
置され、出力軸2の左端部上に変速機ケース9が形成す
る空間内にピストン61,62が摺動自在に支持されて
いる。これらピストンはブレーキ作動時、ばね63のば
ね力に抗して共に左行するよう、ダブルピストン構造に
してある。
【0015】ところで本例においては、図1に示すよう
にして第1遊星歯車組4および第2遊星歯車組5間に油
溜り70を形成している。まず、結合関係について説明
すると、第1遊星歯車組4のキャリア4C の側面には連
結部材49の径方向の断面の部分が溶接等によって結合
されており、連結部材49の軸と平行をなす断面の部分
は第2遊星歯車組5のリングギヤ5R の外周に設けた歯
71とくし歯嵌合され、スナップリング72で固定され
ている。この連結部材49は、前述したような第1遊星
歯車組4のキャリア4C と第2遊星歯車組5のリングギ
ヤ5R とを連結する本来の連結機能の他、以下に示すよ
うにオイルキャッチとしての機能をも有している。
【0016】すなわち、連結部材49の径方向の断面の
部分は、上述のようにキャリア4C と結合した部分から
径方向内周側に肉厚を薄くしながら延長されてオイルキ
ャッチ部49a を形成している。このオイルキャッチ部
49aは、図示のように遊星歯車組4,5間の空間を区
画して遊星歯車組4側にピニオン4P の潤滑用の油溜り
70を形成するとともに、遊星歯車組5のリングギヤ5
R の潤滑用の油路を形成する。したがって上記のように
構成した本例の潤滑機構においてコントロールバルブ1
2から図示しない油路を経て中間軸3内の油路に潤滑油
を供給する軸心給油を行うと、潤滑油は、図1に示すよ
うに中間軸3および回転部材22に設けた径方向の油路
を経てサンギヤ4S 、キャリア4C ,5C およびベアリ
ング73に包囲された空間に流入し、さらにその一部は
ベアリング73を経て遊星歯車組4,5間の空間に流入
する。そして流入した潤滑油の大部分は油溜り70を経
てピニオン4P をそのピニオン軸中央部に設けた軸方向
の穴から潤滑し、残りの潤滑油はリングギヤ5R を潤滑
するとともに、連結部材49の穴49b を経てブレーキ
2 のブレーキ板をも潤滑する。
【0017】本例の歯車潤滑機構は、図4および図5
(a) 〜(c) に示す強制潤滑タイプの従来例に比べ、以下
に示す多くの利点を有している。図5(a) はZF 4Hp−
22型自動車変速機のオーバードライブ(OD)部の概
略構成を示し、遊星歯車組87のピニオン87P を潤滑
するため、キャリア87C の外周にインターナルプレー
ト88を図示しない部材と噛合させて設け、キャリア8
C およびインターナルプレート88間にシールリング
89を介挿して油溜り90を形成している。図5(b) は
トヨタ自動車(株)のA340E型自動変速機のフロン
ト部の概略構成を示し、この例は遊星歯車組91のキャ
リア91C の外周にオイルキャッチ用のプレート92を
嵌合することにより油溜り93を形成しており、図5
(a) とほぼ同様に構成されている。図5(c) はベンツ社
の5速用自動変速機の副変速機部の概略構成を示し、こ
の例は遊星歯車組94のキャリア94C の外周にオイルキ
ャッチ用のプレート95を予めカシメておくことにより
油溜り96を形成しており、図5(a) とほぼ同様に構成
されている(なおこの例ではキャリア94C に切欠を設
け、この切欠とピニオン94P との間に軸脱落防止用の
リング97を介挿することによりプレート95の回り止
めとしている)。これら従来例は何れもオイルキャッチ
用の別部材およびその取付作業を必要とするが、本例の
歯車潤滑機構は既設部材である連結部材49に若干の形
状変更を加えるだけでオイルチャッチを兼用させること
ができるから、オイルチャッチ用の別部材およびその取
付作業を必要とせず、コストダウンが可能になる。
【0018】
【発明の効果】かくして本発明の自動変速機の歯車潤滑
機構は上述の如く、既設部材である隣接する遊星歯車組
の歯車同士の連結部材を、径方向内周側に延長すること
によりその延長した部分が両遊星歯車組間に油溜りを形
成するから、既設部材に若干の形状変更を加えるだけで
オイルキャッチを構成することができ、部品点数増およ
びオイルキャッチ取付作業を無くしてコストダウンを図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機の歯車潤滑機構の第1実施
例を示す部分断面図である。
【図2】同例を用いた自動変速機の、歯車変速機構のス
ケルトン図である。
【図3】同例を用いた自動変速機の全体構成を示す図で
ある。
【図4】従来技術を説明するための図である。
【図5】(a) 〜(c) は従来技術を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 中間軸 4 第1遊星歯車組 5 第2遊星歯車組 6 第3遊星歯車組 49 連結部材 49a オイルキャッチ部 70 油溜り

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の遊星歯車組を有する自動変速機に
    おいて、 隣接する2組の遊星歯車組の歯車同士を連結する連結部
    材の一端を径方向内周側に延長して、両遊星歯車組間に
    油溜りを形成するようにしたことを特徴とする、自動変
    速機の歯車潤滑機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8657578B2 (en) 2010-02-12 2014-02-25 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Gear box for wind turbine generator and wind turbine generator
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