JP2002160938A - 紫外線赤外線吸収緑色ガラス - Google Patents

紫外線赤外線吸収緑色ガラス

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JP2002160938A
JP2002160938A JP2001283372A JP2001283372A JP2002160938A JP 2002160938 A JP2002160938 A JP 2002160938A JP 2001283372 A JP2001283372 A JP 2001283372A JP 2001283372 A JP2001283372 A JP 2001283372A JP 2002160938 A JP2002160938 A JP 2002160938A
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glass
green glass
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absorbing green
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JP2001283372A
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Hiromitsu Seto
啓充 瀬戸
Yasukimi Nagashima
廉仁 長嶋
Narikazu Yoshii
成和 吉井
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い可視光透過率と低い紫外線赤外線透過率
を持ち、さらに従来より低い全太陽エネルギー透過率を
有し、強化前後の色味がほとんど変わらない緑色系のガ
ラスであって、とりわけ乗用車に用いられる窓ガラスと
して好適な紫外線赤外線吸収緑色ガラスを提供する。 【解決手段】 重量%で表示して、着色成分として、
0.5%を超え、1.1%以下のFe23に換算した全
酸化鉄、0〜2.0%のCeO2、0〜1.0%のTi
2、0.0005〜0.01%のNiO、0.000
1〜0.001%のCoOを含み、4mmの厚さにおけ
る該ガラスの可視光透過率が70%以上、かつ全太陽光
透過率が60%以下、かつISO9050に規定される
紫外線透過率が25%以下であることを特徴とする紫外
線赤外線吸収緑色ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い可視光透過率
と緑色系の色調を有する紫外線赤外線吸収ガラス、特に
風冷強化して用いられる場合には強化前後の色味の変化
を抑制することによって、とりわけ乗用車に用いられる
窓ガラスとして好適な紫外線赤外線吸収緑色ガラスに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の室内内装材の高級化に伴
う内装材の劣化防止の要請や冷房負荷低減の観点から、
自動車用窓ガラスとして紫外線赤外線吸収能を付与した
様々なガラスが提案されている。
【0003】このうち、自動車前方の窓ガラスは運転者
の視認性を確保するため、ある一定値以上の可視光透過
率を有することが義務づけられており、このような部位
に紫外線吸収性と熱線吸収性を付与したガラスを装着す
るには、紫外光の吸収端と赤外光の吸収端が可視域に裾
を引くため、ガラスは緑色系の色調を帯びる。
【0004】従来、紫外線透過率を約38%以下、かつ
全太陽光エネルギー透過率を約46%以下に制限し、さ
らに自動車内からの視野確保のため少なくとも70%の
可視光透過率を有したものが知られている(例えば、特
開平3−187946号公報など)。
【0005】全太陽光エネルギー透過率を減ずるには、
ガラス中に導入された酸化鉄のうち酸化第一鉄の絶対量
を増加させればよいことが知られており、過去に提案さ
れた赤外線吸収ガラスのほとんどはこの方法を採用して
いる。
【0006】他方、従来より紫外線透過率を減ずる方法
が種々提案されている。例えば、特開平4−19373
8号公報に開示された赤外線紫外線吸収ガラスは、酸化
セリウムおよび酸化チタンを用いるものである。すなわ
ち、母組成として重量百分率で表して68〜72%のS
iO2、1.6〜3.0%のAl23、8.5〜11.
0%のCaO、2.0〜4.2%のMgO、12.0〜
16.0%のNa2O、および0.5〜3.0%のK2
を含むガラス中に、着色成分として0.65〜0.75
%のFe23、0.20〜0.35%のCeO2および
0.2〜0.4%のTiO2を含有させている。
【0007】また、特開平6−56466号公報に開示
された緑色系の色調を有する紫外線吸収ガラスはソーダ
−石灰−シリカ系の母ガラス組成に、着色成分として
0.53〜0.70%のFe23に換算した全酸化鉄、
0.5〜0.8%のCeO2、0.2〜0.4%のTi
2およびFe23に換算した全酸化鉄に対して30〜
40%のFe23に換算したFeOを含有させている。
【0008】さらに、特公平6−88812号公報に開
示された緑色系の色調を有する紫外線赤外線吸収ガラス
は、母組成として重量百分率で表示して65〜75%の
SiO2、0〜3%のAl23、1〜5%のMgO、5
〜15%のCaO、10〜15%のNa2Oおよび0〜
4%のK2Oを含むガラス中に、着色成分として0.6
5〜1.25%のFe23換算した全酸化鉄、0.2〜
1.4%のCeO2、あるいは0.1〜1.36%のC
eO2および0.02〜0.85%のTiO2を含有させ
ている。
【0009】また、ガラスに酸化ニッケルを添加して、
好ましい色調を得たガラスが提案されている。例えば、
特表平8−506314号公報に開示されたガラスは、
ソーダ・石灰・シリカガラス中に以下の方程式で計算さ
れる第一鉄含有量を有し、FeO(重量%)≧0.00
7+(光学濃度−0.036)/2.3、重量%で表し
て0.25〜1.75%のFe23を含み、Se,Co
34,Nd 23,NiO,MnO,V25,CeO2
TiO2,CuOおよびSnOからなる群の中から一つ
以上を選択することにより中間色に着色される。このガ
ラスは4mmの厚さで32%以上の可視光透過率を有
し、紫外線透過率は25%以下、太陽直射熱透過率は可
視光透過率よりも少なくとも7%低く、主波長は好まし
くは570nm未満である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記公報で開示された
ガラスにおいては、紫外線吸収能はFe23,Ce
2,TiO2の各々、およびそれらの間の相互作用によ
る紫外線吸収によって付与される。これらの成分を含む
ガラスでは、風冷強化処理を施された後、原因ははっき
りしないが主にFe23とCeO2の相互作用に起因す
ると見られる吸収の増大が認められるため色調が黄色み
を帯びる。このため、製造されたガラス板と、実際に自
動車用窓に加工(風冷強化)されたガラス板とでは色調
が異なり、品質管理上の不具合があった。特に風冷強化
によってガラスの彩度が大きくなることは、色味がきつ
くなる方向であり、好ましくない。
【0011】一方、NiOを含むガラスにおいては、前
記風冷強化後に4配位NiOによる吸収が前出の黄色の
着色と相まって、風冷強化前後の色調変化を抑えること
ができる。しかしながら、従来のガラスにおいてNiO
を含むものは可視光透過率が低かったり、紫外線赤外線
透過率が高かったりしたため、自動車用窓ガラスとして
は不充分なものであった。
【0012】本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされ
たものであって、高い可視光透過率と低い紫外線赤外線
透過率を持ち、強化前後の色味がほとんど変わらず安定
な緑色を呈する紫外線赤外線吸収緑色ガラスを提供する
ことを目的とする。さらに、これに付随してNiOの赤
外線吸収を利用することで従来より低い全太陽エネルギ
ー透過率を有するため、とりわけ乗用車に用いられる窓
ガラスとして好適な紫外線赤外線吸収緑色ガラスを提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の紫外線赤外線吸
収緑色ガラスは、重量%で表示して、着色成分として、
0.5%を超え、1.1%以下のFe23に換算した全
酸化鉄(T−Fe23)、0〜2.0%のCeO2、0
〜1.0%のTiO2 0.0005〜0.01%のNiO、0.0001〜
0.001%のCoOを含み、4mmの厚さにおける該
ガラスの可視光透過率(YA)が70%以上、かつ全太
陽光透過率(TG)が60%以下、かつISO9050
に規定される紫外線透過率(Tuv)が25%以下であ
ることを特徴とする紫外線赤外線吸収緑色ガラスであ
る。
【0014】ここで、CeO2の量は0.1〜2.0%
であることが好ましい。
【0015】また、重量%で表示して、基礎ガラス組成
が65〜80%のSiO2、0〜5%のAl23、0〜
10%のMgO、5〜15%のCaO(ただし、MgO
とCaOとの合量は5〜15%)、10〜20%のNa
2O、0〜5%のK2O(ただし、Na2OとK2Oとの合
量は10〜20%)、および0〜5%のB23からなる
ことが好ましい。
【0016】また、T−Fe23は0.6%を超え、
1.1%以下であることが好ましく、Fe23に換算し
たFeOとT−Fe23の比(FeO/T−Fe2
3比)が20〜60%であることが好ましい。
【0017】さらに、Se、Cr23、Mn23、Cu
O、Nd23、Er23、MoO3、V25、La23
からなる群のうち少なくとも一つ以上の成分を合計で
0.0001%〜0.1%含むことが好ましい。
【0018】本発明のガラスは、4mmの厚さにおける
ガラスの可視光透過率(YA)が70%以上、かつ全太
陽光透過率(TG)が53%以下、かつISO9050
に規定される紫外線透過率(Tuv)が20%以下であ
ることが好ましい。
【0019】本発明のガラスは、熱処理後に、CIE
1976 L***表色系における色度a*,b*を用
いて求められる彩度(以下、彩度とする)の熱処理前後
の差が0.5以内であることが好ましく、とりわけ、フ
ロート法を用いて板状に成形された後、風冷強化を施さ
れることが好ましい。なお、彩度は以下の式により求め
たものである。 彩度=√(a*2+b*2
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。まず、本発明の紫外線赤外線吸収緑色ガラ
ス組成の限定理由について説明する。ただし、以下の組
成は重量%で表示したものである。
【0021】酸化鉄は、ガラス中ではFe23とFeO
の状態で存在する。Fe23は紫外線吸収能を高める成
分であり、FeOは熱線吸収能を高める成分である。F
23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)が0.5%
以下では紫外線および赤外線の吸収効果が小さく、所望
の光学特性が得られない。他方、T−Fe23が1.1
%を超えると可視光透過率が低下し好ましくない。さら
に、T−Fe23が多くなると、ガラス溶融窯で連続的
に生産を行う場合、異組成ガラス素地との組成変更に時
間を要するため好ましくない。よってT−Fe23の好
ましい範囲は0.5%を超え1.1%以下であるが、
0.6%より多いことがさらに好ましい。
【0022】NiOは、可視光透過率および色調を調整
するための成分である。本発明では特に、NiOが熱処
理前後の色調をコントロールするための重要な役割を担
う。NiO量が0.0005%未満では充分な効果が得
られず、0.01%を超えると可視光透過率が低下し好
ましくない。
【0023】NiOはガラスの冷却速度によって配位数
が変化し、発色の状態が異なることが知られている。こ
れは強化処理によってNi2+周りの酸素配位数が6から
4に変化し、吸収が変化することによるものである。6
配位Ni2+の吸収が430nm付近に存在し、ガラスに
黄褐色の着色を生じるのに対し、4配位Ni2+の吸収は
500〜640nmにかけて存在する。本発明では、こ
のNiOの性質を利用することにより、熱処理前後の色
調をコントロールする。
【0024】CoOはNiOおよびFe23と共存させ
ることにより緑色系の色調を得るための成分であり、ま
た可視光透過率をコントロールする成分でもある。Co
Oが0.0001%未満では、好ましい緑色系の色調を
得ることができず、CoOが0.001%を超えると色
調は青みが強くなりすぎ、可視光透過率も低下する。
【0025】CeO2は必須成分ではないが、紫外線吸
収能を高める成分であり、ガラス中ではCe3+またはC
4+の形で存在し、特にCe3+が可視域に吸収が少なく
紫外線吸収に有効である。また、Fe3+との相互作用に
より紫外線吸収能を高める成分でもある。CeO2の量
は、好ましくは0.1%以上であり、それにより充分な
紫外線吸収能が得られる。CeO2を2%より多く使用
するとコストを押し上げることになり、また可視光透過
率も低下するため好ましくない。
【0026】TiO2は必須成分ではないが、FeOと
の相互作用により紫外線吸収能を高める成分であり、適
当量加えることができる。量が多くなりすぎるとガラス
が黄色みを帯び易くなるので、その上限量は1.0%と
するが、0.8%以下であることが好ましく、0.1%
以下であることがもっとも好ましい。
【0027】さらに、本発明が目的とする緑色系色調と
特性を得るために、本発明の組成範囲のガラスに、補助
的着色剤としてのSe、Mn23、CuO、Cr23
Nd 23、Er23、補助的紫外線吸収剤としてのMo
3、V25、La23からなる群のうち少なくとも一
つ以上の成分を合計で0.0001〜0.1%加えるこ
とが好ましい。
【0028】SiO2はガラスの骨格を形成する主成分
である。SiO2が65%未満ではガラスの耐久性が低
下し、80%を超えるとガラスの溶解が困難になる。
【0029】Al23はガラスの耐久性を向上させる成
分であるが、5%を超えるとガラスの溶解が困難にな
る。Al23の好ましい範囲は0.1〜2%である。
【0030】MgOとCaOはガラスの耐久性を向上さ
せるとともに、成形時の失透温度、粘度を調整するため
に用いられる。MgOが10%を超えると失透温度が上
昇する。CaOが5%未満あるいは15%を超えると失
透温度が上昇する。MgOとCaOの合計が5%未満で
はガラスの耐久性が低下し、15%を超えると失透温度
が上昇する。
【0031】Na2OとK2Oはガラスの溶解を促進させ
る。Na2Oが10%未満あるいはNa2OとK2Oとの
合計が10%未満では溶解促進効果が乏しく、Na2
が20%を超えるか、またはNa2OとK2Oの合計が2
0%を超えるとガラスの耐久性が低下する。K2O量が
多いとコストが高くなるため、K2Oは5%以下に留め
ることが望ましい。
【0032】B23はガラスの耐久性向上のため、ある
いは溶解助剤としても使用される成分であるが、紫外線
の吸収を強める働きもある。B23が5%を超えると、
23の揮発等による成形時の不都合が生じるので5%
を上限とする。
【0033】FeO/T−Fe23比が小さすぎると、
FeO量が少ないため充分な熱線吸収能が得られない。
他方、FeO/T−Fe23比が大きすぎると、FeO
による吸収が可視部の長波長域にまで及び、可視光透過
率が低下し色調は青みを帯びる。また、融液が還元側に
よっていることから硫化ニッケル石を発生することがあ
り、さらにシリカリッチの筋やシリカスカムを発生する
原因ともなるため好ましくない。本発明においてはFe
O/T−Fe23比を20〜60%に設定することによ
り、高い紫外線吸収能と熱線吸収能を有した緑色系色調
のガラスが得られる。なお、この場合のFeOの量とし
てはFe23に換算した数値を用いる。
【0034】還元剤あるいは清澄剤としてSb23、S
nO2等の1種以上を合計で1%以下添加することが好
ましい。また、硫化ニッケル石の発生をさらに確実に防
止する目的で、ZnOを1%以下添加することが好まし
い。
【0035】本発明の組成範囲は熱処理前後で色味の変
化を抑制できるように定められているため、ガラス色調
を表す彩度の熱処理前後の差が0.5以内であり、熱処
理後は彩度が小さくなることが好ましい。本発明に係る
ガラスの主な用途は乗用車の窓ガラスであり、通常、安
全のため風冷強化処理が施される。
【0036】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。
【0037】(実施例1〜15、比較例1〜4)典型的
なソーダ石灰シリカガラスバッチ成分に、酸化第二鉄、
酸化セリウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、および金
属セレン、酸化クロム、酸化マンガン、酸化銅、酸化ネ
オジム、酸化エルビウム、酸化チタン、酸化モリブデ
ン、五酸化バナジウム、酸化ランタンおよび炭素系還元
剤(カーボン粉末など)を適宜混合し、この原料を電気
炉中で1500℃に加熱、溶融した。4時間溶融した
後、ステンレス板上にガラス素地を流し出し、室温まで
徐冷して厚さ約6mmのガラス板を得た。次いで、この
ガラス板を厚さが4mmになるように研磨してサンプル
とした。
【0038】得られたサンプルの光学特性として、A光
源を用いて測定した可視光透過率(YA)、全太陽光エ
ネルギー透過率(TG)、ISO9050に規定した紫
外線透過率(Tuv)、C光源を用いて測定した主波長
(λd)、刺激純度(Pe)を測定し、また、JIS
Z 8722(1994)により色度a*およびb*を測
定した。
【0039】実施例12〜15のサンプルについては、
700℃、5分間再加熱した後、20℃の空気を風圧2
1〜31MPa(2.1〜3.2kgf/mm2)、風
量0.6〜0.7Nm3/分で吹き付けて冷却すること
で強化処理を施し、強化処理前後の光学特性を測定し
た。
【0040】表1に、得られたサンプルの基礎ガラス組
成と、着色剤濃度、FeO/T−Fe23比を示した。
表中の組成は重量%で表示した。表1にはあわせて各サ
ンプルの光学特性値を示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】実施例1〜15は、請求項1の範囲内の組
成および特性である。表1から明らかなように、実施例
1〜15のサンプルはいずれも厚さ4mmでA光源を用
いて測定した可視光透過率(YA)が70%以上、全太
陽光透過率(TG)が60%以下、かつISO9050
に規定される紫外線透過率(Tuv)が25%以下の特
性を持つ。また、C光源を用いて測定した主波長(λ
d)が490〜560nm、刺激純度(Pe)が6%未
満の光学特性を有する緑色色調のガラスである。また、
いずれの基礎ガラス組成も請求項2の範囲内の組成であ
る。
【0044】このうち実施例2〜11は、請求項5の範
囲内のFeO/T−Fe23比を持ち、また実施例2〜
5,7〜11は請求項7に示された好ましい特性を有す
ることが分かる。
【0045】実施例12〜15は風冷強化処理を施す前
および処理後のガラスの組成と光学特性を示したもので
ある。このうち、実施例13は実施例5と、実施例14
は実施例6と対応している。これら実施例11〜13
は、いずれも請求項7の範囲内の好ましい特性を持った
ガラスであり、風冷強化処理により紫外線透過率が2%
以上改善された。また、風冷強化処理後に彩度が小さく
なり、かつ変化量が−0.5以内に収まっている。これ
は強化処理によるNi2+の吸収変化と、主にFe 3+とC
3+の相互作用に起因する吸収変化とが相まって色調の
変化を抑えたものである。
【0046】
【表3】
【0047】一方、比較例1〜3は、いずれも本発明の
範囲外の組成であり、このうち比較例1はCoO量、C
eO2量が本発明の範囲外のもの、比較例2は全鉄量が
本発明の範囲外のもの、比較例3はNiO量が本発明の
範囲外のものである。
【0048】これらの結果から明らかなように、比較例
1〜3のガラスはいずれも所望の可視光透過率、全太陽
エネルギー透過率、紫外線透過率を満たすことができな
い。
【0049】また、比較例4はNiOを含まない本発明
の範囲外の組成例であるが、風冷強化後に彩度が大きく
なっており、品質管理上また特性上好ましくないもので
ある。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、高
い可視光透過率と緑色系の色調を有する紫外線赤外線吸
収ガラス、特に風冷強化して用いられる場合には強化前
後の色味の変化を抑制するために、とりわけ乗用車に用
いられる窓ガラスとして好適な紫外線赤外線吸収緑色ガ
ラスを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉井 成和 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 4G062 AA01 BB03 DA06 DA07 DB01 DB02 DC01 DC02 DC03 DD01 DE01 DF01 EA01 EB04 EC01 EC02 EC03 ED01 ED02 ED03 EE03 EE04 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FB02 FC01 FD01 FE01 FF01 FF02 FG01 FH01 FJ01 FK01 FK02 FL01 FL02 FL03 GA01 GA10 GB01 GC01 GC02 GD01 GE01 HH01 HH03 HH04 HH05 HH07 HH08 HH09 HH10 HH12 HH13 HH15 HH17 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK02 KK04 KK05 KK07 KK10 MM01 NN07 NN12 NN13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で表示して、着色成分として、
    0.5%を超え、1.1%以下のFe23に換算した全
    酸化鉄(T−Fe23)、0〜2.0%のCeO2、0
    〜1.0%のTiO2 0.0005〜0.01%のNiO、0.0001〜
    0.001%のCoOを含み、4mmの厚味における該
    ガラスの可視光透過率(YA)が70%以上、かつ全太
    陽光透過率(TG)が60%以下、かつISO9050
    に規定される紫外線透過率(Tuv)が25%以下であ
    ることを特徴とする紫外線赤外線吸収緑色ガラス。
  2. 【請求項2】 CeO2の量が0.1〜2.0%である
    ことを特徴とする請求項1記載の紫外線赤外線吸収緑色
    ガラス。
  3. 【請求項3】 重量%で表示して、基礎ガラス組成が6
    5〜80%のSiO2、0〜5%のAl23、0〜10
    %のMgO、5〜15%のCaO(ただし、MgOとC
    aOとの合量は5〜15%)、10〜20%のNa
    2O、0〜5%のK2O(ただし、Na2OとK2Oとの合
    量は10〜20%)、および0〜5%のB23からなる
    請求項1または2に記載の紫外線赤外線吸収緑色ガラ
    ス。
  4. 【請求項4】 0.6%を超え、1.1%以下のT−F
    23を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外
    線赤外線吸収緑色ガラス。
  5. 【請求項5】 Fe23に換算したFeOがT−Fe2
    3の20〜60%である請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の紫外線赤外線吸収緑色ガラス。
  6. 【請求項6】 Se、Cr23、Mn23、CuO、N
    23、Er23、MoO3、V25、La23からな
    る群のうち少なくとも1つ以上の成分を合計で0.00
    01%〜0.1%含む請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の紫外線赤外線吸収緑色ガラス。
  7. 【請求項7】 4mmの厚味におけるガラスの可視光透
    過率(YA)が70%以上、かつ全太陽光透過率(T
    G)が53%以下、かつISO9050に規定される紫
    外線透過率(Tuv)が20%以下である請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の紫外線赤外線吸収緑色ガラス。
  8. 【請求項8】 CIE 1976 L***表色系に
    おける色度a*,b*を用いて以下の式(1)で求められ
    る彩度の熱処理前後の差が0.5以内であることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の紫外線赤外
    線吸収緑色ガラス。 彩度=√(a*2+b*2) ・・・ 式(1)
  9. 【請求項9】 前記熱処理が、風冷強化処理であること
    を特徴とする請求項8に記載の紫外線赤外線吸収緑色ガ
    ラス。
  10. 【請求項10】 フロート法を用いて板状に成形された
    後、風冷強化を施されたことを特徴とする請求項1〜9
    のいずれか1項に記載の紫外線赤外線吸収緑色ガラス。
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