JP4300645B2 - 紫外線赤外線吸収低透過ガラス - Google Patents

紫外線赤外線吸収低透過ガラス Download PDF

Info

Publication number
JP4300645B2
JP4300645B2 JP24009799A JP24009799A JP4300645B2 JP 4300645 B2 JP4300645 B2 JP 4300645B2 JP 24009799 A JP24009799 A JP 24009799A JP 24009799 A JP24009799 A JP 24009799A JP 4300645 B2 JP4300645 B2 JP 4300645B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
ultraviolet
infrared
low
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24009799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001064035A (ja
Inventor
啓充 瀬戸
廉仁 長嶋
成和 吉井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority to JP24009799A priority Critical patent/JP4300645B2/ja
Priority to DE2000615267 priority patent/DE60015267T2/de
Priority to EP20000116701 priority patent/EP1081107B1/en
Publication of JP2001064035A publication Critical patent/JP2001064035A/ja
Priority to US10/134,465 priority patent/US6780803B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4300645B2 publication Critical patent/JP4300645B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/083Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound
    • C03C3/085Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal
    • C03C3/087Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal containing calcium oxide, e.g. common sheet or container glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/02Compositions for glass with special properties for coloured glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/08Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths
    • C03C4/082Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths for infrared absorbing glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/08Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths
    • C03C4/085Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths for ultraviolet absorbing glass

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線赤外線吸収低透過ガラスに関するものである。詳しくは、中性色に近い青緑色ないし深緑色系の色調を有すると共に、低い可視光透過率と低い全太陽光透過率及び低い紫外光透過率を有するため、自動車や建物等の窓ガラスとして、特に、乗用車のプライバシー保護用ガラスとして、とりわけ、その薄板、軽量化に有用な紫外線赤外線吸収低透過ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の室内内装材の高級化に伴う内装材の劣化防止の要請や冷房負荷低減の観点から、自動車用窓ガラスとして紫外線赤外線吸収能を付与した様々なガラスが提案されている。そのうち自動車後部窓ガラスには、プライバシー保護の見地から比較的可視光透過率の低いガラスが好んで用いられる。このようなガラスには次のようなものがある。
【0003】
例えば、特公平7−29813号に開示された暗灰色赤外線吸収ガラスはソーダ・石灰・シリカガラス中に重量%で表して1.00〜1.7%のFe23(全鉄)、少なくとも0.27%のFeO、0.002〜0.005%のSe、0.01〜0.02%のCoOからなる着色剤を含有している。このガラスは3.9mmの厚さで32%以下の光透過率及び15%より小さな全太陽赤外線透過率を有する。
【0004】
また、特開平8−157232号に開示された濃グレー色ガラスは、ソーダ・石灰・シリカガラス中に重量%で表して、0.8〜1.4%のFe23(全鉄分)、0.21%以下のFeO、0.05〜1.0%のTiO2、0.02〜0.05%のCoO、0.0005〜0.015%のSeからなる着色剤を含有している。
【0005】
米国特許第5,393,593号のクレーム25に開示された中性暗灰色ガラスは、重量%で表してSiO266〜75%、Na2O10〜20%、CaO5〜15%、MgO0〜5%、Al230〜5%、K2O0〜5%よりなる基礎ガラス成分と、1.00〜2.2%のFe23(全鉄)、少なくとも0.20%のFeO、0.0005〜0.005%のSe、0.010〜0.030%のCoOからなる着色剤とを含有してなる。このガラスは3.9mmの厚さで35%以下の光透過率及び20%より小さな全太陽赤外線透過率を有する。
【0006】
特表平8−506314号に開示されたガラスは、ソーダ・石灰・シリカガラス中に以下の方程式で計算される第一鉄含有量を有し、
FeO(重量%)≧0.007+(光学濃度−0.036)/2.3
重量%で表して0.25〜1.75%のFe23を含み、Se,Co34,Nd23,NiO,MnO,V25,CeO2,TiO2,CuO及びSnOからなる群の中から一つ以上を選択することにより中間色に着色される。このガラスは4mmの厚さで32%以上の可視光透過率を有し、紫外線透過率は25%以下、太陽直射熱透過率は可視光透過率よりも少なくとも7%低く、主波長は好ましくは570nm未満である。この実施例のうちの一部はプライバシー保護用ガラスとして用いることができる。
【0007】
前記特公平7−29813号に開示された暗灰色赤外線吸収ガラス、及び前記特開平8−157232号に開示された濃グレー色ガラスは、いずれも好ましい色調を得るために多量のSeを使用している。Seは毒性を持っておりかつ非常に揮散し易いことから、多量のSeの使用はその環境に及ぼす影響が大きいことから好ましくない。
【0008】
また、前記米国特許第5,393,593号に開示された中性暗灰色ガラスも、Se含有量が多く、環境保護の観点から好ましくない。また、FeO含有量が多いことは熱線吸収性の観点からは好ましいが、FeOは1000〜1200nmの波長域の赤外線を選択的に吸収するため、通常の溶融窯で生産する場合には火炎の輝度分布で最も効率の良い部分を吸収することになり窯底の素地温度を低下させ、様々な欠点の原因となるため好ましくない。
【0009】
前述した低可視光透過率を有するガラスはプライバシー保護の点で優れるが、乗用車の室内からガラスを通して外の景色を見難いという不具合がある。一方で中程度の透過率を有するガラスはプライバシー保護と安全の両者をある程度まで満足できる。現在ではこれら2種類のガラスは乗用車の使用部位と状況によって使い分けられている。
【0010】
前述のガラスは、いずれも本質的にNiを含まず、高い濃度のSeを含有することで所望の光学特性を得ている。
【0011】
前記特表平8−506314号に開示されたガラスのうち、プライバシー保護用に使用できるガラスは本文中に説明されているように、Ni、Se、Coの着色剤を全て含むことで中間色調を得ているが、Ni含有量が少ないため、多量のSeを添加する必要がある。
【0012】
上記した従来技術の問題点を解決し、Seを従来必要とされてきた量よりもはるかに少なく含有させるか、或いは全く使用せずとも所望の中性色に近い青緑色系ないし深緑色系の色調を得ることができ、低〜中程度の可視光透過率と低い紫外線透過率及び低い全太陽光透過率を有する紫外線赤外線吸収低透過ガラスを提供するべく、本出願人は先に、重量%で表示して、
65〜80%のSiO2
0〜5%のAl23
0〜10%のMgO、
5〜15%のCaO(ただし、MgOとCaOとの合量は5〜15%)、
10〜18%のNa2O、
0〜5%のK2O(ただし、Na2OとK2Oとの合量は10〜20%)、
及び0〜5%のB23からなる基礎ガラス組成と、
着色成分として、
1.2〜2.2%のFe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)、
0.001〜0.03%のCoO、
0〜0.0008%のSe、
及び0〜0.2%のNiOからなる紫外線赤外線吸収低透過ガラスを提案した(特開平10−114540号公報)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−114540号公報に記載される紫外線赤外線吸収低透過ガラスであれば、比較的低い可視光透過率と、低い全太陽光透過率及び低い紫外線透過率を有する紫外線赤外線吸収低透過ガラスが提供されるが、この紫外線赤外線吸収低透過ガラスで達成される可視光透過率及び全太陽光透過率は、4mm厚みに換算したガラスの、A光源を用いて測定した可視光透過率(YA)が23〜50%程度、全太陽光透過率(TG)が20〜35%程度である。
【0014】
一方で、近年、自動車による環境負荷の低減のために、低燃費なシステムの開発や車体の軽量化等が進められている。従来において、車体の軽量化は主にボディの鋼板を薄くして強度を上げることで進められてきたが、更には、窓ガラスの薄板化によって少しでも車体を軽くすることが望まれるようになってきた。しかし、ガラスを薄板化すれば、可視光透過率や全太陽光透過率が高くなってしまうため、自動車用窓ガラスの薄板、軽量化のためには、板厚を薄くしても十分に低い可視光透過率と全太陽光透過率を得ることができる紫外線赤外線吸収低透過ガラスが望まれる。
【0015】
特開平10−114540号公報に開示される紫外線赤外線吸収低透過ガラスでは、3.1〜5mmのいずれかの厚みにおけるガラスの可視光透過率が10〜25%であり、かつ全太陽光透過率が10〜35%である紫外線赤外線吸収低透過ガラスが実現できるが、上記自動車用窓ガラスの薄板、軽量化のためには、最近では更に薄い、例えば、2.8mmといった厚みで上述のように可視光透過率10〜25%、全太陽光透過率10〜35%が達成される低可視光透過率及び低全太陽光透過率の紫外線赤外線吸収低透過ガラスが求められる。
【0016】
このように2.8mm厚みにおいて可視光透過率が10〜25%、全太陽光透過率が10〜35%となるガラスとするためには、4mm厚みに換算したときの可視光透過率が5〜15%,全太陽光透過率が5〜25%である必要がある。
【0017】
本発明は上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、中性色に近い青緑色ないし深緑色系の色調を有すると共に、低い可視光透過率と低い全太陽光透過率及び低い紫外光透過率を有するため、自動車や建物等の窓ガラスとして、特に、乗用車のプライバシー保護用ガラスとして、とりわけ、その薄板、軽量化に有用な紫外線赤外線吸収低透過ガラスを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の紫外線赤外線吸収低透過ガラスは、重量%で表示して、65〜80%のSiO2、0〜5%のAl23、0〜10%のMgO、5〜15%のCaO(ただし、MgOとCaOとの合量は5〜15%)、10〜18%のNa2O、0〜5%のK2O(ただし、Na2OとK2Oとの合量は10〜20%)、及び0〜5%のB23からなる基礎ガラス組成と、着色成分として、1.2〜2.2%のFe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)、0.03%を超えるCoO、0.0001%未満のSe、及び0〜0.2%のNiOからなり、かつ、4mm厚みに換算したガラスの、A光源を用いて測定した可視光透過率(YA)が12%以下であることを特徴とする。
【0019】
本発明の紫外線赤外線吸収低透過ガラスでは、特開平10−114540号公報に記載されるガラス組成の着色成分のうち、Seを含まないか或いは極く僅かなSe含有量において、CoO含有量を多くすることにより可視光透過率を下げて、4mm厚みに換算したガラスの可視光透過率(YA)が12%以下の低可視光透過率のガラスを実現する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の紫外線赤外線吸収低透過ガラス組成の限定理由について説明する。但し、以下の組成は重量%で表示したものである。
【0021】
SiO2(シリカ)はガラスの骨格を形成する主成分である。SiO2が65%未満ではガラスの耐久性が低下し、80%を越えるとガラスの溶解が困難になる。
【0022】
Al23はガラスの耐久性を向上させる成分であるが、5%を越えるとガラスの溶解が困難になる。Al23の好ましい範囲は0.1〜2%である。
【0023】
MgOとCaOはガラスの耐久性を向上させるとともに、成形時の失透温度、粘度を調整するのに用いられる。MgOが10%を越えると失透温度が上昇する。CaOが5%未満または15%を越えると失透温度が上昇する。MgOとCaOの合計が5%未満ではガラスの耐久性が低下し、15%を越えると失透温度が上昇する。
【0024】
Na2OとK2Oはガラスの溶解を促進させる。Na2Oが10%未満あるいはNa2OとK2Oとの合計が10%未満では溶解促進効果が乏しく、Na2Oが18%を越えるか、またはNa2OとK2Oの合計が20%を越えるとガラスの耐久性が低下する。K2O量が多いとコストが高くなるため、K2Oは5%以下に留めることが望ましい。
【0025】
23はガラスの耐久性向上のため、あるいは溶解助剤としても使用される成分であるが、紫外線の吸収を強める働きもある。5%を越えると紫外域の透過率の低下が可視域まで及ぶようになり、色調が黄色味を帯び易くなると共に、B23の揮発等による成形時の不都合が生じるので5%を上限とする。
【0026】
酸化鉄は、ガラス中ではFe23とFeOの状態で存在する。Fe23は紫外線吸収能を高める成分であり、FeOは熱線吸収能を高める成分である。
【0027】
Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)1.2%以下では紫外線及び赤外線の吸収効果が小さく、所望の光学特性が得られない。他方、T−Fe23が2.2%を超えると酸化第1鉄の有する熱線吸収効果により、その輻射熱により溶融時に熔解槽天井部の温度が耐熱温度以上になる恐れがあり好ましくない。さらに、T−Fe23が2.2%よりも多いとガラス溶融窯で連続的に生産を行う場合、異組成ガラス素地との組成変更に時間を要するため好ましくない。なお、より好ましい範囲は1.2〜1.5%、とりわけ1.2〜1.4%である。
【0028】
T−Fe23が1.2〜1.5%の場合は、T−Fe23が少な目であるため溶解時の窯槽への負担が小さく、ガラス溶融窯で連続的に生産する際、ガラス素地の組成変更に要する時間が比較的短かくて済むというメリットがある。とりわけT−Fe23が1.2〜1.4%の場合は、前述したメリットが大きく、かつ鉄のみで充分な紫外線吸収効果を得ることができる。
【0029】
なお、Fe23は、ガラスが風冷強化処理される場合、特に紫外域における吸収を著しく増大させる作用を有する。T−Fe23の範囲を上記の通りとした場合、風冷強化処理による変色後のガラスの色調が目標色調となる。
【0030】
FeO/T−Fe23の比(Fe23に換算したFeOのFe23に対する重量比の百分率)は15〜50%であることが好ましい。この比が15%よりも小さいとFeO量が少ないため充分な熱線吸収能が得られない。
【0031】
FeO/T−Fe23の比が50%よりも大きいと可視光透過率が低下し色調は青みを帯び、また、溶融ガラス中における還元性を有したFe2+の量が多いところから、ガラス溶融液中に硫化ニッケル石を発生することがある。さらに、この比が35%よりも大きいと、シリカ分に富んだ筋状部が発生したり、シリカスカムが発生する原因になることもある。このFeO/T−Fe23の比を25〜35に設定することにより、高い紫外線吸収能と熱線吸収能を有した中性色に近い緑色系色調のガラスが得られる。この場合のFeOの量としてはFe23に換算した数値を用いる。
【0032】
CoOは、Se及び/またはNiO及びFe23と共存させることにより中性色に近い緑灰色系の色調を得るための成分であり、また可視光透過率をコントロールする成分でもあるが、0.03%以下では所望の色調が得られず可視光透過率も高すぎる。また、0.05%を越えると色調は青味が強くなり過ぎ、可視光透過率も低下する。特に、CoO量は0.03%を超え、0.05%以下とするのが好ましい。
【0033】
Seは、ピンクの発色によりCoOの補色と相俟って刺激純度を低減するための成分である。なお、NiOが含まれる場合、Seは必ずしも含まれなくても良い。Se量が0.0001%を超えると可視光透過率が低下する。本発明ではSeを全く使用せずとも所望の色調を得ることができる。
【0034】
NiOは、CoOとともに可視光透過率を調整し、刺激純度を低減するための成分である。なお、Seが含まれる場合NiOは必ずしも含まれなくても良い。NiO量が0.2%を越えると製品中に硫化ニッケル石を生じることがあり、かつ可視光透過率が低下する。色調も褐色が強くなりすぎ好ましくない。NiOを含む場合、より低い可視光透過率のためには、NiOは0.001〜0.2%、特に0.055〜0.2%の範囲で含有されていることが好ましい。
【0035】
ガラス中のNiO濃度が過度に高いとNiOは凝集し硫化ニッケル石を形成する可能性があるが、本発明の組成範囲内であれば硫化ニッケル石を生ぜしめることなく所望の色調を得ることが可能となる。
【0036】
NiOはガラスの冷却速度によって配位数が変化し、発色の状態が異なることが知られている。これは冷却処理によってNi2+周りの酸素配位数が6から4に変化し、光の吸収特性が変化することによるものである。6配位Ni2+の吸収が430nm付近に存在し、ガラスに黄色の着色を生じるのに対し、4配位Ni2+の吸収は500〜640nmにかけて存在するため、4配位Ni2+を用いることで刺激純度を低減し好ましい色調を得ることができる。乗用車の窓ガラスは、通常、安全のため風冷強化処理を施される。NiOはガラスのこの風冷強化処理によっても発色の状態が変化する。本発明では、風冷強化処理による変色を利用することにより、Seを添加することなく、ガラスの色調を目標色調とすることができる。
【0037】
本発明の組成範囲のガラスに、着色剤として、V25、MoO3、CuO、Cr23等の1種または2種以上、あるいは還元剤、清澄助剤としてSnO2 を合計量で0〜1%の範囲で、本発明が目的とする中程度の透過率及び中性色に近い緑灰色系の色調を損なわない範囲で添加しても良い。また硫化ニッケル石の発生をさらに確実に防ぐために、ZnOを0〜1%の範囲で添加しても良い。
【0038】
ところで、本発明の紫外線赤外線吸収低透過ガラスでは、前述の如く風冷強化処理が施されていることが好ましく、このような風冷強化処理において、特に本発明のCoO、Fe23組成を採用することにより、良好な色調ないし光学特性を得ることができる。
【0039】
この風冷強化処理は、常法に従ってガラス素地から製造したガラス板を600〜750℃に2〜5分程度再加熱し、その後、10〜30℃の空気を吹き付けて冷却することにより行われる。この冷却に当り、降温速度は100〜300℃/秒程度とするのが好ましい。
【0040】
このような風冷強化処理により、ガラス中に含まれるCoO,NiO及びFe23の存在で、色調は青緑色ないし深緑色となり、光学特性の面において熱線吸収能を維持したまま、可視光透過率と紫外線透過率を下げることができるという効果が奏される。
【0041】
このような本発明の紫外線赤外線吸収低透過ガラスは、4mm厚みに換算した該ガラスの、A光源を用いて測定した可視光透過率(YA)が12%以下、好ましくは4〜10%であり、全太陽光透過率(TG)が好ましくは20%以下、より好ましくは6〜15%であり、かつ、ISOで規定される紫外線透過率(TUV)が好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下である。
【0042】
また、ガラス色調の、L***表色系を用いてa*,b*で表される色度がそれぞれ、−15≦a*≦−5,−10≦b*≦10の範囲内であることが好ましい。
【0043】
とりわけ乗用車後方窓のプライバシー保護用ガラスとして用いる場合、特に中性色に近い色調が好まれるため、前記a*,b*で表される色度が、|a*|−|b*|≦5(即ち、a*,b*の絶対値の差が5以下)の範囲内であることがより好ましい。
【0044】
また、本発明のガラスは、4mm厚みに換算したガラスのC光源を用いて380〜770nmの波長域で測定した主波長(λd)が480〜580nm、刺激純度(Pe)が20%以下の光学特性を有することが好ましい。
【0045】
【実施例】
以下、本発明の実施形態を具体的な実施例を挙げて説明する。
【0046】
実施例1〜11、比較例1〜3
典型的なソーダ石灰シリカガラスバッチ成分に、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル及び必要に応じて二酸化チタンと二酸化セリウムを添加すると共に、さらに炭素系還元剤(具体的にはコークス粉末等)をガラス原料100重量部に対し約0.01重量部の割合で加えて混合し、この原料を電気炉中で1500℃に加熱、溶融した。4時間溶融した後、ステンレス板上にガラス素地を流し出し、16Hrかけて室温まで徐冷して厚さ約6mmのガラス板を得た。次いで、このガラス板を厚さが4mmになるように研磨した後、700℃、5分再加熱後、20℃の空気を風圧3.2〜2.1kgf/mm2、風量0.7〜0.6Nm3/分で吹付けて200℃/秒の降温速度で冷却することで風冷強化処理を施した。この風冷強化処理前後のサンプルについてA光源を用いて可視光透過率(YA)、全太陽光透過率(TG)、ISO 9050に規定した紫外線透過率(TUV)を測定すると共に、C光源を用いて主波長(λd)、刺激純度(Pe)を測定し、更に、CIE色度図によるL*,a*,b*値を測定した。
【0047】
表1に、得られたサンプルの基礎ガラス組成を示す。また、表2〜4に、各サンプルのT−Fe23濃度、FeO(Fe23換算)/T−Fe23比(重量%)、CoO濃度、NiO濃度、TiO2濃度及びCeO2濃度と風冷強化処理前後の光学特性値を示した。なお、表1中のSiO2の重量%には小数点以下の数値が表示されていないが、これはSiO2の小数点以下を四捨五入したためである。
【0048】
【表1】
Figure 0004300645
【0049】
【表2】
Figure 0004300645
【0050】
【表3】
Figure 0004300645
【0051】
【表4】
Figure 0004300645
【0052】
上記の結果から明らかなように、本発明によれば、厚さ4mmでA光源を用いて測定した可視光透過率(YA)が12%以下、全太陽光透過率(TG)が20%以下、ISO 9050に規定された紫外線透過率(TUV)が10%以下の光学特性を有するガラスが得られることがわかる。
【0053】
一方、比較例1,3はCoO含有量を0.03重量%又はそれよりも更に少なくしたものであるが、可視光透過率(YA)が本発明のガラスに比べて大きい。比較例2はT−Fe23が1.1重量%と少ないため、やはり可視光透過率(YA)が大きい。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、低い可視光透過率と低い全太陽光透過率及び低い紫外線透過率を持ち、とりわけ可視光透過率が低く、中性色に近い青緑色ないし深緑色系の色調を有する紫外線赤外線吸収低透過ガラスが提供される。
【0055】
本発明の紫外線赤外線吸収低透過ガラスは、自動車用等の後方窓ガラスや、建築用窓ガラス等に適用された場合には、優れた室内内装材の劣化防止効果や褪色防止効果を示すとともにプライバシー保護効果を示すものであるが、特に、本発明の紫外線赤外線吸収低透過ガラスは、薄板状であっても十分に低い可視光透過率と低い全太陽光透過率、更には低い紫外線透過率を有するため、窓ガラスの薄板化が可能であり、これにより自動車の軽量化を図ることができる。

Claims (12)

  1. 重量%で表示して、
    65〜80%のSiO2
    0〜5%のAl23
    0〜10%のMgO、
    5〜15%のCaO(ただし、MgOとCaOとの合量は5〜15%)、
    10〜18%のNa2O、
    0〜5%のK2O(ただし、Na2OとK2Oとの合量は10〜20%)、
    及び0〜5%のB23からなる基礎ガラス組成と、
    着色成分として、
    1.2〜2.2%のFe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)、
    0.03%を超えるCoO、
    0.0001%未満のSe、
    及び0〜0.2%のNiOからなり、
    かつ、4mm厚みに換算したガラスの、A光源を用いて測定した可視光透過率(YA)が12%以下であることを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  2. 請求項1において、CoOが0.03%を超え0.05%以下であることを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  3. 請求項1又は2において、Seを実質的に含有しないことを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、NiOが0.001〜0.2%であることを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  5. 請求項4において、NiOが0.055〜0.2%であることを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、Fe23に換算したFeOがT−Fe23の15〜50%であることを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、4mm厚みに換算したガラスの、A光源を用いて測定した全太陽光透過率(TG)が20%以下で、ISOに規定される紫外線透過率(TUV)が10%以下であることを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、前記YAが4〜10%であり、TGが6〜15%であり、TUVが8%以下であることを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において、ガラス色調の、L***表色系を用いてa*,b*で表される色度がそれぞれ、−15<a*<−5,−10<b*<10の範囲内であることを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項において、4mm厚みに換算したガラスのC光源を用いて測定した主波長が480〜580nmであることを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項において、4mm厚みに換算したガラスのC光源を用いて測定した刺激純度が20%以下であることを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項において、風冷強化処理が施されている紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
JP24009799A 1999-08-26 1999-08-26 紫外線赤外線吸収低透過ガラス Expired - Fee Related JP4300645B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24009799A JP4300645B2 (ja) 1999-08-26 1999-08-26 紫外線赤外線吸収低透過ガラス
DE2000615267 DE60015267T2 (de) 1999-08-26 2000-08-02 Utraviolett und Infrarot absorbierendes Glas niedriger Durchlässigkeit
EP20000116701 EP1081107B1 (en) 1999-08-26 2000-08-02 Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass
US10/134,465 US6780803B2 (en) 1999-08-26 2002-04-30 Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24009799A JP4300645B2 (ja) 1999-08-26 1999-08-26 紫外線赤外線吸収低透過ガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001064035A JP2001064035A (ja) 2001-03-13
JP4300645B2 true JP4300645B2 (ja) 2009-07-22

Family

ID=17054457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24009799A Expired - Fee Related JP4300645B2 (ja) 1999-08-26 1999-08-26 紫外線赤外線吸収低透過ガラス

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP1081107B1 (ja)
JP (1) JP4300645B2 (ja)
DE (1) DE60015267T2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2867774B1 (fr) * 2004-03-19 2007-08-10 Saint Gobain Composition de verre silico-sodo-calcique gris fonce destinee a la fabrication de vitrages
JP5147034B2 (ja) * 2005-03-17 2013-02-20 独立行政法人産業技術総合研究所 自動調熱色調調和遮光ガラス及び製造方法
JP5115545B2 (ja) * 2009-09-18 2013-01-09 旭硝子株式会社 ガラスおよび化学強化ガラス
JP5510505B2 (ja) * 2009-09-18 2014-06-04 旭硝子株式会社 ガラスおよび化学強化ガラス
GB0922064D0 (en) 2009-12-17 2010-02-03 Pilkington Group Ltd Soda lime silica glass composition
US8901021B2 (en) * 2011-02-14 2014-12-02 Ppg Industries Ohio, Inc. Dark privacy glass
FR2997391B1 (fr) * 2012-10-30 2014-11-21 Eurokera Plaque en verre pour dispositif de cuisson par induction
EP3594034B1 (en) 2014-12-03 2020-12-02 Nippon Sheet Glass Company, Limited Glass composition, glass plate, and vehicle glass window using glass plate
WO2017043631A1 (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 旭硝子株式会社 紫外線吸収性ガラス物品
WO2017150684A1 (ja) * 2016-03-03 2017-09-08 旭硝子株式会社 紫外線吸収性ガラス
WO2017217324A1 (ja) * 2016-06-13 2017-12-21 旭硝子株式会社 紫外線吸収性ガラス

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2731696B1 (fr) * 1995-03-16 1997-04-25 Saint Gobain Vitrage Feuilles de verre destinees a la fabrication de vitrages
US5650365A (en) * 1995-09-21 1997-07-22 Libbey-Owens-Ford Co. Neutral low transmittance glass
JP3419259B2 (ja) * 1996-08-21 2003-06-23 日本板硝子株式会社 紫外線赤外線吸収低透過ガラス
JPH10139475A (ja) * 1996-11-13 1998-05-26 Nippon Sheet Glass Co Ltd 紫外線赤外線吸収低透過ガラス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001064035A (ja) 2001-03-13
DE60015267D1 (de) 2004-12-02
EP1081107B1 (en) 2004-10-27
DE60015267T2 (de) 2005-03-10
EP1081107A2 (en) 2001-03-07
EP1081107A3 (en) 2002-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3419259B2 (ja) 紫外線赤外線吸収低透過ガラス
US6784129B2 (en) Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass
US5998316A (en) Ultraviolet and infrared radiation absorbing and low transmitting glass
US5952255A (en) Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass
US6436860B2 (en) Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass
EP1020414B1 (en) Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass
JP4300645B2 (ja) 紫外線赤外線吸収低透過ガラス
US6395660B1 (en) Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass
JP2000247679A (ja) 紫外線赤外線吸収低透過ガラス
JP2002160938A (ja) 紫外線赤外線吸収緑色ガラス
US6780803B2 (en) Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass
US20020155939A1 (en) Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass
EP0952123B1 (en) Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass
JP3620289B2 (ja) 紫外線赤外線吸収中透過緑色ガラス
US6524713B2 (en) Ultraviolet-infrared absorbent low transmittance glass
JP3963558B2 (ja) 紫外線赤外線吸収低透過ガラス
US6841494B2 (en) Ultraviolet/infrared absorbent green glass with medium light transmittance
US7393802B2 (en) Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass
US20010025004A1 (en) Ultraviolet/infrared absorbent low transmittance glass
JP2002255586A (ja) 紫外線赤外線吸収低透過ガラス
JP2001019471A (ja) 濃グリーン色ガラス
MXPA97008101A (en) Color glass compositions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090331

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090413

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees