JP2002155980A - 衝撃吸収部材及びバンパ - Google Patents

衝撃吸収部材及びバンパ

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JP2002155980A
JP2002155980A JP2000354821A JP2000354821A JP2002155980A JP 2002155980 A JP2002155980 A JP 2002155980A JP 2000354821 A JP2000354821 A JP 2000354821A JP 2000354821 A JP2000354821 A JP 2000354821A JP 2002155980 A JP2002155980 A JP 2002155980A
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crash box
plastic deformation
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compression load
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Mitsutsugu Gotanda
光継 五反田
Shinichi Haneda
真一 羽田
Kazuo Mori
一生 森
Kiyohito Morimoto
清仁 森本
Kazutomo Kajiwara
一知 梶原
Yuzo Konishi
雄三 小西
Seiji Sakai
誠二 酒井
Kazunobu Funo
和信 布野
Kazunari Azuchi
一成 安土
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Toyota Motor Corp
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Aisin Keikinzoku Co Ltd
Toyota Motor Corp
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R19/00Wheel guards; Radiator guards, e.g. grilles; Obstruction removers; Fittings damping bouncing force in collisions
    • B60R19/02Bumpers, i.e. impact receiving or absorbing members for protecting vehicles or fending off blows from other vehicles or objects
    • B60R19/24Arrangements for mounting bumpers on vehicles
    • B60R19/26Arrangements for mounting bumpers on vehicles comprising yieldable mounting means
    • B60R19/34Arrangements for mounting bumpers on vehicles comprising yieldable mounting means destroyed upon impact, e.g. one-shot type

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性を低減することなく、塑性変形を開始
させるときの軸圧縮荷重を低減することができる衝撃吸
収部材及びバンパを提供する。 【解決手段】 クラッシュボックス17は、中空構造を
有しており、軸圧縮荷重に対する塑性変形の起点となる
初期座屈変形部23が予め設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸圧縮荷重を塑性
変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材
及びバンパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、中空構造を有し、軸圧縮荷重
を塑性変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸
収部材として種々のものが知られている。一般に、こう
した衝撃吸収部材においては、図3に破線にて示される
ように、塑性変形(初期座屈変形)を開始させるため
に、初期の段階で著しく大きな軸圧縮荷重を加えること
が必要となっている。そして、一旦、塑性変形が開始さ
れると、衝撃吸収部材は比較的小さな軸圧縮荷重で蛇腹
状に連続的に座屈変形を繰り返しながら衝撃を吸収す
る。
【0003】このような態様で衝撃吸収部材に加えられ
る軸圧縮荷重は、同衝撃吸収部材を介して外部へと伝達
される。従って、上述の初期の段階での大きな軸圧縮荷
重も衝撃吸収部材を介して外部へと伝達されることとな
る。このため、衝撃吸収部材に塑性変形(初期座屈変
形)を開始させるときの軸圧縮荷重を低減する必要性か
ら、例えば特開平5−65076号公報、特開平7−1
45842号公報、特開平7−145843号公報、特
開平8−216917号公報、特開平11−20851
8号公報等に記載されたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした公
報に記載された手法は、衝撃吸収部材に応力集中する形
状、すなわち脆弱部を設け、これを軸圧縮荷重に対する
塑性変形の起点とすることで、塑性変形を開始させると
きの軸圧縮荷重を低減するようにしている。従って、こ
うした公報に記載の衝撃吸収部材においては、 (1)加工が複雑で難しい。 (2)塑性変形を開始させるときの軸圧縮荷重の低減が
十分でない。 (3)意匠・構造等の制約を受けるために安定した塑性
変形の特性が得にくい。 (4)衝撃吸収部材に穴を空ける等することで、次段の
連続的な座屈変形の際に穴を起点として裂け等が生じ、
同段階での安定した塑性変形の特性が得にくい。 (5)溶接ビード等は、材料の機械的性質を低下させる
ため、衝撃吸収部材に引っ張り荷重が加わると破断しや
すくなる。 (6)多数の隔壁によって内部の隔成された中空体に対
してビード等を設ける加工は、型抜き等のために複雑で
難しい。 (7)切削等の機械加工は製造コストを増大する。 等のいずれか対応する問題があり、安定した十分な性能
の確保と効率的な生産性の確保との両立が難しい。
【0005】本発明の目的は、生産性を低減することな
く、塑性変形を開始させるときの軸圧縮荷重を低減する
ことができる衝撃吸収部材及びバンパを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、中空構造を有し、軸圧
縮荷重を塑性変形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する
衝撃吸収部材において、軸圧縮荷重に対する塑性変形の
起点となる初期座屈変形部を予め設けたことを要旨とす
る。
【0007】請求項2に記載の発明は、バンパリインホ
ースの各側に対で配設され、該バンパリインホースに一
端が固着されるとともにボディに他端が固着されて車両
の前後方向に伸びる中空のクラッシュボックスを備えた
バンパにおいて、前記クラッシュボックスには、軸圧縮
荷重に対する塑性変形の起点となる初期座屈変形部を予
め設けたことを要旨とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のバンパにおいて、前記初期座屈変形部は、前記クラッ
シュボックスの前記バンパリインホース側に設けたこと
を要旨とする。
【0009】(作用)一般に、軸圧縮荷重を塑性変形で
吸収して衝撃エネルギーを吸収する中空構造を有する衝
撃吸収部材においては、塑性変形(初期座屈変形)を開
始させるために、初期の段階で著しく大きな軸圧縮荷重
を加えることが必要となっている。そして、一旦、塑性
変形が開始されると、衝撃吸収部材は比較的小さな軸圧
縮荷重で蛇腹状に連続的に座屈変形を繰り返しながら衝
撃を吸収する。
【0010】このような態様で衝撃吸収部材に加えられ
る軸圧縮荷重は、同衝撃吸収部材を介して外部へと伝達
される。請求項1に記載の発明によれば、軸圧縮荷重に
対する塑性変形の起点となる初期座屈変形部が予め設け
られている。従って、衝撃吸収部材に軸圧縮荷重が加え
られると、同衝撃吸収部材は上記初期座屈変形部を起点
として次段の座屈変形からその塑性変形を開始する。従
って、衝撃吸収部材に塑性変形を開始させるために必要
とされる初期の段階での軸圧縮荷重は低減される。そし
て、衝撃吸収部材を介して外部へと伝達される軸圧縮荷
重も低減される。
【0011】また、このような軸圧縮荷重に対する塑性
変形の起点となる初期座屈変形部は、例えば中空体の素
材に対して静的な軸圧縮荷重を加えて予め塑性変形(初
期座屈変形)させるという極めて簡易な手法で形成が可
能である。従って、型抜き等を考慮する必要もなく、好
適な生産性の確保が可能で製造コストが削減される。加
えて、熱を加えたりする必要もないため材料の機械的性
質が低下することもなく、又、穴等をあける必要もない
ため裂け等も発生することはない。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、上記クラ
ッシュボックスには、軸圧縮荷重に対する塑性変形の起
点となる初期座屈変形部が予め設けられている。従っ
て、車両が衝突等をしてクラッシュボックスに軸圧縮荷
重が加えられると、同クラッシュボックスは上記初期座
屈変形部を起点として次段の座屈変形からその塑性変形
を開始する。従って、クラッシュボックスに塑性変形を
開始させるために必要とされる初期の段階での軸圧縮荷
重は低減される。そして、クラッシュボックスを介して
ボディへと伝達される軸圧縮荷重も低減され、乗員に伝
えられる衝撃も緩和される。
【0013】また、このような軸圧縮荷重に対する塑性
変形の起点となる初期座屈変形部は、例えば中空体の素
材に対して軸圧縮荷重を加えて予め塑性変形(初期座屈
変形)させるという極めて簡易な手法で形成が可能であ
る。従って、型抜き等を考慮する必要もなく、好適な生
産性の確保が可能で製造コストが削減される。加えて、
熱を加えたりする必要もないため材料の機械的性質が低
下することもなく、又、穴等をあける必要もないため裂
け等も発生することはない。
【0014】さらに、上記クラッシュボックスはバンパ
リインホースの各側に対で配設されている。従って、オ
フセット衝突等の場合には、衝撃が加えられたバンパリ
インホースの一側のクラッシュボックスにのみ軸圧縮荷
重が加えられることになる。このとき、当該クラッシュ
ボックスは上述の態様で塑性変形する。そして、このク
ラッシュボックスの塑性変形に伴うバンパリインホース
の一側への曲げ(モーメント)によって、同他側に配置
されたクラッシュボックスには、引っ張り荷重が印加さ
れる。このときのクラッシュボックスに印加された引っ
張り荷重は、予め形成された初期座屈変形部の伸びの範
囲で吸収される。従って、当該クラッシュボックスに印
加された引っ張り荷重による同クラッシュボックスとバ
ンパリインホースとの破断は抑制される。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、上記初期
座屈変形部は、クラッシュボックスのバンパリインホー
ス側に設けられている。従って、車両が衝突等をしてク
ラッシュボックスに軸圧縮荷重が加えられると、同クラ
ッシュボックスは上記初期座屈変形部を起点としてバン
パリインホース側からボディに向かって順次、次段の塑
性変形を進行させる。従って、クラッシュボックスのボ
ディ側は、塑性変形に伴う衝撃吸収の最終段階とされる
ため、例えば衝突等の初期の段階でクラッシュボックス
のボディ側に大きな荷重が加わることはない。このた
め、衝突等の初期の段階でクラッシュボックスとボディ
との間が折れ曲がるなどして衝撃吸収の機能を果たさな
くなることも回避される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自動車のフロント
部分に適用した一実施形態を図1〜図4に従って説明す
る。
【0017】図2は、本実施形態が適用される自動車の
フロント部分を示す斜視図である。同図に示されるよう
に、このフロント部分にはバンパの骨格となるバンパフ
レーム11、ラジエータサポート12及びボディの一部
を構成するサイドメンバ13が配設されている。
【0018】上記バンパフレーム11は、車両の幅方向
に伸びるバンパリインホース16と、同バンパリインホ
ース16の両端部にそれぞれ接合されて車両後方に軸線
が伸びる中空構造を有する対の衝撃吸収部材としてのク
ラッシュボックス17とを備えている。そして、このク
ラッシュボックス17の後端部には、ボルト締結用のブ
ラケット18が設けられている。
【0019】上記ラジエータサポート12は略四角枠状
に形成されてボディに固定されており、その両側部には
上記クラッシュボックス17のブラケット18に対応し
て幅方向に突出するブラケット12aが設けられてい
る。そして、各クラッシュボックス17のブラケット1
8は、ラジエータサポート12のブラケット12aに対
向するようになっている。
【0020】上記サイドメンバ13は、上記クラッシュ
ボックス17の軸線に略一致して軸線が伸びる略四角筒
状に形成されている。そして、このサイドメンバ13の
前端部には、上記クラッシュボックス17のブラケット
18に対応してボルト締結用のブラケット19が設けら
れている。従って、バンパフレーム11は、クラッシュ
ボックス17のブラケット18が、ラジエータサポート
12(ブラケット12a)を介してサイドメンバ13の
ブラケット19に締結されることで、ボディに固定され
るようになっている。
【0021】ここで、車両の衝突等により前方から衝撃
が加えられると、この衝撃はバンパフレーム11のクラ
ッシュボックス17を介してボディ(サイドメンバ1
3)に伝達されるようになっている。そしてこの際、上
記クラッシュボックス17は軸方向に座屈変形を繰り返
すことにより、ボディへと伝達される衝撃を緩衝するよ
うになっている。これにより、ボディ及び乗員に加えら
れる衝撃エネルギーが吸収される。
【0022】次に、上記クラッシュボックス17の構造
について、図1に基づき更に詳述する。なお、図1
(a)は、このクラッシュボックス17の正面図であ
り、図1(b)は、同側面図であり、図1(c)は、同
平面図であり、図1(d)は、同斜視図である。図1
(a)に示されるように、このクラッシュボックス17
は略四角筒状に形成されており、その内部には、互いに
直交する態様で軸線に略沿って伸びる第1隔壁21及び
第2隔壁22が設けられている。上記クラッシュボック
ス17は、基本的には上記第1及び第2隔壁21,22
によって内部の隔成された略田の字の一定の断面を有す
る中空体となっている。そして、このクラッシュボック
ス17の一側(図2においてバンパリインホース16
側)には、軸圧縮荷重に対する塑性変形の起点となる初
期座屈変形部23が予め設けられている。この初期座屈
変形部23は、以下の態様で形成したものである。すな
わち、例えばアルミニウム合金材を押出し成形すること
で、略田の字の一定の断面を有する中空体を上記クラッ
シュボックス17の素材として製造する。そして、この
中空体(素材)に対して静的な軸圧縮荷重を加えて塑性
変形(初期座屈変形)させる。この変形によって上記初
期座屈変形部23を形成する。換言すると、この初期座
屈変形部23は、中空体(素材)に対して著しく大きな
軸圧縮荷重を加えることで形成された初期の段階での塑
性変形部となっている。初期座屈変形部23の形状は、
クラッシュボックス17の各辺に隣接する稜線(角部)
にまでおよび且つ各辺の初期座屈変形部23が形成され
ていない部位に軸方向において滑らかに連続する凹部や
凸部が複数個形成された形状を呈する。
【0023】次に、このような形状を有するクラッシュ
ボックス17の軸圧縮荷重に対する変形量(ストロー
ク)の特性について図3に基づき説明する。なお、図3
の実線は、クラッシュボックス17の軸圧縮荷重と変形
量(ストローク)との関係を実験的に求めたグラフであ
る。既述のように、このクラッシュボックス17には軸
圧縮荷重に対する塑性変形の起点となる初期座屈変形部
23が予め設けられている。このため、クラッシュボッ
クス17に軸圧縮荷重が加えられると、同クラッシュボ
ックス17は上記初期座屈変形部23を起点として次段
の座屈変形からその塑性変形を開始する。従って、クラ
ッシュボックス17に塑性変形を開始させるために必要
とされる初期の段階での軸圧縮荷重は低減される。そし
て、図3に示されるように、初期の段階での軸圧縮荷重
のピーク値は抑制されている。このため、車両の衝突等
により前方から衝撃が加えられた初期の段階において
も、著しいピーク値を有する衝撃がクラッシュボックス
17を介してボディ(サイドメンバ13)に伝達される
ことはない。このため、ボディ及び乗員に加わる衝撃エ
ネルギーは緩和される。
【0024】また、このような形状を有するクラッシュ
ボックス17(バンパフレーム11)を備えた車両に対
してオフセット衝突が発生した場合のバンパフレーム1
1の変形について図4に基づき説明する。同図に示され
るように、バンパフレーム11の一側(図4の右側)に
偏る衝撃が、例えば対向車両30の衝突等により前方か
ら加えられたとする。このとき、対応する側に配置され
たクラッシュボックス17にのみ軸圧縮荷重が加えられ
ることになる。このとき、当該クラッシュボックス17
は上述の態様で塑性変形する。そして、このクラッシュ
ボックス17の塑性変形に伴うバンパリインホース16
の一側への曲げ(モーメント)によって、同他側(図4
の左側)に配置されたクラッシュボックス17には、引
っ張り荷重が印加される。このときのクラッシュボック
ス17に印加された引っ張り荷重は、予め形成された初
期座屈変形部23の伸びの範囲で吸収される。従って、
当該クラッシュボックス17に印加された引っ張り荷重
による同クラッシュボックス17とバンパリインホース
16との破断は抑制される。
【0025】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、クラッシュボックス17には軸
圧縮荷重に対する塑性変形の起点となる初期座屈変形部
23が予め設けられている。このため、車両が衝突等を
してクラッシュボックス17に軸圧縮荷重が加えられる
と、同クラッシュボックス17は上記初期座屈変形部2
3を起点として次段の座屈変形からその塑性変形を開始
する。従って、クラッシュボックス17に塑性変形を開
始させるために必要とされる初期の段階での軸圧縮荷重
を低減することができる。そして、車両の衝突等により
前方から衝撃が加えられた初期の段階においても、著し
いピーク値を有する衝撃がクラッシュボックス17を介
してボディ(サイドメンバ13)に伝達されることはな
い。このため、ボディ及び乗員に加わる衝撃エネルギー
を緩和することができる。
【0026】また、このような軸圧縮荷重に対する塑性
変形の起点となる初期座屈変形部23は、例えば中空体
(素材)対して軸圧縮荷重を加えて予め塑性変形(初期
座屈変形)させるという極めて簡易な手法で形成が可能
である。従って、型抜き等を考慮する必要もなく、好適
な生産性の確保が可能で製造コストを削減することがで
きる。加えて、熱を加えたりする必要もないため材料の
機械的性質が低下することもなく、又、穴等をあける必
要もないためクラッシュボックスに裂け等も発生するこ
とはない。
【0027】(2)本実施形態では、クラッシュボック
ス17はバンパリインホース16の各側に対で配設され
ている。従って、オフセット衝突等の場合には、衝撃が
加えられたバンパリインホース16の一側のクラッシュ
ボックス17にのみ軸圧縮荷重が加えられることにな
る。このとき、当該クラッシュボックス17は上述の態
様で塑性変形する。そして、このクラッシュボックス1
7の塑性変形に伴うバンパリインホース16の一側への
曲げ(モーメント)によって、同他側に配置されたクラ
ッシュボックス17には、引っ張り荷重が印加される。
このときのクラッシュボックス17に印加された引っ張
り荷重は、予め形成された初期座屈変形部23の伸びの
範囲で吸収される。従って、当該クラッシュボックス1
7に印加された引っ張り荷重による同クラッシュボック
ス17とバンパリインホース16との破断を抑制するこ
とができる。
【0028】(3)本実施形態では、上記初期座屈変形
部23は、クラッシュボックス17のバンパリインホー
ス16側に設けられている。従って、車両が衝突等をし
てクラッシュボックス17に軸圧縮荷重が加えられる
と、同クラッシュボックス17は上記初期座屈変形部2
3を起点としてバンパリインホース16側からボディ
(サイドメンバ13)に向かって順次、次段の塑性変形
を進行させる。従って、クラッシュボックス17のボデ
ィ側は、塑性変形に伴う衝撃吸収の最終段階とされるた
め、例えば衝突等の初期の段階でクラッシュボックス1
7のボディ側に大きな荷重が加わることはない。このた
め、衝突等の初期の段階でクラッシュボックス17とボ
ディとの間が折れ曲がるなどして衝撃吸収の機能を果た
さなくなることも回避することができる。
【0029】なお、本発明の実施の形態は上記実施形態
に限定されるものではなく、次のように変更してもよ
い。 ・前記実施形態においては、略田の字の一定の断面を有
する中空体を製造し、これに初期座屈変形部23を予め
設けてクラッシュボックス17を製造した。これに対し
て、図5に示されるように、互いに平行で軸線に略沿っ
て伸びる第1隔壁31及び第2隔壁32によって内部の
隔成された略目の字の一定の断面を有する中空体を製造
し、これに同様の初期座屈変形部33を予め設けてクラ
ッシュボックス34を製造してもよい。初期座屈変形部
33の形状は、前記実施形態と同様に、クラッシュボッ
クス34の各辺に隣接する稜線(角部)にまでおよび且
つ各辺の初期座屈変形部33が形成されていない部位に
軸方向において滑らかに連続する凹部や凸部が複数個形
成された形状を呈する。また、図6に示される略四角形
の一定の断面を有する中空体36を製造し、これに同様
の初期座屈変形部を予め設けてクラッシュボックスを製
造してもよい。さらに、図7に示されるように、軸線に
略沿って伸びる隔壁37aによって内部の隔成された略
日の字の一定の断面を有する中空体37を製造し、これ
に同様の初期座屈変形部を予め設けてクラッシュボック
スを製造してもよい。これに限らず、中空構造を有する
任意形状の断面を有する中空体を製造し、これに同様の
初期座屈変形部を予め設けてクラッシュボックスを製造
してもよい。これら各場合においても、前記実施形態と
同様の効果が得られるようになる。
【0030】・前記実施形態においては、アルミニウム
合金材にて衝撃吸収部材としてのクラッシュボックス1
7を製造したが、その他の材料を採用してもよい。この
場合においても、前記実施形態と同様の効果が得られる
ようになる。
【0031】・前記実施形態においては、押出し成形に
より中空構造を有するクラッシュボックス17の素材を
製造したが、例えば板金を筒状に屈曲若しくは接合する
などその他の製法を採用してもよい。この場合において
も、前記実施形態と同様の効果が得られるようになる。
【0032】・前記実施形態においては、バンパフレー
ム11とサイドメンバ13とをラジエータサポート12
を介して接続したが、これらバンパフレーム11及びサ
イドメンバ13を直結してもよい。
【0033】・前記実施形態においては、自動車のフロ
ント部分のバンパ(バンパフレーム11)に本発明を適
用したが、リヤ部分のバンパに本発明を適用してもよ
い。この場合においても、前記実施形態と同様の効果が
得られるようになる。
【0034】・前記実施形態においては、自動車のバン
パ(バンパフレーム11)に本発明を適用したが、例え
ば車両のサイドメンバ(フロント若しくはリヤ)等、そ
の他の部材に適用してもよい。また、自動車に限らず、
例えば建築材等に適用してもよい。これら各場合におい
ても、前記実施形態の(1)と同様の効果が得られるよ
うになる。
【0035】次に、以上の実施形態から把握することが
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 (イ)軸圧縮荷重を塑性変形で吸収して衝撃エネルギー
を吸収する衝撃吸収部材の製造方法において、中空体に
軸圧縮荷重を加えて初期座屈変形部を形成することを特
徴とする衝撃吸収部材の製造方法。
【0036】(ロ)上記(イ)において、前記中空体は
押出し成形することを特徴とする衝撃吸収部材の製造方
法。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1又は2に
記載の発明では、生産性を低減することなく、塑性変形
を開始させるときの軸圧縮荷重を低減することができ
る。
【0038】請求項3に記載の発明では、衝突等の初期
の段階でクラッシュボックスとボディとの間が折れ曲が
るなどして衝撃吸収の機能を果たさなくなることを回避
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す三面図及び斜視図。
【図2】同実施形態が適用される自動車のフロント部分
を示す斜視図。
【図3】同実施形態の軸圧縮荷重とストロークとの関係
を示すグラフ。
【図4】同実施形態の作用を説明する説明図。
【図5】同実施形態の別例を示す三面図及び斜視図。
【図6】同実施形態の別例を示す正面図。
【図7】同実施形態の別例を示す正面図。
【符号の説明】
13 ボディを構成するサイドメンバ 16 バンパリインホース 17,34 衝撃吸収部材としてのクラッシュボックス 23,33 初期座屈変形部
フロントページの続き (74)上記1名の代理人 100068755 弁理士 恩田 博宣 (外1名) (72)発明者 五反田 光継 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機 株式会社内 (72)発明者 羽田 真一 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機 株式会社内 (72)発明者 森 一生 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機 株式会社内 (72)発明者 森本 清仁 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 梶原 一知 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 小西 雄三 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 酒井 誠二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 布野 和信 富山県新湊市奈呉の江12番地の3 アイシ ン軽金属 株式会社内 (72)発明者 安土 一成 富山県新湊市奈呉の江12番地の3 アイシ ン軽金属 株式会社内 Fターム(参考) 3J066 AA02 AA23 BA01 BB01 BC01 BD07 BF02 BG05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空構造を有し、軸圧縮荷重を塑性変
    形で吸収して衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材に
    おいて、 軸圧縮荷重に対する塑性変形の起点となる初期座屈変形
    部を予め設けたことを特徴とする衝撃吸収部材。
  2. 【請求項2】 バンパリインホースの各側に対で配設
    され、該バンパリインホースに一端が固着されるととも
    にボディに他端が固着されて車両の前後方向に伸びる中
    空のクラッシュボックスを備えたバンパにおいて、 前記クラッシュボックスには、軸圧縮荷重に対する塑性
    変形の起点となる初期座屈変形部を予め設けたことを特
    徴とするバンパ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のバンパにおいて、 前記初期座屈変形部は、前記クラッシュボックスの前記
    バンパリインホース側に設けたことを特徴とするバン
    パ。
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