JP2002155138A - 重合体、その製造方法、液晶配向剤および液晶配向膜 - Google Patents
重合体、その製造方法、液晶配向剤および液晶配向膜Info
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Abstract
に対する平行配向能が付与され、熱的に安定なプレチル
ト角を付与する性能を備えた液晶配向剤、そのための重
合体およびその製造法を提供する。 【解決手段】 テトラカルボン酸と少なくとも2種類の
ジアミン化合物とを反応させて得られるポリアミック酸
またはポリイミド。これを含有する液晶配向剤並びに液
晶配向膜に偏光パルスレーザを照射して得られた液晶配
向膜。
Description
の製造方法、液晶配向剤および液晶配向膜に関する。さ
らに詳しくは、新規な重合体、特定の仕込み順序で重合
するその製造法、得られた重合体を含有することによ
り、ラビング処理を行わずに、偏光されたパルスレーザ
の照射により液晶配向性が良好で、かつ安定なプレチル
ト角を発現する液晶配向膜を形成することのできる液晶
配向剤およびその製造法に関する。
が設けられている基板の当該表面に液晶配向膜を形成し
て液晶表示素子用基板とし、その2枚を対向配置してそ
の間隙内に、例えば正の誘電異方性を有するネマチック
型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、当
該液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かっ
て連続的に90度捩れるようにした、いわゆるTN(T
wisted Nematic)型液晶セルを有するT
N型液晶表示素子が知られている。このTN型液晶表示
素子などの液晶表示素子における液晶分子の配向は、通
常、ラビング処理により液晶分子に対する配向能が付与
された液晶配向膜により実現され、当該液晶配向膜を形
成する重合体としては、ポリイミド系重合体が好適に用
いられている。
摘されている:TFT素子の破壊につながるので、そ
の製造装置には静電対策がなされているが、ラビング処
理により発生する静電気に対しては完全ではない、ラ
ビング処理は塵を発生するため、引き続いて洗浄を必要
とし工程数が増加する、段差部を有する配向膜では、
段差部と平坦部のラビング条件が異なる場合があり、配
向規制力およびチルト角の不均一を生じやすい、ラビ
ング方向が単一であるため、分割配向画素からなる配向
膜の製造には工程が煩雑になる、大型基板、例えば5
50×650mm以上の大型基板の配向膜を均一にラビ
ングするためには特別の装置を必要とする、フィルム
等の比較的柔らかい部材を基板として用いた場合、基板
の配向膜を均等にラビングすることは実際上難しいか、
あるいは工程が煩雑になる。
グ処理を行わずに液晶配向膜に液晶分子に対する配向能
を付与する方法も開発されている。そのような方法の1
つとして、液晶配向膜にレーザを照射する方法がある。
特開平2−196219号公報には、液晶表示装置にお
ける電極基板上の高分子フィルム表面に高強度の紫外線
レーザ、例えばXeF、XeCl、KrF、ArFある
いはF2エキシマレーザを照射して周期的な模様を形成
し、液晶配向膜を製造する方法が開示されている。特開
平6−130390号公報には、真空容器内において、
その内部を真空排気しながら、基板上に形成されている
液晶分子を一定方向に配向させるための配向膜に対し
て、多数の互いに平行なスリット穴を有するマスクを通
してエキシマレーザ光を照射する方法が開示されてい
る。
は、一対の透明基板の相互に対向する表面に配向膜を形
成し、その間に液晶を封入してなる電気光学装置を製造
する方法であって、前記透明基板の相互に対向する表面
に、液晶層を支持するためのスペーサーを混入させた配
向膜を形成した後に、前記配向膜にレーザ光を照射して
配向処理していく方法が開示されている。上記方法で
は、いずれの方法でも液晶配向膜にレーザ光を照射した
際に、配向膜表面の高分子がある周期をもって切断さ
れ、切断された原子もしくは分子が酸化されて気化する
ため、配向膜の表面に周期的な凹凸が生じる。そのた
め、この方法では、気化された分解物によってクリーン
ルームの環境が悪化し、また表面の周期的な凹凸が高分
子の分解に起因しているため、表面の電気特性が十分で
ないという欠点があった。
ることなく、配向膜の表面の分子を配向させる偏光パル
スレーザ照射による配向処理方法を提案している(特開
平11−152475号公報参照)。平岡らの方法によ
れば、偏光されたパルスレーザの照射により、配向膜表
面の分子を分解することなく、非分解的に配向膜の表面
に、液晶分子に対する配向能を付与することができる。
このとき、液晶分子の配向方向は、照射する偏光パルス
レーザの照射エネルギーを適切に設定することにより、
照射したパルスレーザの偏光方向に平行な方向、あるい
は直交する方向に、任意に制御することができる(以
下、それぞれ「平行配向」および「直交配向」とい
う)。
させた場合、良好な視覚特性を維持しながらプレチルト
角を得るのは困難である。すなわち、直交配向が得られ
る偏光パルスレーザ照射条件でプレチルト角を得るため
には、偏光パルスレーザ照射を照射方向を変えて2段階
で行う必要があり、この方法によった場合、工程数の増
加のみならず、液晶配向の安定性が低下する場合があっ
た。また、平行配向が得られる偏光パルスレーザ照射条
件では、照射条件を適切に選択することにより、一段階
の偏光パルスレーザ照射でプレチルト角を有する液晶配
向を実現できるが、その場合には、配向膜表面に、照射
した偏光パルスレーザの偏光方向に平行した周期的な凹
凸形状を伴うことになる。配向膜表面に形成された周期
的な凹凸を持つ液晶配向膜を液晶表示素子に用いた場
合、光の干渉、あるいは対向配置した基板間の間隙が不
均一になることでドメインが生じ、視覚特性が不十分に
なる場合があった。また、得られたプレチルト角が、熱
的に不安定であるという欠点があった。
配向膜として好適に用いられる、新規の重合体を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、上記重合体を好適
に得ることができる工業的に容易に実施しうる製造方法
を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、偏
光パルスレーザの照射によって、液晶分子に対する平行
配向能が付与され、熱的に安定なプレチルト角を付与す
る性能を備えた液晶配向剤を提供することにある。本発
明のさらに他の目的は、液晶分子に対する平行配向能
と、熱的に安定なプレチルト角を付与した液晶配向膜を
提供することにある。本発明のさらに他の目的および利
点は、以下の説明から明らかになろう。
の上記目的および利点は、第1に、(A)テトラカルボ
ン酸二無水物、(B)下記式(I)
6は、同一または異なり、アルキル基、ハロゲン化アル
キル基、アルコキシル基またはハロゲン原子を示し、
a、b、cおよびdは互いに独立に、0〜4の整数であ
り、R1、R2、R5およびR6が複数存在する場合には、
それぞれ同一であっても、異なっていてもよくそしてR
3およびR4は同一または異なり、単結合または2価の基
を示す。)で表されるジアミン化合物 並びに(C)下
記式(II)
O−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および
−CO−よりなる群から選ばれるいずれかの2価の基を
示しそしてR8は炭素数5〜50の1価の有機基を示
す。)で表されるジアミン化合物および/または下記式
(III)
OO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−およ
び−CO−よりなる群から選ばれるいずれかの2価の基
を示しそしてR10は炭素数5〜50の2価の有機基を示
す。)で表されるジアミン化合物、を反応させて得られ
ることを特徴とする重合体によって達成される。
利点は、第2に、テトラカルボン酸二無水物、その1〜
40モル%に相当する量の式(I)で表されるジアミン
化合物およびテトラカルボン酸二無水物の1〜40モル
%に相当する量の式(II)および/または式(II
I) で表されるジアミン化合物を反応させ、その後
に、式(I)で表されるジアミン化合物を、添加したジ
アミン化合物の全モル数がテトラカルボン酸二無水物の
全モル数の95〜105モル%になるように添加して反
応させる工程を有することを特徴とする、下記式(1) (A)a−(B)b−(A)c ...(1) (式中、Aは、それぞれ独立に、下記式(i)および
(ii)
由来の2価の有機基でありそしてZはテトラカルボン酸
二無水物由来の4価の有機基である。)で表される基よ
りなる群から選ばれる1種以上の繰返し単位を示し、B
は下記式(iii)および(iv)
由来の2価の有機基ならびに式(II)および/または
式(III)で表されるジアミン由来の2価の有機基で
あって、Yの少なくとも1モル%以上が式(II)およ
び式(III) で表されるジアミン由来の2価の有機
基でありそしてZはテトラカルボン酸二無水物由来の4
価の有機基である。)で表される基よりなる群から選ば
れる1種以上の繰返し単位を示しそしてa:b:cの比
は10〜50:1〜80:10〜50(モル%)であ
る。で表される構造を有する重合体の製造方法によって
達成される。
よれば、第3に、本発明の上記重合体を含有することを
特徴とする液晶配向剤によって達成される。本発明によ
れば、本発明の上記目的および利点は、最後に、本発明
の液晶配向剤より得られる塗膜の表面に偏光パルスレー
ザを照射して得られることを特徴とする液晶配向膜によ
って達成される。
する。重合体 本発明の重合体は、(A)テトラカルボン酸二無水物
と、(B)上記式(I)で表されるジアミン化合物(以
下、「特定ジアミン」ともいう)ならびに(C)上記
式(II)で表されるジアミン化合物および/または上
記式(III)で表されるジアミン化合物(以下、「特
定ジアミン」ともいう)とを反応させて得られること
を特徴とする。その構造はポリアミック酸または当該ポ
リアミック酸を脱水閉環させて得られるイミド化重合体
である。
で表される構造を有することが好ましい。上記構造を有
する重合体を含有する本発明の液晶配向剤は、液晶配向
性に優れ、偏光パルスレーザの照射によって熱的に安定
なプレチルト角を発現することができる。上記式(1)
において、Aが全て上記式(ii)で表される繰返し単
位であり、かつ、Bが全て上記式(iv)で表される繰
返し単位である場合、本発明の重合体はポリアミック酸
である。また、Aの一部または全部が上記式(i)で表
される繰返し単位であるか、またはBの一部または全部
が上記式(iii)で表される繰返し単位である場合、
本発明の重合体はイミド化重合体といわれる。ここで、
上記式(iii) および(iv)におけるYは、特定
ジアミン由来の2価の有機基が、通常、1モル%以
上、好ましくは10〜80モル%含まれる2価の有機基
である。上記式(1)におけるa:b:cの比は、10
〜50:1〜80:10〜50(モル%)であり、好ま
しくは、20〜50:5〜60:20〜50である。
の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物として
は、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2
−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シク
ロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−
シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無
水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢
酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラ
カルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フ
ラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオ
ン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチ
ル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−
5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)
−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,
3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テト
ラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒ
ドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,
2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,
9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒ
ドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,
2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオ
キソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,
2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカル
ボン酸二無水物、下記式(2)および(3)で表される
化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二無
水物;
に、芳香環を有する2価の有機基を示し、R12およびR
14は、互いに独立に、水素原子またはアルキル基を示
し、そして複数存在するR12およびR14は、それぞれ同
一でも異なっていてもよい。) ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二
無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシラン
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラ
フェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,
4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフ
ィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロ
パン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプ
ロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)
フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレ
ン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェ
ニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス
(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエー
テル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,
4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール
−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリ
コール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−
ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)な
どの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることがで
きる。これらは1種単独でまたは2種以上一緒に用いら
れる。
3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン
酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテ
トラカルボン酸二無水物、上記式(2)で表される化合
物のうち下記式(5)〜(7)で表される化合物および
上記式(3)で表される化合物のうち下記式(8)で表
される化合物が、良好な液晶配向性を発現させることが
できるので好ましく、特に好ましいものとして、ピロメ
リット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスル
ホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビ
フェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物および下記
式(5)で表される化合物を挙げることができる。
に用いられるジアミン化合物としては、特定ジアミン
および特定ジアミンが用いられる。
よびR6は、互いに独立にアルキル基、ハロゲン化アル
キル基、アルコキシル基またはハロゲン原子である。こ
れらの基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチ
ル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル
基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、
n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n
−ヘキサデシル基、n−エイコシル基などの炭素数1〜
20のアルキル基;トリフルオロメチル基、トリクロロ
メチル基、ペンタフルオロエチル基などの炭素数1〜2
0のハロゲン化アルキル基;メトキシル基、エトキシル
基、n−プロポキシル基、i−プロポキシル基、n−ブ
トキシル基、i−ブトキシル基、t−ブトキシル基、n
−ペンチロキシル基、n−ヘキシロキシル基などの炭素
数1〜20のアルコキシル基;フッ素、塩素および臭素
などのハロゲン原子を好ましいものとして挙げることが
できる。
される2価の基としては、例えば−O−、−CO−、−
COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−で
表される基の他、メチレン基やエチレン基、n−プロピ
レン基、n−ブチレン基などのアルキレン基を好ましい
ものとして挙げることができる。上記式(II)で表さ
れるジアミンおよび/または上記式(III)で表され
るジアミンは、プレチルト角を発現させる成分であるこ
とが好ましい。
炭素数5〜50の1価の有機基としては、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、
n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシ
ル基、n−エイコシル基などの炭素数5〜50のアルキ
ル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオ
クチル基などの炭素数5〜10のシクロアルキル基;コ
レステリル基、コレスタリル基などのステロイド骨格を
有する基;ノルボルネン骨格、ジシクロペンタン骨格、
アダマンタン骨格などの炭素数5以上の有橋脂環式骨格
を有する基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基な
どの炭素数6〜14の芳香族炭化水素基;下記式 −R’−R7−R” (式中、R’は炭素数5〜20の2価の有機基を示し、
R”は炭素数5〜20の1価の有機基を示しそしてR7
の定義は上記式(II)に同じである。)で表される基
およびこれらの置換誘導体が挙げられる。
価の有機基としては、上記R8で表されるアルキル基、
シクロアルキル基、ステロイド骨格を有する基、有橋脂
環式骨格を有する基および芳香族炭化水素基のそれぞれ
から1個の水素原子を除いた基に相当する2価の基が挙
げられる。R”の炭素数5〜20の1価の有機基として
は、上記R8で表されるアルキル基、シクロアルキル
基、ステロイド骨格を有する基、有橋脂環式骨格を有す
る基および芳香族炭化水素基と同じ基が挙げられる。ま
た、上記置換誘導体における置換基としては、例えばメ
チル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子などを好ま
しいものとして挙げられる。
の具体例としては、デカノキシ−2,4−ジアミノベン
ゼン、ウンデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ド
デカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノ
キシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−
2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−
ジアミノベンゼン、下記式(9)〜(16)で表される
化合物などを挙げることができる。これらのジアミン化
合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いること
ができる。
る炭素数5〜50の2価の有機基としては、上述したR
8で表される1価の有機基から1個の水素原子を除いた
基に相当する2価の基およびその置換誘導体が挙げられ
る。また、置換誘導体における置換基としては、メチル
基、トリフルオロメチル基、フッ素原子などが好ましい
ものとして挙げられる。上記式(III) で表される
ジアミンの具体例としては、下記式(17)〜(20)
で表される化合物などを挙げることができる。
ミンの使用割合は、全ジアミンの使用量に対して、特
定ジアミンの使用割合が、好ましくは1〜40モル
%、特に好ましくは5〜20モル%である。特に、液晶
配向剤として用いられる場合には、特定ジアミンの使
用割合が1モル%未満ではプレチルト角の発現が不十分
であり、40モル%を越えると、液晶配向性能が不十分
になる可能性がある。
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸
二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合
物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン
酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が
好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量、特に好
ましくは0.95〜1.05当量となる割合である。
ラカルボン酸二無水物と、その1〜40モル%に相当す
る量の特定ジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物
の1〜40モル%に相当する量の特定ジアミンを反応
させ、その後に、特定ジアミンを、添加したジアミン
化合物の全モル数がテトラカルボン酸二無水物の全モル
数の95〜105モル%になるように添加して反応させ
ることが好ましい。当該製造方法により、上記式(1)
で表される構造を有する重合体が、好適に得られる。
において、通常−20〜150℃、好ましくは0〜10
0℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒として
は、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれ
ば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクト
ン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミ
ドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシ
レノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフ
ェノール系溶媒を例示することができる。また、有機溶
媒の使用量(a)は、通常、テトラカルボン酸二無水物
およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量
(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量
であることが好ましい。
の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類など
を、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用す
ることができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例え
ばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチル
メトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−
ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエ
ーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレン
グリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−
プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル
エーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフ
ラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4
−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げること
ができる。
してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を
大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧
下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができ
る。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解さ
せ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行
うことにより、ポリアミック酸を精製することができ
る。[イミド化重合体]イミド化重合体は、上記ポリア
ミック酸を脱水閉環することにより調製することができ
る。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック
酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック
酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水
閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行わ
れる。また、本発明の重合体は、部分的に脱水閉環され
た、イミド化率(重合体中のアミック酸繰返し単位とイ
ミド繰返し単位との合計数に対するイミド繰返し単位の
割合を%で表したもの)が100%未満のイミド化重合
体であってもよい。
法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であ
り、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が
50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温
度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子
量が低下することがある。なお、上記反応は、窒素雰囲
気下で行うことにより、液晶配向剤として用いたとき、
より大きくかつ安定的なプレチルト角を発現させること
ができる。
液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法におい
て、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いること
ができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返
し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好
ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジ
ン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級
アミンを用いることができる。しかし、これらに限定さ
れるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する
脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好
ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる有機溶媒とし
ては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例
示した有機溶媒と同じものを挙げることができる。そし
て、脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180
℃、より好ましくは10〜150℃である。また、この
ようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の
精製方法と同様の操作を行うことにより、イミド化重合
体を精製することができる。
られる重合体は、その対数粘度(ηln)の値が通常0.
05〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl/g
である。本発明における対数粘度(ηln)の値は、N−
メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.
5g/100ミリリットルである溶液について30℃で
粘度の測定を行い、下記式によって求められるものであ
る。
溶解含有されて構成される。この液晶配向剤に用いられ
る本発明の重合体は、単独でも、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。液晶配向剤を構成する有機溶媒として
は、ポリアミック酸の合成反応や脱水閉環反応に用いら
れるものとして例示した溶媒と同じものを挙げることが
できる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用す
ることができるものとして例示した貧溶媒と同じものも
適宜選択して併用することができる。
は、粘性、揮発性などを考慮して選択され、好ましくは
1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶
配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜
が形成されるが、濃度が1重量%未満ではこの塗膜の膜
厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることが困難で
あり、濃度が10重量%を越えると、塗膜の膜厚が過大
となって良好な液晶配向膜を得ることがやはり困難であ
り、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣る
場合がある。
る接着性を向上させる観点から、官能性シラン含有化合
物またはエポキシ基含有化合物が含有されていてもよ
い。斯かる官能性シラン含有化合物としては、例えば3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメト
キシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピ
ルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエト
キシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキ
シシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメ
トキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−
トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10
−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9
−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテー
ト、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルア
セテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシ
エチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランな
どを挙げることができる。また、エポキシ基含有化合物
としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリ
コールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオー
ルジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエー
テル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,
4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリ
シジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−
ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,
N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジ
フェニルメタンなどを好ましいものとして挙げることが
できる。これら官能性シラン含有化合物やエポキシ基含
有化合物の配合割合は、重合体100重量部に対して、
好ましくは、40重量部以下、より好ましくは0.1〜
30重量部である。
ができる。 (1)パターニングされた透明導電膜が設けられている
基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えばロールコー
ター法、スピンナー法、印刷法などの方法によって塗布
し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成す
る。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソ
ーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明
基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透
明導電膜としては、酸化スズ(SnO2)からなるNE
SA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸
化スズ(In2O3−SnO2)からなるITO膜などを
用いることができ、これらの透明導電膜のパターニング
には、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法
が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面
および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にする
ために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官
能性チタン含有化合物などを予め塗布することもでき
る。液晶配向剤塗布後の加熱温度は好ましくは80〜3
00℃であり、より好ましくは120〜250℃であ
る。また、ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向
剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって塗膜を
形成するが、さらに加熱することによって脱水閉環を進
行させ、よりイミド化された塗膜とすることもできる。
形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μ
mであり、より好ましくは0.005〜0.5μmであ
る。 (2)形成された塗膜面に、偏光されたパルスレーザ
を、好ましくは光照射による有機膜の分解が起こる最低
限界パルスエネルギーよりもはるかに低いパルスエネル
ギーで照射する。この照射により、塗膜の表面の分子が
配向せしめられて液晶配向膜を生成する。
XeCl、XeF等のエキシマレーザ;半導体(ダイオ
ード)やフラッシュランプなどで励起された、例えばN
d:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YNO
4レーザ、Ti−サファイアレーザ、OPO(オプト−
パラメトリックオッシレータ)などの固体レーザ;ある
いは色素レーザを挙げることができる。これらのうち、
エキシマレーザは、ブラスター角にある水晶フィルタの
如き偏光板と一緒に用いられる。
偏光パルスレーザによる配向処理を施した場合、偏光さ
れたパルスレーザの光照射による高分子の分解が起こる
最低限界パルスエネルギー(有機膜種、および照射条件
によって異なるが、例えば20mJ/cm2)よりもは
るかに低いパルスエネルギー、例えば1〜6mJ/cm
2で照射されることにより、表面に偏光パルスレーザの
照射による同期的凹凸を形成せずに、液晶分子が照射し
た偏光パルスレーザの偏光方向に対して平行に配向する
性能が付与される。なお、本発明の液晶配向剤から得ら
れる塗膜は、例えばナイロン、レーヨン、コットンなど
の繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦る
ラビング処理を施すことによって液晶配向能を付与する
ことも可能である。この場合、液晶配向方向は、ラビン
グ方向に対して直交方向になる。
示素子は、以下のようにして作製される。すなわち、上
記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製
し、それぞれの液晶配向膜における液晶配向方向が直交
または逆平行となるように、2枚の基板を、間隙(セル
ギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部を
シール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤
により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、
注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セ
ルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの
基板の他面側に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の
一面に形成された液晶配向膜の液晶配向方向と一致また
は直交するように貼り合わせることにより、液晶表示素
子が得られる。ここに、シール剤としては、例えば硬化
剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有
するエポキシ樹脂などを用いることができる。
スメクティック型液晶を挙げることができる。その中で
もネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース
系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニル
シクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル
系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン
系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、
キュバン系液晶などを用いることができる。また、これ
らの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリ
ルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレス
テリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」
(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤
などを添加して使用することもできる。さらに、p−デ
シロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチル
シンナメートなどの強誘電性液晶も使用することができ
る。また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板と
しては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、
ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロ
ース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる
偏光板を挙げることができる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の実施例において、液晶表示素
子における液晶のプレチルト角の測定方法、および液晶
分子の配向方向は下記のとおりである。 プレチルト角:〔T.J.Schffer,et al.,
J.Appl.Phys.,19,2013(1980)]
に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる
結晶回転法により行った。 液晶分子の配向方向 〔Y.Makita,et al.,J.Photopol
ymer,Sci.Tech,11,187(1998)〕
に記載の方法に準拠し、液晶に混入した二色性色素の5
35nm光に対する吸収の二色比測定から行った。
(5)で表される化合物)0.1モル(30.21g)
と、その5モル%に相当する量の4,4’−(9−フル
オレニリデン)ジアニリン(別名9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)フルオレン)0.005モル(1.74
g)および酸二無水物の5モル%に相当する量のコレス
タリル−3,5−ジアミノベンゾエート(上記式(1
0)で表される化合物)0.005モル(2.61g)
を、N−メチル−2−ピロリドン595gに溶解させ、
60℃で4時間反応させ、その後に、4,4’−(9−
フルオレニリデン)ジアニリン0.09モル(31.36
g)を、添加したジアミン化合物の全モル数がテトラカ
ルボン酸二無水物の全モル数の100モル%になるよう
に添加して60℃で2時間反応させた。次いで、反応混
合物を大過剰のメタノ−ルに注ぎ、反応生成物を沈殿さ
せた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で1
5時間乾燥させて、対数粘度0.48dl/gのポリア
ミック酸(以下、「重合体PA−1」という)60.5
0gを得た。得られた重合体のIRチャートを図1に示
す。(1730cm-1:C=O対称伸縮、1690cm
-1:C=O逆対称伸縮、1505cm-1:フェニレン基
面内伸縮、1375cm-1:C−N伸縮)
ン化合物に代えて、上記式(15)で表されるジアミン
化合物0.005モル(1.48g)を用いた以外は合成
例1と同様にして、対数粘度0.59dl/gのポリア
ミック酸(以下、「重合体PA−2」という)59.4
0gを得た。
ン化合物に代えて、上記式(17)で表されるジアミン
化合物0.005モル(3.21g)を用いた以外は合成
例1と同様にして、対数粘度0.44dl/gのポリア
ミック酸(以下、「重合体PA−3」という)61.6
0gを得た。
(30.21g)と4,4’−(9−フルオレニリデン)
ジアニリン0.95モル(33.10g)と上記式(1
0)で表されるジアミン化合物0.05モル(2.61
g)をN−メチル−2−ピロリドン515gに溶解さ
せ、60℃で6時間反応させた。ついで合成例1と同様
に反応生成物の沈殿、分離、精製、乾燥を行うことによ
り、対数粘度0.46dl/gのポリアミック酸(以
下、「重合体PA−4」という)60.90gを得た。
(30.21g)と4,4’−(9−フルオレニリデン)
ジアニリン0.1モル(34.85g)をN−メチル−2
−ピロリドン590gに溶解させ、60℃で6時間反応
させた。ついで合成例1と同様に反応生成物の沈殿、分
離、精製、乾燥を行うことにより、対数粘度0.65d
l/gのポリアミック酸(以下、「重合体PA−5」と
いう)58.7gを得た。
て、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル0.1モル
(20.02g)を用いた以外は比較合成例2と同様に
して、対数粘度0.71dl/gのポリアミック酸(以
下、「重合体PA−6」という)46.7gを得た。
て使用した。この重合体をN−メチル−2−ピロリドン
に溶解させて、固形分濃度4重量%の溶液とし、この溶
液を孔径1μmのフィルターで濾過し、本発明の液晶配
向剤を調整した。
付きガラス基板の上に透明電極面に、スピンナーを用い
て塗布し、窒素雰囲気下、250℃で1時間熱処理する
ことにより、膜厚0.1μmの薄膜を形成した。 上記薄膜表面に、Quanta−Ray Pro−
210(SpectraPhysics社製)により、
266nmの波長を主とする、偏光されたNd:YAG
レーザを、強度3mJ/cm2、パルス頻度10Hz、
入射角20度で照射し、液晶配向膜を形成した。 次に、上記液晶配向膜が形成された一対の基盤の、
液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径17μmの
酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリー
ン印刷塗付した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対す
るように、しかもパルスレーザの照射方向が平行するよ
うに重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。 次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマティ
ック型液晶(メルク社製、ZLI−1565)を充填し
た後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止し、基板の
外側の両面に偏光板を、偏光板の偏光方向がそれぞれの
基板の液晶配向膜のパルスレーザの照射方向と一致する
ように張り合わせ、液晶表示素子を作製した。 上記のようにして作製された液晶表示素子につい
て、液晶の配向性、液晶の配向方向(照射した偏光パル
スレーザ光の偏光方向に対して方向)およびプレチルト
角を測定し、評価した。結果を表1に示す。
にして本発明の液晶配向剤を調製した。次いで、このよ
うにして調製された液晶配向剤の各々を用い、実施例1
と同様にして液晶表示素子を作製した。作製された液晶
表示素子の各々について、実施例1と同様に評価を行っ
た。結果を表1に併せて示す。
同様にして液晶配向剤を調製した。次いで、このように
して調製された液晶配向剤の各々を用い、実施例1と同
様にして液晶表示素子を作製した。作製された液晶表示
素子の各々について、実施例1と同様に評価を行った。
結果を表1に併せて示す。
1時間熱処理する他は、実施例1と同様にして液晶表示
素子を作製した。作製された液晶表示素子について、実
施例1と同様に評価を行った。結果を表1に併せて示
す。
適に用いられる。本発明の液晶配向剤は、偏光パルスレ
ーザの照射によって、液晶分子に対する平行配向能が付
与され、熱的に安定なプレチルト角を付与する性能を備
える。本発明の液晶配向膜を具備する液晶表示素子は、
TN型、STN型液晶表示素子に好適に使用できる以外
に、使用する液晶を選択することにより、SH型、IP
S型、強誘電性および反強誘電性の液晶表示素子などに
も好適に使用することができる。さらに、本発明の液晶
配向膜を有する液晶表示素子は、種々の装置に有効に使
用でき、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、係数表示
板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶
テレビ、携帯電話の液晶表示画面などの表示装置に用い
られる。
外線吸収スペクトル図。
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)テトラカルボン酸二無水物、
(B)下記式(I) 【化1】 (式(I)中、R1、R2、R5およびR6は、同一または
異なり、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキ
シル基またはハロゲン原子を示し、a、b、cおよびd
は互いに独立に、0〜4の整数であり、R1、R2、R5
およびR6が複数存在する場合には、それぞれ同一であ
っても、異なっていてもよくそしてR3およびR4は同一
または異なり、単結合または2価の基を示す。)で表さ
れるジアミン化合物 並びに(C)下記式(II) 【化2】 (式(II)中、R7は、−O−、−COO−、−OC
O−、−NHCO−、−CONH−および−CO−より
なる群から選ばれるいずれかの2価の基を示しそしてR
8は炭素数5〜50の1価の有機基を示す。)で表され
るジアミン化合物および/または下記式(III) 【化3】 (式(III)中、R9は、−O−、−COO−、−O
CO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−よ
りなる群から選ばれるいずれかの2価の基を示しそして
R10は炭素数5〜50の2価の有機基を示す。)で表さ
れるジアミン化合物、を反応させて得られることを特徴
とする重合体。 - 【請求項2】 下記式(1) (A)a−(B)b−(A)c ...(1) (式中、Aは、それぞれ独立に、下記式(i)および
(ii) 【化4】 (式中、Xは式(I)で表されるジアミン由来の2価の
有機基でありそしてZはテトラカルボン酸二無水物由来
の4価の有機基である。)で表される基よりなる群から
選ばれる1種以上の繰返し単位を示し、Bは下記式(i
ii)および(iv) 【化5】 (式中、Yは式(I)で表されるジアミン由来の2価の
有機基ならびに式(II)および/または式(III)
で表されるジアミン由来の2価の有機基であって、Yの
少なくとも1モル%以上が式(II)および式(II
I) で表されるジアミン由来の2価の有機基でありそ
してZはテトラカルボン酸二無水物由来の4価の有機基
である。)で表される基よりなる群から選ばれる1種以
上の繰返し単位を示しそしてa:b:cの比は10〜5
0:1〜80:10〜50(モル%)である。で表され
る構造を有する請求項1記載の重合体。 - 【請求項3】 テトラカルボン酸二無水物、その1〜4
0モル%に相当する量の式(I)で表されるジアミン化
合物およびテトラカルボン酸二無水物の1〜40モル%
に相当する量の式(II)および/または式(III)
で表されるジアミン化合物を反応させ、その後に、式
(I)で表されるジアミン化合物を、添加したジアミン
化合物の全モル数がテトラカルボン酸二無水物の全モル
数の95〜105モル%になるように添加して反応させ
る工程を有することを特徴とする、請求項2記載の重合
体の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の重合体を含有することを
特徴とする、液晶配向剤。 - 【請求項5】 請求項4記載の液晶配向剤より得られる
塗膜の表面に偏光パルスレーザを照射して得られること
を特徴とする液晶配向膜。
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JP2000353947A JP2002155138A (ja) | 2000-11-21 | 2000-11-21 | 重合体、その製造方法、液晶配向剤および液晶配向膜 |
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