JPH11212097A - 液晶配向剤 - Google Patents

液晶配向剤

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JPH11212097A
JPH11212097A JP1014998A JP1014998A JPH11212097A JP H11212097 A JPH11212097 A JP H11212097A JP 1014998 A JP1014998 A JP 1014998A JP 1014998 A JP1014998 A JP 1014998A JP H11212097 A JPH11212097 A JP H11212097A
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JP
Japan
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liquid crystal
dianhydride
polyamic acid
bis
diamine
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Application number
JP1014998A
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English (en)
Inventor
Keiichi Yamamoto
圭一 山本
Yukie Mishima
幸枝 三島
Masayuki Kimura
雅之 木村
Yasuo Matsuki
安生 松木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Publication date
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Publication of JPH11212097A publication Critical patent/JPH11212097A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶の配向方向がラビング方向に対し垂直方
向になり、プレチルト角0度であり、焼き付きの良好
な、しかも電圧保持率が高い液晶配向膜を与えることが
できる液晶配向剤を提供すること。 【解決手段】 全ジアミン中4,4’−(9−フルオレ
ニルリデン)ジアニリン(別名9,9−ビス(4−アミ
ノフェニル)フルオレン)の占める割合が99〜50モ
ル%であるジアミンとテトラカルボン酸二無水物との反
応生成物であるアミック酸および/またはイミド基を有
するポリマーからなる液晶配向膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向剤に関す
る。さらに詳しくは、液晶表示素子において電圧保持率
が高く、焼き付き特性に優れた液晶配向膜を形成し得る
液晶配向剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としては、透明導電
膜が設けられている基板の当該表面にポリアミック酸、
ポリイミドなどからなる液晶配向膜を形成して液晶表示
素子用基板とし、その2枚を対向配置してその間隙内に
正の誘電異方性を有するネマチック型液晶の層を形成し
てサンドイッチ構造のセルとし、当該液晶分子の長軸が
一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90度捻
れるようにした、いわゆるTN型(Twisted N
ematic)液晶セルを有するTN型液晶表示素子が
知られている。また、最近においては、TN型液晶表示
素子に比してコントラストが高くて、その視角依存性の
少ないSTN(Super Twisted Nema
tic)型液晶表示素子が開発されている。このSTN
型液晶表示素子は、ネマチック型液晶に光学活性物質で
あるカイラル剤をブレンドしたものを液晶として用い、
当該液晶分子の長軸が基板間で180度以上にわたって
連続的に捻れる状態となることにより生じる複屈折効果
を利用するものである。これらTN型液晶表示素子およ
びSTN型液晶表示素子における液晶の配向は、通常、
ラビング処理が施された液晶配向膜により発現されるも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような液晶表示素
子を一定のフレーム周期で駆動させる場合において、焼
き付きの良好な表示を得るには、その液晶配向方向をラ
ビングの方向に対し垂直方向にし、プレチルト角を0度
にすることが望ましい。しかしながら、従来の液晶配向
膜はその液晶表示素子においては、その液晶配向方向が
ラビングの方向に対し平行方向になってしまい、また液
晶のプレチルト角が1度〜10度と高く焼き付きに悪影
響を及ぼしているのが現状である。本発明は、上記のよ
うな事情に基づいてなされたものである。それ故、本発
明の目的は、液晶の配向方向がラビング方向に対し垂直
方向になり、プレチルト角0度であり、焼き付きの良好
な、しかも電圧保持率が高い液晶配向膜を与えることが
できる液晶配向剤を提供することにある。本発明のさら
に他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろ
う。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、全ジアミン中4,4’−(9
−フルオレニリデン)ジアニリン(別名9,9−ビス
(4−アミノフェニル)フルオレン)の占める割合が5
0モル%以上であるジアミンとテトラカルボン酸二無水
物との反応生成物であるアミック酸および/またはイミ
ド基を有する重合体(以下、「特定重合体」ともいう)
を含有することを特徴とする液晶配向剤によって達成さ
れる。以下、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジア
ニリンを特定ジアミンという。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で使用される特定重合体は、アミック酸お
よび/またはイミド基を有するポリマーであり、ポリア
ミック酸、ポリイミドおよびイミド基含有ポリアミック
酸を包含する。ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二
無水物と特定ジアミンを50モル%以上含むジアミン化
合物とを、開環重付加させて得られる。用いられる全ジ
アミン中の特定ジアミンの割合は好ましくは90〜80
モル%である。特定ジアミンの割合が50モル%未満の
場合液晶の配向方向がラビングに対し平行方向になって
しまい液晶表示素子の焼き付き特性に悪影響を及ぼす液
晶配向膜を与えるような液晶配向剤が得られ易い。
【0006】[テトラカルボン酸二無水物]上記ポリア
ミック酸の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物
としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4
−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジ
クロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−
シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無
水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二
無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−
酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテト
ラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−
フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジ
オン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メ
チル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラ
ニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオ
ン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチ
ル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−
5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)
−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,
3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テト
ラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,
5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシ
クロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−
テトラカルボン酸二無水物、下記式(I)および(II)
で表される化合物などの脂肪族および脂環式テトラカル
ボン酸二無水物;
【0007】
【化1】
【0008】(式中、R1 およびR3 は、芳香環を有す
る2価の有機基を示し、R2 およびR 4 は、水素原子ま
たはアルキル基を示し、複数存在するR2 およびR4
は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0009】ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二
無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフ
ェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、
4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフ
ェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、
4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフ
ェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフル
オロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス
(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、
p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水
物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二
無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジ
フェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル
酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレン
グリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロ
ピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテー
ト)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリ
メリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アン
ヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−
ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロト
リメリテート)、下記式(1)〜(4)で表される化合
物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げること
ができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わ
せて用いられる。
【0010】
【化2】
【0011】これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸
二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカル
ボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジ
オキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,
5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]
フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−
ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラ
ン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒ
ドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−
ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラ
ン−1,3−ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−
7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記式
(I)で表される化合物のうち下記式(5)〜(7)で
表される化合物および上記式(II)で表される化合物の
うち下記式(8)で表される化合物が、良好な液晶配向
性を発現させることができ好ましく、特に好ましいもの
として、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸
二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキ
シシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9
b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオ
キソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ
−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3
−ジオン、ピロメリット酸二無水物および下記式(5)
で表される化合物を挙げることができる。
【0012】
【化3】
【0013】[ジアミン化合物]上記ポリアミック酸の
合成に用いられるジアミンとしては、特定ジアミンを5
0モル%以上含むジアミンが用いられる。全ジアミン中
の特定ジアミンの占める割合は上記のとおり好ましくは
90〜80モル%である。特定ジアミンと併用されるジ
アミン化合物としては、例えばp−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジ
アミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,
4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズ
アニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,
5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−
ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノ
フェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミ
ノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメ
チルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−
ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒド
ロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’
−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,
5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’
−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,
4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニ
レンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m
−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,
2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチ
ルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、
4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチ
ル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−
トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビ
フェニルなどの芳香族ジアミン;
【0014】1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−
プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチ
レンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、
ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレン
ジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレ
ンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロ
ヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式ジアミン;
【0015】2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミ
ノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミ
ノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラ
ジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジ
ン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5
−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピ
ペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,
3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−
1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニ
ル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メ
チル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−
トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリ
アジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、
2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジ
メチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリア
ゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラ
クテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナント
リジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノ
アクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミ
ンおよび下記式(III)および(IV)で表される化合物
などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミ
ノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
【0016】
【化4】 (式中、R5 は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含
む環構造を有する1価の有機基を示し、Xは2価の有機
基を示す。)
【0017】
【化5】 (式中、R6 は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含
む環構造を有する2価の有機基を示し、Xは2価の有機
基を示し、複数存在するXは、同一でも異なっていても
よい。)
【0018】下記式(V)で表されるモノ置換フェニレ
ンジアミン類;下記式(VI)で表されるジアミノオルガ
ノシロキサン;
【0019】
【化6】 (式中、R7 は、−O−、−COO−、−OCO−、−
NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる
2価の有機基を示し、R8 は、ステロイド骨格、トリフ
ルオロメチル基およびフルオロ基から選ばれる基を有す
る1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基を示
す。)
【0020】
【化7】 (式中、R9 は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複
数存在するR9 は、それぞれ同一でも異なっていてもよ
く、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数であ
る。)
【0021】下記式(9)〜(13)で表される化合物
などを挙げることができる。これらのジアミン化合物
は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0022】
【化8】 (式中、yは2〜12の整数であり、zは1〜5の整数
である。)
【0023】これらのうち、p−フェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレ
ン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプ
ロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレ
ンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロ
ヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘ
キシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、上記式(9)〜(13)で表される化
合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリ
ジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノア
クリジン、上記式(III)で表される化合物のうち下記
式(14)で表される化合物、上記式(IV)で表される
化合物のうち下記式(15)で表される化合物および上
記式(V)で表される化合物のうち下記式(16)〜
(21)で表される化合物が好ましい。
【0024】
【化9】
【0025】[ポリアミック酸]ポリアミック酸の合成
反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化
合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基
1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物
基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ま
しくは0.3〜1.2当量となる割合である。ポリアミッ
ク酸の合成反応は、有機溶媒中において、通常−20〜
150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行わ
れる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミ
ック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例え
ばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、
ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極
性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、
ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を例示す
ることができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、通
常、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の
総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.
1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
【0026】[貧溶媒]なお、前記有機溶媒には、ポリ
アミック酸の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エ
ステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水
素類などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲
で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例として
は、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプ
ロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、
ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテ
ル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリ
コール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−
i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチ
ルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エ
チレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テ
トラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロ
エタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、
クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
を挙げることができる。以上のようにして、ポリアミッ
ク酸を溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この
反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析
出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得る
ことができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶
媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回ま
たは数回行うことにより、ポリアミック酸を精製するこ
とができる。
【0027】[ポリイミド]本発明の液晶配向剤を構成
するポリイミドは、上記ポリアミック酸を脱水閉環する
ことにより合成することができる。ポリアミック酸の脱
水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法によ
り、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、
この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に
応じて加熱する方法により行われる。上記(i)のポリ
アミック酸を加熱する方法における反応温度は、通常5
0〜200℃であり、好ましくは60〜170℃であ
る。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進
行せず、反応温度が200℃を超えると得られるポリイ
ミドの分子量が低下することがある。
【0028】一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶液
中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法におい
て、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いること
ができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返
し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好
ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジ
ン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級
アミンを用いることができる。しかし、これらに限定さ
れるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する
脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好
ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる有機溶媒とし
ては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例
示した有機溶媒を挙げることができる。そして、脱水閉
環反応の反応温度は、通常0〜180℃、好ましくは1
0〜150℃である。また、このようにして得られる反
応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同様の操作
を行うことにより、ポリイミドを精製することができ
る。
【0029】[イミド基含有ポリアミック酸]本発明に
用いられるイミド基含有ポリアミック酸は、上記ポリア
ミック酸を部分的にイミド化して得られる構造を有する
ものである。本発明に用いられるイミド基含有ポリアミ
ック酸における好ましいイミド化率は、10〜90%、
さらに好ましくは30〜70%である。ここで、「イミ
ド化率」とは、重合体における繰り返し単位の総数に対
する、イミド環を形成してなる繰り返し単位の数の割合
を%で表したものとする。このとき、イミド環の一部が
イソイミド環であってもよい。
【0030】イミド基含有ポリアミック酸を合成する方
法としては、(i)上記ポリアミック酸を加熱すること
により部分的に脱水閉環させて合成する方法、(ii)
上記ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に
脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱す
ることにより、部分的に脱水閉環させて合成する方法、
または(iii)テトラカルボン酸二無水物、ジアミン
化合物およびジイソシアネート化合物とを混合し、必要
に応じて加熱することにより、縮合させて合成する方法
が用いられる。上記(i)および(ii)の方法におけ
る、反応温度、脱水剤および脱水閉環触媒については、
上述したポリイミドの合成方法に準ずる。
【0031】上記(iii)の反応において用いられる
ジイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチ
レンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;
シクロヘキサン−1,2−ジイソシアネート、1−メチ
ルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、1,2−
ジメチルシクロヘキサン−ω,ω’−ジイソシアネー
ト、1,4−ジメチルシクロヘキサン−ω,ω’−ジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3,5−
トリメチル−2−プロピルシクロヘキサン−1ω,2ω
−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,
4’−ジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネー
ト;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレ
ンジイソシアネート、1−メチル−2,4−フェニレン
ジイソシアネート、1−メチル−2,6−フェニレンジ
イソシアネート、下記式(22)〜(26)で表される
ジイソシアネ−トなどの芳香族ジイソシアネートが挙げ
られる。
【0032】
【化10】
【0033】[液晶配向剤]本発明の液晶配向剤は、上
記特定重合体が、通常、有機溶媒中に溶解含有されて構
成される。なお、本発明においては、これらの特定重合
体以外の他の重合体をブレンドし使用することも可能で
ある。その時の特定重合体と重合体の割合はそれぞれの
重量比で好ましくは99:1〜1:99であり、より好ましくは
90:10〜10:90であり、特に好ましくは80:20〜20:80であ
る。他の重合体としては、特定ジアミンを含まないアミ
ック酸および/またはイミド基を有する重合体が好適に
用いられる。該液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成し
た場合、特定重合体は選択的に液晶配向膜の表層に分布
するため、配向特性を損なうことなく膜物性、電気特性
などの性能を改良することが可能となる。本発明の液晶
配向剤を調製する際の温度は、通常、0℃〜200℃、
好ましくは20℃〜60℃である。
【0034】本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒と
しては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものと
して例示した溶媒を挙げることができる。また、ポリア
ミック酸の合成反応の際に併用することができるものと
して例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができ
る。本発明の液晶配向剤における固形分濃度は、粘性、
揮発性などを考慮して選択されるが、好ましくは1〜1
0重量%の範囲とされる。すなわち、本発明の液晶配向
剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形
成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合に
は、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を
得ることができず、固形分濃度が10重量%を超える場
合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を
得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して
塗布特性が劣るものとなる。
【0035】本発明の液晶配向剤には、基板表面に対す
る接着性を向上させる観点から、官能性シラン含有化合
物またはエポキシ基含有化合物が含有されていてもよ
い。斯かる官能性シラン含有化合物としては、例えば3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメト
キシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピ
ルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエト
キシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキ
シシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメ
トキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−
トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10
−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9
−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテー
ト、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルア
セテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシ
エチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランな
どを挙げることができる。また、エポキシ基含有化合物
としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリ
コールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオー
ルジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエー
テル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,
4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリ
シジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−
ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,
N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジ
フェニルメタンなどを好ましいものとして挙げることが
できる。これら官能性シラン含有化合物やエポキシ基含
有化合物の配合割合は、重合体100重量部に対して、
通常、40重量部以下、好ましくは0.1〜30重量部
である。
【0036】<液晶表示素子>本発明の液晶配向剤を用
いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって
製造することができる。
【0037】(1)パターニングされた透明導電膜が設
けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例え
ばロールコーター法、スピンナー法、印刷法などの方法
によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより
塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロー
トガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエー
テルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックか
らなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設
けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2 )か
らなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化イン
ジウム−酸化スズ(In23−SnO2)からなるIT
O膜などを用いることができ、これらの透明導電膜のパ
ターニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを
用いる方法が用いられる。液晶配向剤の塗布に際して
は、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさら
に良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含
有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布する
こともできる。液晶配向剤塗布後の加熱温度は好ましく
は80〜300℃であり、より好ましくは120〜25
0℃である。なお、ポリアミック酸を含有する本発明の
液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによっ
て配向膜となる塗膜を形成するが、さらに加熱すること
によって脱水閉環を進行させ、よりイミド化された塗膜
とすることもできる。形成される塗膜の膜厚は、通常
0.001〜1μmであり、好ましくは0.005〜0.
5μmである。
【0038】(2)形成された塗膜面を、例えばナイロ
ン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付
けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これ
により、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向
膜となる。また、本発明の液晶配向剤により形成された
液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や
特開平6−281937号公報に示されているような、
紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を
変化させるような処理、あるいは特開平5−10754
4号公報に示されているような、ラビング処理を施した
液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラ
ビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレ
ジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化さ
せるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視
界特性を改善することが可能である。
【0039】(3)上記のようにして液晶配向膜が形成
された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけ
るラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚
の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、
2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基
板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内
に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成
する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セル
を構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その
偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラ
ビング方向と一致または直交するように貼り合わせるこ
とにより、液晶表示素子が得られる。
【0040】ここに、シール剤としては、例えば硬化剤
およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有す
るエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶として
は、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を
挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好
ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、
ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エ
ステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロ
ヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液
晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用
いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレ
スチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステ
リルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名
「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売
されているようなカイラル剤などを添加して使用するこ
ともできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p
−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電
性液晶も使用することができる。
【0041】また、液晶セルの外表面に貼り合わされる
偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させ
ながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢
酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのもの
からなる偏光板を挙げることができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制
限されるものではない。本明細書の実施例および比較例
により作製された各液晶表示素子における評価方法を以
下に示す。
【0043】[液晶表示素子の電圧保持率]液晶表示素
子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミ
リ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒
後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テク
ニカ製VHR−1を使用した。
【0044】[残像消去時間]液晶表示素子に10Vの
直流電圧を24時間印加した後、当該電圧の印加を解除
し、表示画面を目視により観察して、電圧の印加を解除
してから画面上の残像が消去されるまでの時間を測定し
た。
【0045】[液晶表示素子のプレチルト角]「T.J.
Schffer,et.al.,J.Appl.Phys.,v
ol.19,2013(1980)」に記載の方法に準拠
し、He−Neレーザー光を用いる結晶回転法により測
定した。
【0046】合成例1 テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボ
キシシクロペンチル酢酸二無水物224.174g(1
モル)、ジアミン化合物として4,4’−(9−フルオ
レニリデンジアニリン313.6g(0.9モル)とパラ
フェニレンジアミン19.8g(0.1モル)を、N−メ
チル−2−ピロリドン4500gに溶解させ、60℃で
6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチル
アルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、
メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾
燥させることにより、対数粘度0.90dl/g、イミ
ド化率0%のポリアミック酸(これを「ポリアミック酸
(Aa−1)」とする。)550gを得た。
【0047】合成例2 合成例1で得られたポリアミック酸30gをN−メチル
−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.
4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時
間脱水閉環させた。ついで合成例1と同様に反応生成物
の沈殿、分離、精製、乾燥を行うことにより、対数粘度
0.85dl/g、イミド化率100%のポリイミド
(これを「ポリイミド(Ab−2)」とする。)17.
5gを得た。
【0048】合成例3 合成例1において使用したテトラカルボン酸に代えて、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−
5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)
−ナフト(1,2−c)フラン−1、3−ジオン312.
3g(1モル)を用いたこと以外は合成例1と同様な合
成方法により、対数粘度0.50dl/gのポリアミッ
ク酸(これを「ポリアミック酸(Aa−3)」とす
る。)550gを得た。その後ポリアミック酸(Aa−
1)に代えてポリアミック酸(Aa−3)を用いたこと
以外は合成例2と同様にして、対数粘度0.85dl/
g、イミド化率100%のポリイミド(これを「ポリイ
ミド(Ab−2)」とする。)17.5gを得た。
【0049】合成例4 合成例1において使用したテトラカルボン酸に代えて、
218.12g(1モル)のピロメリット酸無水物用い
た以外は合成例1と同様にして、対数粘度が1.95d
l/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(A
a−5)」とする。)502gを得た。
【0050】合成例5 テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボ
キシシクロペンチル酢酸二無水物224.174g(1
モル)、ジアミン化合物として4,4’−(9−フルオ
レニリデンジアニリン296.2g(0.85モル)と上
記式(15)で表される化合物78.3g(0.15モ
ル)を、N−メチル−2−ピロリドン4500gに溶解
させ、合成例1と同じ方法でポリアミック酸を合成し、
合成例2と同様な方法で脱水閉環し対数粘度0.85d
l/g、イミド化率100%のポリイミド(これを「ポ
リイミド(Ab−5)」とする。)560gを得た。
【0051】合成例6 合成例3において、テトラカルボン酸二無水物として
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−
5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)
−ナフト(1,2−c)フラン−1、3−ジオン312.
3g(1モル)、ジアミン化合物として4,4’−(9
−フルオレニリデン)ジアニリン276.8g(0.8モ
ル)とパラフェニレンジアミン39.6g(0.2モル)
を用いた以外は合成例1と同様にして、ポリアミック酸
を得、その後合成例2と同様な方法で脱水閉環し対数粘
度1.10dl/g、イミド化率100%のポリイミド
(これを「ポリイミド(Ab−6)」とする。)430
gを得た。
【0052】合成例7 合成例1において使用したジアミンに代えて、パラフェ
ニレンジアミン198.2g(1モル)を用いた以外は
合成例1と同様にして、対数粘度が1.85dl/gの
ポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−1)」
とする。)350gを得た。
【0053】合成例8 合成例1において使用したジアミンに代えて、4,4’
−(9−フルオレニリデン)ジアニリン104.5g
(0.3モル)とパラフェニレンジアミン138.6g
(0.7モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、
対数粘度が0.80dl/gのポリアミック酸(これを
「ポリアミック酸(B−2)」とする。)380gを得
た。
【0054】実施例1 (1)液晶配向剤の調製:合成例1で得られたポリアミ
ック酸(Aa−1)4gを、4−ヒドロキシ−4−メチ
ル−2−ペンタノン20gとγ−ブチロラクトン76g
との混合溶剤に溶解させて、固形分濃度4重量%の溶液
とした。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して
本発明の液晶配向剤を調製した。
【0055】(2)液晶表示素子の作製: 厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO
膜からなる透明導電膜上に、上記のようにして調製され
た本発明の液晶配向剤をスピンナーを用いて塗布し、1
80℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚800オン
グストロームの塗膜を形成した。 形成された塗膜面
を、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビン
グマシーンを用いてラビング処理を行うことにより、液
晶配向膜を作製した。ここに、ラビング処理条件は、ロ
ールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm
/秒、毛足押し込み長さ0.4mmとした。 上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2
枚作製し、それぞれの基板の外縁部に、直径17μmの
酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂系接着剤を
スクリーン印刷法により塗布した後、それぞれの液晶配
向膜におけるラビング方向が逆平行となるように2枚の
基板を間隙を介して対向配置し、外縁部同士を当接させ
て圧着して接着剤を硬化させた。 基板の表面および外縁部の接着剤により区画された
セルギャップ内に、ネマティック型液晶「MLC−20
01」(メルク社製)を注入充填し、次いで、注入孔を
エポキシ系接着剤で封止して液晶セルを構成した。その
後、液晶セルの外表面に、偏光方向が当該基板の一面に
形成された液晶配向膜のラビング方向と一致するように
偏光板を貼り合わせることにより、液晶表示素子を作製
した。 上記のようにして作製された液晶表示素子につい
て、液晶の配向方向、プレチルト角、電圧保持率、焼き
付きを測定し、を評価した。結果を表1に示す。
【0056】実施例2〜13 下記表1に示す処方に従って、合成例1〜8で得られた
重合体を用い、実施例1と同様にして本発明の液晶配向
剤を調製した。次いで、このようにして調製された液晶
配向剤の各々を用い、実施例1と同様にして液晶表示素
子を作製した。作製された液晶表示素子の各々につい
て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に併せ
て示す。
【0057】比較例1〜2 下記表1に示す処方に従って、合成例7〜8で得られた
重合体の各々100重量部を用い、実施例1と同様にし
て本発明の液晶配向剤を調製した。次いで、このように
して調製された液晶配向剤の各々を用い、実施例1と同
様にして液晶表示素子を作製した。作製された液晶表示
素子の各々について、実施例1と同様に評価を行った。
結果を表1に併せて示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、高電圧保持率、低残像
型の液晶配向膜を形成することができる液晶配向剤を提
供することができる。本発明の液晶配向剤により形成さ
れる液晶配向膜は、TN型液晶表示素子およびSTN型
液晶表示素子のみならずSH(Super Homeo
tropic)型液晶表示素子など種々の液晶表示素子
を構成するために好適に使用することができる。また、
当該液晶配向膜を備えた液晶表示素子は、液晶の配向性
および信頼性にも優れ、種々の装置に有効に使用するこ
とができ、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、計数表
示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液
晶テレビなどの表示装置として好適に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松木 安生 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全ジアミン中4,4’−(9−フルオレ
    ニリデン)ジアニリンの占める割合が50モル%以上で
    あるジアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応生成
    物であるアミック酸および/またはイミド基を有する重
    合体を含有することを特徴とする液晶配向剤。
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