JP2002154517A - 合成樹脂製ボトル - Google Patents
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Abstract
収縮に伴う内容積変化による変形を吸収し、深い把持用
凹部で持ち易く、かつ、強度保持で諸変形を防止する合
成樹脂製ボトルを提供する。 【解決手段】 口部2、胴部3および底部4からなるボ
トル本体5の胴部3の両側に把持用凹部6を設けてな
り、両側の把持用凹部6の回りを平面部7にて囲い、両
側の把持用凹部6による把持側胴部の反対側胴部をラベ
ル部14とし、該ラベル部14と両側の把持用凹部6と
の間に位置する胴部3に縦ビード16を胴部3の軸方向
に設けることで、把持用凹部6および平面部7の全体が
パネルとして作用し、ボトルの容積変化を吸収し、縦ビ
ード16はこれが容積変化に対応して吸収するように作
用し、さらに、ラベル部14を凸状に変位させラベル部
14の凹変形を防ぎ、上記課題を達成する。
Description
る合成樹脂製ボトルに関し、より詳しくは、両側の把持
用凹部の回りを平面部にて囲い、ボトルの膨張または収
縮に伴う内容積変化を好適に吸収してなる合成樹脂製ボ
トルに関する。
は、比較的容量の大きい食用油や調味料等の容器として
重宝がられている。これらの内容物は通常高温充填され
るので、冷却されたあとボトル内は減圧状態になる。把
持用凹部を有するボトルでは、一般ボトルに比べて減圧
吸収パネルを設ける場所が限られ、ラベル部など胴部の
変形が起こりやすくなるため、それを避けるための種々
の対策が施されている。
製ボトルaに肩部パネルbや背面パネルcを設けて、こ
れら肩部および背面パネルbおよびcによるパネル効果
により吸収したり、更に底部dにて吸収して、ラベル部
が変形しないようにする技術が知られている。
すべき合成樹脂製ボトルa1の一側部pを肉厚とし、こ
の一側部pに対向する他側部mを肉薄として、この他側
部mに合成樹脂製ボトルa1の減圧分を吸収するための
減圧吸収パネルnを形成し、この他側部mは合成樹脂製
ボトルa1側面から断面山形状に突出させて把持部と
し、この把持部の背部を減圧吸収パネルnとしたボトル
構造が知られている(実公平4−23766号公報参
照)。
7、8の合成樹脂製ボトルaは、変形に関し、その内容
物として、酒精、特にアルコール度数の高いウイスキー
等の容積変化の大きいものが採用されるに及んで、従来
の肩部パネルb、背面パネルcおよび底面部dでは減圧
分を吸収しきれず、ラベル部eに凹みが生じる現象が起
きていた。
の背部を減圧吸収パネルnとし、この減圧吸収パネルn
により容積変化に対応できる点では一応の効果はある
が、この合成樹脂製ボトルa1は、ラベルkを貼着して
いる一側部pを肉厚とし、他側部mを肉薄として、その
肉薄部分に設けた減圧吸収パネルnにより容積変化に対
応するものであるから、コストダウン、省資源、環境保
全の要請に反し、特殊な用途に限定され、更に、この減
圧吸収パネルnだけでは、容積変化の大きいものに対し
ては不十分である。また、把持部oは凹部として形成さ
れているが、この把持部oは肉薄の他側部mに形成され
ており、この構造ではバックリング現象を起こす虞があ
る。
とを確保しつつ内容積変化による変形を吸収し、且つ把
持用凹部を有して持ち易い合成樹脂製ボトルを提供する
ことにある。
成するために提案されたものであって、下記の構成から
なることを特徴とするものである。すなわち、本発明に
よれば、口部、胴部および底部からなるボトル本体の胴
部の両側に把持用凹部を設けてなる合成樹脂製ボトルに
おいて、前記両側の把持用凹部の回りを平面部にて囲っ
たことを特徴とする合成樹脂製ボトルが提供される。
凹部における把持側胴部の反対側胴部をラベル部とし、
該ラベル部と前記両側の把持用凹部との間に位置する胴
部に縦ビードを胴部の軸方向に設けた上記合成樹脂製ボ
トルが提供される。
凹部の回りの平面部の上側および/または下側端部に接
続または隣接して径方向に延びる凹状の横ビードを設け
た上記合成樹脂製ボトルが提供される。
施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態を示す
合成樹脂製ボトルの正面図、図2は本発明の実施の形態
を示す合成樹脂製ボトルの側面図、図3は図2のI-I 線
に沿う断面図である。本願請求項1にかかる発明は、合
成樹脂製ボトル1が、口部2、胴部3および底部4から
なるボトル本体5の胴部3の両側に、把持用凹部6を設
けてなり、この両側の把持用凹部6の回りを平面部7に
て囲ったことを特徴とするものである。
部2には注ぎ口10とキャップを止めるための螺子部1
1がある。前記胴部3は、強度上から断面形状が円形を
なしているが、多角形でも良い。この胴部3の上部には
肩部パネル12が設けられ、中間部にある前記両側の把
持用凹部6の間には背面パネル13が設けられ、この背
面パネル13の反対側にはラベルを貼るためのラベル部
14が設けられている。そして、底部4は上方に凸とな
り、ゲート部を保護し、ボトルの落下強度を高めてい
る。
の胴部3の中間部両側に設けられ、図2に示すような縦
長の矩形をなした陥没部であり、その陥没部の底には3
本の補強ビード15がほぼ等間隔且つ胴部3の径方向に
設けられている。このように構成された両側の把持用凹
部6は、上述のように、ともにその回りを平面部7にて
囲われている。したがって、両側の把持用凹部6が平面
部7により囲われることにより、両側の把持用凹部6お
よび平面部7全体がパネルとして作用し、そのパネル効
果により、上記した肩部パネル12および背面パネル1
3ならびに底部4と相俟って、容積変化を吸収すること
ができる。
ル13ならびに底部4だけでは、その容積変化を吸収す
ることができないような大きな容積変化があっても、こ
れにプラスして両側の把持用凹部6および平面部7の全
体により、その大きな容積変化を吸収して、前記ラベル
部14を凹ましたりする変形が起きることがない。
把持用凹部6とラベル部14との間に位置する胴部3に
縦ビード16を胴部3の軸方向に設けてある。したがっ
て、この縦ビード16は、これが容積変化に対応して吸
収するように作用すると、ラベル部14を凸状方向に変
位させ、これにより、ラベル部14の凹変形を防ぐこと
ができる。
部6の周りの平面部7の上下端部に接続して径方向に延
びる凹状の横ビード17,17’が周設してある。平面
部7と横ビード17,17’との接続部は、図5からわ
かるように、傾斜部18,18’となっている。この周
状の凹ビードにより、ボトル肩部や底部につながる胴部
が、把持力や減圧力によって変形することが少ない。
しも平面に接続している必要はなく、図6に示したよう
に、少しの間隔を空けて隣接していてもよい。また、横
ビードは上側または下側だけに設けてもよい。
うに、両側にある最深部20間の最短距離(L)が、胴
部3の径(D)の50%以下、すなわち、L/D≦50
%に設定して、胴部3を把持し易くしている。更に、把
持用凹部6の径断面形状は、最深部20を中心として、
すなわち、胴部3の軸中心Tと最深部20とを通る一点
鎖線21を中心として、左右対称になっている。その結
果、合成樹脂製ボトル1の成型時に偏肉や、過延伸白化
が起きづらく、且つボトル製造の際のピンホールチェッ
ク等の加圧時や把持・減圧時における変形が起こりにく
くなっている。
は、図3に示すように、0ないし90度の範囲、すなわ
ち、0度≦θ1 ≦90度の範囲にある。この角度θ1 が
0度より小さいと(θ1 <0)、金型の型開きが出来
ず、成型が困難となり、角度θ1が90度を越えると
(θ1 >90度)、両把持用凹部6間において手指の掛
かりがなくなり持ちづらくなる。より好ましい角度θ1
は、50ないし90度の範囲、すなわち、50度≦θ1
≦90度の範囲であり、この範囲にあることにより、成
型が極めて容易となり、手指の掛かりも十分確保されて
いる。なお、θ1 =0度における把持用凹部6の具体的
な形状はU字状である。
深部20と胴部3の軸中心Tとを通る一点鎖線21、2
1により形成する角度θ2 は、120度以上180度の
範囲、すなわち、120度≦θ2 ≦180度の範囲にあ
り、その結果胴部3を手指と掌とで持ち易くなる。角度
θ2 が120度より小さいと(θ2 <120度)、両把
持用凹部6間において手指の掛かりが少なくなって持ち
づらくなり、θ2 が180度を超えると(θ2 >180
度)、両把持用凹部6間の手指の掛かりが多くなりすぎ
て、逆に持ちづらくなる。
ビード15は、図示した例では、陥没部の底からの頂面
高さが3ないし6mmで、そのピッチが20ないし25
mmある。この把持用凹部6の3本の補強ビード15
は、耐バックリング強度を向上させるためであり、した
がって、バックリング現象を起こしづらくする。そし
て、図5に示すように、この把持用凹部6の一方におけ
る3本の補強ビード15のいずれかの間にある最深部2
0に親指22を、他方の3本の補強ビード15の間にあ
る最深部20に残りの指23を当ててつかみ、胴部3を
しっかりと把持することが出来、これら3本の補強ビー
ド15は、合成樹脂製ボトル1を持ち易くする機能も有
している。
材料は特に限定されるものではないが、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、共重合
ポリエステル等が採用される。また、この合成樹脂製ボ
トル1の容量も、特に限定されるものではないが、実用
上1.8リットル、2.7リットル、4リットル等の大
型ボトルにおいてその効果を発揮することができる。ま
た、その用途は使用頻度の高い内容物、例えば、酒精、
食用油、醤油その他の調味料等が例示される。
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。
形状の2.7リットル用のポリエチレンテレフタレート
樹脂製ボトルを使用して、(1)減圧吸収性能、(2)
実液パック評価を以下の方法により測定評価した。
栓に刺し、注射器にてボトル内の水を吸引し、ボトル内
を減圧する。減圧量を増して行き、ボトル胴部(ラベル
部)に凹みができるとびうつり変形が発生した時の減圧
量(ml)を測定した。
を40℃で充填し、その後5℃に冷却して、合成樹脂製
ボトルの変形状態を目視観察する。変形がないものを
○、変形が認められるものを×と評価した。
6の形状の2.7リットル用のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂製ボトルを使用して実施例1と同じ測定をし
た。
で、実施例1と同じ材質の2.7リットル用の合成樹脂
製ボトルについて、実施例1と同様に、(1)減圧吸収
性能、(2)実液パック評価を測定評価した。実施例
1,2および比較例1によって得られた測定結果を表1
に示した。
のポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルは、比較例
1に比べて減圧吸収性能(ml)および実液パック評価
の点で優れており、本発明の効果は明白である。
明によれば、両側の把持用凹部を平面部が囲っているこ
とにより、把持用凹部および平面部の全体がパネルとし
て作用し、そのパネル効果により、ボトルの膨張または
収縮による容積変化を吸収することができる。したがっ
て、内容積変化が多くても、把持用凹部および平面部の
全体で吸収するため、ボトルが変形することがなくな
り、ボトルの本来の美観を保持でき、内容物を含めた商
品価値を下げることがない。また、請求項2に係る発明
によれば、縦ビードが容積変化に対応して吸収するよう
に作用すると、ラベル部を凸状方向に変位させるため、
上記効果に加えてラベル部の凹変形を防ぐことができ
る。さらに、請求項3に係る発明によれば、把持用凹部
の回りの平面部に接続または隣接して径方向に延びる凹
状の横ビードが変形に抗する補強の作用をするので、上
記効果に加えて、ボトル肩部や底部につながる胴部が、
把持するときや、加圧・減圧時に変形することが少な
い。
正面図である。
側面図である。
使用状態の断面図である。
ルの側面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 口部、胴部および底部からなるボトル本
体の胴部の両側に把持用凹部を設けてなる合成樹脂製ボ
トルにおいて、前記両側の把持用凹部の回りを平面部に
て囲ったことを特徴とする合成樹脂製ボトル。 - 【請求項2】 前記両側の把持用凹部における把持側胴
部の反対側胴部をラベル部とし、該ラベル部と前記両側
の把持用凹部との間に位置する胴部に縦ビードを胴部の
軸方向に設けた請求項1記載の合成樹脂製ボトル。 - 【請求項3】 前記両側の把持用凹部の回りの平面部の
上側および/または下側端部に接続または隣接して径方
向に延びる凹状の横ビードを設けた請求項1または2記
載の合成樹脂製ボトル。
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