JP2002152273A - 遅延ゆらぎ吸収方法およびパケット配置調整装置 - Google Patents

遅延ゆらぎ吸収方法およびパケット配置調整装置

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JP2002152273A
JP2002152273A JP2000345129A JP2000345129A JP2002152273A JP 2002152273 A JP2002152273 A JP 2002152273A JP 2000345129 A JP2000345129 A JP 2000345129A JP 2000345129 A JP2000345129 A JP 2000345129A JP 2002152273 A JP2002152273 A JP 2002152273A
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JP2000345129A
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Takayuki Onishi
隆之 大西
Hiroo Matsuda
宏朗 松田
Jiro Naganuma
次郎 長沼
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Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 符号化情報がパケット化されたデータを伝送
するシステムにおいて、遅延ゆらぎを吸収するととも
に、エンコーダのクロック周波数と同期した基準時刻情
報をデコーダに供給する。 【解決手段】 受信装置4から供給された時系列のパケ
ットはバッファ110に順次格納されると同時に基準時
刻情報検出器12に供給され、また入力バイトカウンタ
112に1バイト単位で加算される。基準時刻情報検出
器112はバイト値aを読み込むとともにパケットデー
タから基準時刻情報bを検出し、これらを基準時刻・位
置記憶器113に格納する。出力タイミング制御器11
4はバッファ110のパケットを、バイト値a、基準時
刻情報b、出力バイトカウンタ115のバイト値Bn、
送出時刻Cn、当該パケットのパケット長で決まる間隔
でデコーダ5へ供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動画像や音声ある
いはその他の符号化情報が、例えばMPEG(MovingPicture
Experts Group)方式にしたがってパケット化されてい
る時系列のデータを、ネットワークなどの伝送路を介し
て受信し、デコーダへ供給するデータ伝送システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来のデータ伝送システムの構成
例を示している。
【0003】エンコーダ1は動画像、音声などのディジ
タル信号を、例えばMPEG−2方式にしたがって圧縮符号
化し、さらに、番組情報などその他の符号化情報と合わ
せ、例えばMPEG−2システム方式にしたがってデータを
パケット化して多重化し、基準時刻情報や復号開始時刻
・提示時刻などのタイムスタンプを付加して、送信装置
2に伝送する。この基準時刻情報付加方式については後
述する。
【0004】送信装置2はパケット化されたデータを受
け取り、例えばIPパケットやATMセルなど、ディジタル
伝送路で使用される伝送フォーマットのペイロードに格
納して、ネットワーク3に送信する。
【0005】ネットワーク3を介して伝送されたデータ
は受信装置4に入力される。受信装置4は、IPパケット
やATMセルなどのペイロードからデータを取り出し、デ
コーダ5に伝送する。
【0006】デコーダ5はパケット化されたデータを受
け取り、圧縮符号化情報を復号する。同時に、パケット
データに埋め込まれた基準時刻情報をもとに、一般にPL
L回路と呼ばれるクロック再生回路によってエンコーダ
1とデコーダ5の時刻を同期させる。
【0007】図10はMPEG−2TS(トランスポートスト
リームTransport Stream)における基準時刻情報PCR(Pro
gram Clock Reference)の配置フォーマットを、図11
はMPEG−2PS(プログラムストリームProgram Stream)
における基準時刻情報SCR(System Clock Reference)の
配置フォーマットを示す。エンコーダ1の内部には27
MHzのクロックカウンタ、すなわち2700万分の1秒
毎に値が1づつ大きくなるカウンタが装備されている。
エンコーダ1は基準時刻情報として、このカウンタの値
を使用する。すなわち、当該パケットデータを生成した
瞬間のクロックカウンタの値を読み出し、PCRないしSCR
として書き込む。
【0008】図10のMPEG−2 TSにおいては、ビデ
オ、オーディオおよびその他の符号化情報はTSパケット
と称する188バイト固定長のパケットに格納されてい
る。PCRは100ミリ秒以内の間隔で送信することが規
定され、PCR専用のTSパケットを用意するか、あるいは
ビデオなどのTSパケットにPCRを付加して送信される。
当該TSパケットにPCR情報が含まれる判断基準は (1)当該TSパケットのPID(パケットID)が、PCRを付
加することを事前に示し合わせたPIDである (2)アダプテーションフィールド制御の値が「10」
ないし「11」であること (3)アダプテーションフィールド長の値が1以上であ
ること (4)PCRフラグが「1」であること であり、以上の条件を満たすTSパケットにPCRが含まれ
る。
【0009】なお、エンコーダ1のリセットやストリー
ムの切り替えなどが原因で、PCRの値が不連続となった
場合には、不連続表示ビットが「1」にセットされ、デ
コーダ5に対してPCRを新しい値にセットしなおすよう
指示する。
【0010】図11のMPEG−2 PSにおいては、ビデ
オ、オーディオおよびその他の符号化情報はPESパケッ
トと称する可変長のパケットに格納されている。PESパ
ケットの集合であるパックの先頭に位置するパックヘッ
ダ内にSCRが含まれる。
【0011】図12にデコーダ5に設置されるPLL回路
の典型的な構成例を示す。受信装置4より到着したパケ
ットデータはデコード回路51によって復号される。同
時に、基準時刻情報抽出回路50はパケットデータを検
査し、基準時刻情報が含まれているとそれを抽出する。
そして、最初に到着した基準時刻情報に限り、その値を
カウンタ55にセットする。印加する電圧によって発振
周波数を制御できる電圧制御発振器VCO(Voltage-Contr
olled Oscillator)54は、クロックを発生してデコー
ド回路51に供給するとともに、カウンタ55をカウン
トアップする。減算器53は、パケットデータから抽出
した基準時刻情報とクロックカウンタ55の現在の値と
の差分をとり、アナログ変換・LPF53に伝達する。ア
ナログ変換・LPF53は、差分値の変動に低域通過フィ
ルタリングを施すともにアナログの電圧値に変換し、VC
O54の発振周波数を上下して、差分値をゼロに近づけ
るよう制御する。こうしてエンコーダ1のクロックとデ
コーダ5のクロックが同期するよう調整される。
【0012】なお、以上説明したMPEG−2システムパー
トの詳細は、ITU−T Rec. H. 222.0に記載されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、MPEG−2
システムに代表される符号化・復号システムにおいて
は、エンコーダ1とデコーダ5のシステムクロックを同
期させる手法が用意されている。しかしながら、この同
期手法を有効に動作させるためには、エンコーダ1から
デコーダ5までのデータ伝送遅延が常に一定でなければ
ならない。言い換えれば、エンコーダ1から出力される
パケット化されたデータは、そのままの時刻間隔を保っ
てデコーダ5に入力されなければならない。
【0014】しかしながら一般的に、ネットワーク3を
介してパケットを伝送する際には、その遅延時間が一定
とならず不規則に変動する、いわゆる遅延ゆらぎを生じ
ることが知られている。そしてこれら遅延ゆらぎを受け
たパケットデータをそのままデコーダ5に入力すると、
前述のPLL回路によってデコーダのシステムクロックま
でが不規則にゆらぎ、その結果、出力画像の色ズレなど
の問題を引き起こすことが指摘されている。
【0015】そこで、この不規則な遅延ゆらぎを吸収す
るために、例えばPLL回路を利用することが考えられ
る。しかしながら、大きな遅延ゆらぎをPLL回路のみで
吸収しようとすると、時定数を大きくとらねばならず同
期に長い時間を要してしまう。
【0016】また、デコーダ5の前段にバッファを用意
し、PCRの値に応じてデコーダ5への転送レートを調整
することで遅延ゆらぎを吸収する手法が明らかにされて
いる(特開平11−177653「MPEGデータ転送制御
回路」)。しかしながら、転送レートを上下するのみで
はPCRのゆらぎは完全には除去できず、また、デコーダ
5に新たな回路を付加する必要があるため、既存のデコ
ーダに対して本手法を適用することができない。
【0017】本発明の目的は、遅延ゆらぎを吸収すると
ともに、エンコーダのクロック周波数と同期した基準時
刻情報をデコーダに供給できる遅延ゆらぎ吸収方法およ
びパケット配置調整装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基準時刻情報を含むパケット(以降、基
準時刻情報パケットと表記)を検出し、当該パケットに
含まれる基準時刻情報を読み出して、当該パケットを基
準時刻情報に対応した間隔でデコーダに伝送し、また、
基準時刻情報と計時装置の出力クロックとの差分を累積
加算し、差分をゼロに近づけるよう出力クロックを修正
することで、出力クロックとエンコーダのクロックとの
同期をとる。したがって、デコーダへのパケットデータ
入力に含まれる基準時刻情報のゆらぎをなくすことがで
きる。
【0019】また、本発明のパケット配置調整装置は、
受信装置から出力されたパケットを、それに含まれる基
準時刻情報に対応した時間間隔でデコーダに供給するタ
イミング調整装置と、タイミング調整装置に現在時刻を
供給する計時装置と、基準時刻情報と前記現在時刻の差
分を累積し、差分がゼロに近づくように現在時刻の誤差
を修正する時刻誤差修正装置を有する。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0021】図1は本発明の一実施形態のデータ伝送シ
ステムの構成図である。
【0022】本実施形態のデータ伝送システムは、受信
装置4とデコーダ5の間にパケット配置調整装置6を有
している。
【0023】図2はパケット配置調整装置6の構成を示
すブロック図である。
【0024】パケット配置調整装置6は、パケットデー
タに含まれる基準時刻情報に対応した間隔でパケットデ
ータをデコーダ5に供給するタイミング調整装置11
と、時刻経過を計測しタイミング調整装置11に現在時
刻を供給する計時装置12と、計時装置13の計時誤差
を修正する時刻誤差修正装置13より構成される。
【0025】図3はタイミング調整装置11と計時装置
12と時刻誤差修正装置13の構成を示すブロック図で
ある。
【0026】タイミング調整装置11はバッファ110
と入力バイトカウンタ111と基準時刻情報検出器11
2と基準時刻・位置記憶113と出力タイミング制御器
114と出力バイトカウンタ115と減算器125で構
成されている。バッファ110は受信装置4より供給さ
れ、パケット化された時系列データを順次格納する。入
力バイトカウンタ111はバッファ110にデータが格
納されると同時に1バイト単位でカウントアップする。
基準時刻情報検出器112は、バケット化された時系列
データにパケットの先頭を検出すると、入力バイトカウ
ンタ111からバイト値aを読み込み、続いて当該パケ
ットの内部を検査し、基準時刻情報(例えばMPEG−2の
場合、PCRないしSCR)の存在を検出すると、当該基準時
刻情報の値bを取り出し、バイト値aと対にして、基準時
刻・位置記憶113に格納する。出力タイミング制御器
114はバッファ110からパケット化された時系列デ
ータを取り出し、デコーダ5へ送信する。同時に、出力
バイトカウンタ115が1バイト単位で加算される。減
算器125はクロックカウンタ117から供給されるク
ロック値cから一定値Cdを減算し、送出時刻Cnとして出
力タイミング制御器114に出力する。出力タイミング
制御器114の詳細およびCdの値については後述する。
【0027】計時装置12はオシレータ116と、オシ
レータ116の発振クロックをカウントするクロックカ
ウンタ117と、時刻誤差修正装置13からのクロック
誤差修正指示fによりクロックカウンタ117のカウン
ト値を制御するクロック調整器124で構成される。
【0028】時刻誤差修正装置13は減算器118はと
符号付累算器119とカウンタ120とジッタ成分除去
器121と符号付累算器122とクロック誤差修正指示
器123で構成されている。減算器118は基準時刻情
報検出器112が時刻情報bを出力するたびにクロック
値cから時刻情報bの値を減算し、差分dとして出力す
る。符号付累算器119は差分dを符号付きで累積加算
する。カウンタ120は差分dが出力される毎に1つカ
ウントアップする。ジッタ成分除去器121はカウンタ
120の値を見てネットワーク3による遅延ゆらぎが平
均化される時間範囲にわたって差分が累積加算されたと
判定すると、符号付累積器119の値を累積差分eとし
て出力するとともに符号付累算器119とカウンタ12
0をリセットする。符号付累算器122は累積差分eを
符号付きで累積加算する。クロック誤差修正指示器12
3は符号付累算器122の値に基づいてクロック誤差修
正指示fを出す。
【0029】次に、本実施形態の動作を説明する。
【0030】入力バイトカウンタ111、出力バイトカ
ウンタ115、カウンタ120、符号付累算器119お
よび122の値はゼロにクリアされる。なお、オシレー
タ116によって駆動されるクロックカウンタ117の
クロック周波数は、エンコーダ1が基準時刻情報の生成
に用いているクロック周波数と同一とする。例としてMP
EG−2の場合、エンコーダ1が生成するPCRないしSCRの
クロック周波数は27MHzであるから、同様にクロック
カウンタ117も2700万分の1秒毎に1つづつカウ
ントアップされるようにする。
【0031】受信装置4から供給された、パケット化さ
れた時系列データは、バッファ110に順次格納される
と同時に、基準時刻情報検出器112に供給される。ま
た、入力バイトカウンタ111が1バイト単位で加算さ
れる。
【0032】基準時刻情報検出器112は、パケット化
された時系列データにパケットの先頭を検出すると、入
力バイトカウンタ111からバイト値aを読み込む。続
いて当該パケットの内部を検査し、基準時刻情報の存在
を検出すると、当該基準時刻情報bの値を取り出し、バ
イト値aと対にして、基準時刻・位置記憶113に格納
する。また、本装置の動作開始後、1番目の基準時刻情
報パケットに限り、時刻情報bの値をクロックカウンタ
117にセットする。
【0033】パケット化された時系列データの入力開始
後一定時間をおいて、出力タイミング制御器114が動
作を開始する。この動作開始までの遅延時間は、バッフ
ァ110の容量や時系列データの平均ビットレート、お
よびビットレート変動に依存するが、例えばバッファ1
10において全容量の半分までデータが蓄積される時間
と定義できる。
【0034】出力タイミング制御器114はバッファ1
10からパケット化された時系列データを取り出し、デ
コーダ5へ送信する。同時に、出力バイトカウンタ11
5が1バイト単位で加算される。
【0035】また、出力タイミング制御器114は、ク
ロックカウンタ117から現在時刻の情報を受け取る。
ただし、パケットデータがバッファ110に滞留する時
間を考慮して、送出時刻Cnの値は、クロックカウンタ1
17から供給されるクロック値cから、減算器125に
よって一定値Cdを減算した値とする。Cdは、1番目の基
準時刻情報パケットが出力される時点で、以下のように
セットされる。
【0036】Cd=(1番目の基準時刻情報パケットが出
力タイミング制御器114から出力される時点での、当
該パケットに含まれる基準時刻情報値とクロック値cと
の差分) =(1番目の基準時刻情報パケットが出力タイミング制
御器114から出力される時点で、当該パケットに含ま
れる基準時刻情報と送出時刻Cnの値が同一となるような
Cdの値) 出力タイミング制御器114の動作の詳細を図4および
図5に示す。出力タイミング制御器114の目的は、デ
コーダ5へのパケット送出レートをなるべく一定としな
がら、基準時刻情報パケットを正確な時間間隔で送出す
ることにある。
【0037】なお、図4および図5の説明において、ク
ロックカウンタ117のクロック周波数をS(Hz)とす
る。MPEG−2の場合は前述のとおりS=27,000,0
00である。また、デコーダ5への伝送路の転送レート
はDバイト/秒であるとする。
【0038】図4の状況において、現在の送出時刻がCn
であり、出力済みのバイト数はBn、バッファ110の内
部には基準時刻情報C2を含むバケットがB2バイトの位置
にあるとする。
【0039】さて、基準時刻情報C2を含むパケットを、
送出時刻がC2となる瞬間に送出するためには、バッファ
110に蓄積された残りB2−Bnバイトを、C2−Cnクロッ
クの間に、すなわち(C2−Cn)/S秒の間に出力せねばな
らない。デコーダ5には時間(C2−Cn)/S秒で最大D(C2
−Cn)/Sバイトを伝送できるから、デコーダ5の伝送路
にはB2−Bnバイトのパケットデータを載せ、D(C2−Cn)
/S−(B2−Bn)バイトの空きをあけることになる。
【0040】前述の議論をもとに、1つのパケットを出
力する際のタイミングについて述べる。いま、出力タイ
ミング制御器114が次に出力すべきパケットのサイズ
が、図5に示すようにBpバイトだとする。このパケット
を送出するためにかかる時間はBp/D秒である。そし
て、パケットを均一なレートで送出するために、後続の
パケットを送出する前に、パケット長Bpに比例した間隔
をあける。すなわち、
【0041】
【数1】 とすればよい。
【0042】このようにして、パケットの送出と間隔の
作成を繰り返しながら順次デコーダ5へ送出し、時刻情
報C2を含むパケットまで到達したら、さらに次の時刻情
報を含むパケットを目標時間に送出できるよう、同様の
処理が継続される。使用済みの情報は基準時刻・位置記
憶113から削除される。
【0043】図6および図7は、こうしてデコーダ5に
出力されたパケットの伝送路上のイメージである。ま
ず、固定長パケットの場合、図6のようにパケット長と
パケット間隔は全て等しい値となる。また、可変長パケ
ットの場合は、図7のようにパケット長に比例したパケ
ット間隔が与えられる。どちらの場合も、パケットの転
送レートが均一化されると同時に、時刻情報を含んだパ
ケットが正しい間隔で伝送される。また、パケットデー
タが可変ビットレートであった場合においても、時刻情
報を含んだパケットに挟まれた各区間毎に転送レートが
均一化されるため、ビットレートの変動頻度と比較して
時刻情報を含んだパケットが十分多数送出されていれ
ば、可変ビットレートに対応可能である。
【0044】さて、出力タイミング制御器114は、オ
シレータ116によって駆動されるクロックカウンタ1
17の値をもとに動作する。先ほど述べたように、クロ
ックカウンタ117のクロック周波数は、エンコーダ1
が基準時刻情報の生成に用いているクロック周波数(例
えばMPEG−2PCRおよびSCRの場合、27MHz)と同一と
しているが、当然ながら両者には微小な誤差が存在す
る。
【0045】すると、エンコーダ1が基準時刻情報を生
成したクロック周波数と、オシレータ116の発振周波
数の微妙なズレが原因で、時刻の誤差が徐々に蓄積す
る。これを防ぐために、クロックカウンタ117が供給
するクロック値cを修正する機構を以下に説明する。
【0046】基準時刻情報検出器112が時刻情報bを
出力するたび、減算器118はクロックカウンタ117
のクロック値cから時刻情報bを減算し、計算結果を差分
dとして、符号付累算器119に入力する。同時にカウ
ンタ120が1つカウントアップされる。
【0047】符号付累算器119は、差分dをプラスマ
イナスの符号付きで累積加算する。ジッタ成分除去器1
21は、カウンタ120の値を見て、ネットワークによ
る遅延ゆらぎが平均化される時間範囲にわたって差分d
が累積加算されたと判断すると、符号付累算器119の
値を累積差分eとして出力するとともに、リセット信号
を発して符号付累算器119とカウンタ120をゼロに
クリアする。
【0048】符号付累算器122は累積差分eの値を、
プラスマイナスの符号付きで累積加算する。クロック誤
差修正指示器123は、図8に示すように、符号付累算
器122の値を監視し、値が正の方向に大きくなる場合
はクロックカウンタ117の値の上昇を抑えるように、
値が負の方向に大きくなる場合はクロックカウンタ11
7の値の上昇を速めるようにクロック誤差修正指示fを
出す。
【0049】クロック調整器124は、クロック誤差修
正指示fをもとにクロック値の上昇を制御する。この制
御は2つの手法が適用できる。1つには、オシレータ1
16に電圧制御発振器(VCO:Voltage-Controlled Osci
llator)を使用し、電圧制御により発振周波数を上下さ
せる。いま1つには、クロックカウンタ117に作用
し、カウンタ値を意図的に上昇させたり、上昇を抑制し
たりする。
【0050】このような制御により、符号付累算器12
2の値がゼロ近辺に落ち着いた時点で、エンコーダ1が
基準時刻情報の生成に用いるカウンタと、クロックカウ
ンタ117が供給するクロック値dとが一致した速度で
カウントされることになる。
【0051】なお、エンコーダ1のリセットやストリー
ムの切り替えが原因で基準時刻情報が不連続となった場
合には、例えばTSパケットの場合不連続表示ビットが
「1」となったり、基準時刻情報の値が遅延ゆらぎをは
るかに超えた大きな変動を起こすので、基準時刻情報検
出器112はこれを検出して、パケット配置調整器10
1全体の動作をリセットする。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基準時刻情報を含んだパケットをデコーダへ伝送するタ
イミングを制御するとともに、エンコーダのクロックと
内蔵クロックの誤差を修正することにより、伝送路上に
おける遅延ゆらぎを吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のデータ伝送システムの構
成図である。
【図2】図1中のパケット配置調整装置6の構成を示す
ブロック図である。
【図3】図2中のタイミング調整装置11、計時装置1
2、時刻誤差修正装置13の回路図である。
【図4】図3中の出力タイミング制御器114に供給さ
れる情報を示す図である。
【図5】図3中の出力タイミング制御器114のパケッ
ト送出タイミングを示す図である。
【図6】図3中の出力タイミング制御器114によって
送出される固定長パケットを示す図である。
【図7】図3中の出力タイミング制御器114によって
送出される可変長パケットを示す図である。
【図8】図3中のクロック誤差修正指示器123の動作
を示す図である。
【図9】従来のデータ伝送システムを示すブロック図で
ある。
【図10】MPEG−2トランスポートストリームのフォー
マットを示す図である。
【図11】MPEG−2プログラムストリームのフォーマッ
トを示す図である。
【図12】PLL回路の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 エンコーダ 2 送信装置 3 ネットワーク 4 受信装置 5 デコーダ 6 パケット配置調整装置 11 タイミング調整装置 12 計時装置 13 時刻誤差修正装置 110 バッファ 111 入力バイトカウンタ 112 基準時刻情報検出器 113 基準時刻・位置記憶器 114 出力タイミング制御器 115 出力バイトカウンタ 116 オシレータ 117 クロックカウンタ 118 減算器 119 符号付累算器 120 カウンタ 121 ジッタ成分除去器 122 符号付累算器 123 クロック誤差修正指示器 124 クロック調整器 125 減算器 a バイト値 b 時刻情報 c クロック値 d 差分 e 累積差分 f クロック誤差修正指示
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長沼 次郎 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2F002 AA00 AA12 AD03 AD06 AD07 AF01 BB00 BB04 CB01 DA00 FA16 GA08 5C059 KK21 KK31 MA00 RB02 RC04 RE01 RE04 SS06 UA05 UA09 UA34 UA38 5K030 HB01 HB02 HB15 KA03 KA21 LC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンコーダから出力された、動画像符号
    化情報、音声符号化情報、およびその他の符号化情報が
    パケット化されたデータを送信装置からネットワークを
    介して送信し、受信装置で受信した後、デコーダで復号
    するデータ伝送システムにおいて、 前記受信装置から出力された、基準時刻情報を含むパケ
    ットから基準時刻情報を読み出し、前記パケットを該基
    準時刻情報に対応した間隔で前記デコーダに出力すると
    ともに、前記基準時刻情報と計時装置の出力クロックの
    差分を累積加算し、差分がゼロに近づくように前記内蔵
    クロックを修正する遅延ゆらぎ吸収方法。
  2. 【請求項2】 エンコーダから出力された、動画像符号
    化情報、音声符号化情報、およびその他の符号化情報が
    パケット化されたデータを送信装置からネットワークを
    介して送信し、受信装置で受信した後、デコーダで復号
    するデータ伝送システムにおいて、 前記受信装置から出力された時系列のパケットを、それ
    に含まれる基準時刻情報に対応した時間間隔で前記デコ
    ーダに供給するタイミング調整装置と、前記タイミング
    調整装置に現在時刻を供給する計時装置と、前記基準時
    刻情報と前記現在時刻の差分を累積し、差分がゼロに近
    づくように前記現在時刻の誤差を修正する時刻誤差修正
    装置を有するパケット配置調整装置。
  3. 【請求項3】 前記タイミング調整装置は、 前記受信装置が受信した時系列のパケットを順次複数記
    憶するバッファと、 前記バッファの入力バイト数、出力バイト数をそれぞれ
    カウントする入力バイトカウンタおよび出力バイトカウ
    ンタと、 前記バッファに格納されるパケットに含まれる基準時刻
    情報を検出する基準時刻情報検出器と、 検出された基準時刻情報と前記入力バイトカウンタのカ
    ウント値であるバイト値を記憶する基準時刻・位置記憶
    と、 1番目のパケットが前記バッファから出力される時点で
    送出時刻が前記基準時刻・位置記憶に記憶された該パケ
    ットの基準時刻情報と一致するように、前記計時装置か
    ら出力された現在時刻から一定時間を減算し、前記送出
    時刻として出力する減算器と、 前記バッファに格納されている、次に出力すべきパケッ
    トを、前記送出時刻と、前記出力バイトカウンタから出
    力された出力バイト数と、前記基準時刻・位置記憶に記
    憶されている当該パケットの基準時刻情報とバイト値
    と、当該パケットのパケット長で決まる、該パケット長
    に比例した間隔で出力する出力タイミング調整器を有す
    る、請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記計時装置は、 オシレータと、 前記基準時刻情報検出器から1番目のパケットの基準時
    刻情報が検出されると、該基準時刻情報がセットされ、
    以後該オシレータの出力クロックをカウントし、現在時
    刻として出力するクロックカウンタと、 クロック誤差修正指示をもとに前記クロックカウンタの
    値の上昇を制御するクロック調整器を有する、請求項3
    記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記時刻誤差修正装置は、 前記基準時刻情報検出器が時刻情報を出力するたびに、
    前記クロックカウンタの値から該時刻情報値を減算し、
    差分を出力する減算器と、 前記減算器から差分が出力される毎に1つカウントアッ
    プするカウンタと、 前記差分を符号付きで累積加算する第1の符号付累積器
    と、 前記カウンタの値を見てネットワークによる遅延ゆらぎ
    が平均化される時間範囲にわたって差分が累積加算され
    たと判断すると、第1の符号付累積加算器の値を累積差
    分として出力するとともに、第1の符号付累積加算器と
    前記カウンタをリセットするジッタ成分除去器と、 前記累積差分を符号付きで累積加算する第2の符号付累
    積器と、 第2の符号付累積器の値を監視し、値が正の方向に大き
    くなる場合は前記クロックカウンタの値の上昇を抑え、
    値が負の方向に大きくなる場合は前記クロックカウンタ
    の値の上昇を速める指示を前記クロック誤差修正指示と
    して前記計時装置に出力するクロック誤差修正指示器を
    有する、請求項4記載の装置。
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