JP2002151848A - ビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板 - Google Patents

ビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板

Info

Publication number
JP2002151848A
JP2002151848A JP2000343628A JP2000343628A JP2002151848A JP 2002151848 A JP2002151848 A JP 2002151848A JP 2000343628 A JP2000343628 A JP 2000343628A JP 2000343628 A JP2000343628 A JP 2000343628A JP 2002151848 A JP2002151848 A JP 2002151848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core substrate
build
wiring board
printed wiring
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000343628A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3819701B2 (ja
Inventor
Shingetsu Yamada
紳月 山田
Koichiro Taniguchi
浩一郎 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Priority to JP2000343628A priority Critical patent/JP3819701B2/ja
Publication of JP2002151848A publication Critical patent/JP2002151848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3819701B2 publication Critical patent/JP3819701B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層プリント配線基板用コア基板を、耐マイ
グレーション性、耐ヒートサイクル性およびドリル穴加
工性に優れたものとし、これによって配線の高密度化に
対応し、高信頼性の得られるビルドアップ多層配線基板
用コア基板を提供することである。 【解決手段】 結晶融解ピーク温度が260℃以上であ
るポリアリールケトン樹脂70〜25重量%と、非晶性
ポリエーテルイミド樹脂30〜75重量%とからなる熱
可塑性樹脂組成物100重量部に対して、平均粒径15
μm以下、平均アスペクト比(平均粒径/平均厚み)が
30以上のマイカなどの鱗片状無機充填材を20〜50
重量部混合した組成物より成るビルドアップ多層プリン
ト配線基板用コア基板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビルドアップ法
によって製造される多層プリント配線基板のコア基板に
関し、詳しくは、耐マイグレーション性、耐ヒートサイ
クル性およびドリル穴加工性に優れたビルドアップ多層
プリント配線基板用コア基板に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化および多機能化は、年
々加速度的に進行しているが、その技術を支えているの
は主として「半導体パッケージ」に関する技術であり、
具体的には電子部品を実装したプリント配線板であると
いえる。
【0003】すなわち、プリント配線板の小型化および
多機能化の要請に伴って、多層配線基板も緊急に軽薄短
小化および多機能化させる必要が生じ、そのなかで多層
配線板の革新的製造方法であるビルドアップ配線板が注
目されてきた。そして、1991年に最初のビルドアッ
プ配線板の実用化がIBMより発表され、その後、急速に
実用化が進んできた。
【0004】因みに、一般的なビルドアップ配線板の構
成について説明すると、例えば図1に示すようなビルド
アップ多層プリント配線基板は、その中心部にコア基板
1を有している。
【0005】コア基板1は、従来、ガラスエポキシ材
(エポキシ樹脂等をガラスクロス等に含浸して硬化させ
た層)からなる絶縁層に、銅などの導電性材料がめっき
されたスルーホール(貫通孔)2を有しており、ビルド
アップ層3の支持とプリント配線板に部品を支持する機
能を持たせるための所定の厚みに設計されたものであ
る。なお、図1中の符号4は、接続用ランドであり、符
号5はバイアホールを示し、前記のスルーホール2は、
ドリル穴加工によって形成した孔内面に銅等の導電材を
めっきしたものである。
【0006】ビルドアップ工法に関する技術としては、
1996年または1997年をピークに各社より数多く
の方式が発表されたが、製造工程の違いによって、コア
基板の上にビルドアップ層として熱硬化性樹脂を用いる
タイプ、感光性樹脂を用いるタイプまたは樹脂付き銅箔
を用いるタイプに大別される。
【0007】以下に、感光性樹脂を用いたビルドアップ
工法の一例を示す。
【0008】まず、図2(a)に示すように、接続用ラ
ンド4を有するガラスエポキシ基板からなるコア基板1
上に、感光性樹脂からなるビルドアップ絶縁層6を、ス
ピンコーティング法、スクリーン印刷法等によって塗布
して設ける。
【0009】そして、図2(b)に示すように、ビルド
アップ絶縁層6を所定のパターンで露光、現像、エッチ
ングしてランド上にバイアホール5を形成する。
【0010】その後、図2(c)に示すように、バイア
ホール5の上に導電材料によるめっき層7を形成する。
さらに図2(d)に示すように、この上に次の絶縁樹脂
層8を形成して複層とし、さらに図2(a)〜(d)の
工程をこの順に繰り返して多層化されたパターンを形成
する。
【0011】そして、従来のビルドアップ配線基板のコ
ア基板は、基本的にガラス繊維で強化されたエポキシ樹
脂を使用しているものが多い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のビルド
アップ配線基板用のコア基板は、スルーホールのめっき
にクラックが発生したり、ガラスクロスに沿って銅のマ
イグレーションが発生する場合がある。
【0013】因みに、上記のマイグレーションとは、導
体層金属イオンが時間の経過とともに絶縁層内に拡散
し、絶縁層を隔てて形成された別の導体層との間に導電
路を形成し、これによって短絡を起こす現象をいう。そ
して、ガラスクロスを含有するガラスエポキシプリント
配線板は、耐マイグレーション性を確保するために、穴
間ピッチを0.40mm以上確保することが必要である
が、配線パターンの高密度化を進めるためには、さらに
穴間ピッチを狭く設定する必要があり、高信頼性(マイ
グレーションが起こり難い特性)を確保すると共に高密
度化を進める必要があった。
【0014】また、ガラスエポキシプリント配線板は、
銅めっきスルホール周辺の樹脂部がスルーホールそのも
のより熱膨張係数が高いので、それらの差がビルドアッ
プ層にストレスを与え、ビルドアップ層にクラックを発
生させることがある。
【0015】また、コア基板にスルーホールを形成する
際、ドリル穴加工を作業効率よく行なうために高速回転
ドリルを用いると、摩擦熱で高温となった絶縁層が軟化
して孔内面が荒れる場合があり、そのようなコア基板は
孔内面に緻密なめっきを行なえない不良品であり、歩留
まりが低下する。
【0016】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して多層プリント配線基板用コア基板を、耐マ
イグレーション性、耐ヒートサイクル性およびドリル穴
加工性に優れ、これによって配線の高密度化に対応する
と共に、高信頼性の得られるビルドアップ多層配線基板
用コア基板とし、また環境に対する負荷が少ない熱可塑
性樹脂で形成された絶縁層を有する多層プリント配線基
板用コア基板を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、結晶融解ピーク温度が260℃以上
であるポリアリールケトン樹脂70〜25重量%と、非
晶性ポリエーテルイミド樹脂30〜75重量%とからな
る熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、無機充填
材を20〜50重量部配合した組成物からなる絶縁層を
有するビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板と
したのである。
【0018】また、さらに好ましい手段として、上記の
ビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板におい
て、無機充填材として鱗片状無機充填材を採用すること
ができる。また、鱗片状無機充填材としては、平均粒径
15μm以下、平均アスペクト比(平均粒径/平均厚
み)が30以上の鱗片状無機充填材を用いることが好ま
しい。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明におけるビルドアップ多
層プリント配線基板用コア基板に用いる樹脂組成物は、
結晶性ポリアリールケトン樹脂70〜25重量%と非晶
性ポリエーテルイミド樹脂30〜75重量%とからなる
樹脂組成物100重量部に対し、さらに無機充填材を2
0〜50重量部混合したものであり、フィルム状に成形
したものがコア基板用素材になる。
【0020】結晶性ポリアリールケトン樹脂は、その構
造単位に芳香核結合、エーテル結合およびケトン結合を
含む熱可塑性樹脂であり、その代表例としては、ポリエ
ーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー
テルケトンケトン等がある。これらのうち、ポリエーテ
ルエーテルケトンの市販品としては、VICTREX社
製の商品名「PEEK151G」、「PEEK381
G」または「PEEK450G」などがある。
【0021】この発明に用いる非晶性ポリエーテルイミ
ド樹脂は、構造単位に芳香核結合、エーテル結合および
イミド結合を含む非晶性熱可塑性樹脂であり、その他の
条件では、特に制限されたものではなく、市販品として
ゼネラルエレクトリック社製:Ultem CRS50
01(商品名)、同社製:Ultem 1000(商品
名)などがある。
【0022】上記樹脂組成物の結晶性ポリアリールケト
ン樹脂の配合割合が、70重量%を越える場合や、非晶
性ポリエーテルイミド樹脂の配合割合が30重量%未満
の場合は、組成物のガラス転移温度が低くなり、ドリル
穴加工時の発熱による穴あけ不良率がかなり増加して歩
留まりが低下する。すなわち、穿孔された穴部に切削屑
が残ったり、ドリル刃部に切削屑が巻き付くと、穴形状
や穴の壁面が粗くなり、確実にめっきを付着させること
ができずに不良品となってしまうからである。
【0023】また、上記樹脂組成物の結晶性ポリアリー
ルケトン樹脂の配合割合が、25重量%未満であった
り、非晶性ポリエーテルイミド樹脂の配合割合が75重
量%を越えると、組成物全体として結晶性が低くなり、
結晶融解温度が260℃以上であっても弾性率が低くな
って、はんだ浸漬試験等で評価されるはんだ耐熱性が低
下するので好ましくない。
【0024】以上のような理由により、この発明におけ
るコア基板を構成する混合樹脂としては、上記ポリアリ
ールケトン樹脂70〜25重量%と非晶性ポリエーテル
イミド樹脂30〜75重量%とからなる組成物が好まし
い。
【0025】また、上述した樹脂組成物に対して充填さ
れる鱗片状の無機充填材は、周知の鱗片状無機充填材を
特に制限なく使用できる。例えば、タルク、マイカ、雲
母、ガラスフレーク、窒化ホウ素(BN)、板状炭酸カ
ルシウム、板状水酸化アルミニウム、板状シリカ、板状
チタン酸カリウムなどである。
【0026】これらは1種類を単独で用いたり、または
2種類以上を組み合わせて用いることもできる。特に、
平均粒径が15μm以下、アスペクト比(粒径/厚み)
が30以上の無機充填材が好ましい、なぜなら、平面方
向と厚み方向の線膨張係数比を低く押えることができる
ため、熱衝撃サイクル試験時のビルドアップ絶縁層のク
ラック発生を抑制できるからである。
【0027】また、上述した無機充填材の配合量は、樹
脂組成物100重量部に対して20〜50重量部であ
る。なぜなら、50重量部を超えると、無機充填材の分
散不良の問題が発生し、線膨張係数がばらつきやすくな
る。また無機充填材の配合量が20重量部未満では、所
期したように線膨張係数を低下させて寸法安定性を向上
させる効果が小さく、部品搭載工程であるリフロー工程
やフロー工程において、線膨張係数差起因の内部応力が
発生し、基板のそりやねじれが発生するからである。
【0028】また、鱗片状の無機充填剤の他にも球状シ
リカやテトラポット状の硫化亜鉛(ZnS)、ウィスカ
状のチタン酸カリウム、有機繊維であるアラミド不織布
なども上述した鱗片状フィラーと併用することも可能で
ある。
【0029】この発明を構成する樹脂組成物には、その
性質を損なわない程度に、他の樹脂や無機充填剤以外の
各種添加剤を添加しても良く、例えば、そのような例と
して熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色
剤、滑剤、難燃剤等を適宜配合してもかまわない。
【0030】また無機充填剤を含めた各種添加剤の混合
方法は、周知の方法を採用すればよく、例えば(a)各
種添加剤をポリアリールケトン樹脂及び/または非晶性
ポリエーテルイミド樹脂などの適当なベース樹脂に高濃
度(代表的な含有量としては10〜60重量%程度)に
混合したマスターバッチを別途作製しておき、これを使
用する樹脂に濃度を調整して混合し、ニーダーや押出機
等を用いて機械的にブレンドする方法、(b)使用する
樹脂に直接各種添加剤をニーダーや押出機等を用いて機
械的にブレンドする方法などが挙げられる。
【0031】上記混合方法のうち、(a)のように、マ
スターバッチを作製して混合する方法が分散性や作業性
の点から好ましい。さらに、フィルムの表面にはハンド
リング性の改良等のために、エンボス加工やコロナ処理
等を適宜に施しても良い。
【0032】この発明のビルドアップ多層配線基板用コ
ア基板を構成する組成物は、通常、フィルムまたはシー
ト状の素材として提供される。フィルムの成形方法とし
ては、周知の方法、例えばTダイを用いる押出キャスト
法やカレンダー法等を採用することができ、特にシート
の製膜性や安定生産性等の面から、Tダイを用いる押出
キャスト法を採用することが好ましい。Tダイを用いる
押出キャスト法での成形温度は、組成物の流動特性や製
膜性等によって適宜に調整するが、おおよそ融点以上で
ありかつ430℃以下である。また、このフィルムの厚
みは、通常25〜800μmである。
【0033】次に、この発明のビルドアップ多層配線基
板用コア基板の製造方法は、フィルムの少なくとも片面
に接着層を介することなく導体箔を熱融着・結晶化処理
し、この導体箔に導電性回路を形成して基板とする。絶
縁層の厚みを300μm以上にする場合は、導体箔と熱
融着する際にフィルムを積層することも可能である。
【0034】コア基板の製造過程において、上述したフ
ィルムと導体箔を接着層を介することなく熱融着させる
方法としては、加熱加圧できる方法であれば周知の方法
を採用することができ、特に限定されるものではない。
例えば、熱プレス法や熱ラミネートロール法、またはこ
れらを組み合わせた方法を適宜に採用することができ
る。
【0035】また、導体箔に導電性回路を形成させる方
法についても、特に限定されるものではなく、例えば、
サブトラクティブ法(エッチング)、アディティブ法
(メッキ),ダイスタンプ法(金型)、導体印刷法(導
電ペースト)などの周知の方法を採用することができ
る。
【0036】この発明に使用できる導体箔としては、例
えば銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル、錫等であっ
て、厚さ5〜70μm程度の金属箔が挙げられる。通
常、金属箔としては、銅箔が使用されるが、このような
導体箔は、接着性を良くするためにフィルムとの接触面
(重ねる面)側を予め化学的または機械的に粗化したも
のを用いることが好ましい。表面粗化処理された導体箔
の具体例としては、電解銅箔を製造する際に電気化学的
に処理された粗化銅箔などが挙げられる。
【0037】
【実施例および比較例】〔実施例1〕表1に示すよう
に、ポリエーテルエーテルケトン樹脂[ビクトレックス
社製、PEEK450G、Tg:147.6℃、Tm:
334℃](以下、単にPEEKと略記する。)30重
量部と、ポリエーテルイミド樹脂[ゼネラルエレクトリ
ック社製、Ultem−CRS5001、Tg:23
2.3℃](以下、単にPEIと略記する。)70重量
部および市販のマイカ(平均粒径:10μm、アスペク
ト比:40)50重量部とからなる混合組成物を、Tダ
イを備えた押出機を用いて設定温度380℃で厚さ10
0μmのフィルム状に押出成形した。得られたフィルム
をカッティングしてその両面に銅箔(厚さ:18μm、
表面粗面化)を重ね、250℃で30分間の熱プレスを
することにより、結晶化処理済銅箔積層板(コア基板用
素板)を得た。
【0038】得られたコア基板用素板またはパターンを
形成したコア基板を試験片として用い、以下の熱特性や
信頼性試験などについての試験1〜6を行ない、これら
の結果を表1中に併記した。 (1)ガラス転移温度(Tg) 熱応力歪み測定装置(セイコーインスツルメント社製:
TMA/SS6100を用い、昇温過程の熱膨張量の温
度依存性を求め、ガラス転移点の前後の曲線に接線を引
き、この接線の交点からTgを求めた。 (2)線膨張係数(αx、αy、αz) 熱応力歪み測定装置(セイコーインスツルメント社製:
TMA/SS6100)により線膨張係数を求めた。フ
ィルムのX方向、Y方向の線膨張係数の測定は、フィル
ムを短冊状として試験片(長さ10mm、断面積1mm2
を作製し、引っ張り荷重0.1gで固定し、室温から5
℃/分の割合で昇温させ、熱膨張量の温度依存性を求め
た。また、Z方向の線膨張係数の測定は、フィルム状の
試験片のZ方向に一定圧力(荷重0.1g)を加え、室
温から5℃/分の割合で昇温させ、熱膨張量の温度依存
性を求めた。 (3)ドリル穴加工性試験 銅箔18μm/絶縁性樹脂層700μm/銅箔18μm
の3層構造を有するコア基板用素板に、ユニオンツール
社製:MV−E720のドリルを用い、2083回/秒
の回転数、91.44m/秒の送り速度で、穴径φ0.
2mmの穴を4000箇所開け、この穴加工済み素板を投
射器の上に載せて、切削詰まりの無い穴数を数え、穴あ
け歩留まりを算出した。 (4)熱衝撃サイクル試験 ビルドアップ絶縁層のクラック発生状況を調べた。すな
わち、コア基板用素板(銅箔18μm/絶縁性樹脂層7
00μm/ 銅箔18μmの3層構造を有するコア基板
用素板)に、ドリル穴加工でスルーホールを形成し、パ
ターンエッチングを行ない、その後にスルホール銅めっ
きを形成してコア基板を作製した。このコア基板の上
に、感光性の絶縁樹脂をスクリーン印刷法により30μ
mの厚さで塗布し、光硬化させたものを試験サンプルと
した。この試験サンプルを、−65℃×30分〜125
℃×30分/1サイクルの条件で100サイクル実施し
た。評価は、感光性樹脂層に発生するクラック発生の有
無をデジタルマイクロスコープで調べた。 (5)マイグレーション評価 図3、図4に示すように、コア基板用素板に対してエッ
チングにより導体間距離0.2mmの銅製の櫛形パターン
10(幅620μm、高さ18μm)を形成し、この上
にコア基板9に用いたものと同一組成のフィルムからな
るカバーレイ層11を熱プレスにより形成した。得られ
たプリント配線基板におけるマイグレーション発生の有
無を確認する実験は、加速寿命試験装置を用い、120
℃で100%相対湿度(RH)の環境下で試料に100
Vの直流電圧を印加して絶縁抵抗値を計測することによ
り行ない、その評価は200hr後に初期値の1/10以
下になったものを不良品と判定した。 (6)熱衝撃試験(はんだ浸漬試験) コア基板用素板(銅箔18μm/絶縁性樹脂層700μ
m/銅箔18μmの3層構造を有するコア基板用素板)
に試験パターンを設け、260℃のはんだ浴に20秒
間、浴面と垂直に浸漬するという浸漬処理を20回繰り
返した後、素板の変形、膨れ、はがれ、反りの有無など
を目視により観察し、良否の判定を良(○印)、否(×
印)2段階に評価した。
【0039】
【表1】
【0040】[実施例2]表1に示すように、実施例1
において無機充填材(マイカ)の充填量を25重量部に
変更したこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用
素板およびパターンを形成したコア基板を得た。得られ
たコア基板用素板またはパターンを形成したコア基板を
試験片として用い、熱特性や信頼性試験などについて前
記した試験1〜6を同じ条件で行ない、これらの結果を
表1中に併記した。 [実施例3]表1に示すように、実施例1においてPE
EKとPEIの混合重量比を60/40重量部に変更し
たこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素板お
よびパターンを形成したコア基板を得た。得られたコア
基板用素板またはパターンを形成したコア基板を試験片
として用い、熱特性や信頼性試験などについて前記した
試験1〜6を同じ条件で行ない、これらの結果を表1中
に併記した。 [比較例1〜6]比較例1では、実施例1においてPE
EKとPEIの混合重量比を20/80重量部に変更し
たこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素板お
よびパターンを形成したコア基板を得た。
【0041】比較例2では、実施例1において用いる無
機充填材(マイカ)の平均アスペクト比が20のものを
用いたこと以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素
板およびパターンを形成したコア基板を得た。
【0042】比較例3では、実施例1において用いる無
機充填材(マイカ)の平均粒径を20ミクロンとし、ア
スペクト比が35のものを用いたこと以外は、実施例1
と同様にしてコア基板用素板およびパターンを形成した
コア基板を得た。
【0043】比較例4では、実施例1において無機充填
材(マイカ)の充填量を15重量部にしたこと以外は、
実施例1と同様にしてコア基板用素板およびパターンを
形成したコア基板を得た。
【0044】比較例5では、実施例1において無機充填
材(マイカ)の充填量を70重量部にしたこと以外は、
実施例1と同様にしてコア基板用素板およびパターンを
形成したコア基板を得た。
【0045】比較例6では、実施例1においてPEEK
とPEIの混合重量比を80/20重量部に変更したこ
と以外は、実施例1と同様にしてコア基板用素板および
パターンを形成したコア基板を得た。 [比較例7]表1に示すようにガラスエポキシ樹脂を用
いてコア基板用素板およびパターンを形成したコア基板
を得た。
【0046】比較例1〜7のコア基板用素板またはパタ
ーンを形成したコア基板を試験片として用い、熱特性や
信頼性試験などについて前記した試験1〜6を同じ条件
で行ない、これらの結果を表1中に併記した。
【0047】表1の結果からも明らかなように、比較例
1のように、ポリアリールケトン樹脂と非晶性ポリエー
テルイミド樹脂の配合割合が所定範囲でない場合は、熱
衝撃試験(はんだ浸漬試験)の結果が不良であった。
【0048】また、比較例2のように、マイカのアスペ
クト比が所定値未満の場合は、線膨張係数のα1(Z)
の値が大きくなり、熱衝撃サイクル試験におけるクラッ
クを抑制できなかった。
【0049】また、比較例3のように、マイカの平均粒
径が所定値より大きい場合、または比較例4のように所
定の形態条件を満足するマイカの配合割合が所定量より
少ない場合も、熱衝撃サイクル試験におけるクラックを
抑制できなかった。
【0050】そして、比較例5のように、所定の形態条
件を満足するマイカの配合割合が所定量より多い場合
は、X,Y,Z方向の線膨張係数にばらつきが大きくな
り、平面方向と厚み方向の線膨張係数比を確実に低くで
きなかった。
【0051】比較例6のように、PEEKの配合割合が
過量の場合は、ドリル穴加工時の発熱によって穴あけ不
良率が高くなった。
【0052】また、比較例7のように、コア基板の材料
としてガラス繊維強化のエポキシ樹脂を用いた場合は、
X,Y,Z方向の線膨張係数にばらつきが大きくて平面
方向と厚み方向の線膨張係数比を低くできず、熱衝撃サ
イクル試験におけるクラックを抑制できず、導体パター
ンが200μm間隔の条件でマイグレーションが発生
し、高密度のパターン形成が困難であった。
【0053】これに対して、全ての条件を満足する実施
例1〜3は、X,Y,Z方向の線膨張係数にばらつきが
小さくて平面方向と厚み方向の線膨張係数比が確実に低
く安定し、熱衝撃サイクル試験におけるクラックが抑制
でき、導体パターンが200μm間隔の条件でのマイグ
レーションを防止でき、高密度のパターン形成ができる
ものであることが確認できた。
【0054】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、所定
の結晶融解ピーク温度を有するポリアリールケトン樹脂
と非晶性ポリエーテルイミド樹脂を所定量混合した熱可
塑性樹脂組成物に、所定物性の無機充填材であって、好
ましくは平均粒径15ミクロン以下、平均アスペクト比
30以上の鱗片状無機充填材を所定量混合したビルドア
ップ多層プリント配線基板用コア基板としたので、耐マ
イグレーション性、耐ヒートサイクル性およびドリル穴
加工性に優れたものとなり、これによって配線の高密度
化に対応すると共に高信頼性の得られるビルドアップ多
層配線基板用コア基板になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光性樹脂を用いたビルドアップ多層プリント
配線基板の断面図
【図2】ビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板
の製造工程を順に示す断面図
【図3】熱衝撃試験に用いた回路パターンの平面図
【図4】熱衝撃試験に用いたコア基板の断面図
【符号の説明】
1、9 コア基板 2 スルーホール 3 ビルドアップ層 4 接続用ランド 5 バイアホール 6、8 ビルドアップ絶縁層 7 めっき層 10 櫛形パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E346 AA03 AA04 AA12 AA15 CC08 CC32 DD02 DD32 EE13 EE19 GG15 GG27 GG28 HH11 HH13 HH16 HH25

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶融解ピーク温度が260℃以上であ
    るポリアリールケトン樹脂70〜25重量%と、非晶性
    ポリエーテルイミド樹脂30〜75重量%とからなる熱
    可塑性樹脂組成物100重量部に対して、無機充填材を
    20〜50重量部配合した組成物からなる絶縁層を有す
    るビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板。
  2. 【請求項2】 無機充填材が鱗片状無機充填材である請
    求項1記載のビルドアップ多層プリント配線基板用コア
    基板。
  3. 【請求項3】 鱗片状無機充填材が、平均粒径15μm
    以下であり、かつ平均アスペクト比(平均粒径/平均厚
    み)30以上の鱗片状無機充填材である請求項1または
    2に記載のビルドアップ多層プリント配線基板用コア基
    板。
JP2000343628A 2000-11-10 2000-11-10 ビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板 Expired - Fee Related JP3819701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000343628A JP3819701B2 (ja) 2000-11-10 2000-11-10 ビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000343628A JP3819701B2 (ja) 2000-11-10 2000-11-10 ビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002151848A true JP2002151848A (ja) 2002-05-24
JP3819701B2 JP3819701B2 (ja) 2006-09-13

Family

ID=18817965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000343628A Expired - Fee Related JP3819701B2 (ja) 2000-11-10 2000-11-10 ビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3819701B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005056684A1 (ja) * 2003-12-15 2005-06-23 Sekisui Chemical Co., Ltd. 熱可塑性樹脂組成物、基板用材料及び基板用フィルム
JP2006073622A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Nec Electronics Corp 半導体装置用パッケージ基板およびその製造方法と半導体装置
JP2006341596A (ja) * 2005-05-12 2006-12-21 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 耐熱性樹脂板
JP2009060123A (ja) * 2008-10-20 2009-03-19 Mitsubishi Plastics Inc チップ搬送体のスペーサのベース用フィルム
JP2009060124A (ja) * 2008-10-20 2009-03-19 Mitsubishi Plastics Inc チップ搬送体のスペーサのベース用フィルム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102018206236A1 (de) * 2018-04-23 2019-10-24 Eos Gmbh Electro Optical Systems Verfahren zum Herstellen eines mindestens ein Polymer umfassenden Pulvers sowie derartiges Pulver

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005056684A1 (ja) * 2003-12-15 2005-06-23 Sekisui Chemical Co., Ltd. 熱可塑性樹脂組成物、基板用材料及び基板用フィルム
JP2006073622A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Nec Electronics Corp 半導体装置用パッケージ基板およびその製造方法と半導体装置
JP4559163B2 (ja) * 2004-08-31 2010-10-06 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置用パッケージ基板およびその製造方法と半導体装置
JP2006341596A (ja) * 2005-05-12 2006-12-21 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 耐熱性樹脂板
JP2009060123A (ja) * 2008-10-20 2009-03-19 Mitsubishi Plastics Inc チップ搬送体のスペーサのベース用フィルム
JP2009060124A (ja) * 2008-10-20 2009-03-19 Mitsubishi Plastics Inc チップ搬送体のスペーサのベース用フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3819701B2 (ja) 2006-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100382631B1 (ko) 금속기재다층회로기판과이를구비하는반도체모듈
JP2557248B2 (ja) 電気的基体材料
JP2587596B2 (ja) 回路基板接続材とそれを用いた多層回路基板の製造方法
US8604345B2 (en) Printed circuit board having plating pattern buried in via
JPS61229389A (ja) セラミツク配線板およびその製造方法
JP4934334B2 (ja) 両面銅張板
US8621748B2 (en) Manufacturing method for a printed wiring board
JP4129166B2 (ja) 電解銅箔、電解銅箔付きフィルム及び多層配線基板と、その製造方法
JP3514647B2 (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP3619421B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
CN102379164A (zh) 印刷线路板制造方法、印刷线路板、多层印刷线路板以及半导体封装
JP2002151848A (ja) ビルドアップ多層プリント配線基板用コア基板
JP3728068B2 (ja) 多層配線基板
JP3806593B2 (ja) ビルドアップ用絶縁材料およびビルドアップ多層プリント配線基板
JP3955188B2 (ja) 基板用耐熱フィルムおよびこれを用いたプリント配線基板
JPH11163525A (ja) 多層配線基板の製造方法
JP2004349366A (ja) 多層配線基板及びその製造方法
JPH0575225A (ja) 金属ベース印刷配線基板及びその製造方法
JP3209936B2 (ja) 回路基板およびその製法
JP3236812B2 (ja) 多層配線基板
CN113498264B (zh) 线路板及其加工方法
JP2001119150A (ja) ビルドアップ配線板用材料とそのビルドアップ配線板用材料を用いたプリント配線板の製造方法
JP3034238B2 (ja) ビアホール導体用導電性ペースト組成物
JP2001036252A (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP2004087551A (ja) 多層配線基板の製造方法およびこれを用いた多層配線基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040702

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20050913

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051011

A521 Written amendment

Effective date: 20051209

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20060523

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20060615

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100623

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100623

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110623

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110623

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120623

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120623

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130623

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees