JP2002150744A - ディスク装置 - Google Patents

ディスク装置

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JP2002150744A
JP2002150744A JP2000338639A JP2000338639A JP2002150744A JP 2002150744 A JP2002150744 A JP 2002150744A JP 2000338639 A JP2000338639 A JP 2000338639A JP 2000338639 A JP2000338639 A JP 2000338639A JP 2002150744 A JP2002150744 A JP 2002150744A
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Japan
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disk
pump
airtight wall
loading
disk device
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Application number
JP2000338639A
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English (en)
Inventor
Osamu Kajino
修 梶野
Yoshihiro Mushishika
由浩 虫鹿
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 庫内の気圧を下げて風損低減するディスク装
置において、ポンプ動作により消費電力が増大する。ま
た、ポンプ付加によりコストアップする。 【解決手段】 スピンドル電流で気圧を計測し、気圧が
高いときのみポンプを動作させる。ローディング機構を
ポンプで駆動しアクチュエータを兼用して部品点数を減
らす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク上に形成
されたトラックに情報の記録または再生を行うディスク
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯型パーソナルコンピュータに
もCDやDVD等の光ディスク装置が搭載されるように
なってきており、ディスク装置の薄型化に加えて、耐振
動・耐衝撃性の向上や低消費電力、低騒音といった性能
も要求されてきている。一方、光ディスク装置としては
データ転送レートを大きくするための高倍速化が進んで
おり、ディスクを高速で回転させることに起因して、振
動、騒音、消費電力が増大する傾向がありこれらの相反
する課題の解決が必要となってきている。
【0003】これに対し、ディスク周囲を気密壁で囲
み、ポンプで空気を吸い出してディスクと空気の摩擦を
低減し、スピンドルモータの消費電力を低減するという
技術が特開平10−222960号公報に開示されてい
る。この構成を、図13を用いて説明する。
【0004】図13は、従来のディスク装置の一例の断
面図である。ケーシング101内には、光ディスク10
2へ情報の記録再生を行う光ヘッド103、光ディスク
102を回転させるスピンドルモータ104、光ディス
ク102をケーシング外に搬送する際にディスクを乗せ
るトレイ105、トレイ105を移動させるローディン
グ機構(図示せず)が設けられている。ケーシング10
1の一部には、トレイ105を出し入れするために開閉
可能に構成されたベゼル106が設けられ、隔壁107
とともに気密室108を構成している。気密室108の
下方には、小型の真空ポンプ109が取り付けられてお
り、気密室108は排気管110を介してこの真空ポン
プ109に接続されて、気密室108が減圧される構成
になっている。 光ディスク102の周囲を気密室10
8とし、真空ポンプ109で減圧することにより、光デ
ィスク102を高速回転させたときにも空気抵抗が少な
く、スピンドルモータ104の消費電力を少なく抑えて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記消費電力
を低減する従来の装置では以下の様な課題があった。
【0006】第1に、真空ポンプ109の動作効率が悪
く、ポンプ駆動に要する消費電力が大きかった。真空ポ
ンプ109を常時動作させ続けると、気密室108内の
気圧は真空ポンプ109の能力によってきまる所定の気
圧(以下限界圧と呼ぶ)までは下がるが、それ以後は真
空ポンプ109を動作し続けても気圧を下げることがで
きなくなる。この状態で真空ポンプ109を動作させ続
けておくことは無駄であり消費電力の損失となるが、従
来こうしたタイミングを把握して効率よく制御すること
ができなかった。
【0007】例えば、タイマーなどで一定時間動作させ
るということは可能であるが、ドライブの気密状態の個
体ばらつきや使用条件などにより、必要以上の時間真空
ポンプ109を動作させたり、逆に気密室108内の気
圧が限界圧まで下がる前に真空ポンプ109を停止して
光ディスク102の空気抵抗を十分下げることができな
かったりすることが発生し、消費電力を増大させてしま
う。
【0008】また、気密室108を完全な気密状態に保
持することは困難で実際には空気がわずかに漏れ込む
が、ポンプ動作を停止した後に気圧が少しづつ上昇して
光ディスク102の空気抵抗が上がりスピンドルモータ
104の電流が増大しても、これを修正することができ
ず消費電力を増大させてしまうという課題があった。
【0009】第2に、ローディング機構の駆動用モータ
等と共に、真空ポンプ109というアクチュエータをデ
ィスク装置に追加する必要があり、アクチュエータの増
加により大幅なコストアップとなる上、全体寸法が規格
化されている場合の多いディスク装置の中に設置スペー
スを確保する必要があるという課題があった。
【0010】第3に、光ディスク102を取り出すイジ
ェクト動作において、ベゼル106を開く際に極めて大
きな動力を必要とする。気密室108が大気圧より低圧
になっている状態では、ベゼル106には大気圧と気密
室108内の気圧の差に相当する力がベゼル106を開
くのを妨げる方向に作用する。これにうち勝ってベゼル
106を開くのには大きな力を必要とし、巨大なアクチ
ュエータが必要となりコストアップを招き、また大電流
が必要なことにより消費電力が増大するという課題があ
った。
【0011】本発明は上記課題を解決し、真空ポンプを
効率的に動作させることが出来、アクチュエータの兼用
を可能として省部品、省スペース化を図り、ベゼルをわ
ずかな力で開くことができるので巨大なアクチュエータ
が不要な、省電力で低コストなディスク装置を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のディスク装置は、ディスクの周囲を覆う気
密壁と、前記気密壁の内側から外側へ空気を吐出するポ
ンプと、前記気密壁の内側の平均気圧に相関する物理量
を検出するセンシング手段と、前記物理量があらかじめ
定めたしきい値より大きい場合に前記ポンプを作動させ
るポンプ制御手段とを備えたものである。
【0013】また、上記課題を解決するために、本発明
のディスク装置は、ディスクを、ユーザーが前記ディス
クを交換可能なイジェクト位置と、前記ディスクへの情
報の記録再生が可能なローディング位置との間で移動可
能に設けたローディング機構と、前記ディスクの周囲を
覆う気密壁と、前記気密壁の内側から外側へ空気を吐出
するポンプとを備え、前記ローディング手段は、前記ポ
ンプが発生する吸気または排気による気圧変化を前記ロ
ーディング機構の駆動力に変換する変換手段を備えるも
のである。
【0014】また、上記課題を解決するために、本発明
のディスク装置は、ディスクを、ユーザーが前記ディス
クを交換可能なイジェクト位置と、前記ディスクへの情
報の記録再生が可能なローディング位置との間で移動可
能に設けたローディング機構と、前記ディスクの周囲を
覆う気密壁と、前記気密壁の内側から外側へ空気を吐出
するポンプと、前記気密壁の少なくとも一部と一体に構
成され、前記ディスクが前記ローディング位置から前記
イジェクト位置に移動する際には装置外方向に平行移動
または回動するベゼルと、前記気密壁の内側に空気を吸
入する吸気手段とを備え、前記ベゼルが装置外方向に移
動する前には、前記吸気手段が動作して前記気密壁の内
側と外側の気圧差を減少させることを特徴とするもので
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態のディスク
装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、
本発明の実施の形態における、イジェクト状態のディス
ク装置の分解斜視図である。
【0016】図1において、1はディスクで、螺旋状か
同心円状の情報トラックがきられたものである。2は光
ヘッドで、ディスク1に対して半径方向に移送され、デ
ィスク1にレーザービームを照射することで情報の記録
を行い、また、ディスク1にレーザービームを照射し反
射して返ってくるビームによりディスク1に記録された
情報の読みとりを行うものである。3はスピンドルモー
タで、ディスク1の中心に設けられたセンタ穴を3つの
爪で掴んで保持するとともに、ディスク1をその種別に
応じてあらかじめ定められた回転速度で回転させるモー
タであり、回転速度をセンシングするホール素子(図示
せず)を備えている。4はトラバースで、スピンドルモ
ータ3や光ヘッド2を一体に支持する板金部品である。
5はケーシングで、ディスク装置の外装であり、ディス
ク装置をパーソナルコンピュータに内蔵して固定するた
めのねじ穴(図示せず)等が設けられており、上側ケー
シング5a、下側ケーシング5bから構成されている。
【0017】6はスライド機構であり、下側ケーシング
5b上に設けられて後述するドロワ7をスライド移動可
能に支持している。7はドロワで、トラバース4をゴム
ダンパ(図示せず)を介して保持するとともに、イジェ
クト位置(ケーシング5から引き出されてディスク1が
露出しユーザーがディスク1を交換することの可能な位
置)と、ローディング位置(ケーシング5の内部に完全
に格納される位置)との間をスライド機構6により自在
にスライドできる様に構成されている。また、ドロワ7
は下側ケーシング5bとの間にロック機構(図示せず)
を備え、一旦ローディング位置に押し込まれると、ドロ
ワ7が下側ケーシング5bにロックされる様に構成され
ている。8はベゼルで、ドロワ7と一体に組み立てら
れ、外装の中でユーザー側に露出する部分である。ベゼ
ル8をはじめトラバース4,スピンドルモータ3、ディ
スク1等は、ドロワ7がローディング位置からイジェク
ト位置に移動する際に、ドロワ7と一体になってスライ
ド移動し、ケーシング5外に露出する様に構成されてい
る。
【0018】9はイジェクトスイッチで、ディスク1の
入れ替えを行う際にユーザーが押すことにより、ドロワ
7の引き出し動作を行わせるスイッチであり、ベゼル8
の外側に、ユーザーが操作できる位置に配置されてい
る。10はシールで、ベゼル8のケーシング5側に設け
られた弾性材であり、ドロワ7がローディング位置にあ
る場合に、ベゼル8とケーシング5の間で圧縮されてデ
ィスク装置内外での空気および埃の流入出を防止する。
【0019】図2は、本発明の実施の形態における、ロ
ーディング完了状態のディスク装置の分解斜視図であ
る。図2において、12は気密壁で、ほぼ気密の密閉空
間をディスク1(図1参照)の周囲に構成するものであ
る。後述するポンプ21と吸気弁27を除いて空気の出
入りがほとんど生じない様に構成されている。気密壁1
2は、ドロワ7がローディング位置にある場合に、ドロ
ワ7の一部である7a、7b、上側ケーシング5aの一
部である5c、下側ケーシング5bの一部である5d,
5e,5f、ベゼル8から構成される。
【0020】再び図1を参照する。13はモータドライ
バで、スピンドルモータ3に駆動電流を供給するICで
ある。13aはモータ制御手段で、モータドライバ13
に電流指示値を与えてスピンドルモータ3へ供給する電
流量の制御を行うものである。モータ制御手段13a
は、ディスク1の種別毎に定められあらかじめ後述する
ROM15に格納されている目標回転速度Nt(例え
ば、CD−ROMの48倍速であれば約10000rp
m)に対して、実際の回転速度Nが一致するように、モ
ータドライバ13に与える電流指示値Jを制御する。1
4はCPUで、モータ制御手段13aや、光ヘッド2な
どディスク装置全体のコントロールを行う。
【0021】15はROMで、CPU14が実行するソ
フトウエア等をあらかじめ記憶しておく読み出し専用メ
モリである。ROM15には、センシング手段41、し
きい値算出手段42、ポンプ制御手段43がソフトウエ
アとして実装されている。これらについては後で詳細に
説明する。16はRAMで、CPU14がROM15に
記録されたソフトウエアを実行する際に一時記憶領域と
して利用するメモリである。17は回路部で、モータド
ライバ13やCPU14をはじめ、モータ制御手段13
a、ROM15、RAM16、DSP18等を実装して
ディスク装置内に配置される基板である。また、ここで
はDSP18を特に動作時の通電により発熱し高温とな
り、冷却が必要な発熱部品としている。
【0022】19はローディング完了検出手段で、回路
部17上に設けられ、ドロワ7がローディング位置まで
移動する際にドロワ7に接触して押され、ローディング
位置への移動の完了を検出してCPU14に通知するス
イッチである。20はFPCで、回路部17とトラバー
ス4の間で信号の授受を可能にする配線部品であり、ド
ロワ7の位置が変わっても変形して追従可能な材質で構
成されている。21はポンプで、気密壁12の中でディ
スク1の外周近傍に配置され、CPU14の指令に基づ
いて気密壁12内の空気を外に吐き出し、気密壁12内
の平均気圧を下げるダイヤフラム型のポンプである。
【0023】ディスク1が回転しているときには、ディ
スク1の周囲の空気は、空気自身の持つ粘性によりディ
スク1とともに回転し、同時に遠心力により外周側に流
れる。これにより気密壁12内ではディスク1の外周側
に空気が寄せられ圧縮させられるため、内周側に比較し
外周側の方が気圧が高くなるが、ポンプ21のうち後述
するポンプ吸気口21aは、気密壁12の中のうち相対
的に気圧が高い外周近傍に設置されている。22aはロ
ーディングパイプ(変換手段)で、じゃばら状の伸縮可
能な中空パイプであり、一端が下側ケーシング5bに固
定され、他端がドロワ7に設けられた、後述する第2の
排気切替器24bに固定されている。
【0024】ポンプ21からの排気が、後述する排気案
内手段23を通じてローディングパイプ22aに吹き込
まれると、ローディングパイプ22a内部の気圧が上昇
し、この気圧変化によりじゃばら部分が伸長して、ドロ
ワ7を押し出す駆動力を発生する。22はローディング
機構で、スライド機構6、ポンプ21、ローディングパ
イプ22aから構成され、ポンプ21の排気による気圧
変化を駆動力に変換してドロワ7を押し出し、ディスク
1をローディング位置からイジェクト位置まで搬送す
る。
【0025】図3は、本発明の実施の形態における、ポ
ンプから排気される空気を導くための排気機構部の斜視
図である。図3において、21aはポンプ吸気口で、気
密壁12内に配置され気密壁12内の空気を吸い込むポ
ンプ21の吸気口である。21bはポンプ排気口で、ポ
ンプ吸気口21aから吸い込んだ空気を送り出すポンプ
21の排気口である。23a、23b、23c、23d
は排気案内手段で、ポンプ21の排気を導く中空のパイ
プである。排気案内手段23aはポンプ排気口21bと
後述する第1の排気切替器24aをつなぐパイプ、排気
案内手段23bは、第1の排気切替器24aと後述する
第2の排気切替器24bをつなぐパイプである。24a
は第1の排気切替器、24bは第2の排気切替器で、C
PU14の指令に基づいてソレノイド24c、24dを
動作させ、ポンプ21によって吸い上げられる空気の排
気方向を所望の排気案内手段23またはローディングパ
イプ22aに切り替える機構部品である。
【0026】図4は、本発明の実施の形態における、ド
ロワ7がローディング位置にある場合の部分断面図であ
る。ポンプ21、排気案内手段23a、23b、23
c、23d、排気切替器24bは、ドロワ7に固定され
ており、ドロワ7がスライド機構6上でスライド移動す
る際には一体に動く様に構成されている。ドロワ7がス
ライド機構6上をローディング位置まで移動した状態で
は、排気案内手段23dの一端は、回路部17上のDS
P18(発熱部品)に排気が当たるように配置されてい
る。また、排気案内手段23cは、出口が光ヘッド2が
最外周に位置している場合に排気が光ヘッド1に当たる
ように配置されている。
【0027】図5は、本発明の実施の形態における、イ
ジェクトスイッチ9近傍の分解斜視図である。図5にお
いて、25は板バネで、ベゼル8との間にイジェクトス
イッチ9を挟み込んで組み立てられる。このときベゼル
8に設けられたスイッチ穴8bからイジェクトスイッチ
9が露出するが、ユーザーがイジェクトスイッチ9を押
した後に指を離すと、板バネ25の付勢力でイジェクト
スイッチ9を元の位置まで戻す。板バネ25のうち、イ
ジェクトスイッチ9が取り付けられる中央部25aの周
囲には、ブリッジ部25bを除いてバネ穴25cが作ら
れており、ブリッジ部25bが弾性変形して付勢力を発
生する。また、板バネ25には固定穴25dが設けられ
ており、ベゼル8に設けられた支柱8cに挿入してベゼ
ル8に固定される。
【0028】26は電子スイッチで、ベゼル8がドロワ
7にネジ止め固定(図示せず)される際に、イジェクト
スイッチ9の裏側と接触する位置に設けられており、イ
ジェクトスイッチ9がユーザーに押されるとイジェクト
スイッチ9自身によって電子スイッチ26が押されてイ
ジェクトスイッチ9が押されたことをCPU14に知ら
せるとともに、ドロワ7に備えられたロック機構(図示
せず)を解除して、ドロワ7を下側ケーシング5bから
スライド移動可能にする。27は吸気弁で、イジェクト
スイッチ9と一体に構成され、ベゼル8と当接してイジ
ェクトスイッチ9がスイッチ穴8bから脱落することを
防止している。27aは吸気弁シールで、吸気弁27上
に設けられ、弾性を持ち機密性の高い材質からなりイジ
ェクトスイッチ9を囲むように設けられているシールで
ある。イジェクトスイッチ9が押されていない状態で
は、ベゼル8に押しつけられて変形し、後述する吸気穴
28の密閉度を高めている。
【0029】28は吸気穴で、吸気弁シール27aとベ
ゼル8から構成されており、イジェクトスイッチ9が押
されることでベゼル8と吸気弁シール27aとの間にで
きる隙間である。29は吸気通路であり、板バネ25の
バネ穴25cとドロワ吸気口7cからなり、吸気穴28
から流入した空気を気密壁12内に導くものである。3
0は吸気手段で、イジェクトスイッチ9、吸気穴28、
吸気通路29から構成され、ドロワ7がイジェクト位置
に移動する前に動作して空気を気密壁12内に導入し、
前記気密壁の内側と外側の気圧差を少なくする。
【0030】図6は、本発明の実施の形態における、R
OM15に実装されるソフトウエア部品とディスク装置
内の部品との間の信号の流れを示すブロック図である。
図6において、41はセンシング手段で、スピンドルモ
ータ3の回転速度Nとモータ制御手段13aがモータド
ライバ13へ出力する電流指示値Jとを基に気圧値Sを
算出し、気圧検出を行う。モータドライバ13に入力さ
れる電流指示値Jは、モータドライバ13から出力され
るスピンドル電流値との間に通常ほぼ比例の関係があ
り、また、気圧はスピンドル電流値と回転数の関数であ
る。よって、電流指示値Jと回転数から気圧値Sを推定
することが可能となる。以下、気圧がスピンドル電流値
と回転数の関数である理由を説明する。
【0031】図7は、本発明の実施の形態における、気
密壁12内の平均気圧と、スピンドルモータ3(一定回
転速度で回転している場合)の電流値の関係図である。
スピンドルモータ3が一定回転速度(回転数N1)で回
転している場合、気密壁内の気圧がS1ならば、スピン
ドルモータ電流値Iは、発生する回転力がディスク1と
空気との摩擦抵抗(風損)およびスピンドルモータ3の
軸受抵抗に釣り合う電流量I1になるが、ディスク1の
周囲の平均気圧が下がる(S2、S3)と空気とディス
ク1の摩擦抵抗も小さくなり、少ない回転力でスピンド
ルモータ3を回転させることができるようになり、スピ
ンドル電流はそれぞれI2、I3まで下がる。
【0032】つまりスピンドルモータ3を一定の回転速
度で回転させるのに必要となる電流値Iは気圧Sが下が
るほど小さくなり、気圧が0の場合には軸受抵抗に相当
する分だけの回転力があればよい。また同じ理由で、ス
ピンドル電流Iが一定(I0)の場合は、気圧値Sが低
いほどスピンドルモータ3の回転数Nは高くなる。例え
ば気圧S1’において、回転数がN1の場合には、気圧
がS2’、S3’になれば、回転数はそれぞれN2、N
3まで増加する。さらに、スピンドルモータ電流値Iと
電流指示値Jの間にはほぼ比例の関係があるので、電流
指示値Jと回転数Nが分かれば、図7の関係を利用して
気圧Sを検出することが可能となる。ここで、電流指示
値Jと気圧Sとの関係を書き直すと図8の様になる。
【0033】図8は、本発明の実施の形態における、電
流指示値Jと気密壁12内の平均気圧Sとの関係図であ
る。電流指示値Jは、モータ制御手段13aから出力さ
れるデジタルデータなので離散的な値を取っている。こ
れら電流指示値Jに対して、対応する気圧値Sがスピン
ドルモータの回転数毎(ディスク種別によりあらかじめ
決められている)に関係づけられており、テーブルとし
てROM15上にあらかじめ記憶されている。センシン
グ手段41は、この関係を用いて、モータ制御手段13
aから出力される電流指示値Jを気圧値Sに変換する。
【0034】再び図6を参照する。42はしきい値算出
手段で、ユーザーがドロワ7をイジェクト位置からロー
ディング位置に押し込んだ後に一度だけ起動され、ポン
プ21を動作させて気密室12内の気圧を下げる際の目
標値である、しきい値Sthを算出する。43はポンプ
制御手段で、しきい値Sthとセンシング手段41が出
力する気圧値Sを比較し、その結果に基づきポンプをo
n・offする。44は反射光量検出手段で、光ヘッド
2からディスク1に照射したレーザービームが反射して
返ってくる際の光量をモニタし、あらかじめ定められた
光量より小さい場合には、埃除去手段45を起動して、
光ヘッド2に付着した埃を除去する。
【0035】以上のように構成したディスク装置の動作
について説明する。図9は、本発明の実施の形態におけ
る、ディスク装置の起動時のフローチャートである。
【0036】まず、ドロワ7がイジェクト位置(図1参
照)にある時に、ユーザーがディスク1を装着あるいは
交換し、ベゼル8を押してドロワ7をローディング位置
まで押し込むが、この時、ドロワ7に設けられたロック
機構(図示せず)がドロワ7をケーシング5に固定する
と共に、回路部17上に設けられたローディング完了検
出手段19がオンになり、これに連動してCPU14が
ディスク装置の起動動作を開始する(工程60)。次
に、CPU14は、装着されたディスク1の種別を判定
し(工程61)、ディスクの種類に応じてあらかじめR
OM15に記録されている目標回転速度Ntをモータ制
御手段13aに与える(工程62)。
【0037】モータ制御手段13aは、回転開始時に
は、許容可能な最大の電流指示値をモータドライバ13
に与え、スピンドルモータ3を最大電流で加速するが、
目標回転速度Nt近くまで回転数が上昇すると、目標回
転速度Ntにおける風損と軸受負荷に釣り合うトルクを
スピンドルモータ3が発生する様に、電流指示値を調節
する。回転誤差(N−Nt)が所定値ε以下にΔt秒以
上保持されるとスピンドルモータ3の回転速度が目標回
転速度Ntに整定したと判断し(工程63)、CPU1
4は、センシング手段41を起動する。センシング手段
41は、モータ制御手段13aから電流指示値J0を取
得し(工程64)、ROM15に格納されている、回転
数および電流指示値と気圧値の関係(図8参照)を用い
て、電流指示値J0を気圧値の初期値S0に変換する
(工程65)。
【0038】次に、CPU14はしきい値算出手段42
を起動する。しきい値算出手段42は、ポンプ制御手段
43がポンプ21の動作をon/offする際のしきい
値Sthを、初期値S0から減圧値ΔSを引いて算出す
る(工程66)。ここで、減圧値ΔSは、大気圧Saか
ら目標気圧値Stを引いて得られる、あらかじめ定めら
れた定数である。センシング手段41による気圧検出
は、モータドライバ13a等の個体ばらつきにより検出
誤差を含む場合があり、これを解消するために上記の様
にしきい値Sthを算出している。以下、図10を用い
て、このしきい値Sthおよび減圧値ΔSについて説明
する。
【0039】図10は、本発明の実施の形態における、
電流指示値Jと気圧値Sの関係に誤差を有する場合の関
係図である。図10において、42aは、ある一定回転
数でスピンドルモータ3が回転している状態における、
電流指示値Jと気圧値Sの正規の関係であり、あらかじ
めROM15に記憶されていて、センシング手段41が
電流指示値Jを気圧値Sに変換する際に使用されるテー
ブルである。減圧値ΔSは、このテーブルを用いて気圧
目標値Stと大気圧Saの差として算出される(ΔS=
Sa−St)。ディスク装置が42aの関係を持ってい
る場合には、初期値S0がSaに等しいので、しきい値
SthはS0−ΔS=Sa−(SaーSt)となり、気
圧目標値Stに一致する。
【0040】42bは、あるディスク装置における電流
指示値と気圧値の実際の関係で、モータドライバ13の
特性ばらつき等によって、電流指示値Jと気圧値Sの関
係がオフセットしている場合である。気密壁12内が大
気圧Saの状態では、正規の関係42aでは電流指示値
がJaとなるが、42bの関係である場合には、電流指
示値J0がモータ制御手段13aから出力される。セン
シング手段41は、電流指示値J0を、42aの関係を
使って初期値S0を算出するので、初期値S0は、大気
圧Saより低い値となり一致しない。
【0041】しかし、しきい値SthをS0からΔSを
引いて算出すると、Sthに対応する電流指示値は42
aの関係からJthとなり、ポンプ制御手段43が後述
する動作により、気圧値をSthに制御するので、その
際の電流指示値もJthに制御されることになる。電流
指示値がJthに制御されると、実際の気圧をStに制
御することができ、モータドライバの特性のオフセット
をキャンセルすることができるので、精度の良い気圧制
御が可能となる。
【0042】図11は、本発明の実施の形態における、
ポンプ制御手段43のフローチャートである。しきい値
算出手段42によりしきい値Sthが決定されると、C
PU14は、モータ制御手段13aによる回転数制御、
センシング手段41による気圧値Sの検出、ポンプ制御
手段43によるポンプ制御を繰り返し実行するループ制
御にはいる。工程67〜69の動作詳細は、工程63〜
65で説明した動作とほぼ同一で、取得した値を初期値
ではなく制御判断用に用いる点だけが異なる。
【0043】工程70〜73において、ポンプ制御手段
43は、気圧値Sとしきい値Sthの比較結果と、ポン
プ動作状況からポンプ動作をon/offする。はじめ
は、気圧値Sがしきい値Sthより大きいので(工程7
0)、ポンプ動作がonされ(工程71)、ポンプ21
はポンプ吸気口21aから気密壁12内の空気を吸い込
み、ポンプ排気口21bへの排気を開始する。
【0044】この際CPU14は、あらかじめ第1の排
気切替器24aを、排気が排気案内手段23bに導かれ
るよう設定し、また第2の排気切替器24bを、排気が
排気案内手段23dに導かれるように設定する(図3参
照)。これによりポンプ21のポンプ排気口21bから
排気された空気は、排気案内手段23b、排気案内手段
23dを経由してDSP18に向かって排気される(図
4参照)。DSP18に排気された空気はDSP18の
熱を奪うので、温度上昇による熱破壊を防止する効果を
得ることができる。
【0045】ポンプ21による排気が始まると、気密壁
12内部の気圧が下がり、センシング手段41により検
出される気圧値Sも小さくなってくる。気圧値Sがしき
い値Sth−気圧幅γより小さくなると(工程72)、
ポンプ制御手段43がポンプの動作をoffして(工程
73)、不要な電流の消費を防止する。ここで気圧幅γ
は、あらかじめROM15に記憶してある定数である。
もし気密壁12が完全な気密でない場合には、空気が流
入して少しづつ気密壁12内の気圧が上昇し、検出する
気圧値Sが上昇する。そして気圧値Sがしきい値Sth
より大きくなる(工程70)と、再びポンプ制御手段4
3がポンプ動作をonにし(工程71)、気密壁12内
の気圧を下げる。この様なポンプ21のOn/off動
作により、気密壁12内の気圧値は、SthーγとSt
hの間を保つように制御される。
【0046】以上に示した動作によって、気密壁12内
の気圧を下げてディスク1の風損を低減し、スピンドル
モータ3に流れる電流を少なく保つととともに、気密壁
12内部の気圧を正確にセンシングし不必要にポンプを
動作させることのない、省電力に優れるディスク装置を
提供することが可能となる。
【0047】また、気密壁12内部が低圧になると、気
密壁12内外の圧力差により、気密壁12の一部を構成
するべゼル8には、ベゼル8をケーシング5に押しつけ
る方向の力がかかり、外部から衝撃をうけて、ドロワ7
と下側ケーシング5bを固定しているロック機構(図示
せず)がはずれても、ドロワ7がケーシング5から飛び
出さない信頼性の高いディスク装置を提供することがで
きる。
【0048】また、通常ポンプは、排気側の気圧が吸気
側より高いほど吐き出し流量がおちてしまうが、本ディ
スク装置ではポンプ吸気口21aの位置を気密壁12の
中で相対的に気圧が高い、ディスク1の外周近傍に配置
したため、吸気側と排気側の気圧差が少なく吐き出し流
量の落ち込みが少ない効率の良いポンプ動作を実現する
ことが可能である。
【0049】次に、図5を参照して、記録再生動作中の
ディスク装置を停止し、ディスク1を取り出す際の動作
について説明する。ユーザーがイジェクトスイッチ9を
押すと、イジェクトスイッチ9、吸気穴28、吸気通路
29からなる吸気手段30が気密壁12内に空気を流入
させる。具体的には、まず吸気穴28(吸気弁シール2
7aとベゼル8の間の隙間)が開き、吸気通路29(バ
ネ穴25cからドロワ吸気口7cに至る吸気通路)を通
じて、ディスク装置外から気密壁12内に空気が侵入
し、気密壁12内の気圧を大気圧まで引き上げる。これ
により、ベゼル8をケーシング5に押しつけている力が
無くなり、ドロワ7の引き出しを容易にすることが可能
になる。
【0050】また、イジェクトスイッチ9が押される際
には、電子スイッチ26もonになり、CPU14がド
ロワ7に備えられたロック機構(図示せず)を解除し
て、ドロワ7を下側ケーシング5bからスライド移動可
能にするとともに、スピンドルモータ3の回転を停止す
る。
【0051】さらに図4において、第2の排気切替器2
4bの排気方向を、排気案内手段23dからローディン
グパイプ22aに切り替える。続いてCPU14は、ポ
ンプ動作をonにし、ポンプ21からの排気を排気案内
手段23a、排気案内手段23bを経由してローディン
グパイプ22aに流入させる。じゃばら状の中空パイプ
であるローディングパイプ22aは空気の流入により内
部の気圧が上昇して伸長し、ローディングパイプ22a
の一端が第2の排気切替器24bを押すことで、第2の
排気切替器が設けられているドロワ7を押し出し、ドロ
ワ7をイジェクト位置まで移送して、イジェクト動作が
完了する。
【0052】この様にポンプ21の排気を利用してイジ
ェクト動作を行うのでユーザーが自らドロワ7を引き出
す必要がない便利性の高いディスク装置をモータ等のア
クチュエータの追加なしに提供できる。またイジェクト
スイッチ9を押した際にバネによるドロワ7の急な飛び
出し等がなく、滑らかにドロワ7を動作させることがで
き品位の高いイジェクト動作を実現できる。
【0053】次に、埃除去動作について説明する。図1
2は、本発明の実施の形態における、埃除去動作を示す
フローチャートである。
【0054】ディスク装置を長時間使用していると、埃
がディスク1や光ヘッド2に付着しディスク1へ照射す
るレーザービームの反射光量が小さくなってディスク1
への情報の記録や再生ができなくなることがある。反射
光量検出手段44は、ディスク1から返ってくる反射光
量を常にモニタしており、所定の光量(Ath)より小
さくなると(工程80)、埃除去手段45を起動する。
埃除去手段45は、まずディスク1への記録再生動作を
中止し(工程81)、光ヘッド2をディスク1の外周近
傍に移動させる(工程82)。次に第1の排気切替器2
4aの排気方向を排気案内手段23cに切り替える(工
程83)。ここで、図4に示す様に、排気案内手段23
cの排気出口は、光ヘッド2が最外周にある場合に、光
ヘッド2に最も近い位置に配置されている。
【0055】次に、ポンプ動作をonにして(工程8
4)、所定時間(Δt2)の経過をタイマーでカウント
する(工程85)。この間に排気が排気案内手段23
a、排気案内手段23cを経由して光ヘッド2に向かっ
て排出され、光ヘッド2に付着した埃を吹き飛ばす。Δ
t2時間の経過後、ポンプ動作をoffにして(工程8
6)、埃除去動作を完了し、通常動作に復帰する。以上
の様な動作により、光ヘッド1の光量を回復することが
でき、安定した記録再生動作を実現して信頼性の高いデ
ィスク装置を提供することが可能である。
【0056】以上説明した様に、本発明の実施の形態に
よれば、スピンドルモータ3への電流指示値Jを元に気
密壁12内の気圧値Sを計測し、しきい値Sthを越え
たときのみポンプ21を動作させるので、不必要にポン
プ21を動作させることがなく、気密壁12内への空気
の漏れ込みがある場合にも、気密壁12内の気圧を目標
気圧Stに保ってディスク1の風損を抑えることができ
る省電力のディスク装置を提供できる。なお、気圧を計
測するために、スピンドルモータ3への電流指示値Jを
用いる代わりに気圧計を用いても同等の効果を得ること
が可能である。
【0057】また、本発明の実施の形態によれば、大気
圧Saと目標気圧値Stの差である減圧値ΔJをあらか
じめ求めて置き、気密壁12内が大気圧Saの状態でセ
ンシング手段42が算出した初期値S0から減圧値ΔJ
を引いて、しきい値Sthを算出するので、気圧と電流
指示値との関係にモータドライバ13等の個体差による
ばらつきを有する場合もこれをキャンセルすることがで
き、正確な気圧測定が可能である。
【0058】また、本発明の実施の形態によれば、気密
壁12内の気圧を下げたときに、ディスク装置外との気
圧差によりベゼル8をケーシング5に押しつける方向に
力がかかるので、外部から衝撃を受けた場合にも、ベゼ
ル8が開いてドロワ7が飛び出すことのない信頼性の高
いディスク装置を提供できる。
【0059】また、本発明の実施の形態によれば、空気
の吸入排気を行うポンプ21をローディング機構22を
駆動させるアクチュエータと兼用させるので、新たなア
クチュエータの追加なしに省電力のディスク装置を提供
することができる。
【0060】また、本発明の実施の形態によれば、気密
壁12に吸気手段30を設けており、イジェクト動作の
前に吸気手段30を動作させて、低圧になっている気密
壁内部の気圧を上げるので、イジェクト動作に要する力
を少なく抑えることができ、省電力のディスク装置を提
供できる。
【0061】また、本発明の実施の形態によれば、ポン
プ吸気口21aの位置を、気密壁12内で相対的に気圧
の高いディスク1の外周近傍に設置したので、気密壁1
2内の気圧が下がってもポンプ21の吐き出し流量の低
下が少ない効率的なポンプ動作を実現できる。
【0062】また、本発明の実施の形態によれば、ポン
プ21の排気を高発熱部品(DSP18)に当てるの
で、発熱部品の熱破壊が発生しにくい信頼性の高いディ
スク装置を提供できる。
【0063】また、本発明の実施の形態によれば、ポン
プ21の排気で光ヘッド2に付着した埃を除去するの
で、埃による記録再生ミスのない信頼性の高いディスク
装置を提供できる。
【0064】
【発明の効果】以上の様に、本発明では、気圧計により
気密壁内の気圧を計測するか、気密壁内の気圧に相関す
る物理量をセンシング手段で計測し、その結果に基づい
てポンプ制御手段がポンプを動作させるので、ポンプの
動作時間を必要最小限に抑え、かつ気密壁内を目標気圧
に正確に保つことができ、ディスクの風損による電流ロ
スが少なく、低消費電力、低コストのディスク装置を提
供できる。
【0065】また、気密壁内の気圧を、気圧に相関する
物理量(スピンドルモータの電流値または電流指示値)
で計測するので、圧力センサを必要としない低コストの
ディスク装置を提供できる。
【0066】また、本発明では、気密壁内が大気圧の状
態で物理量を測定して初期値とし、大気圧と目標気圧値
の差である減圧値をあらかじめ設定しておき、これを初
期値からひいてしきい値を算出するので、気圧と物理量
との関係に部品の特性ばらつきに起因するオフセットが
あっても、これをキャンセルすることができる高精度な
センシング手段を提供できる。
【0067】また、本発明では、気密壁内の気圧を下げ
たときに、ディスク装置外と気密壁内との気圧差により
ベゼルをケーシングに押しつける方向に力がかかるの
で、外部から衝撃を受けた場合にも、ディスク装置の動
作中にベゼルが開いてドロワが飛び出すことのない信頼
性の高いディスク装置を提供できる。
【0068】また、本発明では、空気の吸入排気を行う
ポンプをローディング機構を駆動させるアクチュエータ
と兼用させるので、新たなアクチュエータの追加無しに
省電力のディスク装置を低コストで提供することができ
る。
【0069】また、本発明では、気密壁に吸気手段を設
けており、イジェクト動作の前に吸気手段を動作させ
て、低圧になっている気密壁内部の気圧を上げるので、
イジェクト動作に要する力を少なく抑えることができ、
大きなアクチュエータの不要な省電力のディスク装置を
提供できる。
【0070】また、本発明では、ポンプ吸気口の位置
を、気密壁内で相対的に気圧の高いディスクの外周近傍
に設置したので、気密壁内の気圧が下がってもポンプの
吐き出し流量の低下が少ない効率的なポンプ動作を実現
できる。
【0071】また、本発明では、ポンプの排気を発熱部
品に当てるので、発熱部品の熱破壊の発生しにくい信頼
性の高いディスク装置を提供できる。
【0072】また、本発明では、ポンプの排気で光ヘッ
ドに付着した埃を除去するので、埃による記録再生ミス
のない信頼性の高いディスク装置を提供できる。
【0073】なお、電流指示値と気圧値との関係をテー
ブルで持つ構成としたが、電流指示値から気圧値を算出
する数式で関係づけた場合にも同じ効果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるディスク装置のイジェ
クト状態の分解斜視図
【図2】同実施形態であるディスク装置のローディング
完了状態の分解斜視図
【図3】同実施形態であるディスク装置の排気機構部斜
視図
【図4】同実施形態であるディスク装置のローディング
位置での部分断面図
【図5】同実施形態であるディスク装置のイジェクトス
イッチ近傍の分解斜視図
【図6】同実施形態であるディスク装置のブロック図
【図7】同実施形態であるディスク装置の気密壁内の平
均気圧とスピンドルモータ電流値の関係図
【図8】同実施形態であるディスク装置の電流指示値と
気密壁内の平均気圧の関係図
【図9】同実施形態であるディスク装置の起動時のフロ
ーチャート
【図10】同実施形態であるディスク装置の電流指示値
Jと気圧値Sの関係に誤差を有する場合の関係図
【図11】同実施形態であるディスク装置のポンプ制御
手段のフローチャート
【図12】同実施形態であるディスク装置の埃除去動作
のフローチャート
【図13】従来の消費電力を低減するディスク装置の断
面図
【符号の説明】
1 ディスク 2 光ヘッド 3 スピンドルモータ 4 トラバース 5 ケーシング 5a 上側ケーシング 5b 下側ケーシング 6 スライド機構 7 ドロワ 7c ドロワ吸気口 8 ベゼル 8b スイッチ穴 8c 支柱 9 イジェクトスイッチ 10 シール 12 気密壁 13 モータドライバ 13a モータ制御手段 14 CPU 15 ROM 16 RAM 17 回路部 18 DSP(発熱部品) 19 ローディング完了検出手段 20 FPC 21 ポンプ 21a ポンプ吸気口 21b ポンプ排気口 22 ローディング機構 22a ローディングパイプ(変換手段) 23a〜23d 排気案内手段 24a 第1の排気切替器 24b 第2の排気切替器 25 板バネ 25a 中央部 25b ブリッジ部 25c バネ穴 25d 固定穴 26 電子スイッチ 27 吸気弁 27a 吸気弁シール 28 吸気穴 29 吸気通路 30 吸気手段 41 センシング手段 42 しきい値算出手段 43 ポンプ制御手段 44 反射光量検出手段 45 埃除去手段

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスクの周囲を覆い気密性を有する気密
    壁と、前記気密壁の内側から外側へ空気を吐出するポン
    プと、前記気密壁の内側の平均気圧に相関する物理量を
    検出するセンシング手段と、前記物理量があらかじめ定
    めたしきい値より大きい場合に前記ポンプを作動させる
    ポンプ制御手段とを備えることを特徴とするディスク装
    置。
  2. 【請求項2】センシング手段は気圧計であることを特徴
    とする請求項1記載のディスク装置。
  3. 【請求項3】ディスクを回転させるスピンドルモータを
    備え、気密壁の内側の平均気圧に相関する物理量は、前
    記ディスクが回転した状態において前記スピンドルモー
    タを駆動する電流値であることを特徴とする請求項1記
    載のディスク装置。
  4. 【請求項4】スピンドルモータの回転速度を制御するモ
    ータ制御手段と、前記モータ制御手段からの電流指示値
    に基づいて前記スピンドルモータに電流を供給するモー
    タドライバとを備え、気密壁の内側の平均気圧に相関す
    る物理量は、前記電流指示値であることを特徴とする請
    求項1記載のディスク装置。
  5. 【請求項5】ディスクを、ユーザーが交換可能なイジェ
    クト位置と前記ディスクへの情報の記録再生が可能なロ
    ーディング位置との間で移動可能に設けたローディング
    機構と、前記ディスクが前記ローディング位置に移動完
    了したことを検知するローディング完了検出手段とを備
    え、前記ローディング完了検出手段が前記ディスクの前
    記ローディング位置への移動を検知した後に、ポンプ制
    御手段が動作することを特徴とする請求項1記載のディ
    スク装置。
  6. 【請求項6】あらかじめ所定の減圧値を記憶するROM
    を備え、ポンプ制御手段が動作する前にセンシング手段
    が物理量を検出して初期値とし、しきい値が前記初期値
    から前記減圧値を引いて算出されることを特徴とする請
    求項5記載のディスク装置。
  7. 【請求項7】ディスクの周囲を覆い気密性を有する気密
    壁と、前記気密壁の内側から外側へ空気を吐出するポン
    プと、ディスクを、ユーザーが交換可能なイジェクト位
    置と、前記ディスクへの情報の記録再生が可能なローデ
    ィング位置との間で移動可能に設けたローディング機構
    と、前記ローディング機構が動作する際には前記ディス
    クとの位置関係を保持して移動すると共に、前記ローデ
    ィング位置においては前記気密壁の一部を構成するベゼ
    ルとを備え、前記ポンプが動作して前記気密壁内の気圧
    を大気圧以下にする際には、ディスク装置外と前記気密
    壁内の気圧差により前記ベゼルには前記ローディング位
    置から前記イジェクト位置への移動を妨げる方向に力が
    掛かることを特徴とするディスク装置。
  8. 【請求項8】ディスクの周囲を覆い気密性を有する気密
    壁と、前記気密壁の内側から外側へ空気を吐出するポン
    プと、ディスクを、ユーザーが前記ディスクを交換可能
    なイジェクト位置と、前記ディスクへの情報の記録再生
    が可能なローディング位置との間で移動可能に設けたロ
    ーディング機構とを備え、前記ローディング機構は、前
    記ポンプが発生する吸気または排気による気圧変化を前
    記ローディング機構の駆動力に変換する変換手段を備え
    ることを特徴とするディスク装置。
  9. 【請求項9】変換手段は、少なくとも空気の注入で伸長
    するか、または空気の吸い出しで収縮する蛇腹状の中空
    パイプであることを特徴とする請求項8記載のディスク
    装置。
  10. 【請求項10】ディスクの周囲を覆い気密性を有する気
    密壁と、前記気密壁の内側から外側へ空気を吐出するポ
    ンプと、ディスクを、ユーザーが前記ディスクを交換可
    能なイジェクト位置と、前記ディスクへの情報の記録再
    生が可能なローディング位置との間で移動可能に設けた
    ローディング機構と、前記ディスクが前記ローディング
    位置から前記イジェクト位置に移動する際には装置外方
    向に平行移動または回動すると共に、前記ローディング
    位置にある場合に前記気密壁の一部を構成するベゼル
    と、前記気密壁の内側に空気を吸入する吸気手段とを備
    え、前記ベゼルが装置外方向に移動する前には、前記吸
    気手段が動作して前記気密壁の内側と外側の気圧差を減
    少させることを特徴とするディスク装置。
  11. 【請求項11】吸気手段は、ベゼルに設けられたイジェ
    クトスイッチと、前記イジェクトスイッチが押される際
    に前記ベゼルと前記イジェクトスイッチが離間して生ず
    る吸気穴と、前記吸気穴から気密壁へ貫通する吸気通路
    とから構成されることを特徴とする請求項10記載のデ
    ィスク装置。
  12. 【請求項12】ポンプの吸気口が、ディスクの外周近傍
    に設置されることを特徴とする請求項1、7、8または
    10記載のディスク装置。
  13. 【請求項13】ポンプの排気を発熱部品の近傍に案内す
    る排気案内手段を備え、前記ポンプの排気により前記発
    熱部品を冷却することを特徴とする請求項1、7、8ま
    たは10記載のディスク装置。
  14. 【請求項14】ディスクへの情報の記録再生を行う光ヘ
    ッドと、ポンプからの排気を気密壁の外側または前記光
    ヘッド方向のいずれかに切り替える排気切替手段と、前
    記光ヘッドへの埃の付着を検出する埃検出手段とを備
    え、前記光ヘッドへの埃の付着が検出された場合には、
    前記排気切替手段が前記ポンプからの排気を前記光ヘッ
    ドに当てることを特徴とする請求項1、7、8または1
    0記載のディスク装置。
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