以下に本発明に係るディスク装置およびその制御方法の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るディスク装置およびその制御方法の一実施の形態を示すブロック図、図2は、ディスク装置内を示す説明図、図3は、同じくディスク装置内を示す説明図である。
光ディスク装置100における各方向について、図2および図3を用いて説明する。トレー本体151およびディスク装置本体101に対し、トレー150のパネル155が位置する側を光ディスク装置100の前側とし、これの反対側を後側とする。また、薄型の光ディスク装置100において、平面視された側を光ディスク装置100の表側もしくは上側とし、これの逆側から眺めた側を光ディスク装置100の裏側もしくは下側とする。なお、この明細書における「前」、「後」、「表」、「裏」、「上」、「下」の定義は、光ディスク装置100を説明するための便宜上のものとされる。
光ディスク装置100が用いられて、光ディスク200に記録された情報などのデータが再生される。また、光ディスク装置100が用いられて、光ディスク200に情報などのデータの記録が行われる。光ディスク装置100内に入れられる光ディスク200(図1〜図3)は、円板状のものとして形成されている。ディスクとして、例えば、「CD−ROM」,「DVD−ROM」などのデータ読出し専用の光ディスクや、「CD−R」,「DVD−R」,「DVD+R」などのデータ追記型の光ディスクや、「CD−RW」,「DVD−RW」,「DVD+RW」,「DVD−RAM」,「HD DVD」,「Blu-ray Disc」などのデータ書込み/消去やデータ書換え可能なタイプの光ディスクなどが挙げられる。また、ディスクとして、二層の信号記録面(201)(図1)が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた光ディスク(図示せず)等も挙げられる。光ディスク200(図1)の記録部201は、金属薄膜などの金属層等により形成されている。金属薄膜などから形成される層の記録面201に、情報やデータなどが記録される。
上述した如く、光ピックアップ(optical pickup)は、「OPU」と略称される。また、「CD」は、「Compact Disc」の略称である。また、「DVD」は、「Digital Versatile Disc」もしくは「Digital Video Disc」の略称である。また、「CD−ROM」もしくは「DVD−ROM」の「ROM」は、「Read Only Memory」の略称である。「CD−ROM」もしくは「DVD−ROM」は、データ読出し専用のものである。また、「CD−R」または「DVD−R」もしくは「DVD+R」の「R」は、「Recordable」の略称である。「CD−R」または「DVD−R」もしくは「DVD+R」は、データの書込みが可能なものである。また、「CD−RW」または「DVD−RW」もしくは「DVD+RW」の「RW」は、「ReWritable」の略称である。「CD−RW」または「DVD−RW」もしくは「DVD+RW」は、データの書換えが可能なものである。また、「DVD−RAM」は、「Digital Versatile Disc Random Access Memory 」の略称である。「DVD−RAM」は、データの読み書き・消去が可能なものである。
また、「HD DVD」は、「High Definition DVD 」の略称である。「HD DVD」は、従来のDVD系列のものと互換性をもたせ、且つ、従来のDVD系列のディスクよりも記憶容量の大きいものである。従来のCDやDVDには、赤色のレーザが用いられていたが、「HD DVD」の光ディスク200に記録されたデータが読み出されるときには、青紫色のレーザが用いられる。また、「Blu-ray 」とは、従来のCDやDVDで信号の読み書きに用いられていた赤色のレーザに対し、高密度記録が実現されるために採用された青紫色のレーザを意味する。
図1は、ディスク装置を示すシステム構成図である。
この光ディスク装置100は、上記各種光ディスクに対応可能なものとされる。光ディスク装置100は、各種光ディスクに対して記録/再生が可能なドライブ装置とされている。
光ディスク装置100内において、例えば音楽鑑賞用CDが再生されるときの光ディスク200の通常回転数は、約200〜500rpmである。rpm(revolutions per minute)とは、1分間あたりの回転数すなわち毎分回転数を意味する。例えば、CDは、線速度一定方式の光ディスクとされているので、光ディスク200の内周部206における信号内周部206sで、音楽鑑賞用CDのデータが再生されるときの光ディスク200の通常回転数は、約500rpmである。これに対し、光ディスク200の外周部207における信号外周部207sで、音楽鑑賞用CDのデータが再生されるときの光ディスク200の通常回転数は、約200rpmである。
光ディスク200の内周部206における信号内周部206sと、光ディスク200の外周部207における信号外周部207sとの間で、音楽鑑賞用CDのデータが再生されるときの光ディスク200の通常回転数は、光ディスク装置100内において回転制御が行われることにより、例えば、500rpm、400rpm、300rpm、200rpmというように可変する。
この光ディスク装置100における光ディスク200の通常の回転方向は、図2,図3の如く、矢印Pに沿った方向とされる。また、この光ディスク装置100に装備された光ディスク200は、光ディスク200の種類にもよるが、矢印Pに沿った方向に対し、反対方向にも回転可能とされる。
一層のみの信号記録部が設けられた光ディスク200に対するピックアップ本体1aの再生動作について、図1〜図3を用いて説明する。回転する単層光ディスク200の信号内周部206s側から信号外周部207s側に向けてピックアップ本体1aが移動されつつ、単層光ディスク200の情報/データ等の信号が読み出されてゆく。このようにして、単層光ディスク200に記録された情報/データ等の信号が読み出される。
次に、二層の信号記録部が設けられた複層光ディスク(200)に対するピックアップ本体1aの再生動作について説明する。複層光ディスク(200)の一層目の信号記録部が再生されるときには、一層だけの信号記録部を備える光ディスク200が再生されるときと同じく、回転する光ディスク200の信号内周部(206s)側から信号外周部(207s)側に向けてピックアップ本体1aが移動されつつ、複層光ディスク(200)の第一信号記録面に記録された情報/データ等の信号が読み出されてゆく。
二層目の信号記録部が再生されるときには、二通りの方式が挙げられる。二層目の信号記録部が再生される方式として、パラレル(parallel)と、オポジット(opposite)とが挙げられる。先ず、パラレルについて説明する。複層光ディスク(200)の一層目の信
号記録部が再生されたのちに、ピックアップ本体1aを複層光ディスク(200)の内周部206側に移動させる。一層目の信号記録部が再生されるときと同じく、回転する複層光ディスク(200)の二層目の信号内周部(206s)側から信号外周部(207s)側に向けてピックアップ本体1aが移動されつつ、複層光ディスク(200)の第二信号記録面に記録された情報/データ等の信号が読み出されてゆく。このようなものがパラレルである。
次に、オポジットについて説明する。複層光ディスク(200)の一層目の信号記録部が再生されたのちに、対物レンズ50から出される焦点を、複層光ディスク(200)の一層目の信号記録面から二層目の信号記録面に合わせ直す。回転する複層光ディスク(200)の二層目の信号外周部(207s)側から信号内周部(206s)側に向けてピックアップ本体1aが移動されつつ、複層光ディスク(200)の第二信号記録面に記録された情報/データ等の信号が読み出されてゆく。このようなものがオポジットである。
パラレルのものよりも、オポジットのもののほうが、シークタイムなどに関する点で優れる。シークタイム(seek time )とは、例えば光ディスク200などの情報記録媒体のデータをアクセスするときに、ピックアップ本体1aの対物レンズ50が目標位置に移動するまでの時間を意味する。シークタイムが短いものほど、光ディスクに対するデータの読み書き速度がはやいものとされている。
オポジットのものは、複層光ディスク(200)の第一信号記録面に記録された情報/データ等の信号が読み出されたのちに、複層光ディスク(200)の第二信号記録面に記録された情報/データ等の信号の読取り作業が開始されるまでの動作に無駄な動作が無い。従って、オポジットのもののほうが、パラレルのものよりも、シークタイムなどに関する点で優れる。
近年、光ディスク200に記録されたデータ/情報の読出し速度や、光ディスク200にデータ/情報を記録させるときの書込み速度や書換え速度の高速化が要求されている。光ディスク装置100は、通常のディスク回転数に対し、例えば、1倍速、2倍速、4倍速、8倍速、12倍速、16倍速、24倍速、32倍速、48倍速、64倍速のディスク回転速度で、光ディスク200にデータ/情報を記録可能なものとされる。これらの速度は、光ディスク200の種類などにより異なる。また、光ディスク200にデータ/情報を記録させるときの光ディスク200の回転方式は、線速度一定方式もしくは角速度一定方式に基づいて行われる。
この光ディスク装置100は、通常のディスク回転数に対し、例えば約1〜64倍速のディスク回転速度で、光ディスク200にデータ/情報を記録可能な光ディスク装置100とされる。通常のディスク回転数に対し、例えば約1倍速の速度で光ディスク200にデータ/情報の記録が行われる場合、データの記録工程は、非常に安定した状態で行われる。従って、この光ディスク200は、高品質なデータ記録が行われた光ディスク200とされる。また、通常のディスク回転数に対し、例えば約8倍速の速度で光ディスク200にデータ/情報の記録が行われる場合、データの記録工程に甚だしく時間がかけられることなく、データの記録工程は、略安定した状態で行われる。従って、この光ディスク200は、通常の品質のデータ記録が行われた光ディスク200とされる。また、光ディスク200へのデータ/情報の記録作業は、異常に長い時間を要することなく通常の時間内で終了する。また、通常のディスク回転数に対し、例えば約64倍速の速度で光ディスク200にデータ/情報の記録が行われる場合、データの記録工程は、迅速に行われる。従って、光ディスク200へのデータ/情報の記録作業は、速やかに終了する。
光学式ピックアップ装置1のレーザダイオード20から出射されるレーザ光もしくはレ
ーザ光線のパワーは、例えば3mW〜300mW(ミリワット)のパワーとされる。光学式ピックアップ装置1が用いられて、光ディスク200に記録されたデータ/情報が読み出されるときには、レーザダイオード20から出射されるレーザ光のパワーは、数mWの少ないパワーで十分とされる。光ディスク200に記録されたデータ/情報が読み出されるときには、レーザダイオード20から出射されるレーザ光のパワーは、例えば約5mW前後の少ないパワーで十分とされる。
しかしながら、光学式ピックアップ装置1が用いられて、光ディスク200にデータ/情報が記録されるときには、多くのレーザパワーが必要とされる。光ディスク200にデータ/情報が記録されるときには、光ディスク200の種類や、光ディスク200の記録用回転速度などにもよるが、約数十mW〜数百mWのレーザパワーが必要とされる。
光ディスク装置100について詳しく説明する。この光ディスク装置100は、光ディスク200の記録部201に情報を記録可能とさせ、且つ、光ディスク200の記録部201の情報を再生可能とさせた光学式ピックアップ装置1と、光学式ピックアップ装置1に接続されたフロントエンド処理部2と、光学式ピックアップ装置1に接続された光学式ピックアップサーボ回路3と、光学式ピックアップ装置1のレーザドライバ12に接続されたレーザ出力制御回路11と、レーザ出力制御回路11に接続されたエンコーダ/デコーダ部4と、エンコーダ/デコーダ部4を構成するデコーダ5およびエンコーダ6と接続されたインタフェース部7と、エンコーダ/デコーダ部4を構成するデコーダ5およびエンコーダ6と接続されたメモリ8と、光学式ピックアップ装置1の温度センサ21からA/Dコンバータ22を介して接続されたシステム制御用マイクロコンピュータ9と、A/Dコンバータ22に続く温度測定部23と、温度測定部23に続く温度判定部24と、温度判定部24に続く空回し制御部25と、システム制御用マイクロコンピュータ9に接続されたメモリ10と、光ディスク200を回動させるスピンドルモータ13と、スピンドルモータ13を駆動させるモータ駆動回路14と、モータ駆動回路14の制御を行うモータ制御回路15とを備えるものとして構成されている。
光学式ピックアップ装置1のピックアップ本体1aを構成する各部のものについて説明する。光学式ピックアップ装置1のピックアップ本体1aを構成する各々のものは、例えば図5に示された光学式ピックアップ装置501を構成する各々のものと略同じものとされる。
光ピックアップ装置1(図1)のレーザドライバ12からレーザダイオード20へ電流が流されて、レーザダイオード20からレーザ光が出力される。レーザダイオードは、主に二極の半導体素子により構成されている。レーザダイオードは、二極の半導体素子から構成された発光されるものである。発光素子とされるレーザダイオード(Laser Diode )は、「LD」と略称されている。
光学式ピックアップ装置1が用いられて、光ディスク200にデータ/情報が記録されるときには、高いレーザパワーが必要とされる。そのため、光ディスク200にデータ/情報が記録されるときには、LD20から高エネルギーのレーザ光が出射される。光ディスク200にデータ/情報が記録されるときには、約数十mW〜数百mWのレーザパワーが必要とされる。このような状態で光学式ピックアップ装置1のLD20が使用されると、LD20の温度は上昇し、LD20は高温状態となる。
発行するLD20から生じた熱により、LD20自体もしくはLD20の周辺の温度が変化する。また、LD20における発振波長は、温度に依存するため、LD20自体もしくはLD20の周辺の温度が変化すると、LD20から出射されるレーザ光の波長が変動する。LD20から出射されるレーザ光の波長が大幅に変動すると、光学式ピックアップ
装置1が用いられて光ディスク200にデータ/情報が記録されるときに、データ記録品質の低い光ディスク200が形成される。また、LD20から出射されるレーザ光の波長が大幅に変動すると、光学式ピックアップ装置1が用いられて光ディスク200のデータ/情報が読み取られるときに、読取りエラーが生じることも心配される。このようなことから、レーザ光の波長は、なるべく変動することなく略一定の波長に保たれることが好ましい。
例えばCD用レーザ光の波長は、約770〜805nm(ナノメータ)とされる。また、DVD用レーザ光の波長は、約630〜670nmとされる。また、「HD DVD」もしくは「Blu-ray Disc」用レーザ光の波長は、約390〜420nmとされる。これらの各波長が、各数値範囲内においてなるべく変動することなく略一定の波長に保たれるために、LD20の使用動作温度は、例えば約−10〜70℃、好ましくは約0〜70℃とされる。
レーザドライバ12は、LD20を駆動させてLD20からレーザ光を出射させるレーザ駆動回路を構成するものとされている。このようなことから、レーザドライバは、「LD Driver 」等と呼ばれ「LDD」と略称されている。LDDは、一個の基板の表面もしくは内部において、多くの回路素子が一体として結合されて構成された超小型構造の電子回路とされている。LDDは、集積回路(IC)として構成されている。「IC」は、「Integrated Circuit」の略称である。LD20から高エネルギーのレーザ光を出射させるときに、LDD12に高負荷がかけられる。LD20から高エネルギーのレーザ光を出射させるために、LDD12に高負荷がかけられる。これにより、LDD12は発熱する。
光ディスク装置に要求される仕様などにもよるが、例えば光ディスク装置100内における使用動作温度が約0℃未満の低い温度状態のときに、光ディスク200にデータ/情報の書込みが行われようとされた場合、光ディスク装置100の暖気が十分とされていないこと等から、光ディスク装置100内の光ピックアップ装置1などの各部にストレスが生じることが心配される。例えば光ディスク装置100内に装備されたLDD12の作動性は、やや厳しくなる。光ディスク装置100の設計仕様などにもよるが、光ディスク装置100内における使用動作温度は、例えばマイナス約10℃前後とされる。
また、例えば光ディスク装置100内における使用動作温度が50℃以上の高い温度とされた場合、光ディスク装置100内に装備されたLDD12の作動性は、使用動作温度が例えば25℃のときよりも、やや厳しいものとなる。また、光ディスク装置100内における使用動作温度が60℃以上の高い温度とされた場合、光ディスク装置100内に装備されたLDD12の作動性は、使用動作温度が50℃のときにおける作動性よりも厳しいものとなる。さらに、光ディスク装置100内における使用動作温度が70℃を超える高い温度とされた場合、光ディスク装置100内に装備されたLDD12の作動性は、使用動作温度が50℃のときにおける作動性よりもさらに厳しいものとなる。LDD12は、ICとして構成されているので、使用温度により動作特性が変化する。
これらのことから、光ディスク装置100を用いて、例えば光ディスク200にデータ/情報を記録させるときや、光ディスク200のデータ/情報を再生させるときや、光ディスク200のデータ/情報を消去させるときに、光ディスク装置100内における使用動作温度は、例えば約−10〜70℃、好ましくは約0〜70℃とされる。光ディスク装置100の設計仕様などにもよるが、光学式ピックアップ装置1の耐熱温度は、例えば約70℃とされる。また、光ディスク装置100内におけるより好ましい使用動作温度は、光ディスク装置100の設計仕様などにもよるが、例えば約0〜50℃とされる。従って、光ディスク装置100内における使用動作温度を、例えば約70℃以下、好ましくは約60℃以下、より好ましくは約50℃以下に維持させることが望ましい。
また、LD20もしくはLDD12の何れか一方または両方の温度を検知可能な温度センサ21が、光ピックアップ装置1に装備されている。温度センサ21として、例えばサーミスタなどが挙げられる。サーミスタ(thermistor)とは、温度によって抵抗が変化する半導体を意味する。光ピックアップ装置1を構成するピックアップ本体1aは、小型/軽薄なものとされていることから、小型温度センサ21として、例えばチップタイプのサーミスタ(図示せず)が用いられることが好ましい。
光ピックアップ装置1のLD20から出力されたレーザ光は、回折格子(図示せず)、ダイバージェントレンズ(図示せず)、レフレクトミラー(図示せず)、対物レンズ50などを介して、ディスク200に照射される。
不図示の回折格子は、光の回折を利用して、LD20(図1)から出射されたレーザ光を幾つかに分けるものとされている。詳しく説明すると、回折格子は、光の回折を利用して、LD20から出射されたレーザ光を一つのメインビーム(図示せず)と、二つのサブビーム(図示せず)とに分ける役割を果たす。また、不図示のダイバージェントレンズは、LD20から出射されたレーザ光を集めるものとされる。また、レフレクトミラー(Reflect Mirror)は、「RM」と略称される。RMは、一部のレーザ光を反射させ、一部のレーザ光を透過させるものとされている。また、対物レンズ(objective lens)は、「OBL」と略称される。OBL50は、データ/情報が記録される光ディスク200の記録部201へレーザ光を集光させる役割を果たす。
不図示の回折格子、不図示のダイバージェントレンズ、不図示のRM、OBL50などを経由したレーザ光は、光ディスク200の記録部201に対応した最適状態のレーザ光となる。OBL50から光ディスク200の記録部201に向けて最適状態のレーザ光が照射される。
ディスク200から反射されたレーザ光の一部は、PDIC(図示せず)などに戻される。「PDIC」は、「Photo Diode IC」の略称である。不図示のPDICは、光を受けて、その信号を電気信号に変えて、光ピックアップ装置1のレンズホルダ60(図2,図3)のサーボ機構(図示せず)を動作させるための信号を出力する。
また、LD12(図1)から出力されるレーザ光の一部は、フロントモニタダイオード40に入る。フロントモニタダイオード(Front Monitor Diode )は、「FMD」と略称される。FMD40は、LD20から出力されるレーザ光をモニターして、LD20を制御するためにフィードバックをかける受光素子とされる。光学式ピックアップ装置1のピックアップ本体1aは、上記各種のものを備えて構成されている。ピックアップ本体1aは、光学式ピックアップ装置1の主な部分を構成するピックアップ主体部1aとされる。
ピックアップ本体1aは、光信号などにより、光ディスク200に記録されたデータなどの情報を読取り可能なものとして構成されている。光学式ピックアップ装置1のピックアップ本体1aは、LD20から出射されたレーザ光を光ディスク200に集光させるOBL50と、OBL50を保持するレンズホルダ60(図2,図3)とを少なくとも備えるものとして構成されている。
光学式ピックアップ装置1の主な部分を構成するピックアップ本体1aは、トレー150に装備された不図示の送りモータにより、トレー150の内外方向Qに沿って、トレー150に設けられた略長方形のレーザ出射用開口部153下を移動するものとされている。また、光学式ピックアップ装置1のピックアップ本体1aを構成するレンズホルダ60は、光ディスク200に対し、OBL50のフォーカス方向およびトラッキング方向に動
作可能なものとされている。
光ディスク装置100内において、光学式ピックアップ装置1の主体部を構成するピックアップ本体1aの通常待機位置は、図2の如く、光ディスク200の内周部206側とされている。ピックアップ本体1aの通常待機位置は、光ディスク装置100の略中央部100mに設けられたターンテーブル120側とされている。
ターンテーブル120を備えるスピンドルモータ13および光学式ピックアップ装置1は、ディスク装置本体101に対して移動可能なトレー150に装備されている。図2,図3に示すトレー150に代えて、例えば光ディスク200が載せられたり置かれたりする載置部が設けられたトレー(150)も使用可能とされる。また、そのようなトレー(150)を備えると共に、ターンテーブル(120)を備えるスピンドルモータ(13)およびピックアップ本体(1a)が、ディスク装置本体(101)に内蔵されたディスク装置(100)も使用可能とされる。
図1の如く、上記温度測定部23と、上記温度判定部24と、上記空回し制御部25とは、システム制御用マイクロコンピュータ9内に備えられている。マイクロコンピュータ(micro computer)とは、超小型コンピュータを意味する。マイクロコンピュータは、マイコン等と略称されて用いられている。
光学式ピックアップ装置1の温度センサ21からシステム制御用マイクロコンピュータ9に向けて発せられたアナログ信号は、温度センサ21と、システム制御用マイクロコンピュータ9との間に設けられたA/Dコンバータ22にて、アナログ値からデジタル値へと変換される。A/Dコンバータ(Analog to Digital Converter )は、アナログ値からデジタル値への変換を行うチップまたは基板を意味する。
メモリ8として、例えばRAM8が用いられた。「RAM」は、「random access memory」の略称である。「RAM」とは、記憶場所や順序に関係されることなく略同一時間でデータにアクセスできる記憶装置を意味する。また、メモリ10として、例えばROM10が用いられた。「ROM」は、「read-only memory」の略称である。「ROM」とは、読出し専用メモリを意味する。
光学式ピックアップ装置1は、光ディスク200に近接され、光ディスク200に向けてレーザ光を照射させて、光ディスク200に情報を記録させたり、光ディスク200の情報を書き換えたり、光ディスク200の情報を再生させたり、光ディスク200の情報を消去させたりする光学ヘッド装置1とされている。
光学式ピックアップ装置1は、光ディスク200にレーザ光を照射させるOBL50と、OBL50に向けてレーザ光を出射するLD20と、光ディスク200からの反射光を受光する受光素子(図示せず)とされ、LD20から出射されるレーザ光の記録パワー値もしくは再生パワー値を検出するFMD40と、LD20へ電流を送るLDD12と、LDD12もしくはLD20の何れか一方または両方の温度を検知する温度センサ21とを少なくとも備えるものとして構成されている。
また、ディスク装置100は、ピックアップ装置1を光ディスク200の記録/再生対象の記録トラック面に対応した位置に移動させるスライド機構と、光ディスク200に出射したレーザ光を記録/再生対象の記録トラックに追従させる制御すなわちトラッキング制御を行うためのトラッキング機構と、光ディスク200に出射したレーザ光の焦点ずれを補正する制御すなわちフォーカス制御を行うためのフォーカス機構とを備えるものとして構成されている(何れも図示せず)。
フロントエンド処理部2は、RFアンプと、トラッキング誤差信号生成回路と、フォーカス誤差信号生成回路とを備えるものとされている(何れも図示せず)。なお、RFアンプは、光学式ピックアップ装置1のFMD40において、受光光量に応じて生成された電気信号に基づいて、記録/再生対象の記録トラック上にある記録マークの有無を判別するためのRF信号を生成する。「RF」は、「radio frequency 」の略称である。「RF」とは、電波と略同じ高い周波数に変換された信号を意味する。フロントエンド処理部2は、LDD12に接続されている。
光学式ピックアップサーボ回路3は、フロントエンド処理部2にて生成されたトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号などといった各種誤差信号に基づいて、光学式ピックアップ装置1のトラッキングサーボ機構(図示せず)やフォーカスサーボ機構(図示せず)などのサーボ機構(図示せず)を駆動させるためのサーボ制御信号を生成する光学ヘッドサーボ回路3として構成されている。前記サーボ制御信号に基づいて、前記サーボ機構の駆動が制御される。光学式ピックアップ装置1のOBL50を保持するレンズホルダ60(図2,図3)のフォーカス制御、トラッキング制御などといったサーボ制御は、光学式ピックアップサーボ回路3(図1)から発せられるサーボ制御信号によって行われる。また、光学式ピックアップサーボ回路3は、システム制御用マイクロコンピュータ9から発せられる信号に基づいて制御される。また、光学式ピックアップサーボ回路3は、システム制御用マイクロコンピュータ9に備えられた空回し制御部25と接続されている。
エンコーダ/デコーダ部4を構成するデコーダ5は、光ディスク200が再生されるときに、光ディスク200のデータフォーマットに対応したデコード処理を行うものとされている。デコード(decode)とは、一定の規則に基づいて符号化されたデータを復号させ、もとのデータを取り出させることを意味する。例えばCDメディアのデータフォーマットの場合、変調コードとしてEFM(8/14変調)が採用され、誤り訂正符号としてCIRCが採用されている。デコーダ5は、フロントエンド処理部2にて生成されたRF信号に基づいて、前述の変調コード及び誤り訂正符号に基づいたデコード処理を行うものとされている。
「EFM」とは、8ビットのデータを記録に適した14ビットのデータ列に置き換えて記録する変調方式を意味する。「EFM」は、「eight to fourteen modulation」の略称である。また、「CIRC」は、エラー訂正機構を意味する。「CIRC」は、「Cross Interleaved Reed-Solomon Code 」の略称である。
また、エンコーダ/デコーダ部4を構成するエンコーダ6は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置(図示せず)からインタフェース部7を介して入力される記録データに関して、光ディスク200のデータフォーマットに対応したエンコード処理を行うものとされている。エンコード(encode)とは、一定の規則に基づいてデータを符号化させることを意味する。例えばCDメディアのデータフォーマットの場合、CIRC符号化処理や、EFM変調処理及びスクランブル処理などがエンコード処理に該当され、これらの処理が施された後の記録用変調信号がレーザ出力制御回路11に送信される。パーソナルコンピュータ(Personal Computer )は、「PC」と略称とされている。
インタフェース部7は、光ディスク装置100内のエンコーダ/デコーダ部4に接続され、光ディスク装置100と、PCなどの情報処理装置(図示せず)との間における記録/再生データの送受信を制御するものとされている。
エンコーダ/デコーダ部4を構成するデコーダ5およびエンコーダ6と接続されたメモリ8として、例えばRAM8が用いられた。RAM8は、前記情報処理装置(図示せず)
からインタフェース部7を介して再生要求コマンドが受信された場合、デコーダ5においてデコード処理中にあるデータを一時記憶するものとされている。一時記憶されたデータは、インタフェース部7を介して情報処理装置(図示せず)に送信される。また、RAM8は、情報処理装置(図示せず)からインタフェース部7を介して受信された記録データを一時記憶するものとされている。一時記憶された記録データは、エンコーダ6におけるエンコード処理時にアクセスされる。また、RAM8は、システム制御用マイクロコンピュータ9と接続されている。
システム制御用マイクロコンピュータ9は、光ディスク200の記録再生に係る光ディスク装置100全般のシステム制御を司るものとされている。例えばシステム制御用マイクロコンピュータ9は、光ディスク200に対して記録再生を行う場合に、光ディスク200に応じた変調/復調処理を施すために、エンコーダ6/デコーダ5の起動を制御する。
追記型光ディスクなどの記録可能な光ディスクに情報の記録などが行われるときには、実際の情報の記録に先立って、システム制御用マイクロコンピュータ9の制御のもとに、評価値いわゆるアシンメトリ値βに基づいたOPCが実施される。アシンメトリとは、非対称を意味する。また、「OPC」とは、メディアへデータが書き込まれるときに、メディア内周部に試し書きを行い、最適なパワーのレーザ出力を行わせることを意味する。「OPC」は、「Optimum Power Control 」の略称である。また、試し書きが行われるメディア内周部は、記録レーザパワーの校正が行われるときに必要とされる領域である。試し書きが行われるメディア内周部は、「PCA」と省略される。「PCA」は、「Power Calibration Area」の略称である。
OPCについて詳しく説明すると、OPCとは、光ディスクのPCAに所定のテストデータの記録を行った後に、PCAより再生されたテストデータに基づいて得られる評価値いわゆるアシンメトリ値βが、光ディスクに応じた基準値いわゆるターゲットβを含む所定範囲内(例:β±1%など)のものとされているか否かを判定して、最適なパワーのレーザ出力を行わせることを意味する。
システム制御用マイクロコンピュータ9に接続されたメモリ10として、例えばROM10が用いられた。ROM10には、光ディスク200の識別情報に対応付けされるターゲットβおよびOPCの履歴情報として過去に設定された最適記録パワー値が記憶されている。OPCの履歴情報ではなく、OPCの初期値として推奨される記録パワー値が、ROM10に予め記憶されたものも使用可能とされる。
ROMとして、例えばEEPROMが用いられた。EEPROMとは、電気的に内容を書き換えることが可能なROMを意味する。EEPROMとして、例えば不揮発性メモリが挙げられる。EEPROMの変更が行われるときには、通常の電圧よりも高い電圧がかけられた状態で行われる。また、EEPROMは、記憶された情報を電気的に消去可能なものとされている。「EEPROM」は、「Electronically Erasable and Programmable
Read Only Memory」の略称である。
また、例えばEPROMが、第一メモリ(8)もしくは第二メモリ(10)の何れか一方または両方に用いられたものも使用可能とされる。EPROMとは、記憶の消去・書込みを何度でも行うことが可能とされるROMを意味する。EPROMは、記憶が消去されるときに、読出し時と異なる特殊な方法が行われるものとされている。この点で、EPROMは、RAMと異なるものとされる。「EPROM」は、「Erasable Programmable Read Only Memory」の略称である。また、上記RAMや、上記EEPROMや、上記EPROMに代えて、第一メモリ8もしくは第二メモリ10の何れか一方または両方に、例えば
、その他の記憶部品(不図示)が用いられたものも使用可能とされる。
レーザ出力制御回路11は、エンコーダ6から受信された記録用変調信号に基づいて、LD20を駆動するためのパルス信号を生成してLDD12に送信するものとされている。また、レーザ出力制御回路11は、システム制御用マイクロコンピュータ9から発せられる信号に基づいて制御される。
また、レーザ出力制御回路11は、APC回路41を備えるものとされている。APC回路とは、光出力一定回路を意味する。また、「APC」は、「Auto Power Control」の略称である。APC回路41は、FMD40にてモニターされたレーザ光の記録パワー値もしくは再生パワー値に基づいて、LD20から出射されるレーザ光の記録パワー値もしくは再生パワー値を一定のものとさせる働きをする。
LDD12は、レーザ出力制御回路11から発せられたパルス信号に基づいて、LD20を駆動させる。これにより、LD20からレーザ光が出射されて、エンコーダ6から出力される記録用変調信号に応じた記録マークが、光ディスク200の記録部201の記録トラックに形成される。また、LDD12は、レーザ出力制御回路11を構成するAPC回路41の制御下で、LD20を駆動させる。
スピンドルモータ13は、光ディスク200を回転駆動するモータとされている。また、モータ駆動回路14は、スピンドルモータ13を回転駆動するための回路とされている。また、モータ制御回路15は、例えば不図示のWBL検出部から受信されたWBL信号に基づくウォブリング周波数の情報を用いて、例えばCD規格による線速度一定方式にてスピンドルモータ13の回転駆動制御を行うための回路とされている。このような方式は、CLV方式と呼ばれている。「CLV」は、「Constant Linear Velocity」の略称である。また、「WBL」は、「Wobble」の略称である。ウォブル(Wobble)とは、情報の信号が記録されるトラックの蛇行を意味する。また、スピンドルモータ13の回転に応じて発生するパルス信号が用いられて、角速度一定方式にてスピンドルモータ13の回転駆動制御が行われるものも使用可能とされる。このような方式は、CAV方式と呼ばれている。「CAV」は、「Constant Angular Velocity 」の略称である。モータ制御回路15は、フロントエンド処理部2と接続されている。
光ディスク装置100を構成するディスク装置本体101(図2,図3)は、鋼板製の筐体105を少なくとも備えるものとして構成されている。また、データなどの情報が備えられる光ディスク200は、ターンテーブル120に着脱自在に取り付けられる。ターンテーブル120に対して光ディスク200が着脱されるときに、容易に光ディスク200の取付け取外しが行われることが可能とされるために、ターンテーブル120にチャッキング部材125が設けられている。チャッキング部材125が用いられてターンテーブル120に光ディスク200が装着される。これにより、光ディスク200に対応したトレー150のディスク収容部151dに、光ディスク200が装備される。光ディスク200は、ターンテーブル120と一体に構成されたスピンドルモータ13(図1)により回動する。
スピンドルモータ13は、このスピンドルモータ13の制御を行う回路基板(図示せず)に一体のものとされている。不図示の回路基板に、モータ駆動回路14と、モータ駆動回路14に続くモータ制御回路15とが構成されている。光ディスク200が装着されるターンテーブル120と、ターンテーブル120と一体に構成されたスピンドルモータ13と、スピンドルモータ13に通電可能に接続されたモータ駆動回路14と、モータ駆動回路14に通電可能に接続されたモータ制御回路15とは、一体化された一部品として構成されている。このように、スピンドルモータ13などを備えるスピンドルモータ構成体
は、いわゆるアセンブリーされたものとして構成されている。また、不図示の回路基板は、スピンドルモータ13などの制御を行う集積回路や、集積回路などに通電可能に接続されるコネクタ(図示せず)などを備えるものとして構成されている。不図示の回路基板は、光ディスク装置100の熱源とされる。
また、ディスク装置本体101(図2,図3)の後側に、他の回路基板(図示せず)が装備されている。不図示の他の回路基板は、各種制御を行う集積回路や、集積回路などに通電可能に接続されるコネクタ(図示せず)などを備えるものとして構成されている。また、不図示の他の回路基板も光ディスク装置100の熱源とされている。
ピックアップ本体1aからフレキシブル回路体90が延設されている。このフレキシブル回路体90は、ピックアップ本体1aの移動方向Qに沿って、ピックアップ本体1aから引き出されている。ピックアップ本体1aから延設されたフレキシブル回路体90は、可撓性に優れたフレキシブルプリント回路体として形成されている。以下、フレキシブルプリント回路体を「FPC」と略称して示す。上述した如く、「FPC」は、「Flexible
Printed Circuit」の略称である。
ピックアップ本体1aから延設されたFPC90は、途中で緩やかに曲げられて折り返され、ディスク装置本体101の筐体105の後側に装着された他の回路基板と通電可能に接続されている。FPC90が途中で緩やかに曲げられて折り返されることで、FPC90に緩やかな曲部95(図2)が形成されている。FPC90は、ピックアップ本体1aと、ディスク装置本体101(図2,図3)の筐体105の後側に装着された他の回路基板とを結ぶ伝送路としての役割を果すフレキシブル配線基板とされている。回路基板は、光ディスク装置内の各機器と接続されて、各種信号の送受信が行われる。
光ディスク200(図2)が備えられたトレー150が、ディスク装置本体101の前側開口部102からディスク装置本体101の収容室103内に収納されたのちに、スピンドルモータ13(図1)によって、ターンテーブル120が回動する。これにより、ターンテーブル120のチャッキング部材125に装着された光ディスク200が回動する。
トレー150(図2)は、ディスク装置本体101に対し出入り可能なものとされている。詳しく説明すると、トレー150は、ディスク装置本体101から外部に突出されたディスク着脱位置(図示せず)と、ディスク装置本体101の内部に収納されたディスク動作位置(図3)との間を変位可能なものとして形成されている。薄型のディスク装置本体101に対し、薄型のトレー150は、光ディスク装置100の前後方向Sに沿ってスライドしながら開閉移動する。
光ディスク装置100は、図示されたもの以外に、他の構成要素(図示せず)も備えるが、図1〜図3においては、それらの構成要素は、便宜上、省略した。
光ディスク装置100は、データ/情報が記録される光ディスク200にレーザ光を照射させる光学式ピックアップ装置1が用いられて、回転もしくは回動する光ディスク200に、データ/情報の書込みが行われるものとされている。この光ディスク装置100は、光ディスク200へのデータ/情報の記録が完了したのちに、光学式ピックアップ装置1の温度もしくは光学式ピックアップ装置1周辺部の温度が高いときに、光学式ピックアップ装置1のLD20からレーザ光が発せられることなく光ディスク200を空回しさせる空回し手段を少なくとも備えるものとされている。前記ピックアップ装置1周辺部として、例えば光学式ピックアップ装置1の周辺近傍部などが挙げられる。
光ディスク装置100(図1〜図3)内に入れられた光ディスク200が空回しされることで、光ディスク装置100内に空気の対流が発生する。この空気の対流により、光学式ピックアップ装置1の熱もしくは光学式ピックアップ装置1周辺部の熱は、奪い去られる。
光ディスク200(図1)にデータ/情報が記録されるときに、光学式ピックアップ装置1から光ディスク200の記録部201に向けて発せられるレーザ光は、高いエネルギーをもつものが必要とされる。高いエネルギーのレーザ光が光学式ピックアップ装置1のLD20から発せられると、光学式ピックアップ装置1のLD20や、LDD12から高い熱が発せられる。また、これにより、光学式ピックアップ装置1周辺部から高い熱が発せられる。このため、光ディスク200にデータ/情報が記録されたのちに、光ディスク装置100内の廃熱処理が行われないものにあっては、光学式ピックアップ装置1のLD20や、光学式ピックアップ装置1のLDD12や、光学式ピックアップ装置1の周辺部などの熱は、逃がされ難くなることが懸念されていた。また、光学式ピックアップ装置1のLD20やLDD12などから発せられた熱により、光ディスク装置100内に熱がこもることが懸念されていた。
しかしながら、光ディスク200にデータ/情報の記録が完了したのちに、光学式ピックアップ装置1の温度もしくは光学式ピックアップ装置1周辺部の温度が高いときに、光学式ピックアップ装置1のLD20からレーザ光が発せられることなく光ディスク200を空回しさせる光ディスク装置100が構成されていれば、光ディスク200が空回しされることで発生する空気の対流により、光学式ピックアップ装置1の温度もしくは光学式ピックアップ装置1周辺部の温度は下げられる。
光ディスク200(図2,図3)が空回しされることで発生する空気の対流により、熱せられた空気は、光ディスク装置100の後側から光ディスク装置100の外に出される。また、これに伴って、常温の空気が、光ディスク装置100の前側から光ディスク装置100の内に取り込まれる。従って、光ディスク装置100内に熱がこもるということは、少しでも回避され易くなる。
前記空回し手段は、光ディスク200(図1)の空回し動作を開始させる信号を発する空回し制御部25を備えるものとして構成されている。また、前記空回し手段は、光ディスク200を回転もしくは回動させるスピンドルモータ13の回動制御をFGパルス制御に切り換えるモータ制御回路15を備えるものとして構成されている。FGパルス制御とは、スピンドルモータ13の所定角度毎の回転毎に、スピンドルモータ13の回転数をパルスにより検出しつつ制御することを意味する。また、「FG」は、「Frequency Generator 」の略称である。スピンドルモータ13は、FGパルス制御が可能なパルスモータとして構成されている。また、スピンドルモータ13は、モータ制御回路15と接続されている。
前記モータ制御回路15が光ディスク装置100に装備されていれば、スピンドルモータ13によって光ディスク200が空回しされるときに、複雑な制御が行われることなく、FGパルス制御という比較的簡単な制御により、光ディスク200の空回しが行われる。
FGパルス制御が行われて、スピンドルモータ13が回動するときに、光学式ピックアップサーボ回路3から光学式ピックアップ装置1を制御させるサーボ信号は、ピックアップ装置1に送信されない。FGパルス制御が行われて、スピンドルモータ13が回動するときに、光学式ピックアップ装置1のOBL50を保持するレンズホルダ60(図2,図3)のフォーカス制御、トラッキング制御などといったサーボ制御は行われず、光学式ピ
ックアップ装置1のレンズホルダ60は、自然状態に維持される。FGパルス制御という比較的簡単な制御が行われて光ディスク200の空回しが行われることで、光学式ピックアップサーボ回路3(図1)を介したシステム制御用マイクロコンピュータ9などの他の制御部によって、光学式ピックアップ装置1に対する無駄な制御が行われるということは回避される。従って、光ディスク200の空回しは、容易に行われる。
空回し手段について詳しく説明すると、前記空回し手段は、光ディスク200を回動させるスピンドルモータ13と、スピンドルモータ13を回動もしくは回転駆動させるモータ駆動回路14と、モータ駆動回路14の駆動制御を行うモータ制御回路15と、前記スピンドルモータ13もしくは前記モータ駆動回路14もしくは前記モータ制御回路15の回動制御をFGパルス制御に切り換えて光ディスク200の空回しを行わせる空回し制御部25と、空回し制御部25から発せられる空回し制御信号により光学式ピックアップ装置1のLDD12への電流の供給を制御するレーザ出力制御回路11とを備えるものとして構成されている。
このような空回し手段が構成されていれば、光ディスク200の空回しが行われるときに、光学式ピックアップ装置1のレンズホルダ60(図2,図3)に装備されたOBL50からレーザ光が発せられることなく、光ディスク200の空回しが開始される。光学式ピックアップ装置1が用いられて、光ディスク200の記録部201(図1)に対するデータ/情報の記録作業が完了したのちに、光ディスク200の記録部201にデータ/情報の記録が行われることなく、引き続き、光ディスク200は、これまで回転されていた方向に回され続けられる。
レーザ出力制御回路11から光学式ピックアップ装置1のLDD12への電流の供給が制御されて、レーザ出力制御回路11から光学式ピックアップ装置1のLDD12およびLD20への電流の供給が止められる。これにより、光学式ピックアップ装置1のLD20から光ディスク200の記録部201へ向けたレーザ光の照射が止められる。このようにすることで、光学式ピックアップ装置1もしくはピックアップ装置1周辺部が加熱されるということは、回避される。さらに、光ディスク装置100内に入れられた光ディスク200が空回しされることにより、光ディスク装置100内に熱がこもるということは、回避され易くなる。
また、前記空回し手段は、光学式ピックアップ装置1を構成するLD20もしくはLDD12、又はLD20もしくはLDD12の周辺部、又は光学式ピックアップ装置1の周辺部の少なくとも一箇所以上の温度を検知する温度センサ21と、温度センサ21により検知されたアナログの温度信号をデジタルの温度信号に変換させるA/Dコンバータ22と、A/Dコンバータ22によってデジタル信号に変換された温度信号を測定する温度測定部23と、温度測定部23により測定された温度信号が予め設定された所定の温度(例;50℃)以上のものとされているものか、又は、温度測定部23により測定された温度信号が予め設定された所定の温度(例;50℃)よりも低い温度のものとされているものかを判定する温度判定部24と、温度判定部24の判定に基づいて光ディスク200の空回しを行わせる信号を発する空回し制御部25とを備えるものとして構成されている。
光学式ピックアップ装置1の温度判定部24は、温度測定部23により測定された温度信号が予め設定された所定の高い温度(例;70℃)以上のものとされているものか、又は、温度測定部23により測定された温度信号が予め設定された所定の高い温度(例;70℃)よりも低い温度のものとされているものかをも判定する。所定の高い温度(例;70℃)は、光学式ピックアップ装置1の耐熱温度(例;70℃)と等しいものとされる。
上記空回し手段を備える光ディスク装置が構成されていれば、光学式ピックアップ装置
1の温度もしくはピックアップ装置1の周辺部の温度は、精度よく検知される。光学式ピックアップ装置1の温度判定部24により、光学式ピックアップ装置1の温度もしくはピックアップ装置1の周辺部の温度が、予め設定された所定の温度(例;50℃)以上の高い温度とされているものか、又は、予め設定された所定の温度(例;50℃)よりも低い温度とされているものかということが、確実に判定される。
また、光学式ピックアップ装置1の温度判定部24により、光学式ピックアップ装置1の温度もしくはピックアップ装置1の周辺部の温度が、予め設定された所定の高い温度(例;70℃)以上の高い温度とされているものか、又は、予め設定された所定の高い温度(例;70℃)よりも低い温度とされているものかということも、確実に判定される。
また、温度判定部24の判定に基づいて、光ディスク200の空回しを行わせる空回し制御部25から、光学式ピックアップサーボ回路3と、レーザ出力制御回路11と、モータ制御回路15とに向けて、各種信号が送信されるので、光ディスク200の空回し動作は、確実に行われる。従って、光学式ピックアップ装置1(図1〜図3)の熱もしくはピックアップ装置1の周辺部の熱は、光ディスク200が空回しされることで発生する空気の対流により、徐々に奪い去られる。
図1に示す光学式ピックアップ装置1は、データ/情報が記録される光ディスク200の記録部201へレーザ光を集光させるOBL50と、OBL50や光ディスク200の記録部201などに対してレーザ光を発するLD20と、LD20からレーザ光が発せられるときにLD20に電力を供給するLDD12と、前記LD20または前記LDD12の何れか一方または両方の温度を測定可能な温度センザ21とを少なくとも備えるものとして構成されている。
LDD12に送る電流を制御するレーザ出力制御回路11からLDD12に供給される電流が止められることで、光学式ピックアップ装置1の主な熱源であるLDD12の電流供給機能が停止する。また、これに伴って、LDD12に続き光学式ピックアップ装置1の主な熱源であるLD20の発光機能が停止する。LD20の発光機能が停止した状態で、光ディスク200の空回しが行われる。
これにより、熱せられた光学式ピックアップ装置1は、確実に冷まされる。LD20およびLDD12が、光学式ピックアップ装置1の主な熱源とされている。LD20に接続されたLDD12への電流の供給が止められることで、光学式ピックアップ装置1の主な熱源とされるLDD12のLD20用電流供給機能が停止する。また、これに伴って、光学式ピックアップ装置1のもう一つの主な熱源とされ、LDD12に続くLD20の発光機能が停止する。
LDD12のLD20用電流供給機能と、LD20の発光機能とが停止したことにより、光学式ピックアップ装置1の発熱は、止められる。また、光ディスク200の記録部201に対してLD20からレーザ光が発せられることなく、光ディスク200の空回しが行われるので、光ディスク200の記録部201にデータ/情報が記録されることによって高い温度になったLDD12およびLD20は、光ディスク200(図1〜図3)の空回しによって発生した空気の対流により、徐々に冷まされる。高温となったLDD12およびLD20は、光ディスク200の空回しが実行されることで生じた空気の流れにより、確実に冷まされる。
上記光学式ピックアップ装置1(図1)を備える光ディスク装置100は、例えば、ノート型PC(図示せず)や、デスクトップ型PC(図示せず)などのPCや、CDプレーヤなどの音響機器や、DVDプレーヤなどの音響/映像機器(図示せず)などに装備可能
なものとされる。また、上記光ディスク装置100は、CD系光ディスクや、DVD系光ディスク等の複数のメディアに対応可能なものとされる。
光ディスク装置100は、例えばCDまたはDVDの何れか一方または両方の光ディスクを使用可能なプレーヤ(図示せず)などとして構成される。CDプレーヤや、DVDプレーヤや、CDおよびDVDの両方の光ディスクが使用可能なプレーヤは、例えば、ノート型PCや、据え置き型PCなどに組み込まれて使用される。デスクトップ型コンピュータは、卓上型コンピュータとされ、机の上で使用可能なコンピュータとされている。しかしながら、デスクトップ型コンピュータは、容易に持運びができないタイプのものとされている。
デスクトップ型PCに対し、ノート型PCは、軽量化、軽薄化が要求されることから、スリム型ドライブとされる光ディスク装置100を備えた構造のものとされている。ノート型PCは、デスクトップ型PCと異なる構造のものとされている。ノート型PCは、不図示のディスプレイと、不図示のPC本体とが、一体構造のものとされている。PC本体に対し、ディスプレイが折りたたまれることで、ノート型PCは、薄型サイズのものとなる。ノート型PCは、このものが折りたたまれて平面視されたときに、略A4判もしくはこれ以下の大きさの汎用PCとされる。このようなことから、ノート型PCは、ブック型PCとも呼ばれている。このように、ノート型PCは、コンパクトなものとして容易に持運びができるものとされている。
光学式ピックアップ装置1(図1〜図3)は、ノート型コンピュータに内装可能な略扁平型のノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1とされている。また、光ディスク装置100は、ノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1が装備可能な略扁平型のノート型PC用光ディスク装置100として構成されている。光ディスク200の記録部201にデータ/情報の記録が完了した後に、ノート型PC用光ディスク装置100内で光ディスク200を空回しさせることにより、ノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1の冷却を行う。
小型光学式ピックアップ装置1が内部収容空間の少ないノート型コンピュータに実装されても、ノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1の熱もしくはノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1周辺部の熱は、確実に奪い去られる。
最近のノート型PCは、高性能化されると共に、小型化、軽量化、軽薄化される傾向にある。ノート型PCの小型化、軽量化、軽薄化に伴って、光学式ピックアップ装置1も、小型化、軽量化、軽薄化されつつある。また、ノート型PCが高性能化されると、ノート型PCから多くの熱が発生することとなる。デスクトップ型PCに対し、ノート型PCは小さいものとされ、また、ノート型PCが高性能化されることにより、ノート型PCの内部は、デスクトップ型PCの内部よりも高温となり易い。従って、ノート型PC用光ディスク装置に装備された光学式ピックアップ装置1は、高温に曝され易くなり、熱の影響を受け易くなる。ノート型PCに装備された光学式ピックアップ装置1は、例えば約−10〜70℃の温度条件下で使用される。
しかしながら、光ディスク200にデータ/情報の記録が完了したのちに、ノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1もしくはノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1周辺部の温度が高いときに、ノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1からレーザが発せられることなく光ディスク200を空回しさせるノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1が装備されたノート型PC用光ディスク装置100が用いられていれば、光ディスク200が空回しされることで発生する対流により、ノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1もしくはノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1周辺部の温度は
、低い温度に下げられる。
光ディスク200にデータ/情報の記録が完了したのちに、ノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1もしくはノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1周辺部の温度が高いときに、ノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1からレーザ光を発することなく光ディスク200を空回しさせれば、光ディスク200を空回しすることで発生する対流により、ノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1もしくはノート型PC用小型光学式ピックアップ装置1周辺部の温度は、低い温度に下げられる。従って、ノート型PC用光ディスク装置100内に熱がこもるということは、少しでも回避され易くなる。
また、ノート型PC用光ディスク装置100(図1〜図3)は、光ディスク3が回転されることで発生する空気の流れにより、光学式ピックアップ装置1と、光ディスク装置本体101に内蔵された電気回路を備える基板(図示せず)とを冷却する構造のものとされている。
このような構造に光ディスク装置100が構成されていれば、ファンなどの電力を消費する特別な冷却装置が必要とされることなく、放熱特性に優れたノート型PC用の光ディスク装置100が、コンピュータ組立メーカなどに提供される。最近のノート型PCは、高性能化されると共に、小型化、軽量化、軽薄化される傾向にある。PCが高性能化されると、PCに装備された制御基板(図示せず)の集積回路(図示せず)や、光学式ピックアップ装置1のLDD12およびLD20などから多くの熱が発生する。このため、PCには、何らかの冷却手段が必要とされる。一方、最近のノート型PCにおいては、小型化、軽量化、軽薄化されることが、ノート型PCの設計者や使用者などから要求されている。ファンなどの特別な冷却装置などがノート型PCに設けられるということは、ノート型PCの大型化や重量増しにつながる。このようなものは、ノート型PCの設計者や使用者の要求に反する。
しかしながら、光ディスク装置100内に備えられた光ディスク3が回転されることにより発生する空気の流れを利用して、光ディスク装置100内の高温化を防ぐものとされていれば、ノート型PCの大型化や重量増しは回避される。従って、大型化や重量増しされることなく、コンパクトで放熱特性に優れた光ディスク装置100を備えるノート型PCが構成される。また、ノート型PCの消費電力が増加されるということも回避される。
このように、本発明のディスク装置は、主にノート型コンピュータに好適なものとされる。光ディスク装置100(図2,図3)は、ノート型コンピュータ本体に対し、容易に光ディスク装置本体101が取り付けられたり取り外されたりすることが可能なものとされている。即ち、光ディスク装置100は、ノート型コンピュータに対し、着脱自在に装備される。
次に、光ディスク装置100(図1)の記録制御方法について説明する。詳しく説明すると、データ/情報が記録可能な光ディスク200にレーザ光を照射させる光学式ピックアップ装置1を用いて、データ/情報が記録される光ディスク200を回転もしくは回動させながら、光ディスク200の記録部201にデータ/情報の書込みを行う光ディスク装置100の制御方法について説明する。図1〜図3に示す上記光ディスク装置100を用いて光ディスク装置の制御方法を行う。
光ディスク200の記録部201にデータ/情報の記録が完了した後に、光学式ピックアップ装置1の主な熱源とされるLD20もしくはLDD12の何れか一方または両方の温度が高いときや、前記LD20の周辺部の温度もしくは前記LDD12の周辺部の温度が高いときや、ピックアップ装置1の周辺部の温度が高いときに、光学式ピックアップ装
置1からレーザ光を発することなく、引き続き光ディスク200を空回しさせる。すなわち光ディスク200を空回しの状態で回動させ続ける。
このようにすることで、光学式ピックアップ装置1の温度もしくは光学式ピックアップ装置1周辺部の温度は、下げられる。光学式ピックアップ装置1のOBL50からレーザ光が発せられて光ディスク200の記録部201へデータ/情報が記録されているときに、光学式ピックアップ装置1を構成するLD20もしくはLDD12から熱が生じ、光学式ピックアップ装置1の温度ならびにピックアップ装置1周辺部の温度が上昇する。
従来の光ディスク装置においては、光ディスクにデータ/情報の記録作業が終了した後に、光ディスクの空回し作業が行われることなく、光ディスク装置本体(101)内から光ディスク(200)が備えられたトレー(150)が、すぐに光ディスク装置本体(101)の内部から光ディスク装置本体(101)の外部に出されるものもあった。
しかしながら、光ディスク200にデータ/情報の記録作業が終了した後に、光学式ピックアップ装置1の主な熱源とされるLD20もしくはLDD12の何れか一方または両方の温度が高いときや、LD20の周辺部の温度もしくはLDD12の周辺部の温度が高いときや、ピックアップ装置1の周辺部の温度が高いときには、光ディスク装置本体101から光ディスク200が備えられたトレー150を光ディスク装置本体101の外部に出さずに、しかも光学式ピックアップ装置1のLD20からレーザ光を発することなく光ディスク200の空回しを行う。
光ディスク装置100(図1〜図3)内において、光ディスク200の空回しを行うので、光ディスク装置100内に装備された光学式ピックアップ装置1ならびにピックアップ装置1周辺部に空気の対流が発生する。この空気の対流により、光学式ピックアップ装置1を構成する加熱されたLD20(図1)もしくはLDD12は、冷まされる。また、空気の対流により、ピックアップ装置1周辺部は、冷まされる。
光ディスク200が回動されて、光ディスク200の記録部201にレーザ光が照射されながらデータ/情報の記録が行われているときに、光ディスク200の温度は、ほんの僅かに上昇する。しかしながら、前記LD20または前記LDD12の温度が上昇する度合に比べると、光ディスク200の温度が上昇する度合は、はるかに低いものとされる。
光学式ピックアップ装置1のLD20もしくはLDD12の一方または両方が、光学式ピックアップ装置1の耐熱温度(例;70℃)よりも甚だしく高い温度になろうとしたときに、光ディスク200を高速回転で空回しさせる。また、光学式ピックアップ装置1周辺部が、光学式ピックアップ装置1の耐熱温度(例;70℃)よりも甚だしく高い温度になろうとしたときに、光ディスク200を高速回転で空回しさせる。光学式ピックアップ装置1の耐熱温度を、ここでは例えば約70℃に設定する。また、光ディスク200を高速回転させる速度として、音楽鑑賞用CDが再生されるときの通常のディスク回転数に対し、例えば約8倍速を超え64倍速以下の回転速度に設定する。回転速度は、光ディスク200の種類などにより異なる。
このような制御が行われることにより、光学式ピックアップ装置1もしくは光学式ピックアップ装置1周辺部の温度が、異常に高温となることは回避される。光学式ピックアップ装置1のLD20(図1)もしくはLDD12の一方または両方が、光学式ピックアップ装置1の耐熱温度(例;70℃)よりも甚だしく高い温度になろうとしたときに、光ディスク200を高速回転で空回しさせるので、光学式ピックアップ装置1ならびに光学式ピックアップ装置1周辺部に、空気の対流が発生する。また、光学式ピックアップ装置1周辺部が、光学式ピックアップ装置1の耐熱温度(例;70℃)よりも甚だしく高い温度
になろうとしたときに、光ディスク200を高速回転で空回しさせるので、光学式ピックアップ装置1ならびに光学式ピックアップ装置1周辺部に、空気の対流が発生する。この対流により、光学式ピックアップ装置1ならびに光学式ピックアップ装置1周辺部は、確実に冷まされる。
音楽鑑賞用CDが再生されるときの通常のディスク回転数に対し、例えば約8倍速をやや超えた回転速度で光ディスク200の空回しが行われる場合、比較的静かな状態で、光学式ピックアップ装置1ならびに光学式ピックアップ装置1周辺部が徐々に冷まされる。
また、音楽鑑賞用CDが再生されるときの通常のディスク回転数に対し、例えば約16倍速の回転速度で光ディスク200の空回しが行われる場合、光ディスク装置100からやや小さい音が生じるものの、光学式ピックアップ装置1ならびに光学式ピックアップ装置1周辺部は、異常に長い時間を要することなく、適度な時間内で冷まされる。また、光ディスク装置100から生じる小さい音の騒音レベルも低く、我慢できるものとされる。
また、音楽鑑賞用CDが再生されるときの通常のディスク回転数に対し、例えば64倍速の回転速度で光ディスク200の空回しが行われる場合、光学式ピックアップ装置1ならびに光学式ピックアップ装置1周辺部は、速やかに冷まされる。従って、光学式ピックアップ装置1を冷却させるための光ディスク200の空回しは、短時間で終了する。
光学式ピックアップ装置1のLD20もしくはLDD12の一方または両方が、所定の高い温度(例;70℃)以下であって所定の温度(例;50℃)以上の高温状態とされたときに、光ディスク200を低速回転で空回しさせる。また、光学式ピックアップ装置1周辺部が、所定の高い温度(例;70℃)以下であって所定の温度(例;50℃)以上の高温状態とされたときに、光ディスク200を低速回転で空回しさせる。ここでの具体的な前記所定の高い温度は、約70℃に設定されている。この場合、所定の高い温度は、光学式ピックアップ装置1の上記耐熱温度(例;70℃)に等しいものとされる。また、例えば前記所定の高い温度を約60℃の温度に設定することも可能とされる。
また、前記所定の温度を例えば約50℃の温度に設定する。即ち、光学式ピックアップ装置1のLD20もしくはLDD12の一方または両方の温度が、例えば約50〜70℃のとき、又は、光学式ピックアップ装置1周辺部が、例えば約50〜70℃のときに、光ディスク装置100内において、光ディスク200を低速回転で空回しさせる。
光ディスク200を低速回転させる速度として、音楽鑑賞用CDが再生されるときの通常のディスク回転数に対し、例えば約1〜8倍速の回転速度に設定する。又は、光ディスク200を低速回転させる回転数として、例えば音楽鑑賞用CDが再生されるときの通常のディスク回転数すなわち約200〜500rpmの回転数に設定する。回転速度は、光ディスク200の種類などにより異なる。
このような制御が行われることにより、光学式ピックアップ装置1および光学式ピックアップ装置1周辺部は、比較的、静かな状態で冷まされる。光学式ピックアップ装置1もしくは光学式ピックアップ装置1周辺部が、所定の高い温度(例;70℃)以下であって所定の温度(例;50℃)以上の高温状態とされたときに、光ディスク200を低速回転で空回しさせるので、光ディスク装置100から騒音が生じるということが回避され、且つ、光学式ピックアップ装置1が徐々に冷まされる。従って、光ディスク装置100の熱問題と、光ディスク装置100の騒音問題とが同時に解決される。
音楽鑑賞用CDが再生されるときの通常のディスク回転数に対し、例えば約1倍速すなわち略等倍速の回転速度で光ディスク200の空回しが行われる場合、非常に静かな状態
で、光学式ピックアップ装置1ならびに光学式ピックアップ装置1周辺部が徐々に冷まされる。従って、光ディスク装置100から騒音が生じるということなく、光学式ピックアップ装置1の冷却が行われる。
また、音楽鑑賞用CDが再生されるときの通常のディスク回転数に対し、例えば約4倍速の回転速度で光ディスク200の空回しが行われる場合、光ディスク装置100は静かに駆動される。また、光学式ピックアップ装置1ならびに光学式ピックアップ装置1周辺部は、異常に長い時間を要することなく、適度な時間内で冷まされる。
また、音楽鑑賞用CDが再生されるときの通常のディスク回転数に対し、例えば8倍速の回転速度で光ディスク200の空回しが行われる場合、光学式ピックアップ装置1ならびに光学式ピックアップ装置1周辺部は、比較的静かな状態で冷まされる。また、光学式ピックアップ装置1ならびに光学式ピックアップ装置1周辺部は、異常に長い時間を要することなく、適度な時間内で冷却される。
光学式ピックアップ装置1の温度が所定の温度よりも低い温度となるまで、光ディスク200を空回しさせる。上述した如く、所定の温度を例えば約50℃の温度に設定する。光ディスク装置100を用いて、例えば光ディスク200にデータ/情報を記録させるときや、光ディスク200のデータ/情報を再生させるときや、光ディスク200のデータ/情報を消去させるときに、光ディスク装置100内における使用動作温度は、例えば約−10〜70℃とされている。また、光ディスク装置100内における好ましい使用動作温度は、例えば約0〜50℃とされている。従って、光ディスク装置100内における使用動作温度を約70℃未満、好ましくは約50℃未満に維持させることが望ましい。
光学式ピックアップ装置1の前記温度が所定の温度(例;50℃)よりも低い温度となるまで、光ディスク200を空回しさせることにより、光学式ピックアップ装置1の温度は、前記所定の温度よりも低い温度に確実に下げられる。光学式ピックアップ装置1の温度が前記所定の温度よりも低い温度となるまで光ディスク200を空回しさせるので、光学式ピックアップ装置1を構成するLD20やLDD12の熱は、光ディスク200の空回しによって発生する空気の対流により、確実に奪い去られる。
熱せられた空気は、光ディスク装置100(図2,図3)の後側から光ディスク装置100の外に出され、常温の空気が、光ディスク装置100の前側から光ディスク装置100の内に取り込まれる。光ディスク装置100を構成するトレー150のフロントパネル155側から光ディスク装置100の収容室103内に常温の空気が吸い込まれる。これにより、光学式ピックアップ装置1は、確実に冷まされる。また、常温の空気が光ディスク装置100の収容部103内に取り込まれることにより、光ディスク装置100内に熱がこもるということは回避される。
また、例えば光ディスク200の記録部201(図1)にデータ/情報の記録が完了した後に、光学式ピックアップ装置1の主な熱源とされるLD20もしくはLDD12の何れか一方または両方の温度が高いときや、前記LD20の周辺部の温度もしくは前記LDD12の周辺部の温度が高いときや、ピックアップ装置1の周辺部の温度が高いときに、光学式ピックアップ装置1からレーザ光を発することなく、予め定められた一定時間の間、引き続き光ディスク200を空回しさせるものも使用可能とされる。
光学式ピックアップ装置1が用いられて、光ディスク200の記録部201にデータ/情報の記録が完了した後に、温度センサ21により検知された温度信号に基づいて、光ディスク200の空回しを行う。詳しく説明すると、光学式ピックアップ装置1の主な熱源とされるLD20もしくはLDD12の何れか一方または両方の温度が高いときや、前記
LD20の周辺部の温度もしくは前記LDD12の周辺部の温度が高いときや、ピックアップ装置1の周辺部の温度が高いときには、LD20もしくはLDD12またはこれらの周辺近傍部に設けられた温度センサ21により検知された温度信号に基づいて、光ディスク200の空回しを行う。
上述した如く、温度センサ21により検知された信号は、A/Dコンバータ22、温度測定部23、温度判定部24を経て、空回し制御部25へ送られる。光ディスク200を空回しさせるときに、温度判定部24から送信された判定信号に基づき、光ディスク200を空回りさせる空回し制御部25から、光学式ピックアップサーボ回路3と、レーザ出力制御回路11と、モータ制御回路15とに向けて、各空回し開始信号が送信される。
光ディスク200を回動させるスピンドルモータ13を制御するモータ制御回路15に、空回し制御部25から空回し開始信号を送信させることで、光ディスク200の空回しを行わせる。このとき、光ディスク200を回動させるスピンドルモータ13の回動制御をFGパルス制御に切り換えて、光ディスク200の空回しを行う。これにより、光ディスク200は、引き続き、これまで回転されていた方向に回され続けられる。
また、このとき、光学式ピックアップサーボ回路3に、光学式ピックアップ装置1のOBL50を保持するレンズホルダ60(図2,図3)のフォーカス制御、トラッキング制御などのサーボ制御を行うためのサーボ信号は、システム制御用マイクロコンピュータ9(図1)から送信されない。従って、光学式ピックアップサーボ回路3から光学式ピックアップ装置1の位置や姿勢などを調整させる調整信号は、ピックアップ装置1に送信されない。これに伴って、光学式ピックアップ装置1のOBL50を備えるレンズホルダ60(図2,図3)は、光ディスク200の記録面201(図1)にOBL50の焦点が合わせられることのない自然状態とされる。
光ディスク装置100内において、光ディスク200の空回しを行って、光学式ピックアップ装置1を冷却させるときに、光学式ピックアップ装置1のピックアップ本体1aを光ディスク200の内周部206側(図2)から光ディスク200の外周部207側(図3)に移動させ、光ディスク200を空回しさせる。
図2,図3の如く、光ディスク装置100の内部を平面視したときに、トレー150のディスク収容部151dの周縁部151eに、光学式ピックアップ装置1のOBL50が重ねられた状態(図3)となるまで、光学式ピックアップ装置1のピックアップ本体1aを光ディスク200の最外周部207m側に移動させつつ、光ディスク200を空回しさせる。
例えば、回転する単層光ディスク200の信号内周部206s側から信号外周部207s側に向けてピックアップ本体1aを移動させつつ、単層光ディスク200に情報/データ等の信号を記録させたのちに、ピックアップ本体1aの通常待機位置とされる単層光ディスク200の内周部206側にピックアップ本体1aを移動させることなく、直接、ピックアップ本体1aを単層光ディスク200の最外周部207m側に移動させる。このとき、単層光ディスク200の回動を停止させることなく、引き続き、単層光ディスク200を回動させたままの状態で、ピックアップ本体1aを単層光ディスク200の最外周部207m側に移動させる。
また、例えば、回転する複層光ディスク(200)の信号内周部(206s)側から信号外周部(207s)側に向けてピックアップ本体1aを移動させつつ、複層光ディスク(200)の第一信号記録面に情報/データ等の信号を記録させたのちに、ピックアップ本体1aの通常待機位置とされる複層光ディスク(200)の内周部(206)側にピッ
クアップ本体1aを移動させることなく、直接、ピックアップ本体1aを複層光ディスク(200)の最外周部(207m)側に移動させる。このとき、複層光ディスク(200)の回動を停止させることなく、引き続き、複層光ディスク(200)を回動させたままの状態で、ピックアップ本体1aを複層光ディスク(200)の最外周部(207m)側に移動させる。
また、例えば、回転する複層光ディスク(200)の信号外周部(207s)側から信号内周部(206s)側に向けてピックアップ本体1aを移動させつつ、複層光ディスク(200)の第二信号記録面に情報/データ等の信号を記録させたのちに、ピックアップ本体1aの通常待機位置とされる複層光ディスク(200)の内周部(206)側にピックアップ本体1aを移動させることなく、直接、ピックアップ本体1aを複層光ディスク(200)の最外周部(207m)側に移動させる。このとき、複層光ディスク(200)の回動を停止させることなく、引き続き、複層光ディスク(200)を回動させたままの状態で、ピックアップ本体1aを複層光ディスク(200)の最外周部(207m)側に移動させる。
このような光ディスク装置100の冷却制御方法が行われることにより、光学式ピックアップ装置1は、効率よく冷まされる。例えば光ディスク200が一定の回転数で回されているときに、光ディスク200の内周部206の回転速度と、光ディスク200の最外周部207mの回転速度とを比較した場合、光ディスク200の最外周部207mの回転速度のほうが、光ディスク200の内周部206の回転速度よりもはやい。従って、光ディスク200の内周部206よりも、光ディスク200の最外周部207m周辺のほうが、空気の対流が生じ易い。
光ディスク200に情報/データ等の信号を記録させたのちに、光ディスク200の回動を停止させることなく、光学式ピックアップ装置1を光ディスク200の内周部206側(図2)から光ディスク200の最外周部207m側(図3)に移動させて、光ディスク200を空回しさせることにより、光学式ピックアップ装置1は、光ディスク200の外周部207周辺で生じた空気の対流によって効率よく冷まされる。
光ディスク装置100(図1)内の光学式ピックアップ装置1の冷却を行うときに、光学式ピックアップ装置1のLDD12への電流の供給を制御するレーザ出力制御回路11に、空回し制御部25から電流の供給を停止させる停止信号を送信させる。LD20またはLDD12の何れか一方または両方の機能を停止させて、光ディスク200を空回しさせる。図1に示す光ディスク装置100の基本構成図においては、LDD12の機能を停止させることで、同時にLD20の機能も停止するものが示されているが、例えば、レーザダイオード(4)の機能と、レーザドライバ(12)の機能とを、個別に停止させる構成のものも使用可能とされる。
上記光ディスク装置100の制御方法を行うことにより、熱せられた光学式ピックアップ装置1は、確実に冷まされる。LD20およびLDD12が、光学式ピックアップ装置1の主な熱源とされている。光学式ピックアップ装置1の主な熱源とされるLDD12またはLD20の何れか一方または両方の機能を停止させるので、光学式ピックアップ装置1からの発熱は、抑制または抑止される。また、光ディスク200の記録部201に対し、LD20からレーザ光を発することなく、光ディスク200を空回しさせるので、高い温度となったLD20およびLDD12は、光ディスク200の空回しによって発生する空気の対流により、徐々に冷まされる。
光ディスク200の空回しを実行することで空気の流れを発生させ、この空気の流れにより、高温となったLDD12や、高温となったLD20は、確実に冷まされる。また、
これと共に、ディスク装置本体101の後側に装備された回路基板(不図示)も、
空気の流れにより確実に冷まされる。
光ディスク装置100(図2,図3)の収容室103内が冷まされるときに、光ディスク装置100の後側から光ディスク装置100の外に向けて、熱せられた空気が排出される。熱せられた空気は、光ディスク装置本体101を構成する筐体105の後側に設けられた空気流排出用開口部104から光ディスク装置本体101の外に出される。また、同時に、トレー150のフロントパネル155と、光ディスク装置本体101の前側の開口部102との隙間190から、光ディスク装置100の収容部103内に常温の空気が取り込まれる。
図4に示すフローチャートに基づいて、光ディスク装置の記録制御方法について詳しく説明する。
図4は、本発明に係るディスク装置の制御方法を示すフローチャートである。光ディスク装置の電源をONの状態とさせて、光ディスク装置の制御を開始させる。
光ディスク装置のピックアップ装置が用いられて、ディスクの情報/データの書込み動作を行ったり、書換え動作を行ったり、読込み動作を行ったり、消去動作を行ったり、光ディスク装置のピックアップ装置が待機されたりする状態を、便宜上、メイン処理とする。即ち、光ディスク装置において、通常の電源ONの状態を、便宜上、メイン処理とする。
ピックアップ装置が、ディスクの情報/データに対する読込み動作(Read処理)もしくは書込み動作( Write処理)を行っているとき(S301:Yes)には、ディスクの空回し制御は行われず、光ディスク装置は、引き続き情報/データの読込み動作もしくは書込み動作などを行う。
ピックアップ装置が、ディスクの情報/データに対する読込み動作(Read処理)もしくは書込み動作( Write処理)を行っていないとき(S301:No)に、ピックアップ装置の温度Tを測定する(S302)。
ディスク空回し制御が行われていないとき(S303:No)であって、且つ、LDD12(図1)もしくはLD20の何れか一方または両方の温度Tが約70℃(図4)を超える高い温度Tになろうとしたとき(S304:Yes)には、高速モードで光ディスクの空回し制御を開始させる(S305)。
例えば、ディスク空回し制御が行われていないとき(S303:No)であって、且つ、LDDもしくはLDの何れか一方または両方の温度Tが約60℃を超える高い温度Tのときに(S304:Yes)、高速モードで光ディスクの空回し制御を開始させる(S305)ものも使用可能とされる。
光ディスクの空回し制御を開始させるときに、ピックアップ装置からディスクに向けて照射されるレーザをOFFの状態とさせ、且つ、光学式ピックアップ装置の全サーボ制御信号をOFFの状態とさせる。モータからのFGパルスによるラフな回転制御いわゆるFGパルス制御を行い、高速回転でディスクを空回しさせて、ピックアップ装置を冷却させる。このとき、ディスクは、例えばCAV方式に基づいて回される。
その後、ピックアップ装置の温度Tの測定を行い(S308)、ピックアップ装置の温度Tが約50℃以上のとき(S309:Yes)には、引き続き、前記S301以下の処
理を行う。即ち、引き続きディスクの空回しを行う。前記S303の処理時において、ディスクの空回し制御を行っているものと判断され(S303:Yes)、ディスクの空回しは、引き続き行われる。
前記S304の処理時において、LDD12(図1)もしくはLD20の何れか一方または両方の温度Tが約70℃以下(図4)のとき(S304:No)であって、且つ、LDD12(図1)もしくはLD20の何れか一方または両方の温度Tが約50℃以上(図4)のとき(S306:Yes)には、低速モードで光ディスクの空回し制御を開始させる(S307)。
例えば、前記S304の処理時において、LDDもしくはLDの何れか一方または両方の温度Tが約60℃以下のとき(S304:No)であって、且つ、LDDもしくはLDの何れか一方または両方の温度Tが約50℃以上のときに(S306:Yes)、低速モードで光ディスクの空回し制御を開始させる(S307)ものも使用可能とされる。
光ディスクの空回し制御を開始させるときに、ピックアップ装置からディスクに向けて照射されるレーザをOFFの状態とさせ、且つ、光学式ピックアップ装置の全サーボ制御信号をOFFの状態とさせる。モータからのFGパルスによるラフな回転制御いわゆるFGパルス制御を行い、低速回転でディスクを空回しさせて、ピックアップ装置を冷却させる。このとき、ディスクは、例えばCAV方式に基づいて回される。
その後、ピックアップ装置の温度Tの測定を行い(S308)、ピックアップ装置の温度Tが約50℃以上のとき(S309:Yes)には、引き続き、前記S301以下の処理を行う。即ち、引き続きディスクの空回しを行う。前記S303の処理時において、ディスクの空回し制御を行っているものと判断され(S303:Yes)、ディスクの空回しは、引き続き行われる。
前記S306の処理時において、LDD12(図1)もしくはLD20の何れか一方または両方の温度Tが約50℃(図4)よりも低い温度のときには(S306:No)、ディスクの空回しを行わない。光ディスク装置は、通常の電源ON時における上記メイン処理の状態とされる。
また、前記S309の処理時において、ピックアップ装置の温度Tが約50℃よりも低い温度のとき(S309:No)には、ディスクの空回し制御を停止させる(S310)。ディスク装置内のピックアップ装置を冷ますためのディスク装置の制御は終了する。光ディスク装置は、通常の電源ON時における上記メイン処理の状態とされる。
光ディスク200(図1〜図3)の空回し工程は、光学式ピックアップ装置1の温度Tが所定の温度未満となるまで続行される。ここでは、光ディスク200の空回しは、光学式ピックアップ装置1の温度Tが約50℃よりも低い温度になるまで続行される。
このようにすることで、重い素材が用いられることなく熱対策が行われた光ディスク装置およびその制御方法を、光ディスク装置の組立メーカなどに提供することができる。
上記ディスク装置100は、例えば、「CD−ROM」,「DVD−ROM」などの読出し専用の光ディスクや、「CD−R」,「DVD−R」,「DVD+R」などの追記型の光ディスクや、「CD−RW」,「DVD−RW」,「DVD+RW」,「DVD−RAM」,「HD−DVD」,「Blu ray Disc」などの書込み/消去や書換え可能なタイプの光ディスクに対応した光ディスク装置に装備可能とされる。
また、上記ディスク装置100は、例えば、ノート型PCや、デスクトップ型PCなどのPCや、CDプレーヤなどの音響機器や、DVDプレーヤなどの音響/映像機器などに装備可能なものとされる。また、上記光ディスク装置100は、CD系光ディスクや、DVD系光ディスク等の複数のメディアに対応可能なものとされる。
本発明のものは、熱および騒音に対し、厳しい仕様が要求される薄型のノート型PCに好適なものとされる。なお、ディスク装置100等の設計仕様などにより、本発明のものは、ノート型PCに限られることなく、例えばデスクトップ型PCや、DVDプレーヤなどに装備される各種光ディスク装置に適用可能なものとされる。本発明のものは、図1〜図4に示すものに限定されるものではない。本発明のものは、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能なものとされる。