JP2002148766A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP2002148766A
JP2002148766A JP2001123454A JP2001123454A JP2002148766A JP 2002148766 A JP2002148766 A JP 2002148766A JP 2001123454 A JP2001123454 A JP 2001123454A JP 2001123454 A JP2001123454 A JP 2001123454A JP 2002148766 A JP2002148766 A JP 2002148766A
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dye
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silver halide
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JP2001123454A
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English (en)
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Fuminori Ueda
文教 植田
Ryoji Nishimura
亮治 西村
Katsuhiro Yamashita
克宏 山下
Masami Sakurada
政美 桜田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化銀粒子表面上に増感色素を多層吸
着させて入射光子を高い効率で補足することによって、
高感度なハロゲン化銀写真感光材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に、それぞれ感度の異なる2層
以上の感色性層より構成される単位赤感性層、単位緑感
性層、及び単位青感性層と、非感光性層を有するハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料において、該各単位感光性層
を構成する感色性層のうちの最高感度層の少なくとも一
つがハロゲン化銀粒子表面上に増感色素が多層吸着して
いるハロゲン化銀乳剤を含有し、該最高感度層よりも支
持体側にあり、それとは同一感色性の低感度層に含有さ
れる乳剤の感度が、該最高感度層のハロゲン化銀乳剤の
感度に対して60%以上であることを特徴とするハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分光増感されたハロ
ゲン化銀写真乳剤を用いたハロゲン化銀カラー写真感光
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ハロゲン化銀写真感光材料の
高感度化のために多大な努力がなされてきた。ハロゲン
化銀写真乳剤においては、ハロゲン化銀粒子表面に吸着
した増感色素が感材に入射した光を吸収し、その光エネ
ルギーをハロゲン化銀粒子に伝達することによって感光
性が得られる。したがって、ハロゲン化銀の分光増感に
おいては、ハロゲン化銀粒子単位表面積あたりの光吸収
率を増加させることによってハロゲン化銀へ伝達される
光エネルギ−を増大させることが出来、分光感度の高感
度化が達成されると考えられる。ハロゲン化銀粒子表面
の光吸収率を向上させるためには、単位粒子表面積あた
りの分光増感色素の吸着量を増加させればよい。
【0003】しかし、ハロゲン化銀粒子表面への増感色
素の吸着量には限界があり、単層飽和吸着(すなわち1
層吸着)より多くの色素発色団を吸着させるのは困難で
ある。従って、分光増感領域における個々のハロゲン化
銀粒子の入射光量子の吸収率は未だ低いのが現状であ
る。
【0004】これらの点を解決する方法として提案され
たものを以下に述べる。
【0005】ピー・ビー・ギルマン・ジュニアー(P.
B.Gilman,Jr.)らは、フォトグラフィック
・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Photo
graphic Science and Engin
eering)第20巻3号、第97貢(1976年)
において、一層目にカチオン色素を吸着させ、さらに二
層目にアニオン色素を静電力を用いて吸着させた。
【0006】ジー・ビー・バード(G.B.Bird)
らは米国特許第3,622,316号において、複数の
色素をハロゲン化銀に多層吸着させ、フェルスター(F
orster)型励起エネルギ−移動の寄与によって増
感させた。
【0007】杉本らは、特開昭63−138、341
号、及び同64−84、244号において、発光性色素
からのエネルギ−移動による分光増感を行った。
【0008】アール・スタイガー(R.Steige
r)らは、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・
エンジニアリング(Photographic Sci
ence and Engineering)第27巻
2号、第59貢(1983年)において、ゼラチン置換
シアニン色素からの、エネルギ−移動による分光増感を
試みた。
【0009】池川らは、特開昭61−251842号に
おいて、シクロデキストリン置換色素からのエネルギ−
移動による分光増感を行った。
【0010】また、リチャード・パートンらは、欧州特
許0985964A1、欧州特許0985965A1、
欧州特許0985966A1、欧州特許0985965
A1において、カチオン性の色素とアニオン性の色素の
組み合わせによって多層吸着せしめ、二層目色素から一
層目色素へのエネルギー移動による高感化を試みた。
【0011】2つの別々に共役しておらず、共有結合で
連結された発色団をもつ、いわゆる連結色素について
は、例えば米国特許第2,393,351号、同2,4
25,772号、同2,518,732号、同2,52
1,944号、同2,592,196号、欧州特許56
5,083号などに記載されている。しかし、これらは
光吸収率向上を狙ったものではなかった。積極的に光吸
収率向上を狙ったものとして、ジー・ビー・バード
(G.B.Bird)、エー・エル・ボロアー(A.
L.Borror)らは米国特許3,622,317号
及び同3,976,493号において、複数のシアニン
発色団を有する連結型増感色素分子を吸着させて光吸収
率を増やし、エネルギ−移動の寄与によって増感を図っ
た。鵜飼、岡崎、杉本は特開昭64ー91134号にお
いて、少なくとも2個のスルホ基及び/又はカルボキシ
ル基を含む実質的に非吸着性のシアニン、メロシアニ
ン、およびヘミシアニン色素のうち少なくとも1つを、
ハロゲン化銀に吸着されうる分光増感色素に結合させる
ことを提案した。
【0012】また、エル・シー・ビシュワカルマ(L.
C.Vishwakarma)は特開平6−57235
号において、2つの色素の脱水縮合反応によって、連結
色素を合成する方法を示した。さらに、特開平6−27
578号において、モノメチンシアニンとペンタメチン
オキソノールの連結色素が赤感性を有することを示した
が、この場合オキソノールの発光とシアニンの吸収の重
なりがなく、色素間でのフェルスター型の励起エネルギ
−移動による分光増感はおこらず、連結されたオキソノ
ールの集光作用による高感度化は望めない。
【0013】しかしこれらの方法では、実際にはハロゲ
ン化銀粒子表面上に増感色素が多層吸着する程度は不十
分で、ハロゲン化銀粒子単位粒子表面積あたりの光吸収
率を十分に増加させることはできておらず、高感化もで
きていないのが現状である。このため色素分子間の相互
作用を強化して実質的に有効な多層吸着を実現すること
が求められていた。
【0014】カラーネガ感光材料の現像処理時間は、1
972年に導入されたコダック社のC−41処理により
迅速化され、近年ミニラボ市場に導入された富士写真フ
イルム(株)のCN−16FAではウェット処理時間で
8分15秒まで短縮化された。しかしながら、現在の処
理時間のレベルにおいても最も仕上がりの早い店頭処理
で30分前後の時間を要し大多数のユーザーに2度足を
運ぶことを強いているのが現状である。写真店に足を運
ぶのを1度にしたいというユーザーの要求に応えるため
更なる現像処理時間の短縮化が望まれている。
【0015】現像処理時間の短縮化を実現するためには
全処理時間の約40%を占める発色現像時間の短縮化が
必須である。しかし、発色現像時間の短縮化を行うと処
理変動が増大するため感材の処理安定性を改良すること
が求められていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ハロ
ゲン化銀粒子表面上に増感色素を多層吸着させて入射光
子を高い効率で補足することによって、高感度なハロゲ
ン化銀写真感光材料を提供することにある。
【0017】また、発色現像時間を短縮しても安定した
カラー画像形成方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は鋭意研究
を行なった結果、下記の(1)〜(3)により達成され
ることを見出した。
【0019】(1) 支持体上に、それぞれ感度の異な
る2層以上の感色性層より構成される単位赤感性層、単
位緑感性層、及び単位青感性層と、非感光性層を有する
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該各単位感
光性層を構成する感色性層のうちの最高感度層の少なく
とも一つがハロゲン化銀粒子表面上に増感色素が多層吸
着しているハロゲン化銀乳剤を含有し、該最高感度層よ
りも支持体側にあり、それとは同一感色性の低感度層に
含有される乳剤の感度が、該最高感度層のハロゲン化銀
乳剤の感度に対して60%以上であることを特徴とする
ハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0020】(2) 前記最高感度層よりも支持体側に
あり、それとは同一感色性の低感度層に含有される乳剤
の感度が、該最高感度層のハロゲン化銀乳剤の感度に対
して70%以上であることを特徴とする(1)に記載の
ハロゲン化銀カラ−写真感光材料。
【0021】(3) 前記各単位感光性層を構成する最
高感度層がそれぞれ、ハロゲン化銀粒子表面上に増感色
素が多層吸着しているハロゲン化銀乳剤を含有し、該最
高感度層よりも支持体側にあり、それとは同一感色性の
低感度層に含有される乳剤の感度が、該最高感度層のハ
ロゲン化銀乳剤の感度に対して60%以上であることを
特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光
材料。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、そ
れぞれ感度の異なる2層以上の感色性層より構成される
単位赤感性層、単位緑感性層、及び単位青感性層を有
し、該各単位感光性層を構成する感色性層のうちの最高
感度層の少なくとも一つがハロゲン化銀粒子表面上に増
感色素が多層吸着しているハロゲン化銀乳剤(以下、
「本発明の乳剤」ともいう。)を含有する。
【0023】本発明においてハロゲン化銀粒子表面に発
色団が多層吸着した状態とは、該乳剤に添加される増感
色素のうち、ハロゲン化銀粒子表面の色素占有面積が最
も小さい色素によって到達する単位表面積あたりの飽和
吸着量を一層飽和被覆量とし、この一層飽和被覆量に対
して色素発色団の単位面積当たりの吸着量が多い状態を
いう。また、吸着層数は一層飽和被覆量を基準とした時
の吸着量を意味する。ここで、共有結合で色素発色団が
連結された色素の場合には、連結しない状態の個々の色
素の色素占有面積を基準とすることができる。
【0024】色素占有面積は、遊離色素濃度と吸着色素
量の関係を示す吸着等温線、および粒子表面積から求め
ることができる。吸着等温線は、例えばエー・ハーツ
(A.Herz)らのアドソープション フロム アク
エアス ソリューション(Adsorption fr
om Aqueous Solution)アドバンシ
ーズ イン ケミストリー シリーズ(Advance
s in Chemistry Series)No.
17、173ページ(1968年)などを参考にして求
めることができる。
【0025】増感色素の乳剤粒子への吸着量の測定方法
としては、色素を吸着させた乳剤を遠心分離器にかけて
乳剤粒子と上澄みのゼラチン水溶液に分離し、上澄み液
の分光吸収測定から未吸着色素濃度を求めて添加色素量
から差し引くことで吸着色素量を求める方法と、沈殿し
た乳剤粒子を乾燥し、一定質量の沈殿をチオ硫酸ナトリ
ウム水溶液とメタノールの1:1混合液に溶解し、分光
吸収測定することで吸着色素量を求める方法の2つの方
法を用いることができる。複数種の増感色素を用いてい
る場合には高速液体クロマトグラフィーなどの手法で個
々の色素について吸着量を求めることもできる。上澄み
液中の色素量を定量することで色素吸着量を求める方法
は、例えばダブリュー・ウエスト(W.West)らの
ジャーナル オブ フィジカル ケミストリー(Jou
rnal of Physical Chemistr
y)第56巻、1054ページ(1952年)などを参
考にすることができる。しかし、色素添加量の多い条件
では未吸着色素までも沈降することがあり、上澄み中の
色素濃度を定量する方法では必ずしも正しい吸着量を得
られないことがあった。一方沈降したハロゲン化銀粒子
を溶解して色素吸着量を測定する方法であれば乳剤粒子
の方が圧倒的に沈降速度が速いため粒子と沈降した色素
は容易に分離でき、粒子に吸着した色素量だけを正確に
測定できる。この方法が色素吸着量を求める方法として
最も信頼性が高い。
【0026】写真性有用化合物の粒子への吸着量も増感
色素と同様に測定できるが、可視光域に吸収が小さいた
め、分光吸収による定量方法よりも高速液体クロマトグ
ラフィーによる定量方法が好ましい。
【0027】ハロゲン化銀粒子表面積の測定方法の一例
としては、レプリカ法による透過電子顕微鏡写真を撮影
して、個々の粒子の形状とサイズを求め算出する方法が
ある。この場合、平板状粒子において厚みはレプリカの
影(シャドー)の長さから算出する。透過型電子顕微鏡
写真の撮影方法としては、例えば、日本電子顕微鏡学会
関東支部編「電子顕微鏡試料技術集」誠分堂新光社19
70年刊、バターワーズ社(Buttwrworth
s)、ロンドン、1965刊、ピー・ビー・ヒルシュ
(P.B.Hirsch)らのエレクトロン マイクロ
スコープ オブ チン クリスタル(Electron
Microscopy of ThinCrysta
ls)を参考にすることができる。
【0028】他の方法としては、例えばエイ・エム・ク
ラギン(A.M.Kragin)らのジャーナル オブ
フォトグラフィック サイエンス(The Jour
nal of Photographic Scien
ce)第14巻、185ページ(1966年)、ジェイ
・エフ・パディ(J.F.Paddy)のトランスアク
ションズ オブ ザ ファラデ− ソサイアティ(Tr
ansactionsof the Faraday
Society)第60巻1325ページ(1964
年)、エス・ボヤー(S.Boyer)らのジュナル
デ シミフィジク エ デ フィジコシミ ビオロジク
(Journal de ChimiePhysiqu
e et de Physicochimie bio
logique)第63巻、1123ページ(1963
年)、ダブリュー・ウエスト(W.West)らのジャ
ーナル オブ フィジカル ケミストリー(Journ
al of Physical Chemistry)
第56巻、1054ページ(1952年)、エイチ・ソ
ーヴエニアー(H.Sauvenier)編集、イー・
クライン(E.Klein)らのインターナショナル・
コロキウム(International Coloq
uium)、リエージュ(Liege)、1959年、
「サイエンティフィック フォトグラフィー(Scie
ntific Photography)」などを参考
にすることができる。
【0029】色素占有面積は上記の方法で個々の場合に
ついて実験的に求められるが、通常用いられる増感色素
の分子占有面積はほぼ80×10−20付近である
ので、簡易的にすべての色素について色素占有面積を8
0×10−20としておおよその吸着層数を見積も
ることもできる。本発明において、ハロゲン化銀粒子に
色素発色団が多層に吸着している場合、ハロゲン化銀粒
子に直接吸着している、いわゆる一層目の色素発色団と
二層目以上の色素発色団の還元電位、及び酸化電位はい
かなるものでもよいが、一層目の色素発色団の還元電位
が二層目以上の色素発色団の還元電位の値から0.2v
を引いた値よりも、貴であることが好ましい。
【0030】還元電位、及び酸化電位の測定は、種々の
方法を用いて行うことが可能であるが、好ましくは、位
相弁別式第二高調波交流ポーラログラフィーで行う場合
であり、正確な値を求めることができる。なお、以上の
位相弁別式第二高調波交流ポーラログラフィーによる電
位の測定法はジャーナル・オブ・イメージング・サイエ
ンス(Journal of Imaging Sci
ence)、第30巻、第27頁(1986年)に記載
されている。
【0031】また、二層目以上の色素発色団は、発光性
色素の場合が好ましい。発光性色素の種類としては色素
レーザー用に使用される色素の骨格構造を持つものが好
ましい。これらは例えば、前田三男、レーザー研究、第
8巻、694頁、803頁、958頁(1980年)及
び第9巻、85頁(1981年)、及びF. Sehaefer
著、「Dye Lasers」、Springer(1973年)の中に整
理されている。
【0032】さらに、一層目の色素発色団のハロゲン化
銀写真感光材料中における吸収極大波長が二層目以上の
色素発色団の吸収極大波長よりも長波長であることが好
ましい。さらに、二層目以上の色素発色団の発光が一層
目の色素発色団の吸収と重なることが好ましい。また、
一層目の色素発色団はJ-会合体を形成した方が好まし
い。さらに、所望の波長範囲に吸収および分光感度を有
するためには、二層目以上の色素発色団もJ会合体を形
成していることが好ましい。
【0033】二層目色素の励起エネルギーの一層目色素
へのエネルギー移動効率は、好ましくは30%以上、さ
らに好ましくは60%、特に好ましくは90%以上であ
る。ここで二層目色素の励起エネルギーとは、二層目色
素が光エネルギーを吸収して生成した励起状態の色素が
有するエネルギーを指す。ある分子の持つ励起エネルギ
ーが他の分子に移動する場合には励起電子移動機構、フ
ェルスター型エネルギー移動機構(Forster M
odel)、デクスターエネルギー移動機構(Dext
or Model)等を経て励起エネルギーが移動する
と考えられているため、本研究の多層吸着系において
も、これらの機構から考えられる効率よい励起エネルギ
ー移動を起こすための条件を満たすことが好ましい。さ
らに、フェルスター型エネルギー移動機構を起こすため
の条件を満たすことが特に好ましい。フェルスター型の
エネルギー移動効率を高めるためには、乳剤粒子表面近
傍の屈折率を低下させることも有効である。
【0034】二層目色素から一層目色素へのエネルギー
移動の効率は、超高速分光学等の手法を用いて直接的に
求めることもできるが、二層目色素励起時の分光増感効
率/一層目色素励起時の分光増感効率として求めること
もできる。分光増感効率は、当該技術分野で公知の各種
方法を用いて行うことが可能であるが、例えば谷らによ
る、ジャーナル オブ フィジカル ケミストリー(J
ournal ofPhysical Chemist
ry)、94巻、1298〜1301頁(1990年)
に記載の方法、等を参考にすることができる。
【0035】多層吸着状態を実現するためには、一層目
と二層目色素およびそれ以降の色素層間に相互作用が働
くことが必要である。好ましい相互作用としては、静電
引力、疎水性相互作用、水素結合、ファンデルワールス
相互作用、双極子−双極子相互作用、双極子誘発型双極
子相互作用、ロンドンの分散力、カチオン−π相互作
用、共有結合又はこれらの任意の組合せが挙げられる。
また、相補的な化学基間での現場結合形成も有用であ
る。相補的な化学基間での現場結合形成の例としては、
ホウ素―ジオール結合や、配位結合等が挙げられる。一
層目と二層目色素およびそれ以降の色素層間に働く相互
作用は、好ましくは10kJ/mol以上である。
【0036】ハロゲン化銀粒子表面上に増感色素が多層
吸着しているハロゲン化銀写真乳剤粒子を実現する好ま
しい第一の方法は、次のような特定の色素を用いる方法
である。例えば、特開平10−239789、同8−2
69009、同10−123650号、特開平8−32
8189号に記載されている芳香族基を持つ色素、又は
芳香族基を持つカチオン色素とアニオン色素を併用する
方法、特開平10−171058号に記載されている多
価電荷を持つ色素を用いる方法、特開平10−1047
74号に記載されているピリジニウム基を持つ色素を用
いる方法、特開平10−186559号に記載されてい
る疎水性基を持つ色素を用いる方法、特開平10−19
7980号に記載されている配位結合基を持つ色素を用
いる方法、及び、特開2000−256573号、同2
000−275766号、特願平11−159731
号、同11−159730号、同11−171324
号、同11−221479号、同11−265769
号、同11−260643号、同11−331571
号、同11−331570号、同11−311039
号、同11−331567号、同11−347781
号、特願2000−18966号、特願2000―12
8039号、記載の特定の色素を用いる方法、EP09
85964A1(特開2000−89405号)、EP
0985965A1(特開2000−89408号)、
EP0985966A1(特開2000−89406
号)、 EP0985967A1(特開2000−894
07号)記載の芳香族環を持たないアニオン色素とカチ
オン色素を併用する方法、などが好ましい。
【0037】本発明では一分子あたりの色素発色団数は
1から3が好ましく、1から2がさらに好ましい。ここ
で述べた発色団とは、理化学辞典(第四版、岩波書店、
1987年)、985〜986頁に記載の分子の吸収帯の主
な原因となる原子団を意味し、例えばC=C,N=Nな
どの不飽和結合を持つ原子団など、いかなる原子団も可
能である。
【0038】例えば、シアニン色素、スチリル色素、ヘ
ミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン
色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コン
プレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン
色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキ
ソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、
アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、ア
ントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色
素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、
フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェ
ナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジ
ゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリ
ジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、
キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン
色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロ
フィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素が挙げ
られる。
【0039】好ましくは、シアニン色素、スチリル色
素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシ
アニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色
素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロ
シアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、
ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウ
ム色素、アザメチン色素などのポリメチン色素発色団が
挙げられる。さらに好ましくはシアニン色素、メロシア
ニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色
素、ロダシアニン色素であり、特に好ましくはシアニン
色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素であり、最
も好ましくはシアニン色素である。
【0040】これらの色素の詳細については、エフ・エ
ム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コ
ンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレィティド・
コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes a
nd Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド
・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロン
ドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Stu
rmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシ
ャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミス
トリー(Heterocyclic Compounds-Special topics in he
terocyclic chemistry)」、第18章、第14節、第4
82〜515貢などに記載されている。好ましい色素の
一般式としては、米国特許第5,994,051号、第
32〜36頁記載の一般式、および米国特許第5,74
7,236号、第30〜34頁記載の一般式が挙げられ
る。また、好ましいシアニン色素、メロシアニン色素、
ロダシアニン色素の一般式は、米国特許第5,340,
694号第21〜22欄の(XI)、(XII)、(XIII) に
示されているもの(ただし、n12、n15、n17、n18の数は
限定せず、0以上の整数(好ましくは4以下))が挙げ
られる。
【0041】ハロゲン化銀粒子への色素発色団の吸着
は、好ましくは1.5層以上、さらに好ましくは1.7
層以上、特に好ましくは2層以上である。なお、上限は
特にないが、10層以下が好ましく、さらに好ましくは
5層以下である。
【0042】本明細書において用いる用語の意味を以下
にまとめて記述する。 色素占有面積:色素一分子あたりの占有面積。吸着等温
線から実験的に求めることができる。共有結合で色素発
色団が連結された色素の場合には、連結しない状態の個
々の色素の色素占有面積を基準とする。簡易的には80
×10−20
【0043】一層飽和被覆量:一層飽和被覆時の単位粒
子表面積あたりの色素吸着量。添加された色素のうち最
小の色素占有面積の逆数。 多層吸着:単位粒子表面積あたりの色素発色団の吸着量
が一層飽和被覆量よりも多い状態。 吸着層数:一層飽和被覆量を基準とした時の単位粒子表
面積あたりの色素発色団の吸着量。
【0044】ハロゲン化銀粒子表面上に増感色素が多層
吸着した乳剤の増感色素による分光吸収率の最大値Ama
x、および分光感度の最大値Smaxのそれぞれ50%を示
す最も短波長と最も長波長の間隔は、好ましくは120
nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下であ
る。
【0045】またAmaxおよびSmaxの80%を示す最も短
波長と最も長波長の間隔は好ましくは20nm以上で、
好ましくは100nm以下、さらに好ましくは80nm
以下、特に好ましくは50nm以下である。
【0046】またAmaxおよびSmaxの20%を示す最も短
波長と最も長波長の間隔は、好ましくは180nm以
下、さらに好ましくは150nm以下、特に好ましくは
120nm以下、最も好ましくは100nm以下であ
る。
【0047】AmaxまたはSmaxの50%の分光吸収率を示
す最も長波長は好ましくは460nmから510nm、
または560nmから610nm、または640nmか
ら730nmである。
【0048】また一層目と二層目以降の色素の極大吸光
波長は400〜500nm又は500〜600nm又は
600〜700nm又は700〜1100nmの範囲に
あることが好ましい。
【0049】好ましい方法は、正に荷電した色素、分子
内で荷電が相殺されている色素、又は荷電を持たない色
素のみ用いる方法、又は正と負に荷電した色素を併用す
る方法である。これらの色素は少なくとも一つの芳香族
基を有していても有していなくてもよい。
【0050】芳香族基について、詳細に説明する。芳香
族基としては、炭化水素芳香族基、及び複素芳香族基が
ある。これらは、さらに炭化水素芳香族環、及び複素芳
香族環同士が縮合した多環縮合環、又は芳香族炭化水素
環と芳香族複素環が組み合わされた多環縮合環構造を持
つ基であってもよく、後述の置換基V等で置換されてい
てもよい。芳香族基に含まれる芳香族環として好ましく
は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナント
レン、フルオレン、トリフェニレン、ナフタセン、ビフ
ェニル、 ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾー
ル、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、ピラジン、
ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、インドール、
ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾフラン、
キノリジン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キ
ノキサリン、キノキサゾリン、キノリン、カルバゾー
ル、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリ
ン、チアントレン、クロメン、キサンテン、フェノキサ
チイン、フェノチアジン、フェナジン等が挙げられる。
【0051】さらに好ましくは、上述の炭化水素芳香族
環であり、特に好ましくはベンゼン、ナフタレンであ
り、最も好ましくはベンゼンである。色素としては、例
えば前述の色素発色団の例として示した色素が挙げられ
る。好ましくは、前述のポリメチン色素発色団の例とし
て示した色素が挙げられる。
【0052】さらに好ましくは、シアニン色素、スチリ
ル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メ
ロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン
色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメ
ロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色
素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコ
ニウム色素、アザメチン色素であり、さらに好ましくは
シアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色
素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素であり、
特に好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダ
シアニン色素であり、最も好ましくはシアニン色素であ
る。
【0053】増感色素を多層吸着させるための特に好ま
しい方法について、さらに詳細に説明する。すなわち、
次の(1)、(2)、又は(3)の場合が好ましい。
【0054】(1)下記一般式(I)で表されるカチオ
ン性、ベタイン性、又はノニオン性のメチン色素のうち
少なくとも一種を用いる方法。
【0055】(2)下記一般式(I)で表されるカチオ
ン性のメチン色素のうち少なくとも一種と下記一般式
(II)で表されるアニオン性のメチン色素のうち少なく
とも一種を同時に用いる方法。この場合カチオン性色素
を第一層目(内色素層)の色素として用いてもアニオン
性色素を第一層目(内色素層)の色素として用いても、
これらを混合して用いてもよい。同様に第二層目以降
(外色素層)の色素もカチオン性色素、アニオン性色素
の何れを用いても両者を混合して用いてもよい。
【0056】(3)下記一般式(I)又は下記一般式
(II)で表されるメチン色素を単独若しくは併用で第一
層目(内色素層)の色素として用い、第二層目以降(外
色素層)の色素としては一般式(I)又は一般式(II)
で表されるメチン色素以外の色素を少なくとも一種用い
る場合である。
【0057】一般式(I)
【化1】
【0058】式中、Zは含窒素複素環を形成するのに
必要な原子群を表す。ただし、これらに環が縮環してい
てもよい。Rはアルキル基、アリール基、又は複素環
基である。Qは一般式(I)で表される化合物がメチ
ン色素を形成するのに必要な基を表す。L及びL
メチン基を表す。pは0または1を表す。
【0059】ただしZ、R、Q、L、及びL
は一般式(I)で表されるメチン色素が全体としてカチ
オン色素、ベタイン色素、又はノニオン色素となる置換
基を持つものとする。ただし、一般式(I)がシアニン
色素、又はロダシアニン色素の場合は、好ましくはカチ
オン色素となる置換基を持つ場合である。Mは電荷均
衡のための対イオンを表し、mは分子の電荷を中和す
るのに必要な0以上の数を表す。
【0060】一般式(II)
【化2】
【0061】式中、Zは含窒素複素環を形成するのに
必要な原子群を表す。ただし、これらに環が縮環してい
てもよい。Rはアルキル基、アリール基、又は複素環
基である。Qは一般式(II)で表される化合物がメチ
ン色素を形成するのに必要な基を表す。L及びL
メチン基を表す。pは0または1を表す。ただし
、R、Q、L、及びLは一般式(II)で表
されるメチン色素が全体としてアニオン色素となる置換
基を持つものとする。Mは電荷均衡のための対イオン
を表し、mは分子の電荷を中和するのに必要な0以上
の数を表す。
【0062】但し、一般式(I)の化合物を単独で用い
る場合Rは芳香族環を有していてもよく、一般式
(I)の化合物と一般式(II)の化合物を併用する場合
は、R,及びRのうち少なくとも一方は、芳香族環
を有していても有していなくてもよい。一般式(I)又
は一般式(II)で表されるメチン色素以外の色素として
は、スチリル色素、ヘミオキソノール色素、オキソノー
ル色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色
素、アゾ色素型、アゾメチン色素、クマリン色素、又は
これらの種類からの色素の組み合わせが挙げられる。こ
れらの色素はカチオン色素であっても、アニオン色素で
あっても、ベタイン性、又はノニオン性であっても何れ
でもよい。
【0063】本発明においてカチオン色素とは、対イオ
ンを除いた色素の電荷がカチオン性である色素ならばい
ずれでもよい。好ましくはアニオン性の置換基を持たな
い色素である場合、または、アニオン性置換基を持って
いもそれより多くのカチオン性置換基を有し、正味の電
荷が+1、+2、+3、+4、又は+5などとなる場合
である。また、本発明においてアニオン色素とは、対イ
オンを除いた色素の電荷がアニオン性である色素ならば
いずれでもよいが、好ましくはアニオン性の置換基を1
つ以上持つ色素である。また、ベタイン色素とは、分子
内に電荷を持つが分子内塩を形成し、分子が全体として
電荷を持たない色素であり、ノニオン色素とは分子内に
電荷を全く持たない色素である。
【0064】ここで言うアニオン性置換基とは、負電荷
を有した置換基ならいかなるものでもよく、例えばpH5
〜8の間で90%以上解離したプロトン解離性酸性基が挙げ
られる。具体的には、例えばスルホ基、カルボキシル
基、スルファト基、リン酸基、ホウ酸基、が挙げられ
る。その他に、−CONHSO−基(スルホニルカル
バモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CON
HCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SO
HSO−基(スルフォニルスルファモイル基)、フェ
ノール性水酸基、など、これらのpKaと周りのpHに
よっては、プロトンが解離する基が挙げられる。さらに
好ましくはスルホ基、カルボキシル基、−CONHSO
−基、−CONHCO−基、−SONHSO−基
である。
【0065】なお、−CONHSO−基、−CONH
CO−基、−SONHSO−基は、これらのpKa
と周りのpHにより、プロトンが解離しない場合もあ
り、この場合は、ここでは言うアニオン性置換基には含
めない。すなわち、プロトンが解離しない場合は、例え
ば後述する一般式(XI)で表わされる色素に、これらの
基が2つ置換していても、カチオン色素と見なすことが
できる。
【0066】本発明においては、プロトンが解離してい
ない−CONHSO−基,−CONHCO−基,また
は−SONHSO−基,を少なくとも1つ持つ増感
色素を含有する場合が特に好ましい。さらに好ましく
は、芳香族基が、単結合または炭素数1〜4の連結基を
介して、これらの基に置換している場合である。これら
の色素は、特願平11−331571に記載されてい
る。
【0067】カチオン性置換基としては、正電荷を有し
た置換基ならいかなるものでもよい。具体的に好ましい
ものとしては、例えば置換又は無置換のアンモニオ基
(例えば、トリメチルアンモニオ基、トリエチルアンモ
ニオ基)、ピリジニオ基(例えば1−ピリジニオ基、4
−(1−メチルピリジニオ基)、ホスホニウム基(例え
ばトリメチルホスホニウム基)などが挙げられる。更
に、プロトン化により正電荷を有することができる置換
基も含まれる。例えば、一級アミノ基、二級アミノ基
(例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基)、三級ア
ミノ基(例えば、 ジメチルアミノ基、ピリジル基、イ
ミダゾリル基)が挙げられる。
【0068】一般式(I)又は(II)で表わされる色素の
うち少なくとも一方が下記一般式(XI)、(XII)、(XI
II)の何れかで表されるときか、一般式(I)及び(II)
で表わされる色素がどちらも下記一般式(XI)、(XI
I)、(XIII)の何れかで表されるときがより好ましい。
【0069】一般式(XI)
【化3】
【0070】一般式(XI)中、L、L、L
、L、L10、及びL11はメチン基を表す。p
、及びpは0または1を表す。nは0、1、2、
3または4を表す。Z及びZは含窒素複素環を形成
するために必要な原子群を表す。ただし、これらに環が
縮環していてもよい。R、Rはアルキル基、アリー
ル基、又は複素環基を表す。 Mは電荷均衡のための
対イオンを表し、mは分子の電荷を中和するのに必要
な0以上の数を表す。但し、R、R、Z、Z
〜L11は、(XI)がカチオン色素の場合アニオン
性の置換基を持たないか又はアニオン性の置換基と同数
(電荷の和が)以上のカチオン性基を有し、(XI)がベ
タイン色素の場合、カチオン性基の数(電荷の和が)よ
り一つ多い数のアニオン性の置換基を持ち、(XI)がア
ニオン色素の場合、少なくとも対塩を除く分子の総電荷
がマイナスになるのに十分なだけアニオン性の置換基を
有する。
【0071】一般式(XII)
【化4】
【0072】式(XII) 中、L12、L13、L14
及びL15はメチン基を表す。pは0又は1を表す。
は0又は1を表す。nは0、1、2、3又は4
を表す。Zは含窒素複素環を形成するために必要な原
子群を表す。ZとZ’は(N−R)qと一緒に
なって複素環、又は非環式の酸性末端基を形成するため
に必要な原子群を表す。ただし、 Z、及びZとZ
’に環が縮環していてもよい。 Rはアルキル基、
アリール基、又は複素環基を表す。 Rは水素原子、
アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。
、mは一般式(XI)と同義である。 但し、R
6、Z、Z、Z’、L12〜L15は、(XII)
がカチオン色素の場合、少なくとも一つ以上のカチオン
性基を有し、アニオン性基を有する場合にはアニオン性
の置換基より多い数(電荷の和が)のカチオン性基を有
し、(XII)がベタイン色素の場合、カチオン性基もアニ
オン性基も全く分子内に有しないか、又はカチオン性基
と同数(電荷の和が)のアニオン性の置換基を持ち、
(XII)がアニオン色素の場合、少なくとも一つ以上のア
ニオン性置換基を有し、且つ少なくとも対塩を除く分子
の総電荷がマイナスになるのに十分なだけアニオン性の
置換基を有する。
【0073】一般式(XIII)
【化5】
【0074】式(XIII)中、L16、L17、L18
19、L20、L21、L22、L23、及びL24
はメチン基を表す。p及びpは0又は1を表す。q
は0又は1を表す。n及びnは0、1、2、3又
は4を表す。Z、及びZは含窒素複素環を形成する
ために必要な原子群を表す。ZとZ’は(N−
)qと一緒になって複素環を形成するために必要
な原子群を表す。ただし、Z,ZとZ’,及びZ
には、環が縮環していてもよい。 R、及びR
アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。 R
は水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を
表す。 M、mは一般式(XI)と同義である。 但
し、R、R、R、Z、Z、 Z’、Z
16〜L24は、(XIII)がカチオン色素の場合アニ
オン性の置換基を持たないか又はアニオン性の置換基と
同数(電荷の和が)以上のカチオン性基を有し、(XII
I)がベタイン色素の場合、カチオン性基の数(電荷の和
が)より一つ多い数のアニオン性の置換基を持ち、(XI
II)がアニオン色素の場合、少なくとも対塩を除く分子
の総電荷がマイナスになるのに十分なだけアニオン性の
置換基を有する。
【0075】第二層目以降(外色素層)の色素として用
いることができる一般式(I)又は一般式(II)で表さ
れるメチン色素以外の色素としては、好ましくは下記の
ものが挙げられる。
【0076】一般式(XIV)で表されるオキソノール色
素 一般式(XIV)
【化6】
【0077】式中、AおよびAはケトメチレン又は
活性メチレン単位であり、L25からL27は置換又は
無置換のメチン基であり、これらは環の一部として含ま
れてもよい。p8は0又は正の整数を表す。 M、m
は一般式(XI)と同義である。
【0078】一般式(XV)又は一般式(XVI)のオキソ
ノール色素 一般式(XV)
【化7】
【0079】一般式(XVI)
【化8】
【0080】式中、Z10及びZ11は環式活性メチレ
ン又はケトメチレン単位を形成するために必要な原子群
であり、R10、R13は芳香族又はヘテロ芳香族基で
あり、R11、R12は電子吸引性基であり、G1からG4は
酸素原子、またはジシアノビニル(=C(CN)2)であ
り、L25〜L27、p8、 M、mは前記定義された
とおりである。
【0081】一般式(XVII)のオキソノール色素 一般式(XVII)
【化9】
【0082】式中、Xは酸素又は硫黄であり、R14〜R17
はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、複素環基を
表す。n5は0、1、2、3又は4であり、L25〜L
27、M、mは前記定義されたとおりである。
【0083】一般式(XVIII)の色素 一般式(XVIII)
【化10】
【0084】式中、A3はケトメチレン又は活性メチレン
であり、R18はアルキル基、アリール基、またはアラル
キル基である。Z12は少なくとも一個の5または6員の複
素環式核を含有する置換又は無置換の環系を完結するの
に必要な原子群を表し、R19は水素原子又は置換基を表
す。n7は0、1、2、3、又は4であり、n6は0、
1、2、3又は4である。L25〜L27、M、m
前記定義されたとおりである。
【0085】一般式(XIX)の色素 一般式(XIX)
【化11】
【0086】式中、A4はケトメチレン又は活性メチレン
であり、 R20は水素原子又は置換基を表す。n7、n6、L
25〜L27、M、mは前記定義されたとおりであ
る。
【0087】一般式(XX)の色素 一般式(XX)
【化12】
【0088】式中、A5はケトメチレン又は活性メチレン
であり、 R21は水素原子又は置換基を表す。R22及びR23
はそれぞれ個々にアリール、アルキル、アラルキルを表
す。n7、n6、L25〜L27、M、mは前記定義さ
れたとおりである。
【0089】一般式(XXI)の色素 一般式(XXI)
【化13】
【0090】式中、A6はケトメチレン又は活性メチレン
であり、 R24は水素原子又は置換基を表す。 n6、n7、L
25〜L27、M、mは前記定義されたとおりであ
る。
【0091】一般式(XXII)の色素 一般式(XXII)
【化14】
【0092】式中、A7はケトメチレン又は活性メチレン
であり、 R22、R23、n6、L25〜L 27、 M、m
前記定義されたとおりである。
【0093】一般式(XXIII)の色素 一般式(XXIII)
【化15】
【0094】式中、A8はケトメチレン又は活性メチレン
であり、 R22、R23、R24、n7、 M 、mは前記定義
されたとおりである。
【0095】一般式(XXIV)の色素 一般式(XXIV)
【化16】
【0096】式中、Q3、及びQ4はそれぞれ、アゾ結合と
共役した、少なくとも一個の複素環又は炭素環、縮合し
た又は縮合しない5又は6員環を形成するために必要な原
子群を表す。上記一般式(XIV)から(XXIV)で表される
色素は好ましくはカチオン性置換基又はアニオン性置換
基で置換されている。
【0097】本明細書中に於ける記載が「基」のような
特別の単位であるとき、これは、この単位がそれ自体、
置換されていないか又は1個若しくはそれ以上の置換基
(最大の可能な数以下)で置換されていてよいことを意
味する。例えば、「アルキル基」は置換又は非置換のア
ルキル基を指し、一方「ベンゼン基」は置換又は非置換
のベンゼン(6個以下の置換基を有する)を指す。一般
的に、他の方法で特に記載されていない限り、本明細書
に於ける分子上で使用できる置換基には、置換又は非置
換の、写真有用性のために必要な特性を破壊しない全て
の基が含まれる。上記の基の全てに於ける置換基の例に
は、後述の置換基Vの説明で挙げたものなどが挙げられ
るが、例えば、ハロゲン、例えばクロロ、フルオロ、ブ
ロモ、ヨード;アルコキシ、特に「低級アルキル」のも
の(即ち、炭素数1〜6のもの、例えば、メトキシ、エ
トキシ)、置換又は非置換のアルキル、特に低級アルキ
ル(例えば、メチル、トリフルオロメチル):チオアル
キル(例えば、メチルチオ又はエチルチオ)、特に炭素
数1〜6のもの;置換又は非置換のアリール、特に炭素
数6〜20のもの(例えば、フェニル)及び置換又は非
置換のヘテロアリール、特にN,O又はSから選択され
た1〜3個のヘテロ原子を含有する5又は6員環を有す
るもの(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリ
ル);全てのような酸又は酸塩基並びに当該技術分野で
公知のその他の置換基が含まれてよい。アルキル置換基
には特に、「低級アルキル(即ち、炭素数1〜6のも
の)、例えば、メチル及びエチルが含まれてよい。更
に、全てのアルキル基又はアルキレン基に関して、これ
らは枝分かれしていてもよいし又は枝分かれしていなく
てもよく、また環構造を含んでいてもよい。
【0098】本発明にかかわるハロゲン化銀写真乳剤
は、分光吸収極大波長が500nm以上の粒子の場合に
は光吸収強度が100以上、分光吸収極大波長が500
nm未満の粒子の場合には光吸収強度が60以上のハロ
ゲン化銀粒子を全ハロゲン化銀粒子投影面積の1/2以
上含むことが好ましい。本発明における光吸収強度と
は、単位粒子表面積あたりの増感色素による光吸収面積
強度であり、粒子の単位表面積に入射する光量をI0
該表面で増感色素に吸収された光量をIとしたときの光
学濃度Log(I0 /( I0 −I))を波数(c
-1)に対して積分した値と定義する。積分範囲は50
00cm-1から35000cm-1までである。また、分
光吸収極大波長が500nm以上の粒子の場合には、光
吸収強度は好ましくは150以上、さらに好ましくは1
70以上、特に好ましくは200以上、であり、分光吸
収極大波長が500nm未満の粒子の場合には、光吸収
強度は好ましくは90以上、さらに好ましくは100以
上、特に好ましくは120以上である。上限は特にない
が、好ましくは2000以下、さらに好ましくは100
0以下、特に好ましくは500以下である。
【0099】また分光吸収極大波長が500nm未満の
粒子に関しては、分光吸収極大波長は350nm以上で
あることが好ましい。
【0100】光吸収強度を測定する方法の一例として
は、顕微分光光度計を用いる方法を挙げることができ
る。顕微分光光度計は微小面積の吸収スペクトルが測定
できる装置であり、一粒子の透過スペクトルの測定が可
能である。顕微分光法による一粒子の吸収スペクトルの
測定については、山下らの報告(日本写真学会、199
6年度年次大会講演要旨集、15ページ)を参照するこ
とができる。この吸収スペクトルから一粒子あたりの吸
収強度が求められるが、粒子を透過する光は上部面と下
部面の二面で吸収されるため、粒子表面の単位面積あた
りの吸収強度は前述の方法で得られた一粒子あたりの吸
収強度の1/2として求めることができる。このとき、
吸収スペクトルを積分する区間は光吸収強度の定義上は
5000cm -1から35000cm-1であるが、実験上
は増感色素による吸収のある区間の前後500cm-1
度を含む区間の積分で構わない。
【0101】また、光吸収強度は増感色素の振動子強度
と単位面積当たりの吸着分子数で一義的に決定される値
であり、増感色素の振動子強度、色素吸着量および粒子
表面積を求めれば光吸収強度に換算することができる。
増感色素の振動子強度は、増感色素溶液の吸収面積強度
(光学濃度× cm-1)に比例する値として実験的に求
めることができるので、1Mあたりの色素の吸収面積強
度をA(光学濃度×cm-1)、増感色素の吸着量をB
(mol/molAg)、粒子表面積をC(m2 /mo
lAg)とすれば、次の式により光吸収強度を誤差10
%程度の範囲で求めることができる。 0.156 ×A×B/C この式から光吸収強度を算出しても、前述の定義に基づ
いて測定された光吸収強度( Log(I0 /( I0
I)) )を波数( cm-1 )に対して積分した値)と
実質的に同じ値が得られる。光吸収強度の粒子間分布の
変動係数は、好ましくは100%以下、さらに好ましく
は50%以下、特に好ましくは20%以下である。粒子
ごとの光吸収強度は上述の顕微分光を用いる方法で測定
することができ、その粒子間の標準偏差を平均値で割っ
た値(×100)が変動係数となる。
【0102】また、二層目以降の色素が層状状態で吸着
することがより好ましい。本発明において層状状態で吸
着するとは、色素吸着層の厚みに局所的な偏りがないこ
とを意味する。層状吸着の程度は、原子間力顕微鏡のよ
うな表面の凹凸を測定する方法や、西城らのジャーナル
オブ イメージング サイエンス アンド テクノロ
ジー (Journal of Imaging Sc
ience andTechnology) 37巻
384頁(1993年)に記載の分析カラー電子顕微鏡
を用いた色素発光強度分布を求める方法等を用いること
ができる。層状吸着の評価尺度は、場所による色素厚み
のゆらぎである標準偏差を用い、単層吸着の場合の標準
偏差の3倍以内の標準偏差であれば層状吸着とみなす。
【0103】本発明においては、所望の波長域で高い感
度を実現するために二層目以降に吸着する色素にJ会合
体を形成させることが好ましい。さらにJ会合体は蛍光
収率が高く、ストークスシフトも小さいため、光吸収波
長の接近した一層目色素へ二層目色素の吸収した光エネ
ルギーをフェルスター型のエネルギー移動で伝達するの
にも好ましい。本発明において、二層目以降の色素と
は、ハロゲン化銀粒子には吸着しているが、ハロゲン化
銀に直接は吸着していない色素のことである。
【0104】本発明において二層目以降の色素のJ会合
体とは、二層目以降に吸着した色素の示す吸収の長波長
側の吸収幅が、色素発色団間の相互作用のない単量体状
態の色素溶液が示す吸収の長波長側の吸収幅の2倍以下
であると定義する。ここで長波長側の吸収幅とは、吸収
極大波長と、吸収極大波長より長波長で吸収極大の1/
2の吸収を示す波長とのエネルギー幅を表す。一般にJ
会合体を形成すると単量体状態と比較して長波長側の吸
収幅は小さくなることが知られている。単量体状態で二
層目以降に吸着した場合には、吸着位置および状態の不
均一性があるため色素溶液の単量体状態の長波長側の吸
収幅の2倍以上に大きくなる。したがって、上記定義に
より二層目以降の色素のJ会合体を定義することができ
る。
【0105】二層目以降に吸着した色素の分光吸収は、
該乳剤の全体の分光吸収から一層目色素による分光吸収
を引いて求めることができる。一層目色素による分光吸
収は、一層目色素のみを添加したときの吸収スペクトル
を測定すれば求められる。また、増感色素が多層吸着し
た乳剤に色素脱着剤を添加して二層目以上の色素を脱着
させることで、一層目色素による分光吸収スペクトルを
測定することもできる。
【0106】色素脱着剤を用いて粒子表面から色素を脱
着させる実験では、通常一層目色素は二層目以降の色素
が脱着した後に脱着されるので、適切な脱着条件を選べ
ば、一層目色素による分光吸収を求めることができる。
これにより、二層目以降の色素の分光吸収を求めること
が可能となる。色素脱着剤を用いる方法は、浅沼らの報
告(ジャーナル オブ フィジカル ケミストリー B
(Journal of Physical Chem
istry B)第101巻2149頁から2153頁
(1997年))を参考にすることができる。
【0107】一般式(I)で表されるカチオン色素、ベ
タイン色素、又はノニオン色素、及び一般式(II)で表
されるアニオン色素を用いて、二層目以降の色素のJ会
合体を形成させるためには、一層目として吸着させる色
素と二層目以降に吸着させる色素を分離して添加するの
が好ましく、一層目色素と二層目以降の色素は異なる構
造の色素を用いることがより好ましい。二層目以降の色
素はカチオン性の色素、ベタイン性の色素、ノニオン性
の色素を単独、又はカチオン性の色素とアニオン性の色
素を併用して添加することが好ましい。
【0108】一層目色素はいかなる色素を用いることも
できるが、好ましくは一般式(I)または一般式(I
I)で表される色素である。二層目色素は、一般式
(I)のカチオン色素、ベタイン色素、又はノニオン色
素を単独で用いる場合が好ましい。また、これと同列に
好ましい二層目色素としてカチオン色素とアニオン色素
を併用する場合は、いずれか一方が一般式(I)のカチ
オン色素または一般式(II)のアニオン色素である場
合が好ましく、さらに一般式(I)のカチオン色素と一
般式(II)のアニオン色素を両方とも含むことが好ま
しい。二層目色素としてのカチオン性色素/アニオン性
色素の比率は、好ましくは0.5〜2、さらに好ましく
は0.75〜1.33、最も好ましくは0.9から1.
11の範囲である。
【0109】本発明では一般式(I)あるいは一般式
(II)で表される色素以外を添加しても構わないが、
一般式(I)あるいは一般式(II)で表される色素
は、好ましくは全色素添加量の50%以上、さらに好ま
しくは70%以上、最も好ましくは90%以上である。
二層目色素はこのようにして添加することにより、二層
目色素の再配列を促進しつつ、二層目色素間の相互作用
を高めることができるためJ会合体形成が実現できる。
【0110】また一般式(I)または一般式(II)の
色素において、一層目色素として使用する場合は、
,Zは芳香族基が置換した塩基性核、又は3環以
上縮環した塩基性核である場合が好ましい場合がある。
また、二層目以上の色素として使用する場合、 Z
は3環以上縮環した塩基性核である場合が好ましい
場合がある。
【0111】ここで、塩基性核の縮環数は、例えばベン
ゾオキサゾール核は2であり、ナフトオキサゾール核は
3である。また、ベンゾオキサゾール核がフェニル基で
置換されても、縮環数は2である。3環以上縮環した塩
基性核としては3環以上縮環した多環式縮環型複素環塩
基性核であればいかなるものでもよいが、例えば3環式
縮環型複素環、及び4環式縮環型複素環が挙げられる。
3環式縮環型複素環としてはナフト[2,3-d]オキサゾー
ル、ナフト[1,2-d]オキサゾール、ナフト[2,1-d]オキサ
ゾール、ナフト[2,3-d]チアゾール、ナフト[1,2-d] チ
アゾール、ナフト[2,1-d] チアゾール、ナフト[2,3-d]
イミダゾール、ナフト[1,2-d] イミダゾール、ナフト
[2,1-d] イミダゾール、ナフト[2,3-d]セレナゾール、
ナフト[1,2-d]セレナゾール、ナフト[2,1-d] セレナゾ
ール、インドロ[5,6-d]オキサゾール、インドロ[6,5-d]
オキサゾール、インドロ[2,3-d]オキサゾール、インド
ロ[5,6-d]チアゾール、インドロ[6,5-d]チアゾール、イ
ンドロ[2,3-d]チアゾール、ベンゾフロ[5,6-d]オキサゾ
ール、ベンゾフロ[6,5-d]オキサゾール、ベンゾフロ[2,
3-d]オキサゾール、ベンゾフロ[5,6-d]チアゾール、ベ
ンゾフロ[6,5-d]チアゾール、ベンゾフロ[2,3-d]チアゾ
ール、ベンゾチエノ[5,6-d]オキサゾール、ベンゾチエ
ノ[6,5-d]オキサゾール、ベンゾチエノ[2,3-d]オキサゾ
ール等が挙げられる。また、4環式縮環型複素環として
は、アントラ[2,3-d]オキサゾール、アントラ[1,2-d]オ
キサゾール、アントラ[2,1-d]オキサゾール、アントラ
[2,3-d]チアゾール、アントラ[1,2-d] チアゾール、フ
ェナントロ[2,1-d] チアゾール、フェナントロ[2,3-d]
イミダゾール、アントラ[1,2-d] イミダゾール、アント
ラ[2,1-d] イミダゾール、アントラ[2,3-d]セレナゾー
ル、フェナントロ[1,2-d] セレナゾール、フェナントロ
[2,1-d] セレナゾール、カルバゾロ[2,3-d]オキサゾー
ル、カルバゾロ[3,2-d]オキサゾール、ジベンゾフロ[2,
3-d]オキサゾール、ジベンゾフロ[3,2-d]オキサゾー
ル、カルバゾロ[2,3-d]チアゾール、カルバゾロ[3,2-d]
チアゾール、ジベンゾフロ[2,3-d]チアゾール、ジベン
ゾフロ[3,2-d]チアゾール、ベンゾフロ[5,6-d]オキサゾ
ール、ジベンゾチエノ[2,3-d]オキサゾール、ジベンゾ
チエノ[3,2-d]オキサゾール、テトラヒドロカルバゾロ
[6,7-d]オキサゾール、テトラヒドロカルバゾロ[7,6-d]
オキサゾール、ジベンゾチエノ[2,3-d]チアゾール、ジ
ベンゾチエノ[3,2-d]チアゾール、テトラヒドロカルバ
ゾロ[6,7-d]チアゾール等が挙げられる。
【0112】また、ハロゲン化銀粒子表面上を色素発色
団が多層に被覆しているような吸着状態を実現したもう
一つの好ましい方法は、連結基によって共有結合で連結
した2つ以上の色素発色団部分を持つ色素化合物(本発
明では連結色素と称する。)を用いる方法である。用い
ることのできる色素発色団としてはいかなるものでもよ
いが、前述の色素発色団で示したものが挙げられる。好
ましくは、前述の色素発色団で示したポリメチン色素発
色団である。本発明において、多層吸着とは、既述のと
おり単位粒子表面積あたりの色素発色団の吸着量が一層
飽和被覆量よりも多い状態を意味するので、2つの色素
発色団が共有結合で連結された色素として1層分吸着し
ている場合は、2層吸着していることを意味する。
【0113】例えば、特開平9−265144号に記載
されているメチン鎖で連結された色素を用いる方法、特
開平10−226758号に記載されているオキソノー
ル染料が連結された色素を用いる方法、特開平10−1
10107、同10−307358、同10−3073
59、同10−310715号に記載されている特定構
造の連結色素を用いる方法、特願平8−31212号、
特開平10−204306号、EP0887700A1
に記載されている特定の連結基を持つ連結色素を用いる
方法、特開2000−231174号、同2000−2
31172号、同2000−231173号、特願20
00−128040号に記載されている特定構造の連結
色素を用いる方法、特開2000−81678号に記載
されている反応性基を持つ色素を用い乳剤中で連結色素
を生成させる方法などが挙げられる。また、特開200
1−075222号に記載の方法なども挙げられる。
【0114】好ましい連結色素としては、下記一般式
(III)で表される色素である。
【0115】一般式(III)
【化17】
【0116】式中、D及びDは色素発色団を表わ
す。Laは連結基、又は単結合を表す。q及びrは各々
1から100までの整数を表わす。Mは電荷均衡対イ
オンを表し、mは分子の電荷を中和するのに必要な数
を表す。
【0117】D、D、Laについてさらに詳細に述
べる。
【0118】D,及びDで表わされる色素発色団と
してはいかなるものでもよい。具体的には、前述の色素
発色団で示したものが挙げられる。例えば具体的には、
前述の色素発色団で示したポリメチン色素発色団であ
る。ポリメチン色素発色団としては、シアニン色素、メ
ロシアニン色素、ロダシアニン色素、オキソノール色素
などが挙げられる。
【0119】具体的な色素の一般式としては、米国特許
第5,994,051号第32〜36頁記載の一般式、
および米国特許第5,747,236号第30〜34頁
記載の一般式が挙げられる。また、例えばシアニン色
素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素の一般式は、
米国特許第5,340,694号第21〜22欄の(X
I)、(XII)、(XIII) に示されているもの(ただし、n
12、n15、n17、n18の数は限定せず、0以上の整数(好ま
しくは4以下))が挙げられる。
【0120】また、一般式(III)で表される連結色素
がハロゲン化銀粒子に吸着した場合には、Dはハロゲ
ン化銀に直接吸着していない発色団である場合が例とし
て挙げられる。すなわち、Dのハロゲン化銀粒子への
吸着力はDよりも弱い方が好ましい場合がある。さら
に、ハロゲン化銀粒子への吸着力の序列は、D>La
>Dとなっている場合が最も好ましい場合があるがこ
れらに限定されるわけではない。
【0121】上記のように、Dはハロゲン化銀粒子へ
の吸着性を持つ増感色素部分であってもよく、物理吸
着、または化学吸着いずれによって吸着させても構わな
い。Dはハロゲン化銀粒子への吸着性が弱く、また発
光性色素の場合を含む。発光性色素の種類としては色素
レーザー用に使用される色素の骨格構造を持つものが挙
げられる。これらはたとえば、前田三男、レーザー研
究、第8巻、694頁、803頁、958頁(1980
年)及び第9巻、85頁(1981年)、及びF. Sehae
fer著、「Dye Lasers」、Springer(1973年)の中
に整理されている。
【0122】さらに、Dのハロゲン化銀写真感光材料
中における吸収極大波長がDの吸収極大波長よりも長
波長であることが好ましい場合があり、さらに、D
発光がDの吸収と重なることが好ましい場合があるが
これらに限定されるわけではない。また、DはJ-会合
体を形成した方が好ましい場合があるがこれらに限定さ
れるわけではない。さらに、一般式(III)で表される
連結色素が所望の波長範囲に吸収および分光感度を有す
るためには、DもJ会合体を形成していることが好ま
しい場合があるがこれらに限定されるわけではない。
【0123】Dの還元電位がDの還元電位の値から
0.2Vを引いた値よりも、貴であることが好ましい場
合があるが、 DとDの還元電位、及び酸化電位は
いかなるものでもよい。
【0124】Laは連結基(例えば2価の連結基)また
は単結合を表す。この連結基は、例えば炭素原子、窒素
原子、硫黄原子、酸素原子のうち、少なくとも1種を含
む原子又は原子団からなる。例えばアルキレン基(例え
ばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレ
ン、ペンタメチレン)、アリーレン基(例えばフェニレ
ン、ナフチレン)、アルケニレン基(例えば、エテニレ
ン、プロペニレン)、アルキニレン基(例えば、エチニ
レン、プロピニレン)、アミド基、エステル基、スルホ
アミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホ
ニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、エーテル
基、カルボニル基、−N(Va)−(Vaは水素原子、
又は一価の置換基を表わす。一価の置換基としては後述
のVが挙げられる。)、複素環2価基(例えば、6−ク
ロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピ
リミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−
ジイル基)を1つまたはそれ以上組み合わせて構成され
る炭素数0以上100以下、特に炭素数1以上20以下
の連結基を表す時が好ましい場合があるがこれらに限定
されるわけではない。
【0125】上記の連結基は、更に後述のVで表わされ
る置換基を有してもよい。また、これらの連結基は環
(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環)を
含有してもよい。
【0126】具体的には例えば炭素数1以上10以下の
アルキレン基(例えばメチレン、エチレン、トリメチレ
ン、テトラメチレン、ペンタメチレン)、炭素数6以上
10以下のアリーレン基(例えばフェニレン、ナフチレ
ン)、炭素数2以上10以下のアルケニレン基(例えば
エテニレン、プロペニレン)、炭素数2以上10以下の
アルキニレン基(例えば、エチニレン、プロピニレ
ン)、エーテル基、アミド基、エステル基、スルホアミ
ド基、スルホン酸エステル基を1つ又はそれ以上組み合
わせて構成される炭素数1以上10以下の2価の連結基
である。これらは、後述のVで置換されていてもよい。
【0127】Laはスルーボンド(through −bond)相
互作用によりエネルギー移動または電子移動を行っても
よい連結基である。スルーボンド相互作用にはトンネル
相互作用、超交換(super-exchange)相互作用などがあ
るが、中でも超交換相互作用に基づくスルーボンド相互
作用が好ましい。スルーボンド相互作用及び超交換相互
作用は、シャマイ・スペイサー(Shammai Speiser)
著、ケミカル・レビュー(Chem. Rev.)第96巻、第1960
−1963頁、1996年で定義されている相互作用である。こ
のような相互作用によりエネルギー移動または電子移動
する連結基としては、シャマイ・スペイサー(Shammai
Speiser) 著、ケミカル・レビュー(Chem. Rev.) 第9
6巻、第1967−1969頁、1996年に記載のものが挙げられ
る。
【0128】q及びrは1から100までの整数を表わ
す。1から5の整数である時が好ましい場合があるがこ
れらに限定されるわけではない。q及びrが2以上の場
合は含まれる複数のLa及びDはそれぞれ相異なる連
結基及び色素発色団であってもよい。一般式(III)の
色素は全体で−1の電荷を持つ場合が好ましい場合があ
るが、如何なる電荷を持ってもよい。一般式(III)にお
いて、Dの例としては前述の一般式(I)、(II)、
(XI)、(XII)、(XIII)で表される色素等が挙げら
れる。Dの例としては前述の一般式(I)、(II)、
(XI)、(XII)、(XIII)、及び一般式(XIV)から
(XXIV)であらわされる色素等が挙げられる。
【0129】以下、一般式(I)、(II)、(XI)、(X
II)、(XIII)、及び一般式(XIV)から(XXIV)で表
されるメチン化合物について詳細に述べる。一般式
(I)及び(II)中、Q及びQはメチン色素を形成す
るのに必要な基を表す。Q及びQにより、いかなる
メチン色素を形成することも可能であるが、前述の色素
発色団の例として示したメチン色素が挙げられる。
【0130】好ましい場合の例としてはシアニン色素、
メロシアニン色素、ロダシアニン色素、3核メロシアニ
ン色素、4核メロシアニン色素、アロポーラー色素、ヘ
ミシアニン色素、スチリル色素などが挙げられる。さら
に好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシ
アニン色素であり、特に好ましくはシアニン色素であ
る。これらの色素の詳細については、エフ・エム・ハー
マー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウン
ズーシアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパウ
ンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes and Relat
ed Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ
(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロンド
ン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturm
er)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャ
ル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミスト
リー(Heterocyclic Compounds-Special topics in hete
rocyclic chemistry) 」、第18章、第14節、第48
2から515貢などに記載されている。
【0131】好ましい色素の一般式としては、米国特許
第5,994,051号第32〜36頁記載の一般式、
および米国特許第5,747,236号第30〜34頁
記載の一般式が挙げられる。また、好ましいシアニン色
素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素の一般式は、
米国特許第5,340,694号第21〜22欄の(X
I)、(XII)、(XIII) に示されているもの(ただし、n
12、n15、n17、n18の数は限定せず、0以上の整数(好ま
しくは4以下))が挙げられる。
【0132】また、一般式(I)及び(II)において、Q
及びQによりシアニン色素、ロダシアニン色素が形
成される場合などは、下記のような共鳴式で表現するこ
とも可能である。
【0133】一般式(I)
【化18】
【0134】一般式(II)
【化19】
【0135】本明細書に記載の一般式中、Z、Z
、Z、Z、Z,Z、Z 10、Z11、 及
びZ12は含窒素複素環、好ましくは5又は6員の含窒
素複素環を形成するのに必要な原子群を表す。ただし、
これらに環が縮環していてもよい。環としては、芳香族
環、又は非芳香族環いずれでもよい。好ましくは芳香族
環であり、例えばベンゼン環、ナフタレン環などの炭化
水素芳香族環や、ピラジン環、チオフェン環などの複素
芳香族環が挙げられる。
【0136】含窒素複素環としてはチアゾリン核、チア
ゾール核、ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキ
サゾール核、ベンゾオキサゾール核、セレナゾリン核、
セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、テルラゾリン
核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、3,3−
ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルイ
ンドレニン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベン
ゾイミダゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、
2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン
核、3−イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノ
キザリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、
テトラゾール核、ピリミジン核などを挙げることができ
る。
【0137】これらの含窒素複素環上の置換基をVとす
ると、Vで示される置換基としては、いかなるものでも
よく、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アル
キル基{(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含
む)、また、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシ
クロアルケニル基を含む)、アルキニル基、も含むこと
とする。}、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っ
てもよい)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カ
ルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリ
ルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カル
バモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ア
リールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基
を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカル
ボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ
基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカ
プト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チ
オ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリ
ールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ
環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、
ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスフ
ォ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、その他の
公知の置換基、が例として挙げられる。
【0138】更に詳しくは、Vは、ハロゲン原子(例え
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、ア
ルキル基{〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換の
アルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは
炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オ
クチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエ
チル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ま
しくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロ
アルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチ
ル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアル
キル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは
無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から3
0のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一
価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタ
ン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−
イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含す
るものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基
(例えばアルキルチオ基のアルキル基)はこのような概
念のアルキル基を表すが、さらにアルケニル基、アルキ
ニル基も含むこととする。]、アルケニル基[直鎖、分
岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。
それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30
の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、
アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアル
ケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしく
は無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から
30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価
の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、
2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル
基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ま
しくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシ
クロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロ
アルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。
例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1
−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4
−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好
ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアル
キニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチ
ルシリルエチニル基)}、アリール基(好ましくは炭素
数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例え
ばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニ
ル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、複素環基
(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳
香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原
子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素
数3から30の5もしくは6員の芳香族の複素環基であ
る。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジ
ニル、2−ベンゾチアゾリル、なお、1−メチル−2−
ピリジニオ、1−メチル−2−キノリニオのようなカチ
オン性の複素環基でもよい。)、シアノ基、ヒドロキシ
ル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ま
しくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアル
コキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキ
シ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシ
エトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6
から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例
えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブ
チルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデ
カノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好まし
くは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、ト
リメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から3
0の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェ
ニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラ
ニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオ
キシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアル
キルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もし
くは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホ
ルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ス
テアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフ
ェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好
ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカ
ルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバ
モイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、
モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチ
ルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモ
イルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好まし
くは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキ
シカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキ
シ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニ
ルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリール
オキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から
30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル
オキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−
メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサ
デシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基
(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もし
くは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置
換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニ
リノ、ジフェニルアミノ)、アンモニオ基(好ましくは
アンモニオ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換
のアルキル、アリール、ヘテロ環が置換したアンモニオ
基、例えば、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモ
ニオ、ジフェニルメチルアンモニオ)、アシルアミノ基
(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の
置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭
素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボ
ニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミ
ノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイル
アミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニ
ルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好
ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のア
ミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、
N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジ
エチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニル
アミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは
炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカル
ボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、
エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルア
ミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−
メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシ
カルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の
置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ
基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p-クロロフ
ェノキシカルボニルアミノ、m-n−オクチルオキシフェ
ノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基
(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換
のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルア
ミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−
n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及び
アリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から
30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミ
ノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール
スルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、
ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、
2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p
−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換
もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、
エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基
(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換の
アリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェ
ニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ
基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換の
ヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、
1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファ
モイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは
無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルフ
ァモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルフ
ァモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセ
チルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、
N−(N′−フェニルカルバモイル)スルファモイ
ル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基
(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換の
アルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置
換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィ
ニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p
−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリー
ルスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換
または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置
換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチ
ルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニ
ル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ま
しくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置
換のアルキルカルボニル基、、炭素数7から30の置換
もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から
30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と
結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチ
ル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、
ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニ
ル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素
数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカ
ルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロ
ロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボ
ニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコ
キシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置
換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシ
カルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カ
ルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換も
しくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、
N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイ
ル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メ
チルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ
環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは
無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もし
くは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、
p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4
−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好まし
くは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホス
フィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしく
は無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィ
ノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィ
ノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30
の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホス
フィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシ
ホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、
炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル
オキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、
ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニル
アミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしく
は無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシ
ホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミ
ノ)、ホスフォ基、シリル基(好ましくは、炭素数3か
ら30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリ
メチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジ
メチルシリル)、ヒドラジノ基(好ましくは炭素数0か
ら30の置換もしくは無置換のヒドラジノ基、例えば、
トリメチルヒドラジノ)、ウレイド基(好ましくは炭素
数0から30の置換もしくは無置換のウレイド基、例え
ばN,N−ジメチルウレイド)、を表わす。
【0139】また、環(芳香族、又は非芳香族の炭化水
素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多
環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、
ナフタレン環、アントラセン環、キノリン環、フェナン
トレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセ
ン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェ
ン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール
環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジ
ン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン
環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリ
ジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、
キノキサリン環、キノキサゾリン環、キノリン環、カル
バゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェ
ナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサン
テン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェ
ナジン環、が挙げられる。)が縮合した構造をとること
もできる。
【0140】上記の官能基の中で、水素原子を有するも
のは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても
よい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボ
ニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノス
ルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、
アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。
その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、
p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセ
チルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基
が挙げられる。
【0141】Z、Z、Z、Z、Z、Z,及
びZによって形成される複素環の具体例としては、米
国特許第5,340,694号第23〜24欄の
11、Z12、Z13、Z14、 及びZ16の例と
して挙げられているものと同様なものが挙げられる。一
般式(I)、(II)、(XI)、(XII)、(XIII)、及び
一般式(XIV)から(XXIV)で表される色素が、一般式
(III)中のDで表される発色団を表すとき、分子内
に置換基としてカルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基
を有することが好ましい場合があるがこれらに限られる
わけではない。
【0142】ZとZ’と(N−R)q は一緒
になって、複素環、又は非環式の酸性末端基を形成する
ために必要な原子群を表わす。複素環(好ましくは5又
は6員の複素環)としてはいかなるものでもよいが、例
えば酸性核が挙げられる。次に、酸性核及び非環式の酸
性末端基について説明する。酸性核及び非環式の酸性末
端基は、いかなる一般のメロシアニン色素の酸性核及び
非環式の酸性末端基の形をとることもできる。例えばZ
はチオカルボニル基、カルボニル基、エステル基、ア
シル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホニル基であ
る。 Z’は酸性核及び非環式の酸性末端基を形成す
るために必要な残りの原子群を表す。非環式の酸性末端
基を形成する場合は、例えばチオカルボニル基、カルボ
ニル基、エステル基、アシル基、カルバモイル基、シア
ノ基、スルホニル基などである。
【0143】qは0又は1であるが、好ましくは1で
ある。ここでいう酸性核及び非環式の酸性末端基は、例
えばジェイムス(James)編「ザ・セオリー・オブ
・ザ・フォトグラフィック・プロセス」(The Th
eory of the Photographic
Process)第4版、マクミラン出版社、1977
年、198〜200貢に記載されている。ここでは、非
環式の酸性末端基とは、酸性すなわち電子受容性の末端
基のうち、環を形成しないものを意味することとする。
【0144】酸性核及び非環式の酸性末端基は、具体的
には、米国特許第3、567、719号、第3、57
5、869号、第3、804、634号、第3、83
7、862号、第4、002、480号、第4、92
5、777号、特開平3−167546号、米国特許第
5,994,051号、米国特許第5,747,236
号などに記載されているものが挙げられる。
【0145】酸性核は、炭素、窒素、及び/又はカルコ
ゲン(典型的には酸素、硫黄、セレン、及びテルル)原
子からなる複素環(好ましくは5員又は6員の含窒素複
素環)を形成するとき好ましく、さらに好ましくは炭
素、窒素、及び/又はカルコゲン(典型的には酸素、硫
黄、セレン、及びテルル)原子からなる5員又は6員の
含窒素複素環を形成するときである。具体的には、例え
ば次の核が挙げられる。
【0146】2−ピラゾリン−5−オン、ピラゾリジン
−3、5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダント
イン、2または4−チオヒダントイン、2−イミノオキ
サゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、
2―チオオキサゾリジン−2、5―ジオン、2−チオオ
キサゾリン−2、4−ジオン、イソオキサゾリン−5−
オン、2−チアゾリン−4−オン、チアゾリジン−4−
オン、チアゾリジン−2、4−ジオン、ローダニン、チ
アゾリジン−2、4−ジチオン、イソローダニン、イン
ダン−1、3−ジオン、チオフェン−3−オン、チオフ
ェン−3−オン−1、1−ジオキシド、インドリン−2
−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリ
ニウム、3−オキソインダゾリニウム、5、7−ジオキ
ソ−6、7−ジヒドロチアゾロ[3,2-a]ピリミジン、シ
クロヘキサン−1、3−ジオン、3、4−ジヒドロイソ
キノリン−4−オン、1、3−ジオキサン−4、6−ジ
オン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クロ
マン−2、4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリ
ド[1,2−a]ピリミジン−1、3−ジオン、ピラゾ
ロ[1,5−b]キナゾロン、ピラゾロ[1,5−a]
ベンゾイミダゾール、ピラゾロピリドン、1、2、3、
4−テトラヒドロキノリン−2、4−ジオン、3−オキ
ソ−2、3−ジヒドロベンゾ[d]チオフェンー1、1
−ジオキサイド、3−ジシアノメチン−2、3−ジヒド
ロベンゾ[d]チオフェン−1、1−ジオキサイドの
核。
【0147】さらに、これらの核を形成しているカルボ
ニル基もしくはチオカルボニル基を、酸性核の活性メチ
レン位で置換したエキソメチレン構造を有する核、及
び、非環式の酸性末端基の原料となるケトメチレンやシ
アノメチレンなどの構造を有する活性メチレン化合物の
活性メチレン位で置換したエキソメチレン構造を有する
核。
【0148】これらの酸性核、及び非環式の酸性末端基
には、前述の置換基Vで示した置換基又は環が、置換し
ていても、縮環していてもよい。
【0149】ZとZ’と(N−R)qによって
形成される環としては、具体的には例えばヒダントイ
ン、2または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン
−5−オン、2−チオオキサゾリン−2、4−ジオン、
チアゾリジン−2、4−ジオン、ローダニン、チアゾリ
ジン−2、4−ジチオン、バルビツール酸、2−チオバ
ルビツール酸が挙げられるが、これらに限定されるわけ
ではない。
【0150】ZとZ’と(N−R)q によっ
て形成される複素環としては、前述の ZとZ’と
(N−R)q の複素環の説明で述べたものと同じ
ものが挙げられる。例えば前述の ZとZ’と(N
−R)qの複素環の説明で述べた酸性核からオキソ
基、又はチオキソ基を除いたものである。
【0151】具体的には例えばヒダントイン、2または
4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、
2−チオオキサゾリン−2、4−ジオン、チアゾリジン
−2、4−ジオン、ローダニン、チアゾリジン−2、4
−ジチオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸
からオキソ基、又はチオキソ基を除いたものである。
【0152】qは0又は1であるが、好ましくは1で
ある。
【0153】A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、及びA8はケ
トメチレン又は活性メチレン単位を表す。具体的には例
えば、アルキルカルボニルメチレン基、アリールカルボ
ニルメチレン基、シアノメチレン基、ジシアノメチレン
基、アルキルカルボニルシアノメチレン基、アリールカ
ルボニルシアノメチレン基が挙げられ、更に環を形成し
ていてもよい。環を形成しているものの例として先ほど
挙げた酸性核などが挙げられる。例えば2−ピラゾリン
−5−オン、ピラゾリジン−3、5−ジオン、イミダゾ
リン−5−オン、ヒダントイン、2または4−チオヒダ
ントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−
オキサゾリン−5−オン、2―チオオキサゾリジン−
2、5―ジオン、2−チオオキサゾリン−2、4−ジオ
ン、イソオキサゾリン−5−オン、2−チアゾリン−4
−オン、チアゾリジン−4−オン、チアゾリジン−2、
4−ジオン、ローダニン、チアゾリジン−2、4−ジチ
オン、イソローダニン、インダンー1、3−ジオン、チ
オフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1、1−
ジオキシド、インドリン−2−オン、インドリン−3−
オン、2−オキソインダゾリニウム、3−オキソインダ
ゾリニウム、5、7−ジオキソ−6、7−ジヒドロチア
ゾロ[3,2-a]ピリミジン、シクロヘキサン−1、3−ジ
オン、3、4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1、
3−ジオキサン−4、6−ジオン、バルビツール酸、2
−チオバルビツール酸、クロマン−2、4−ジオン、イ
ンダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジ
ン−1、3−ジオン、ピラゾロ[1,5−b]キナゾロ
ン、ピラゾロ[1,5−a]ベンゾイミダゾール、ピラ
ゾロピリドン、1、2、3、4−テトラヒドロキノリン
−2、4−ジオン、3−オキソ−2、3−ジヒドロベン
ゾ[d]チオフェン−1、1−ジオキサイド、3−ジシ
アノメチン−2、3−ジヒドロベンゾ[d]チオフェン
−1、1−ジオキサイドの核などである。
【0154】R、R、R、R、R、R、R
、 R14、 R15、R16、R 17、 R18、R
22、及びR23はそれぞれ独立にアルキル基、アリー
ル基、及び複素環基である。R、R、R19、R
20、R21、及びR24はそれぞれ独立に水素原子、
アルキル基、アリール基、及び複素環基である。
、R、R、R、R、R、R、R、R
、 R14、R15、R 、R17、R18、R
19、R20、R21、R22、R23、及びR24
して表されるアルキル基、アリール基、及び複素環基と
して、具体的には、例えば、炭素原子1から18無置換
アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、
ドデシル、オクタデシル)、炭素原子1から18の置換
アルキル基{例えば置換基として前述のVが置換したア
ルキル基が挙げられる。好ましくはアラルキル基(例え
ばベンジル、2−フェニルエチル)、不飽和炭化水素基
(例えばアリル基、ビニル基)、ヒドロキシアルキル基
(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロ
ピル)、カルボキシアルキル基(例えば、2−カルボキ
シエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブ
チル、カルボキシメチル)、アルコキシアルキル基(例
えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキ
シ)エチル)、アリーロキシアルキル基(例えば2−フ
ェノキシエチル、2−(1−ナフトキシ)エチル)、ア
ルコキシカルボニルアルキル基(例えばエトキシカルボ
ニルメチル、2−ベンジルオキシカルボニルエチル)、
アリーロキシカルボニルアルキル基(例えば3−フェノ
キシカルボニルプロピル)、アシルオキシアルキル基
(例えば2−アセチルオキシエチル)、アシルアルキル
基(例えば2−アセチルエチル)、カルバモイルアルキ
ル基(例えば2−モルホリノカルボニルエチル)、スル
ファモイルアルキル基(例えばN,N−ジメチルスルフ
ァモイルメチル)、スルホアルキル基(例えば、2−ス
ルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、
4−スルホブチル、2−[3−スルホプロポキシ]エチ
ル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホ
プロポキシエトキシエチル)、スルホアルケニル基、ス
ルファトアルキル基(例えば、2ースルファトエチル
基、3−スルファトプロピル、4−スルファトブチ
ル)、複素環置換アルキル基(例えば2−(ピロリジン
−2−オン−1−イル)エチル、テトラヒドロフルフリ
ル)、アルキルスルホニルカルバモイルアルキル基(例
えばメタンスルホニルカルバモイルメチル基)、アシル
カルバモイルアルキル基(例えばアセチルカルバモイル
メチル基)、アシルスルファモイルアルキル基(例えば
アセチルスルファモイルメチル基)、アルキルスルフォ
ニルスルファモイルアルキル基(例えばメタンスルフォ
ニルスルファモイルメチル基)}、炭素数6から20、
の無置換アリール基(例えばフェニル基、1ーナフチル
基)、炭素数6から20の置換アリール基(例えば置換
基の例として挙げた前述のVが置換したアリール基が挙
げられる。具体的にはp−メトキシフェニル基、p−メ
チルフェニル基、p−クロロフェニル基などが挙げられ
る。)、炭素数1から20の無置換複素環基(例えば2
−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピ
ラゾリル、3−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリ
ル、2−イミダゾリル、2−オキサゾリル、2−チアゾ
リル、2−ピリダジル、2−ピリミジル、3−ピラジ
ル、2−(1,3,5-トリアゾリル)、3−(1,2,4-トリア
ゾリル)、5−テトラゾリル)、炭素数1から20の置
換複素環基(例えば置換基の例として挙げた前述のVが
置換した複素環基が挙げられる。具体的には5−メチル
−2−チエニル基、4−メトキシ−2−ピリジル基など
が挙げられる。)が挙げられる。
【0155】R、R、R、R、R、R、R
、R、R、 R14、R15、R16、R17
18、R19、R20、R21、R22、R23、及
びR 24が芳香族基を有する場合には、具体的には例え
ば以下のようなものが挙げられる。炭化水素芳香族環を
有するアルキル基として、アラルキル基(例えば、ベン
ジル、2−フェニルエチル、ナフチルメチル、2−(4
−ビフェニル)エチル)、アリーロキシアルキル基(例
えば、2−フェノキシエチル、2−(1−ナフトキシ)
エチル、2−(4−ビフェニロキシ)エチル、2−
(o,mあるいはp−ハロフェノキシ)エチル、2−
(o,mあるいはp−メトキシフェノキシ)エチル)、
アリーロキシカルボニルアルキル基(3−フェノキシカ
ルボニルプロピル、2−(1−ナフトキシカルボニル)
エチル)などが挙げられる。また、複素芳香族環を有す
るアルキル基として例えば、2−(2−ピリジル)エチ
ル、2−(4−ピリジル)エチル、2−(2−フリル)
エチル、2−(2−チエニル)エチル、2−(2−ピリ
ジルメトキシ)エチルが挙げられる。炭化水素芳香族基
としては4−メトキシフェニル、フェニル、ナフチル、
ビフェニルなどが挙げられる。複素芳香族基としては、
2ーチエニル基、4−クロロー2−チエニル、2ーピリ
ジル、3ーピラゾリルなどが挙げられる。
【0156】また、炭化水素芳香族環を有するアルキル
基として、スルホ基、リン酸基、及またはカルボキシル
基が置換したアラルキル基(例えば、2−スルホベンジ
ル、4−スルホベンジル、4−スルホフェネチル、3−
フェニル−3−スルホプロピル、3−フェニル−2−ス
ルホプロピル、4,4−ジフェニル−3−スルホブチ
ル、2−(4’−スルホ−4−ビフェニル)エチル、4
−ホスホベンジル)、スルホ基、リン酸基、及またはカ
ルボキシル基が置換したアリーロキシカルボニルアルキ
ル基(3−スルホフェノキシカルボニルプロピル)、ス
ルホ基、リン酸基、及またはカルボキシル基が置換した
アリーロキシアルキル基(例えば、2−(4−スルホフ
ェノキシ)エチル、2−(2−ホスホフェノキシ)エチ
ル、4,4−ジフェノキシ−3−スルホブチル)、など
が挙げられる。
【0157】また、複素芳香族環を有するアルキル基と
しては、3−(2−ピリジル)−3−スルホプロピル、
3−(2−フリル)−3−スルホプロピル、2−(2−
チエニル)−2−スルホプロピルなどが挙げられる。炭
化水素芳香族基としてはスルホ基、リン酸基、及または
カルボキシル基が置換したアリール基(例えば、4−ス
ルホフェニル、4−スルホナフチル)、複素芳香族基と
しては、スルホ基、リン酸基、及またはカルボキシル基
が置換した複素環基(例えば、4−スルホー2ーチエニ
ル基、4−スルオー2ーピリジル基)などが挙げられ
る。
【0158】また、 R、R、R、R、R
、R、R、R、 R14、R15、R16
17、R18、R19、R20、R21、R22、R
23、及びR24が芳香族基を有しない場合には、具体
的には例えば以下のようなものが挙げられる。
【0159】カチオン性置換基としては、3−トリメチ
ルアンモニオプロピル基、3−トリエチルアンモニオプ
ロピル基、3−トリメチルホスホニオプロピル基、4−
トリプロピルアンモニオブチル基、3−(N-エチル-N,N
-ジメチル)アンモニオプロピル基、3-{N-(3−トリメ
チルアンモニオプロピル)-3-ピリジニオ}プロピル基、
3−(N-ピリジニオ)プロピル、4−グアニジノブチル
基、3−ジメチルアミノプロピル基、3−(N-メチルア
ミノ)プロピル基などが挙げられる。アニオン性置換基
としては、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル
基、2−スルホエチル基、3-スルホブチル基、2−カル
ボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基などが挙げ
られる。
【0160】また、中性置換基としては、エチル、プロ
ピル、メチル、メチルスルホニルカルバモイルメチル基
などが挙げられる。前述の一般式(I)、(II)、(X
I)、(XII)、(XIII)で表されるメチン色素が、一般
式(III)中のDで表される発色団を表すとき、
、R、R、R、R、R、R、R、R
で表される置換基としては上述の無置換アルキル基、
置換アルキル基(例えば、カルボキシアルキル基、スル
ホアルキル基、アラルキル基、アリーロキシアルキル
基)が好ましい場合があるが、これらに限定されるわけ
ではない。
【0161】前述の一般式(I)、(II)、(XI)、(XI
I)、(XIII)、及び一般式(XIV)から(XXIV)で表さ
れるメチン色素が、一般式(III)中のDで表される
発色団を表すとき、 R、R、R、R、R
、R、R、R、 R 14、R15、R16
17、R18、R19、R20、R21、R22、R
23、及びR24で表される置換基としては、無置換ア
ルキル基、置換アルキル基、アニオン性の置換基を持つ
アルキル基(例えばカルボキシアルキル基、スルホアル
キル基)が好ましい場合があるが、これらに限定される
わけではない。
【0162】R10、及びR13は芳香族基を表し、芳香族基
の例としては前述のものが挙げられる。R11、及びR12は
電子吸引基を表し、Hammett(Chem.Rev.1991,91,165)
の置換基定数σP値又はσm値のうちの何れか一方が正
の値を持つものであれば如何なるものでもよいが、例え
ば、シアノ基、アルキルまたはアリールカルボニル基、
アルコキシまたはアリーロキシカルボニル基、アルキル
又はアリールスルホニル基等が挙げられる。R10とR11、
及びR12とR13で環を形成していてもよい。
【0163】L、L、L、L、L、L、L
、L、L、L10、L11、L12、L13、L
14、L15、L16、L17、L18、L19、L
20、L21、L22、L23、L24、L25、L
26、及びL27はそれぞれ独立に置換又は無置換のメ
チン基を表す。L〜L27で表されるメチン基は置換
基を有していてもよく、置換基としては前述のVが挙げ
られる。例えば置換又は無置換の炭素数1から15のア
ルキル基(例えば、メチル、エチル、2−カルボキシエ
チル)、置換または無置換の炭素数6から20のアリー
ル基(例えばフェニル、o−カルボキシフェニル)、置
換または無置換の炭素数3から20の複素環基(例えば
N,N−ジメチルバルビツール酸基)、ハロゲン原子、
(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、炭素数1から1
5のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ)、炭素
数0から15のアミノ基(例えばメチルアミノ、N,N
−ジメチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、
N−メチルピペラジノ)、炭素数1から15のアルキル
チオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ)、炭素数6か
ら20のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メ
チルフェニルチオ)などが挙げられる。また他のメチン
基と環を形成してもよく、もしくはZ〜Z25、R
〜R25と共に環を形成することもできる。
【0164】n、n、n、n及びp8はそれぞれ
独立に0、1、2、3または4を表す。好ましくは0、
1、2、3であり、更に好ましくは0、1、2であり、
特に好ましくは0、1である。nおよびnはそれぞ
れ独立に0、1、2又は3である。n、n、n
、n、n及びp8が2以上の時、メチン基が繰り
返されるが同一である必要はない。p、p、p
、p、p、及びpはそれぞれ独立に0または
1を表す。好ましくは0である。Q3、及びQ4はそれぞ
れ、アゾ結合と共役した、少なくとも一個の複素環又は
炭素環、縮合した又は縮合しない5又は6員環を形成する
ために必要な原子群を表す。
【0165】M、 M、M3、及びM4は色素のイオ
ン電荷を中性にするために必要であるとき、陽イオン又
は陰イオンの存在を示すために式の中に含められてい
る。典型的な陽イオンとしては水素イオン(H)、ア
ルカリ金属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウム
イオン、リチウムイオン)、アルカリ土類金属イオン
(例えばカルシウムイオン)などの無機陽イオン、アン
モニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、テトラ
アルキルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウム
イオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデ
セニウムイオン)などの有機イオンが挙げられる。陰イ
オンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであ
ってもよく、ハロゲン陰イオン(例えばフッ素イオン、
塩素イオン、沃素イオン)、置換アリ−ルスルホン酸イ
オン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロ
ルベンゼンスルホン酸イオン)、アリ−ルジスルホン酸
イオン(例えば1、3−ベンゼンスルホン酸イオン、
1、5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2、6−ナフ
タレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例
えばメチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イ
オン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、
ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンス
ルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマ
ー又は色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよい。
また、CO 、SO は、対イオンとして水素イオ
ンを持つときはCOH、SOHと表記することも可
能である。
【0166】m、 m、m、及びmは電荷を均
衡させるのに必要な0以上の整数を表し、好ましくは0
〜4であり、さらに好ましくは0〜1であり、分子内で
塩を形成する場合には0である。次に、発明の実施の形
態の説明で詳細に述べた、特に好ましい技術で使われる
色素(以下、「本発明の増感色素」ともいう。)の具体
例だけを以下に示す。もちろん、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0167】
【化20】
【0168】
【化21】
【0169】
【化22】
【0170】
【化23】
【0171】
【化24】
【0172】
【化25】
【0173】
【化26】
【0174】
【化27】
【0175】
【化28】
【0176】
【化29】
【0177】本発明の色素は、エフ・エム・ハーマー
(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−
シアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパウンズ
(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes and Related C
ompounds) 」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(Joh
n Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1
964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer) 著
「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−スペシャル・ト
ピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(H
eterocyclic Compounds-Special topics in heterocycl
ic chemistry) 」、第18章、第14節、第482から
515項、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wi
ley & Sons) 社−ニューヨーク、ロンドン、197
7年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コ
ンパウンズ(Rodd's Chemistry of Carbon Compounds)」
2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第15章、第369
から422項、エルセビア・サイエンス・パブリック・
カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Com
pany Inc.)社刊、ニューヨーク、及び上述した特許・文
献(具体例の説明のために引用したもの)などに記載の
方法に基づいて合成することができる。
【0178】本発明において、本発明の増感色素だけで
なく、本発明以外の他の増感色素を用いたり、併用して
もよい。用いられる色素として、好ましくはシアニン色
素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素、3核メロシ
アニン色素、4核メロシアニン色素、アロポーラー色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素などが挙げられ
る。さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色
素、ロダシアニン色素であり、特に好ましくはシアニン
色素である。これらの色素の詳細については、エフ・エ
ム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コ
ンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレィティド・
コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes a
nd Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド
・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、
ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.
M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズース
ペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケ
ミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topics i
n heterocyclic chemistry) 」、第18章、第14節、
第482から515貢などに記載されている。
【0179】好ましい色素としては、米国特許第5,9
94,051号第32〜44頁記載、及び米国特許第
5,747,236号第30〜39頁記載の一般式、及
び具体例で示された増感色素が挙げられる。また、好ま
しいシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色
素の一般式は、米国特許第5、340、694号第21
〜22欄の(XI)、(XII)、(XIII)に示されてい
るもの(ただし、n12、n15、n17、n18の数は限定せず、
0以上の整数(好ましくは4以下)とする。)が挙げら
れる。
【0180】これらの増感色素は1種用いてもよいが、
2種以上用いてもよく、増感色素の組み合わせは、特に
強色増感の目的でしばしば用いられる。その代表例は米
国特許第2,688,545号、同2,977,229
号、同3,397,060号、同3,522,052
号、同3,527,641号、同3,617,293
号、同3,628,964号、同3,666,480
号、同3,672,898号、同3,679,428
号、同3,303,377号、同3,769,301
号、同3,814,609号、同3,837,862
号、同4,026,707号、英国特許1,344,2
81号、同1,507,803号、特公昭43−493
36号、同53−12375号、特開昭52−1106
18号、同52−109925号などに記載されてい
る。
【0181】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでよ
い。本発明における分光増感において有用な強色増感剤
(例えば、ピリミジルアミノ化合物、トリアジニルアミ
ノ化合物、アゾリウム化合物、アミノスチリル化合物、
芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物、アザインデン化
合物、カドミウム塩)、及び強色増感剤と増感色素の組
み合わせは、例えば米国特許第3,511,664号、
同3,615,613号、同3,615,632号、同
3,615,641号、同4,596,767号、同
4,945,038号、同4,965,182号、同
4,965,182号、同2,933,390号、同
3,635,721号、同3,743,510号、同
3,617,295号、同3,635,721号等に記
載されており、その使用法に関しても上記の特許に記載
されている方法が好ましい。
【0182】本発明の増感色素(また、その他の増感色
素、強色増感剤についても同様)を本発明のハロゲン化
銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用である事が認
められている乳剤調製の如何なる工程中であってもよ
い。例えば、米国特許第2,735,766号、同3,
628,960号、同4,183,756号、同4,2
25,666号、特開昭58−184142号、同60
−196749号等に開示されているように、ハロゲン
化銀の粒子形成工程または/及び脱塩前の時期、脱塩工
程中及び/または脱塩後から化学熟成の開始前迄の時
期、特開昭58−113920号等に開示されているよ
うに、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後
塗布迄の時期の乳剤が塗布される前なら如何なる時期、
工程に於いて添加されてもよい。また、米国特許第4,
225,666号、特開昭58−7629号等に開示さ
れているように、同一化合物を単独で、または異種構造
の化合物と組み合わせて、例えば、粒子形成工程中と化
学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学
熟成の前または工程中と完了後とに分けるなどして分割
して添加してもよく、分割して添加する化合物及び化合
物の組み合わせの種類をも変えて添加されてもよい。
【0183】本発明の増感色素(また、その他の増感色
素、強色増感剤についても同様)の添加量としては、ハ
ロゲン化銀粒子の形状、サイズにより異なるが、ハロゲ
ン化銀1モル当たり、1×10−6〜8×10−3モル
で用いることができる。例えば、ハロゲン化銀粒子サイ
ズが0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀1モ
ル当たり、2×10−6〜3.5×10−3モルの添加
量が好ましく、7.5×10−6〜1.5×10−3
ルの添加量がより好ましい。但し、前述したように本発
明の増感色素を多層吸着させる場合は、多層吸着するの
に必要な量を添加する。
【0184】本発明の増感色素(また、その他の増感色
素、強色増感剤についても同様)は、直接乳剤中へ分散
することができる。また、これらはまず適当な溶媒、例
えばメチルアルコール、エチルアルコール、メチルセロ
ソルブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれらの混合
溶媒などの中に溶解され、溶液の形で乳剤中へ添加する
こともできる。この際、塩基や酸、界面活性剤などの添
加物を共存させることもできる。また、溶解に超音波を
使用することもできる。また、この化合物の添加方法と
しては米国特許第3,469,987号などに記載のご
とき、該化合物を揮発性の有機溶媒に溶解し、該溶液を
親水性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加
する方法、特公昭46−24185号などに記載のごと
き、水溶性溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤中へ添
加する方法、米国特許第3,822,135号に記載の
ごとき、界面活性剤に化合物を溶解し、該溶液を乳剤中
へ添加する方法、特開昭51−74624号に記載のご
とき、レッドシフトさせる化合物を用いて溶解し、該溶
液を乳剤中へ添加する方法、特開昭50−80826号
に記載のごとき、化合物を実質的に水を含まない酸に溶
解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法などが用いられ
る。その他、乳剤中への添加には米国特許第2,91
2,343号、同3,342,605号、同2,99
6,287号、同3,429,835号などに記載の方
法も用いられる。
【0185】本発明においては、増感色素以外のハロゲ
ン化銀に吸着性の化合物を含有させることも好ましい。
増感色素以外にハロゲン化銀粒子に吸着する写真性有用
化合物としては、被り防止剤、安定化剤、造核剤等が挙
げられる。被り防止剤、安定化剤については、例えばリ
サーチディスクロージャー誌(Research Di
sclosure)176巻アイテム17643(RD176
43)、同187巻アイテム18716(RD18716)および同
308巻アイテム308119(RD308119)に記載の化合
物を用いることができる。また、造核剤としては、例え
ば米国特許第2,563,785号、同2,588,9
82号に記載されたヒドラジン類、米国特許第3,22
7,552号に記載されたヒドラジド類、ヒドラゾン
類、英国特許1,283,835号、特開昭52−69
613号、同55−138742号、同60−1183
7号、同62−210451号、同62−291637
号、米国特許第3,615,515号、同3,719,
494号、同3,734,738号、同4,094,6
83号、同4,115,122号、同4306016
号、同4471044号等に記載された複素環4級塩化
合物、米国特許第3,718,470号に記載された、
造核作用のある置換基を色素分子中に有する増感色素、
米国特許第4,030,925号、同4,031,12
7号、同4,245,037号、同4,255,511
号、同4,266,013号、同4,276,364
号、英国特許第2,012,443号等に記載されたチ
オ尿素結合型アシルヒドラジン系化合物、及び米国特許
第4,080,270号、同4,278,748号、英
国特許第2,011,391B号等に記載されたチオア
ミド環やトリアゾール、テトラゾール等のヘテロ環基を
吸着基として結合したシアルヒドラジン系化合物等が用
いられる。
【0186】本発明において好ましい吸着物としての写
真性有用化合物は、チアゾールやベンゾトリアゾール等
の含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物、チオエー
テル化合物、スルフィン酸化合物、チオスルフォン酸化
合物、チオアミド化合物、尿素化合物、セレノ尿素化合
物およびチオ尿素化合物であり、特に好ましくは含窒素
ヘテロ環化合物、メルカプト化合物、チオエーテル化合
物およびチオ尿素化合物であり、特に好ましくは含窒素
ヘテロ環化合物である。
【0187】写真性有用化合物の吸着量は、好ましくは
1×10-5〜5×10-3mol/mol Agであり、さらに好ましくは
5×10-5〜1×10-3mol/mol Agである。
【0188】本発明において感光機構をつかさどる写真
乳剤にはハロゲン化銀として臭化銀、ヨウ臭化銀、塩臭
化銀、ヨウ化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ臭塩化銀、塩化銀の
いずれを用いてもよいが、乳剤最外表面のハロゲン組成
が0.1mol%以上、さらに好ましくは1mol%以
上、特に好ましくは5mol%以上のヨードを含むこと
によりより強固な多層吸着構造が構築できる。また好ま
しくは20mol%以下、さらに好ましくは10mol
%以下である。
【0189】粒子サイズ分布は、広くても狭くてもいず
れでもよいが、狭い方がよりこのましい。
【0190】写真乳剤のハロゲン化銀粒子は、立方体、
八面体、十四面体、斜方十二面体のような規則的(regu
lar)な結晶体を有するもの、また球状、板状などのよ
うな変則的(irregular)な結晶形をもつもの、高次の
面((hkl)面)をもつもの、あるいはこれらの結晶
形の粒子の混合からなってもよいが、好ましくは平板状
粒子であり、平板状粒子については下記に詳細に記述す
る。高次の面を持つ粒子についてはJournal of Imaging
Science誌、第30巻(1986年)の247頁から2
54頁を参照することができる。
【0191】また、本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、
上記のハロゲン化銀粒子を単独または複数混合して含有
していても良い。ハロゲン化銀粒子は、内部と表層が異
なる相をもっていても、接合構造を有するような多相構
造であっても、粒子表面に局在相を有するものであって
も、あるいは粒子全体が均一な相から成っていても良
い。またそれらが混在していてもよい。
【0192】これら各種の乳剤は潜像を主として表面に
形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像
型のいずれでもよい。
【0193】本発明では、ハロゲン組成が塩化銀、臭化
銀、塩臭化銀、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀
の平板ハロゲン化銀粒子が好ましく使用される。平板粒
子は、(100)又は(111)かの主表面を持つもの
が好ましい。(111)主表面を有する平板粒子、以下
これを(111)平板と呼ぶ、は普通三角形か六角形の
面をもつ。一般的には分布がより均一になれば、より六
角形の面を持つ平板粒子の比率が高くなる。六角形の単
分散平板に関しては特公平5−61205号に記載され
ている。
【0194】(100)面を主表面に持つ平板状粒子、
以下(100)平板と呼ぶ、は長方形または正方形の形
も持つ。この乳剤においては針状粒子より、隣接辺比が
5:1未満の粒子が平板粒子と呼ばれる。塩化銀或いは
塩化銀を多く含む平板粒子においては、(100)平板
粒子は本来(111)平板に比べて主表面の安定性が高
い。(111)平板の場合は、(111)主表面を安定
化させる事が必要であるが、それに関しては特開平9−
80660号、特開平9−80656号、米国特許第5
298388号に記載されている。
【0195】本発明において用いられる塩化銀或いは塩
化銀の含有率の高い(111)平板に関しては下記の特
許に開示されている。
【0196】米国特許第4414306号、米国特許第
4400463号、米国特許第4713323号、米国
特許第4783398号、米国特許第4962491
号、米国特許第4983508号、米国特許第4804
621号、米国特許第5389509号、米国特許第5
217858号、米国特許第5460934号。
【0197】本発明に用いられる高臭化銀(111)平
板粒子に関しては下記の特許に記載されている。
【0198】米国特許第4425425号、米国特許第
4425426号、米国特許第443426号、米国特
許第4439520号、米国特許第4414310号、
米国特許第4433048号、米国特許第464752
8号、米国特許第4665012号、米国特許第467
2027号、米国特許第4678745号、米国特許第
4684607号、米国特許第4593964号、米国
特許第4722886号、米国特許第4722886
号、米国特許第4755617号、米国特許第4755
456号、米国特許第4806461号、米国特許第4
801522、米国特許第4835322号、米国特許
第4839268号、米国特許第4914014号、米
国特許第4962015号、米国特許第4977074
号、米国特許第4985350号、米国特許第5061
609号、米国特許第5061616号、米国特許第5
068173号、米国特許第5132203号、米国特
許第5272048号、米国特許第5334469号、
米国特許第5334495号、米国特許第535884
0号、米国特許第5372927号。
【0199】本発明に用いられる(100)平板に関し
ては、下記の特許に記載されている。米国特許第438
6156号、米国特許第5275930号、米国特許第
5292632号、米国特許第5314798号、米国
特許第5320938号、米国特許第5319635
号、米国特許第5356764号、欧州特許第5699
71号、欧州特許第737887号、特開平6−308
648号、特開平9−5911号。
【0200】本発明のハロゲン化銀乳剤に含有されるハ
ロゲン化銀粒子は、本発明に開示する増感色素を吸着せ
しめた、より表面積/体積比の高い平板状ハロゲン化銀
粒子であることが好ましく、アスペクト比は好ましくは
2以上100以下、より好ましくは5以上80以下、更
に好ましくは8以上80以下であり、平板状粒子の厚さ
は、0.2μm未満が好ましく、より好ましくは0.1
μm未満、更に好ましくは0.07μm未満である。こ
の様な高アスペクト比で且つ薄い平板粒子を調製する為
に下記の技術が適用される。
【0201】本発明の平板粒子は粒子間の転位線量分布
が均一であることが望ましい。本発明の乳剤は1粒子当
たり10本以上の転位線を含むハロゲン化銀粒子が全粒
子の100ないし50%(個数)を占めることが好まし
く、より好ましくは100ないし70%を、特に好まし
くは100ないし90%を占める。50%を下回ると粒
子間の均質性の点で好ましくない。
【0202】本発明において転位線を含む粒子の割合及
び転位線の本数を求める場合は、少なくとも100粒子
について転位線を直接観察して求めることが好ましく、
より好ましくは200粒子以上、特に好ましくは300
粒子以上について観察して求める。
【0203】本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コ
ロイドとして、及びその他の親水性コロイド層のバイン
ターとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、そ
れ以外の親水性コロイドも用いることができる。例え
ば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフ
トポリマー、アルブミン、カゼインのような蛋白質;ヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、セルロース硫酸エステル類のようなセルロース誘導
体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体のような糖誘導体;
ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセ
タール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルイミダゾール、ポリビニルピラゾールのような単一あ
るいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用
いることができる。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチン
のほか、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.
Photo.Japan.No.16.P30(196
6)に記載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよ
く、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いる
ことができる。本発明の乳剤は脱塩のために水洗し、新
しく用意した保護コロイド分散にすることが好ましい。
水洗の温度は目的に応じて選べるが、5℃〜50℃の範
囲で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選
べるが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好ま
しくは3〜8の範囲である。水洗時のpAg も目的に応じ
て選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗の
方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、遠
心分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから選んで
用いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を用
いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを用
いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶこ
とができる。
【0204】本発明の乳剤調製時、例えば粒子形成時、
脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を存在
させることは目的に応じて好ましい。粒子にドープする
場合には粒子形成時、粒子表面の修飾あるいは化学増感
剤として用いる時は粒子形成後、化学増感終了前に添加
することが好ましい。粒子全体にドープする場合と粒子
のコアー部のみ、あるいはシェル部のみにドープする方
法も選べる。例えば、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、
Sc、Y、La、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Ga、Ru、Rh、Pd、Re、Os、I
r、Pt、Au、Cd、Hg、Tl、In、Sn、P
b、Biを用いることができる。これらの金属はアンモ
ニウム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水酸塩あ
るいは6配位錯塩、4配位錯塩など粒子形成時に溶解さ
せることができる塩の形であれば添加できる。例えば、
CdBr、CdCl、Cd(NO、Pb(N
、Pb(CHCOO)、K[Fe(C
N)]、(NH[Fe(CN)]、KIr
Cl、(NHRhCl、KRu(CN)
があげられる。配位化合物のリガンドとしてハロ、ア
コ、シアノ、シアネート、チオシアネート、ニトロシ
ル、チオニトロシル、オキソ、カルボニルのなかから選
ぶことができる。これらは金属化合物を1種類のみ用い
てもよいが2種あるいは3種以上を組み合せて用いてよ
い。またリガンドとして有機化合物を用いることも好ま
しい。
【0205】金属化合物は水またはメタノール、アセト
ンのような適当な有機溶媒に溶かして添加するのが好ま
しい。溶液を安定化するためにハロゲン化水素水溶液
(例えば、HCl、HBr)あるいはハロゲン化アルカ
リ(例えば、KCl、NaCl、KBr、NaBr)を
添加する方法を用いることができる。また必要に応じ酸
・アルカリなどを加えてもよい。金属化合物は粒子形成
前の反応容器に添加しても粒子形成の途中で加えること
もできる。また水溶性銀塩(例えば、AgNO)ある
いはハロゲン化アルカリ水溶液(例えば、NaCl、K
Br、KI)に添加しハロゲン化銀粒子形成中連続して
添加することもできる。さらに水溶性銀塩、ハロゲン化
アルカリとは独立の溶液を用意し粒子形成中の適切な時
期に連続して添加してもよい。さらに種々の添加方法を
組み合せるのも好ましい。
【0206】米国特許第3,772,031号に記載さ
れているようなカルコゲン化合物を乳剤調製中に添加す
る方法も有用な場合がある。S、Se、Te以外にもシ
アン塩、チオシアン塩、セレノシアン酸、炭酸塩、リン
酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0207】本発明のハロゲン化銀粒子は硫黄増感、セ
レン増感等のカルコゲン増感;金増感、パラジウム増感
等の貴金属増感;還元増感の少なくとも1つをハロゲン
化銀乳剤の製造工程の任意の工程で施こすことができ
る。2種以上の増感法を組み合せることは好ましい。ど
の工程で化学増感するかによって種々のタイプの乳剤を
調製することができる。粒子の内部に化学増感核をうめ
込むタイプ、粒子表面から浅い位置にうめ込むタイプ、
あるいは表面に化学増感核を作るタイプがある。本発明
の乳剤は目的に応じて化学増感核の場所を選ぶことがで
きるが、一般に好ましいのは表面近傍に少なくとも一種
の化学増感核を作った場合である。
【0208】本発明で好ましく実施しうる化学増感の一
つはカルコゲン増感と貴金属増感の単独又は組合せであ
り、ジェームス(T.H.James)著、ザ・フォト
グラフィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1
977年、(T.H.James、The Theor
y of the Photographic Pro
cess,4th ed,Macmillan,197
7)67−76頁に記載されるように活性ゼラチンを用
いて行うことができるし、またリサーチ・ディスクロー
ジャー、120巻、1974年4月、12008;リサ
ーチ・ディスクロージャー、34巻、1975年6月、
13452、米国特許第2,642,361号、同第
3,297,446号、同第3,772,031号、同
第3,857,711、同第3,901,714号、同
第4,266,018号、および同第3,904,41
5号、並びに英国特許第1,315,755号に記載さ
れるようにpAg 5〜10、pH5〜8および温度30〜8
0℃において硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジ
ウム、イリジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せと
することができる。貴金属増感においては、金、白金、
パラジウム、イリジウム等の貴金属塩を用いることがで
き、中でも特に金増感、パラジウム増感および両者の併
用が好ましい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウム
クロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫
化金、金セレナイドのような公知の化合物を用いること
ができる。パラジウム化合物はパラジウム2価塩または
4価の塩を意味する。好ましいパラジウム化合物は、R
PdXまたはRPdXで表わされる。ここでR
は水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を
表わす。Xはハロゲン原子を表わし塩素、臭素または沃
素原子を表わす。
【0209】具体的には、KPdCl、(NH
PdCl、NaPdCl、(NHPdC
、LiPdCl、NaPdClまたはK
PdBrが好ましい。金化合物およびパラジウム化合
物はチオシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と併用す
ることが好ましい。硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿
素系化合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,8
57,711号、同第4,266,018号および同第
4,054,457号に記載されている硫黄含有化合物
を用いることができる。いわゆる化学増感助剤の存在下
に化学増感することもできる。有用な化学増感助剤に
は、アザインデン、アザピリダジン、アザピリミジンの
ごとき、化学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を
増大するものとして知られた化合物が用いられる。化学
増感助剤改質剤の例は、米国特許第2,131,038
号、同第3,411,914号、同第3,554,75
7号、特開昭58−126526号および前述ダフィン
著「写真乳剤化学」、138〜143頁に記載されてい
る。
【0210】本発明の乳剤は金増感を併用することが好
ましい。金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀1モ
ル当り1×10−4〜1×10−7モルであり、さらに
好ましいのは1×10−5〜5×10−7モルである。
パラジウム化合物の好ましい範囲は1×10−3から5
×10−7である。チオシアン化合物あるいはセレノシ
アン化合物の好ましい範囲は5×10−2から1×10
−6である。本発明のハロゲン化銀粒子に対して使用し
得る好ましい硫黄増感剤量はハロゲン化銀1モル当り1
×10−4〜1×10−7モルであり、さらに好ましい
のは1×10−5〜5×10−7モルである。
【0211】本発明の乳剤に対して好ましい増感法とし
てセレン増感がある。セレン増感においては、公知の不
安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状金属
セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチル
セレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素)、セレノケ
トン類、セレノアミド類のようなセレン化合物を用いる
ことができる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金属増
感あるいはその両方と組み合せて用いた方が好ましい場
合がある。
【0212】本発明のハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、
粒子形成後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、ある
いは化学増感後に還元増感することは好ましい。
【0213】ここで、還元増感とは、ハロゲン化銀乳剤
に還元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg 1
〜7の低pAg の雰囲気で成長あるいは熟成させる方法、
高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの雰囲気で成長あ
るいは熟成させる方法のいずれを選ぶこともできる。ま
た2つ以上の方法を併用することもできる。
【0214】還元増感剤を添加する方法は還元増感のレ
ベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。
【0215】還元増感剤としては、例えば、第一錫塩、
アスコルビン酸およびその誘導体、アミンおよびポリア
ミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン
酸、シラン化合物、ボラン化合物が公知である。本発明
の還元増感にはこれら公知の還元増感剤を選んで用いる
ことができ、また2種以上の化合物を併用することもで
きる。還元増感剤としては塩化第一錫、二酸化チオ尿
素、ジメチルアミンボラン、アスコルビン酸およびその
誘導体が好ましい化合物である。還元増感剤の添加量は
乳剤製造条件に依存するので添加量を選ぶ必要がある
が、ハロゲン化銀1モル当り10−7〜10−3モルの
範囲が適当である。還元増感剤は、例えば、水あるいは
アルコール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、
アミド類のような有機溶媒に溶かし粒子成長中に添加さ
れる。あらかじめ反応容器に添加するのもよいが、粒子
成長の適当な時期に添加する方法が好ましい。また水溶
性銀塩あるいは水溶性アルカリハライドの水溶性にあら
かじめ還元増感剤を添加しておき、これらの水溶液を用
いてハロゲン化銀粒子を沈澱せしめてもよい。また粒子
成長に伴って還元増感剤の溶液を何回かに分けて添加し
ても連続して長時間添加するのも好ましい方法である。
【0216】本発明の乳剤の製造工程中に銀に対する酸
化剤を用いることが好ましい。銀に対する酸化剤とは、
金属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有する
化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程および
化学増感過程において副生するきわめて微小な銀粒子
を、銀イオンに変換せしめる化合物が有効である。ここ
で生成する銀イオンは、例えば、ハロゲン化銀、硫化
銀、セレン化銀のような水に難溶の銀塩を形成してもよ
く、又、硝酸銀のような水に易溶の銀塩を形成してもよ
い。銀に対する酸化剤は、無機物であっても、有機物で
あってもよい。無機の酸化剤としては、例えば、オゾ
ン、過酸化水素およびその付加物(例えば、NaBO
・H・3HO、2NaCO・3H、N
・2H、2NaSO・H
・2HO)、ペルオキシ酸塩(例えば、K
、K、K)、ペルオキシ錯
体化合物(例えば、K[Ti(O)C]・3
O、4KSO・Ti(O)OH・SO・2
O、Na[VO(O)(C]・6H
O)、過マンガン酸塩(例えば、KMnO)、クロ
ム酸塩(例えば、KCr)のような酸素酸塩、
沃素や臭素のようなハロゲン元素、過ハロゲン酸塩(例
えば、過沃素酸カリウム)、高原子価の金属の塩(例え
ば、ヘキサシアノ第二鉄酸カリウム)およびチオスルフ
ォン酸塩がある。
【0217】また、有機の酸化剤としては、p−キノン
のようなキノン類、過酢酸や過安息香酸のような有機過
酸化物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−
ブロムサクシンイミド、クロラミンT、クロラミンB)
が例として挙げられる。
【0218】本発明の好ましい酸化剤は、オゾン、過酸
化水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフォ
ン酸塩の無機酸化剤及びキノン類の有機酸化剤である。
前述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用するのは好ま
しい態様である。酸化剤を用いたのち還元増感を施こす
方法、その逆方法あるいは両者を同時に共存させる方法
のなかから選んで用いることができる。これらの方法は
粒子形成工程でも化学増感工程でも選んで用いることが
できる。
【0219】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちチアゾール
類、例えば、ベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾー
ル類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミ
ダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプト
チアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカ
プトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニ
トロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類
(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール);
メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン類;例
えば、オキサドリンチオンのようなチオケト化合物;ア
ザインデン類、例えば、トリアザインデン類、テトラア
ザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3
a,7)チトラアザインデン類)、ペンタアザインデン
類のようなかぶり防止剤または安定剤として知られた、
多くの化合物を加えることができる。例えば、米国特許
第3,954,474号、同第3,982,947号、
特公昭52−28660号に記載されたものを用いるこ
とができる。好ましい化合物の一つに特開昭63−21
2932号に記載された化合物がある。かぶり防止剤お
よび安定剤は粒子形成前、粒子形成中、粒子形成後、水
洗工程、水洗後の分散時、化学増感前、化学増感中、化
学増感後、塗布前のいろいろな時期に目的に応じて添加
することができる。乳剤調製中に添加して本来のかぶり
防止および安定化効果を発現する以外に、粒子の晶壁を
制御する、粒子サイズを小さくする、粒子の溶解性を減
少させる、化学増感を制御する、色素の配列を制御する
など多目的に用いることができる。
【0220】本発明のハロゲン化銀乳剤を用いて製造さ
れる感光材料は、支持体上に、実質的に感色性は同じで
あるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層からな
る単位感光性層であって、青色光に感色性を有する単位
青感性層、緑色光に感色性を有する単位緑感性層、及び
赤色光に感色性を有する単位赤感性層を具備する。本発
明の感光材料において、ハロゲン化銀乳剤層及び非感光
性層の層数及び層順に特に制限はない。多層ハロゲン化
銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光性層
の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、
青感色性層の順に設置される。しかし、目的に応じて上
記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる
感光性層が挾まれたような設置順をもとり得る。
【0221】上記のハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。
【0222】該中間層には、特開昭61−43748
号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号に記
載されるようなカプラー、DIR化合物が含まれていて
もよく、通常用いられるように混色防止剤を含んでいて
もよい。
【0223】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いるこ
とができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低
くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤
層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、
特開昭57−112751号、同62−200350
号、同62−206541号、同62−206543号
に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳
剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。
【0224】具体例として支持体から最も遠い側から、
例えば低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層
(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性
層(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光
性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/R
H/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/
RHの順等に設置することができる。
【0225】また特公昭55−34932号公報に記載
されているように、支持体から最も遠い側からBH/B
L/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。
【0226】また特公昭49−15495号に記載され
ているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤
層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤
層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳
剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められ
た感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59−202464号に記載されているよ
うに、同一感色性層中において支持体より離れた側から
中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置
されてもよい。
【0227】その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。
【0228】また、4層以上の場合にも、上記の如く配
列を変えてよい。上記のように、それぞれの感光材料の
目的に応じて種々の層構成、配列を選択することができ
る。
【0229】本発明の感光材料は、各単位感光性層を構
成する感色性層のうちの最高感度層の少なくとも一つが
ハロゲン化銀粒子表面上に増感色素が多層吸着している
ハロゲン化銀写真乳剤(すなわち、本発明の乳剤)を含
有し、該最高感度層よりも支持体側にあり、それとは同
一感色性の低感度層に含有される乳剤の感度が、該最高
感度層のハロゲン化銀乳剤の感度に対して60%以上で
あり、好ましくは70%以上である。また、本発明の感
光材料は、好ましくは各単位感光性層を構成する感色性
層のうちの最高感度層がそれぞれ、本発明の乳剤を含有
し、該各最高感度層よりも支持体側にあり、それとは同
一感色性の低感度層に含有される乳剤の感度が、該最高
感度層のハロゲン化銀乳剤の感度に対して60%以上で
あり、より好ましくは70%以上である。
【0230】本発明の乳剤を用いた最高感度層の塗布銀
量は、好ましくは1平方メートルあたり0.1〜3.0
g,更に好ましくは0.3g〜2gの範囲である。
【0231】本発明に関する感光材料には、前記の種々
の添加剤が用いられるが、それ以外にも目的に応じて種
々の添加剤を用いることができる。
【0232】これらの添加剤は、より詳しくはリサーチ
・ディスクロージャー Item17643(1978
年12月)、同 Item 18716(1979年1
1月)および同 Item 308119(1989年
12月)に記載されており、その該当個所を後掲の表に
まとめて示した。
【0233】 添加剤種類 RD17643 RD18716 RD308119 1 化学増感剤 23頁 648 頁右欄 996 頁 2 感度上昇剤 同 上 3 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄〜 996 右〜998 右 強色増感剤 649 頁右欄 4 増 白 剤 24頁 647 頁右欄 998 右 5 かぶり防止剤、 24〜25頁 649 頁右欄 998 右〜1000右 および安定剤 6 光吸収剤、 25〜26頁 649 頁右欄〜 1003左〜1003右 フィルター染料、 650 頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650 左〜右欄 1002右 8 色素画像安定剤 25頁 1002右 9 硬 膜 剤 26頁 651 頁左欄 1004右〜1005左 10 バインダー 26頁 同 上 1003右〜1004右 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650 頁右欄 1006左〜1006右 12 塗布助剤、 26〜27頁 同 上 1005左〜1006左 表面活性剤 13 スタチック 27頁 同 上 1006右〜1007左 防 止 剤 14 マット剤 1008左〜1009左 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許4,411,987号や同第
4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと
反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加するこ
とが好ましい。
【0234】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643、VII −C〜G、および同
No.307105、VII −C〜Gに記載された特許に
記載されている。
【0235】イエローカプラーとしては、例えば米国特
許第3,933,501号、同第4,022,620
号、同第4,326,024号、同第4,401,75
2号、同第4,248,961号、特公昭58−107
39号、英国特許第1,425,020号、同第1,4
76,760号、米国特許第3,973,968号、同
第4,314,023号、同第4,511,649号、
欧州特許第249,473A号、等に記載のものが好ま
しい。
【0236】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同第4,351,897
号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24230(1984年6月)、特開
昭60−43659号、同61−72238号、同60
−35730号、同55−118034号、同60−1
85951号、米国特許第4,500,630号、同第
4,540,654号、同第4,556,630号、国
際公開WO88/04795号に記載のものが特に好ま
しい。
【0237】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,0
52,212号、同第4,146,396号、同第4,
228,233号、同第4,296,200号、同第
2,369,929号、同第2,801,171号、同
第2,772,162号、同第2,895,826号、
同第3,772,002号、同第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許
第121,365A号、同第249,453A号、米国
特許第3,446,622号、同第4,333,999
号、同第4,775,616号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、同第4,690,8
89号、同第4,254,212号、同第4,296,
199号、特開昭61−42658号等に記載のものが
好ましい。
【0238】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、同第4,4
09,320号、同第4,576,910号、英国特許
第2,102,137号、欧州特許第341,188A
号に記載されている。
【0239】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0240】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーN
o.17643のVII −G項、同No.307105のVI
I −G項、米国特許第4,163,670号、特公昭5
7−39413号、米国特許第4,004,929号、
同第4,138,258号、英国特許第1,146,3
68号に記載のものが好ましい。また、米国特許第4,
774,181号に記載のカップリング時に放出された
蛍光色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラー
や、米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬
と反応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱
基として有するカプラーを用いることも好ましい。
【0241】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた本発明で好ましく使用できる。
現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のRD1
7643、VII −F項及び同No.307105、VII
−F項に記載された特許、特開昭57−151944
号、同57−154234号、同60−184248
号、同63−37346号、同63−37350号、米
国特許第4,248,962号、同第4,782,01
2号に記載されたものが好ましい。
【0242】現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進
剤を放出するカプラーとしては、英国特許第2,09
7,140号、同第2,131,188号、特開昭59
−157638号、同59−170840号に記載のも
のが好ましい。また、特開昭60−107029号、同
60−252340号、特開平1−44940号、同1
−45687号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元
反応により、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶
剤等を放出する化合物も好ましい。
【0243】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,4
72号、同第4,338,393号、同第4,310,
618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−18
5950号、特開昭62−24252号等に記載のDI
Rレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出
カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしく
はDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第
173,302A号、同第313,308A号に記載の
離脱後復色する色素を放出するカプラー、RD.No.1
1449、同24241、特開昭61−201247号
等に記載の漂白促進剤放出カプラー、米国特許第4,5
55,477号等に記載のリガンド放出カプラー、特開
昭63−75747号に記載のロイコ色素を放出するカ
プラー、米国特許第4,774,181号に記載の蛍光
色素を放出するカプラーが挙げられる。
【0244】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
の分散方法により感光材料に導入できる。
【0245】水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の
例は、例えば、米国特許第2,322,027号に記載
されている。水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点
が175℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フ
タル酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−ter
t−アミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−
tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス
(1,1−ジエチルプロピル)フタレート);リン酸ま
たはホスホン酸のエステル類(例えば、トリフェニルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘ
キシルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホ
スフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、
トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフ
ェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ−2−エ
チルヘキシルフェニルホスホネート);安息香酸エステ
ル類(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、ドデ
シルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキ
シベンゾエート);アミド類(例えば、N,N−ジエチ
ルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド、
N−テトラデシルピロリドン);アルコール類またはフ
ェノール類(例えば、イソステアリルアルコール、2,
4−ジ−tert−アミルフェノール);脂肪族カルボ
ン酸エステル類(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)
セバケート、ジオクチルアゼレート、グリセロールトリ
ブチレート、イソステアリルラクテート、トリオクチル
シトレート);アニリン誘導体(例えば、N,N−ジブ
チル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリ
ン);炭化水素類(例えば、パラフィン、ドデシルベン
ゼン、ジイソプロピルナフタレン)を例示することがで
きる。また補助溶剤としては、例えば、沸点が約30℃
以上、好ましくは50℃以上かつ約160℃以下の有機
溶剤が使用でき、典型例としては、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテー
ト、ジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0246】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用ラテックスの具体例は、例えば、米国特許第4,19
9,363号、西独特許出願(OLS)第2,541,
274号および、同第2,541,230号に記載され
ている。
【0247】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オ
ン、n−ブチル−p−ヒドロキシベンゾエート、フェノ
ール、4−クロル−3,5−ジメチルフェノール、2−
フェノキシエタノール、2−(4−チアゾリル)ベンゾ
イミダゾールのような各種の防腐剤もしくは防黴剤を添
加することが好ましい。
【0248】本発明は種々のカラー感光材料に適用する
ことができる。例えば、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよ
びカラー反転ペーパーを代表例として挙げることができ
る。本発明は、カラーデュープ用フィルムにも特に好ま
しく使用できる。
【0249】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.
18716の647頁右欄から648頁左欄、および同
No.307105の879頁に記載されている。
【0250】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下である
ことが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μ
m以下が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。
また膜膨潤速度T1/2が30秒以下が好ましく、20
秒以下がより好ましい。ここでの膜厚は、25℃相対湿
度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味する。ま
た、膜膨潤速度T1/ は当該技術分野において公知の
手法に従って測定することができ、例えばエー・グリー
ン(A.Green)らによりフォトグラフィック・サ
イエンス・アンド・エンジニアリング(Photog
r.Sci.Eng.)、19巻、2号、124〜12
9頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用する
ことにより測定できる。なお、T1/2は発色現像液で
30℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚
の90%を飽和膜厚とし、飽和膜厚の1/2に到達する
までの時間と定義する。
【0251】膜膨潤速度T1/2は、バインダーとして
のゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経
時条件を変えることによって調整することができる。
【0252】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、例えば、前述の光吸収剤、フィ
ルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜
剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性
剤を含有させることが好ましい。このバック層の膨潤率
は150〜500%が好ましい。
【0253】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.
18716の651頁左欄〜右欄、および同No.30
7105の880〜881頁に記載された通常の方法に
よって現像処理することができる。
【0254】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例としては3−メチル−4−アミノ−
N,Nジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N
−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メ
チル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホ
ンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N
−エチル−β−メトキシエチルアニリン、及びこれらの
硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩など
が挙げられる。これらの中で、特に、3−メチル−4−
アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリ
ンの硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2
種以上併用することもできる。
【0255】発色現像液は、例えば、アルカリ金属の炭
酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、
塩化物塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール
類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のよ
うな現像抑制剤またはかぶり防止剤を含むのが一般的で
ある。また必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチ
ルヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボ
キシメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセ
ミカルバジド類、トリエタノールアミン、カテコールス
ルホン酸類の如き各種保恒剤;エチレングリコール、ジ
エチレングリコールのような有機溶剤;ベンジルアルコ
ール、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、
アミン類のような現像促進剤;色素形成カプラー、競争
カプラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補
助現像主薬;粘性付与剤;アミノポリカルボン酸、アミ
ノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカル
ボン酸に代表されるような各種キレート剤を用いること
ができる。キレート剤としては、例えば、エチレンジア
ミン四酢酸、ニトリル三酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチ
ルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−
ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホ
スホン酸、エチレンジアミン−N,N,N,N−テトラ
メチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒド
ロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表例として挙
げることができる。
【0256】また、反転処理を実施する場合は、通常黒
白現像を行なってから発色現像する。この黒白現像液に
は、例えば、ハイドロキノンのようなジヒドロキシベン
ゼン類、例えば、1−フェニル−3−ピラゾリドンのよ
うな3−ピラゾリドン類、または例えば、N−メチル−
p−アミノフェノールのようなアミノフェノール類の公
知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用いる
ことができる。これらの発色現像液及び黒白現像液のp
Hは、9〜12であることが一般的である。また、これ
らの現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料に
もよるが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リッ
トル以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減さ
せておくことにより500ml以下にすることもでき
る。補充量を低減する場合には、処理液の空気との接触
面積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防
止することが好ましい。
【0257】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=[処理液と空気との接触面積(cm)]÷[処
理液の容量(cm)] 上記の開口率は0.1以下であることが好ましく、より
好ましくは0.001〜0.05である。このように開
口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液面
に、例えば浮き蓋のような遮蔽物を設ける方法に加え
て、特開平1−82033号に記載された可動蓋を用い
る方法、特開昭63−216050号に記載されたスリ
ット現像処理方法を挙げることができる。開口率を低減
させることは、発色現像及び黒白現像の両工程のみなら
ず、後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定着、定着、水
洗、安定化の全ての工程において適用することが好まし
い。また、現像液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段
を用いることにより、補充量を低減することもできる。
【0258】発色現像処理の時間は通常2〜5分の間で
設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を高
濃度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図る
こともできる。
【0259】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後に漂白定着処理する処
理方法でもよい。さらに、二槽の連続した漂白定着浴で
処理すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、
又は漂白定着処理後に漂白処理することも目的に応じ任
意に実施できる。漂白剤としては、例えば、鉄(III)の
ような多価金属の化合物、過酸類(特に、過硫酸ソーダ
は映画用カラーネガフィルムに適する)、キノン類、ニ
トロ化合物が用いられる。代表的漂白剤としては、鉄
(III)の有機錯塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸、
ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン
四酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパ
ン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸のような
アミノポリカルボン酸類との錯塩、または、例えば、ク
エン酸、酒石酸、リンゴ酸との錯塩を用いることができ
る。これらのうち、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯
塩、及び1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)錯塩
をはじめとするアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は、
迅速処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さらに、
アミノボリカルボン酸鉄(III)錯塩は、漂白液において
も、漂白定着液においても特に有用である。これらのア
ミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂
白定着液のpHは通常4.0〜8であるが、処理の迅速
化のためにさらに低いpHで処理することもできる。
【0260】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:例えば、米国特許第3,893,858号、西独
特許第1,290,812号、同第2,059,988
号、特開昭53−32736号、同53−57831
号、同53−37418号、同53−72623号、同
53−95630号、同53−95631号、同53−
104232号、同53−124424号、同53−1
41623号、同53−18426号、リサーチ・ディ
スクロージャーNo.17129号(1978号7月)
に記載のメルカプト基またはジスルフィド基を有する化
合物;特開昭51−140129号に記載のチアゾリジ
ン誘導体;特公昭45−8506号、特開昭52−20
832号、同53−32735号、米国特許第3,70
6,561号に記載のチオ尿素誘導体、西独特許第1,
127,715号、特開昭58−16235号に記載の
沃化物塩;西独特許第966,410号、同第2,74
8,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特
公昭45−8836号に記載のポリアミン化合物;その
他特開昭49−40943号、同49−59644号、
同53−94927号、同54−35727号、同55
−26506号、同58−163940号記載の化合
物;臭化物イオン等が使用できる。なかでも、メルカプ
ト基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果が
大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,8
58号、西独特許第1,290,812号、特開昭53
−95630号に記載の化合物が好ましい。更に、米国
特許第4,552,884号に記載の化合物も好まし
い。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮
影用のカラー感光材料を漂白定着するときに、これらの
漂白促進剤は特に有効である。
【0261】漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他
に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させる
ことが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数
(pKa)が2〜5である化合物で、具体的には、例え
ば、酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸を挙げること
ができる。
【0262】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
しては、例えば、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエ
ーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩を挙げる
ことができる。このなかではチオ硫酸塩の使用が一般的
であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用で
きる。また、チオ硫酸塩と、例えば、チオシアン酸塩、
チオエーテル系化合物、チオ尿素の併用も好ましい。定
着液や漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫
酸塩、カルボニル重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第2
94,769A号に記載のスルフィン酸化合物が好まし
い。更に、定着液や漂白定着液には、液の安定化の目的
で、各種アミノポリカルボン酸類や有機ホスホン酸類の
添加が好ましい。
【0263】本発明において、定着液または漂白定着液
には、pH調整のためにpKaが6.0〜9.0の化合
物、好ましくはイミダゾール、1−メチルイミダゾー
ル、1−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール
の如きイミダゾール類を0.1〜10モル/リットル添
加することが好ましい。
【0264】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。
好ましい温度範囲においては脱銀速度が向上し、かつ処
理後のステイン発生が有効に防止される。
【0265】脱銀工程においては、撹拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。撹拌強化の具体的な方法
としては、特開昭62−183460号に記載の感光材
料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭
62−183461号に回転手段を用いて撹拌効果を上
げる方法が挙げられる。更には、液中に設けられたワイ
パーブレードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動
させ、乳剤表面を乱流化することによってより撹拌効果
を向上させる方法や、処理液全体の循環流量を増加させ
る方法が挙げられる。このような撹拌向上手段は、漂白
液、漂白定着液、定着液のいずれにおいても有効であ
る。撹拌の向上は、乳剤膜中への漂白剤および、定着剤
の供給を速め、結果として脱銀速度を高めるものと考え
られる。また、前記の撹拌向上手段は漂白促進剤を使用
した場合により有効であり、促進効果を著しく増加させ
たり、漂白促進剤により定着阻害作用を解消させること
ができる。
【0266】本発明の感光材料の現像に用いられる自動
現像機は、特開昭60−191257号、同60−19
1258号、同60−191259号に記載の感光材料
搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭6
0−191257号に記載のとおり、このような搬送手
段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減で
き、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このよう
な効果は、各工程における処理時間の短縮や処理液補充
量の低減に特に有効である。
【0267】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えば、カプラーのような使用素材による)、用途、
更には、例えば、水洗水温、水洗タンクの数(段数)、
向流、順流のような補充方式、その他種々の条件に応じ
て広範囲に設定し得る。このうち、多段向流方式におけ
る水洗タンク数と水量の関係は、Journal of
the Society of Motion Pi
cture and Television Engi
neers 第64巻、P.248〜253(1955
年5月号)に記載の方法で求めることができる。
【0268】前記文献に記載の多段向流方式によれば、
水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の
滞留時間の増加によりバクテリアが繁殖し、生成した浮
遊物が感光材料に付着するというような問題が生じる。
本発明のカラー感光材料の処理おいては、このような問
題の解決策として、特開昭62−288838号に記載
のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる
方法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭
57−8542号に記載の、例えば、イソチアゾロン化
合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸
ナトリウムのような塩素系殺菌剤、その他、例えば、ベ
ンゾトリアゾールのような、堀口博著「防菌防黴剤の化
学」(1986年)三共出版、衛生技術会編「微生物の
滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日
本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に
記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0269】本発明の感光材料の処理おける水洗水のp
Hは、4〜9、好ましくは5〜8である。水洗水温およ
び水洗時間も、例えば感光材料の特性、用途に応じて種
々設定し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜1
0分、好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が
選択される。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代
えて、直接安定液によって処理することもできる。この
ような安定化処理においては、特開昭57−8543
号、同58−14834号、同60−220345号に
記載の公知の方法はすべて用いることができる。
【0270】また、前記水洗処理に続いて、更に安定化
処理する場合もある。その例として、撮影用カラー感光
材料の最終浴として使用される、色素安定化剤と界面活
性剤を含有する安定浴を挙げることができる。色素安定
化剤としては、例えば、ホルマリンやグルタルアルデヒ
ドのようなアルデヒド類、N−メチロール化合物、ヘキ
サメチレンテトラミンあるいはアルデヒド亜硫酸酸付加
物を挙げることができる。この安定浴にも、各種キレー
ト剤や防黴剤を加えることができる。
【0271】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程のような他の工程において再
利用することもできる。
【0272】例えば自動現像機を用いた処理において、
上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、水を
加えて濃縮補正することが好ましい。
【0273】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
には、処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を
内蔵させても良い。内蔵させるためには、発色現像主薬
の各種プレカーサーを用いるのが好ましい。例えば、米
国特許第3,342,597号記載のインドアニリン系
化合物、例えば、同第3,342,599号、リサーチ
・ディスクロージャーNo.14,850及び同No.
15,159に記載のシッフ塩基型化合物、同No.1
3,924に記載のアルドール化合物、米国特許第3,
719,492号に記載の金属塩錯体、特開昭53−1
35628号に記載のウレタン系化合物を挙げることが
できる。
【0274】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−
フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型
的な化合物は、例えば、特開昭56−64339号、同
57−144547号、および同58−115438号
に記載されている。
【0275】本発明における各種処理液は、10℃〜5
0℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度
が標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時
間を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理
液の安定性の改良を達成することができる。
【0276】また、本発明のハロゲン化銀感光材料は、
米国特許第4,500,626号、特開昭60−133
449号、同59−218443号、同61−2380
56号、欧州特許第210,660A2号などに記載さ
れている熱現像感光材料にも適用できる。
【0277】また、本発明のハロゲン化銀カラー写真感
光材料は、特公平2−32615号、実公平3−397
84号などに記載されているレンズ付きフィルムユニッ
トに適用した場合に、より効果を発現しやすく有効であ
る。
【0278】本発明は拡散転写感材にも好ましく用いる
ことが出来る。
【0279】
【実施例】次に本発明をより詳細に説明するため、以下
に実施例を示すが、本発明はそれらに限定されるもので
はない。
【0280】以下に本発明の実施例を示す。但し、本発
明はこの実施例に限定されるものではない。
【0281】実施例 以下の製法によりハロゲン化銀乳剤Em−AからEm−
Oを調製した。
【0282】(Em−Aの調製)重量平均分子量150
00の低分子量ゼラチンを1.0gとKBrを1.0g
含む水溶液1200mLを35℃に保ち、激しく撹拌し
た。AgNOを1.9g含む水溶液30mL、KBr
を1.5gと重量平均分子量15000の低分子量ゼラ
チンを0.7g含む水溶液30mLとをダブルジェット
法で30秒間に亘り添加し、核形成を行った。 この
時,KBrの過剰濃度を一定に保った。KBrを6g添
加し、75℃に昇温して熟成した。熟成終了後、コハク
化ゼラチンを35g添加した。PHを5.5に調整し
た。AgNOを30g含む水溶液150mLとKBr
水溶液をダブルジェット法で16分間に亘り添加した。
この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−25mV
に保った。さらに、AgNOを110g含む水溶液と
KBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量
の1.2倍になるように流量加速して15分間に亘り添
加した。この時、サイズが0.03μmのAgI微粒子
乳剤をヨウ化銀含有率が3.8%になるように同時に流
量加速して添加し、かつ銀電位を−25mVに保った。
AgNOを35g含む水溶液132mLとKBr水溶
液をダブルジェット法で7分間に亘り添加した。添加終
了時の電位を−20mVになるようにKBr水溶液の添
加を調整した。温度を40℃にした後、化合物1をKI
換算で5.6g添加し、さらに0.8Mの亜硫酸ナトリ
ウム水溶液を64mL添加した。さらにNaOH水溶液
を添加してpHを9.0に上げ4分間保持し、沃化物イ
オンを急激に生成せしめた後、pHを5.5に戻した。
温度を55℃に戻した後、ベンゼンチオスルホン酸ナト
リウム、1mgを添加し、さらにカルシウム濃度が1p
pmの石灰処理ゼラチンを13g添加した。添加終了
後、AgNOを70g含む水溶液250mLおよびK
Br水溶液を電位を60mVに保ちながら20分間に亘
り添加した。このとき、黄血塩を銀1モルに対して1.
0×10−5モル添加した。水洗した後、カルシウム濃
度1ppmの石灰処理ゼラチンを80g添加し、40℃
でpHを5.8、pAgを8.7に調整した。
【0283】このようにして平均円相当径1.6μm、
平均厚み0.2μmの平板状粒子乳剤Aを調製した。
【0284】
【化30】
【0285】上記の乳剤のカルシウム、マグネシウムお
よびストロンチウムの含有量をICP発光分光分析法に
より測定したところ、それぞれ15ppm、2ppmお
よび1ppmであった。
【0286】上記の乳剤を56℃に昇温した。まず、サ
イズが0.05μmの純AgBr微粒子乳剤をAg換算
で1g添加し、シェル付けした。次に増感色素1,2,
3を固体微分散物の形態でそれぞれ銀1モル当たり4.
6×10−4モル、2.4×10−4モル、7.00×
10−6モル添加した。増感色素1,2,3の固体微分
散物は次のようにして調製した。表1に示した増感色素
を無機塩をイオン交換水に溶解させた後、増感色素を添
加し、60℃の条件下でディゾルバー翼を用い2000
rpmで20分間分散することにより、増感色素1、
2、3の固体微分散物を得た。増感色素を添加して増感
色素の吸着が平衡状態での吸着量の90%に達したと
き、硝酸カルシウムをカルシウム濃度が250ppmと
なるように添加した。増感色素の吸着量は、遠心沈殿に
より固層と液層を分離し、最初に加えた増感色素量と上
澄み液中の増感色素量との差を測定して、吸着された増
感色素量を求めた。硝酸カルシウムの添加後、チオシア
ン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、N,N
−ヂメチルセレノウレア及び化合物4を添加し、最適に
化学増感した。N,N−ヂメチルセレノウレアは銀1モ
ルに対して3.40×10−6モル添加した。化学増感
終了時に化合物2ないし化合物5を添加して、Em−A
を調製した。
【0287】
【化31】
【0288】
【化32】
【0289】
【化33】
【0290】
【化34】
【0291】
【化35】
【0292】
【化36】
【0293】
【化37】
【0294】
【化38】
【0295】(Em−Bの調製)Em−Aの調製におい
て、核形成後に添加するKBr量を5gに変更し、コハ
ク化ゼラチンを1gあたり35μmolのメチオニンを
含有する分子量100000のトリメリット化率98%
のトリメリット化ゼラチンに置き換え、化合物1をKI
換算で8.0gの化合物6に置き換え、化学増感前に添
加する増感色素の量を増感色素1、2、3に対し、それ
ぞれ6.50×10−4モル、3.40×10−4
ル、1.00×10−5モルに変更し、かつ、化学増感
時に添加するN,N−ヂメチルセレノウレアの量を4.
00×10−6モルに変更する以外はEm−Aと同様に
してEm−Bを調製した。
【0296】(Em−Cの調製)Em−Aの調製におい
て、核形成後に添加するKBr量を1.5gに変更し、
コハク化ゼラチンを1gあたり35μmolのメチオニ
ンを含有する分子量100000のフタル化率97%の
フタル化ゼラチンに置き換え、化合物1をKI換算で
7.1gの化合物7に置き換え、化学増感前に添加する
増感色素の量を増感色素1、2、3に対し、それぞれ
7.80×10−4モル、4.08×10−4モル、
1.20×10−5モルに変更し、かつ化学増感時に添
加するN,N−ヂメチルセレノウレアの量を5.00×
10−6モルに変更する以外はEm−Aと同様にしてE
m−Cを調製した。
【0297】
【化39】
【0298】(Em−Eの調整)重量平均分子量150
00の低分子量ゼラチンを1.0gとKBrを1.0g
含む水溶液1200mLを35℃に保ち、激しく撹拌し
た。 AgNOを1.9g含む水溶液30mL、KB
r1.5gと重量平均分子量15000の低分子量ゼラ
チン0.7gを含む水溶液30mLをダブルジェット法
で30秒間に亘り添加し、核形成を行った。 この時,
KBrの過剰濃度を一定に保った。KBrを6g添加
し、75℃に昇温し熟成した。熟成終了後、コハク化ゼ
ラチンを15g、および前述のトリメリット化ゼラチン
を20g添加した。pHを5.5に調整した。AgNO
を30g含む水溶液150mLとKBr水溶液をダブ
ルジェット法で16分間に亘り添加した。この時、銀電
位を飽和カロメル電極に対して−25mVに保った。さ
らに、AgNOを110g含む水溶液とKBr水溶液
をダブルジェット法で最終流量が初期流量の1.2倍に
なるように流量加速して15分間に亘り添加した。この
時、サイズが0.03μmのAgI微粒子乳剤をヨウ化
銀含有率が3.8%になるように同時に流量加速して添
加し、かつ、銀電位を−25mVに保った。AgNO
を35g含む水溶液132mLとKBr水溶液をダブル
ジェット法で7分間に亘り添加した。添加終了時の電位
を−20mVになるようにKBr水溶液の添加を調整し
た。KBrを添加し、電位を−60mVにした後、ベン
ゼンチオスルホン酸ナトリウムを1mg添加し、さらに
カルシウム濃度が1ppmの石灰処理ゼラチンを13g
添加した。添加終了後、重量平均分子量15000の低
分子量ゼラチン水溶液とAgNO水溶液とKI水溶液
とを特開平10−43570号に記載の磁気カップリン
グ誘導型攪拌機を有する別のチャンバー内で、添加前直
前に混合して調製した球相当径が0.008μmのAg
I微粒子乳剤をKI換算で8.0g連続的に添加しつ
つ、AgNOを70g含む水溶液250mLおよびK
Br水溶液を電位を−60mVに保ちながら20分間に
亘り添加した。このとき、黄血塩を銀1モルに対して
1.0×10 −5モル添加した。水洗した後、カルシウ
ム濃度1ppmの石灰処理ゼラチンを80g添加し、4
0℃でpHを5.8、pAgを8.7に調整した。
【0299】上記の乳剤のカルシウム、マグネシウムお
よびストロンチウムの含有量をICP発光分光分析法に
より測定したところ、それぞれ15ppm、2ppmお
よび1ppmであった。
【0300】増感色素1、2、3を増感色素4、5、6
に変更し、かつ添加量をそれぞれ7.73×10−4
ル、1.65×10−4モル、6.20×10−5モル
とする以外はEm−Aと同様にして化学増感を行い、E
m−Eを調製した。
【0301】
【化40】
【0302】
【化41】
【0303】
【化42】
【0304】(Em−Fの調製)重量平均分子量150
00の低分子量ゼラチンを1.0gおよびKBrを1.
0g含む水溶液1200mLを35℃に保ち、激しく撹
拌した。 AgNOを1.9g含む水溶液30mL、
KBrを1.5gと重量平均分子量15000の低分子
量ゼラチンを0.7g含む水溶液30mLをダブルジェ
ット法で30秒間に亘り添加し、核形成を行った。この
時,KBrの過剰濃度を一定に保った。KBrを5g添
加し、75℃に昇温し熟成した。熟成終了後、コハク化
ゼラチンを20gとフタル化ゼラチンを15g添加し
た。pHを5.5に調整した。AgNOを30g含む
水溶液150mLとKBr水溶液をダブルジェット法で
16分間に亘り添加した。この時、銀電位を飽和カロメ
ル電極に対して−25mVに保った。さらに、AgNO
を110g含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェッ
ト法で最終流量が初期流量の1.2倍になるように流量
加速して15分間に亘り添加した。この時、サイズが
0.03μmのAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が
3.8%になるように同時に流量加速して添加し、か
つ、銀電位を−25mVに保った。AgNOを35g
含む水溶液132mLとKBr水溶液をダブルジェット
法で7分間に亘り添加した。KBr水溶液を添加して電
位を−60mVにした調整した後、サイズが0.03μ
mのAgI微粒子乳剤をKI換算で9.2g添加した。
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウムを1mg添加し、さ
らにカルシウム濃度が1ppmの石灰処理ゼラチンを1
3g添加した。添加終了後、AgNOを70g含む水
溶液250mL及びKBr水溶液を電位を60mVに保
ちながら20分間に亘り添加した。このとき、黄血塩を
銀1モルに対して1.0×10−5モル添加した。水洗
した後、カルシウム濃度1ppmの石灰処理ゼラチンを
80g添加し、40℃でpHを5.8、pAgを8.7
に調整した。
【0305】上記の乳剤のカルシウム、マグネシウムお
よびストロンチウムの含有量をICP発光分光分析法に
より測定したところ、それぞれ15ppm、2ppmお
よび1ppmであった。
【0306】増感色素1、2、3を増感色素4、5、6
に置き換え、添加量をそれぞれ8.50×10−4
ル、1.82×10−4モル、6.82×10−5モル
とする以外はEm−Bと同様にして化学増感を行い、E
m−Fを調製した。
【0307】(Em−Gの調製)重量平均分子量150
00の低分子量ゼラチンを1.0g、KBrを1.0g
を含む水溶液1200mLを35℃に保ち、激しく撹拌
した。 AgNO化学増感は、1.9g含む水溶液3
0mL、KBrを1.5gと重量平均分子量15000
の低分子量ゼラチンを0.7g含む水溶液30mLをダ
ブルジェット法で30秒間に亘り添加し核形成を行っ
た。 この時,KBrの過剰濃度を一定に保った。KB
rを1.5g添加し、75℃に昇温し熟成した。熟成終
了後、前述のトリメリット化ゼラチンを15gと前述の
フタル化ゼラチンを20g添加した。pHを5.5に調
整した。AgNOを30g含む水溶液150mLとK
Br水溶液をダブルジェット法で16分間に亘り添加し
た。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−25
mVに保った。さらに、AgNOを110g含む水溶
液とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期
流量の1.2倍になるように流量加速して15分間に亘
り添加した。この時、サイズが0.03μmのAgI微
粒子乳剤をヨウ化銀含有率が3.8%になるように同時
に流量加速して添加し、かつ、銀電位を−25mVに保
った。AgNOを35g含む水溶液132mLとKB
r水溶液をダブルジェット法で7分間に亘り添加した。
電位を−60mVになるようにKBr水溶液の添加を調
整した。サイズが0.03μmのAgI微粒子乳剤をK
I換算で7.1g添加した。ベンゼンチオスルホン酸ナ
トリウムを1mg添加し、さらにカルシウム濃度が1p
pmの石灰処理ゼラチンを13g添加した。添加終了
後、AgNOを70g含む水溶液250mLおよびK
Br水溶液を電位を60mVに保ちながら20分間に亘
り添加した。このとき、黄血塩を銀1モルに対して1.
0×10−5モル添加した。水洗した後、カルシウム濃
度1ppmの石灰処理ゼラチン80gを添加し、40℃
でpHを5.8、pAgを8.7に調整した。
【0308】上記乳剤のカルシウム、マグネシウムおよ
びストロンチウムの含有量をICP発光分光分析法によ
り測定したところ、それぞれ15ppm、2ppmおよ
び1ppmであった。
【0309】増感色素1、2、3を増感色素4、5、6
に変更し、それぞれの添加量を1.00×10−3
ル、2.15×10−4モル、8.06×10−5モル
とする以外はEm−Cと同様にして化学増感を行い、E
m−Gを調製した。
【0310】(Em−Jの調製)Em−Bの調製におい
て、化学増感前に添加する増感色素を増感色素7、8に
変更し、それぞれの添加量を7.65×10−4モル、
2.74×10−4モルとする以外はEm−Bと同様に
してEm−Jを調製した。
【0311】
【化43】
【0312】
【化44】
【0313】(Em−Lの調製) (臭化銀種晶乳剤の調整)平均球相当径0.6μm、ア
スペクト比9.0、乳剤1kg当たり銀を1.16モ
ル、ゼラチンを66g含む臭化銀平板乳剤を用意した。
【0314】(成長過程1)臭化カリウムを1.2gと
コハク化率が98%のコハク化ゼラチンを含む水溶液1
250gに変成シリコンオイルを0.3g添加した。
0.086モルの銀を含む上記臭化銀平板乳剤を添加し
た後、78℃に保ち攪拌した。硝酸銀を18.1g含む
水溶液と、上記の球相当径が0.037μmの沃化銀微
粒子を添加する銀に対して5.4モルになるように添加
した。更に、この時臭化カリウム水溶液をダブルジェッ
トでpAgが8.1になるように調整しながら添加し
た。
【0315】(成長過程2)ベンゼンチオスルフォン酸
ナトリウムを2mg添加した後、3,5−ジスルホカテ
コール2ナトリウム塩を0.45g、二酸化チオ尿素を
2.5mg添加した。
【0316】更に硝酸銀95.7gを含む水溶液と、臭
化カリウム水溶液をダブルジェットで加速しながら66
分かけて添加した。この時、上記の球相当径が0.03
7μmの沃化銀微粒子を添加する銀に対して7.0モル
になるように添加した。この時pAgが8.1になるよ
うに、上記ダブルジェットの臭化カリウム量を調整し
た。添加終了後、ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム
2mgを加えた。
【0317】(成長過程3)硝酸銀を19.5g含む水
溶液と、臭化カリウム水溶液をダブルジェットで16分
かけて添加した。この時pAgが7.9になるように臭
化カリウム水溶液量を調整した。
【0318】(難溶性ハロゲン化銀乳剤の添加4)上記
のホスト粒子を臭化カリウム水溶液にて9.3に調整し
た後、上記の球相当径が0.037μmの沃化銀微粒子
乳剤25gを20秒以内に急激に添加した。
【0319】(最外殻層形成5)更に硝酸銀34.9g
を含む水溶液を22分間かけて添加した。
【0320】この乳剤は平均アスペクト比9.8、平均
球相当径1.4μmの平板粒子で、平均沃化銀含有量は
5.5モルであった。
【0321】(化学増感)水洗した後,コハク化率98
%のコハク化ゼラチン、硝酸カルシウムを添加し40℃
でpH,5.8,pAg,8.7に調整した。60℃に
昇温し、0.07μmの臭化銀微粒子乳剤を5×10
−3モル添加し、20分後に増感色素9,10,11を
添加した。その後チオシアン酸カリウム,塩化金酸,チ
オ硫酸ナトリウム,N,N−ヂメチルセレノウレア、化
合物4を添加し、最適に化学増感した。化学増感終了2
0分前に化合物3を添加し、化学増感終了時に化合物5
を添加した。ここで,最適に化学増感するとは,1/1
00で露光した時の感度が最高になるように増感色素な
らびに各化合物をハロゲン化銀1molあたり10−1
から10−8molの添加量範囲から選択したことを意
味する。
【0322】
【化45】
【0323】
【化46】
【0324】
【化47】
【0325】(Em−Oの調製)攪拌機を備えた反応容
器に、ゼラチン水溶液(蒸留水1250mL、脱イオン
ゼラチン48g、KBr0.75g)を入れ、溶液の温
度を70℃に保持した。この溶液中にAgNO水溶液
276mL(AgNOを12.0g含む)と等モル濃
度のKBr水溶液をコントロールドダブルジェット添加
法により7分間かけてpAgを7.26に保ちながら添
加した。そして68℃に降温し、0.05質量%の二酸化チ
オ尿素を7.6mLを添加した。
【0326】続いてAgNO水溶液を592.9mL
(AgNOを108.0g含む)と等モル濃度のKB
rとKIの混合水溶液(KIが2.0モル%)をコント
ロールドダブルジェット添加法により18分30秒間か
けてpAgを7.30に保ちながら添加した。また、添
加終了5分前に0.1質量%のチオスルフォン酸を18.
0mL添加した。
【0327】得られた粒子は、球相当径0.19μm、
平均沃化銀含有率1.8モル%の立方体粒子であった。
【0328】Em−Oは通常のフロキュレーション法に
よる脱塩・水洗を行って再分散させた後、40℃でpH
を6.2、pAgを7.6に調整した。
【0329】続いて、Em−Oについて以下のような分
光増感および化学増感を施した。
【0330】先ず、増感色素10,11,12を銀1モ
ルあたり、それぞれ3.37×10 −4モル/モル、K
Brを8.82×10−4モル/モル、チオ硫酸ナトリ
ウムを8.83×10−5モル/モル、チオシアン酸カ
リウムを5.95×10−4モル/モルおよび塩化金酸
カリウムを3.07×10−5モル/モル添加して68
℃で熟成を行った。なお、熟成時間は、1/100秒露
光の感度が最高となるように調節した。
【0331】
【化48】
【0332】(Em−D、H、I、K、M、N)平板状
粒子の調製には、特開平1−158426号の実施例に
従い、低分子量ゼラチンを使用している。また、特開平
3−237450号の実施例に従い、表1に記載の分光
増感色素とチオシアン酸ナトリウムの存在下に金増感、
硫黄増感とセレン増感が施されている。乳剤D,H、
I,KにはIr、Feを最適量含んでいる。乳剤M,N
は、特開平2−191938号の実施例に従い、二酸化
チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時に還元
増感が施されている。
【0333】
【表1】
【0334】
【化49】
【0335】なお、平板状粒子には、高圧電子顕微鏡を
用いると、特開平3−237450号に記載されている
ような転位線が観察される。
【0336】(本発明乳剤Em−Pの調製)乳剤Em−
Aにおいて核形成の硝酸銀量を1.5倍にして粒子サイ
ズが平均円相当径で1.4μmで平均厚みが0.15μ
mの平板状粒子を調製しかつ化学増感工程以降を以下の
ように変更した乳剤Pを調製した。
【0337】乳剤を56℃に昇温しAgBr微粒子乳剤
を添加してシェル付けした後、本発明の一層目の増感色
素D−24を銀1モル当たり9×10−4モル添加し
た。乳剤−Aと同様のタイミングで硝酸カルシウムを添
加した後、チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸
ナトリウム、N,N−ジメチルセレノウレアを銀1モル
当たり3.4及び化合物4を添加して化学増感を行った
後、本発明の二層目の増感色素D−13を銀1モル当た
り9×10−4モル添加して10分間吸着させた後、化
合物2及び化合物3を添加してEm−Pを調製した。
【0338】(本発明乳剤Em−Qの調製)乳剤Em−
Eと同様にただし、核形成の硝酸銀量を4.5gに変更
して粒子サイズが平均円相当径で1.3μmで平均厚み
が0.12μmの平板状粒子を調製しかつ化学増感工程
以降を以下のように変更した乳剤Em−Qを調製した。
【0339】乳剤Em−Pの化学増感工程と同様に但し
一層目の増感色素をD−22に変更し添加量を銀1モル
当たり1.15×10−4モル添加し、二層目の増感色
素をD−10に変更して銀1モル当たり9×10−4
ル添加してEm−Qを調製した。
【0340】(本発明乳剤Em−Rの調製)乳剤Em−
Lと同様にただし、種晶乳剤の量を1.3倍にして平均
円相当径で1.05μmで平均厚みが0.17μmの平
板状粒子を調製した。化学増感は、乳剤Lに対して以下
の様に変更した。
【0341】一層目の増感色素D―34を臭化銀微粒子
添加の20分後に銀1モル当たり5×10−4モル添加
し、化合物3の添加5分後に二層目の増感色素D−15
を銀1モル当たり5×10−4モル添加して10分間吸
着時間を設けた以外は乳剤Lと同様にして乳剤Em−R
を調製した。
【0342】(試料1の作成) 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。
【0343】1)第1層及び下塗り層 厚さ90μmのポリエチレンナフタレート(PEN)支
持体について、その両面に、処理雰囲気圧力2.66×
10Pa、雰囲気気体中のH2O分圧75%、放電周波
数30kHz、出力2500W、処理強度0.5kV・
A・分/m2でグロー放電処理を施した。この支持体上
に、第1層として下記組成の塗布液を特公昭58−45
89号公報に記載のバー塗布法を用いて、5mL/m2
の塗布量で塗布した。
【0344】 導電性微粒子分散液(SnO2/Sb25粒子濃度 50 質量部 10%の水分散液.1次粒子径0.005μmの 2次凝集体でその平均粒径が0.05μm) ゼラチン 0.5 質量部 水 49 質量部 ポリグリセロールポリグリシジルエーテル 0.16 質量部 ポリ(重合度20)オキシエチレン 0.1 質量部 ソルビタンモノラウレート。
【0345】さらに、第1層を塗設後、直径20cmの
ステンレス巻芯に巻付けて、110℃(PEN支持体の
Tg:119℃)で48時間加熱処理し熱履歴させてア
ニール処理をした後、支持体をはさみ第1層側と反対側
に乳剤用の下塗り層として下記組成の塗布液をバー塗布
法を用いて、10mL/m2の塗布量で塗布した。
【0346】 ゼラチン 1.01 質量部 サリチル酸 0.30 質量部 レゾルシン 0.40 質量部 ポリ(重合度10)オキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.11 質量部 水 3.53 質量部 メタノール 84.57 質量部 n−プロパノール 10.08 質量部。
【0347】さらに、後述する第2、第3層を第1層の
上に順に塗設し、最後に、後述する組成のカラーネガ感
光材料を反対側に重層塗布することによりハロゲン化銀
乳剤層付き透明磁気記録媒体を作製した。
【0348】2)第2層(透明磁気記録層) (i)磁性体の分散 Co被着γ−Fe23磁性体(平均長軸長:0.25μ
m、SBET :39m2/g、Hc:6.56×10
/m、σs :77.1Am/kg、σr :37.4A
/kg)1100質量部、水220質量部及びシラ
ンカップリング剤〔3−(ポリ(重合度10)オキシエ
チニル)オキシプロピル トリメトキシシラン〕165
質量部を添加して、オープンニーダーで3時間良く混練
した。この粗分散した粘性のある液を70℃で1昼夜乾
燥し水を除去した後、110℃で1時間加熱処理し、表
面処理をした磁気粒子を作製した。
【0349】さらに以下の処方で、再びオープンニーダ
ーにて4時間混練した。
【0350】 上記表面処理済み磁気粒子 855 g ジアセチルセルロース 25.3 g メチルエチルケトン 136.3 g シクロヘキサノン 136.3 g さらに、以下の処方で、サンドミル(1/4Gのサンド
ミル)にて2000rpm、4時間微細分散した。メデ
ィアは1mmΦのガラスビーズを用いた。
【0351】 上記混練液 45 g ジアセチルセルロース 23.7 g メチルエチルケトン 127.7 g シクロヘキサノン 127.7 g さらに、以下の処方で、磁性体含有中間液を作製した。
【0352】 (ii)磁性体含有中間液の作製 上記磁性体微細分散液 674 g ジアセチルセルロース溶液 24280 g (固形分4.34%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) シクロヘキサノン 46 g これらを混合した後、ディスパ−にて撹拌し、「磁性体
含有中間液」を作製した。
【0353】以下の処方で本発明のα−アルミナ研磨材
分散液を作製した。
【0354】 (a)スミコランダムAA−1.5(平均1次粒子径1.5μm、比表面積1 .3m2/g) 粒子分散液の作製 スミコランダムAA−1.5 152g シランカップリング剤KBM903(信越シリコ−ン社製) 0.48g ジアセチルセルロース溶液 227.52g (固形分4.5%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 上記処方にて、セラミックコートしたサンドミル(1/
4Gのサンドミル)を用いて800rpm、4時間微細
分散した。メディアは1mmΦのジルコニアビーズを用
いた。
【0355】(b)コロイダルシリカ粒子分散液(微小
粒子) 日産化学(株)製の「MEK−ST」を使用した。
【0356】これは、メチルエチルケトンを分散媒とし
た、平均1次粒子径0.015μmのコロイダルシリカ
の分散液であり、固形分は30%である。
【0357】 (iii)第2層塗布液の作製 上記磁性体含有中間液 19053 g ジアセチルセルロース溶液 264 g (固形分4.5%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) コロイダルシリカ分散液「MEK −ST」[分散液b] 128 g (固形分30%) AA−1.5分散液[分散液a] 12g ミリオネートMR−400(日本ポリウレタン(株)製) 希釈液 203g (固形分20%、希釈溶剤:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) メチルエチルケトン 170 g シクロヘキサノン 170 g 上記を混合・撹拌した塗布液をワイヤーバーにて、塗布
量29.3mL/m2になるように塗布した。乾燥は1
10℃で行った。乾燥後の磁性層としての厚みは1.0
μmだった。
【0358】3)第3層(高級脂肪酸エステル滑り剤含
有層) (i)滑り剤の分散原液の作製 下記のア液を100℃加温溶解し、イ液に添加後、高圧
ホモジナイザーで分散し、滑り剤の分散原液を作製し
た。
【0359】 ア液 下記化合物 399 質量部 C613CH(OH)(CH210COOC50101 下記化合物 171 質量部 n−C50101O(CH2CH2 O)16H シクロヘキサノン 830 質量部 イ液 シクロヘキサノン 8600 質量部。
【0360】(ii)球状無機粒子分散液の作製 以下の処方にて、球状無機粒子分散液[c1]を作製し
た。
【0361】 イソプロピルアルコール 93.54質量部 シランカップリング剤KBM903(信越シリコ−ン社製) 化合物1−1:(CH3O)3Si−(CH23−NH2) 5.53質量部 化合物8 2.93質量部
【化50】 シーホスタKEP50 88.00質量部 (非晶質球状シリカ、平均粒子径0.5μm、日本触媒(株)製)。
【0362】上記処方にて10分間撹拌後、更に以下を
追添する。
【0363】 ジアセトンアルコール 252.93質量部 上記液を氷冷・攪拌しながら、超音波ホモジナイザー
「SONIFIER450(BRANSON(株)
製)」を用いて3時間分散し、球状無機粒子分散液c1
を完成させた。
【0364】(iii)球状有機高分子粒子分散液の作製 以下の処方にて、球状有機高分子粒子分散液[c2]を
作製した。
【0365】 XC99−A8808(東芝シリコーン(株)製、球状架橋ポリシロキサン粒 子、平均粒径0.9μm) 60質量部 メチルエチルケトン 120質量部 シクロヘキサノン 120質量部 (固形分20%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・攪拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(BRANSON(株) 製)」を用いて
2時間分散し球状有機高分子粒子分散液c2を完成させ
た。
【0366】(iv)第3層塗布液の作製 前述、滑り剤分散原液542gに下記を加え第3層塗布
液とした。
【0367】 ジアセトンアルコール 5950 g シクロヘキサノン 176 g 酢酸エチル 1700 g 上記シーホスタKEP50分散液[c1] 53.1 g 上記球状有機高分子粒子分散液[c2] 300 g FC431 2.65 g (3M(株)製、固形分50%、溶剤:酢酸エチル) BYK310 5.3 g (BYKケミジャパン(株) 製、固形分含量25%)。
【0368】上記第3層塗布液を第2層の上に10.3
5mL/m2の塗布量で塗布し、110℃で乾燥後、更
に97℃で3分間後乾燥した。
【0369】4)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成
の各層を重層塗布し、カラーネガフィルムを作成した。
【0370】(感光層の組成)各層に使用する素材の主
なものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 (具体的な化合物は以下の記載で、記号の次に数値が付
けられ、後ろに化学式が挙げられている)。
【0371】各成分に対応する数字は、g/m2単位で
表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については銀換算の
塗布量を示す。
【0372】 第1層(第1ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.122 0.07μmのヨウ臭化銀乳剤 銀 0.01 ゼラチン 0.919 ExM−1 0.066 ExC−1 0.002 ExC−3 0.002 Cpd−2 0.001 F−8 0.010 HBS−1 0.005 HBS−2 0.002。
【0373】 第2層(第2ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.055 ゼラチン 0.425 ExF−1 0.002 F−8 0.012 固体分散染料 ExF−7 0.120 HBS−1 0.074。
【0374】 第3層(中間層) ExC−2 0.050 Cpd−1 0.090 ポリエチルアクリレートラテックス 0.200 HBS−1 0.100 ゼラチン 0.700。
【0375】 第4層(低感度赤感乳剤層) Em−D 銀 0.577 Em−C 銀 0.347 ExC−1 0.188 ExC−2 0.011 ExC−3 0.075 ExC−4 0.121 ExC−5 0.010 ExC−6 0.007 ExC−8 0.050 ExC−9 0.020 Cpd−2 0.025 Cpd−4 0.025 HBS−1 0.114 HBS−5 0.038 ゼラチン 1.474。
【0376】 第5層(中感度赤感乳剤層) Em−B 銀 0.431 Em−C 銀 0.432 ExC−1 0.154 ExC−2 0.068 ExC−3 0.018 ExC−4 0.103 ExC−5 0.023 ExC−6 0.010 ExC−8 0.016 ExC−9 0.005 Cpd−2 0.036 Cpd−4 0.028 HBS−1 0.129 ゼラチン 1.086。
【0377】 第6層(高感度赤感乳剤層) Em−A 銀 1.108 ExC−1 0.180 ExC−3 0.035 ExC−6 0.029 ExC−8 0.110 ExC−9 0.020 Cpd−2 0.064 Cpd−4 0.077 HBS−1 0.329 HBS−2 0.120 ゼラチン 1.245。
【0378】 第7層(中間層) Cpd−1 0.094 Cpd−6 0.369 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.049 ポリエチルアクリレートラテックス 0.088 ゼラチン 0.886。
【0379】 第8層(赤感層へ重層効果を与える層) Em−J 銀 0.293 Em−K 銀 0.293 Cpd−4 0.030 ExM−2 0.120 ExM−3 0.016 ExM−4 0.026 ExY−1 0.016 ExY−4 0.036 ExC−7 0.026 HBS−1 0.090 HBS−3 0.003 HBS−5 0.030 ゼラチン 0.610。
【0380】 第9層(低感度緑感乳剤層) Em−H 銀 0.329 Em−G 銀 0.333 Em−I 銀 0.088 ExM−2 0.378 ExM−3 0.047 ExY−1 0.017 ExC−7 0.007 HBS−1 0.098 HBS−3 0.010 HBS−4 0.077 HBS−5 0.548 Cpd−5 0.010 ゼラチン 1.470。
【0381】 第10層(中感度緑感乳剤層) Em−F 銀 0.457 ExM−2 0.032 ExM−3 0.029 ExM−4 0.029 ExY−3 0.007 ExC−6 0.010 ExC−7 0.012 ExC−8 0.010 HBS−1 0.065 HBS−3 0.002 HBS−5 0.020 Cpd−5 0.004 ゼラチン 0.446。
【0382】 第11層(高感度緑感乳剤層) Em−E 銀 0.794 ExC−6 0.002 ExC−8 0.010 ExM−1 0.013 ExM−2 0.011 ExM−3 0.030 ExM−4 0.017 ExY−3 0.003 Cpd−3 0.004 Cpd−4 0.007 Cpd−5 0.010 HBS−1 0.148 HBS−5 0.037 ポリエチルアクリレートラテックス 0.099 ゼラチン 0.939。
【0383】 第12層(イエローフィルター層) Cpd−1 0.094 固体分散染料ExF−2 0.150 固体分散染料ExF−5 0.010 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.049 ゼラチン 0.630。
【0384】 第13層(低感度青感乳剤層) Em−O 銀 0.112 Em−M 銀 0.320 Em−N 銀 0.240 ExC−1 0.027 ExC−7 0.013 ExY−1 0.002 ExY−2 0.890 ExY−4 0.058 Cpd−2 0.100 Cpd−3 0.004 HBS−1 0.222 HBS−5 0.074 ゼラチン 2.058。
【0385】 第14層(高感度青感乳剤層) Em−L 銀 0.714 ExY−2 0.211 ExY−4 0.068 Cpd−2 0.075 Cpd−3 0.001 HBS−1 0.071 ゼラチン 0.678。
【0386】 第15層(第1保護層) 0.07μmのヨウ臭化銀乳剤 銀 0.301 UV−1 0.211 UV−2 0.132 UV−3 0.198 UV−4 0.026 化合物4 0.009 S−1 0.086 HBS−1 0.175 HBS−4 0.050 ゼラチン 1.984。
【0387】 第16層(第2保護層) H−1 0.400 B−1(直径1.7μm) 0.050 B−2(直径1.7μm) 0.150 B−3 0.050 S−1 0.200 ゼラチン 0.750。
【0388】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために、W−1ないしW−6、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉛塩、白金塩、イリジウム
塩、ロジウム塩が含有されている。
【0389】有機固体分散染料の分散物の調整 第12層のExF−2を次の方法で分散した。
【0390】 ExF−2のウエットケーキ(17.6質量%の水を含む)2.800kg オクチルフェニルジエトキシメタンスルホン酸ナトリウム (31質量%水溶液) 0.376kg F−15(7%水溶液) 0.011kg 水 4.020kg 計 7.210kg。
【0391】(NaOHでpH=7.2に調整) 上記組成のスラリーをディゾルバーで攪拌して粗分散し
た後、アジテータミルLMK−4を用い、周速10m/
s、吐出量0.6kg/min、0.3mm径のジルコ
ニアビーズ充填率80%で分散液の吸光度比が0.29
になるまで分散し、固体微粒子分散物を得た。染料微粒
子の平均粒径は0.29μmであった。
【0392】同様にして、ExF−4およびExF−7
の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径はそれぞ
れ、0.28μm、0.49μmであった。ExF−5
は欧州特許第549,489Aの実施例1に記載の微小
析出(Microprecipitation)分散方
法により分散した。平均粒径は0.06μmであった。
【0393】以下、各層に用いた化合物を示す。
【0394】
【化51】
【0395】
【化52】
【0396】
【化53】
【0397】
【化54】
【0398】
【化55】
【0399】
【化56】
【0400】
【化57】
【0401】
【化58】
【0402】
【化59】
【0403】
【化60】
【0404】
【化61】
【0405】
【化62】
【0406】上記のハロゲン化銀カラー写真感光材料を
試料1とする。
【0407】次に第4層〜第6層,第9層〜第11層,
第13層〜第14層の乳剤構成を表2に示す様に変更し
た試料2〜5を作成した。
【0408】下塗り層を設けてある三酢酸セルロースフ
ィルム支持体に上記の層夫々と下記の保護層を塗布し、
富士フイルム(株)製ゼラチンフィルターSC−50と
連続ウェッジを通して1/100秒間露光し下記の処理
を行った時の感度を併記した。感度はかぶり+0.1の濃
度を与えるのに必要な露光量の逆数の相対値で表示し
た。
【0409】
【表2】
【0410】 <保護層> 2,4-ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩 0.08g/m ゼラチン 1.93g/m <処理方法> 単層の処理条件 101〜103 現像は富士写真フイルム社製自動現像機FP−360B
を用いて以下に記載の方法で(液の累積補充量がその母
液タンク容量の3倍になるまで)処理した。
【0411】 (処理方法) 工程 処理時間 処理温度 補充量* 発色現像 3分15秒 38.0 ℃ 45 mL 漂 白 50秒 38.0 ℃ 20 mL 漂白液オーバーフローは漂白定着タンクへ全量流入 漂白定着 3分15秒 38.0 ℃ 30 mL 水 洗(1) 40秒 35.0 ℃ (2)から(1)への向流配管方 式 水 洗(2)1分00秒 35.0 ℃ 30mL 安 定 40秒 38.0 ℃ 20mL 乾 燥 1分15秒 55.0 ℃ *補充量は感光材料35mm幅1.1m当たり(24毎撮り1本相当)。
【0412】次に処理液の組成を示す。
【0413】 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.1 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸 2.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 3.9 4.4 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 1.4 0.7 沃化カリウム 1.5mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2.8 2−メチル−4−〔N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 アニリン硫酸塩 4.5 5.5 水を加えて 1.0L 1.0L pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.1。
【0414】 (漂白液) タンク液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 20 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10 臭化アンモニウム 100 硝酸アンモニウム 10 漂白促進剤 0.005モル (CHN-CH2-CH2-S-S-2CH2-CH2-N(-CH・2HCl アンモニア水(27%) 15mL 水を加えて 1.0L pH〔アンモニア水で調整〕 6.3。
【0415】 (漂白定着液) タンク液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 50 − エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 5.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 12.0 20.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/L) 240.0mL 400.0m L アンモニア水(27%) 6.0mL − 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水、酢酸で調整〕 7.2 7.3 (水洗水) タンク液,補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強
塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−40
0)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及び
マグネシウムイオン濃度を3mg/L以下に処理し、続
いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/Lと
硫酸ナトリウム150mg/Lを添加した。この液のp
Hは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0416】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.2 (平均重合度10) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン・ナトリウム 0.10 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1− イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0L pH 8.5 試料1〜試料5を富士フイルム(株)製ゼラチンフィル
ターSC−39と連続ウェッジを通して1/100秒間
露光した。
【0417】現像は富士写真フイルム社製自動現像機F
P−360Bを用いて以下により行った。尚、漂白浴の
オーバーフロー液を後浴へ流さず、全て廃液タンクへ排
出するように改造を行った。このFP−360Bは公開
技法94−4992号(社団法人発明協会発行)に記載
の蒸発補正手段を搭載している。
【0418】処理工程及び処理液組成を以下に示す。 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分 5秒 37.8 ℃ 20 mL 11.5L 漂 白 50秒 38.0 ℃ 5 mL 5L 定着 (1) 50秒 38.0 ℃ ─ 5L 定着 (2) 50秒 38.0 ℃ 8 mL 5L 水 洗 30秒 38.0 ℃ 17 mL 3L 安定 (1) 20秒 38.0 ℃ ─ 3L 安定 (2) 20秒 38.0 ℃ 15 mL 3L 乾 燥 1分30秒 60.0 ℃ *補充量は感光材料35mm幅1.1m当たり(24毎撮り1本相当)。
【0419】安定液及び定着液は(2)から(1)への
向流方式であり、水洗水のオーバーフロー液は全て定着
浴(2)へ導入した。尚、現像液の漂白工程への持ち込
み量、漂白液の定着工程への持ち込み量、及び定着液の
水洗工程への持ち込み量は感光材料35mm幅1.1m
当たりそれぞれ2.5mL、2.0mL、2.0mLで
あった。また、クロスオーバーの時間はいずれも6秒で
あり、この時間は前工程の処理時間に包含される。
【0420】上記処理機の開口面積は発色現像液で10
0cm2、漂白液で120cm2、その他の処理液は約1
00cm2であった。以下に処理液の組成を示す。
【0421】 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 3.0 カテコール−3,5−ジスルホン酸 ジナトリウム 0.3 0.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.3 炭酸カリウム 39.0 39.0 ジナトリウム−N,N−ビス(2−スル ホナートエチル)ヒドロキシルアミン 1.5 2.0 臭化カリウム 1.3 0.3 沃化カリウム 1.3mg − 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3, 3a,7−テトラザインデン 0.05 − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 アニリン硫酸塩 4.5 6.5 水を加えて 1.0L 1.0L pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.18。
【0422】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二 鉄アンモニウム一水塩 113 170 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 コハク酸 34 51 マレイン酸 28 42 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水で調整〕 4.6 4.0。
【0423】(定着(1)タンク液)上記漂白タンク液
と下記定着タンク液の5対95(容量比)混合液。
【0424】 (pH6.8) (定着(2)) タンク液(g) 補充液(g) チオ硫酸アンモニウム水溶液 240mL 720 mL (750g/L) イミダゾール 7 21 メタンチオスルホン酸アンモニウム 5 15 メタンスルフィン酸アンモニウム 10 30 エチレンジアミン四酢酸 13 39 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水、酢酸で調整〕 7.4 7.45 (水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロー
ムアンドハース社製アンバーライトIR−120B)
と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライ
トIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカ
ルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/L以下
に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム2
0mg/Lと硫酸ナトリウム150mg/Lを添加し
た。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0425】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.2 (平均重合度10) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン・ナトリウム 0.10 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1− イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0L pH 8.5。
【0426】処理済の試料を赤,緑,青色フィルターで
それぞれ濃度測定した。感度はかぶり濃度+0.2の濃
度を与えるのに必要な露光量の逆数の相対値で表示し
た。また、RMS粒状度は、濃度0.2の濃度を与える
光量で一様に露光し、前述の現像処理を行った後マクラ
ミン社刊“ザ・セオリー・オブ・フォトグラフィックプ
ロセス”619ページに記述される方法で測定した。得
られた結果を表3に示す。
【0427】なお、感度,RMS粒状度は比較感材の値
を100とした相対値で示している。
【0428】
【表3】
【0429】表3に示す通り、本発明の多層吸着乳剤を
使用した試料2〜試料5は、比較試料1よりも感度・粒
状の点で優れた性能を有していることは明らかである。
【0430】実施例2 本発明の試料1〜5を発色現像処理する際、発色現像液
の温度を36.8℃及び38.8 ℃まで変更した試料を作成し
赤,緑,青色フィルターでそれぞれ濃度測定し各々の感
度(かぶり濃度+0.1とかぶり濃度+0.5の濃度を
与えるのに必要な露光量の逆数)の変化(△S0.1,△
0.5)を求めて各試料の処理温度依存性を調べた。結
果を表4に示す。
【0431】
【表4】
【0432】本発明の乳剤系を採用した試料は処理温度
差による感度の変動が小さく、処理温度依存性に優れて
いることが明らかである。また、低感側の層の乳剤の感
度が高感側の層の乳剤の感度に対して70%以上である
試料2及び3はより処理変動が小さい。更に赤感光性
層、緑感光性層、青感光性層それぞれの最高感層に増感
色素が多層吸着しているハロゲン化銀写真乳剤を使用し
ている試料5が最も処理依存性が優れている結果が得ら
れた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 克宏 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 桜田 政美 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H016 AB01 BD02 2H023 CA06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、それぞれ感度の異なる2層
    以上の感色性層より構成される単位赤感性層、単位緑感
    性層、及び単位青感性層と、非感光性層を有するハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料において、該各単位感光性層
    を構成する感色性層のうちの最高感度層の少なくとも一
    つがハロゲン化銀粒子表面上に増感色素が多層吸着して
    いるハロゲン化銀乳剤を含有し、該最高感度層よりも支
    持体側にあり、それとは同一感色性の低感度層に含有さ
    れる乳剤の感度が、該最高感度層のハロゲン化銀乳剤の
    感度に対して60%以上であることを特徴とするハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料。
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