JP2002148498A - 既設管路への光ファイバ架設方法および装置 - Google Patents

既設管路への光ファイバ架設方法および装置

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JP2002148498A
JP2002148498A JP2000347186A JP2000347186A JP2002148498A JP 2002148498 A JP2002148498 A JP 2002148498A JP 2000347186 A JP2000347186 A JP 2000347186A JP 2000347186 A JP2000347186 A JP 2000347186A JP 2002148498 A JP2002148498 A JP 2002148498A
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wall
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JP2000347186A
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Yuji Koma
憂士 小間
Hideo Kuroki
日出男 黒木
Shigefumi Matsumoto
繁文 松本
Eiji Morinaga
英二 森長
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Kinden Corp
Kidoh Construction Co Ltd
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Kinden Corp
Kidoh Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設管路に対する光ファイバの敷設を、既設
管路に悪影響を与えることなく、光ファイバの支持が確
実でしかも能率的に行えるようにする。 【解決手段】 既設管路10の内部に光ファイバ20を
架設する方法である。既設管路10の内壁に沿って吊線
30を配置し、吊線30を緊張させた状態で、吊線30
の両端を、既設管路10を外部空間につなぐ連絡口14
に固定する工程(a) と、鞘管40などを用いて吊線30
に光ファイバ20を支持させて架設する工程(b) とを含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設管路への光フ
ァイバ架設方法および装置に関し、既に施工された下水
道などの既設管路に対して、通信などに利用される光フ
ァイバを架設する方法と、その方法に用いる装置とを対
象にしている。
【0002】
【従来の技術】高速かつ大量のデータ伝送に適した光フ
ァイバの敷設は、通信網の整備を図る上で重要な課題で
ある。都市部や住宅密集地などでは、光ファイバを敷設
するために新たな地下管路を掘削施工することが難し
い。地下には既に上下水道やガス配管などが埋設されて
いるため、新たに光ファイバ敷設用の地下管路を施工す
る余裕がない。また、地下管路の施工のために、道路の
交通を遮断したり地上の構築物を撤去したり移転したり
することは、工事の大型化および長期化を招くとともに
経済的に大きな負担になる。
【0003】さらに、個々の住宅あるいは家庭まで光フ
ァイバによる高速通信網を行き渡らせるには、光ファイ
バ幹線から個々の住宅へと至る枝線の施工が必要であ
る。このような個々の住宅毎への光ファイバの敷設のた
めに、大掛かりな工事を行ったり、多大のコストをかけ
ることは余計に採算が合わない。そこで、別の目的で既
に個々の住宅まで敷設されている既設管路を利用して光
ファイバの敷設を行うことが提案されている。例えば、
ほぼ全ての住宅には下水道の配管が敷設されているの
で、この下水道用の既設管路に光ファイバを敷設する方
法が考えられた。
【0004】例えば、特開平8−103012号公報に
は、下水道の天井部に間隔をあけて多数のホルダー金具
を植え込み、このホルダー金具に光ファイバケーブルを
支持させる技術が示されている。ホルダー金具の設置お
よび光ファイバケーブルの取り付けなどの工事を、下水
道の内部を走行自在で自動化工具などを搭載した施設車
を用いることで、作業員が入れないような小径の下水道
に対しても、光ファイバケーブルの敷設を行えるように
することも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来技術のよ
うに、ホルダー金具を用いて光ファイバを支持する方法
では、ホルダー金具の設置に多大な作業時間とコストが
かかってしまい、光ファイバ敷設工事全体のコスト増大
を招くという問題がある。一般的に、光ファイバケーブ
ルは、かなりの太さと重量があり可撓性のあるケーブル
であるから、比較的に短い距離毎に支えておかないと、
ケーブルの途中が垂れ下がったり揺れたり移動したりし
てしまう。下水道の場合、管路の内部を下水が流れるの
で、垂れ下がったケーブルが下水に漬かってしまうと、
下水の流れを妨げたり、ケーブルの劣化や損傷を招くこ
とになる。
【0006】しかし、ホルダー金具を取り付けるため
に、下水道の内壁に支持孔を穿孔したり、ホルダー金具
あるいはその取付ネジなどを支持孔に植え込んだりねじ
込んだりする作業は、非常に手間と時間を要する。前記
した下水道を走行する施設車を用いたとしても、作業位
置毎に施設車を移動させて所定の作業を行わせるのは、
手間と時間のかかる作業である。また、下水道の内壁に
多数の金具を取り付けたり、取付孔を穿孔したりするこ
とで、下水道の内壁を損傷したり耐久性を低下させる問
題も生じる。金具や取付孔の個所から地下水の浸入など
が起こり易くなる。
【0007】本発明の課題は、既設管路に対する光ファ
イバの敷設を、既設管路に悪影響を与えることなく、光
ファイバの支持が確実でしかも能率的に行える方法およ
び装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる既設管路
の光ファイバ架設方法は、既設管路の内部に光ファイバ
を架設する方法であって、前記既設管路の内壁に沿って
吊線を配置し、吊線を緊張させた状態で、吊線の両端
を、既設管路を外部空間につなぐ連絡口に固定する工程
(a) と、前記吊線に光ファイバを支持させて架設する工
程(b) とを含む。 〔既設管路〕光ファイバを架設する既設管路としては、
下水道のほか、上水道や地中配電路、ガス配管なども利
用できる。但し、安全性や利便性などの点では下水道が
適している。
【0009】既設管路は、地盤に埋設された地中管路だ
けでなく、土木構造物や建築物の内部に設置された管路
にも適用することができる。既設管路の材質や構造は、
特に限定されない。例えば、コンクリート管、ヒューム
管、鋼管、合成樹脂管、FRP管、セラミック管、さら
には複数の材料を組み合わせた複合管であってもよい。
管路の断面形状は、円形のほか、楕円管や矩形管、その
他の異形管であってもよい。既設管路の口径は特に制限
されないが、通常は、口径100〜1000mmの範囲の
既設管路に適用される。
【0010】既設管路は、直線部分だけでなく、曲線部
分や屈曲部分、段差部分、分岐個所などがあっても構わ
ない。 〔連絡口〕既設管路には、既設管路と外部空間とをつな
ぐ連絡口が存在する。下水道の場合には、地表に通じる
いわゆるマンホールが連絡口に該当する。連絡口は、作
業者が既設管路に出入りしたり、各種の資材を搬入搬出
したり、既設管路の内部を点検したりするのに利用され
る。既設管路が比較的小径で、内部に作業者が入れない
ような場合でも、連絡口のところまでは作業者が各種作
業を行ったり資材の搬入搬出を行ったりすることができ
る。
【0011】作業者が入り難い狭い既設管路が、作業者
が容易に作業できる程度の太い既設管路に連絡している
個所も連絡口となる。住宅などへの引き込み個所の端部
も連絡口となる。 〔吊線〕所定の距離にわたって光ファイバを支持できる
だけの機械的強度や耐たわみ性を有していれば、材質や
形状構造は特に限定されない。従来、電柱間の電線ケー
ブル架設や土木建築物における補強材料などに利用され
ていた線材が使用できる。具体的には、ピアノ線やPC
鋼線(プレストレスコンクリート鋼線)その他の鋼線、
強化繊維線、合成樹脂線などが用いられる。
【0012】吊線の太さや材質は、支持する光ファイバ
の重量や支持距離などの条件に合わせて設定される。通
常、吊線の太さとしては、5〜20mmの範囲に設定でき
る。 〔吊線の施工〕吊線は、既設管路の内壁に沿って、一つ
の連絡口から別の連絡口までの間に配置される。管路の
本来の目的に使用されない空いたスペースを利用して吊
線を配置するのが好ましい。下水道の場合には、天井の
中央あるいはその周辺に吊線を配置することができる。
吊線は緊張させた状態で取り付けられる。具体的には、
吊線の長さ方向に引張力を加えて、引張力が加わった状
態で両端を固定する。引張力の大きさは、吊線が過剰に
垂れ下がることがない程度に設定すればよい。具体的な
引張力は、吊線の材質や太さ、距離などの条件によって
も異なるが、通常は、10〜2000kgの範囲に設定
される。
【0013】吊線の両端は、連絡口に固定される。固定
個所は、既設管路とマンホールなどとの厳密な境界位置
であってもよいし、境界位置よりも既設管路側あるいは
マンホール側に入った周辺位置であってもよく、実質的
に連絡口とみなせる範囲であればよい。吊線の固定手段
は、通常の鋼線などに対する固定手段が採用できる。例
えば、土木建築構造におけるPC鋼線やピアノ線などの
固定金具や固定装置を利用することができる。 〔光ファイバ〕情報通信や機器制御に用いられている通
常の光ファイバが使用される。光ファイバは通常、1本
または複数本の光ファイバを、合成樹脂やゴムなどで被
覆した光ファイバケーブルの形態で使用される。
【0014】以下の説明では、光ファイバそのものと光
ファイバケーブルとの両方を含めた技術概念として光フ
ァイバという技術用語を用いる場合がある。 〔光ファイバの施工〕光ファイバあるいは光ファイバケ
ーブルを、吊線に支持させた状態で施設管路内に架設す
る。1本の吊線に対して、1本の光ファイバあるいは光
ファイバケーブルを架設することもできるし、複数本の
光ファイバまたは光ファイバケーブルを架設することも
できる。光ファイバを吊線に支持するための手段として
は、通常の吊線に対するケーブル類の支持手段が採用で
きる。例えば、従来、電柱間に架設された吊線に光ファ
イバケーブルを支持させる際に利用されているケーブル
ハンガーなどの支持金具や支持構造を転用することがで
きる。
【0015】光ファイバを吊線に支持する手段として、
光ファイバと吊線とを引き揃えて収容する筒状の鞘管が
利用できる。筒状の鞘管を吊線に被せることで、吊線に
鞘管が支持され、鞘管に収容された光ファイバも吊線に
支持されることになる。光ファイバを吊線に支持させた
ときに、連絡口における吊線の固定個所よりも外側で、
連絡口の内部あるいは周辺に、光ファイバを外部空間に
引き出すための構造を設けたり、連絡口の両側の既設管
路に架設された光ファイバ同士をつなぐ接続構造を設け
たり、光ファイバを分岐する構造を設けたりすることが
できる。光ファイバ同士を接続する構造として、ターミ
ナルボックスが使用できる。
【0016】〔支持具〕連絡口の中間の既設管路内で、
吊線および光ファイバを既設管路の内壁に支持させる支
持具を用いることができる。支持具を用いることで、吊
線および光ファイバが既設管路の途中で過剰に垂れ下が
ったり左右に揺れたり移動したりすることを防げる。支
持具は、既設管路の中央位置に1個所だけ取り付けてお
いてもよいし、所定の間隔毎に複数個所に取り付けてお
くこともできる。但し、支持具の取付数が増えると作業
工数が増えるので、必要最小限に止めておくことが好ま
しい。
【0017】支持具としては、通常の線材に対する支持
構造や固定構造が採用できる。支持具としては、既設管
路の内壁に加工を行ったり過大な負荷を加えないものが
好ましい。支持具を、既設管路の内壁に、釘やボルト、
接着その他の手段で固定することができる。支持具をコ
ンクリート等からなる管路の内壁に固定する手段とし
て、カプセル型接着剤系アンカーが利用できる。具体的
には、管路内壁にドリル穴をあける。ドリル穴に、変形
性と硬化性とを有する棒状の接着剤カプセルを挿入し、
その上に、アンカー金具を打ち込む。アンカー金具の打
ち込みによって接着剤カプセルが潰れ、アンカー金具と
ドリル穴との隙間を埋めた状態で硬化する。その結果、
通常のボルト等では十分な固定力が得られないコンクリ
ート壁に対しても、アンカー金具を強力に固定すること
ができる。このアンカー金具を介して支持具を取り付け
れば、支持具を確実に固定できる。アンカー金具と一体
形成された支持具を用いることもできる。
【0018】支持具として、既設管路の内壁に弾力的に
圧接することで固定される構造のものが採用できる。具
体的には、以下の構成を備えた支持具が使用できる。全
体が弾力性を有する帯材からなり、既設管路の内壁に向
かって開口し、前記吊線および光ファイバが挿通される
挿通溝と、前記挿通溝の両端から外側に延び、既設管路
の内壁に向かって弾力的に拡張して既設管路に圧接して
支持される弾力拡張片とを備える。弾力性を有する帯材
は、バネ鋼板や合成樹脂板が使用できる。プレス成形や
押出成形などの加工手段で支持具が作製される。挿通溝
の形状や寸法は、吊線および光ファイバの径や外形に合
わせて設定される。弾力拡張片の形状や寸法は、取り付
ける既設管路の口径や形状に合わせて設定される。
【0019】支持具は、弾力拡張片を弾力的に縮める方
向に変形させたときに、支持具の全体形状が既設管路の
内形状よりも小さくなるように設定しておく。 〔支持具の取付手段〕支持具は、作業者が既設管路の内
部に入って取り付けることもできるが、小径の既設管路
の場合には、作業ロボットや自動化された取付装置を用
いることが有効である。支持具の取付手段として、以下
に説明する光ファイバ架設装置が使用できる。前記既設
管路の内部を走行自在な走行車と、前記走行車に設置さ
れ、前記支持具を、弾力拡張片を外径が縮小するように
変形させた状態で保持する保持部と、前記保持部に配置
され、弾力拡張片の保持を解除する保持解除手段とを備
える。
【0020】走行車は、管路の点検や補修などの管内作
業のために利用されている通常の管内走行装置と同様の
構造が採用できる。支持具の取付作業と上記した点検や
補修作業とを一つの走行車で兼用させることもできる。
走行車には、支持具を一個あるいは複数個保持すること
ができる。保持部は、支持具が既設管路の内壁に接触し
たり、吊線や光ファイバに引っ掛かったり、走行車の移
動が困難にならないように、支持具の外形を小さくした
状態で保持しておく。具体的には、弾力拡張片を外径が
縮小するように変形させておけばよい。
【0021】保持解除手段で弾力拡張片の保持を解除す
れば、弾力拡張片は拡張して、支持具が既設管路の内壁
に圧接され固定される。両側の弾力拡張片の端部を内側
に寄せて係止する状態と、係止を解除する状態とに選択
的に配置される係止手段を保持部に備えておけば、弾力
拡張片を縮小させた状態での保持と保持の解除とを簡単
な構造で確実に実行できる。保持部を支持具とともに既
設管路の径方向に移動させる移動手段を有することがで
きる。このような移動手段を備えていれば、保持部およ
び支持具を既設管路の中心側に配置して管路内壁に接触
しないようにする状態と、支持具を管路内壁側に移動さ
せて支持具による吊線および光ファイバの支持を確実に
行えるようにする状態とを選択することができる。
【0022】〔吊線固定具〕吊線を連絡口に固定する吊
線固定具として以下の構造を備えたものが使用できる。
固定面材は、連絡口のうち既設管路と交差する壁面に当
接して固定される。連絡口は、吊線を配設する既設管路
とは別の管路やマンホールなどの構造物に設けられる
が、何れの場合も、既設管路と直交もしくは斜めに交差
する壁面を備えている。この壁面に固定面材を当接させ
て固定することで、吊線を緊張状態で固定したときの反
発力を、固定面材から壁面で負担させることができる。
その結果、吊線を強力に緊張させて取り付け、吊線や光
ファイバの垂れ下がり等を良好に抑制することができ
る。
【0023】固定面材と連絡口の壁面との当接面積を広
くしたほうが、吊線の反力によって加わる面圧力が少な
くなり、吊線に大きな緊張力を加えることができる。連
絡口の壁面が既設管路の軸方向に対して直交している
と、吊線の反力が加わっても固定面材がずれ難く、大き
な力を負担できる。固定面材は、鋼板や形鋼材などの機
械的強度に優れた構造材料で作製される。固定面材と連
絡口の壁面との当接面に、ゴムや合成樹脂などからなる
緩衝材を配置しておくこともできる。連絡口の壁面に固
定面材を固定する手段としては、通常の土木建築構造に
おける固定手段が採用でき、例えば、ボルトやリベッ
ト、溶接、接着、釘打ちなどが挙げられる。
【0024】緊張支持部は、固定面材と一体的に設けら
れる。緊張支持部の構造は、前記したPC鋼線などの固
定構造と共通する構造が採用できる。具体的には、テー
パー穴とその中で摺動するテーパー駒からなるPC鋼線
グリップと呼ばれる構造が採用できる。
【0025】
【発明の実施形態】〔全体の施工構造〕図1に示す実施
形態は、下水道の既設管路に光ファイバを架設する場合
を示している。下水道として使用されている既設の管路
10は、地中に埋設施工されており、比較的小径で作業
者が中に入って各種作業を行うのが困難である。管路1
0には、所定間隔毎にマンホール12が設置されてい
る。マンホール12は、地表から管路10の上端まで垂
直な通路を構成し、地上から作業者が入って、管路10
の点検などを行う。マンホール12と管路10の連結部
分が連絡口14である。
【0026】間隔をあけて配置された一対の連絡口1
4、14の間の管路10に光ファイバケーブル20を架
設する。光ファイバケーブル20は、光ファイバあるい
は光ファイバの束を合成樹脂やゴムなどで被覆して可撓
性のあるケーブルを構成したものである。両端の連絡口
14にはそれぞれ、固定具60を介して吊線30の端部
が固定される。吊線30としては、径3mmの鋼線が使用
される。吊線30は引張力を加えて緊張させた状態で固
定される。吊線30に沿わせて光ファイバケーブル20
が配置される。光ファイバケーブル20には特別な張力
は加えられていない。光ファイバケーブル20の端部
は、マンホール12の側壁に設置されたターミナルボッ
クス22に接続されている。このようなターミナルボッ
クス22を介して、連絡口14から連絡口14へと光フ
ァイバケーブル20が連結されていく。
【0027】吊線30と光ファイバケーブル20とは引
き揃えられた状態で配置される。互いの間には特別な接
合や係止は行わない。吊線30と光ファイバケーブル2
0の外周に、合成樹脂チューブなどからなる筒状の鞘管
40が被せられている。したがって、緊張状態で張られ
た吊線30に対して鞘管40が支持され、鞘管40の内
部に収容された光ファイバケーブル20も鞘管40を介
して吊線30に支持されることになる。連絡口14の配
置間隔が狭い場合には、両端を連絡口14に固定された
吊線30による支持だけでも、鞘管40および光ファイ
バケーブル20の垂れ下がりは生じない。
【0028】但し、連絡口14の配置間隔が長くなる
と、吊線30を強く緊張していても、連絡口14の中間
位置では、ある程度の垂れ下がりが生じる。また、連絡
口14の中間部分では吊線30および光ファイバケーブ
ル20が自由に動けるので左右に揺れたり移動したりす
ることがある。このような吊線30および光ファイバケ
ーブル20の垂れ下がりや移動を防止するために、吊線
30(実際には鞘管40を被せた吊線30および光ファ
イバケーブル20である)の途中を、支持具50を用い
て管路10の内壁に支持させておくことが有効である。
【0029】〔吊線の固定構造〕図2、3は、固定具6
0の詳細な構造を示している。固定具60は、鋼材を組
み合わせて構成された概略L字形の構造体である。L字
形を構成する片方の面材63が、連絡口14となってい
る、管路10と直交するマンホール12の内周壁および
管路10の端面に当接し、他方の面材65が、管路10
の内周壁に当接する。面材63の複数個所を、ボルト6
1を介して、マンホール12の内周壁および管路10の
端部に固定している。面材63は上下方向および左右方
向に十分な幅を有しており、吊線30に緊張力を加えた
ときの反力を確実に受け留められるようになっている。
【0030】固定具60には、PC鋼線用グリップの機
構を利用して、吊線30を緊張状態で固定する機構すな
わち緊張支持部が設けられている。具体的には、円錐状
のテーパ穴を有する取付部64に、円錐体を複数個に分
割した分割体からなるグリップ駒66が配置される。グ
リップ駒66の中心には吊線30が挿入される。吊線3
0を外側(図2の右側)へと強く引っ張って緊張状態に
する。このときは、グリップ駒66に対して吊線30は
自由に移動できる。その後、グリップ駒66を取付部6
4に打ち込むと、グリップ駒66の中心に挿入された吊
線30が周囲から締め付けられて取付部64に固定され
る。引張力を取り除いても、吊線30の復元力がグリッ
プ駒66を余計に取付部64に強く押しつけることにな
るので、吊線30の復元力が大きいほど、グリップ駒6
6による吊線30の締め付け力も大きくなり、吊線30
の移動や緊張状態が緩みは確実に阻止される。
【0031】上記した吊線の固定構造では、比較的単純
な構造の取付部64およびグリップ駒66を用いること
で、吊線30を簡単に、かつ、強い緊張状態で確実に固
定することができる。 〔支持具〕図8は、バネ状の弾力性を有する支持具50
によって、吊線30および光ファイバケーブル20が収
容された鞘管40を、管路10の内壁に支持した状態を
示している。支持具50は、弾力性に優れた帯状の板材
で形成されている。例えば、厚さ1mm程度で幅150mm
程度のSUS鋼板が使用できる。支持具50の中央に
は、断面が概略Ω形をなす挿入溝52が設けられてい
る。挿入溝52は、管路10の内壁に向かって開口して
いる。挿入溝52の内径は、鞘管40の外径と同じ程度
が少し大きく設定されている。
【0032】挿入溝52の両端から外側に向かって、弧
状の弾力拡張片54が設けられている。図8では、弾力
拡張片54が管路10の内壁と同じ曲率になっている
が、管路10の内壁が存在しない自由状態では、弾力拡
張片54は管路10の内壁よりも大きな曲率あるいは直
線状態にまで拡がる。管路10の内壁よりも拡がろうと
する弾力拡張片54を備えた支持具50を、管路10の
内壁に装着することで、弾力拡張片54が管路10の内
壁に圧接され、それに伴う支持力によって支持具50が
管路10の内壁に固定される。このとき、挿入溝52
に、吊線30や光ファイバケーブル20を収容した鞘管
40が挿入されていれば、鞘管40を介して吊線30お
よび光ファイバケーブル20が、管路10の内壁に固定
され、垂れ下がりを起こしたり、左右に揺れたり移動し
たりすることが防げる。鞘管40がなく、吊線30ある
いは光ファイバーケーブル20だけであっても、同様に
支持することが可能である。
【0033】支持具50は弾力拡張片54が有する弾力
性によって管路10の内壁に固定されるので、取付孔を
穿孔したり取付ビスをねじ込んだりする手間がかから
ず、管路10の内壁を傷つけることもない。 〔支持具の取付装置〕図4〜図8は、支持具50の取付
装置とその動作を示している。図4、5に示すように、
取付装置として、走行作業車70が用いられる。走行作
業車70は、管路10内を軸方向に自由に走行できる走
行輪72を備えている。図示しないが、走行作業車70
の走行および各種の作業動作を制御したり駆動電力を供
給したりする制御ケーブルが、走行作業車70から連絡
口14を経てマンホール12の上部の地表まで延びてお
り、地上から走行作業車70を操作制御することができ
る。走行作業車70には、管路10の内部を撮影するカ
メラを備えておくことができ、地表で作業状況を監視す
ることができる。
【0034】走行作業車70には、吊線30および光フ
ァイバケーブル20が収容された鞘管40に弾力的に当
接して持ち上げる持ち上げアーム74を有する。持ち上
げアーム74の先端にはローラ76を備え、鞘管40に
沿ってスムーズに摺動できるようになっている。この持
ち上げアーム74によって、鞘管40を管路10のほぼ
天井の中心位置付近に配置することができる。走行作業
車70には、支持具50を保持する保持部80を有して
いる。図5に示すように、保持部80は、支持具50の
挿入溝52の裏面両側に当接する一対の角(つの)状の
保持突起82、82と、支持具50の弾力拡張片54、
54の先端に係止する係止爪84、84とを備えてい
る。係止爪84は、下部を支点にして外側に向かって回
動自在に取り付けられている。
【0035】保持突起82および係止爪84を含む保持
部80の全体は、走行作業車70に対して管路10の径
方向(図5の上下方向)に昇降自在に取り付けられてい
る。 〔支持具の取付工程〕支持具50は、管路10の外部空
間、通常は地表で走行作業車70の保持部80に装着し
ておく。支持具50が装着された走行作業車70を管路
10内に送り込み、支持具50の取付位置まで走行させ
る。図5に示すように、走行作業車70に支持具50を
保持して搬送する際には、支持具50を保持部80で支
持させておく。この状態では、支持具50の外径は管路
10の内径よりも十分に小さくなっており、支持具50
が管路10の内壁に接触することはない。
【0036】走行作業車70が支持具50の取付位置に
くると、図6に示すように、支持具50を保持した保持
部80の全体が上に延びるように上昇する。支持具50
の挿入溝52に鞘管40が挿入配置される。図7に示す
ように、係止爪84が外側に回動し、弾力拡張片54の
先端に対する係止が解除される。弾力拡張片54は、左
右に拡がり、管路10の内壁に沿って密着して圧接され
る。この状態で、支持具50は管路10の内壁に固定さ
れる。その後、保持突起84含む保持部80を下降させ
て支持具50から離したあと、走行作業車70を退去さ
せる。
【0037】図8に示すように、管路10の内壁に弾力
拡張片54が圧接されることで、支持具50が管路10
の内壁に固定され、挿入溝52に挿入された鞘管40
は、管路10の内壁天井に配置され、みだりに移動する
ことが無くなる。 〔吊線の固定構造の別例〕図9、10に示す実施形態
は、前記実施形態と、吊線の固定構造が異なる。図9に
示すように、概略L字形をなす固定具60が、管路10
とマンホール12との連絡部14に取り付けられるのは
前記実施形態と同じである。吊線30の端部は、鋼線止
定用の止定駒34に巻き付け重ねて固定される。固定具
60には、止定駒34が装着される溝状あるいは孔状の
止定部68を有している。 吊線30の両端を引っ張っ
て緊張状態にしたあと、止定駒34が取り付けられた吊
線30の端部を止定部68に挿入あるいは係止すること
で、吊線30を緊張状態で固定することができる。
【0038】この実施形態では鞘管40は使用しない。
緊張状態で張られた吊線30に沿って光ファイバケーブ
ル20を配置したあと、吊線30と光ファイバケーブル
20を連結する連結具90を取り付けて、吊線30に光
ファイバケーブル20を支持させる。図10に示すよう
に、連結具90は、弾力性に優れた帯片からなり、一端
が開口していて、光ファイバケーブル20の外径が嵌ま
り込む第1の嵌入溝94と、第一嵌入溝94の奥側に配
置され、吊線30の外径が嵌まり込む第2の嵌入溝92
とを有している。開口部分を開いて、吊線30および光
ファイバケーブル20に嵌め込むことで、吊線30に対
して光ファイバケーブル20が支持される。
【0039】このような連結具90を、光ファイバケー
ブル20の長さ方向で一定の間隔毎に取り付けておけ
ば、光ファイバーケーブル20は吊線30に対して確実
に支持されることになる。上記実施形態において、止定
駒34の変わりに、先端がL字形に屈曲したフック金具
を使用し、吊線30の端部に形成された環状部分を引っ
かけておくこともできる。また、マンホール12の内部
で、光ファイバケーブル20を、吊線30とは別に、引
っ張った状態で支持しておくこともできる。 〔支持具の取付装置の別例〕図11および図12に示す
実施形態の取付装置も、前記同様の支持具50を用い
る。但し、支持具50の弾力拡張片54の先端近くに
は、係止孔56が貫通している。
【0040】図11に示すように、装置本体100から
管路10の径方向に2本の支持腕110が延びている。
支持腕110は装置本体100に取り付けられた根元側
を基点にして旋回可能であるとともに、支持腕110の
先端側が径方向に伸縮できるようになっている。支持腕
110の先端には、支持具50の係止孔56に嵌入係止
される係止突起112を有している。係止突起112の
周囲を囲んで筒状をなす押出筒114を備えている。押
出筒114は、支持腕110の軸方向に移動自在であ
る。図示しないが、装置本体100には、前記図4に示
された走行車70と同様の移動手段を備えていることが
できる。
【0041】支持具50の搬送時には、支持具50の係
止孔56に、支持腕110の係止突起112を嵌入係止
しておく。押出筒114は支持腕110の根元側に後退
していて、押出筒114の先端に係止突起112が突出
している。また、左右の支持腕110、110で構成さ
れる挟角が約60°程度になるように、左右の支持腕1
10、110を中央寄りに旋回させ、さらに、支持腕1
10、110が短くなるように先端側を縮めている。支
持腕110の係止突起112に支持具50の係止孔56
が嵌入係止された状態では、支持具50の弾力拡張片5
4の外径が小さくなるように変形させられる。前記した
支持腕110、110の配置構造によっても、支持具5
0の全体の外径が小さくなる。
【0042】図12に示すように、支持具50の取付位
置において、支持腕110、110を左右に拡げるよう
に旋回させるとともに、支持腕110の先端側を伸ばす
と、支持具50の外径が大きくなる。挿入溝52が鞘管
40の外側に嵌まり込む。押出筒114が支持腕110
の先端側に進出すると、支持具50の先端部分を外側に
押し出し、係止突起112から係止孔56を抜き出す。
係止孔56が係止突起112から外れれば、弾力拡張片
54は自由に拡張することができ、管路10の内壁に圧
接する。支持具50が管路10の内壁に固定される。支
持具50の挿入溝52には鞘管40が嵌まり込み、鞘管
40が管路10の天井部分の中央に支持される。
【0043】上記実施形態では、支持腕110の作動に
よって、支持具50の保持状態と保持解除状態とを簡単
かつ確実に切替動作させることができる。 〔既設管路への吊線の挿通作業〕図13は、管路10の
連絡口14から連絡口14へと、吊線30または光ファ
イバーケーブル20あるいは吊線30と光ファイバーケ
ーブル20とが収容された鞘管40を挿通する作業の具
体例を示している。図13(a) に示すように、柔軟な合
成樹脂などからなる牽引ロープ120の先端に、合成樹
脂の中空成形体からなるフロート122を取り付けられ
ている。管路10には、下水が流れている。図の場合、
上流である右側から下流である左側へと矢印方向に下水
が流れる。地上から上流側のマンホール12にフロート
122および牽引ロープ120を差し入れ、マンホール
12と管路10との交差個所に設けられた連絡口14か
ら管路10の下水にフロート122を浮かべると、下水
の流れに浮かんだフロート122は下流側へと流されて
いく。フロート122に引き続いて牽引ロープ120が
管路10の中に引き込まれていく。
【0044】フロート122が、下流側のマンホール1
2と管路10との交差個所に設けられた連絡口14に到
達すれば、フロート122を管路10からマンホール1
2を経て地上に引き上げる。その結果、上流側の連絡口
14から下流側の連絡口14にわたって、管路10の内
部に牽引ロープ120が敷設される。牽引ロープ120
が連絡口14間に張り渡されれば、牽引ロープ120か
らフロート122を取り外す。図13(b) に示すよう
に、図の左側にあるマンホール12の外で、牽引ロープ
120の端部に、連結金具124を介して、吊線30と
光ファイバーケーブル20とが収容された鞘管40の端
部を連結する。連結金具124は、従来の電線や光ファ
イバーの連結金具と同様の構造を有するものが使用され
る。
【0045】図の右側にある上流側連絡口14で、牽引
ロープ120を引っ張ると、牽引ロープ120に引かれ
て、鞘管40が下流側連絡口14から管路10内に引き
込まれる。管路10内で、連絡口14、14間に鞘管4
0が配置されれば、鞘管40から牽引ロープ120を取
り外す。その後、鞘管40の両端で、吊線30を緊張さ
せて連絡口14、14に固定する作業は、前記した各実
施形態と同様の装置や工程を採用する。上記実施形態で
は、作業者が管路10内に入る必要がなく、小口径の管
路10にも能率的に吊線30および光ファイバーケーブ
ル20の敷設作業が行える。使用する設備は、牽引ロー
プ120とフロート122との簡単な設備だけでよいの
で、設備は簡単でコストも安価である。
【0046】〔分岐管路への吊線挿通〕図14に示す実
施形態は、前記した牽引ロープ120とフロート122
による吊線の挿通作業の応用例を示す。管路10は、図
の上から下へと下水が流れる幹線路10aと、幹線路1
0aの途中に直交方向から接続され、幹線路10aへと
下水が流れ込む支線路10bとがT字形に配置されてい
る。支線路10bは、例えば、住宅などの建築物への引
き込み管路であってもよい。支線路10bの上流側には
マンホール12が配置され、支線路10bとの連結個所
を挟んで幹線路10aの上流側と下流側にもマンホール
12が配置されている。
【0047】幹線路10aの上流側のマンホール12か
ら幹線路10aの下水にフロート122および牽引ロー
プ120を流せば、幹線路10aの下流側のマンホール
12までフロート122および牽引ロープ120が到達
する。マンホール12から牽引ロープ120を引き出
し、鞘管40あるいは吊線30を連結したあと、牽引ロ
ープ120を元の方向に引き戻して幹線路10aに鞘管
40(吊線30)を配置する作業は、前記同様に行え
る。支線路10bの上流側のマンホール12から支線路
10bの下水にフロート122および牽引ロープ120
を流せば、支線路10bから幹線路10aの下流側のマ
ンホール12までフロート122および牽引ロープ12
0が到達する。この場合は、支線路10bから分岐点を
経て幹線路10aへと屈曲した形で牽引ロープ120が
挿通されることになる。その後の、鞘管40あるいは吊
線30の挿通作業は、前記と同様に行われる。この方法
では、管路10に分岐個所があっても、前記したフロー
ト122と牽引ロープ120とを利用することで、鞘管
40や吊線30を確実かつ能率的に配設することができ
る。
【0048】上記方法を組み合わせれば、複数の管路1
0が分岐したり合流したりする複雑な管構造であって
も、簡単にかつ能率的に吊線30および光ファイバーケ
ーブル20あるいは鞘管40の敷設作業を行うことがで
きる。 〔分岐ケーブルの配設〕図15に示す実施形態は、前記
実施形態と同様に、幹線路10aと支線路10bがT字
形に組み合わせれた管路10に対して、効率的に吊線3
0あるいは鞘管40を敷設する方法を示している。フロ
ート122を利用して、幹線路10aの上流側のマンホ
ール12から下流側のマンホール12へと牽引ロープ1
20を挿通し、これとは別に、支線路10bの上流側の
マンホール12から幹線路10aの下流側のマンホール
12へと牽引ロープ120を挿通するのは、前記実施形
態と共通している。
【0049】幹線路10aの下流側のマンホール12の
外で、2本の牽引ロープ120、120にそれぞれ鞘管
40の端部を連結する。2本の鞘管40の他端は、T字
形連結具130で連結されており、T字形連結具130
の残りの連結個所にも別の鞘管40が連結されている。
したがって、T字形連結具130で3本の鞘管40が連
結された状態である。この状態で、2本の牽引ロープ1
20、120をそれぞれ、出発地点のマンホール12、
12へと引き戻すと、それぞれのマンホール12、12
まで鞘管40が配置される。幹線路10aと支線路10
bとの交差点には、T字形連結具130が配置され、前
記交差点と下流側のマンホール12との間の幹線路10
aには残りの鞘管40が配置される。
【0050】その結果、T字形に交差する幹線路10a
と支線路10bに対して、鞘管40を効率的に敷設する
ことができる。しかも、3本の鞘管40をT字形連結具
130に連結する作業は、マンホール12の外の地上で
行っておけるので、作業が行い易く作業能率も良くな
る。 〔分岐ケーブルの詳細構造〕図16に示す実施形態は、
T字形に交差している幹線路10aと支線路10bと
に、吊線30を利用して光ファイバを架設した状態を示
している。前記図14、15に示す実施形態と同様の方
法で、フロート122および牽引ロープ120を用い
て、予めT字形の分岐構造に組み立てられた3本の鞘管
40…を敷設する。
【0051】図16(a) に示すように、幹線路10aに
おいては、分岐点の前後に配置されたマンホール12、
12の間に、中央にT字形連結具130を装着した鞘管
40を架設する。T字形連結具130は、幹線路10a
と支線路10bとの分岐個所に配置される。マンホール
12につながる幹線路10aの連絡口では、鞘管40に
収容された吊線30の端部が固定具60を用いて緊張状
態で固定される。固定具60の構造は、例えば前記図
2、3に示すものが使用される。幹線路10aの途中で
は、支持具50を用いて鞘管40を幹線路10aの天井
付近に支持させており、鞘管40が垂れ下がるのを抑え
ている。
【0052】T字形連結具130から分岐した鞘管40
は、支線路10bのマンホール12につながる連絡口
に、前記同様の固定具60を用いて支持される。鞘管4
0に収容された吊線30の一端に引張力を加えて固定具
60に固定する。吊線30の他端はT字形連結具130
に連結されているので、吊線30を緊張状態で架設する
ことができる。支線路10bの途中でも、支持具50を
用いて鞘管40を支線路10bの天井付近に支持させて
いる。支線路10bでは、吊線30の片端しか固定具6
0に固定されていないので緊張力が弱くなり易い。その
ため、支持具50の配置数を増やして、鞘管40の垂れ
下がりを確実に防止できるようにすることが望ましい。
【0053】図16(b) に詳しく示すように、鞘管40
とは別の光ファイバケーブル20も架設している。すな
わち、支線路10bのマンホール12から地上の構造物
などに引き込むための分岐回線になる単体の光ファイバ
ケーブル20を、鞘管40とともに架設している。単体
の光ファイバーケーブル20を、鞘管40に沿わせて、
連結具90で鞘管40に固定する。連結具90は、前記
図10に示す構造のものや一般的なケーブル固定用の連
結金具を利用することができる。 〔全周状支持具〕図17に示す実施形態の支持具50
は、基本的な構造は前記図8などに示された支持具50
と共通している。
【0054】帯状のバネ板材からなる支持具50は、管
路10の内周長さよりも長く、一端よりも少し内側に、
鞘管40が収容される挿入溝52を有している。挿入溝
52の両側の支持具50の全体が弾力拡張片の機能を果
たす。図17(b) に示すように、帯状の支持具50の全
体を弾力的に変形させ、管路10の内径よりも十分に小
さな径で丸く巻回した状態にして、地上からマンホール
12を経て管路10への搬入、および、管路10内での
移送を行う。図17(a) に示すように、支持具50を所
定位置に配置した段階で、支持具50を開放すると、支
持具50が拡がって、管路10の内周壁に弾力的に当接
して固定される。支持具50の両端は一部が重なった状
態になる。挿入溝52に鞘管40が挿入されることで、
鞘管40を管路10の天井側に寄せて支持することがで
きる。
【0055】上記実施形態では、支持具50が全周にわ
たって管路10に当接するので、管路10に対する支持
具50の支持固定が強力になり、ずれや移動を阻止して
確実に所定の位置に固定しておくことができる。支持具
50の両端が一部で重なっていることで、端部同士のず
れや移動も生じ難い。 〔リベット固定支持具〕図18に示す実施形態の支持具
50は、図17の実施形態と同様に管路10の全周にわ
たって当接するとともにリベットによる固定構造を備え
ている。図18(b) に詳しく示すように、支持具50の
一端には、凹形に屈曲された端部152を有している。
凹形端部152の凹形の底面にはリベット打ち込み用の
貫通孔153があいている。支持具50の他端には、L
字形に屈曲された端部154を有している。L形端部1
54には、軸方向に延びる長孔155が貫通形成されて
いる。
【0056】図18(c) に示すように、支持具50の搬
送時には、支持具50の全体を弾力的に変形させて小さ
く丸めた形態にしておく。図18(a) に示すように、支
持具50で鞘管40を管路10の天井に支持する際に
は、所定位置で支持具50を開放し、支持具50の全体
を管路10の内壁に当接させる。図18(b) に示すよう
に、支持具50の両端は、L形端部154の外側に凹形
端部152が重ねられた状態になる。凹形端部152の
貫通孔153とL形端部154の長孔155とを重ね
て、リベット158を打ち付けて固定すれば、支持具5
0は、管路10に所定の押圧力を加えた状態で安定して
支持固定される。その結果、鞘管40の管路10に対す
る支持も安定する。
【0057】L形端部154には長孔155を有してい
るので、管路10の内径に少しぐらいの変動があって
も、L形端部154の長孔155と凹形端部152の貫
通孔153とを確実に位置合わせすることができる。 〔膨張チューブによる支持具の取り付け〕図19〜図2
2に示す実施形態は、前記同様のバネ状帯材からなる支
持具250を、膨張チューブで保持して搬送したり装着
作業を行う。図22に展開状態で示すように、帯状の支
持具250は、中央に少し幅が広くなった部分258を
有し、この部分がU字形に湾曲成形され挿入溝となる。
【0058】帯状支持具250の一端e1には、左右へ
張り出した部分254を有し、この部分254を内側に
折り返すことで、図21(b) に示すガイド溝部254、
254を形作る。図21(a) に示すように、端部e1に
近い部分で、帯状支持具250の表面にはL字形の突起
部256が、前後左右に間隔をあけて多数配置されてい
る。帯状支持具250の他端e2には、左右の側端に張
り出した部分を有し、一方の張り出し部分はストッパ2
66となり、他方の張り出し部分には係止孔264が貫
通している。他端e2の先端は概略半円形に湾曲した係
止端262が設けられている。
【0059】図19に示すように、走行作業車200に
は、左右にハの字形に張り出した走行輪210を有する
とともに、弾力性に優れたゴム材料などからなり、圧力
空気を送り込むことで膨張自在な膨張チューブ220を
備えている。帯状支持具250は、膨張チューブ220
の外周に巻き付けられるようにして、走行作業車200
に保持されて搬送される。巻き付けられた帯状支持具2
50の外側の端部e2に有する係止孔264に、径方向
に進退自在な係止ピン230が挿入され、先端面にコ字
形の引っかけ片232が当接することで、帯状支持具2
50は弾力的に変形した状態で安定して位置決め保持さ
れる。帯状支持具250の挿入溝252には鞘管40が
挿入される。
【0060】走行作業車200が所定位置で停止したあ
と、膨張チューブ220に圧力空気を送り込んで、膨張
チューブ220を大きく膨張させる。また、係止ピン2
30を中心側に退出させて係止孔264の係止を解除す
る。帯状支持具250は弾力的に復元して、管路10の
内壁に当接する。鞘管40は、管路10の内壁側に押し
付けられ、安定的に支持される。図21に示すように、
帯状支持具250の両端e1、e2の重なり部分では、
一端e1のガイド溝部254に他端e2が挿入された状
態になっている。他端e2側に有する係止端262が、
一端e1に有する多数の突起部256の隙間に嵌まり込
む。湾曲した係止端262は管路10の内壁に当接する
ことで内側に押されているので、突起部256側に押し
つけられる。
【0061】図20に示すように、膨張チューブ220
に送り込んだ圧力空気を排出すると、図に2点鎖線で示
すように、膨張チューブ220は縮んで、帯状支持具2
50に対する押圧力は取り除かれる。但し、帯状支持具
250は、自らの弾性復元力によって、管路10の内壁
に押しつけられた状態になる。また、帯状支持具250
の両端e1、e2の重なり部分では、係止端262が突
起部256の隙間に嵌まり込んでいるので、帯状支持具
250の外径が小さくなる方向にずれることが阻止され
る。上記した実施形態では、帯状支持具250の弾性復
元力に加えて膨張チューブ220の膨張力を利用して、
帯状支持具250を管路10の内壁に対して、迅速かつ
確実に押し当てて取り付けることができる。膨張チュー
ブ220は全周で均等な押圧力を加えることができるの
で、帯状支持具250に偏った変形や歪みを起こすこと
が少ない。
【0062】帯状支持具250の端部同士の重なり部分
に、係止端262と突起部256による、ずれ防止手段
を備えているので、管路10に取り付けられた帯状支持
具25が、施工後に移動したり、鞘管40の支持が不安
定になったりすることが防止できる。 〔吊線の固定構造の変更例〕図23に示す実施形態は、
前記図9、10の実施形態と基本的には共通している
が、吊線30の固定構造が違う。概略L字形をなす固定
具160が、管路10とマンホール12との連絡部14
に取り付けられるのは前記実施形態と共通している。
【0063】吊線30に緊張力を加えた状態で、釣り線
30の端部に近い部分で間隔をあけて複数個所に取り付
けられたクリップ金具164が、ボルト168で固定具
160に取り付けられている。クリップ金具164と吊
線30とは軸方向に互いに移動しないように固定されて
いる。さらに、固定具160の表面には、クリップ金具
164の下端に当接する位置にストッパ162が接合さ
れている。したがって、緊張力が加えられた吊線30が
縮む方向に復元しようとしたときの反力は、クリップ金
具164を介してストッパ162で受け止められる。
【0064】
【発明の効果】本発明の既設管路への光ファイバ架設方
法および装置は、光ファイバを既設管路の内壁に対して
直接に金具等を用いて支持させるのではなく、両端を連
絡口の個所に固定した吊線に対して光ファイバを支持さ
せている。吊線は緊張状態で両端を固定しておけば、中
間で垂れ下がりを起こすことが少ないので、この吊線に
支持させた光ファイバも垂れ下がりを起こし難い。連絡
口と連絡口の間の既設管路には、光ファイバを固定する
ための取付孔を穿孔したり、取付金具を植え込んだりす
る必要がないので、施工能率が向上するとともに、既設
管路の内壁を損傷する心配もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を表す既設管路の断面図
【図2】 吊線固定個所の断面図
【図3】 吊線固定個所の正面図
【図4】 光ファイバ架設装置の作業状態を示す管内の
側面図
【図5】 前図と直交する方向の断面図
【図6】 前図の次の作業段階を示す断面図
【図7】 前図の次の作業段階を示す断面図
【図8】 光ファイバの支持状態を示す断面図
【図9】 別の実施形態を表す吊線固定個所の断面図
【図10】 光ファイバ支持具の断面図
【図11】 別の実施形態を表す光ファイバ架設装置の
作業状態の断面図
【図12】 光ファイバの支持状態を示す断面図
【図13】 フロートを利用する光ファイバの架設作業
を示す模式的断面図
【図14】 T字形分岐管路における架設作業の第1段
階を示す平面図
【図15】 T字形分岐管路における架設作業の次の段
階を示す平面図
【図16】 T字形分岐管路における光ファイバの架設
状態を示す平面図
【図17】 光ファイバ支持具の別の実施形態を示す断
面図
【図18】 光ファイバ支持具の別の実施形態を示す断
面図
【図19】 別の実施形態における光ファイバ支持具の
保持状態の断面図
【図20】 光ファイバ支持具を管路に取り付ける作業
状態を示す断面図
【図21】 前図の要部拡大図(a) および拡大断面図
(b)
【図22】 帯状支持具の展開図
【図23】 別の実施形態を表す吊線固定個所の断面図
(a) と正面図(b)
【符号の説明】
10 既設管路 12 マンホール 14 連絡口 20 光ファイバケーブル 30 吊線 40 鞘管 50、90、150 支持具 52 挿入溝 54 弾力拡張片 56 係止孔 60 固定部材 70 走行作業車 72 走行輪 80 保持部 84 保持突起 110 支持腕 112 係止突起 114 押出筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒木 日出男 大阪市北区本庄東2丁目3番41号 株式会 社きんでん内 (72)発明者 松本 繁文 大阪市北区本庄東2丁目3番41号 株式会 社きんでん内 (72)発明者 森長 英二 神戸市東灘区森北町1丁目3番3号 Fターム(参考) 2H038 CA68 CA69

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既設管路の内部に光ファイバを架設する方
    法であって、 前記既設管路の内壁に沿って吊線を配置し、吊線を緊張
    させた状態で、吊線の両端を、既設管路を外部空間につ
    なぐ連絡口に固定する工程(a) と、 前記吊線に光ファイバを支持させて架設する工程(b) と
    を含む光ファイバ架設方法。
  2. 【請求項2】前記連絡口の中間の既設管路内で、前記吊
    線および光ファイバを既設管路の内壁に支持させる支持
    具を取り付ける工程(c) をさらに備える請求項1に記載
    の光ファイバ架設方法。
  3. 【請求項3】前記工程(b) が、前記吊線と前記光ファイ
    バとを引き揃え、その外周に筒状の鞘管を被せること
    で、鞘管を介して光フアイバを吊線に支持させる請求項
    1または2に記載の光ファイバ架設方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れかに記載の光ファイバ
    架設方法に用いる支持具であって、全体が弾力性を有す
    る帯材からなり、 既設管路の内壁に向かって開口し、前記吊線および光フ
    ァイバが挿通される挿通溝と、 前記挿通溝の両端から外側に延び、既設管路の内壁に向
    かって弾力的に拡張して既設管路に圧接して支持される
    弾力拡張片とを備える光ファイバ架設用の支持具。
  5. 【請求項5】請求項1〜3の何れかに記載の光ファイバ
    架設方法に用いる装置であって、 前記既設管路の内部を走行自在な走行車と、 前記走行車に設置され、請求項4に記載の支持具を、弾
    力拡張片を外径が縮小するように変形させた状態で保持
    する保持部と、 前記保持部に配置され、弾力拡張片の保持を解除する保
    持解除手段とを備える光ファイバ架設装置。
  6. 【請求項6】前記保持部が、前記両側の弾力拡張片の端
    部を内側に寄せて係止する状態と、係止を解除する状態
    とに選択的に配置される係止手段と、前記係止手段を含
    む保持部を支持具とともに既設管路の径方向に移動させ
    る移動手段とを有する請求項5に記載の光ファイバ架設
    装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜3の何れかに記載の光ファイバ
    架設方法に用いられ、前記吊線を前記連絡口に固定する
    吊線固定具であって、 前記連絡口のうち、前記既設管路と交差する壁面に当接
    して固定される固定面材と、 前記固定面材と一体的に設けられ、前記吊線を緊張状態
    で支持する緊張支持部とを備える光ファイバ架設用の吊
    線固定具。
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