JP2002148456A - 高分子光導波路 - Google Patents
高分子光導波路Info
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Abstract
位80〜100モル%、及び、化学式(2)又は化学式
(3)で表される繰り返し構造単位0〜20モル%を含
んでなるポリイミドを光学コア及び/又は光学クラッド
として用いることを特徴とするシングルモード又はマル
チモードの高分子光導波路。 【効果】 本発明のポリイミド光導波路は、加工性・光
学特性(透明性・光学等方性)・耐熱性をすべて満足す
る理想的な高分子光導波路である。本発明は、光通信、
光情報処理、微小光学あるいはその他の一般光学の分野
で用いられる種々の光導波路デバイス(光スイッチ、光
フィルタなど)、光集積回路、又は、光配線板等に広く
適用できる。
Description
た光導波路に関するものであり、光通信、光情報処理、
微小光学あるいはその他の一般光学の分野で広く用いら
れる種々の光導波路、光導波路デバイス、光集積回路又
は光配線板に利用できる。
ステムの実用化に伴い、種々の光通信用部品の開発が望
まれている。またこれら光部品を高密度に実装する光配
線技術、特に光導波路技術の確立が望まれている。
製造が容易、コアとクラッドの屈折率差を制御できる、
耐熱性に優れている、等の条件が要求される。低損失な
光導波路としては石英系が主に検討されている。光ファ
イバで実証済のように石英は光透過性が極めて良好であ
るため導波路とした場合も波長が1.3μmにおいて
0.1dB/cm以下の低光損失化が達成されている。
しかしその光導波路作製に長時間を必要とする、作製時
に高温が必要である、大面積化が困難であるなど製造上
の問題点がある。
(PMMA)などからなる高分子光導波路は低い温度で
成形が可能であり、低価格が期待できるなどの長所があ
る一方、耐熱性に劣る、長波長で十分な低損失化が達成
されていない、などの欠点がある。すなわち、PMMA
に代表される脂肪族系高分子は、光インタコネクション
においてはLSIチップを実装する際に要求されるハン
ダ耐熱性を有していない。
に脂肪族C−H結合の赤外吸収の高波長吸収を有してい
るため光損失が大きい。従って、脂肪族C−H結合を有
さない高耐熱性透明樹脂からなる高分子光導波路が求め
られていた。
も耐熱性に優れ、さらに脂肪族C−H結合を有さない。
このため、芳香族ポリイミドの透明性を高め、光通信分
野に利用するための研究が精力的に行われてきた。透明
性を有するポリイミドについては、例えば「ポリイミド
樹脂」(発行:(株)技術情報協会,1991年)、
「躍進するポリイミドの最新動向」(発行:住ベテクノ
リサーチ(株),1997年)等に詳細に述べられてい
る。
は、全芳香族ポリイミドの分子構造中にトリフルオロメ
チル基等を導入したフッ素化ポリイミドが数多く開発さ
れてきた。中でも、NTTが開発したフッ素化ポリイミ
ド「FLUPI」は、可視から近赤外波長領域での透明
性が高く、その光学的等方性も高い(複屈折が従来の芳
香族ポリイミドより1桁小さい)ため、高分子光導波路
用材料として最も研究が進んでいるポリイミドであり、
現在工業的に入手できる唯一の光導波路用ポリイミドで
ある(プラスチックス,42巻,9号,47頁、MES
1997年 第7回マイクロエレクトロニクス論文
集,77頁等参照)。
るフッ素化ポリイミドは、有機溶剤に可溶であり、耐薬
品性が低い。ポリイミドを光導波路として用いるために
は、コアとクラッドの多層構造にする必要があるが、フ
ッ素化ポリイミドは耐薬品性が低く、積層時に溶解、膨
潤したり、白化、クラックが入る等の問題を起こすた
め、多層化が困難であった(特許2816771号公
報、特許3019166号公報等参照)。
ポリイミドとしては、例えば「ポリイミド樹脂」(発
行:(株)技術情報協会,1991年)、特開平8−2
25645号公報、特開2000−53767号公報等
に報告されている。これらのポリイミドは、芳香環同士
の結合様式とその位置を工夫することにより、隣り合っ
た芳香環同士の共役を弱めることで、芳香族ポリイミド
の透明性を高めている。
領域での透明性のみが報告されているにすぎず、しか
も、100μm以下の非常に薄いフィルムであってもそ
の可視光線透過率は90%未満にすぎない。したがっ
て、これらポリイミドの、光通信分野で必要とされる近
赤外領域での透明性及び光学的等方性に付いては全く予
測することができず、これらが光導波路等の光通信用部
品に用いることができるか否かは全く分かっていなかっ
た。
が大きい芳香族環を高濃度に含有し、かつ分子鎖が剛直
で配列しやすいため、一般に複屈折が大きいことが知ら
れていた。従って、非フッ素系の全芳香族ポリイミド
が、高い透明性と光学等方性(低複屈折性)が必要とさ
れる光通信用部品に用いられることは無かった。
光損失の小さい高分子光導波路が求められていた。
する課題は、耐熱性、加工性に優れ、光損失の小さい高
分子光導波路を提供することにある。
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定構造の、
すなわち化学式(1)(化3)で表される繰り返し構造
単位を有する芳香族ポリイミドのみが、耐熱性に優れ、
脂肪族C−H結合を有さず、透明性が高いのみならず、
光学的等方性と耐薬品性に優れていることを見いだし、
この芳香族ポリイミドを用いることにより、本発明の耐
熱性、加工性に優れ、光損失の小さい高分子光導波路を
完成した。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[2]
に記載した事項により特定される。
繰り返し構造単位80〜100モル%、及び、化学式
(2)(化3)又は化学式(3)(化3)で表される繰
り返し構造単位0〜20モル%を含んでなるポリイミド
を、光学コア及び/又は光学クラッドとして用いること
を特徴とするシングルモード又はマルチモードの高分子
光導波路(化学式(2)において、Xは、化学式(4)
(化4)で表される2価の芳香族基を表し、化学式
(3)において、Yは、化学式(5)(化4)で表され
る4価の芳香族基を表し、化学式(4)及び化学式
(5)において、Rは、化学式(6)(化4)で表され
る2価の基を表す。)。
化学式(5)(化4)において、芳香環の水素原子の少
なくとも一部が、トリフルオロメチル基で置換されたも
のである[1]に記載した高分子光導波路。
る。本発明の高分子光導波路は、化学式(1)(化3)
で表される繰り返し構造単位80〜100モル%、好ま
しくは90〜100モル%、より好ましくは95〜10
0モル%と、化学式(2)(化3)又は化学式(3)
(化3)で表される繰り返し構造単位0〜20モル%、
好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル
%を含んで成るポリイミドを光学コア及び/又は光学ク
ラッドとして用いる。
リイミドのうち、化学式(1)(化3)で表される繰り
返し構造単位を有するポリイミドのみが特異的に、光通
信分野で必要とされる近赤外領域での透明性及び光学的
等方性(低複屈折性)を兼ね備え、高分子光導波路に用
いることができる。さらに、化学式(1)(化3)のポ
リイミドは、優れた光学特性に加え、ハンダ使用時の温
度にも耐えうる高い耐熱性(ガラス転移温度)を有して
いる。
(2)(化3)又は化学式(3)(化3)で表される繰
り返し構造単位をその構造中に0〜20モル%、好まし
くは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%含む
ことにより、その屈折率を制御することができる。
(化3)で表される繰り返し構造単位の含有量を変え、
屈折率を制御することにより、光学コアと光学クラッド
に必要な屈折率差を得ることができる。
(3)(化3)で表される繰り返し構造単位から成るポ
リイミドは、耐熱性が低い、透明性が低い、光学的等方
性が低い、耐薬品性が低い等の問題を有する。そのた
め、化学式(2)(化3)又は化学式(3)(化3)で
表される繰り返し構造単位の含有量が多いポリイミドを
用いた場合、得られる高分子光導波路の耐熱性、加工性
が低下したり、光損失が増大するため好ましくない。
は化学式(3)(化3)で表される繰り返し構造単位と
しては、含フッ素ポリイミドの繰り返し構造単位が特に
好ましい。すなわち、式(化2)で表される繰り返し構
造単位としては、Xが、化学式(4)(化4)で表さ
れ、かつ、その芳香環の水素原子の一部がトリフルオロ
メチル基で置換されているものが特に好ましく、化学式
(3)(化3)で表される繰り返し構造単位としては、
Yが、化学式(7)(化5)で表されるものが特に好ま
しい。
式(1)(化3)で表される繰り返し構造単位から成る
ポリイミドに比べ、その屈折率が著しく低いため、少量
の導入で得られるポリイミドの屈折率を大きく変えるこ
とができる。但し、含フッ素ポリイミドの繰り返し構造
単位の含有量が多いと、ポリイミドの耐熱性と耐薬品性
が低下する。
であるポリアミック酸は、3,3’−ジアミノジフェニ
ルスルホン80〜100モル%、3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物80〜100モル
%、及び従来公知の芳香族ジアミン又は従来公知の芳香
族テトラカルボン酸二無水物0〜20モル%を、従来公
知の方法で反応させることにより得ることができる。
香族ジアミンとしては、例えばm-フェニレンジアミン、o-
フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジア
ミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルエー
テル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3-アミノ
フェニル)スルフィド、ビス(4-アミノフェニル)スルフィ
ド、(3-アミノフェニル)(4-アミノフェニル)スルフィド、
ビス(3-アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4-アミノフ
ェニル)スルホキシド、(3-アミノフェニル)(4-アミノフ
ェニル)スルホキシド、ビス(3-アミノフェニル)スルホ
ン、ビス(4-アミノフェニル)スルホン、(3-アミノフェニ
ル)(4-アミノフェニル)スルホン、3,3'-ジアミノベンゾ
フェノン、4,4'-ジアミノベンゾフェノン、3,4'-ジアミノ
ベンゾフェノン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4
-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、4,4'ービス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'ービ
ス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(3-アミノ
フェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フ
ェニル]スルフィド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェ
ニル]スルフィド、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホキシド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホキシド、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテ
ル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、3,
3'-ジアミノ-4,4'-ジフェノキシベンゾフェノン、4,4'-
ジアミノ-5,5'-ジフェノキシベンゾフェノン、3,4'-ジア
ミノ-4,5'-ジフェノキシベンゾフェノン、3,3'-ジアミノ
-4-フェノキシベンゾフェノン、4,4'-ジアミノ-5-フェノ
キシベンゾフェノン、3,4'-ジアミノ-4-フェノキシベン
ゾフェノン、3,4'-ジアミノ-5'-フェノキシベンゾフェノ
ン、3,3'-ジアミノ-4,4'-ジビフェノキシベンゾフェノ
ン、4,4'-ジアミノ-5,5'-ジビフェノキシベンゾフェノ
ン、3,4'-ジアミノ-4,5'-ジビフェノキシベンゾフェノ
ン、3,3'-ジアミノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン、4,4'
-ジアミノ-5-ビフェノキシベンゾフェノン、3,4'-ジアミ
ノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン、3,4'-ジアミノ-5'-
ビフェノキシベンゾフェノン、2,2'-ビス(トリフルオロ
メチル)-4,4'-ジアミノビフェニル、2-トリフルオロメチ
ル-4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2'-トリフルオロ
メチル-3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス(3-
アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフ
ルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)-4-トリ
フルオロメチルベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキ
シ)-5-トリフルオロメチルベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ
-5-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス
(3-アミノ-5-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、
1,3-ビス(3-アミノ-5-トリフルオロメチルフェノキシ)-
5-トリフルオロメチルベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-5-
トリフルオロメチルフェノキシ)-4-トリフルオロメチル
ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフ
ェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロ
メチルフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェ
ノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,
3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等が挙げられ、なかでも、
含フッ素芳香族ジアミンである2,2'-ビス(トリフルオロ
メチル)-4,4'-ジアミノビフェニル、2-トリフルオロメチ
ル-4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2'-トリフルオロ
メチル-3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス(3-
アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフ
ルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)-4-トリ
フルオロメチルベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキ
シ)-5-トリフルオロメチルベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ
-5-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス
(3-アミノ-5-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、
1,3-ビス(3-アミノ-5-トリフルオロメチルフェノキシ)-
5-トリフルオロメチルベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-5-
トリフルオロメチルフェノキシ)-4-トリフルオロメチル
ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフ
ェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロ
メチルフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェ
ノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,
3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等が好ましい。これらは
単独又は2種以上を混合して使用することができる。
香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメ
リット酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、2,3',3,4'-ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,3',3,4'-ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物 、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水
物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ー1,1,1,3,3,3
-ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙げられ、中で
も2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ー1,1,1,3,3,3-
ヘキサフルオロプロパン二無水物が好ましい。これらは
単独あるいは2種以上混合して用いられる。
であるポリアミック酸は、用いる芳香族ジアミンと芳香
族テトラカルボン酸二無水物のモル比を理論等量値から
ずらすことで分子量を調節することができる。分子量を
調節することにより、光導波路作成に用いるワニスの粘
度を、濾過や塗布に適した値に調整することができる。
には、過剰のアミノ基あるいは酸無水物基を、過剰分の
アミノ基あるいは酸無水物基の理論等量以上の、芳香族
ジカルボン酸無水物あるいは芳香族モノアミンと反応さ
せて不活性化ことができる。ここで使用されるジカルボ
ン酸無水物としては無水フタル酸等が、芳香族ものアミ
ンとしてはアニリン等が挙げられる。
用いるポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を用い
て成膜し、膜化後ポリイミド化して導波路加工を施すこ
とにより得ることができる。ここで、用いるポリアミッ
ク酸は、ポリイミド化された際に所望の屈折率を有する
よう、予め調整しておく。膜形成にはポリアミック酸の
有機溶媒溶液を基材上にスピンコートする方法が最も一
般的である。この際に用いられる溶媒としては、トリク
ロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロ
ベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。 ポリイミド
前駆体ポリアミック酸は、溶媒の種類の選択と溶液濃度
の調整により、薄膜の形成工程に対応した適当な粘性、
重ね塗り特性を得ることができる。
的には、以下に示すような方法で製造される。すなわ
ち、所望の比屈折率差に調整されたコア用/クラッド用
ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を用意し、まず、
スピンコート法によりクラッド用ポリアミック酸溶液か
ら基板にクラッド膜を作製、200℃以上で加熱硬化し
ポリイミド下層クラッドを形成する。次いで、この上に
コア用ポリアミック酸を塗布し加熱ポリイミド化する。
次に、コア層の上にエッチングマスクとなる層を形成
し、フォトリソグラフィー等により導波路パタンに加工
する。エッチングマスクの材料としては、有機フォトレ
ジスト又は金属等が用いられる。次に、エッチングマス
ク越しにコア層を反応性イオンエッチングすることによ
り所望の導波路パターンを形成することができる。この
方法は、特に、シングルモード光導波路の作製に有効で
あり、作製時間を十分確保できる場合にはマルチモード
光導波路の作製にも有効である。
熱硬化後は前述の溶媒に不溶化するため、ポリイミド層
上にポリアミック酸の有機溶剤溶液を塗布した際に、溶
解、膨潤やクラック発生を起こさない。なお、積層時に
溶解、膨潤やクラック発生を起こした場合には、導波路
形状が設計寸法より小さくなったり、コアとクラッドと
の間の屈折率差や界面が乱れ、光が散乱することにより
損失が増大する。
法により作製された光導波路は、加工性・光学特性(透
明性・光学等方性)・耐熱性をすべて満足する理想的な
高分子光導波路である。
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されな
い。実施例中の各評価方法を以下に示す。
XSTAR6200)により、25℃から430℃まで
昇温速度10℃/分で測定した。
010)により、1300nmで測定した。
温で30分間N,N−ジメチルアセトアミドに漬け込ん
だ後、溶解・膨潤・クラック発生の有無を目視観察し
た。
性) シリコンウェハー上の膜厚8μmのポリイミド塗膜上
に、N,N−ジメチルアセトアミドを滴下した際の、ク
ラック発生の有無を目視観察した。
テトラカルボン酸は、以下の略号で示す。 3,3’−DASO2:3,3’−ジアミノジフェニル
スルホン 4,4’−ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエー
テル 3,4’−ODA:3,4’−ジアミノジフェニルエー
テル 3,3’−ODA:3,3’−ジアミノジフェニルエー
テル pp−APB:1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン pm−APB:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン mm−APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)
ベンゼン mBP:4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル mBS:ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル)スルホン TFDB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−
4,4’−ジアミノビフェニル APB−CF3:1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)−4−トリフルオロメチルベンゼン PMDA:ピロメリット酸二無水物 BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物 ODPA:ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エー
テル二無水物 6FDA:2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ー1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン二無水物
スコに、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン100
mmol、N,N−ジメチルアセトアミド217gを装
入し、窒素雰囲気下30分間撹拌して溶解した。その
後、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物98mmolを溶液温度の上昇に注意しながら
分割して加え、室温で6時間攪拌し、ポリアミック酸濃
度20重量%のワニスを得た。得られたワニスの一部を
ガラス板上にキャストし、窒素気流下で100℃、20
0℃でそれぞれ10分、250℃で30分間加熱、脱溶
媒・イミド化し、ガラス板から剥離してポリイミドフリ
ーフィルムを得た。得られたフィルムのTg(ガラス転
移温度)と耐薬品性1(無応力下での耐薬品性)を表1
に示す。得られたワニスの一部をシリコンウェハー上に
スピンコートし、窒素気流下で100℃、200℃でそ
れぞれ10分、250℃で30分間加熱し、脱溶媒・イ
ミド化したポリイミド塗膜を得た。この際、得られる塗
膜の膜厚が8μmとなるようスピンコーターの回転数を
調整した。得られたシリコンウェハー上のポリイミド塗
膜の1300nmでの損失量・屈折率・複屈折率をプリ
ズムカプラにより測定した。また、この塗膜の耐薬品性
2(残留応力下での耐薬品性)を、塗膜にN,N−ジメ
チルアセトアミドを滴下した際のクラック発生の有無の
目視観察により評価した。結果を表1に示す。
酸無水物を用い、実施例1と同様にして各種ポリアミド
酸ワニスを得、実施例1と同様にして、フィルム及び塗
膜を作成した。得られたフィルム及び塗膜の物性を表1
に示す。実施例1及び比較例1〜21より、本発明で用
いる式(化1)で表される繰り返し構造単位を有する芳
香族ポリイミドのみが、260℃以上の優れた耐熱性、
損失量1dB/cm未満の優れた透明性、複屈折率0.
01以下の優れた光学的等方性と耐薬品性を兼ね備えて
いることが判る。
ン及び酸無水物を表2〜4に示す量用い、実施例1と同
様にして各種ポリアミド酸ワニスを得、実施例1と同様
にして、フィルム及び塗膜を作成した。得られたフィル
ム及び塗膜の物性を表2〜4に示す。
ら得られるポリイミドをコア材とし、実施例2で得られ
たポリアミド酸ワニスから得られるポリイミドをクラッ
ド材としてシングルモード光導波路を作成した。ここ
で、実施例1で得られたポリアミド酸ワニスをワニス
A、実施例2で得られたポリアミド酸ワニスをワニスB
とする。まず、ワニスBをシリコンウェハー上にスピン
コート、窒素気流下で100℃、200℃でそれぞれ1
0分、250℃で30分間加熱イミド化し、下部クラッ
ド層とした。この際、膜厚が15μmとなるようにスピ
ンコータの回転数を調整した。次いで、この上にワニス
Aをスピンコート、加熱イミド化し、コア層とした。ス
ピンコータの回転数は、コア層の膜厚が8μmとなるよ
うに調整した。この際、下部クラッド層に膨潤、溶解、
クラック発生といった問題は全く見られなかった。続い
てフォトリソグラフィーとエッチングにより直線状の導
波路マスクパターンを形成した。更に、反応性イオンエ
ッチングにより、マスクパターン以外の部分のコア層を
除去し、幅8μm、高さ8μmの矩形のコアリッジを形
成した。この上にワニスBを塗布、加熱イミド化して、
コア/クラッド構造からなる埋め込み型チャネル光導波
路を作製した。上部クラッドの厚さはコアの上面から8
μmとなるようにした。この際、コアリッジ及び下部ク
ラッド層と上部クラッド層との間で溶解、膨潤、クラッ
ク発生といった問題は全く見られなかった。この光導波
路をダイシングソーによって5cmの長さに切り出し、
波長1.3μm、1.55μmで損失を測定したとこ
ろ、ともに1dB/cm以下であった。
をワニスA、実施例1で得られたポリアミド酸ワニスを
ワニスBとし、実施例9と同様にして埋め込み型チャネ
ル光導波路を作成した。積層時に、クラッド層同士の界
面及びコアリッジに溶解、膨潤、クラック発生といった
問題は全く見られなかった。得られた光導波路の損失を
波長1.3μm、1.55μmで測定したところ、とも
に1dB/cm以下であった。
スをワニスA、比較例17で得られたポリアミド酸ワニ
スをワニスBとし、実施例9と同様にして埋め込み型チ
ャネル光導波路を作成した。積層時に、クラッド層同士
の界面及びコアリッジが膨潤する傾向が見られた。得ら
れた光導波路の損失を波長1.3μmで測定したところ
1.5dB/cm、波長1.55μmで測定したところ
3.0dB/cmであり、比較例19の積層していない
場合に比べ、損失が増大していた。このことから、、積
層時にコアとクラッドとの間の屈折率差や界面が乱れ、
光が散乱していることが予想される。
をワニスA、実施例5で得られたポリアミド酸ワニスを
ワニスBとし、実施例9と同様にしてコア口径40μm
×40μmのマルチモード光導波路を作成した。積層時
に、クラッド層同士の界面及びコアリッジに溶解、膨
潤、クラック発生といった問題は全く見られなかった。
長さ5cmのマルチモード直線光導波路について、波長
850nmの光透過モードでニアフィールドパターンを
観察したところ、コア部分のみがマルチモード導波特有
のパターンで明るく光ることを確認した。更に、この波
長での光伝搬損失を測定したところ、1.0dB/cm
以下であった。
・光学特性(透明性・光学等方性)・耐熱性をすべて満
足する理想的な高分子光導波路である。本発明は、光通
信、光情報処理、微小光学あるいはその他の一般光学の
分野で用いられる種々の光導波路デバイス(光スイッ
チ、光フィルタなど)、光集積回路、又は、光配線板等
に広く適用できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 化学式(1)(化1)で表される繰り返
し構造単位80〜100モル%、及び、化学式(2)
(化1)又は化学式(3)(化1)で表される繰り返し
構造単位0〜20モル%を含んでなるポリイミドを、光
学コア及び/又は光学クラッドとして用いることを特徴
とするシングルモード又はマルチモードの高分子光導波
路(化学式(2)において、Xは、化学式(4)(化
2)で表される2価の芳香族基を表し、化学式(3)に
おいて、Yは、化学式(5)(化2)で表される4価の
芳香族基を表し、化学式(4)及び化学式(5)におい
て、Rは、化学式(6)(化2)で表される2価の基を
表す。)。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 化学式(4)(化2)及び/又は化学式
(5)(化2)において、芳香環の水素原子の少なくと
も一部が、トリフルオロメチル基で置換されたものであ
る請求項1に記載した高分子光導波路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000344538A JP2002148456A (ja) | 2000-11-13 | 2000-11-13 | 高分子光導波路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000344538A JP2002148456A (ja) | 2000-11-13 | 2000-11-13 | 高分子光導波路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002148456A true JP2002148456A (ja) | 2002-05-22 |
Family
ID=18818717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000344538A Pending JP2002148456A (ja) | 2000-11-13 | 2000-11-13 | 高分子光導波路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002148456A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0372528A (ja) * | 1988-08-08 | 1991-03-27 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 含フッ素ポリイミド光学材料 |
JPH0940774A (ja) * | 1995-07-27 | 1997-02-10 | Hitachi Chem Co Ltd | ポリイミド及びこれを用いた光部品 |
JPH1010345A (ja) * | 1996-06-27 | 1998-01-16 | Hitachi Chem Co Ltd | 光部品用ポリイミド前駆体及びこれを用いた光部品 |
JP2001114891A (ja) * | 1999-10-13 | 2001-04-24 | Unitika Ltd | 可溶性ポリイミド |
-
2000
- 2000-11-13 JP JP2000344538A patent/JP2002148456A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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