JP2002148073A - 評価対象の計測装置、状態検出装置、計測方法、状態検出方法および記録媒体 - Google Patents

評価対象の計測装置、状態検出装置、計測方法、状態検出方法および記録媒体

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JP2002148073A
JP2002148073A JP2000344334A JP2000344334A JP2002148073A JP 2002148073 A JP2002148073 A JP 2002148073A JP 2000344334 A JP2000344334 A JP 2000344334A JP 2000344334 A JP2000344334 A JP 2000344334A JP 2002148073 A JP2002148073 A JP 2002148073A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 評価対象と計測点とが離れていても、計測点
において計測した信号から評価対象の位置における信号
を正確に求めることができるようにする。 【解決手段】 物理量を直接計測できない評価対象10
から出力され、抵抗20を介して計測部30により計測
された状態信号に基づいて、演算部40内の逆問題解析
部41で評価対象10の評価面における状態信号を求め
るための逆問題解析を行うようにして、評価対象10と
計測部30とが離れていても、その間にある抵抗20の
影響を逆問題解析により取り除いて、評価対象10の評
価面における状態信号を正確に算出することができるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、評価対象の計測装
置、状態検出装置、計測方法、状態検出方法および記録
媒体に関し、特に、評価対象から離れた位置で計測した
信号から評価対象の位置における信号を求める評価対象
の計測装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、評価対象物の状態は、その状
態が反映された物理量(温度等)を評価対象物から計測
器を用いて直接計測し、その計測した計測値から評価対
象物の状態を検出していた。また、上記状態が反映され
た物理量を評価対象物から直接計測できない場合には、
評価対象物から離れた計測点で物理量を計測し、その計
測値から評価対象物の状態を推定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、評価対
象物から離れた計測点における物理量の計測値から評価
対象物の状態を推定する場合には、評価対象物と計測点
との間での減衰等により計測する物理量が変化するた
め、計測点における計測値から評価対象物の状態を正確
に推定することはできなかった。さらに、評価対象物と
計測点とが所定の距離だけ離れていることにより、これ
らを含む系が非定常状態である場合には、計測点におい
て計測される物理量は時間遅延を有するため、評価対象
物の状態をリアルタイムで正確に推定することは困難で
あった。
【0004】本発明は、上述のような問題を解決するた
めに成されたものであり、評価対象と計測点とが離れて
いても、計測点において計測した信号から評価対象の位
置における信号を正確に求めることができるようにする
ことを目的とする。また、本発明は、計測点において計
測した信号から評価対象の状態をリアルタイムで正確に
検出できるようにすることを他の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の評価対象の計測
装置は、評価対象から所定の距離だけ離れた計測点で計
測した信号に基づいて評価対象の位置における信号を求
める評価対象の計測装置であって、上記評価対象から出
力され、評価対象と計測点との間の抵抗により減衰され
た信号を計測点で計測する計測手段と、上記計測手段に
より計測した信号を用いて、逆問題解析により評価対象
の位置における信号を求める演算手段とを備えることを
特徴とする。
【0006】本発明の評価対象の計測装置の他の特徴と
するところは、上記演算手段により求めた評価対象の位
置における信号に基づいて、評価対象内の現象の解析処
理、診断処理および制御処理のうち少なくとも1つの処
理を行う処理手段を備えることを特徴とする。
【0007】また、本発明の評価対象の状態検出方法
は、評価対象から所定の距離だけ離れた計測点で計測し
た信号に基づいて評価対象の状態を検出する評価対象の
状態検出装置であって、過去に得られた上記評価対象の
状態に関する先験情報を記憶する情報記憶手段と、上記
評価対象から出力され、評価対象と計測点との間の抵抗
により減衰された信号を計測点で計測する計測手段と、
上記計測手段により計測した信号を用いて、逆問題解析
により評価対象の位置における信号を求める演算手段
と、上記演算手段により求めた評価対象の位置における
信号に所定の処理を施して、状態情報を生成する状態情
報生成手段と、上記状態情報生成手段により生成された
状態情報と、上記情報記憶手段に記憶されている先験情
報とを比較し、上記評価対象の状態を検出する検出手段
とを備えることを特徴とする。
【0008】本発明の評価対象の状態検出方法の他の特
徴とするところは、上記状態情報生成手段は、上記演算
手段により求めた評価対象の位置における信号から、所
定の次元を有する再構成アトラクタを上記状態情報とし
て生成することを特徴とする。本発明の評価対象の状態
検出装置のその他の特徴とするところは、上記状態情報
生成手段は、上記再構成アトラクタを2次元表示した状
態グラフを状態情報として生成することを特徴とする。
【0009】本発明の評価対象の状態検出装置のその他
の特徴とするところは、上記状態情報生成手段は、上記
演算手段により求めた評価対象の位置における信号に対
して周波数解析を行い、状態情報を生成することを特徴
とする。本発明の評価対象の状態検出装置のその他の特
徴とするところは、上記検出手段により検出した評価対
象の状態に応じて、評価対象内の現象の解析処理、診断
処理および制御処理のうち少なくとも1つの処理を行う
処理手段を備えることを特徴とする。
【0010】また、本発明の評価対象の計測方法は、評
価対象から所定の距離だけ離れた計測点で計測した信号
に基づいて評価対象の位置における信号を求める評価対
象の計測方法であって、上記評価対象から出力され、評
価対象と計測点との間の抵抗により減衰された信号を上
記計測点で計測し、計測した信号を用いて、逆問題解析
により評価対象の位置における信号を求めることを特徴
とする。
【0011】本発明の評価対象の計測方法の他の特徴と
するところは、上記逆問題解析により求めた評価対象の
位置における信号に基づいて、評価対象内の現象の解析
処理、診断処理および制御処理のうち少なくとも1つの
処理を行うことを特徴とする。
【0012】また、本発明の評価対象の状態検出方法
は、評価対象から所定の距離だけ離れた計測点で計測し
た信号に基づいて評価対象の状態を検出する評価対象の
状態検出方法であって、過去に得られた上記評価対象の
状態に関する先験情報を情報記憶手段に記憶し、上記評
価対象から出力され、評価対象と計測点との間の抵抗に
より減衰された信号を上記計測点で計測し、計測した信
号を用いて、逆問題解析により評価対象の位置における
信号を求め、所定の処理を施して生成した状態情報と上
記先験情報とを比較して上記評価対象の状態を検出する
ことを特徴とする。
【0013】本発明の評価対象の状態検出方法の他の特
徴とするところは、上記評価対象の位置における信号か
ら生成した所定の次元を有する再構成アトラクタを上記
状態情報として生成することを特徴とする本発明の評価
対象の状態検出方法のその他の特徴とするところは、上
記再構成アトラクタを2次元表示した状態グラフを状態
情報として生成することを特徴とする。
【0014】本発明の評価対象の状態検出方法のその他
の特徴とするところは、上記評価対象の位置における信
号に対して周波数解析を行い、状態情報を生成すること
を特徴とする。本発明の評価対象の状態検出方法のその
他の特徴とするところは、上記状態情報と上記先験情報
との比較により検出した上記評価対象の状態に応じて、
評価対象内の現象の解析処理、診断処理および制御処理
のうち少なくとも1つの処理を行うことを特徴とする。
【0015】本発明のコンピュータ読み取り可能な記録
媒体は、上記各手段としてコンピュータを機能させるた
めのプログラムを記録したことを特徴とする。また、本
発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体の他の特徴
とするところは、上記状態検出方法の手順をコンピュー
タに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴
とする。
【0016】上記のように構成した本発明によれば、評
価対象から所定の距離の計測点において計測した信号に
含まれる評価対象と計測点との間の抵抗による影響を逆
問題解析により取り除くことができるようになる。
【0017】また、評価対象から所定の距離の計測点に
おいて計測した信号を用いて、逆問題解析により評価対
象の位置における信号を求め、所定の処理を施して得ら
れた状態情報と過去に得られた先験情報とを比較して上
記評価対象の状態を検出するようにしたときには、評価
対象と計測点との間の抵抗による影響を除いた評価対象
の位置における信号に基づいて、評価対象の状態を検出
できるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0019】(第1の実施形態)図1は、第1の実施形
態による状態検出装置を適用した状態制御装置の構成例
を示すブロック図である。図1において、30は計測部
であり、評価対象10から所定の距離を有する計測点に
おいて、評価対象10から出力され、抵抗20により減
衰された状態信号を計測する。上記評価対象10から出
力される状態信号は、評価対象10の状態を反映した信
号であり、熱、振動、音等がある。すなわち、計測部3
0は、計測点における評価対象10の状態が反映された
物理量等を計測する。
【0020】ここで、抵抗20は評価対象10から出力
される状態信号を減衰させるものである。例えば、上記
状態信号が熱に関する信号であれば、大きな熱容量を有
するものや熱伝導度の低いもの等の伝熱抵抗となるもの
である。
【0021】40は演算部であり、上記計測部30にお
ける状態信号の計測結果(以下、「計測点における計測
値」と称す。)に基づいて、評価対象10の外表面また
は外表面上の点(以下、「評価面」と称す。)における
状態信号を逆問題解析により求めたり、求めた評価面に
おける状態信号から再構成アトラクタを作成したりす
る。上記演算部40は、逆問題解析部41、アトラクタ
作成部42、グラフ作成部43および記憶部44を含み
構成される。
【0022】逆問題解析部41は、計測点における計測
値および抵抗20の物性値等を用いて逆問題解析を行
い、評価対象10の評価面における状態信号を求める。
すなわち、逆問題解析部41は、仮に評価対象10の評
価面で計測したと仮定した場合に計測される状態信号の
算出を行う。
【0023】上記逆問題解析では、例えば、評価対象1
0、抵抗20および計測部30を含む系を対象にした所
定の方程式(偏微分方程式等)と、評価対象10の評価
面における状態信号の仮定値とを用いて、計測点におけ
る状態信号を算出する。その算出した状態信号と、計測
部30により実際に計測された計測点における計測値と
の誤差が所定の値より小さくなるように、評価対象10
の評価面における状態信号の仮定値を修正し、計測点に
おける状態信号の算出を繰り返す。そして、算出した状
態信号と、実際に計測された計測点における計測値との
誤差が所定の値より小さくなったときの仮定値を評価対
象10の評価面における状態信号とする。
【0024】また、例えば、次式に基づいて、評価対象
10の評価面における状態信号を算出する。
【0025】
【数1】
【0026】上記式(1)は非定常方程式であり、例え
ば、熱伝導であれば熱伝導方程式である。上記式(1)
に対して、所定の演算等を施すと式(2)のような積分
境界方程式になる。式(2)において、Gは共役方程式
の解、uはスカラー値(例えば、熱伝導であれば温度
等)、∂u/∂nはスカラー勾配(例えば、熱伝導であ
れば熱流束)である。
【0027】式(2)において、左辺は評価対象10の
評価面に関する積分であり、右辺は所定の既知境界面、
例えば計測点を含む面に関する積分である。したがっ
て、計測点における計測値に基づいて、式(2)の右辺
の値が求められ、求めた値から式(2)の左辺の評価面
におけるスカラー勾配∂u/∂nが求められる。さら
に、上述のようにして得られた評価面におけるスカラー
勾配∂u/∂nを、計測点における計測値を境界条件と
して解くことにより評価面のスカラー値uを算出する。
このスカラー値uが評価面における状態信号である。
【0028】アトラクタ作成部42は、逆問題解析部4
1により算出された時系列の評価面における状態信号に
基づいて、アトラクタと呼ばれる軌道を再構成する。ま
ず、アトラクタ作成部42は、逆問題解析部41により
算出された時系列の評価面における状態信号から、対象
とする現象の2倍以上の次元mを持つ遅延ベクトルv
(t)=(u(t),u(t+τ),u(t+2τ),
…,u(t+(m−1)τ))を作成する。
【0029】ここで、上記遅延ベクトルv(t)におい
て、u(T)は時刻Tにおける評価面における状態信号
の値である。例えば、上記逆問題解析部41が上述した
式(1)、(2)を用いて、評価面における状態信号を
算出した場合には、上記u(T)は評価面のスカラー値
uである。なお、上記u(T)として、評価面における
スカラー勾配∂u/∂nを用いても良い。
【0030】次に、アトラクタ作成部42は、上記作成
した遅延ベクトルv(t)を所定の次元を有する位相空
間に写像する。この写像した遅延ベクトルv(t)の時
間推移による軌道を作成することによりアトラクタを再
構成する。なお、以下の説明では、この再構成したアト
ラクタを「再構成アトラクタ」と称す。
【0031】グラフ作成部43は、上記アトラクタ作成
部42により再構成したアトラクタに基づいて、リカレ
ンスプロットを作成する。上記リカレンスプロットは、
現在の状態と過去の状態との類似構造を視覚化するもの
であり、多次元であるアトラクタの挙動を所定の規則に
従って、2次元表示することにより得られる。具体的に
は、グラフ作成部43は、再構成アトラクタにおいて、
現在時刻の点から所定の距離内にある近傍点を検索す
る。その結果、検索された近傍点の時刻を、横軸を現在
時刻、縦軸を上記近傍点の時刻として2次元表示するこ
とによりリカレンスプロットを作成する。
【0032】記憶部44は、上記逆問題解析部41、ア
トラクタ作成部42およびグラフ作成部43での処理に
用いるデータを記憶するものである。記憶部44には、
計測部30により計測された状態信号の計測値、逆問題
解析部41により算出された評価面における状態信号、
アトラクタ作成部42により作成された再構成アトラク
タ等が記憶される。50は先験情報記憶部であり、過去
の実験、経験等により得られた評価対象10の状態とそ
の状態の挙動を示したリカレンスプロットとが記憶され
ている。
【0033】60は処理部であり、状態検出部61を含
み構成され、上記演算部40から供給されるリカレンス
プロットと、上記先験情報記憶部50に記憶されている
リカレンスプロットとに基づいて評価対象10の状態を
検出する。さらに、処理部60は、検出した評価対象1
0の状態に応じて、評価対象10の状態を制御する。
【0034】状態検出部61は、上記演算部40から供
給されるリカレンスプロットと、上記先験情報記憶部5
0に記憶されているそれぞれのリカレンスプロットとの
プロット構造(形状)を比較し、評価対象10の状態を
同定する。その結果に基づいて状態検出部61は、評価
対象10の状態を検出する。例えば、上記演算部40か
ら供給されるリカレンスプロットのプロット構造と、全
く同じプロット構造を有する過去に得たリカレンスプロ
ットがある場合には、評価対象10の状態は当該リカレ
ンスプロットを過去に得たときと同じ状態である。な
お、上記演算部40から供給されるリカレンスプロット
のプロット構造と、全く同じプロット構造を有する過去
に得たリカレンスプロットがない場合には、プロット構
造の類似性(相関係数)等により判断しても良い。
【0035】次に、動作について説明する。なお、動作
の説明では、図2に示す連続鋳造機において生成される
鋳片の状態を検出するために、図1に示した状態制御装
置を用いた場合を一例として説明する。
【0036】図2は、連続鋳造機の概略構成を示す模式
図である。図2において、201は鋳型内鋳片、202
は溶融金属、203は凝固シェル、204は、鋳型20
5と鋳型内鋳片201との間での摩擦を減らすためのパ
ウダー層である。206は水冷溝であり、鋳型205を
冷却し鋳型内鋳片201から抜熱するための冷却水を通
過させるためのものである。但し、鋳型内鋳片201
は、溶鋼から周囲の冷却により凝固してゆくものであ
り、液相と固相との両方を含む。
【0037】207は上部熱電対、208は上部熱電対
207での計測結果である第1の計測情報、209は下
部熱電対、210は下部熱電対209での計測結果であ
る第2の計測情報である。上記第1および第2の計測情
報208、210は、温度を示す情報である。また、2
11、212は、上部熱電対207、下部熱電対209
の位置から鋳型内面まで水平に平行移動した点である。
【0038】この図2に示した連続鋳造機では、上記鋳
型内鋳片201が図1に示した評価対象10に相当し、
上部熱電対207および下部熱電対209のそれぞれが
計測部30に相当する。したがって、第1および第2の
計測情報208、210が、計測点における計測値であ
り、点211、212が評価対象10の評価面である。
また、鋳型内鋳片201と、上部熱電対207および下
部熱電対209との間の鋳型部分が抵抗20に相当す
る。
【0039】図3は、図1に示した状態制御装置の動作
を示すフローチャートである。図3において、演算部4
0は、計測部30(上部熱電対207、下部熱電対20
9)から供給される計測値である第1および第2の計測
情報208、210を取り込む(ステップS1)。次
に、ステップS2で、ステップS1において取り込んだ
第1および第2の計測情報208、210を逆問題解析
部41に供給する。逆問題解析部41は、供給された第
1および第2の計測情報208、210を用いて、鋳型
内鋳片201の稼動面上の点211、212における温
度、または熱流束を求めるための逆問題解析を行う。
【0040】ここでは、上述した式(1)、(2)を用
いて逆問題解析を行うとする。すなわち、逆問題解析部
41は上記上部熱電対207および下部熱電対209で
計測された温度に基づいて、まず鋳型内鋳片201の稼
動面上の点211、212における熱流束(式(2)の
左辺の∂u/∂n)をそれぞれ求める。そして、それぞ
れ求めた熱流束と上部熱電対207および下部熱電対2
09により計測された温度から鋳型内鋳片201の稼動
面上の点211、212における温度をそれぞれ求め
る。
【0041】図4は、上部熱電対207および下部熱電
対209で計測された温度と、上述のようにして求めた
点211、212における熱流束とを示す図である。図
4(A)は、上部熱電対207および下部熱電対209
で計測された温度と鋳造経過時間を示したものである。
図4(A)において、41が上部熱電対207で計測さ
れた温度の値を示し、42が下部熱電対209で計測さ
れた温度の値を示す。
【0042】図4(B)は、(A)に示す計測された温
度から逆問題解析により算出した鋳型内鋳片201の稼
動面上の点211、212における熱流束と鋳造経過時
間とを示したものである。図4(B)において、44は
点211における熱流束値であり、上部熱電対207で
計測された値に基づいて算出される。また、45は点2
12における熱流束値であり、下部熱電対209で計測
された値に基づいて算出される。
【0043】上記図4(A)、(B)から、計測点にお
いて計測される温度は、鋳型内面から計測点までの伝熱
抵抗による伝熱遅れのために伝熱変化が鈍った(滑らか
な温度変化)状態で検出されるが、上記計測された温度
に基づいて算出された熱流束値は鋭い変化を示してい
る。特に、図4(A)の領域43では、計測点で計測さ
れた温度変化は小さいが、(B)で上記領域43に対応
する領域46での熱流束値は大きな変化を示している。
【0044】図5(a)、(b)は、図4(A)、
(B)の時間3300〜3550の部分をそれぞれ拡大
したものであり、図5(a)に示す温度と鋳造経過時間
との関係では、伝熱抵抗等により温度変化がなまってい
るため、温度変化を捉え難いが、図5(b)に示す熱流
束と鋳造経過時間との関係では、熱流束の変化は鋭く明
確に変化する。
【0045】次に、ステップS3でアトラクタ作成部4
2は、上記ステップS2において算出された鋳型内鋳片
201の稼動面上の点211、212における熱流束値
からアトラクタを再構成する。すなわち、アトラクタ作
成部42は、逆問題解析部41により算出された図4
(B)に示す熱流束値に基づいて、m次元の遅延ベクト
ルv(t)を作成する。上記遅延ベクトルを、(x
(t),x(t+7τ),x(t+(m−1)τ))を
座標としてプロットすることにより、図6に示すような
上記遅延ベクトルの時間推移を示すアトラクタを再構成
する。ここで、mは相関次元解析で求めた次元の2倍以
上の数字である。図6において、軌道が密な領域61は
安定な状態を示す軌道領域であり、軌道が疎な領域6
2、63は、例えば鋳片に縦割れが生じているなどの不
安定な状態を示す軌道領域である。
【0046】ステップS4で、グラフ作成部43は、上
記ステップS3において再構成されたアトラクタに基づ
いて、リカレンスプロットを作成する。リカレンスプロ
ットは上述したように、図6に示す再構成アトラクタに
おいて、現在時刻の点から所定の距離内にある近傍点を
検索し、検索された近傍点の時刻を縦軸に、現在時刻を
横軸にとってプロットすることにより作成する。
【0047】図7は、上述した図6に基づいて、作成さ
れたリカレンスプロットを示す図である。図7に示した
リカレンスプロットでは、図6に示した再構成アトラク
タにおいて安定状態を示す軌道領域61の点が領域71
に対応している。また、プロットの構造変化点である領
域72は、不安定な状態を示す領域である。つまり、リ
カレンスプロットでは、プロットの密度が高いほど評価
対象10(鋳片)は安定な状態である。
【0048】そして、ステップS5で、ステップS4に
おいて作成されたリカレンスプロットと、先験情報記憶
部50に記憶されているリカレンスプロットとのプロッ
ト形状が、状態検出部61で比較される。その比較結果
に応じて、状態検出部61は鋳型内鋳片201の状態を
検出する。
【0049】ステップS6で、上記状態検出部61によ
り検出された状態に応じて処理部60は、所定の処理、
例えばパウダー層が薄くなることで摩擦が発生し、鋳型
内鋳片201に縦割れ等が発生している場合には、パウ
ダー層が厚くなるようにパウダー量を制御したりする。
【0050】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、評価対象10である鋳型内鋳片201より出力さ
れ、抵抗20を介して計測部30である熱電対207、
209により計測された温度に基づいて、演算部40内
の逆問題解析部41で鋳型内鋳片201の稼動面上の点
211、212における温度および熱流束を求めるため
の逆問題解析を行う。
【0051】これにより、評価対象10である鋳型内鋳
片201と計測部30である熱電対207、209とが
離れており、鋳型内鋳片201から出力される温度を直
接計測することができなくとも、その間にある抵抗20
の影響を逆問題解析により取り除くことができ、鋳型内
鋳片201の稼動面上の点211、212において計測
したと仮定した場合の温度および熱流束を正確に算出す
ることができる。
【0052】また、上記算出された鋳型内鋳片201の
稼動面上の点211、212において計測したと仮定し
た場合の温度および熱流束の振る舞いを示すアトラクタ
を再構成し、さらに再構成した上記アトラクタに基づい
てリカレンスプロットを作成し、過去に得たリカレンス
プロットとの比較を行い、その結果に基づいて、鋳型内
鋳片201の状態を検出するようにしたので、鋳型内鋳
片201の状態をリアルタイムで正確に検出することが
できる。
【0053】なお、本実施形態では、演算部40でリカ
レンスプロットを作成し、先験情報記憶部50に記憶さ
れているリカレンスプロットと比較するようにしたが、
演算部40でアトラクタを再構成するまでの処理を行
い、先験情報記憶部50には過去に得た再構成アトラク
タを記憶するようにして、再構成アトラクタの形状を比
較して評価対象10である鋳型内鋳片201の状態を検
出するようにしても良い。このようにした場合には、少
ない処理で鋳型内鋳片201の状態を正確に検出するこ
とができる。
【0054】また、演算部40から状態検出部61にリ
カレンスプロットとともに再構成したアトラクタを供給
し、先験情報記憶部50には過去に得た再構成アトラク
タとリカレンスプロットとを記憶するようにしても良
い。この場合には、リカレンスプロットおよび再構成ア
トラクタのそれぞれを比較して評価対象10である鋳型
内鋳片201の状態を検出することができ、より正確に
鋳型内鋳片201の状態検出を行うことができる。
【0055】また、本実施形態では、状態決定部61に
より検出された評価対象10である鋳型内鋳片201の
状態に応じて処理部60は、鋳型内鋳片201の状態を
制御するための処理を行うようにしているが、処理部6
0は再構成アトラクタの現在時刻の近傍点に基づいて、
所定時間経過後の状態を予測し、その予測結果に基づい
て鋳型内鋳片201の状態をフィードフォワード制御す
るようにしても良い。
【0056】(第2の実施形態)上述した第1の実施形
態では、再構成アトラクタによる位相空間領域での解析
処理に基づいて評価対象10の状態の検出を行っていた
が、第2の実施形態では、周波数領域での解析処理に基
づいて評価対象10の状態の検出を行うようにしたもの
である。
【0057】図8は、第2の実施形態による状態検出装
置を適用した状態制御装置の一構成例を示すブロック図
である。なお、この図8において、図1に示したブロッ
クと同一の機能を有するブロックには同一の符号を付
し、重複する説明は省略する。また、図1に示したブロ
ックと同一ではないが対応する機能を有するブロックに
は、同じ符号に’を付している。
【0058】図8において、40’は演算部であり、計
測部30における状態信号の計測結果に基づいて、評価
対象10の評価面における状態信号を求めたり、求めた
評価面における状態信号から、評価対象10の状態を検
出するための周波数解析を行ったりする。上記演算部4
0’は、逆問題解析部41、周波数解析部45、記憶部
44を含み構成される。
【0059】周波数解析部45は、上記逆問題解析部4
1により算出された時系列の評価面における状態信号を
周波数解析する。具体的には、上記逆問題解析部41に
より算出された時系列の状態信号(例えば、上記逆問題
解析部41が上述した式(1)、(2)を用いて逆問題
解析を行う場合には、スカラー値uまたはスカラー勾配
∂u/∂n)を、ウェーブレット変換する。なお、第2
の実施形態で用いるウェーブレット変換は、離散ウェー
ブレット変換とする。
【0060】50’は先験情報記憶部であり、過去に得
られた信号をウェーブレット変換したものを記憶する。
【0061】60’は処理部であり、状態検出部61’
を含み構成され、上記演算部40’から供給される多重
解像度マップと、上記先験情報記憶部50’に記憶され
ている多重解像度マップとに基づいて評価対象10の状
態を検出する。さらに、処理部60’は、検出した評価
対象10の状態に応じて、評価対象10の状態を制御す
る。
【0062】状態検出部61’は、上記演算部40から
供給される多重解像度マップと、上記先験情報記憶部5
0’に記憶されているそれぞれの多重解像度マップとを
比較し、評価対象10の状態を同定する。その結果に基
づいて状態検出部61’は、評価対象10の状態を検出
する。
【0063】次に、図9に基づいて、動作について説明
する。なお、第2の実施形態でも、図2に示した連続鋳
造機において生成される鋳片の状態を検出するために図
8に示した状態制御装置を用いた場合を一例として説明
する。図9は、図8に示した状態制御装置の動作を示す
フローチャートである。図9において、まず演算部4
0’は、計測部30(上部熱電対207、下部熱電対2
09)から供給される計測値である第1および第2の計
測情報208、210を取り込み(ステップS11)、
取り込んだ第1および第2の計測情報208、210を
用いて逆問題解析処理を行い、評価面(鋳型内鋳片20
1の稼動面上の点211、212)における温度、また
は熱流束を求める(ステップS12)。なお、以下で
は、熱流束を求めた場合について説明するが、温度であ
っても良いことは言うまでもない。
【0064】次に、ステップS13で、上記ステップS
12において算出された時系列の鋳型内鋳片201の稼
動面上の点211、212における熱流束に対して周波
数解析を行う。この周波数解析は離散ウェーブレット変
換を用いて行い、元の信号(算出された時系列の熱流
束)に含まれる変動成分を周波数ごとに抽出する。
【0065】図10は、図4(B)に示した熱流束値に
ウェーブレット変換を施すことにより得られる熱流束の
変動量を示す図である。図10(A)は、A周期帯(A
は所定の値)の変動量成分を示したものであり、
(B)、(C)はそれぞれ2A周期帯、16A周期帯の
変動量成分を示したものである。図10において、領域
1001でA周期帯の変動量を示す波形に乱れが見ら
れ、その乱れが(B)の領域1002、(C)の領域1
003と高周波側から低周波側に順に伝搬していること
がわかる。また、図10(C)の領域1003では、同
期の乱れにより2つの信号のずれが見られる。
【0066】図9に戻り、ステップS14で、ステップ
S13において周波数解析した結果得られる図10に示
すような多重解像度マップと、先験情報記憶部50’に
記憶されている多重解像度マップとの比較を行い、その
比較結果に応じて処理部60’は所定の処理を行う(ス
テップS15)。
【0067】以上説明したように、第2の実施形態によ
れば、第1の実施形態と同様に、鋳型内鋳片201より
出力され、抵抗20を介して熱電対207、209によ
り計測された温度に基づいて、演算部40’内の逆問題
解析部41で鋳型内鋳片201の稼動面上の点211、
212における温度および熱流束を求めるための逆問題
解析を行う。
【0068】これにより、評価対象10である鋳型内鋳
片201と計測部30である熱電対207、209とが
離れており、鋳型内鋳片201から出力される温度を直
接計測することができなくとも、その間にある抵抗20
の影響を逆問題解析により取り除くことができ、鋳型内
鋳片201の稼動面上の点211、212において計測
したと仮定した場合の温度および熱流束を正確に算出す
ることができる。
【0069】また、上記算出された鋳型内鋳片201の
稼動面上の点211、212において計測したと仮定し
た場合の温度および熱流束にウェーブレット変換を施
し、その結果得た多重解像度マップと先験情報記憶部5
0’に記憶されている多重解像度マップとを比較し、そ
の結果に基づいて、鋳型内鋳片201の状態を検出する
ようにしたので、鋳型内鋳片201の状態をリアルタイ
ムで正確に検出することができる。
【0070】なお、第2の実施形態では、ウェーブレッ
ト変換は離散ウェーブレット変換を用いているが、連続
ウェーブレット変換を用いるようにしても良い。この場
合には、先験情報記憶部50’には、時間対周波数のマ
ップを記憶するようにすればよい。
【0071】また、第1および第2の実施形態では、制
御部60、60’は、検出された評価対象10の状態に
応じて、評価対象10の状態を制御するための処理を行
うようにしているが、検出された評価対象10の状態に
応じて、評価対象10内での現象を解析したり、状態を
診断したり、将来の状態を予測したりするようにしても
良い。
【0072】なお、上述した第1および第2の実施形態
では、連続鋳造機で生成される鋳片の状態を検出するた
めに、本発明を適用した状態制御装置について示した
が、本発明は連続鋳造機で生成される鋳片の状態検出に
限らず、評価対象と計測点とが離れており評価対象から
直接計測することができないものの評価対象の位置にお
ける信号の計測および評価対象の状態の検出の少なくと
も一方に適用することができるものである。
【0073】(本発明の他の実施形態)なお、以上に説
明した本実施形態の計測装置および状態検出装置は、コ
ンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMな
どで構成されるものであり、RAMやROMに記憶され
たプログラムが動作することによって実現できる。した
がって、コンピュータが上記機能を果たすように動作さ
せるプログラムを、例えばCD−ROMのような記録媒
体に記録し、コンピュータに読み込ませることによって
実現できるものである。上記プログラムを記録する記録
媒体としては、CD−ROM以外に、フロッピー(登録
商標)ディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気
ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができ
る。
【0074】また、コンピュータが供給されたプログラ
ムを実行することにより上述の実施形態の機能が実現さ
れるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおい
て稼働しているOS(オペレーティングシステム)ある
いは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実
施形態の機能が実現される場合や、供給されたプログラ
ムの処理の全てあるいは一部がコンピュータの機能拡張
ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形
態の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発
明の実施形態に含まれる。
【0075】また、本発明をネットワーク環境で利用す
るべく、全部あるいは一部のプログラムが他のコンピュ
ータで実行されるようになっていても良い。例えば、画
面入力処理は、遠隔端末コンピュータで行われ、各種判
断、ログ記録等は他のセンターコンピュータ等で行われ
るようにしても良い。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、物
理量を直接計測できない評価対象から出力され、評価対
象と計測点との間の抵抗により減衰された信号を、上記
評価対象から所定の距離だけ離れた計測点において計測
し、上記計測した信号を用いて逆問題解析により評価対
象の位置における信号を求めるようにしたので、評価対
象と計測点とが離れていても、その間の抵抗による影響
を逆問題解析により取り除くことができ、評価対象の位
置における信号を正確に求めることができる。
【0077】また、本発明の他の特徴によれば、評価対
象から所定の距離だけ離れている計測点において計測し
た信号を用いて、逆問題解析により評価対象の位置にお
ける信号を求め、求めた信号に所定の処理を施して生成
した状態情報と過去に得られた先験情報とを比較して上
記評価対象の状態を検出するようにしたので、評価対象
と計測点との間の抵抗による影響を除いた評価対象の位
置における信号を求めることができ、上記求めた信号に
基づいて評価対象の状態をリアルタイムで正確に検出す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による状態検出装置を適用した
状態制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】連続鋳造機の概略構成を示す模式図である。
【図3】第1の実施形態による状態検出装置を適用した
状態制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】熱電対により計測された温度と、鋳型内鋳片の
稼動面における熱流束とを示す図である。
【図5】熱電対により計測した温度と、鋳型内鋳片の稼
動面における熱流束とを示す図である。
【図6】第1の実施形態により得られる再構成アトラク
タを示す図である。
【図7】第1の実施形態により得られるリカレンスプロ
ットを示す図である。
【図8】第2の実施形態による状態検出装置を適用した
状態制御装置の一構成例を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態による状態検出装置を適用した
状態制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】ウェーブレット変換による多重解像度マップ
を示す図である。
【符号の説明】
10 評価対象 20 抵抗 30 計測部 40、40’ 演算部 41 逆問題解析部 42 アトラクタ作成部 43 グラフ作成部 44 記憶部 45 周波数解析部 50、50’ 先験情報記憶部 60、60’ 処理部 61 状態検出部
フロントページの続き (72)発明者 林 順一 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 合原 一幸 千葉県習志野市谷津4−8−8−208 (72)発明者 山本 昌宏 東京都豊島区西巣鴨2−15−17 Fターム(参考) 4E004 MA05 MC12 MC13 PA07

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 評価対象から所定の距離だけ離れた計測
    点で計測した信号に基づいて評価対象の位置における信
    号を求める評価対象の計測装置であって、 上記評価対象から出力され、評価対象と計測点との間の
    抵抗により減衰された信号を計測点で計測する計測手段
    と、 上記計測手段により計測した信号を用いて、逆問題解析
    により評価対象の位置における信号を求める演算手段と
    を備えることを特徴とする評価対象の計測装置。
  2. 【請求項2】 上記演算手段により求めた評価対象の位
    置における信号に基づいて、評価対象内の現象の解析処
    理、診断処理および制御処理のうち少なくとも1つの処
    理を行う処理手段を備えることを特徴とする請求項1に
    記載の評価対象の計測装置。
  3. 【請求項3】 評価対象から所定の距離だけ離れた計測
    点で計測した信号に基づいて評価対象の状態を検出する
    評価対象の状態検出装置であって、 過去に得られた上記評価対象の状態に関する先験情報を
    記憶する情報記憶手段と、 上記評価対象から出力され、評価対象と計測点との間の
    抵抗により減衰された信号を計測点で計測する計測手段
    と、 上記計測手段により計測した信号を用いて、逆問題解析
    により評価対象の位置における信号を求める演算手段
    と、 上記演算手段により求めた評価対象の位置における信号
    に所定の処理を施して、状態情報を生成する状態情報生
    成手段と、 上記状態情報生成手段により生成された状態情報と、上
    記情報記憶手段に記憶されている先験情報とを比較し、
    上記評価対象の状態を検出する検出手段とを備えること
    を特徴とする評価対象の状態検出装置。
  4. 【請求項4】 上記状態情報生成手段は、上記演算手段
    により求めた評価対象の位置における信号から、所定の
    次元を有する再構成アトラクタを上記状態情報として生
    成することを特徴とする請求項3に記載の評価対象の状
    態検出装置。
  5. 【請求項5】 上記状態情報生成手段は、上記再構成ア
    トラクタを2次元表示した状態グラフを状態情報として
    生成することを特徴とする請求項4に記載の評価対象の
    状態検出装置。
  6. 【請求項6】 上記状態情報生成手段は、上記演算手段
    により求めた評価対象の位置における信号に対して周波
    数解析を行い、状態情報を生成することを特徴とする請
    求項3に記載の評価対象の状態検出装置。
  7. 【請求項7】 上記検出手段により検出した評価対象の
    状態に応じて、評価対象内の現象の解析処理、診断処理
    および制御処理のうち少なくとも1つの処理を行う処理
    手段を備えることを特徴とする請求項3〜6の何れか1
    項に記載の評価対象の状態検出装置。
  8. 【請求項8】 評価対象から所定の距離だけ離れた計測
    点で計測した信号に基づいて評価対象の位置における信
    号を求める評価対象の計測方法であって、上記評価対象
    から出力され、評価対象と計測点との間の抵抗により減
    衰された信号を上記計測点で計測し、計測した信号を用
    いて、逆問題解析により評価対象の位置における信号を
    求めることを特徴とする評価対象の計測方法。
  9. 【請求項9】 上記逆問題解析により求めた評価対象の
    位置における信号に基づいて、評価対象内の現象の解析
    処理、診断処理および制御処理のうち少なくとも1つの
    処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の評価対象
    の計測方法。
  10. 【請求項10】 評価対象から所定の距離だけ離れた計
    測点で計測した信号に基づいて評価対象の状態を検出す
    る評価対象の状態検出方法であって、過去に得られた上
    記評価対象の状態に関する先験情報を情報記憶手段に記
    憶し、上記評価対象から出力され、評価対象と計測点と
    の間の抵抗により減衰された信号を上記計測点で計測
    し、計測した信号を用いて、逆問題解析により評価対象
    の位置における信号を求め、所定の処理を施して生成し
    た状態情報と上記先験情報とを比較して上記評価対象の
    状態を検出することを特徴とする評価対象の状態検出方
    法。
  11. 【請求項11】 上記評価対象の位置における信号から
    生成した所定の次元を有する再構成アトラクタを上記状
    態情報として生成することを特徴とする請求項10に記
    載の評価対象の状態検出方法。
  12. 【請求項12】 上記再構成アトラクタを2次元表示し
    た状態グラフを状態情報として生成することを特徴とす
    る請求項11に記載の評価対象の状態検出方法。
  13. 【請求項13】 上記評価対象の位置における信号に対
    して周波数解析を行い、状態情報を生成することを特徴
    とする請求項10に記載の評価対象の状態検出方法。
  14. 【請求項14】 上記状態情報と上記先験情報との比較
    により検出した上記評価対象の状態に応じて、評価対象
    内の現象の解析処理、診断処理および制御処理のうち少
    なくとも1つの処理を行うことを特徴とする請求項10
    〜13の何れか1項に記載の評価対象の状態検出方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜7の何れか1項に記載の各
    手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム
    を記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能
    な記録媒体。
  16. 【請求項16】 請求項8〜14の何れか1項に記載の
    状態検出方法の処理手順をコンピュータに実行させるた
    めのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュー
    タ読み取り可能な記録媒体。
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