JP2002147606A - 冷却空洞付きピストン耐摩環およびその製造方法 - Google Patents

冷却空洞付きピストン耐摩環およびその製造方法

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JP2002147606A
JP2002147606A JP2000344348A JP2000344348A JP2002147606A JP 2002147606 A JP2002147606 A JP 2002147606A JP 2000344348 A JP2000344348 A JP 2000344348A JP 2000344348 A JP2000344348 A JP 2000344348A JP 2002147606 A JP2002147606 A JP 2002147606A
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ring
forming material
cavity
cavity forming
piston
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Ryoji Nakayama
亮治 中山
Akitomo Komazaki
聰寛 駒崎
Kunio Hanada
久仁夫 花田
Hidetsugu Yamamoto
英継 山本
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Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンリングの冷却効果を高める。製造性
および信頼性を向上させる。 【解決手段】 ピストンリングを組み込む環状の耐摩環
本体33の内周側にステンレス製の管材からなる空洞形成
材34を組み込む。この空洞形成材34内の空間部により冷
却空洞32を形成する。耐摩環本体33は金属系焼結材料か
らなるが、焼結時に同時に耐摩環本体33と空洞形成材34
とをろう付けする。焼結前に空洞形成材34に通孔37を形
成しておき、焼結時に空洞形成材34内の空気を外部へ排
出することにより、この空洞形成材34の破裂を防止す
る。焼結後には通孔37を閉塞し、耐摩環本体33および空
洞形成材34からなるピストン耐摩環31をピストン本体に
鋳ぐるむときに溶湯が空洞形成材34内に浸入しないよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用エンジ
ンなどに利用される冷却空洞付きピストン耐摩環に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】図21は内燃機関用エ
ンジンに用いられる従来のピストンの一例を示してい
る。同図において、1はピストン本体で、このピストン
本体1は、例えばアルミニウム合金を材料として鋳造に
より成形されたものである。2はピストン本体1に形成
されたピストンピン孔である。ピストン本体1の外周面
には複数のピストンリング溝3,4,5が形成されてい
る。これらのピストンリング溝3,4,5は、図示して
いないが、シリンダーの内周面を摺動するピストンリン
グがそれぞれ組み込まれる為のものである。特に頂面6
側のピストンリング溝3,4に組み込まれるピストンリ
ングは燃焼室側に位置し、ガスシールと散熱作用を果た
す為のものである。他のピストンリング溝5に組み込ま
れるピストンリングは潤滑管理用のオイルリングであ
る。
【0003】特に頂面6側のピストンリング溝3は高温
耐摩耗性が要求される。このピストンリング溝3に組み
込まれるピストンリングよりも燃焼室側でピストンの外
周面とシリンダーの内周面との間の隙間の燃焼ガスは未
燃焼のまま排気ガスとして排出されてしまうので、排気
ガスの浄化のためには、頂面6とピストンリング溝3と
の間の距離aを極力小さくすることが望ましいが、この
距離aを小さくすると、ピストンリング溝3の温度が高
くなり、摩耗が多くなってガス漏れが発生するおそれが
ある。そこで、図12に示すピストンでは、頂面6側の
2つのピストンリング溝3,4をピストン本体1とは別
のニレジスト鋳鉄からなるトレーガとも称するピストン
耐摩環7に形成している。ピストン耐摩環7は、ピスト
ン本体1の鋳造に際してこのピストン本体1に鋳ぐるま
れる。
【0004】さらに、燃焼熱などに対してのピストンリ
ング溝3,4,5の冷却のために、その内側に冷却用の
オイルを通す環状の冷却空洞8を形成している。従来
は、例えば実公昭58−52346号公報などにも記載
されているように、ピストン本体1の鋳造に際して塩中
子を用いることにより冷却空洞8を形成するようにして
いる。塩中子は、ピストン本体1の鋳造後に水により溶
解されて取り出される。
【0005】しかし、このように塩中子を利用して冷却
空洞8を形成する場合、この冷却空洞8とピストンリン
グ溝3,4との間の距離bを小さくすることには限界が
ある。ピストンリング溝3,4の冷却効果を高めるに
は、前記距離bをより小さくした方がよい。
【0006】これに対して、例えば特開平5−2403
47号公報などに記載されているように、冷却空洞をピ
ストンリング溝に近付けることを目的として、ピストン
本体とも耐摩環本体部分とも別体の環状の部品(成型
体)を耐摩環本体部分の内周側に接合することにより冷
却空洞を形成することも提案されている。耐摩環本体部
分と成型体とを接合してなるピストン耐摩環は、ピスト
ン本体の鋳造時にこのピストン本体に鋳ぐるまれる。そ
して、前記公報に記載のピストン耐摩環では、成型体を
ステンレス鋼などの金属板により形成し、耐摩環本体部
分の内周面に形成したインロー状の嵌挿部に、断面をほ
ぼコ字形状に形成した成型体を嵌挿してアーク溶接など
によって接合するようにしている。なお、耐摩環本体部
分はニレジスト鋳鉄などからなる。
【0007】しかし、前記特開平5−240347号公
報に記載のピストン耐摩環では、耐摩環本体部分と成型
体との接合が不確実である問題がある。特に接合手段と
してアーク溶接を用いた場合、接合部にブローホールな
どの溶接欠陥が生じやすい。また、耐摩環本体部分の内
周面のインロー状の嵌挿部に、断面ほぼコ字形状の成型
体を嵌挿するのは面倒である。さらに、ピストン本体が
アルミニウム合金からなる場合、前記公報に記載のよう
にニレジスト鋳鉄からなる耐摩環本体部分やステンレス
鋼製の板金からなる成型体ではピストン本体との鋳ぐる
み性が悪いため、鋳ぐるみに先立ってピストン耐摩環に
アルミニウム系の材料からなるメッキを施す必要がある
が、充分な接合強度が得られない上に、このような工程
を加えるとコストがかさむ。
【0008】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、ピストンリングの冷却効果を高めること
ができるとともに、製造性および信頼性を向上できる冷
却空洞付きピストン耐摩環およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、ピストン本体に鋳ぐるみにより
埋設されピストンリングが組み込まれる冷却空洞付きピ
ストン耐摩環において、金属系焼結材料からなりピスト
ンリングが組み込まれる環状の耐摩環本体と、この耐摩
環本体の内周側に組み込まれた管材からなる環状の空洞
形成材とを備え、前記耐摩環本体と空洞形成材とをろう
付により接合してなり、前記空洞形成材の内部の密閉し
た空間部により冷却空洞を形成し、前記耐摩環本体と空
洞形成材との間の3箇所以上に、前記ろう付に用いるろ
う材とは異なる材料からなる間隔保持部を設けたもので
ある。
【0010】このようにピストンリングが組み込まれる
耐摩環本体と空洞形成材とを結合して冷却空洞を形成す
ることにより、この冷却空洞をピストンリングに近付け
て冷却効果を高めることが可能になる。また、空洞形成
材を管材により構成し、この空洞形成材内の密閉した空
間部により冷却空洞を形成したので、ピストン本体の鋳
造に際して空洞形成材内の冷却空洞にピストン本体の材
料が浸入するようなことがない。また、耐摩環本体と空
洞形成材とをろう付により接合するようにしたので、例
えば焼結時に同時にろう付を行うことも可能であり、耐
摩環本体に空洞形成材を容易に組付けることができ、し
かも耐摩環本体と空洞形成材との結合状態は確実なもの
にできる。さらに、耐摩環本体と空洞形成材との間の3
箇所以上に間隔保持部を設けたことにより、焼結および
ろう付に際して耐摩環本体と空洞形成材との間の間隔を
一定に保つことができ、ろう付による接合をよりいっそ
う確実なものとできる。また、金属系焼結材料からなる
耐摩環本体は形状付与が比較的自由であるとともに、材
料の選定の幅が広く、高温耐摩耗性に優れるとともにピ
ストン本体の材料と熱膨張率が近い材料を選定できる点
などに利点があり、溶浸などによってピストン本体との
鋳ぐるみ性を向上させることも容易である。
【0011】請求項2の発明は、前記目的を達成するた
めに、ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設されピストン
リングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐摩環の製
造方法において、金属を主成分とする原料粉末を圧縮し
てピストンリングが組み込まれる耐摩環本体となる圧粉
体を成形した後、この圧粉体の内周側に管材からなる環
状の空洞形成材を組み込んでこの空洞形成材とともに前
記圧粉体を焼結し、この焼結時に前記圧粉体が焼結され
てなる焼結体と前記空洞形成材とをろう付により接合し
て、前記空洞形成材の内部の密閉した空間部により冷却
空洞を形成し、前記焼結に先立って前記耐摩環本体と空
洞形成材との間の3箇所以上に、焼結時に溶融しない材
料からなる間隔保持部を配するものである。
【0012】このようにピストンリングが組み込まれる
耐摩環本体と空洞形成材とを結合して冷却空洞を形成す
ることにより、この冷却空洞をピストンリングに近付け
て冷却効果を高めることが可能になる。また、空洞形成
材を管材により構成し、この空洞形成材内の密閉した空
間部により冷却空洞を形成したので、ピストン本体の鋳
造に際して空洞形成材内の冷却空洞にピストン本体の材
料が浸入するようなことがない。また、耐摩環本体と空
洞形成材とを焼結時にろう付により接合するようにした
ので、製造工数の増大を抑制して、耐摩環本体に空洞形
成材を容易に組付けることができ、しかも耐摩環本体と
空洞形成材との結合状態は確実なものにできる。さら
に、焼結に先立って耐摩環本体と空洞形成材との間の3
箇所以上に、焼結時に溶融しない材料からなる間隔保持
部を配することにより、焼結およびろう付に際して耐摩
環本体と空洞形成材との間の間隔を一定に保つことがで
き、この一定に保たれた隙間にろう材が浸透することか
ら、ろう付による接合をよりいっそう確実なものとでき
る。また、金属系焼結材料からなる耐摩環本体は形状付
与が比較的自由であるとともに、材料の選定の幅が広
く、高温耐摩耗性に優れるとともにピストン本体の材料
と熱膨張率が近い材料を選定できる点などに利点があ
り、溶浸などによってピストン本体との鋳ぐるみ性を向
上させることも容易である。
【0013】請求項3の発明は、請求項2の発明の冷却
空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、前記間隔
保持部は、前記耐摩環本体および空洞形成材とは別体の
薄板状部材からなるものである。
【0014】つまり、耐摩環本体となる圧粉体とその内
周側に組み込まれた空洞形成材との間の隙間に薄板状部
材を挿入することにより、耐摩環本体と空洞形成材との
間の間隔を一定に保つ。そして、薄板状部材の厚さを調
節することにより、耐摩環本体と空洞形成材との間の間
隔の相違に容易に対応できる。なお、薄板状部材は焼結
に伴うろう付により空洞形成材ないし耐摩環本体と一体
化されるので、後で回収する必要はない。
【0015】請求項4の発明は、請求項2の発明の冷却
空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、前記間隔
保持部は、前記耐摩環本体の内周面および空洞形成材の
外周面の一方または両方に一体に形成された凸部からな
るものである。
【0016】この場合、耐摩環本体および空洞形成材と
は別体の部材を用意する必要がなく、また、この別体の
部材を耐摩環本体と空洞形成材との間に挿入する作業も
不要である。
【0017】請求項5の発明は、前記目的を達成するた
めに、ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設されピストン
リングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐摩環の製
造方法において、金属を主成分とする原料粉末を圧縮し
てピストンリングが組み込まれる耐摩環本体となる圧粉
体を成形した後、この圧粉体の内周側に管材からなる環
状の空洞形成材を組み込んでこの空洞形成材とともに前
記圧粉体を焼結し、この焼結時に前記圧粉体が焼結され
てなる焼結体と前記空洞形成材とをろう付または焼結嵌
めにより接合して、前記空洞形成材の内部の密閉した空
間部により冷却空洞を形成し、前記焼結に先立って前記
空洞形成材にその内部と外部とを連通する通孔を形成し
ておき、前記焼結時または焼結後であって前記鋳ぐるみ
前に前記通孔を閉塞して前記空洞形成材の内部の空間部
を密閉するものである。
【0018】このようにピストンリングが組み込まれる
耐摩環本体と空洞形成材とを結合して冷却空洞を形成す
ることにより、この冷却空洞をピストンリングに近付け
て冷却効果を高めることが可能になる。また、空洞形成
材を管材により構成し、この空洞形成材内の密閉した空
間部により冷却空洞を形成したので、ピストン本体の鋳
造に際して空洞形成材内の冷却空洞にピストン本体の材
料が浸入するようなことがない。また、耐摩環本体と空
洞形成材とを焼結時のろう付または焼結嵌めにより接合
するようにしたので、耐摩環本体に空洞形成材を容易に
組付けることができ、しかも耐摩環本体と空洞形成材と
の結合状態は確実なものにできる。焼結時に空洞形成材
内の空間が完全に密閉していたとすると、加熱に伴って
空洞形成材内の気圧が上昇することにより空洞形成材が
破裂するおそれがあるが、空洞形成材にその内部と外部
とを連通する通孔が形成してあることにより、焼結時に
空洞形成材内の空気が外部に排出され、空洞形成材内の
気圧上昇が防止される。前記通孔がピストン本体への鋳
ぐるみ時に開口したままになっていたとすると、ピスト
ン本体をなす溶湯が通孔から空洞形成材内に浸入するた
め、焼結時または焼結後であって鋳ぐるみ前に通孔を閉
塞する。さらに、金属系焼結材料からなる耐摩環本体は
形状付与が比較的自由であるとともに、材料の選定の幅
が広く、高温耐摩耗性に優れるとともにピストン本体の
材料と熱膨張率が近い材料を選定できる点などに利点が
あり、溶浸などによってピストン本体との鋳ぐるみ性を
向上させることも容易である。
【0019】請求項6の発明は、請求項5の発明の冷却
空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、ボルトを
用いた締結により前記通孔を閉塞するものである。
【0020】通孔を閉塞するための手段として、ボルト
を用いた締結は、再現性およびランニングコストの点か
ら良好である。
【0021】請求項7の発明は、請求項5の発明の冷却
空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、前記焼結
時に前記耐摩環本体と空洞形成材とをろう付により接合
し、このろう付に用いるろう材により前記通孔を閉塞す
るものである。
【0022】このように耐摩環本体と空洞形成材とのろ
う付時に同時にろう材により通孔を閉塞すれば、通孔を
閉塞するための特別な工程が不要である。
【0023】請求項8の発明は、請求項5の発明の冷却
空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、前記焼結
に先立って前記耐摩環本体と空洞形成材との間の3箇所
以上に、これら耐摩環本体および空洞形成材とは別体で
焼結時に溶融しない材料からなる間隔保持部材を配する
とともに、この間隔保持部材を前記空洞形成材の通孔に
対向させ、前記焼結時に前記耐摩環本体と空洞形成材と
をろう付により接合し、このろう付に用いるろう材を前
記間隔保持部材と空洞形成材の通孔との間に浸透させる
ことによりこの通孔を閉塞するものである。
【0024】焼結に先立って耐摩環本体と空洞形成材と
の間に間隔保持部材を配することにより、ろう付に際し
て耐摩環本体と空洞形成材との間の間隔を一定に保つこ
とができ、この一定に保たれた隙間にろう材が浸透する
ことから、ろう付による接合をよりいっそう確実なもの
とできる。また、耐摩環本体と空洞形成材とのろう付時
に同時にろう材により通孔が閉塞されることにより、通
孔を閉塞するための特別な工程が不要である。
【0025】請求項9の発明は、前記目的を達成するた
めに、ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設されピストン
リングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐摩環の製
造方法において、金属を主成分とする原料粉末を圧縮し
てピストンリングが組み込まれる耐摩環本体となる圧粉
体を成形した後、この圧粉体の内周側に管材からなる環
状の空洞形成材を組み込んでこの空洞形成材とともに前
記圧粉体を焼結し、この焼結時に前記圧粉体が焼結され
てなる焼結体と前記空洞形成材とをろう付または焼結嵌
めにより接合して、前記空洞形成材の内部の密閉した空
間部により冷却空洞を形成し、前記鋳ぐるみに先立って
前記耐摩環本体および空洞形成材の表面に表面皮膜除去
処理を施すものである。
【0026】このようにピストンリングが組み込まれる
耐摩環本体と空洞形成材とを結合して冷却空洞を形成す
ることにより、この冷却空洞をピストンリングに近付け
て冷却効果を高めることが可能になる。また、空洞形成
材を管材により構成し、この空洞形成材内の密閉した空
間部により冷却空洞を形成したので、ピストン本体の鋳
造に際して空洞形成材内の冷却空洞にピストン本体の材
料が浸入するようなことがない。また、耐摩環本体と空
洞形成材とを焼結時のろう付または焼結嵌めにより接合
するようにしたので、耐摩環本体に空洞形成材を容易に
組付けることができ、しかも耐摩環本体と空洞形成材と
の結合状態は確実なものにできる。さらに、金属系焼結
材料からなる耐摩環本体は形状付与が比較的自由である
とともに、材料の選定の幅が広く、高温耐摩耗性に優れ
るとともにピストン本体の材料と熱膨張率が近い材料を
選定できる点などに利点がある。ピストン本体への鋳ぐ
るみ性を阻害させる要因としては、耐摩環本体ないし空
洞形成材の表面の油分、水分や、焼結時などに発生する
表面皮膜(酸化皮膜、窒化皮膜等)があるが、鋳ぐるみ
に先立って耐摩環本体および空洞形成材の表面に表面皮
膜除去処理を施すことにより、鋳ぐるみ性が向上する。
【0027】請求項10の発明は、請求項9の発明の冷
却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、前記表
面皮膜除去処理をブラストとしたものである。
【0028】このブラストにより、酸化皮膜、窒化皮膜
等の表面皮膜を除去する。
【0029】請求項11の発明は、請求項9の発明の冷
却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、前記表
面皮膜除去処理を酸洗いとしたものである。
【0030】この酸洗いにより、酸化皮膜、窒化皮膜等
の表面皮膜を除去する。
【0031】
【発明の実施形態】以下、本発明の冷却空洞付きピスト
ン耐摩環およびその製造方法の実施形態について、図面
を参照しながら説明する。最初に、ピストン本体および
ピストン耐摩環の構成について詳述する。本実施形態の
ピストン耐摩環が用いられるピストンは自動車のエンジ
ン用のものであり、図1に示すピストン本体11により大
部分が構成されている。このピストン本体11は、アルミ
ニウム合金であるAl−Si系合金を材料として鋳造さ
れたもので、内部に空洞部12を有しているとともに、こ
の空洞部12に臨むピストンピン孔13を有している。ま
た、ピストン本体11の頂面14つまり燃焼室に面する先端
面には凹部15が形成されている。
【0032】そして、ピストンの外周面には1つまたは
複数の環状のピストンリング溝16,17,18が形成されて
いる。これらのピストンリング溝16,17,18は、図示し
ていないシリンダーの内周面を摺動するピストンリング
19,20,21がそれぞれ組み込まれるものである。頂面14
から最も離れたピストンリング溝18はピストン本体11に
直接形成されているが、他のピストンリング溝16,17
は、ピストン本体11とは別体の冷却空洞付きピストン耐
摩環31に形成されている。このピストン耐摩環31は、ピ
ストン本体11に一体的に鋳ぐるみにより埋設されたもの
である。また、ピストン耐摩環31内には、冷却用のオイ
ルを通すための冷却空洞32が一体に形成されており、こ
の冷却空洞32にオイルを供給するための通路孔(図示し
ていない)がピストン本体11に形成されている。
【0033】ここで、前記ピストン耐摩環31の第1例に
ついて、図1から図4を参照しながら説明する。ピスト
ン耐摩環31は、金属系焼結材料からなる円環状の耐摩環
本体33の内周側に金属製の管材からなる円環状の空洞形
成材34を組み込んでなり、この空洞形成材34の内部の密
閉した空間部により前記冷却空洞32を形成したものであ
る。そして、ピストンリング溝16,17を有する耐摩環本
体33は黒鉛析出鉄系焼結材料からなっている。材料成分
の一例を示すと、次の通りである。Cr:0.5〜5%,
Mn:0.2〜1%,S:0.05〜1%,B:0.05〜1%,
C:0.5〜5%,Ni:1〜12%,Ti:0.5〜5%,C
u:1〜4%を含有し、かつ素地はオーステナイト相を
主体とし、気孔中に遊離黒鉛が析出し、成長した組織を
有する鉄系焼結材料。かつ、この焼結材料は焼結に伴っ
て収縮するように組成を設定したものである。そのため
には、例えばNiの含有量を多くすればよい。一方、空
洞形成材34は、例えばSUS304などのオーステナイ
ト系ステンレスの溶製材である。
【0034】そして、耐摩環本体33の内周面と空洞形成
材34の外周面とが後述する焼結嵌めおよびろう付により
接合されているが、これら耐摩環本体33の内周面および
空洞形成材34の外周面はともに円柱面をなしている。ま
た、耐摩環本体33の軸方向長さよりも空洞形成材34の軸
方向長さがやや長い。
【0035】つぎに、前記冷却空洞付きピストン耐摩環
31およびこの冷却空洞付きピストン耐摩環31を用いたピ
ストンの製造方法について説明する。ピストン耐摩環31
を構成する耐摩環本体33および空洞形成材34のうち空洞
形成材34は、管材を例えばプレス加工などにより加工し
て外周面形状が耐摩環本体33の内周面形状に合致する円
環状に形成する。さらに、前記管材の両端を突き合わせ
て溶接し、冷却空洞32となる空間部を内部に形成する。
また、図4(a)に示すように、空洞形成材34における
耐摩環本体33に接合されない壁部つまり上下の壁部また
は内周の壁部に、空洞形成材34の内部と外部とを連通す
る1つまたは複数の通孔37を切削加工などにより形成す
る。
【0036】また、耐摩環本体33は粉末冶金により製造
される。まず耐摩環本体33となる圧粉体を粉末成形する
(粉末成形工程)。この粉末成形では、原料粉末を粉末
成形プレスで加圧、圧縮して圧粉体を成形する。その際
の成形圧力は5〜7t/cm2とし、成形された圧粉体の密
度比を80〜95%とする。なお、この粉末成形の段階で
は、耐摩環本体33にピストンリング溝16,17は形成され
ず、耐摩環本体33の外周面は図2および図3に示すよう
に円柱面になっている。なお、後にピストンリング溝1
6,17を形成するために、耐摩環本体33の肉厚はある程
度確保しておく必要がある。
【0037】つぎに、圧粉体からなる耐摩環本体33の内
周側に、前述のようにして製造した空洞形成材34を組み
込み、この空洞形成材34とともに耐摩環本体33を焼結炉
で加熱して焼結する(焼結工程)。この焼結時の温度は
1120〜1150℃、焼結時間は30分〜1時間とする。また、
雰囲気ガスとしては天然ガスの変成ガス、N2−H2ある
いはアンモニア分解ガスを用い、吸熱性還元雰囲気とす
る。
【0038】この焼結に際して耐摩環本体33は縮小す
る。一方、ステンレスからなる空洞形成材34の寸法変化
は耐摩環本体33の寸法変化より小さい。したがって、耐
摩環本体33が空洞形成材34に圧着され、これら耐摩環本
体33と空洞形成材34とが相互に接合される。これは焼結
嵌めである。
【0039】また、この焼結時に耐摩環本体33と空洞形
成材34とをろう付する(ろう付工程)こともできる。こ
のろう付のために、前記粉末成形工程時に耐摩環本体33
の上面内周部に全周に渡って線状のろう材36を装填する
溝部35を形成する。ろう材36としては銅系のものを用い
る。その材料成分の一例を示すと、次の通りである。M
n:12.3〜17.0%,Ni:29.3〜41.3%,Fe:0.21〜
21.5%,B:0〜1.47%,Si:0〜2.00%,C:0.02
〜0.43%,O2:0.44〜2.1%を含有し、残部がCu。そ
して、溝部35にろう材36を装填した状態で焼結を行う
と、その熱によりろう材36が溶融し、毛細管現象により
耐摩環本体33と空洞形成材34との間に浸透する。このよ
うに、耐摩環本体33と空洞形成材34とは前記焼結嵌めに
加えてろう付により強固に接合される。なお、特にこの
ろう付を良好に行うためには、焼結時の温度は1130〜11
40℃が好ましい。
【0040】前記焼結時、加熱により空洞形成材34の内
部の気圧が上昇する。したがって、もしも空洞形成材34
内の空間部が完全に密閉されていたとすると、空洞形成
材34が破裂するおそれがあるが、図4(a)に示すよう
に、空洞形成材34にその内部と外部とを連通する通孔37
が形成されているので、空洞形成材34内の空気は通孔37
を通って外部へ排出される。したがって、空洞形成材34
内の気圧上昇が防止され、空洞形成材34の破裂が防止さ
れる。
【0041】さらに、前記焼結の後、図4(b)に示す
ように、空洞形成材34の通孔37に通孔閉塞手段としての
ボルトであるビス38を螺着して締結し、通孔37を閉塞す
る。これにより、空洞形成材34内の空間部が密閉されて
冷却空洞32が形成される。なお、通孔閉塞手段として
は、ビス38の他に接着剤を用いることもでき、また、ビ
ス38と接着剤とを併用することもできる。
【0042】つぎに、焼結体からなる耐摩環本体33にピ
ストン本体11と同系の材料であるアルミニウム合金を溶
浸させる(溶浸工程)。溶浸材であるアルミニウム合金
としては、ピストン本体11と同じくAC8AあるいはA
C8C(JIS規格)を用い、溶浸は真空含浸により行
う。より詳しく説明すると、ピストン耐摩環31を700〜7
50℃に保持し、真空容器中で1時間ほど真空引きするこ
とにより、耐摩環本体33をなす焼結体内の気孔に溶浸材
が円滑に含浸されるようにこの気孔内のガスを除去した
後、ピストン耐摩環31をアルミニウム合金の溶湯中に浸
漬するとともに、8気圧を加圧して5〜60分保持する。
これにより、焼結体内の気孔中にアルミニウム合金が含
浸される。
【0043】このようにして完成したピストン耐摩環31
をピストン本体11の重力鋳造に際してこのピストン本体
11に鋳ぐるむ(鋳造工程)。この鋳造においては、ピス
トン耐摩環31を鋳造用金型内に設置し、ピストン本体11
の材料であるAl−Si系合金を溶解して鋳造用金型内
に注入し、ピストン耐摩環31を一体化したピストン本体
11を成形する。
【0044】ピストンを製作するこの鋳造工程および前
記溶浸工程に際しては、空洞形成材34の通孔37が既に閉
塞されているので、アルミニウム合金の溶湯が通孔37か
ら空洞形成材34内に浸入することはない。
【0045】さらに、ピストン耐摩環31の外周部をなす
耐摩環本体33にピストンリング溝16,17を機械加工(切
削加工)により形成する。なお、このようにピストンリ
ング溝16,17を後加工により形成するのは、これらのピ
ストンリング溝16,17の位置および寸法の精度を向上さ
せるためである。
【0046】前記のように耐摩環本体33と空洞形成材34
とを組み合わせてピストン耐摩環31を構成するととも
に、このピストン耐摩環31内に冷却空洞32を形成したの
で、この冷却空洞32をピストンリング溝16,17およびピ
ストンリング19,20に近付けることができる。つまり、
冷却空洞32とピストンリング溝16,17との間の距離bを
小さくでき、これにより冷却効果を高めることができ
る。したがって、ピストン耐摩環31の高温下での摩耗を
抑制できる。その結果、ピストン本体11の頂面14とピス
トンリング溝16との間の距離aを小さくすることが可能
になり、未燃焼のまま排気ガスとして排出されてしまう
燃焼ガスの量を少なくでき、排気ガスの浄化を図れる。
【0047】また、耐摩環本体33を焼結に伴って収縮さ
せることにより、この耐摩環本体33とその内周側に組み
込まれた空洞形成材34とを接合するようにしたので、耐
摩環本体33に空洞形成材34を容易に組付けることがで
き、しかも耐摩環本体33と空洞形成材34との結合状態は
確実なものにできる。また、このような焼結嵌めによる
接合が有効なのは径方向の接合面であるが、空洞形成材
34の軸方向長さを耐摩環本体33の軸方向長さよりも長く
したので、焼結嵌めによる接合の効果を最大限に得るこ
とができる。それに加えて、耐摩環本体33と空洞形成材
34とをろう付するようにしたので、耐摩環本体33と空洞
形成材34とをよりいっそう確実に接合できる。しかも、
ろう付は圧粉体の焼結時に同時に行うので、製造工数の
増大を抑制できる。
【0048】さらに、空洞形成材34を管材により構成し
たので、耐摩環本体33と空洞形成材34との間に冷却空洞
32へ通じる隙間が生じるようなことはなく、ピストン本
体11の鋳造に際して空洞形成材34内の冷却空洞32にピス
トン本体11の材料が浸入するようなことはなく、信頼性
が向上する。また、耐摩環本体33と空洞形成材34とを溶
接するような必要がないので、製造コストもより低減で
きる。
【0049】また、ピストンリング溝16,17を形成する
耐摩環本体33は金属系焼結材料からなるので、形状付与
が比較的自由にでき、材料の選定の幅が広いなどの利点
が得られる。例えば、前記実施例のように、耐摩環本体
33の材料として黒鉛析出鉄系焼結材料を用いることがで
きるが、この黒鉛析出鉄系焼結材料は高温耐摩耗性に優
れている一方、ピストン本体11の材料であるAl−Si
系合金と熱膨張率が近く、ピストン本体11との高い接合
強度が得られる。また、相手攻撃性も小さい。
【0050】また、ピストン本体11への鋳ぐるみに先立
って焼結体からなる耐摩環本体33にアルミニウム合金を
溶浸させることにより、鋳ぐるみに際し、耐摩環本体33
の気孔からのガスの発生がなくなって、このガスの発生
による鋳造不良を防止できるとともに、ピストン本体11
と耐摩環本体33との密着性を向上させることができる。
また、ピストン本体11と耐摩環本体33との間の熱伝導性
が向上し、ピストンリング19,20が組み込まれる耐摩環
本体33の高温下での摩耗の抑制効果も得られる。しか
も、溶浸は比較的低コストで実施できる。
【0051】一方、空洞形成材34は耐摩耗性を要求され
るものではなく、金属製の管材からプレス加工などによ
り容易にかつ安価に製造できる。ただし、空洞形成材34
は焼結時に加熱されるので、その際の熱に耐えられると
ともに加熱による寸法変化が小さい材料からなることが
望ましい。その点、前記ステンレスは空洞形成材34の材
料として好適なものである。
【0052】以上のようにして、高い冷却効果が得られ
るとともに製造性および信頼性に優れた冷却空洞付きピ
ストン耐摩環31を提供できる。
【0053】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記の例の冷却空洞付きピストン耐摩環31では、耐摩環
本体33の上面内周部に全周に渡って環状の溝部35を形成
し、この溝部35に線状のろう材36を装填した。このよう
に耐摩環本体33と空洞形成材34との間の全周に渡ってろ
う材36を装填した方がろう付をよりいっそう確実なもの
にできるが、図5に示す第2例のように、ろう付に際し
て、耐摩環本体33の上面内周部の数箇所に形成した切欠
き部41に錠剤状のろう材を装填するようにしても、ろう
材が毛細管現象により浸透するので問題はない。また、
このように溝部35や切欠き部41にろう材36を装填する
他、ろう材を刷毛で塗布するなどしてもよい。
【0054】また、前記実施例では、焼結に伴う耐摩環
本体33の収縮による焼結嵌めとろう付とにより耐摩環本
体33と空洞形成材34とを接合したが、焼結嵌めのみによ
り接合してもよい。逆に、ろう付のみにより接合しても
よい。ろう付けのみの場合でも、前記第1例と同じ工程
によりピストン耐摩環31を製造でき、焼結嵌めによるも
のを除いて前記第1例と同様の作用効果が得られる。ま
た、ろう付けのみにより耐摩環本体33と空洞形成材34と
を接合する場合、耐摩環本体33の焼結材料は焼結に伴っ
て収縮するものである必要はない。
【0055】さらに、前記第1例では、耐摩環本体33の
軸方向長さよりも空洞形成材34の軸方向長さを長くし、
空洞形成材34の軸方向(上下方向)中央部に耐摩環本体
33を位置させたが、ピストン耐摩環31の軸方向長さと空
洞形成材34の軸方向長さとをほぼ等しくしてもよく、ま
た、例えば図6に示す第3例のように、耐摩環本体33の
下面と空洞形成材34の下面とを同一平面上に位置させる
などしてもよい。いずれにせよ、空洞形成材34を大きく
して冷却空洞32を大きくすれば、冷却効果を高めること
ができる。
【0056】ここで、耐摩環本体33と空洞形成材34とを
ろう付する場合について、さらに説明する。接合材であ
るろう材としては、粉末状のもの、圧粉体からなるも
の、ワッシャー状のもの、線状のもの、ペースト状のも
のあるいは箔状のものなど、各種のものを用いることが
できる。特に圧粉体からなるろう材が好ましいが、これ
も、ペレット状あるいはリング状など、様々な形状のも
のが可能である。また、一般的にろう材としては、銅ろ
う、りん銅ろう、黄銅ろう、銀ろう、金ろう、パラジウ
ムろう、アルミニウムろう、銀−銅系ろう(貴金属ろ
う)、ニッケルろうあるいは銅−ニッケル−マンガン系
ろうなどがあるが、特に銅−ニッケル−マンガン系ろう
が好ましい。銅−ニッケル−マンガン系ろう材の組成に
ついては先にも説明したが、重量%でMn:12〜20%,
Ni:25〜45%,Fe:0〜25%,B:0〜1.5%,S
i:0〜2.0%,C:0.01〜1.0%,O2:0.1〜3.0%,
残部がCuである。好ましい組成は、重量%でMn:1
6.2%,Ni:40.1%,Fe:0.21%,B:1.47%,S
i:2.0%,C:0.03%,O2:0.44%,残部がCuであ
る。この粉末組成については、合金組成または粉末配合
組成であり、この2つの組成を合わせても良い。また、
特性は、見かけ密度が1.5〜2.5g/cm3、タップ密度が2.0
〜3.0g/cm3、流動度が40〜80秒/50g、6ton/cm2での圧
縮性について、成形体密度が5.0〜6.0g/cm3、ラトラー
値が0.5〜60.0%である。好ましいろう材特性は、見か
け密度が2.02g/cm3、タップ密度が2.37g/cm3、流動度が
74秒/50g、6ton/cm2での圧縮性について、成形体密度
が5.10g/cm3、ラトラー値が52.0%である。
【0057】また、耐摩環本体33と空洞形成材34との接
合部の隙間c(図7に強調して図示)は、母材(耐摩環
本体33および空洞形成材34の材料)および使用するろう
材によって変わるが、前記実施例のように耐摩環本体33
が鉄系焼結材料からなる場合、接合性および接合強度の
観点から、耐摩環本体33が焼結に伴って収縮することを
も配慮して、接合部の隙間cは0.01〜0.8mmが好まし
い。隙間cが0.8mmを越えるとボイドが生じやすくな
り、隙間cが0.01mm未満になるとろう材の浸透性が悪く
なる。さらに好ましい隙間cの範囲は0.05〜0.15mmであ
る。
【0058】また、ろう付の接合温度ともなる焼結温度
は、母材および使用するろう材によって変わるが、前記
実施例のように耐摩環本体33が鉄系焼結材料からなる場
合、1130〜1150℃が好ましい。これにより、焼結性を維
持しながら、ろう付による良好な接合ができる。
【0059】また、ろう付の接合雰囲気ともなる焼結雰
囲気は、母材および使用するろう材によって変わり、真
空、水素、アンモニア分解雰囲気などが可能であるが、
前記実施例のように耐摩環本体33が鉄系焼結材料からな
る場合、この焼結材料にとっての最適雰囲気である窒素
ベース雰囲気(N2:80〜99%、H2:1〜20%)が好ま
しい。これにより、焼結性を維持しながら、ろう付によ
る良好な接合もできる。
【0060】また、焼結に用いる焼結炉は、連続式ある
いはボックス型のものなどを用いることができるが、特
に前記実施例のように耐摩環本体33が鉄系焼結材料から
なる場合、連続炉が特に好ましく、これにより生産性を
向上できる。
【0061】また、ろう付される接合面にはある程度の
凹凸があった方がよいが、耐摩環本体33および空洞形成
材34の接合部の表面粗さは、前記実施例のように耐摩環
本体33が鉄系焼結材料からなる場合、0.5〜100μmが好
ましく、1.0〜20μmが特に好ましい。これにより接合性
および接合強度を向上できる。なお、ショットブラスト
処理などにより、任意に接合部の表面に凹凸を形成する
ことも有効である。
【0062】また、図7から図11に示すように、ろう
材の配置位置は、ろう材の形状により様々な組み合わせ
が可能である。そして、ろう材の組成や形状などによ
り、ピストン耐摩環の形状を変化させることができる。
図7に示す第4例および図8に示す第5例は、耐摩環本
体33の上面(軸方向一端面)内周部に内周側へ向かって
下降するテーパー面51を形成するとともに、空洞形成材
34の外周面を耐摩環本体33のテーパー面51よりも上方へ
突出させ、ろう付に際して、これら耐摩環本体33のテー
パー面51と空洞形成材34の外周面との間に形成される溝
部にペレット状、リング状、ペースト状あるいは線状な
どのろう材52を配するものである。さらに、図8に示す
第5例は、耐摩環本体33の上面外周部にも外周側へ向か
って下降するテーパー面53を形成したものである。ま
た、図9に示す第6例は、ろう付に際して、耐摩環本体
33の円柱面状の内周面と空洞形成材34の円柱面状の外周
面との間にペースト状、箔状あるいは粉末状などのろう
材52を配するものである。また、図10に示す第7例
は、耐摩環本体33の上面内周部に段差部54を形成し、ろ
う付に際して、耐摩環本体33の段差部54と空洞形成材34
の外周面との間に形成される溝部にペレット状、リング
状、ワッシャー状あるいはペースト状などのろう材52を
配するものである。さらに、図11に示す第8例は、耐
摩環本体33の上面内周部に段差部54を形成し、ろう付に
際して、耐摩環本体33の段差部54と空洞形成材34の外周
面との間に形成される溝部にペレット状、リング状、ペ
ースト状あるいは箔状などのろう材52を断面ほぼL字形
状に配するものである。以上の第4例から第8例のう
ち、第4例および第5例が好ましく、特に第5例が好ま
しい。これらの第4例および第5例では、ろう付に際し
て、溶融したろう材52がテーパー面51により案内されて
耐摩環本体33と空洞形成材34との間に確実に浸透するの
で、ろう付をより確実にできる。
【0063】なお、前記第4例から第8例では、空洞形
成材34の軸方向(上下方向)中央部に耐摩環本体33を位
置させているが、図12に示す第9例のように、耐摩環
本体33の下面と空洞形成材34の下面とを同一平面上に位
置させるなどしてもよい。
【0064】さらに、耐摩環本体の形状、空洞形成材の
形状あるいはピストン耐摩環全体の形状は前記の例のも
のには限らず、種々の形状が可能である。また、ピスト
ン耐摩環本体や空洞形成材の材料や製法の細部なども、
前述のものには限らず、種々の変形があり得る。例え
ば、ろう材の配置も前記の例のものには限らず、ろう材
とピストン耐摩環の形状は様々な組み合わせが可能であ
り、接合に最適な形状を選択することが肝要である。
【0065】つぎに、前記空洞形成材34に形成する空気
抜きのための通孔37およびこの通孔37を閉塞する通孔閉
塞手段の変形例について説明する。図13に示す第10
例では、空洞形成材34の端面であって焼結時に下面とな
る壁部に通孔37を形成している。そして、焼結に際して
は、図13(a)に示すように通孔37がまだ開放された
状態で、空洞形成材34内の膨張した空気が通孔37から空
洞形成材34外へ排出され、さらに、耐摩環本体33および
空洞形成材34が載置されている置台61と空洞形成材34の
下面との間の隙間62を通って排出される。また、図13
(b)に示すように焼結に際して、ろう材52が溶融して
耐摩環本体33の内周面と空洞形成材34の外周面との間の
隙間cに浸透するが、ろう材52は、さらに置台61と空洞
形成材34の下面との間の隙間62、特に空洞形成材34の下
面を伝わって通孔37内へ浸透する。これにより、ろう材
52が通孔閉塞手段として通孔37を閉塞する。本第10例
の場合、焼結時のろう付に伴って通孔37が閉塞されるの
で、通孔37を閉塞するための特別な工程が不要である。
【0066】図14に示す第11例の空洞形成材34は、
板材をプレス加工などにより折曲して形成されたもの
で、両端を突き合わせて溶接することにより円環状に形
成されるとともにほぼ管状になっているが、内周面に切
溝状の通孔37を有している。この切溝状の通孔37が空洞
形成材34の内部と外部とを連通するものである。また、
切溝状の通孔37の上下両側には鍔部63がそれぞれ形成さ
れている。そして、焼結に際しては、図14(a)に示
す状態で、空洞形成材34内の空気が切溝状の通孔37から
空洞形成材34外へ排出される。さらに、焼結後であっ
て、ピストン本体11への鋳ぐるみが行われる鋳造工程前
に、図14(b)に示すように、両鍔部63相互を押し潰
して密着させて通孔37を閉塞する。これにより、通孔37
を閉塞することによって形成される空洞形成材34内の冷
却空洞32の密閉性を高めることができる。
【0067】つぎに、耐摩環本体33の内周面と空洞形成
材34の外周面との間の隙間cを一定に保つための構成の
例を説明する。なお、これらの例は、基本的に耐摩環本
体33と空洞形成材34とを焼結嵌めよりもろう付により接
合することが前提となるものである。前述のように、接
合部である耐摩環本体33の内周面と空洞形成材34の外周
面との間には適度の隙間c、例えば0.05〜0.25mmの隙間
cが設定される。そのため、焼結前に耐摩環本体33と空
洞形成材34とを組み立てた状態で、図15(b)に示す
ように、耐摩環本体33の内周面と空洞形成材34の外周面
との間の隙間cが周方向において一定にならず、小さい
隙間c1の部分と大きい隙間c2の部分とが生じるおそれが
ある。そして、このように隙間cが一定になっていない
と、耐摩環本体33と空洞形成材34とのろう付が確実に行
われないおそれがある。なお、図面において、隙間c,
c1,c2は誇張して表してある。
【0068】そこで、図15(a)および図16に示す
第12例では、焼結に先立って、間隔保持部としての薄
板状部材であるシクネスゲージ71を耐摩環本体33と空洞
形成材34との間の3箇所に配するようにしている。より
詳しく説明すると、圧粉体の段階の耐摩環本体33の内周
側に空洞形成材34を配した後、耐摩環本体33の内周面と
空洞形成材34の外周面との間の隙間cにシクネスゲージ
71を挿入する。なお、シクネスゲージ71は4箇所以上に
配置してもよいが、耐摩環本体33および空洞形成材34の
中心を囲む位置に配置する必要はあり、周方向において
ほぼ等間隔で配することが望ましい。また、シクネスゲ
ージ71の厚さは、耐摩環本体33の内周面と空洞形成材34
の外周面との規定の隙間cとほぼ等しいものである。そ
して、シクネスゲージ71は、空洞形成材34と同材料であ
るSUS304からなっている。つまり、シクネスゲー
ジ71は、ろう材52とは異なる材料からなっている。な
お、前記シクネスゲージ71などの間隔保持部材の材料は
SUS304に限るものではないが、焼結時に溶融しな
い材料であるとともに、ろう材52との濡れ性が耐摩環本
体33や空洞形成材34の材料と同様のものである必要はあ
り、さらには、耐摩環本体33または空洞形成材34の材料
と同一材料であることが好ましい。そして、シクネスゲ
ージ71により、焼結時に耐摩環本体33と空洞形成材34と
の間の間隔を一定に保つことができる。この一定に保た
れた隙間cにろう材52が浸透するので、ろう付による接
合を確実なものとできる。また、本第12例のように耐
摩環本体33および空洞形成材34とは別体の薄板状部材で
あるシクネスゲージ71を間隔保持部として用いれば、シ
クネスゲージ71の厚さを調節することにより、耐摩環本
体33と空洞形成材34との間の間隔の相違に容易に対応で
きる。なお、SUS304からなるシクネスゲージ71
は、焼結に伴うろう付時に同じSUS304からなる空
洞形成材34と一体化されるので、後で回収する必要はな
い。
【0069】図17に示す第13例は、前記第13例の
シクネスゲージ71と同様の材料からなる間隔保持部材と
してのシクネスゲージ71を、空気抜き用の通孔37を閉塞
する通孔閉塞手段と兼用したものである。本第13例の
シクネスゲージ71は断面ほぼL字形状になっており、耐
摩環本体33の内周面と空洞形成材34の外周面との間に差
し込まれる隙間挿入部71aと、空洞形成材34の下面に開
口した通孔37に対向する通孔閉塞部71bとを有してい
る。そして、前記第12例と同様に、焼結時に耐摩環本
体33と空洞形成材34との間の間隔を一定に保つために、
焼結に先立って耐摩環本体33と空洞形成材34との間の3
箇所にシクネスゲージ71が配されるが、その際、一部の
シクネスゲージ71の通孔閉塞部71bを通孔37に対向させ
る。すなわち、通孔37の数はシクネスゲージ71の数以下
である。そして、焼結に際しては、図17(a)に示す
ように通孔37がまだ開放された状態で、空洞形成材34内
の膨張した空気が通孔37から空洞形成材34外へ排出さ
れ、さらに、シクネスゲージ71の通孔閉塞部71bと空洞
形成材34の下面との間の隙間72を通って排出される。ま
た、図17(b)に示すように焼結に際して、ろう材52
が溶融して耐摩環本体33の内周面と空洞形成材34の外周
面との間の隙間に浸透するが、ろう材52は、さらにシク
ネスゲージ71の通孔閉塞部71bと空洞形成材34の下面と
の間の隙間72、特に空洞形成材34の下面を伝わって通孔
37内へ浸透する。これにより、ろう材52がシクネスゲー
ジ71の通孔閉塞部71bとともに通孔閉塞手段として通孔3
7を閉塞する。本第13例の場合、焼結時のろう付に伴
って通孔37が閉塞されるので、通孔37を閉塞するための
特別な工程が不要である。
【0070】図18に示す第14例および図19に示す
第15例は、空洞形成材34ないし耐摩環本体33に対して
予め形状付与することにより、焼結時に耐摩環本体33と
空洞形成材34との間の間隔を一定に保つ間隔保持部を配
したものである。すなわち、図18に示す第14例は、
空洞形成材34の外周面に間隔保持部としての凸部73を一
体に形成したものであり、図19に示す第15例は、耐
摩環本体33の内周面に間隔保持部としての凸部74を一体
に形成したものである。これら凸部73,74は、もちろん
空洞形成材34ないし耐摩環本体33の中心を囲む3箇所以
上に形成されている。なお、空洞形成材34の外周面と耐
摩環本体33の内周面との両方にそれぞれ凸部73,74を形
成してもよい。そして、耐摩環本体33の内周側に空洞形
成材34を組み込んだとき凸部73,74により耐摩環本体33
と空洞形成材34との間の間隔が一定に保たれるが、凸部
73,74は一部のみにあるものなので、耐摩環本体33と空
洞形成材34とのろう付による接合性を損なうことはな
い。第14例ないし第15例のように空洞形成材34ない
し耐摩環本体33に間隔保持部としての凸部73,74を一体
に形成すれば、耐摩環本体33および空洞形成材34とは別
体の部材を用意する必要がなく、また、この別体の部材
を耐摩環本体33と空洞形成材34との間に挿入する作業も
不要である。
【0071】さらに、耐摩環本体33および空洞形成材34
とは別体の間隔保持部材を用いる場合でも、耐摩環本体
33の内周側に空洞形成材34を組み付ける前に間隔保持部
材を空洞形成材34または耐摩環本体33に接着などの手段
により予め一体化しておいてもよい。
【0072】つぎに、ピストン製作時におけるピストン
耐摩環31に対するアルミニウム合金の鋳ぐるみ性を向上
させるための構成について図20を参照しながら説明す
る。図20に示す第16例はピストン耐摩環31の製造工
程の例である。既に説明したように、耐摩環本体33は、
まず粉末成形により圧粉体が成形され、空洞形成材34
はプレス加工や溶接により製作される。つぎに、耐摩
環本体33と空洞形成材34とを組み合わせて焼結が行わ
れ、その際に耐摩環本体33と空洞形成材34とがろう付あ
るいは焼結嵌めにより接合されるが、その後、耐摩環本
体33と空洞形成材34とが接合されてなるピストン耐摩環
31の表面に対して表面皮膜除去処理を施す。その後、
アルミニウム合金からなるピストン本体11の鋳造に際
してこのピストン本体11にピストン耐摩環31が鋳ぐるま
れて埋設される。前記表面皮膜除去処理としては、ブ
ラストまたは酸洗いを用いることができる。
【0073】ピストン本体11への鋳ぐるみ性を阻害させ
る要因としては、耐摩環本体33ないし空洞形成材34の表
面の油分、水分や、焼結時などに発生する表面皮膜(酸
化皮膜、窒化皮膜等)があるが、鋳ぐるみに先立って耐
摩環本体33および空洞形成材34の表面にブラストまたは
酸洗いを施して前記表面皮膜を除去することにより、鋳
ぐるみ性を向上できる。ブラストおよび酸洗いのうち、
特にブラストが好ましい。さらに、好ましいのはショッ
トブラストである。
【0074】つぎに、前記ブラスト、酸洗いについてよ
り詳しく説明する。例えばブラストは、ショットブラス
ト、サンドブラストなどがあるが、特にショットブラス
トが好ましい。ブラスト条件としては、サンドブラスト
は材料としてけい砂、カーボンランダム、コランダム等
があり、また処理条件として空気圧力による場合は1〜1
0kg/cm2の圧力でサンドを噴射することが好ましい。シ
ョットブラストについては、種類としてスチールショッ
ト、スチールグリッド、カットワイヤショットなどがあ
る。材料としては鉄系、非鉄系などがあり、処理条件
は、スチールショットの場合、スチールショットの粒径
0.1〜1mm、投射速度40〜100m/min、投射密度50〜100kg/
m2が好ましい。
【0075】酸洗いの条件としては、用いられる酸には
硝酸、ふっ酸、硫酸、塩酸およびりん酸などがあり、単
味または混酸で使用される。条件としては、90g/リット
ルの硫酸で温度70〜90℃、時間10〜60分浸漬するのが好
ましい。また、二段処理法として、第一処理を1〜10%
硫酸または5〜20%塩酸で温度50〜70℃、時間10〜60分
処理する。また、このとき酸洗い抑制剤を添加した方が
よい。次いで第二処理として、1〜20%硫酸と5〜30%ふ
っ酸の混酸で温度50〜90℃、時間10〜30分浸漬するのが
特に好ましい。
【0076】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ピストン本体
に鋳ぐるみにより埋設される冷却空洞付きピストン耐摩
環において、金属系焼結材料からなる環状の耐摩環本体
の内周側に環状の管材からなる空洞形成材を組み込み、
この空洞形成材の内部の密閉した空間部により冷却空洞
を形成したので、冷却空洞をピストンリングに近付けて
冷却効果を高めることができる。また、空洞形成材が管
材からなるので、ピストン本体の鋳造に際して空洞形成
材内の冷却空洞にピストン本体の材料が浸入することが
なく、信頼性がより向上する。また、耐摩環本体と空洞
形成材とをろう付により接合したので、例えば焼結時に
同時にろう付を行うことも可能であり、耐摩環本体と空
洞形成材とを容易にかつ確実に結合できる。また、耐摩
環本体が金属系焼結材料からなるので、形状を自由に付
与したり、例えば高温耐摩耗性に優れるとともにピスト
ン本体の材料と熱膨張率が近い材料を選定したり、溶浸
などによってピストン本体との鋳ぐるみ性を向上させた
りすることも可能になる。さらに、耐摩環本体と空洞形
成材との間の3箇所以上に、ろう付に用いるろう材とは
異なる材料からなる間隔保持部を設けたので、焼結およ
びろう付に際して耐摩環本体と空洞形成材との間の間隔
を一定に保つことができ、ろう付による接合をよりいっ
そう確実なものとできる。
【0077】請求項2の発明によれば、ピストン本体に
鋳ぐるみにより埋設されピストンリングが組み込まれる
冷却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、金属
を主成分とする原料粉末を圧縮してピストンリングが組
み込まれる耐摩環本体となる圧粉体を成形した後、この
圧粉体の内周側に管材からなる環状の空洞形成材を組み
込んでこの空洞形成材とともに前記圧粉体を焼結し、こ
の焼結時に前記圧粉体が焼結されてなる焼結体と前記空
洞形成材とをろう付により接合して、前記空洞形成材の
内部の密閉した空間部により冷却空洞を形成するので、
冷却空洞をピストンリングに近付けて冷却効果を高める
ことができるとともに、冷却空洞を形成する耐摩環本体
と空洞形成材とを容易にかつ確実に結合できる。また、
空洞形成材が管材からなるので、ピストン本体の鋳造に
際して空洞形成材内の冷却空洞にピストン本体の材料が
浸入することがなく、信頼性がより向上する。また、耐
摩環本体が金属系焼結材料からなるので、例えば高温耐
摩耗性に優れるとともにピストン本体の材料と熱膨張率
が近い材料を選定したり、溶浸などによってピストン本
体との鋳ぐるみ性を向上させたりすることも可能にな
る。さらに、焼結に先立って耐摩環本体と空洞形成材と
の間の3箇所以上に、焼結時に溶融しない材料からなる
間隔保持部を配するので、焼結およびろう付に際して耐
摩環本体と空洞形成材との間の間隔を一定に保つことが
でき、この一定に保たれた隙間にろう材が浸透すること
から、ろう付による接合をよりいっそう確実なものとで
きる。
【0078】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
の効果に加えて、前記間隔保持部は、前記耐摩環本体お
よび空洞形成材とは別体の薄板状部材からなるので、薄
板状部材の厚さを調節することにより、耐摩環本体と空
洞形成材との間の間隔の相違に容易に対応できる。
【0079】請求項4の発明によれば、請求項2の発明
の効果に加えて、前記間隔保持部は、前記耐摩環本体の
内周面および空洞形成材の外周面の一方または両方に一
体に形成された凸部からなるので、耐摩環本体および空
洞形成材とは別体の部材を用意する必要がなく、また、
この別体の部材を耐摩環本体と空洞形成材との間に挿入
する作業も不要である。
【0080】請求項5の発明によれば、ピストン本体に
鋳ぐるみにより埋設されピストンリングが組み込まれる
冷却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、金属
を主成分とする原料粉末を圧縮してピストンリングが組
み込まれる耐摩環本体となる圧粉体を成形した後、この
圧粉体の内周側に管材からなる環状の空洞形成材を組み
込んでこの空洞形成材とともに前記圧粉体を焼結し、こ
の焼結時に前記圧粉体が焼結されてなる焼結体と前記空
洞形成材とをろう付または焼結嵌めにより接合して、前
記空洞形成材の内部の密閉した空間部により冷却空洞を
形成するので、冷却空洞をピストンリングに近付けて冷
却効果を高めることができるとともに、冷却空洞を形成
する耐摩環本体と空洞形成材とを容易にかつ確実に結合
できる。また、空洞形成材が管材からなるので、ピスト
ン本体の鋳造に際して空洞形成材内の冷却空洞にピスト
ン本体の材料が浸入することがなく、信頼性がより向上
する。また、耐摩環本体が金属系焼結材料からなるの
で、例えば高温耐摩耗性に優れるとともにピストン本体
の材料と熱膨張率が近い材料を選定したり、溶浸などに
よってピストン本体との鋳ぐるみ性を向上させたりする
ことも可能になる。さらに、前記焼結に先立って前記空
洞形成材にその内部と外部とを連通する通孔を形成して
おき、前記焼結時または焼結後であって前記鋳ぐるみ前
に前記通孔を閉塞して前記空洞形成材の内部の空間部を
密閉するので、焼結時に空洞形成材内の加熱された空気
が外部に排出されることにより、空洞形成材が破裂する
ことを防止できる一方、鋳ぐるみ時には、ピストン本体
をなす溶湯が通孔から空洞形成材内に浸入することを防
止できる。
【0081】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
の効果に加えて、ボルトを用いた締結により前記通孔を
閉塞するので、再現性を向上できるとともにランニング
コストを低減できる。
【0082】請求項7の発明によれば、請求項5の発明
の効果に加えて、前記焼結時に前記耐摩環本体と空洞形
成材とをろう付により接合し、このろう付に用いるろう
材により前記通孔を閉塞するので、通孔を閉塞するため
の特別な工程が不要である。
【0083】請求項8の発明によれば、請求項5の発明
の効果に加えて、前記焼結に先立って前記耐摩環本体と
空洞形成材との間の3箇所以上に、これら耐摩環本体お
よび空洞形成材とは別体で焼結時に溶融しない材料から
なる間隔保持部材を配するとともに、この間隔保持部材
を前記空洞形成材の通孔に対向させ、前記焼結時に前記
耐摩環本体と空洞形成材とをろう付により接合し、この
ろう付に用いるろう材を前記間隔保持部材と空洞形成材
の通孔との間に浸透させることによりこの通孔を閉塞す
るので、通孔を閉塞するための特別な工程が不要であ
る。しかも、焼結およびろう付に際して間隔保持部材に
より耐摩環本体と空洞形成材との間の間隔を一定に保つ
ことができ、この一定に保たれた隙間にろう材が浸透す
ることから、ろう付による接合をよりいっそう確実なも
のとできる。
【0084】請求項9の発明によれば、ピストン本体に
鋳ぐるみにより埋設されピストンリングが組み込まれる
冷却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、金属
を主成分とする原料粉末を圧縮してピストンリングが組
み込まれる耐摩環本体となる圧粉体を成形した後、この
圧粉体の内周側に管材からなる環状の空洞形成材を組み
込んでこの空洞形成材とともに前記圧粉体を焼結し、こ
の焼結時に前記圧粉体が焼結されてなる焼結体と前記空
洞形成材とをろう付または焼結嵌めにより接合して、前
記空洞形成材の内部の密閉した空間部により冷却空洞を
形成するので、冷却空洞をピストンリングに近付けて冷
却効果を高めることができるとともに、冷却空洞を形成
する耐摩環本体と空洞形成材とを容易にかつ確実に結合
できる。また、空洞形成材が管材からなるので、ピスト
ン本体の鋳造に際して空洞形成材内の冷却空洞にピスト
ン本体の材料が浸入することがなく、信頼性がより向上
する。また、耐摩環本体が金属系焼結材料からなるの
で、例えば高温耐摩耗性に優れるとともにピストン本体
の材料と熱膨張率が近い材料を選定したりすることも可
能になる。さらに、前記鋳ぐるみに先立って前記耐摩環
本体および空洞形成材の表面に表面皮膜除去処理を施す
ので、焼結時に発生する酸化皮膜、窒化皮膜等の表面皮
膜を除去でき、鋳ぐるみ性を向上できる。
【0085】請求項10の発明によれば、請求項9の発
明の効果に加えて、前記表面皮膜除去処理は、ブラスト
であるので、酸化皮膜、窒化皮膜等の表面皮膜を確実に
除去できる。
【0086】請求項11の発明によれば、請求項9の発
明の効果に加えて、前記表面皮膜除去処理は、酸洗いで
あるので、酸化皮膜、窒化皮膜等の表面皮膜を確実に除
去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第1例のピストン耐摩環を鋳ぐるんだピストン本体
の断面図である。
【図2】同上ピストン耐摩環のみの断面図である。
【図3】同上ピストン耐摩環のみの平面図である。
【図4】同上ピストン耐摩環の通孔付近の断面図であ
り、(a)は通孔の閉塞前、(b)は通孔の閉塞後を示
している。
【図5】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第2例のピストン耐摩環の分解斜視図である。
【図6】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第3例のピストン耐摩環の断面図である。
【図7】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第4例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図で
ある。
【図8】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第5例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図で
ある。
【図9】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第6例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図で
ある。
【図10】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第7例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図
である。
【図11】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第8例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図
である。
【図12】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第9例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図
である。
【図13】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第10例のピストン耐摩環の断面図であり、
(a)は通孔の閉塞前、(b)は通孔の閉塞後を示して
いる。
【図14】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第11例のピストン耐摩環の断面図であり、
(a)は通孔の閉塞前、(b)は通孔の閉塞後を示して
いる。
【図15】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、(a)は第12例のピストン耐摩環の平面図、
(b)は間隔保持部がない場合の問題を示す平面図であ
る。
【図16】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第12例のピストン耐摩環の接合前の断面図であ
る。
【図17】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第13例のピストン耐摩環の断面図であり、
(a)は通孔の閉塞前、(b)は通孔の閉塞後を示して
いる。
【図18】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第14例のピストン耐摩環の接合前の断面図であ
る。
【図19】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第15例のピストン耐摩環の接合前の断面図であ
る。
【図20】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第16例のピストン耐摩環の製造方法を示す工程
図である。
【図21】従来のピストンの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 ピストン本体 19,20 ピストンリング 31 ピストン耐摩環 32 冷却空洞 33 耐摩環本体 34 空洞形成材 36 ろう材 37 通孔 38 ビス(ボルト) 51 テーパー面 52 ろう材 65 ボルト 71 シクネスゲージ(間隔保持部、薄板状部材) 73 凸部(間隔保持部) 74 凸部(間隔保持部) c 接合部の隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16J 9/26 F16J 9/26 A (72)発明者 駒崎 聰寛 新潟県新潟市小金町3丁目1番1号 三菱 マテリアル株式会社新潟製作所内 (72)発明者 花田 久仁夫 東京都千代田区丸の内1−5−1 三菱マ テリアル株式会社加工製品カンパニー部 品・モーター事業部内 (72)発明者 山本 英継 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3J044 AA09 AA18 BA09 BC06 CA04 CA06 CA10 DA09 EA03 EA10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設され
    ピストンリングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐
    摩環において、金属系焼結材料からなりピストンリング
    が組み込まれる環状の耐摩環本体と、この耐摩環本体の
    内周側に組み込まれた管材からなる環状の空洞形成材と
    を備え、前記耐摩環本体と空洞形成材とをろう付により
    接合してなり、前記空洞形成材の内部の密閉した空間部
    により冷却空洞を形成し、前記耐摩環本体と空洞形成材
    との間の3箇所以上に、前記ろう付に用いるろう材とは
    異なる材料からなる間隔保持部を設けたことを特徴とす
    る冷却空洞付きピストン耐摩環。
  2. 【請求項2】 ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設され
    ピストンリングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐
    摩環の製造方法において、金属を主成分とする原料粉末
    を圧縮してピストンリングが組み込まれる耐摩環本体と
    なる圧粉体を成形した後、この圧粉体の内周側に管材か
    らなる環状の空洞形成材を組み込んでこの空洞形成材と
    ともに前記圧粉体を焼結し、この焼結時に前記圧粉体が
    焼結されてなる焼結体と前記空洞形成材とをろう付によ
    り接合して、前記空洞形成材の内部の密閉した空間部に
    より冷却空洞を形成し、前記焼結に先立って前記耐摩環
    本体と空洞形成材との間の3箇所以上に、焼結時に溶融
    しない材料からなる間隔保持部を配することを特徴とす
    る冷却空洞付きピストン耐摩環の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記間隔保持部は、前記耐摩環本体およ
    び空洞形成材とは別体の薄板状部材からなることを特徴
    とする請求項2記載の冷却空洞付きピストン耐摩環の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記間隔保持部は、前記耐摩環本体の内
    周面および空洞形成材の外周面の一方または両方に一体
    に形成された凸部からなることを特徴とする請求項2記
    載の冷却空洞付きピストン耐摩環の製造方法。
  5. 【請求項5】 ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設され
    ピストンリングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐
    摩環の製造方法において、金属を主成分とする原料粉末
    を圧縮してピストンリングが組み込まれる耐摩環本体と
    なる圧粉体を成形した後、この圧粉体の内周側に管材か
    らなる環状の空洞形成材を組み込んでこの空洞形成材と
    ともに前記圧粉体を焼結し、この焼結時に前記圧粉体が
    焼結されてなる焼結体と前記空洞形成材とをろう付また
    は焼結嵌めにより接合して、前記空洞形成材の内部の密
    閉した空間部により冷却空洞を形成し、前記焼結に先立
    って前記空洞形成材にその内部と外部とを連通する通孔
    を形成しておき、前記焼結時または焼結後であって前記
    鋳ぐるみ前に前記通孔を閉塞して前記空洞形成材の内部
    の空間部を密閉することを特徴とする冷却空洞付きピス
    トン耐摩環の製造方法。
  6. 【請求項6】 ボルトを用いた締結により前記通孔を閉
    塞することを特徴とする請求項5記載の冷却空洞付きピ
    ストン耐摩環の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記焼結時に前記耐摩環本体と空洞形成
    材とをろう付により接合し、このろう付に用いるろう材
    により前記通孔を閉塞することを特徴とする請求項5記
    載の冷却空洞付きピストン耐摩環の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記焼結に先立って前記耐摩環本体と空
    洞形成材との間の3箇所以上に、これら耐摩環本体およ
    び空洞形成材とは別体で焼結時に溶融しない材料からな
    る間隔保持部材を配するとともに、この間隔保持部材を
    前記空洞形成材の通孔に対向させ、前記焼結時に前記耐
    摩環本体と空洞形成材とをろう付により接合し、このろ
    う付に用いるろう材を前記間隔保持部材と空洞形成材の
    通孔との間に浸透させることによりこの通孔を閉塞する
    ことを特徴とする請求項5記載の冷却空洞付きピストン
    耐摩環の製造方法。
  9. 【請求項9】 ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設され
    ピストンリングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐
    摩環の製造方法において、金属を主成分とする原料粉末
    を圧縮してピストンリングが組み込まれる耐摩環本体と
    なる圧粉体を成形した後、この圧粉体の内周側に管材か
    らなる環状の空洞形成材を組み込んでこの空洞形成材と
    ともに前記圧粉体を焼結し、この焼結時に前記圧粉体が
    焼結されてなる焼結体と前記空洞形成材とをろう付また
    は焼結嵌めにより接合して、前記空洞形成材の内部の密
    閉した空間部により冷却空洞を形成し、前記鋳ぐるみに
    先立って前記耐摩環本体および空洞形成材の表面に表面
    皮膜除去処理を施すことを特徴とする冷却空洞付きピス
    トン耐摩環の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記表面皮膜除去処理は、ブラストで
    あることを特徴とする請求項9記載の冷却空洞付きピス
    トン耐摩環の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記表面皮膜除去処理は、酸洗いであ
    ることを特徴とする請求項9記載の冷却空洞付きピスト
    ン耐摩環の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009299621A (ja) * 2008-06-16 2009-12-24 Toyota Motor Corp 耐摩環付きピストンおよびその製造方法
EA016702B1 (ru) * 2008-10-24 2012-06-29 Государственное Научное Учреждение "Физико-Технический Институт Национальной Академии Наук Беларуси" Способ изготовления охлаждающего канала поршня двигателя внутреннего сгорания

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JP2009299621A (ja) * 2008-06-16 2009-12-24 Toyota Motor Corp 耐摩環付きピストンおよびその製造方法
EA016702B1 (ru) * 2008-10-24 2012-06-29 Государственное Научное Учреждение "Физико-Технический Институт Национальной Академии Наук Беларуси" Способ изготовления охлаждающего канала поршня двигателя внутреннего сгорания

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