JP2001032748A - 冷却空洞付きピストン耐摩環およびその製造方法 - Google Patents

冷却空洞付きピストン耐摩環およびその製造方法

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JP2001032748A
JP2001032748A JP2000130103A JP2000130103A JP2001032748A JP 2001032748 A JP2001032748 A JP 2001032748A JP 2000130103 A JP2000130103 A JP 2000130103A JP 2000130103 A JP2000130103 A JP 2000130103A JP 2001032748 A JP2001032748 A JP 2001032748A
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piston
cavity
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brazing
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Ryoji Nakayama
亮治 中山
Akitomo Komazaki
聰寛 駒崎
Kunio Hanada
久仁夫 花田
Hidetsugu Yamamoto
英継 山本
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンリングの冷却効果を高める。製造性
および信頼性を向上させる。 【解決手段】 環状の耐摩環本体33の内周側にステンレ
ス製の管材からなる空洞形成材34を組み込む。この空洞
形成材34内の空間部により冷却空洞32を形成する。耐摩
環本体33は金属系焼結材料からなるが、焼結時に同時に
耐摩環本体33と空洞形成材34とをろう付けする。耐摩環
本体33を焼結に伴い収縮する材料からなるものとして、
焼結に伴い耐摩環本体33と空洞形成材34とを焼結嵌めし
てもよい。耐摩環本体33および空洞形成材34からなるピ
ストン耐摩環31をピストン本体11に鋳ぐるむ。ピストン
耐摩環31に冷却空洞32を形成することにより、この冷却
空洞32をピストンリング19,20に近付けることが可能に
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用エンジ
ンなどに利用される冷却空洞付きピストン耐摩環に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】図12は内燃機関用エ
ンジンに用いられる従来のピストンの一例を示してい
る。同図において、1はピストン本体で、このピストン
本体1は、例えばアルミニウム合金を材料として鋳造に
より成形されたものである。2はピストン本体1に形成
されたピストンピン孔である。ピストン本体1の外周面
には複数のピストンリング溝3,4,5が形成されてい
る。これらのピストンリング溝3,4,5は、図示して
いないが、シリンダーの内周面を摺動するピストンリン
グがそれぞれ組み込まれる為のものである。特に頂面6
側のピストンリング溝3,4に組み込まれるピストンリ
ングは燃焼室側に位置し、ガスシールと散熱作用を果た
す為のものである。他のピストンリング溝5に組み込ま
れるピストンリングは潤滑管理用のオイルリングであ
る。
【0003】特に頂面6側のピストンリング溝3は高温
耐摩耗性が要求される。このピストンリング溝3に組み
込まれるピストンリングよりも燃焼室側でピストンの外
周面とシリンダーの内周面との間の隙間の燃焼ガスは未
燃焼のまま排気ガスとして排出されてしまうので、排気
ガスの浄化のためには、頂面6とピストンリング溝3と
の間の距離aを極力小さくすることが望ましいが、この
距離aを小さくすると、ピストンリング溝3の温度が高
くなり、摩耗が多くなってガス漏れが発生するおそれが
ある。そこで、図12に示すピストンでは、頂面6側の
2つのピストンリング溝3,4をピストン本体1とは別
のニレジスト鋳鉄からなるトレーガとも称するピストン
耐摩環7に形成している。ピストン耐摩環7は、ピスト
ン本体1の鋳造に際してこのピストン本体1に鋳ぐるま
れる。
【0004】さらに、燃焼熱などに対してのピストンリ
ング溝3,4,5の冷却のために、その内側に冷却用の
オイルを通す環状の冷却空洞8を形成している。従来
は、例えば実公昭58−52346号公報などにも記載
されているように、ピストン本体1の鋳造に際して塩中
子を用いることにより冷却空洞8を形成するようにして
いる。塩中子は、ピストン本体1の鋳造後に水により溶
解されて取り出される。
【0005】しかし、このように塩中子を利用して冷却
空洞8を形成する場合、この冷却空洞8とピストンリン
グ溝3,4との間の距離bを小さくすることには限界が
ある。ピストンリング溝3,4の冷却効果を高めるに
は、前記距離bをより小さくした方がよい。
【0006】これに対して、例えば特開平5−2403
47号公報などに記載されているように、冷却空洞をピ
ストンリング溝に近付けることを目的として、ピストン
本体とも耐摩環本体部分とも別体の環状の部品(成型
体)を耐摩環本体部分の内周側に接合することにより冷
却空洞を形成することも提案されている。耐摩環本体部
分と成型体とを接合してなるピストン耐摩環は、ピスト
ン本体の鋳造時にこのピストン本体に鋳ぐるまれる。そ
して、前記公報に記載のピストン耐摩環では、成型体を
ステンレス鋼などの金属板により形成し、耐摩環本体部
分の内周面に形成したインロー状の嵌挿部に、断面ほぼ
コ字形状に形成した成型体を嵌挿してアーク溶接などに
よって接合するようにしている。なお、耐摩環本体部分
はニレジスト鋳鉄などからなる。
【0007】しかし、前記特開平5−240347号公
報に記載のピストン耐摩環では、耐摩環本体部分と成型
体との接合が不確実である問題がある。特に接合手段と
してアーク溶接を用いた場合、接合部にブローホールな
どの溶接欠陥が生じやすい。また、耐摩環本体部分の内
周面のインロー状の嵌挿部に、断面ほぼコ字形状の成型
体を嵌挿するのは面倒である。さらに、ピストン本体が
アルミニウム合金からなる場合、前記公報に記載のよう
にニレジスト鋳鉄からなる耐摩環本体部分やステンレス
鋼製の板金からなる成型体ではピストン本体との鋳ぐる
み性が悪いため、鋳ぐるみに先立ってピストン耐摩環に
アルミニウム系の材料からなるメッキを施す必要がある
が、充分な接合強度が得られない上に、このような工程
を加えるとコストがかさむ。
【0008】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、ピストンリングの冷却効果を高めること
ができるとともに、製造性および信頼性を向上できる冷
却空洞付きピストン耐摩環およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、ピストン本体に鋳ぐるみにより
埋設されピストンリングが組み込まれる冷却空洞付きピ
ストン耐摩環において、金属系焼結材料からなりピスト
ンリングが組み込まれる環状の耐摩環本体と、この耐摩
環本体の内周側に組み込まれた管材からなる環状の空洞
形成材とを備え、前記耐摩環本体が焼結に伴って収縮す
る焼結材料からなるとともに、前記耐摩環本体と空洞形
成材とを焼結嵌めにより接合してなり、前記空洞形成材
の内部の密閉した空間部により冷却空洞を形成したもの
である。
【0010】このようにピストンリングが組み込まれる
耐摩環本体と空洞形成材とを結合して冷却空洞を形成す
ることにより、この冷却空洞をピストンリングに近付け
て冷却効果を高めることが可能になる。また、空洞形成
材を管材により構成し、この空洞形成材内の密閉した空
間部により冷却空洞を形成したので、ピストン本体の鋳
造に際して空洞形成材内の冷却空洞にピストン本体の材
料が浸入するようなことがない。また、耐摩環本体を焼
結に伴って収縮させることにより、この耐摩環本体とそ
の内周側に組み込まれた空洞形成材とを接合するように
したので、耐摩環本体に空洞形成材を容易に組付けるこ
とができ、しかも耐摩環本体と空洞形成材との結合状態
は確実なものにできる。さらに、金属系焼結材料からな
る耐摩環本体は形状付与が比較的自由であるとともに、
材料の選定の幅が広く、高温耐摩耗性に優れるとともに
ピストン本体の材料と熱膨張率が近い材料を選定できる
点などに利点があり、溶浸などによってピストン本体と
の鋳ぐるみ性を向上させることも容易である。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明の冷却
空洞付きピストン耐摩環において、前記耐摩環本体と空
洞形成材とをろう付により接合してなるものである。
【0012】これにより、耐摩環本体と空洞形成材とが
よりいっそう確実に接合される。
【0013】請求項3の発明は、前記目的を達成するた
めに、ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設されピストン
リングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐摩環にお
いて、金属系焼結材料からなりピストンリングが組み込
まれる環状の耐摩環本体と、この耐摩環本体の内周側に
組み込まれた管材からなる環状の空洞形成材とを備え、
前記耐摩環本体と空洞形成材とをろう付により接合して
なり、前記空洞形成材の内部の密閉した空間部により冷
却空洞を形成したものである。
【0014】このようにピストンリングが組み込まれる
耐摩環本体と空洞形成材とを結合して冷却空洞を形成す
ることにより、この冷却空洞をピストンリングに近付け
て冷却効果を高めることが可能になる。また、空洞形成
材を管材により構成し、この空洞形成材内の密閉した空
間部により冷却空洞を形成したので、ピストン本体の鋳
造に際して空洞形成材内の冷却空洞にピストン本体の材
料が浸入するようなことがない。また、耐摩環本体と空
洞形成材とをろう付により接合するようにしたので、例
えば焼結時に同時にろう付を行うことも可能であり、耐
摩環本体に空洞形成材を容易に組付けることができ、し
かも耐摩環本体と空洞形成材との結合状態は確実なもの
にできる。さらに、金属系焼結材料からなる耐摩環本体
は形状付与が比較的自由であるとともに、材料の選定の
幅が広く、高温耐摩耗性に優れるとともにピストン本体
の材料と熱膨張率が近い材料を選定できる点などに利点
があり、溶浸などによってピストン本体との鋳ぐるみ性
を向上させることも容易である。
【0015】請求項4の発明は、請求項3の発明の冷却
空洞付きピストン耐摩環において、ろう付用のろう材を
銅−ニッケル−マンガン系ろう材としたものである。
【0016】これにより、例えば、溶融したろう材の金
属系焼結材料への浸透を抑制し、良好なろう付ができ
る。
【0017】請求項5の発明は、請求項3の発明の冷却
空洞付きピストン耐摩環において、前記耐摩環本体と空
洞形成材との接合部の表面粗さを0.5〜100μmとしたも
ので、好ましくは1〜20μmである。
【0018】この表面粗さは、特に耐摩環本体が鉄系焼
結材料からなる場合、接合性および接合強度の点から好
ましいものである。
【0019】請求項6の発明は、請求項3の発明の冷却
空洞付きピストン耐摩環において、前記耐摩環本体の上
面内周部に内周側へ向かって下降するテーパー面を形成
するとともに、前記空洞形成材の外周面を前記耐摩環本
体のテーパー面よりも上方へ突出させてなるものであ
る。
【0020】これにより耐摩環本体のテーパー面と空洞
形成材の外周面との間に形成される溝部は、ろう付に際
してろう材を配するのに利用できる。また、ろう付時耐
摩環本体のテーパー面により案内されて、溶融したろう
材が耐摩環本体と空洞形成材との間に確実に浸透する。
そして、ろう材の接合面以外への漏洩も防止することが
できる。
【0021】請求項7の発明は、前記目的を達成するた
めに、ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設されピストン
リングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐摩環の製
造方法において、金属を主成分とする原料粉末を圧縮し
てピストンリングが組み込まれる耐摩環本体となる圧粉
体を成形した後、この圧粉体の内周側に管材からなる環
状の空洞形成材を組み込んでこの空洞形成材とともに前
記圧粉体を焼結し、この焼結時の圧粉体の収縮によりこ
の圧粉体が焼結されてなる焼結体と前記空洞形成材とを
接合して、前記空洞形成材の内部の密閉した空間部によ
り冷却空洞を形成するものである。
【0022】請求項8の発明は、請求項7の発明の冷却
空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、前記焼結
時に前記耐摩環本体と空洞形成材とをろう付するもので
ある。
【0023】このように焼結時にろう付を行えば、製造
工数の増大を抑制できる。
【0024】請求項9の発明は、前記目的を達成するた
めに、ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設されピストン
リングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐摩環の製
造方法において、金属を主成分とする原料粉末を圧縮し
てピストンリングが組み込まれる耐摩環本体となる圧粉
体を成形した後、この圧粉体の内周側に管材からなる環
状の空洞形成材を組み込んでこの空洞形成材とともに前
記圧粉体を焼結し、この焼結時に前記圧粉体が焼結され
てなる焼結体と前記空洞形成材とをろう付により接合し
て、前記空洞形成材の内部の密閉した空間部により冷却
空洞を形成するものである。
【0025】このように焼結時にろう付を行えば、製造
工数の増大を抑制できる。
【0026】請求項10の発明は、請求項9の発明の冷
却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、ろう付
用のろう材として圧粉体からなるろう材を用いるもので
ある。
【0027】これにより、良好なろう付ができる。
【0028】請求項11の発明は、請求項9の発明の冷
却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、ろう付
用のろう材として銅−ニッケル−マンガン系ろう材を用
いるものである。
【0029】これにより、例えば、溶融したろう材の金
属系焼結材料への浸透を抑制し、良好なろう付ができ
る。
【0030】請求項12の発明は、請求項9の発明の冷
却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、ろう付
される前記耐摩環本体と空洞形成材との接合部の隙間を
0.01〜0.8mmとしたもので、好ましくは0.05〜0.15mmで
ある。
【0031】この隙間は、特に耐摩環本体が鉄系焼結材
料からなる場合、接合性および接合強度の点から好まし
いものである。
【0032】請求項13の発明は、請求項9の発明の冷
却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、焼結温
度を1130〜1150℃としたものである。
【0033】この焼結温度は、特に耐摩環本体が鉄系焼
結材料からなる場合、ろう付のための接合温度としても
好ましいものである。
【0034】請求項14の発明は、請求項9の発明の冷
却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、焼結雰
囲気を窒素ベース雰囲気としたものである。
【0035】この焼結雰囲気は、特に耐摩環本体が鉄系
焼結材料からなる場合、ろう付のための接合雰囲気とし
ても好ましいものである。
【0036】請求項15の発明は、請求項9の発明の冷
却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、焼結に
用いる焼結炉を連続炉としたものである。
【0037】請求項16の発明は、請求項9の発明の冷
却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、前記耐
摩環本体と空洞形成材との接合部の表面粗さを0.5〜100
μmとしたもので、好ましくは1.0〜20μmである。
【0038】この表面粗さは、特に耐摩環本体が鉄系焼
結材料からなる場合、接合性および接合強度の点から好
ましいものである。
【0039】請求項17の発明は、請求項9の発明の冷
却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、前記耐
摩環本体の上面内周部に内周側へ向かって下降するテー
パー面を形成し、ろう付に際してこのテーパー面と前記
空洞形成材の外周面との間にろう材を配するものであ
る。
【0040】ろう付時、耐摩環本体のテーパー面により
案内されて、溶融したろう材が耐摩環本体と空洞形成材
との間に確実に浸透する。また、ろう材の接合面以外へ
の漏洩も防止することができる。
【0041】
【発明の実施形態】以下、本発明の冷却空洞付きピスト
ン耐摩環およびその製造方法の実施形態について、図面
を参照しながら説明する。最初に、ピストン本体および
ピストン耐摩環の構成について詳述する。本実施形態の
ピストン耐摩環が用いられるピストンは自動車のエンジ
ン用のものであり、図1に示すピストン本体11により大
部分が構成されている。このピストン本体11は、アルミ
ニウム合金であるAl−Si系合金を材料として鋳造さ
れたもので、内部に空洞部12を有しているとともに、こ
の空洞部12に臨むピストンピン孔13を有している。ま
た、ピストン本体11の頂面14つまり燃焼室に面する先端
面には凹部15が形成されている。
【0042】そして、ピストンの外周面には複数の環状
のピストンリング溝16,17,18が形成されている。これ
らのピストンリング溝16,17,18は、図示していないシ
リンダーの内周面を摺動するピストンリング19,20,21
がそれぞれ組み込まれるものである。頂面14から最も離
れたピストンリング溝18はピストン本体11に直接形成さ
れているが、他のピストンリング溝16,17は、ピストン
本体11とは別体の冷却空洞付きピストン耐摩環31に形成
されている。このピストン耐摩環31は、ピストン本体11
に一体的に鋳ぐるみにより埋設されたものである。ま
た、ピストン耐摩環31内には、冷却用のオイルを通すた
めの冷却空洞32が一体に形成されており、この冷却空洞
32にオイルを供給するための通路孔(図示していない)
がピストン本体11に形成されている。
【0043】ここで、前記ピストン耐摩環31の第1例に
ついて、図1から図3を参照しながら説明する。ピスト
ン耐摩環31は、金属系焼結材料からなる円環状の耐摩環
本体33の内周側に金属製の管材からなる円環状の空洞形
成材34を組み込んでなり、この空洞形成材34の内部の密
閉した空間部により前記冷却空洞32を形成したものであ
る。そして、ピストンリング溝16,17を有する耐摩環本
体33は黒鉛析出鉄系焼結材料からなっている。材料成分
の一例を示すと、次の通りである。Cr:0.5〜5%,
Mn:0.2〜1%,S:0.05〜1%,B:0.05〜1%,
C:0.5〜5%,Ni:1〜12%,Ti:0.5〜5%,C
u:1〜4%を含有し、かつ素地はオーステナイト相を
主体とし、気孔中に遊離黒鉛が析出し、成長した組織を
有する鉄系焼結材料。かつ、この焼結材料は焼結に伴っ
て収縮するように組成を設定したものである。そのため
には、例えばNiの含有量を多くすればよい。一方、空
洞形成材34は、例えばオーステナイト系ステンレスの溶
製材である。
【0044】そして、ピストン耐摩環31の内周面と空洞
形成材34の外周面とが後述する焼結嵌めおよびろう付に
より接合されているが、これらピストン耐摩環31の内周
面および空洞形成材34の外周面はともに円柱面をなして
いる。また、ピストン耐摩環31の軸方向長さと空洞形成
材34の軸方向長さとはほぼ等しい。
【0045】つぎに、前記冷却空洞付きピストン耐摩環
31およびこの冷却空洞付きピストン耐摩環31を用いたピ
ストンの製造方法について説明する。ピストン耐摩環31
を構成する耐摩環本体33および空洞形成材34のうち空洞
形成材34は、管材を例えばプレス加工などにより加工し
て外周面形状が耐摩環本体33の内周面形状に合致する円
環状に形成する。さらに、前記管材の両端を突き合わせ
て溶接し、冷却空洞32となる密閉した空間部を内部に形
成する。
【0046】また、耐摩環本体33は粉末冶金により製造
される。まず耐摩環本体33となる圧粉体を粉末成形する
(粉末成形工程)。この粉末成形では、原料粉末を粉末
成形プレスで加圧、圧縮して圧粉体を成形する。その際
の成形圧力は5〜7t/cm2とし、成形された圧粉体の密
度比を80〜95%とする。なお、この粉末成形の段階で
は、耐摩環本体33にピストンリング溝16,17は形成され
ず、耐摩環本体33の外周面は図2および図3に示すよう
に円柱面になっている。なお、後にピストンリング溝1
6,17を形成するために、耐摩環本体33の肉厚はある程
度確保しておく必要がある。
【0047】つぎに、圧粉体からなる耐摩環本体33の内
周側に、前述のようにして製造した空洞形成材34を組み
込み、この空洞形成材34とともに耐摩環本体33を焼結炉
で加熱して焼結する(焼結工程)。この焼結時の温度は
1120〜1150℃、焼結時間は30分〜1時間とする。また、
雰囲気ガスとしては天然ガスの変成ガス、N2−H2ある
いはアンモニア分解ガスを用い、吸熱性還元雰囲気とす
る。
【0048】この焼結に際して耐摩環本体33は縮小す
る。一方、ステンレスからなる空洞形成材34の寸法変化
は耐摩環本体33の寸法変化より小さい。したがって、耐
摩環本体33が空洞形成材34に圧着され、これら耐摩環本
体33と空洞形成材34とが相互に接合される。これは焼結
嵌めである。
【0049】また、この焼結時に耐摩環本体33と空洞形
成材34とをろう付する(ろう付工程)こともできる。こ
のろう付のために、前記粉末成形工程時に耐摩環本体33
の上面内周部の数箇所に錠剤状のろう材36を装填する切
欠き部35を形成する。ろう材36としては銅系のものを用
いる。その材料成分の一例を示すと、次の通りである。
Mn:12.3〜17.0%,Ni:29.3〜41.3%,Fe:0.21
〜21.5%,B:0〜1.47%,Si:0〜2.00%,C:0.
02〜0.43%,O2:0.44〜2.1%を含有し、残部がCu。
そして、切欠き部35にろう材36を装填した状態で焼結を
行うと、その熱によりろう材36が溶融し、毛細管現象に
より耐摩環本体33と空洞形成材34との間に浸透する。こ
のように、耐摩環本体33と空洞形成材34とは前記焼結嵌
めに加えてろう付により強固に接合される。なお、特に
このろう付を良好に行うためには、焼結時の温度は1130
〜1140℃が好ましい。
【0050】つぎに、焼結体からなる耐摩環本体33にピ
ストン本体11と同系の材料であるアルミニウム合金を溶
浸させる(溶浸工程)。溶浸材であるアルミニウム合金
としては、ピストン本体11と同じくAC8AあるいはA
C8C(JIS規格)を用い、溶浸は真空含浸により行
う。より詳しく説明すると、ピストン耐摩環31を700〜7
50℃に保持し、真空容器中で1時間ほど真空引きするこ
とにより、耐摩環本体33をなす焼結体内の気孔に溶浸材
が円滑に含浸されるようにこの気孔内のガスを除去した
後、ピストン耐摩環31をアルミニウム合金の溶湯中に浸
漬するとともに、8気圧を加圧して5〜60分保持する。
これにより、焼結体内の気孔中にアルミニウム合金が含
浸される。
【0051】このようにして完成したピストン耐摩環31
をピストン本体11の重力鋳造に際してこのピストン本体
11に鋳ぐるむ(鋳造工程)。この鋳造においては、ピス
トン耐摩環31を鋳造用金型内に設置し、ピストン本体11
の材料であるAl−Si系合金を溶解して鋳造用金型内
に注入し、ピストン耐摩環31を一体化したピストン本体
11を成形する。
【0052】さらに、ピストン耐摩環31の外周部をなす
耐摩環本体33にピストンリング溝16,17を機械加工(切
削加工)により形成する。なお、このようにピストンリ
ング溝16,17を後加工により形成するのは、これらのピ
ストンリング溝16,17の位置および寸法の精度を向上さ
せるためである。
【0053】前記のように耐摩環本体33と空洞形成材34
とを組み合わせてピストン耐摩環31を構成するととも
に、このピストン耐摩環31内に冷却空洞32を形成したの
で、この冷却空洞32をピストンリング溝16,17およびピ
ストンリング19,20に近付けることができる。つまり、
冷却空洞32とピストンリング溝16,17との間の距離bを
小さくでき、これにより冷却効果を高めることができ
る。したがって、ピストン耐摩環31の高温下での摩耗を
抑制できる。その結果、ピストン本体11の頂面14とピス
トンリング溝16との間の距離aを小さくすることが可能
になり、未燃焼のまま排気ガスとして排出されてしまう
燃焼ガスの量を少なくでき、排気ガスの浄化を図れる。
【0054】また、耐摩環本体33を焼結に伴って収縮さ
せることにより、この耐摩環本体33とその内周側に組み
込まれた空洞形成材34とを接合するようにしたので、耐
摩環本体33に空洞形成材34を容易に組付けることがで
き、しかも耐摩環本体33と空洞形成材34との結合状態は
確実なものにできる。また、このような焼結嵌めによる
接合が有効なのは径方向の接合面であるが、耐摩環本体
33の内周面の軸方向長さと空洞形成材34の軸方向長さと
をほぼ等しくしたので、焼結嵌めによる接合の効果を最
大限に得ることができる。それに加えて、耐摩環本体33
と空洞形成材34とをろう付するようにしたので、耐摩環
本体33と空洞形成材34とをよりいっそう確実に接合でき
る。しかも、ろう付は圧粉体の焼結時に同時に行うの
で、製造工数の増大を抑制できる。
【0055】さらに、空洞形成材34を管材により構成し
たので、耐摩環本体33と空洞形成材34との間に冷却空洞
32へ通じる隙間が生じるようなことはなく、ピストン本
体11の鋳造に際して空洞形成材34内の冷却空洞32にピス
トン本体11の材料が浸入するようなことはなく、信頼性
が向上する。また、耐摩環本体33と空洞形成材34とを溶
接するような必要がないので、製造コストもより低減で
きる。
【0056】また、ピストンリング溝16,17を形成する
耐摩環本体33は金属系焼結材料からなるので、形状付与
が比較的自由にでき、材料の選定の幅が広いなどの利点
が得られる。例えば、前記実施例のように、耐摩環本体
33の材料として黒鉛析出鉄系焼結材料を用いることがで
きるが、この黒鉛析出鉄系焼結材料は高温耐摩耗性に優
れている一方、ピストン本体11の材料であるAl−Si
系合金と熱膨張率が近く、ピストン本体11との高い接合
強度が得られる。また、相手攻撃性も小さい。
【0057】また、ピストン本体11への鋳ぐるみに先立
って焼結体からなる耐摩環本体33にアルミニウム合金を
溶浸させることにより、鋳ぐるみに際し、耐摩環本体33
の気孔からのガスの発生がなくなって、このガスの発生
による鋳造不良を防止できるとともに、ピストン本体11
と耐摩環本体33との密着性を向上させることができる。
また、ピストン本体11と耐摩環本体33との間の熱伝導性
が向上し、ピストンリング19,20が組み込まれる耐摩環
本体33の高温下での摩耗の抑制効果も得られる。しか
も、溶浸は比較的低コストで実施できる。
【0058】一方、空洞形成材34は耐摩耗性を要求され
るものではなく、金属製の管材からプレス加工などによ
り容易にかつ安価に製造できる。ただし、空洞形成材34
は焼結時に加熱されるので、その際の熱に耐えられると
ともに加熱による寸法変化が小さい材料からなることが
望ましい。その点、前記ステンレスは空洞形成材34の材
料として好適なものである。
【0059】以上のようにして、高い冷却効果が得られ
るとともに製造性および信頼性に優れた冷却空洞付きピ
ストン耐摩環31を提供できる。
【0060】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記の例の冷却空洞付きピストン耐摩環31では、ろう付
に際して、耐摩環本体33の上面内周部の数箇所に形成し
た切欠き部35に錠剤状のろう材36を装填するようにした
が、図4に示す第2例のように耐摩環本体33の上面内周
部に全周に渡って環状の溝部41を形成し、この溝部41に
線状のろう材42を装填してもよい。第2例のように耐摩
環本体33と空洞形成材34との間の全周に渡ってろう材42
を装填した方がろう付をよりいっそう確実なものにでき
るが、前記第1例のように部分的にろう材36を装填する
ようにしても、ろう材36が毛細管現象により浸透するの
で問題はない。また、このように切欠き部35や溝部41に
ろう材42を装填する他、ろう材を刷毛で塗布するなどし
てもよい。
【0061】また、前記実施例では、焼結に伴う耐摩環
本体33の収縮による焼結嵌めとろう付とにより耐摩環本
体33と空洞形成材34とを接合したが、焼結嵌めのみによ
り接合してもよい。逆に、ろう付のみにより接合しても
よい。ろう付けのみの場合でも、前記第1例と同じ工程
によりピストン耐摩環31を製造でき、焼結嵌めによるも
のを除いて前記第1例と同様の作用効果が得られる。ま
た、ろう付けのみにより耐摩環本体33と空洞形成材34と
を接合する場合、耐摩環本体33の焼結材料は焼結に伴っ
て収縮するものである必要はない。
【0062】また、前記第1例では、ピストン耐摩環31
の軸方向長さと空洞形成材34の軸方向長さとをほぼ等し
くしたが、等しくしなくてもよい。例えば図5に示す第
3例のように、冷却空洞32を大きくするために、ピスト
ン耐摩環31の軸方向長さよりも空洞形成材34の軸方向長
さを長くしてもよい。これにより、冷却効果を高めるこ
とができる。
【0063】ここで、耐摩環本体33と空洞形成材34とを
ろう付する場合について、さらに説明する。接合材であ
るろう材としては、粉末状のもの、圧粉体からなるも
の、ワッシャー状のもの、線状のもの、ペースト状のも
のあるいは箔状のものなど、各種のものを用いることが
できる。特に圧粉体からなるろう材が好ましいが、これ
も、ペレット状あるいはリング状など、様々な形状のも
のが可能である。また、一般的にろう材としては、銅ろ
う、りん銅ろう、黄銅ろう、銀ろう、金ろう、パラジウ
ムろう、アルミニウムろう、銀−銅系ろう(貴金属ろ
う)、ニッケルろうあるいは銅−ニッケル−マンガン系
ろうなどがあるが、特に銅−ニッケル−マンガン系ろう
が好ましい。銅−ニッケル−マンガン系ろう材の組成に
ついては先にも説明したが、重量%でMn:12〜20%,
Ni:25〜45%,Fe:0〜25%,B:0〜1.5%,S
i:0〜2.0%,C:0.01〜1.0%,O2:0.1〜3.0%,
残部がCuである。好ましい組成は、重量%でMn:1
6.2%,Ni:40.1%,Fe:0.21%,B:1.47%,S
i:2.0%,C:0.03%,O2:0.44%,残部がCuであ
る。この粉末組成については、合金組成または粉末配合
組成であり、この2つの組成を合わせても良い。また、
特性は、見かけ密度が1.5〜2.5g/cm3、タップ密度が2.0
〜3.0g/cm3、流動度が40〜80秒/50g、6ton/cm2での圧
縮性について、成形体密度が5.0〜6.0g/cm3、ラトラー
値が0.5〜60.0%である。好ましいろう材特性は、見か
け密度が2.02g/cm3、タップ密度が2.37g/cm3、流動度が
74秒/50g、6ton/cm2での圧縮性について、成形体密度
が5.10g/cm3、ラトラー値が52.0%である。
【0064】また、耐摩環本体33と空洞形成材34との接
合部の隙間c(図6に強調して図示)は、母材(耐摩環
本体33および空洞形成材34の材料)および使用するろう
材によって変わるが、前記実施例のように耐摩環本体33
が鉄系焼結材料からなる場合、接合性および接合強度の
観点から、耐摩環本体33が焼結に伴って収縮することを
も配慮して、接合部の隙間cは0.01〜0.8mmが好まし
い。隙間cが0.8mmを越えるとボイドが生じやすくな
り、隙間cが0.01mm未満になるとろう材の浸透性が悪く
なる。さらに好ましい隙間cの範囲は0.05〜0.15mmであ
る。
【0065】また、ろう付の接合温度ともなる焼結温度
は、母材および使用するろう材によって変わるが、前記
実施例のように耐摩環本体33が鉄系焼結材料からなる場
合、1130〜1150℃が好ましい。これにより、焼結性を維
持しながら、ろう付による良好な接合ができる。
【0066】また、ろう付の接合雰囲気ともなる焼結雰
囲気は、母材および使用するろう材によって変わり、真
空、水素、アンモニア分解雰囲気などが可能であるが、
前記実施例のように耐摩環本体33が鉄系焼結材料からな
る場合、この焼結材料にとっての最適雰囲気である窒素
ベース雰囲気(N2:80〜99%、H2:1〜20%)が好ま
しい。これにより、焼結性を維持しながら、ろう付によ
る良好な接合もできる。
【0067】また、焼結に用いる焼結炉は、連続式ある
いはボックス型のものなどを用いることができるが、特
に前記実施例のように耐摩環本体33が鉄系焼結材料から
なる場合、連続炉が特に好ましく、これにより生産性を
向上できる。
【0068】また、ろう付される接合面にはある程度の
凹凸があった方がよいが、耐摩環本体33および空洞形成
材34の接合部の表面粗さは、前記実施例のように耐摩環
本体33が鉄系焼結材料からなる場合、0.5〜100μmが好
ましく、1.0〜20μmが特に好ましい。これにより接合性
および接合強度を向上できる。なお、ショットブラスト
処理などにより、任意に接合部の表面に凹凸を形成する
ことも有効である。
【0069】また、図6から図10に示すように、ろう
材の配置位置は、ろう材の形状により様々な組み合わせ
が可能である。そして、ろう材の組成や形状などによ
り、ピストン耐摩環の形状を変化させることができる。
図6に示す第4例および図7に示す第5例は、耐摩環本
体33の上面(軸方向一端面)内周部に内周側へ向かって
下降するテーパー面51を形成するとともに、空洞形成材
34の外周面を耐摩環本体33のテーパー面51よりも上方へ
突出させ、ろう付に際して、これら耐摩環本体33のテー
パー面51と空洞形成材34の外周面との間に形成される溝
部にペレット状、リング状、ペースト状あるいは線状な
どのろう材52を配するものである。さらに、図7に示す
第5例は、耐摩環本体33の上面外周部にも外周側へ向か
って下降するテーパー面53を形成したものである。ま
た、図8に示す第6例は、ろう付に際して、耐摩環本体
33の円柱面状の内周面と空洞形成材34の円柱面状の外周
面との間にペースト状、箔状あるいは粉末状などのろう
材52を配するものである。また、図9に示す第7例は、
耐摩環本体33の上面内周部に段差部54を形成し、ろう付
に際して、耐摩環本体33の段差部54と空洞形成材34の外
周面との間に形成される溝部にペレット状、リング状、
ワッシャー状あるいはペースト状などのろう材52を配す
るものである。さらに、図10に示す第8例は、耐摩環
本体33の上面内周部に段差部54を形成し、ろう付に際し
て、耐摩環本体33の段差部54と空洞形成材34の外周面と
の間に形成される溝部にペレット状、リング状、ペース
ト状あるいは箔状などのろう材52を断面ほぼL字形状に
配するものである。以上の第4例から第8例のうち、第
4例および第5例が好ましく、特に第5例が好ましい。
これらの第4例および第5例では、ろう付に際して、溶
融したろう材52がテーパー面51により案内されて耐摩環
本体33と空洞形成材34との間に確実に浸透するので、ろ
う付をより確実にできる。
【0070】なお、前記第4例から第8例では、空洞形
成材34の軸方向(上下方向)中央部に耐摩環本体33を位
置させているが、図11に示す第9例のように、耐摩環
本体33の下面と空洞形成材34の下面とを同一平面上に位
置させるなどしてもよい。
【0071】さらに、耐摩環本体の形状、空洞形成材の
形状あるいはピストン耐摩環全体の形状は前記の例のも
のには限らず、種々の形状が可能である。また、ピスト
ン耐摩環本体や空洞形成材の材料や製法の細部なども、
前述のものには限らず、種々の変形があり得る。例え
ば、ろう材の配置も前記の例のものには限らず、ろう材
とピストン耐摩環の形状は様々な組み合わせが可能であ
り、接合に最適な形状を選択することが肝要である。
【0072】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ピストン本体
に鋳ぐるみにより埋設される冷却空洞付きピストン耐摩
環において、金属系焼結材料からなる環状の耐摩環本体
の内周側に環状の管材からなる空洞形成材を組み込み、
この空洞形成材の内部の密閉した空間部により冷却空洞
を形成したので、冷却空洞をピストンリングに近付けて
冷却効果を高めることができる。また、空洞形成材が管
材からなるので、ピストン本体の鋳造に際して空洞形成
材内の冷却空洞にピストン本体の材料が浸入することが
なく、信頼性がより向上する。また、耐摩環本体を焼結
に伴って収縮する焼結材料からなるものにして、耐摩環
本体と空洞形成材とを焼結嵌めにより接合したので、耐
摩環本体と空洞形成材とを容易にかつ確実に結合でき
る。さらに、耐摩環本体が金属系焼結材料からなるの
で、形状を自由に付与したり、例えば高温耐摩耗性に優
れるとともにピストン本体の材料と熱膨張率が近い材料
を選定したり、溶浸などによってピストン本体との鋳ぐ
るみ性を向上させたりすることも可能になる。
【0073】請求項2の発明の冷却空洞付きピストン耐
摩環によれば、請求項1の発明の効果に加えて、前記耐
摩環本体と空洞形成材とをろう付により接合したので、
耐摩環本体と空洞形成材とをよりいっそう確実に接合で
きる。
【0074】請求項3の発明によれば、ピストン本体に
鋳ぐるみにより埋設される冷却空洞付きピストン耐摩環
において、金属系焼結材料からなる環状の耐摩環本体の
内周側に環状の管材からなる空洞形成材を組み込み、こ
の空洞形成材の内部の密閉した空間部により冷却空洞を
形成したので、冷却空洞をピストンリングに近付けて冷
却効果を高めることができる。また、空洞形成材が管材
からなるので、ピストン本体の鋳造に際して空洞形成材
内の冷却空洞にピストン本体の材料が浸入することがな
く、信頼性がより向上する。また、耐摩環本体と空洞形
成材とをろう付により接合したので、例えば焼結時に同
時にろう付を行うことも可能であり、耐摩環本体と空洞
形成材とを容易にかつ確実に結合できる。さらに、耐摩
環本体が金属系焼結材料からなるので、形状を自由に付
与したり、例えば高温耐摩耗性に優れるとともにピスト
ン本体の材料と熱膨張率が近い材料を選定したり、溶浸
などによってピストン本体との鋳ぐるみ性を向上させた
りすることも可能になる。
【0075】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
の効果に加えて、ろう付用のろう材が銅−ニッケル−マ
ンガン系ろう材であるので、例えば、溶融したろう材の
金属系焼結材料への浸透を抑制し、良好なろう付ができ
る。
【0076】請求項5の発明によれば、請求項3の発明
の効果に加えて、前記耐摩環本体と空洞形成材との接合
部の表面粗さが0.5〜100μmであるので、ろう付による
接合性および接合強度を向上できる。好ましい接合部の
表面粗さは、1〜20μmである。
【0077】請求項6の発明によれば、請求項3の発明
の効果に加えて、前記耐摩環本体の上面内周部に内周側
へ向かって下降するテーパー面を形成するとともに、前
記空洞形成材の外周面を前記耐摩環本体のテーパー面よ
りも上方へ突出させてなるので、ろう付に際して耐摩環
本体のテーパー面と空洞形成材の外周面との間にろう材
を配することにより、ろう付をより確実にできる。
【0078】請求項7の発明によれば、ピストン本体に
鋳ぐるみにより埋設されピストンリングが組み込まれる
冷却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、金属
を主成分とする原料粉末を圧縮してピストンリングが組
み込まれる耐摩環本体となる圧粉体を成形した後、この
圧粉体の内周側に金属製の環状の空洞形成材を組み込ん
でこの空洞形成材とともに圧粉体を焼結し、この焼結時
の圧粉体の収縮によりこの圧粉体が焼結されてなる焼結
体と空洞形成材とを接合して、空洞形成材の内部の密閉
した空間部により冷却空洞を形成するので、冷却空洞を
ピストンリングに近付けて冷却効果を高めることができ
るとともに、冷却空洞を形成する耐摩環本体と空洞形成
材とを容易にかつ確実に結合できる。また、空洞形成材
が管材からなるので、ピストン本体の鋳造に際して空洞
形成材内の冷却空洞にピストン本体の材料が浸入するこ
とがなく、信頼性がより向上する。さらに、耐摩環本体
が金属系焼結材料からなるので、例えば高温耐摩耗性に
優れるとともにピストン本体の材料と熱膨張率が近い材
料を選定したり、溶浸などによってピストン本体との鋳
ぐるみ性を向上させたりすることも可能になる。
【0079】請求項8の発明によれば、請求項7の発明
の効果に加えて、焼結時に耐摩環本体と空洞形成材とを
ろう付するので、製造工数の増大を抑えながら、耐摩環
本体と空洞形成材との接合をよりいっそう確実なものに
できる。
【0080】請求項9の発明によれば、ピストン本体に
鋳ぐるみにより埋設されピストンリングが組み込まれる
冷却空洞付きピストン耐摩環の製造方法において、金属
を主成分とする原料粉末を圧縮してピストンリングが組
み込まれる耐摩環本体となる圧粉体を成形した後、この
圧粉体の内周側に管材からなる環状の空洞形成材を組み
込んでこの空洞形成材とともに前記圧粉体を焼結し、こ
の焼結時に前記圧粉体が焼結されてなる焼結体と前記空
洞形成材とをろう付により接合して、前記空洞形成材の
内部の密閉した空間部により冷却空洞を形成するので、
冷却空洞をピストンリングに近付けて冷却効果を高める
ことができるとともに、冷却空洞を形成する耐摩環本体
と空洞形成材とを容易にかつ確実に結合できる。また、
空洞形成材が管材からなるので、ピストン本体の鋳造に
際して空洞形成材内の冷却空洞にピストン本体の材料が
浸入することがなく、信頼性がより向上する。さらに、
耐摩環本体が金属系焼結材料からなるので、例えば高温
耐摩耗性に優れるとともにピストン本体の材料と熱膨張
率が近い材料を選定したり、溶浸などによってピストン
本体との鋳ぐるみ性を向上させたりすることも可能にな
る。
【0081】請求項10の発明によれば、請求項9の発
明の効果に加えて、ろう付用のろう材として圧粉体から
なるろう材を用いるので、良好なろう付ができる。
【0082】請求項11の発明によれば、請求項9の発
明の効果に加えて、ろう付用のろう材として銅−ニッケ
ル−マンガン系ろう材を用いるので、例えば、溶融した
ろう材の金属系焼結材料への浸透を抑制し、良好なろう
付ができる。
【0083】請求項12の発明によれば、請求項9の発
明の効果に加えて、ろう付される前記耐摩環本体と空洞
形成材との接合部の隙間を0.01〜0.8mmとしたので、接
合性および接合強度を向上できる。好ましい接合部の隙
間は、0.05〜0.15mmである。
【0084】請求項13の発明によれば、請求項9の発
明の効果に加えて、焼結温度を1130〜1150℃としたの
で、焼結性を維持しながら、ろう付による良好な接合が
できる。
【0085】請求項14の発明によれば、請求項9の発
明の効果に加えて、焼結雰囲気を窒素ベース雰囲気とし
たので、焼結性を維持しながら、ろう付による良好な接
合ができる。
【0086】請求項15の発明によれば、請求項9の発
明の効果に加えて、焼結に用いる焼結炉を連続炉とした
ので、生産性を向上できる。
【0087】請求項16の発明によれば、請求項9の発
明の効果に加えて、前記耐摩環本体と空洞形成材との接
合部の表面粗さを0.5〜100μmとしたので、接合性およ
び接合強度を向上できる。好ましい接合部の表面粗さは
1〜20μmである。
【0088】請求項17の発明によれば、請求項9の発
明の効果に加えて、前記耐摩環本体の上面内周部に内周
側へ向かって下降するテーパー面を形成し、ろう付に際
してこのテーパー面と前記空洞形成材の外周面との間に
ろう材を配するので、ろう付をより確実にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第1例のピストン耐摩環を鋳ぐるんだピストン本体
の断面図である。
【図2】同上ピストン耐摩環のみの断面図である。
【図3】同上ピストン耐摩環の分解斜視図である。
【図4】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第2例のピストン耐摩環の平面図である。
【図5】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第3例のピストン耐摩環の断面図である。
【図6】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第4例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図で
ある。
【図7】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第5例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図で
ある。
【図8】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第6例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図で
ある。
【図9】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すもの
で、第7例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図で
ある。
【図10】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第8例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図
である。
【図11】本発明のピストン耐摩環の実施形態を示すも
ので、第9例のピストン耐摩環の接合方法を示す断面図
である。
【図12】従来のピストンの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 ピストン本体 19,20 ピストンリング 31 ピストン耐摩環 32 冷却空洞 33 耐摩環本体 34 空洞形成材 36 ろう材 42 ろう材 51 テーパー面 52 ろう材 c 接合部の隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16J 9/22 F16J 9/22 (72)発明者 駒崎 聰寛 新潟県新潟市小金町3丁目1番1号 三菱 マテリアル株式会社新潟製作所内 (72)発明者 花田 久仁夫 東京都千代田区丸の内1−5−1 三菱マ テリアル株式会社加工製品カンパニー部 品・モーター事業部内 (72)発明者 山本 英継 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設され
    ピストンリングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐
    摩環において、金属系焼結材料からなりピストンリング
    が組み込まれる環状の耐摩環本体と、この耐摩環本体の
    内周側に組み込まれた管材からなる環状の空洞形成材と
    を備え、前記耐摩環本体が焼結に伴って収縮する焼結材
    料からなるとともに、前記耐摩環本体と空洞形成材とを
    焼結嵌めにより接合してなり、前記空洞形成材の内部の
    密閉した空間部により冷却空洞を形成したことを特徴と
    する冷却空洞付きピストン耐摩環。
  2. 【請求項2】 前記耐摩環本体と空洞形成材とをろう付
    により接合してなることを特徴とする請求項1記載の冷
    却空洞付きピストン耐摩環。
  3. 【請求項3】 ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設され
    ピストンリングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐
    摩環において、金属系焼結材料からなりピストンリング
    が組み込まれる環状の耐摩環本体と、この耐摩環本体の
    内周側に組み込まれた管材からなる環状の空洞形成材と
    を備え、前記耐摩環本体と空洞形成材とをろう付により
    接合してなり、前記空洞形成材の内部の密閉した空間部
    により冷却空洞を形成したことを特徴とする冷却空洞付
    きピストン耐摩環。
  4. 【請求項4】 ろう付用のろう材が銅−ニッケル−マン
    ガン系ろう材であることを特徴とする請求項3記載の冷
    却空洞付きピストン耐摩環。
  5. 【請求項5】 前記耐摩環本体と空洞形成材との接合部
    の表面粗さが0.5〜100μmであることを特徴とする請求
    項3記載の冷却空洞付きピストン耐摩環。
  6. 【請求項6】 前記耐摩環本体の上面内周部に内周側へ
    向かって下降するテーパー面を形成するとともに、前記
    空洞形成材の外周面を前記耐摩環本体のテーパー面より
    も上方へ突出させてなることを特徴とする請求項3記載
    の冷却空洞付きピストン耐摩環。
  7. 【請求項7】 ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設され
    ピストンリングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐
    摩環の製造方法において、金属を主成分とする原料粉末
    を圧縮してピストンリングが組み込まれる耐摩環本体と
    なる圧粉体を成形した後、この圧粉体の内周側に管材か
    らなる環状の空洞形成材を組み込んでこの空洞形成材と
    ともに前記圧粉体を焼結し、この焼結時の圧粉体の収縮
    によりこの圧粉体が焼結されてなる焼結体と前記空洞形
    成材とを接合して、前記空洞形成材の内部の密閉した空
    間部により冷却空洞を形成することを特徴とする冷却空
    洞付きピストン耐摩環の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記焼結時に前記耐摩環本体と空洞形成
    材とをろう付することを特徴とする請求項7記載の冷却
    空洞付きピストン耐摩環の製造方法。
  9. 【請求項9】 ピストン本体に鋳ぐるみにより埋設され
    ピストンリングが組み込まれる冷却空洞付きピストン耐
    摩環の製造方法において、金属を主成分とする原料粉末
    を圧縮してピストンリングが組み込まれる耐摩環本体と
    なる圧粉体を成形した後、この圧粉体の内周側に管材か
    らなる環状の空洞形成材を組み込んでこの空洞形成材と
    ともに前記圧粉体を焼結し、この焼結時に前記圧粉体が
    焼結されてなる焼結体と前記空洞形成材とをろう付によ
    り接合して、前記空洞形成材の内部の密閉した空間部に
    より冷却空洞を形成することを特徴とする冷却空洞付き
    ピストン耐摩環の製造方法。
  10. 【請求項10】 ろう付用のろう材として圧粉体からな
    るろう材を用いることを特徴とする請求項9記載の冷却
    空洞付きピストン耐摩環の製造方法。
  11. 【請求項11】 ろう付用のろう材として銅−ニッケル
    −マンガン系ろう材を用いることを特徴とする請求項9
    記載の冷却空洞付きピストン耐摩環の製造方法。
  12. 【請求項12】 ろう付される前記耐摩環本体と空洞形
    成材との接合部の隙間を0.01〜0.8mmとしたことを特徴
    とする請求項9記載の冷却空洞付きピストン耐摩環の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 焼結温度を1130〜1150℃としたことを
    特徴とする請求項9記載の冷却空洞付きピストン耐摩環
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 焼結雰囲気を窒素ベース雰囲気とした
    ことを特徴とする請求項9記載の冷却空洞付きピストン
    耐摩環の製造方法。
  15. 【請求項15】 焼結に用いる焼結炉を連続炉としたこ
    とを特徴とする請求項9記載の冷却空洞付きピストン耐
    摩環の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記耐摩環本体と空洞形成材との接合
    部の表面粗さを0.5〜100μmとしたことを特徴とする請
    求項9記載の冷却空洞付きピストン耐摩環の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記耐摩環本体の上面内周部に内周側
    へ向かって下降するテーパー面を形成し、ろう付に際し
    てこのテーパー面と前記空洞形成材の外周面との間にろ
    う材を配することを特徴とする請求項9記載の冷却空洞
    付きピストン耐摩環の製造方法。
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