JP2002146760A - 浮遊式型枠支保工と水上構造物の構築方法 - Google Patents
浮遊式型枠支保工と水上構造物の構築方法Info
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Abstract
た浮遊式型枠支保工及びそれを用いた水上構造物の構築
方法を提供する。 【解決手段】本発明の浮遊式型枠支保工Aは、梯子状支
保工1と、前記支保工1に一体に取付けた板状型枠2
(2a〜2d)と截頭角錐状型枠3(スラブ型枠3)と
を備え、前記スラブ型枠3の側面3bは回転可能に形成
し、その内部に浮遊材4を設置して構成した。また、前
記浮遊式型枠支保工Aを、所定の杭6間まで曳航し、杭
6頭部から吊材8によって吊下げて支持した後に、杭6
間の空間を型枠2b、2c、2dによって閉塞し、前記
型枠2、3上にコンクリートを打設する。所定養生期間
後、スラブ型枠3の側面3bを内側に回転しながら、セ
ットした前記型枠を脱型し、浮遊式型枠支保工Aを水上
に降下して浮かべ、次の施工区間へ移動して、水上構造
物10を順次構築していく。
Description
礎杭群の上部に桟橋等のコンクリート製の水上構造物を
構築するために使用される浮遊式型枠支保工及びそれを
用いた水上構造物の構築方法に関するものである。
ットフォームや桟橋などの水上構造物を施工するにあた
っては、型枠の他に、この型枠を支承するための支保工
が必要となる。これらの構造物を施工するには、例えば
特許第2815470号公報に記載されているように、
フロートを使用して鋼製の支保工を杭間の所定位置へ浮
上曳航し、該支保工を空中に吊上げて杭頭吊金物に固定
した後に、その上に型枠を設置してコンクリートを打設
し、さらに型枠の脱型及び支保工の解体を行う浮力調整
式可動支保工による工法が知られている。
の技術にあっては、以下のような問題点がある。 <イ>型枠と支保工を水上の杭間まで曳航するために
は、特別なフロートを配置し、このフロートを使用して
順次運搬、移動を行う必要がある。 <ロ>型枠と支保工が別々である上、部材数が多いた
め、現場での組立・解体作業に時間と労力を要する。 <ハ>型枠の形状が箱型であるために、脱型の際に型枠
とコンクリート粱の側面とが接触してしまいスムーズな
脱型が行い難い場合がある。 <ニ>型枠組立、解体時に鋼製型枠の部材下の作業が多
くなる。
解決するためになされたもので、水上構造物の施工に際
して、型枠と支保工とを一体化し、迅速で安全に施工す
ることができる浮遊式型枠支保工を提供することを目的
とする。また本発明は水上構造物の施工に際して、施工
性と安全性の改善を図ることができる水上構造物の構築
方法を提供することを目的とする。さらに本発明は水上
構造物の施工に際して、工期の短縮と工費の削減を図る
ことができる水上構造物の構築方法を提供することを目
的とする。本発明は、これらの目的の少なくとも一つを
達成するものである。
するために、本発明は、梯子状支保工と、前記支保工に
一体に取付けた板状型枠と截頭角錐状型枠とを備え、前
記截頭角錐状型枠の少なくとも一部の側面は回転可能に
構成すると共に、その内部に浮遊材を設置した、浮遊式
型枠支保工である。ここで、截頭角錐状型枠の内部に
は、一部の板状型枠をスライド自在に収納することが可
能である。
の上部に、場所打ちコンクリート構造物を構築する水上
構造物の構築方法において、上記した浮遊式型枠支保工
を、浮遊状態で所定の杭間まで曳航した後に、杭頭上に
据付けた設置架台によって空中に吊上げる工程と、杭間
の空間を一部の板状型枠によって閉塞する工程と、板状
型枠と截頭角錐状型枠上に鉄筋を組立て、コンクリート
を打設する工程と、所定養生期間後、截頭角錐状型枠の
側面を内側に回転しながら、セットした前記型枠を脱型
する工程と、浮遊式型枠支保工を水上に吊り下ろして浮
かべ、次の施工区間へ移動する工程と、を備えたことを
特徴とする、水上構造物の構築方法である。ここで、一
部の板状型枠をスライドすることによって、杭間の閉塞
と型枠の脱型を行うことが可能である。
に係る浮遊式型枠支保工の実施の形態について説明す
る。
型枠支保工Aを使用する。前記浮遊式型枠支保工Aの一
例を図1に示す。浮遊式型枠支保工Aは、支保工1と、
板状型枠2と截頭角錐状型枠3とからなり、前記截頭角
錐状型枠3の内部に浮遊材4を取り付け、陸上等で一体
に製作しておく。以下、各部について詳述する。
を支持する鋼製の支持枠体である。前記支保工1は、縦
方向に平行に配設した鋼管等からなる縦材1aの間に複
数の横材1bを溶接等で固着して梯子状に形成する。
その成形面上にコンクリート等の硬化材を打設して構造
物の形状を形成するものである。本発明の型枠は大きく
分けると、板状型枠2と截頭角錐状型枠3とからなり、
全て工場等で予め製作したものである。
ための型枠であり、少なくとも側面部3a、3bと天井
部3cとからなり、かつ天井部3cの寸法を底部の寸法
より狭くした截頭角錐状に形成する。截頭角錐状型枠3
は、前記支保工1の上に固着し、その内部には、発泡ス
チロール等の浮遊材4を設置して浮力を確保しておく。
これによって、截頭角錐状型枠3、或いは浮遊式型枠支
保工Aは、水中においてほぼ垂直の状態で浮かぶから、
その移動や吊上げが容易となる。また、截頭角錐状型枠
3の側面3bは、スムーズな脱型を行うために、型枠頂
部をヒンジ構造とし、回転可能に構成する。そして、截
頭角錐状型枠3の側面3bを内側に回転させ、強制的に
コンクリートとの付着力を切ることにより、確実な脱型
が可能となる。
の鋼製の板体である。詳しくは、横桁型枠2aと、縦桁
型枠2b及び補助型枠2c、2dの三種類がある。
体化すると共に、支保工1の上に固定する。この横桁型
枠2aは、杭間に構築する横桁の床面を成形するために
設けるものである。
等の公知のスライド機構によって連結してスライド可能
に構成する。この縦桁型枠2bは、杭体間に構築する縦
桁の床面を成形するために設ける成形面であり、杭間移
動時には、前記截頭角錐状型枠3の底部に収納できるよ
うなっている。
一対の分割した補助型枠2c、2dを取り付ける。補助
型枠2cは杭断面を外装し得る寸法のU字形の板体であ
り、補助型枠2dは略長方形の板体である。前記補助型
枠2c、2dは、図2に示すように、それぞれ隣り合う
支保工1の縦材1aの側端にヒンジを介して回転自在に
取り付けておき、所定の位置で水平に引き起こすことに
よって、杭6廻りの空間を閉塞する。
た結構材7上に設置する。前記設置架台5は、チェーン
ブロック9等の吊材を介して前記浮遊式型枠支保工Aを
吊下げて仮支持するための架台である。前記設置架台5
は、例えばH型鋼等の鋼材からなる鉛直方向の支持材5
1と水平方向の受け材52、53とを剛結して門型状に
形成する。そして、前記型枠支保工Aを前記設置架台5
によって吊下げた状態で支持することにより、その位置
及びレベルの調整を容易に行うことが可能となる。
構造物の構築方法を施工順序に従って説明する。
ら水底にむけて打設し、各杭6の頭部に結構材7、設置
架台5及び浮遊式型枠支保工Aを支持するための吊り固
定用金物などを設けておく。一方、浮遊式型枠支保工A
は、現場付近のドックにおいて製造し、水上又は海上に
浮べる。そして、小型船舶等により杭6群に向けて曳航
する。この際、前記型枠支保工Aには、浮力確保用の発
泡スチロール等の浮遊材4が内蔵されているため、気象
等の状況に応じて、所定の喫水面を設定することがで
き、安全且つ容易な曳航をすることが可能となる。な
お、所定の施工区間において、複数の浮遊式型枠支保工
Aを各杭6間に順次並列する。
よって前記浮遊式型枠支保工Aを所定の高さまで吊上げ
る。その後、支保工1の縦材1aと連結した鋼棒、鋼線
等の吊材8を利用して杭6の頭部から吊下げる(図2、
3)。この際、前記型枠支保工Aを前記結構材7上に設
置した前記設置架台5に盛り替え、チェーンブロック9
を使用し、その位置及びレベルの調整を行う。これによ
って、クレーンを使用する必要がなく、取り扱いが簡単
になり、施工性と安全性が向上する(図2、3)。ここ
で、截頭角錐状型枠3のセットが完了する。
された桁型枠2bを図4に示すように、横方向にスライ
ドさせながら引き出し、先行して設置した隣接する支保
工1の縦材1a上に載置する。その後、ボルド、Uクリ
ップ等を使って、前記縦桁型枠2bの両端部を隣り合う
縦材1a、1a上に固定する(図4)。一方、隣り合う
支保工1の縦材1aの側端部には、それぞれ補助型枠2
c、2dがヒジンによって回転自在に取付けてあるか
ら、前記型枠支保工Aを吊上げると、補助型枠2c、2
dは垂れ下がることになる。そこで、これらの補助型枠
2c、2dを順次水平に引き起し、それらの自由端をピ
ン類で軸止めすることにより、上記縦桁型枠2bと共
に、杭6間の空間を閉塞する(図5)。なお、補助型枠
2c、2dと杭体6との間に形成された空隙は、必要に
応じて別途の枠材を使用して閉塞する。また、複数の浮
遊型枠支保工A群からなる型枠の最外郭部は、必要に応
じて、公知の型枠で包囲する。ここで、横桁型枠2aと
縦桁型枠2b及び補助型枠2c、2dからなる板状型枠
2のセットが完了する。
筋の組立を行い、完了後、コンクリートを打設してスラ
ブ部10aと梁部10bとからなる水上構造物10を構
築する。水上構造物10の重量は、吊材8を介して杭体
6によって支持される。
型する。脱型作業は、前記型枠2、3と支保工1と一体
に取付けたまま、その自重を利用して脱型するが、詳し
くは次の順序で行う。 (a)スラブ型枠3の側面と打設したコンクリートの付
着力が大きく、自重のみによる脱型が困難な場合は、図
6のように、スラブ型枠3の両側面3b、3bを内側に
回転して引寄せることにより、強制的にコンクリートと
型枠側面を縁切りして脱型する。 (b)板状型枠2の縦桁型枠2bは、支保工1の縦材1
aとの接合ボルトなどを外し、スラブ型枠3の底部にス
ライド収納を行って脱型する。 (c)板状型枠2の補助型枠2c、2dは、それらの自
由端に軸止めするピン類を抜き取り、下方へ回転させて
脱型する。
うに、クレーンを用いて水中に静かに吊り下ろす。この
際、吊材8切断時には、事前にスラブ部10aに貫通し
て設置した仮吊り鋼棒の先端部にストッパーをつけ、水
中に一気に落下しないようにする。そして、コンクリー
トと型枠面の付着が完全に切れたことを確認後、仮吊り
鋼棒に玉掛けしクレーンで吊った状態で、ストッパーを
解除し、緩やかに水上へ下ろし、自力浮上させる。次
に、玉掛け取り外し後、小型船舶等により前記型枠支保
工Aを杭列間より曳航しながら引き出し、次の施工区間
へ移動する。以上の工程を繰り返し行って、所定の施工
区間単位毎に水上構造物10を順次構築していく。
ら、次のような効果を得ることができる。 <イ>支保工と板状及びスラブ型枠とが一体化となり、
かつ浮力の調整が自由であるため、作業が迅速で経済的
である。 <ロ>一体化した浮遊式型枠支保工の吊り上げと吊り下
ろし、移動の作業だけで連続して施工することができる
ため、大幅な工期短縮を図ることができる。 <ハ>現場での型枠組立・解体作業が殆んどないため、
狭い作業空間に作業員が立ち入る必要がなくなり、安全
に施工することが可能となる。 <ニ>スラブ型枠の形状が箱型ではなく截頭角錐状に形
成し、かつ、その側面の一部を回転自在に構成する。そ
のために、脱型に際して型枠とコンクリートの側面とが
接触することがなくスムーズな脱型作業を行える。
工の吊上げ状況を示す図
ト状況を示す図
ト状況を示す図
型枠の脱型状況を示す図
工の吊下し状況を示す図
Claims (3)
- 【請求項1】梯子状支保工と、 前記支保工に一体に取付けた板状型枠と截頭角錐状型枠
とを備え、 前記截頭角錐状型枠の少なくとも一部の側面は回転可能
に構成すると共に、 その内部に浮遊材を設置した、 浮遊式型枠支保工。 - 【請求項2】請求項1に記載の浮遊式型枠支保工におい
て、 前記截頭角錐状型枠の内部には、一部の板状型枠をスラ
イド自在に収納したことを特徴とする、 浮遊式型枠支保工。 - 【請求項3】水中に打設した基礎杭群の上部に、場所打
ちコンクリート構造物を構築する水上構造物の構築方法
において、 請求項1又は請求項2に記載の浮遊式型枠支保工を、浮
遊状態で所定の杭間まで曳航した後に、杭頭上に据付け
た設置架台によって空中に吊上げる工程と、 杭間の空間を一部の板状型枠によって閉塞する工程と、 板状型枠と截頭角錐状型枠上に鉄筋を組立て、コンクリ
ートを打設する工程と、 所定養生期間後、截頭角錐状型枠の側面を内側に回転し
ながら、セットした前記型枠を脱型する工程と、 浮遊式型枠支保工を水上に吊り下ろして浮かべ、次の施
工区間へ移動する工程と、を備えたことを特徴とする、 水上構造物の構築方法。
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