JP2002146027A - 共重合ポリアミド樹脂及び自己融着性塗料 - Google Patents

共重合ポリアミド樹脂及び自己融着性塗料

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JP2002146027A
JP2002146027A JP2000339689A JP2000339689A JP2002146027A JP 2002146027 A JP2002146027 A JP 2002146027A JP 2000339689 A JP2000339689 A JP 2000339689A JP 2000339689 A JP2000339689 A JP 2000339689A JP 2002146027 A JP2002146027 A JP 2002146027A
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resin
solvent
monomer component
self
polyamide
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JP2000339689A
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English (en)
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Hideki Matsui
秀樹 松井
Yoshiki Nakaya
芳樹 中家
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Daicel Evonik Ltd
Original Assignee
Daicel Degussa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クレゾールやフェノール等の毒性、臭気の強
い溶剤系を用いることなく、アルコール類、アミド類等
の低臭気、低毒性の溶剤に溶解させることができ、しか
も、自己融着電線の接着層として使用した場合、表面の
滑り性が良好で、且つ表面に粘着性が発現しない共重合
ポリアミド樹脂を得る。 【解決手段】 非結晶性で且つアルコール系、アミド
系、エーテル系、硫黄系又はイミダゾリジノン系溶剤に
対して可溶性の樹脂(A)又は該樹脂を形成しうる単量
体成分(A′)と、結晶性で且つ前記溶剤に対して不溶
性のポリアミド樹脂(B)又は該樹脂を形成しうる単量
体成分(B′)とを、前者/後者(重量比)=20/8
0〜90/10の比率で反応して得られる共重合ポリア
ミド樹脂。前記樹脂(A)として、例えば、ポリアミ
ド、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリアリレート、エポキシ樹脂等を使用できる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電線の融着などに使
用される溶剤可溶性の共重合ポリアミド樹脂およびその
共重合ポリアミド樹脂を含有する自己融着性塗料に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自己融着電線は絶縁層を有するエナメル
線の外周部分に、ホットメルト接着剤として作用する接
着層を設けた構造を有しており、コンピュータデイスプ
レイのDYコイル等の製造に広く使用されている。
【0003】自己融着電線に使用されるホットメルト樹
脂としては、ビスフェノールA骨格を有するフェノキシ
樹脂や共重合ポリアミド樹脂が広く使用されており、特
に共重合ポリアミド樹脂はその接着力の強さから汎用さ
れている。このような共重合ポリアミド樹脂を用いた自
己融着電線は、ホットメルト樹脂を溶剤に溶解した塗料
を調製し、これをエナメル線上にコーティングし、加熱
炉で溶剤を加熱除去することにより製造される。
【0004】共重合ポリアミド樹脂はアミド結合間の極
めて強い分子間相互作用から、それを溶解する溶剤は限
られており、ほとんどの場合クレゾールやフェノールと
いったフェノール類を含む溶剤系が使用されている。し
かしながら、クレゾールやフェノールは毒性がきわめて
強く、また独特の強い臭気を有することから、自己融着
電線の製造工程やコイルの製造工程において作業環境上
好ましくない。また、最終製品に残存するこれらの溶剤
の臭気や毒性が問題となるケースも発生している。
【0005】このため、従来、ナイロン6やナイロン6
6、ナイロン11、ナイロン12等の単独ではクレゾー
ルやフェノールにしか溶解しないナイロン樹脂を、他の
モノマー成分と共重合することにより結晶性を低下させ
てアルコール可溶性にした共重合ポリアミド樹脂が検討
されてきた。しかし、このようなアルコール可溶性のホ
ットメルト樹脂は、一般にきわめて軟質の樹脂であるこ
とから、自己融着電線に加工した場合、接着力が不十分
であり、しかも巻線時に重要な表面の滑り性が悪い。ま
た、表面にタックが出やすく、ボビンに巻き取って保存
すると、粘着により自己融着電線同士がくっつき合って
しまい、スムーズにボビンから引き出せない等の問題が
発生しやすい。そのため、未だ実用には至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、クレゾールやフェノール等の毒性、臭気の強い溶剤
系を用いることなく、アルコール類、アミド類等の低臭
気、低毒性の溶剤に溶解させることができ、しかも、自
己融着電線の接着層として使用した場合、表面の滑り性
が良好で、且つ表面に粘着性が発現しない共重合ポリア
ミド樹脂、および該共重合ポリアミド樹脂を含有する自
己融着性塗料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者らは共重合ポリアミド樹脂の単量体組成と
溶解性および結晶性等について鋭意検討した結果、非結
晶性で且つ特定の溶剤に対して可溶性の樹脂又は該樹脂
を形成しうる単量体成分と、結晶性で且つ前記溶剤に対
して不溶性のポリアミド樹脂又は該樹脂を形成しうる単
量体成分とを特定の割合で共重合すると、クレゾールや
フェノール以外の溶剤にも可溶で、しかも接着性、滑り
性が良好で、表面に粘着性が発現しない共重合ポリアミ
ド樹脂が得られることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0008】すなわち、本発明は、非結晶性で且つアル
コール系、アミド系、エーテル系、硫黄系又はイミダゾ
リジノン系溶剤に対して可溶性の樹脂(A)又は該樹脂
を形成しうる単量体成分(A′)と、結晶性で且つ前記
溶剤に対して不溶性のポリアミド樹脂(B)又は該樹脂
を形成しうる単量体成分(B′)とを、前者/後者(重
量比)=20/80〜90/10の比率で反応して得ら
れる共重合ポリアミド樹脂を提供する。
【0009】前記樹脂(A)として、例えば、ポリアミ
ド、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリアリレート及びエポキシ樹脂からなる群より選択さ
れた少なくとも1種の樹脂を使用できる。本発明は、ま
た、上記の共重合ポリアミド樹脂を含有する自己融着性
塗料を提供する。
【0010】なお、本明細書では、DSC(示差走査熱
量測定)で明確な結晶部の融解ピークが認められる場合
を「結晶性」といい、そうでない場合を「非晶性」とい
う。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の共重合ポリアミド樹脂
は、非結晶性で且つアルコール系、アミド系、エーテル
系、硫黄系又はイミダゾリジノン系溶剤に対して可溶性
の樹脂(A)又は該樹脂を形成しうる単量体成分
(A′)と、結晶性で且つ前記溶剤に対して不溶性のポ
リアミド樹脂(B)又は該樹脂を形成しうる単量体成分
(B′)との反応により得られる共重合樹脂である。
【0012】樹脂(A)としては、非結晶性を示し且つ
上記の溶剤に可溶な樹脂であって、該樹脂自身又はその
単量体成分がポリアミド又はその単量体成分と反応して
共重合ポリアミドを形成可能なものであれば特に限定さ
れない。樹脂(A)の代表的な例として、例えば、ポリ
アミド、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、エポキシ樹脂などが挙げられる。
樹脂(A)は単独で又は2種以上組み合わせて使用でき
る。
【0013】樹脂(A)に該当するポリアミドとして
は、例えば、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,
6−ジメチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジ
ン、1,3−ジ(4−ピペリジル)プロパン、ビス(ア
ミノプロピル)ピペラジン等の環状アミノ基を有するジ
アミン;イソホロンジアミン、4,4−ジ(シクロヘキ
シルアミノ)メタン等の脂環式ジアミン類;フエニレン
ジアミン等の芳香族ジアミン;1,3−ジアミノペンタ
ン、3−メチルヘキサメチレンジアミン、1,3,3−
トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリ
メチルヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン等の側鎖を有する脂肪族ジア
ミン類;1,8−オクテンジアミン等の不飽和脂肪族ジ
アミン類などを含む1種又は2種以上のジアミン成分
と、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪
族ジカルボン酸等を含む1種又は2種以上のジカルボン
酸成分との反応により得られるポリアミド等が挙げられ
る。
【0014】樹脂(A)に該当するポリエーテルとして
は、例えば、グリコールとアセタールとの重縮合物、ア
ルデヒド類の付加重合物、環状エーテルの開環重合物
(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ビスフェノールAの環状エーテル付加物など)、環
状アセタールの開環重合物などが挙げられる。
【0015】前記ポリエステルとしては、例えば、脂肪
族ジカルボン酸又は脂環式ジカルボン酸を含むジカルボ
ン酸成分と、脂肪族ジオール又は脂環式ジオールを含む
ジオール成分との反応により得られるポリエステルなど
が挙げられる。前記ポリカーボネートとしては、脂肪族
ジオール又は脂環式ジオールを含むジオール成分から得
られるポリカーボネートなどが挙げられる。
【0016】前記ポリアリレートとしては、ビスフェノ
ール類と芳香族ジカルボン酸との重縮合物が挙げられ
る。前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環
型(環状脂肪族型)エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキ
シ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジ
ルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキ
シ樹脂などが挙げられる。
【0017】樹脂(A)は、アルコール系、アミド系、
エーテル系、硫黄系又はイミダゾリジノン系溶剤に対し
て可溶性である。なお、前記アルコール系、アミド系、
エーテル系、硫黄系又はイミダゾリジノン系溶剤には、
これらの溶剤を主成分とする(例えば、60重量%程度
以上含有する)溶剤も含まれる。前記溶剤を主成分とす
る溶剤において、前記溶剤以外の成分としては、例え
ば、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤等の
炭化水素系溶剤などが挙げられる。
【0018】樹脂(A)の、前記アルコール系、アミド
系、エーテル系、硫黄系又はイミダゾリジノン系溶剤に
対する溶解度は、溶液中の濃度として、例えば15重量
%以上、好ましくは20重量%以上である。
【0019】アルコール系溶剤としては、例えば、ベン
ジルアルコール等の芳香族アルコール;イソプロピルア
ルコール、ブタノール等の脂肪族アルコール;フルフリ
ルアルコール等の複素環式アルコールなどが挙げられ
る。アミド系溶剤としては、例えば、N−メチルピロリ
ドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド等が挙げられる。エーテル系溶剤として
は、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ブチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート等が挙げら
れる。硫黄系溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキ
シド、スルホラン等が挙げられる。また、イミダゾリジ
ノン系溶剤としては、例えば、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0020】樹脂(A)としては、特にベンジルアルコ
ール等のアルコール系溶剤、又はN−メチルピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤に
溶解するものが好ましい。
【0021】単量体成分(A′)としては、重合により
前記樹脂(A)を形成可能な1種又は2種以上の単量体
で構成でき、樹脂(A)の種類に応じて、例えば上に例
示した単量体又は2種以上の単量体の組み合わせを使用
できる。単量体成分(A′)として、複数の樹脂(A)
を形成しうる単量体成分を組み合わせて使用することも
できる。
【0022】共重合ポリアミド樹脂を得る反応には、例
えば、(i)前記エポキシ樹脂、(ii)非結晶性ポリア
ミドを形成しうる1種又は2種以上の単量体成分(例え
ば、側鎖を有する脂肪族ジアミン類を含むジアミン成分
と脂肪族ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分との組み
合わせ)などを使用する場合が多い。なお、反応には、
樹脂(A)と単量体成分(A′)のうち一方のみを用い
てもよく、両者を併用してもよい。
【0023】ポリアミド樹脂(B)としては、結晶性で
且つ前記アルコール系、アミド系、エーテル系、硫黄系
又はイミダゾリン系溶剤に対して不溶性のポリアミド樹
脂であればよく、その代表的な例として、例えば、ナイ
ロン46、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン
6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイ
ロン612、ナイロン910、ナイロン912、ナイロ
ン1010、ナイロン812、ナイロン1212など、
ラクタムの開環重合、アミノカルボン酸の重縮合、ジア
ミンとジカルボン酸の重縮合等により製造されるポリア
ミド樹脂が挙げられる。ポリアミド樹脂(B)は単独で
又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0024】ポリアミド樹脂(B)の前記溶剤(例え
ば、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、又はN
−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等
のアミド系溶剤)に対する溶解度は、溶液中の濃度とし
て、例えば15重量%未満、好ましくは10重量%以
下、さらに好ましくは3重量%以下、とりわけ1重量%
以下である。
【0025】単量体成分(B′)としては、重合により
前記ポリアミド樹脂(B)を形成可能な1種又は2種以
上の単量体で構成できる。単量体成分(B′)の代表的
な例として、例えば、カプロラクタム(ナイロン6)、
ラウリルラクタム(ナイロン12)、ジアミノブタンと
アジピン酸との組み合わせ(ナイロン46)、ヘキサメ
チレンジアミンとアジピン酸との組み合わせ(ナイロン
66)、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との組み
合わせ(ナイロン610)、ヘキサメチレンジアミンと
ドデカン二酸との組み合わせ(ナイロン612)などが
挙げられる。なお、括弧内は対応するポリアミド樹脂の
名である。単量体成分(B′)として、複数のポリアミ
ド樹脂(B)を形成しうる単量体成分を組み合わせて使
用することもできる。
【0026】共重合ポリアミド樹脂を得る反応には、結
晶性ポリアミド樹脂を形成しうる単量体成分(例えば、
カプロラクタム、ラウリルラクタム、これらの組み合わ
せなど)を用いることが多い。なお、反応には、ポリア
ミド樹脂(B)と単量体成分(B′)のうち一方のみを
用いてもよく、両者を併用してもよい。
【0027】本発明においては、前記樹脂(A)又は該
樹脂を形成しうる単量体成分(A′)と、前記ポリアミ
ド樹脂(B)又は該樹脂を形成しうる単量体成分
(B′)との比率が、前者/後者(重量比)=20/8
0〜90/10であり、好ましくは前者/後者(重量
比)=22/78〜80/20である。前記の比率が2
0/80未満の場合には、アルコールや非プロトン性極
性溶媒などのフェノール類以外の溶媒に溶解しにくく、
90/10を超える場合には、自己融着電線の接着層と
して用いた場合、接着力が不十分で、表面の滑り性が低
く、しかも表面に粘着性が発現しやすい。
【0028】なお、前記の比率は、樹脂(A)が非結晶
性のエポキシ樹脂等の場合には、前者/後者(重量比)
=20/80〜50/50程度の範囲が好ましく、樹脂
(A)が非結晶性のポリアミド樹脂等の場合には、前者
/後者(重量比)=30/70〜90/10程度の範囲
が好ましい。
【0029】本発明の共重合ポリアミド樹脂において、
ポリマー分子中での各モノマーの並び方は特に限定され
ない。すなわち、本発明の共重合ポリアミド樹脂はラン
ダム重合体、交互重合体、ブロック共重合体の何れであ
ってもよい。
【0030】本発明の共重合ポリアミド樹脂は、m−ク
レゾールを溶剤に用いて25℃粘度法で測定した相対粘
度が例えば1.0〜2.2程度の範囲であるのが好まし
く、より好ましくは1.1〜2.0程度、さらに好まし
くは1.2〜1.8程度である。
【0031】本発明の共重合ポリアミド樹脂は、非結晶
性の前記樹脂(A)又は該樹脂を形成しうる単量体成分
(A′)と、結晶性の前記ポリアミド樹脂(B)又は該
樹脂を形成しうる単量体成分(B′)とを重合させるこ
とにより得ることができる。重合は、攪拌下、好ましく
は減圧下で、副生する水等を除去しつつ行われる。重合
条件は、用いる原料によっても異なるが、一般的なポリ
アミドの製造条件を採用できる。例えば、重合温度は1
70〜290℃程度である。
【0032】こうして得られる共重合ポリアミド樹脂
は、溶剤に溶解することにより自己融着電線用の塗料
(自己融着性塗料)として使用できる。この共重合ポリ
アミド樹脂はクレゾールやフェノールなどのフェノール
類以外の溶剤、例えば、前記アルコール系溶剤、アミド
系溶剤、エーテル系溶剤、硫黄系溶剤又はイミダゾリジ
ノン系溶剤に可溶である。
【0033】自己融着性塗料中の前記共重合ポリアミド
樹脂の含有量は、用途に応じて適宜選択できるが、一般
には5〜40重量%程度である。
【0034】自己融着性塗料は、必要に応じて、架橋剤
として、エポキシ樹脂や、イソシアネート類、メラミン
樹脂および硬化触媒を含有してもよく、また、塗料の特
性改善のための添加剤として、ポリエチレンワックス、
ポリエステルワックス、金属石鹸等の滑剤や潤滑剤を含
有してもよい。また、自己融着性塗料中に、接着力の改
善のため、フェノール樹脂やフェノキシ樹脂等の改質樹
脂や無機のフィラー類を添加してもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、クレゾールやフェノー
ル等の毒性、臭気の強い溶剤系を用いることなく、アル
コール類、アミド類等の低臭気、低毒性の溶剤に溶解さ
せることができるとともに、自己融着電線の接着層を形
成した場合に、表面の滑り性が良好で、しかも表面に粘
着性が発現しない。
【0036】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。なお、相対粘度は、m−クレゾールを溶
剤に用いて25℃粘度法で測定した。また、融点はDS
C(示差走査熱量測定)により測定した。
【0037】実施例1 ラウリン酸20g、カプロラクタム300g、ラウリル
ラクタム430gを、撹拌装置、コンデンサー、窒素導
入管および熱電対を備えた反応器に入れ、窒素気流下、
オイルバスを用いて加熱し、200℃で5時間、230
℃で5時間、260℃で3時間反応させた。この反応生
成物(樹脂)は結晶性であり、相対粘度は1.31であ
った。また、この樹脂のベンジルアルコールに対する溶
解度は、1重量%以下であった。次いで、反応器を20
0℃にまで冷却し、エポキシ樹脂[油化シェルエポキシ
(株)製、商品名「エピコート1007」]250gを
加え、3時間反応させた。得られた樹脂の相対粘度は
1.69で、融点は127℃であった。この樹脂の溶媒
に対する溶解性を、ベンジルアルコール、N−メチルピ
ロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドを用いて調べ
たところ、何れの溶媒に対しても15重量%まで安定に
溶解した。なお、共重合成分のうち、「エピコート10
07」は非晶性であり、ガラス転移点78℃で、結晶部
の融点は認められなかった。また、「エピコート100
7」は、ベンジルアルコールに対して35重量%以上溶
解した。
【0038】実施例2 2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン105
g、ドデカン二酸110g、カプロラクタム32g、ラ
ウリルラクタム63gを撹拌装置、コンデンサー、窒素
導入管及び熱電対を備えた反応器に入れ、窒素気流下、
オイルバスを用いて加熱し、200℃で5時間、230
℃で5時間、270℃で3時間反応させた。この反応生
成物(樹脂)の相対粘度は1.67であり、融点は12
7℃であった。この樹脂の溶媒に対する溶解性を、ベン
ジルアルコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメ
チルホルムアミドを用いて調べたところ、何れの溶媒に
対しても20重量%まで安定に溶解した。なお、共重合
成分のうち、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジ
アミンとドデカン二酸との共重合体は非晶性であり、ガ
ラス転移点30℃で、結晶部の融点は認められなかっ
た。また、この共重合体は、ベンジルアルコールに対し
て35重量%以上溶解した。
【0039】実施例3 1,3−ジアミノペンタン105g、ドデカン二酸11
0g、カプロラクタム32g、ラウリルラクタム63g
を撹拌装置、コンデンサー、窒素導入管及び熱電対を備
えた反応器に入れ、窒素気流下、オイルバスを用いて加
熱し、200℃で5時間、230℃で5時間、270℃
で3時間反応させた。この反応生成物(樹脂)の相対粘
度は1.65であり、融点は118℃であった。この樹
脂の溶媒に対する溶解性を、ベンジルアルコール、N−
メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドを用
いて調べたところ、何れの溶媒に対しても20重量%ま
で安定に溶解した。なお、共重合成分のうち、1,3−
ジアミノペンタンとドデカン二酸との共重合体は非晶性
であり、ガラス転移点12℃で、結晶部の融点は認めら
れなかった。また、この共重合体は、ベンジルアルコー
ルに対して40重量%以上溶解した。
【0040】比較例1 カプロラクタム120g、ラウリルラクタム200g、
ヘキサメチレンジアミン58g及びアジピン酸63gを
撹拌装置、コンデンサー、窒素導入管及び熱電対を備え
た反応器に入れ、窒素気流下、オイルバスを用いて加熱
し、200℃で5時間、230℃で5時間、270℃で
3時間反応させた。この反応生成物(樹脂)の相対粘度
は1.70であり、融点は118℃であった。この樹脂
の溶媒に対する溶解性を調べた結果、ベンジルアルコー
ルに対しては10重量%まで安定に溶解したが、N−メ
チルピロリドンに対しては10重量%溶液を80℃で調
製し、室温まで冷却したところ、24時間後に白濁し
た。なお、カプロラクタムの重合体であるナイロン6、
ラウリルラクタムの重合体であるナイロン12、ヘキサ
メチレンジアミンとアジピン酸との縮重合物であるナイ
ロン66は何れも結晶性の樹脂で、融点は、それぞれ、
215℃、178℃及び250℃であった。また、ナイ
ロン6、ナイロン12、ナイロン66は、何れも、ベン
ジルアルコールに対する溶解度は1重量%以下であっ
た。
【0041】評価試験 実施例及び比較例で得られた樹脂について、以下の試験
を行った。その結果を表1に示す。
【0042】塗料安定性試験 樹脂をベンジルアルコール又はN−メチルピロリドン中
に、室温で、濃度が13重量%となるように溶解させ、
以下の基準でその安定性を評価した。 ◎:室温で1ヶ月以上安定である(沈殿が生じない)。 ○:室温で2週間以上安定である(沈殿が生じない)。 △:80℃では溶解するが、室温で沈殿する。 ×:不溶である。
【0043】接着試験 樹脂をベンジルアルコールに溶解して得られた溶液を、
有機溶媒で表面を洗浄した幅2cm、厚み0.1mm、
長さ20cmの銅板にバーコーターで塗布し、200℃
のオーブンで7分間加熱し、溶媒を除去した。形成され
た塗膜の厚みは約0.08mmであった。次いで、銅板
を塗膜が内側になるように中央で折り、塗膜同士が密着
するように重ね、小型熱プレス機で150℃、2分熱加
圧接着した。接着後、銅片を空調室に24時間放置し
た。銅片を取り出し、両方の端部を引張試験機で挟み、
5cm/minの速度で剥離試験を行い、接着性(接着
力)を評価した。
【0044】滑り性試験(摺動試験) 樹脂を熱プレスし、2mm厚の平板を作成した。次い
で、JIS K 7218 A法により、荷重0.2k
g/cm2、摺動速度1000mm/secの条件で滑
り性試験を行い、摩擦係数を求めた。なお、比較例1で
は、摩擦係数が高く、摩擦熱により摺動面が溶融した。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示されるように、本発明に相当する
実施例の共重合ポリアミド樹脂は、比較例の共重合ポリ
アミド樹脂と比較して、良好な溶剤溶解性と接着性を示
す。これは、溶剤への溶解性に優れる非結晶性の樹脂ユ
ニットと結晶性の樹脂ユニットとが適度な割合で存在す
ることにより、得られる共重合ポリアミドの溶剤溶解性
と樹脂強度の向上による接着特性とが両立できたものと
推測される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 167/00 C09D 167/00 169/00 169/00 171/00 171/00 177/00 177/00 Fターム(参考) 4J001 DA01 DB04 DB05 DC03 DC04 DC05 DC12 DC13 DC14 DC15 DC24 DC25 EA02 EA06 EA08 EA12 EB04 EB08 EB09 EC04 EC07 EC08 EC13 EC15 EC16 EC44 ED34 ED46 ED61 ED64 ED65 EE25F EE26F EE28C EE35F EE38A EE46A EE53F EE65A EE67A EE67F EE72F FB03 FB05 FC03 FC05 GE02 JA17 JA18 JB02 JB34 JB44 JB45 JC08 4J031 AA47 AA49 AA52 AA53 AA55 AB04 AC07 AD01 AD03 AD05 AF12 AF13 4J038 DB021 DB061 DB071 DB091 DB151 DB261 DB491 DD041 DF011 DF021 DF041 DF061 DH001 DH021 DH041 NA00 NA10 NA27 PB09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非結晶性で且つアルコール系、アミド
    系、エーテル系、硫黄系又はイミダゾリジノン系溶剤に
    対して可溶性の樹脂(A)又は該樹脂を形成しうる単量
    体成分(A′)と、結晶性で且つ前記溶剤に対して不溶
    性のポリアミド樹脂(B)又は該樹脂を形成しうる単量
    体成分(B′)とを、前者/後者(重量比)=20/8
    0〜90/10の比率で反応して得られる共重合ポリア
    ミド樹脂。
  2. 【請求項2】 樹脂(A)が、ポリアミド、ポリエーテ
    ル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート
    及びエポキシ樹脂からなる群より選択された少なくとも
    1種の樹脂である請求項1記載の共重合ポリアミド樹
    脂。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の共重合ポリアミド
    樹脂を含有する自己融着性塗料。
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