JP2002145861A - 立体障害n−オキシル化合物の製造方法 - Google Patents

立体障害n−オキシル化合物の製造方法

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JP2002145861A
JP2002145861A JP2001075943A JP2001075943A JP2002145861A JP 2002145861 A JP2002145861 A JP 2002145861A JP 2001075943 A JP2001075943 A JP 2001075943A JP 2001075943 A JP2001075943 A JP 2001075943A JP 2002145861 A JP2002145861 A JP 2002145861A
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JP2001075943A
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Sunao Nagai
永井  直
Hisaharu Kuboyama
久春 久保山
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、立体障害N−オキシル化合物を安
価かつ高収率で製造する方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 一般式(I)で表される立体障害二級ア
ミンをカーボネート類、ウレア類、ケイ酸、ケイ酸塩か
ら選ばれる1種以上の化合物の存在下、酸化剤によって
酸化することにより、一般式(II)で示される立体障
害N−オキシル化合物を製造する。 【化1】 【化2】 (式中、R1〜R4は同一又は相異なり低級アルキル基、
低級アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アシル
基、アロイル基を表し、Aは5〜6員環を形成するのに
必要な2価の基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン、アクリ
ロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等
の重合禁止剤、樹脂の光安定剤、酸化反応触媒、また
は、ラジカル重合調節剤として有用な立体障害N−オキ
シル化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二級アミン類の酸化による対応するN−
オキシル化合物(N−オキシラジカルまたはニトロキサ
イドともいう)の合成は公知である。例えば、R. Wint
erらは有機過酸化物を用い(ヨーロッパ特許出願公開15
7738)、Chuらは例えば酸化剤としてm-クロロ過安息香
酸を用いている(J.Org.Chem.,39,2356,2360(1947))。
これらの方法は高価な酸化剤を使用しており、工業的な
方法としては問題がある。
【0003】これに対し、過酸化水素を酸化剤として用
いる方法も種々提案されている。D.P.Youngらはタング
ステン酸塩の存在下、過酸化水素で酸化する方法を推奨
している(英国特許1199351、Tetrahedorn 20,
131, (1964) )。この方法は、数日間という長い反応時
間と触媒廃棄の問題がある。触媒として炭酸ナトリウム
を用いる場合でも、長すぎる反応時間が必要である(Do
kl.Akad.Nauk. SSSR, 261,109 (1981))。炭酸ナトリウ
ムを原料に対して触媒量(0.05〜0.3当量)使用
する場合でも、反応時間が長いことが問題である(ドイ
ツ特許4432795)。リンタングステン酸を用いる
場合には、反応時間が短縮されるが、依然として触媒廃
棄の問題が残る(例えば、R. Brieweら、Bull. Soc. Ch
im. France, 11, 3237 (1965))。
【0004】また、二酸化炭素を用いる方法(特開平8
−3136)、2価金属を少量添加する方法(特開平6
−100538)は前述の問題点を克服はしているが、
反応時間がいぜん長いという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を克服し、立体障害N−オキシル化合物を安価か
つ高収率で製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは過酸化水素を
安定化または活性化しうる添加剤を鋭意探索、検討した
結果、カーボネート類、ウレア類、ケイ酸およびケイ酸
塩に過酸化水素に影響を与え反応を加速する効果がある
ことを見出した。しかも、添加量は原料の二級アミンに
対し数mol%程度の触媒量でも効果が発現することが分か
った。
【0007】即ち、本発明は、一般式(I)で表される
立体障害二級アミンをカーボネート類、ウレア類、ケイ
酸、ケイ酸塩から選ばれる1種以上の化合物の存在下、
酸化剤によって酸化することを特徴とする一般式(I
I)で表される立体障害N−オキシル化合物の製造方法
に関するものである。
【0008】
【化3】 (上式中、R1〜R4は同一又は相異なり、低級アルキル
基、低級アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ア
シル基、または、アロイル基を表し、Aは5〜6員環を
形成するのに必要な2価の基を表す。)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を以下に具体的に説明す
る。本発明は、前記一般式(I)で表される立体障害二
級アミンを原料とする一般式(II)で表される立体障
害N−オキシル化合物の安価かつ高収率な製造方法であ
る。
【0010】一般式(I)および(II)において、R
1〜R4は同一であっても、異なっていてもよく、それぞ
れ、低級アルキル基、低級アルケニル基、アラルキル
基、アリール基、アシル基、または、アロイル基を表
し、Aは5〜6員環を形成するのに必要な2価の基を表
す。
【0011】5〜6員環を形成するのに必要な2価の基
Aとは、下記のいずれかの基を表す。
【0012】−CHXCHY(CHZ)n− −COCH2(CH2n− −CH2COCH2− 〔上式中、X、Y、Zは同一又は相異なり、水素原子、
ハロゲン原子、アミノ基、または−OR5基{R5は水素
原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、アラルキル
基、アリール基、または、−C(=O)R6基(但し、
6は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、
アラルキル基、または、アリール基を表す)を表す}を
表し、nは0または1を表す。〕 本願において、低級アルキル基としては、直鎖、分岐ま
たは環状の炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、
n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチ
ル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル
基、n-へキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0013】低級アルケニル基としては、直鎖または分
岐の炭素数2〜6のアルケニル基であり、例えば、ビニ
ル基、アリル基、イソプロペニル基、4-ペンテニル基、
5-ヘキセニル基等が挙げられる。
【0014】アラルキル基としては、例えば、ベンジル
基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、フェニルプロピ
ル基等が挙げられる。
【0015】アリール基およびアロイル基のアリール部
分としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げ
られる。
【0016】アシル基としては、例えば、ホルミル基、
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレイル
基、ピバロイル基等が挙げられる。
【0017】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素またはヨウ素が挙げられる。
【0018】これらの中で、R1〜R4としては、低級ア
ルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が好まし
い。
【0019】また、基Aとしては、−CH2CH(O
H)CH2−、−CH2CH(NH2)CH2−、−CH2
CH2CH2−、−CH2COCH2−が好ましく、中でも
−CH2CH(OH)CH2−が好ましい。
【0020】一般式(I)で表される化合物として、具
体的には、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン
が好ましい。
【0021】本発明の製造方法では、反応はカーボネー
ト類、ウレア類、ケイ酸、ケイ酸塩から選ばれる1種以
上の化合物の存在下に行われる。反応系に共存させるカ
ーボネート類はカーボネート類ならばどのようなもので
も良いが、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、ジ-n-プロピルカーボネート、ジイソプロピ
ルカーボネート、ジ-n-ブチルカーボネート、ジイソブ
チルカーボネート、ビス(2-メチルアリル)カーボネー
ト、アリルメチルカーボネート、メチルイソプロピルカ
ーボネート、ジ-n-オクチルカーボネート、ジ(2-メト
キシメチルエチル)カーボネート、ジ(2-エトキシエチ
ル)カーボネート等の鎖状カーボネート類、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボ
ネート、クロロエチレンカーボネート、ジクロロエチレ
ンカーボネート、1,3-ジオキサン-2-オン等の環状カー
ボネート類、ジメチルジカーボネート、ジエチルジカー
ボネート、ジ-tert-ブチルジカーボネート、ジ-tert-ア
ミルジカーボネート、ジアリルジカーボネート等のジカ
ーボネート類を挙げることができる。コスト上の理由か
らジメチルカーボネートが好ましい。
【0022】反応系に共存させるウレア類はウレア類な
らばどのようなものでも良いが、例えばウレア、メチル
ウレア、1,3-ジメチルウレア、1,1-ジメチルウレア、1,
1,3,3,-テトラメチルウレア、エチルウレア、1,2-ジエ
チルウレア、1,3-ジエチルウレア、n-ブチルウレア、ア
リルウレア、1,3-ジアリルウレア、1,3-ジシクロヘキシ
ルウレア等の鎖状ウレア類、2-イミダゾリドン、1,3-ジ
メチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジアシル-2-イミダゾ
リジノン、テトラヒドロ-2-ピリミドン等の環状ウレア
類を挙げることができる。効果の点から1,1,3,3,-テト
ラメチルウレア、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンが
好ましい。反応系に共存させるケイ酸としては、ケイ酸
ならばどのようなものでも良いが、例えば、無水ケイ
酸、ケイ酸n水和物、シリカゲル、コロイダルシリカ等
を挙げることができる。コスト上の理由からケイ酸n水
和物が好ましい。
【0023】反応系に共存させるケイ酸塩としては、ケ
イ酸塩ならばどのようなものでも良いが、例えば、ケイ
酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム(水和物)、オル
ソケイ酸ナトリウム、ジケイ酸ナトリウム、トリケイ酸
ナトリウム、ケイ酸リチウム、オルソケイ酸リチウム、
ケイ酸カリウム、ケイ酸セシウム、ケイ酸ジルコニウ
ム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸銅、ケイ酸コバルト、
ケイ酸鉛、ケイ酸チタン、ケイ酸マンガン、ケイ酸モリ
ブデン、ケイ酸ベリリウム、ケイ酸ナトリウムアルミニ
ウム、ケイ酸リチウムアルミニウム、ケイ酸リチウムジ
ルコニウム、ケイ酸テトラメチルアンモニウム等を挙げ
ることができる。経済性、効果の点からナトリウム塩、
特にケイ酸ナトリウムが好ましい。
【0024】これらのカーボネート類、ウレア類、ケイ
酸、ケイ酸塩は単独で使用しても良いし2種類以上を混
合して使用しても良い。カーボネート類、ウレア類、ケ
イ酸、ケイ酸塩の使用量は原料の二級アミンに対し、
0.01モル%〜1000モル%、好ましくは0.11
モル%〜100モル%、さらに好ましくは1モル%〜5
0モル%である。
【0025】本発明においては、反応の際に、溶媒を用
いてもよい。反応に用いる溶媒としては、水、または、
水溶性で酸化反応に不活性な有機溶媒である。有機溶媒
としては、例えば、メタノール、エタノール、n−また
はイソ−プロパノール、n−、イソ−または第三−ブタ
ノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
エチレンジグリコール、プロピレンジグリコール、アル
キルグリコールエーテル等が挙げられる。これらの溶媒
は単独で、または混合して用いられる。特に有利な溶剤
は、経済的理由から、水、メタノール、エタノール、ま
たは、イソプロパノールである。溶剤の使用量は、原料
の0.5〜20重量倍、好ましくは、0.8〜10重量
倍、さらに好ましくは1〜5重量倍である。
【0026】本発明において、反応に用いる酸化剤とし
ては原料の2級アミンを酸化してN−オキシルに変換し
うるものならばどのようなものでもよいが、例えば過酸
化水素、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイ
ソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパー
オキサイド等のケトンパーオキサイド類、アセチルパー
オキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド等のアシルパーオキサイド類、t−ブチ
ルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルヒドロパーオキサイド類等のヒドロ
パーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート等
のアルキルパーエステル類、過ギ酸、過酢酸、m−クロ
ロ過安息香酸等の過酸類を挙げることができる。これら
の酸化剤の中で反応性と経済性から過酸化水素が好まし
い。
【0027】過酸化水素としては、どのような濃度のも
のでもかまわないが、安全性と反応性を考えて、3〜9
0重量%、好ましくは5〜70重量%水溶液、さらに好
ましくは10〜50重量%水溶液である。使用量として
は、原料に対して化学量論量(1.5当量)以上ならば
いずれでもよいが、化学量論量の5〜50%過剰が好ま
しい。
【0028】反応は、例えば、次のように行う。まず、
原料の二級アミンと、カーボネート類、ウレア類、ケイ
酸、ケイ酸塩から選ばれる1種以上の化合物およびイオ
ン交換水を導入し、反応温度を10〜100℃、好まし
くは30〜90℃、さらに好ましくは50〜80℃に調
整する。反応の開始剤として、目的とするN−オキシル
化合物を触媒量反応初期に添加してもよい。酸化剤を選
択された時間で滴下した後、選択された温度で、更に1
〜24時間撹拌する。反応圧力は常圧、加圧のいずれで
もよい。反応の経過は、ガスクロマトグラフィー(G
C)により確認する。
【0029】反応終了後、残存する過剰の過酸化水素
は、触媒量のプラチナ−活性炭またはパラジウム−活性
炭を用いて分解してもよく、あるいは、水酸化ナトリウ
ム等の塩基を用いて反応溶液のpHを11以上にして加
熱撹拌により分解してもよい。あるいは、亜硫酸ナトリ
ウムを添加して、塩基性条件下で分解してもよい。反応
により生成したN−オキシル化合物は、有機溶媒により
抽出するか、あるいは、反応後、油層(N−オキシル
層)が2層分離する場合は、それを分離し精製してもよ
い。
【0030】抽出に用いる溶媒としては、有機物を抽出
可能なものならばどのようなものでもよく、例えば、塩
化メチレン、クロロホルムに代表されるハロゲン化炭化
水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(TH
F)に代表されるエーテル類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼンに代表される芳香族化合物、酢
酸エチルで代表されるエステル類などの不活性な有機溶
媒が挙げられる。これらは単独で、または混合して用い
てもよい。
【0031】有機溶媒による抽出方法は、原料液に対
し、0.01〜100倍、好ましくは0.1〜10倍の
体積の有機溶媒を加え、0℃〜100℃で撹拌した後、
油層を分離する。撹拌時間は特に限定されるものではな
いが、通常0.5〜5時間の範囲である。
【0032】抽出したN−オキシル化合物は、場合によ
っては、抽出溶媒の溶液のまま用いることもでき、ま
た、溶媒を留去する等の処理により得られた固体を用い
ることもできる。
【0033】精製を必要とする場合は、再結晶等により
容易に純度を上げることができる。再結晶に用いる溶媒
としては、不活性な溶媒であればいずれでも良いが、例
えば、水、ペンタン、ヘキサン又はヘプタン等の炭化水
素類、トルエン、キシレン又はエチルベンゼン等の芳香
族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール
又はブタノール等のアルコール類が挙げられる。これら
の溶媒は単独で、または混合して用いてもよい。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実
施例に何ら限定されるものではない。
【0035】<実施例1> (反応) 300mL 4口フラスコに、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-
テトラメチルピペリジン(以下、4-ヒドロキシTEMP
と略す)50.0g(318mmol)、イオン交換水50m
l、ジメチル カーボネート(DMC)1.43g(1
5.9mmol、原料に対し5mol%)を加え撹拌しながら65
℃まで昇温した。35%過酸化水素水65g(669mmo
l)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、内温68℃
で2.5時間撹拌した。室温まで冷却後、GC(内標シ゛
フェニルエーテル)で反応成績を定量したところ、原料4-ヒドロ
キシTEMPの転化率98.3%、目的物の4-ヒドロキ
シ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン N-オキシル(以
下、4−ヒドロキシTEMP−N−オキシルと略す)の
収率97.3%、選択率99.0%であった。
【0036】(単離精製)反応溶液に48%水酸化ナト
リウム水溶液を加えpHを12にした後、60℃で2時
間撹拌し、余剰の過酸化水素を分解した。室温まで冷却
後、酸を用いて反応溶液を中和した。反応溶液に飽和す
るまで食塩を加えた後、トルエンで二度抽出を行った。
トルエン溶液に撹拌しながらヘキサンを添加することに
より4-ヒドロキシTEMP−N−オキシルを晶析させ
た。結晶をろ取、ヘキサンで洗浄後、室温で減圧下乾燥
(1.3hPa)を3時間行った。4-ヒドロキシTEMP−N
−オキシルの橙色結晶を47.3g(GC純度99.6
%、273mmol、単離収率86%、融点71.5〜72.
0℃(Aldrich catalog, mp=69〜71℃))得た。
【0037】<実施例2〜11>ジメチルカーボネート
の使用量または添加剤の種類を変更した以外は実施例1
と同様に反応を行った。結果を表1に示した。
【0038】
【表1】 <実施例12> (反応)300mL4口フラスコに、4−ヒドロキシT
EMP50.0g(318mmol)、イオン交換水50ml、
ケイ酸ナトリウム0.65g(10.7mmol、原料に対し3.
3mol%)を加え、撹拌しながら65℃まで昇温した。35
%過酸化水素水65g(669mmol)を1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、内温65℃で4.5時間撹拌した。室
温まで冷却後、GC(内標、ジフェニルエーテル)で反
応成績を定量したところ、原料4−ヒドロキシTEMP
の転化率97.5%、目的物の4−ヒドロキシTEMP
−N−オキシルの収率95.0%、選択率97.5%で
あった。
【0039】(単離精製)反応溶液に、48%水酸化ナ
トリウム水溶液を加え、pHを12にした後、60℃で
2時間撹拌し、余剰の過酸化水素を分解した。室温まで
冷却後、希塩酸を用いて反応溶液を中和した。反応溶液
に飽和するまで食塩を加えた後、トルエン100mlで
2度抽出を行った。撹拌しながらトルエン溶液に、ヘキ
サンを添加することにより4−ヒドロキシTEMP−N
−オキシルを晶析させた。結晶をろ取した後、ヘキサン
で洗浄し、減圧(1.3hPa)下、室温で3時間乾燥を行
い、4−ヒドロキシTEMP−N−オキシルの橙色結晶
を、46.7g〔GC純度99.6%(270.3mmol)、単
離収率85%〕得た。 融点71.5〜72.0℃(Aldrichカタログ、mp=
69〜71℃) <実施例13〜22>実施例12において、ケイ酸ナト
リウムの使用量、添加物の種類、反応時間を、表2に示
したように変更した以外は、実施例12と同様に反応を
行った。結果を表2にまとめて示した。
【0040】
【表2】 <実施例23> (反応)300mL4口フラスコに、4−ヒドロキシT
EMP50.0g(318mmol)、イオン交換水50ml、
ケイ酸ナトリウム0.65g(10.7mmol、原料に対し3.
3mol%)を加え、撹拌しながら75℃まで昇温した。35
%過酸化水素水65g(669mmol)を0.5時間かけて滴
下した。滴下終了後、内温75℃で3時間撹拌した。室
温まで冷却後、GC(内標、ジフェニルエーテル)で反
応成績を定量したところ、原料4−ヒドロキシTEMP
の転化率99%、目的物の4−ヒドロキシTEMP−N
−オキシルの収率97%、選択率98%であった。
【0041】(単離精製)反応溶液に、48%水酸化ナ
トリウム水溶液を加え、pHを12にした後、65℃で
3時間撹拌し、余剰の過酸化水素を分解した。室温まで
冷却後、希塩酸を用いて反応溶液を中和した。反応溶液
に飽和するまで食塩を加えた後、トルエン50mlで抽
出を行った後、更にトルエン25mlで2度抽出を行っ
た。得られたトルエン溶液を減圧濃縮(トルエンを35
ml留去)した後、撹拌しながら5℃に冷却した。得ら
れた結晶を室温で減圧乾燥することにより4−ヒドロキ
シTEMP−N−オキシルが47.4g〔GC純度99.
4%(273.7mmol)、単離収率86%〕得た。晶析母液
には4−ヒドロキシTEMP−N−オキシルが21.1
mmol、原料の4−ヒドロキシTEMPが0.4mm
ol含まれていた。この晶析母液は次回の晶析時にリサ
イクル使用可能であった。
【0042】<比較例1>実施例12において、ケイ酸
ナトリウムを使用しないこと以外は、実施例12と同様
の方法で反応を行った。その結果、4−ヒドロキシTE
MPの転化率51.6%、4−ヒドロキシTEMP−N
−オキシルの反応収率42.6%、選択率82.7%で
あった。
【0043】<比較例2>ケイ酸ナトリウムの代わりに
炭酸ナトリウム(原料に対し10mol%)を使用した
以外は実施例12と同様の方法で反応を行った。その結
果、4-ヒドロキシTEMPの転化率78.7%、4-ヒド
ロキシTEMP−N−オキシルの反応収率77.3%、
選択率98.2%であった。
【0044】
【発明の効果】本発明により、スチレン、アクリルニト
リル、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等の重合
禁止剤または樹脂の光安定剤として有用な立体障害N−
オキシル化合物を安価かつ高収率で製造することが可能
になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C054 AA02 BB03 CC07 DD04 DD08 EE01 FF01 4H039 CA72 CC60 4J011 NA02 NB01 NB03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1〜R4は同一又は相異なり、低級アルキル
    基、低級アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ア
    シル基、または、アロイル基を表し、Aは5〜6員環を
    形成するのに必要な2価の基を表す。)で表される立体
    障害二級アミンを、カーボネート類、ウレア類、ケイ
    酸、ケイ酸塩から選ばれる1種以上の化合物の存在下、
    酸化剤によって酸化することを特徴とする一般式(I
    I) 【化2】 (式中、R1〜R4およびAは前記と同義である。)で表
    される立体障害N−オキシル化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 用いる酸化剤が過酸化水素である請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 用いるケイ酸塩が、ケイ酸ナトリウムで
    ある請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 用いるカーボネート類がジメチルカーボ
    ネートである請求項1または2記載の方法。
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