JP2002144904A - 4輪駆動車の動力伝達装置 - Google Patents
4輪駆動車の動力伝達装置Info
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Abstract
載性が良好な4輪駆動車の動力伝達装置を提供する。 【解決手段】 横置きエンジン1に連結したトランスミ
ッション2からの駆動力を、エンジン1の後方に配設し
たトランスファ3を介して前後輪に分配する4輪駆動車
の動力伝達装置において、トランスファ3は、駆動力の
伝達方向を変向する一対の変向歯車30,31と、変向
歯車30,31によって変向されたピニオンシャフト3
1aの軸芯を平行に変位する第1,第2の歯車32,3
3と、第2の歯車33に回動自在に挿通され後輪側に駆
動力を伝達可能な出力軸35と、を備え、第2の歯車3
3と出力軸35とを接離自在に締結する電磁クラッチ8
を第2の歯車33の軸芯上であって第2の歯車33より
もエンジン1側に配設する。
Description
エンジンに接続されたトランスミッションから出力され
る駆動力を前輪側と後輪側とへ分配する4輪駆動車の動
力伝達装置に関する。
クラッチによって後輪側への駆動力の配分を制御するも
のがある。ところで、エンジンが横置き配置された4輪
駆動車においては、例えば実開平7−14229号公報
に開示されているように、電磁クラッチを車体後方のリ
ヤドライブピニオンシャフト上に配設することが一般的
である。
配設すると、電磁クラッチのハーネス類の長大化を招
き、構造が複雑化する虞がある。すなわち、電磁クラッ
チの制御ユニットは、エンジンやトランスミッション等
の近傍で(車体前方で)エンジン制御ユニットやトラン
スミッション制御ユニット等と一体に、或いは、近接し
て配設されることが望ましいが、車体前方に電磁クラッ
チの制御ユニットを配設した場合には、電磁クラッチと
制御ユニットとの接続を長大なハーネス類を介して行う
必要があり、ハーネス類の保護等の構造が複雑化する虞
がある。
ブ軸の軸線上或いは変向歯車のピニオンシャフトの軸線
上に配置することで車体前方に配設することも考えられ
る。
ラッチを前輪ドライブ軸の軸線上に配設すると、トラン
スファ内における差動装置の配設位置が制限されるばか
りか、車体の骨格構造等によっては、車軸方向に大型化
したトランスファによって車載性が低下する場合があ
る。
軸の軸線上に配設すると、トランスファが前後に大型化
する。そして、このような場合、一般に、大径の電磁ク
ラッチがステアリングギヤボックスや車体骨格構造(ク
ロスメンバ等)等の上方或いは下方で交差することとな
り、これらの部材と電磁クラッチとの相対的な位置関係
を良好に保つために、ステアリングギヤボックスの位置
を変更したりクロスメンバ等を湾曲させたりすると、車
体構造の複雑化や車種の増加等を引き起こす場合があ
る。また、大径の電磁クラッチをステアリングギヤボッ
クスやクロスメンバ等の上方や下方で交差させること
は、車室内空間の縮小や車両の最低地上高の低下を引き
起こす場合がある。
で、コンパクトに構成することができ、且つ、車載性が
良好な4輪駆動車の動力伝達装置を提供することを目的
とする。
め、請求項1記載の発明による4輪駆動車の動力伝達装
置は、横置き配置のフロントエンジンに連結したトラン
スミッションからの駆動力を、上記エンジンの後方に配
設したトランスファを介して前後輪に分配する4輪駆動
車の動力伝達装置において、上記トランスファは、駆動
力の伝達方向を変向する一対の変向歯車と、この変向歯
車によって変向された駆動力の伝達軸部上に設けられた
第1の歯車と、この第1の歯車に噛合され上記伝達軸部
の軸芯を平行に変位させる第2の歯車と、上記第2の歯
車の歯車軸軸芯に回動自在に挿通されプロペラシャフト
に駆動力を伝達可能な出力軸と、上記第2の歯車の歯車
軸と上記出力軸との間の伝達トルクを制御可能な電磁ク
ラッチと、を備え、上記電磁クラッチを上記第2の歯車
の軸芯上であって該第2の歯車よりもエンジン側に配設
したことを特徴とする。
車の動力伝達装置は、請求項1記載の発明において、上
記トランスファのトランスファケース内に、上記電磁ク
ラッチを収納する電磁クラッチ収納室を独立して備え、
この電磁クラッチ収納室と他の部材を収納する収納室と
の液密分離は、上記電磁クラッチ収納室内に延設した上
記第2の歯車の歯車軸外周にシール部材を摺接して行う
ことを特徴とする。
施の形態を説明する。図面は本発明の実施の一形態に係
わり、図1はトランスファの要部断面図、図2は歯車機
構部及び電磁クラッチのスケルトン図、図3はクラッチ
室の要部拡大断面図、図4はトランスファ出力軸とステ
アリングギヤボックス及びクロスメンバとの位置関係を
示す側面図、図5はトランスファ出力軸とステアリング
ギヤボックス及びクロスメンバとの他の位置関係を示す
側面図、図6はトランスファ出力軸とステアリングギヤ
ボックス及びクロスメンバとの他の位置関係を示すスケ
ルトン図、である。
ンジンルームに横置き配置されたエンジンを示す。この
エンジン1の左側部にはトランスミッション2が接合さ
れ、このトランスミッション2の後部にはトランスファ
3が一体的に設けられている。そして、エンジン1から
出力される駆動力は、トランスミッション2で所定に変
速された後、トランスファ3によって前輪側と後輪側と
に分配されるようになっている。ここで、図示のよう
に、トランスファ3は、トランスミッション2の後方
で、エンジン1側にオフセットして配置されている。
と、トランスファ3は、トランスミッション2からの駆
動力を前輪側に伝達するフロントディファレンシャル装
置5と、このフロントディファレンシャル装置5のディ
ファレンシャルケース6に伝達された駆動力を後輪側に
分配する歯車機構部7と、後輪側への駆動力の配分を走
行状態や路面状態等に応じて連続的に可変制御する電磁
クラッチ8と、を備え、これらがトランスファケース9
内に設けられたディファレンシャル収納室10、歯車収
納室11、及び、電磁クラッチ収納室12にそれぞれ収
納されて要部が構成されている。
置5は、ディファレンシャルケース6外周にファイナル
ギヤ17を備え、このファイナルギヤ17が、トランス
ミッション2の出力軸15に固設されたドライブギヤ1
6に噛合されている。
ベルギヤ式のディファレンシャル装置であり、ディファ
レンシャルケース6内に固設されたピニオンシャフト2
0に回動自在に軸支された一対のディファレンシャルピ
ニオン21,21と、これらディファレンシャルピニオ
ン21,21に噛合された左右のサイドギヤ22L,2
2Rとを備えて構成されている。そして、ディファレン
シャルケース6からディファレンシャルピニオン21,
21を介してサイドギヤ22L,22Rに伝達された駆
動力は、ディファレンシャルケース6左右の筒部26
L,26Rに挿通されサイドギヤ22L,22Rにスプ
ライン嵌合された左右前輪ドライブ軸25L,25Rを
介して左右前輪に伝達されるようになっている。
筒部26Rは、歯車収納室11内部まで延設され、この
延設された右側筒部26Rを介して歯車機構部7に駆動
力が伝達されるようになっている。
ンスミッション2のケースに保持されたオイルシール2
7が摺接され、このオイルシール27によって、ディフ
ァレンシャル収納室10内と歯車収納室11内との液密
が保たれている。なお、フロントディファレンシャル装
置5を潤滑する潤滑油と歯車機構部7を潤滑する潤滑油
とが同一の潤滑油である場合には、オイルシール27を
省略してもよい。
ハイポイドギヤで構成された一対の変向歯車(第1,第
2の変向歯車)30,31と、ヘリカルギヤで構成され
た一対の歯車(第1,第2の歯車)32,33と、を備
えて構成されている。
にスプライン嵌合された中空のトランスファ軸34に固
設されるもので、この第1の変向歯車30には第2の変
向歯車31が噛合されている。
としてのピニオンシャフト31aが一体形成され、この
ピニオンシャフト31aには第1の歯車32がスプライ
ン嵌合されている。
32の右側で、第2の歯車33が噛合されている。
成され、この中空の歯車軸33aには、出力軸35が回
動自在に挿通されている。
2の歯車33と接離自在に締結されるもので、電磁クラ
ッチ8が締結されると、第2の歯車33に伝達された駆
動力は出力軸35に伝達され、出力軸35にスプライン
嵌合されたプロペラシャフト37(図4参照)を介して
リヤディファレンシャル装置(図示せず)に伝達される
ようになっている。
ラッチ収納室12は、第2の歯車33よりもエンジン1
側であって出力軸35の軸芯上に配設されるもので、図
3に示すように、電磁クラッチ収納室12内には、歯車
軸33a及び出力軸35の端部が延設されている。
ース9に保持された、シール部材としての一対のオイル
シール36,36が摺接されている(図3参照)。これ
らのオイルシール36,36は、そのシール方向が互い
に逆方向となるように並設され、これによって、歯車収
納室11と電磁クラッチ収納室12との間の液密が保た
れている。
軸33aにはクラッチドラム40が固設され、出力軸3
5には電磁クラッチ8のクラッチハブ41が一体形成さ
れている。
に対向された第1の円筒部40aと、この第1の円筒部
40aの前部に連結された第2の円筒部40bとを備え
て構成されている。第1の円筒部40aとクラッチハブ
41との間には、多板式のメインクラッチ43が配設さ
れている。メインクラッチ43の後部には、第1の円筒
部40aにスプライン結合された後部壁部材45が配設
され、この後部壁部材45がスナップリング46に係止
されてメインクラッチ43の後方への移動が規制されて
いる。
が配設され、クラッチハブ41の前部で出力軸35にス
プライン結合されている。また、押圧部47の前方には
カムリング50が配置され、これら押圧部47とカムリ
ング50との間にボールカム51が設けられている。さ
らに、カムリング50の前方には前部壁部材52が対向
され、第2の円筒部40bに溶着等によって固着されて
いる。そして、カムリング50がベアリング53とワッ
シャ54とを介して前部壁部材52に当接されること
で、カムリング50の前方への移動が規制されている。
0との間には多板式のパイロットクラッチ55が配設さ
れている。パイロットクラッチ55の後部には、第2の
円筒部材40bにスプライン結合されたアーマチャ56
が配設され、このアーマチャ56がスナップリング57
に係止されてパイロットクラッチ55の後方への移動が
規制されている。
て、トランスファケース9にはリング状の電磁石60が
固設されており、この電磁石60に出力軸35の端部が
ベアリング61を介して支承されている。また、前部壁
部材52には電磁石60の磁束の短絡を防いでアーマチ
ャ56に導くステンレス鋼のリング63が配設されてい
る。
電を制御して電磁クラッチ8の締結/開放を制御する電
磁クラッチ制御ユニットは、エンジン制御ユニットやト
ランスミッション制御ユニット等とともにエンジン1後
部の間隙等に配設されている。
ファレンシャル収納室10や歯車収納室11とは異なる
潤滑油が用いられ、電磁クラッチ8を独立して潤滑す
る。
ンスミッション2の出力軸15からファイナルギヤ17
を介してディファレンシャルケース6に伝達された駆動
力は、ピニオンシャフト20、ディファレンシャルピニ
オン21,21,サイドギヤ22L,22R、及び、ド
ライブ軸25L,25Rを介して左右前輪に伝達され
る。
された駆動力は、筒部26Rに伝達され、筒部26Rに
伝達された駆動力はトランスファ軸34に伝達される。
このトランスファ軸34に伝達された駆動力は、第1,
第2の変向歯車30,31を介してその伝達方向が90
度変向された後、ピニオンシャフト31aに伝達され
る。さらに、ピニオンシャフト31aに伝達された駆動
力は、第1,第2の歯車32,33を介して右側に平行
に変位された後、歯車軸33aに伝達される。そして、
歯車軸33aに伝達された駆動力は、電磁クラッチ8が
締結された際に出力軸35に伝達され、プロペラシャフ
ト37を介して後輪側へと伝達される。ここで、電磁ク
ラッチ8の締結は、電磁石60によるアーマチャ56の
吸引によってパイロットクラッチ55が締結され、パイ
ロットクラッチ55の締結によって歯車軸33aの駆動
力がボールカム51に掛かり、カムスラスト力により押
圧部47を介してメインクラッチ43が押圧されて締結
されることにより実現する。
変向歯車30,31によって変向された駆動力を後輪側
に伝達するピニオンシャフト31aの軸芯を、第1,第
2の歯車32,33を介して平行に変位させ、変位され
た第2の歯車33の軸芯上であって第2の歯車33より
もエンジン1側の間隙に電磁クラッチ8を配設すること
により、トランスファ3の大型化を招くことなく電磁ク
ラッチ8を車体前方に配置することが可能となる。
介してピニオンシャフト31aの軸芯を平行に変位させ
ることにより、電磁クラッチ8をエンジン1と歯車機構
部7との間隙に配設することが可能となり、電磁クラッ
チ8を前輪ドライブ軸25L,25Rの軸芯上やピニオ
ンシャフト31aの軸芯上に配設する必要がなくなる。
従って、トランスファ3をコンパクトに構成することが
でき、車載性を良好なものとすることができる。
31aの軸芯上に配設する必要がないため、車体前方の
左右方向に配設されるステアリングギヤボックス70や
車体のクロスメンバ71等の上下で電磁クラッチ8が交
差することを防止でき(図4参照)、車載性を良好なも
のとすることができる。換言すれば、ステアリングギヤ
ボックス70の位置を変更したりクロスメンバ71を湾
曲させたりすることなくこれらの部材と電磁クラッチ8
との相対的な位置関係を良好に保つことができるので、
単純な車体構造で衝突安全性の確保等を容易に実現する
ことができる。また、電磁クラッチ8をステアリングギ
ヤボックス70やクロスメンバ71等と交差させる必要
がないため、車室内空間や車両の最低地上高等を十分に
確保することができる。
チ8を配設することは、電磁クラッチ制御ユニットの配
置や、この電磁クラッチ制御ユニットと電磁クラッチ8
との接続等の点で有利となる。すなわち、電磁クラッチ
8を車体前方に配設することにより、電磁クラッチ8と
電磁クラッチ制御ユニットとを接続するハーネス類等を
長大化させることなく、電磁クラッチ制御ユニットを、
車体前方に配設されたエンジン制御ユニットやトランス
ミッション制御ユニット等と一体にあるいは近接させて
設けることができる。この場合特に、電磁クラッチ制御
ユニットをエンジン制御ユニットやトランスミッション
制御ユニット等と一体のユニットとして構成し、エンジ
ン1後部の間隙に配設することにより、特別な保護部材
等を新たに設けることなく各制御ユニットを効果的に保
護することができる。
変向歯車30,31に加え、少なくとも一対の歯車3
2,33を介して行われるので、後輪側のギヤ比の設定
が容易なものとなる。従って、エンジンや車体緒元が異
なる各種のバリエーションに対する前後輪間のギヤ比の
設定等が容易となる。
りもエンジン1側に配設することにより、電磁クラッチ
収納室12を液密に独立して構成することが容易とな
る。すなわち、電磁クラッチ8を第2の歯車33よりも
エンジン1側に配設し、この電磁クラッチ8を、歯車軸
33aの一端側と、この歯車軸33aに挿通された出力
軸35の一端側とに連結することにより、電磁クラッチ
収納室12を液密に形成する際の回転部位のシールを歯
車軸33aの周部のみとすることができる。
て、電磁クラッチ収納室12内の潤滑油を、他の収納室
(ディファレンシャル収納室10,歯車収納室11)内
の潤滑油とは異なる特性のものとすることにより、電磁
クラッチ8の特性を最大限に引き出すことができる。
車32,33を介して出力軸35の軸芯を右側に変位さ
せた一例について説明したが、本発明はこれに限られる
ものではなく、出力軸35の軸芯の変位は、ピニオンシ
ャフト31aの軸周のどの位置に設定してもよい。すな
わち、車体骨格のバリエーションやステアリングギヤボ
ックスの位置等に応じて、例えば、図5に示すように出
力軸35の軸芯を上方に変位させてもよいし、図6に示
すように出力軸35の軸芯を下方に変位させてもよい。
対の変向歯車によって変向された伝達軸部の軸芯を、該
伝達軸部上に設けられた第1の歯車と、この第1の歯車
に噛合された第2の歯車とを介して平行に変位し、上記
第2の歯車の歯車軸とこの第2の歯車の軸芯に回動自在
に挿通されプロペラシャフトに駆動力を伝達可能な出力
軸とを接離自在に締結する電磁クラッチを、上記第2の
歯車の軸芯上であって該第2の歯車よりもエンジン側に
配設したので、コンパクトで車載性が良好な4輪駆動車
の動力伝達装置を提供することができる。
ス及びクロスメンバとの位置関係を示す側面図
ス及びクロスメンバとの他の位置関係を示す側面図
ス及びクロスメンバとの他の位置関係を示すスケルトン
図
Claims (2)
- 【請求項1】 横置き配置のフロントエンジンに連結し
たトランスミッションからの駆動力を、上記エンジンの
後方に配設したトランスファを介して前後輪に分配する
4輪駆動車の動力伝達装置において、 上記トランスファは、駆動力の伝達方向を変向する一対
の変向歯車と、 この変向歯車によって変向された駆動力の伝達軸部上に
設けられた第1の歯車と、 この第1の歯車に噛合され上記伝達軸部の軸芯を平行に
変位させる第2の歯車と、 上記第2の歯車の歯車軸軸芯に回動自在に挿通されプロ
ペラシャフトに駆動力を伝達可能な出力軸と、 上記第2の歯車の歯車軸と上記出力軸との間の伝達トル
クを制御可能な電磁クラッチと、を備え、 上記電磁クラッチを上記第2の歯車の軸芯上であって該
第2の歯車よりもエンジン側に配設したことを特徴とす
る4輪駆動車の動力伝達装置。 - 【請求項2】 上記トランスファのトランスファケース
内に、上記電磁クラッチを収納する電磁クラッチ収納室
を独立して備え、この電磁クラッチ収納室と他の部材を
収納する収納室との液密分離は、上記電磁クラッチ収納
室内に延設した上記第2の歯車の歯車軸外周にシール部
材を摺接して行うことを特徴とする請求項1に記載の4
輪駆動車の動力伝達装置。
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