JP2002143125A - 磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージングのスキャン同期方法 - Google Patents
磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージングのスキャン同期方法Info
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Abstract
ブラッド法において、心拍周期に周期毎の変動が在る場
合でも、心周期の収縮期の画像を確実に撮像する。 【解決手段】ダブルインバージョンパルスDIVと撮像
パルス列SEQimaとから成るブラックブラッド法の
パルスシーケンスを用いる。このシーケンスは撮像対象
のECG信号に同期して印加され、磁気共鳴イメージン
グが行われる。ECG信号のあるタイミングで現れるR
波:R1に第1の遅延時間td1(固定値)で同期させ
てダブルインバージョンパルスDIVが印加され、次の
R波:R2に第2の遅延時間td2(固定値:収縮期に
合わせる)で同期させて撮像パルス列SEQimaが印
加される。心周期の変動は反転時間BBTIで吸収され
る。
Description
づいて撮像対象の内部を画像化する磁気共鳴イメージン
グ(MRI)に係り、とくに、ブラックブラッド法と呼
ばれるMRイメージングに関する。
気共鳴イメージングが多用されている。この磁気共鳴イ
メージングは、静磁場中に置かれた撮像対象の原子核ス
ピンをそのラーモア周波数の高周波信号で磁気的に励起
し、この励起に伴って発生するMR信号から撮像対象内
部の画像を再構成する撮像法である。磁気共鳴イメージ
ングには各種のタイプのものが在り、磁気的励起及び信
号収集に用いるパルスシーケンスに拠っても、そのタイ
プは分かれる。
グの場合、血液の拍動の影響に因り、再構成後の画像上
で血流の多い部分から位相エンコード方向に向かってゴ
ースト状のアーチファクト(血流アーチファクト)が生
じ易い。このアーチファクトを抑制するため、RF励起
とエコー収集とを心電図波形に同期させる心電同期撮像
法が一般に用いられている。これにより、各ショット
(励起)毎のエコー信号の変動を抑制でき、前述の血流
アーチファクトを低減することができる。
t al., Fast selective bla
ck blood MR imaging, Radi
ology 1991 Dec.181(3):655
−60, 1991」、 「Edelman RR e
t al., Extracranial carot
id arteries: evaluation w
ith “blackblood” MR angio
graphy, Radiology 1990 Oc
t.177(1): 45−65, 1990」などに
見られる如く、心筋の描出能を向上させることを主な目
的として、血液のMR信号の収集を抑制するためのプリ
パルスを、通常のRF励起とエコー収集とのパルス列の
前に付加する、いわゆるブラックブラッド法が提案され
ている。RF励起とエコー収集とのパルス列としては、
フィールドエコー法、高速フィールドエコー法、高速ス
ピンエコー法などに拠るパルス列などのパルス列が用い
られる。
を反転励起する選択インバージョンパルスと撮像対象全
体を反転励起する非選択インバージョンパルスとを連続
的に印加し、この印加から400〜700msの後に、
撮像のためのRF励起とエコー収集を行うという、いわ
ゆるダブルインバージョンパルスを用いたブラックブラ
ッド法も報告されている(例えば、文献「Simone
tti OP etal., “Black Bloo
d” T2−wighted inversion−r
ecovery MR imaging of the
heart, Radiology 1996 Ap
r.199 (1): 49−57,1996」、「S
tehling MK et al., Single
−shot T1− and T2−weighted
magnetic resonance imagi
ng of the heart with blac
k blood: preliminary expe
rience, MAGMA 1996 Sep De
c, 4(3−4): 231−40, 1996」、
「Arai AE et al., Visualiz
ation ofaortic valve leaf
lets using black blood MR
I, J Magn Reson Imaging 1
999Nov., 10(5): 771−7, 19
99」などを参照)。
ブラックブラッド法は、血液信号の高い抑制効果と他の
組織の信号低下が少ないという有利さから注目されてお
り、今度ますます普及すると予想される。プリパルスの
形は報告により異なる。プリパルスは基本的に血液信号
の縦磁化が零あるいは充分に小さくなることを目的とし
ているため、どの報告の場合でも、プリパルスの印加か
ら撮像の励起パルスの印加までの時間は400〜700
ms程度であり、この時間は他の目的で印加されるプリ
パルスの場合よりも長い。
検出した直後にプリパルスを印加した場合でも、実際に
画像化できる心時相は心周期の後半の時間帯、すなわち
拡張期になる。従って、例えば上述した論文「Simo
netti OP et al., “Black B
lood” T2−wighted inversio
n−recovery MR imaging of
the heart,Radiology 1996
Apr.199 (1): 49−57,1996」に
見られる如く、このブラックブラッド法を用いる場合、
拡張期の画像を収集することが一般的である。
ョンパルスを用いたブラックブラッド法のパルスシーケ
ンスを示す。同図に示すように、ECG(心電図)信号
のR波から所定時間tdを以って同期して、血液を抑制
用のプリパルスとしてのダブルインバージョンパルスD
IVが印加され、この印加から所定の待ち時間BBTI
の後に、撮像パルス列SEQimaによる印加が行われ
てエコー信号が収集される。同図においてRFはRFパ
ルスを、Gsはスライス方向傾斜磁場を、Grは読出し
方向傾斜磁場を、Geは位相エンコード方向傾斜磁場
を、Echoはエコー信号をそれぞれ表す。
のRFパルスのうち、1つはスライス方向傾斜磁場Gs
の強度が零で印加され、もう一つは撮像用のパルスシー
ケンスで選択励起されるスライスと同様の領域を励起す
るため、所要強度のスライス方向傾斜磁場Gs加えて印
加される。待ち時間BBTIは、通常500〜600m
s程度であり、血液の縦磁化がほぼ零になる時間に設定
される。
ブラックブラッド法を用いた場合、時間的にR波に近い
収縮期の画像を収集し難かったり、シネモード表示のよ
うに、一定間隔で変化する遅れ時間をもった一連の画像
を収集することが難しいという問題がある。
までに長い時間:BBTI(ブラックブラッド法の反転
時間)が必要なため、収縮期の画像を収集するために
は、実際に収集する心周期に対して1つ以上前の心周期
のR波を同期トリガとして使用しなければならない。こ
の様子を図7に示す。つまり、同図に示すように、R2
−R3間の収縮期の画像を収集するためには、それより
も前の心周期、例えば心周期R1−R2において、R
波:R1に所定の遅延時間tdを以って同期させる必要
がある。
度、変動している。つまり、心拍毎にR波の位置が時間
軸上でずれることになる。このため、1心周期以上前の
R波からある一定の時間「td+BBTI」後に画像を
収集しても、エコー収集時点の心筋の位置は、各ショッ
ト毎に揺らいでしまい、画質が著しく劣化して診断に耐
えることができる画像は得られない。図8は、図7を心
周期が長い場合と短い場合との2つの条件に分け、かつ
模式的に表したものである。この図8に示す如く、従来
の場合は遅延時間td1と反転時間BBTIとを固定に
して撮像パルス列SQimaの開始タイミングを制御し
ているため、実際の心筋の動きに強い相関のある遅延時
間td2は心周期の変動を受けて同様に変化してしま
う。
期の画像を収集することに止まっていた。
現状を打破するためになされたもので、ダブルインバー
ジョンパルスを用いたブラックブラッド法に拠る撮像の
如く、プリパルスを印加した後、撮像パルス列の印加ま
での待ち時間が心周期に比して長いパルスシーケンスを
用いたMRイメージングにおいて、心拍周期に周期毎の
変動が在る場合でも、心周期の収縮期の画像を確実に撮
像できる撮像法を提供することを、その目的とする。
め、本発明の磁気共鳴イメージングは、ブラックブラッ
ド法に拠る撮像において、プリパルスの印加から撮像パ
ルス列の印加までの時間BBTIが1心周期に比して、
比較的長く、このBBTIがおよそ400〜700ms
の範囲内で変動することに因る血液信号の抑制効果の違
いは小さく、画質に及ぼす影響は殆ど無視し得る、との
本発明者の知見に基づいてなされたものである。
用いるパルスシーケンスのプリパルスと撮像パルス列に
ついて、心時相を表す信号(例えばECG信号)の時系
列的に並ぶ複数の所定波形(例えばR波)に跨って、各
別に同期を掛けることを要旨とする。
対象にプリパルスを印加し、この印加から所定の待機時
間の後、当該撮像対象の所望領域に撮像パルス列を印加
してスキャンを行うようにした磁気共鳴イメージング装
置において、前記撮像対象の心時相を表す信号を収集す
る収集手段と、この検出手段により収集された信号の、
あるタイミングで現れる所定波形に第1の遅延時間を以
って同期させて前記プリパルスを印加するプリパルス印
加手段と、前記検出手段により検出された信号の、前記
タイミングから少なくとも1心周期後のタイミングで現
れる前記所定波形に第2の遅延時間を以って同期させて
前記撮像パルス列の印加によるスキャンを行うスキャン
手段と、を備えたことを特徴とする。
ッド法に拠るパルスシーケンスの一部を成すダブルイン
バージョンパルスである。また、例えば、前記心時相を
表す信号はECG信号であり、前記所定波形は前記EC
G信号のR波である。さらに、例えば、前記スキャン手
段がスキャンを開始する前記少なくとも1心周期後のタ
イミングは、1心周期又は2周期が経過したタイミング
である。
1周期の約半分程度又はそれ以上を占めるほどに長いこ
とを特徴とする。
の収縮期に合わせて設定した時間であり、前記第1の遅
延時間は、前記第2の遅延時間、前記待機時間の所望
値、及び前記心拍の平均的な周期から算出した時間であ
る、ことも望ましい。
象にプリパルスを印加し、この印加から所定の待機時間
の後、当該撮像対象の所望領域に撮像パルス列を印加し
てスキャンを行うようにした磁気共鳴イメージング装置
において、前記撮像対象の心時相を表す信号に別々のタ
イミングで現れる2つの同一種の波形に前記プリパルス
及び撮像パルス列の印加を各別に同期させる手段を設け
たことを特徴とする。
スと撮像パルス列とから成る磁気共鳴イメージング用の
パルスシーケンスを、撮像対象の心時相を表す信号に同
期して当該撮像対象に印加する磁気共鳴イメージングの
スキャン同期方法において、前記信号のあるタイミング
で現れる所定波形に第1の遅延時間を以って同期させて
前記プリパルスを印加し、前記信号の、前記タイミング
から少なくとも1心周期後のタイミングで現れる前記所
定波形に第2の遅延時間を以って同期させて前記撮像パ
ルス列の印加によるスキャンを行う、ことを特徴とす
る。
ルス列とから成る磁気共鳴イメージング用のパルスシー
ケンスを、撮像対象の心時相を表す信号に同期して当該
撮像対象に印加する磁気共鳴イメージングのための記録
媒体であって、コンピュータに、前記信号のあるタイミ
ングで現れる所定波形に第1の遅延時間を以って同期さ
せて前記プリパルスを印加する機能と、前記信号の、前
記タイミングから少なくとも1心周期後のタイミングで
現れる前記所定波形に第2の遅延時間を以って同期させ
て前記撮像パルス列の印加によるスキャンを行う機能と
を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ
読取り可能な記録媒体を提供することもできる。
成る磁気共鳴イメージング用のパルスシーケンスを、撮
像対象の心時相を表す信号に同期して当該撮像対象に印
加する磁気共鳴イメージングのためのプログラムであっ
て、コンピュータに、前記信号のあるタイミングで現れ
る所定波形に第1の遅延時間を以って同期させて前記プ
リパルスを印加する機能と、前記信号の、前記タイミン
グから少なくとも1心周期後のタイミングで現れる前記
所定波形に第2の遅延時間を以って同期させて前記撮像
パルス列の印加によるスキャンを行う機能とを実現させ
るためのプログラムを提供することができる。
形態を、図1〜4を参照して説明する。
装置の概略構成を図1に示す。
象(被検体)Pを載せる寝台部と、静磁場を発生させる
静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加するための傾
斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する送受信部と、
システム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御
・演算部と、撮像対象Pの心時相を表す信号としてのE
CG(心電図)信号を計測する心電計測部と、撮像対象
Pに息止めを指令するための息止め指令部とを備えてい
る。
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、撮像対象Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場H0を発生させる。
なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられてい
る。このシムコイル14には、後述するホスト計算機の
制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のため
の電流が供給される。寝台部は、撮像対象Pを載せた天
板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイ
ルユニット3は、互いに直交するX、Y及びZ軸方向の
傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,z
コイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はまた、x,
y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源
4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケン
サ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜
磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、
物理軸である3軸X,Y,Z方向の傾斜磁場を合成し
て、互いに直交するスライス方向傾斜磁場Gs、位相エ
ンコード方向傾斜磁場Ge、および読出し方向(周波数
エンコード方向)傾斜磁場Grの各論理軸方向を任意に
設定・変更することができる。スライス方向、位相エン
コード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場H
0に重畳される。
像対象Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイ
ル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備え
る。この送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケ
ンサ5の制御の元で動作する。送信器8Tは、核磁気共
鳴(NMR)を起こさせるためのラーモア周波数のRF
電流パルスをRFコイル7に供給する。受信器8Rは、
RFコイル7が受信したMR信号(高周波信号)を取り
込み、これに前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周
波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した
後、A/D変換してMR信号に応じたデジタル量のデー
タ(原データ)を生成する。
ーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機
6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器1
2、入力器13、および音声発生器16を備える。この
内、ホスト計算機6は、記憶したソフトウエアに基づく
手順により、シーケンサ5にパルスシーケンス情報を指
令するとともに、装置全体の動作を統括する機能を有す
る。
(図示しない)などの準備作業に引き続いて、図2に示
すブラックブラッド法に拠るMRイメージングのスキャ
ンを心電同期法と共に実施して、画像再構成に必要なエ
コーデータの組を収集する。このブラックブラッド法
は、血液からの信号を抑制するプリパルスとしてのダブ
ルインバージョンパルスDIVと、このパルスの印加
後、所定の待ち時間(ダブルインバージョンパルスによ
り反転された磁化スピンの縦磁化がほぼ零になる時間)
BBTIの後、撮像パルス列SEQimaが印加され
る。この撮像パルス列SEQimaとしては、2次元ス
キャン又は3次元スキャンのFE(フィールドエコー)
系、SE(スピンエコー)系、EPI(エコープラナー
イメージング)系など、どのようなパルス列を用いても
よい。
に対応する特徴は、後述するように、ダブルインバージ
ョンパルスDIVと撮像パルスSEQimaとに対して
各別に心電同期を掛けることである。
えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシー
ケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電
源4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御するととも
に、受信器8Rが出力したMR信号のデジタルデータを
一旦入力し、これを演算ユニット10に転送するように
構成されている。ここで、パルスシーケンス情報とは、
一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、
送信器8Tおよび受信器8Rを動作させるために必要な
全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3z
に印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミン
グなどに関する情報を含む。
出力したデジタル量の生データ(原データとも呼ぶ)
を、シーケンサ5を通して入力し、その内部メモリ上の
フーリエ空間(k空間又は周波数空間)に生データを配
置し、この生データをその各組毎に2次元又は3次元の
フーリエ変換に付して実空間の画像データに再構成す
る。また演算ユニットは、必要に応じて、画像データの
合成(加算)処理、差分演算処理などを行うことができ
る。
データ処理、及びデータ演算に必要なコンピュータプロ
グラム、並びに、再構成された画像データのみならず、
上述の合成処理や差分処理が施された画像データを保管
することができる。このため、この記憶ユニット11に
搭載される記録媒体(図示せず)には、本発明に係るブ
ラックブラッド法に拠るMRイメージングのプログラム
も記憶されており、ホスト計算機6及びシーケンサ5に
より読み出される。
13を介して、術者が希望する撮像条件、パルスシーケ
ンス情報、画像合成や差分処理などの演算法のパラメー
タ等をホスト計算機5に入力することができる。
生器16を備える。演算に関する情報をホスト計算機6
に入力できる。この音声発生器16は、ホスト計算機6
から指令があったときに、息止め開始及び息止め終了の
メッセージを音声として発することができる。
に付着させて心時相を表す信号としてのECG(心電
図)信号を検出するECGセンサ17と、このECG信
号を処理して例えばR波のピーク値に同期したトリガ信
号をシーケンサ5に出力するECGユニット18とを備
える。このトリガ信号は、シーケンサ5によって、ブラ
ックブラッド法のMRイメージングを心電同期法で実行
するために使用される。
17及びECGユニット18が、本発明に係る心時相を
表す信号の収集手段を成す。また、磁石1、傾斜磁場コ
イルユニット3、傾斜磁場電源4、シーケンサ5、ホス
ト計算機6、RFコイル7、送信器8T、及び記憶ユニ
ット11が本発明のプリパルス印加手段及びスキャン手
段の主要部を成す。さらに、記憶ユニット11は本発明
に係る記録媒体としてのメモリ手段を有する。
磁気共鳴イメージング装置の動作を説明する。
の元に実行される、ダブルインバージョンパルスを用い
たブラックブラッド法のパルスシーケンスを示す。この
パルスシーケンスは、シーケンサ5により、図3の手順
で実行される。この手順はパルスシーケンス情報とし
て、ホスト計算機6からシーケンサ5に渡される。
8からトリガ信号の読込みを試みながら、ECG信号の
R波がピーク値を呈するタイミングが到来したか否かが
判定される(ステップS1,S2)。なお、このトリガ
信号はECGユニット18により生成される。ECGユ
ニット18は、ECGセンサ17からのECG信号を入
力してそのR波のピーク値を検出し、この検出時にトリ
ガ信号を出力するという動作を繰り返している(ステッ
プE1〜E3)。
知すると、予め内蔵しているソフトウエアタイマの時間
計測を開始させる(ステップSS3)。ここで検出する
R波は、図2に示す最初のR波:R1である。
測値CTが図2に示すR波からの所定の遅延時間td1
に一致する(CT=td1)か否かを判断する(ステッ
プS4)。この遅延時間td1は、プリパルスとしての
ダブルインバージョンパルスDIVに心電同期を掛ける
ための時間であり、本発明の第1の遅延時間に対応す
る。この遅延時間td1は、後述するように、予め設定
されている。
O、即ち計測時間が未だ遅延時間td1に達していない
場合、そのまま時間計測を継続するが、YESの場合、
遅延時間td1に達したと認識して次のステップの処理
に進む。つまり、シーケンサ5により、プリパルスとし
てのダブルインバージョンパルスDIVの印加開始が指
令される(ステップS5)。この後、上述したソフトウ
エアタイマの計測値がクリアされる(ステップS6)。
Qimaに対する心電同期処理に移行する。即ち、前述
と同様にしてトリガ信号の読込みを試み、トリガ信号を
読み込めたときにR波ピーク値のタイミングが到来した
と判断する(ステップS7,S8)。これにより検出さ
れるR波は、図2に示すR波:R2となる。
と同様に、ソフトウエアタイムによる時間計測を開始さ
せ、その計測値CT=遅延時間td2になったか否かが
判断される(ステップS9,S10)。この遅延時間t
d2は、プリパルスのときとは別のR波(R2)に撮像
パルス列SEQimaの心電同期を掛けるための時間で
ある。この遅延時間td2は、例えば1心周期の中の拡
張期の所望タイミングでデータ収集を開始できるよう
に、予め与えられる。
(CT=td2)になると、図2に示す撮像パルス列S
EQimaの印加が開始される(ステップS11)。次
いで、タイマがクリアされ、次の位相エンコードによる
データ収集を行う場合は、処理がステップS1に戻され
る(ステップS11,S12)。
ルスDIVの遅延時間td1の設定法について説明す
る。この遅延時間td1(固定値)は、上述のように与
えられた遅延時間td2(固定値)、ブラックブラッド
法に必要な反転時間BBTI、及びECG信号の平均的
なRR間隔:RRから、
理によって、図2に示すブラックブラッド法に従ったM
Rイメージングのためのスキャンが実行される。
1が出現すると、そのピーク値の時点から、予め設定し
てある遅延時間td1に同期してダブルインバージョン
パルスDIVが印加される。このパルスは、スライス用
傾斜磁場Gsを印加させずに撮像対象全体のスピンを反
転励起させるインバージョンパルスと、スライス用傾斜
磁場Gsの印加を伴って撮像断面のみのスピンを反転励
起させるインバージョンパルスとが連続的に印加され
る。
印加開始後、次のR波:R2の出現が待たれる。このR
波:R2が出現すると、そのピーク値の時点から、前も
って設定してある遅延時間td2が経過すると、例えば
高速SE法に従う撮像パルス列SEQimaの印加が開
始される。これにより、複数の位相エンコード量にそれ
ぞれ対応してエコー信号が収集される。これらのエコー
信号は受信器8Rにより画像データに変換され、画像再
構成のために演算ユニット10に送られる。
影響を殆ど受けることなくエコーデータの収集を行うこ
とができる。例えば、心周期が大きい図4(a)の状態
から心周期が小さい同図(b)の状態に変化すると、R
R間隔が短縮されることになるが、この短縮は反転時間
BBTIの縮小により自動的に吸収される。反対に、心
周期が大きくなった場合も、そのRR間隔は拡大する
が、この拡大は反転時間BBTIの拡大により自動的に
吸収される。本実施形態のブラックブラッド法の場合に
は、反転時間BBTIの時間幅を400〜700ms程
度の範囲内で変動させる分には、血液信号の抑制効果の
違いは小さく、従って画質に与える影響は無視し得るこ
とが見出されている。
内で変動することでRR間隔の変動が吸収さるので、ダ
ブルインバージョンパルスDIV及び撮像パルス列SE
Qi maは予め設定した固定値の遅延時間td1、td
2で夫々、各別に同期が掛けられる。
ブルインバージョンパルスDIVとは無関係にR波に同
期を掛けることができる。このため、遅延時間td2の
みを考慮して、1心周期内の収縮期の所望タイミングで
スキャンを開始することができ、その収縮期のエコーデ
ータを収集することができる。これにより、ブラックブ
ラッド法など、プリパルスの印加後のデータ収集までの
待ち時間が長いパルスシーケンスを用いたMRイメージ
ングであっても、心周期の変動に影響されずに、エコー
収集を行い心時相は一定して収集時点の心筋の位置がシ
ョット毎に揺らぐという事態を回避できる。これゆえ、
アーチファクトを低減させ、高画質の収縮期のMR画像
を安定的に且つ確実に提供することができる。
とを遅延時間により切り替えながら撮像すれば、従来で
は実質的に不可能であったブラックブラッド法に拠るシ
ネモード撮像を行うこともできる。
ルインバージョンパルスDIVと撮像パルス列SEQ
imaとを異なる2つの連続するR波:R1,R2に各
別に同期させるという構成を説明した。しかしながら、
本発明は必ずしもそのような構成に限定されるものでは
なく、例えば図5に示す如く、R波:R1にダブルイン
バージョンパルスDIVを同期させた後、1R波:R2
を空けた次のR波:R3に撮像パルス列SEQimaを
同期させるようにしてもよい。この空けるR波は、2個
以上であってもよい。これを達成するには、例えば図3
に示したステップS8とS9の間に、R波を所望数カウ
ントする処理を介在させ、カウント数が所望数に達した
ときに、ステップS9に示す処理に移行するようにすれ
ばよい。このように構成することで、前述した実施形態
と同様の作用効果のほかに、反転時間BBTIに設定法
にバリエーションを持たせることができる。
の変形形態の構成に限定されることなく、特許請求の範
囲に記載の要旨を逸脱しない範囲で更に別の形態で実施
可能なものである。例えば、前述した心拍を表す信号の
検出法は、ECG信号を検出するものに限定されるもの
ではなく、脈波を検出する手法、MR信号自体の強度を
利用する手法、エコー信号の位相シフトで検出する手
法、ナビゲータエコーを用いる手法などを適宜用いるよ
うにしてもよい。
ブラックブラッド法などのパルスシーケンスを成すプリ
パルスと撮像パルス列に対して、撮像対象の心時相を表
す信号(ECG信号など)の異なる所定波形(R波な
ど)に別々の遅延時間で同期を掛けるようにしたので、
エコー信号を収集する撮像パルス列の印加タイミングは
心周期の変動が在っても常に一定に保持することができ
る。これにより、プリパルスと撮像パルス列との間の待
ち時間が心周期に比して長いパルスシーケンスを用いた
MRイメージングにおいて、心拍周期に周期毎の変動が
在る場合でも、心周期の収縮期の画像を確実に撮像でき
る。従って、アーチファクトを低減し、MR画像の画質
を向上させることができる。
装置の概略構成の一例を示す機能ブロック図。
ルスシーケンス。
同期処理の概要を示すフローチャート。
ッド法を示すパルスシーケンス。
ンス。
を示すパルスシーケンス。
合を説明するパルスシーケンス。
Claims (11)
- 【請求項1】 撮像対象にプリパルスを印加し、この印
加から所定の待機時間の後、当該撮像対象の所望領域に
撮像パルス列を印加してスキャンを行うようにした磁気
共鳴イメージング装置において、 前記撮像対象の心時相を表す信号を収集する収集手段
と、 この検出手段により収集された信号の、あるタイミング
で現れる所定波形に第1の遅延時間を以って同期させて
前記プリパルスを印加するプリパルス印加手段と、 前記検出手段により検出された信号の、前記タイミング
から少なくとも1心周期後のタイミングで現れる前記所
定波形に第2の遅延時間を以って同期させて前記撮像パ
ルス列の印加によるスキャンを行うスキャン手段と、を
備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング
装置において、 前記プリパルスは、ブラックブラッド法に拠るパルスシ
ーケンスの一部を成すダブルインバージョンパルスであ
ることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング
装置において、 前記心時相を表す信号はECG信号であり、前記所定波
形は前記ECG信号のR波であることを特徴とする磁気
共鳴イメージング装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング
装置において、 前記スキャン手段がスキャンを開始する前記少なくとも
1心周期後のタイミングは、1心周期が経過したタイミ
ングであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装
置。 - 【請求項5】 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング
装置において、 前記スキャン手段がスキャンを開始する前記少なくとも
1心周期後のタイミングは、2心周期が経過したタイミ
ングであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装
置。 - 【請求項6】 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング
装置において、 前記所定の待機時間は、前記心拍の1周期の約半分程度
又はそれ以上を占めるほどに長いことを特徴とする磁気
共鳴イメージング装置。 - 【請求項7】 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング
装置において、 前記第2の遅延時間は、前記心拍の収縮期に合わせて設
定した時間であり、前記第1の遅延時間は、前記第2の
遅延時間、前記待機時間の所望値、及び前記心拍の平均
的な周期から算出した時間であることを特徴とする磁気
共鳴イメージング装置。 - 【請求項8】 撮像対象にプリパルスを印加し、この印
加から所定の待機時間の後、当該撮像対象の所望領域に
撮像パルス列を印加してスキャンを行うようにした磁気
共鳴イメージング装置において、 前記撮像対象の心時相を表す信号に別々のタイミングで
現れる2つの同一種の波形に前記プリパルス及び撮像パ
ルス列の印加を各別に同期させる手段を設けたことを特
徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 【請求項9】 プリパルスと撮像パルス列とから成る磁
気共鳴イメージング用のパルスシーケンスを、撮像対象
の心時相を表す信号に同期して当該撮像対象に印加する
磁気共鳴イメージングのスキャン同期方法において、 前記信号のあるタイミングで現れる所定波形に第1の遅
延時間を以って同期させて前記プリパルスを印加し、 前記信号の、前記タイミングから少なくとも1心周期後
のタイミングで現れる前記所定波形に第2の遅延時間を
以って同期させて前記撮像パルス列の印加によるスキャ
ンを行う、ことを特徴とする磁気共鳴イメージングのス
キャン同期方法。 - 【請求項10】 プリパルスと撮像パルス列とから成る
磁気共鳴イメージング用のパルスシーケンスを、撮像対
象の心時相を表す信号に同期して当該撮像対象に印加す
る磁気共鳴イメージングのための記録媒体であって、 コンピュータに、前記信号のあるタイミングで現れる所
定波形に第1の遅延時間を以って同期させて前記プリパ
ルスを印加する機能と、前記信号の、前記タイミングか
ら少なくとも1心周期後のタイミングで現れる前記所定
波形に第2の遅延時間を以って同期させて前記撮像パル
ス列の印加によるスキャンを行う機能とを実現させるた
めのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記
録媒体。 - 【請求項11】 プリパルスと撮像パルス列とから成る
磁気共鳴イメージング用のパルスシーケンスを、撮像対
象の心時相を表す信号に同期して当該撮像対象に印加す
る磁気共鳴イメージングのためのプログラムであって、 コンピュータに、前記信号のあるタイミングで現れる所
定波形に第1の遅延時間を以って同期させて前記プリパ
ルスを印加する機能と、前記信号の、前記タイミングか
ら少なくとも1心周期後のタイミングで現れる前記所定
波形に第2の遅延時間を以って同期させて前記撮像パル
ス列の印加によるスキャンを行う機能とを実現させるた
めのプログラム。
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