JP3612656B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、被検体内の核スピンの密度分布や緩和時間分布等を映像化する核磁気共鳴撮影(MRI)装置に関し、特に生体の運動臓器を高速に撮像する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在MRIの撮影対象は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質、プロトンである。このプロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和現象の空間分布を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢、更には心臓や血管等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮影する。
【0003】
MRI装置は、初期には生体の運動をしない部位を画像化して医療診断に供することができることにより有用性を認められ発展したが、イメージングのためのパルスシーケンスに各種の高速化手法が取り入れられるとともにその実用化が図られ、現在では、エコー・プレナー法 (Echo Planer Imaging :以下 EPI 法と記す。) という超高速イメージング法も実用化の域に達し、心臓のような運動臓器をも撮像することができるようになった。
【0004】
EPI法は、被検体である生体内の撮像面内の核スピンを選択励起した後、読み出し傾斜磁場の極性を連続的に反転してエコー信号を複数個、例えば32個,64個,128個を1回のパルスシーケンスで計測する。このため、従来から行われているスピンエコー法や高速スピンエコー法より格段に高速で撮像が可能である。
しかしながら、EPI法には、高速撮像が可能であるという優れた特徴を有しているが、その反面まだ改善されるべき課題は多い。そのうちの1つが磁場均一度である。この磁場均一度の課題としては、静磁場内に置かれた被検体内での磁場均一度が要求されることである。磁場発生装置単体で磁場が均一であっても、被検体が静磁場内に置かれた場合に、被検体内で磁場が均一でなければならない。被検体である生体は部位によって透磁率が異なるため、静磁場発生装置単体で均一磁場が発生できたとしても、被検体を静磁場内に挿入すると、被検体内では磁場の均一性は保証されない。この問題を解決する方法として、静磁場発生装置に磁場調整手段(シミング手段)を設けることが知られている。
【0005】
EPI法は前述のように、核スピンを励起した後、読み出し傾斜磁場の極性を繰り返し反転してエコー信号を生じさせる。このため磁場に不均一があると、その不均一の影響が順次得られるエコー信号に累積的に位相誤差となって現われる。したがって、シミング技術を用いずにEPI法で被検体を撮像すると、被検体がもたらす磁場不均一の影響により画像に歪が生ずる。
【0006】
この画像歪を除去するために、従来は撮像に先だって前記誤差を補正するデータを計測するスキャンを実行していた。このプリスキャンによる補正法は、本発明の対象である心臓のような生体内の運動臓器の撮像においても行われている。その方法を図4を用いて説明する。図4において、41は生体信号、具体的には心電波計信号である。この心電信号のR波42を検出しゲート信号を発生し、このゲート信号からある所定の遅延時間をおいて、補正データを計測するプリスキャン101を実行する。このプリスキャン101は図2に示すように、スライス方向傾斜磁場パルス(Gs)202とRFパルス201を同時に印加して被検体の撮像部位の核スピンを選択励起し、次いで読み出し傾斜磁場パルス205と206を印加し、エコー信号207を所定数計測するように行う。
【0007】
プリスキャン101に次いで、画像データを計測する本スキャン102を行う。本スキャン102は図3に示すように、図2のパルスシーケンスへ位相エンコード傾斜磁(Ge)203,204を付加したパルスシーケンスが実行される。位相エンコード傾斜磁場(Ge)203は計測データをメモリ空間へ書き込む際の最初の位相エンコード方向の書き込みアドレス設定のためのオフセット量となっており、位相エンコード傾斜磁場パルス204は、位相エンコード方向の画素数に等しいステップ数だけ強度を変えて印加される。この本スキャン121を実行することにより、1画像分の画像データが計測される。以上のプリスキャンと本スキャンとは、1回のパルスシーケンスは約100ms程度の短時間で行われる。
【0008】
その後、プリスキャン103,105,107,109と本スキャン104,106,108,110とが交互に実行される。このようにして、次のR波までの間に合計10個のパルスシーケンスを実行し、101と102,103と104,105と106,107と108及び109と110の各プリスキャンと本スキャンの間で、画像データをプリスキャンデータを用いて補正する。以上が従来の方法の概略である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法は上記説明でも明らかなように、補正データを計測するプリスキャンと画像データを計測する本スキャンとで被検体が周期的に発する生体信号の特定時相から約100msのずれがある。この約100msの間に臓器も当然運動する。このため、例えばプリスキャン111を実行した時と、本スキャン121を実行した時とでは、臓器の位置がずれているため、プリスキャン111を実行した時と本スキャン121を実行した時とでは被検体内の磁場分布も変化している。したがって、プリスキャン111のデータで本スキャン121の画像データを補正することには無理があることになる。これが本発明が解決しようとしている第1の課題である。
【0010】
次に、上記従来の方法では連続して得られた画像の時間分解能及び連続性が良くないという課題がある。すなわち、従来の方法はプリスキャンと本スキャンとを交互に約100msの時間間隔をもって実行する。したがって、本スキャンは約200msの時間分解能を持った画像しか得られない。そして更に、本スキャンと次の本スキャンとの間に約100msの画像が得られない空白時間が存在する。これが本発明が解決しようとしている第2の課題である。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑み、従来の方法と比較し、画像データの補正が正確に行え、更に画像の時間分解能及び画像の連続性に優れた磁気共鳴イメージング方法を提供することを目的として成されたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明は、MR画像を補正するデータを計測するパルスシーケンスと、MR画像データを計測するパルスシーケンスとを被検体が周期的に繰り返し発生する生体信号の所定時相に対応して発生される信号に基づいて実行し、前記MR画像データを前記補正データにより補正処理してMR画像を得る磁気共鳴イメージング装置において、前記生体信号の所定時相から所定の遅延時間を有す時相から前記被検体内の磁場不均一データを計測するプリスキャン用パルスシーケンスを実行した後に、前記 MR 画像データを計測する本スキャン用パルスシーケンスを前記プリスキャンと時相を合わせて実行する手段と、前記 MR 画像データを前記磁場不均一計測データによって補正する手段とを備えたものである。
【0013】
また、前記本スキャンのためのパルスシーケンスは、前記生体信号の1周期内に複数枚の画像を得るように繰り返して実行され、前記プリスキャンのためのパルスシーケンスは、前記生体信号の1周期内に本スキャンのパルスシーケンスに対し時相を合わせて開始されると共に取得される MR 画像の枚数と同数が繰り返して実行され、前記本スキャンの MR 画像データは、前記プリスキャンにおける同一時相のデータによって補正されるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。先ず、図5を用いて本発明を実施するためのMRI装置の構成を説明する。図5において、401は被検体であり、頭部を検査のために計測空間に置かれている。402は静磁場発生用磁石装置であり、所定空間領域に均一磁場を発生するものである。この静磁場発生用磁石装置402は超電導磁石、常電導磁石または永久磁石を磁場発生源とした各種の方式のものが用いられる。403は傾斜磁場コイルで、計測空間において静磁場へ重畳するように、かつその計測空間内において直交する3方向へ傾斜磁場を発生するもの、404は計測空間に置かれた被検体401へ電磁波を照射するためのRFコイル、405はRFコイル404からの電磁波により核磁気共鳴を起こした被検体内の核スピンから生ずる信号を検出するRFプローブ、406はRFプローブ405で検出された信号に対し増幅、検波、A/D変換を行う信号検出部、407は信号検出部406からの信号を用いて各種の処理及び計算を行い画像データを作成する信号処理部、408は信号処理部407で作成された画像データを表示するCRT等を有した画像表示部、409は傾斜磁場コイル403へ電力を供給する傾斜磁場電源、410はRF送信部で、RFコイル404から被検体401へ照射される電磁波に対応した信号を作成するもの、411は制御部で、傾斜磁場電源409、RF送信部410、信号検出部406、信号処理部410等をシステム的に制御するとともに、被検体401から信号を検出するパルスシーケンスの実行を制御するもの、412は被検体401を支持するとともに、被検体401の検査部位を計測空間へ移動する寝台である。そして、413は被検体401が周期的に発生する生体信号、この実施の形態では心電信号を検出し、その検出信号を制御部411へ出力する心電検出ユニットである。
【0015】
次に、本発明のMRイメージング法を図1、図2、図3を用いて説明する。ここで、図5に示すMRI装置の静磁場強度は1.5T(テスラ)とする。撮像に先立って、寝台412に被検体401を寝載するとともに、心電検出ユニット413を被検体401へ装着して、被検体401を静磁場発生用磁石装置402の開口内の均一磁場空間へ位置させる。次に、図2に示す撮像のためのEPI法パルスシーケンスを実行するために各種撮像パラメータを設定する。個々で設定すべき主な撮像パラメータは、心臓の1心拍内に撮像する画像枚数、1枚の画像の撮像時間、位相エンコード数、信号読み出しのサンプリング数、撮像視野(FOV)等が挙げられる。
【0016】
そして、撮像パラメータを設定した後、撮像位置決めを行う。撮像の位置決めは従来より行われている方法を実行する。これにより、心臓の観察断面を設定する。ここで、一例として、心臓の1心拍内に128×128画素の1画像を100msの撮像時間で、10枚連続して撮像する場合について説明を続ける。
【0017】
被検体401に接続された心電検出ユニット413により心電信号51が検出され、この心電信号が制御部411へ入力されると、制御部411は1心拍、例えば図1に示す心電波形のR波から次のR波までの1心拍の間に、前記設定された撮像パラメータで10枚の画像を撮像するに適したスキャンの開始時刻を演算により求める。すなわち、図1に示すR波52,53からプリスキャン111及び本スキャン121を開始するまでの遅延時間を求める。勿論、R波からスキャンを開始するまでの遅延時間は操作者が手動で設定するようにしても良い。
【0018】
次に、実際のスキャンを時間経過とともに説明する。図1に示すように、心電波形51が時間経過とともに、P波、Q波が検出され、次に心電波形の最も特徴的なR波が検出されると、制御部411はこのR波の検出信号に基づいて、このR波から前記遅延時間Δtが経過した時刻にプリスキャン111を開始する。
【0019】
プリスキャン111は図2に示すが、図2と図3との比較から明らかなように、ワンショトEPI法パルスシーケンスから位相エンコード傾斜磁場(Ge)の印加を省略したパルスシーケンスによるスキャンである。プリスキャン111は、スライス選択傾斜磁場202とRFパルス201を印加し被検体401の撮像部位の核スピンを選択的に励起する。そして、スライス内の核スピンの位相合わせをした後、読み出し傾斜磁場(Gr)205を印加して一旦核スピンの位相をディフェーズし、その後極性が交互に反転する一連の読み出し傾斜磁場206を印加するとともに信号検出部406にてエコー 信号207を検出、サンプリングする順序で行う。読み出し傾斜磁場(Gr)206は本スキャン121の画素数と同じ数の128個が極性を交互に変更して印加され、またエコー信号の一つのサンプリングも本スキャン121のそれと同一数の128個がサンプリングされる。
【0020】
サンプリングされたデータは、信号処理部407の内部にあるいわゆるk空間と称されるメモリ空間に記憶される。このメモリ空間への書き込みは、本スキャンの場合はエコー信号へ位相情報を付与して計測するので、その書き込みアドレスは計測されたエコー信号の位相エンコード量に応じて行わなければならないが、このプリスキャンにおいてはエコー信号には位相エンコードを付与しないので、読み出し傾斜磁場(Gr)の極性に応じて正方向又は負方向に書き込めば良い。また、その書き込み位置及び書き込み順序も特に特定して行う必要はないが、画像データを補正する際に補正されるデータとの対応が取れるようにしておく必要はある。
【0021】
そして、プリスキャン111によって計測されたk空間のデータを、各エコー信号データ毎に読み出し方向(サンプリング方向)に対してフーリエ変換する。そして、それらのデータを一方を読み出し方向の空間位置、もう一方をエコー取得順序とする多次元ハイブリッド空間上の複素データマップとして保管する。これが磁場均一度の位相マップとなる。なお、この位相マップの作成はプリスキャン111の終了後直ちに行っても良いし、また、本スキャン121の実行中及び画像再構成中に行っても良い。
【0022】
プリスキャン111が終了すると制御部411は、各部を制御してプリスキャン112を直ちに開始する。プリスキャン112もプリスキャン111と同様に行われる。以下、プリスキャン113,114,…,120が順次実行される。このようにして、心臓の連続した1心拍内に10の等分した時相において磁場均一度を計測したデータをそれぞれ位相マップとして得ることができる。
【0023】
プリスキャン120が終了後、心電波形のR波53が検出されると、制御部411はR波53の検出信号に基づいて、R波53からΔt、すなわちR波52からプリスキャン111を開始した時間に等しい時間経過後、各部を制御し本スキャン121を開始する。本スキャン121は、図3に示すようにワンショトEPI法パルスシーケンスそのもので、図2に示すプリスキャンのパルスシーケンスへ位相エンコード傾斜磁場(Ge)を付加したものである。ワンショットEPI法パルスシーケンスである本スキャン121は、スライス選択傾斜磁場(Gs)202とRFパルス201とを印加し、撮像部位の核スピンを選択励起し、次いで、選択励起されたスライス内の核スピンの位相合わせをし、その後エコー信号の計測を行う。エコー信号の計測は、位相エンコード傾斜磁場(Ge)203及び読み出し傾斜磁場(Gr)205を印加し、位相エンコード傾斜磁場(Ge)203によりk空間における第1エコー信号の書き込み位置を設定し、読み出し傾斜磁場(Gr)205によりエコー信号発生の準備のために核スピンの位相をディフェーズする。次いで、位相エンコード傾斜磁場(Ge)204及び読み出し傾斜磁場(Gr)206を印加しエコー信号を検出、サンプリングする。この際、位相エンコード傾斜磁場(Ge)204の各々は印加量を変えて印加されるとともに、読み出し傾斜磁場(Gr)206の印加初期又は極性の切り換えに合わせて印加される。また、読み出し傾斜磁場(Gr)206の各々は交互に極性が反転して印加される。このようにして、128個のエコー信号がそれぞれ位相エンコード量を異ならせて、かつ1個のエコー信号が128個のサンプリングデータとして検出される。
【0024】
検出されたデータは、信号処理部407の内部のk空間メモリに書き込まれる。このk空間への書き込みは、前記プリスキャン時のデータ書き込みと比較し、計測 データに位相情報が付与されているのでそれに応じた位置へ書き込みが成される点が異なる。
【0025】
このようにして、本スキャン121が終了すると、制御部411は直ちに本スキャン122を本スキャン121と同様に実行しデータを計測する。その後、本スキャン122,123,…,130が実行される。これらの本スキャンの計測データは各スキャン単位でk空間に記憶される。
【0026】
これらのデータを各エコー信号データ毎に読み出し方向に先ずフーリエ変換し、そして前記プリスキャンのフーリエ変換データと同様にハイブリッド空間へ書き込む。これらのフーリエ変換されたデータを先のプリスキャンで得たデータ、すなわち前記磁場均一度の位相マップを用いて補正する。この補正は、本スキャンの計測順序とプリスキャンの計測順序とが同じであるスキャン同志の間で行われる。また、本スキャンの計測データとその計測データのエコー信号取得順序に対応した時相のプリスキャンのデータとの間で行う。
【0027】
そして最後に、前記位相補正された各スキャン単位の計測データを位相エンコード方向にフーリエ変換を行って、順次2次元MR画像を得、それを表示装置408へ表示する。この結果、本スキャンデータは生体内の運動臓器の運動における同一時相のプリスキャンデータによって補正されるので、信号取得時の装置の不可避的な調整不良、例えば傾斜磁場の残留オフセット成分や、被検体に起因する静磁場の不均一性等が計測信号に与える悪影響を除去でき、臓器の診断に好ましい画像が得られる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。上記第1の実施の形態はプリスキャンを位相エンコード傾斜磁場(Ge)を印加せずに行って、その計測データだけで本スキャンの計測データを補正するので、位相補正が読み出し方向に対してのみ実行できる。しかし、これでは撮像対象が撮像面内で読み出し方向へ均等に拡大又は縮小するような場合には、好ましい補正が可能である。しかしながら、撮像対象は撮像面内で読み出し方向に均等に移動するものばかりとは言えない。このため。上記第1の実施の形態は完全なる補正ができるとは言いにくいものである。そこでこの第2の実施の形態はそれを更に改良するものである。
【0029】
第2の実施の形態は図6に示すように、3心拍の心電波形の間に行われる。第1の心電波形のR波62と第2のR波63の間に、第1の実施の形態と同様に図3に示す位相エンコード傾斜磁場(Ge)を付加しない第1のプリスキャン140を複数回、例えば10回実行し、各プリスキャンについて読み出し方向に信号を計測する。この第1のプリスキャン140の各プリスキャン毎の計測データは第1の実施の形態と同様に、読み出し方向にフーリエ変換を行って多次元ハイブリッド空間上に複素データマップとして保管し本スキャンの補正データとするが、特に撮像面に対しての読み出し方向に対する補正データとする。
【0030】
次いで、第2のR波63と第3のR波64の間に、図2に示すプリスキャンにおいて位相エンコード方向(Ge方向)に読み出し用の傾斜磁場を印加し、読み出し傾斜磁場(Gr)を印加しない第2のプリスキャン150をこれも複数回、例えば10回実行し、各プリスキャンについて位相エンコード方向に信号を計測する。この第2のプリスキャン150の各スキャン毎の計測データは、位相エンコード方向にフーリエ変換を行って多次元ハイブリッド空間上に複素データマップとして保管し、上記第1のプリスキャン140と同様に本スキャンの補正データとするが、特に撮像面に対しての位相エンコード方向に対する補正データとする。
【0031】
第1のR波62と第2のR波63の間に第1のプリスキャンが、そして第2のR波63と第3のR波64の間に第2のプリスキャンが終了すると制御部411は、第3のR波64を検出した時刻から前記第1及び第2のプリスキャンをR波61,62にもとずいて開始した時間Δt(遅延時間)が経過した時刻に本スキャンを開始する。この本スキャンは前記第1の実施の形態と同様に複数回、例えば10回行われ、1心拍内の各時相の画像データを計測する。このようにして計測された本スキャンの各データは、多次元のハイブリッド空間上に記憶される。
【0032】
次に、各時相の本スキャンの計測データ毎に、読み出し方向へのフーリエ変換と前記第1のプリスキャンデータを用いた位相補正、及び位相エンコード方向へのフーリエ変換と前記第2のプリスキャンデータを用いた位相補正を行い、各時相の2次元MR画像を得る。そしてそれらの画像を表示する。これらの各時相のMR画像は、各時相において位相エンコード方向と読み出し方向とに対してプリスキャンによって計測した磁場不均一を補正しているので、第1の実施の形態に比較してより正確に臓器の形態を描出することができる。ただし、第1の実施の形態に比べ、計測時間が長くなることは否めない。
【0033】
そこで、この第2の実施の形態の計測時間が長いと言う問題を解決するとともに、第1の実施の形態の1方向に対しての磁場不均一の影響しか補正できない問題の双方を解決する方法を第3の実施の形態として次に説明する。図7は第3の実施の形態を示す。図7において、プリスキャン170は第1のR波72を検出した後に所定時間が経過した時刻に開始され、前記各実施の形態と同様に複数回、例えば10回実施される。そして、その複数回のプリスキャンは撮像断面の位相エンコード方向と読み出し方向とに対し交互にデータを計測する。すなわち、例えば第1回目、第3回目、第5回目、…のように奇数回目のプリスキャンは位相エンコード方向にデータを計測し、第2回目、第4回目、第6回目、…のように偶数回目のプリスキャンは読み出し方向にデータを計測する。そして、これらの各プリスキャンの計測データはその計測方向にフーリエ変換され、多次元ハイブリッド空間上に複素データマップとして保管される。
【0034】
その後、第2のR波73の検出に基づき本スキャン180を実施する。この本スキャン180もプリスキャン170と同数回実施され、各本スキャン毎にその時相の撮像データが計測される。これらの各本スキャンの計測データは、時相が一致しているプリスキャンデータの計測方向に対しての位相補正が施され、2次元MR画像となる。これらの一連のMR画像は、第1画像、第3画像、…は位相エンコード方向における磁場不均一が補正された画像となり、また第2画像、第4画像、…は読み出し方向における磁場不均一が補正された画像となる。したがって、これらの一連の画像を画像単位で観察すると1方向に対しての補正であるから磁場不均一の影響を免れることはできないが、一連の画像を連続的に観察する場合、特にシネ表示のような場合には2方向への磁場不均一の補正を行っている効果が期待できる。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、静磁場内に置かれた被検体による磁場不均一、特に被検体内の臓器の運動による磁場不均一の影響をプリスキャンと本スキャンとを時相を一致させて計測し、かつ本スキャンは時間間隔を置かずに連続的に実行するようにしたので、得られる画像は時間分解能と繋がりが良く、また時相が合った磁場不均一の影響を補正した正確な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の撮影タイミングを示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリスキャンシーケンス図。
【図3】本発明の本スキャンシーケンス図。
【図4】従来方法の撮影タイミングを示す図。
【図5】本発明を実施するためのMRI装置の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の撮影タイミングを示す図。
【図7】本発明の第3の実施の形態の撮影タイミングを示す図。
【符号の説明】
51…心電波形
52,53…R波
111,112,…プリスキャン
121,122,…本スキャン
Δt…遅延時間
Claims (2)
- MR画像を補正するデータを計測するパルスシーケンスと、MR画像データを計測するパルスシーケンスとを被検体が周期的に繰り返し発生する生体信号の所定時相に対応して発生される信号に基づいて実行し、前記MR画像データを前記補正データにより補正処理してMR画像を得る磁気共鳴イメージング装置において、前記生体信号の所定時相から所定の遅延時間を有す時相から前記被検体内の磁場不均一データを計測するプリスキャン用パルスシーケンスを実行した後に、前記 MR 画像データを計測する本スキャン用パルスシーケンスを前記プリスキャンと時相を合わせて実行する手段と、前記 MR 画像データを前記磁場不均一計測データによって補正する手段とを備えたことを特長とする磁気共鳴イメージング装置。
- 前記本スキャンのためのパルスシーケンスは、前記生体信号の1周期内に複数枚の画像を得るように繰り返して実行され、前記プリスキャンのためのパルスシーケンスは、前記生体信号の1周期内に本スキャンのパルスシーケンスに対し時相を合わせて開始されると共に取得される MR 画像の枚数と同数が繰り返して実行され、前記本スキャンの MR 画像データは、前記プリスキャンにおける同一時相のデータによって補正されることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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JPH09220211A (ja) | 1997-08-26 |
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