JP2731195B2 - 磁気共鳴映像装置 - Google Patents

磁気共鳴映像装置

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JP2731195B2 JP63299330A JP29933088A JP2731195B2 JP 2731195 B2 JP2731195 B2 JP 2731195B2 JP 63299330 A JP63299330 A JP 63299330A JP 29933088 A JP29933088 A JP 29933088A JP 2731195 B2 JP2731195 B2 JP 2731195B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、磁気共鳴映像装置に係り、特に化学シフト
によるわずかに異なる磁気共鳴周波数を持つ2つの物質
を分離して高速で画像化し得る磁気共鳴映像装置に関す
る。
(従来の技術) 磁気共鳴映像法(MRI:magnetic resonance imaging)
は、既に良く知られているように、固有の磁気モーメン
トを持つ原子核スピンの集団が強度Hoの一様な静磁場中
に置かれたときに、静磁場の方向と垂直な面内で特定の
角速度ω=γHo(γは磁気回転比)で回転する高周波磁
場のエネルギを共鳴的に吸収する磁気共鳴現象を利用し
て、分子の化学的および物理的な情報を映像化する手法
である。
この磁気共鳴映像法を用いて被検体内の特定原子核
(例えば水および脂肪中の水素原子核)の空間的分布を
映像化する方法としては、ローターバ(Lauterbur)に
よる投影再構成法、クマー(Kumar)、ウェルチ(Welt
i)あるいはエルンスト(Ernst)によるフーリエ法、お
よびフーリエ法の変形であるハチソン(Hutchison)等
によるスピンワープ法等が知られている。
この磁気共鳴映像法により映像を得るための磁気共鳴
映像値では、超音波診断装置およびX線CT(computed t
omography)装置のような他の医用画像診断装置に比べ
てデータの収集に長時間を要する。したがって、呼吸に
よる体動のような被検体の体動によってアーティファク
トを生じ、そのため心臓および血管系のように高速の体
動のある部分を映像化することが難しいという問題があ
る。また、撮像時間が長くなるため、被検者に与える苦
痛も大きい。
そこで、磁気共鳴映像法による画像を高速に得る方法
として、例えば、マンスフィールド(Mansfield)によ
るエコープラナ法およびハチソン(Hutchison)等によ
る超高速フーリエ法のような超高速イメージング法が提
案されている。
エコープラナ法では、第6図に示すようなパルスシー
ケンスに従って磁気共鳴データの収集が行われる。
(1)スライス用勾配磁場Gsを印加しつつ高周波磁場RF
として90゜の高周波選択励起パルスを印加してスライス
部位の磁化を選択的に励起する。(2)180゜高周波パ
ルスを印加する。(3)スライス面と平行な方向に位相
エンコード用勾配磁場Geを静的に印加しつつ、スライス
面に平行で且つ位相エンコード用勾配磁場Geに直交する
方向に読出し用勾配磁場Grを高速に複数回スイッチング
させて印加する。
また、超高速フーリエ法(マルチプルエコー・フーリ
エ法とも称される)では、第7図に示すように、位相エ
ンコード用勾配磁場Geが読出し用勾配磁場の反転毎にパ
ルス的に印加される点が第6図のエコープラナ法とは異
なっている。
これらの方法によれば、1回の90゜の高周波パルスに
よって励起されたスライス部位の磁化が横磁化の緩和現
象により緩和する時間内に、スライス部位の画像化に必
要な全てのデータを収集することができ、超高速イメー
ジングが可能である。
しかしながら、これらの超高速イメージング法では次
のような問題がある。励起されたスライス部位内の磁化
は、静磁場の空間的な不均一性のために位相分散が生
じ、横緩和時間T2より短い時間T2*で見掛け上の横緩和
が起こる。このため、磁化の励起直後から磁気共鳴デー
タの収集を行なおうとしても、装置の特性上、励起した
時点で直ちにデータ収集を開始することは困難であり、
データ収集の開始に遅れが避けられないため、T2*によ
る位相分散の影響で正しい画像精構成ができない。そこ
で、第6図および第7図に示した超高速イメージングの
パルスシーケンスでは、90゜選択励起パルスにより磁化
を励起した後、180゜高周波パルスを印加して、空間的
に位相分散している磁化の位相を揃えてから画像データ
を収集するようにしている。
この方法によると、磁化の位相が揃うまでに、磁化を
励起してから180゜高周波パルスを印加するまでの時間
の2倍の時間TEを必要とする。したがって、磁化を励起
してから磁気共鳴データの収集を終了するまでに要する
時間(撮像時間)には、実際に磁気共鳴データを収集し
ている時間の他に、180゜のパルスの印加に伴なう時間
が加わることになり、これがさらに高速のイメージング
を実現する上で障害となっている。
また、上述したエコープラナー法および超高速フーリ
エ法では、位相エンコード用勾配磁場の強度が非常に小
さい。このため、静磁場の空間的あるいは時間的な不均
一によって位相エンコード誤差を生じ易い。このような
位相エンコード誤差は、再構成画像の歪やぼけの原因と
なる。
一方、被検体内の特定原子核からの磁気共鳴信号であ
っても、その化学的環境の違いによりケミカルシフトと
呼ばれるわずかな周波数の違いが生じる。このケミカル
シフトを利用し、被検体内の水と脂肪の分離画像を得る
方法としては、ディクソン法が知られている。このディ
クソン法では、1組の水と脂肪の分離画像を得るのに2
回のイメージング操作を必要とし、更に各イメージング
には、前記超高速イメージング法よりも撮像に要する時
間の長い従来のイメージングを用いているため、水と脂
肪の分離画像を得るために長時間を要するという欠点が
ある。
ディクソン法により水と脂肪の分離画像を得るための
パルスシーケンスを第8図に示す。まず、第8図(a)
に示すように、被検体に、スライス用勾配磁場Gsと共に
90゜選択励起パルスRF1を印加し、それから時間TE/2後
に180゜パルスRF2を印加すると、分散していた核スピン
の位相がさらに時間TE/2後に再び揃いエコーを生じる。
このとき、水と脂肪に含まれる水素原子核の磁気共鳴信
号は同一の位相を持つ。このような状態で、読出し用勾
配磁場Grをかけ、1エコー分のデータを収集する。これ
らの操作を位相エンコード用勾配磁場Geを少しずつ変え
ながら所定回数繰り返すことにより、画像再構成に必要
な全磁気共鳴データを収集する。このようにして得られ
る磁気共鳴データにより画像再構成すれば、水と脂肪の
画像の和に相当する画像が得られる。ただし、この画像
は水と脂肪の共鳴周波数の差に応じた位置のずれのあ
る、すなわちいわゆるケミカルシフトアーティファクト
の含まれる画像である。次に、第8図(b)に示すよう
に、180゜パルスRF2をかけるタイミングを、90゜パルス
RF1から時間TE′/2後に変更しさらに時間TE′/2後にエ
コーが生じてから時間ΔT後に磁気共鳴データを収集す
るようにする。このとき時間ΔTは、水と脂肪における
水素原子核の磁気共鳴信号の位相差がちょうど180゜に
なるようにしておく。このようにして得られる磁気共鳴
データによる再構成画像は、水と脂肪の画像の差の画像
に相当する画像となる。したがって、これら2種の画像
から、計算によって、水の画像と脂肪の画像を分離して
得ることができる。
ディクソン法では、水と脂肪の分離画像を得るのに2
回のイメージングが必要であるが、第8図(b)に示さ
れるシーケンスにおけるΔTを所定の値(水と脂肪の信
号の位相差がπ/2または−π/2となる時間)とすること
により、1回のイメージングで水と脂肪の画像情報をそ
れぞれ画像データの実数部と虚数部とに分離して得るこ
とができる。これを利用して水と脂肪の分離画像を得る
方法は、変形ディクソン法と称される。この変形ディク
ソン法においても、前記超高速イメージング法により撮
像に要する時間の長い従来のイメージングを用いている
ため、水と脂肪の分離画像を得るためには長時間を要す
る。
(発明が解決しようとする課題) このように、変形ディクソン法を用いて水と脂肪の分
離画像を得る場合には、超高速イメージング法ではなく
撮像に要する時間の長い従来のイメージング法を用いて
いるため、水と脂肪の分離画像を得るために長時間を擁
する。
そこで、変形ディクソン法に先に述べた超高速イメー
ジング法を適用することが考えられる。しかしながら、
既に述べたように、従来の超高速イメージング法では、
静磁場の不均一性により位相分散した磁化の位相を揃え
る過程を含むことにより高速性が損なわれ、また静磁場
の不均一性により位相エンコード誤差が生じて再構成画
像が劣化するという問題がある。しかも、変形ディクソ
ン法のように化学シフトによりわずかに共鳴周波数が異
なる2種の物質の分離画像を得る場合には、静磁場の不
均一性による空間的な位相誤差のような誤差が画質に与
える影響が特に大きい。
本発明はこのような問題点を解決し、化学シフトによ
りわずかに共鳴周波数が異なる2種の物質の分離画像
を、従来以上の超高速イメージングにより短時間でしか
も静磁場の不均一性によらず高品質に得ることのできる
磁気共鳴映像装置を提供することを目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明に係る磁気共鳴映像装置は、化学シフトによっ
てわずかに磁気共鳴周波数が異なる所定の2つの物質の
核磁化の位相差が所定の時間でπ/2あるいは−π/2とな
るようにタイミング調整された所定のパルスシーケンス
を用いて、高周波磁場によって磁気共鳴が励起されるス
ライスの画像再構成に必要な全ての磁気共鳴データを該
スライスの前記所定の核磁化が横磁化の緩和現象により
緩和する時間内に収集するデータ収集手段と、この手段
により収集された磁気共鳴データを2次元複素フーリエ
変換することによって画像情報の実数部と虚数部とに分
離して得られる前記2つの物質の少なくとも一方の磁気
共鳴画像を得るための画像処理手段と、前記データ収集
手段により前記スライスの画像再構成に必要な全ての磁
気共鳴データが収集される過程における前記磁場の不均
一性の影響を補正する補正手段とを備えることによっ
て、静磁場の不均一性の影響を補正しつつ前記2つの物
質の分離画像の超高速イメージングを可能としたもので
ある。
ここで、データ収集手段は、好ましくは、2つの物
質、例えば水と脂肪に含まれる水素原子核の核磁化の位
相差が所定の時間でπ/2あるいは−π/2となるようにタ
イミング調整された所定のパルスシーケンスに従って、
高周波磁場として90゜高周波パルスを印加してスライス
を励起した直後に、180゜高周波パルスの印加を経ずに
読出し用勾配磁場をスイッチングさせて印加するととも
に位相エンコード用勾配磁場を印加することにより、ス
ライスの磁気共鳴データを収集する。また、補正手段
は、90゜高周波パルスの印加後に180゜高周波パルスを
印加しなかったことにより生じる磁化の位相分散の影
響、および静磁場不均一性による位相エンコード誤差の
少なくとも一方を補正する。
(作用) 本発明では、水と脂肪との分離画像のような、化学シ
フトによってわずかに磁気共鳴周波数が異なる所定の2
つの物質の核磁化の画像を、極めて短時間に得ることが
できる。そして、スライス面の磁化を励起した後、180
゜高周波パルスを印加せずに高速イメージングのシーケ
ンスに移行してデータを収集した場合でも、最終的に静
磁場の不均一性により生じる磁化の位相分散の影響が排
除される。また、超高速イメージングでは強度の弱い位
相エンコード用勾配磁場を用いることにより、静磁場の
不均一性によって位相エンコード誤差が発生するが、こ
のような位相エンコード誤差も補正される。したがっ
て、極めて短時間で、化学シフトアーティファクトや画
像歪みのない正しい前記分離画像を得ることができ、心
臓などのように動きのある部位の前記分離画像による画
像診断が可能となる。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例に係る磁気共鳴映像装置の
構成を示す図である。
同図において、静磁場磁石1におよび勾配磁場コイル
3は、励磁用電源2および駆動回路4によってそれぞれ
駆動される。励磁用電源2および駆動回路4は、システ
ムコントローラ10により制御される。静磁場磁石1は、
寝台6上の被検体5(例えば人体)に対して一様な静磁
場を印加する。勾配磁場コイル3は、被検体5の注目す
る所望の断面(スライス面)内の直交するxとyの2方
向、およびそれに垂直なz方向に磁場強度がそれぞれ変
化する勾配磁場を印加する。なお、本実施例では、z方
向に印加する勾配磁場をスライス用勾配磁場Gs、x方向
に印加する勾配磁場を読出し用勾配磁場Gr、y方向に印
加する勾配磁場を位相エンコード用勾配磁場Geとして説
明する。
被検体5には、さらに送信部8からの高周波信号によ
りプローブ7から発生される高周波磁場が印加される。
送信部8もシステムコントローラ10の制御の下で動作す
る。本実施例においては、プローブ7を、高周波磁場の
発生のための送信コイルと被検体5内の各種の原子核に
関する磁気共鳴信号を受信する受信コイルとに共用して
いるが、専用の送信および受信コイルを別々に設けても
よい。
プローブ7により受信された磁気共鳴信号すなわち磁
気共鳴エコー信号は、受信部9で増幅され且つ検波され
た後、データ収集部11に転送される。このデータの転送
もシステムコントローラ10の制御の下で行われる。シス
テムコントローラ10により制御されるデータ収集部11
は、受信部9から与えられる磁気共鳴エコー信号を収集
し且つA/D(アナログ−ディジタル)変換した後、電子
計算機12に送る。
電子計算機12は、コンソール13を介してオペレータに
より操作制御される。電子計算機12は、データ収集部11
から入力される磁気共鳴エコーデータに対するフーリエ
変換によって画像再構成処理を行ない、画像データを得
る。また、電子計算機12はシステムコントローラ10の制
御をも行なう。電子計算機12により得られた画像データ
は画像ディスプレイ14に供給され、画像表示される。
第2図に、本発明に基く被検体5内のスライスの水と
脂肪の分離画像の画像データを得るためのパルスシーケ
ンスの一例を示す。このパルスシーケンスはシステムコ
ントローラ10によって制御される。
この第2図に示すパルスシーケンスは、第7図に示し
た従来の超高速フーリエ法のパルスシーケンスに基本的
に従ったものである。ただし、このパルスシーケンスで
は、90゜選択励起パルスの印加後180゜高周波パルスの
印加の前に位相エンコード用勾配磁場Geを印加している
点、180゜高周波パルスとしても選択励起パルスを用い
且つスライス用勾配磁場Gsを印加した状態で180゜高周
波パルスを印加している点で第7図の場合と異なってい
る。
すなわち、最初にまず被検体5内の注目するスライス
部位の磁化を選択的に励起するために、z方向のスライ
ス用勾配磁場Gsを印加し、且つその状態で高周波磁場RF
として90゜選択励起パルス(所定のスライス領域の磁化
のみを90゜回転させるための高周波パルス)を印加する
ことにより、被検体5内の特定のスライス部位の所定の
核磁化を選択的に励起して磁気共鳴を生じさせる。な
お、スライス用勾配磁場Gsは90゜選択励起パルスの印加
後、磁化の位相を揃えるために反転される。
このように、90゜選択励起パルスおよびスライス用勾
配磁場Gsを印加した後、y方向の位相エンコード用勾配
磁場Geを印加する。さらにその後、すなわち90゜選択励
起パルスの印加からTE/2後に、スライス用勾配磁場Gsを
印加しつつ180゜選択励起パルスを高周波磁場RFとして
印加する。そして、第7図の場合は、180゜パルスの印
加からさらにTE/2後から磁気共鳴エコー信号が生じてい
たのに対し、この第2図の場合は、180゜パルスの印加
からさらにTE/2を待たずにx方向の読出し用勾配磁場Gr
およびy方向の位相エンコード用勾配磁場Geの印加を行
なって−n〜n番目の磁気共鳴エコーを順次生じさせ
る。すなわち、z方向と直交するxy平面の一方向、例え
ばx方向に読出し用勾配磁場Grを交互に正負反転するよ
うにスイッチングさせて繰り返し印加すると同時に、xy
方面の他の一方向、例えばy方向に、位相エンコード用
勾配磁場Geを読出し用勾配磁場Grの反転時毎にパルス状
に印加する。これにより被検体5内からの−n〜n番目
の磁気共鳴エコー信号Sig.が収集される。なお、一連の
磁気共鳴エコー信号Sig.の中心の0番目のエコー信号発
生時がt=0すなわち90゜選択励起パルスの印加からTE
+ΔTd(ΔTdは変形ディクソン法に基づく時間シフト
量)となるように読出し用勾配磁場Grおよび位相エンコ
ード用勾配磁場Geの印加を行なっている。これらのエコ
ー信号の列をフーリエ変換して画像再構成を行なうこと
により、スライスの画像データが生成される。
この方法によれば、90゜高周波パルスによって励起さ
れ、180゜パルスにより集束されたスライス面内の磁化
が静磁場の不均一性の影響を含む横磁化の緩和現象によ
り緩和する時間T2*内に、スライスの全磁気共鳴データ
が収集されるばかりでなく、90゜選択励起パルスの印加
からTE+ΔTd後のエコーが収集される磁気共鳴エコー信
号列の中心となるように一連の磁気共鳴エコー信号が収
集されるために、第7図に示したパルスシーケンスより
さらに高速の水と脂肪の分離画像のイメージングが可能
となる。
第2図に示した本発明による超高速水脂肪分離映像法
のパルスシーケンスにより、空間的な静磁場の不均一性
が存在する場合に観測されるエコー信号S(t)は、次
式で与えられる。
S(t)=A・exp(−t/T2) ×∫∫[ρw(x,y)+ρf(x,y)・exp{−iΔωc(ΔTd+t)}] ×exp(−iγΔH(x,y)ΔTd) ×exp[−iγ{(Gx・x・Ψ(t) +Gy・y・Ξ(t)+ΔH(x,y)t}]dxdy …(1) ただし、M(読出し方向)×N(エンコード方向)マ
トリクスであるとして、Gx=NGy、T2は横緩和時間、ρ
w(x,y)およびρf(x,y)は被検体の水および脂肪に
おける核スピンの密度分布、Δωcは水・脂肪の化学シ
フトの角周波数、ΔTdは変形ディクソン法に基づく時間
シフト量[この場合、脂肪の化学シフト周波数をfcとす
れば(4n±1)/4fcに設定される]、γは核磁気回転
比、ΔH(x,y)は静磁場の不均一性分布、GxおよびGy
は読出し用および位相エンコード用勾配磁場の強度、Ψ
(t)は読出し用勾配磁場の積分関数、Ξ(t)は位相
エンコード用勾配磁場の積分関数である。
ここで、 であるから、(1)式は近似的に、 S(t)=A・exp(−t/T2) ×∫∫ρw(x,y)・exp(−iΔγΔH(x,y)ΔTd) ×exp[−iγ{(Gx・x・Ψ(t) +Gy・(y+ΔH(x,y)/Gy)Ξ(t)}]dxdy +A・exp(−t/T2) ×∫∫ρf(x,y)・exp(−i(Δωc+γΔH(x,y)ΔTd)} ×exp[−iγ{(Gx・x・Ψ(t) +Gy・(y+ΔH(x,y)/Gy+Δωc/γGy)Ξ(t)}]dxdy …(2) ここで、T2を∞とし、 Δωc・ΔTd=−π/2 kx=γGxΨ(t) ky=γGxΨ(t) とすれば、(2)式は、 S(kx,ky) =∫∫[ρw(x,y)+iρf(x,y) ×exp{−iΔωc(ΔTd+ky/γGy)}] ×exp(−iΔγH(x,y)ΔTd) ×exp[−i{xkx+(y+ΔH(x,y)/Gy)ky}]dxdy …(3) となる。
ここで、 x′=x y′=y+ΔH(x,y)/Gy とすれば、得られる再構成画像は、 ただし、J(x,y)は、ヤコビアン(Jacobian)であ
る。
よって、 が得られる。ただし、 Δ=cosθ1 cosθ+sinθ1 sinθ θ=γΔH(x,y)ΔTd θ=γΔH(x,y−Δωc/γGy)ΔTd したがって、予め静磁場の不均一性ΔH(x,y)の分布
を計測しておけば、第2図のシーケンスで収集された画
像データおよびΔH(x,y)を用いて(5)式により、
静磁場の不均一による影響の除去された正しい水および
脂肪の分離画像データを求めることができる。
第3図および第4図は本実施例における静磁場不均一
性の影響を補正して水と脂肪の分離画像を得るための処
理の流れを示したものである。
まず、静磁場の不均一性ΔH(x,y)を計測する(ス
テップ31)。静磁場不均一性の計測法については、モー
ズレー(Maudsley)らによって提案されている。計測は
撮像の度に行なってもよいし、あるいは予め1回計測し
ておき、撮像の度にその計測結果を繰返し用いるように
してもよい。
次に、第2図に示した超高速スキャンによるパルスシ
ーケンスを用いて磁気共鳴エコー信号S(t)のデータ
収集を行ない(ステップ32)、次いで収集したデータに
フーリエ変換による画像再構成処理を施す(ステップ3
3)。
次に、この画像再構成結果について前述した手法によ
り、不均一磁場による影響の補正処理を含む水と脂肪の
分離画像を得るための画像化処理を行なう(ステップ3
4)。
この水と脂肪の分離画像化処理ステップ34では、第4
図に示すように、不均一磁場分布の座標変換および補間
処理(ステップ34a)、不均一磁場に伴う位相誤差の補
正処理(ステップ34b)、座標変換(ステップ34c)、お
よび脂肪画像の化学シフト周波数に伴う画像シフトの補
正処理(ステップ34d)が行われる。
そして、これらの処理が行なわれた画像再構成結果が
画像ディスプレイ上で表示される(ステップ35)。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではな
い。例えば上記実施例では、90゜選択励起パルスを印加
した後に180゜パルスを印加するようにしたが、第5図
に示すようにα゜(例えば90゜)選択励起パルスのスラ
イス用勾配磁場Gsによりスライス面内の磁化を励起した
後、第2図に示したような180゜パルスの印加を行なわ
ずに、読出し用勾配磁場Grのスイッチングと、位相エン
コード用勾配磁場Geパルス的な印加を行なうことによ
り、さらに高速のイメージングを行なうようにしてもよ
い。このパルスシーケンスを用いた場合には、180゜高
周波パルスを印加しないことによる、静磁場不均一性の
影響で生じる磁化の位相分散を補正し、また静磁場不均
一性の影響による位相エンコード誤差を補正するように
する。
この第5図に示すパルスシーケンスは、第2図に示し
たパルスシーケンスにおける180゜パルスおよびそれと
同時に印加するされるスライス用勾配磁場Gsの印加を省
略したものである。すなわち、最初にまず被検体5内の
注目するスライス部位の磁化を選択的に励起するため
に、z方向にスライス用勾配磁場Gsを印加するととも
に、90゜選択励起パルス(90゜以外のα゜でもよい)を
印加することにより、被検体5内の特定のスライスを選
択的に励起する。なお、スライス用勾配磁場Gsは90゜選
択励起パルスの印加後、磁化の位相を揃えるために反転
される。
このように90゜パルスおよびスライス用勾配磁場Gsを
印加した後、第2図のような180゜パルスおよびそれに
伴うスライス用勾配磁場Gsを印加せずに、z方向と直交
するxy平面の一方向、例えばx方向に読出し用勾配磁場
Grを交互に正負反転するようにスイッチングさせて繰返
し印加すると同時に、xy平面の他の一方向、例えばy方
向に、位相エンコード用勾配磁場Geを、読出し用勾配磁
場Grの反転時毎にパルス状に印加する。このようにする
ことにより、第2図の場合とほぼ同様に被検体5内から
の磁気共鳴信号(エコー信号)Sig.が得られる。
この方法によれば、第2図に示したような180゜パル
スの印加過程がないために、第2図に示したパルスシー
ケンスよりさらに高速のイメージングが可能となる。
ただし、第5図のパルスシーケンスでは選択励起用90
゜高周波パルスによりスライス内の磁化を励起した後、
所定時間の後から磁気共鳴データの収集が行なわれる、
仮にこの時間が零であればT2*による磁化の位相分散は
起こらないが、実際には上記所定時間を零にすることは
難しい。したがって、この場合には、T2*による磁化の
位相分散の影響に対する補正も行なう。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではな
い。例えば上記実施例は本発明を超高速フーリエ法に適
用した例であるが、第7図に示したエコープラナー法に
本発明を適用してもよい。この場合、第2図および第5
図において、読出し用勾配磁場Grの反転毎に繰返してパ
ルス状に位相エンコード用勾配磁場Geを印加する代り
に、読出し用勾配磁場Grを反転しつつ印加している期間
中ずっと位相被エンコード用勾配磁場Geを静的に印加す
る。
その他、本発明は要旨を逸脱しない範囲で種々変形し
て実施することが可能である。
[発明の効果] 本発明の磁気共鳴映像装置によれば、静磁場の不均一
性による影響を補正しつつ、化学シフトにより磁気共鳴
周波数のわずかに異なる2つの物質の分離画像を極めて
高速で得ることができる。したがって、例えば水と脂肪
に含まれる水素原子核の分離画像のような2つの物質の
分離画像を正しく且つ超高速で得ることができ、心臓や
血管系等の動きのある臓器における2つの物質の分離画
像化が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る磁気共鳴映像装置の構
成を示すブロック図、第2図は本発明による磁気共鳴デ
ータ収集のためのパルスシーケンスの一例を示す図、第
3図および第4図は同実施例における静磁場不均一性の
影響を補正する処理を含む水と脂肪の分離画像処理の流
れを示すフローチャート、第5図は本発明による画像デ
ータ収集のためのパルスシーケンスの他の例を示す図、
第6図および第7図は従来のエコープラナー法および超
高速フーリエ法のパルスシーケンスを示す図、第8図は
従来のディクソン法のパルスシーケンスを説明するため
の図である。 1……静磁場磁石、2……励磁用電源、3……勾配磁場
生成コイル、4……駆動回路、5……被検体、6……寝
台、7……プローブ、8……送信部、9……受信部、10
……システムコントローラ、11……データ収集部、12…
…電子計算機、13……コンソール、14……画像ディスプ
レイ。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一様な静磁場中に置かれた被検体に高周波
    磁場と勾配磁場とを所定のパルスシーケンスに従って印
    加し、被検体内からの磁気共鳴信号を検出して映像化す
    る磁気共鳴映像装置において、化学シフトによってわず
    かに磁気共鳴周波数が異なる所定の2つの物質の核磁化
    の位相差が所定の時間でπ/2あるいは−π/2となるよう
    にタイミング調整された所定のパルスシーケンスを用い
    て、前記高周波磁場によって磁気共鳴が励起されるスラ
    イスの画像再構成に必要な全ての磁気共鳴データを該ス
    ライスの前記所定の核磁化が横磁化の緩和現象により緩
    和する時間内に収集するデータ収集手段と、この手段に
    より収集された磁気共鳴データを2次元複素フーリエ変
    換することによって画像情報の実数部と虚数部とに分離
    して得られる前記2つの物質の少なくとも一方の磁気共
    鳴画像を得るための画像処理手段と、前記データ収集手
    段により前記スライスの画像再構成に必要な全ての磁気
    共鳴データが収集される過程における前記磁場の不均一
    性の影響を補正する補正手段とを備えたことを特徴する
    磁気共鳴映像装置。
  2. 【請求項2】所定の時間は、所定のパルスシーケンスに
    おいて読み出し用勾配磁場積分関数と位相エンコード用
    勾配磁場積分関数が共に零であるデータ収集時間である
    ことを特徴とする請求項1の磁気共鳴映像装置。
  3. 【請求項3】補正手段は、前記化学シフトによってわず
    かに磁気共鳴周波数が異なる2つの物質の分離に関する
    補正と画像ひずみに関する補正との少なくとも一方を行
    なう手段であることを特徴とする請求項1の磁気共鳴映
    像装置。
  4. 【請求項4】補正手段は、前記2次元複素フーリエ変換
    によって得られる実数部画像または虚数部画像を、その
    スライス内の静磁場不均一性の分布情報を用いて補正す
    ることを特徴とする請求項1の磁気共鳴映像装置。
  5. 【請求項5】データ収集手段は、前記スライスに垂直な
    方向のスライス用勾配磁場と共に前記所定の核磁化を励
    起する高周波パルスを印加して所定のスライスに磁気共
    鳴を励起した後、前記スライス用勾配磁場と直交する方
    向の読み出し用勾配磁場を高速で正負交互にスイッチン
    グさせて印加するとともに、前記スライス用勾配磁場お
    よび読み出し用勾配磁場と直交する方向の位相エンコー
    ド用勾配磁場を印加するパルスシーケンスにより、スラ
    イス面の画像再構成に必要な全データを収集することを
    特徴とする請求項1の磁気共鳴映像装置。
  6. 【請求項6】データ収集手段は、前記スライスに垂直な
    方向のスライス用勾配磁場と共に前記所定の核磁化を励
    起する90゜高周波パルスを印加して所定のスライスに磁
    気共鳴を励起した後、前記スライス用勾配磁場と直交す
    る方向の読み出し用勾配磁場を高速で正負交互にスイッ
    チングさせて印加するとともに、前記スライス用勾配磁
    場および読み出し用勾配磁場と直交する方向の位相エン
    コード用勾配磁場を印加するパルスシーケンスにより、
    スライス面の画像再構成に必要な全データを収集する手
    段である請求項5の磁気共鳴映像装置。
  7. 【請求項7】補正手段は、前記90゜高周波パルスの印加
    後に静磁場の不均一性によって生ずる磁化の位相分散の
    影響を補正する手段を含む請求項6の磁気共鳴映像装
    置。
  8. 【請求項8】データ収集手段は、前記スライスに垂直な
    方向のスライス用勾配磁場と共に前記所定の核磁化を励
    起する90゜高周波パルスを印加して所定のスライスに磁
    気共鳴を励起し、さらに180゜高周波パルスを印加した
    後、前記スライス用勾配磁場と直交する方向の読み出し
    用勾配磁場を高速で正負交互にスイッチングさせて印加
    するとともに、前記スライス用勾配磁場および読み出し
    用勾配磁場と直交する方向の位相エンコード用勾配磁場
    を印加するパルスシーケンスにより、スライス面の画像
    再構成に必要な全データを収集する手段である請求項5
    の磁気共鳴映像装置。
  9. 【請求項9】データ収集手段は、前記位相エンコード用
    勾配磁場を読み出し用勾配磁場の各反転時に、パルス状
    に印加することを特徴とする請求項5、6および8のい
    ずれか1項の磁気共鳴映像装置。
  10. 【請求項10】データ収集手段は、前記位相エンコード
    用勾配磁場を、読み出し用勾配磁場が正負交互にスイッ
    チングされつつ印加されている期間中ずっと静的に印加
    することを特徴とする請求項5、6および8のいずれか
    1項の磁気共鳴映像装置。
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