JP2002142489A - ブラシレス直流電動機 - Google Patents

ブラシレス直流電動機

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JP2002142489A JP2000330851A JP2000330851A JP2002142489A JP 2002142489 A JP2002142489 A JP 2002142489A JP 2000330851 A JP2000330851 A JP 2000330851A JP 2000330851 A JP2000330851 A JP 2000330851A JP 2002142489 A JP2002142489 A JP 2002142489A
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昌紀 中川
Shuichi Muramatsu
秀一 村松
Yutaka Inaba
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Abstract

(57)【要約】 【課題】4相駆動を行うブラシレス直流電動機におい
て、回転子の回転角度位置による出力トルクのむらを少
なくすること。 【解決手段】回転子ヨーク100と永久磁石M1 〜M6
とにより回転子1を構成する。電機子鉄心200とこの
電機子鉄心の歯部P1 〜P12に重ね巻きされて直列に接
続されたコイルW1 〜W12とにより固定子2を構成し、
コイルの端末部からタップ端子j1 〜j12を引き出す。
電気角で90度の間隔を有する検出位置で回転子の磁極
を検出する回転子磁極センサha ,hb を設け、隣接す
る2つのタップ端子に同時に励磁電流を流入させる励磁
の仕方を規定の励磁パターンとして、センサの出力のレ
ベルが変化する毎に、規定の励磁パターンで励磁電流を
流すコイルを回転子の回転方向にシフトさせることによ
り回転子を回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4相駆動を行うブ
ラシレス直流電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラシレス直流電動機は、永久磁石によ
り回転子磁極を構成した回転子と、回転子磁極に対向す
る磁極部を有する電機子鉄心にコイルを巻回してなる固
定子と、コイルに流す電流のオンオフと極性の切り換え
とを行うスイッチ回路と、固定子側の特定の位置で回転
子磁極の極性を検出する回転子磁極センサと、回転子磁
極センサの出力に応じてスイッチ回路を制御するコント
ローラとにより構成される。コントローラは、回転子を
所定の方向に回転させるべく、回転子磁極センサの出力
に応じて、所定の相の電機子コイルに所定のタイミング
で所定の極性の電流を流すようにスイッチ回路を制御す
る。
【0003】ブラシレス直流電動機としては、コイルを
3相星形結線して、3相駆動するようにしたものが一般
に用いられている。3相駆動を行うブラシレス直流電動
機では、ホールIC等からなる回転子磁極センサを3つ
設けて、これら3つのセンサの出力に論理演算(論理和
や論理積の演算)を施すことにより励磁の切換タイミン
グを求めて、スイッチ回路を構成する各スイッチ素子に
与える駆動信号を得るようにしている。
【0004】なお本明細書では、電気角で360/n度
(nは1以上の整数)の間隔で電機子コイルの励磁を切
り換える駆動の仕方をn相駆動と呼ぶ。
【0005】上記のように、一般には、3相駆動を行う
ブラシレス直流電動機が用いられているが、3相駆動を
行うためには、最低3つの回転子磁極センサを設けて、
これらのセンサの出力から論理演算により励磁を切り換
えるタイミングを求める必要があるため、センサの数が
多くなってコストが高くなるだけでなく、励磁の切換タ
イミングを求めるための論理が複雑になるという問題が
あった。
【0006】ブラシレス直流電動機のコントローラは、
論理回路を用いて構成する場合と、マイクロコンピュー
タを用いて構成する場合とがあるが、論理回路を用いて
コントローラを構成する場合に、励磁の切換タイミング
を求めるための論理が複雑であると、論理回路の構成が
複雑になってコストが高くなるのを避けられない。また
コントローラをマイクロコンピュータにより構成する場
合には、励磁の切換えタイミングを定めるための論理が
複雑であると、マイクロコンピュータに実行させるプロ
グラムが複雑になるため好ましくない。したがって、ブ
ラシレス直流電動機において、励磁の切換タイミングを
求めるための論理はできるだけ簡単な方が望ましい。
【0007】そこで、ブラシレス直流電動機を回転させ
るに当たり、4相駆動を行うことが考えられる。4相駆
動では、固定子側に、電気角で90度の間隔を持たせて
2つの回転子磁極センサを設けて、90度間隔で励磁を
切換える。このように、4相駆動を行うようにすれば、
2つの回転子磁極センサの出力に論理演算を施すだけで
励磁の切換タイミングを求めることができるため、励磁
の切換タイミングを求めるための論理を簡単にすること
ができる。
【0008】ブラシレス直流電動機において、回転子磁
極センサの配設位置を決定するに当たっては、最大の出
力トルクが得られるように回転子磁極センサの配設位置
を決定するのが普通であり、一般には、電機子鉄心の歯
部間(磁極間)の周方向(鉄心の周方向)の中心位置に
回転子磁極センサを配設することにより、出力トルクを
最大にすることができる。したがって、ブラシレス直流
電動機を4相駆動する場合も、2つの回転子磁極センサ
を電機子鉄心の歯部間に配設するのが普通である。
【0009】ところが、ブラシレス直流電動機を4相駆
動する場合に、2つの回転子磁極センサを電機子鉄心の
歯部間に配置すると、出力トルク特性(回転子の回転角
度位置に対する出力トルクの特性)に深い谷間が生じ、
出力トルク特性の谷間に相当する回転角度位置で回転子
が停止している状態から電動機を始動させようとした際
に、始動トルクがほとんど零に近い状態になることがあ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
考え方に従って4相駆動を行うブラシレス直流電動機で
は、出力トルク特性に深い谷間が生じ、回転子の停止位
置によっては、始動トルクがほとんど得られない状態が
生じる。従って負荷によっては、電動機の始動に失敗す
ることがあり、実用上問題があった。
【0011】本発明の目的は、ブラシレス直流電動機を
4相駆動する場合に、出力特性に深い谷間が生じるのを
防いで、回転子の停止位置の如何に係わりなく十分な始
動トルクを得ることができるようにすることにある。
【0012】本発明の他の目的は、ブラシレス直流電動
機を4相駆動する場合に、出力特性に深い谷間が生じる
のを防いで、しかも最大出力トルクを大きくすることが
できるようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転子ヨーク
に永久磁石を取付けて磁石界磁を構成する磁石回転子
と、多極の電機子鉄心にコイルを巻回してなる固定子
と、回転子を駆動する際(電動機として動作させる際)
に固定子のコイルの励磁の切換を行うスイッチ回路と、
該スイッチ回路を制御するコントローラとを備えたブラ
シレス直流電動機を対象とする。
【0014】本発明では、出力トルク特性に深い谷が生
じるのを防ぐために、コイルを重ね巻きして、電動機と
して動作する際に働く固定子の磁極(歯部)の数を増や
す。また回転子磁極センサを電機子鉄心の歯部の中心に
相応する位置に配置することにより、トルク特性に生じ
る谷の深さを浅くし、回転子の特定の回転角度位置でト
ルクが低くなるのを防止する。
【0015】更に詳細に説明すると、本願の第1の発明
においては、磁石回転子として、等角度間隔で配置され
たm極(mは偶数)の磁極を有するものを用いる。また
固定子としては、磁石回転子の回転方向に等角度間隔で
並ぶように設けられた2m個(mは偶数)の歯部を有す
る電機子鉄心と、各コイルを電機子鉄心の隣り合う2つ
の歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として
磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされた2m個のコ
イルとを備えたものを用い、2m個のコイルのそれぞれ
の巻始め側の端末部とそれぞれのコイルに隣接するコイ
ルの巻終り側の端末部との接続点から2m個のタップ端
子を導出しておく。
【0016】この固定子においては、磁石回転子との位
相関係が等しいコイルの巻始め側の端末部に接続された
タップ端子を同じ相のタップ端子とした場合に、2m個
のタップ端子を第1ないし第4の相のタップ端子に分け
ることができる。
【0017】本発明においてはまた、電機子鉄心の特定
の歯部の周方向のほぼ中心に相応する位置に設定された
第1の検出位置及び該第1の検出位置から磁石回転子の
回転方向に電気角で90度離れた第2の検出位置にそれ
ぞれ配置されて、それぞれの検出位置を通過している磁
石回転子の磁極がN極のときとS極のときとで出力の状
態を異にするように設けられた第1及び第2の回転子磁
極センサと、固定子のコイルの励磁相(励磁電流を流す
相)の切換を行う機能を有するスイッチ回路と、回転子
磁極センサの出力の状態が変化する毎に励磁相を切換え
るようにスイッチ回路を制御するコントローラとを設け
る。
【0018】上記スイッチ回路としては、互いに直列に
接続された上段のスイッチ素子と下段のスイッチ素子と
を有して両スイッチ素子どうしの接続点から中間端子が
導出されたスイッチアームを第1ないし第4の相のタッ
プ端子のそれぞれに対して少なくとも1つずつ備えてい
て、第1ないし第4の相のタップ端子にそれぞれ対応す
る第1ないし第4の相のスイッチアームを直流電源が接
続される対の直流電源接続端子間に並列に接続したもの
を用い、第1ないし第4の相のスイッチアームのそれぞ
れの中間端子を対応する相のタップ端子に接続する。
【0019】スイッチ回路を制御するコントローラは、
磁石回転子を一方向に回転駆動する際に、直流電源の正
極端子からスイッチ回路の2つの隣り合う相のスイッチ
アームの上段のスイッチ素子を通して固定子の隣り合う
2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、
回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に
流入させた励磁電流は回転方向の前方側の1つのコイル
を通して流した後他の1つの相のスイッチアームの下段
のスイッチ素子を通して直流電源の負極端子に戻し、隣
り合う2つの相のタップ端子のうち回転方向の後方側に
位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は回転方
向の後方側の1つの相のコイルを通して流した後更に他
の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して直
流電源の負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁
パターンとして定めておいて、第1及び第2の回転子磁
極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に、規定
の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次磁
石回転子の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ
回路のスイッチ素子をオンオフ制御する機能を持つよう
に構成する。
【0020】上記のように、電機子鉄心の特定の歯部の
周方向のほぼ中心に相応する位置に設定された第1の検
出位置及び該第1の検出位置から磁石回転子の回転方向
に電気角で90度離れた第2の検出位置にそれぞれ第1
及び第2の回転子磁極センサを配置するとともに、固定
子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を
流入させるように励磁パターンを定めて、この励磁パタ
ーンに従って励磁電流を流すようにすると、ほとんど谷
が生じない、ほぼフラットな出力トルク特性を得ること
ができるため、始動トルクが不足して電動機の始動に失
敗するおそれをなくすことができる。
【0021】また回転子磁極センサは2つだけ設ければ
よいため、励磁パターンの切換のタイミングを定めるた
めの論理を簡単にすることができ、コントローラを論理
回路を構成する場合のその構成を簡単にすることができ
る。またコントローラをマイクロコンピュータにより構
成する場合には、該マイクロコンピュータに実行させる
プログラムを簡単にすることができる。
【0022】上記のように、2つの回転子磁極センサを
電機子鉄心の歯部の中心に相応する位置に配置すると、
従来の考え方にしたがって回転子磁極センサを歯部間の
間隙の中心に相応する位置に配置した場合に比べて、出
力トルクの最大値が多少低下する。
【0023】負荷によっては、電動機の始動トルクを大
きくするだけでなく、出力トルクの平均値をできるだけ
大きくすることが望まれることがある。
【0024】このような目的を達成するため、本願の第
2の本発明においては、磁石回転子の回転方向に電気角
で45度の間隔をもって順次並ぶように設定された固定
子側の第1ないし第4の検出位置にそれぞれ第1ないし
第4の回転子磁極センサを配置して、回転子の回転速度
が低いときには励磁電流を2つのタップ端子に同時に流
入させる励磁パターンで励磁電流を流して出力トルクの
むらを少なくし、回転速度がある程度高くなったとき
に、励磁電流を1つのタップ端子に流入させる励磁パタ
ーンで励磁電流を流して、出力トルクの最大値を高くす
る。
【0025】ここで、電機子鉄心の2m個の歯部の中か
ら選択した1つの歯部を第1の特定歯部とし、該第1の
特定歯部よりも磁石回転子の回転方向の前方側に配置さ
れた隣接の2つの歯部をそれぞれ第2の特定歯部及び第
3の特定歯部とした場合、上記第1の検出位置は、第1
の特定歯部の周方向のほぼ中心に相応する位置とする。
この場合第2の検出位置は、第1の特定歯部と第2の特
定歯部との間の間隙の周方向のほぼ中心に相応する位置
とすることができ、第3の検出位置は、第2の特定歯部
の周方向のほぼ中心に相応する位置とすることができ
る。また第4の検出位置は、第2の特定歯部と第3の特
定歯部との間の間隙のほぼ中心位置とすることができ
る。
【0026】この場合、コントローラは、直流電源の正
極端子からスイッチ回路の2つの隣り合う相のスイッチ
アームの上段のスイッチ素子を通して固定子の隣り合う
2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、
回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に
流入させた励磁電流は回転方向の前方側の1つの相のコ
イルを通して流した後他の1つの相のスイッチアームの
下段のスイッチ素子を通して直流電源の負極端子に戻
し、隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転方向の後
方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は
回転方向の後方側の1つの相のコイルを通して流した後
更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通
して直流電源の負極端子に戻す励磁電流の流し方を第1
の励磁パターンとして定めるとともに、直流電源の正極
端子からスイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチア
ームの上段のスイッチ素子を通して固定子のいずれか1
つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転子の回
転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向
の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後
他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を
通して直流電源の負極端子に戻す励磁電流の流し方を第
2の励磁パターンとして定めておいて、磁石回転子の回
転速度が設定値以下のときに、第1の回転子磁極センサ
及び第3の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が
変化する毎に第1の励磁パターンに従って励磁電流を流
すコイルを磁石回転子の回転方向にシフトさせていき、
磁石回転子の回転速度が設定値を超えたときには第2の
回転子磁極センサ及び第4の回転子磁極センサのそれぞ
れの出力の状態が変化する毎に第2の励磁パターンに従
って励磁電流を流すコイルを前記磁石回転子の回転方向
にシフトさせていくようにスイッチ回路のスイッチ素子
を制御する。
【0027】上記のように、電動機の回転速度に応じて
励磁パターンを切り換えるようにすると、電動機の始動
時にはトルクむらを少なくして、始動トルクが不足する
回転角度位置が生じるのを防ぐことができ、電動機が始
動した後は、出力トルクの最大値を大きくして電動機の
平均出力トルクを大きくすることができる。
【0028】この場合、4つの回転子磁極センサを必要
とするが、各励磁パターンによる励磁は4相駆動であ
り、2のつ回転子磁極センサの出力に基づいて励磁の切
換タイミングを定めることができるため、3相駆動によ
る場合に比べて励磁の切換タイミングを求めるための論
理を簡単にすることができる。
【0029】上記の構成では、回転速度に応じて励磁パ
ターンを切り換えるために、4つの回転子磁極センサを
用いているが、電機子鉄心の歯部のほぼ中心に相応する
位置で回転子の磁極がN極であるかS極であるかを検出
する第1及び第2の回転子磁極センサを用いて第2の励
磁パターンの励磁相の切換を行い、第1及び第2の回転
子磁極センサの出力の状態が変化する毎に起動するタイ
マの出力を用いて、第1の励磁パターンによる励磁相の
切換を行わせるようにすることもできる。
【0030】この場合、コントローラは、直流電源の正
極端子からスイッチ回路の2つの隣り合う相のスイッチ
アームの上段のスイッチ素子を通して固定子の隣り合う
2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、
回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に
流入させた励磁電流を回転方向の前方側の1つの相のコ
イルを通して流した後他の1つの相のスイッチアームの
下段のスイッチ素子を通して直流電源の負極端子に戻
し、隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転方向の後
方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を
回転方向の後方側の1つの相のコイルを通して流した後
更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通
して直流電源の負極端子に戻す励磁電流の流し方を第1
の励磁パターンとして定めるとともに、直流電源の正極
端子からスイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチア
ームの上段のスイッチ素子を通して固定子のいずれか1
つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転子の回
転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向
の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後
他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を
通して直流電源の負極端子に戻す励磁電流の流し方を第
2の励磁パターンとして定めておいて、磁石回転子の回
転速度が設定値以下のときには、第1及び第2の回転子
磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に、第
1の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを磁石
回転子の回転方向に順次シフトさせていくようにスイッ
チ回路の各スイッチ素子をオンオフ制御し、磁石回転子
の回転速度が設定値を超えたときには、第1及び第2の
回転子磁極センサの出力の状態の組み合わせが変化する
毎に起動させたタイマが所定の時間を計測する毎に第2
の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次磁
石回転子の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ
回路のスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0031】この場合、磁石回転子の回転速度が設定値
を超えたときに、磁石回転子の各磁極の回転方向の前端
縁が電機子鉄心の歯部間を通過する際に、第1の励磁パ
ターンで同時に励磁電流が流れるコイルの組み合わせが
切り換わるように、タイマが計測する時間を設定する。
【0032】上記のように構成すると、回転子磁極セン
サを2つだけ設ければよいため、固定子側の構成を複雑
にすることなく、回転速度に応じて励磁パターンを切換
える制御を行わせることができる。
【0033】上記のように、本発明によれば、ブラシレ
ス直流電動機を4相駆動する場合に、始動トルクが得ら
れない回転角度位置が生じるのを防ぐことができるた
め、励磁の切換タイミングを定めるための論理が簡単な
2相駆動の利点を活かして、しかも3相駆動を行うブラ
シレス直流電動機と同等の性能を有するブラシレス直流
電動機を得ることができ、4相駆動を行うブラシレス直
流電動機の実用性を高めることができる。
【0034】本発明ではまた、固定子が第1ないし第4
の相のコイルを有している場合に、電気角で45度の間
隔を持って前記回転子の回転方向の前方側に順次並ぶよ
うに配置された第1ないし第4の回転子磁極センサを用
いて、同時に2つのタップ端子に励磁電流を流入させる
第1の励磁パターンと常に1つのタップ端子に励磁電流
を流入させる第2の励磁パターンとを交互に生じさせな
がら電動機としての駆動を行わせることもできる。
【0035】この場合には、磁石回転子の回転方向の前
方側に電気角で45度の角度間隔で順次並ぶように設定
された第1ないし第4の検出位置にそれぞれ配置され
て、それぞれの検出位置を通過している磁石回転子の磁
極がN極のときとS極のときとで出力の状態を異にする
ように設けられた第1ないし第4の回転子磁極センサ
と、互いに直列に接続された上段のスイッチ素子と下段
のスイッチ素子とを有して両スイッチ素子どうしの接続
点から中間端子が導出されたスイッチアームを第1ない
し第4の相のタップ端子のそれぞれに対して少なくとも
1つずつ備えていて、第1ないし第4の相のタップ端子
にそれぞれ対応する第1ないし第4の相のスイッチアー
ムを直流電源が接続される対の電源接続端子間に並列に
接続するとともに該第1ないし第4の相のスイッチアー
ムのそれぞれの中間端子を対応する相のタップ端子に接
続した構成を有するスイッチ回路と、このスイッチ回路
を制御するコントローラとを設ける。
【0036】このコントローラは、直流電源の正極端子
からスイッチ回路の隣り合う2つの相のスイッチアーム
の上段のスイッチ素子を通して固定子の隣り合う2つの
相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、該隣り
合う2つの相のタップ端子のうち回転子の回転方向の前
方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を
回転方向の前方側に位置する1つの相のコイルを通して
流した後スイッチ回路の他の1つの相のスイッチアーム
の下段のスイッチ素子を通して直流電源の負極端子に戻
し、隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転方向の後
方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は
回転方向の後方側に位置する1つの相のコイルを通して
流した後スイッチ回路の更に他の相のスイッチアームの
下段のスイッチ素子を通して直流電源の負極端子に戻す
励磁電流の流し方を第1の励磁パターンとして定めると
ともに、直流電源の正極端子からスイッチ回路のいずれ
か1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通
して前記固定子のいずれか1つの相のタップ端子に流入
させた励磁電流を前記回転子の回転方向の前方側で隣り
合う2つの隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合う2
つの隣接コイルとに分流させた後他の1つの相のスイッ
チアームの下段のスイッチ素子を通して直流電源の負極
端子に戻す励磁電流の流し方を第2の励磁パターンとし
て定めておいて、磁石回転子を一方向に回転駆動する際
に、第1の回転子磁極センサの出力の状態が変化したと
き及び第3の回転子磁極センサの出力の状態が変化した
ときに、第1の励磁パターンで励磁電流を流し、第2の
回転子磁極センサの出力の状態が変化したとき及び第4
の回転子磁極センサの出力の状態が変化したときには第
2の励磁パターンで励磁電流を流すようにして、第1の
励磁パターンで励磁電流を流す状態と第2の励磁パター
ンで励磁電流を流す状態とを交互に生じさせながら、第
1ないし第4の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状
態が変化する毎に励磁電流を流すコイルを順次磁石回転
子の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ回路の
スイッチ素子をオンオフ制御する。
【0037】この場合、第1の回転子磁極センサを配置
する第1の検出位置は、電機子鉄心の特定の歯部と前記
回転子の回転方向の前方側で該特定の歯部に隣接する他
の歯部との間の間隙の中心と前記特定の歯部の周方向の
中心との間に設定する。
【0038】上記のように、固定子の隣り合う2つの相
のタップ端子に同時に励磁電流を流入させる第1の励磁
パターンによる励磁と固定子のコイルから引き出した1
つの相のタップ端子のみに励磁電流を流入させる第2の
励磁パターンによる励磁とを交互に行わせるようにする
と、全回転速度領域で出力トルクのむらを少なくすると
ともに、最大出力トルクの最大値を大きくして平均出力
トルクの増大を図ることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明に係わる
ブラシレス直流電動機の機械的な構成部分の構成例を示
したもので、図1(A)は同電動機の断面図及び正面図
である。また図2は、図1の電動機のコイルの巻回構造
と、該コイルに励磁電流を流すタイミングを切り換える
スイッチ回路の構成例と、該スイッチ回路を制御するコ
ントローラとを示した構成図である。
【0040】図1(A)及び(B)に示したブラシレス
直流電動機は、フレームfに設けられたボス部fbに軸
受bを介して支持された回転軸sと、回転軸sに取り付
けられた回転子1と、フレームfのボス部の外周に固定
された固定子2とにより構成されている。
【0041】回転子1は、鉄等の強磁性材料によりほぼ
カップ状に形成された回転子ヨーク100と、該回転子
ヨーク100の周壁部101の内周に等角度間隔で取り
付けられて回転子ヨーク100の径方向に着磁された円
弧状の永久磁石M1 〜M6 とからなっている。
【0042】磁石M1 〜M6 は、フライホイールの周方
向に交互に異なる極性の磁極(S極及びN極)が並ぶよ
うに着磁されていて、これらの磁石により、等角度間隔
で並ぶ6極の磁極を有する磁石界磁が構成されている。
回転子ヨーク100の底壁部の中央部には回転軸取付け
用のボス部102が設けられ、このボス部が回転軸sに
取り付けられる。
【0043】固定子2は、環状の継鉄部Yから磁石回転
子1の回転方向に等角度間隔で並ぶ12個の歯部P1 〜
P12を放射状に突出させた形状を有する電機子鉄心20
0と、電機子鉄心200の歯部P1 〜P12に巻方向を同
じにして重ね巻きされた12個のコイルW1 〜W12とか
らなっていて、鉄心200がフレームfのボス部fbの
外周に嵌合されて支持されている。
【0044】電機子鉄心200は、所定の形状に打ち抜
いた鋼板を所定枚数積層したものからなっていて、その
継鉄部Yには樹脂製のフレーム202が固定され、該フ
レームには12個のピン203,203,…の基部が埋
め込まれている。
【0045】コイルW1 〜W2 は、各コイルを電機子鉄
心の隣り合う2つの歯部に跨らせた状態で、かつ各コイ
ルの巻終り側の端末部を次のコイルの巻始めの端末部に
つなげた状態で順次重ね巻きされている。そして、コイ
ルW1 〜W12相互間の渡り部が一連のピン203,20
3,…に巻き付けられて半田付けされ、コイルW1 〜W
12のそれぞれの巻始め側の端末部が接続された一連のピ
ン203,203,…がそれぞれタップ端子j1 〜j12
となっている。
【0046】なお「重ね巻き」とは、電機子鉄心の各歯
部において隣り合うコイルの一部が回転子の周方向にオ
ーバラップするように一連のコイルを巻回することをい
う。図示の例では、隣り合うコイルの一部が重なり合っ
た状態で巻回されているが、歯部間のスロットを十分に
深くすることができる場合には、隣り合うコイルを重ね
合わせることなく、鉄心の径方向に位置をずらして配置
するようにしてもよい。
【0047】図示の固定子では、磁石界磁との位相関係
が等しいコイルを同一相のコイルとした場合に、12個
のコイルW1 〜W12が第1ないし第4の相のコイルに分
かれるようになっている。図示の例では、図2に示すよ
うに、コイルW1 ,W5 及びW9 が第1の相のコイルを
構成し、コイルW2 ,W6 及びW10が第2の相のコイル
を構成している。またコイルW3 ,W7 及びW11が第3
の相のコイルを構成し、コイルW4 ,W8 及びW12が第
4の相のコイルを構成している。
【0048】また、同じ相のコイルの巻き始め側の端末
部に接続されたタップ端子を同じ相のタップ端子とした
場合に、12個のタップ端子j1 〜j12を第1ないし第
4の相のタップ端子に分けることができるようになって
いる。図示の例では、タップ端子j1 ,j5 及びj9 が
第1の相のタップ端子を構成し、タップ端子j2 ,j6
及びj10が第2の相のタップ端子を構成している。また
タップ端子j3 ,j7及びj11が第3の相のタップ端子
を構成し、タップ端子j4 ,j8 及びj12が第4の相の
タップ端子を構成している。
【0049】また図示の例では、回転子のフライホイー
ル100に設けられたボス部102の外周にリング状の
回転子磁極検出用磁石10が取り付けられていて、この
磁石10は、磁石回転子の磁極M1 〜M6 にそれぞれ対
応する磁極m1 〜m6 (図2参照)を形成するように着
磁されている。
【0050】図1(A)に示すように、電機子鉄心20
0の継鉄部Yに固定された環状の樹脂製フレーム204
に、回転子磁極検出用磁石10の磁極を検出する回転子
磁極センサha 及びhb が取り付けられている。図示の
回転子磁極センサha 及びhb は、ホールICからなっ
ていて、電機子鉄心200の隣り合う2つの歯部のそれ
ぞれの周方向の中心に相応する位置に設定された第1及
び第2の検出位置で回転子の磁極を検出して、検出して
いる回転子の磁極がN極であるかS極であるかによって
異なるレベルの矩形波状の磁極検出信号HA 及びHB を
出力する。
【0051】この例では、図1(B)に符号ha 及びh
b を付して示したように、電機子鉄心200の歯部P3
及びP4 のそれぞれの周方向の中心に相応する位置に回
転子磁極センサha 及びhb を配置して回転子1の磁極
の極性を検出した場合に両センサから得られる信号と同
等の信号が、継鉄部Yに固定された樹脂製フレーム20
4に取り付けられたセンサha 及びhb から得られるよ
うに、両センサha 及びhb が設けられている。
【0052】この例では、磁石回転子1が6極に構成さ
れ、電機子鉄心200が12極に構成されているため、
上記のように回転子磁極センサha ,hb を配置した場
合、両回転子磁極センサ相互間の間隔は、電気角で90
度となる。
【0053】なお図示の例では、回転子磁極検出用磁石
10を設けて、該磁石の磁極を回転子磁極センサha 及
びhb により検出することによって、回転子1の磁極の
極性を間接的に検出するようにしているが、回転子磁極
検出用磁石10を設けることなく、図1(B)に符号h
a 及びhb で示した位置にそれぞれ回転子磁極センサを
配置して、回転子1の磁極の極性を直接検出するように
してもよいのはもちろんである。
【0054】図1に示した電動機において、回転子磁極
センサha 及びhb がそれぞれ出力する磁極検出信号H
A 及びHB の波形は例えば図5(A)及び(B)に示す
通りで、回転子磁極センサha 及びhb は、磁石のN極
を検出しているときに高レベル(以下Hレベルとい
う。)を示し、S極を検出しているときに低レベルまた
は零レベル(以下Lレベルという。)を示す検出信号H
A 及びHB を出力する。
【0055】回転子磁極センサha 及びhb から導出さ
れたリード線は絶縁被覆により被覆されてワイヤーハー
ネス11として外部に導出されて図2に示すコントロー
ラ4に接続される。
【0056】図1に示した電動機の巻線構造は、図2に
示した巻線展開図の通りで、回転子の各磁極に対して常
時隣り合う2つのコイルが対応するように一連のコイル
が設けられている。
【0057】図2に示したように、コイルW1 〜W12に
励磁電流を流すためにスイッチ回路3と、回転子磁極セ
ンサha ,hb の出力に応じてスイッチ回路3を制御す
るコントローラ4とが設けられている。
【0058】図示のスイッチ回路3は、固定子の第1な
いし第4の相のタップ端子にそれぞれ対応する第1ない
し第4の相のスイッチアームS1 ,S2 ,S3 及びS4
を対の直流電源接続端子3a,3b間に並列に接続した
構成を有している。図示の例では、互いに直列に接続さ
れた上段のスイッチ素子qa 及び下段のスイッチ素子q
b と、スイッチ素子qa 及びqb にそれぞれ逆並列接続
された上段の整流用ダイオードda 及び下段の整流用ダ
イオードdb とにより各スイッチアームが構成され、ス
イッチアームS1 〜S4 のそれぞれのスイッチ素子同士
の接続点から中間端子u1 ないしu4 が導出されてい
る。第1及び第2の相のスイッチアームS1 及びS2 の
それぞれの中間端子u1 及びu2 はそれぞれ固定子の第
1及び第2の相のタップ端子(j1 ,j5 ,j9 )及び
(j2 ,j6 ,j10)に接続され、第3及び第4の相の
スイッチアームS3 及びS4 のそれぞれの中間端子は、
固定子の第3及び第4の相のタップ端子(j3 ,j7 ,
j11)及び(j4 ,j8 ,j12)に接続されている。
【0059】図示の例では、各スイッチアームを構成す
るスイッチ素子qa ,qb がMOSFETからなってい
て、スイッチアームS1 ないしS4 のそれぞれの上段の
スイッチ素子qa を構成するFETのドレインが電源接
続端子3aに共通接続されてている。またスイッチアー
ムS1 ないしS4 のそれぞれの下段のスイッチ素子qb
を構成するFETのドレインがそれぞれの相のスイッチ
アームの上段のスイッチ素子を構成するFETのソース
に接続され、スイッチアームS1 ないしS4 のそれぞれ
の下段のスイッチ素子qb を構成するFETのソースが
共通に接続されて、抵抗値が十分に小さいシャント抵抗
Rs を通して電源接続端子3bに共通接続されている。
シャント抵抗Rs は固定子のコイルに供給される全励磁
電流を検出するために設けられていて、この抵抗Rs の
両端に得られる電流検出信号は、図2には図示しない後
記する過電流検出回路に入力されている。
【0060】なおda 及びdb はMOSFETのドレイ
ンソース間に存在する寄生ダイオードである。
【0061】対の電源接続端子3a及び3bにはそれぞ
れバッテリ5の正極端子及び負極端子が接続され、該バ
ッテリ5からスイッチ回路3を通してコイルW1 〜W12
に励磁電流が供給される。
【0062】コントローラ4は、マイクロコンピュータ
を備えていて、回転子磁極センサha 及びhb がそれぞ
れ発生する検出信号HA 及びHB に応じて、スイッチア
ームS1 〜S4 の上段のスイッチ素子qa の制御端子
(図示の例ではMOSFETのゲート)にそれぞれ駆動
信号AないしDを所定のタイミングで与え、スイッチア
ームS1 〜S4 の下段のスイッチ素子qb の制御端子に
それぞれ駆動信号A´ないしD´を所定のタイミングで
与える。
【0063】各スイッチ素子はその制御端子に駆動信号
が与えられている間オン状態を保持し、該駆動信号が与
えられていない間オフ状態を保持する。
【0064】図2においては、固定子2のコイルに流す
励磁電流を制御する制御装置の部分を概略的に示してい
るが、制御装置のより詳細な構成の一例を示すと図3の
通りである。
【0065】図3に示した例では、図2に示したスイッ
チ回路3の負極側の電源接続端子3bとスイッチアーム
S1 〜S4 の共通接続点との間に挿入されたシャント抵
抗Rs の両端に得られる電流検出信号が過電流検出回路
15に入力されている。スイッチ回路3と過電流検出回
路15とによりドライバ16が構成されている。
【0066】過電流検出回路15は、例えば、図4に示
すように、演算増幅器OP1 、固定抵抗器R1 ,R2 、
可変抵抗器VR1 、及びコンデンサC1 からなる増幅回
路15Aと、固定抵抗器R3 及び可変抵抗器VR2 の直
列回路からなっていて後記する電源回路から与えられる
定電圧を分圧して基準電圧Vf を出力する基準電圧発生
回路15Bと、増幅回路15Aの出電圧及び基準電圧V
f がそれぞれ反転入力端子及び非反転入力端子に入力さ
れた電圧比較器CP1 と帰還抵抗R4 とからなる比較回
路15Cとを備えていて、シャント抵抗Rs の両端に得
られる電流検出信号が設定値を超えたときに、増幅回路
15Aの出力電圧が基準電圧Vf を超えて比較器CP1
の出力端子の電位を高レベルの状態から低レベルの状態
に変化させる。この比較器CP1 の出力端子の電位の低
下が過電流検出信号としてコントローラ4に与えられ
る。
【0067】コントローラ4は、CPU4Aと、ROM
4Bと、RAM4Cと、計測すべき時間がセットされた
ときにクロックパルスを計数する計時動作を開始して、
セットされた時間を計測したときに出力信号を発生する
タイマ4Dと、CPU4Aへの信号の入出力を行う入出
力ポート4Eと、電源回路4Fと、電動機を回転させる
際に閉じられる始動指令スイッチSWに入力端子が接続
されて始動指令スイッチSWが閉じたことを検出したと
きにCPU4Aに始動指令信号を与える始動指令検出回
路4Gとを有している。
【0068】またCPU4Aには、過電流検出回路15
の出力がポート4Eを通して入力されるとともに、回転
子磁極センサha 及びhb の出力が入力されている。
【0069】電源回路4Fは、バッテリ5の出力電圧を
入力として、CPU4Aを動作させるために必要な電源
電圧(5[V])と、ドライバ16を駆動するために必
要な電源電圧(8[V])とを出力する回路で、電源回
路4FからCPU4Aとドライバ16とに電源電圧が与
えられている。
【0070】CPU4Aは、ROM4Bに記憶された所
定のプログラムを実行することにより、後記する励磁パ
ターンに従って固定子のコイルに励磁電流を供給するべ
く、回転子磁極センサha ,hb の出力からスイッチ回
路3の各スイッチ素子に駆動信号を与えるタイミングを
割り出して、割り出したタイミングでスイッチ回路3の
スイッチ素子に駆動信号A〜D及びA´〜D´を与える
スイッチ回路駆動手段や、固定子のコイルに供給される
励磁電流が過大になって過電流検出回路15が過電流検
出信号を発生したときに、スイッチ回路3への駆動信号
の出力を停止する過電流保護手段等を実現する。
【0071】本実施形態では、図5に示すような励磁パ
ターンで固定子のコイルに励磁電流を流す。図5の励磁
パターンに従う場合、コントローラ4は、磁石回転子1
を一方向に回転駆動する際に、バッテリ5の正極端子か
らスイッチ回路3の2つの隣り合う相のスイッチアーム
の上段のスイッチ素子qa を通して固定子2の隣り合う
2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、
回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に
流入させた励磁電流を回転方向の前方側の1つの相のコ
イルを通して流した後、他の1つの相のスイッチアーム
の下段のスイッチ素子を通してバッテリ5の負極端子に
戻し、隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転方向の
後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流
は回転方向の後方側の1つの相のコイルを通して流した
後、更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子
を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を
規定の励磁パターンとして定めておいて、第1及び第2
の回転子磁極センサha 及びhb のそれぞれの出力の状
態が変化する毎に、規定の励磁パターンに従って励磁電
流を流すコイルを順次磁石回転子の回転方向にシフトさ
せていくようにスイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ
制御する。
【0072】更に詳細に説明すると、図5に示した例で
は、回転子磁極センサha の出力信号HA がLレベルか
らHレベルに変化した時に、コントローラ4が第3の相
のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子qa に与え
ていた駆動信号Cを消滅させると同時に、第1の相のス
イッチアームS1 の上段のスイッチ素子qa に駆動信号
Aを与え、既に第4の相のスイッチアームS4 の上段の
スイッチ素子qa に与えられている駆動信号Dはそのま
まとして、第1の相のスイッチアームS1 の上段のスイ
ッチ素子qa と第4の相のスイッチアームS4 の上段の
スイッチ素子qa とを導通させる。また第1のスイッチ
アームS1 の下段のスイッチ素子qb に与えていた駆動
信号を消滅させると同時に第3の相のスイッチアームS
3 の下段のスイッチ素子qb に駆動信号C´を与え、既
に第2の相のスイッチアームS2の下段のスイッチ素子
qb に与えられている駆動信号B´をそのままとして、
第2の相のスイッチアームS2 下段のスイッチ素子qb
と第3の相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子
qb とを導通させる。
【0073】このときバッテリ5から第4の相のスイッ
チアームS4 及び第1の相のスイッチアームS1 の上段
のスイッチ素子を通して第4の相のタップ端子(j12,
j4,j8 )及び第1の相のタップ端子(j1 ,j5 ,
j9 )に励磁電流が流入する。このとき励磁電流が同時
に流入する隣り合う相のタップ端子(j12,j1 ),
(j4 ,j5 )及び(j8 ,j9 )はそれぞれほぼ同電
位であり、また同時に励磁電流が流出する隣り合う相の
タップ端子(j2 ,j3 ),(j6 ,j7 )及び(j1
0,j11)もそれぞれほぼ同電位であるため、コイルW1
2,W4 ,W8 ,W2 ,W6 及びW10には励磁電流がほ
とんど流れない。そのため、バッテリ5から第4の相の
スイッチアームS4 の上段のスイッチ素子を通して第4
の相のタップ端子j12,j4 及びj8 にそれぞれ流入し
た励磁電流は回転方向の後方側に位置する1つの相のコ
イルW11,W3 及びW7 を通して流れた後第2の相のス
イッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb を通してバ
ッテリの負極端子に戻る。またバッテリから第1の相の
スイッチアームS1 の上段のスイッチ素子を通して第1
の相のタップ端子j1 ,j5 及びj9 にそれぞれ流入し
た励磁電流は、回転方向の前方側に位置する1つの相の
コイル群W1 ,W5 及びW9 を通して流れた後、第3の
相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb を通
してバッテリの負極端子に戻る。
【0074】次いで、コントローラ4は、回転子磁極セ
ンサhb の出力信号HB がLレベルからHレベルに変化
したときに、第4の相のスイッチアームS4 の上段のス
イッチ素子qa に与えていた駆動信号Dを消滅させると
同時に第2の相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ
素子qa に駆動信号Bを与え、既に第1の相のスイッチ
アームS1 の上段のスイッチ素子qa に与えている駆動
信号Aはそのままとして、第1の相のスイッチアームS
1 の上段のスイッチ素子qa と第2の相のスイッチアー
ムS2 の上段のスイッチ素子qa とを導通させた状態と
する。コントローラはまた、第2のスイッチアームS2
の下段のスイッチ素子qb に与えていた駆動信号B´を
消滅させると同時に第4の相のスイッチアームS4 の下
段のスイッチ素子qb に駆動信号D´を与え、既に第3
の相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb に
与えている駆動信号C´はそのままとして、第3の相の
スイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb と第4の
相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb とを
導通させた状態にする。
【0075】このときバッテリ5から第1の相のスイッ
チアームS1 及び第2の相のスイッチアームS2 の上段
のスイッチ素子を通して第1の相のタップ端子(j1 ,
j5,j9 )及び第2の相のタップ端子(j2 ,j6 ,
j10)に励磁電流が流入する。このとき同時に励磁電流
が流入する隣合うタップ端子(j1 ,j2 ),(j5,
j6 )及び(j9 ,j10)はそれぞれほぼ同電位であ
り、また同時に励磁電流が流出する隣り合うタップ端子
(j3 ,j4 ),(j7 ,j8 )及び(j11,j12)も
ほぼ同電位であるため、コイルW1 ,W5 ,W9 ,W3
,W7 及びW12)には励磁電流がほとんど流れない。
そのため、第1の相のタップ端子j1 ,j5及びj9 に
それぞれ流入した励磁電流は回転方向の後方側に位置す
る1つの相のコイルW12,W4 ,及びW8 を通して流れ
た後第3の相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素
子qb を通してバッテリの負極端子に戻る。またバッテ
リ5から第2の相のスイッチアームS2 の上段のスイッ
チ素子を通して第2の相のタップ端子j2 ,j6 及びj
10にそれぞれ流入した励磁電流は、回転方向の前方側に
位置する1つの相のコイルW2 ,W6 及びW10を通して
流れた後第4の相のスイッチアームS4 の下段のスイッ
チ素子qb を通してバッテリの負極端子に戻る。次い
で、コントローラ4は、回転子磁極センサha が出力す
る磁極検出信号HA がHレベルからLレベルに変化した
ときに、第1の相のスイッチアームS1 の上段のスイッ
チ素子qa に与えていた駆動信号Aを消滅させると同時
に第3の相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子
qa に駆動信号Cを与え、既に第2の相のスイッチアー
ムS2 の上段のスイッチ素子qa に与えている駆動信号
Bはそのままとして、第2の相のスイッチアームS2 の
上段のスイッチ素子qa と第3の相のスイッチアームS
3 の上段のスイッチ素子qa とを導通させた状態とす
る。コントローラはまた、第3のスイッチアームS3 の
下段のスイッチ素子qbに与えていた駆動信号C´を消
滅させると同時に第1の相のスイッチアームS1の下段
のスイッチ素子qb に駆動信号A´を与え、既に第4の
相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb に与
えている駆動信号D´はそのままとして、第1の相のス
イッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb と第4の相
のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb とを導
通させた状態にする。
【0076】このときバッテリ5から第2の相のスイッ
チアームS2 及び第3の相のスイッチアームS3 の上段
のスイッチ素子を通して第2の相のタップ端子(j2 ,
j6,j10)及び第3の相のタップ端子(j3 ,j7 ,
j11)に励磁電流が流入する。このとき同時に励磁電流
が流入するタップ端子(j2 ,j3 ),(j6 ,j7)
及び(j10,j11)はそれぞれほぼ同電位であり、また
同時に励磁電流が流出する隣り合う相のタップ端子(j
4 ,j5 ),(j8 ,j9 )及び(j12,j1)もほぼ
同電位であるため、これらのタップ端子に両端が接続さ
れたコイルW2,W6 ,W10,W4 ,W8 及びW12には
励磁電流がほとんど流れない。そのため第2の相のタッ
プ端子j2 ,j6 及びj10にそれぞれ流入した励磁電流
は回転方向の後方側に位置する1つの相のコイルW1 ,
W5 及びW9 を通して流れた後、第4の相のスイッチア
ームS4 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリの
負極端子に戻る。
【0077】またバッテリ5から第3の相のスイッチア
ームS3 の上段のスイッチ素子を通して第3の相のタッ
プ端子j3 ,j7 及びj11にそれぞれ流入した励磁電流
は、回転方向の前方側に位置する1つの相のコイルW3
,W7 及びW11を通して流れた後、第1の相のスイッ
チアームS1 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテ
リの負極端子に戻る。
【0078】次いで、コントローラ4は、回転子磁極セ
ンサhb の出力信号HB がHレベルからLレベルに変化
した時に、第2の相のスイッチアームS2 の上段のスイ
ッチ素子qa に与えていた駆動信号Bを消滅させると同
時に第4の相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素
子qa に駆動信号Dを与え、既に第3の相のスイッチア
ームS3 の上段のスイッチ素子qa に与えている駆動信
号Cはそのままとして、第3の相のスイッチアームS3
の上段のスイッチ素子qa と第4の相のスイッチアーム
S4 の上段のスイッチ素子qa とを導通させた状態とす
る。また第4の相のスイッチアームS4 の下段のスイッ
チ素子qb に与えていた駆動信号D´を消滅させると同
時に第2の相のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素
子qb に駆動信号B´を与え、既に第1の相のスイッチ
アームS1 の下段のスイッチ素子qb に与えている駆動
信号A´はそのままとして、第1の相のスイッチアーム
S1 の下段のスイッチ素子qb と第2の相のスイッチア
ームS2 の下段のスイッチ素子qb とを導通させる。
【0079】このときバッテリ5から第3の相のスイッ
チアームS3 及び第4の相のスイッチアームS4 の上段
のスイッチ素子を通して第3の相のタップ端子(j3 ,
j7,j11)及び第4の相のタップ端子(j4 ,j8 ,
j12)に励磁電流が流入する。このとき同時に励磁電流
が流入するタップ端子(j3 ,j4 ),(j7 ,j8)
及び(j11,j12)はそれぞれほぼ同電位であり、励磁
電流が同時に流出するタップ端子(j5 ,j6 ),(j
9 ,j10)及び(j1 ,j2 )もほぼ同電位であるた
め、これらのタップ端子に両端が接続されたコイルW3
,W7 ,W11,W5 ,W9 及びW1 には励磁電流がほ
とんど流れない。そのため、第3の相のタップ端子j3
,j7 及びj11にそれぞれ流入した励磁電流は回転方
向の後方側に位置する1つの相のコイルW2 ,W6 及び
W10を通して流れた後第1の相のスイッチアームS1 の
下段のスイッチ素子qb を通してバッテリの負極端子に
戻る。またバッテリ5から第4の相のスイッチアームS
4 の上段のスイッチ素子を通して第4の相のタップ端子
j4 ,j8 及びj12にそれぞれ流入した励磁電流は回転
方向の前方側に位置する1つのコイルW4 ,W8 及びW
12を通して流れた後第2の相のスイッチアームS2 の下
段のスイッチ素子qb を通してバッテリの負極端子に戻
る。
【0080】上記のように、図5の励磁パターンによれ
ば、各相のコイルに励磁電流が電気角で180度ずつ流
れ、90度の区間隣り合う相のコイルに励磁電流が流れ
る期間がオーバラップするため、その出力トルク特性は
図6(D)に実線で示したようになり、ほとんど谷部が
生じない出力トルク特性を得ることができる。そのた
め、負荷が大きい場合に、電動機の始動に失敗するおそ
れをなくすことができ、4相駆動を行うブラシレス直流
電動機の実用性を高めることができる。
【0081】上記のように、図5に示した励磁パターン
で励磁電流を流した場合には、励磁電流が流れないコイ
ルが生じるため、出力トルクの最大値が多少低くなるの
を避けられない。
【0082】これに対し、図7に示すように、第1及び
第2の回転子磁極センサha 及びhb を、電機子鉄心の
歯部間の中心に相応する位置に配置して、図8に示すパ
ターンで励磁電流を流すと、出力トルクの最大値が大き
い特性を得ることができる。図7に示したように第1及
び第2の回転子磁極センサha 及びhb を配置して、図
8に示す励磁パターンで電動機を駆動する際には、バッ
テリ5の正極端子からスイッチ回路3のいずれか1つの
相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定
子のいずれか1つの相のタップ端子に流入させた励磁電
流を回転子1の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接
コイルと該回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイ
ルとに分流させた後、他の1つの相のスイッチアームの
下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す
励磁電流の流し方を規定の励磁パターンとして定めてお
いて、第1及び第2の回転子磁極センサha 及びhb の
それぞれの出力のレベルが変化(LレベルからHレベル
への変化またはHレベルからLレベルへの変化)する毎
に上記規定の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイ
ルを順次磁石回転子1の回転方向にシフトさせていくよ
うにスイッチ回路3のスイッチ素子をオンオフ制御す
る。
【0083】図8(A),(B)はそれぞれ回転子磁極
センサha ,hb が出力する磁極検出信号HA 及びHB
を示し、(C)〜(F)はそれぞれスイッチ回路3の第
1ないし第4の相のスイッチアームS1 ないしS4 の上
段のスイッチ素子qa に与えられる駆動信号を示してい
る。また図8(G)ないし(J)はそれぞれスイッチ回
路3の第1ないし第4の相のスイッチアームS1 ないし
S4 の下段のスイッチ素子qb に与えられる駆動信号を
示している。
【0084】図8に示した例では、検出信号HA がLレ
ベルからHレベルへ変化するタイミングと、HB がLレ
ベルからHレベルへ変化するタイミングと、HA がHレ
ベルからLレベルに変化するタイミングと、HB がHレ
ベルからLレベルに変化するタイミングとが90度(電
気角)間隔で順次現れる。コントローラ4は、これらの
各タイミングが検出される毎に励磁電流を流入させるタ
ップ端子を切り換える。
【0085】即ち、コントローラ4は、検出信号HA が
LレベルからHレベルに変化した時に、第4の相のスイ
ッチアームS4 の上段のスイッチ素子qa の駆動信号D
を消滅させて第1の相のスイッチアームS1 の上段のス
イッチ素子qa に駆動信号Aを与えるとともに、第2の
相のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb の駆
動信号B´を消滅させて第3の相のスイッチアームS3
の下段のスイッチ素子qb に駆動信号C´を与える。
【0086】このときバッテリ5の正極端子から第1の
相のスイッチアームS1 の上段のスイッチ素子qa を通
して第1の相のタップ端子j1 ,j5 及びj9 に励磁電
流が流入する。この励磁電流は、回転子の回転方向の前
方側で隣接する2つの隣接コイル群(W1 ,W2 ),
(W4 ,W6 )及び(W9 ,W10)と、回転方向の後方
側で隣接する2つの隣接コイル群(W12,W11),(W
3 ,W2 )及び(W8 ,W7 )とに分流した後、第3の
相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb を通
してバッテリ5の負極端子に戻る。
【0087】コントローラ4はまた、検出信号HB がL
レベルからHレベルに変化した際に、第1の相のスイッ
チアームS1 の上段のスイッチ素子qa の駆動信号Aを
消滅させて第2の相のスイッチアームS2 の上段のスイ
ッチ素子qa に駆動信号Bを与えるとともに、第3の相
のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb の駆動
信号C´を消滅させて第4の相のスイッチアームS4 の
下段のスイッチ素子qb に駆動信号D´を与える。
【0088】このときバッテリ5の正極端子から第2の
相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ素子qa を通
して第2の相のタップ端子j2 ,j6 及びj10に励磁電
流が流入する。この励磁電流は、回転子の回転方向の前
方側で隣接する2つの隣接コイル群(W2 ,W3 ),
(W6 ,W7 )及び(W10,W11)と、回転方向の後方
側で隣接する2つの隣接コイル群(W1 ,W12),(W
5 ,W4 )及び(W9 ,W8 )とに分流した後、第4の
相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb を通
してバッテリ5の負極端子に戻る。
【0089】コントローラはまた、検出信号HA がHレ
ベルからLレベルに変化した時に、第2の相のスイッチ
アームS2 の上段のスイッチ素子qa の駆動信号Bを消
滅させて第3の相のスイッチアームS3 の上段のスイッ
チ素子qa に駆動信号Cを与えるとともに、第4の相の
スイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb の駆動信
号D´を消滅させて第1の相のスイッチアームS1 の下
段のスイッチ素子qbに駆動信号A´を与える。
【0090】このときバッテリ5の正極端子から第3の
相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子qa を通
して第3の相のタップ端子j3 ,j7 及びj11に励磁電
流が流入する。この励磁電流は、回転子の回転方向の前
方側で隣接する2つの隣接コイル群(W3 ,W4 ),
(W7 ,W8 )及び(W11,W12)と、回転方向の後方
側で隣接する2つの隣接コイル群(W2 ,W1 ),(W
6 ,W5 )及び(W10,W9 )とに分流した後、第1の
相のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb を通
してバッテリ5の負極端子に戻る。
【0091】コントローラ4はまた、検出信号HB がH
レベルからLレベルに変化した時に、第3の相のスイッ
チアームS3 の上段のスイッチ素子qa の駆動信号Cを
消滅させて第4の相のスイッチアームS4 の上段のスイ
ッチ素子qa に駆動信号Dを与えるとともに、第1の相
のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb の駆動
信号A´を消滅させて第2の相のスイッチアームS2 の
下段のスイッチ素子qb に駆動信号B´を与える。
【0092】このときバッテリ5の正極端子から第4の
相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子qa を通
して第4の相のタップ端子j4 ,j8 及びj12に励磁電
流が流入する。この励磁電流は、回転子の回転方向の前
方側で隣接する2つの隣接コイル群(W4 ,W5 ),
(W8 ,W9 )及び(W12,W1 )と、回転方向の後方
側で隣接する2つの隣接コイル群(W3 ,W2 ),(W
7 ,W6 )及び(W11,W10)とに分流した後、第2の
相のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb を通
してバッテリ5の負極端子に戻る。
【0093】上記のようにして、回転子磁極センサha
,hb の出力のレベルが変化する毎に、励磁電流が流
れるコイル群が回転子の一方向[この例では図1(B)
の矢印CL方向]に順次シフトしていくため、回転磁界
が生じ、磁石回転子1が一方向に回転させられる。
【0094】なお図9(A)及び(B)は図6(A)及
び(B)と同様に回転子磁極センサha 及びhb の出力
信号HA 及びHB を示しており、図9(C)に実線で示
したτ1 及び破線で示したτ2 はそれぞれ各コイルを一
方向及び他方向にそれぞれ流れる励磁電流により生じさ
せられるのトルクを示している。この場合電動機の出力
トルクと回転角θとの関係は、図9(D)の太線で示し
たようになる。
【0095】上記のように、4相のコイルを有する電動
機を4相駆動する場合、回転子磁極センサを電機子鉄心
の隣り合う歯部の間の間隙の中心位置に配置すると、ト
ルクのピーク値を最大にすることができる。しかしなが
ら、この場合、図9(D)に示すように、トルク特性に
生じる谷間は比較的深くなるため、回転子の停止位置に
よっては、電動機の始動トルクが十分に得られないこと
があり、電動機の始動に失敗するおそれがある。
【0096】上記のように、図5の励磁パターンによっ
た場合には、回転子の停止位置による始動トルクのむら
を少なくすることができ、図8の励磁パターンによった
場合には、最大出力トルクを高くすることができる。従
って特に大きい負荷を駆動する場合のように、出力トル
クの平均値を高くすることが望ましい場合には、電動機
の始動時からその回転速度が設定値に達するまでの間
は、図5に示した励磁パターン(以下第1の励磁パター
ンとする。)で駆動して回転子の回転角度位置に対する
トルクむらを少なくし、回転速度が設定値を越えたとき
に励磁パターンを図8に示した励磁パターン(以下第2
の励磁パターンとする。)に切り換えて、電動機の出力
トルクの平均値を大きくするようにするのが望ましい。
【0097】即ち、電動機の回転速度が零から設定値に
達するまでの間は第1の励磁パターンで励磁電流を流
し、回転速度が設定値を超えた後は第2の励磁パターン
で励磁電流を流すようにするのが好ましい。この場合、
第1の励磁パターンによる場合と、第2の励磁パターン
による場合とでは、回転子磁極センサの配設位置が異な
るため、第1の励磁パターンによる励磁の切換えと、第
2の励磁パターンによる励磁の切換えとを共に回転子磁
極センサの出力を用いて行う場合には、第1の励磁パタ
ーン用の回転子磁極センサと、第2の励磁パターン用の
回転子磁極センサとの双方を設ける必要がある。
【0098】図10は図1に示した電動機に第1の励磁
パターン用の回転子磁極センサと、第2の励磁パターン
用の回転子磁極センサとの双方を設けた例を示したもの
で、この例では、電機子鉄心の歯部P2 と歯部P3 との
間の間隙の周方向の中心に相応する位置及び歯部P3 の
周方向の中心に相応する位置にそれぞれ回転子磁極セン
サha 及びhb が配置され、歯部P3 とP4 との間の間
隙の周方向の中心に相応する位置及び歯部P4 の周方向
の中心に相応する位置にそれぞれ回転子磁極センサhc
及びhd が配置されている。図10の電動機の電機子鉄
心の歯部と回転子の磁極と回転子磁極センサha ないし
hd との間の関係を示した展開図を図11に示した。
【0099】図10及び図11のように回転子磁極セン
サha ないしhd を配置した場合には、ha とhc とを
第2の励磁パターン用のセンサとして用い、hb とhd
とを第1の励磁パターン用のセンサとして用いる。
【0100】電動機の回転速度[rpm]が設定値に達
するまでの間第1の励磁パターンで励磁相の切換えを行
い、回転速度が設定値を超えた後は励磁相の切換えを第
2の励磁パターンにより行う場合の動作を時間tに対し
て示すタイムチャートを図12に示した。図12(A)
ないし(D)はそれぞれ回転子磁極センサha ないしh
d の出力信号HA ないしHD を時間tに対して示し、図
12(E)ないし(H)はそれぞれ第1の相ないし第4
の相のスイッチアームS1 ないしS4 の上段のスイッチ
素子qa に与えられる駆動信号AないしDを示してい
る。また図12(I)ないし(L)はそれぞれ第1の相
ないし第4の相のスイッチアームS1 ないしS4 の下段
のスイッチ素子qb に与えられる駆動信号A´ないしD
´を示している。
【0101】この例では、電動機の回転速度が設定値に
達する時刻t1 までの間は回転子磁極センサhb 及びh
d の出力信号HB 及びHD が変化する毎に第1の励磁パ
ターンにより励磁相の切換えを行い、回転速度が設定値
を超える時刻t1 後の期間は回転子磁極センサha 及び
hc の出力信号HA 及びHC が変化を示す毎に第2の励
磁パターンにより励磁相の切換えを行う。
【0102】このように構成すると、電動機を始動する
際に、回転子がいずれの位置に停止していても大きな始
動トルクを発生させることができるため、電動機の始動
を確実に行わせることができる。また電動機が一旦動き
だした後は、最大トルクを高くする励磁パターンで駆動
するので、電動機の定常運転時の平均出力トルクを大き
くすることができる。
【0103】上記のように、電動機の回転速度が設定値
に達した時に励磁パターンを切り換えるようにする場
合、電動機の回転速度は、例えば、回転子磁極センサh
a 〜hd の出力信号の発生間隔(時間)から演算により
求めることができる。
【0104】図12に示した例では、4つの回転子磁極
センサha 〜hd を用いて第1の励磁パターンによる励
磁相の切換えと、第2の励磁パターンによる励磁相の切
換えとを行わせるようにしたが、第1の励磁パターン用
の回転子磁極センサのみを設けて、該センサから得られ
る検出信号の立上り及び立下がりで起動したタイマ4D
の出力を用いて第2の励磁パターンの励磁相切換えタイ
ミングを定めるようにすることもできる。
【0105】図13は、第2の励磁パターンの励磁相切
換えタイミングをコントローラ4に設けられたタイマ4
Dにより定める場合の動作を示すタイムチャートで、同
図(A)及び(B)は図7に示すように配置された第2
の励磁パターン用の回転子磁極センサha 及びhb の出
力信号HA 及びHB を示し、同図(C)は出力信号HA
及びHB のそれぞれの立上り及び立下がりで起動されて
セットされた時間の計測を行うタイマ4Dの計時動作を
示す線図である。また図13(D)ないし(G)はそれ
ぞれ第1ないし第4の相のスイッチアームの上段のスイ
ッチ素子に与える駆動信号AないしDを示し、図12
(H)ないし(K)はそれぞれ第1ないし第4の相のス
イッチアームの下段のスイッチ素子に与える駆動信号A
´ないしD´を示している。
【0106】図13に示した例では、コントローラ4が
以下のようにしてスイッチ回路3を制御する。コントロ
ーラ4は、電動機の始動指令が与えられたことを検知し
たときに先ず回転子磁極センサha ,hb が出力する磁
極検出信号HA ,HB のレベルが変化する毎に第1の励
磁パターンに従って励磁相を切り換えて電動機を始動さ
せる。
【0107】本発明に係わる電動機において、磁極検出
信号HA ,HB の一方のレベルが変化してから他方のレ
ベルが変化するまでの間のクランク軸の回転角度は一定
(電気角で90度,機械角で15度)であるので、信号
HA ,HB の一方のレベルが変化してから他方のレベル
が変化するまでの時間から電動機の回転速度を演算する
ことができる。
【0108】図13に示した例では、磁極検出信号HB
の立上りから磁極検出信号HA の立下がりまでの時間を
計測することにより電動機の回転速度を演算しており、
磁極検出信号HB の図示の立上りaから磁極検出信号H
A の立下がりbまでの時間から電動機の回転速度が設定
値に達したことを検出している。
【0109】コントローラ4は、電動機の回転速度が設
定値に達したと判定されたときに、その直後に生じる磁
極検出信号HA またはHB の立下がりから次に生じる磁
極検出信号HB またはHA の立上りまでの時間To を計
測して、タイマ4Dに計測すべき時間としてt1 =To
/2をセットする。
【0110】図13に示した例では、磁極検出信号HA
の立下がりbで回転速度が設定値に達したと判定された
後、磁極検出信号HB の立下がりcから磁極検出信号H
A の立上りdまでの時間To を計測して、このTo の1
/2の時間t1 をタイマ4Dにセットしている。タイマ
4Dがセットされた時間t1 を計測したときにCPU4
Aが実行するプログラムに割込みをかけて、駆動信号D
と駆動信号B´とを消滅させ、駆動信号A及びC´のみ
を発生させた状態にして、第2の励磁パターンに切り換
える。
【0111】その後、磁極検出信号HB の立上りeが検
出された時に磁極検出信号HA の立上りdから磁極検出
信号HB の立上りeまでの時間T1 の1/2の時間t2
をタイマ4Dにセットして、この時間t2 の計測を開始
させる。次いでタイマ4Dがセットされた時間t2 (=
T1 /2)を計測したときに駆動信号A及びC´を消滅
させるとともに、駆動信号B及びD´を発生させる。以
下同様にして、磁極検出信号HA またはHB のレベルが
変化する毎に、1つ前の磁極検出信号のレベル変化が検
出された時刻から今回の磁極検出信号のレベル変化が検
出された時刻までの時間T2 ,T3 ,…を計測して、こ
れらの時間の1/2の時間t3 ,t4 ,…をタイマ4D
にセットして、該タイマがセットされた時間を計測する
毎に励磁相を切り換える。
【0112】図13において、一方の磁極検出信号のレ
ベルが変化してから他方の磁極検出信号のレベルが変化
するまでの回転角度は僅か15度であり、1つ前の磁極
検出信号のレベル変化が検出された時の時刻から今回の
磁極検出信号のレベル変化が検出された時刻までの間の
平均回転速度と、今回の磁極検出信号のレベル変化が検
出された時刻から次の磁極検出信号のレベル変化が検出
される時刻までの間の平均回転速度との間の差(例えば
T1 とT2 との間の差)は僅かであるため、上記のよう
に、1つ前の磁極検出信号のレベル変化が検出された時
刻から今回の磁極検出信号のレベル変化が検出された時
刻までの時間T2 ,T3 ,…の1/2を計測することに
より、第2の励磁パターンでの励磁相切換えタイミング
を求めても、第2の励磁パターン用の回転子磁極センサ
を用いて励磁相の切換えタイミングを定める場合と比べ
てそれ程大きな誤差は生じない。
【0113】上記の例では、磁極検出信号HA またはH
B のレベルが変化する毎に、1つ前の磁極検出信号のレ
ベル変化が検出された時刻から今回の磁極検出信号のレ
ベル変化が検出された時刻までの時間の1/2の時間を
タイマに計測させることにより、励磁相の切り換えタイ
ミングを求めているが、一方の磁極検出信号の信号幅、
例えば図13のb点からd点までの時間の1/4の時間
をタイマに計測させることにより励磁相の切換えタイミ
ングを求めるようにしていもよい。
【0114】なお回転子磁極センサha ,hb を第2の
励磁パターン用の位置とした適した位置に配置して、電
動機の回転速度が設定値に達するまでの間、該回転子磁
極センサの出力の立上り及び立下がりでタイマに計時動
作を行わせることにより、第1の励磁パターンでの励磁
相の切換えタイミングを求めるようにすることも考えら
れるが、電動機の始動直後の回転速度は不安定であるた
め、始動直後の低速時の励磁相の切換えタイミングをタ
イマの計時動作により定めるのは好ましくない。したが
って、上記のように、回転子磁極センサha ,hb を第
1の励磁パターン用の検出位置として適した位置に配置
して、電動機の回転速度が設定値に達するまので間は、
回転子磁極センサha ,hb の出力がレベル変化を示す
タイミングを励磁相の切換えタイミングとするのが好ま
しい。
【0115】上記の例では、電動機の始動後、回転速度
が設定値に達するまでの間第1の励磁パターンにより励
磁相を切り換え、回転速度が設定値を超えた後に第2の
励磁パターンにより励磁相を切り換えるようにしたが、
図6(D)の出力トルク特性と、図9(D)の出力トル
ク特性とを合成して、図14(B)に太線で示したよう
な出力トルク特性を得ることができれば、全回転速度領
域に亘って、トルクの大きな落ち込みがない特性を得る
ことができる。
【0116】なお図14(B)においてτa は第1の励
磁パターンにより励磁した場合に得られる図6(D)の
特性であり、τb は第2の励磁パターンにより励磁した
場合に得られる図9(D)の特性である。
【0117】図14(B)のような出力特性を得るため
には、τa とτb との交点で励磁パターンの切換を行え
ばよい。即ち、図14(B)のθ1 ´,θ3 ´,θ5 ´
及びθ7 ´の位置で、励磁パターンを第2の励磁パター
ンから第1の励磁パターンに切換え、θ2 ´,θ4 ´,
θ6 ´及びθ8 ´の位置で励磁パターンを第1の励磁パ
ターンから第2の励磁パターンに切り換えるようにすれ
ばよい。しかしながら、このように励磁パターンを切り
換えようとすると、励磁パターンの切換位置相互間の間
隔が狭い個所(例えば図14Bのθ1 ´とθ2 ´との
間)が生じ、隣り合う回転子磁極センサ相互間の間隔が
狭くなって、同センサを配設することが困難になる。回
転子磁極センサの配設を容易にするためには、4つの回
転子磁極センサを等角度間隔で配置して、しかも図14
(B)のθ1 ´〜θ8 ´の位置に近い位置で励磁パター
ンの切換を行うようにするのが好ましい。
【0118】そのために、例えば、図14(A)に示し
たように、4つの回転子磁極センサha 〜hd を電気角
で45度間隔で配置するのがよい。この例では、特定の
歯部(図示の例では歯部P2 )の中心と、回転子の回転
方向の前方側で特定の歯部P2 に隣接する他の歯部P3
との間の間隙の中心との間の中央に相応する第1の検出
位置で回転子の磁極を検出するように第1の回転子磁極
センサha を配置し、第1の回転子磁極センサha の配
設位置から回転子の回転方向に順次電気角で45度(1
80/4度)ずつ間隔を隔てた第2ないし第4の検出位
置位置で回転子の磁極を検出するように、第2ないし第
4の回転子磁極センサhb ないしhd を配置する。
【0119】この場合、回転子磁極センサha 〜hd が
それぞれ出力する磁極検出信号をHA 〜HB とすると、
コントローラ4は図15(A)ないし(L)に示すよう
なパターンでスイッチ回路に駆動信号A〜D及びA´〜
D´を与える。
【0120】即ち、コントローラ4は、直流電源の正極
端子からスイッチ回路3の隣り合う2つの相のスイッチ
アームの上段のスイッチ素子を通して固定子の隣り合う
2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、
該隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転子の回転方
向の前方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁
電流を回転方向の前方側に位置する1つの相のコイルを
通して流した後スイッチ回路の他の1つの相のスイッチ
アームの下段のスイッチ素子を通して直流電源の負極端
子に戻し、隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転方
向の後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁
電流を回転方向の後方側に位置する1つの相のコイルを
通して流した後スイッチ回路の更に他の相のスイッチア
ームの下段のスイッチ素子を通して直流電源の負極端子
に戻す励磁電流の流し方を第1の励磁パターンとして定
めるとともに、直流電源の正極端子からスイッチ回路の
いずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素
子を通して固定子のいずれか1つの相のタップ端子に流
入させた励磁電流を回転子1の回転方向の前方側で隣り
合う2つの隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合う2
つの隣接コイルとに分流させた後、他の1つの相のスイ
ッチアームの下段のスイッチ素子を通して直流電源の負
極端子に戻す励磁電流の流し方を第2の励磁パターンと
して定めておいて、磁石回転子を一方向に回転駆動する
際に、第1の回転子磁極センサの出力の状態が変化した
とき及び第3の回転子磁極センサの出力の状態が変化し
たときには、第1の励磁パターンで励磁電流を流し、第
2の回転子磁極センサの出力の状態が変化したとき及び
第4の回転子磁極センサの出力の状態が変化したときに
は第2の励磁パターンで励磁電流を流すようにして、第
1の励磁パターンで励磁電流を流す状態と第2の励磁パ
ターンで励磁電流を流す状態とを交互に生じさせなが
ら、第1ないし第4の回転子磁極センサのそれぞれの出
力の状態が変化する毎に励磁電流を流すコイルを順次磁
石回転子の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ
回路3のスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0121】この場合に得られるトルク特性は図15
(M)のようになり、第2の励磁パターンにより励磁相
を切換えた場合にトルクが落ち込む部分で、第1の励磁
パターンにより励磁相を切換えることによりトルクが増
大させられるため、トルクの深い谷間が生じない特性が
得られる。また常に第1の励磁パターンにより励磁相を
切換える場合に比べて出力トルクの平均値を大きくする
ことができる。
【0122】本発明において、第2の励磁パターンによ
り励磁を行っているときには、各瞬時において、例えば
図16に示すようにスイッチ回路のいずれか1つの相の
スイッチアームの上段のスイッチ素子と他の1つの相の
スイッチアームの下段のスイッチ素子とを通して励磁電
流Ie が流れる。
【0123】これに対し、第1の励磁パターンにより励
磁を行っているときには、図17に示すように、同時に
2つのスイッチアームの上段のスイッチ素子と、他の2
つのスイッチアームの下段のスイッチ素子とを通して励
磁電流が流れる。そのため、第1の励磁パターンにより
励磁を行っているときには、第2の励磁パターンにより
励磁を行っている場合の2倍の励磁電流が流れる。
【0124】したがって、図3に示したように、過電流
検出回路15を設けて、コントローラ4により過電流保
護手段を構成する場合には、第1の励磁パターンにより
励磁を行っているときの電流の制限値を第2の励磁パタ
ーンにより励磁を行っているときの電流の制限値の2倍
に設定する必要がある。
【0125】最初からいずれの励磁パターンで励磁する
かが決まっている場合には、励磁パターンに合わせた過
電流制限値を決めておけばよいが、励磁パターンを第2
の励磁パターンから第1の励磁パターンに切り換えた
り、第1の励磁パターンによる励磁と第2の励磁パター
ンによる励磁とを交互に行ったりする場合には、励磁パ
ターンに応じて過電流制限値を変更する必要がある。
【0126】図4に示すような過電流検出回路15が用
いられる場合には、コントローラ4により励磁パターン
に応じて可変抵抗器VR1 の抵抗値を調整して増幅回路
の利得を切換えることにより、過電流制限値を切換える
ことができる。即ち、第2の励磁パターンにより励磁を
行うときには、増幅回路15Aの利得を第1の励磁パタ
ーンにより励磁を行う際の利得の1/2とすることによ
り、過電流制限値を第1の励磁パターンにより励磁を行
うときの制限値の2倍にすることができる。
【0127】またコントローラ4により励磁パターンに
応じて可変抵抗器VR2 の抵抗値を調整して、基準電圧
Vf の値を切り換えることによっても過電流制限値を切
り換えることができる。即ち、第2の励磁パターンによ
り励磁を行うときに基準電圧Vf の値を第1の励磁パタ
ーンにより励磁を行うときの2倍の値とすることによ
り、第2の励磁パターンにより励磁を行うときの過電流
制限値を、第1の励磁パターンにより励磁を行うときの
制限値の2倍にすることができる。
【0128】上記の例では、電動機の回転子を6極に構
成し、固定子を12極に構成したが、一般に回転子をm
極(mは偶数)とし、固定子を2m極とする場合に、4
相駆動を行って電動機として運転することができる。
【0129】例えば、図18に示すように、回転子を8
極とし、固定子を16極とする場合にも本発明を適用す
ることができる。この場合、電機子鉄心は16個の歯部
P1ないしP16を有していて、固定子のコイルW1 ない
しW16は、電機子鉄心の2つの歯部に跨って重ね巻きさ
れ、コイルW1 ないしW16の巻始め側の端末部と回転子
の回転方向の後方側でそれぞれのコイルに隣接するコイ
ルの巻終り側の端末部との接続点からそれぞれタップ端
子j1 ないしj12が引き出されている。そして、タップ
端子j1 ないしj16のうち、j1 ,j5 ,j9 及びj13
が第1の相のタップ端子を構成し、j2 ,j6 ,j10及
びj14が第2の相のタップ端子を構成している。またj
3 ,j7 ,j11及びj15が第3の相のタップ端子を構成
し、j4,j8 ,j12及びj16が第4の相のタップ端子
を構成している。そして、1/2のタップ端子j1 ない
しj8 に対して第1の相のスイッチアームS1 ないし第
4の相のスイッチアームS4 が設けられて、各相のスイ
ッチアームの中間端子が各相の2つのタップ端子に共通
に接続されている。またタップ端子j9 ないしj16に対
して第1の相のスイッチアームS5 ないし第4の相のス
イッチアームS8 が設けられて、各相のスイッチアーム
の中間端子が2つの相のタップ端子に共通に接続されて
いる。
【0130】回転子磁極センサha 及びhb はそれぞれ
電機子鉄心の歯部P5 とP6 との間の間隙の中心に相応
する位置、及び歯部P6 とP7 との間の間隙の中心に相
応する位置でそれぞれ回転子の磁極を検出するように設
けられている。
【0131】図18に示した電動機を4相駆動する場
合、回転子磁極センサが出力する磁極検出信号をHA 及
びHB 、スイッチアームS1 ないしS8 の上段のスイッ
チ素子qa に与える駆動信号をそれぞれAないしHと
し、スイッチアームS1 ないしS8 の下段のスイッチ素
子qb に与える駆動信号をそれぞれA´ないしH´とす
ると、第2の励磁パターンは図19のようになる。
【0132】また図18に示した電動機においても、回
転子磁極センサha 及びhb を電機子鉄心の歯部の中心
に相応する位置に配置して、第1の励磁パターンで駆動
することにより、出力トルクのむらが少ない特性を得る
ことができる。
【0133】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、固定子
側に第1ないし第4の相のコイルを設けるとともに、2
つの回転子磁極センサを、電機子鉄心の異なる歯部のほ
ぼ中心に相応する位置に、電気角で90度の位相差を持
たせて配置して、固定子のコイルから引き出した隣り合
う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させる
励磁パターンで固定子を励磁するようにしたことによ
り、回転子の回転角度位置による出力トルクのむらを少
なくして、回転子の初期の回転角度位置がいずれの位置
にある場合でも十分な始動トルクを得ることができる。
したがって、電動機の始動に失敗するおそれをなくすこ
とができ、4相駆動を行うブラシレス直流電動機の実用
性を高めることができる。
【0134】また本発明において、回転子の回転速度が
設定値以下の時に固定子の2つのタップ端子に同時に励
磁電流を流入させる第1の励磁パターンで固定子を励磁
し、回転速度が設定値を超えたときに、固定子の1つの
タップ端子に励磁電流を流入させる第2の励磁パターン
に切換えるようにした場合には、電動機の始動時に出力
トルクのむらを少なくして始動を確実にするとともに、
始動後は大きな最大出力トルクが得られるようにして出
力トルクの平均値を増大させ、電動機の出力の向上を図
ることができる。
【0135】更に本発明において、固定子の隣り合う2
つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させる第1
の励磁パターンによる励磁と固定子のコイルから引き出
した1つの相のタップ端子のみに励磁電流を流入させる
第2の励磁パターンによる励磁とを交互に行わせるよう
にした場合には、全回転速度領域で出力トルクのむらを
少なくするとともに、最大出力トルクの最大値を大きく
して平均出力トルクの増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係わる電動機の実施形態の一
例を示す断面図、(B)は図1の電動機の正面図であ
る。
【図2】図1の電動機の固定子側に設けるコイルの巻回
構造と、コイルに励磁電流を流す回路の構成例とを示し
た構成図である。
【図3】本発明に係わる電動機を制御する制御装置の構
成例を示した構成図である。
【図4】図3の制御装置で用いる過電流検出回路の構成
例を示した回路図である。
【図5】図1の電動機の励磁パターンとして第1の励磁
パターンを採用する場合の各部の信号波形を示した線図
である。
【図6】図5に示す励磁パターンで固定子のコイルを励
磁した場合に得られるトルク特性を磁極検出信号の波形
とともに示した線図である。
【図7】本発明の他の実施形態における電動機の構成例
を示した正面図てある。
【図8】図7の実施形態において、第2の励磁パターン
により固定子のコイルを励磁する場合の各部の信号波形
を示した線図である。
【図9】図7の励磁パターンによりコイルを励磁した場
合に得られる出力トルク特性の一例を磁極検出信号の波
形とともに示した線図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態における電動機の
構成を示した正面図である。
【図11】図10の電動機における回転子磁極センサの
配置を示した説明図である。
【図12】図10の電動機各部の信号を示したタイミン
グチャートである。
【図13】図10の電動機の励磁の切換えをタイマを用
いて行う場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図14】(A)は本発明の他の実施形態における回転
子磁極センサの配置を示した説明図、(B)は同実施形
態で得られる出力特性を示した線図である。
【図15】図14(A)のように回転子磁極センサを配
置して図1の電動機を駆動する場合の励磁パターンを示
した線図である。
【図16】図1に示した電動機を第2の励磁パターンで
励磁した場合に流れる励磁電流の流れ方を説明するため
の回路図である。
【図17】図1に示した電動機を第1の励磁パターンで
励磁した場合に流れる励磁電流の流れ方を説明するため
の回路図である。
【図18】本発明の更に他の実施形態における電動機の
巻線構造と固定子のコイルに励磁電流を供給するスイッ
チ回路の構成例とを示した構成図である。
【図19】図18の電動機の励磁パターンの一例を示し
た線図である。
【符号の説明】
1…回転子、100…回転子ヨーク、M1 〜M6 …永久
磁石、2…固定子、200…電機子鉄心、P1 〜P12…
歯部、W1 〜W12…コイル、j1 〜j12…タップ端子、
3…スイッチ回路、qa …上段のスイッチ素子、qb …
下段のスイッチ素子、S1 〜S4 …第1ないし第4の相
のスイッチアーム、4…コントローラ、5…バッテリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 29/08 H02K 11/00 C H02P 6/20 H02P 6/02 371K (72)発明者 村松 秀一 静岡県沼津市大岡3744番地 国産電機株式 会社内 (72)発明者 稲葉 豊 静岡県沼津市大岡3744番地 国産電機株式 会社内 Fターム(参考) 5H019 AA02 BB01 BB05 BB13 BB19 BB20 BB23 BB24 CC04 DD04 DD10 EE01 EE14 5H560 BB05 BB07 BB12 DA03 DA18 DA20 EB01 GG04 HA02 JJ02 SS02 TT01 TT12 TT15 UA05 5H603 AA01 BB01 BB09 BB10 BB13 CA01 CA05 CB04 CB12 CB18 CC11 CC17 CD05 CD21 5H604 BB01 BB15 BB17 CC01 CC05 QB03 QB14 5H611 AA01 BB01 BB07 BB08 PP05 QQ03 RR02 TT01 UA03 UA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 等角度間隔で配置されたm極(mは偶
    数)の磁極を有する磁石回転子と、 前記磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設
    けられた2m個の歯部を有する電機子鉄心と、各コイル
    を前記電機子鉄心の隣り合う2つの歯部に跨らせ、かつ
    各コイルの巻き方向を同一として前記磁石回転子の回転
    方向に順次重ね巻きされた2m個のコイルとを備えてい
    て、該2m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部と
    それぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部
    との接続点から2m個のタップ端子が導出され、前記磁
    石回転子との位相関係が等しいコイルの巻始め側の端末
    部に接続されたタップ端子を同じ相のタップ端子とした
    場合に前記2m個のタップ端子を第1ないし第4の相の
    タップ端子に分けることができるように構成された固定
    子と、 前記電機子鉄心の特定の歯部の周方向のほぼ中心に相応
    する位置に設定された第1の検出位置及び該第1の検出
    位置から前記磁石回転子の回転方向に電気角で90度離
    れた第2の検出位置にそれぞれ配置されて、それぞれの
    検出位置を通過している前記磁石回転子の磁極がN極の
    ときとS極のときとで出力の状態を異にするように設け
    られた第1及び第2の回転子磁極センサと、 互いに直列に接続された上段のスイッチ素子と下段のス
    イッチ素子とを有して両スイッチ素子どうしの接続点か
    ら中間端子が導出されたスイッチアームを前記第1ない
    し第4の相のタップ端子のそれぞれに対して少なくとも
    1つずつ備えていて、前記第1ないし第4の相のタップ
    端子にそれぞれ対応する第1ないし第4の相のスイッチ
    アームを直流電源が接続される対の直流電源接続端子間
    に並列に接続するとともに該第1ないし第4の相のスイ
    ッチアームのそれぞれの中間端子を対応する相のタップ
    端子に接続した構成を有するスイッチ回路と、 前記磁石回転子を一方向に回転駆動する際に、前記直流
    電源の正極端子から前記スイッチ回路の2つの隣り合う
    相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記
    固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電
    流を流入させて、前記回転子の回転方向の前方側に位置
    する相のタップ端子に流入させた励磁電流は前記回転方
    向の前方側の1つ相のコイルを通して流した後他の1つ
    の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前
    記直流電源の負極端子に戻し、前記隣り合う2つの相の
    タップ端子のうち前記回転方向の後方側に位置する相の
    タップ端子に流入させた励磁電流は前記回転方向の後方
    側の1つ相のコイルを通して流した後更に他の相のスイ
    ッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記直流電源
    の負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁パター
    ンとして定めておいて、前記第1及び第2の回転子磁極
    センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に、前記規
    定の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次
    前記磁石回転子の回転方向にシフトさせていくように前
    記スイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御するコン
    トローラと、 を具備したことを特徴とするブラシレス直流電動機。
  2. 【請求項2】 等角度間隔で配置されたm極(mは偶
    数)の磁極を有する磁石回転子と、 前記磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設
    けられた2m個の歯部を有する電機子鉄心と、各コイル
    を前記電機子鉄心の隣り合う2つの歯部に跨らせ、かつ
    各コイルの巻き方向を同一として前記磁石回転子の回転
    方向に順次重ね巻きされた2m個のコイルとを備えてい
    て、該2m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部と
    それぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部
    との接続点から2m個のタップ端子が導出され、前記磁
    石界磁との位相関係が等しいコイルの巻始め側の端末部
    に接続されたタップ端子を同じ相のタップ端子とした場
    合に前記2m個のタップ端子を第1ないし第4の相のタ
    ップ端子に分けることができるように構成された固定子
    と、 電気角で45度の位相差を持って前記磁石回転子の回転
    方向に順次並ぶように設定された前記固定子側の第1な
    いし第4の検出位置にそれぞれ配置されて、それぞれの
    検出位置を通過している前記磁石回転子の磁極がN極の
    ときとS極のときとで出力の状態を異にするように設け
    られた第1ないし第4の回転子磁極センサと、 互いに直列に接続された上段のスイッチ素子と下段のス
    イッチ素子とを有して両スイッチ素子どうしの接続点か
    ら中間端子が導出されたスイッチアームを前記第1ない
    し第4の相のタップ端子のそれぞれに対して少なくとも
    1つずつ備えていて、前記第1ないし第4の相のタップ
    端子にそれぞれ対応する第1ないし第4の相のスイッチ
    アームを直流電源が接続される対の直流電源接続端子間
    に並列に接続するとともに該第1ないし第4の相のスイ
    ッチアームのそれぞれの中間端子を対応する相のタップ
    端子に接続した構成を有するスイッチ回路と、 前記直流電源の正極端子から前記スイッチ回路の2つの
    隣り合う相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通
    して前記固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時
    に励磁電流を流入させて、前記回転子の回転方向の前方
    側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を前
    記回転方向の前方側の1つの相のコイルを通して流した
    後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子
    を通して前記直流電源の負極端子に戻し、前記隣り合う
    2つの相のタップ端子のうち前記回転方向の後方側に位
    置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は前記回転
    方向の後方側の1つの相のコイルを通して流した後更に
    他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して
    前記直流電源の負極端子に戻す励磁電流の流し方を第2
    の励磁パターンとして定めるとともに、前記直流電源の
    正極端子から前記スイッチ回路のいずれか1つの相のス
    イッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子
    のいずれか1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流
    を前記回転子の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接
    コイルと回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイル
    とに分流させた後他の1つの相のスイッチアームの下段
    のスイッチ素子を通して前記直流電源の負極端子に戻す
    励磁電流の流し方を第2の励磁パターンとして定めてお
    いて、前記磁石回転子の回転速度が設定値以下のとき
    に、前記第1の回転子磁極センサ及び第3の回転子磁極
    センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に前記第1
    の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを前記磁
    石回転子の回転方向にシフトさせていき、前記磁石回転
    子の回転速度が設定値を超えたときには前記第2の回転
    子磁極センサ及び第4の回転子磁極センサのそれぞれの
    出力の状態が変化する毎に前記第2の励磁パターンに従
    って励磁電流を流すコイルを前記磁石回転子の回転方向
    にシフトさせていくように前記スイッチ回路のスイッチ
    素子を制御するコントローラとを具備し、 前記第1の検出位置は前記電機子鉄心の特定の歯部の周
    方向のほぼ中心に相応する位置に設定されているブラシ
    レス直流電動機。
  3. 【請求項3】 等角度間隔で配置されたm極(mは偶
    数)の磁極を有する磁石回転子と、 前記磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設
    けられた2m個の歯部を有する電機子鉄心と、各コイル
    を前記電機子鉄心の隣り合う2つの歯部に跨らせ、かつ
    各コイルの巻き方向を同一として前記磁石回転子の回転
    方向に順次重ね巻きされた2m個のコイルとを備えてい
    て、該2m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部と
    それぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部
    との接続点から2m個のタップ端子が導出され、前記磁
    石界磁との位相関係が等しいコイルの巻始め側の端末部
    に接続されたタップ端子を同じ相のタップ端子とした場
    合に前記2m個のタップ端子を第1ないし第4の相のタ
    ップ端子に分けることができるように構成された固定子
    と、 前記電機子鉄心の特定の歯部の周方向のほぼ中心に相応
    する位置に設定された第1の検出位置及び該第1の検出
    位置から前記磁石回転子の回転方向に電気角で90度離
    れた第2の検出位置にそれぞれ配置されて、それぞれの
    検出位置を通過している前記磁石回転子の磁極がN極の
    ときとS極のときとで出力の状態を異にするように設け
    られた第1及び第2の回転子磁極センサと、 互いに直列に接続された上段のスイッチ素子と下段のス
    イッチ素子とを有して両スイッチ素子どうしの接続点か
    ら中間端子が導出されたスイッチアームを前記第1ない
    し第4の相のタップ端子のそれぞれに対して少なくとも
    1つずつ備えていて、前記第1ないし第4の相のタップ
    端子にそれぞれ対応する第1ないし第4の相のスイッチ
    アームを直流電源が接続される対の直流電源接続端子間
    に並列に接続するとともに該第1ないし第4の相のスイ
    ッチアームのそれぞれの中間端子を対応する相のタップ
    端子に接続した構成を有するスイッチ回路と、 前記直流電源の正極端子から前記スイッチ回路の2つの
    隣り合う相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通
    して前記固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時
    に励磁電流を流入させて、前記回転子の回転方向の前方
    側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は前
    記回転方向の前方側の1つの相のコイルを通して流した
    後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子
    を通して前記直流電源の負極端子に戻し、前記隣り合う
    2つの相のタップ端子のうち前記回転方向の後方側に位
    置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は前記回転
    方向の後方側の1つの相のコイルを通して流した後更に
    他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して
    前記直流電源の負極端子に戻す励磁電流の流し方を第1
    の励磁パターンとして定めるとともに、前記直流電源の
    正極端子から前記スイッチ回路のいずれか1つの相のス
    イッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子
    のいずれか1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流
    を前記回転子の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接
    コイルと回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイル
    とに分流させた後他の1つの相のスイッチアームの下段
    のスイッチ素子を通して前記直流電源の負極端子に戻す
    励磁電流の流し方を第2の励磁パターンとして定めてお
    いて、前記磁石回転子の回転速度が設定値以下のときに
    は、前記第1及び第2の回転子磁極センサのそれぞれの
    出力の状態が変化する毎に、前記第1の励磁パターンに
    従って励磁電流を流すコイルを前記磁石回転子の回転方
    向に順次シフトさせていくように前記スイッチ回路の各
    スイッチ素子をオンオフ制御し、前記磁石回転子の回転
    速度が設定値を超えたときには、前記第1及び第2の回
    転子磁極センサの出力の状態の組み合わせが変化する毎
    に起動させたタイマが所定の時間を計測する毎に前記第
    2の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次
    磁石回転子の回転方向にシフトさせていくように前記ス
    イッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御するコントロ
    ーラとを具備し、 前記磁石回転子の回転速度が設定値を超えたときには、
    前記磁石回転子の各磁極の回転方向の前端縁が前記電機
    子鉄心の歯部間を通過する際に、前記第2の励磁パター
    ンで同時に励磁電流が流れるコイルの組み合わせが切り
    換わるように、前記タイマが計測する時間が設定される
    ことを特徴とするブラシレス直流電動機。
  4. 【請求項4】 等角度間隔で配置されたm極(mは偶
    数)の磁極を有する磁石回転子と、 前記磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設
    けられた2m個の歯部を有する電機子鉄心と、各コイル
    を前記電機子鉄心の隣り合う2つの歯部に跨らせ、かつ
    各コイルの巻き方向を同一として前記磁石回転子の回転
    方向に順次重ね巻きされた2m個のコイルとを備えてい
    て、該2m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部と
    それぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部
    との接続点から2m個のタップ端子が導出され、前記磁
    石界磁との位相関係が等しいコイルの巻始め側の端末部
    に接続されたタップ端子を同じ相のタップ端子とした場
    合に前記2m個のタップ端子を第1ないし第4の相のタ
    ップ端子に分けることができるように構成された固定子
    と、 前記磁石回転子の回転方向の前方側に電気角で45度の
    間隔を持って順次並ぶように設定された第1ないし第4
    の検出位置にそれぞれ配置されて、それぞれの検出位置
    を通過している磁石回転子の磁極がN極のときとS極の
    ときとで出力の状態を異にするように設けられた第1な
    いし第4の回転子磁極センサと、 互いに直列に接続された上段のスイッチ素子と下段のス
    イッチ素子とを有して両スイッチ素子どうしの接続点か
    ら中間端子が導出されたスイッチアームを前記第1ない
    し第4の相のタップ端子のそれぞれに対して少なくとも
    1つずつ備えていて、前記第1ないし第4の相のタップ
    端子にそれぞれ対応する第1ないし第4の相のスイッチ
    アームを直流電源が接続される対の電源接続端子間に並
    列に接続するとともに該第1ないし第4の相のスイッチ
    アームのそれぞれの中間端子を対応する相のタップ端子
    に接続した構成を有するスイッチ回路と、 前記直流電源の正極端子からスイッチ回路の隣り合う2
    つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して
    前記固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励
    磁電流を流入させて、該隣り合う2つの相のタップ端子
    のうち前記回転子の回転方向の前方側に位置する相のタ
    ップ端子に流入させた励磁電流を前記回転方向の前方側
    に位置する1つの相のコイルを通して流した後前記スイ
    ッチ回路の他の1つの相のスイッチアームの下段のスイ
    ッチ素子を通して前記直流電源の負極端子に戻し、前記
    隣り合う2つの相のタップ端子のうち前記回転方向の後
    方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は
    前記回転方向の後方側に位置する1つの相のコイルを通
    して流した後前記スイッチ回路の更に他の相のスイッチ
    アームの下段のスイッチ素子を通して前記直流電源の負
    極端子に戻す励磁電流の流し方を第1の励磁パターンと
    して定めるとともに、前記直流電源の正極端子からスイ
    ッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段の
    スイッチ素子を通して前記固定子のいずれか1つの相の
    タップ端子に流入させた励磁電流を前記回転子の回転方
    向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向の後
    方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後他の
    1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通し
    て前記直流電源の負極端子に戻す励磁電流の流し方を第
    2の励磁パターンとして定めておいて、前記磁石回転子
    を一方向に回転駆動する際に、前記第1の回転子磁極セ
    ンサの出力の状態が変化したとき及び第3の回転子磁極
    センサの出力の状態が変化したときには、前記第1の励
    磁パターンで励磁電流を流し、前記第2の回転子磁極セ
    ンサの出力の状態が変化したとき及び第4の回転子磁極
    センサの出力の状態が変化したときには前記第2の励磁
    パターンで励磁電流を流すようにして、第1の励磁パタ
    ーンで励磁電流を流す状態と第2の励磁パターンで励磁
    電流を流す状態とを交互に生じさせながら、前記第1な
    いし第4の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が
    変化する毎に励磁電流を流すコイルを順次磁石回転子の
    回転方向にシフトさせていくように前記スイッチ回路の
    スイッチ素子をオンオフ制御するコントローラとを具備
    し、 前記第1の検出位置は、前記電機子鉄心の特定の歯部と
    前記回転子の回転方向の前方側で前記特定の歯部に隣接
    する他の歯部との間の間隙の中心と前記特定の歯部の周
    方向の中心との間に設定されているブラシレス直流電動
    機。
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