JP3596459B2 - 内燃機関用スタータジェネレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の始動時には始動用電動機(スタータモータ)として働き、内燃機関の始動後は発電機(ジェネレータ)として働く内燃機関用スタータジェネレータ(内燃機関始動用電動機兼用発電装置)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関には、各種の電装品負荷を駆動するために発電機が取り付けられている。一般に用いられている内燃機関用の発電機は、機関のクランク軸に取り付けられるフライホイール磁石回転子と、電機子鉄心に電機子コイルを巻装して構成した固定子とからなっている。固定子には、内燃機関用点火装置を駆動する点火用発電コイルや、燃料噴射装置駆動用の発電コイル等、機関を運転するために必須の電装品負荷を駆動する発電コイルと、ランプ負荷やバッテリなどの随時駆動負荷に電力を供給する発電コイルとが設けられている。
【0003】
フライホイール磁石回転子のフライホイールの周壁部の外周にはリングギアが固定され、機関のケースにはスタータモータ(始動用電動機)が取り付けられている。スタータモータの出力軸にはピニオンギアが取り付けられ、該スタータモータが駆動されたときにピニオンギアが前方に飛び出してリングギアに噛み合うことによりフライホイール磁石回転子をクランク軸とともに回転させる。
【0004】
磁石回転子が回転すると、固定子に設けられた点火用発電コイルに電圧が誘起するため、内燃機関用点火装置が機関を点火して始動させる。
【0005】
上記のように、従来の内燃機関では、機関を始動するためにフライホイールの外周にリングギアを取り付けるとともに、スタータモータを設ける必要があったため、機関の構造が複雑になるのを避けられなかった。
【0006】
そこで、機関のクランク軸に取り付けた磁石回転子と機関のケースに取り付けられた固定子とを備えた磁石界磁回転電機を設けて、この回転電機をブラシレス直流電動機として動作させることにより機関を始動させ、機関が始動した後はジェネレータとして動作させるようにしたスタータジェネレータが提案された。
【0007】
磁石界磁回転形の回転電機は、磁石発電機としても、ブラシレス直流電動機としても動作させることができるため、理論的にはこの回転電機の回転子を内燃機関のクランク軸に取り付けて、該回転電機をブラシレス直流電動機として動作させることにより機関を始動し、機関が始動した後は、該回転電機を発電機として動作させて、その出力によりバッテリを充電することができる。
【0008】
しかしながら、スタータモータ(始動用電動機)とバッテリ充電用のジェネレータ(磁石発電機)とでは、それぞれに要求される特性を満足するために必要とする巻線仕様が全く異なるため、磁石回転子と固定子とからなる回転電機をスタータモータとジェネレータとに兼用するという考え方は、アイディアとしては成立しても、未だ実用の段階には至っていない。
【0009】
即ち、スタータモータは、始動時に大きなトルクを発生する必要があるため、磁石界磁回転形の回転電機をスタータモータとして用いるためには、始動時に瞬時に大きな電流を流すことができるように、その固定子のコイルの巻線抵抗を小さくする必要がある。そのため、磁石界磁回転形の回転電機をスタータモータとして用いる場合には、その固定子のコイルの巻数を少なくするとともに、コイルの導体の線径を大きくする必要がある。
【0010】
また機関が始動した後は、固定子のコイルの出力でバッテリを充電する必要があるため、アイドリング回転付近での発電出力がバッテリ電圧にほぼ等しくなるように、固定子のコイルの巻数を設定する必要がある。
【0011】
ところが、このように回転電機を構成すると、機関の中高速回転時にバッテリの充電電流が大きくなり過ぎ、バッテリが破損するおそれがある。
【0012】
バッテリの過充電を防止するため、バッテリに印加される電圧が過大になったときに固定子のコイルの出力を短絡するレギュレータを設けることが考えられるが、上記のように巻線抵抗を小さく設定した回転電機に対して短絡式のレギュレータを用いると、短絡電流が大きくなり過ぎて、レギュレータを構成する電子部品が破損するおそれがある。
【0013】
なお、電機子コイルにつながるコンミュテータを有する固定子と、該コンミュテータに摺動接触するブラシを有する磁石回転子とを備えて、機関の始動時には、ブラシをコンミュテータに接触させることによりジェネレータをブラシ付きの直流電動機として運転し、機関が始動した後は、遠心クラッチ機構によりブラシをコンミュテータから引き離して、ジェネレータとして運転するようにしたスタータジェネレータが知られている。
【0014】
このスタータジェネレータでは、内燃機関の始動時には固定子の電機子コイルの全てに駆動電流を供給することにより十分な始動トルクを発生させることができ、機関が始動した後は、電機子コイルの一部から取り出した出力を整流器を通してバッテリに供給することにより、バッテリが過充電状態になるのを防止することができる。
【0015】
しかしながら、このスタータジェネレータでは、機関が始動した後にブラシをコンミュテータから引き離すために遠心クラッチを必要とするため、構造が複雑になってコストが高くなるのを避けられなかった。また、機関の始動時にブラシをコンミュテータに接触させるため、ブラシ及びコンミュテータが消耗し、そのメンテナンスが必要になるという問題があった。
【0016】
そこで、本出願人は、先に、固定子の多相のコイルに対して回転子磁極センサを1つだけ設けて、該センサが検出している回転子の磁極の極性に応じて各相のコイルに励磁電流を流すタイミングと、その励磁電流の極性とを切り換えることにより、磁石界磁形の回転電機を直流電動機として動作させ、機関が始動した後は、固定子の一部のコイルのみからバッテリに充電電流を供給することを提案した。
【0017】
このように構成すれば、回転子磁極センサを一つだけ設ければよいため、回転電機の構造を複雑にすることなく、内燃機関始動用電動機とバッテリ充電用磁石発電機との双方の機能を果たす回転電機を得ることができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように磁石界磁回転形の回転電機を直流電動機として駆動するに際して、一つの回転子磁極センサを用いて、各相のコイルに励磁電流を流すタイミングと励磁電流の極性とを切り換えるようにした場合には、電動機の出力トルク特性(出力トルクτの回転角度θに対する特性)に深い谷が生じ、トルクの谷が最も深くなるところでは、出力トルクがほとんどゼロに近くなるため、たまたまトルクの谷が深くなる位置で回転子が停止している状態で機関の始動操作が行われたときに、機関の始動に失敗するおそれがあった。
【0019】
本発明の目的は、機関の始動時にスタータモータとして運転する際に出力トルク特性に深い谷が生じるのを防いで機関の始動を確実に行わせ、機関が始動した後、バッテリ充電用の発電機として運転する際には、バッテリの過充電を防止することができるようにした内燃機関用スタータジェネレータを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関の始動時にスタータモータとして動作し、機関が始動した後はバッテリ充電用のジェネレータとして動作する内燃機関用スタータジェネレータに係わるものである。
【0021】
本発明においては、内燃機関の始動時にスタータモータとして動作させる際に、出力トルク特性に深い谷間が生じるのを防ぐために、回転子磁極センサを2個以上設けて3相以上の多相駆動を行う。
【0022】
また本発明では、固定子に設ける多数のコイルを直列に接続してコイルどうしの接続点からコイルに電流を出入りさせる構成として、電動機として運転する際には、すべてのコイルに励磁電流を流して大きな出力トルクを発生させ、発電機として運転する際には、一部のコイルの出力のみをバッテリに供給して、バッテリの過充電を防止することができるようにする。
【0023】
なお本願明細書においては、電気角で360/n度(nは1以上の整数)の角度間隔で励磁電流を流す固定子のコイルを切り換える電動機の駆動の仕方をn相駆動と呼ぶ。
【0024】
本願の第1の発明に係わるスタータジェネレータでは、内燃機関を始動する際に、4相駆動を行って磁石回転子を機関を始動させる方向に回転させる。この場合、磁石回転子としては、等角度間隔で配置されたm個(mは偶数)の磁極を有するものを用い、該磁石回転子を内燃機関のクランク軸に取り付ける。
【0025】
また固定子としては、磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設けられた2m個の歯部を有する電機子鉄心と、各コイルを電機子鉄心の隣り合う2つの歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされた2m個のコイルとを備えたものを用い、2m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部とそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点から2m個のタップ端子を導出しておく。
【0026】
この固定子においては、磁石回転子との位相関係が等しいコイルを同一相のコイルとした場合に、2m個のコイルが第1ないし第4相のコイルに分けられるようになっており、第1ないし第4相のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部に接続されたタップ端子がそれぞれ第1ないし第4相のタップ端子とされる。
【0027】
本発明においてはまた、電機子鉄心の特定の歯部の周方向のほぼ中心に相応する位置に設定された第1の検出位置及び該第1の検出位置から磁石回転子の回転方向に電気角で90度離れた第2の検出位置にそれぞれ配置されていて、それぞれの検出位置を通過している磁石回転子の磁極がN極のときとS極のときとで出力の状態を異にする第1及び第2の回転子磁極センサと、固定子のコイルの励磁を切り換えるスイッチ回路と、固定子の一部のコイルの出力を整流してバッテリに充電電流を供給するバッテリ充電用整流回路と、固定子のコイルの内、前記整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの誘起電圧でバッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段と、回転子磁極センサの出力の状態が変化する毎に励磁相を切り換えるようにスイッチ回路を制御するコントローラとを設ける。
【0028】
上記スイッチ回路は、上段のスイッチ素子と該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子とを有して両スイッチ素子の間から中間端子が引き出された構成をそれぞれが有する第1ないし第4相のスイッチアームを少なくとも1つずつ備えていて、第1ないし第4相のスイッチアームがそれぞれの上段のスイッチ素子をバッテリの正極端子側に位置させて該バッテリの両端に並列に接続される。また固定子の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続されている。
【0029】
またコントローラは、内燃機関の始動時に磁石回転子をクランク軸の回転方向に回転させるべく、バッテリの正極端子からスイッチ回路の2つの隣り合う相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転方向の前方側の1つ相のコイルを通して流した後更に他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻し、隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転方向の後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は回転方向の後方側の1つ相のコイルを通して流した後更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁パターンとして、第1及び第2の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に、規定の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次前記磁石回転子の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0030】
上記のように、電機子鉄心の特定の歯部の周方向のほぼ中心に相応する位置に設定された第1の検出位置及び該第1の検出位置から磁石回転子の回転方向に電気角で90度離れた第2の検出位置にそれぞれ第1及び第2の回転子磁極センサを配置するとともに、固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させるように励磁パターンを定めて、この励磁パターンに従って励磁電流を流すことにより4相駆動を行うと、ほとんど谷部が生じない、ほぼフラットな出力トルク特性を得ることができるため、始動トルクが不足して内燃機関の始動に失敗するおそれをなくすことができる。
【0031】
一般に用いられているブラシレス直流電動機では、3つの回転子磁極センサを設けて、3相駆動を行っているが、3相駆動を行う場合には、3つの回転子磁極センサの出力に論理演算を施すことにより励磁の切り換えタイミングを定める必要があるため、励磁の切り換えのタイミングを定めるための論理が複雑になるのを避けられない。
【0032】
これに対し、上記のように2つの回転子磁極センサを用いて4相駆動を行うようにすれば、励磁の切換タイミングを定めるための論理を簡単にすることができるため、コントローラを論理回路で構成する場合に、その構成を簡単にすることができる。またコントローラをマイクロコンピュータにより構成する場合には、該マイクロコンピュータに実行させるプログラムを簡単にすることができる。
【0033】
また上記のように、固定子の一部のコイルの出力を整流してバッテリに供給するバッテリ充電用整流回路を設けるとともに、バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルからバッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段を設けておくと、機関が始動した後、バッテリを充電する発電機として運転する際に、バッテリに過大な充電電流が供給されるのを防ぐことができる。
【0034】
なお上記のように、2つの回転子磁極センサを電機子鉄心の歯部の中心に相応する位置に配置すると、出力トルク特性に深い谷間が生じるのを防いで、トルクむらを少なくすることができるが、この場合、出力トルクの最大値は低下する傾向になる。出力トルクの最大値を大きくするためには、回転子磁極センサを歯部間の間隙の中心に相応する位置に配置すればよいが、このように回転子磁極センサを配置した場合には、出力トルク特性に比較的深い谷間が生じる。
【0035】
負荷によっては、電動機の始動トルクを大きくするだけでなく、出力トルクの平均値をできるだけ大きくすることが望まれることがある。
【0036】
このような要望に応えることができるようにするため、本願の第2の発明においては、電気角で45度の位相差を持って磁石回転子の回転方向に順次並ぶように設定された固定子側の第1ないし第4の検出位置にそれぞれ第1ないし第4の回転子磁極センサを配置し、内燃機関を始動する際に、クランク軸を内燃機関の始動方向に回転させるべく、バッテリの正極端子からスイッチ回路の2つの隣り合う相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転方向の前方側の1つの相のコイルを通して流した後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻し、隣り合う2つの相のタップ端子のうち前記回転方向の後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は前記回転方向の後方側の1つの相のコイルを通して流した後更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第1の励磁パターンとするとともに、バッテリの正極端子からスイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子のいずれか1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を前記回転子の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第2の励磁パターンとして、磁石回転子の回転速度が設定値以下のときに、第1の回転子磁極センサ及び第3の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に第1の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを磁石回転子の回転方向にシフトさせていき、磁石回転子の回転速度が設定値を超えたときには第2の回転子磁極センサ及び第4の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に第2の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを磁石回転子の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ回路のスイッチ素子を制御するコントローラを構成する。
【0037】
この場合、第1の検出位置は、電機子鉄心の特定の歯部の周方向のほぼ中心に相応する位置に設定しておく。
【0038】
磁石回転子、固定子及びスイッチ回路としては、第1の発明で用いたものと同様のものを用い、固定子の一部のコイルの出力を整流してバッテリに充電電流を供給するバッテリ充電用整流回路と、固定子のコイルの内、前記整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの誘起電圧でバッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段とを設けておく。
【0039】
上記のように、電動機の回転速度に応じて励磁パターンを切り換えるようにすると、内燃機関の始動時には電動機の出力トルクむらを少なくして、始動トルクが不足する回転角度位置が生じるのを防ぐことができ、機関が回転を開始した後は、電動機の出力トルクの最大値を大きくして電動機の平均出力トルクを大きくすることができる。
【0040】
この場合、4つの回転子磁極センサを必要とするが、各励磁パターンによる励磁は4相駆動であり、2のつ回転子磁極センサの出力に基づいて励磁の切換タイミングを定めることができるため、3相駆動による場合に比べて励磁の切換タイミングを求めるための論理を簡単にすることができる。
【0041】
上記の構成では、回転速度に応じて励磁パターンを切り換えるために、4つの回転子磁極センサを用いているが、電機子鉄心の歯部のほぼ中心に相応する位置で回転子の磁極がN極であるかS極であるかを検出する第1及び第2の回転子磁極センサを用いて第2の励磁パターンの励磁相の切換を行い、第1及び第2の回転子磁極センサの出力の状態が変化する毎に起動するタイマの出力を用いて、第1の励磁パターンによる励磁相の切換を行わせるようにすることもできる。
【0042】
この場合、コントローラは、バッテリの正極端子からスイッチ回路の2つの隣り合う相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転方向の前方側の1つの相のコイルを通して流した後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻し、隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転方向の後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転方向の後方側の1つの相のコイルを通して流した後更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第1の励磁パターンとするとともに、バッテリの正極端子からスイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子のいずれか1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転子の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第2の励磁パターンとして、磁石回転子の回転速度が設定値以下のときには、第1及び第2の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に、第1の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを磁石回転子の回転方向に順次シフトさせていくようにスイッチ回路の各スイッチ素子をオンオフ制御し、磁石回転子の回転速度が設定値を超えたときには、第1及び第2の回転子磁極センサの出力の状態の組み合わせが変化する毎に起動させたタイマが所定の時間を計測する毎に第2の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次磁石回転子の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0043】
この場合、磁石回転子の回転速度が設定値を超えたときに、磁石回転子の各磁極の回転方向の前端縁が電機子鉄心の歯部間を通過する際に、第1の励磁パターンで同時に励磁電流が流れるコイルの組み合わせが切り換わるように、タイマが計測する時間を設定する。
【0044】
上記のように構成すると、回転子磁極センサを2つだけ設ければよいため、固定子側の構成を複雑にすることなく、回転速度に応じて励磁パターンを切り換える制御を行わせることができる。
【0045】
本発明ではまた、固定子が第1ないし第4相のコイルを有している場合に、電気角で45度の間隔を持って回転子の回転方向の前方側に順次並ぶように配置された第1ないし第4の回転子磁極センサを用いて、同時に2つのタップ端子に励磁電流を流入させる第1の励磁パターンと常に1つのタップ端子に励磁電流を流入させる第2の励磁パターンとを交互に生じさせながらスタータモータとしての駆動を行わせることもできる。
【0046】
この場合には、磁石回転子の回転方向の前方側に電気角で45度の角度間隔で順次並ぶように設定された第1ないし第4の検出位置にそれぞれ配置されて、それぞれの検出位置を通過している磁石回転子の磁極がN極のときとS極のときとで出力の状態を異にする第1ないし第4の回転子磁極センサと、励磁電流を流す固定子のコイルを切り換えるスイッチ回路と、該スイッチ回路を制御するコントローラとを設ける。
【0047】
第1の回転子磁極センサを配置する第1の検出位置は、電機子鉄心の特定の歯部と回転子の回転方向の前方側で該特定の歯部に隣接する他の歯部との間の間隙の周方向の中心(固定子の周方向に測った間隙長を2分する位置)と特定の歯部の周方向の中心との間に設定する。
【0048】
この場合スイッチ回路は、上段のスイッチ素子と該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子と両スイッチ素子の間から引き出された中間端子を有する構成をそれぞれが備えた第1ないし第4相のスイッチアームを少なくとも1つずつ備えていて、該第1ないし第4相のスイッチアームが、それぞれの上段のスイッチ素子をバッテリの正極端子側に位置させて該バッテリの両端に並列に接続されるとともに、固定子の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続される。
【0049】
またコントローラは、バッテリの正極端子からスイッチ回路の隣り合う2つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、該隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転方向の前方側に位置する1つの相のコイルを通して流した後スイッチ回路の他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻し、隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転方向の後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は回転方向の後方側に位置する1つの相のコイルを通して流した後スイッチ回路の更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第1の励磁パターンとするとともに、バッテリの正極端子からスイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子のいずれか1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を前記回転子の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第2の励磁パターンとして、磁石回転子を一方向に回転駆動する際に、第1の回転子磁極センサの出力の状態が変化したとき及び第3の回転子磁極センサの出力の状態が変化したときに、第1の励磁パターンで励磁電流を流し、第2の回転子磁極センサの出力の状態が変化したとき及び第4の回転子磁極センサの出力の状態が変化したときには第2の励磁パターンで励磁電流を流すようにして、第1の励磁パターンで励磁電流を流す状態と第2の励磁パターンで励磁電流を流す状態とを交互に生じさせながら、第1ないし第4の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に励磁電流を流すコイルを順次磁石回転子の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0050】
上記のように、固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させる第1の励磁パターンによる励磁と固定子のコイルから引き出した1つの相のタップ端子のみに励磁電流を流入させる第2の励磁パターンによる励磁とを交互に行わせるようにすると、全回転速度領域で出力トルクのむらを少なくするとともに、最大出力トルクの最大値を大きくして平均出力トルクの増大を図ることができる。
【0051】
本発明においてはまた、磁石回転子をm極に構成し、固定子の電機子鉄心を3m個の歯部を有する構成とし、第1ないし第3の回転子磁極センサを設けて、スタータモータとして運転する際に3相駆動を行うようにしてもよい。
【0052】
この場合には、固定子としては、m個(mは偶数)の磁極を有する磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設けられた3m個の歯部を有する電機子鉄心と、各コイルを電機子鉄心の隣り合う3つの歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされた3m個のコイルとを備えたものを用い、該3m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部とそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点から3m個のタップ端子を導出しておく。この固定子の3m個のコイルは、磁石界磁との位相関係が等しいコイルを同一相のコイルとした場合に第1ないし第6相のコイルに分けられるようになっていて、第1ないし第6相のコイルの巻始め側の端末部にそれぞれ接続されたタップ端子が第1ないし第6相のタップ端子とされる。
【0053】
この場合第1ないし第3の回転子磁極センサは、電気角で60度の位相差を有し、かつ電機子鉄心の歯部間に設定された固定子側の3つの検出位置に配置されて、それぞれの検出位置を通過する磁石回転子の磁極がN極であるかS極であるかを検出して、検出した磁極がN極のときとS極のときとで異なる状態の出力を発生する。
【0054】
またスイッチ回路は、上段のスイッチ素子と該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子と両スイッチ素子の間から引き出された中間端子とを備えた構成をそれぞれが有する第1ないし第6相のスイッチアームを少なくとも1つずつ備えていて、該第1ないし第6相のスイッチアームがそれぞれの上段のスイッチ素子をバッテリの正極端子側に位置させて該バッテリの両端に並列に接続され、固定子の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続される。
【0055】
この場合も、固定子の一部のコイルの出力を整流してバッテリに充電電流を供給するバッテリ充電用整流回路と、固定子のコイルの内、バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの誘起電圧でバッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段とを設けておく。
【0056】
またコントローラは、内燃機関を始動する際に、バッテリの正極端子からスイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子の1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転子の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後スイッチ回路の他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁パターンとして、第1ないし第3の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に該規定の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次前記回転方向にシフトさせていくようにスイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0057】
上記のように、スタータモータとして運転する際に3相駆動を行うようにすると、トルクむらを少なくして、始動が困難になる回転確度位置をなくすとともに、出力トルクの平均値を高くする要求にも応えることができる。
【0058】
3相駆動を行う従来のブラシレス直流電動機では、3相のコイルがスター結線されていたため、該電動機を外部から駆動して発電機として運転する際に特定の相のコイルの出力のみを取り出して負荷に供給することは困難であった。
【0059】
これに対し、本発明においては、固定子に設けた6相のコイルを直列に接続して(Δ結線して)、各コイルの両端からタップ端子を引き出す構造としたため、一部のコイルの出力のみを取り出して負荷に供給することが容易にできる。
【0060】
したがって、上記のように固定子の一部のコイルの出力のみを整流してバッテリに供給するバッテリ充電用整流回路と、該整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルからスイッチ回路を通してバッテリに充電電流が流れるのを阻止する充電阻止手段とを設けておくことにより、内燃機関が始動した後、固定子のコイルの出力でバッテリを充電する際に、バッテリが過充電されるのを防ぐことができる。
【0061】
本発明は、一般に、スタータジェネレータにおいて、固定子の電機子鉄心がn×m個の歯部を有していて、各コイルを電機子鉄心の隣り合うn個の歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされたn×m個のコイルを設ける場合に適用することができる。
【0062】
この場合、n×m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部とそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点からn×m個のタップ端子を導出して、磁石界磁との位相関係が等しいコイルを同一相のコイルとした場合にn×m個のコイルを第1ないし第2n相のコイルに分けられるようにしておき、第1ないし第2n相のコイルの巻始め側の端末部にそれぞれ接続されたタップ端子をそれぞれ第1ないし第2n相タップ端子とする。
【0063】
この場合、磁石回転子の回転方向に電気角で360/2n度の間隔をもって順次並ぶ電機子鉄心のn個の歯部間の間隙のそれぞれのほぼ中心に相応する位置に設定された第1ないし第nの検出位置にそれぞれ第1ないし第nの回転子磁極センサを設けておく。
【0064】
スイッチ回路は、上段のスイッチ素子と該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子と両スイッチ素子の間から引き出された中間端子とを備えた構成をそれぞれが有する第1ないし第2n相のスイッチアームを少なくとも1つずつ備えていて、該第1ないし第2n相のスイッチアームがそれぞれの上段のスイッチ素子をバッテリの正極端子側に位置させて該バッテリの両端に並列に接続されるとともに、固定子の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続される。
【0065】
また固定子の一部のコイルの出力を整流して前記バッテリに充電電流を供給するバッテリ充電用整流回路と、固定子のコイルの内、バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルからバッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段とを設けておく。
【0066】
コントローラは、バッテリの正極端子からスイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子の1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転子の回転方向の前方側で隣り合うn−1個の隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合うn−1個の隣接コイルとに分流させた後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁パターンとして、第1ないし第nの回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に規定の励磁パターンに従って同時に励磁電流を流すコイルを順次磁石回転子の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0067】
また、上記のように、磁石回転子及び固定子を構成する場合に、第1ないし第nの回転子磁極センサをそれぞれ磁石回転子の回転方向に電気角で360/2n度の間隔をもって順次並ぶ電機子鉄心のn個の歯部のそれぞれのほぼ中心に相応する位置に設定された第1ないし第nの検出位置にそれぞれ配置する場合には、バッテリの正極端子からスイッチ回路の隣り合う2つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に流入させた励磁電流を回転子の回転方向の前方側で隣り合うn−1個の隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合うn−1個の隣接コイルとに分流させた後他の隣り合う2つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁パターンとして、第1ないし第nの回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に規定の励磁パターンに従って同時に励磁電流を流すコイルを順次前記回転方向にシフトさせていくようにコントローラを構成する。
【0068】
上記の各構成において、充電阻止手段は、バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子に中間端子が接続されたスイッチアームの上段のスイッチ素子にアノードをバッテリの正極端子側に向けて直列に接続された上段の充電阻止用ダイオードと、バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子に中間端子が接続されたスイッチアームの下段のスイッチ素子にカソードをバッテリの負極端子側に向けて直列に接続された下段の充電阻止用ダイオードとにより構成することができる。
【0069】
上記充電阻止手段はまた、バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子に中間端子が接続されたスイッチアームの上段のスイッチ素子と中間端子との間に挿入されて内燃機関を始動する際にオン状態にされ、バッテリを充電する際にオフ状態にされる上段の充電阻止用スイッチ手段と、バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子に中間端子が接続されたスイッチアームの下段のスイッチ素子と中間タップとの間に挿入されて内燃機関を始動する際にオン状態にされ、バッテリを充電する際にオフ状態にされる下段の充電阻止用スイッチ手段とにより構成することもできる。
【0070】
上記充電阻止手段はまた、バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子と該タップ端子に接続されたスイッチアームの中間端子との間に挿入されて内燃機関を始動する際にオン状態にされ、バッテリを充電する際にオフ状態にされる充電阻止用スイッチ手段により構成することもできる。
【0071】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明に係わる内燃機関用スタータジェネレータの機械的な構成部分の構成例を示したもので、図1(A)は同スタータジェネレータの断面図及び正面図である。また図2は、図1のスタータジェネレータのコイルの巻回構造と、励磁電流を流すコイルを切り換えるスイッチ回路の構成例と、該スイッチ回路を制御するコントローラとを示した構成図である。
【0072】
図1(A)及び(B)に示した内燃機関用スタータジェネレータSGは、内燃機関のクランク軸(図示せず。)に取り付けられる磁石回転子1と、機関のケース等に固定される固定子2とにより構成されている。
【0073】
磁石回転子1は、鉄等の強磁性材料によりほぼカップ状に形成された回転子ヨーク100と、該回転子ヨーク100の周壁部101の内周に等角度間隔で取り付けられて回転子ヨーク100の径方向に着磁された円弧状の永久磁石M1 〜M6 とからなっている。
【0074】
磁石M1 〜M6 は、フライホイールの周方向に交互に異なる極性の磁極(S極及びN極)が並ぶように着磁されていて、これらの磁石により、等角度間隔で並ぶ6極の磁極を有する磁石界磁が構成されている。回転子ヨーク100の底壁部の中央部には回転軸取付け用のボス部102が設けられ、このボス部が機関のクランク軸に取り付けられる。
【0075】
固定子2は、環状の継鉄部Yから磁石回転子1の回転方向に等角度間隔で並ぶ12個の歯部P1 〜P12を放射状に突出させた形状を有する電機子鉄心200と、電機子鉄心200の歯部P1 〜P12に巻方向を同じにして重ね巻きされた12個のコイルW1 〜W12とからなっていて、鉄心200が図示しない機関のケース等に固定される。
【0076】
電機子鉄心200は、所定の形状に打ち抜いた鋼板を所定枚数積層したものからなっていて、その継鉄部Yには樹脂製のフレーム202が固定され、該フレームには12個のピン203,203,…の基部が埋め込まれている。
【0077】
コイルW1 〜W2 は、各コイルを電機子鉄心の隣り合う2つの歯部に跨らせた状態で、かつ各コイルの巻終り側の端末部を次のコイルの巻始めの端末部につなげた状態で順次重ね巻きされている。そして、コイルW1 〜W12相互間の渡り部が一連のピン203,203,…に巻き付けられて半田付けされ、一連のピン203,203,…がそれぞれタップ端子j1 〜j12となっている。
【0078】
なお「重ね巻き」とは、電機子鉄心の各歯部において隣り合うコイルの一部が回転子の周方向にオーバラップするように一連のコイルを巻回することをいう。図示の例では、隣り合うコイルの一部が重なり合った状態で巻回されているが、歯部間のスロットを十分に深くすることができる場合には、隣り合うコイルを重ね合わせることなく、鉄心の径方向に位置をずらして配置するようにしてもよい。
【0079】
図示の固定子では、磁石界磁との位相関係が等しいコイルを同一相のコイルとした場合に、12個のコイルW1 〜W12が第1ないし第4相のコイルに分けられるようになっている。図示の例では、図2に示すように、コイルW1 ,W5 及びW9 が第1相のコイルを構成し、コイルW2 ,W6 及びW10が第2相のコイルを構成している。またコイルW3 ,W7 及びW11が第3相のコイルを構成し、コイルW4 ,W8 及びW12が第4相のコイルを構成している。
【0080】
また、同じ相のコイルの巻き始め側の端末部に接続されたタップ端子を同じ相のタップ端子とした場合に、12個のタップ端子j1 〜j12を第1ないし第4相のタップ端子に分けることができるようになっている。図示の例では、タップ端子j1 ,j5 及びj9 が第1相のタップ端子を構成し、タップ端子j2 ,j6 及びj10が第2相のタップ端子を構成している。またタップ端子j3 ,j7 及びj11が第3相のタップ端子を構成し、タップ端子j4 ,j8 及びj12が第4相のタップ端子を構成している。
【0081】
また図示の例では、回転子のフライホイール100に設けられたボス部102の外周にリング状の回転子磁極検出用磁石10が取り付けられていて、この磁石10は、磁石回転子の磁極M1 〜M6 にそれぞれ対応する磁極m1 〜m6 (図2参照)を形成するように着磁されている。
【0082】
図1(A)に示すように、電機子鉄心200の継鉄部Yに固定された環状の樹脂製フレーム204に、回転子磁極検出用磁石10の磁極を検出する回転子磁極センサha 及びhb が取り付けられている。図示の回転子磁極センサha 及びhb は、ホールICからなっていて、電機子鉄心200の隣り合う2つの歯部のそれぞれの周方向の中心に相応する位置に設定された第1及び第2の検出位置で回転子の磁極を検出して、検出している回転子の磁極がN極であるかS極であるかによって異なるレベルの矩形波状の磁極検出信号HA 及びHB を出力する。
【0083】
この例では、図1(B)に符号ha 及びhb を付して示したように、電機子鉄心200の歯部P3 及びP4 のそれぞれの周方向の中心に相応する位置に回転子磁極センサha 及びhb を配置して回転子1の磁極の極性を検出した場合に両センサから得られる信号と同等の信号が、継鉄部Yに固定された樹脂製フレーム204に取り付けられたセンサha 及びhb から得られるように、両センサha 及びhb が設けられている。
【0084】
この例では、磁石回転子1が6極に構成され、電機子鉄心200が12極に構成されているため、上記のように回転子磁極センサha ,hb を配置した場合、両回転子磁極センサ相互間の間隔は、電気角で90度となる。
【0085】
なお図示の例では、回転子磁極検出用磁石10を設けて、該磁石の磁極を回転子磁極センサha 及びhb により検出することによって、回転子1の磁極の極性を間接的に検出するようにしているが、回転子磁極検出用磁石10を設けることなく、図1(B)に符号ha 及びhb で示した位置にそれぞれ回転子磁極センサを配置して、回転子1の磁極の極性を直接検出するようにしてもよいのはもちろんである。
【0086】
図1に示したスタータジェネレータにおいて、回転子磁極センサha 及びhb がそれぞれ出力する磁極検出信号HA 及びHB の波形は例えば図5(A)及び(B)に示す通りで、回転子磁極センサha 及びhb は、磁石のN極を検出しているときに高レベル(以下Hレベルという。)を示し、S極を検出しているときに低レベルまたは零レベル(以下Lレベルという。)を示す検出信号HA 及びHB を出力する。
【0087】
回転子磁極センサha 及びhb から導出されたリード線は絶縁被覆により被覆されてワイヤーハーネス11として外部に導出されて図2に示すコントローラ4に接続される。
【0088】
図1に示したスタータジェネレータの巻線構造は、図2に示した巻線展開図の通りで、回転子の各磁極に対して常時隣り合う2つのコイルが対応するように一連のコイルが設けられている。
【0089】
図2に示したように、コイルW1 〜W12に励磁電流を流すためにスイッチ回路3と、回転子磁極センサha ,hb の出力に応じてスイッチ回路3を制御するコントローラ4とが設けられている。
【0090】
図示のスタータジェネレータを電動機として動作させる際に4相駆動を行う場合には、スイッチ回路3として、上段のスイッチ素子qa と順方向を上段のスイッチ素子の順方向と同じ方向に向けて該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子qb とを有して両スイッチ素子の間から中間端子が引き出された構成をそれぞれが有する第1ないし第4相のスイッチアームS1 〜S4 を少なくとも1つずつ備えたものを用いる。第1ないし第4相のスイッチアームS1 〜S4 は、それぞれの上段のスイッチ素子及び下段のスイッチ素子の順方向をバッテリの正極側から負極側に向う方向に向け、かつそれぞれの上段のスイッチ素子qa をバッテリ5の正極端子側に位置させた状態で該バッテリ5の両端に並列に接続され、固定子2の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続される。
【0091】
図示の例では、スイッチ回路3が、固定子の第1ないし第4相のタップ端子にそれぞれ対応する第1ないし第4相のスイッチアームS1 ,S2 ,S3 及びS4 を1つずつ備えていて、これらのスイッチアームが対のバッテリ接続端子3a,3b間に並列に接続されている。
【0092】
また図示の例では、第1及び第2相のスイッチアームS1 及びS2 のそれぞれが、互いに直列に接続された上段のスイッチ素子qa 及び下段のスイッチ素子qb と、スイッチ素子qa 及びqb にそれぞれ逆並列接続された上段の整流用ダイオードda 及び下段の整流用ダイオードdb とにより構成され、スイッチアームS1 及びS2 のそれぞれのスイッチ素子同士の接続点から中間端子u1 及びu2 が引き出されている。
【0093】
この例では、第1及び第2相のスイッチアームS1 及びS2 の整流用ダイオードda 及びdb により、機関が始動した後スタータジェネレータを発電機として動作させる際に固定子の一部のコイルの出力のみを整流してバッテリ5に充電電流を供給する単相ダイオードブリッジ全波整流回路が構成されている。図示の例では、機関の運転時に第1相のコイルW1 ,W5 及びW9 の出力がこの整流回路により整流されてバッテリ5に供給される。
【0094】
また第3相のスイッチアームS3 は、上段のスイッチ素子qa と、上段のスイッチ素子qa に対して直列に接続された下段のスイッチ素子qb と、両スイッチ素子の間から引き出された中間端子u3 と、カソードをバッテリ5の正極端子側に向けて上段のスイッチ素子qa と中間端子u3 との間に挿入された上段の充電阻止用ダイオードd1 と、カソードをバッテリ5の負極端子側に向けて下段のスイッチ素子qb と中間端子u3 との間に挿入された下段の充電阻止用ダイオードd2 とからなっており、中間端子u3 は充電阻止用ダイオードd1 のアノードと充電阻止用ダイオードd2 のアノードとの共通接続点から引き出されている。
【0095】
第4相のスイッチアームS4 は、第3相のスイッチアームS3 と同様に構成されていて、その充電阻止用ダイオードd1 ,d2 のアノードの共通接続点から中間端子u4 が引き出されている。
【0096】
第1及び第2相のスイッチアームS1 及びS2 のそれぞれの中間端子u1 及びu2 にはそれぞれ固定子の第1及び第2相のタップ端子(j1 ,j5 ,j9 )及び(j2 ,j6 ,j10)が接続され、第3及び第4相のスイッチアームS3 及びS4 のそれぞれの中間端子u3 及びu4 には、固定子の第3及び第4相のタップ端子(j3 ,j7 ,j11)及び(j4 ,j8 ,j12)が接続されている。
【0097】
図示の例では、各スイッチアームの上段及び下段のスイッチ素子qa 及びqb がMOSFETからなっていて、スイッチアームS1 ないしS4 のそれぞれの上段のスイッチ素子qa を構成するFETのドレインが電源接続端子3aに共通接続されている。またスイッチアームS1 ないしS4 のそれぞれの下段のスイッチ素子qb を構成するFETのドレインがそれぞれの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を構成するFETのソースに接続され、スイッチアームS1 ないしS4 のそれぞれの下段のスイッチ素子qb を構成するFETのソースが共通に接続されて、抵抗値が十分に小さいシャント抵抗Rs を通して電源接続端子3bに共通接続されている。シャント抵抗Rs は固定子のコイルに供給される全励磁電流を検出するために設けられていて、この抵抗Rs の両端に得られる電流検出信号は、図2には図示しない後記する過電流検出回路に入力されている。
【0098】
なおda 及びdb はMOSFETのドレインソース間に存在する寄生ダイオードであり、図示の例では、この寄生ダイオードを整流用ダイオードとして用いている。
【0099】
本実施形態では、充電阻止用ダイオードd1 及びd2 により、固定子2のコイルの内、第1相及び第2相のスイッチアームS1 及びS2 の整流用ダイオードda 及びdb により構成されたバッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル(この例ではコイルW1 ,W5 及びW9 )以外のコイルの誘起電圧でバッテリ5に充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段が構成されている。
【0100】
図示の例では、スイッチ素子qa 及びqb としてMOSFETを用いているため、第3及び第4相のスイッチアームのスイッチ素子qa 及びqb にもそれぞれ寄生ダイオードda 及びdb が逆並列接続されているが、スイッチ素子qa 及びqb として寄生ダイオードを有しない素子を用いる場合、充電阻止用ダイオードd1 及びd2 が設けられる第3及び第4のスイッチアームS3 及びS4 のスイッチ素子qa 及びqb に対してダイオードを並列接続する必要はない。
【0101】
対の電源接続端子3a及び3bにはそれぞれバッテリ5の正極端子及び負極端子が接続され、該バッテリ5からスイッチ回路3を通してコイルW1 〜W12に励磁電流が供給される。
【0102】
コントローラ4は、マイクロコンピュータを備えていて、回転子磁極センサha 及びhb がそれぞれ発生する検出信号HA 及びHB に応じて、スイッチアームS1 〜S4 の上段のスイッチ素子qa の制御端子(図示の例ではMOSFETのゲート)にそれぞれ駆動信号AないしDを所定のタイミングで与え、スイッチアームS1 〜S4 の下段のスイッチ素子qb の制御端子にそれぞれ駆動信号A´ないしD´を所定のタイミングで与える。
【0103】
各スイッチ素子はその制御端子に駆動信号が与えられている間オン状態を保持し、該駆動信号が与えられていない間オフ状態を保持する。
【0104】
図2においては、固定子2のコイルに流す励磁電流を制御する制御装置の部分を概略的に示しているが、制御装置のより詳細な構成の一例を示すと図3の通りである。
【0105】
図3に示した例では、図2に示したスイッチ回路3の負極側の電源接続端子3bとスイッチアームS1 〜S4 の共通接続点との間に挿入されたシャント抵抗Rs の両端に得られる電流検出信号が過電流検出回路15に入力されている。スイッチ回路3と過電流検出回路15とによりドライバ16が構成されている。
【0106】
過電流検出回路15は、例えば、図4に示すように、演算増幅器OP1 、固定抵抗器R1 ,R2 、可変抵抗器VR1 、及びコンデンサC1 からなる増幅回路15Aと、固定抵抗器R3 及び可変抵抗器VR2 の直列回路からなっていて後記する電源回路から与えられる定電圧を分圧して基準電圧Vf を出力する基準電圧発生回路15Bと、増幅回路15Aの出電圧及び基準電圧Vf がそれぞれ反転入力端子及び非反転入力端子に入力された電圧比較器CP1 と帰還抵抗R4 とからなる比較回路15Cとを備えていて、シャント抵抗Rs の両端に得られる電流検出信号が設定値を超えたときに、増幅回路15Aの出力電圧が基準電圧Vf を超えて比較器CP1 の出力端子の電位を高レベルの状態から低レベルの状態に変化させる。この比較器CP1 の出力端子の電位の低下が過電流検出信号としてコントローラ4に与えられる。
【0107】
コントローラ4は、CPU4Aと、ROM4Bと、RAM4Cと、計測すべき時間がセットされたときにクロックパルスを計数する計時動作を開始して、セットされた時間を計測したときに出力信号を発生するタイマ4Dと、CPU4Aへの信号の入出力を行う入出力ポート4Eと、電源回路4Fと、内燃機関を始動する際に閉じられる始動指令スイッチSWに入力端子が接続されて始動指令スイッチSWが閉じたことを検出したときにCPU4Aに始動指令信号を与える始動指令検出回路4Gとを有している。
【0108】
またCPU4Aには、過電流検出回路15の出力がポート4Eを通して入力されるとともに、回転子磁極センサha 及びhb の出力が入力されている。
【0109】
電源回路4Fは、バッテリ5の出力電圧を入力として、CPU4Aを動作させるために必要な電源電圧(5[V])と、ドライバ16を駆動するために必要な電源電圧(8[V])とを出力する回路で、電源回路4FからCPU4Aとドライバ16とに電源電圧が与えられている。
【0110】
CPU4Aは、ROM4Bに記憶された所定のプログラムを実行することにより、後記する励磁パターンに従って固定子のコイルに励磁電流を供給するべく、回転子磁極センサha ,hb の出力からスイッチ回路3の各スイッチ素子に駆動信号を与えるタイミングを割り出して、割り出したタイミングでスイッチ回路3のスイッチ素子に駆動信号A〜D及びA´〜D´を与えるスイッチ回路駆動手段や、固定子のコイルに供給される励磁電流が過大になって過電流検出回路15が過電流検出信号を発生したときに、スイッチ回路3への駆動信号の出力を停止する過電流保護手段等を実現する。
【0111】
本実施形態では、内燃機関を始動する際に、図5に示すような励磁パターンで固定子2のコイルに励磁電流を流して図1に示したスタータジェネレータを電動機として動作させる。
【0112】
図5の励磁パターンに従う場合、コントローラ4は、磁石回転子1を一方向に回転駆動する際に、バッテリ5の正極端子からスイッチ回路3の2つの隣り合う相のスイッチアームの上段のスイッチ素子qa を通して固定子2の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転方向の前方側の1つの相のコイルを通して流した後、他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリ5の負極端子に戻し、隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転方向の後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は回転方向の後方側の1つの相のコイルを通して流した後、更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁パターンとして定めておいて、第1及び第2の回転子磁極センサha 及びhb のそれぞれの出力の状態が変化する毎に、規定の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次磁石回転子の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0113】
更に詳細に説明すると、図5に示した例では、回転子磁極センサha の出力信号HA がLレベルからHレベルに変化した時に、コントローラ4が第3相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子qa に与えていた駆動信号Cを消滅させると同時に、第1相のスイッチアームS1 の上段のスイッチ素子qa に駆動信号Aを与え、既に第4相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子qa に与えられている駆動信号Dはそのままとして、第1相のスイッチアームS1 の上段のスイッチ素子qa と第4相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子qa とを導通させる。また第1のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb に与えていた駆動信号を消滅させると同時に第3相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb に駆動信号C´を与え、既に第2相のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb に与えられている駆動信号B´をそのままとして、第2相のスイッチアームS2 下段のスイッチ素子qb と第3相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb とを導通させる。
【0114】
このときバッテリ5から第4相のスイッチアームS4 及び第1相のスイッチアームS1 の上段のスイッチ素子を通して第4相のタップ端子(j12,j4 ,j8 )及び第1相のタップ端子(j1 ,j5 ,j9 )に励磁電流が流入する。このとき励磁電流が同時に流入する隣り合う相のタップ端子(j12,j1 ),(j4 ,j5 )及び(j8 ,j9 )はそれぞれほぼ同電位であり、また同時に励磁電流が流出する隣り合う相のタップ端子(j2 ,j3 ),(j6 ,j7 )及び(j10,j11)もそれぞれほぼ同電位であるため、コイルW12,W4 ,W8 ,W2 ,W6 及びW10には励磁電流がほとんど流れない。そのため、バッテリ5から第4相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子を通して第4相のタップ端子j12,j4 及びj8 にそれぞれ流入した励磁電流は回転方向の後方側に位置する1つの相のコイルW11,W3 及びW7 を通して流れた後第2相のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリの負極端子に戻る。またバッテリから第1相のスイッチアームS1 の上段のスイッチ素子を通して第1相のタップ端子j1 ,j5 及びj9 にそれぞれ流入した励磁電流は、回転方向の前方側に位置する1つの相のコイル群W1 ,W5 及びW9 を通して流れた後、第3相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリの負極端子に戻る。
【0115】
次いで、コントローラ4は、回転子磁極センサhb の出力信号HB がLレベルからHレベルに変化したときに、第4相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子qa に与えていた駆動信号Dを消滅させると同時に第2相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ素子qa に駆動信号Bを与え、既に第1相のスイッチアームS1 の上段のスイッチ素子qa に与えている駆動信号Aはそのままとして、第1相のスイッチアームS1 の上段のスイッチ素子qa と第2相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ素子qa とを導通させた状態とする。コントローラはまた、第2のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb に与えていた駆動信号B´を消滅させると同時に第4相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb に駆動信号D´を与え、既に第3相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb に与えている駆動信号C´はそのままとして、第3相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb と第4相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb とを導通させた状態にする。
【0116】
このときバッテリ5から第1相のスイッチアームS1 及び第2相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ素子を通して第1相のタップ端子(j1 ,j5 ,j9 )及び第2相のタップ端子(j2 ,j6 ,j10)に励磁電流が流入する。このとき同時に励磁電流が流入する隣合うタップ端子(j1 ,j2 ),(j5 ,j6 )及び(j9 ,j10)はそれぞれほぼ同電位であり、また同時に励磁電流が流出する隣り合うタップ端子(j3 ,j4 ),(j7 ,j8 )及び(j11,j12)もほぼ同電位であるため、コイルW1 ,W5 ,W9 ,W3 ,W7 及びW12)には励磁電流がほとんど流れない。そのため、第1相のタップ端子j1 ,j5 及びj9 にそれぞれ流入した励磁電流は回転方向の後方側に位置する1つの相のコイルW12,W4 ,及びW8 を通して流れた後第3相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリの負極端子に戻る。またバッテリ5から第2相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ素子を通して第2相のタップ端子j2 ,j6 及びj10にそれぞれ流入した励磁電流は、回転方向の前方側に位置する1つの相のコイルW2 ,W6 及びW10を通して流れた後第4相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリの負極端子に戻る。
【0117】
次いで、コントローラ4は、回転子磁極センサha が出力する磁極検出信号HA がHレベルからLレベルに変化したときに、第1相のスイッチアームS1 の上段のスイッチ素子qa に与えていた駆動信号Aを消滅させると同時に第3相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子qa に駆動信号Cを与え、既に第2相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ素子qa に与えている駆動信号Bはそのままとして、第2相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ素子qa と第3相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子qa とを導通させた状態とする。コントローラはまた、第3のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb に与えていた駆動信号C´を消滅させると同時に第1相のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb に駆動信号A´を与え、既に第4相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb に与えている駆動信号D´はそのままとして、第1相のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb と第4相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb とを導通させた状態にする。
【0118】
このときバッテリ5から第2相のスイッチアームS2 及び第3相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子を通して第2相のタップ端子(j2 ,j6 ,j10)及び第3相のタップ端子(j3 ,j7 ,j11)に励磁電流が流入する。このとき同時に励磁電流が流入するタップ端子(j2 ,j3 ),(j6 ,j7 )及び(j10,j11)はそれぞれほぼ同電位であり、また同時に励磁電流が流出する隣り合う相のタップ端子(j4 ,j5 ),(j8 ,j9 )及び(j12,j1 )もほぼ同電位であるため、これらのタップ端子に両端により出力が整流されるコイルW2 ,W6 ,W10,W4 ,W8 及びW12には励磁電流がほとんど流れない。そのため第2相のタップ端子j2 ,j6 及びj10にそれぞれ流入した励磁電流は回転方向の後方側に位置する1つの相のコイルW1 ,W5 及びW9 を通して流れた後、第4相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリの負極端子に戻る。
【0119】
またバッテリ5から第3相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子を通して第3相のタップ端子j3 ,j7 及びj11にそれぞれ流入した励磁電流は、回転方向の前方側に位置する1つの相のコイルW3 ,W7 及びW11を通して流れた後、第1相のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリの負極端子に戻る。
【0120】
次いで、コントローラ4は、回転子磁極センサhb の出力信号HB がHレベルからLレベルに変化した時に、第2相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ素子qa に与えていた駆動信号Bを消滅させると同時に第4相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子qa に駆動信号Dを与え、既に第3相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子qa に与えている駆動信号Cはそのままとして、第3相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子qa と第4相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子qa とを導通させた状態とする。また第4相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb に与えていた駆動信号D´を消滅させると同時に第2相のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb に駆動信号B´を与え、既に第1相のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb に与えている駆動信号A´はそのままとして、第1相のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb と第2相のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb とを導通させる。
【0121】
このときバッテリ5から第3相のスイッチアームS3 及び第4相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子を通して第3相のタップ端子(j3 ,j7 ,j11)及び第4相のタップ端子(j4 ,j8 ,j12)に励磁電流が流入する。このとき同時に励磁電流が流入するタップ端子(j3 ,j4 ),(j7 ,j8 )及び(j11,j12)はそれぞれほぼ同電位であり、励磁電流が同時に流出するタップ端子(j5 ,j6 ),(j9 ,j10)及び(j1 ,j2 )もほぼ同電位であるため、これらのタップ端子に両端により出力が整流されるコイルW3 ,W7 ,W11,W5 ,W9 及びW1 には励磁電流がほとんど流れない。そのため、第3相のタップ端子j3 ,j7 及びj11にそれぞれ流入した励磁電流は回転方向の後方側に位置する1つの相のコイルW2 ,W6 及びW10を通して流れた後第1相のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリの負極端子に戻る。またバッテリ5から第4相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子を通して第4相のタップ端子j4 ,j8 及びj12にそれぞれ流入した励磁電流は回転方向の前方側に位置する1つのコイルW4 ,W8 及びW12を通して流れた後第2相のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリの負極端子に戻る。
【0122】
上記のように、図5の励磁パターンによれば、各相のコイルに励磁電流が電気角で180度ずつ流れ、90度の区間隣り合う相のコイルに励磁電流が流れる期間がオーバラップするため、その出力トルク特性は図6(D)に実線で示したようになり、ほとんど谷部が生じない出力トルク特性を得ることができる。そのため、内燃機関を始動する際に、回転子がいかなる位置にある場合でも電動機を起動させて、内燃機関の始動を確実に行わせることができる。
【0123】
内燃機関が始動すると、磁石回転子1が機関により駆動される状態になるため、図1に示したスタータジェネレータSGは発電機として動作し、固定子の第1相のコイルW1 ,W5 及びW9 の出力が第1相のスイッチアームS1 及び第2相のスイッチアームS2 に設けられた整流用ダイオードda 及びdb により構成されるバッテリ充電用整流回路により整流されてバッテリ5に供給される。これによりバッテリ5が充電される。
【0124】
このように、本発明においては、機関が始動した後、固定子のコイルに誘起する電圧でバッテリを充電する際に、固定子の一部のコイルの出力のみでバッテリに充電電流を供給するため、スタータモータとしての性能を確保するために、固定子のコイルの巻線抵抗を小さくして大きな電機子電流が流れるようにしておいても、機関の中高速運転時にバッテリに過大な充電電流が供給されることがない。
【0125】
上記のように、内燃機関の始動時に図5に示した励磁パターンで固定のコイルに励磁電流を流した場合には、励磁電流が流れないコイルが生じるため、出力トルクの最大値は多少低くなる。
【0126】
これに対し、図7に示すように、第1及び第2の回転子磁極センサha 及びhb を、電機子鉄心の歯部間の中心(固定子の周方向に測った歯部間の間隙長を2分する位置に相応する位置)に配置して、図8に示すパターンで励磁電流を流すと、出力トルク特性に谷部が生じるが、出力トルクの最大値が大きい特性を得ることができる。
【0127】
図7に示したように第1及び第2の回転子磁極センサha 及びhb を配置して、内燃機関の始動時に図8に示す励磁パターンで固定子のコイルに励磁電流を流して、スタータジェネレータを電動機として動作させる際には、バッテリ5の正極端子からスイッチ回路3のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子のいずれか1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転子1の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと該回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後、他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁パターンとして、第1及び第2の回転子磁極センサha 及びhb のそれぞれの出力のレベルが変化(LレベルからHレベルへの変化またはHレベルからLレベルへの変化)する毎に上記規定の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次磁石回転子1の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ回路3のスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0128】
図8(A),(B)はそれぞれ回転子磁極センサha ,hb が出力する磁極検出信号HA 及びHB を示し、(C)〜(F)はそれぞれスイッチ回路3の第1ないし第4相のスイッチアームS1 ないしS4 の上段のスイッチ素子qa に与えられる駆動信号A〜Dを示している。また図8(G)ないし(J)はそれぞれスイッチ回路3の第1ないし第4相のスイッチアームS1 ないしS4 の下段のスイッチ素子qb に与えられる駆動信号A′〜D′を示している。
【0129】
図8に示した例では、検出信号HA がLレベルからHレベルへ変化するタイミングと、HB がLレベルからHレベルへ変化するタイミングと、HA がHレベルからLレベルに変化するタイミングと、HB がHレベルからLレベルに変化するタイミングとが90度(電気角)間隔で順次現れる。コントローラ4は、これらの各タイミングが検出される毎に励磁電流を流入させるタップ端子を切り換える。
【0130】
即ち、コントローラ4は、検出信号HA がLレベルからHレベルに変化した時に、第4相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子qa の駆動信号Dを消滅させて第1相のスイッチアームS1 の上段のスイッチ素子qa に駆動信号Aを与えるとともに、第2相のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb の駆動信号B´を消滅させて第3相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb に駆動信号C´を与える。
【0131】
このときバッテリ5の正極端子から第1相のスイッチアームS1 の上段のスイッチ素子qa を通して第1相のタップ端子j1 ,j5 及びj9 に励磁電流が流入する。この励磁電流は、回転子の回転方向の前方側で隣接する2つの隣接コイル群(W1 ,W2 ),(W4 ,W6 )及び(W9 ,W10)と、回転方向の後方側で隣接する2つの隣接コイル群(W12,W11),(W3 ,W2 )及び(W8 ,W7 )とに分流した後、第3相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリ5の負極端子に戻る。
【0132】
コントローラ4はまた、検出信号HB がLレベルからHレベルに変化した際に、第1相のスイッチアームS1 の上段のスイッチ素子qa の駆動信号Aを消滅させて第2相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ素子qa に駆動信号Bを与えるとともに、第3相のスイッチアームS3 の下段のスイッチ素子qb の駆動信号C´を消滅させて第4相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb に駆動信号D´を与える。
【0133】
このときバッテリ5の正極端子から第2相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ素子qa を通して第2相のタップ端子j2 ,j6 及びj10に励磁電流が流入する。この励磁電流は、回転子の回転方向の前方側で隣接する2つの隣接コイル群(W2 ,W3 ),(W6 ,W7 )及び(W10,W11)と、回転方向の後方側で隣接する2つの隣接コイル群(W1 ,W12),(W5 ,W4 )及び(W9 ,W8 )とに分流した後、第4相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリ5の負極端子に戻る。
【0134】
コントローラはまた、検出信号HA がHレベルからLレベルに変化した時に、第2相のスイッチアームS2 の上段のスイッチ素子qa の駆動信号Bを消滅させて第3相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子qa に駆動信号Cを与えるとともに、第4相のスイッチアームS4 の下段のスイッチ素子qb の駆動信号D´を消滅させて第1相のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb に駆動信号A´を与える。
【0135】
このときバッテリ5の正極端子から第3相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子qa を通して第3相のタップ端子j3 ,j7 及びj11に励磁電流が流入する。この励磁電流は、回転子の回転方向の前方側で隣接する2つの隣接コイル群(W3 ,W4 ),(W7 ,W8 )及び(W11,W12)と、回転方向の後方側で隣接する2つの隣接コイル群(W2 ,W1 ),(W6 ,W5 )及び(W10,W9 )とに分流した後、第1相のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリ5の負極端子に戻る。
【0136】
コントローラ4はまた、検出信号HB がHレベルからLレベルに変化した時に、第3相のスイッチアームS3 の上段のスイッチ素子qa の駆動信号Cを消滅させて第4相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子qa に駆動信号Dを与えるとともに、第1相のスイッチアームS1 の下段のスイッチ素子qb の駆動信号A´を消滅させて第2相のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb に駆動信号B´を与える。
【0137】
このときバッテリ5の正極端子から第4相のスイッチアームS4 の上段のスイッチ素子qa を通して第4相のタップ端子j4 ,j8 及びj12に励磁電流が流入する。この励磁電流は、回転子の回転方向の前方側で隣接する2つの隣接コイル群(W4 ,W5 ),(W8 ,W9 )及び(W12,W1 )と、回転方向の後方側で隣接する2つの隣接コイル群(W3 ,W2 ),(W7 ,W6 )及び(W11,W10)とに分流した後、第2相のスイッチアームS2 の下段のスイッチ素子qb を通してバッテリ5の負極端子に戻る。
【0138】
上記のようにして、回転子磁極センサha ,hb の出力のレベルが変化する毎に、励磁電流が流れるコイル群が回転子の一方向[この例では図1(B)の矢印CL方向]に順次シフトしていくため、回転磁界が生じ、磁石回転子1が一方向に回転させられる。
【0139】
なお図9(A)及び(B)は図6(A)及び(B)と同様に回転子磁極センサha 及びhb の出力信号HA 及びHB を示しており、図9(C)に実線で示したτ1 及び破線で示したτ2 はそれぞれ各コイルを一方向及び他方向にそれぞれ流れる励磁電流により生じさせられるのトルクを示している。この場合電動機の出力トルクと回転角θとの関係は、図9(D)の太線で示したようになる。
【0140】
上記のように、4相のコイルを有する回転電機を4相駆動して電動機として動作させる場合、回転子磁極センサを電機子鉄心の隣り合う歯部の間の間隙の中心位置に配置すると、トルクのピーク値を最大にすることができる。しかしながら、この場合、図9(D)に示すように、トルク特性に生じる谷間は比較的深くなるため、回転子の停止位置によっては、始動トルクが十分に得られないことがあり、電動機の始動に失敗するおそれがある。
【0141】
上記のように、図5の励磁パターンによった場合には、回転子の停止位置による始動トルクのむらを少なくすることができ、図8の励磁パターンによった場合には、最大出力トルクを高くすることができる。従って内燃機関の始動時に電動機の負荷が重く、出力トルクの平均値を高くすることが望ましい場合には、電動機の始動時からその回転速度が設定値に達するまでの間は、図5に示した励磁パターン(以下第1の励磁パターンとする。)で駆動して回転子の回転角度位置に対するトルクむらを少なくし、回転速度が設定値を超えたときに励磁パターンを図8に示した励磁パターン(以下第2の励磁パターンとする。)に切り換えて、電動機の出力トルクの平均値を大きくするようにするのが望ましい。
【0142】
即ち、電動機の回転速度が零から設定値に達するまでの間は第1の励磁パターンで励磁電流を流し、回転速度が設定値を超えた後は第2の励磁パターンで励磁電流を流すようにするのが好ましい。この場合、第1の励磁パターンによる場合と、第2の励磁パターンによる場合とでは、回転子磁極センサの配設位置が異なる。したがって、第1の励磁パターンによる励磁の切換えと、第2の励磁パターンによる励磁の切換えとを共に回転子磁極センサの出力を用いて行う場合には、第1の励磁パターン用の回転子磁極センサと、第2の励磁パターン用の回転子磁極センサとの双方を設ける必要がある。
【0143】
図10は図1に示したスタータジェネレータに第1の励磁パターン用の回転子磁極センサと、第2の励磁パターン用の回転子磁極センサとの双方を設けた例を示したもので、この例では、電機子鉄心の歯部P2 と歯部P3 との間の間隙の周方向の中心に相応する位置及び歯部P3 の周方向の中心に相応する位置にそれぞれ回転子磁極センサha 及びhb が配置され、歯部P3 とP4 との間の間隙の周方向の中心に相応する位置及び歯部P4 の周方向の中心に相応する位置にそれぞれ回転子磁極センサhc 及びhd が配置されている。図10のスタータジェネレータの電機子鉄心の歯部と回転子の磁極と回転子磁極センサha ないしhd との間の関係を示した展開図を図11に示した。
【0144】
図10及び図11のように回転子磁極センサha ないしhd を配置した場合には、ha とhc とを第2の励磁パターン用のセンサとして用い、hb とhd とを第1の励磁パターン用のセンサとして用いる。
【0145】
機関の始動時にスタータジェネレータの回転速度[rpm]が設定値に達するまでの間第1の励磁パターンで励磁相の切換えを行い、回転速度が設定値を超えた後は励磁相の切換えを第2の励磁パターンにより行う場合の動作を時間tに対して示すタイムチャートを図12に示した。図12(A)ないし(D)はそれぞれ回転子磁極センサha ないしhd の出力信号HA ないしHD を時間tに対して示し、図12(E)ないし(H)はそれぞれ第1相ないし第4相のスイッチアームS1 ないしS4 の上段のスイッチ素子qa に与えられる駆動信号AないしDを示している。また図12(I)ないし(L)はそれぞれ第1相ないし第4相のスイッチアームS1 ないしS4 の下段のスイッチ素子qb に与えられる駆動信号A´ないしD´を示している。
【0146】
この例では、スタータジェネレータの回転速度が設定値に達する時刻t1 までの間は回転子磁極センサhb 及びhd の出力信号HB 及びHD が変化する毎に第1の励磁パターンにより励磁相の切換えを行い、回転速度が設定値を超える時刻t1 後の期間は回転子磁極センサha 及びhc の出力信号HA 及びHC が変化を示す毎に第2の励磁パターンにより励磁相の切換えを行う。
【0147】
このように構成すると、機関を始動する際に、磁石回転子がいずれの位置に停止していても大きな始動トルクを発生させることができるため、機関の始動を確実に行わせることができる。また機関が一旦回転を始めた後は、最大トルクを高くする励磁パターンで駆動するので、機関を始動する際の平均出力トルクを大きくすることができる。
【0148】
上記のように、機関を始動させる過程で回転速度が設定値に達した時に励磁パターンを切り換えるようにする場合、磁石回転子の回転速度は、例えば、回転子磁極センサha 〜hd の出力信号の発生間隔(時間)から演算により求めることができる。
【0149】
図12に示した例では、4つの回転子磁極センサha 〜hd を用いて第1の励磁パターンによる励磁相の切換えと、第2の励磁パターンによる励磁相の切換えとを行わせるようにしたが、第1の励磁パターン用の回転子磁極センサのみを設けて、該センサから得られる検出信号の立上り及び立下がりで起動したタイマ4Dの出力を用いて第2の励磁パターンの励磁相切換えタイミングを定めるようにすることもできる。
【0150】
図13は、内燃機関の始動時に、第2の励磁パターンの励磁相切換えタイミングをコントローラ4に設けられたタイマ4Dにより定める場合の動作を示すタイムチャートで、同図(A)及び(B)は図1(B)に示すように配置された第1の励磁パターン用の回転子磁極センサha 及びhb の出力信号HA 及びHB を示し、同図(C)は出力信号HA 及びHB のそれぞれの立上り及び立下がりで起動されてセットされた時間の計測を行うタイマ4Dの計時動作を示す線図である。また図13(D)ないし(G)はそれぞれ第1ないし第4相のスイッチアームの上段のスイッチ素子に与える駆動信号AないしDを示し、図12(H)ないし(K)はそれぞれ第1ないし第4相のスイッチアームの下段のスイッチ素子に与える駆動信号A´ないしD´を示している。
【0151】
図13に示した例では、コントローラ4が以下のようにしてスイッチ回路3を制御する。コントローラ4は、電動機の始動指令が与えられたことを検知したときに先ず回転子磁極センサha ,hb が出力する磁極検出信号HA ,HB のレベルが変化する毎に第1の励磁パターンに従って励磁相を切り換えて電動機を始動させる。
【0152】
本発明に係わる電動機において、磁極検出信号HA ,HB の一方のレベルが変化してから他方のレベルが変化するまでの間のクランク軸の回転角度は一定(電気角で90度,機械角で15度)であるので、信号HA ,HB の一方のレベルが変化してから他方のレベルが変化するまでの時間から電動機の回転速度を演算することができる。
【0153】
図13に示した例では、磁極検出信号HB の立上りから磁極検出信号HA の立下がりまでの時間を計測することにより電動機の回転速度を演算しており、磁極検出信号HB の図示の立上りaから磁極検出信号HA の立下がりbまでの時間から電動機の回転速度が設定値に達したことを検出している。
【0154】
コントローラ4は、電動機の回転速度が設定値に達したと判定されたときに、その直後に生じる磁極検出信号HA またはHB の立下がりから次に生じる磁極検出信号HB またはHA の立上りまでの時間To を計測して、タイマ4Dに計測すべき時間としてt1 =To /2をセットする。
【0155】
図13に示した例では、磁極検出信号HA の立下がりbで回転速度が設定値に達したと判定された後、磁極検出信号HB の立下がりcから磁極検出信号HA の立上りdまでの時間To を計測して、このTo の1/2の時間t1 をタイマ4Dにセットしている。タイマ4Dがセットされた時間t1 を計測したときにCPU4Aが実行するプログラムに割込みをかけて、駆動信号Dと駆動信号B´とを消滅させ、駆動信号A及びC´のみを発生させた状態にして、第2の励磁パターンに切り換える。
【0156】
その後、磁極検出信号HB の立上りeが検出された時に磁極検出信号HA の立上りdから磁極検出信号HB の立上りeまでの時間T1 の1/2の時間t2 をタイマ4Dにセットして、この時間t2 の計測を開始させる。次いでタイマ4Dがセットされた時間t2 (=T1 /2)を計測したときに駆動信号A及びC´を消滅させるとともに、駆動信号B及びD´を発生させる。以下同様にして、磁極検出信号HA またはHB のレベルが変化する毎に、1つ前の磁極検出信号のレベル変化が検出された時刻から今回の磁極検出信号のレベル変化が検出された時刻までの時間T2 ,T3 ,…を計測して、これらの時間の1/2の時間t3 ,t4 ,…をタイマ4Dにセットして、該タイマがセットされた時間を計測する毎に励磁相を切り換える。
【0157】
図13において、一方の磁極検出信号のレベルが変化してから他方の磁極検出信号のレベルが変化するまでの回転角度は僅か15度であり、1つ前の磁極検出信号のレベル変化が検出された時の時刻から今回の磁極検出信号のレベル変化が検出された時刻までの間の平均回転速度と、今回の磁極検出信号のレベル変化が検出された時刻から次の磁極検出信号のレベル変化が検出される時刻までの間の平均回転速度との間の差(例えばT1 とT2 との間の差)は僅かであるため、上記のように、1つ前の磁極検出信号のレベル変化が検出された時刻から今回の磁極検出信号のレベル変化が検出された時刻までの時間T2 ,T3 ,…の1/2を計測することにより、第2の励磁パターンでの励磁相切換えタイミングを求めても、第2の励磁パターン用の回転子磁極センサを用いて励磁相の切換えタイミングを定める場合と比べてそれ程大きな誤差は生じない。
【0158】
上記の例では、磁極検出信号HA またはHB のレベルが変化する毎に、1つ前の磁極検出信号のレベル変化が検出された時刻から今回の磁極検出信号のレベル変化が検出された時刻までの時間の1/2の時間をタイマに計測させることにより、励磁相の切り換えタイミングを求めているが、一方の磁極検出信号の信号幅、例えば図13のb点からd点までの時間の1/4の時間をタイマに計測させることにより励磁相の切換えタイミングを求めるようにしていもよい。
【0159】
なお回転子磁極センサha ,hb を第2の励磁パターン用の位置とした適した位置に配置して、回転子の回転速度が設定値に達するまでの間、該回転子磁極センサの出力の立上り及び立下がりでタイマに計時動作を行わせることにより、第1の励磁パターンでの励磁相の切換えタイミングを求めるようにすることも考えられるが、機関の始動直後の回転速度は不安定であるため、始動直後の低速時の励磁相の切換えタイミングをタイマの計時動作により定めるのは好ましくない。したがって、上記のように、回転子磁極センサha ,hb を第1の励磁パターン用の検出位置として適した位置に配置して、回転速度が設定値に達するまので間は、回転子磁極センサha ,hb の出力がレベル変化を示すタイミングを励磁相の切換えタイミングとするのが好ましい。
【0160】
上記の例では、機関の始動操作開始後、回転速度が設定値に達するまでの間第1の励磁パターンにより励磁相を切り換え、回転速度が設定値を超えた後に第2の励磁パターンにより励磁相を切り換えるようにしたが、図6(D)の出力トルク特性と、図9(D)の出力トルク特性とを合成して、図14(B)に太線で示したような出力トルク特性を得ることができれば、全回転速度領域に亘って、トルクの大きな落ち込みがない特性を得ることができる。
【0161】
なお図14(B)においてτa は第1の励磁パターンにより励磁した場合に得られる図6(D)の特性であり、τb は第2の励磁パターンにより励磁した場合に得られる図9(D)の特性である。
【0162】
図14(B)のような出力特性を得るためには、τa とτb との交点で励磁パターンの切換を行えばよい。即ち、図14(B)のθ1 ´,θ3 ´,θ5 ´及びθ7 ´の位置で、励磁パターンを第2の励磁パターンから第1の励磁パターンに切換え、θ2 ´,θ4 ´,θ6 ´及びθ8 ´の位置で励磁パターンを第1の励磁パターンから第2の励磁パターンに切り換えるようにすればよい。しかしながら、このように励磁パターンを切り換えようとすると、励磁パターンの切換位置相互間の間隔が狭い個所(例えば図14Bのθ1 ´とθ2 ´との間)が生じ、隣り合う回転子磁極センサ相互間の間隔が狭くなって、同センサを配設することが困難になる。回転子磁極センサの配設を容易にするためには、4つの回転子磁極センサを等角度間隔で配置して、しかも図14(B)のθ1 ´〜θ8 ´の位置に近い位置で励磁パターンの切換を行うようにするのが好ましい。
【0163】
そのために、例えば、図14(A)に示したように、4つの回転子磁極センサha 〜hd を電気角で45度間隔で配置するのがよい。この例では、特定の歯部(図示の例では歯部P2 )の中心と、回転子の回転方向の前方側で特定の歯部P2 に隣接する他の歯部P3 との間の間隙の中心との間の中央に相応する第1の検出位置で回転子の磁極を検出するように第1の回転子磁極センサha を配置し、第1の回転子磁極センサha の配設位置から回転子の回転方向に順次電気角で45度(180/4度)ずつ間隔を隔てた第2ないし第4の検出位置位置で回転子の磁極を検出するように、第2ないし第4の回転子磁極センサhb ないしhd を配置する。
【0164】
この場合、回転子磁極センサha 〜hd がそれぞれ出力する磁極検出信号をHA 〜HB とすると、コントローラ4は図15(A)ないし(L)に示すようなパターンでスイッチ回路に駆動信号A〜D及びA´〜D´を与える。
【0165】
即ち、コントローラ4は、バッテリの正極端子からスイッチ回路3の隣り合う2つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、該隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転方向の前方側に位置する1つの相のコイルを通して流した後スイッチ回路の他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻し、隣り合う2つの相のタップ端子のうち回転方向の後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転方向の後方側に位置する1つの相のコイルを通して流した後スイッチ回路の更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第1の励磁パターンとして定めるとともに、バッテリの正極端子からスイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して固定子のいずれか1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を回転子1の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後、他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通してバッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第2の励磁パターンとして定めておいて、磁石回転子を一方向に回転駆動する際に、第1の回転子磁極センサの出力の状態が変化したとき及び第3の回転子磁極センサの出力の状態が変化したときには、第1の励磁パターンで励磁電流を流し、第2の回転子磁極センサの出力の状態が変化したとき及び第4の回転子磁極センサの出力の状態が変化したときには第2の励磁パターンで励磁電流を流すようにして、第1の励磁パターンで励磁電流を流す状態と第2の励磁パターンで励磁電流を流す状態とを交互に生じさせながら、第1ないし第4の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に励磁電流を流すコイルを順次磁石回転子の回転方向にシフトさせていくようにスイッチ回路3のスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0166】
この場合に得られるトルク特性は図15(M)のようになり、第2の励磁パターンにより励磁相を切り換えた場合にトルクが落ち込む部分で、第1の励磁パターンにより励磁相を切換えることによりトルクが増大させられるため、トルクの深い谷間が生じない特性が得られる。また常に第1の励磁パターンにより励磁相を切換える場合に比べて出力トルクの平均値を大きくすることができる。
【0167】
本発明において、第2の励磁パターンにより励磁を行っているときには、各瞬時において、例えば図16に示すようにスイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子と他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子とを通して励磁電流Ie が流れる。
【0168】
これに対し、第1の励磁パターンにより励磁を行っているときには、図17に示すように、同時に2つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子と、他の2つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子とを通して励磁電流が流れる。そのため、第1の励磁パターンにより励磁を行っているときには、第2の励磁パターンにより励磁を行っている場合の2倍の励磁電流が流れる。
【0169】
したがって、図3に示したように、過電流検出回路15を設けて、コントローラ4により過電流保護手段を構成する場合には、第1の励磁パターンにより励磁を行っているときの電流の制限値を第2の励磁パターンにより励磁を行っているときの電流の制限値の2倍に設定する必要がある。
【0170】
最初からいずれの励磁パターンで励磁するかが決まっている場合には、励磁パターンに合わせた過電流制限値を決めておけばよいが、励磁パターンを第2の励磁パターンから第1の励磁パターンに切り換えたり、第1の励磁パターンによる励磁と第2の励磁パターンによる励磁とを交互に行ったりする場合には、励磁パターンに応じて過電流制限値を変更する必要がある。
【0171】
図4に示すような過電流検出回路15が用いられる場合には、コントローラ4により励磁パターンに応じて可変抵抗器VR1 の抵抗値を調整して増幅回路の利得を切換えることにより、過電流制限値を切換えることができる。即ち、第2の励磁パターンにより励磁を行うときには、増幅回路15Aの利得を第1の励磁パターンにより励磁を行う際の利得の1/2とすることにより、過電流制限値を第1の励磁パターンにより励磁を行うときの制限値の2倍にすることができる。
【0172】
またコントローラ4により励磁パターンに応じて可変抵抗器VR2 の抵抗値を調整して、基準電圧Vf の値を切り換えることによっても過電流制限値を切り換えることができる。即ち、第2の励磁パターンにより励磁を行うときに基準電圧Vf の値を第1の励磁パターンにより励磁を行うときの2倍の値とすることにより、第2の励磁パターンにより励磁を行うときの過電流制限値を、第1の励磁パターンにより励磁を行うときの制限値の2倍にすることができる。
【0173】
上記の例では、スタータジェネレータの回転子を6極に構成し、固定子を12極に構成したが、一般に回転子をm極(mは偶数)とし、固定子を2m極とする場合に、4相駆動を行って電動機として運転することができる。
【0174】
例えば、図18に示すように、回転子を8極とし、固定子を16極とする場合にも本発明を適用することができる。この場合、電機子鉄心は16個の歯部P1 ないしP16を有していて、固定子のコイルW1 ないしW16は、電機子鉄心の2つの歯部に跨って重ね巻きされ、コイルW1 ないしW16の巻始め側の端末部と回転子の回転方向の後方側でそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点からそれぞれタップ端子j1 ないしj12が引き出されている。そして、タップ端子j1 ないしj16のうち、j1 ,j5 ,j9 及びj13が第1相のタップ端子を構成し、j2 ,j6 ,j10及びj14が第2相のタップ端子を構成している。またj3 ,j7 ,j11及びj15が第3相のタップ端子を構成し、j4 ,j8 ,j12及びj16が第4相のタップ端子を構成している。そして、1/2のタップ端子j1 ないしj8 に対して第1相のスイッチアームS1 ないし第4相のスイッチアームS4 が設けられて、各相のスイッチアームの中間端子が各相の2つのタップ端子に共通に接続されている。またタップ端子j9 ないしj16に対して第1相のスイッチアームS5 ないし第4相のスイッチアームS8 が設けられて、各相のスイッチアームの中間端子が2つの相のタップ端子に共通に接続されている。
【0175】
回転子磁極センサha 及びhb はそれぞれ電機子鉄心の歯部P5 とP6 との間の間隙の中心に相応する位置、及び歯部P6 とP7 との間の間隙の中心に相応する位置でそれぞれ回転子の磁極を検出するように設けられている。
【0176】
図18に示した例では、スイッチアームS3 ないしS8 にそれぞれ上段の充電阻止用ダイオードd1 及びd2 を設けて、これらのスイッチアームを通してはバッテリに充電電流が供給されないようにし、スイッチアームS1 及びS2 に設けられた整流用ダイオードda 及びdb によって構成されたバッテリ充電用整流回路により、第1相の一部のコイルW1 ,W5 の出力のみが整流されてバッテリ5に供給されるようになっている。
【0177】
図18に示したスタータジェネレータを4相駆動する場合、回転子磁極センサが出力する磁極検出信号をHA 及びHB 、スイッチアームS1 ないしS8 の上段のスイッチ素子qa に与える駆動信号をそれぞれAないしHとし、スイッチアームS1 ないしS8 の下段のスイッチ素子qb に与える駆動信号をそれぞれA´ないしH´とすると、第2の励磁パターンは図19のようになる。
【0178】
また図18に示したスタータジェネレータにおいても、回転子磁極センサha 及びhb を電機子鉄心の歯部の中心に相応する位置に配置して、第1の励磁パターンで駆動することにより、出力トルクのむらが少ない特性を得ることができる。
【0179】
図18に示した例においては、スイッチアームS1 及びS2 に設けられたダイオードda 及びdb のみによりバッテリ充電用の整流回路を構成して、機関が始動した後、第1相のコイルの一部W1 及びW5 の出力のみでバッテリ5に充電電流を供給するようにしているが、スイッチアームS5 及びS6 から充電阻止用ダイオードd1 及びd2 を取り除いて、これらのスイッチアームに設けた整流用ダイオードda 及びdb により構成されるバッテリ充電用整流回路を通して第1相のコイルW9 及びW13からもバッテリに充電電流を供給するようにしてもよい。
【0180】
また内燃機関の定常運転時に駆動する必要がある負荷が大きい場合には、更に他のスイッチアームからも充電阻止用ダイオードを取り除いて、第1相のコイル以外のコイルからもバッテリに充電電流を供給するようにしてもよい。
【0181】
要するに、本発明においては、固定子の一部のコイルの出力を整流してバッテリに充電電流を供給するようにバッテリ充電用整流回路及び充電阻止手段を設ければよく、バッテリを充電するための出力を発生させるコイルとしては、いずれのコイルを用いてもよい。
【0182】
また上記の例では、バッテリ充電用整流回路が、特定のスイッチアームのスイッチ素子に逆並列接続されたダイオードda ,db からなっていて、該バッテリ充電用整流回路がスイッチ回路内に構成されているが、バッテリ充電用整流回路はスイッチ回路から独立させて設けるようにしてもよい。
【0183】
また上記の例では、バッテリを充電するために用いないコイルにつながるスイッチアームに充電阻止用ダイオードd1 及びd2 を設けて、これらの充電阻止用ダイオードにより、バッテリ重電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの誘起電圧でバッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段を構成しているが、この充電阻止手段は、他の手段によってもよい。
【0184】
例えば、図20に示したように、バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル(図20の例ではコイルW1 ,W5 及びW9 )以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子(j3 ,j7 ,j11)及び(j4 ,j8 ,j12)とこれらのタップ端子に接続されたスイッチアームの中間端子u3 及びu4 との間に挿入された充電阻止用スイッチ手段SWにより、充電阻止手段を構成してもよい。この場合、充電阻止用スイッチ手段SWは、コントローラ4により制御されて、内燃機関を始動する際にオン状態にされ、機関が始動した後バッテリを充電する際にオフ状態にされる。
【0185】
この場合、充電阻止用スイッチ手段SWは、オンオフ制御が可能なスイッチであればよく、図示のようにリレーにより構成してもよく、トランジスタ等の半導体スイッチにより構成してもよい。
【0186】
図20に示したように、固定子が16極に構成される場合に、充電阻止手段を充電阻止用スイッチ手段SWにより構成した例を図21に示した。図21に示した例では、3つのスイッチアームS1 ないしS3 の整流器da 及びdb によりバッテリ充電用整流回路が構成され、他のスイッチアームの中間端子とタップ端子との間に充電阻止用スイッチ手段SWが挿入されている。
【0187】
また上記充電阻止手段は、バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子に中間端子が接続されたスイッチアームの上段のスイッチ素子と中間端子との間に挿入されて上段の充電阻止用スイッチ手段と、バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子に中間端子が接続されたスイッチアームの下段のスイッチ素子と中間端子との間に挿入されて内燃機関を始動する際にオン状態にされ、バッテリを充電する際にオフ状態にされる下段の充電阻止用スイッチ手段とにより構成することもできる。
【0188】
例えば、図22に示すように、スイッチアームS3 及びS4 のそれぞれの上段のスイッチ素子qa と中間端子u3 ,u4 との間に挿入された上段の充電阻止用スイッチ手段SW1と、スイッチアームS3 及びS4 のそれぞれの下段のスイッチ素子qb と中間端子u3 ,u4 との間に挿入された下段の充電阻止用スイッチ手段SW2とにより充電阻止手段を構成することができる。充電阻止用スイッチ手段SW1及びSW2は、コントローラ4により制御されて、内燃機関の始動時にオン状態にされ、機関が始動した後にオフ状態にされる。
【0189】
また図23に示したように、すべてのスイッチアームの中間端子とタップ端子との間に充電阻止用スイッチ手段SWを挿入して、内燃機関の始動時にはこれらのスイッチ手段をすべてオン状態にし、機関が始動した後は、バッテリに所定の充電電流が供給されるように、機関の回転速度に応じてオン状態にする充電阻止用スイッチ手段SWの数を変えるようにすることもできる。例えば、機関のアイドリング時には、すべてのスイッチアームに対して設けられた充電阻止用スイッチSWをオン状態にして、固定子のすべてのコイルからバッテリに充電電流を供給し、機関の回転速度が設定値以上に上昇して発電機の出力が過大になった時に、一部の充電阻止用スイッチをオフ状態にして、バッテリの充電電流を適正範囲に調整するようにすることもできる。
【0190】
上記の例では、機関の始動時にスタータジェネレータを電動機として動作させる際に、4相駆動を行うとした。前述のように、4相駆動を行うと、励磁を切換えるタイミングを定めるための論理を簡単にすることができるという利点が得られるが、本発明においては、スタータジェネレータを電動機として動作させる際に、3相駆動や6相駆動を行うようにすることもできる。
【0191】
例えば、図24は、内燃機関を始動する際に3相駆動を行うことによりスタータジェネレータを電動機として運転する場合の実施形態を示したもので、この実施形態では、回転子として4極のものが用いられ、電機子鉄心としては12個の歯部P1 ないしP12を有するものが用いられている。固定子のコイルW1 ないしW12は電機子鉄心の3つの歯部に跨って重ね巻きされて、第1ないし第6相のコイルが2つずつ形成されている。コイルW1 ないしW12のそれぞれの巻始め側の端末部と回転子の回転方向の後方側でそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点からそれぞれタップ端子j1 ないしj12が導出されている。これらのタップ端子のうち、j1 とj7 とが第1の相のタップ端子を構成し、j2 とj8 とが第2の相のタップ端子を構成している。またj3 とj9 とが第3の相のタップ端子を構成し、j4 とj10とが第4の相のタップ端子を構成している。更に、j5 とj11とが第5の相のタップ端子を構成し、j6 とj12とが第6の相のタップ端子を構成している。スイッチ回路3は、第1ないし第6の相のタップ端子に対してそれぞれ設けられた第1ないし第6の相のスイッチアームS1 ないしS6 からなっていて、それぞれの相のスイッチアームの中間端子が対応する相のタップ端子に接続されている。図示の例では、第1の相のスイッチアームS1 及び第2の相のスイッチアームS2 の中間端子が第1の相のタップ端子及び第2の相のタップ端子に直接接続され、第3の相ないし第6の相のスイッチアームS3 ないしS6 の中間端子はそれぞれリレーの常閉接点Rybを通して対応する相のタップ端子に接続されている。
【0192】
またこの例では、電機子鉄心の歯部P2 ,P3 間、P3 ,P4 間、及びP3 ,P4 間のそれぞれの間隙の中心に相応する位置で回転子の磁極を検出するように回転子磁極センサha ないしhc が設けられている。図24において10は図1に示したものと同様な位置検出用磁石を示している。
【0193】
図24に示した回転電機を第1の励磁パターンで励磁して電動機として運転する場合に、回転子磁極センサha ないしhc が出力する磁極検出信号HA ないしHC 、スイッチアームS1 ないしS6 の上段のスイッチ素子に与えられる駆動信号AないしF、及びスイッチアームS1 ないしS6 の下段のスイッチ素子に与えられる駆動信号A´ないしF´を図25に示した。
【0194】
課題を解決するための手段の項でも述べたように、本発明は、一般に、固定子の電機子鉄心がn×m個(nは2以上の整数、mは偶数)の歯部を有していて、各コイルを電機子鉄心の隣り合うn個の歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされたn×m個のコイルを設ける場合に適用することができる。
【0195】
上記の例では、回転子磁極センサをホール素子により構成したが、ホール素子以外の磁気検出素子により回転子磁極センサを構成することもできる。また回転子の一つおきの磁極に相応するスリットを有するフォトインタラプタと、該フォトインタラプタを間に対して対向する発光素子と受光素子とからなるフォトエンコーダを回転子に取り付けて、該エンコーダから得られる信号を回転子磁極センサとして用いるようにすることもできる。
【0196】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、内燃機関の始動時には、固定子のすべてのコイルに励磁電流を流して大きなトルクを発生させることができるため、内燃機関の始動を支障なく行わせることができ、また内燃機関が始動した後は、固定子の一部のコイルの出力のみを整流してバッテリに供給するので、機関の中高速時にバッテリが過充電状態になるのを防ぐことができる。
【0197】
更に本発明においては、内燃機関の始動時に3相以上の多相駆動を行うので、出力トルクのむらを少なくして、機関の始動を確実に行わせることができる利点がある。
【0198】
特に、本発明において、固定子側に第1ないし第4相のコイルを設けるとともに、2つの回転子磁極センサを、電機子鉄心の異なる歯部のほぼ中心に相応する位置に、電気角で90度の位相差を持たせて配置して、内燃機関の始動時に固定子のコイルから引き出した隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させる励磁パターンで固定子を励磁する(4相駆動する)ようにした場合には、励磁の切換えタイミングを定めるための論理を簡単にして、コントローラの構成を簡単にすることができるだけでなく、回転子の回転角度位置による出力トルクのむらを少なくして、回転子の初期の回転角度位置によって始動トルクが不足する状態が生じるのを防ぐことができる。
【0199】
また本発明において、回転子の回転速度が設定値以下の時に固定子の2つのタップ端子に同時に励磁電流を流入させる第1の励磁パターンで固定子を励磁し、回転速度が設定値を超えたときに、固定子の1つのタップ端子に励磁電流を流入させる第2の励磁パターンに切換えるようにした場合には、電動機の始動時に出力トルクのむらを少なくして始動を確実にするとともに、始動後は大きな最大出力トルクが得られるようにして出力トルクの平均値を増大させ、電動機の出力の向上を図ることができる。
【0200】
更に本発明において、固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させる第1の励磁パターンによる励磁と固定子のコイルから引き出した1つの相のタップ端子のみに励磁電流を流入させる第2の励磁パターンによる励磁とを交互に行わせるようにした場合には、全回転速度領域で出力トルクのむらを少なくするとともに、最大出力トルクの最大値を大きくして平均出力トルクの増大を図ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係わる電動機の実施形態の一例を示す断面図、(B)は図1の電動機の正面図である。
【図2】図1の電動機の固定子側に設けるコイルの巻回構造と、コイルに励磁電流を流すスイッチ回路及び該スイッチ回路を制御するコントローラの構成例とを示した構成図である。
【図3】本発明に係わる電動機を制御する制御装置の構成例を示した構成図である。
【図4】図3の制御装置で用いる過電流検出回路の構成例を示した回路図である。
【図5】図1の電動機の励磁パターンとして第1の励磁パターンを採用する場合の各部の信号波形を示した線図である。
【図6】図5に示す励磁パターンで固定子のコイルを励磁した場合に得られるトルク特性を回転子磁極センサの出力信号の波形とともに示した線図である。
【図7】本発明の他の実施形態における電動機の構成例を示した正面図てある。
【図8】図7の実施形態において、第2の励磁パターンにより固定子のコイルを励磁する場合の各部の信号波形を示した線図である。
【図9】図7の励磁パターンによりコイルを励磁した場合に得られる出力トルク特性の一例を回転子磁極センサの出力信号の波形とともに示した線図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態における電動機の構成を示した正面図である。
【図11】図10の電動機における回転子磁極センサの配置を示した説明図である。
【図12】図10の電動機の各部の信号を示したタイミングチャートである。
【図13】図10の電動機の励磁の切換えをタイマを用いて行う場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図14】(A)は本発明の他の実施形態における回転子磁極センサの配置を示した説明図、(B)は同実施形態で得られる出力特性を示した線図である。
【図15】図14(A)のように回転子磁極センサを配置して図1の電動機を駆動する場合の励磁パターンを示した線図である。
【図16】図1に示した電動機を第2の励磁パターンで励磁した場合に流れる励磁電流の流れ方を説明するための回路図である。
【図17】図1に示した電動機を第1の励磁パターンで励磁した場合に流れる励磁電流の流れ方を説明するための回路図である。
【図18】本発明の更に他の実施形態における電動機の巻線構造と固定子のコイルに励磁電流を供給するスイッチ回路の構成例とを示した構成図である。
【図19】図18の電動機の励磁パターンの一例を示した線図である。
【図20】本発明の更に他の実施形態における電動機の巻線構造と固定子のコイルに励磁電流を供給するスイッチ回路及び該スイッチ回路を制御するコントローラの構成例とを示した構成図である。
【図21】本発明の更に他の実施形態における電動機の巻線構造と固定子のコイルに励磁電流を供給するスイッチ回路の構成例とを示した構成図である。
【図22】本発明の更に他の実施形態における電動機の巻線構造と固定子のコイルに励磁電流を供給するスイッチ回路及び該スイッチ回路を制御するコントローラの構成例とを示した構成図である。
【図23】本発明の更に他の実施形態における電動機の巻線構造と固定子のコイルに励磁電流を供給するスイッチ回路及び該スイッチ回路を制御するコントローラの構成例とを示した構成図である。
【図24】本発明の更に他の実施形態における電動機の巻線構造と固定子のコイルに励磁電流を供給するスイッチ回路の構成例とを示した構成図である。
【図25】図24の電動機の各部の信号を示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…回転子、100…回転子ヨーク、M1 〜M8 …永久磁石、2…固定子、200…電機子鉄心、P1 〜P12…歯部、W1 〜W16…コイル、j1 〜j16…タップ端子、3…スイッチ回路、qa …上段のスイッチ素子、qb …下段のスイッチ素子、da …上段の整流用ダイオード、db …下段の整流用ダイオード、d1 …上段の充電阻止用ダイオード、d2 …下段の充電阻止用ダイオード、SW…充電阻止用スイッチ手段、SW1…上段の充電阻止用スイッチ手段、SW2…下段の充電阻止用スイッチ手段、S1 〜S6 …第1ないし第6相のスイッチアーム、4…コントローラ、5…バッテリ。

Claims (10)

  1. 等角度間隔で配置されたm個(mは偶数)の磁極を有して内燃機関のクランク軸に取り付けられる磁石回転子と、
    前記磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設けられた2m個の歯部を有する電機子鉄心と、各コイルを前記電機子鉄心の隣り合う2つの歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として前記磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされた2m個のコイルとを備えて、該2m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部とそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点から2m個のタップ端子が導出され、前記磁石回転子との位相関係が等しいコイルを同一相のコイルとした場合に前記2m個のコイルが第1ないし第4相のコイルに分けられるようになっていて、前記第1ないし第4相のコイルの巻始め側の端末部にそれぞれ接続されたタップ端子が第1ないし第4相のタップ端子とされた固定子と、
    前記電機子鉄心の特定の歯部の周方向のほぼ中心に相応する位置に設定された第1の検出位置及び該第1の検出位置から前記磁石回転子の回転方向に電気角で90度離れた第2の検出位置にそれぞれ配置されて、それぞれの検出位置を通過している前記磁石回転子の磁極がN極のときとS極のときとで出力の状態を異にするように設けられた第1及び第2の回転子磁極センサと、
    上段のスイッチ素子と該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子とを有して両スイッチ素子の間から中間端子が引き出された構成をそれぞれが有する第1ないし第4相のスイッチアームを少なくとも1つずつ備えていて、前記第1ないし第4相のスイッチアームがそれぞれの上段のスイッチ素子をバッテリの正極端子側に位置させて該バッテリの両端に並列に接続されるとともに、前記固定子の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続されたスイッチ回路と、
    前記固定子の一部のコイルの出力を整流して前記バッテリに充電電流を供給するバッテリ充電用整流回路と、
    前記固定子のコイルの内、前記整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの誘起電圧で前記バッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段と、
    前記内燃機関の始動時に前記磁石回転子を前記クランク軸の回転方向に回転させるべく、前記バッテリの正極端子から前記スイッチ回路の2つの隣り合う相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、前記回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を前記回転方向の前方側の1つ相のコイルを通して流した後更に他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻し、前記隣り合う2つの相のタップ端子のうち前記回転方向の後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は前記回転方向の後方側の1つ相のコイルを通して流した後更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁パターンとして、前記第1及び第2の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に、前記規定の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次前記磁石回転子の回転方向にシフトさせていくように前記スイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御するコントローラと、
    を具備したことを特徴とする内燃機関用スタータジュネレータ。
  2. 等角度間隔で配置されたm個(mは偶数)の磁極を有して内燃機関のクランク軸に取り付けられる磁石回転子と、
    前記磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設けられた2m個の歯部を有する電機子鉄心と、各コイルを前記電機子鉄心の隣り合う2つの歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として前記磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされた2m個のコイルとを備えて、該2m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部とそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点から2m個のタップ端子が導出され、前記磁石回転子との位相関係が等しいコイルを同一相のコイルとした場合に前記2m個のコイルが第1ないし第4相のコイルに分けられるようになっていて、前記第1ないし第4相のコイルの巻始め側の端末部にそれぞれ接続されたタップ端子が第1ないし第4相のタップ端子とされた固定子と、
    電気角で45度の位相差を持って前記磁石回転子の回転方向に順次並ぶように設定された前記固定子側の第1ないし第4の検出位置にそれぞれ配置されて、それぞれの検出位置を通過している前記磁石回転子の磁極がN極のときとS極のときとで出力の状態を異にするように設けられた第1ないし第4の回転子磁極センサと、
    上段のスイッチ素子と該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子とを有して両スイッチ素子の間から中間端子が引き出された構成をそれぞれが有する第1ないし第4相のスイッチアームを少なくとも1つずつ備えていて、前記第1ないし第4相のスイッチアームがそれぞれの上段のスイッチ素子をバッテリの正極端子側に位置させてバッテリの両端に並列に接続されるとともに、前記固定子の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続されたスイッチ回路と、
    前記固定子の一部のコイルの出力を整流して前記バッテリに充電電流を供給するバッテリ充電用整流回路と、
    前記固定子のコイルの内、前記整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの誘起電圧で前記バッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段と、
    前記内燃機関を始動する際に、前記クランク軸を内燃機関の始動方向に回転させるべく、前記バッテリの正極端子から前記スイッチ回路の2つの隣り合う相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、前記回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を前記回転方向の前方側の1つの相のコイルを通して流した後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻し、前記隣り合う2つの相のタップ端子のうち前記回転方向の後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は前記回転方向の後方側の1つの相のコイルを通して流した後更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第1の励磁パターンとするとともに、前記バッテリの正極端子から前記スイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子のいずれか1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を前記回転子の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第2の励磁パターンとして、前記磁石回転子の回転速度が設定値以下のときに、前記第1の回転子磁極センサ及び第3の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に前記第1の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを前記磁石回転子の回転方向にシフトさせていき、前記磁石回転子の回転速度が設定値を超えたときには前記第2の回転子磁極センサ及び第4の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に前記第2の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを前記磁石回転子の回転方向にシフトさせていくように前記スイッチ回路のスイッチ素子を制御するコントローラとを具備し、
    前記第1の検出位置は前記電機子鉄心の特定の歯部の周方向のほぼ中心に相応する位置に設定されている内燃機関用スタータジェネレータ。
  3. 等角度間隔で配置されたm個(mは偶数)の磁極を有して内燃機関のクランク軸に取り付けられる磁石回転子と、
    前記磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設けられた2m個の歯部を有する電機子鉄心と、各コイルを前記電機子鉄心の隣り合う2つの歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として前記磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされた2m個のコイルとを備えて、該2m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部とそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点から2m個のタップ端子が導出され、前記磁石回転子との位相関係が等しいコイルを同一相のコイルとした場合に前記2m個のコイルが第1ないし第4相のコイルに分けられるようになっていて、前記第1ないし第4相のコイルの巻始め側の端末部にそれぞれ接続されたタップ端子が第1ないし第4相のタップ端子とされた固定子と、
    前記電機子鉄心の特定の歯部の周方向のほぼ中心に相応する位置に設定された第1の検出位置及び該第1の検出位置から前記磁石回転子の回転方向に電気角で90度離れた第2の検出位置にそれぞれ配置されて、それぞれの検出位置を通過している前記磁石回転子の磁極がN極のときとS極のときとで出力の状態を異にするように設けられた第1及び第2の回転子磁極センサと、
    上段のスイッチ素子と該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子とを有して両スイッチ素子の間から中間端子が引き出された構成をそれぞれが有する第1ないし第4相のスイッチアームを少なくとも1つずつ備えていて、前記第1ないし第4相のスイッチアームがそれぞれの上段のスイッチ素子をバッテリの正極端子側に位置させて該バッテリの両端に並列に接続されるとともに、前記固定子の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続されたスイッチ回路と、
    前記固定子の一部のコイルの出力を整流して前記バッテリに充電電流を供給するバッテリ充電用整流回路と、
    前記固定子のコイルの内、前記整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの誘起電圧で前記バッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段と、
    前記内燃機関を始動する際に、前記クランク軸を内燃機関の始動方向に回転させるべく、前記バッテリの正極端子から前記スイッチ回路の2つの隣り合う相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、前記回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は前記回転方向の前方側の1つの相のコイルを通して流した後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻し、前記隣り合う2つの相のタップ端子のうち前記回転方向の後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は前記回転方向の後方側の1つの相のコイルを通して流した後更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第1の励磁パターンとするとともに、前記バッテリの正極端子から前記スイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子のいずれか1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を前記回転子の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第2の励磁パターンとして、前記磁石回転子の回転速度が設定値以下のときには、前記第1及び第2の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に、前記第1の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを前記磁石回転子の回転方向に順次シフトさせていくように前記スイッチ回路の各スイッチ素子をオンオフ制御し、前記磁石回転子の回転速度が設定値を超えたときには、前記第1及び第2の回転子磁極センサの出力の状態の組み合わせが変化する毎に起動させたタイマが所定の時間を計測する毎に前記第2の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次磁石回転子の回転方向にシフトさせていくように前記スイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御するコントローラとを具備し、
    前記磁石回転子の回転速度が設定値を超えたときには、前記磁石回転子の各磁極の回転方向の前端縁が前記電機子鉄心の歯部間を通過する際に、前記第2の励磁パターンで同時に励磁電流が流れるコイルの組み合わせが切り換わるように、前記タイマが計測する時間が設定されることを特徴とする内燃機関用スタータジェネレータ。
  4. 等角度間隔で配置されたm個(mは偶数)の磁極を有して内燃機関のクランク軸に取り付けれた磁石回転子と、
    前記磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設けられた2m個の歯部を有する電機子鉄心と、各コイルを前記電機子鉄心の隣り合う2つの歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として前記磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされた2m個のコイルとを備えて、該2m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部とそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点から2m個のタップ端子が導出され、前記磁石回転子との位相関係が等しいコイルを同一相のコイルとした場合に前記2m個のコイルが第1ないし第4相のコイルに分けられるようになっていて、前記第1ないし第4相のコイルの巻始め側の端末部にそれぞれ接続されたタップ端子が第1ないし第4相のタップ端子とされた固定子と、
    前記磁石回転子の回転方向の前方側に電気角で45度の間隔を持って順次並ぶように設定された第1ないし第4の検出位置にそれぞれ配置されて、それぞれの検出位置を通過している磁石回転子の磁極がN極のときとS極のときとで出力の状態を異にするように設けられた第1ないし第4の回転子磁極センサと、
    上段のスイッチ素子と該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子とを有して両スイッチ素子の間から中間端子が引き出された構成をそれぞれが有する第1ないし第4相のスイッチアームを少なくとも1つずつ備えていて、前記第1ないし第4相のスイッチアームがそれぞれの上段のスイッチ素子をバッテリの正極端子側に位置させて該バッテリの両端に並列に接続されるとともに、前記固定子の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続されたスイッチ回路と、
    前記固定子の一部のコイルの出力を整流して前記バッテリに充電電流を供給するバッテリ充電用整流回路と、
    前記固定子のコイルの内、前記整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの誘起電圧で前記バッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段と、
    前記内燃機関を始動する際に、前記クランク軸を内燃機関の始動方向に回転させるべく、前記バッテリの正極端子からスイッチ回路の隣り合う2つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に励磁電流を流入させて、該隣り合う2つの相のタップ端子のうち前記回転子の回転方向の前方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流を前記回転方向の前方側に位置する1つの相のコイルを通して流した後前記スイッチ回路の他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻し、前記隣り合う2つの相のタップ端子のうち前記回転方向の後方側に位置する相のタップ端子に流入させた励磁電流は前記回転方向の後方側に位置する1つの相のコイルを通して流した後前記スイッチ回路の更に他の相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第1の励磁パターンとするとともに、前記バッテリの正極端子からスイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子のいずれか1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を前記回転子の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を第2の励磁パターンとして、前記磁石回転子を一方向に回転駆動する際に、前記第1の回転子磁極センサの出力の状態が変化したとき及び第3の回転子磁極センサの出力の状態が変化したときには、前記第1の励磁パターンで励磁電流を流し、前記第2の回転子磁極センサの出力の状態が変化したとき及び第4の回転子磁極センサの出力の状態が変化したときには前記第2の励磁パターンで励磁電流を流すようにして、第1の励磁パターンで励磁電流を流す状態と第2の励磁パターンで励磁電流を流す状態とを交互に生じさせながら、前記第1ないし第4の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に励磁電流を流すコイルを順次磁石回転子の回転方向にシフトさせていくように前記スイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御するコントローラとを具備し、
    前記第1の検出位置は、前記電機子鉄心の特定の歯部と前記回転子の回転方向の前方側で前記特定の歯部に隣接する他の歯部との間の間隙の中心と前記特定の歯部の周方向の中心との間に設定されている内燃機関用スタータジェネレータ。
  5. 等角度間隔で配置されたm個(mは偶数)の磁極を有して内燃機関のクランク軸に取り付けられる磁石回転子と、
    前記磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設けられた3m個の歯部を有する電機子鉄心と、各コイルを前記電機子鉄心の隣り合う3つの歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として前記磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされた3m個のコイルとを備えて、該3m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部とそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点から3m個のタップ端子が導出され、前記磁石界磁との位相関係が等しいコイルを同一相のコイルとした場合に前記3m個のコイルが第1ないし第6相のコイルに分けられるようになっていて、前記第1ないし第6相のコイルの巻始め側の端末部にそれぞれ接続されたタップ端子が第1ないし第6相のタップ端子とされた固定子と、
    電気角で60度の位相差を有し、かつ前記電機子鉄心の歯部間に設定された前記固定子側の3つの検出位置でそれぞれの検出位置を通過する前記磁石回転子の磁極がN極であるかS極であるかを検出して、検出した磁極がN極のときとS極のときとで出力の状態を異にするように設けられた第1ないし第3の回転子磁極センサと、
    上段のスイッチ素子と該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子とを有して両スイッチ素子の間から中間端子が引き出された構成をそれぞれが有する第1ないし第6相のスイッチアームを少なくとも1つずつ備えていて、該第1ないし第6相のスイッチアームがそれぞれの上段のスイッチ素子をバッテリの正極端子側に位置させて該バッテリの両端に並列に接続されるとともに、前記固定子の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続されたスイッチ回路と、
    前記固定子の一部のコイルの出力を整流して前記バッテリに充電電流を供給するバッテリ充電用整流回路と、
    前記固定子のコイルの内、前記整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの誘起電圧で前記バッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段と、
    内燃機関を始動する際に、前記バッテリの正極端子から前記スイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子の1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を前記回転子の回転方向の前方側で隣り合う2つの隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合う2つの隣接コイルとに分流させた後前記スイッチ回路の他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁パターンとして、前記第1ないし第3の回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に前記規定の励磁パターンに従って励磁電流を流すコイルを順次前記回転方向にシフトさせていくように前記スイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御するコントローラと、
    を具備したことを特徴とする内燃機関用スタータジェネレータ。
  6. 等角度間隔で配置されたm個(mは偶数)の磁極を有して内燃機関のクランク軸に取り付けられる磁石回転子と、
    前記磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設けられたn×m個(nは2以上の整数)の歯部を有する電機子鉄心と、各コイルを前記電機子鉄心の隣り合うn個の歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として前記磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされたn×m個のコイルとを備えて、該n×m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部とそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点からn×m個のタップ端子が導出され、前記磁石界磁との位相関係が等しいコイルを同一相のコイルとした場合に前記n×m個のコイルが第1ないし第2n相のコイルに分けられるようになっていて、前記第1ないし第2n相のコイルの巻始め側の端末部にそれぞれ接続されたタップ端子が第1ないし第2n相タップ端子とされた固定子と、
    前記磁石回転子の回転方向に電気角で360/2n度の間隔をもって順次並ぶ前記電機子鉄心のn個の歯部間の間隙のそれぞれのほぼ中心に相応する位置に設定された第1ないし第nの検出位置にそれぞれ配置されて、それぞれの検出位置を通過している前記磁石回転子の磁極がN極のときとS極のときとで出力の状態を異にするように設けられた第1ないし第nの回転子磁極センサと、
    上段のスイッチ素子と該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子と両スイッチ素子の間から引き出された中間端子とを備えた構成をそれぞれが有する前記第1ないし第2n相のスイッチアームを少なくとも1つずつ備えて、該第1ないし第2n相のスイッチアームがそれぞれの上段のスイッチ素子をバッテリの正極端子側に位置させて該バッテリの両端に並列に接続されるとともに、前記固定子の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続されたスイッチ回路と、
    前記固定子の一部のコイルの出力を整流して前記バッテリに充電電流を供給するバッテリ充電用整流回路と、
    前記固定子のコイルの内、前記整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの誘起電圧で前記バッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段と
    前記バッテリの正極端子から前記スイッチ回路のいずれか1つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子の1つの相のタップ端子に流入させた励磁電流を前記回転子の回転方向の前方側で隣り合うn−1個の隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合うn−1個の隣接コイルとに分流させた後他の1つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁パターンとして、前記第1ないし第nの回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に前記規定の励磁パターンに従って同時に励磁電流を流すコイルを順次前記磁石回転子の回転方向にシフトさせていくように前記スイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御するコントローラと、
    を具備してなる内燃機関用スタータジェネレータ。
  7. 等角度間隔で配置されたm極(mは偶数)の磁極を有して内燃機関のクランク軸に取り付けられる磁石回転子と、
    前記磁石回転子の回転方向に等角度間隔で並ぶように設けられたn×m個(nは2以上の整数)の歯部を有する電機子鉄心と、各コイルを前記電機子鉄心の隣り合うn個の歯部に跨らせ、かつ各コイルの巻き方向を同一として前記磁石回転子の回転方向に順次重ね巻きされたn×m個のコイルとを備えて、該n×m個のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部とそれぞれのコイルに隣接するコイルの巻終り側の端末部との接続点からn×m個のタップ端子が導出され、前記磁石回転子との位相関係が等しいコイルを同一相のコイルとした場合に、前記n×m個のコイルが第1ないし第2n相のコイルに分けられるようになっていて、前記第1ないし第2n相のコイルのそれぞれの巻始め側の端末部に接続されたタップ端子がそれぞれ第1ないし第2n相のタップ端子とされた固定子と、
    前記磁石回転子の回転方向に電気角で360/2n度の間隔をもって順次並ぶn個の歯部のそれぞれのほぼ中心に相応する位置に設定された第1ないし第nの検出位置にそれぞれ配置されて、それぞれの検出位置を通過している前記磁石回転子の磁極がN極のときとS極のときとで出力の状態を異にするように設けられた第1ないし第nの回転子磁極センサと、
    上段のスイッチ素子と該上段のスイッチ素子に対して直列に接続された下段のスイッチ素子と両スイッチ素子の間から引き出された中間端子とを備えた構成をそれぞれが有する第1ないし第2n相のスイッチアームを少なくとも1つずつ備えて該第1ないし第2n相のスイッチアームがそれぞれの上段のスイッチ素子をバッテリの正極端子側に位置させて該バッテリの両端に並列に接続されるとともに、前記固定子の各相のタップ端子が対応する相のいずれかのスイッチアームの中間端子に接続されたスイッチ回路と、
    前記固定子の一部のコイルの出力を整流して前記バッテリに充電電流を供給するバッテリ充電用整流回路と、
    前記固定子のコイルの内、前記整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの誘起電圧で前記バッテリに充電電流が供給されるのを阻止する充電阻止手段と、
    前記バッテリの正極端子から前記スイッチ回路の隣り合う2つの相のスイッチアームの上段のスイッチ素子を通して前記固定子の隣り合う2つの相のタップ端子に同時に流入させた励磁電流を前記回転子の回転方向の前方側で隣り合うn−1個の隣接コイルと回転方向の後方側で隣り合うn−1個の隣接コイルとに分流させた後他の隣り合う2つの相のスイッチアームの下段のスイッチ素子を通して前記バッテリの負極端子に戻す励磁電流の流し方を規定の励磁パターンとして、前記第1ないし第nの回転子磁極センサのそれぞれの出力の状態が変化する毎に前記規定の励磁パターンに従って同時に励磁電流を流すコイルを順次前記回転方向にシフトさせていくように前記スイッチ回路のスイッチ素子をオンオフ制御するコントローラと、
    を具備したことを特徴とする内燃機関用スタータジェネレータ。
  8. 前記充電阻止手段は、
    前記バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子に中間端子が接続されたスイッチアームの上段のスイッチ素子と中間端子との間にアノードを前記バッテリの正極端子側に向けて挿入された上段の充電阻止用ダイオードと、前記バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子に中間端子が接続されたスイッチアームの下段のスイッチ素子と中間端子との間にカソードを前記バッテリの負極端子側に向けて挿入された下段の充電阻止用ダイオードとからなっている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の内燃機関用スタータジェネレータ。
  9. 前記充電阻止手段は、
    前記バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子に中間端子が接続されたスイッチアームの上段のスイッチ素子と中間端子との間に挿入されて前記内燃機関を始動する際にオン状態にされ、前記バッテリを充電する際にオフ状態にされる上段の充電阻止用スイッチ手段と、
    前記バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子に中間端子が接続されたスイッチアームの下段のスイッチ素子と中間端子との間に挿入されて前記内燃機関を始動する際にオン状態にされ、前記バッテリを充電する際にオフ状態にされる下段の充電阻止用スイッチ手段と、
    からなっている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の内燃機関用スタータジェネレータ。
  10. 前記充電阻止手段は、前記バッテリ充電用整流回路により出力が整流されるコイル以外のコイルの巻始め側の端末部から導出されたタップ端子と該タップ端子に接続されたスイッチアームの中間端子との間に挿入されて前記内燃機関を始動する際にオン状態にされ、前記バッテリを充電する際にオフ状態にされる充電阻止用スイッチ手段からなっている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の内燃機関用スタータジェネレータ。
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