JP2002141602A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子

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JP2002141602A
JP2002141602A JP2001274006A JP2001274006A JP2002141602A JP 2002141602 A JP2002141602 A JP 2002141602A JP 2001274006 A JP2001274006 A JP 2001274006A JP 2001274006 A JP2001274006 A JP 2001274006A JP 2002141602 A JP2002141602 A JP 2002141602A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 窒化物半導体レーザ素子の活性層の横モード
の光閉じ込めを行い安定したレーザ素子を得る。 【構成】 n型窒化物半導体とp型窒化物半導体層との
間にレーザ発振する活性層を有し、レーザ光の共振方向
に対して平行な前記n型窒化物半導体層、前記活性層及
び前記p型窒化物半導体層の表面には誘電体薄膜が形成
され、その誘電体薄膜の表面に380nm〜550nm
に対して反射率が高い材料からなる金属薄膜が金属薄膜
が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は窒化物半導体(In
Ga1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)より
なるレーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】緑色〜紫外にレーザ発振する半導体材料
として窒化物半導体が研究されている。窒化物半導体レ
ーザ素子が例えば特開平6−152072号公報に示さ
れている。この公報では活性層が格子整合したクラッド
層で挟まれたダブルへテロ構造のレーザが示されてお
り、素子構造として電極ストライプ型、メサストライプ
型、ヘテロアイソレーションストライプ型等の利得導波
型レーザ、埋め込みヘテロストライプ型の屈折率導波型
レーザ等が示されている。
【0003】一般に利得導波型のレーザ素子では、電流
がクラッド層中で広がるため、横モードのレーザ光を制
御して、単一モードで安定な横モードの光を得ると共
に、非点隔差を小さくする目的で活性層の横方向、即ち
レーザの共振方向に平行な方向にあたる部分を、活性層
よりも屈折率の低い材料で挟んだ屈折率導波型のレーザ
素子が採用される。前記公報に示される屈折率導波型の
レーザ素子も、横方向にあたる活性層をi型のInAl
GaNで挟んでいるが、四元混晶の窒化物半導体は非常
に結晶成長が難しく、例えば数μmもの厚膜で成長させ
るのが難しいという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】窒化物半導体レーザ素
子のレーザ光の横方向の光閉じ込めを行うためには、も
っと現実に即した材料を選定して、効果的に光閉じ込め
を行うことが望ましい。そこで本発明はこのような事情
を鑑みて成されたものであって、その目的とするところ
は、窒化物半導体レーザ素子の活性層の横モードの光閉
じ込めを行い安定したレーザ素子を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザ素子は、
n型窒化物半導体とp型窒化物半導体層との間にレーザ
発振する活性層を有し、レーザ光の共振方向に対して平
行な前記n型窒化物半導体層、前記活性層及び前記p型
窒化物半導体層の表面には誘電体薄膜が形成され、その
誘電体薄膜の表面に、380nm〜550nmに対して
反射率が高い材料からなる金属薄膜が形成されているこ
とを特徴とする。また、前記活性層はInを含む窒化物
半導体であることを特徴とする。
【0006】また、前記金属薄膜は、Al、Ag、N
i、Cr、Ptから選択される1つであることを特徴と
する。また、前記金属薄膜の表面にさらに第二の誘電体
薄膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請
求項3のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
【0007】
【作用】本発明のレーザ素子ではレーザの共振方向に平
行な方向にあるn型窒化物半導体、活性層及びp型窒化
物半導体の表面に誘電体薄膜と金属薄膜が形成されてい
る。つまりそのレーザ光の共振方向に平行な方向にある
活性層の側面を誘電体薄膜と、金属薄膜とで被覆してい
ることにより、レーザ光の横モードの光閉じ込めができ
るので、単一モードのレーザ光が得やすい。
【0008】さらに、金属薄膜が表面に露出すると、正
電極と負電極とが導電性材料を介して短絡すると恐れが
あるため、さらにその金属薄膜の表面に第二の誘電体薄
膜を形成することにより電極間の短絡を防止することが
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明のレーザ素子の構造
を示す模式的な断面図であり、図2は図1のレーザ素子
の形状を示す斜視図である。なお、図1は図2のレーザ
素子を共振面に対して平行な方向で切断した際の断面図
である。このレーザ素子の基本的な構造は絶縁性基板1
の上に、窒化物半導体よりなるn型コンタクト層2、n
型光閉じ込め層3、n型光ガイド層4、活性層5、p型
光ガイド層6、p型光閉じ込め層7、p型コンタクト層
8との積層構造である。さらに、最上層のp型コンタク
ト層8側からn型コンタクト層2まで、ストライプ状の
エッチングを行い、活性層の幅を狭くして、電流が活性
層に集中するようにしている。またエッチングによりス
トライプ状とされた共振器のp型コンタクト層8には正
電極30が設けられ、正電極30と平行な方向でn型コ
ンタクト層2には負電極20が設けられている。
【0010】基板1はサファイア(Al、A面、
C面、R面)、スピネル(MgAl 、111面)
等の絶縁性基板が多く用いられるが、この他SiC、M
gO、Si、ZnO等の単結晶よりなる従来より知られ
ている基板が用いられる。なおこの図では絶縁性基板を
使用している。
【0011】n型コンタクト層2はInAlGa
1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成するこ
とができ、特にGaN、InGaN、その中でもSiを
ドープしたGaNで構成することにより、キャリア濃度
の高いn型層が得られ、また負電極20と好ましいオー
ミック接触が得られるので、レーザ素子のしきい値電流
を低下させることができる。負電極20の材料としては
Al、Ti、W、Cu、Zn、Sn、In等の金属若し
くは合金が好ましいオーミックが得られる。GaNに限
らず窒化物半導体は、ノンドープ(不純物をドープしな
い状態)でも結晶内部にできる窒素空孔のためn型とな
る性質があるが、Si、Ge、Sn等のドナー不純物を
結晶成長中にドープすることにより、キャリア濃度が高
く、好ましいn型特性を示す窒化物半導体が得られる。
【0012】n型光閉じこめ層3はAlを含むn型の窒
化物半導体で構成し、好ましくは二元混晶あるいは三元
混晶のAlGa1−YN(0<Y≦1)とすることに
より、結晶性の良いものが得られ、また活性層との屈折
率差を大きくしてレーザ光の縦モードの閉じ込めに有効
である。この層は通常0.1μm〜1μmの膜厚で成長
させることが望ましい。0.1μmよりも薄いと光閉じ
込め層として作用しにくく、1μmよりも厚いと、結晶
中にクラックが入りやすくなり素子作成が困難となる傾
向にある。
【0013】n型光ガイド層4は、Inを含むn型の窒
化物半導体若しくはn型GaNで構成し、好ましくは三
元混晶若しくは二元混晶のInGa1−XN(0≦X
<1)とする。この層は通常100オングストローム〜
1μmの膜厚で成長させることが望ましく、特にInG
aN、GaNとすることにより次の活性層5を量子井戸
構造とすることが容易に可能になる。
【0014】活性層5は先にも述べたように、Inを含
む窒化物半導体で構成し、好ましくは三元混晶のIn
Ga1−XN(0<X<1)とする。三元混晶のInG
aNは四元混晶のものに比べて結晶性が良い物が得られ
るので、発光出力が向上する。その中でも特に好ましく
は活性層をInGa1−XNよりなる井戸層と、井戸
層よりもバンドギャップの大きい窒化物半導体よりなる
障壁層とを積層した多重量子井戸構造(MQW:Multi-
quantum-well)とする。障壁層も同様に三元混晶のIn
X’Ga1−X’N(0≦X'<1、X'<X)が好まし
く、井戸+障壁+井戸+・・・+障壁+井戸層となるよ
うに積層して多重量子井戸構造を構成する。このように
活性層をInGaNを積層したMQWとすると、量子準
位間発光で約365nm〜660nm間での高出力なL
Dを実現することができる。さらに、井戸層の上にIn
GaNよりなる障壁層を積層すると、InGaNよりな
る障壁層はGaN、AlGaN結晶に比べて結晶が柔ら
かい。そのためクラッド層のAlGaNの厚さを厚くで
きるのでレーザ発振が実現できる。さらに、InGaN
とGaNとでは結晶の成長温度が異なる。例えばMOV
PE法ではInGaNは600℃〜800℃で成長させ
るのに対して、GaNは800℃より高い温度で成長さ
せる。従って、InGaNよりなる井戸層を成長させた
後、GaNよりなる障壁層を成長させようとすれば、成
長温度を上げてやる必要がある。成長温度を上げると、
先に成長させたInGaN井戸層が分解してしまうので
結晶性の良い井戸層を得ることは難しい。さらに井戸層
の膜厚は数十オングストロームしかなく、薄膜の井戸層
が分解するとMQWを作製するのが困難となる。それに
対し本発明では、障壁層もInGaNであるため、井戸
層と障壁層が同一温度で成長できる。従って、先に形成
した井戸層が分解することがないので結晶性の良いMQ
Wを形成することができる。これはMQWの最も好まし
い態様を示したものであるが、他に井戸層をInGa
N、障壁層をGaN、AlGaNのように井戸層よりも
障壁層のバンドギャップエネルギーを大きくすればどの
ような組成でも良い。
【0015】多重量子井戸構造の活性層5の総膜厚は1
00オングストローム以上に調整することが好ましい。
100オングストロームよりも薄いと、十分に出力が上
がらず、レーザ発振しにくい傾向にある。また活性層の
膜厚も厚すぎると出力が低下する傾向にあり、1μm以
下、さらに好ましくは0.5μm以下に調整することが
望ましい。1μmよりも厚いと活性層の結晶性が悪くな
るか、レーザ光が活性層中に広がってしまい、しきい値
電流が増加する傾向にある。
【0016】次にp型光ガイド層6は、Inを含む窒化
物半導体若しくはGaNで構成し、好ましくは二元混晶
または三元混晶のInGa1−YN(0<Y≦1)を
成長させるる。この光ガイド層6は、通常100オング
ストローム〜1μmの膜厚で成長させることが望まし
く、特にInGaN、GaNとすることにより、次のp
型光閉じこめ層7を結晶性良く成長できる。なお、p型
の窒化物半導体はZn、Mg、Be、Cd、Ca等のア
クセプター不純物を結晶成長中にドープすることによっ
て得られるが、その中でもMgが最も好ましいp型特性
を示す。また結晶成長後、不活性ガス雰囲気中で、40
0℃以上でアニーリングすることにより、さらに低抵抗
なp型を得ることができる。
【0017】p型閉じこめ層7は、Alを含むp型の窒
化物半導体で構成し、好ましくは二元混晶または三元混
晶のAlGa1−YN(0<Y≦1)とすることによ
り結晶性の良いものが得られる。このp型光閉じこめ層
はn型光閉じこめ層と同じく、0.1μm〜1μmの膜
厚で成長させることが望ましく、AlGaNのようなA
lを含むp型窒化物半導体とすることにより、活性層と
の屈折率差を大きくして、縦モードのレーザ光の光閉じ
込め層として有効に作用する。
【0018】p型コンタクト層8はp型InAl
1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成する
ことができ、特にInGaN、GaN、その中でもMg
をドープしたp型GaNとすると、最もキャリア濃度の
高いp型層が得られて、正電極30と良好なオーミック
接触が得られ、しきい値電流を低下させることができ
る。正電極30の材料としてはNi、Pd、Ir、R
h、Pt、Ag、Au等の比較的仕事関数の高い金属又
は合金がオーミックが得られやすい。
【0019】次に本発明のレーザ素子では、図1に示す
ように、p型コンタクト層8、p型光閉じ込め層7、p
型光ガイド層6、活性層5、n型光ガイド層4、n型光
閉じ込め層3及びn型コンタクト層がストライプ状にエ
ッチングされている。活性層5の発光はストライプの長
さ方向に共振してレーザ発振する。縦方向の光はn型と
p型の光閉じ込め層で制御される。横方向の光はレーザ
光の共振方向に平行な方向にあるエッチング端面に形成
された誘電体薄膜40と金属薄膜50とで閉じ込められ
る。
【0020】p型コンタクト層8のストライプ幅は特に
問うものではないが、10μm以下、さらに好ましくは
5μm以下、最も好ましくは3μm以下に調整すると、
レーザの非点隔差が小さくなり、しきい値電流も低くな
る。エッチング手段はドライエッチングを好ましく用
い、例えば反応性イオンエッチング、イオンミリング、
ECRエッチング、集束イオンビームエッチング、イオ
ンビームアシストエッチング等を用いることができる。
【0021】次に、誘電体薄膜40を形成するには、プ
ラズマCVD、スパッタリング、分子線蒸着等の常用さ
れている気相製膜手段を用いることができ、材料として
は、例えばSiOX、SiN、AlN、Al等の
高誘電体材料が使用できる。またこれらの誘電体を薄膜
を多層に積層して、活性層5の横方向の光を反射する誘
電体多層膜を形成しても良い。誘電体薄膜は例えば0.
01μm〜50μm程度の膜厚で形成できる。
【0022】さらに本発明のレーザ素子では誘電体薄膜
40の上に活性層の光を反射する金属薄膜50を形成し
ている。この金属薄膜50を形成することにより活性層
5の横方向の光を完全に閉じ込めることができる。金属
薄膜の材料としてはAl、Ag、Ni、Cr、Pt等の
窒化物半導体レーザ光(例えば380nm〜550n
m)に対して反射率が高い材料を選択することが望まし
い。
【0023】図3は本発明の他の実施例に係るレーザ素
子の構造を示す模式的な断面図であり、レーザ素子をヒ
ートシンクに半田等の導電性材料90を介して接続した
状態を示している。図3が図1、図2と異なる点は金属
薄膜50の上にさらに第二の誘電体薄膜41を形成して
いるところである。
【0024】第二の誘電体薄膜41は金属薄膜50の表
面に形成されて、電極間のショート防止の作用をする。
つまりレーザチップをフェースダウンでヒートシンク、
サブマウント等の基台に接続した際、電極と基台とを接
続する半田等の導電性材料が金属薄膜に触れた状態で、
正と負の電極が接続されると電極間ショートを発生させ
る恐れがある。従って金属薄膜50の表面をさらに第二
の誘電体薄膜41で覆うことにより、電極間ショートを
防止できる。特にこの図に示すように、第二の誘電体薄
膜41を先に形成した誘電体薄膜40と金属薄膜50と
の界面を覆うように連続して形成すると、より効果的で
ある。
【0025】[実施例]以下、図1及び図3を基に本発
明の実施例について述べる。スピネル(MgAl
、111面)よりなる基板1をMOVPE装置の
反応容器内に設置した後、原料ガスにTMG(トリメチ
ルガリウム)と、アンモニアを用い、温度500℃でサ
ファイア基板の表面にGaNよりなるバッファ層を20
0オングストロームの膜厚で成長させた。このバッファ
層は基板と窒化物半導体との格子不整合を緩和する作用
があり、他にAlN、AlGaN等を成長させることも
可能である。このバッファ層を成長させることにより、
基板の上に成長させるn型窒化物半導体の結晶性が良く
なることが知られているが、成長方法、基板の種類等に
よりバッファ層が成長されない場合もある。
【0026】続いて温度を1050℃に上げ、原料ガス
にTMG、アンモニア、ドナー不純物としてSiH
(シラン)ガスを用いて、SiドープGaNよりなる
n型コンタクト層2を4μmの膜厚で成長させた。
【0027】次に温度を750℃まで下げ、原料ガスに
TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニ
ア、不純物ガスにシランガスを用い、SiドープIn0.
1Ga0.9Nよりなるクラック防止層を500オングスト
ロームの膜厚で成長させた。このクラック防止層は特に
図示していないが、Inを含むn型の窒化物半導体、好
ましくはInGaNで成長させることにより、次に成長
させるAlを含む窒化物半導体よりなるn型光閉じこめ
層3を厚膜で成長させることが可能となる。LDの場合
は、光閉じ込め層、光ガイド層となる層を、例えば0.
1μm以上の膜厚で成長させる必要がある。従来ではG
aN、AlGaN層の上に直接厚膜のAlGaNを成長
させると、後から成長させたAlGaNにクラックが入
るので素子作製が困難であったが、このクラック防止層
が次に成長させる光閉じこめ層3にクラックが入るのを
防止することができる。しかも次に成長させる光閉じこ
め層3を厚膜で成長させても膜質良く成長できる。なお
このクラック防止層は100オングストローム以上、
0.5μm以下の膜厚で成長させることが好ましい。1
00オングストロームよりも薄いと前記のようにクラッ
ク防止として作用しにくく、0.5μmよりも厚いと、
結晶自体が黒変する傾向にある。なお、このクラック防
止層は成長方法、成長装置によっては省略することもで
きる。
【0028】次に、温度を1050℃にして、原料ガス
にTEG、TMA(トリメチルアルミニウム)、アンモ
ニア、不純物ガスにシランガスを用いて、Siドープn
型Al0.3Ga0.7Nよりなるn型光閉じこめ層3を0.
5μmの膜厚で成長させた。
【0029】続いて、原料ガスにTMG、アンモニア、
不純物ガスにシランガスを用い、Siドープn型GaN
よりなるn型光ガイド層4を500オングストロームの
膜厚で成長させた。
【0030】次に原料ガスにTMG、TMI、アンモニ
アを用いて活性層5を成長させた。活性層は温度を75
0℃に保持して、まずノンドープIn0.2Ga0.8Nより
なる井戸層を25オングストロームの膜厚で成長させ
る。次にTMIのモル比を変化させるのみで同一温度
で、ノンドープIn0.01Ga0.95Nよりなる障壁層を5
0オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を1
3回繰り返し、最後に井戸層を成長させ総膜厚0.1μ
mの膜厚の多重量子井戸構造よりなる活性層を成長させ
た。
【0031】活性層5成長後、温度を1050℃にして
TMG、TMA、アンモニア、アクセプター不純物源と
してCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)
を用い、Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nよりなるp型
キャップ層を100オングストロームの膜厚で成長させ
た。このp型キャップ層は特に図示していないが、1μ
m以下、さらに好ましくは10オングストローム以上、
0.1μm以下の膜厚で成長させることにより、InG
aNよりなる活性層が分解するのを防止するキャップ層
としての作用があり、また活性層の上にAlを含むp型
窒化物半導体よりなるp型キャップ層48を成長させる
ことにより、発光出力が格段に向上する。逆に活性層に
接するp層をGaNとすると素子の出力が約1/3に低
下してしまう。これはAlGaNがGaNに比べてp型
になりやすく、またp型キャップ層成長時に、InGa
Nが分解するのを抑える作用があるためと推察される
が、詳しいことは不明である。このp型キャップ層の膜
厚は1μmよりも厚いと、層自体にクラックが入りやす
くなり素子作製が困難となる傾向にある。なおこのp型
キャップ層も省略可能である。
【0032】次に温度を1050℃に保持して、TM
G、アンモニア、Cp2Mgを用いMgドープp型Ga
Nよりなるp型光ガイド層6を500オングストローム
の膜厚で成長させた。この第二のp型光ガイド層は上記
したように、InGaN、GaNとすることにより次の
Alを含む光閉じこめ層を結晶性良く成長できる。
【0033】続いて、TMG、TMA、アンモニア、C
p2Mgを用いてMgドープAl0.3Ga0.7Nよりなる
p型光閉じこめ層7を0.5μmの膜厚で成長させた。
【0034】続いて、TMG、アンモニア、Cp2Mg
を用い、Mgドープp型GaNよりなるp型コンタクト
層8を0.5μmの膜厚で成長させた。
【0035】以上のようにして窒化物半導体を積層した
ウェーハを反応容器から取り出し、反応性イオンエッチ
ング(RIE)装置にて、最上層のp型コンタクト層8
側から選択エッチを行い、負電極を形成すべきn型コン
タクト層の表面を露出させると共に、p型コンタクト層
8からn型コンタクト層2までをストライプ形状にエッ
チングした。なおストライプ幅は10μmとした。
【0036】エッチングの終わった窒化物半導体ウェー
ハの正電極、負電極を形成すべき部分にマスクをかけ、
さらにプラズマCVD装置でSiOとTiOよりな
る誘電体多層膜40を前記したエッチング端面に総膜厚
10μmで形成した。なお誘電体多層膜は活性層の発光
波長を反射するように設計されていることは云うまでも
ない。またこの誘電体薄膜は多層膜としたが、例えばA
、SiO等の単一膜で形成しても良い。
【0037】次に、誘電体薄膜40の上にAlよりなる
金属薄膜50を蒸着により0.1μmの膜厚で形成し
た。
【0038】さらに、その金属薄膜50の上にSiO
よりなる第二の誘電体薄膜41を同じくプラズマCVD
法により、1μmの膜厚で形成した。
【0039】p型コンタクト層8にはNiとAuよりな
るストライプ状の正電極30を絶縁膜11を介して形成
し、先に露出させたn型コンタクト層2にはTiとAl
よりなるストライプ状の負電極20を形成した。
【0040】以上のようにしたウェーハを、まずストラ
イプ状の電極に平行な位置で分割した後、次に電極に垂
直な方向で分割し、垂直な方向で分割した分割面を研磨
して鏡面とした。その共振面に常法に従って反射鏡を形
成してレーザチップとした。このレーザチップを図3に
示すように、予め電極パターン100が形成されたヒー
トシンクに設置し、常温でパルス発振させたところ、し
きい値電流密度2kA/cmで410nmのレーザ発振
を示した。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレーザ素
子はレーザ光の共振方向に平行な方向の活性層、及びク
ラッド層が、誘電体薄膜と金属とで覆われているので、
完全な横モードの光閉じ込めができ、安定したレーザ光
を得ることができる。さらに誘電体薄膜、金属薄膜等は
窒化物半導体に比べて容易に薄膜が形成できる。そのた
め窒化物半導体を形成するのであれば、ストライプ状に
クラッド層、活性層をエッチングした後、マスクを形成
して高温で選択成長を行わねばならないが、誘電体薄
膜、金属薄膜等であれば、MOCVD、MBE等、窒化
物半導体の成長装置でなくとも、他の簡単なCVD装置
で製膜可能なので、生産技術上非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るレーザ素子の構造を
示す模式断面図。
【図2】 図1のレーザ素子の形状を示す斜視図。
【図3】 本発明の他の実施例に係るレーザ素子の構造
を示す模式断面図。
【符号の説明】
1・・・・基板 2・・・・n型コンタクト層 3・・・・n型光閉じこめ層 4・・・・n型光ガイド層 5・・・・活性層 6・・・・p型光ガイド層 5・・・・p型光閉じこめ層 6・・・・p型コンタクト層 40・・・・誘電体薄膜 50・・・・金属薄膜 41・・・・第二の誘電体薄膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型窒化物半導体とp型窒化物半導体層
    との間にレーザ発振する活性層を有し、レーザ光の共振
    方向に対して平行な前記n型窒化物半導体層、前記活性
    層及び前記p型窒化物半導体層の表面には誘電体薄膜が
    形成され、その誘電体薄膜の表面に、380nm〜55
    0nmに対して反射率が高い材料からなる金属薄膜が形
    成されていることを特徴とする窒化物半導体レーザ素
    子。
  2. 【請求項2】 前記活性層はInを含む窒化物半導体で
    あることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レ
    ーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記金属薄膜は、Al、Ag、Ni、C
    r、Ptから選択される1つであることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の窒化物半導体レーザ素
    子。
  4. 【請求項4】 前記金属薄膜の表面にさらに第二の誘電
    体薄膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至
    請求項3のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
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