JP2002140812A - 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ

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JP2002140812A
JP2002140812A JP2000335030A JP2000335030A JP2002140812A JP 2002140812 A JP2002140812 A JP 2002140812A JP 2000335030 A JP2000335030 A JP 2000335030A JP 2000335030 A JP2000335030 A JP 2000335030A JP 2002140812 A JP2002140812 A JP 2002140812A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸着速度を上げて磁気テープを製造しても、
冷却キャンが汚れず、さらに、電磁変換特性に優れ、D
Oの少ないデジタルビデオテープを作成するために適切
なベースフィルム用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 層A及び層Bとからなる積層フィルムと
その表面に形成された被覆層とからなるポリエステルフ
ィルムであって、層A側の表面AのSRa値が2〜4n
m、SRz値が10〜40nmであり、層B中には層B
側の表面Bに表面突起を形成するための微細粒子が含ま
れ、該微細粒子の平均粒径が50〜500nmであり、
層B中の微細粒子の含有率が0.01〜1.0重量%で
あり、表面B側に塗布により形成された被覆層の厚みが
1〜10nmであり、かつ、表面Aの外側に強磁性金属
薄膜層が設けられて磁気記録媒体用に使用される、磁気
記録媒体用ポリエステルフィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用ポ
リエステルフィルム、特にデジタルビデオカセットテー
プ用等、デジタルデータを記録する強磁性金属薄膜型磁
気記録媒体用のベースフィルムとして好適なポリエステ
ルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】1995年に実用化された民生用デジタ
ルビデオテープはベースフィルム上にCoの金属磁性薄
膜を真空蒸着により設け、その表面にダイヤモンド状カ
ーボン膜をコーティングし、更にその上に潤滑剤層をコ
ーティングにより設け、ベースフィルムの反対面側にビ
デオテープレコーダー内でのテープの走行性、耐久性を
確保するためにバックコート層が設けられたものであ
る。Hi8用ME(蒸着)テープに比べて表面性が更に
平滑化したにもかかわらず、良好な耐久性をもつ。
【0003】そのベースフィルムとしては、 ポリエステルフィルムと、該フィルムの少なくとも片
面に密着された不連続皮膜と該皮膜中及び皮膜表面に存
在する微粒子からなるポリエステルフィルム(例えば特
公昭62−30105号公報)、 熱可塑性樹脂からなる層Aと、微粒子が含有された熱
可塑性樹脂からなる層Bとが積層された複合フィルム
(例えば特公平1−26338号公報)、 平滑なポリエステルフィルムであり非磁性面側表面に
滑剤主体の被覆層が形成されたフィルム(例えば特開昭
57−195321号、特公平1−49116号、特公
平4−33273号公報)、等が用いられ、Hi8ME
テープ用ベースに比べ、更に金属磁性膜形成表面の粗度
の小さいベースフィルムが利用されている。
【0004】しかしながらこのように非常に平滑な民生
用デジタルビデオテープは、その磁性面の表面性の変動
により電磁変換特性が非常に大きく変化し、また蒸着工
程での冷却キャンに付着する異物の影響により、得られ
たテープのドロップアウト(DO)特性が非常に大きく
変化する。
【0005】すなわち、デジタルビデオテープ用の強磁
性金属薄膜を真空蒸着により設けるためのベースフィル
ムとして用いるとき、前記のフィルムは良好な高密度
磁気記録特性を与えるが、ハンドリング性が不良で、大
量生産には不適当であり、前記のフィルムから作成し
たテープはテープ磁性面の表面うねりのバラツキが大で
あり、電磁変換特性のバラツキが大となる問題があり、
また、前記のフィルムは、非磁性面側表面の滑剤主体
の被覆層が蒸着工程、特に真空蒸着の冷却キャンで削れ
たり剥離しがちであり、それによりDOが多くなる欠点
がある。
【0006】真空蒸着工程で冷却キャンに付着する汚れ
が少なく、真空蒸着により得られた磁気テープの表面う
ねりが小さく、電磁変換特性の良好な磁気テープとする
ことができ、しかもハンドリング性が良好で、大量生産
に適した磁気記録媒体用ポリエステルフィルムを与える
事を目的として、特開平10−172127号公報にお
いて、ポリエステルフイルムの一方の片側表面AのSR
a値が2〜4nm、SRz値が10〜40nmであり、
他方の片側表面BのSRa値が5〜15nm、SRz値
が50〜250nmであり、表面Bの外側には塗布によ
り形成された易滑被覆層がなく、また高さ540nm以
上の突起個数が2〜20個/100cm 2 であるポリエ
ステルフィルムであって、表面Aの外側に強磁性金属薄
膜層を設けて使用されることを特徴とする磁気記録媒体
用ポリエステルフィルムが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、民生用
デジタルビデオテープは非常に好評であり、市場により
多くのテープを投入することが望まれており、1回の蒸
着操作でより多量のデジタルビデオテープが製造できる
ように、ロールに巻かれるベースフィルムの長さが従来
は10000m以下であったものを、12000m以
上、更には15000m以上とより長尺化することが行
われてきている。
【0008】また、磁気テープ製造時の蒸着速度の増速
も行われており1日あたりのデジタルビデオテープの生
産量は増加してきている。蒸着速度を増速するためには
一定時間内により多量のCoの金属薄膜をベースフィル
ム表面に設けなけれならず、真空蒸着の際のベースフィ
ルムから冷却キャンへ逃げる熱量を増やさねばならず、
ベースフィルムの温度が上昇しがちである。そのため
に、特開平10−172127号公報に示されるベース
フィルムを使用してより蒸着速度を増速して民生用デジ
タルビデオテープを製造した場合、該フィルムの表面B
よりポリエステルフィルムの分解物が析出し易くなり、
分解物が蒸着面側に転写し、製造されたデジタルビデオ
テープの電磁変換特性が不良でドロップアウトが多くな
るということが明らかになってきた。
【0009】従って本発明は、10000mを超える長
尺ロール製品のポリエステルフィルムを蒸着速度を上げ
て蒸着し、その際にベースフィルムへかかる熱負荷が増
した場合でも、表面Bからのポリエステル分解物の析出
がなく、冷却キャンが汚れず、さらに、製造されたデジ
タルビデオテープの電磁変換特性が良好で、ドロップア
ウトが少ないデジタルビデオテープを製造することがで
きる磁気記録媒体用ポリエステルフィルムを提供する事
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成からなる。
【0011】すなわち、 1. 層A及び層Bとからなる積層フィルムとその表面
に形成された被覆層とからなるポリエステルフィルムで
あって、層A側の表面AのSRa値が2〜4nm、SR
z値が10〜40nmであり、層B中には層B側の表面
Bに表面突起を形成するための微細粒子が含まれ、該微
細粒子の平均粒径が50〜500nmであり、層B中の
微細粒子の含有率が0.01〜1.0重量%であり、表
面B側に塗布により形成された被覆層の厚みが1〜10
nmであり、かつ、表面Aの外側に強磁性金属薄膜層が
設けられて磁気記録媒体用に使用される磁気記録媒体用
ポリエステルフィルム、 2. 層B中に、さらに、ろう及び/又はセッケンが
0.05〜1.0重量%含まれている、上記1.に記載
の磁気記録媒体用ポリエステルフィルム、 3. 被覆層を構成する主成分が水溶性高分子及び/又
は水分散性高分子である、上記1.又は2.に記載の磁
気記録媒体用ポリエステルフィルム、 4. 表面B側の被覆層が、水溶性高分子及び/又は水
分散性高分子にシリコーン及びシランカップリング剤を
配合してなる組成物から形成される、上記1.〜3.の
いずれかに記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィル
ム、 5. 表面B側の被覆層には微細粒子が実質的に存在し
ない、上記1.〜4.のいずれかに記載の磁気記録媒体
用ポリエステルフィルム、 6. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまた
はポリエチレン−2,6−ナフタレートである、上記
1.〜5.のいずれかに記載の磁気記録媒体用ポリエス
テルフィルム、 7. デジタル記録方式のビデオカセットレコーダーテ
ープ用に用いられる、上記1.〜6.のいずれかに記載
の磁気記録媒体用ポリエステルフィルム、 8. 上記1.〜7.のいずれかに記載のポリエステル
フィルムの表面Aの外側に強磁性金属薄膜層を設けてな
る磁気記録テープ、とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルは、
分子配向により高強度フィルムとなり得るポリエステル
であれば良いが、なかでも、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。
即ち、その構成成分の80%以上がエチレンテレフタレ
ート、又は、エチレンナフタレートであるポリエチレン
テレフタレート、又は、ポリエチレンナフタレートであ
る。エチレンテレフタレート、エチレンナフタレート以
外のポリエステル共重合体成分としては、例えばジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、ポリエチレングリコール、p−キシリレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど
のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、
イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸など
のジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸
などの多官能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安
息香酸などが挙げられる。
【0013】さらに、上記のポリエステルは、他にポリ
エステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導
体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレング
リコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない程
度の少量ならば混合してもよい。
【0014】本発明のポリエステルフィルムは層Aと層
Bとが積層され、さらにその表面に被覆層が形成された
構造を有する。
【0015】層A側の表面A上には強磁性金属薄膜層が
真空蒸着により設けられて磁気記録媒体として使用され
る。その強磁性金属薄膜としては公知のものを使用で
き、特に限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、ま
たはそれらの合金の強磁性体からなるものが好ましい。
金属薄膜層の厚さは一般に100〜300nmである。
【0016】本発明のポリエステルフィルムの層A側の
表面AのSRa値は2〜4nm、好ましくは2〜3nm
であり、SRz値は10〜40nm、好ましくは20〜
40nmである。
【0017】SRa値が2nm未満であると、表面A上
に真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜層が平滑す
ぎて、デジタルビデオテープレコーダー内の記録、再生
時にビデオヘッドによりビデオテープの強磁性金属薄膜
が磨耗してしまうし、また、SRa値が4nmを超える
と、該強磁性金属薄膜層が粗面すぎて、ビデオテープの
出力特性が低下するので、磁気記録媒体用には適してい
ない。
【0018】SRz値が10nm未満であると、強磁性
金属薄膜層が平滑すぎて、デジタルビデオテープレコー
ダー内の多数回にわたる繰返し記録、再生でビデオテー
プの強磁性薄膜の耐久性が低下し、また、SRz値が4
0nmを超えると、強磁性金属薄膜層が粗面になりすぎ
て、ビデオテープの小さなDO個数が増加するので、磁
気記録媒体用には適していない。
【0019】本発明のポリエステルフィルムの層B側の
表面Bには、層B中の微細粒子による表面突起が形成さ
れており、該微細粒子の平均粒径は50〜500nmで
あり、層B中の含有率が0.01〜1.0重量%であ
り、層B側には塗布により形成された被覆層が1〜10
nmの厚みで設けられている。
【0020】表面BのSRa値は10〜25nm、さら
には15〜22nmが好ましく、SRz値は200〜4
50nm、さらには250〜350nmが好ましい。
【0021】微細粒子の平均粒径が50nm未満、また
含有率が0.01重量%未満であると、平滑すぎて、ポ
リエステルフィルムの製造の際、特に製膜後のスリッタ
ーによるスリット工程で、フィルムを所定の幅にスリッ
トしロール状に巻き製品化する時にしわが入りすぎ、ロ
ール状に巻けなくなる。表面BのSRz値が200nm
未満であると同様の傾向があるので好ましくない。該微
細粒子の平均粒径が500nmを超えると、また含有率
が1.0重量%を超えると、ポリエステルフィルムに磁
性金属を真空蒸着した後、ロール状に磁性金属層が設け
られたフィルムを巻き放置した時に、その表面Bの粗さ
が磁性金属表面に転写され、磁性金属層の表面うねりが
大きくなり、デジタルビデオテープの電磁変換特性が悪
化し、ドロップアウトが増大する。表面BのSRz値が
500nmを超えても同様の傾向があるので好ましくな
い。
【0022】表面BのSRa値が10nmを下回ると、
ポリエステルフィルムを製造し、10000m以上にス
リットし製品として放置している期間に、ポリエステル
フィルムの表面Bの微細粒子による突起形状が、特に、
ボビン近くの巻芯部で、表面Aに転写し、表面Aにへこ
み状の変形を与え、真空蒸着後、強磁性金属薄膜層にへ
こみ状の変形が残り、デジタルビデオテープの電磁変換
特性が悪化し、ドロップアウトが増大するので好ましく
ない。表面BのSRa値が25nmを上回ると、表面B
の粗さが増大し、ポリエステルフィルムを製造し、10
000m以上にスリットし製品として放置している期間
に、ポリエステルフィルムの表面Bの粗さが表面Aに転
写し、表面Aの表面うねりが増大し、真空蒸着後、強磁
性金属表面層の表面うねりが大きくなり、デジタルビデ
オテープの電磁変換特性が悪化し、ドロップアウトが増
大するので好ましくない。
【0023】層B中に含有させる微細粒子としては、例
えば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、ポリスチレ
ン、アルミナシリケート等用いられるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0024】層B中には前記微細粒子より更に細かい別
種の微粒子を内在させても良い。また界面活性化剤、帯
電防止剤、各種エステル成分等、異なる成分を添加させ
ても良い。
【0025】ポリエステルフィルムの層B側には被覆層
が1〜10nmの厚みで設けられていることを要する。
この被覆層がないと、ポリエステルフィルム上に磁性金
属を高速度で真空蒸着させる際にベースフィルムの温度
が上昇し、ポリエステルからなる表面Bより、フィルム
中ポリマからの分解物が析出し、蒸着後、巻きとった際
に該分解物が蒸着面側に転写したり、冷却キャンを汚し
たり、汚れ物が真空蒸着されたフィルムに付着していき
蒸着面側に転写しビデオテープの電磁変換特性やドロッ
プアウトをおこすというトラブルを生じる。その被覆層
は厚みが1〜10nmである。厚みが1nmを下回ると
ポリエステルフィルムの分解物が被覆層をこえて析出す
るので、また、厚みが10nmを超えると、被覆層が冷
却キャンで削られ易く、冷却キャンを汚しがちとなるの
で、いずれも本発明の目的を達成できない。
【0026】その被覆層は、冷却キャンとの間で易滑性
であって削られにくく、かつ、ポリエステルフィルムか
らの分解物を通さない機能を有するものであり、主とし
て、水溶性高分子及び/又は水分散性高分子から構成さ
れ、好ましくは、水溶性高分子及び/又は水分散性高分
子にシリコーン及びシランカップリング剤とが加わった
組成物から形成されることが好ましい。
【0027】また、この被覆層が削られにくくするため
には、被覆層中には微細粒子が実質的に存在しないこと
が好ましい。被覆層の中に、被覆層厚みの3倍程度まで
の粒子径の微細粒子が被覆層内重量分率で20%程度含
まれていても製膜工程では削れの問題は生じ難いが、蒸
着時、冷却キャンとの間では削りて脱落じがちとなるの
で、また磁気テープ加工工程での各種搬送ロールで削れ
やすくなるので、層B側の被覆層には微細粒子が実質的
に存在しないことが好ましい。ただし、被覆層を強化す
る目的で被覆層の厚み以下の粒子径の微細粒子を補強材
のように用いることは許容される。
【0028】被覆層用に用いられる水溶性高分子として
は、ポリビニルアルコール、トラガントゴム、アラビア
ゴム、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、カルボキシルメチルセルロース等のセルロ
ース誘導体、ポリエステルエーテル共重合体、水溶性ポ
リエステル共重合体等が使用できる。また、水分散性高
分子のエマルジョンとしては、ポリメタクリル酸メチル
エマルジョン、ポリアクリル酸エステルエマルジョン等
が使用できる。
【0029】なかでも、セルロース誘導体と水溶性ポリ
エステル共重合体の高分子ブレンド体が特に好ましい。
水溶性ポリエステル共重合体としては、ジカルボン酸成
分とグリコール成分が重縮合したポリエステルであっ
て、例えばスルホン酸基を有するジカルボン酸成分のよ
うな機能性酸成分を全カルボン酸成分の5モル%以上共
重合せしめること、及び/又は、グリコール成分として
ポリアルキレンエーテルグリコール成分を2〜70重量
%共重合せしめることによって水溶性を付与したものが
好ましいが、これらに限定されるものではない。スルホ
ン酸基を有するジカルボン酸としては、好ましくは5−
スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸などや、
それらの金属塩、ホスホニウム塩などが使用でき、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸が特に好ましい。5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸を共重合せしめる際の他の
ジカルボン酸成分としてはイソフタル酸、テレフタル酸
などが好ましく、グリコール成分としてはエチレングリ
コール、ジエチレングリコールなどが好ましい。セルロ
ース誘導体はポリエステル分解物が析出することを防ぐ
ために寄与し、水溶性ポリエステル共重合体はセルロ−
ス誘導体とポリエステルフィルム表面との接着性を増大
させるために寄与する。
【0030】シリコーンとしては、ポリジメチルシロキ
サン等のシロキサン結合を分子骨格にもつ有機ケイ素化
合物が共有結合で多数つながった重合体が使用できる。
シリコーンにより被覆層の易滑性が向上し、冷却キャン
との走行性、耐削れ性が確保される。またポリエステル
フィルムを巻いたときのフィルム間のブロッキングが防
止される。なおフッ素化合物を易滑剤として用いても良
い。
【0031】シランカップリング剤としては、その分子
中に2個以上の異なった反応基をもつ有機ケイ素単量体
が挙げられ、その反応基の一つはメトキシ基、エトキシ
基、シラノール基などであり、もう一つの反応基はビニ
ル基、エポキシ基、メタアクリル基、アミノ基、メルカ
プト基などである。反応基としては水溶性高分子の側
鎖、末端基およびポリエステルと結合するものが選ばれ
るが、シランカップリング剤としてビニルトリクロルシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−
メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン等が適用できる。シランカップリング剤はシ
リコーンが易滑剤層より遊離されることを防ぐために寄
与し、さらに、被覆層とポリエステルとの接着性を向上
させるためにも寄与する。
【0032】本発明における層Aと層Bとが積層されて
なるフィルムにおいて、層Bの厚みは全体厚みの8〜2
5%が好ましく、より好ましくは10〜20%である。
層Bの厚みが全体厚みの8%未満であると、層B中の微
細粒子が脱落しやすくなり好ましくない。層Bの厚みが
全体厚みの25%より大であると、層B中の微細粒子の
形状が層Aを通じて表面A上に突起状変形を作りやすく
なるので好ましくない。
【0033】本発明のポリエステルフィルムを形成する
層B中には、さらに、ろう及び/又はセッケンが0.0
5〜1.0重量%、より好ましくは0.1〜0.7重量
%含まれていることが好ましい。使用するろうとしては
カルナウバろう、鯨ろう、蜜ろう、シナろう、ラノリン
等が用いられ、セッケンとしては脂肪酸、芳香族スルホ
ン酸、樹脂酸、ナフテン酸などの金属塩、例えばアルキ
ルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、リチウム塩等の
界面活性剤類が使用できる。ろうやセッケンを配合する
ことにより、ポリエステルフィルム内に存在するポリマ
分解物のオリゴマー類がフィルム片側表面Bから析出す
ることが抑制されるので好ましい。1.0重量%より多
く含まれると、ポリエステルフィルムの表面Bと被覆層
の接着性が低下しがちとなるので好ましくない。
【0034】次に本発明の製法の一例を例示する。
【0035】本発明のポリエステルフィルムは、溶融、
シート成形、二軸延伸、熱固定からなる通常のプラスチ
ックフィルム製造工程において、B層用ポリエステル中
に微細粒子を含有させること、共押出し技術の使用によ
りA/B層が積層されたシートを押出しすこと、さら
に、少なくとも層B側へ塗布による被覆層を形成するこ
とによって製膜し、巻取ることにより製造することがで
きるが、より多層を設けることもでき、製法は本方法だ
けには限らない。
【0036】含有粒子を可能な限り除いた層A用の原料
と、平均粒径が50〜500nmの微細粒子を含有率
0.01〜1.0重量%含有させた層B用の原料とを溶
融共押出しし、キャスティングドラム上で冷却固化して
未延伸フィルムシートを得、一軸延伸し、被覆層形成用
の塗液をフィルム表面に塗布して乾燥し、その後に先の
一軸延伸方向とは直交する方向に延伸配向させ、熱固定
する製造方法により、本発明のフィルム条件を満足する
ように製造条件を適正化することによって、本発明のフ
ィルムを製造することができる。
【0037】層A上に塗布する塗液としては、水溶性高
分子及び/又は水分散性高分子を溶解又は分散させた水
性液に平均粒径10〜30nmの微細粒子を所定量添加
させてなる塗液を用いることができる。
【0038】層B上に塗布する塗液としては、前述した
水溶性高分子及び/又は水分散性高分子にシリコーン及
びシランカップリング剤を添加してなる水性液を用いる
ことができる。水溶性高分子としては、前述したとお
り、セルロース誘導体[A]と水溶性ポリエステル共重
合体[B]とのブレンド体が特に望ましい。[A]/
[B]/シリコーン/シランカップリング剤の重量比率と
しては、100/5〜20/60〜250/5〜40が
好ましい。
【0039】層B中には、さらに、ろう及び/又はセッ
ケンを0.05〜1.0重量%含有させても良い。な
お、層A中にもろう及び/又はセッケンを0.05〜
1.0重量%含ませても良い。なお、層Aは磁気テープ
の磁気ヘッドによる耐久性を更に増すために、その内部
に微細粒子を含ませても良い。
【0040】二軸延伸は例えば逐次二軸延伸法又は同時
二軸延伸法で行うことができるが、所望するならば熱固
定前にさらに縦あるいは横方向あるいは縦と横方向に再
度延伸させ機械的強度を高めた、いわゆる強力化タイプ
とすることもできる。
【0041】層A上に被覆層を形成するためには、前述
した通り、1軸方向への延伸を終えた段階で所定組成・
濃度の塗液を基層フィルム上に塗布する方法をとればよ
い。その塗布方法としては、ドクターブレード方式、グ
ラビア方式、リバースロール方式、メタリングバー方式
のいずれであってもよい。表面AのSRa、SRzは被
覆層の微粒子、成分、層A内部の微細粒子の調整により
調整することができる。層B上の被覆層の形成に関して
も同様の方法を用いればよく、被覆層厚みは、塗布液の
固形分濃度、塗布液厚みの調整により所望値に調整する
ことができる。
【0042】本発明のポリエステルフィルムは磁気記録
媒体のベースフィルムとして、特にデジタルビデオテー
プ用途に使用すると優れた結果を得ることができ好適で
ある。またデータストレージテープ用途に使用しても優
れた結果を得ることができ好適である。
【0043】本発明の磁気テープは本発明のポリエステ
ルベースフィルムの表面A上にCo等の強磁性金属薄膜
を真空蒸着により膜厚み100〜300nmと形成し、
この金属薄膜上に10nm程度の厚みのダイヤモンド状
カーボン膜をコーティングし、さらに潤滑剤を5nm程
度の厚みに塗布し、他方、表面Bの被覆層の上に固体微
粒子および結合材からなり必要に応じて各種添加剤を加
えた溶液を塗布することによりバックコート層を0.3
〜1.5μm程度の厚みで設け、そして所定の幅に裁断
することにより製造することができる。
【0044】[測定法] (1)SRa値、SRz値 小坂研究所製の光触針式(臨界角焦点エラー検出方式)
の3次元粗さ計(ET−30HK)を使用して測定し
た。
【0045】SRa値: JIS B0601 Raに
相当する中心線面平均粗さ。 SRz値: JIS B0601 Rzに相当する十点
平均面粗さ。粗さ曲面から基準面積分だけ抜き取った部
分の平均面を基準面として、最高から5番目までの山の
標高の平均値と最深から5番目までの谷底の深さの平均
値との距離を入力換算して求める。
【0046】試験片は測定表面にAl蒸着を施した。ま
た、測定方向はフィルム幅方向とし、カットオフ値は
0.08mm、測定長は0.1〜0.25mm、送りピ
ッチは0.2μm、測定スピードは20μm/s、測定
本数は100本とした。単位はnmで表示した。
【0047】(2)微細粒子の平均粒径 電子顕微鏡(電顕)試験台上に微細粒子粉体を、この粒
子ができるだけ重ならないように散在せしめ、電顕(好
ましくは透過型電子顕微鏡)により倍率100万倍程度
で観測し、少なくとも100個の粒子について面積円相
当径を求め、この数平均値をもって平均粒径とした。
【0048】なお、この粒径をフィルムから求める場合
には下記のa)手法等により求められる。 a)フィルムの被膜表面A上に金スパッター装置により
金薄膜蒸着層を20〜30nm(χnm)で設け、電子
顕微鏡(好ましくは走査型電子顕微鏡)により倍率10
万倍程度で観測し、少なくとも100個の粒子について
面積円相当径を求め、この数平均値より2χnmを減じ
た値をもって粒径とする。
【0049】(3)被覆層の厚み 被覆層厚みは、塗布液塗布時の塗布液厚みに固形分濃度
を掛け、固形分密度、塗布後の延伸倍率で除して求め
る。
【0050】なお、この被覆層の厚みをフィルムから求
める場合には下記のa)手法等により求められる。 a)フィルムの少片を樹脂で固定し、フィルムの長手方
向に平行に切断しフィルム断面の超薄切片を作成し、透
過型電子顕微鏡により10万倍程度以上の倍率で観察
し、被覆層/フィルム、被覆層/樹脂界面の距離より被
覆層厚みを求める。
【0051】(4)磁気テープの特性 市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダー
(DVC)を用いドロップアウト(DO)を観測するこ
とにより評価した。作成したDVCテープに市販のカメ
ラ一体型デジタルビデオテープレコーダーで録画し、1
分間の再生をして画面にあらわれたブロック状のモザイ
ク個数を数えることによりDOの測定をした。なおDO
は常温常湿(25℃、60%RH)でテープ製造後の初
期特性を調べた。さらに100回繰返し走行後のDOも
測定した。DOは小さい値の方が良い。
【0052】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0053】実施例1 実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタ
レートに平均粒径60nmのシリカを0.02重量%含
有させた原料Aと、実質的に不活性粒子を含有しないポ
リエチレンテレフタレートに平均粒径190nmのケイ
酸アルミニウムと粒子径320nmのポリスチレン球と
をそれぞれ0.36重量%、0.05重量%含有させた
原料Bとを厚み比5:1の割合で共押出しし、ロール延
伸法で110℃で3.0倍に縦延伸した。
【0054】縦延伸の後の工程で、A層の外側に下記組
成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmで塗布した。
また、B層の外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚
み2.5μmで塗布した。 A層外側:メチルセルロース 0.10重量% 水溶性ポリエステル 0.30重量% アミノエチルシランカップリング剤 0.01重量% 平均粒径 12nmの極微細シリカ 0.03重量% B層外側:メチルセルロース 0.30重量% 水溶性ポリエステル 0.40重量% アミノエチルシランカップリング剤 0.03重量% ポリジメチルシロキサン 0.05重量% その後、ステンターにて横方向に98℃で3.3倍に延
伸し、200℃で熱処理し、中間スプールに巻き、スリ
ッターで小幅にスリットし、円筒コアーにロール状に巻
取り、厚さ6.3μmのフィルムが長さ15000mで
ロール状に巻取られた複合ポリエステルフィルムを得
た。
【0055】このポリエステルフィルムの表面Aに真空
蒸着によりコバルト−酸素薄膜を110nmの膜厚で強
磁性金属薄膜層を形成した。なおコバルトの蒸着速度は
従来の3割増しの速度で行った。次にコバルト−酸素薄
膜層上に、スパッタリング法によりダイヤモンド状カー
ボン膜を10nmの厚みで形成させた。続いて、表面B
上に、カーボンブラック、ポリウレタン、シリコーンか
らなるバックコート層を400nm厚さで設け、スリッ
ターにより幅6.35mmにスリットしリールに巻き取
り磁気テープを作成した。
【0056】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、3
00nmであった。
【0057】実施例2 実施例1のベースフィルム製造において、ポリエチレン
テレフタレートをポリエチレン−2,6−ナフタレート
と変更し、A層外側、B層外側の塗布液の塗布厚みを
8.0μm、5.0μmと変更し、縦延伸温度、倍率を
135℃で5.0倍と変更し、横延伸温度、倍率を13
5℃、6.0倍と変更し、更に160℃で1.2倍に横
に延伸し、200℃での熱処理と変更し、その他は実施
例1と同様にして、厚さ4.2μmのフィルムが長さ1
5000mで巻取られた複合ポリエステルフィルムロー
ルを得た。さらに実施例1と同様にして幅6.35mm
の磁気テープを作成した。
【0058】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は18nm、2
70nmであった。
【0059】実施例3 実施例2のベースフィルム製造において、原料Aに含有
させたシリカを除き、その他は実施例2と同様にして厚
さ4.2μmの長さ15000mの複合ポリエステルフ
ィルムロールを得た。さらに、実施例2と同様にして幅
6.35mmの磁気テープを作成した。
【0060】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、3
00nmであった。
【0061】実施例4 実施例1のベースフィルム製造において、原料Bに含有
させたケイ酸アルミニウムの含有量を0.50重量%と
し、ポリスチレン球を使用しなかった。その他は実施例
1と同様にして厚さ6.3μmの長さ15000mの複
合ポリエステルフィルムロールを得た。さらに実施例1
と同様にして幅6.35mmの磁気テープを作成した。
【0062】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は17nm、2
50nmであった。
【0063】実施例5 実施例1のベースフィルム製造において、原料Bに含有
させたケイ酸アルミニウムを使用せず、ポリスチレン球
の含有量を0.10重量%とした。その他は実施例1と
同様にして厚さ6.3μmの長さ15000mの複合ポ
リエステルフィルムロールを得た。さらに実施例1と同
様にして幅6.35mmの磁気テープを作成した。
【0064】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は23nm、3
45nmであった。
【0065】実施例6 実施例1のベースフィルム製造において、原料Bにカル
ナウバワックスを0.4重量%追加した。その他は実施
例1と同様にして厚さ6.3μmの長さ15000mの
複合ポリエステルフィルムロールを得た。さらに実施例
1と同様にして幅6.35mmの磁気テープを作成し
た。
【0066】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。磁気テープを高温度(6
0℃)下、10日間放置し、常温常湿(25℃、60%
RH)でDOを見たが、増加はなかった。なお、複合ポ
リエステルフィルムの表面BのSRa値、SRz値は2
0nm、300nmであった。
【0067】実施例7 実施例1のベースフィルム製造において、B層外側に塗
布する水溶液より水溶性ポリエステルを除き、塗布厚み
を8.3μmとした。その他は実施例1と同様にして厚
さ6.3μmの長さ15000mの複合ポリエステルフ
ィルムロールを得た。さらに実施例1と同様にして幅
6.35mmの磁気テープを作成した。
【0068】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、3
00nmであった。
【0069】実施例8 実施例1のベースフィルム製造において、B層外側に塗
布する水溶液よりアミノエチルシランカップリング剤を
除いた。その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μm
の長さ15000mの複合ポリエステルフィルムロール
を得た。さらに実施例1と同様にして幅6.35mmの
磁気テープを作成した。
【0070】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、3
00nmであった。
【0071】実施例9 実施例1のベースフィルム製造において、B層外側に塗
布する水溶液よりポリジメチルシロキサンを除いた。そ
の他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmの長さ15
000mの複合ポリエステルフィルムロールを得た。さ
らに実施例1と同様にして幅6.35mmの磁気テープ
を作成した。
【0072】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、3
00nmであった。
【0073】実施例10 実施例1のベースフィルム製造において、B層外側に塗
布する水溶液より水溶性ポリエステルとアミノエチルシ
ランカップリング剤を除き、塗布厚みを10.5μmと
した。その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmの
長さ15000mの複合ポリエステルフィルムロールを
得た。さらに実施例1と同様にして幅6.35mmの磁
気テープを作成した。
【0074】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、3
00nmであった。
【0075】実施例11 実施例1のベースフィルム製造において、B層外側に塗
布する水溶液よりアミノエチルシランカップリング剤と
ポリジメチルシロキサンを除いた。その他は実施例1と
同様にして厚さ6.3μmの長さ15000mの複合ポ
リエステルフィルムロールを得た。さらに実施例1と同
様にして幅6.35mmの磁気テープを作成した。
【0076】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、3
00nmであった。
【0077】実施例12 実施例1のベースフィルム製造において、B層外側に塗
布する水溶液成分としてメチルセルロースのみを用い、
塗布厚みを10.5μmとした。その他は実施例1と同
様にして厚さ6.3μmの長さ15000mの複合ポリ
エステルフィルムロールを得た。さらに実施例1と同様
にして幅6.35mmの磁気テープを作成した。
【0078】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、3
00nmであった。
【0079】実施例13 実施例1のベースフィルム製造において、B層外側に塗
布する水溶液を、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)エマルジョン0.40重量%、ノニオン系界面活性
化剤0.10重量%含有の水分散型PMMAエマルジョ
ン液に変更して、その他は実施例1と同様にして厚さ
6.3μmの長さ15000mの複合ポリエステルフィ
ルムロールを得た。さらに実施例1と同様にして幅6.
35mmの磁気テープを作成した。
【0080】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。なお複合ポリエステルフ
ィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、30
0nmであった。
【0081】
【表1】 ベースフィルム テープ特性 表面A 層 B 層B側 DO SRa SRz 粒子1 粒子2 被覆層 初期 100回 粒径 含有量 粒径 含有量 厚み 走行後 nm nm nm 重量% nm 重量% nm 個/分 個/分 実施例1 3 30 190 0.36 320 0.05 5 0 1 〃 2 4 35 190 0.36 320 0.05 4 1 1 〃 3 3 30 190 0.36 320 0.05 5 0 1 〃 4 3 30 190 0.50 − − 5 1 2 〃 5 3 30 − − 320 0.10 5 1 2 〃 6 3 30 190 0.36 320 0.05 5 0 0 〃 7 3 30 220 0.15 320 0.05 4 1 1 〃 8 3 30 190 0.36 320 0.05 5 2 2 〃 9 3 30 190 0.36 320 0.05 5 2 2 〃 10 3 30 190 0.36 320 0.05 5 2 2 〃 11 3 30 190 0.36 320 0.05 5 2 2 〃 12 3 30 190 0.36 320 0.05 5 2 2 〃 13 3 30 190 0.36 320 0.05 6 1 1 表1に示すテープ特性から明らかな様に、本発明のポリ
エステルフィルムの表面Aに強磁性金属薄膜層を設けて
製造された磁気テープは、蒸着速度を上げて製造して
も、電磁変換特性、耐久性に優れたデジタルビデオテー
プとすることができた。
【0082】比較例1 実施例1のベースフィルム製造において、層A上の水溶
液塗布の塗布厚みを2.0μmと変更した。その他は実
施例1と同様にして厚さ6.3μmの長さ15000m
の複合ポリエステルフィルムロールを得、さらに、幅
6.35mmの磁気テープを作成した。
【0083】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表2に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、3
00nmであった。
【0084】比較例2 実施例1のベースフィルム製造において、A層外側用の
塗布水溶液のメチルセルロース濃度を0.15重量%と
変更した。その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μ
mの長さ15000mの複合ポリエステルフィルムロー
ルを得、さらに、幅6.35mmの磁気テープを作成し
た。
【0085】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表2に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、3
00nmであった。
【0086】比較例3 実施例1のベースフィルム製造において、塗布水溶液内
の極微細シリカの濃度を0.02重量%と変更した。そ
の他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmの長さ15
000mの複合ポリエステルフィルムロールを得、さら
に、幅6.35mmの磁気テープを作成した。
【0087】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表2に示す。 なお、複合ポリエステ
ルフィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、
300nmであった。
【0088】比較例4 実施例1のベースフィルム製造において、原料Aに含有
させたシリカの平均粒径を90nmに変更した。その他
は実施例1と同様にして厚さ6.3μmの長さ1500
0mの複合ポリエステルフィルムロールを得、さらに、
幅6.35mmの磁気テープを作成した。
【0089】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表2に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、3
00nmであった。
【0090】比較例5 実施例1のベースフィルム製造において、原料Bに含有
させたケイ酸アルミニウムを使用しなくて、ポリスチレ
ン球の粒径を600nmとした。その他は実施例1と同
様にして厚さ6.3μmの長さ15000mの複合ポリ
エステルフィルムロールを得て、さらに、幅6.35m
mの磁気テープを作成した。
【0091】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表2に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は30nm、6
00nmであった。
【0092】比較例6 実施例1のベースフィルム製造において、原料Bに含有
させたポリスチレン球を使用せずに、ケイ酸アルミニウ
ムの含有量を1.5重量%と変更し、その他は実施例1
と同様にして厚さ6.3μmの長さ15000mの複合
ポリエステルフィルムロールを得て、さらに、幅6.3
5mmの磁気テープを作成した。
【0093】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表2に示す。なお、複合ポリエステル
フィルムの表面BのSRa値、SRz値は28nm、3
00nmであった。
【0094】比較例7 実施例1のベースフィルム製造において、原料Bに含有
させたポリスチレン球を使用せず、ケイ酸アルミニウム
の粒径を40nmとし、その他は実施例1と同様にして
厚さ6.3μmの長さ15000mの複合ポリエステル
フィルムロールを得ようとスリットしたが巻きが乱れて
しまった。端面がきちっとそろったロール状製品が得ら
れなかった。この後実施例1と同様にして磁気テープを
作成してもテープ作成の収率が大幅に低下するので磁気
テープ製造は中止した。
【0095】得られた複合ポリエステルフィルムの特性
を表2に示す。なお、複合ポリエステルフィルムの表面
BのSRa値、SRz値は8nm、185nmであっ
た。
【0096】比較例8 実施例1のベースフィルム製造において、原料Bに含有
させたケイ酸アルミニウムを使用せずにポリスチレン球
の含有量を0.005重量%と変更し、その他は実施例
1と同様にして厚さ6.3μmの長さ15000mの複
合ポリエステルフィルムロールを得ようとスリットした
が、長手方向のしわが幅方向の2/3程度入った。この
後実施例1と同様にして磁気テープを作成してもテープ
作成の収率が大幅に低下するので磁気テープ製造は中止
した。
【0097】得られた複合ポリエステルフィルムの特性
を表2に示す。なお、複合ポリエステルフィルムの表面
BのSRa値、SRz値は13nm、220nmであっ
た。
【0098】比較例9 実施例1のベースフィルム製造において、B層外側に塗
布する水溶液の塗布厚みを6.7μmと変更した。その
他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmの長さ150
00mの複合ポリエステルフィルムロールを得た。また
実施例1と同様にして幅6.35mmの磁気テープを作
成した。
【0099】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表2に示す。蒸着工程の冷却キャンは
白い汚れ物で汚れていた。なお、複合ポリエステルフィ
ルムの表面BのSRa値、SRz値は20nm、300
nmであった。
【0100】比較例10 実施例1のベースフィルム製造において、B層外側に塗
布する水溶液の塗布厚みを0.2μmと変更した。その
他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmの長さ150
00mの複合ポリエステルフィルムロールを得た。さら
に実施例1と同様にして幅6.35mmの磁気テープを
作成した。
【0101】得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表2に示す。蒸着工程の冷却キャンは
黄色がかった白い汚れ物で汚れていた。なお、複合ポリ
エステルフィルムの表面BのSRa値、SRz値は20
nm、300nmであった。
【0102】
【表2】 ベースフィルム テープ特性 表面A 層 B 層B側 DO SRa SRz 粒子1 粒子2 被覆層 初期 100回 粒径 含有量 粒径 含有量 厚み 走行後 nm nm nm 重量% nm 重量% nm 個/分 個/分 比較例1 1 28 190 0.36 320 0.05 5 0 10 〃 2 6 30 190 0.36 320 0.05 5 15 16 〃 3 3 8 190 0.36 320 0.05 5 0 11 〃 4 4 55 190 0.36 320 0.05 5 16 17 〃 5 3 30 − − 600 0.05 5 10 11 〃 6 3 30 190 1.5 − − 5 8 9 〃 7 3 30 40 0.36 − − 5 − − 〃 8 3 30 − − 320 0.005 5 − − 〃 9 3 30 190 0.36 320 0.05 15 12 15 〃 10 3 30 190 0.36 320 0.05 0.5 15 18
【0103】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムによる
と、10000mを超える長尺ロール製品のポリエステ
ルフィルムを蒸着速度を上げて蒸着して磁気テープを製
造しても、表面Bからのポリエステル分解物の析出がな
く、冷却キャンが汚れず、さらに、電磁変換特性が良好
で、ドロップアウトが少ない磁気テープとすることがで
き、特にデジタルビデオテープのようなデジタルデータ
を記録する記録媒体用として有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA03H AA20H AB01D AB15 AB33D AH06C AH06H AJ06 AJ11B AJ11H AK01C AK12H AK41A AK41B AK42A AK42B AK52 AT00C BA04 BA07 BA10C BA10D CA02 DD07A DE01B EH20 EH202 EH46 EH462 EH66 EH662 EJ38 EJ382 GB41 JB09C JG06D JK14A JL06 YY00A YY00B YY00C 5D006 CB01 CB05 CB07 CB08 CC03 FA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層A及び層Bとからなる積層フィルムと
    その表面に形成された被覆層とからなるポリエステルフ
    ィルムであって、層A側の表面AのSRa値が2〜4n
    m、SRz値が10〜40nmであり、層B中には層B
    側の表面Bに表面突起を形成するための微細粒子が含ま
    れ、該微細粒子の平均粒径が50〜500nmであり、
    層B中の微細粒子の含有率が0.01〜1.0重量%で
    あり、表面B側に塗布により形成された被覆層の厚みが
    1〜10nmであり、かつ、表面Aの外側に強磁性金属
    薄膜層が設けられて磁気記録媒体用に使用されることを
    特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 層B中に、さらに、ろう及び/又はセッ
    ケンが0.05〜1.0重量%含まれていることを特徴
    とする請求項1に記載の磁気記録媒体用ポリエステルフ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 被覆層を構成する主成分が水溶性高分子
    及び/又は水分散性高分子であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィル
    ム。
  4. 【請求項4】 表面B側の被覆層が、水溶性高分子及び
    /又は水分散性高分子にシリコーン及びシランカップリ
    ング剤を配合してなる組成物から形成されることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体用
    ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 表面B側の被覆層には微細粒子が実質的
    に存在しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
    ートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートである
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の磁気
    記録媒体用ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 デジタル記録方式のビデオカセットレコ
    ーダーテープ用に用いられることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の磁気記録媒体用ポリエステルフ
    ィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のポリエ
    ステルフィルムの表面Aの外側に強磁性金属薄膜層を設
    けてなる磁気記録テープ。
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