JP2009076174A - 磁気記録テープ用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 高密度での記録が可能である大容量磁気記録テープ用ポリエステルフィルムとして、電磁変換特性に非常に優れ、かつ磁気ヘッドとの走行耐久性を改良し、特にハードディスクのバックアップ用途に好適なベースとなるポリエステルフィルムを提供すること。
【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水溶性高分子または水分散性高分子を構成成分とする皮膜が形成されてなり、この皮膜には、平均粒径が異なる少なくとも2種の粒子が含有され、この粒子のうち最も平均粒径の大きな粒子(粒子A)の平均粒径をDA(nm)とし、最も平均粒径の小さな粒子(粒子B)の平均粒径をDB(nm)としたとき、DAとDBとが下記式(1)および(2)を満足すると共に、粒子Aに起因する突起の個数密度をNA(個/mm2)とし、粒子Bに起因する突起の個数密度をNB(個/mm2)としたとき、NAとNBとが下記式(3)を満足する磁気記録テープ用ポリエステルフィルムとする。
(1)5 < DB < 40
(2)5 > DA/DB > 1
(3)1 > NA/NB > 0.01
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水溶性高分子または水分散性高分子を構成成分とする皮膜が形成されてなり、この皮膜には、平均粒径が異なる少なくとも2種の粒子が含有され、この粒子のうち最も平均粒径の大きな粒子(粒子A)の平均粒径をDA(nm)とし、最も平均粒径の小さな粒子(粒子B)の平均粒径をDB(nm)としたとき、DAとDBとが下記式(1)および(2)を満足すると共に、粒子Aに起因する突起の個数密度をNA(個/mm2)とし、粒子Bに起因する突起の個数密度をNB(個/mm2)としたとき、NAとNBとが下記式(3)を満足する磁気記録テープ用ポリエステルフィルムとする。
(1)5 < DB < 40
(2)5 > DA/DB > 1
(3)1 > NA/NB > 0.01
【選択図】 なし
Description
本発明は磁気記録テープ用ポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートフイルムに代表されるポリエステルフィルムは、その優れた物理的、化学的特性の故に広い用途に、特に磁気記録媒体のベースフィルムとして用いられている。
金属薄膜型磁気記録媒体の一つとして、1995年に実用化された民生用デジタルビデオテープ、デジタルビデオカセット(DVC)テープは、厚さ6〜7μmのベースフィルムの片側表面上に、Coの金属磁性薄膜を真空蒸着により設け、その表面にダイヤモンド状カーボン膜をコーティングしてなり、DVミニカセットを使用したカメラ一体型ビデオの場合には基本仕様(SD仕様)で1時間の録画時間をもつ。そのベースフィルムとしては、(1)ポリエステルフィルムと、該フィルムの少なくとも片面に密着されたポリマーブレンド体と粒径5〜50nmの微細粒子を主体とした不連続皮膜とからなり、該不連続皮膜には水溶性ポリエステル共重合体が含有され、微細粒子により不連続皮膜上に微細突起が形成されたポリエステルフィルム(例えば特許文献1参照)、(2)ポリエステル層Aの一方の面が、水性ポリエステル樹脂からなる連続皮膜Cで被覆されたポリエステルフィルムであり、皮膜Cが平均粒径10〜50nm、体積形状係数0.1〜π/6の不活性粒子Cを0.5〜30重量%含有し、皮膜Cの厚みが3〜50nmであり、皮膜Cを形成する水性ポリエステル樹脂が1万以上100万以下の数平均分子量を有し、該フィルムの皮膜C側の表面粗さWRaが0.1〜4nmであり、かつ該フィルムを120℃で30分間保持したときに皮膜Cの表面に析出する異物の数が1,000個/ mm2 以下であるポリエステルフィルム(例えば特許文献2参照)等が用いられている。
さらに、2001年秋にMICRO MV規格のDVミニカセットに比べ容積比30%の大きさで1時間の録画時間を有するビデオ規格が登場した。この新しいビデオ規格はDVCと同じ蒸着テープを用いるデジタル記録であるが、画像圧縮方式はDVC規格のDV圧縮ではなくMPEG2圧縮であり、テープ幅は6.35mmから3.8mmに、最短記録波長は0.49μmから0.29μmに、トラックピッチはDVの10μm、DVLPの6.7μmから5μmと変わり、大幅に高密度化されている。蒸着テープの磁性層はDVCのCo酸化膜厚さの160〜220nmからMICRO MVテープではCo酸化膜厚さが50nmと大幅に薄膜化されている。この高密度記録、再生を可能としたのは再生用に磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)を適用したからである。このMRヘッドは、磁気記録媒体からの微小な漏洩磁束を高感度に検出することができるという特性を有するため、磁気記録層の薄層化を進めることにより、低ノイズ化することが可能になり、面記録密度の向上を図ることが可能になる。
しかしながら、このMRヘッドの適用にあたり、デジタル記録方式の上記(1)、(2)のようなベースフィルムを用いることは可能であるが、(2)のような連続皮膜を有するベースフィルムから作成した磁気テープでは、記録ヘッドによる磁気テープ表面の耐久性と磁気テープ表面磁性層による再生MRヘッドの耐久性の問題の両立が困難である。すなわちMRヘッドの金属薄膜の膜厚は20nm程度と非常に薄く、非常に削れやすいので、DVCテープで使用している上記(2)の従来ベースから作成したMICRO MVテープではMRヘッドの走行寿命が極端に短くなり(連続再生100時間程度)、頻繁なMRヘッド交換が必要となる。また、上記(1)のようなベースフィルムから作製した磁気テープで、磁気テープの電磁変換特性が高くなるように、ベースフィルム表面の微細粒子の個数を減らす、または微細粒子の大きさを小さくする等の方法をとり、表面粗さを低減させた場合、電磁変換特性の向上は極めて向上するが、MRヘッドとの摩擦が増加し走行耐久性が著しく低下する。
ところで、近年は、ハードディスクの記録容量が非常に速い速度で増大してきているため、これらハードディスクのバックアップに用いる磁気記録媒体の記録容量も更なる増大が望まれている。磁気記録媒体においては、高密度化、高容量化が進められており、電磁変換特性の点よりベースフイルムの表面はできるだけ平滑であることが求められている。しかし、磁気記録テープとして使用する際、磁気ヘッドとの摩擦が増加し走行耐久性が低下する。すなわち、超高密度磁気記録テープを得るためには、電磁変換特性の向上と走行耐久性の改良という相反する特性を両立する手段が必要となる。
特公昭63−57238号公報
特開2002−160336号公報
本発明の目的は、上記した従来の問題を解決し、高密度での記録が可能である大容量磁気記録テープ用ポリエステルフィルムとして、電磁変換特性に非常に優れ、かつ磁気ヘッドとの走行耐久性を改良し、特にハードディスクのバックアップ用途に好適なベースとなるポリエステルフィルムを提供することにある。
上記した目的を達成するための本発明は以下の特徴を有する。
[1]ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水溶性高分子または水分散性高分子を構成成分とする皮膜が形成されてなり、この皮膜には、平均粒径が異なる少なくとも2種の粒子が含有され、この粒子のうち最も平均粒径の大きな粒子(粒子A)の平均粒径をDA(nm)とし、最も平均粒径の小さな粒子(粒子B)の平均粒径をDB(nm)としたとき、DAとDBとが下記式(1)および(2)を満足すると共に、粒子Aに起因する突起の個数密度をNA(個/mm2)とし、粒子Bに起因する突起の個数密度をNB(個/mm2)としたとき、NAとNBとが下記式(3)を満足する磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
(1)5 < DB < 40
(2)5 > DA/DB > 1
(3)1 > NA/NB > 0.01
[2]皮膜の表面粗さRa値が0.5〜7nmである、上記[1]に記載の磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
(2)5 > DA/DB > 1
(3)1 > NA/NB > 0.01
[2]皮膜の表面粗さRa値が0.5〜7nmである、上記[1]に記載の磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
[3]粒子Aおよび/または粒子Bが球状シリカ粒子である、上記[1]または[2]に記載の磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
[4]粒子Aおよび/または粒子Bが、スチレン、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルおよびジビニルベンゼンからなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体の重合体または共重合体を構成成分とする高分子粒子である、上記[1]または[2]に記載の磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
[5]ポリエステルフィルムと皮膜とを含む総厚みが2〜10μmである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
[6]ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートを構成成分として含んでいる、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
本発明によれば、電磁変換特性に非常に優れ、且つ磁気ヘッドとの走行耐久性が良好な超高密度磁気記録テープの製造が可能となる。
また、本発明の記録媒体用ポリエステルフィルムを用いると、超高密度にデジタル記録することが可能であり、かつ繰り返し走行させても走行耐久性が良好であるMRヘッド対応の磁気記録テープを製造することができる。特に、データパックアップ用途のベースフィルムとして使用すると優れた結果を得ることができ、好適である。
本発明においてポリエステルフィルムを構成するポリマー(構成成分)は、分子配向により高強度フィルムを形成するポリエステルであればよい。中でもポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(ポリエチレン−2,6−ナフタレート)が好ましい。このポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートは、それぞれ、全構成成分の80モル%以上がエチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートであることが好ましい。エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート以外の共重合成分としては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸(ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートの場合)、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸(ポリエチレンテレフタレートの場合)、2,7−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3官能以上の多価カルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。上記ポリエステルは、また、ポリエステルとは非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレングリコールなどの少なくとも一つを5質量%を超えない範囲で混合してもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムは単層構造のフィルムであっても、共押出法等による二層以上の多層構造を有するフィルムであってもよい。例えば、二層構造フィルムの場合は、磁性層形成面側ポリエステル(以下ポリエステルPとする)とその反対側のポリエステル(走行面側、以下ポリエステルQとする)からなり、ポリエステルPは実質的に不活性粒子を含有してもしなくてもよい。ポリエステルQはフィルムの巻取り性の観点より不活性粒子を含有することが好ましい。ポリエステルP、Qは同じ種類でも異なる種類であってもよい。
ポリエステルPに不活性粒子を含有させる場合、ポリエステルに含有させる好ましい不活性粒子としては、例えば、(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステルなどからなる粒子)、(2)金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど)、(3)金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、(4)金属の硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、(5)炭素(例えば、カーボンブラック、グラファイト、ダイヤモンドなど)、および(6)粘土鉱物(例えば、カオリン、クレー、ベントナイトなど)などのような無機化合物からなる粒子が挙げられる。これらのうち、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂粒子、ポリアミドイミド樹脂粒子、その他酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、合成炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ダイヤモンド、またはカオリンからなる粒子が好ましい。さらに好ましくは、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、その他酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、または炭酸カルシウムからなる粒子である。これらの不活性粒子は1種または2種以上のものを使用してもよい。また界面活性化剤、帯電防止剤、各種エステル成分等、異なる成分を添加させてもよい。
ポリエステルQに含有させる好ましい不活性粒子としては、例えば、(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステルなどからなる粒子)、(2)金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど)、(3)金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、(4)金属の硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、(5)炭素(例えば、カーボンブラック、グラファイト、ダイヤモンドなど)、および(6)粘土鉱物(例えば、カオリン、クレー、ベントナイトなど)などのような無機化合物からなる粒子が挙げられる。これらのうち、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂粒子、ポリアミドイミド樹脂粒子、その他酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、合成炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ダイヤモンド、またはカオリンからなる粒子が好ましい。さらに好ましくは、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、その他酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、または炭酸カルシウムからなる微粒子である。これらの不活性粒子は1種または2種以上のものを使用してもよい。また界面活性化剤、帯電防止剤、各種エステル成分等、異なる成分を添加させてもよい。
本発明においては、上記したポリエステルフィルムの少なくとも片面に、以下に詳述する皮膜が形成されている。この皮膜は、磁性層形成面側表面(以下、表面Iという)に形成されていることが好ましい。
上記した皮膜は、水溶性高分子または水分散性高分子を構成成分としている。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエステルエーテル共重合体、水溶性ポリエステル共重合体等が好ましく挙げられ、なかでも、セルロース誘導体と水溶性ポリエステル共重合体の高分子ブレンド体が特に好ましい。水溶性ポリエステル共重合体としては、ジカルボン酸成分とグリコール成分が重縮合したポリエステルであって、例えばスルホン酸基を有するジカルボン酸成分のような機能性酸成分を全カルボン酸成分の5モル%以上共重合せしめること、及び/又は、グリコール成分としてポリアルキレンエーテルグリコール成分を2〜70質量%共重合せしめることによって水溶性を付与したものが好ましいが、これらに限定されるものではない。スルホン酸基を有するジカルボン酸としては、好ましくは5−スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸などや、それらの金属塩、ホスホニウム塩などが使用でき、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が特に好ましい。5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合せしめる際の他のジカルボン酸成分としてはイソフタル酸、テレフタル酸などが好ましく、グリコール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリコールなどが好ましい。セルロース誘導体は特にフィルム表面の微細凹凸構造の形成に寄与し、水溶性ポリエステル共重合体はセルロース誘導体とポリエステルフィルム表面との接着性向上に寄与する。
水分散性高分子としては、ポリメタクリル酸メチルエマルジョン、ポリアクリル酸エステルエマルジョン等が使用できる。
本発明においては、皮膜中に、平均粒径が異なる少なくとも2種の粒子を含んでいる。
皮膜が表面Iに形成されている場合、その皮膜中に含まれる、上記粒子の材質としては、同じ材質のものでもよいし、異なる材質のものを用いてもかまわない。
材質はポリスチレン、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、およびジビニルベンゼンから選ばれた、各単量体の重合体、あるいは共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン、シリコーン等の有機質、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、グラファイト等の無機質のいずれを用いてもよい。
また、本発明においては、上記した粒子のうち、最も平均粒径の大きな粒子(粒子A)の平均粒径をDA(nm)とし、最も平均粒径の小さな粒子(粒子B)の平均粒径をDB(nm)としたとき、DAとDBとが下記式(1)および(2)を満足すると共に、粒子Aに起因する突起の個数密度をNA(個/mm2)とし、粒子Bに起因する突起の個数密度をNB(個/mm2)としたとき、NAとNBとが下記式(3)を満足している。
(1)5 < DB < 40
(2)5 > DA/DB > 1
(3)1 > NA/NB > 0.01
ここで、粒子Aは走行耐久性を維持する役割を果たし、その材質は走行耐久性の面から有機質がより好ましく、特にスチレン−アクリル酸メチルエステル−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい。また、粒子Aの平均粒径DAが60nmを超え、粒子Aに起因する突起の個数密度が1×107個/mm2を超えると電磁変換特性が著しく低下し、また磁気テープの磁性層表面が削れて磁気テープのドロップアウトが増加しがちとなる。また、粒子Bの平均粒径DBは5nmを超え40nm未満であることが好ましく、より好ましくは8〜20nmである。粒子Bの平均粒径が40nm以上の場合、電磁変換特性が低下する傾向にある。また、粒径比DA/DBは1より大きく、5未満であることが好ましく、より好ましくは0.2より大きく、0.6未満である。この粒径比が5以上であると、磁気記録媒体としたときに磁気ヘッドとのスペーシングが大きくなり、電磁変換特性が低下しやすい。また、個数密度比NA/NBは0.01より大きく、1未満であることが好ましく、より好ましくは0.1より大きく、0.6未満である。NA/NBが1以上の場合、磁気ヘッドとのスペーシングが大きくなるため、電磁変換特性が低下する傾向にある。また、NA/NBが0.01以下であると、走行耐久性を維持するための粒子Aの効果が十分に発揮できないことがある。
(2)5 > DA/DB > 1
(3)1 > NA/NB > 0.01
ここで、粒子Aは走行耐久性を維持する役割を果たし、その材質は走行耐久性の面から有機質がより好ましく、特にスチレン−アクリル酸メチルエステル−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい。また、粒子Aの平均粒径DAが60nmを超え、粒子Aに起因する突起の個数密度が1×107個/mm2を超えると電磁変換特性が著しく低下し、また磁気テープの磁性層表面が削れて磁気テープのドロップアウトが増加しがちとなる。また、粒子Bの平均粒径DBは5nmを超え40nm未満であることが好ましく、より好ましくは8〜20nmである。粒子Bの平均粒径が40nm以上の場合、電磁変換特性が低下する傾向にある。また、粒径比DA/DBは1より大きく、5未満であることが好ましく、より好ましくは0.2より大きく、0.6未満である。この粒径比が5以上であると、磁気記録媒体としたときに磁気ヘッドとのスペーシングが大きくなり、電磁変換特性が低下しやすい。また、個数密度比NA/NBは0.01より大きく、1未満であることが好ましく、より好ましくは0.1より大きく、0.6未満である。NA/NBが1以上の場合、磁気ヘッドとのスペーシングが大きくなるため、電磁変換特性が低下する傾向にある。また、NA/NBが0.01以下であると、走行耐久性を維持するための粒子Aの効果が十分に発揮できないことがある。
なお、上述の特性を満足させやすいという観点から、粒子Aおよび/または粒子Bが球状シリカ粒子であることが好ましく、また、粒子Aおよび/または粒子Bが、スチレン、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルおよびジビニルベンゼンからなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体の重合体または共重合体を構成成分とする高分子粒子であることも好ましい。
本発明において、表面Iの皮膜上の表面粗さRa値は0.5〜7nmであることが好ましく、より好ましくは1nm以上4nm未満である。Ra値が7nmを超えると、磁気テープの磁気ヘッドとの走行耐久性は向上するが、電磁変換特性が上がらない傾向にある。また、Ra値が0.5未満であると、磁気ヘッドとの摩擦が増え走行耐久性が低下する。
本発明において、走行面側表面(以下表面IIとする)には、シリコーン等の潤滑剤が含まれた、表面Iより粗い被覆層が設けられるか、より不活性粒子を含有するポリエステルQ層が積層されて二層構造とする、あるいは更にその上に粗い被覆層が設けられたものが特に好ましく用いられる。表面IIに被膜層を設けると、フィルム−フィルム相互の滑り性が向上し、加工工程でのフィルムの巻取り、巻き出し等のハンドリング性が良くなる。
表面IIに設ける被膜層としては、易滑性であって削られにくく、かつ、ポリエステルフィルムからの分解物を通さない機能を有するものであればよく、主として、水溶性高分子及び/又は水分散性高分子から構成され、好ましくは、水溶性高分子及び/又は水分散性高分子にシリコーン及びシランカップリング剤とが加わった組成物から形成されることが好ましい。被膜層に用いられる水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエステルエーテル共重合体、水溶性ポリエステル共重合体等が使用できる。また、水分散性高分子のエマルジョンとしては、ポリメタクリル酸メチルエマルジョン、ポリアクリル酸エステルエマルジョン等が使用できる。
シリコーンとしては、ポリジメチルシロキサン等のシロキサン結合を分子骨格にもつ有機ケイ素化合物が共有結合で多数つながった重合体が使用できる。シリコーンにより被膜層の易滑性が向上し、表面II側のフィルムの走行性、耐削れ性が確保される。またポリエステルフィルムを巻いたときのフィルム間のブロッキングが防止される。なおフッ素化合物を易滑剤として用いてもよい。
シランカップリング剤としては、その分子中に2個以上の異なった反応基をもつ有機ケイ素単量体が挙げられ、その反応基の一つはメトキシ基、エトキシ基、シラノール基などであり、もう一つの反応基はビニル基、エポキシ基、メタアクリル基、アミノ基、メルカプト基などである。反応基としては水溶性高分子の側鎖、末端基およびポリエステルと結合するものが選ばれるが、シランカップリング剤としてビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が適用できる。シランカップリング剤はシリコーンの易滑剤層からの遊離防止に寄与し、さらに、被膜層とポリエステルとの接着性向上にも寄与する。
本発明におけるポリエステルフィルムは、皮膜や被膜層を含む総厚みが2〜10μmであることが好ましく、さらには4〜6μmであることが好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは種々の方法により製造することが可能である。例えば、二層構造の積層ポリエステルフィルムを得るには、共押出し法により製造するのが好ましく、表面Iおよび表面IIの皮膜や被膜層の形成は塗布法により行うのが好ましい。
以下、本発明におけるポリエステルフィルムを例により説明する。
押出機にて必要に応じて不活性粒子を含有させたポリエステルPを溶融状態にしてさらにそのままフィルターにて高精度濾過し、また、二層構造からなるポリエステルフィルムを得るには、別の押出機にて不活性粒子を含有させたポリエステルQを溶融状態にしてさらに別のフィルターにて高精度濾過したのち、フィードブロックにそれぞれ導き、溶融状態にて複合積層せしめる。ポリエステルPとポリエステルQとの積層厚みの比は、各層の押出機の押出量を調整することにより、上記記載の好適な積層厚み比にすることができる。このようにして溶融、好ましくは積層せしめた後、融点(Tm)〜(Tm+70)℃の温度で口金より押出もしくは共押出ししたのち、10〜50℃のキャスティングドラム上で急冷固化して未延伸積層フィルムシートを得る。その後、上記未延伸積層フィルムを常法に従い、一軸方向(縦方向または横方向)に(Tg)〜(Tg+80)℃の温度(ただし、Tgはポリエステルのガラス転移温度)で2〜8倍の倍率で、好ましくは3〜7.5倍で延伸する。さらに必要に応じて、皮膜層Iあるいは皮膜層IIを形成するための塗液をフィルム表面に塗布して乾燥し、その後上記延伸方向とは直角方向に(一軸延伸方向とは直交する方向に)延伸配向させ、熱固定する製造方法により、本発明のフィルムを製造することができる。
表面Iに皮膜を形成するために塗布する塗液の固形分濃度としては0.01〜1質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.6質量%である。そして水性塗液には本発明の効果を妨げない範囲で、他の成分、例えば他の界面活性剤、安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、増粘剤、帯電防止剤などを添加することができる。
表面IIに被膜層を形成するために塗布する塗液の固形分濃度としては0.01〜1質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜0.8質量%である。そして水性塗液には本発明の効果を妨げない範囲で、他の成分、例えば他の界面活性剤、安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、増粘剤、帯電防止剤などを添加することができる。
二軸延伸は例えば逐次二軸延伸法又は同時二軸延伸法で行うことができるが、所望するならば熱固定前にさらに縦方向あるいは横方向、またはその両方(縦と横方向)に再度延伸させ機械的強度を高めた、いわゆる強力化タイプとすることもできる。
表面Iに皮膜を形成するためには、前述した通り、1軸方向への延伸を終えた段階で所定組成・濃度の塗液を基層フィルム上に塗布する方法をとればよい。その塗布方法としては、ドクターブレード方式、グラビア方式、リバースロール方式、メイヤーバー方式のいずれであってもよい。表面IのRa値は皮膜中の粒子、成分、ポリエステルP内部の微細粒子の調整により制御することができる。表面IIの被膜層の形成に関しても同様の方法を用いればよく、皮膜yや被膜層の厚みは、塗布液の固形分濃度、塗布液厚みの調整により所望値に制御することができる。
本発明のポリエステルフィルムは磁気記録媒体のベースフィルムとして、特にデジタルデータを記録しMRヘッドで再生する磁気テープ用途に使用すると、高密度で記録が可能であり、かつ耐久性に優れた結果を得ることができるため、大容量ハードディスクのバックアップ用途に好適に使用することができる。
本実施例で用いた測定法を以下に示す。
(1−1)表面Iの粒子の平均粒径(皮膜中の粒子)
フィルムの皮膜表面I上に金属スパッター装置により金薄膜蒸着層を20〜30nm(この時のスパッターの蒸着膜厚をxnmとする)で設け、電子顕微鏡(好ましくは走査型電子顕微鏡)により倍率5万倍で観測し、少なくとも100個の粒子について面積円相当径を求め、この数平均値より2xnmを減じた値をもって平均粒径とする。
フィルムの皮膜表面I上に金属スパッター装置により金薄膜蒸着層を20〜30nm(この時のスパッターの蒸着膜厚をxnmとする)で設け、電子顕微鏡(好ましくは走査型電子顕微鏡)により倍率5万倍で観測し、少なくとも100個の粒子について面積円相当径を求め、この数平均値より2xnmを減じた値をもって平均粒径とする。
(1−2)フィルム表面の粒子の個数密度
フィルムの皮膜表面I上の、異なる平均粒径をもつ2種以上の粒子の個数密度は、フィルムの皮膜表面I上に、金スパッター装置により金薄膜蒸着層を20〜30nmで設け、電子顕微鏡(好ましくは走査型電子顕微鏡)により5万倍の拡大倍率で観察し、10枚写真撮影を行う(写真1枚あたりの面積は3.6×10−6mm2である)。撮影された10枚の写真から、写真に観察されるそれぞれの粒径を有する粒子の個数をカウントし、1mm2あたりの粒子数に換算して、粒子個数とした。
フィルムの皮膜表面I上の、異なる平均粒径をもつ2種以上の粒子の個数密度は、フィルムの皮膜表面I上に、金スパッター装置により金薄膜蒸着層を20〜30nmで設け、電子顕微鏡(好ましくは走査型電子顕微鏡)により5万倍の拡大倍率で観察し、10枚写真撮影を行う(写真1枚あたりの面積は3.6×10−6mm2である)。撮影された10枚の写真から、写真に観察されるそれぞれの粒径を有する粒子の個数をカウントし、1mm2あたりの粒子数に換算して、粒子個数とした。
(2)フィルムの表面粗さRa値、Rz値
フィルムの表面の表面粗さRa値、Rz値は、原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)を用いて測定した。具体的には、セイコーインスツルメント(株)製の卓上小型プローブ顕微鏡(“Nanopics” 1000)を用い、ダンピングモードで、フィルムの表面を40μm角の範囲で原子間力顕微鏡計測走査を行い、得られる表面のプロファイル曲線よりJIS・B0601・1996・Raに相当する算術平均粗さよりRaを、十点平均粗さよりRz値を求めた。なお、測定条件の詳細は以下のとおりである。
測定面 表面I 表面II
測定モード ダンピングモード ダンピングモード
測定方向 幅方向 幅方向
測定領域 40×40μm 40×40μm
スキャンスピード 380s/FRAME 380s/FRAME
スキャン回数 512本 512本
振幅モード LL(20%) HH(100%)
(3)フィルム全体の総厚み
フィルム全体の総厚みはマイクロメーターにてランダムに10点測定し、その平均値を用いた。
フィルムの表面の表面粗さRa値、Rz値は、原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)を用いて測定した。具体的には、セイコーインスツルメント(株)製の卓上小型プローブ顕微鏡(“Nanopics” 1000)を用い、ダンピングモードで、フィルムの表面を40μm角の範囲で原子間力顕微鏡計測走査を行い、得られる表面のプロファイル曲線よりJIS・B0601・1996・Raに相当する算術平均粗さよりRaを、十点平均粗さよりRz値を求めた。なお、測定条件の詳細は以下のとおりである。
測定面 表面I 表面II
測定モード ダンピングモード ダンピングモード
測定方向 幅方向 幅方向
測定領域 40×40μm 40×40μm
スキャンスピード 380s/FRAME 380s/FRAME
スキャン回数 512本 512本
振幅モード LL(20%) HH(100%)
(3)フィルム全体の総厚み
フィルム全体の総厚みはマイクロメーターにてランダムに10点測定し、その平均値を用いた。
(4)フィルム長手方向のヤング率
引張試験測定により得られる応力-ひずみ曲線におけるスタート点の立ち上がり勾配からASTM−D882−02に準じてヤング率を求め、MPaで表す。サンプル幅、実効長さは、それぞれ10mm、100mmとした。引張速度は100mm/minとした。
引張試験測定により得られる応力-ひずみ曲線におけるスタート点の立ち上がり勾配からASTM−D882−02に準じてヤング率を求め、MPaで表す。サンプル幅、実効長さは、それぞれ10mm、100mmとした。引張速度は100mm/minとした。
(5)磁気テープ(MICRO MVテープ)の特性
磁気テープの特性は以下のようにして評価した。
磁気テープの特性は以下のようにして評価した。
本発明のフィルムの表面Iに、真空蒸着装置を用いて、コバルト-酸素皮膜を50nmの膜厚で形成した。次いで、コバルト-酸素皮膜層上に、スパッタリング法によりダイヤモンド状カーボン膜を10nmの厚さで形成させ、フッ素含有脂肪酸エステル系潤滑剤を3nmの厚さで塗布した。続いて表面II上に、カーボンブラック、ポリウレタン、シリコーンからなるバックコート層を500nmの厚さで設け、スリッターにより3.8mm幅にスリットし、リールに巻き取り磁気テープ(MICROMVテープ)を作製した。
(5−1)走行耐久性の評価
磁気テープ(MICRO MVテープ)の走行耐久性は、市販のMICRO MV方式ビデオカメラ(MICRO MVビデオカメラ)を用いて静かな室内で録画し、1分間の再生をして画面にあらわれたブロック状のモザイク個数(ドロップアウト(DO)個数)を数えることによって、評価した。DO個数は常温(25℃)でテープ製造後の初期特性(初回のDO個数)を最初に調べた。次にテープの再生を全長にわたり200回くり返し、200回目の再生時のDO個数を測定した。
磁気テープ(MICRO MVテープ)の走行耐久性は、市販のMICRO MV方式ビデオカメラ(MICRO MVビデオカメラ)を用いて静かな室内で録画し、1分間の再生をして画面にあらわれたブロック状のモザイク個数(ドロップアウト(DO)個数)を数えることによって、評価した。DO個数は常温(25℃)でテープ製造後の初期特性(初回のDO個数)を最初に調べた。次にテープの再生を全長にわたり200回くり返し、200回目の再生時のDO個数を測定した。
走行耐久性は、
(200回目再生時の1分間あたりのDO個数)−(初回再生時の1分間あたりのDO個数)
により以下のように判定した。
(200回目再生時の1分間あたりのDO個数)−(初回再生時の1分間あたりのDO個数)
により以下のように判定した。
0個/分 :◎
1〜2個/分 :○
3〜5個/分 :△
6個以上/分 :×
(5−2)電磁変換特性(C/N)の評価
上記で作製したテープについて、市販のMICRO MV方式ビデオカメラ(MICRO MVビデオカメラ)を用いて、7MHz±1MHzのC/Nの測定を行った。このC/Nを市販のMICRO MVテープと比較して、以下のように判定した。
1〜2個/分 :○
3〜5個/分 :△
6個以上/分 :×
(5−2)電磁変換特性(C/N)の評価
上記で作製したテープについて、市販のMICRO MV方式ビデオカメラ(MICRO MVビデオカメラ)を用いて、7MHz±1MHzのC/Nの測定を行った。このC/Nを市販のMICRO MVテープと比較して、以下のように判定した。
+3dB以上 :◎
+2〜+3dB :○
+1〜+2dB :△
+1dB未満 :×
次に実施例に基づき、本発明を説明する。
+2〜+3dB :○
+1〜+2dB :△
+1dB未満 :×
次に実施例に基づき、本発明を説明する。
[実施例1]
(ポリエステルPの製造方法)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部、酢酸カルシウム0.09質量部を反応器に入れて180〜210℃にてエステル交換反応を施し、メタノールを留出させた。エステル交換反応が終了した時点でリン酸0.02質量部および三酸化アンチモン0.03質量部を添加し、引き続いて系内を徐々に減圧し、60分で1mmHg以下とした。それと同時に徐々に昇温し290℃とした。重縮合反応を2時間実施し、実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタレート(PET)を得た。
(ポリエステルPの製造方法)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部、酢酸カルシウム0.09質量部を反応器に入れて180〜210℃にてエステル交換反応を施し、メタノールを留出させた。エステル交換反応が終了した時点でリン酸0.02質量部および三酸化アンチモン0.03質量部を添加し、引き続いて系内を徐々に減圧し、60分で1mmHg以下とした。それと同時に徐々に昇温し290℃とした。重縮合反応を2時間実施し、実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタレート(PET)を得た。
(ポリエステルQの製造方法)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部、酢酸カルシウム0.09質量部を反応器に入れて180〜210℃にてエステル交換反応を施し、メタノールを留出させた。エステル交換反応が終了した時点でリン酸0.02質量部および三酸化アンチモン0.03質量部を添加し、引き続いて系内を徐々に減圧し、60分で1mmHg以下とした。それと同時に徐々に昇温し290℃とした。重縮合反応を2時間実施し、その後吐出ノズルより水中に押出しカッターによって系約5mm長さ約7mmの円柱状のチップとした。こうして得られたポリマーに数平均粒径300nmのポリスチレン球を0.50wt%含有させポリエステルQを得た。
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部、酢酸カルシウム0.09質量部を反応器に入れて180〜210℃にてエステル交換反応を施し、メタノールを留出させた。エステル交換反応が終了した時点でリン酸0.02質量部および三酸化アンチモン0.03質量部を添加し、引き続いて系内を徐々に減圧し、60分で1mmHg以下とした。それと同時に徐々に昇温し290℃とした。重縮合反応を2時間実施し、その後吐出ノズルより水中に押出しカッターによって系約5mm長さ約7mmの円柱状のチップとした。こうして得られたポリマーに数平均粒径300nmのポリスチレン球を0.50wt%含有させポリエステルQを得た。
得られたポリエステルP、ポリエステルQを、それぞれ170℃で3時間乾燥後、2台の押出し機に、厚みの比が6:1となるように調整して共押出しにより供給し、溶融温度280〜300℃にて溶融し、平均目開き1μmの鋼線フィルターで高精度ろ過したのち、マルチマニホールド型共押出しダイを用いて、ポリエステルAの片面にポリエステルBを積層させ、温度25℃のキャスティングドラム上にて急冷して未延伸フィルムを得た。次にこのようにして得られた未延伸フィルムを予熱し、ロール延伸法にて110℃で3倍に縦延伸した。
縦延伸後の工程にて、片側表面Iの外側に下記組成・濃度の水溶液を固形分塗布量が25mg/m2となるようメイヤーバー方式にて塗布した。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の球状高分子粒子 3.8×10−4質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 2.7×10−3質量%
また、表面II側に被膜層Bを設けるため、ポリエステル層Bの外側に下記組成・濃度の水溶液を固形分塗布量が45mg/m2となるようエアナイフ方式にて塗布した。
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の球状高分子粒子 3.8×10−4質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 2.7×10−3質量%
また、表面II側に被膜層Bを設けるため、ポリエステル層Bの外側に下記組成・濃度の水溶液を固形分塗布量が45mg/m2となるようエアナイフ方式にて塗布した。
表面IIへの塗布水溶液の組成
水 99.44質量%
メチルセルロース 0.26質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.29質量%
アミノエチルシランカップリング剤 1.1×10−3質量%
その後、ステンターにて横方向に110℃で4倍に延伸した。得られた二軸延伸フィルムを220℃の熱風で4秒間熱固定し、二軸配向ポリエステルフィルムを得た。これをスリッターで小幅にスリットし、円筒コアーにロール状に巻取り、厚さ5.4μmのポリエステルフィルムを作製した。
水 99.44質量%
メチルセルロース 0.26質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.29質量%
アミノエチルシランカップリング剤 1.1×10−3質量%
その後、ステンターにて横方向に110℃で4倍に延伸した。得られた二軸延伸フィルムを220℃の熱風で4秒間熱固定し、二軸配向ポリエステルフィルムを得た。これをスリッターで小幅にスリットし、円筒コアーにロール状に巻取り、厚さ5.4μmのポリエステルフィルムを作製した。
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[実施例2]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 3.8×10−4質量%
粒子B 平均粒径20nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 1.1×10−3質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 3.8×10−4質量%
粒子B 平均粒径20nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 1.1×10−3質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[実施例3]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 2.9×10−4質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 1.5×10−3質量%
その他の粒子 平均粒径20nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 1.4×10−4質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 2.9×10−4質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 1.5×10−3質量%
その他の粒子 平均粒径20nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 1.4×10−4質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[実施例4]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径80nmの球状シリカ粒子 0.067質量%
粒子B 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 2.8×10−4質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径80nmの球状シリカ粒子 0.067質量%
粒子B 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 2.8×10−4質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[実施例5]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径20nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 3.7×10−4質量%
粒子B 平均粒径8nmの球状シリカ粒子 7.5×10−4質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径20nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 3.7×10−4質量%
粒子B 平均粒径8nmの球状シリカ粒子 7.5×10−4質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[実施例6]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 5.7×10−4質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 8.5×10−4質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 5.7×10−4質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 8.5×10−4質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[実施例7]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 6.2×10−5質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 5.1×10−3質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 6.2×10−5質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 5.1×10−3質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[実施例8]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径80nmの球状シリカ粒子 0.015質量%
粒子B 平均粒径18nmの球状シリカ粒子 3.4×10−3質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径80nmの球状シリカ粒子 0.015質量%
粒子B 平均粒径18nmの球状シリカ粒子 3.4×10−3質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[比較例1]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 1.2×10−3質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 1.9×10−3質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 1.2×10−3質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 1.9×10−3質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[比較例2]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.53質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 2.4×10−5質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 0.011質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.53質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径30nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 2.4×10−5質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 0.011質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[比較例3]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.42質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径80nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 5.1×10−3質量%
粒子B 平均粒径60nmの球状シリカ粒子 0.13質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.42質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径80nmのスチレン-アクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体の粒子 5.1×10−3質量%
粒子B 平均粒径60nmの球状シリカ粒子 0.13質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[比較例4]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径18nmの球状シリカ粒子 3.7×10−3質量%
粒子B 平均粒径4nmの球状シリカ粒子 1.4×10−4質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.54質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径18nmの球状シリカ粒子 3.7×10−3質量%
粒子B 平均粒径4nmの球状シリカ粒子 1.4×10−4質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
[比較例5]
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例1の表面I側の塗布水溶液を以下のように変える以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
表面Iへの塗布水溶液の組成
水 99.23質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径80nmの球状シリカ粒子 0.10質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 3.8×10−3質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
水 99.23質量%
メチルセルロース 0.14質量%
水溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.31質量%
粒子A 平均粒径80nmの球状シリカ粒子 0.10質量%
粒子B 平均粒径12nmの球状シリカ粒子 3.8×10−3質量%
得られたポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。
表1から明らかなように、本発明によるポリエステルフィルムをベースフィルムに用いて製造された磁気記録テープは、電磁変換特性に非常に優れ、繰り返し走行させても走行耐久性の良好な磁気記録テープであった。
Claims (6)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水溶性高分子または水分散性高分子を構成成分とする皮膜が形成されてなり、この皮膜には、平均粒径が異なる少なくとも2種の粒子が含有され、この粒子のうち最も平均粒径の大きな粒子(粒子A)の平均粒径をDA(nm)とし、最も平均粒径の小さな粒子(粒子B)の平均粒径をDB(nm)としたとき、DAとDBとが下記式(1)および(2)を満足すると共に、粒子Aに起因する突起の個数密度をNA(個/mm2)とし、粒子Bに起因する突起の個数密度をNB(個/mm2)としたとき、NAとNBとが下記式(3)を満足する磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
(1)5 < DB < 40
(2)5 > DA/DB > 1
(3)1 > NA/NB > 0.01 - 皮膜の表面粗さRa値が0.5〜7nmである、請求項1に記載の磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
- 粒子Aおよび/または粒子Bが球状シリカ粒子である、請求項1または2に記載の磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
- 粒子Aおよび/または粒子Bが、スチレン、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルおよびジビニルベンゼンからなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体の重合体または共重合体を構成成分とする高分子粒子である、請求項1または2に記載の磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムと皮膜とを含む総厚みが2〜10μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートを構成成分として含んでいる、請求項1〜5のいずれかに記載の磁気記録テープ用ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007246737A JP2009076174A (ja) | 2007-09-25 | 2007-09-25 | 磁気記録テープ用ポリエステルフィルム |
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JP2007246737A JP2009076174A (ja) | 2007-09-25 | 2007-09-25 | 磁気記録テープ用ポリエステルフィルム |
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ID=40610983
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010225249A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Toray Ind Inc | 磁気記録テープ用ポリエステルフィルム |
-
2007
- 2007-09-25 JP JP2007246737A patent/JP2009076174A/ja active Pending
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