JPH10261215A - 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ

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JPH10261215A
JPH10261215A JP6436297A JP6436297A JPH10261215A JP H10261215 A JPH10261215 A JP H10261215A JP 6436297 A JP6436297 A JP 6436297A JP 6436297 A JP6436297 A JP 6436297A JP H10261215 A JPH10261215 A JP H10261215A
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polyester film
polyester
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tape
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Kazushi Tamada
一志 玉田
Masaru Suzuki
勝 鈴木
Masaaki Ono
雅章 小野
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性に優れ、DOの少ないデジタル
ビデオテープを作成するためにハンドリング性の良い適
切なベースフィルムを提供すること。 【解決手段】 ポリエステルフイルムの一方の片側表面
AのSRa値が2〜4nm、SRz値が10〜40n
m、他方の片側表面Bが皮膜と該皮膜中及び/又は該皮
膜表面に存在する微粒子からなり、該皮膜の20〜80
重量%がフッ素あるいはシリコン化合物を共重合成分と
してもつ易接着性高分子であって、表面Aの外側に強磁
性金属薄膜層を設け、表面Bの外側にバックコート層を
設けて使用されることを特徴とする磁気記録媒体用ポリ
エステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用ポ
リエステルフィルム、特にデジタルビデオカセットテー
プ用、データストレージテープ用等のデジタルデータを
記録する強磁性金属薄膜型磁気記録媒体用のベースフィ
ルムとして好適なポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】1995年に実用化された民生用デジタ
ルビデオテープはベースフィルム上にCoの金属磁性薄
膜を真空蒸着により設け、その表面にダイヤモンド状カ
ーボン膜をコーティングしてなり、Hi8用ME(蒸
着)テープに比べて表面性が更に平滑化したにもかかわ
らず、良好な耐久性をもつ。そのベースフィルムとして
は(1) ポリエステルフィルムと、該フィルムの少なくと
も片面に密着されたポリマーブレンド体と粒径50〜5
00オングストロームの微細粒子を主体とした不連続皮
膜とからなり、該不連続皮膜には水溶性ポリエステル共
重合体が含有され、微細粒子により不連続皮膜上に微細
突起が形成されたポリエステルフィルム(例えば特公昭
63−57238号公報)、(2) 平滑なポリエステルフ
ィルムであり、少なくとも一方の面に易接着性樹脂
[A]とシリコーン[B]を主体としたポリマー層が密
着し、該面にバックコート層、他方の面に強磁性金属薄
膜層が形成されることを特徴とする易接着性ポリエステ
ルフィルム(例えば特開昭61−5941、特許第25
55998号)等が用いられ、Hi8MEテープ用ベー
スに比べ、更に金属磁性膜形成表面粗度の小さいベース
フィルムが利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
に非常に平滑な民生用デジタルビデオテープは、蒸着工
程での冷却キャンに付着する汚れ、異物の影響により、
得られたテープの電磁変換特性、ドロップアウト(D
O)特性が非常に変化する。
【0004】すなわち、従来のベースフィルムを、デジ
タルビデオテープ用の強磁性金属薄膜を真空蒸着により
設けてなる磁気記録媒体用ベースフィルムとしてみた場
合、(1) は高密度磁気記録特性を与えるが、ポリエステ
ルフィルムの走行面側のすべり性が悪く、ハンドリング
性が不良である、(2) のベースフィルムは非磁性面側表
面のシリコーンが蒸着工程、特に真空蒸着の冷却キャン
に転写、付着しがちであり、それにより冷却キャンが汚
れ、DOが多くなったり、磁性面側への変形を起こし、
電磁変換特性が悪化する等の欠点があった。
【0005】従って本発明は、真空蒸着工程で冷却キャ
ンに付着する汚れが少なく、真空蒸着により得られた磁
気テープの電磁変換特性が良好な、しかもハンドリング
性が良好な磁気記録媒体用ポリエステルフィルムを与え
る事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる問題を解決するた
めに、本発明は以下の構成からなる。
【0007】すなわち、 1.ポリエステルフイルムの一方の片側表面AのSRa
値が2〜4nm、SRz値が10〜40nm、他方の片
側表面Bが皮膜と該皮膜中及び/又は該皮膜表面に存在
する微粒子からなり、該皮膜の20〜80重量%がフッ
素あるいはシリコン化合物を共重合成分としてもつ易接
着性高分子であって、表面Aの外側に強磁性金属薄膜層
を設け、表面Bの外側にバックコート層を設けて使用さ
れることを特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフィ
ルム、 2.ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたは
ポリエチレン−2,6−ナフタレートであることを特徴
とする1項に記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィル
ム、 3.デジタル記録方式の磁気テープ用に用いられること
を特徴とする1項又は2項に記載の磁気記録媒体用ポリ
エステルフィルム、 4.1項に記載のポリエステルフィルムの表面Aの外側
に強磁性金属薄膜層を設け、表面Bの外側にバックコー
ト層を設けてなる磁気記録テープ、 とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルとは
分子配向により高強度フィルムとなるポリエステルであ
れば良いが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートが好ましい。その構成成分の
80%以上がエチレンテレフタレート、エチレンナフタ
レートであるポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレートである。エチレンテレフタレート、エチ
レンナフタレート以外のポリエステル共重合体成分とし
ては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコー
ル、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバ
シン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット
酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、p
−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。
【0009】さらに、上記のポリエステルは、他にポリ
エステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導
体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレング
リコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない程
度に混合してもよい。
【0010】本ポリエステルフィルムの片側表面AのS
Ra値は2〜4nm、好ましくは2〜3nm、SRz値
は10〜40nm、好ましくは20〜40nmである。
【0011】SRa値が2nm未満であると、表面A上
に真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜層が平滑す
ぎて、デジタルビデオテープレコーダー内の記録、再生
時にビデオヘッドによりビデオテープの強磁性金属薄膜
が磨耗してしまい好ましくない。SRa値が4nmを超
えると、該強磁性金属薄膜層が粗面すぎて、ビデオテー
プの出力特性が低下し好ましくない。
【0012】SRz値が10nm未満であると、該強磁
性金属薄膜層が平滑すぎて、デジタルビデオテープレコ
ーダー内の多数回にわたる繰返し記録、再生でビデオテ
ープの強磁性薄膜の耐久性が低下し好ましくない。SR
z値が40nmを超えると、該強磁性金属薄膜層が粗面
になりすぎて、ビデオテープの小さなDO個数が増加し
好ましくない。
【0013】ポリエステルフィルムの片側表面Bは皮膜
と該皮膜中及び/又は該皮膜表面に存在する微粒子とか
らなる。
【0014】皮膜は連続皮膜であれ不連続皮膜であれか
まわない。
【0015】皮膜がないと、ポリエステルフィルムの製
造の際、すべりが悪くなり、ハンドリング性が大幅に不
良となり、好ましくない。
【0016】微粒子は平均粒径が10〜50nm、好ま
しくは14〜30nmの微細粒子が好ましい。シリカ、
アルミナ、炭酸カルシウム等の無機粒子、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸等の有
機粒子が用いられる。微細粒子は皮膜中5.0〜25.
0重量%が好ましく、より好ましくは7.0〜17.0
重量%含まれる。
【0017】微粒子が存在しないとポリエステルフィル
ムの片側表面Bの各種ロールとの走行性が不良となり磁
気テープ製造工程で加工ロールに片側B面がはりついた
りして好ましくない。
【0018】皮膜の20〜80重量%の成分はフッ素あ
るいはシリコン化合物を共重合成分として持つ易接着性
高分子である。
【0019】易接着性高分子は分子内に極性の高いグル
ープと疎水性のグループとが組み合わされたものが好ま
しい。また粘着型の高分子でなく塗布後、水や溶媒の蒸
発によって固化するものである。極性グループとして水
酸基、酸基、エーテル基、エステル基、エポキシ基、ス
ルホン酸基、ウレタン結合等、疎水性グループとして脂
肪族鎖、芳香族鎖等を含むのが良く、フッ素あるいはシ
リコン化合物を極性グループ内あるいは疎水性グループ
内に1〜15モル%共重合成分として持つ。フッ素ある
いはシリコン化合物含有ポリウレタン、フッ素あるいは
シリコン化合物含有ポリエステルエーテル共重合体、フ
ッ素あるいはシリコン化合物含有水溶性ポリエステル共
重合体、ポリエチレングリコール・スルホン酸アルカリ
金属塩を含むフッ素あるいはシリコン化合物含有ポリエ
ステル共重合体等が使用できる。ジカルボン酸およびグ
リコールからなるポリエステル共重合体において5ーナ
トリウムスルホイソフタル酸塩、フッ素化ポリエチレン
あるいはポリジメチルシロキサン鎖含有イソフタル酸、
及びエチレングリコールあるいはジエチレングリコール
またはその両方を成分にもつものが、特に好ましい。
【0020】酸成分うち、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸塩が2〜50モル%、フッ素化ポリエチレン鎖あ
るいはポリジメチルシロキサン鎖置換イソフタル酸が2
〜30モル%含まれ、他の成分としてはテレフタル酸、
イソフタル酸またはこれらの混合物が用いられることが
好ましい。またグリコール成分のうちエチレングリコー
ルは30〜100モル%を占めるものが最も好ましく、
他のグリコール成分としては、炭素数が2〜8のアルキ
レングリコールが好ましい。
【0021】フッ素化合物、シリコン化合物が共重合体
成分として含まれない場合、ポリエステルフィルムの片
側表面Bのすべり性が不良となり、ポリエステルフィル
ムのハンドリング性が不良となり好ましくない。
【0022】易接着性高分子でないと、皮膜中及び/又
は皮膜表面上に存在する微粒子が脱落しやすくなり好ま
しくない。
【0023】フッ素あるいはシリコン化合物を共重合成
分として持つ易接着性高分子は皮膜中に20〜80重量
%、好ましくは30〜60重量%含まれる。20重量%
未満であると、ポリエステルフィルムの片側表面Bのす
べり性が不良となり、ポリエステルフィルムのハンドリ
ング性が不良となり好ましくない。80重量%以上であ
ると、皮膜が柔らかくなりすぎ、皮膜の削れ性が低下し
好ましくない。
【0024】皮膜の他の構成成分としては該易接着性樹
脂と相分離をおこさず、均一にブレンドされる分子量が
1万〜200万程度の高分子であればよく、ポリビニル
アルコール、トラガントゴム、カゼイン、ゼラチン、セ
ルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリウレタン等の高
分子、これらのブレンド体が使用できる。フッ素あるい
はシリコン化合物を共重合成分として持たない易接着性
高分子でもよい。
【0025】また皮膜中に皮膜とポリエステルフィルム
との密着性を更に増すためにシランカップリング剤を加
えても良い。シランカップリング剤としては、その分子
中に2個以上の異なった反応基をもつ有機ケイ素単量体
であり、反応基の一つはメトキシ基、エトキシ基、シラ
ノール基等であり、もう一つの反応基はビニル基、メタ
アクリル基、アミノ基、メルカプト基等である。反応基
はポリマーブレンド構成体の側鎖、末端基およびポリエ
ステルと結合するものを選ぶが、シランカップリング剤
としてビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等が適用でき
る。
【0026】本ポリエステルフィルムの片側表面BのS
Ra値は8〜25nm、好ましくは10〜20nmが望
ましい。SRz値は50〜350nm、好ましくは80
〜250nmが望ましい。
【0027】SRa値が8nm未満であると、平滑にな
りすぎて、ポリエステルフィルムの製造の際、特に製膜
後のスリッターによるスリット工程で、フィルムを所定
の幅にスリットしロール状に巻き製品化する時にしわが
入りすぎ、ロール状に巻けなくなり好ましくない。SR
a値が25nmを超えると、粗くなりすぎ、ポリエステ
ルフィルムに磁性金属を真空蒸着し、ロール状に巻取っ
た後、片側表面Bの表面形状が磁性金属薄膜面に転写
し、その表面にうねり状の変形を起こし好ましくない。
SRz値が50nm未満であると、フィルムをロール状
の製品にスリットする時にフィルムが横方向にずれやす
くなり所定の幅の製品にスリットした時、端部が不揃い
になりやすく好ましくない。SRz値が350nmを超
えると、粗くなりすぎ、やはりポリエステルフィルムに
磁性金属を真空蒸着し、ロール状に巻取った後、片側表
面Bの表面形状が磁性金属薄膜面に転写し、その表面に
うねり状の変形を起こし好ましくない。
【0028】ポリエステルフィルム表面Aは平均粒径が
5〜30nm、好ましくは8〜30nmの微細粒子を
0.5〜12.0重量%、好ましくは0.6〜10.0
重量%含む有機化合物からなる被覆層により形成されて
いるのが好ましい。また磁性層の耐久性を更に増すため
には、表面Aを形成するポリエステル下層内には平均粒
径が30〜150nm、好ましくは40〜100nmの
微細粒子を0.01〜1.0重量%、好ましくは0.0
2〜0.8重量%含ませ表面突起をもたせるのが好まし
い。
【0029】微細粒子としてはシリカ、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、ポリアクリル酸球、ポリスチレン球等、
有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラガント
ゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、水溶性
ポリエステル、ポリウレタン等の有極性高分子が使用で
き、これらのブレンド体も適用できるが、これらに限定
されない。
【0030】本磁気記録媒体は表面A上に真空蒸着によ
り形成される強磁性金属薄膜層を設けてなることを特徴
とするが、使用する金属薄膜は公知のものを使用でき、
特に限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、または
それらの合金の強磁性体からなるものが好ましい。金属
薄膜層の厚さは100〜300nmである。
【0031】本磁気記録媒体は表面B上に固体微粒子お
よび結合剤からなり、必要に応じて各種添加剤を加えた
溶液を塗布することにより形成されるバックコート層を
設けてなることを特徴とするが、固体微粒子、結合剤、
添加剤は公知のものを使用でき、特に限定されない。バ
ックコート層の厚さは0.3〜1.5μm程度である。
【0032】次に本発明の製法を説明する。
【0033】本発明のポリエステルフィルムは溶融、成
形、二軸延伸、熱固定からなる通常のプラスチックフィ
ルム製造工程において、一方向に延伸後の平滑なポリエ
ステルフィルムのB面側に、微粒子とフッ素あるいはシ
リコン化合物を共重合成分としてもつ易接着性高分子を
20〜80重量%含有する皮膜形成塗液を塗布し、乾燥
した後直角方向に延伸を行い、熱固定することにより製
造できる。塗布方法としては、ドクターブレード方式、
グラビア方式、リバースロール方式、メタリングバー方
式のいずれであってもよい。あるいは共押出し技術の使
用により含有粒子を可能な限り除いた層A用の原料と積
極的に微粒子を含有させた層B用の原料を用いたA/B
積層フィルムを押出し、ポリエステルフィルムB層上に
コーティングにより微粒子とフッ素あるいはシリコン化
合物を共重合成分としてもつ易接着性高分子を20〜8
0重量%含有する皮膜形成塗液を塗布し、製膜し、巻取
ることにより製造することができるが、より多層を設け
る等、製法はこれら方法だけには限らない。
【0034】A層は磁気テープの磁気ヘッドによる耐久
性を更に増すために、その内部に微細粒子を含ませても
良い。
【0035】B面側に前記塗液を塗布する際に、同時に
表面A上に平均粒径が5〜30nm、好ましくは8〜3
0nmの微細粒子を0.5〜12.0重量%、好ましく
は0.6〜10.0重量%含む有機化合物からなる塗液
を塗布して表面A側にも被覆層を形成させるのが好まし
い。
【0036】二軸延伸は例えば逐次二軸延伸法、同時二
軸延伸法で行うことができるが、所望するならば熱固定
前にさらに縦あるいは横方向あるいは縦と横方向に再度
延伸させ機械的強度を高めた、いわゆる強力化タイプと
することもできる。
【0037】表面AのSRa、SRzは表面A上に形成
させた被覆層内の微粒子、成分、A層内部の微細粒子の
調整により調整することができる。
【0038】本発明のポリエステルフィルムは磁気記録
媒体のベースフィルムとして、特にデジタルビデオテー
プ用途に使用すると優れた結果を得ることができ好適で
ある。またデータストレージテープ用途に使用しても優
れた結果を得ることができ好適である。
【0039】本発明の磁気テープは本発明のポリエステ
ルベースフィルムの片側表面AにCo等の強磁性金属薄
膜を真空蒸着により膜厚み100〜300nmと形成
し、この金属薄膜上に10nm程度の厚みのダイヤモン
ド状カーボン膜をコーティングし、片側表面Bに固体微
粒子および結合剤からなり、必要に応じて各種添加剤を
加えた溶液を塗布することによりバックコート層を設け
て作成する。
【0040】
【測定法】
(1) SRa値、SRz値 小坂研究所製の光触針式(臨界角焦点エラー検出方式)
の3次元粗さ計(ET−30HK)を使用して測定し
た。
【0041】SRa値 JIS Raに相当する中心
線面平均粗さ。
【0042】SRz値 JIS Rzに相当する十点
平均面粗さ。粗さ曲面から基準面積分だけ抜き取った部
分の平均面を基準面として、最高から5番目までの山の
標高の平均値と最深から5番目までの谷底の深さの平均
値との距離を入力換算したもの。
【0043】試験片は測定表面にAl蒸着を施した。
【0044】測定方向は幅方向とし、カットオフ値は
0.08mm、測定長は0.1〜0.25mm、送りピ
ッチは0.2μm、測定スピードは20μm/s、測定
本数は100本とした。単位はnmとした。
【0045】(2)本発明フィルムに強磁性体薄膜を設
けた本発明磁気テープの電磁変換特性は、市販のHi8
方式8mmビデオテープレコーダーを用いてビデオS/
N比を、市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコ
ーダーを用いてドロップアウト(DO)個数を求めた。
S/N比の測定には、TV試験信号発生器から信号を供
給し、ビデオノイズメーターを用い、市販のスタンダー
ドHi8 MEテープを零デシベル(dB)として比較
測定した。DO個数の測定は、作成した本DVCテープ
を市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダー
で録画後、1分間の再生をして画面にあらわれたブロッ
ク状のモザイク個数を数えることによって行った。
【0046】S/N比、DO個数は常温常湿(25℃、
60%RH)でテープ製造後の初期特性を最初に調べ
た。そしてテープ走行100回後の特性も見た。
【0047】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0048】実施例1 実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタ
レートと平均粒径60nmのシリカを0.02重量%含
有させた原料を溶融押出しし、ロール延伸法で110℃
で3.0倍に縦延伸した。
【0049】縦延伸の後の工程で、片側表面A、もう一
方の片側表面Bの外側に下記水溶液を塗布した。
【0050】 A面外側:メチルセルロース 0.10重量% 水溶性ポリエステル 0.30重量% (テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30 モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) アミノエチルシランカップリング剤 0.01重量% 平均粒径 12nmの極微細シリカ 0.03重量% 固形分濃度 20mg/m2 B面外側:メチルセルロース 0.30重量% フッソ化合物共重合の水溶性ポリエステル 0.50重量% (テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1 0モル%、ポリフルオロエチレン基置換イソフタル酸20モル%の酸成分とエチ レングリコールとの1:1の共重合体) アミノエチルシランカップリング剤 0.04重量% 平均粒径 20nmの極微細シリカ 0.10重量% 固形分濃度 50mg/m2
【0051】その後、ステンターにて横方向に110℃
で3.3倍に延伸し、200℃で熱処理し、中間スプー
ルに巻き、スリッターで小幅にスリットし、円筒コアー
にロール状に巻取り、厚さ6.3μmのロール状ポリエ
ステルフィルムを得た。
【0052】このポリエステルフィルム表面Aに真空蒸
着によりコバルト−酸素薄膜を110nmの膜厚で形成
した。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリング
法によりダイヤモンド状カーボン膜を10nmの厚みで
形成させた。続いてカーボンブラック、ポリウレタン、
シリコーンからなるバックコート層を500nm設け、
スリッターにより幅8mm、並びに6.35mmにスリ
ットしリールに巻き取り磁気テープ(Hi8ME、並び
にDVCビデオテープ)を作成した。
【0053】得られたポリエステルフィルム及び磁気テ
ープの特性を表1に示す。
【0054】実施例2 実施例1のベースフィルム製造において、ポリエチレン
テレフタレートをポリエチレン−2,6−ナフタレート
と変更し、縦延伸温度、倍率を135℃で5.0倍と
し、B面外側の塗液成分中のフッ素化合物共重合の水溶
性ポリエステル濃度を0.30重量%とし、横延伸温
度、倍率を135℃、6.0倍とし、更に160℃で
1.2倍に横に延伸し、200℃で熱処理と変更し、そ
の他は同様にして、厚さ4.2μmのポリエステルフィ
ルムロールを得た。
【0055】実施例1と同様にして幅8mm、並びに
6.35mmの磁気テープを作成した。得られたポリエ
ステルフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0056】実施例3 実施例2のベースフィルム製造において、原料Aに含有
させたシリカを除き、B面外側の塗液成分中のフッ素化
合物共重合の水溶性ポリエステル濃度を1.10重量%
としその他は実施例2と同様にして厚さ4.2μmのポ
リエステルフィルムロールを得た。その他は実施例2と
同様にして幅8mm、並びに6.35mmの磁気テープ
を作成した。得られたポリエステルフィルム及び磁気テ
ープの特性を表1に示す。
【0057】実施例4 実施例1のベースフィルム製造において、B面外側塗液
成分中のフッ素化合物共重合の水溶性ポリエステルをシ
リコン化合物共重合の水溶性ポリエステル(テレフタル
酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1
0モル%、ポリジメチルシロキサン基置換イソフタル酸
20モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の
共重合体)に変更し、その濃度を0.2重量%とした。
その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポリエ
ステルフィルムロールを得た。実施例1と同様にして幅
8mm、並びに6.35mmの磁気テープを作成した。
得られたポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を
表1に示す。
【0058】比較例1 実施例1のベースフィルム製造において、A面外側の水
溶液塗布の固形分濃度を10mg/m2とした。その他
は実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポリエステル
フィルムロールを得、幅8mm、並びに6.35mmの
磁気テープを作成した。得られたポリエステルフィルム
及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0059】比較例2 実施例1のベースフィルム製造において、A面外側の塗
布水溶液のメチルセルロース濃度を0.18重量%とし
た。その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポ
リエステルフィルムロールを得、幅8mm、並びに6.
35mmの磁気テープを作成した。得られたポリエステ
ルフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0060】比較例3 実施例3のベースフィルム製造において、A面外側の塗
布水溶液内の極微細シリカの濃度を0.01重量%とし
た。その他は実施例3と同様にして厚さ4.2μmのポ
リエステルフィルムロールを得、幅8mm、並びに6.
35mmの磁気テープを作成した。得られたポリエステ
ルフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0061】比較例4 実施例1のベースフィルム製造において、原料に含有さ
せたシリカの平均粒径を90nmに変更した。その他は
実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポリエステルフ
ィルムロールを得、幅8mm、並びに6.35mmの磁
気テープを作成した。得られたポリエステルフィルム及
び磁気テープの特性を表1に示す。
【0062】比較例5 実施例1のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液塗布を行わなかった。その他は実施例1と同様にし
て厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを得た。50
0mm幅にスリッターによりスリットしロール状に巻取
ろうとしたがロール上にしわが大量に入りロール状製品
はしわだらけのものとなり、蒸着工程に投入することは
できなかった。得られたポリエステルフィルムの特性を
表1に示す。
【0063】比較例6 実施例1のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液中の極微細シリカの使用を中止した。その他は実施
例1と同様にして厚さ6.3μmのポリエステルフィル
ムロールを得た。蒸着工程に投入したが、フィルムのす
べりが不良で、片側表面Bが真空蒸着後の加工ロールに
はりつき磁気テープへの加工ができなかった。得られた
ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0064】比較例7 実施例1のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液中のフッソ化合物共重合の水溶性ポリエステル濃度
を0.09重量%とした。その他は実施例1と同様にし
て厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを製膜した。
500mm幅にスリッターによりスリットしロール状に
巻取ろうとしたがロール上にしわが大量に入りロール状
製品はしわだらけのものとなり、蒸着工程に投入するこ
とはできなかった。得られたポリエステルフィルムの特
性を表1に示す。
【0065】比較例8 実施例4のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液中のシリコン化合物共重合の水溶性ポリエステル濃
度を0.08重量%とした。その他は実施例1と同様に
して厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを製膜し
た。500mm幅にスリッターによりスリットしロール
状に巻取ろうとしたがロール上にしわが大量に入りロー
ル状製品はしわだらけのものとなり、蒸着工程に投入す
ることはできなかった。得られたポリエステルフィルム
の特性を表1に示す。
【0066】比較例9 実施例1のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液中のフッソ化合物共重合の水溶性ポリエステル濃度
を2.50重量%とした。その他は実施例1と同様にし
て厚さ6.3μmのポリエステルフィルムロールを得、
幅8mm、並びに6.35mmの磁気テープを作成し
た。得られたポリエステルフィルム及び磁気テープの特
性を表1に示す。100回走行後のテープ走行面を見る
と、バックコートがかなりはくりしていた。
【0067】比較例10 実施例4のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液中のシリコン化合物共重合の水溶性ポリエステル濃
度を2.60重量%とした。その他は実施例1と同様に
して厚さ6.3μmのポリエステルフィルムロールを
得、幅8mm、並びに6.35mmの磁気テープを作成
した。得られたポリエステルフィルム及び磁気テープの
特性を表1に示す。100回走行後のテープ走行面を見
ると、バックコートがかなりはくりしていた。
【0068】比較例11 実施例1のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液中のフッソ化合物共重合の水溶性ポリエステルを水
溶性ポリエステル(テレフタル酸70モル%、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸30モル%の酸成分とエチレ
ングリコールとの1:1の共重合体)に変更した。その
他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポリエステ
ルフィルムを製膜した。500mm幅にスリッターによ
りスリットしロール状に巻取ろうとしたがロール上にし
わが大量に入りロール状製品はしわだらけのものとな
り、蒸着工程に投入することはできなかった。得られた
ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0069】比較例12 実施例4のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液中のシリコン化合物共重合の水溶性ポリエステルの
かわりにシリコーンエマルジョンを使用した。その他は
実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポリエステルフ
ィルムロールを得、幅8mm、並びに6.35mmの磁
気テープを作成した。得られたポリエステルフィルム及
び磁気テープの特性を表1に示す。磁気テープ製造工程
の加工ロールを見ると白い汚れ物が付着していた。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】表1の特性から明らかな様に、本発明ポ
リエステルフィルムの片側表面Aに強磁性金属薄膜層が
設けられ、片側表面Bにバックコート層が設けられた磁
気テープは電磁変換特性、耐久性に優れたデジタルビデ
オテープとなり得る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフイルムの一方の片側表面A
    のSRa値が2〜4nm、SRz値が10〜40nm、
    他方の片側表面Bが皮膜と該皮膜中及び/又は該皮膜表
    面に存在する微粒子からなり、該皮膜の20〜80重量
    %がフッ素あるいはシリコン化合物を共重合成分として
    もつ易接着性高分子であって、表面Aの外側に強磁性金
    属薄膜層を設け、表面Bの外側にバックコート層を設け
    て使用されることを特徴とする磁気記録媒体用ポリエス
    テルフィルム。
  2. 【請求項2】ポリエステルがポリエチレンテレフタレー
    トまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用ポリエ
    ステルフィルム。
  3. 【請求項3】デジタル記録方式の磁気テープ用に用いら
    れることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録
    媒体用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のポリエステルフィルムの
    表面Aの外側に強磁性金属薄膜層を設け、表面Bの外側
    にバックコート層を設けてなる磁気記録テープ。
JP6436297A 1997-03-18 1997-03-18 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ Pending JPH10261215A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6379774B1 (en) 1998-05-21 2002-04-30 Teijin Limited Composite polyester film and magnetic recording medium

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