JPH10261216A - 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ

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JPH10261216A
JPH10261216A JP6436397A JP6436397A JPH10261216A JP H10261216 A JPH10261216 A JP H10261216A JP 6436397 A JP6436397 A JP 6436397A JP 6436397 A JP6436397 A JP 6436397A JP H10261216 A JPH10261216 A JP H10261216A
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polyester film
polyester
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Kazushi Tamada
一志 玉田
Masaru Suzuki
勝 鈴木
Masaaki Ono
雅章 小野
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性に優れ、DOの少ないデジタル
ビデオテープを作成するためにバックコートに対する接
着性の良いベースフィルムを提供すること。 【解決手段】 ポリエステルフイルムの一方の片側表面
AのSRa値が2〜4nm、SRz値が10〜40n
m、他方の片側表面Bには易接着性樹脂を主体とした高
分子層が密着され、該易接着性樹脂がフッ素あるいはシ
リコン化合物を共重合成分としてもち、該フッ素あるい
はシリコン化合物の共重合成分分率が重量比で0.1〜
30%であり、表面Aの外側に強磁性金属薄膜層を設
け、表面Bの外側にバックコート層を設けて使用される
ことを特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用ポ
リエステルフィルム、特にデジタルビデオカセットテー
プ用、データストレージテープ用等のデジタルデータを
記録する強磁性金属薄膜型磁気記録媒体用のベースフィ
ルムとして好適なポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】1995年に実用化された民生用デジタ
ルビデオテープはベースフィルム上にCoの金属磁性薄
膜を真空蒸着により設け、その表面にダイヤモンド状カ
ーボン膜をコーティングしてなり、Hi8用ME(蒸
着)テープに比べて表面性が更に平滑化したにもかかわ
らず、良好な耐久性をもつ。また非磁性層側にはバック
コートが形成されてなるが、そのバックコート層の繰り
返し走行に対するはくりのビデオテープ特性低下への影
響がますます大となってきている。そのベースフィルム
としては、(1) ポリエステルフィルムと、該フィルムの
少なくとも片面に密着されたポリマーブレンド体と粒径
50〜500オングストロームの微細粒子を主体とした
不連続皮膜とからなり、該不連続皮膜には水溶性ポリエ
ステル共重合体が含有され、微細粒子により不連続皮膜
上に微細突起が形成されたポリエステルフィルム(例え
ば特公昭63−57238号公報)、(2) 平滑なポリエ
ステルフィルムであり、少なくとも一方の面に易接着性
樹脂[A]とシリコーン[B]を主体としたポリマー層
が密着し、該面にバックコート層、他方の面に強磁性金
属薄膜層が形成されることを特徴とする易接着性ポリエ
ステルフィルム(例えば特開昭61−5941、特許第
2555998号)等が用いられ、Hi8MEテープ用
ベースに比べ、更に金属磁性膜形成表面粗度の小さいベ
ースフィルムが利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
に非常に平滑な民生用デジタルビデオテープは、蒸着工
程での冷却キャンに付着する汚れ、異物の影響により、
得られたテープの電磁変換特性、ドロップアウト(D
O)特性が非常に変化する。
【0004】すなわち、従来のベースフィルムを、デジ
タルビデオテープ用の強磁性金属薄膜を真空蒸着により
設けてなる磁気記録媒体用ベースフィルムとしてみた場
合、(1) は高密度磁気記録特性を与えるが、バックコー
ト層の接着性が高くなく、ビデオテープを繰返し走行さ
せると、バックコート層のはくりがみられがちであっ
た、(2) のベースフィルムはバックコート層に対して接
着性が良好で、しかもフィルム間のブロッキングがない
ポリエステルフィルムを与えるが、非磁性面側表面のシ
リコーンが蒸着工程、特に真空蒸着の冷却キャンに転
写、付着しがちであり、それにより冷却キャンが汚れ、
DOが多くなったり、磁性面側への変形を起こし、電磁
変換特性が悪化する等の欠点があった。
【0005】従って本発明は、真空蒸着工程で冷却キャ
ンに付着する汚れが少なく、真空蒸着により得られた磁
気テープの電磁変換特性が良好で、フィルム間のブロッ
キングがなく、ハンドリング性が良好で、バックコート
層の接着力が高い磁気記録媒体用ポリエステルフィルム
を与える事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる問題を解決するた
めに、本発明は以下の構成からなる。
【0007】すなわち、 1.ポリエステルフイルムの一方の片側表面AのSRa
値が2〜4nm、SRz値が10〜40nm、他方の片
側表面Bには易接着性樹脂を主体とした高分子層が密着
され、該易接着性樹脂がフッ素あるいはシリコン化合物
を共重合成分としてもち、該フッ素あるいはシリコン化
合物の共重合成分分率が重量比で0.1〜30%であ
り、表面Aの外側に強磁性金属薄膜層を設け、表面Bの
外側にバックコート層を設けて使用されることを特徴と
する磁気記録媒体用ポリエステルフィルム、 2.ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたは
ポリエチレン−2,6−ナフタレートであることを特徴
とする1項に記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィル
ム、 3.デジタル記録方式の磁気テープ用に用いられること
を特徴とする1項又は2項に記載の磁気記録媒体用ポリ
エステルフィルム、 4.1項に記載のポリエステルフィルムの表面Aの外側
に強磁性金属薄膜層を設け、表面Bの外側にバックコー
ト層を設けてなる磁気記録テープ、 とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルとは
分子配向により高強度フィルムとなるポリエステルであ
れば良いが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートが好ましい。その構成成分の
80%以上がエチレンテレフタレート、エチレンナフタ
レートであるポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレートである。エチレンテレフタレート、エチ
レンナフタレート以外のポリエステル共重合体成分とし
ては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコー
ル、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバ
シン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット
酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、p
−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。
【0009】さらに、上記のポリエステルは、他にポリ
エステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導
体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレング
リコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない程
度に混合してもよい。
【0010】本ポリエステルフィルムの片側表面AのS
Ra値は2〜4nm、好ましくは2〜3nm、SRz値
は10〜40nm、好ましくは20〜40nmである。
【0011】SRa値が2nm未満であると、表面A上
に真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜層が平滑す
ぎて、デジタルビデオテープレコーダー内の記録、再生
時にビデオヘッドによりビデオテープの強磁性金属薄膜
が磨耗してしまい好ましくない。SRa値が4nmを超
えると、該強磁性金属薄膜層が粗面すぎて、ビデオテー
プの出力特性が低下し好ましくない。
【0012】SRz値が10nm未満であると、該強磁
性金属薄膜層が平滑すぎて、デジタルビデオテープレコ
ーダー内の多数回にわたる繰返し記録、再生でビデオテ
ープの強磁性薄膜の耐久性が低下し好ましくない。SR
z値が40nmを超えると、該強磁性金属薄膜層が粗面
になりすぎて、ビデオテープの小さなDO個数が増加し
好ましくない。
【0013】本ポリエステルフィルムの片側表面Bには
易接着性樹脂を主体とした高分子層が密着されている。
該易接着性樹脂は、0.1〜30重量%の成分がフッ素
あるいはシリコン化合物を共重合成分として持つ易接着
性高分子である。
【0014】易接着性高分子は分子内に極性の高いグル
ープと疎水性のグループとが組み合わされたものが好ま
しい。また粘着型の高分子でなく塗布後、水や溶媒の蒸
発によって固化するものである。極性グループとして水
酸基、酸基、エーテル基、エステル基、エポキシ基、ス
ルホン酸基、ウレタン結合等、疎水性グループとして脂
肪族鎖、芳香族鎖等を含むのが良く、フッ素あるいはシ
リコン化合物を極性グループ内あるいは疎水性グループ
内に0.1〜30重量%共重合成分として持つ。フッ素
あるいはシリコン化合物含有ポリウレタン、フッ素ある
いはシリコン化合物含有ポリエステルエーテル共重合
体、フッ素あるいはシリコン化合物含有水溶性ポリエス
テル共重合体、ポリエチレングリコール・スルホン酸ア
ルカリ金属塩を含むフッ素あるいはシリコン化合物含有
ポリエステル共重合体等が使用できる。ジカルボン酸お
よびグリコールからなるポリエステル共重合体において
5ーナトリウムスルホイソフタル酸塩、フッ素化ポリエ
チレンあるいはポリジメチルシロキサン鎖含有イソフタ
ル酸、及びエチレングリコールあるいはジエチレングリ
コールまたはその両方を成分にもつものが、特に好まし
い。
【0015】酸成分うち、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸塩が2〜50モル%、フッ素化ポリエチレン鎖あ
るいはポリジメチルシロキサン鎖置換イソフタル酸が2
〜30モル%含まれ、他の成分としてはテレフタル酸、
イソフタル酸またはこれらの混合物が用いられることが
好ましい。またグリコール成分のうちエチレングリコー
ルは30〜100モル%を占めるものが最も好ましく、
他のグリコール成分としては、炭素数が2〜8のアルキ
レングリコールが好ましい。
【0016】フッ素化合物、シリコン化合物が共重合体
成分分率として重量比で0.1重量%未満であると、ポ
リエステルフィルムの片側表面Bのすべり性が不良とな
り、ポリエステルフィルムのハンドリング性が不良とな
り好ましくない。またポリエステルフィルムのA面、B
面が水分によりブロッキングしやすくなり好ましくな
い。
【0017】易接着性高分子でないと、バックコート層
の接着性が不良となり好ましくない。
【0018】フッ素あるいはシリコン化合物の共重合成
分分率が30重量%より大であると、表面Bの接着性能
が低下しバックコート層の接着性不良となり好ましくな
い。
【0019】本易接着性樹脂を主体とした高分子層の厚
さは10nm〜1000nmが好ましく、30〜500
nmがより好ましい。厚さが下限を下まわると、接着性
が発現しない。上限を超えると、易接着樹脂層の耐久性
が不良となる。
【0020】なお本易接着性樹脂に微細粒子、界面活性
化剤、増粘剤等を10重量%程度添加してもよい。
【0021】本磁気記録媒体は表面A上に真空蒸着によ
り形成される強磁性金属薄膜層を設けてなることを特徴
とするが、使用する金属薄膜は公知のものを使用でき、
特に限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、または
それらの合金の強磁性体からなるものが好ましい。金属
薄膜層の厚さは100〜300nmである。
【0022】本磁気記録媒体は表面B上に固体微粒子お
よび結合剤からなり、必要に応じて各種添加剤を加えた
溶液を塗布することにより形成されるバックコート層を
設けてなることを特徴とするが、固体微粒子、結合剤、
添加剤は公知のものを使用でき、特に限定されない。バ
ックコート層の厚さは0.3〜1.5μm程度である。
【0023】本ポリエステルフィルムの片側表面BのS
Ra値は8〜25nm、好ましくは10〜20nmが望
ましい。SRz値は50〜350nm、好ましくは80
〜250nmが望ましい。
【0024】SRa値が8nm未満であると、平滑にな
りすぎて、ポリエステルフィルムの製造の際、特に製膜
後のスリッターによるスリット工程で、フィルムを所定
の幅にスリットしロール状に巻き製品化する時にしわが
入りすぎ、ロール状に巻けなくなり好ましくない。SR
a値が25nmを超えると、粗くなりすぎ、ポリエステ
ルフィルムに磁性金属を真空蒸着し、ロール状に巻取っ
た後、片側表面Bの表面形状が磁性金属薄膜面に転写
し、その表面にうねり状の変形を起こし好ましくない。
SRz値が50nm未満であると、フィルムをロール状
の製品にスリットする時にフィルムが横方向にずれやす
くなり所定の幅の製品にスリットした時、端部が不揃い
になりやすく好ましくない。SRz値が350nmを超
えると、粗くなりすぎ、やはりポリエステルフィルムに
磁性金属を真空蒸着し、ロール状に巻取った後、片側表
面Bの表面形状が磁性金属薄膜面に転写し、その表面に
うねり状の変形を起こし好ましくない。
【0025】ポリエステルフィルム表面Aは平均粒径が
5〜30nm、好ましくは8〜30nmの微細粒子を
0.5〜12.0重量%、好ましくは0.6〜10.0
重量%含む有機化合物からなる被覆層により形成されて
いるのが好ましい。また磁性層の耐久性を更に増すため
には、表面Aを形成するポリエステル下層内には平均粒
径が30〜150nm、好ましくは40〜100nmの
微細粒子を0.01〜1.0重量%、好ましくは0.0
2〜0.8重量%含ませ表面突起をもたせるのが好まし
い。
【0026】微細粒子としてはシリカ、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、ポリアクリル酸球、ポリスチレン球等、
有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラガント
ゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、水溶性
ポリエステル、ポリウレタン等の有極性高分子が使用で
き、これらのブレンド体も適用できるが、これらに限定
されない。
【0027】次に本発明の製法を説明する。
【0028】本発明のポリエステルフィルムは溶融、成
形、二軸延伸、熱固定からなる通常のプラスチックフィ
ルム製造工程において、一方向に延伸後の平滑なポリエ
ステルフィルムのB面側に、フッ素あるいはシリコン化
合物を共重合成分として0.1〜30重量%含有する易
接着性高分子を塗布し、乾燥した後直角方向に延伸を行
い、熱固定することにより製造できる。塗布方法として
は、ドクターブレード方式、グラビア方式、リバースロ
ール方式、メタリングバー方式のいずれであってもよ
い。あるいは共押出し技術の使用により含有粒子を可能
な限り除いた層A用の原料と積極的に微粒子を含有させ
た層B用の原料を用いたA/B積層フィルムを押出し、
ポリエステルフィルムB層上にコーティングによりフッ
素あるいはシリコン化合物を共重合成分としてもつ易接
着性高分子を塗布し、製膜し、巻取ることにより製造す
ることができるが、より多層を設ける等、製法はこれら
方法だけには限らない。
【0029】A層は磁気テープの磁気ヘッドによる耐久
性を更に増すために、その内部に微細粒子を含ませても
良い。
【0030】B面側に前記塗液を塗布する際に、同時に
表面A上に平均粒径が5〜30nm、好ましくは8〜3
0nmの微細粒子を0.5〜12.0重量%、好ましく
は0.6〜10.0重量%含む有機化合物からなる塗液
を塗布して表面A側にも被覆層を形成させるのが好まし
い。
【0031】二軸延伸は例えば逐次二軸延伸法、同時二
軸延伸法で行うことができるが、所望するならば熱固定
前にさらに縦あるいは横方向あるいは縦と横方向に再度
延伸させ機械的強度を高めた、いわゆる強力化タイプと
することもできる。
【0032】表面AのSRa、SRzは表面A上に形成
させた被覆層内の微粒子、成分、A層内部の微細粒子の
調整により調整することができる。
【0033】本発明のポリエステルフィルムは磁気記録
媒体のベースフィルムとして、特にデジタルビデオテー
プ用途に使用すると優れた結果を得ることができ好適で
ある。またデータストレージテープ用途に使用しても優
れた結果を得ることができ好適である。
【0034】本発明の磁気テープは本発明のポリエステ
ルベースフィルムの片側表面AにCo等の強磁性金属薄
膜を真空蒸着により膜厚み100〜300nmと形成
し、この金属薄膜上に10nm程度の厚みのダイヤモン
ド状カーボン膜をコーティングし、片側表面Bに固体微
粒子および結合剤からなり、必要に応じて各種添加剤を
加えた溶液を塗布することによりバックコート層を設け
て作成する。
【0035】
【測定法】
(1) SRa値、SRz値 小坂研究所製の光触針式(臨界角焦点エラー検出方式)
の3次元粗さ計(ET−30HK)を使用して測定し
た。
【0036】SRa値 JIS Raに相当する中心
線面平均粗さ。
【0037】SRz値 JIS Rzに相当する十点
平均面粗さ。粗さ曲面から基準面積分だけ抜き取った部
分の平均面を基準面として、最高から5番目までの山の
標高の平均値と最深から5番目までの谷底の深さの平均
値との距離を入力換算したもの。
【0038】試験片は測定表面にAl蒸着を施した。
【0039】測定方向は幅方向とし、カットオフ値は
0.08mm、測定長は0.1〜0.25mm、送りピ
ッチは0.2μm、測定スピードは20μm/s、測定
本数は100本とした。単位はnmとした。
【0040】(2)本発明フィルムに強磁性体薄膜を設
けた本発明磁気テープの電磁変換特性は、市販のHi8
方式8mmビデオテープレコーダーを用いてビデオS/
N比を、市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコ
ーダーを用いてドロップアウト(DO)個数を求めた。
S/N比の測定には、TV試験信号発生器から信号を供
給し、ビデオノイズメーターを用い、市販のスタンダー
ドHi8 MEテープを零デシベル(dB)として比較
測定した。DO個数の測定は、作成した本DVCテープ
を市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダー
で録画後、1分間の再生をして画面にあらわれたブロッ
ク状のモザイク個数を数えることによって行った。
【0041】S/N比、DO個数は常温常湿(25℃、
60%RH)でテープ製造後の初期特性を最初に調べ
た。そしてテープ走行200回後の特性も見た。
【0042】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0043】実施例1 実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタ
レートと平均粒径60nmのシリカを0.02重量%含
有させた原料を溶融押出しし、ロール延伸法で110℃
で3.0倍に縦延伸した。
【0044】縦延伸の後の工程で、片側表面A、もう一
方の片側表面Bの外側に下記水溶液を塗布した。
【0045】 A面外側:メチルセルロース 0.10重量% 水溶性ポリエステル 0.30重量% (テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30 モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) アミノエチルシランカップリング剤 0.01重量% 平均粒径 12nmの極微細シリカ 0.03重量% 固形分濃度 20mg/m2 B面外側:フッソ化合物共重合の水溶性ポリエステル 0.50重量% (テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸10 モル%、ポリフルオロエチレン基置換イソフタル酸20モル%の酸成分とエチレ ングリコールとの1:1の共重合体)(フッ素化合物 重量分率 24%) 固形分濃度 150mg/m2
【0046】その後、ステンターにて横方向に110℃
で3.3倍に延伸し、200℃で熱処理し、中間スプー
ルに巻き、スリッターで小幅にスリットし、円筒コアー
にロール状に巻取り、厚さ6.3μmのロール状ポリエ
ステルフィルムを得た。
【0047】このポリエステルフィルム表面Aに真空蒸
着によりコバルト−酸素薄膜を110nmの膜厚で形成
した。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリング
法によりダイヤモンド状カーボン膜を10nmの厚みで
形成させた。続いてカーボンブラック、ポリウレタン、
シリコーンからなるバックコート層を500nm設け、
スリッターにより幅8mm、並びに6.35mmにスリ
ットしリールに巻き取り磁気テープ(Hi8ME、並び
にDVCビデオテープ)を作成した。
【0048】得られたポリエステルフィルム及び磁気テ
ープの特性を表1に示す。
【0049】実施例2 実施例1のベースフィルム製造において、ポリエチレン
テレフタレートをポリエチレン−2,6−ナフタレート
と変更し、縦延伸温度、倍率を135℃で5.0倍と
し、B面外側の塗液成分中のフッ素化合物共重合の水溶
性ポリエステル濃度を0.30重量%とし、横延伸温
度、倍率を135℃、6.0倍とし、更に160℃で
1.2倍に横に延伸し、200℃で熱処理と変更し、そ
の他は同様にして、厚さ4.2μmのポリエステルフィ
ルムロールを得た。
【0050】実施例1と同様にして幅8mm、並びに
6.35mmの磁気テープを作成した。得られたポリエ
ステルフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0051】実施例3 実施例2のベースフィルム製造において、原料Aに含有
させたシリカを除き、B面外側の塗液成分中のフッ素化
合物共重合の水溶性ポリエステル濃度を1.10重量%
としその他は実施例2と同様にして厚さ4.2μmのポ
リエステルフィルムロールを得た。その他は実施例2と
同様にして幅8mm、並びに6.35mmの磁気テープ
を作成した。得られたポリエステルフィルム及び磁気テ
ープの特性を表1に示す。
【0052】実施例4 実施例1のベースフィルム製造において、B面外側塗液
成分中のフッ素化合物共重合の水溶性ポリエステルをシ
リコン化合物共重合の水溶性ポリエステル(テレフタル
酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1
5モル%、ポリジメチルシロキサン基置換イソフタル酸
15モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の
共重合体 シリコン化合物 重量分率 22%)に変更
し、その濃度を0.2重量%とした。その他は実施例1
と同様にして厚さ6.3μmのポリエステルフィルムロ
ールを得た。実施例1と同様にして幅8mm、並びに
6.35mmの磁気テープを作成した。得られたポリエ
ステルフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0053】比較例1 実施例1のベースフィルム製造において、A面外側の水
溶液塗布の固形分濃度を10mg/m2とした。その他
は実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポリエステル
フィルムロールを得、幅8mm、並びに6.35mmの
磁気テープを作成した。得られたポリエステルフィルム
及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0054】比較例2 実施例1のベースフィルム製造において、A面外側の塗
布水溶液のメチルセルロース濃度を0.18重量%とし
た。その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポ
リエステルフィルムロールを得、幅8mm、並びに6.
35mmの磁気テープを作成した。得られたポリエステ
ルフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0055】比較例3 実施例3のベースフィルム製造において、A面外側の塗
布水溶液内の極微細シリカの濃度を0.01重量%とし
た。その他は実施例3と同様にして厚さ4.2μmのポ
リエステルフィルムロールを得、幅8mm、並びに6.
35mmの磁気テープを作成した。得られたポリエステ
ルフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0056】比較例4 実施例1のベースフィルム製造において、原料に含有さ
せたシリカの平均粒径を90nmに変更した。その他は
実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポリエステルフ
ィルムロールを得、幅8mm、並びに6.35mmの磁
気テープを作成した。得られたポリエステルフィルム及
び磁気テープの特性を表1に示す。
【0057】比較例5 実施例1のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液のフッソ化合物共重合の水溶性ポリエステルをフッ
ソ化合物共重合の水溶性ポリエステル(テレフタル酸5
0.0モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸4
9.1モル%、ポリフルオロエチレン基置換イソフタル
酸0.1モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:
1の共重合体)(フッ素化合物 重量分率 0.07
%)に変更した。その他は実施例1と同様にして厚さ
6.3μmのポリエステルフィルムを得た。500mm
幅にスリッターによりスリットしロール状に巻取ろうと
したがロール上にしわが大量に入りロール状製品はしわ
だらけのものとなり、蒸着工程に投入することはできな
かった。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に
示す。
【0058】比較例6 実施例1のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液のフッソ化合物共重合の水溶性ポリエステルをフッ
ソ化合物共重合の水溶性ポリエステル(テレフタル酸6
0モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸10モル
%、ポリフルオロエチレン基置換イソフタル酸30モル
%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合
体)(フッ素化合物 重量分率 35%)に変更した。
その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポリエ
ステルフィルムロールを得、幅8mm、並びに6.35
mmの磁気テープを作成した。得られたポリエステルフ
ィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。200回走
行後のテープ走行面を見ると、バックコートがかなりは
くりしていた。
【0059】比較例7 実施例4のベースフィルム製造において、B面外側塗液
成分中のシリコン化合物共重合の水溶性ポリエステルを
シリコン化合物共重合の水溶性ポリエステル(テレフタ
ル酸40.00モル%、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸59.94モル%、ポリジメチルシロキサン基置換
イソフタル酸0.06モル%の酸成分とエチレングリコ
ールとの1:1の共重合体。 シリコン化合物 重量分
率 0.09%)に変更した。このポリエステルフィル
ム表面Aに真空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を110
nmの膜厚で形成して、巻取ったが、その後、バックコ
ートを設けようとしたが、フィルムがブロッキングし、
バックコート工程に投入することができなかった。得ら
れたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0060】比較例8 実施例4のベースフィルム製造において、B面外側塗液
成分中のシリコン化合物共重合の水溶性ポリエステルを
シリコン化合物共重合の水溶性ポリエステル(テレフタ
ル酸60モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸1
0モル%、ポリジメチルシロキサン基置換イソフタル酸
30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の
共重合体。 シリコン化合物 重量分率 39%)に変
更した。その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μm
のポリエステルフィルムロールを得、幅8mm、並びに
6.35mmの磁気テープを作成した。得られたポリエ
ステルフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。2
00回走行後のテープ走行面を見ると、バックコートが
かなりはくりしていた。
【0061】比較例9 実施例1のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液のフッソ化合物共重合の水溶性ポリエステルをフッ
ソ化合物共重合のポリアクリル酸(フルオロエチレン、
ポリアクリル酸共重合体。フッ素化合物 重量分率 2
5%)に変更した。その他は実施例1と同様にして厚さ
6.3μmのポリエステルフィルムロールを得、幅8m
m、並びに6.35mmの磁気テープを作成した。得ら
れたポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1
に示す。200回走行後のテープ走行面を見ると、バッ
クコートがかなりはくりしていた。
【0062】比較例10 実施例1のベースフィルム製造において、B面外側の水
溶液の塗布を行わなかった。その他は実施例1と同様に
して厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを得た。5
00mm幅にスリッターによりスリットしロール状に巻
取ろうとしたがロール上にしわが大量に入りロール状製
品はしわだらけのものとなり、蒸着工程に投入すること
はできなかった。得られたポリエステルフィルムの特性
を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】表1の特性から明らかな様に、本発明ポ
リエステルフィルムの片側表面Aに強磁性金属薄膜層が
設けられ、片側表面Bにバックコート層が設けられた磁
気テープは電磁変換特性、耐久性に優れたデジタルビデ
オテープとなり得る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフイルムの一方の片側表面A
    のSRa値が2〜4nm、SRz値が10〜40nm、
    他方の片側表面Bには易接着性樹脂を主体とした高分子
    層が密着され、該易接着性樹脂がフッ素あるいはシリコ
    ン化合物を共重合成分としてもち、該フッ素あるいはシ
    リコン化合物の共重合成分分率が重量比で0.1〜30
    %であり、表面Aの外側に強磁性金属薄膜層を設け、表
    面Bの外側にバックコート層を設けて使用されることを
    特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】ポリエステルがポリエチレンテレフタレー
    トまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用ポリエ
    ステルフィルム。
  3. 【請求項3】デジタル記録方式の磁気テープ用に用いら
    れることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録
    媒体用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のポリエステルフィルムの
    表面Aの外側に強磁性金属薄膜層を設け、表面Bの外側
    にバックコート層を設けてなる磁気記録テープ。
JP6436397A 1997-03-18 1997-03-18 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ Pending JPH10261216A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6379774B1 (en) 1998-05-21 2002-04-30 Teijin Limited Composite polyester film and magnetic recording medium

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