JP3847535B2 - 複合ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複合ポリエステルフイルムに関する。更に詳しくは電磁変換特性、走行耐久性に優れた磁気記録媒体用複合ポリエステルフィルム、特にデジタルビデオカセットテープ用、データストレージ用等のデジタルデータを記録する強磁性金属薄膜型磁気記録媒体用複合ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
1995年に実用化された民生用デジタルビデオテープは、ベースフィルム上にCoの金属磁性薄膜を真空蒸着により設け、その表面にダイヤモンド状カーボン膜をコーティングした構造からなり、Hi8用ME(蒸着)テープに比べて表面が平坦化しているにもかかわらず、良好な耐久性を持っている。このベースフィルムとしては、ポリエステルフィルムと、該ポリエステルフィルムの少なくとも片面に密着された水溶性ポリエステル共重合体を含むポリマーブレンド及び粒径5〜50nmの微細粒子を主体とした不連続皮膜からなり、該不連続皮膜の表面に該微細粒子による微細突起が形成されたポリエステルフィルム(例えば、特公昭63−57238号公報)が用いられている。このベースフィルムは、Hi8MEベースに比べ、更に金属磁性膜形成表面粗度の小さいフィルムである。
【0003】
一方、前記不連続皮膜に用いられる水溶性ポリエステル共重合体を始めとする水溶性プライマーについても、ポリエステルフイルムの表面改良や接着性向上、あるいは削れによるフィラーの脱落防止に関する数多くの提案がなされている(例えば、特開昭54−43017号公報、特告昭49−10243号公報、特開昭58−124651号公報、特開昭63−37937号公報、特開平1−165633号公報、特開平3−17135号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、記録容量アップのために、今まで以上にテープの長尺化が必要とされてきており、そのためにはベースフィルムの薄膜化が必要となってきている。また、蒸着テープの生産性をあげるためには、蒸着のスピードを速くする必要も出てきている。蒸着には、通常、ベースフィルムの非磁性面側表面を冷却キャンに密着させてベースフィルムを冷却する方法を用いるが、ベースフィルムの薄膜化や蒸着スピードのアップにつれ、蒸着時のベースフィルムに対する熱負荷はますます高くなってきてる。従来のベースフィルムでは熱を受けた際にオリゴマーが発生しそれがエラーになってしまったり、蒸着時にベースフイルムが熱変形し、結果としてその上に形成された蒸着層の粗化が起こり電磁変換特性が劣化してしまう問題があった。この問題を防ぐ方法として、冷却キャンにより一層密着させるために、ベースフィルムの非磁性面側表面を平坦にする方法も用いられるが、この場合はベースフィルムの製膜工程や蒸着時のハンドリング性が著しく劣る問題があった。またベースフイルム自体の熱変形がプロセスの改善等により問題なくなった場合でも、ベースフイルムの表面特性改良の目的で施されているプライマー層の耐熱性が充分でなく、従来の公知の技術を駆使しても本用途に要求されるような耐熱性と表面平坦性を両立することは困難であった。
【0005】
本発明の目的は、蒸着工程でオリゴマーの発生や皮膜層(プライマー層)の変形を防ぎ、得られた磁気テープのエラーや電磁変換特性が優れ、且つハンドリング性が良好な磁気記録媒体のベースフィルムとして特に有用な複合ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる問題を解決するために、以下の構成からなる。
ポリエステルフイルムの少なくとも片面にアクリル−ポリエステル樹脂を含有する被覆層Aを積層せしめた複合フイルムであって、該アクリル−ポリエステル樹脂の、(1)数平均分子量が1万以上100万以下であり、かつ(2)ビカット軟化温度が50℃以上90℃以下で、該アクリル−ポリエステル樹脂のアクリル樹脂成分が、(A)アルキルメタクリレート(MA)50モル%以上94モル%以下、(B)エポキシ基含有アクリル系モノマー(MB)3モル%以上30モル%以下、及び(C)アルキルアクリレート(MC)3モル%以上30モル%以下からなる成分を主成分とし、該主成分が後述の式(1)および(2)を満足し、該アクリル−ポリエステル樹脂のポリエステル樹脂成分が脂環族ジオールを全ジオール成分に対して10モル%以上40モル%以下共重合してなり、フィルムの皮膜層A面が磁性層の強磁性金属薄膜層を設ける面であることを特徴とする磁気記録媒体用複合ポリエステルフイルム。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、フィルムを構成するポリエステルは、分子配向により高強度フィルムを形成するポリエステルであれば何れでもよいが、中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。これらはホモポリマーだけでなく、その構成成分の80%以上がエチレンテレフタレート又はエチレンナフタレンジカルボキシレートであるものが含まれる。エチレンテレフタレート、エチレンナフタレンジカルボキシレート以外のポリエステル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3官能以上の多価カルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。上記ポリエステルは、さらに、他にポリエステル成分とは非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレングリコールなどの少なくとも一つを5重量%を超えない範囲で混合してもよい。
【0008】
前記ポリエステルは実質的に不活性粒子を含有しないか、あるいは含有したとしても0.5重量%以下、さらには0.3重量%以下の範囲で含有することが好ましい。この不活性粒子としては、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタンに代表される不活性無機粒子、あるいは架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂に代表される耐熱性に優れた有機粒子などが挙げられる。この含有量が0.5重量%を超えると、磁気テープにしたときに電磁変換特性が悪化する。また、不活性粒子の平均粒径は30〜500nm、さらには50〜300nmであることが好ましい。
【0009】
本発明におけるポリエステルフィルムは単層構造のフィルムであっても、共押出法等による二層以上の多層構造のフィルムであってもよい。多層フィルムの場合は、磁性層形成面側表面層のポリエステルが実質的に不活性粒子を含有しないか、あるいは含有したとしても0.05重量%を超えない、さらには0.01重量%を超えない範囲であることが好ましい。その反対面(非磁性層面)を形成するポリエステル層には0.05〜0.5重量%、さらには0.1〜0.3重量%の不活性粒子を含有することが好ましい。
【0010】
本発明において、ポリエステルフイルムの少なくとも片面に積層する皮膜層Aは、(1)数平均分子量が1万以上100万以下であり、かつ(2)ビカット軟化温度が50℃以上90℃以下であるアクリル−ポリエステル樹脂を含むものである。
【0011】
ここで、アクリル−ポリエステル樹脂とは、アクリル変性ポリエステル樹脂とポリエステル変性アクリル樹脂とを包含する意味で用いており、アクリル樹脂成分とポリエステル樹脂成分とが互いに結合したものであって、例えばグラフトタイプ、ブロックタイプを包含する。アクリル−ポリエステル樹脂は、例えばポリエステル樹脂の両端にラジカル開始剤を付加してアクリル単量体の重合を行わせたり、ポリエステル樹脂の側鎖にラジカル開始剤を付加してアクリル単量体の重合を行わせたり、あるいはアクリル樹脂の側鎖に水酸基をつけ、末端にイソシアネート基やカルボキシル基を有するポリエステル樹脂と反応させる等によって製造することができる。
【0012】
本発明におけるアクリル−ポリエステル樹脂の数平均分子量は1万以上100万以下である必要があり、好ましくは3万以上80万以下、更に好ましくは5万以上50万以下である。この分子量が1万未満であると、皮膜の強度や耐熱性が不充分であり、ポリエステルフイルム製造工程での造膜不良やテープ製造工程での熱負けが生じてしまい、好ましくない。一方、100万を超えると、ポリエステルフイルムとの接着性が低下し、皮膜層の塗工性に支障をきたし、テープ特性を低下させてしまう。
【0013】
ここで、数平均分子量は所謂GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって単分散ポリスチレン(分子量標準品)換算で求められるものであり、二つ以上の分子量分布を有する場合は大きいほうの分子量分布より求められるものである。
【0014】
前記アクリル−ポリエステル樹脂はビカット軟化温度が50℃以上90℃以下である必要があり、好ましくは55℃以上85℃以下、更に好ましくは60℃以上80℃以下である。このビカット軟化温度が50℃未満では、テープ製造工程での耐熱性不良が生じたり、走行耐久性が劣るために、結果としてテープ特性が不充分なものとなってしまう。一方、90℃を超える場合は、脆いポリマー特性を示すため走行耐久性が反って低下したり、延伸追従性が低下するため皮膜形成後の表面が粗化したりしてしまい、満足できるテープ特性が得られない。
【0015】
ここで、ビカット軟化温度はJIS規格 K 7206に準じた方法で測定される。
【0016】
前記アクリル−ポリエステル樹脂のポリエステル樹脂成分/アクリル樹脂成分のモル比は1/9以上5/5以下、さらには2/8以上4/6以下であることが好ましい。この比が1/9未満であると、皮膜のポリエステルフィルムとの密着性が不足し、一方5/5を超えると、皮膜の耐削れ性、ベースフィルムのオリゴマー抑制効果が劣る。即ち該アクリル−ポリエステル樹脂を構成するポリエステル樹脂成分により皮膜層とポリエステルフィルムの接着性を確保し、アクリル樹脂成分により皮膜の耐削れ性、ベースフィルムのオリゴマー抑制効果を確保する。
【0017】
前記アクリル−ポリエステル樹脂を構成するポリエステル樹脂成分は、多塩基酸成分とポリオール成分から成るが、該多塩基酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。これら酸成分は、通常2種以上からなり、若干量ながら不飽和多塩基酸成分のマレイン酸、イタコン酸等及びp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸を含むことができる。また、ポリオール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等が挙げられる。これらポリオール成分は2種以上であることができる。これら共重合成分の中でも特に1,4−シクロヘキサンジメタノールを代表とする脂環族ジオールを用いると、表面平坦性と耐熱性の両立という点で好ましい。この脂環族ジオール成分は、全ジオールに対して10モル%以上40モル%以下で共重合されることが好ましい。
【0018】
前記ポリエステル樹脂成分は、上記した多塩基酸又はそのエステル形成性誘導体と上記したポリオール又はそのエステル形成性誘導体を常法によって反応させることで製造することができる。
【0019】
前記アクリル−ポリエステル樹脂を構成するアクリル樹脂成分は、(A)アルキルメタクリレート(MA)50モル%以上94モル%以下、(B)エポキシ基含有アクリル系モノマー(MB)3モル%以上35モル%以下、及び(C)アルキルアクリレート(MC)3モル%以上30モル%以下からなる成分を主とすることが好ましい。成分(A)の割合は、更に好ましくは60モル%以上90モル%以下である。この割合が50モル%に満たないと、アクリル−ポリエステル樹脂の重合が難しくなる。一方、94モル%を超えると、成分(B)、(C)の量が減少し、削れ性や表面平坦性が悪化する。成分(A)のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等が好ましく挙げられる。
【0020】
前記(B)エポキシ基含有アクリル系モノマーの割合は、更に好ましくは7モル%以上30モル%以下である。この割合が3モル%に満たないと、樹脂の架橋密度が低下し、削れ性が悪化したり、蒸着時に熱変形し、結果としてその上に形成された蒸着層の粗化が起こり、磁気記録媒体としたときに電磁変換特性が劣化してしまう。一方、35モル%を超えると、皮膜層Aのフィラー突起間の地肌樹脂部が粗くなり、磁気記録媒体としたときに電磁変換特性が劣化してしまう。前記エポキシ基含有アクリル系モノマーの例としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が好ましく挙げられる。
【0021】
前記(C)アルキルアクリレートの割合は、3モル%以上30モル%以下、更には4モル%以上20モル%以下であることが好ましい。この割合が3モル%未満であると、皮膜層Aのフィラー突起間の地肌樹脂部が粗くなり、磁気記録媒体としたときに電磁変換特性が劣化してしまう。一方、30モル%を超えると、削れ性が悪化したり、蒸着時に熱変形し、結果としてその上に形成された蒸着層の粗化が起こり磁気記録媒体としたときに電磁変換特性が劣化してしまう。このアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0022】
前記アクリル樹脂成分は、さらに、下記式(1)および(2)を満足することが好ましい。
【0023】
【数2】
1≦ MA/(MB+MC)≦10 ・・・(1)
0.1≦ MB/MC ≦20 ・・・(2)
(ここで、MAはアルキルメタクリレートのモル数、MBはエポキシ基含有アクリル系モノマーのモル数、MCはアルキルアクリレートのモル数を示す。)
【0024】
MA/(MB+MC)が1未満の場合、皮膜層Aの耐熱性が劣り、テープ製造工程での耐熱性不良が生じるため好ましくない。一方、10を超える場合は、表面平坦性が低下し、充分なテープ特性が得られない。また、MB/MCが0.1未満の場合、表面平坦性が極端に低下してしまい好ましくなく、一方20を超える場合は、高い重合度のアクリルポリマーが得られないことになり、耐熱性や造膜性が低下し、好ましくない。
【0025】
本発明における皮膜層Aは、前記したアクリル−ポリエステル樹脂以外に、平均粒径が5nm以上50nm以下の不活性粒子、および界面活性剤を含有することが好ましい。
【0026】
該アクリル−ポリエステル樹脂の皮膜層A中の割合は、40重量%以上89重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは50重量%以上75重量%以下である。この割合が40重量%未満であると、ポリエステルフィルムとの密着性が低下し、皮膜層Aが削れやすくなり、一方、89重量%を超えると、不活性粒子および界面活性剤成分の量が低下し、テープ特性や皮膜層Aの塗工性に支障をきたす。また、充分な磁気テープ特性を得るためには、皮膜層Aを構成する第一の主成分はアクリル−ポリエステル樹脂であることが好ましく、このため、該アクリル−ポリエステル樹脂は不活性粒子および界面活性剤各々よりも多く含有されることが好ましい。
【0027】
前記皮膜層Aに含有させる不活性粒子の材質としては、ポリスチレン、ポリスチレン−ジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン、シリコーン等の有機質、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、グラファイト等の無機質のいずれを用いてもよい。また、内外部のそれぞれの性質が異なる物質で構成される多層構造のコア・シェル型粒子を用いてもよい。不活性粒子は下記式で定義される体積形状計数(f)が0.1〜π/6であるものが好ましく、更には0.4〜π/6の実質的に球あるいはラグビーボール状の楕円球が好ましい。この係数(f)が0.1に満たない、例えば薄片状粒子では、磁気記録媒体としたときに電磁変換特性の劣化が起こりやすい。
【0028】
【数3】
f=v/d3
ここで、Vは不活性粒子の体積、dは平均粒径を表す。
【0029】
また、不活性粒子の平均粒径は5〜50nmであることが好ましく、更に好ましくは10〜40nmである。この平均粒径が5nm未満であると、磁気記録媒体としたときにヘッドとの走行耐久性が不足し、一方50nmを超えると、磁気記録媒体としたときにヘッドとのスペーシングが大きくなり、電磁変換特性が低下する。該不活性粒子の皮膜層A中の割合は、1重量%以上20重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは3重量%以上10重量%以下である。この含有量が1重量%未満であると、磁気記録媒体としたときにヘッドとの走行耐久性が不足し、一方、20重量%を超えると、皮膜層Aから粒子が脱落しやすくなり、好ましくない。
【0030】
前記不活性粒子を核として皮膜に形成される突起の高さは5〜50nmであることが好ましく、更に好ましくは10〜40nmである。この突起高さが5nm未満であると、磁気記録媒体としたときにヘッドとの走行耐久性が不足し、一方50nmを超えると、磁気記録媒体としたときにヘッドとのスペーシングが大きくなり、電磁変換特性が低下するので、好ましくない。該突起の高さ/半値幅の比は0.3以上0.8以下であることが好ましいが、さらに好ましくは0.4以上0.7以下である。この比が0.3未満であると、突起が削れやすくなり、一方0.8を超える場合は、不活性粒子の周りのアクリル−ポリエステル樹脂が蒸着時に熱で変形し、結果としてその上に形成された蒸着層の粗化が起こり、磁気記録媒体としたときに電磁変換特性が劣化してしまう、ので好ましくない。
【0031】
前記皮膜層A中の界面活性剤としては、陰イオン型、陽イオン型、非イオン型のいすれを用いてもよいが、中でも非イオン型が好ましい。非イオン型界面活性剤としては、エステル型、エーテル型、アルキルフェノール型のものが挙げられる。かかる界面活性剤の具体例として、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系化合物の、日本油脂株式会社製の商品名、「ノニオンNS―230」、「同NS―240」、「同HS―220」、「同HS―240」、三洋化成株式会社製の商品名、「ノニポール200」、「ノニポール400」、「ノニポール500」、「オクタポール400」;ポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物の、日本油脂株式会社製の商品名、「ノニオンE―230」、「同K―220」、「同K―230」;高級脂肪酸のポリオキシエチレンエステル系化合物の、日本油脂株式会社製の商品名、「ノニオンS―15.4」、「同S―40」等を例示することができる。
【0032】
前記界面活性剤の皮膜層A中の割合は、10重量%以上50重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは15重量%以上40重量%以下である。この割合が10重量%未満であると、塗工性が悪くなり磁気記録媒体としたときにヘッドとの走行耐久性が不足し、一方、50重量%を超えると、皮膜層Aの耐熱性が低下し、好ましくない。
【0033】
前記皮膜層Aには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、所望により他の成分、例えば安定剤、分散剤、UV吸収剤、増粘剤、離型剤等を添加することができる。
【0034】
本発明における複合ポリエステルフィルムは、その皮膜層A形成面と反対側の表面(他方の表面:B面)には、易滑を目的とする他の皮膜層を設けてもよい。
【0035】
前記他方の表面(B面)の表面粗さRaは2nm以上10nm以下であることが好ましく、更に好ましくは2nm以上7nm以下である。この表面粗さRaが2nm未満であると、ポリエステルフィルムの製膜工程や蒸着時のハンドリング性が著しく劣る。また、この表面粗さRaが10nmを超えると、蒸着時にポリエステルフィルムが冷却キャンに充分に密着しないので熱負荷が高くなり、オリゴマーが発生し、それがエラーになってしまったり、蒸着時に皮膜が熱で変形し、結果としてその上に形成された蒸着層の粗化が起こり、電磁変換特性が劣化するので、好ましくない。
【0036】
本発明におけるポリエステルフィルムは、厚さが7μm未満、さらには1μm以上7μm未満、特に2μm以上6.5μm以下のフィルムであることが好ましい。
【0037】
本発明における複合ポリエステルフィルムは、強磁性金属薄膜層からなる磁気記録媒体のベースフィルムとして、特にデジタルビデオテープ用途に使用すると優れた結果を得ることができ、好適である。またデータストレージテープ用途にしても優れた結果を得ることができ、好適である。
【0038】
本発明における磁気記録媒体は、前記皮膜層Aの外側に強磁性金属薄膜層を設けてなることを特徴とするが、この金属としては公知のものを使用でき特に限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、クロムまたはそれらの合金の強磁性体からなるものが好ましい。金属薄膜層の厚さは100〜300nmであるものが好ましい。前記磁気記録媒体は皮膜層A形成面の反対面(B面)に固体微粒子及び結合剤からなり、必要に応じて各種添加剤を加えた溶液を塗布することにより形成されるバックコート層を設けてもよい。固体微粒子、結合剤、各種添加剤は公知のものを使用でき、特に限定されないが、バックコート層の厚さは0.3〜1.5μmであることが好ましい。
【0039】
本発明における複合ポリエステルフィルムは、溶融、成形、二軸延伸、熱固定からなる通常のプラスチックフィルムの製造工程において、一方向に延伸後のポリエステルフィルムの片面に皮膜層A形成塗液を塗布し、乾燥した後、直角方向に延伸を行い、熱固定することで製造することができる。塗工方法としては公知の方法が適用できる。例えば、ロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフ法、含浸法、カーテンコート法等を単独でも組み合わせても適用できる。塗液の固形分濃度は15重量%以下、さらには0.2〜10重量%以下であることが好ましい。
【0040】
[物質の測定方法及び効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法及び効果の評価方法は、次の通りである。
(1)アクリル−ポリエステル樹脂の試料作成
複合ポリエステルフイルムに積層する皮膜層Aのアクリル−ポリエステル樹脂成分の特性を測定するための試料は、アクリル−ポリエステル樹脂水分散体をガラスシャーレ上に適量とり、ドラフト内の弱減圧下で常温乾燥することで風乾試料を得て、これを用いる。
【0041】
(2)アクリル−ポリエステル樹脂の数平均分子量
風乾アクリル−ポリエステル樹脂をクロロホルムに溶解し、東洋曹達(株)製GPCカラム(TSK−gel GMH HR−M ×2本)によってRI検出器によって分析する(移動相クロロホルム)。なお、分子量の定量にあたっては較正曲線用標準試料として単分散ポリスチレン(Polymer Laboratories製 Easi Cal PS-1)を使用する。
【0042】
(3)アクリル−ポリエステル樹脂のビカット軟化温度
風乾アクリル−ポリエステル樹脂を200℃×5分熱処理し、得られたサンプルを10mm×10mm×厚み約2mmに切り出し、JIS規格 K−7206に準じて測定を行い、荷重0.98Nにおける突き刺し深度1mmに到達した時の温度を該アクリル−ポリエステル樹脂のビカット軟化温度として求める。
【0043】
(4)アクリル−ポリエステル樹脂の組成
風乾アクリル−ポリエステル樹脂を重水素化DMSOに溶解し、日本電子製600MHz−1H−NMRによって80℃下測定して求める。
【0044】
(5)不活性粒子の平均粒径
光散乱法によって求められる全粒子の50重量%点にある粒子の等価球形直径をもって平均粒径とする。
【0045】
(6)粒子の体積形状係数
走査型電子顕微鏡により、粒子のサイズに応じた倍率にて各粒子の写真を撮影し、画像解析処理装置ルーゼックスを用い、投影面最大径及び粒子の体積を算出し、次式により算出する。
【0046】
【数4】
f=V/d3
式中、fは体積形状係数、Vは粒子の体積(μm3)、dは投影面の最大径(μm)を表す。
【0047】
(7)突起の高さ、半値幅
デジタルインスツルメンツ製の原子間力顕微鏡NanoScopeIIIを用いて行う。Jスキャナーを使用し、以下の条件で2μmエリアを測定し、AFM像より各々の突起について高さ及び半値幅の測定を行う。
深針:単結晶シリコンナイトライド
走査モード:タッピングモード
画素数:246×256
スキャン速度:2.0Hz
測定環境:室温、大気中
突起の高さは基準線から頂点までの高さhで定義される。突起の高さは100個の平均値とする。突起の半値幅wは、基準線からh/2の高さでの基準線に平行な直線と該突起が交わる線分の長さで表される。高さ/半値幅比(h/w)は100個の突起における解析の平均値をもって表す。なお、基準線は2μmエリアの断面プロファイルにて突起のプロファイルを除いたプロファイルの中心線とする。
【0048】
(8)皮膜層厚み
フィルムの小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロトームにて約60nmの厚みの超薄切片(フィルムの流れ方向に平行に切断する)を作成し、この資料を等価型電子顕微鏡(日立製作所製H−800型)にて観察し、層の境界線より層厚みを求める。
【0049】
(9)フィルムの表面粗さRa
JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の触針式表面粗さ計(サーフコーダーSE30FAT)を用い、触針先端半径2μm、測定圧力30mg、カットオフ0.08mm、測定長1.25mmの条件で求める。測定は4回行い、その平均値で表す。
【0050】
(10)塗布斑
塗膜層を下にして下記組成の染色液(温度50℃)に10分間浸漬し、水洗した後、黙視で観察し、染色されていない塗布斑があるもの×、ないものを○として判定する。
メチレンブルー:0.5重量%
ベンジルアルコール:1.5重量%
カヤカランレッド:0.1重量%
ローダミンB:0.1重量%
イオン交換水:97.8重量%
【0051】
(11)フィルムの巻取り性
スリッターにより、巻取張力10kg/m、巻取接圧140kg/m、巻取速度100m/分、オシレーション幅100mm、オシレーション速度10mm/分の条件で、幅500mm、長さ9000mmのポリエステルフィルムロールを10本巻き上げ、24時間放置後に該ロールを検査し、シワのないロールを良品として以下の基準にて巻取り性の評価をする。
【0052】
(12)磁気テープの製造及び特性評価
複合ポリエステルフィルムの皮膜層A面の外側に真空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を110nmの厚みで形成し、次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリング法によりダイヤモンド状カーボンを10nmの厚みで形成させ、更に含フッ素カルボン酸系潤滑剤を順次設け、続いて反対面にカーボンブラック、ポリウレタン、シリコーンからなるバックコート層を500nm設け、スリッターにより幅8mm及び6.35mmにスリットし、市販のリールに巻き取り、磁気テープを作成する。電磁変換特性は市販のHi8方式8mmビデオテープレコーダーを用いてビデオS/N比を、市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダーを用いてドロップアウト(DO)個数を求める。S/Nの測定にはTV試験信号発生器から信号を供給し、ビデオノイズメーターを用い、市販のスタンダードHi8MEテープをゼロデシベル(dB)として比較検討する。
○:市販テープ対比+2dB以上
△:市販テープ対比−2dB以上〜+2dB未満
×:市販テープ対比−2dB未満
【0053】
DO個数の測定は、作成した6.35mmテープを市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダーで録画後、1分間の再生をして画面に現れたブロック状のモザイクの個数をドロップアウトカウンターにてカウントすることによって行う。
○:15個/分以下
△:16〜30個/分
×:31個/分以上
【0054】
走行耐久性は40℃、80%RHで記録再生を500回繰り返した後のS/Nを測定し、初期値からのずれで判定する。
○:初期値に対して+0.0dB以上
△:初期値に対して−1.0dB以上〜+0.0dB未満
×:初期値に対して−1.0dB未満
【0055】
【実施例】
次に、実施例に基づき本発明をさらに説明する。
【0056】
[実施例1]
実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートのペレットを170℃で6時間乾燥した後、押出し機に供給して305℃で溶融した。この溶融ポリマーを公知の方法で濾過し、押出し機からシート状に押出し、これをキャスティングドラム上で冷却固化し、未延伸フィルムを作成した。このようにして得られた未延伸フィルムを120℃で予熱し、さらに低速、高速のロール間で15mm上方より900℃のIRヒーターにて加熱して縦方向に3.7倍に延伸し、続いて下記に示す組成の水分散液をそれぞれフィルムに塗布した。
【0057】
皮膜層A:
(1)アクリル−ポリエステル樹脂 75重量%
・ポリエステル樹脂部:テレフタル酸(25モル%)、イソフタル酸(70モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(5モル%)/ジエチレングリコール(80モル%)、シクロヘキサンジメタノール(20モル%)
・アクリル樹脂部:メチルメタクリレート(75モル%)、グルシジルメタクリレート(20モル%)、n−ブチルアクリレート(5モル%)
・ポリエステル樹脂成分/アクリル樹脂成分のモル比=3/7
・数分子量:15万
・ビカット軟化温度:75℃
(2)アクリル粒子(平均粒径20nm) 5重量%
(3)界面活性剤 日本油脂製 ノニオンNS−240 20重量%
・塗液の固形分濃度:1.5重量%
・皮膜層Aの厚み(乾燥後):4.8nm
【0058】
皮膜層B:
(1)共重合ポリエステル 60重量%
・テレフタル酸97モル%/イソフタル酸1モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%//エチレングリコール60モル%/ジエチレングリコール40モル%
(2)アクリル粒子(平均粒径60nm) 10重量%
(3)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20重量%
(4)日本油脂製 ノニオンNS−208.5 10重量%
・塗液の固形分濃度:3.0重量%
・皮膜層Bの厚み(乾燥後):15nm
【0059】
続いて、ステンターに供給し、150℃にて横方向に4.9倍に延伸し、更に200℃で1.14倍横延伸しながら熱処理し、厚み4.7μmの二軸配向フイルムを得た。このポリエステルフィルム表面Aに真空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を110nmの厚みで形成した。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリング法によりダイヤモンド状カーボンを10nmの厚みで形成させた。続いてカーボンブラック、ポリウレタン、シリコーンからなるバックコート層を500nm設け、スリッターにより幅8mmにスリットし、リールに巻き取り、磁気テープを作成した。得られた複合ポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1、2に示す。
【0060】
[実施例2〜4、比較例1〜3]
実施例1の皮膜A面側のアクリル−ポリエステル樹脂の分子量とビカット軟化温度の値およびアクリル樹脂成分の比率を表1に示すように変える以外は、実施例1と同様にして複合ポリエステルフィルム、磁気テープを得た。これらの特性を表1、2に示す。
【0061】
[実施例5]
ベースフィルムの製造において、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートをポリエチレンテレフタレートに変更し、ペレットの乾燥時間を3時間とし、溶融押出温度を295℃とし、縦延伸予熱温度、倍率をそれぞれ80℃、3.0倍とし、実施例1と同じ塗液を塗布し、更には105℃で3.3倍に横延伸し、更に210℃で1.6倍横延伸しながら熱処理し、その他は同様にして厚さ6.4μmのフィルムを得、実施例1と同様にして磁気テープを作成した。得られた複合ポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1、2に示す。
【0062】
[実施例6]
実施例1のベースフィルムの製造において、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート中に、平均粒径60nmの球状シリカを0.03重量%含有させること以外は実施例1と同様にして、厚さ4.7μmのフィルムを得、実施例1と同様にして磁気テープを作成した。得られた複合ポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1、2に示す。
【0063】
[実施例7]
実施例1のベースフィルムの製造において、実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートである原料Aと、実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートに平均粒径300nmのシリカを0.3重量%含有させた原料Bとを厚み5:1の割合で共押出すると変更し、その他は同様にして厚さ4.7μmのポリエステルフィルムを得、実施例1と同様にして磁気テープを作成した。得られた複合ポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1、2に示す。
【0064】
[比較例4]
実施例1のベースフィルムの製造において、皮膜層Aの代わりに皮膜層Bを用い、両面とも皮膜層Bとすること以外は同様にして厚さ4.7μmのポリエステルフィルムを得、実施例1と同様にして磁気テープを作成した。得られた複合ポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1、2に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
表1、2から明らかなように、本発明の複合ポリエステルフィルムは塗布斑がなくハンドリング性に優れ、また磁気テープとしたときに、電磁変換特性、DO特性、走行耐久性に優れるテープとなる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、蒸着工程でオリゴマーの発生や皮膜層(プライマー層)の変形を防ぎ、得られた磁気テープのエラーや電磁変換特性が優れ、且つハンドリング性が良好な磁気記録媒体のベースフィルムとして特に有用な複合ポリエステルフィルムを提供することができる。
Claims (7)
- ポリエステルフイルムの少なくとも片面にアクリル−ポリエステル樹脂を含有する被覆層Aを積層せしめた複合フイルムであって、該アクリル−ポリエステル樹脂の、(1)数平均分子量が1万以上100万以下であり、かつ(2)ビカット軟化温度が50℃以上90℃以下で、該アクリル−ポリエステル樹脂のアクリル樹脂成分が、(A)アルキルメタクリレート(MA)50モル%以上94モル%以下、(B)エポキシ基含有アクリル系モノマー(MB)3モル%以上30モル%以下、及び(C)アルキルアクリレート(MC)3モル%以上30モル%以下からなる成分を主成分とし、該主成分が下記式(1)および(2)を満足し、該アクリル−ポリエステル樹脂のポリエステル樹脂成分が脂環族ジオールを全ジオール成分に対して10モル%以上40モル%以下共重合してなり、フィルムの皮膜層A面が磁性層の強磁性金属薄膜層を設ける面であることを特徴とする磁気記録媒体用複合ポリエステルフイルム。
- アクリル−ポリエステル樹脂のポリエステル樹脂成分/アクリル樹脂成分のモル比が1/9以上5/5以下であり、ポリエステル樹脂成分が脂環族ジオールを全ジオール成分に対して10モル%以上40モル%以下共重合してなる請求項1に記載の複合ポリエステルフイルム。
- 皮膜層Aが、(1)アクリル−ポリエステル樹脂40重量%以上89重量%以下、(2)平均粒径が5nm以上50nm以下の不活性粒子1重量%以上20重量%以下、及び(3)界面活性剤10重量%以上50重量%以下からなる成分を主成分とし、該不活性粒子によって形成される突起の、高さ/半値幅比が0.3以上0.8以下であり、かつポリエステルフィルムの皮膜層A形成面と反対側の表面(B面)の粗さRaが2nm以上10nm以下である請求項1または2のいずれかに記載の複合ポリエステルフイルム。
- ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなるフィルムである請求項1に記載の複合ポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムの厚さが7μm未満である請求項1〜4のいずれかに記載の複合ポリエステルフィルム。
- デジタル記録方式の磁気テープに用いられる請求項1に記載の複合ポリエステルフィルム。
- 請求項1に記載の複合ポリエステルフイルムをベースフィルムとして用いた磁性層が強磁性金属薄膜層である磁気記録媒体。
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