JP2002046239A - 複合ポリエステルフィルム - Google Patents

複合ポリエステルフィルム

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JP2002046239A JP2000232918A JP2000232918A JP2002046239A JP 2002046239 A JP2002046239 A JP 2002046239A JP 2000232918 A JP2000232918 A JP 2000232918A JP 2000232918 A JP2000232918 A JP 2000232918A JP 2002046239 A JP2002046239 A JP 2002046239A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布斑がなく、ハンドリング性および機械的
強度に優れているため、例えば磁気テープとした時に、
テープ化の際の耐熱不良が少なく、表面平坦性が保持さ
れており、電磁変換特性、DO特性、特に走行耐久性に
優れたポリエステルフイルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
にアクリル−ポリエステル樹脂を含む被覆層Aを積層せ
しめた複合フイルムであって、該アクリル−ポリエステ
ル樹脂の、(1)数平均分子量が1万以上100万以下
であり、かつ(2)ビカット軟化温度が50℃以上90
℃以下であることを特徴とする複合ポリエステルフイル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合ポリエステルフ
イルムに関する。更に詳しくは電磁変換特性、走行耐久
性に優れた磁気記録媒体用複合ポリエステルフィルム、
特にデジタルビデオカセットテープ用、データストレー
ジ用等のデジタルデータを記録する強磁性金属薄膜型磁
気記録媒体用複合ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】1995年に実用化された民生用デジタ
ルビデオテープは、ベースフィルム上にCoの金属磁性
薄膜を真空蒸着により設け、その表面にダイヤモンド状
カーボン膜をコーティングした構造からなり、Hi8用
ME(蒸着)テープに比べて表面が平坦化しているにも
かかわらず、良好な耐久性を持っている。このベースフ
ィルムとしては、ポリエステルフィルムと、該ポリエス
テルフィルムの少なくとも片面に密着された水溶性ポリ
エステル共重合体を含むポリマーブレンド及び粒径5〜
50nmの微細粒子を主体とした不連続皮膜からなり、
該不連続皮膜の表面に該微細粒子による微細突起が形成
されたポリエステルフィルム(例えば、特公昭63−5
7238号公報)が用いられている。このベースフィル
ムは、Hi8MEベースに比べ、更に金属磁性膜形成表
面粗度の小さいフィルムである。
【0003】一方、前記不連続皮膜に用いられる水溶性
ポリエステル共重合体を始めとする水溶性プライマーに
ついても、ポリエステルフイルムの表面改良や接着性向
上、あるいは削れによるフィラーの脱落防止に関する数
多くの提案がなされている(例えば、特開昭54−43
017号公報、特告昭49−10243号公報、特開昭
58−124651号公報、特開昭63−37937号
公報、特開平1−165633号公報、特開平3−17
135号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
記録容量アップのために、今まで以上にテープの長尺化
が必要とされてきており、そのためにはベースフィルム
の薄膜化が必要となってきている。また、蒸着テープの
生産性をあげるためには、蒸着のスピードを速くする必
要も出てきている。蒸着には、通常、ベースフィルムの
非磁性面側表面を冷却キャンに密着させてベースフィル
ムを冷却する方法を用いるが、ベースフィルムの薄膜化
や蒸着スピードのアップにつれ、蒸着時のベースフィル
ムに対する熱負荷はますます高くなってきてる。従来の
ベースフィルムでは熱を受けた際にオリゴマーが発生し
それがエラーになってしまったり、蒸着時にベースフイ
ルムが熱変形し、結果としてその上に形成された蒸着層
の粗化が起こり電磁変換特性が劣化してしまう問題があ
った。この問題を防ぐ方法として、冷却キャンにより一
層密着させるために、ベースフィルムの非磁性面側表面
を平坦にする方法も用いられるが、この場合はベースフ
ィルムの製膜工程や蒸着時のハンドリング性が著しく劣
る問題があった。またベースフイルム自体の熱変形がプ
ロセスの改善等により問題なくなった場合でも、ベース
フイルムの表面特性改良の目的で施されているプライマ
ー層の耐熱性が充分でなく、従来の公知の技術を駆使し
ても本用途に要求されるような耐熱性と表面平坦性を両
立することは困難であった。
【0005】本発明の目的は、蒸着工程でオリゴマーの
発生や皮膜層(プライマー層)の変形を防ぎ、得られた
磁気テープのエラーや電磁変換特性が優れ、且つハンド
リング性が良好な磁気記録媒体のベースフィルムとして
特に有用な複合ポリエステルフィルムを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる問題を
解決するために、以下の構成からなる。ポリエステルフ
イルムの少なくとも片面にアクリル−ポリエステル樹脂
を含有する被覆層Aを積層せしめた複合フイルムであっ
て、該アクリル−ポリエステル樹脂の、(1)数平均分
子量が1万以上100万以下であり、かつ(2)ビカッ
ト軟化温度が50℃以上90℃以下であることを特徴と
する複合ポリエステルフイルム。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、フィルムを構成
するポリエステルは、分子配向により高強度フィルムを
形成するポリエステルであれば何れでもよいが、中でも
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。これらはホ
モポリマーだけでなく、その構成成分の80%以上がエ
チレンテレフタレート又はエチレンナフタレンジカルボ
キシレートであるものが含まれる。エチレンテレフタレ
ート、エチレンナフタレンジカルボキシレート以外のポ
リエステル共重合体成分としては、例えばジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ポリエチレングリコール、p−キシレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオー
ル成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカル
ボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3
官能以上の多価カルボン酸成分、p−オキシエトキシ安
息香酸などが挙げられる。上記ポリエステルは、さら
に、他にポリエステル成分とは非反応性のスルホン酸の
アルカリ金属塩誘導体、該ポリエステルに実質的に不溶
なポリアルキレングリコールなどの少なくとも一つを5
重量%を超えない範囲で混合してもよい。
【0008】前記ポリエステルは実質的に不活性粒子を
含有しないか、あるいは含有したとしても0.5重量%
以下、さらには0.3重量%以下の範囲で含有すること
が好ましい。この不活性粒子としては、炭酸カルシウ
ム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタンに代表
される不活性無機粒子、あるいは架橋シリコーン樹脂、
架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂に代表される
耐熱性に優れた有機粒子などが挙げられる。この含有量
が0.5重量%を超えると、磁気テープにしたときに電
磁変換特性が悪化する。また、不活性粒子の平均粒径は
30〜500nm、さらには50〜300nmであるこ
とが好ましい。
【0009】本発明におけるポリエステルフィルムは単
層構造のフィルムであっても、共押出法等による二層以
上の多層構造のフィルムであってもよい。多層フィルム
の場合は、磁性層形成面側表面層のポリエステルが実質
的に不活性粒子を含有しないか、あるいは含有したとし
ても0.05重量%を超えない、さらには0.01重量
%を超えない範囲であることが好ましい。その反対面
(非磁性層面)を形成するポリエステル層には0.05
〜0.5重量%、さらには0.1〜0.3重量%の不活
性粒子を含有することが好ましい。
【0010】本発明において、ポリエステルフイルムの
少なくとも片面に積層する皮膜層Aは、(1)数平均分
子量が1万以上100万以下であり、かつ(2)ビカッ
ト軟化温度が50℃以上90℃以下であるアクリル−ポ
リエステル樹脂を含むものである。
【0011】ここで、アクリル−ポリエステル樹脂と
は、アクリル変性ポリエステル樹脂とポリエステル変性
アクリル樹脂とを包含する意味で用いており、アクリル
樹脂成分とポリエステル樹脂成分とが互いに結合したも
のであって、例えばグラフトタイプ、ブロックタイプを
包含する。アクリル−ポリエステル樹脂は、例えばポリ
エステル樹脂の両端にラジカル開始剤を付加してアクリ
ル単量体の重合を行わせたり、ポリエステル樹脂の側鎖
にラジカル開始剤を付加してアクリル単量体の重合を行
わせたり、あるいはアクリル樹脂の側鎖に水酸基をつ
け、末端にイソシアネート基やカルボキシル基を有する
ポリエステル樹脂と反応させる等によって製造すること
ができる。
【0012】本発明におけるアクリル−ポリエステル樹
脂の数平均分子量は1万以上100万以下である必要が
あり、好ましくは3万以上80万以下、更に好ましくは
5万以上50万以下である。この分子量が1万未満であ
ると、皮膜の強度や耐熱性が不充分であり、ポリエステ
ルフイルム製造工程での造膜不良やテープ製造工程での
熱負けが生じてしまい、好ましくない。一方、100万
を超えると、ポリエステルフイルムとの接着性が低下
し、皮膜層の塗工性に支障をきたし、テープ特性を低下
させてしまう。
【0013】ここで、数平均分子量は所謂GPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー)によって単分散
ポリスチレン(分子量標準品)換算で求められるもので
あり、二つ以上の分子量分布を有する場合は大きいほう
の分子量分布より求められるものである。
【0014】前記アクリル−ポリエステル樹脂はビカッ
ト軟化温度が50℃以上90℃以下である必要があり、
好ましくは55℃以上85℃以下、更に好ましくは60
℃以上80℃以下である。このビカット軟化温度が50
℃未満では、テープ製造工程での耐熱性不良が生じた
り、走行耐久性が劣るために、結果としてテープ特性が
不充分なものとなってしまう。一方、90℃を超える場
合は、脆いポリマー特性を示すため走行耐久性が反って
低下したり、延伸追従性が低下するため皮膜形成後の表
面が粗化したりしてしまい、満足できるテープ特性が得
られない。
【0015】ここで、ビカット軟化温度はJIS規格
K 7206に準じた方法で測定される。
【0016】前記アクリル−ポリエステル樹脂のポリエ
ステル樹脂成分/アクリル樹脂成分のモル比は1/9以
上5/5以下、さらには2/8以上4/6以下であるこ
とが好ましい。この比が1/9未満であると、皮膜のポ
リエステルフィルムとの密着性が不足し、一方5/5を
超えると、皮膜の耐削れ性、ベースフィルムのオリゴマ
ー抑制効果が劣る。即ち該アクリル−ポリエステル樹脂
を構成するポリエステル樹脂成分により皮膜層とポリエ
ステルフィルムの接着性を確保し、アクリル樹脂成分に
より皮膜の耐削れ性、ベースフィルムのオリゴマー抑制
効果を確保する。
【0017】前記アクリル−ポリエステル樹脂を構成す
るポリエステル樹脂成分は、多塩基酸成分とポリオール
成分から成るが、該多塩基酸成分としては、例えばテレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等が挙げられる。これら酸成分は、
通常2種以上からなり、若干量ながら不飽和多塩基酸成
分のマレイン酸、イタコン酸等及びp−ヒドロキシ安息
香酸等の如きヒドロキシカルボン酸を含むことができ
る。また、ポリオール成分としては、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコ
ール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリ
コール等が挙げられる。これらポリオール成分は2種以
上であることができる。これら共重合成分の中でも特に
1,4−シクロヘキサンジメタノールを代表とする脂環
族ジオールを用いると、表面平坦性と耐熱性の両立とい
う点で好ましい。この脂環族ジオール成分は、全ジオー
ルに対して10モル%以上40モル%以下で共重合され
ることが好ましい。
【0018】前記ポリエステル樹脂成分は、上記した多
塩基酸又はそのエステル形成性誘導体と上記したポリオ
ール又はそのエステル形成性誘導体を常法によって反応
させることで製造することができる。
【0019】前記アクリル−ポリエステル樹脂を構成す
るアクリル樹脂成分は、(A)アルキルメタクリレート
(MA)50モル%以上94モル%以下、(B)エポキ
シ基含有アクリル系モノマー(MB)3モル%以上35
モル%以下、及び(C)アルキルアクリレート(MC
3モル%以上30モル%以下からなる成分を主とするこ
とが好ましい。成分(A)の割合は、更に好ましくは6
0モル%以上90モル%以下である。この割合が50モ
ル%に満たないと、アクリル−ポリエステル樹脂の重合
が難しくなる。一方、94モル%を超えると、成分
(B)、(C)の量が減少し、削れ性や表面平坦性が悪
化する。成分(A)のアルキル基としては、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチル
ヘキシル基、シクロヘキシル基等が好ましく挙げられ
る。
【0020】前記(B)エポキシ基含有アクリル系モノ
マーの割合は、更に好ましくは7モル%以上30モル%
以下である。この割合が3モル%に満たないと、樹脂の
架橋密度が低下し、削れ性が悪化したり、蒸着時に熱変
形し、結果としてその上に形成された蒸着層の粗化が起
こり、磁気記録媒体としたときに電磁変換特性が劣化し
てしまう。一方、35モル%を超えると、皮膜層Aのフ
ィラー突起間の地肌樹脂部が粗くなり、磁気記録媒体と
したときに電磁変換特性が劣化してしまう。前記エポキ
シ基含有アクリル系モノマーの例としては、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリ
シジルエーテル等が好ましく挙げられる。
【0021】前記(C)アルキルアクリレートの割合
は、3モル%以上30モル%以下、更には4モル%以上
20モル%以下であることが好ましい。この割合が3モ
ル%未満であると、皮膜層Aのフィラー突起間の地肌樹
脂部が粗くなり、磁気記録媒体としたときに電磁変換特
性が劣化してしまう。一方、30モル%を超えると、削
れ性が悪化したり、蒸着時に熱変形し、結果としてその
上に形成された蒸着層の粗化が起こり磁気記録媒体とし
たときに電磁変換特性が劣化してしまう。このアルキル
基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基
等が挙げられる。
【0022】前記アクリル樹脂成分は、さらに、下記式
(1)および(2)を満足することが好ましい。
【0023】
【数2】 1≦ MA/(MB+MC)≦10 ・・・(1) 0.1≦ MB/MC ≦20 ・・・(2) (ここで、MAはアルキルメタクリレートのモル数、MB
はエポキシ基含有アクリル系モノマーのモル数、MC
アルキルアクリレートのモル数を示す。)
【0024】MA/(MB+MC)が1未満の場合、皮膜
層Aの耐熱性が劣り、テープ製造工程での耐熱性不良が
生じるため好ましくない。一方、10を超える場合は、
表面平坦性が低下し、充分なテープ特性が得られない。
また、MB/MCが0.1未満の場合、表面平坦性が極
端に低下してしまい好ましくなく、一方20を超える場
合は、高い重合度のアクリルポリマーが得られないこと
になり、耐熱性や造膜性が低下し、好ましくない。
【0025】本発明における皮膜層Aは、前記したアク
リル−ポリエステル樹脂以外に、平均粒径が5nm以上
50nm以下の不活性粒子、および界面活性剤を含有す
ることが好ましい。
【0026】該アクリル−ポリエステル樹脂の皮膜層A
中の割合は、40重量%以上89重量%以下であること
が好ましく、さらに好ましくは50重量%以上75重量
%以下である。この割合が40重量%未満であると、ポ
リエステルフィルムとの密着性が低下し、皮膜層Aが削
れやすくなり、一方、89重量%を超えると、不活性粒
子および界面活性剤成分の量が低下し、テープ特性や皮
膜層Aの塗工性に支障をきたす。また、充分な磁気テー
プ特性を得るためには、皮膜層Aを構成する第一の主成
分はアクリル−ポリエステル樹脂であることが好まし
く、このため、該アクリル−ポリエステル樹脂は不活性
粒子および界面活性剤各々よりも多く含有されることが
好ましい。
【0027】前記皮膜層Aに含有させる不活性粒子の材
質としては、ポリスチレン、ポリスチレン−ジビニルベ
ンゼン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレ
ート共重合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライ
ド、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン、シリコ
ーン等の有機質、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カ
オリン、炭酸カルシウム、タルク、グラファイト等の無
機質のいずれを用いてもよい。また、内外部のそれぞれ
の性質が異なる物質で構成される多層構造のコア・シェ
ル型粒子を用いてもよい。不活性粒子は下記式で定義さ
れる体積形状計数(f)が0.1〜π/6であるものが
好ましく、更には0.4〜π/6の実質的に球あるいは
ラグビーボール状の楕円球が好ましい。この係数(f)
が0.1に満たない、例えば薄片状粒子では、磁気記録
媒体としたときに電磁変換特性の劣化が起こりやすい。
【0028】
【数3】f=v/d3 ここで、Vは不活性粒子の体積、dは平均粒径を表す。
【0029】また、不活性粒子の平均粒径は5〜50n
mであることが好ましく、更に好ましくは10〜40n
mである。この平均粒径が5nm未満であると、磁気記
録媒体としたときにヘッドとの走行耐久性が不足し、一
方50nmを超えると、磁気記録媒体としたときにヘッ
ドとのスペーシングが大きくなり、電磁変換特性が低下
する。該不活性粒子の皮膜層A中の割合は、1重量%以
上20重量%以下であることが好ましく、更に好ましく
は3重量%以上10重量%以下である。この含有量が1
重量%未満であると、磁気記録媒体としたときにヘッド
との走行耐久性が不足し、一方、20重量%を超える
と、皮膜層Aから粒子が脱落しやすくなり、好ましくな
い。
【0030】前記不活性粒子を核として皮膜に形成され
る突起の高さは5〜50nmであることが好ましく、更
に好ましくは10〜40nmである。この突起高さが5
nm未満であると、磁気記録媒体としたときにヘッドと
の走行耐久性が不足し、一方50nmを超えると、磁気
記録媒体としたときにヘッドとのスペーシングが大きく
なり、電磁変換特性が低下するので、好ましくない。該
突起の高さ/半値幅の比は0.3以上0.8以下である
ことが好ましいが、さらに好ましくは0.4以上0.7
以下である。この比が0.3未満であると、突起が削れ
やすくなり、一方0.8を超える場合は、不活性粒子の
周りのアクリル−ポリエステル樹脂が蒸着時に熱で変形
し、結果としてその上に形成された蒸着層の粗化が起こ
り、磁気記録媒体としたときに電磁変換特性が劣化して
しまう、ので好ましくない。
【0031】前記皮膜層A中の界面活性剤としては、陰
イオン型、陽イオン型、非イオン型のいすれを用いても
よいが、中でも非イオン型が好ましい。非イオン型界面
活性剤としては、エステル型、エーテル型、アルキルフ
ェノール型のものが挙げられる。かかる界面活性剤の具
体例として、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル系化合物の、日本油脂株式会社製の商品名、「ノニ
オンNS―230」、「同NS―240」、「同HS―
220」、「同HS―240」、三洋化成株式会社製の
商品名、「ノニポール200」、「ノニポール40
0」、「ノニポール500」、「オクタポール40
0」;ポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物
の、日本油脂株式会社製の商品名、「ノニオンE―23
0」、「同K―220」、「同K―230」;高級脂肪
酸のポリオキシエチレンエステル系化合物の、日本油脂
株式会社製の商品名、「ノニオンS―15.4」、「同
S―40」等を例示することができる。
【0032】前記界面活性剤の皮膜層A中の割合は、1
0重量%以上50重量%以下であることが好ましく、更
に好ましくは15重量%以上40重量%以下である。こ
の割合が10重量%未満であると、塗工性が悪くなり磁
気記録媒体としたときにヘッドとの走行耐久性が不足
し、一方、50重量%を超えると、皮膜層Aの耐熱性が
低下し、好ましくない。
【0033】前記皮膜層Aには、本発明の効果を損なわ
ない範囲であれば、所望により他の成分、例えば安定
剤、分散剤、UV吸収剤、増粘剤、離型剤等を添加する
ことができる。
【0034】本発明における複合ポリエステルフィルム
は、その皮膜層A形成面と反対側の表面(他方の表面:
B面)には、易滑を目的とする他の皮膜層を設けてもよ
い。
【0035】前記他方の表面(B面)の表面粗さRaは
2nm以上10nm以下であることが好ましく、更に好
ましくは2nm以上7nm以下である。この表面粗さR
aが2nm未満であると、ポリエステルフィルムの製膜
工程や蒸着時のハンドリング性が著しく劣る。また、こ
の表面粗さRaが10nmを超えると、蒸着時にポリエ
ステルフィルムが冷却キャンに充分に密着しないので熱
負荷が高くなり、オリゴマーが発生し、それがエラーに
なってしまったり、蒸着時に皮膜が熱で変形し、結果と
してその上に形成された蒸着層の粗化が起こり、電磁変
換特性が劣化するので、好ましくない。
【0036】本発明におけるポリエステルフィルムは、
厚さが7μm未満、さらには1μm以上7μm未満、特
に2μm以上6.5μm以下のフィルムであることが好
ましい。
【0037】本発明における複合ポリエステルフィルム
は、強磁性金属薄膜層からなる磁気記録媒体のベースフ
ィルムとして、特にデジタルビデオテープ用途に使用す
ると優れた結果を得ることができ、好適である。またデ
ータストレージテープ用途にしても優れた結果を得るこ
とができ、好適である。
【0038】本発明における磁気記録媒体は、前記皮膜
層Aの外側に強磁性金属薄膜層を設けてなることを特徴
とするが、この金属としては公知のものを使用でき特に
限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、クロムまた
はそれらの合金の強磁性体からなるものが好ましい。金
属薄膜層の厚さは100〜300nmであるものが好ま
しい。前記磁気記録媒体は皮膜層A形成面の反対面(B
面)に固体微粒子及び結合剤からなり、必要に応じて各
種添加剤を加えた溶液を塗布することにより形成される
バックコート層を設けてもよい。固体微粒子、結合剤、
各種添加剤は公知のものを使用でき、特に限定されない
が、バックコート層の厚さは0.3〜1.5μmである
ことが好ましい。
【0039】本発明における複合ポリエステルフィルム
は、溶融、成形、二軸延伸、熱固定からなる通常のプラ
スチックフィルムの製造工程において、一方向に延伸後
のポリエステルフィルムの片面に皮膜層A形成塗液を塗
布し、乾燥した後、直角方向に延伸を行い、熱固定する
ことで製造することができる。塗工方法としては公知の
方法が適用できる。例えば、ロールコート法、グラビア
コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エ
アーナイフ法、含浸法、カーテンコート法等を単独でも
組み合わせても適用できる。塗液の固形分濃度は15重
量%以下、さらには0.2〜10重量%以下であること
が好ましい。
【0040】[物質の測定方法及び効果の評価方法]本
発明における特性の測定方法及び効果の評価方法は、次
の通りである。 (1)アクリル−ポリエステル樹脂の試料作成 複合ポリエステルフイルムに積層する皮膜層Aのアクリ
ル−ポリエステル樹脂成分の特性を測定するための試料
は、アクリル−ポリエステル樹脂水分散体をガラスシャ
ーレ上に適量とり、ドラフト内の弱減圧下で常温乾燥す
ることで風乾試料を得て、これを用いる。
【0041】(2)アクリル−ポリエステル樹脂の数平
均分子量 風乾アクリル−ポリエステル樹脂をクロロホルムに溶解
し、東洋曹達(株)製GPCカラム(TSK−gel
GMH HR−M ×2本)によってRI検出器によっ
て分析する(移動相クロロホルム)。なお、分子量の定
量にあたっては較正曲線用標準試料として単分散ポリス
チレン(Polymer Laboratories製 Easi Cal PS-1)
を使用する。
【0042】(3)アクリル−ポリエステル樹脂のビカ
ット軟化温度 風乾アクリル−ポリエステル樹脂を200℃×5分熱処
理し、得られたサンプルを10mm×10mm×厚み約
2mmに切り出し、JIS規格 K−7206に準じて
測定を行い、荷重0.98Nにおける突き刺し深度1m
mに到達した時の温度を該アクリル−ポリエステル樹脂
のビカット軟化温度として求める。
【0043】(4)アクリル−ポリエステル樹脂の組成 風乾アクリル−ポリエステル樹脂を重水素化DMSOに
溶解し、日本電子製600MHz−1H−NMRによっ
て80℃下測定して求める。
【0044】(5)不活性粒子の平均粒径 光散乱法によって求められる全粒子の50重量%点にあ
る粒子の等価球形直径をもって平均粒径とする。
【0045】(6)粒子の体積形状係数 走査型電子顕微鏡により、粒子のサイズに応じた倍率に
て各粒子の写真を撮影し、画像解析処理装置ルーゼック
スを用い、投影面最大径及び粒子の体積を算出し、次式
により算出する。
【0046】
【数4】f=V/d3 式中、fは体積形状係数、Vは粒子の体積(μm3)、
dは投影面の最大径(μm)を表す。
【0047】(7)突起の高さ、半値幅 デジタルインスツルメンツ製の原子間力顕微鏡Nano
ScopeIIIを用いて行う。Jスキャナーを使用し、
以下の条件で2μmエリアを測定し、AFM像より各々
の突起について高さ及び半値幅の測定を行う。 深針:単結晶シリコンナイトライド 走査モード:タッピングモード 画素数:246×256 スキャン速度:2.0Hz 測定環境:室温、大気中 突起の高さは基準線から頂点までの高さhで定義され
る。突起の高さは100個の平均値とする。突起の半値
幅wは、基準線からh/2の高さでの基準線に平行な直
線と該突起が交わる線分の長さで表される。高さ/半値
幅比(h/w)は100個の突起における解析の平均値
をもって表す。なお、基準線は2μmエリアの断面プロ
ファイルにて突起のプロファイルを除いたプロファイル
の中心線とする。
【0048】(8)皮膜層厚み フィルムの小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロ
トームにて約60nmの厚みの超薄切片(フィルムの流
れ方向に平行に切断する)を作成し、この資料を等価型
電子顕微鏡(日立製作所製H−800型)にて観察し、
層の境界線より層厚みを求める。
【0049】(9)フィルムの表面粗さRa JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の触針
式表面粗さ計(サーフコーダーSE30FAT)を用
い、触針先端半径2μm、測定圧力30mg、カットオ
フ0.08mm、測定長1.25mmの条件で求める。
測定は4回行い、その平均値で表す。
【0050】(10)塗布斑 塗膜層を下にして下記組成の染色液(温度50℃)に1
0分間浸漬し、水洗した後、黙視で観察し、染色されて
いない塗布斑があるもの×、ないものを○として判定す
る。 メチレンブルー:0.5重量% ベンジルアルコール:1.5重量% カヤカランレッド:0.1重量% ローダミンB:0.1重量% イオン交換水:97.8重量%
【0051】(11)フィルムの巻取り性 スリッターにより、巻取張力10kg/m、巻取接圧1
40kg/m、巻取速度100m/分、オシレーション
幅100mm、オシレーション速度10mm/分の条件
で、幅500mm、長さ9000mmのポリエステルフ
ィルムロールを10本巻き上げ、24時間放置後に該ロ
ールを検査し、シワのないロールを良品として以下の基
準にて巻取り性の評価をする。
【0052】(12)磁気テープの製造及び特性評価 複合ポリエステルフィルムの皮膜層A面の外側に真空蒸
着によりコバルト−酸素薄膜を110nmの厚みで形成
し、次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリング法
によりダイヤモンド状カーボンを10nmの厚みで形成
させ、更に含フッ素カルボン酸系潤滑剤を順次設け、続
いて反対面にカーボンブラック、ポリウレタン、シリコ
ーンからなるバックコート層を500nm設け、スリッ
ターにより幅8mm及び6.35mmにスリットし、市
販のリールに巻き取り、磁気テープを作成する。電磁変
換特性は市販のHi8方式8mmビデオテープレコーダ
ーを用いてビデオS/N比を、市販のカメラ一体型デジ
タルビデオテープレコーダーを用いてドロップアウト
(DO)個数を求める。S/Nの測定にはTV試験信号
発生器から信号を供給し、ビデオノイズメーターを用
い、市販のスタンダードHi8MEテープをゼロデシベ
ル(dB)として比較検討する。 ○:市販テープ対比+2dB以上 △:市販テープ対比−2dB以上〜+2dB未満 ×:市販テープ対比−2dB未満
【0053】DO個数の測定は、作成した6.35mm
テープを市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコ
ーダーで録画後、1分間の再生をして画面に現れたブロ
ック状のモザイクの個数をドロップアウトカウンターに
てカウントすることによって行う。 ○:15個/分以下 △:16〜30個/分 ×:31個/分以上
【0054】走行耐久性は40℃、80%RHで記録再
生を500回繰り返した後のS/Nを測定し、初期値か
らのずれで判定する。 ○:初期値に対して+0.0dB以上 △:初期値に対して−1.0dB以上〜+0.0dB未
満 ×:初期値に対して−1.0dB未満
【0055】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明をさらに説明す
る。
【0056】[実施例1]実質的に不活性粒子を含有し
ないポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ートのペレットを170℃で6時間乾燥した後、押出し
機に供給して305℃で溶融した。この溶融ポリマーを
公知の方法で濾過し、押出し機からシート状に押出し、
これをキャスティングドラム上で冷却固化し、未延伸フ
ィルムを作成した。このようにして得られた未延伸フィ
ルムを120℃で予熱し、さらに低速、高速のロール間
で15mm上方より900℃のIRヒーターにて加熱し
て縦方向に3.7倍に延伸し、続いて下記に示す組成の
水分散液をそれぞれフィルムに塗布した。
【0057】 皮膜層A: (1)アクリル−ポリエステル樹脂 75重量% ・ポリエステル樹脂部:テレフタル酸(25モル%)、イソフタル酸( 70モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(5モル%)/ジ エチレングリコール(80モル%)、シクロヘキサンジメタノール( 20モル%) ・アクリル樹脂部:メチルメタクリレート(75モル%)、グルシジル メタクリレート(20モル%)、n−ブチルアクリレート(5モル%) ・ポリエステル樹脂成分/アクリル樹脂成分のモル比=3/7 ・数分子量:15万 ・ビカット軟化温度:75℃ (2)アクリル粒子(平均粒径20nm) 5重量% (3)界面活性剤 日本油脂製 ノニオンNS−240 20重量% ・塗液の固形分濃度:1.5重量% ・皮膜層Aの厚み(乾燥後):4.8nm
【0058】 皮膜層B: (1)共重合ポリエステル 60重量% ・テレフタル酸97モル%/イソフタル酸1モル%/5−ナトリウムス ルホイソフタル酸2モル%//エチレングリコール60モル%/ジエ チレングリコール40モル% (2)アクリル粒子(平均粒径60nm) 10重量% (3)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20重量% (4)日本油脂製 ノニオンNS−208.5 10重量% ・塗液の固形分濃度:3.0重量% ・皮膜層Bの厚み(乾燥後):15nm
【0059】続いて、ステンターに供給し、150℃に
て横方向に4.9倍に延伸し、更に200℃で1.14
倍横延伸しながら熱処理し、厚み4.7μmの二軸配向
フイルムを得た。このポリエステルフィルム表面Aに真
空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を110nmの厚みで
形成した。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリ
ング法によりダイヤモンド状カーボンを10nmの厚み
で形成させた。続いてカーボンブラック、ポリウレタ
ン、シリコーンからなるバックコート層を500nm設
け、スリッターにより幅8mmにスリットし、リールに
巻き取り、磁気テープを作成した。得られた複合ポリエ
ステルフィルム及び磁気テープの特性を表1、2に示
す。
【0060】[実施例2〜4、比較例1〜3]実施例1
の皮膜A面側のアクリル−ポリエステル樹脂の分子量と
ビカット軟化温度の値およびアクリル樹脂成分の比率を
表1に示すように変える以外は、実施例1と同様にして
複合ポリエステルフィルム、磁気テープを得た。これら
の特性を表1、2に示す。
【0061】[実施例5]ベースフィルムの製造におい
て、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ートをポリエチレンテレフタレートに変更し、ペレット
の乾燥時間を3時間とし、溶融押出温度を295℃と
し、縦延伸予熱温度、倍率をそれぞれ80℃、3.0倍
とし、実施例1と同じ塗液を塗布し、更には105℃で
3.3倍に横延伸し、更に210℃で1.6倍横延伸し
ながら熱処理し、その他は同様にして厚さ6.4μmの
フィルムを得、実施例1と同様にして磁気テープを作成
した。得られた複合ポリエステルフィルム及び磁気テー
プの特性を表1、2に示す。
【0062】[実施例6]実施例1のベースフィルムの
製造において、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレート中に、平均粒径60nmの球状シリカを
0.03重量%含有させること以外は実施例1と同様に
して、厚さ4.7μmのフィルムを得、実施例1と同様
にして磁気テープを作成した。得られた複合ポリエステ
ルフィルム及び磁気テープの特性を表1、2に示す。
【0063】[実施例7]実施例1のベースフィルムの
製造において、実質的に不活性粒子を含有しないポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートである
原料Aと、実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレ
ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートに平均粒径
300nmのシリカを0.3重量%含有させた原料Bと
を厚み5:1の割合で共押出すると変更し、その他は同
様にして厚さ4.7μmのポリエステルフィルムを得、
実施例1と同様にして磁気テープを作成した。得られた
複合ポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表
1、2に示す。
【0064】[比較例4]実施例1のベースフィルムの
製造において、皮膜層Aの代わりに皮膜層Bを用い、両
面とも皮膜層Bとすること以外は同様にして厚さ4.7
μmのポリエステルフィルムを得、実施例1と同様にし
て磁気テープを作成した。得られた複合ポリエステルフ
ィルム及び磁気テープの特性を表1、2に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】表1、2から明らかなように、本発明の複
合ポリエステルフィルムは塗布斑がなくハンドリング性
に優れ、また磁気テープとしたときに、電磁変換特性、
DO特性、走行耐久性に優れるテープとなる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、蒸着工程でオリゴマー
の発生や皮膜層(プライマー層)の変形を防ぎ、得られ
た磁気テープのエラーや電磁変換特性が優れ、且つハン
ドリング性が良好な磁気記録媒体のベースフィルムとし
て特に有用な複合ポリエステルフィルムを提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/73 G11B 5/73 5/733 5/733 Fターム(参考) 4F071 AA31 AA43 AD02 AD06 AE10 AF27 AF45 AF57 AH14 BA02 BB02 BC02 BC15 4F100 AB01 AK25B AK41A AK41B AK42A AL01B BA02 BA16 CA18B DE01B EH17 EH46 EH66 EJ38 GB41 JA05B JA07B JG06 JJ03 JK01 JK14A JK14B JL00 JL05 YY00 YY00A YY00B 4J002 BG043 BG05W CF04X DE236 ED067 FD20 FD206 FD317 GS01 5D006 CB01 CB05 CB07 CB08 FA02 FA05 FA09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    にアクリル−ポリエステル樹脂を含有する被覆層Aを積
    層せしめた複合フイルムであって、該アクリル−ポリエ
    ステル樹脂の、(1)数平均分子量が1万以上100万
    以下であり、かつ(2)ビカット軟化温度が50℃以上
    90℃以下であることを特徴とする複合ポリエステルフ
    イルム。
  2. 【請求項2】 アクリル−ポリエステル樹脂のポリエス
    テル樹脂成分/アクリル樹脂成分のモル比が1/9以上
    5/5以下であり、ポリエステル樹脂成分が脂環族ジオ
    ールを全ジオール成分に対して10モル%以上40モル
    %以下共重合してなる請求項1に記載の複合ポリエステ
    ルフイルム。
  3. 【請求項3】 アクリル−ポリエステル樹脂のアクリル
    樹脂成分が、(A)アルキルメタクリレート(MA)5
    0モル%以上94モル%以下、(B)エポキシ基含有ア
    クリル系モノマー(MB)3モル%以上30モル%以
    下、及び(C)アルキルアクリレート(MC)3モル%
    以上30モル%以下からなる成分を主成分とし、該主成
    分が下記式(1)および(2)を満足する請求項1また
    は2に記載の複合ポリエステルフイルム。 【数1】 1≦ MA/(MB+MC)≦10 ・・・ 0.1≦ MB/MC ≦20 ・・・
  4. 【請求項4】 皮膜層Aが、(1)アクリル−ポリエス
    テル樹脂40重量%以上89重量%以下、(2)平均粒
    径が5nm以上50nm以下の不活性粒子1重量%以上
    20重量%以下、及び(3)界面活性剤10重量%以上
    50重量%以下からなる成分を主成分とし、該不活性粒
    子によって形成される突起の、高さ/半値幅比が0.3
    以上0.8以下であり、かつポリエステルフィルムの皮
    膜層A形成面と反対側の表面(B面)の粗さRaが2n
    m以上10nm以下である請求項1〜3のいずれかに記
    載の複合ポリエステルフイルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルフィルムがポリエチレンテ
    レフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレンジ
    カルボキシレートからなるフィルムである請求項1に記
    載の複合ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 ポリエステルフィルムの厚さが7μm未
    満である請求項1〜5のいずれかに記載の複合ポリエス
    テルフィルム。
  7. 【請求項7】 フィルムの皮膜層A面が磁性層の強磁性
    金属薄膜層を設ける面である請求項1〜6のいずれかに
    記載の複合ポリエステルフイルム。
  8. 【請求項8】 デジタル記録方式の磁気テープに用いら
    れる請求項7に記載の複合ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の複合ポリエス
    テルフイルムをベースフィルムとして用いた磁気記録媒
    体。
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